JPH09311698A - 背景雑音消去装置 - Google Patents

背景雑音消去装置

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JPH09311698A
JPH09311698A JP8125947A JP12594796A JPH09311698A JP H09311698 A JPH09311698 A JP H09311698A JP 8125947 A JP8125947 A JP 8125947A JP 12594796 A JP12594796 A JP 12594796A JP H09311698 A JPH09311698 A JP H09311698A
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noise
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background noise
voice
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Shinsuke Takada
真資 高田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 音声期間及び雑音期間共に、従来より音質を
高める。 【解決手段】 音声期間では、背景雑音推定手段におけ
る推定雑音信号の更新を停止させるか、又は、雑音期間
より遅い入力信号に対する追従速度で更新させるように
する。また、雑音消去演算手段からの雑音消去演算後の
出力信号を減衰させて周波数軸/時間軸変換手段に出力
するスペクトル減衰処理手段を設ける。さらに、雑音期
間において、入力信号を音質を変化させずに減衰する無
歪減衰手段と、雑音期間においては、無歪減衰手段から
の出力信号を当該装置の出力信号とする出力選択手段と
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は音声信号に重畳され
ている背景雑音を消去する背景雑音消去装置に関し、例
えば、電話機の送話部に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】設置形にしろ携帯形にしろ電話機等の音
声処理装置の使用環境において、背景雑音が、入力され
た音声信号の品質を低下させていることが多く、そのた
め、入力された音声信号から、それに重畳されている背
景雑音を消去する背景雑音消去装置が既に提案されてい
る。
【0003】文献:『谷口賢一、津村尚志、福留公利共
著、“適応的に雑音を推定するスペクトルサブストラク
ション法”、信学技報、TECHNICAL REPORT OF IECE SP9
4-116(1995-03)』従来、この種の背景雑音消去装置とし
て、図2に示す構成を有する上記文献に開示されたもの
があった。
【0004】図2において、この背景雑音消去装置の入
力端子100には、マイクロホンや音声記憶再生装置等
(図示せず)から、まず最初に背景雑音(以下、単に雑
音と呼ぶ)が入力され、その後、音声信号と雑音が混在
した信号が入力される。この入力端子100から入力さ
れた入力信号は、アナログ/デジタル変換器(以下、A
/D変換器と呼ぶ)101において、デジタル信号に変
換された後、さらに、高速フーリエ変換演算器(以下、
FFT演算器と呼ぶ)102において、フレーム毎への
分割、窓関数演算、及び、高速フーリエ変換が施され
る。FFT演算器102から出力された信号から、加算
器105において、後で詳述する雑音推定部106から
出力された推定雑音信号が減算され、その減算後の信号
が、逆高速フーリエ変換演算器(以下、逆FFT演算器
と呼ぶ)107において、フレーム分のデータ毎に逆高
速フーリエ変換が施され、さらに、デジタル/アナログ
変換器(以下、D/A変換器と呼ぶ)108において、
アナログ信号に変換され、出力端子109を介して、ス
ペーカ、電話回線等(図示せず)に出力される。
【0005】次に、雑音推定部106の構成及び動作に
ついて詳述する。雑音推定部106は、雑音スペクトル
記憶部103と雑音スペクトル更新部104からなる。
【0006】雑音スペクトル更新部104には、雑音ス
ペクトル記憶部103からの出力信号Ni,k (但し、k
は分析フレーム順序を表し、iは周波数を表す)と、加
算器105からの(1) 式に従う出力信号Ei,k とが与え
られ、雑音スペクトル更新部104は、(2) 式に従っ
て、背景雑音のスペクトルを推定し、推定雑音信号Ni,
k+1 を雑音スペクトル記憶部103に与えて記憶させ
る。また、上記文献には、雑音スペクトル更新部104
に、さらに、FFT変換器102からの出力信号Xi,k
を与えて、(3) 式に従って、推定雑音信号Ni,k+1 を生
成することも記載されている。なお、(2) 式及び(3) 式
におけるμ及びμ’はそれぞれ、雑音推定の速度を決定
する雑音追従係数である。
【0007】 Ei,k =Xi,k −Ni,k …(1) Ni,k+1 =Ni,k +μEi,k …(2) Ni,k+1 =Ni,k +μ’Xi,k Ei,k …(3) 推定雑音信号Ni,k は、初期値0から分析が進む毎に入
力された雑音に追従するように更新される。更新された
推定雑音信号(雑音スペクトル)は雑音スペクトル記憶
部103に出力されて記憶され、次の分析フレームのタ
イミングにおいて、読み出されて雑音スペクトル更新部
104に与えられて雑音スペクトルの更新に使用される
と共に、加算機105に与えられて、(1) 式に示すよう
な減算処理により、FFT演算器102の出力信号にお
ける雑音の消去に用いられる。
【0008】ここで、従来の背景雑音消去装置への入力
信号が雑音のみであれば、雑音推定が収束した以降は、
Xi,k =Ni,k となり、Ei,k =0となる。
【0009】このような雑音推定部106により、音声
信号が入力される以前の区間において、雑音のスペクト
ルを推定しておく。また、雑音期間よりも短い音声期間
では雑音推定部106での更新がほとんどなされないよ
うに、雑音追従係数μ又はμ’の選定により、雑音推定
の追従速度を選択しておく。
【0010】雑音推定期間後においては、音声信号Si,
k に雑音Ni,k が重畳されており、このときには、従来
の背景雑音消去装置は以下のように動作する。
【0011】音声信号に雑音が重畳しているときには、
FFT演算器102からの出力信号Xi,k は(4) 式で表
される。ここで、上述したように、雑音期間において、
推定雑音信号Ni,k が真の雑音に追従していると、加算
器105からの出力信号Ei,k は(5) 式に示すようにな
り、雑音が低減できている。逆FFT演算器107以降
の動作は、雑音期間も、音声信号の入力期間も同様であ
る。
【0012】 Xi,k =Ni,k +Si,k …(4) Ei,k =Xi,k −Ni,k =Si,k …(5)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
背景雑音消去装置においては、以下のような課題を有す
るものであった。
【0014】(1) 雑音追従係数μ及びμ’が背景雑音に
瞬時に追従しないため、更新処理後の背景雑音(推定雑
音信号)が雑音期間において、トーン性の性質を持ち、
かつ、時間変動が細かいため、雑音期間での背景雑音が
不自然となり、かえって耳障りになることがある。
【0015】(2) 音声区間の音質確保のため背景雑音の
推定係数(雑音追従係数)を小さくする必要がある。背
景雑音の推定係数を小さくした場合、背景雑音推定の平
均効果は大きいが、推定速度が遅くなる。このため、背
景雑音消去装置の初期立ち上がり特性が悪い。
【0016】(3) 背景雑音の推定係数を小さくした場合
には推定速度が遅くなる。従って、背景雑音レベルが急
変した場合や、音声信号直後に背景雑音レベルの変動が
あった場合等では、音質が著しく劣化してしまう。
【0017】
【課題を解決するための手段】第1〜第6の本発明は共
に、時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号に変換する
時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周波数軸上の
入力信号に基づいて、その入力信号における背景雑音を
入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信号を形成す
る背景雑音推定手段と、変換された周波数軸上の入力信
号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算手段と、雑
音消去演算が施された周波数軸上の信号を時間軸上の信
号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを有する背景
雑音消去装置に関するものである。
【0018】そして、第1の本発明は、時間軸上又は周
波数軸上の入力信号に基づいて、入力信号が背景雑音だ
けを含む雑音期間にあるか、入力信号が音声信号を含む
音声期間にあるかを検出する音声検出手段を備えると共
に、上記背景雑音推定手段の内部に、音声期間におい
て、出力する推定雑音信号の値の更新を停止させる更新
停止部を設けたことを特徴とするものである。
【0019】このような構成により、雑音期間以外は背
景雑音推定手段の更新動作を停止でき、音声期間の信号
で誤更新された推定雑音信号を用いて雑音減衰を行なう
ことがなく、音質を劣化させるのを未然に防止すること
ができる。
【0020】また、第2の本発明は、時間軸上又は周波
数軸上の入力信号に基づいて、入力信号が背景雑音だけ
を含む雑音期間にあるか、入力信号が音声信号を含む音
声期間にあるかを検出する音声検出手段を備えると共
に、上記背景雑音推定手段の内部に、出力する推定雑音
信号の入力信号に対する追従速度を、雑音期間では音声
期間より高速になるように切り替える追従速度切替部を
設けたことを特徴とするものである。
【0021】このような特徴構成により、音声期間と雑
音期間とで、推定雑音信号の更新速度を変化させ、雑音
期間では高速に推定を行ない、音声期間では低速で更新
を行なうことができ、音声期間においても、音声周波数
以外に雑音があれば追従して推定値を更新でき、雑音推
定について大きな誤更新を発生して音質を劣化させるこ
とを未然に防止することができ、音声成分に重複しない
雑音を効果的に除去することができる。
【0022】さらに、第3の本発明は、雑音消去演算手
段からの出力信号を減衰させて周波数軸/時間軸変換手
段に出力するスペクトル減衰処理手段を設けたことを特
徴とするものである。
【0023】このスペクトル減衰処理手段の機能によ
り、音質の優れた雑音除去効果を得ることができる。
【0024】さらにまた、第4の本発明は、時間軸上又
は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信号が背景雑
音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が音声信号を
含む音声期間にあるかを検出する音声検出手段と、雑音
期間において、時間軸上又は周波数軸上の入力信号を音
質を変化させずに減衰する無歪減衰手段と、雑音期間に
おいては、上記無歪減衰手段からの出力信号を当該装置
の出力信号とする出力選択手段とを設けたことを特徴と
するものである。
【0025】このような特徴構成により、当該無歪減衰
手段へ入力された雑音の周波数成分の構成成分比を全く
変化させないように減衰でき、従来では歪みを受けて非
常に耳障りで不自然であった残留雑音を、自然な聴感で
減衰することができ、雑音期間での音質を向上すること
ができる。
【0026】また、第5の本発明は、第1、第3及び第
4の本発明の特徴構成を有するものであり、第1、第3
及び第4の本発明と同様に作用するものである。
【0027】さらに、第6の本発明は、第2、第3及び
第4の本発明の特徴構成を有するものであり、第2、第
3及び第4の本発明と同様に作用するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態 以下、本発明による背景雑音消去装置の第1の実施形態
を図面を参照しながら詳述する。
【0029】(A−1)第1の実施形態の構成 図1は、第1の実施形態の背景雑音消去装置の全体構成
を示すブロック図である。
【0030】図1において、この背景雑音消去装置は、
入力処理系として、入力端子1、A/D変換器2、窓関
数演算器3、FFT演算器4及び音声検出器28を備え
ている。
【0031】入力端子1には、マイクロホンや音声録音
再生装置等(図示せず)が接続されており、この入力端
子1を介して、当該背景雑音消去装置は入力されたアナ
ログ信号を取込む。入力信号は、背景雑音だけのことも
あり、また、背景雑音が重畳された音声信号のこともあ
り得る。
【0032】A/D変換器2は、入力されたアナログ信
号をデジタル信号へ変換し、音声検出器28及び窓関数
演算部3に出力するものである。解像度及びサンプリン
グ周波数は、音声信号に対する一般的なもので良い。
【0033】音声検出器28は、雑音が重畳された音声
信号の期間を検出し、言い換えると、音声期間と雑音単
独期間とを切り分け、音声検出信号を後述する各スイッ
チ6、9、18に与えるものである。音声検出器28と
しては、公知の音声検出方法を適用しているもので良
い。例えば、長期間(例えば500ms)信号及び短期
間(例えば40ms)信号のパワー平均値の差を監視す
る方法や、相関係数を計算する方法や、LPC係数を計
算してその変化を検出する方法等、音声信号を正しく検
出できる方法であれば、どのようなものであっても良
い。
【0034】窓関数演算器3は、A/D変換器2からの
デジタル信号を予め決定したフレーム長(例えば32m
s分)に分割すると共に、この分割処理で発生する高周
波数成分を防ぐため、窓関数処理を施すものであり、そ
の処理後の信号をFFT演算器4に出力するものであ
る。ここで、窓関数処理は、公知のハミング窓、ハミン
グ窓、ブラックマン窓などの窓関数を用いて実施すれば
十分である。
【0035】FFT演算器4は、FFT演算を実行する
ことにより、時間軸上の信号を、周波数スペクトル成分
(周波数軸上の信号)に変換して、後述するスイッチ
6、背景雑音推定部7及び加算器5に出力するものであ
る。また、FFT演算器4は、FFT演算の結果、得ら
れた位相情報を、後述する位相保持器29に出力するも
のである。なお、FFT演算方法は公知の計算法である
ので説明は省略する。
【0036】また、この第1の実施形態の背景雑音消去
装置は、背景雑音を消去するための構成として、加算器
5及び背景雑音推定部30を備えている。背景雑音推定
部30は、オンオフスイッチ6、背景雑音更新部7及び
背景雑音保持部8から構成されている。
【0037】スイッチ6には、FFT演算器4の出力ス
ペクトル信号が入力信号として与えられていると共に、
音声検出器28による音声検出信号が制御信号として与
えられている。スイッチ6は、音声検出信号が雑音だけ
の期間(以下、雑音期間と呼ぶ)を示しているときに閉
成しており、FFT演算器4から出力されたスペクトル
信号Xf,k (但し、kは分析フレーム順序を表し、fは
周波数を表す)を通過させて背景雑音更新部7に与える
ものである。一方、スイッチ6は、音声検出信号が音声
期間を示しているときに開放して、FFT演算器4から
の出力スペクトル信号の通過を阻止するものである。す
なわち、背景雑音更新部7には、雑音期間においての
み、FFT演算器4からのスペクトル信号Xf,k が与え
られるようになされている。
【0038】背景雑音更新部7には、背景雑音保持部8
から1分析フレーム前の推定雑音信号N’f,k-1 も与え
られており、背景雑音更新部7は、(6) 式に従って、現
分析フレームの推定雑音信号N’f,k を形成して背景雑
音保持部8及び加算器5に与えるものである。また、背
景雑音保持部8は、与えられた推定雑音信号N’f,kを
1分析フレームだけ遅延させて背景雑音更新部7に与え
るものである。なお、(6) 式におけるaは、1>a>0
の定数であって、雑音推定の速度を決定する定数であ
る。また、推定雑音信号の初期値N’f,0 は0に選定さ
れている。
【0039】 N’f,k =a・N’f,k-1 +(1−a)・Xf,k …(6) この(6) 式からは、背景雑音の分析が進んで、推定雑音
信号N’f,k-1 =Xf,k となったときには、N’f,k =
Xf,k となることが分かる。すなわち、音声信号がない
場合には、FFT演算器4からのスペクトル信号Xf,k
は、背景雑音スペクトルNf,k となっており、(6) 式に
示す背景雑音推定アルゴリズムの繰返しにより、雑音の
スペクトルを正しく推定できた時点では、推定雑音信号
N’f,kは、本来の雑音スペクトルNf,k (=Xf,k )
に収束することが分かる。
【0040】背景雑音更新部7からの推定雑音信号N’
f,k は加算器5及び後述する帯域別スペクトル減衰処理
部17に出力される。
【0041】加算器5には、背景雑音更新部7からの推
定雑音信号N’f,k が減算入力として与えられており、
また、FFT演算器4からのスペクトル信号Xf,k が被
減算入力として与えられており、加算器5は、(7) 式に
従った減算処理を実行して、スペクトル信号Xf,k に含
まれている雑音成分を消去し、残差成分(消去残り成
分)Ef,k を得て後述するオンオフスイッチ9に出力す
る。なお、雑音期間においては、Nf,k =Xf,k である
ので、残差成分(消去残り成分)Ef,k は、(8)式で表
すことができる。
【0042】 Ef,k =Xf,k −N’f,k …(7) Ef,k =Nf,k −N’f,k …(8) ここで、背景雑音推定部30からの推定雑音信号N’f,
k は、スイッチ6のオンオフ制御により、雑音期間では
適宜更新されるが、音声期間では雑音期間の最終タイミ
ングでの値が維持される。加算器5は、このような推定
雑音信号N’f,k の更新の有無を問わず(期間を問わ
ず)、FFT演算器4からのスペクトル信号Xf,k に対
して、(7) 式に対する消去演算を実行する。
【0043】さらに、この第1の実施形態の背景雑音消
去装置は、音声期間において、加算器5から出力された
雑音消去スペクトル信号Ef,k を帯域別に減衰させる帯
域別スペクトル減衰処理部17を備えている。この帯域
別スペクトル減衰処理部17は、帯域分割器10、帯域
別減衰演算部11、パワー計算部12、対数計算部1
3、帯域別信号対雑音比計算部(以下、帯域s/n計算
部と呼ぶ)14、帯域別減衰量計算部15及び平滑演算
部16からなっている。また、この帯域別スペクトル減
衰処理部17を音声期間だけ有効に機能させるため、こ
の帯域別スペクトル減衰処理部17の入力段及び出力段
にはそれぞれ、オンオフスイッチ9及び2入力1出力ス
イッチ18が設けられている。
【0044】なお、この第1の実施形態においては、加
算器5からの出力信号を複数の帯域に分割することによ
り、音声信号の品質向上を行なう例を示しているが、音
声品質に影響が少ない場合は、帯域別に分割せず、1個
の全処理対象周波数帯域で減衰処理を実施するようにし
ても良い。
【0045】スイッチ9には、音声検出器28による音
声検出信号が制御信号として与えられており、スイッチ
9は、雑音期間のときに開放して加算器5からの出力ス
ペクトル信号Ef,k の通過を阻止し、音声期間のときに
閉成して加算器5からの出力スペクトル信号Ef,k を帯
域分割器10に与えるものである。
【0046】帯域分割器10は、入力されたスペクトル
信号Ef,k の成分をいくつかの複数の帯域(以下、チャ
ンネルと呼ぶ)毎に分割する。分割方法としては、例え
ば、300〜3400Hzの帯域(スペクトル信号Ef,
k の有効帯域)を310Hzの帯域広がりを持つ小周波
数帯域に10個に等分割する方法を適用することができ
る。また、分割方法は、適用する雑音の特性に応じて、
分割帯域の大小を適宜変更しても良く、等分割に限定さ
れるものではない。帯域分割器10からの帯域分割音声
信号は帯域別減衰演算部11及びパワー計算部12に与
えられる。
【0047】また、帯域分割器10には、背景雑音更新
部7からの推定雑音信号N’f,k も与えられており、帯
域分割器10は、この信号も同様にして複数の帯域に分
割し、帯域分割雑音信号もパワー計算部12に与える。
【0048】パワー計算部12は、(9) 式に従って、チ
ャンネル別に音声パワーPch(m,k)を計算すると共
に、(10)式に従って、チャンネル別の雑音パワーNch
(m,k)を計算するものである。パワー計算部12に
よって得られたチャンネル別の音声パワーPch(m,
k)及び雑音パワーNch(m,k)は、対数計算部13
に与えられる。ここで、mがチャンネル番号を表してお
り、また、(9) 式及び(10)式における総和は、そのmチ
ャンネルの下限周波数fme及び上限周波数fms間の全て
の周波数成分f(fme〜fms)についてである。
【0049】 Pch(m,k)=Σ(Ef,k ) …(9) Nch(m,k)=Σ(N’f,k ) …(10) 対数変換部13は、チャンネル別の音声パワーPch
(m,k)及び雑音パワーNch(m,k)のそれぞれに
対して、対数変換を施し、対数変換後のチャンネル別の
音声パワーlog(Pch(m,k))及び雑音パワーl
og(Nch(m,k))を帯域s/n計算部14に出力
するものである。ここでの対数変換方法としては、参照
表を用いる方法や線形近似を用いる方法等の公知の方法
を適用することができる。
【0050】なお、この第1の実施形態では、対数を計
算して後述の帯域別s/n計算部14での演算精度の向
上を計っているが、S/Nの推定の精度がそれほど重要
でない環境で使用する場合には、この対数計算部13を
省略しても良い。
【0051】帯域s/n計算部14は、対数計算部13
からの対数表現されているパワー信号log(Nch
(m,k))、log(Pch(m,k))に対して、(1
1)式を適用して、チャンネル別の対数表現された信号対
雑音パワー比S/Nch(m,k)計算して帯域別減衰演
算部11に与えるものである。
【0052】 S/Nch(m,k) =log(Pch(m,k))−log(Nch(m,k)) …(11) 帯域別減衰量計算部15は、このチャンネル別の対数表
現された信号対雑音パワー比S/Nch(m,k)に基づ
いて、帯域分割器10から出力された各チャンネルの音
声スペクトル信号に対する減衰量を計算して帯域別減衰
演算部11に与えるものである。言い換えると、帯域分
割器10から出力された各チャンネルの音声スペクトル
信号のパワーPch(m,k)をどれだけ減衰させるかの
減衰ゲインL(m,k)を計算するものである。減衰ゲ
インL(m,k)の決定のしかたは、例えば、経験則を
予め参照表として作成しておき、対数表現された信号対
雑音パワー比S/Nch(m,k)をキーとして参照表か
ら減衰ゲインを参照するようにしても良く、また、経験
則等によって(12)式のような数式を形成しておき、対数
表現された信号対雑音パワー比S/Nch(m,k)をそ
の数式に適用することにより減衰ゲインを決定するよう
にしても良い。なお、(12)式におけるβは定数である。
【0053】 L(m,k)=−10/3・S/Nch(m,k)+20−β …(12) ここで、減衰ゲインの決定方法は、参照表を用いるにし
ろ、(12)式のような変換式を適用するにしろ、低S/N
のチャンネルを集中して減衰させるようなものになって
いる(例えば(12)式はS/Nに対して逆比例してい
る)。すなわち、雑音成分の多いチャンネル成分を大き
く減衰し、音声成分の多いチャンネルはさほど減衰させ
ないようなものになっている。
【0054】帯域別減衰演算部11は、帯域別減衰量計
算部15からの減衰ゲインL(m,k)を用いて、(13)
式に従って、帯域分割器10からの各チャンネルの周波
数成分に減衰を加えて平滑演算部16に出力するもので
ある。従って、各チャンネルのパワーは、(14)式に示す
ように減衰される。なお、この明細書において、下線付
き符号はベクトルを表している。
【0055】 P’ch(m,k)=L(m,k)・Pch(m,k) …(13) 但し、P’ch(m,k)={E’fms,k ,・・・,E’
fme,k }Pch(m,k) ={Efms,k ,・・・,Efme,k }であ
る。
【0056】 P’ch(m,k)=L(m,k)・Pch(m,k) …(14) 平滑演算部16は、帯域別減衰演算部11からの出力信
P’ch(m,k)と、1分析フレーム前の自己からの
出力信号Och(m,k−1)とを、(15)式に示すよう
に、重み付け定数γ(1>γ>0)を用いて重み付け加
算することにより、帯域別減衰演算部11からの出力信
P’ch(m,k)を平滑化した信号Och(m,k)
形成して2入力1出力スイッチ18の一方の入力端子b
に与えるものである。
【0057】 Och(m,k)= γ・P’ch(m,k)+(1−γ)・Och(m,k−1) …(15) スイッチ18には、音声検出器28による音声検出信号
が制御信号として与えられており、スイッチ18は、雑
音期間のときに、入力端子aに与えられている後述する
無歪減衰部23からの信号を選択して逆FFT演算器1
9に与えると共に、音声期間のときに、入力端子bに与
えられている帯域別スペクトル減衰処理部17の平滑演
算部16からの信号を選択して逆FFT演算器19に与
えるものである。
【0058】また、この第1の実施形態の背景雑音消去
装置は、雑音期間において、FFT演算器4の出力信号
及び加算器5の出力信号から逆FFT演算器19に与え
る信号を形成する無歪減衰部23を備えている。無歪減
衰部23は、パワー監視器24、パワー減衰量計算部2
5、減衰量平滑演算部26及びパワー減衰部27から構
成されている。
【0059】パワー監視器24は、(16)式に従って、加
算器5の出力スペクトル信号(推定残差信号)Ef,k の
スペクトルパワーPEを計算すると共に、(17)式に従っ
て、FFT演算器4の出力スペクトル信号Xf,k のスペ
クトルパワーPXを計算し、パワー減衰量計算部25に
与えるものである。なお、(16)式及び(17)式における総
和Σは、全ての周波数成分について行なう。
【0060】 PEk =ΣEf,k …(16) PXk =ΣXf,k …(17) この第1の実施形態においては、上述のように、処理す
る対象の全周波数の総和を求めるようにしているが、い
くつかの帯域に分割してスペクトルパワーPEk 、PX
k を計算しても良い。
【0061】パワー減衰量計算部25は、(18)式に従っ
て、FFT演算器4の出力信号Xf,k に対する減衰量の
基本的な値LXk を計算し、減衰量平滑演算部26に出
力するものである。
【0062】 LXk =PEk /PXk …(18) 減衰量平滑演算部26では、処理対象フレーム毎の急
峻、不連続に減衰量LXk が変動しても、処理音のレベ
ルが不連続にならないように、言い換えると音感が自然
で良好であるように、減衰量LXk を連続にするため
に、パワー減衰量計算部25からの減衰量LXk に対し
て、平滑係数δ(1>δ>0)を用いた(19)式に従った
平滑演算を行なってスムーズゲインLXsm,kを求めてパ
ワー減衰部27に出力するものである。
【0063】 LXsm,k=δ・(LXsm,k-1)+(1−δ)・LXk …(19) ここで、平滑係数δは、平滑演算の平滑化速度を決定す
る係数であり、使用したい使用環境や雑音に応じて適宜
決定すれば良い。
【0064】パワー減衰部27は、(20)式に示すよう
に、FFT演算器4の出力信号Xf,kに対して、減衰量
平滑演算部26からの平滑処理後の減衰量LXsm,kで減
衰させ、減衰後の信号Xlf,kを、上述したスイッチ18
の一方の入力端子aに出力するものである。
【0065】 Xlf,k=LXsm,k・Xf,k …(20) ここで、減衰処理後のスペクトル信号Xlf,kは、減衰処
理前のスペクトル信号Xf,k の周波数成分の構成成分比
を全く変化させず、パワーだけを減衰させた自然な音感
を再現するスペクトル成分として得られるのである。
【0066】さらに、この第1の実施形態の背景雑音消
去装置は、出力処理系として、逆FFT演算器19、窓
関数オーバラップ処理部20、D/A変換器21及び出
力端子22を備えている。また、上述したように、入力
処理系での位相情報を出力処理系に引き渡すための位相
保持器29を備えている。
【0067】位相保持器29は、FFT演算器4による
FFT演算の結果得られた位相情報を保持し、逆FFT
演算器19に引き渡すものである。
【0068】逆FFT演算器19には、この位相情報に
加え、スイッチ18による選択動作によって、雑音期間
では、パワー減衰部27からの出力スペクトル信号が与
えられ、音声期間では、平滑演算部16からの出力スペ
クトル信号が与えられる。逆FFT演算器19は、平滑
演算部16又はパワー減衰部27の出力スペクトル信号
に対して、位相保持器29に保持された位相を有するよ
うに、逆FFT処理を施して、周波数軸の信号を時間軸
の信号に変換し、窓関数オーバーラップ演算部20に出
力するものである。
【0069】窓関数オーバーラップ演算部20は、上述
した窓関数演算部3における窓関数の時間軸信号への影
響を相殺するために、2〜3の窓関数を、例えば時間軸
で50%の重複率でオーバーラップして互いに加算し、
その加算後の信号(デジタル信号)をD/A変換器21
に出力するものである。ここで、オーバーラップの比率
は50%に限定されるものではなく、また、オーバーラ
ップさせるフレームの数も2〜3に限定されるものでは
ない。
【0070】D/A変換器21は、雑音除去処理が施さ
れた音声期間でのデジタル信号でなる音声信号やパワー
が減衰された雑音期間でのデジタル信号でなる雑音信号
をアナログ信号に変換して、出力端子22から、所望の
機器、例えば、スピーカ、録音機等(図示せず)に出力
するものである。
【0071】(A−2)第1の実施形態の動作 次に、以上のような各部からなる第1の実施形態の背景
雑音消去装置の動作を説明する。
【0072】ここで、当該背景雑音消去装置への入力信
号は音声帯域の信号であり、この入力信号は、最初に雑
音期間があった後に音声期間があり、以下、雑音期間及
び音声期間が交互に生じるものである。なお、記憶媒体
からの入力信号の場合、最初に雑音期間がない場合もあ
り得るが、以下では、最初に雑音期間があるとして説明
を行なう。
【0073】雑音期間又は音声期間を問わず、入力端子
1から当該背景雑音消去装置に入力された入力信号(ア
ナログ信号)は、A/D変換器2によってデジタル信号
に変換された後、窓関数演算器3において、予め決定さ
れているフレーム長に分割された後、各分析フレーム毎
の入力信号に対して、分割処理で発生する高周波数成分
を防ぐために、窓関数処理が施され、さらに、FFT演
算器4において、FFT演算が行なわれて、時間軸の信
号から周波数軸の信号(スペクトル信号)に変換され
る。このFFT演算の際に得られた位相情報は位相保持
器29に与えられて保持される。
【0074】上述したA/D変換器2からの出力信号は
音声検出器28にも出力され、この音声検出器28によ
って雑音期間か音声期間かが検出される。
【0075】ここで、入力信号の最初は音声期間である
ので、音声検出器28からの検出信号により、スイッチ
6が閉成され、スイッチ9が開放され、スイッチ18が
無歪減衰部23側の入力端子aに接続される。
【0076】背景雑音推定部30においては、以上のよ
うに、雑音期間でスイッチ6が閉成され、これにより、
FFT演算器4からのスペクトル信号(雑音のスペクト
ル信号)が背景雑音更新部7に入力され、波形雑音更新
部7及び背景雑音保持部8の機能により、背景雑音更新
部7からは、FFT演算器4からの雑音のスペクトル信
号に追従した推定雑音信号が加算器5に出力される。な
お、背景雑音更新部7からの推定雑音信号は、帯域分割
器10にも与えられるが、この信号に対する帯域分割器
10の処理については、後述する音声期間の動作で説明
する。加算器5においては、FFT演算器4からの雑音
のスペクトル信号から、背景雑音更新部7からの推定雑
音信号を減じることにより、推定残差信号を得て、無歪
減衰部23のパワー監視器24に与える。なお、後述す
る音声期間においては、加算器5からの信号は、雑音を
消去した音声信号(消去残差を含む)になっている。
【0077】無歪減衰部23においては、パワー監視器
24において、FFT演算器4からの雑音のスペクトル
信号におけるスペクトルパワーとこの雑音推定の残差信
号のスペクトルパワーとが計算され、パワー減衰量計算
部25において、これら両スペクトルパワーに基づい
て、FFT演算器4からの雑音のスペクトル信号に対す
る減衰量が計算され、減衰量平滑演算部26において、
雑音の急峻、不連続な変化に減衰量が影響しないよう
に、パワー減衰量計算部25からの減衰量が平滑化され
る。そして、パワー減衰部27において、FFT演算器
4からの雑音のスペクトル信号が、その周波数成分の構
成成分比を全く変化させないように、減衰量平滑演算部
26からの減衰量に基づいてパワーだけが減衰され、こ
のようにして自然な音感を維持するように減衰された雑
音のスペクトル信号がスイッチ18を介して逆FFT演
算器19に与えられる。
【0078】逆FFT演算器19において、パワー減衰
部27からの出力スペクトル信号は、位相保持器29に
保持された位相を有するように、逆FFT処理を施され
て、時間軸の信号に変換され、さらに、窓関数オーバー
ラップ演算部20において、窓関数演算部3における窓
関数の時間軸信号への影響を相殺すべく、2〜3の窓関
数が、例えば時間軸で50%の重複率でオーバーラップ
して互いに加算され、その加算後の信号(デジタル信
号)がD/A変換器21においてデジタル信号に変換さ
れて出力端子22から次段の処理装置に出力される。
【0079】以上のように、入力信号が雑音期間にある
ときには、入力信号に追従するように、背景雑音推定部
30において、推定雑音信号が形成されると共に、無歪
減衰部23において、雑音が、音量が急峻に変化するこ
とがないような自然な聴感で減衰されて出力される。
【0080】このような雑音期間が終り、入力信号が音
声期間に入ると、音声検出器28がそのことを検出し、
スイッチ6が開放され、スイッチ9が閉成され、スイッ
チ18が帯域別スペクトル減衰処理部17側の入力端子
bに接続される。
【0081】なお、この音声期間においても、無歪減衰
部23は入力信号があるので動作しているが、スイッチ
18によって、その出力側が切り離されているので、存
在しないに等しくなっている。
【0082】背景雑音推定部30においては、上述した
ように、音声期間ではスイッチ6が開放され、FFT演
算器4からの出力スペクトル信号が背景雑音更新部7に
与えられないので、背景雑音更新部7は更新動作しても
その直前の値に更新することになり(すなわち、更新動
作していないのに等しく)、背景雑音更新部7からは、
雑音期間の終了時点での推定雑音信号が各分析フレーム
で繰返して加算器5、及び、帯域別スペクトル減衰処理
部17の帯域分割器10に与えられる。
【0083】この音声期間では、加算器5には、FFT
演算器4から雑音が重畳されている音声スペクトル信号
が与えられており、この加算器5において、その音声ス
ペクトル信号から、雑音期間終了時点の値に固定されて
いる推定雑音信号が減じられて雑音成分が消去され(消
去残差を含む)、閉成状態にあるスイッチ9を介して、
雑音消去後の音声スペクトル信号が帯域別スペクトル減
衰処理部17の帯域分割器10に与えられる。
【0084】帯域別スペクトル減衰処理部17において
は、まず、帯域分割器10において、雑音消去後の音声
スペクトル信号と、背景雑音更新部7からの雑音期間終
了時点での推定雑音信号とがそれぞれ複数の帯域に分割
される。
【0085】その後、分割された帯域毎に、パワー計算
部12において、推定雑音信号、及び、雑音消去後の音
声スペクトル信号のパワーが計算され、対数計算部13
において、そのパワーの対数値が求められ、帯域s/n
計算部14において、2種類のパワー対数値に基づいて
S/N比が計算され(推定され)、帯域別減衰量計算部
15において、そのS/N比に基づいて、雑音成分の多
い帯域ほど大きく減衰させるような、帯域毎の雑音消去
後の音声スペクトル信号に対する減衰量が計算される。
【0086】そして、帯域分割器10から出力された帯
域毎の雑音消去後の音声スペクトル信号が、帯域別減衰
演算部11において、帯域別減衰量計算部15から出力
された帯域別の減衰量で減衰され、その後、平滑演算部
16において、減衰処理後のスペクトル信号が平滑化さ
れて、帯域別減衰演算部11からの信号が急峻な変化を
含んでいてもそれを弱める。
【0087】以上のような帯域別減衰処理が施された当
該帯域別スペクトル減衰処理部17からの音声スペクト
ル信号が、音声検出信号によって当該帯域別スペクトル
減衰処理部17側を選択しているスイッチ18を介し
て、逆FFT演算器19に与えられる。
【0088】以下、雑音期間と同様にして、逆FFT演
算器19において、平滑演算部16からの出力スペクト
ル信号は、位相保持器29に保持された位相を有するよ
うに、逆FFT処理を施されて、時間軸の信号に変換さ
れ、さらに、窓関数オーバーラップ演算部20におい
て、窓関数演算部3における窓関数の時間軸信号への影
響を相殺すべく、2〜3の窓関数が、例えば時間軸で5
0%の重複率でオーバーラップして互いに加算され、そ
の加算後の信号(デジタル信号)がD/A変換器21に
おいてデジタル信号に変換されて出力端子22から次段
の処理装置に出力される。
【0089】以上のように、入力信号が音声期間にある
ときには、背景雑音推定部30における推定雑音信号の
新たな値への更新を停止させて、その固定化された推定
雑音信号に基づいて音声信号に重畳されている雑音を消
去させると共に、その雑音消去後の音声スペクトル信号
に対して、帯域別スペクトル減衰処理部17において、
帯域別にs/n比を推定して、推定したs/n比が小さ
い帯域ほど集中的に減衰させた後、平滑することによ
り、音量が急峻に変動して不自然になるのを防止し、自
然で明瞭な音質を得ている。
【0090】なお、音声期間が終了し、次の雑音期間に
なった場合にも上述した雑音期間での動作が実行され、
この雑音期間の次の音声期間においても上述した音声期
間での動作が実行される。
【0091】(A−3)第1の実施形態の効果 第1の実施形態の背景雑音消去装置によれば、音声検出
器28からの検出結果によって動作するスイッチ6を設
け、雑音期間以外は背景雑音推定部7の更新動作を停止
するようにしたので、音声期間の信号で誤更新された推
定雑音信号を用いて雑音減衰を行なうことがなく、音質
を劣化させるのを未然に防止することができる。
【0092】また、第1の実施形態の背景雑音消去装置
によれば、雑音期間において有効に動作する無歪減衰部
23を設け、この無歪減衰部23へ入力された雑音スペ
クトル信号の周波数成分の構成成分比を全く変化させな
いように減衰させるようにしたので、従来では歪みを受
けて非常に耳障りで不自然であった残留雑音を、自然な
聴感で減衰することができ、雑音期間での音質を向上す
ることができる。
【0093】かくするにつき、この無歪減衰部23にお
いて、減衰量平滑演算部26を用いて減衰量を平滑処理
した後、減衰処理に適用するようにしたので、減衰量が
急峻な変化を起こすのを防止でき、雑音音量が急峻に変
化して不自然になるのを防止することができる。
【0094】さらに、第1の実施形態の背景雑音消去装
置によれば、帯域別スペクトル減衰処理部17におい
て、音声期間でS/Nを推定し、低S/Nのチャンネル
(帯域)を集中して減衰するようにしたので、すなわ
ち、雑音成分の多いチャンネル成分を大きく減衰し、音
声成分の多いチャンネルはさほど減衰させないようにし
たので、音質の優れた雑音除去効果を得ることができ
る。
【0095】かくするにつき、帯域別スペクトル減衰処
理部17内に平滑演算部16を設けて減衰量が急峻な変
化を起こすのを防止するようにしたので、雑音消去及び
減衰処理された音声信号の音量が急峻に変動して不自然
になるのを防止でき、音声期間において雑音成分の除去
された自然で明瞭な音質を得ることができる。
【0096】(B)第2の実施形態 次に、本発明による背景雑音消去装置の第2の実施形態
を図面を参照しながら詳述する。
【0097】図3は、第2の実施形態の背景雑音消去装
置の全体構成を示すブロック図であり、上述した図1と
の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0098】図3及び図1との比較から明らかなよう
に、この第2の実施形態の背景雑音消去装置は、第1の
実施形態の背景雑音消去装置におけるスイッチ9を、係
数決定部42に置き換えている点が異なっている。
【0099】この係数決定部42にも、音声検出器28
からの音声検出信号が与えられており、係数決定部42
は、音声期間と雑音期間とで、背景雑音更新部7が推定
雑音信号N’f,k の更新演算に用いる下記に再掲載する
(6) 式の雑音推定速度決定係数aを切り替えるものであ
る。
【0100】 N’f,k =a・N’f,k-1 +(1−a)・Xf,k …(6) すなわち、第1の実施形態においては、音声期間では推
定雑音信号N’f,k の更新を停止していたが、この第2
の実施形態においては、音声期間においても、雑音期間
と異なる雑音推定速度決定係数aを用いて推定雑音信号
N’f,k を更新するようにしている。より具体的に述べ
ると、音声期間では、推定雑音信号N’f,k の更新を遅
くして背景雑音更新処理の際に音声信号が反映されない
ようにすべく雑音推定速度決定係数a(以下、音声期間
での係数をa1で表す)を大きくし、雑音期間では、素
早く雑音に追従できるように雑音推定速度決定係数a
(以下、雑音期間での係数をa0で表す)を小さくす
る。
【0101】これら各期間での係数a0、a1(1>a
0>0、1>a1>0)の値はa0<a1を満足するな
らば任意に選定すれば良いが、一例としては、雑音期間
ではa0=0.1、音声期間ではa1=0.9にすれば
良い。
【0102】このように、第2の実施形態の場合、背景
雑音更新部7には、係数決定部42から、雑音期間及び
音声期間で異なる雑音推定速度決定係数a0又はa1が
与えられるので、背景雑音更新部7は、雑音期間では(2
1)式に従って推定雑音信号N’f,k を形成し、音声期間
では(22)式に従って推定雑音信号N’f,k を形成してい
ることになる。
【0103】 N’f,k =a0・N’f,k-1 +(1−a0)・Xf,k …(21) N’f,k =a1・N’f,k-1 +(1−a1)・Xf,k …(22) ここで、雑音期間においては、FFT演算器4からの出
力スペクトル信号Xf,k は背景雑音スペクトルNf,k そ
のものであり、背景雑音更新部7が、雑音スペクトルを
正しく推定できた時点で自動的に背景雑音推定アルゴリ
ズムによる推定値は収束する。分析フレーム毎の(21)式
の繰返し演算により、このように収束したときにはN’
i,k-1 =Xf,k となり、その結果N’f,k =Xf,k とな
る。
【0104】そして、雑音期間が終了して音声期間にな
ったときには、この第2の実施形態においては、上述し
たように、係数をa0からa1に切り替えて雑音推定を
継続する。これにより、音声期間においても、雑音変動
に追従した推定雑音信号を形成でき、除去をする雑音と
音声信号の周波数線分が離れているようなとき等に、有
効に音声品質を確保できるようになる。
【0105】なお、この第2の実施形態においても、背
景雑音推定部30以外の各部での動作は、第1の実施形
態と同様であるので、その動作説明は省略する。
【0106】従って、この第2の実施形態の背景雑音消
去装置によれば、音声検出器28からの検出結果によっ
て、背景雑音の推定値の更新速度を変化させ、雑音期間
では高速に推定を行ない、音声期間では低速で更新を行
なうようにしたので、音声期間においても、音声周波数
以外に雑音があれば追従して推定値を更新でき、雑音推
定について大きな誤更新を発生して音質を劣化させるこ
とを未然に防止することができ、音声成分に重複しない
雑音を効果的に除去することができる。
【0107】また、この第2の実施形態の背景雑音消去
装置によっても、無歪減衰部23及び帯域別スペクトル
減衰処理部17を備えているので、第1の実施形態と同
様に、これらを備えたことによる効果を奏することは勿
論である。
【0108】(C)第3の実施形態 次に、本発明による背景雑音消去装置の第3の実施形態
を図面を参照しながら詳述する。
【0109】図4は、第3の実施形態の背景雑音消去装
置の全体構成を示すブロック図であり、上述した図1と
の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0110】図4及び図1との比較から明らかなよう
に、この第3の実施形態の背景雑音消去装置は、第1の
実施形態の背景雑音消去装置における帯域別スペクトル
減衰処理部17の入力段に設けられていたスイッチ9を
なくし、その代わりに、帯域別スペクトル減衰処理部1
7から出力されたスペクトル信号、すなわち、平滑演算
部16から出力されたスペクトル信号(この第4の実施
形態においてはXlf,kで表す)の通過・非通過を制御す
る、通過時にはそのスペクトル信号をパワー監視器24
に与えるスイッチ51を設けている点が異なっている。
【0111】スイッチ51にも音声検出器28から出力
された音声検出信号が与えられ、スイッチ51は、雑音
期間において閉成して、平滑演算部16から出力された
スペクトル信号Xlf,kを通過させてパワー監視器24に
与えると共に、音声期間において開放して、平滑演算部
16から出力されたスペクトル信号Xlf,kがパワー監視
器24に与えることを阻止するものである。
【0112】この第3の実施形態においては、帯域別ス
ペクトル減衰処理部17の入力段にはスイッチ9が設け
られていないので、雑音期間においても、帯域別スペク
トル減衰処理部17が有効に動作する。しかし、スイッ
チ18が雑音期間においては無歪減衰部23からのスペ
クトル信号を選択しているので、平滑演算部16(帯域
別スペクトル減衰処理部17)からの出力スペクトル信
号Xlf,kが逆FFT演算器19に入力されることはな
い。
【0113】一方、平滑演算部16からの出力スペクト
ル信号Xlf,kは、上述したように、雑音期間において、
スイッチ51を介してパワー監視器24に与えられる。
【0114】この第3の実施形態のパワー監視器24
は、(23)式に従って、平滑演算部16からのスペクトル
信号Xlf,kのスペクトルパワーPXl を計算すると共
に、(24)式に従って、FFT演算器4の出力スペクトル
信号Xf,k のスペクトルパワーPXを計算し、パワー減
衰量計算部25に与える。なお、(23)式及び(24)式にお
ける総和Σは、全ての周波数成分について行なう。
【0115】 PXlk=ΣXlf,k …(23) PXk =ΣXf,k …(24) この第3の実施形態のパワー減衰量計算部25は、(25)
式に従って、FFT演算器4の出力信号Xf,k に対する
減衰量の基本的な値LXk を計算し、減衰量平滑演算部
26に出力する。
【0116】 LXk =PXlk/PXk …(25) 第3の実施形態においても、無歪減衰部23内の減衰量
平滑演算部22及びパワー減衰部27の動作は、第1の
実施形態と同様である。
【0117】また、上述したように、帯域別スペクトル
減衰処理部17が雑音期間においても有効に動作する点
を除けば、無歪減衰部23以外の各部での動作は、第1
の実施形態と同様である。
【0118】以上のように、第1の実施形態と第3の実
施形態とは、無歪減衰部23のパワー監視部24に与え
る雑音期間における推定残差信号が、加算器5から出力
されたものを用いるか、加算器5から出力された信号に
対して帯域別のスペクトル減衰処理を施したものを用い
るかの相違はあるが、無歪減衰部23が、FFT演算器
4からの雑音スペクトルと、推定残差信号とに基づい
て、減衰量を定めている点は、第3の実施形態も第1の
実施形態と同様である。
【0119】この第3の実施形態の背景雑音消去装置に
よっても、無歪減衰部23のパワー監視部24に与える
雑音期間における推定残差信号が、加算器5から出力さ
れたものを用いるか、加算器5から出力された信号に対
して帯域別のスペクトル減衰処理を施したものを用いる
かの相違はあるが、全体の処理は第1の実施形態と同様
であるので、第1の実施形態と同様な効果を奏すること
ができる。
【0120】(D)第4の実施形態 次に、本発明による背景雑音消去装置の第4の実施形態
を図面を参照しながら詳述する。
【0121】図5は、第4の実施形態の背景雑音消去装
置の全体構成を示すブロック図であり、上述した図1と
の同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0122】図5及び図1との比較から明らかなよう
に、この第4の実施形態の背景雑音消去装置は、無歪減
衰部23が時間軸上の信号段階で雑音に対する無歪減衰
処理を実行する点が、第1の実施形態の背景雑音消去装
置と大きく異なっている。
【0123】すなわち、第4の実施形態の背景雑音消去
装置においては、具体的には、A/D変換器2の出力信
号を無歪減衰部23のパワー監視器24に与えると共
に、窓関数オーバラップ処理部20の出力信号を無歪減
衰部23のパワー監視器24に与え、また、無歪減衰部
23のパワー減衰部27からの出力信号を後述するスイ
ッチ62を介してD/A変換器21に与えるようにして
いる。また、音声期間において、帯域別スペクトル減衰
処理部17による処理が施された信号を当該装置からの
出力信号とすると共に、雑音期間において、無歪減衰部
23による処理が施された信号を当該装置からの出力信
号とするための構成として、第1の実施形態のスイッチ
9及び18を省略し、代わりに、窓関数オーバラップ処
理部20及びD/A変換器21間に介挿されたオンオフ
スイッチ61と、パワー減衰部27D/A変換器21間
に介挿されたオンオフスイッチ62とを設けている。
【0124】スイッチ61及び62にも、音声検出器2
8からの音声検出信号が与えられる。スイッチ61は、
音声期間において閉成して窓関数オーバラップ処理部2
0からの出力信号を通過させてD/A変換器21に与
え、雑音期間において開放して窓関数オーバラップ処理
部20からの出力信号の通過を阻止するものである。一
方、スイッチ62は、雑音期間において閉成して無歪減
衰部23、従って、パワー減衰部27からの出力信号を
通過させてD/A変換器21に与え、音声期間において
開放してパワー減衰部27からの出力信号の通過を阻止
するものである。
【0125】この第4の実施形態においても、帯域別ス
ペクトル減衰処理部17の入力段にはスイッチ9が設け
られていないので、雑音期間においても、帯域別スペク
トル減衰処理部17が有効に動作する。しかし、窓関数
オーバラップ処理部20の出力側に設けられたスイッチ
61は、音声期間のみ閉成するので、雑音期間におい
て、帯域別スペクトル減衰処理部17から出力され、そ
の後、逆FFT演算器19及び窓関数オーバラップ処理
部20で処理された信号はD/A変換器21には与えら
れない。
【0126】しかし、この第4の実施形態においては、
雑音期間において、帯域別スペクトル減衰処理部17か
ら出力され、その後、逆FFT演算器19及び窓関数オ
ーバラップ処理部20で処理された時間軸上の信号は、
無歪減衰部23のパワー監視器24に与えられるように
なされている。このパワー監視器24には、上述したよ
うに、A/D変換器2からの時間軸上の信号も与えられ
るようになされている。なお、無歪減衰部23は、その
出力段のスイッチ62が雑音期間でのみ閉成するので、
雑音期間でのみ有効に機能するものとなっている。
【0127】以上のように、第4の実施形態の無歪減衰
部23には、第1〜第3の実施形態と異なって時間軸上
の信号が入力されるので、第1〜第3の実施形態の無歪
減衰部23と異なる動作を行なう。
【0128】パワー監視器24は、A/D変換器2から
の出力信号xt,k のパワーPxt,kを、例えば(26)式に
従って計算すると共に、窓関数オーバーラップ処理部2
0からの出力信号wt,k のパワーPwt,k を、例えば(2
7)式に従って計算し、これら両パワーをパワー減衰量計
算部25に出力する。なお、(26)式及び(27)式における
総和Σは、その時刻tを含め、パワー監視のための時間
保持サンプル数lについてであり、このサンプル数lは
任意に選定して良いものであるが、例えば32サンプル
を選定することができる。
【0129】 Pxt,k =Σxt-l,k 2 …(26) Pwt,k =Σwt-1,k 2 …(27) パワー減衰量計算部25は、A/D変換器2からの出力
信号xt,k に対する減衰量Lxを、例えば(28)式に従っ
て計算して減衰量平滑演算部26に与える。
【0130】 Lxk =Pwt,k /Pxt,k …(28) 減衰量平滑演算部26は、処理対象フレーム毎の急峻、
不連続に減衰量Lxが変動しても、処理音(雑音)のレ
ベルが不連続にならないように、音感が自然で良好にな
るように、減衰量Lxを連続にさせるため、例えば(29)
式に示す平滑演算を行なってスムーズゲインLxsmを求
めてパワー減衰部27に与える。なお、(29)式における
εは、平滑演算の平滑化速度を決定する平滑係数であ
り、使用したい使用環境、雑音に応じて適宜決定すれば
良い。
【0131】 Lxsm,k=ε・Lxsm,k-1+(1−ε)・Lxk …(29) パワー減衰部27は、A/D変換器2からの出力信号x
t,k に対して、減衰量平滑演算部26からの平滑処理後
の減衰量Lxsm,kを用いて、(30)式に示すように減衰処
理を行ない、その減衰された信号xlt,kをスイッチ62
に出力する。
【0132】 xlt,k=Lxsm,k・xt,k …(30) ここで、減衰後の信号xlt,kは時間軸で振幅だけを小さ
くした信号であり、この第4の実施形態においても、無
歪減衰部23への入力信号xt,k の周波数成分の構成成
分比を全く変化させず、パワーだけを減衰した自然な音
感を再現するスペクトル成分として得られている。
【0133】なお、第4の実施形態において、帯域別ス
ペクトル減衰処理部17が雑音期間においても有効に動
作する点を除けば、無歪減衰部23以外の各部での動作
は、第1の実施形態と同様である。
【0134】以上のように、第1の実施形態と第4の実
施形態とは、無歪減衰部23が周波数軸上での信号を処
理するか時間軸上での信号を処理するかの相違はある
が、その他は、第3の実施形態も第1の実施形態と同様
である。
【0135】この第4の実施形態の背景雑音消去装置に
よっても、無歪減衰部23が周波数軸上での信号を処理
するか時間軸上での信号を処理するかの相違はあるが、
全体の処理は第1の実施形態と同様であるので、第1の
実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0136】(E)他の実施形態 なお、上記各実施形態の説明においても、種々変形した
実施形態の説明を行なったが、本発明は、上記各実施形
態に限定されるものでなく、上述した変形した実施形態
以外の他の実施形態も許容するものである。そのうちの
いくつかを例示すると以下の通りである。
【0137】時間軸上の信号と周波数軸上の信号間の変
換をFFT、逆FFT演算以外で行なうものであっても
良い。また、音声検出も、周波数軸上の信号で行なうよ
うにしても良い。
【0138】音声期間と雑音期間とで出力信号の処理系
を切り替えるためのスイッチの介在位置は、上記実施形
態のものに限定されるものではない。例えば、無歪減衰
部について言えば、入力側にもスイッチを設けるように
しても良い。
【0139】上記各実施形態は、背景雑音推定部での音
声期間での推定雑音信号の更新方法、帯域別スペクトル
減衰処理部を設けたこと、無歪減衰部を設けたことの3
点を特徴とするものであったが、そのうちのいずれか1
以上を有するように背景雑音消去装置を構成しても良い
ことは勿論である。
【0140】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、音声期
間では、推定雑音信号の更新を停止させるか、又は、雑
音期間より遅い入力信号に対する追従速度で更新させる
ようにしたので、音声期間の信号で誤更新された推定雑
音信号を用いて雑音減衰を行なうことがなく、音質を劣
化させるのを未然に防止することができる。
【0141】また、本発明によれば、雑音消去演算手段
からの雑音消去演算後の出力信号を減衰させて周波数軸
/時間軸変換手段に出力するスペクトル減衰処理手段を
設けたので、音質の優れた雑音除去効果を得ることがで
きる。
【0142】さら、本発明によれば、雑音期間におい
て、時間軸上又は周波数軸上の入力信号を音質を変化さ
せずに減衰する無歪減衰手段と、雑音期間においては、
無歪減衰手段からの出力信号を当該装置の出力信号とす
る出力選択手段とを設けたので、当該無歪減衰手段へ入
力された雑音の周波数成分の構成成分比を全く変化させ
ないように減衰でき、従来では歪みを受けて非常に耳障
りで不自然であった残留雑音を、自然な聴感で減衰する
ことができ、雑音期間での音質を向上することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】従来の構成を示すブロック図である。
【図3】第2の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図4】第3の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図5】第4の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
4…高速フーリエ変換演算器(FFT演算器)、5…加
算器、6、9、18、51、61、62…スイッチ、7
…背景雑音更新部、8…背景雑音保持部、10…周波数
帯域分割器、11、帯域別減衰演算部、12…パワー演
算部、13…対数計算部、14…帯域別信号対雑音比計
算部(帯域別s/n計算部)、15…帯域別減衰量計算
部、16…平滑演算部、17…帯域別スペクトル減衰処
理部、19…逆高速フーリエ変換演算器(逆FFT演算
器)、23…無歪減衰部、24…パワー監視器、25…
パワー減衰量計算部、26…減衰量平滑演算部、27…
パワー減衰部、28…音声検出器、29…位相保持部、
30…背景雑音推定部、42…係数決定部。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 時間軸上又は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信
    号が背景雑音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が
    音声信号を含む音声期間にあるかを検出する音声検出手
    段を備えると共に、 上記背景雑音推定手段の内部に、音声期間において、出
    力する推定雑音信号の値の更新を停止させる更新停止部
    を設けたことを特徴とする背景雑音消去装置。
  2. 【請求項2】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 時間軸上又は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信
    号が背景雑音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が
    音声信号を含む音声期間にあるかを検出する音声検出手
    段を備えると共に、 上記背景雑音推定手段の内部に、出力する推定雑音信号
    の入力信号に対する追従速度を、雑音期間では音声期間
    より高速になるように切り替える追従速度切替部を設け
    たことを特徴とする背景雑音消去装置。
  3. 【請求項3】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 上記雑音消去演算手段からの出力信号を減衰させて上記
    周波数軸/時間軸変換手段に出力するスペクトル減衰処
    理手段を設けたことを特徴とする背景雑音消去装置。
  4. 【請求項4】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 時間軸上又は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信
    号が背景雑音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が
    音声信号を含む音声期間にあるかを検出する音声検出手
    段と、 雑音期間において、時間軸上又は周波数軸上の入力信号
    を音質を変化させずに減衰する無歪減衰手段と、 雑音期間においては、上記無歪減衰手段からの出力信号
    を当該装置の出力信号とする出力選択手段とを設けたこ
    とを特徴とする背景雑音消去装置。
  5. 【請求項5】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 時間軸上又は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信
    号が背景雑音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が
    音声信号を含む音声期間にあるかを検出する音声検出手
    段と、 上記雑音消去演算手段からの出力信号を減衰させて上記
    周波数軸/時間軸変換手段に出力するスペクトル減衰処
    理手段と、 雑音期間において、時間軸上又は周波数軸上の入力信号
    を音質を変化させずに減衰する無歪減衰手段と、 雑音期間においては、上記無歪減衰手段からの出力信号
    を当該装置の出力信号とすると共に、音声期間におい
    て、上記スペクトル減衰処理手段による処理が施されて
    いる信号を当該装置の出力信号とする出力選択手段とを
    備えると共に、 上記背景雑音推定手段の内部に、音声期間において、出
    力する推定雑音信号の値の更新を停止させる更新停止部
    を設けたことを特徴とする背景雑音消去装置。
  6. 【請求項6】 時間軸上の入力信号を周波数軸上の信号
    に変換する時間軸/周波数軸変換手段と、変換された周
    波数軸上の入力信号に基づいて、その入力信号における
    背景雑音を入力信号に追従しながら推定し、推定雑音信
    号を形成する背景雑音推定手段と、変換された周波数軸
    上の入力信号から、推定雑音信号を減じる雑音消去演算
    手段と、雑音消去演算が施された周波数軸上の信号を時
    間軸上の信号に変換する周波数軸/時間軸変換手段とを
    有する背景雑音消去装置において、 時間軸上又は周波数軸上の入力信号に基づいて、入力信
    号が背景雑音だけを含む雑音期間にあるか、入力信号が
    音声信号を含む音声期間にあるかを検出する音声検出手
    段と、 上記雑音消去演算手段からの出力信号を減衰させて上記
    周波数軸/時間軸変換手段に出力するスペクトル減衰処
    理手段と、 雑音期間において、時間軸上又は周波数軸上の入力信号
    を音質を変化させずに減衰する無歪減衰手段と、 雑音期間においては、上記無歪減衰手段からの出力信号
    を当該装置の出力信号とすると共に、音声期間におい
    て、上記スペクトル減衰処理手段による処理が施されて
    いる信号を当該装置の出力信号とする出力選択手段とを
    備えると共に、 上記背景雑音推定手段の内部に、出力する推定雑音信号
    の入力信号に対する追従速度を、雑音期間では音声期間
    より高速になるように切り替える追従速度切替部を設け
    たことを特徴とする背景雑音消去装置。
  7. 【請求項7】 上記スペクトル減衰処理手段は、 当該スペクトル減衰処理手段への入力信号のS/Nを計
    算するS/N計算部と、 得られたS/Nに応じた減衰量を決定する減衰量計算部
    と、 当該スペクトル減衰処理手段への入力信号を決定された
    減衰量で減衰させる減衰演算部とを有することを特徴と
    する請求項3、5又は6に記載の背景雑音消去装置。
  8. 【請求項8】 上記スペクトル減衰処理手段は、当該ス
    ペクトル減衰処理手段への入力信号を複数の帯域に分割
    する帯域分割器をさらに有し、上記S/N計算部、上記
    減衰量計算部、及び、上記減衰演算部がそれぞれ、分割
    帯域毎に処理するものであることを特徴とする請求項7
    に記載の背景雑音消去装置。
  9. 【請求項9】 上記スペクトル減衰処理手段は、上記減
    衰演算部からの帯域別の出力信号を平滑化する平滑演算
    部を有することを特徴とする請求項8に記載の背景雑音
    消去装置。
  10. 【請求項10】 上記無歪減衰手段は、 雑音消去演算が施される前の雑音期間の信号と、雑音消
    去演算が施された後のパワーを監視するパワー監視器
    と、 監視した両パワーに基づいて減衰量を決定するパワー減
    衰量計算部と、 決定された減衰量を平滑化する減衰量平滑演算部と、 平滑化された減衰量に基づいて、当該無歪減衰手段への
    入力信号を減衰するパワー減衰部とを有することを特徴
    とする請求項4〜9のいずれかに記載の背景雑音消去装
    置。
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