JPH09311177A - 情報処理装置および位置情報提供システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ＧＰＳ測量された位置情報を誤差情報によっ
て補正し、精度の高い位置情報が得られるＤＧＰＳを安
価に利用可能にする情報処理装置および位置情報提供シ
ステムを提供する。 【解決手段】 情報処理端末１０に、ＧＰＳ測量機能に
加えインターネットにアクセスする機能を設けて、固定
基準局２０で得られたＤＧＰＳ用の誤差情報をインター
ネット３０経由で情報処理端末１０に提供可能にする。
インターネット３０へは情報処理端末１０の利用可能な
様々な通信媒体によってアクセスできるので、誤差情報
を提供するための通信システムを構築する必要はなく、
非常に安価にＤＧＰＳを利用する環境が構築できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、位置情報を取得可
能なコンピュータなどの情報処理装置および情報処理装
置に対し位置に関する情報を提供可能なシステムに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】複数の衛星からの電波を受信して自己の
位置を検出可能なシステムが開発されており、例えば、
ＧＰＳ（Global Positioning Sysytem) が自動車のカー
ナビゲーションシステムなどに用いられている。このＧ
ＰＳを搭載した処理端末が単独で自己の位置を測定した
場合に得られる位置の精度は、通常の方式では１００ｍ
程度である。このような位置を検出するシステムにおけ
る位置情報の精度を向上する方式の１つとして、位置が
予め精度良く判明している基準局でＧＰＳによって得ら
れる位置情報と、その基準局の既知の基準位置情報を比
較した誤差情報（差分情報）を用いて補正する方法があ
り、ＧＰＳにおいてはＤＧＰＳ（差動ＧＰＳ）と呼ばれ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ＧＰＳを搭載した端末
が、自己の位置が判明していない状態でＤＧＰＳ方式に
より自己の位置情報を精度良く求めるには、衛星からの
データを受信すると共に、その時点における誤差情報を
取得して演算処理を行う必要がある。演算処理に用いら
れる誤差情報は地域や時刻によって変動する。このた
め、ＧＰＳを搭載した端末が、その端末の所在地の位置
を精度良く演算するためには、その所在地の近くで、ほ
ぼ同時刻に得られた誤差情報を取得する必要がある。衛
星からのデータは、所在地を示すデータであるので端末
に付随したＧＰＳアンテナから求めることになる。一
方、誤差情報を得る手段としては、基準局から誤差情報
をＦＭ波などの無線で発信する方法や、特開平８−３６
０４４号に記載されているようにＰＨＳ基地局を基準局
として誤差情報を発信する方法などが考えられている。

【０００４】しかしながら、これらの方法では全ての端
末、すなわち、全ての地域に誤差情報を伝達するように
基地局を配置する必要があり、世界中に無数の基地局を
設置する必要がある。従って、ＤＧＰＳを何処でも使用
できるように環境を整備するには膨大な費用が必要とな
る。また、環境が整備されたとしても、ＧＰＳを備えた
端末側では、衛星からデータを受信する機能に加えて誤
差情報を取得するための受信機能が必要となり、その受
信機能は、地上に配置された無数の基地局から最も適当
な誤差情報が得られる基地局を選択するなどといったＧ
ＰＳ以上に複雑なシステムおよび処理を行う必要があ
る。さらに、誤差情報がＦＭ波やＰＨＳなどの地域毎に
異なった通信媒体を介して伝達されていると、その地域
に適合した媒体で誤差情報が得られる端末でなければＤ
ＧＰＳを用いることができず、何処でも使用できる汎用
性のある情報処理端末は実現できない。

【０００５】そこで、本発明においては、汎用性のある
システムによって位置情報に関する誤差情報を利用でき
る情報処理装置、制御方法および位置情報提供システム
を提供することを目的としている。また、何時でも何処
でも簡単に誤差情報を取得でき、その誤差情報を用いて
ＤＧＰＳのようなシステムにより位置情報の精度を向上
できる情報処理装置、制御方法および位置情報提供シス
テムを提供することを目的としている。さらに、誤差情
報を利用するために必要な環境整備のためのコストを大
幅に低減でき、安価に高精度の位置情報を利用できる情
報処理装置、制御方法および位置情報提供システムを提
供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、コンピュータネットワークを介して位置情報に係
る誤差情報を提供するサービスシステムにアクセスでき
るようにしている。そして、コンピュータネットワーク
を介して得られた誤差情報によって位置情報を補正し、
あるいは、サービスシステムに位置情報を送って適当な
誤差情報によって補正された位置情報が得られるように
している。すなわち、本発明の情報処理装置は、複数の
衛星より受信したデータに基づく自己の位置情報を取得
可能な位置情報取得手段と、位置情報の誤差情報を提供
するサービスシステムにコンピュータネットワークを介
して接続可能なアクセス手段と、サービスシステムに位
置情報を送信し、位置情報を補正するための誤差情報を
受信して位置情報を補正する位置情報補正手段とを有す
ることを特徴としている。また、サービスシステムに位
置情報を送信し、補正された位置情報を受信することも
可能である。

【０００７】コンピュータネットワークにアクセスする
手段は様々なものが考えられており、有線の公衆電話回
線はもちろん、ＰＨＳなどの携帯電話回線、ＣＡＴＶ網
などが媒体として利用されており、現在利用できる通信
媒体網や将来利用できるであろう通信媒体網のいずれか
らもアクセスすることができる。さらに、コンピュータ
ネットワークは、共通のプロトコルを採用することによ
り多種多用なハードウェアおよびソフトウェアの間で共
通のデータをハンドリングすることが可能である。現状
では、ＴＣＰ／ＩＰのインタネット（ＩＰ）プロトコル
を採用したインターネットがほぼ全世界を覆っており、
何らかの通信媒体を用いてインタネットにアクセスする
ことにより、インタネット上にオープンされた情報を誰
でも自由に利用することができる。従って、コンピュー
タネットワークを介して誤差情報を提供するサービスシ
ステムが用意されていれば、本発明の情報処理装置のア
クセス手段により、情報処理装置の所在地において情報
処理装置が利用できる媒体のいずれかを経由してコンピ
ュータネットワークに接続でき、さらに、サービスシス
テムとアクセスして誤差情報を容易に取得できる。この
ため、本発明の情報処理装置は誤差情報を取得するため
に通信媒体を限定する必要がないので汎用性の高い。ま
た、地域毎にすでに用意されている公衆電話網などの多
種多様な通信媒体網、あるいは今後整備される多種多様
な通信媒体網のいずれもコンピュータネットワークに接
続する通信媒体として使用できるので、情報処理装置に
対し誤差情報を送信するために専用の通信媒体網を設け
る必要はなく、将来における拡張性も高い。従って、Ｄ
ＧＰＳのような誤差情報によって位置情報を修正するシ
ステムを採用するために必要な環境整備のコストは非常
に少なくて済む。

【０００８】さらに、デジタルでデータの送受信が行わ
れるコンピュータネットワークを使用することにより、
誤差情報を取得するユーザが増加しても対処が可能であ
る。また、ユーザの所在地に最も便利で近い通信媒体の
アクセスポイントからコンピュータネットワークにアク
セスすれば誤差情報が取得できるので、誤差情報を取得
するための通信費も安い。

【０００９】さらに、情報処理装置の側で位置情報の補
正を行う代わりに衛星から得られたデータなどをコンピ
ュータネットワークを用いてサービスシステムに送信し
て補正処理された位置情報を取得することも可能であ
り、情報処理装置の処理負荷を軽減することも可能であ
る。従って、携帯や車両に搭載して移動可能な小型で軽
量の情報処理装置に適している。

【００１０】このような機能を備えた本発明の情報処理
装置は、複数の衛星より受信したデータに基づき自己の
位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、コンピュー
タネットワークを介して所望のサービスシステムに接続
可能なアクセス手段とを有する情報処理装置を以下の制
御機能を備えたソフトウェアで制御することにより実現
できる。

【００１１】１．位置情報取得手段によって位置情報を
取得する。 ２．アクセス手段によって位置情報の誤差情報を提供す
るサービスシステムに接続する。 ３．サービスシステムに位置情報を送信する。 ４．サービスシステムから位置情報を補正するための誤
差情報、または、補正された位置情報を受信する。

【００１２】このような制御方法あるいはソフトウェア
はＲＯＭ、ハードディスク、ＩＣカードなどの記録媒
体、さらにインターネットなどのコンピュータネットワ
ークを介して提供することができ、位置情報取得手段と
アクセス手段とを備えた情報処理装置に対しアドオンあ
るいはプラグイン機能として提供することも可能であ
る。

【００１３】さらに、本発明においては、双方向通信を
行うコンピュータネットワークを介してサービスシステ
ムと接続するので、サービスシステムに対し情報処理装
置が得た位置情報を送信することが可能である。従っ
て、サービスシステム側は誤差情報の送り先であるユー
ザ、およびユーザの所在地を特定することができる。こ
のため、サービスシステムの側で情報処理装置の所在地
に適した誤差情報を選択あるいは加工して情報処理装置
に発信したり、あるいは、サービスシステムの側で位置
情報に適した誤差情報によって補正処理を行うことが可
能となる。また、ユーザの所在地に最も近い固定基準局
をサービスシステムとして用いることができる。さら
に、サービスシステムとなっている固定基準局が、ユー
ザの移動に伴って最も近くなる次の固定基準局に情報処
理装置のアクセス先を変更させて誤差情報を取得すると
いったシステムも可能である。さらに、サービスシステ
ムにおいてユーザおよびその所在地の情報を記憶してお
くことも可能である。

【００１４】情報処理装置の所在地に適した誤差情報と
しては、情報処理装置の所在地の近傍に固定基準局があ
れば、その固定基準局の誤差情報を提供しても良いし、
あるいは、複数の固定基準局の誤差情報から適当な誤差
情報を加工して提供するなどのサービスも可能である。
このように本発明の位置情報提供システムは、複数の衛
星より位置情報を示すデータを受信し、予め明確にされ
ている自己の基準位置と比較することにより位置情報の
誤差情報を提供可能な複数の固定基準局から誤差情報を
取得可能な位置情報提供システムであって、固定基準局
からの誤差情報を基準誤差情報として記憶する手段と、
コンピュータネットワークを介してユーザの位置情報を
受信する手段と、基準誤差情報をユーザの位置情報に適
した誤差情報に加工してユーザに対しコンピュータネッ
トワークを介して送信する位置情報提供手段とを有する
ことを特徴としている。また、基準誤差情報から送信さ
れたユーザの位置情報に適した誤差情報を求め、ユーザ
の位置情報を補正したのち、その補正されたユーザの位
置情報をユーザに対しコンピュータネットワークを介し
て送信するようにしても良い。

【００１５】このような本発明の位置情報提供システム
においては、ＰＨＳ基地局から誤差情報を発信するシス
テムなどのように、誤差情報を生成する機能を持たせた
基地局を無数に配置する必要はない。また、情報処理装
置の側においても、適当な誤差情報を提供してくれるＰ
ＨＳ基地局を選択するなどの機能は不要である。従っ
て、本発明の情報処理装置および位置情報提供システム
を用いることにより、位置情報を補正して精度の高い位
置情報を利用できるシステムを非常に安価に構築するこ
とができる。

【００１６】さらに、本発明のサービスシステムは、位
置情報を補正するための誤差情報に限定されず、補正さ
れた精度の高い位置情報に基づき情報処理装置の近傍に
おける地図情報や他の情報をコンピュータネットワーク
を介して情報処理装置に提供することも可能である。地
図情報などは誤差情報を提供するサービスシステムから
提供されても良いし、誤差情報を提供するサービスシス
テムとは異なったサービスシステムから地図情報を提供
することも可能である。情報処理装置においては、アク
セス手段に地図情報などを提供する上記の地図情報サー
ビスシステムに対して接続する機能を用意することによ
り、補正された位置情報に基づき正確な位置に関連する
地域の地図情報を取得し、表示するなどの処理を行うこ
とが可能である。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図１に、本発明の実施の一例と
してＧＰＳ衛星１からの電波を受信して自己の所在地を
測定可能な端末１０を用いた例を示してある。ＧＰＳの
単独測位においては最低４つのＧＰＳ衛星１からの電波
を同時に受信して経度Ｂまたはｂ、緯度Ｌまたはｌおよ
び高さＨまたはｈの測定座標値を位置情報として求める
ことが可能である。従って、ＧＰＳ受信アンテナ２およ
びＧＰＳ測位機能を備えた携帯型あるいは車両搭載型な
どの移動可能な情報処理端末１０によってＧＰＳ測位を
行うことにより、情報処理装置の所在地を求めることが
できる。しかし、ＧＰＳ測位によって得られた位置情報
には、電離層や対流圏などの誤差要因による誤差が含ま
れており、その精度は、現状で一般に開放されている帯
域とコードでは１００ｍ程度である。このような誤差要
因を補正する方法としては基準位置に対して得られた位
置情報から誤差情報を求めて他の位置情報を補正する方
法がある。ＧＰＳ測位によって得られた位置情報の精度
を向上する方法としては座標が明確となっている固定基
準局２０から得られる誤差情報を用いて補正する差動Ｇ
ＰＳ（ＤＧＰＳ）と呼ばれる方法が知られている。例え
ば、基準座標値（Ｂ０，Ｌ０，Ｈ０）の固定基準局２０
ａにおいてＧＰＳ測位による位置情報から測定座標値
（Ｂ，Ｌ，Ｈ）が得られたとすると、座標誤差は（Δ
Ｂ，ΔＬ，ΔＨ）となる。この座標誤差は誤差要因によ
って変動するので、ＧＰＳ測位を行う場所および時刻に
よって変動する。従って、固定基準局２０ａの近傍にお
いて情報処理端末１０がほぼ同時刻に測定座標値（ｂ，
ｌ，ｈ）を得たのであれば座標誤差情報（ΔＢ，ΔＬ，
ΔＨ）を用いて補正することが可能であり、所在地の場
所を精度良く算出することができる。実際に、ＧＰＳに
おいてはこのようなＤＧＰＳ方式を採用することによ
り、数ｍあるいはそれ以下のの誤差で所在地を正確な座
標を得ることができる。しかしながら、ＤＧＰＳにおい
ては、固定基地局２０で得られた誤差情報が適用できる
範囲は固定基地局２０から数１００ｋｍ程度の範囲に限
られており、また、所在地の判明してない情報処理端末
に対し適当な誤差情報を送信するシステムが必要にな
る。

【００１８】本例の情報処理端末１０においては、コン
ピュータネットワークの１つであるインターネット３０
に接続して所在地において適当な誤差情報が得られるよ
うにしている。従って、その誤差情報に基づきＤＧＰＳ
を用いて精度の高い位置情報を得ることができる。図２
に、本例の情報処理端末１０の概略構成を示してある。
本例の情報処理端末１０は携帯端末であり、制御ユニッ
トであるＣＰＵ１１を中心に構成されている。ＣＰＵ１
１と接続された内部バス１６には、内部記憶装置である
メモリー１２と、ＬＣＤなどの表示装置１３と、キーボ
ードあるいはペン入力などが可能な入力装置１４と、ハ
ードディスクあるいはフロッピーディスクなどの外部記
憶装置１５と、さらに、拡張用バスインタフェース１７
が接続されている。また、内部バス１６にはデータ通信
装置１８が接続されており、このデータ通信端末１８に
よって、公衆電話回線あるいはＰＨＳ回線網を介して近
くのインターネットのアクセスポイント３０ａに情報処
理端末１０を接続し、さらに、ＴＣＰ／ＩＰプロトコル
に従ってインターネットに接続されたサービスサーバと
データの交換ができるようになっている。本例において
は、データ通信装置１８がインターネットを介して所定
のサービスステーションとアクセスする機能を備えたア
クセス部である。さらに、内部バス１６には、ＧＰＳ測
量部１９も接続されており、このＧＰＳ測量部１９は、
ＧＰＳ受信アンテナ２を介してＧＰＳ衛星からデータを
受信する受信機１９ａと、受信されたデータを解析して
座標位置や時刻情報などの位置情報を求める計算機１９
ｂを備えている。本例の情報処理端末１０においては、
内蔵されたＧＰＳ受信アンテナ２の他に受信アンテナを
装着できるように端子３を設けてある。

【００１９】本例の情報処理端末１０の外部記憶装置１
５には、ＧＰＳ機能を用いて情報処理端末１０の所在地
を求めるアプリケーションプログラムが用意されてお
り、ユーザの操作あるいは他のアプリケーションの要求
によって情報処理端末１０の所在地の正確な座標値が得
られるようになっている。図５に所在地を求めるアプリ
ケーションプログラムによる制御動作の例を示してあ
る。所在地を求める要求があると、この外部記憶装置１
５に格納されていたアプリケーションプログラムがメモ
リーにロードされＣＰＵ１１がプログラムに沿った処理
を開始する。まず、ステップ５１においてＧＰＳ測量部
１９を用いてＧＰＳ測量を行う。次に、ステップ５２に
おいてデータ通信装置１８を用いてインターネット３０
と接続し、さらに、ステップ５３においてＤＧＰＳ用の
誤差情報を提供するサービスシステム３５のインターネ
ットアドレスを用いてサービスシステムとの接続を確立
する。サービスシステム３５との接続を確立する処理
と、ＧＰＳ測量を行う処理を同時に行っても良いし、あ
るいはサービスシステムとの接続が確立した後にＧＰＳ
測量を開始してももちろん良い。次に、ステップ５４に
おいて、インターネット３０を経由してサービスシステ
ム３５にＧＰＳ測量で得られた座標値や時刻情報を含む
位置情報を送信する。ステップ５５において送信した位
置情報に対する誤差情報をインターネット経由で受け取
り、ステップ５６において座標値などを補正して表示装
置１３に表示する。誤差情報と共に地図情報もサービス
システム３５から受信して表示装置に情報処理端末の所
在地の地図情報を表示し、表示された地図の上に所在地
を示すことも可能である。

【００２０】なお、ステップ５５において誤差情報を受
信する代わりに既に補正済の座標値などの位置情報を取
得することにより、情報処理端末１０における処理負荷
を低減することも可能である。さらに、ＧＰＳ測量を定
期的に繰り返して行う場合は、一定の測量間隔でインタ
ーネット経由で誤差情報を取り寄せ、その誤差情報を用
いて単独測位を行うことも可能であり、インターネット
経由で誤差情報を取り寄せるために必要な処理時間を短
縮することができる。

【００２１】図３に、誤差情報を計測する固定基準局２
０の概略構成を示してある。本例のＧＰＳアンテナ２
と、ＧＰＳ測量を行うＧＰＳ測量部２１とを備えてお
り、ＧＰＳ測量部２１は、ＧＰＳアンテナ２によってＧ
ＰＳ衛星の電波を受信する受信機２１ａと、予め判明し
ている基準位置情報とＧＰＳ衛星から求められる測定位
置情報を比較して誤差情報（差分データ）を演算する計
算機能部２１ｂを備えている。演算された誤差情報（Δ
Ｂ，ΔＬ，ΔＨ）はサーバ２３の記憶装置に記憶され、
所定の時間毎にあるいは連続して通信設備２４によって
サービスシステム３５に供給される。本例においては、
固定基準局２０もインターネットを経由して誤差情報を
サービスシステム３５に供給するようにしており、固定
基準局２０とサービスシステム３５の間を結ぶ専用線
や、誤差情報を伝達する専門の無線設備を設置しないで
良いようにしている。もちろん、専用線や無線などによ
って固定基準局２０とサービスシステム３５を接続して
も良い。また、本例の固定基準局２０は、インターネッ
ト３０に接続されているので、情報処理端末１０とイン
ターネット３０を経由して直に接続することも可能であ
りる。従って、情報処理端末１０は自己に適当な固定基
準局２０のインターネットアドレスが判れば固定基準局
２０をサービスシステムとして誤差情報を取得すること
も可能である。

【００２２】図４に、サービスシステム３５の一例を示
してある。本例のサービスシステム３５はインターネッ
ト３０と接続する通信設備３６と、インターネット３０
を介してサービスシステム３５にアクセスしたユーザの
情報を管理するサーバ３６と、アクセスしたユーザに対
して誤差情報を提供するサービスサーバ３７を備えてい
る。このようなサービスシステム３５は、ユーザがＧＰ
Ｓ測量を用いなくても認識できる広い地域毎、例えば国
毎に１ないしは数カ所設けておけば良い。そして、サー
ビスシステムのインターネットアドレスを情報処理端末
１０あるいは情報処理端末１０で動くＧＰＳ測量用のア
プリケーションプログラム内に用意しておけば良い。ユ
ーザあるいはアプリケーションプログラムが適当なサー
ビスシステムのインターネットアドレスを指定してイン
ターネットにアクセスすることにより、その地域のサー
ビスシステム３５のサービスを受けることができる。ま
た、情報処理端末１０がサービスシステム３５にアクセ
スするときは、ＧＰＳ測量された位置情報も送るように
している。このため、情報処理端末１０の所在地がアク
セスされたサービスシステム３５の範囲外である場合
は、アクセスされたサービスシステム３５から適当なサ
ービスシステム３５のインターネットアドレスが情報処
理端末側に返され、情報処理端末１０がアクセスし直す
などの処理は簡単に行うことができる。

【００２３】インターネット経由で誤差情報を取り寄せ
る際はＧＰＳ測量で得られた座標値および時刻情報を含
んだ位置情報がサービスシステム３５の側に伝達され
る。このため、サービスシステム３５の側は、固定基準
局２０の中からユーザの座標値に最も近い固定基準局２
０の座標誤差を選択することが可能であり、さらに、時
刻情報を付加されているのでその時刻に得られた誤差情
報を送信し、あるいはその誤差情報を用いて位置情報を
補正できる。従って、本例の情報処理端末およびサービ
スシステムによりＧＰＳ測量で得られた位置情報をいっ
そう信頼性が高く精度の良いものに補正することができ
る。

【００２４】図５に、サービスシステム３５における処
理の一例を示してある。まず、ステップ６１においてサ
ービスシステム３５に接続されている、あるいはそのサ
ービスシステム３５のサービス範囲内である複数の固定
基準局２０から基準となる誤差情報を取得し、時刻情報
と共にサービスサーバ３８に記憶する。そして、ステッ
プ６２においてユーザからのインターネット経由でアク
セスがあると、ステップ６３において位置情報を受信す
る。次に、その位置情報を解析してＧＰＳ測量された座
標値および時刻情報から適当な固定基準局の同時刻の誤
差情報を選択する。そして、ステップ６４においてその
誤差情報をインターネット経由で送信する。もちろん、
ステップ６４において補正済の位置情報を送信しても良
いし、あるいは位置情報に関連した地図情報などをユー
ザの情報端末に送信することも可能である。さらに、本
例のサービスサーバ３８は、ステップ６５において、ア
クセスされたユーザの情報（ユーザ識別情報など）と位
置情報を記憶し、例えば、迷い子などの捜索の依頼があ
れば、アクセスのあったユーザと、その位置情報を提供
するといったサービスも可能なようにしている。また、
本例においては、誤差情報としてユーザの情報処理端末
の所在地に最も近い固定基準局の誤差情報を提供するよ
うにしているが、複数の固定基準局の誤差情報からユー
ザの所在地で最も適当であろうと思われる誤差情報を加
工してユーザに提供するといったサービスももちろん可
能である。さらに、最初にユーザからアクセスされたサ
ービスシステムがユーザに最も近い固定基準局のインタ
ーネットアドレスを提供して固定基準局をサービスシス
テムとして利用できるようにすることも可能である。さ
らに、ユーザの移動に伴って固定基準局が次の固定基準
局やサービスシステムのインターネットアドレスを情報
処理端末に指示するといったサービスも可能である。

【００２５】以上に説明したように、本例のＧＰＳ測量
機能を備えた情報処理端末を用いたシステムにおいて
は、ＤＧＰＳに必要な差分情報、すなわち、誤差情報を
コンピュータネットワークであるインターネットを介し
て得られるようにしている。このインターネット自体
は、既に全地球的な規模で構築されており、インターネ
ットへのアクセスは有線および無線電話網、ＰＨＳ、Ｃ
ＡＴＶなど様々な通信媒体を用いて可能である。さら
に、インターネットに接続されたアクセスポイントにこ
れらの通信媒体のいずれかによってアクセスすれば、イ
ンターネットを経由して所定のサービスシステムとの接
続を確立することができる。さらに、情報インフラが整
備されるに伴いより多くのアクセスポイントから簡単
に、そして安価にインターネットにアクセスすることが
可能になると考えられる。従って、本発明に係るシステ
ムのようにインターネットを経由して誤差情報を個々の
情報処理端末に供給することにより、誤差情報を用いて
位置情報の精度を向上するシステムを構築するための費
用はほとんど不要となり、非常に安価に何処でもＤＧＰ
Ｓを利用することが可能になる。また、インターネット
に接続できる機能を持った情報処理端末であれば誤差情
報を取得できるので、専用のＰＨＳやＦＭといった通信
設備を情報処理端末に設ける必要はなく、汎用性の高い
情報処理端末で誤差情報あるいは精度の高い位置情報を
利用できる。さらに、双方向通信可能なインターネット
経由でサービスシステムをアクセスすることにより、サ
ービスシステムに上述したような多くの機能や情報を持
たせ、情報処理端末側でその機能を利用することが可能
になる。従って、携帯型や自動車搭載型などの小型、軽
量の情報処理端末を用いてＧＰＳ測量に係る多くの機能
や情報を得ることが可能となる。

【００２６】なお、上記においては情報処理端末の所在
地を測定する方法としてＧＰＳ衛星を用いた例を説明し
ているが、本発明はＧＰＳに限定されるものではなく、
他の衛星からの電波により位置を特定する場合において
ももちろん適用できる。さらに、現状ではコンピュータ
ネットワークとしてインターネットが最も利用価値が高
いと思われるが、本発明はインターネットに限定される
ものではなく、将来、汎用的に利用可能になるコンピュ
ータネットワークであればどのようなものであっても適
用できることはもちろんである。

【００２７】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の情報処
理装置および位置情報提供システムにおいては、衛星か
ら得られる位置情報の精度を高くする誤差情報をコンピ
ュータネットワーク経由で取得するようにしている。こ
のため、誤差情報を提供するための通信システムを新た
に構築する必要がなく、ＤＧＰＳなどの高精度の位置情
報を利用できる環境を非常に安価に提供することができ
る。また、誤差情報を得る際にＧＰＳ等により測定され
た位置情報をコンピュータネットワーク経由でサービス
システムに送ることができるので、上述したような多種
多様なサービスを受けることが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインターネットを経由して誤差情報が
得られるＧＰＳ測量機能を搭載した情報処理端末を用い
たシステムの概要を示す図である。

【図２】図１に示す情報処理端末の構成例を示すブロッ
ク図である。

【図３】図１に示す固定基準局の構成例を示すブロック
図である。

【図４】図１に示すサービスシステムの構成例を示すブ
ロック図である。

【図５】図２に示す情報処理端末および図４に示すサー
ビスシステムにおける処理の概要を示すフローチャート
である。

【符号の説明】

１・・ＧＰＳ衛星 ２・・ＧＰＳアンテナ １０・・情報処理端末 １１・ＣＰＵ １２・メモリ １３・・表示装置 １４・・入力装置 １５・・外部記憶装置 １６・・内部バス １８・・データ通信装置（インターネットへのアクセス
部） １９・・ＧＰＳ測量部 ２０・・固定基準局 ３０・・インターネット ３５・・サービスシステム ３６・・通信部（インターネットへのアクセス部） ３７・・利用者管理サーバ ３８・・誤差情報サービスサーバ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の衛星より受信したデータに基づき
   自己の位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、 前記位置情報の誤差情報を提供するサービスシステムに
   コンピュータネットワークを介して接続可能なアクセス
   手段と、 前記サービスシステムに前記位置情報を送信し、前記位
   置情報を補正するための誤差情報を受信し、前記位置情
   報を補正する位置情報補正手段とを有することを特徴と
   する情報処理装置。
2. 【請求項２】 複数の衛星より受信したデータに基づく
   自己の位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、 前記位置情報の誤差情報を提供するサービスシステムに
   コンピュータネットワークを介して接続可能なアクセス
   手段と、 前記サービスシステムに前記位置情報を送信し、補正さ
   れた前記位置情報を受信する位置情報補正手段とを有す
   ることを特徴とする情報処理装置。
3. 【請求項３】 請求項１または２において、前記アクセ
   ス手段は、コンピュータネットワークを介して地図情報
   を提供する地図情報サービスシステムに接続可能であ
   り、さらに、 前記補正された位置情報に基づき前記地図情報サービス
   システムから前記補正された位置情報に関連する地域の
   地図情報を取得する地図情報取得手段を有することを特
   徴とする情報処理装置。
4. 【請求項４】 請求項１または２において、前記コンピ
   ュータネットワークはインターネットであることを特徴
   とする情報処理装置。
5. 【請求項５】 複数の衛星より受信したデータに基づき
   自己の位置情報を取得可能な位置情報取得手段と、コン
   ピュータネットワークを介して所望のサービスシステム
   に接続可能なアクセス手段とを有する情報処理装置の制
   御方法であって、 前記位置情報取得手段によって前記位置情報を取得する
   工程と、 前記アクセス手段によって前記位置情報の誤差情報を提
   供するサービスシステムに接続する工程と、 前記サービスシステムに前記位置情報を送信する工程
   と、 前記サービスシステムから前記位置情報を補正するため
   の誤差情報、または、補正された位置情報を受信する工
   程とを有すること特徴とする情報処理装置の制御方法。
6. 【請求項６】 複数の衛星より位置情報を示すデータを
   受信し、予め明確にされている自己の基準位置と比較す
   ることにより前記位置情報の誤差情報を提供可能な複数
   の固定基準局から前記誤差情報を取得可能な位置情報提
   供システムであって、 前記固定基準局からの前記誤差情報を基準誤差情報とし
   て記憶する手段と、 コンピュータネットワークを介してユーザの前記位置情
   報を受信する手段と、 前記基準誤差情報から前記ユーザの位置情報に適した誤
   差情報を選択または加工して前記ユーザに対し前記コン
   ピュータネットワークを介して送信する位置情報提供手
   段とを有することを特徴とする位置情報提供システム。
7. 【請求項７】 複数の衛星より位置情報を示すデータを
   受信し、予め明確にされている自己の基準位置と比較す
   ることにより前記位置情報の誤差情報を提供可能な複数
   の固定基準局から前記誤差情報を取得可能な位置情報提
   供システムであって、 前記固定基準局からの前記誤差情報を基準誤差情報とし
   て記憶する手段と、 コンピュータネットワークを介してユーザの前記位置情
   報を受信する手段と、 前記基準誤差情報から前記ユーザの位置情報に適した誤
   差情報を求め、前記ユーザの位置情報を補正したのち、
   補正された前記ユーザの位置情報を前記ユーザに対し前
   記コンピュータネットワークを介して送信する位置情報
   提供手段とを有することを特徴とする位置情報提供シス
   テム。
8. 【請求項８】 請求項６または７において、前記コンピ
   ュータネットワークはインターネットであることを特徴
   とする位置情報提供システム。
9. 【請求項９】 請求項６または７において、前記ユーザ
   の位置情報およびその誤差情報に基づく地図情報を前記
   ユーザに対し前記コンピュータネットワークを介して送
   信する地図情報提供手段を有することを特徴とする位置
   情報提供システム。