JPH09310893A - 氷蓄熱装置 - Google Patents

氷蓄熱装置

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JPH09310893A
JPH09310893A JP12440096A JP12440096A JPH09310893A JP H09310893 A JPH09310893 A JP H09310893A JP 12440096 A JP12440096 A JP 12440096A JP 12440096 A JP12440096 A JP 12440096A JP H09310893 A JPH09310893 A JP H09310893A
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功 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 満液式シェルアンドチューブ熱交換器により
過冷却水を生成して氷を生成する氷蓄熱装置に対し、熱
交換器での冷媒蒸発温度の低下に伴って該熱交換器内部
で氷が生成されてしまうことを防止する。 【解決手段】 冷媒循環回路と水循環回路とを備え、蓄
熱熱交換器(42)で水を冷却して過冷却状態にし、この水
に氷核生成器で生成した氷核を混入して過冷却状態を解
消して製氷する装置に対し、蓄熱熱交換器(42)を容器(4
8)内に複数本の伝熱管(49,49, …)を配設した満液式の
シェルアンドチューブ型で成し、伝熱管(49)内に水を、
伝熱管(49)外に冷媒を流す。蓄熱熱交換器(42)の冷媒出
口側の配管(51)に冷媒圧力相当飽和温度に基いて過熱度
を検出可能な過熱度検出センサ(Th-SH1)を設け、この冷
媒過熱度が0になるように冷媒減圧用の電動膨張弁の開
度を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水又は水溶液等の
蓄熱媒体を冷媒との熱交換により過冷却状態まで冷却し
た後に、この過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生
成して蓄熱タンクに貯蔵する氷蓄熱装置に係り、特に、
蓄熱媒体と冷媒との熱交換を行う過冷却熱交換器に対す
る冷媒の流通状態の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、氷蓄熱型の空気調和装置等に
設けられている氷蓄熱装置として、冷房負荷のピーク時
における電力需要の軽減及びオフピーク時における電力
需要の拡大を図ることに鑑みて、冷房負荷のピーク時に
冷熱として利用するためのスラリー状の氷を冷房負荷の
オフピーク時に生成して蓄熱タンクに貯蔵しておくもの
が知られている。
【0003】この種の氷蓄熱装置の一例として、例え
ば、特開平4−251177号公報に開示されているよ
うに、圧縮機、凝縮器、膨張機構及び過冷却熱交換器の
冷媒熱交換部を冷媒配管によって順次接続して成る冷媒
循環回路と、蓄熱タンク、上記冷媒熱交換部との間で熱
交換可能な過冷却熱交換器の蓄熱媒体熱交換部及び過冷
却解消部を水配管によって順次接続して成る水循環回路
とを備えたものが知られている。
【0004】そして、この種の氷蓄熱装置の製氷動作と
しては、蓄熱タンクから水配管へ取出した水(蓄熱媒
体)を、蓄熱媒体熱交換部において冷媒熱交換部の冷媒
と熱交換させて過冷却状態まで冷却し、過冷却解消部に
おいてこの過冷却状態を解消してスラリー状の氷を生成
する。そして、この氷を蓄熱タンクに供給して貯留す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
構成とされた過冷却熱交換器は、一般に、冷媒熱交換部
から導出する冷媒が過熱状態となるように制御されてい
る。つまり、冷媒が冷媒熱交換部を流れて水との間で熱
交換を行うことで、その蒸発温度以上まで温度上昇して
冷媒熱交換部から導出するようになっている。つまり、
この過冷却熱交換器では冷媒の所謂乾き運転が行われて
いる。
【0006】しかしながら、このような過冷却水を生成
するための熱交換器において乾き運転を行った場合、以
下に述べるような不具合を招く虞れがある。
【0007】i) 先ず、装置が長時間停止状態とされて
いた場合や、過冷却熱交換器の凍結を解消するための解
凍運転の終了時には、冷媒熱交換器部に多量の液冷媒が
貯留されている可能性がある。この状態から製氷運転を
開始すると、冷媒熱交換部の液冷媒の一部が過冷却熱交
換器から流出する可能性がある。そして、このように液
冷媒が流出する状況では、所定の乾き運転(過冷却熱交
換器から過熱されたガス冷媒が導出する運転状態)を行
うように、電動膨張弁を急激に絞って冷媒熱交換部で冷
媒が確実に蒸発して過熱度がつくようような制御が行わ
れる。ところが、このように膨張弁を絞ると、冷媒熱交
換部内の冷媒圧力が低下し、これに伴って冷媒の蒸発温
度も急激に低下する。そして、この急激に温度が低下し
た冷媒によって蓄熱媒体熱交換部の水が冷却されること
になるために、この蓄熱媒体熱交換部を流れる水の一部
で過冷却度が大きくなり、この過冷却状態が解消してし
まって氷化し、これが蓄熱媒体熱交換部の水流通路を閉
塞する可能性がある。このような状況が生じると、水の
流通抵抗が著しく増大し、水の循環量が減少して製氷効
率の低下を招いてしまう。
【0008】ii) また、このように水を過冷却状態にす
るための熱交換器は、冷媒と水との温度差が小さいため
に、冷媒の過熱度を正確に検出できない可能性がある。
詳しく説明すると、例えば、冷媒熱交換部における冷媒
の蒸発温度が−3.5℃である一方、過冷却状態とされ
た水の温度が−1.7℃である場合、熱交換器内部での
冷媒と水との流通方向が同一方向(平行流)であると、
この過冷却水との間で熱交換を行う冷媒の温度は、この
水の温度以上に上昇することはないので、冷媒の過熱度
は1.8℃(冷媒の蒸発温度と過冷却水との温度差)を
越えた過熱度はつかないことになる。つまり、この僅か
な温度差(蒸発温度に対して最大で1.8deg しか上昇
しない温度差)をセンサによって検出して過冷却熱交換
器から導出する冷媒が過熱状態であるか否かを判定して
電動膨張弁の制御等を行う必要がある。このため、この
温度差を正確に検出するためには極めて精度の高いセン
サを使用する必要があり、一般にこの種の装置に使用さ
れているセンサでは、この温度差を正確に検知すること
ができず、冷媒流通空間から導出する冷媒に過熱度がつ
いているにも拘らず、未だ過熱度がついていないと判断
した場合には、電動膨張弁の開度を絞ることになって冷
媒の蒸発温度が低下し、上述と同様に蓄熱媒体熱交換部
の水流通路で水の過冷却状態が解消してしまって氷が該
通路を閉塞してしまうことになる。
【0009】また、この種の熱交換器の1タイプとして
縦型満液式のシェルアンドチューブ型熱交換器がある。
この熱交換器の構成について説明すると、鉛直方向に軸
芯を有する筒形状の容器を備え、この容器内に、上下方
向に延びる複数本の伝熱管が設けられ、この各伝熱管を
水配管に接続して、下端部から上端部に向って水を流す
ようにする一方、この伝熱管の周囲に冷媒を略満液状態
で流通させる冷媒流通空間を形成し、容器の側面下部に
冷媒導入管を、側面上部に冷媒導出管を夫々接続して、
各管を冷媒流通空間に連通させる。これにより、容器内
において、伝熱管内部を流通する水とその周囲の冷媒流
通空間で蒸発する冷媒との間で熱交換を行って、該水を
過冷却状態にしている。
【0010】そして、特に、このようなシェルアンドチ
ューブ型熱交換器を過冷却熱交換器として使用した場合
に乾き運転を行うと、上述した不具合に加えて以下のよ
うな不具合を招く虞れがある。
【0011】iii) 冷媒流通空間から過熱冷媒を流出さ
せるためには、該冷媒流通空間における冷媒の気液界面
の高さを低く設定して、冷媒のガス域(ガス冷媒が水と
の間で熱交換を行う領域)を大きく確保しておく必要が
ある。その理由は、過冷却熱交換器内部における冷媒と
水との温度差が小さいためである。つまり、例えば冷媒
流通空間における冷媒の蒸発温度が−3.5℃である一
方、過冷却状態とされた水の温度が−1.7℃である場
合、この−1.7℃の水により−3.5℃の冷媒に過熱
度がつくまで加熱する必要があるが、このように温度差
の小さい両者間(この場合の温度差は1.8deg )の熱
交換で冷媒の過熱状態を確実に得るためには、ガス冷媒
と水との間の熱交換面積をできるだけ大きく確保してお
く必要がある。そして、この熱交換面積を大きくするた
めにはガス域を拡大させる、つまり、冷媒の気液界面を
低く設定する必要がある。
【0012】ところが、このような構成では、過冷却熱
交換器の高さ寸法に制約がある場合、本来、水を過冷却
状態まで冷却するための液冷媒の貯留領域が小さくなっ
てしまう。即ち、過冷却水を生成するための冷媒の潜熱
変化を利用する領域の熱交換面積が極端に小さくなって
しまうことになる。このため、この小さな熱交換領域で
の熱交換によって水を所定の過冷却状態まで冷却する必
要が生じてくるために、冷媒の蒸発温度を低く設定して
単位面積当りの熱交換量を増大させる必要が生じる。し
かし、このように冷媒の蒸発温度を低く設定したので
は、伝熱管内で水の一部において過冷却度が大きくなり
過ぎて該過冷却状態が解消してしまって氷化し、上記と
同様に製氷効率の低下を招いてしまう可能性がある。
【0013】iv) また、上述の如く、冷媒流通空間にお
ける冷媒の気液界面の高さが低くなることに伴い、この
冷媒流通空間に流れ込んで気液界面付近に滞留する圧縮
機潤滑用の潤滑油が冷媒導出管から圧縮機に戻り難くな
り、このような状態が長期に亘って連続すると圧縮機の
潤滑不良を引き起こしてしまう可能性がある。
【0014】以上説明してきたように、製氷用の過冷却
水を生成する過冷却熱交換器において乾き運転を行うよ
うにした場合には、種々の不具合を招く虞れがある。
【0015】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、この種の熱交換器におけ
る冷媒の流通状態を改良することにより、上述した種々
の不具合を回避することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、過冷却熱交換器から導出す
る冷媒が湿り蒸気となるような制御を行うことで、乾き
運転による不具合を解消するようにした。
【0017】具体的には、圧縮機(1) と、熱源側熱交換
器(3) と、膨張機構(52a) と、過冷却熱交換器(42)の冷
媒熱交換部(42a) とが冷媒配管(8) によって冷媒の循環
が可能に接続されてなる冷媒循環回路(A) を備えさせる
とともに、蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(T) と、蓄熱
媒体を圧送する循環手段(P) と、上記冷媒熱交換部(42
a) との間で熱交換可能な過冷却熱交換器(42)の蓄熱媒
体熱交換部(42b) とが循環配管(45)によって蓄熱媒体の
循環が可能に接続されてなる蓄熱循環回路(B) を備えさ
せる。そして、上記冷媒熱交換部(42a) を流れる冷媒
と、蓄熱媒体熱交換部(42b) を流れる液相の蓄熱媒体と
を熱交換させ、蒸発する冷媒により蓄熱媒体を過冷却状
態まで冷却し、この蓄熱媒体を過冷却熱交換器(42)から
導出した後に、その過冷却状態を解消して氷を生成し、
該氷を蓄熱タンク(T) に回収する製氷運転を行わせる製
氷運転手段(71)と、製氷運転時、冷媒熱交換部(42a) の
出口側冷媒が湿り蒸気になるように冷媒温度を蒸発温度
に保持する湿り制御手段(72)とを備えさせた構成として
いる。
【0018】この構成により、製氷時の動作としては、
蓄熱タンク(T) から取出された蓄熱媒体が、蓄熱媒体熱
交換部(42b) において冷媒熱交換部(42a) を流れる冷媒
との間で熱交換を行って過冷却状態まで冷却され、蓄熱
媒体熱交換部(42b) から導出した後に過冷却状態が解消
されて相変化して氷となる。そして、この氷は蓄熱タン
ク(T) に回収され蓄冷熱として貯蔵される。このような
製氷動作の際、過冷却熱交換器(42)では、湿り制御手段
(72)により冷媒熱交換部(42a) の出口側冷媒が湿り蒸気
になるように冷媒温度が蒸発温度に保持される。このた
め、乾き運転において課題となっていた冷媒蒸発温度の
低下を抑制でき、過冷却熱交換器(42)の凍結が回避され
ることになる。
【0019】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、膨張機構を開度調整可能な膨張
弁(52a) とし、湿り制御手段(72)がこの膨張弁(52a) の
開度を調整する構成とした。
【0020】この構成により、膨張弁(52a) の開度を大
きくすると冷媒熱交換部(42a) の冷媒圧力の上昇に伴っ
て蒸発温度が上昇し、逆に、膨張弁(52a) の開度を小さ
くすると冷媒熱交換部(42a) の冷媒圧力の下降に伴って
蒸発温度が低下する。つまり、冷媒熱交換部(42a) の出
口側冷媒が蒸発して過熱するような状況になると、膨張
弁(52a) の開度を大きくしてこの出口側冷媒が湿り蒸気
にするような制御が行われる。
【0021】請求項3記載の発明は、上記請求項2記載
の氷蓄熱装置において、過冷却熱交換器(42)から導出す
る冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段(Th-SH1)を備
えさせ、湿り制御手段(72)が、上記過熱度検出手段(Th-
SH1)の出力を受け、この導出する冷媒の過熱度の目標値
を0deg として膨張弁(52a) の開度を調整する構成とし
ている。
【0022】この構成により、製氷運転時に、冷媒熱交
換部(42a) の出口側冷媒が湿り蒸気となるように冷媒温
度を蒸発温度に保持するための具体構成が得られること
になる。
【0023】請求項4記載の発明は、上記請求項2記載
の氷蓄熱装置において、過冷却熱交換器(42)から導出し
た冷媒に所定熱量を与えて加熱する加熱手段(65)と、こ
の加熱により過熱した冷媒の過熱度を検出する過熱度検
出手段(Th-SH2)と、該過熱度検出手段(Th-SH2)の出力を
受け、その過熱度及び上記加熱手段(65)が冷媒に与えた
熱量に基づいて過冷却熱交換器(42)から導出する冷媒が
湿り状態であるか否かを判定する判定手段(73)とを備え
させ、湿り制御手段(72)が、上記判定手段(73)の出力を
受け、過冷却熱交換器(42)から導出する冷媒が所定の湿
り状態となるように膨張弁(52a) の開度を調整する構成
としている。
【0024】この構成により、冷媒熱交換部(42a) の出
口側冷媒を湿り蒸気とする動作としては、過冷却熱交換
器(42)から導出した冷媒に加熱手段(65)により所定熱量
を与える。そして、この加熱により過熱した冷媒の過熱
度を過熱度検出手段(Th-SH2)により検出し、この過熱度
及び上記加熱手段(65)が冷媒に与えた熱量に基づいて過
冷却熱交換器(42)から導出する冷媒が湿り状態であるか
否かを判定手段(73)が判定し、これに基いて、湿り制御
手段(72)が、過冷却熱交換器(42)から導出する冷媒が所
定の湿り状態となるように膨張弁(52a) の開度を調整す
る。
【0025】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の氷蓄熱装置において、加熱手段(65)を、膨張弁(52a)
上流側の冷媒配管(8) を流れる高温の冷媒と、過冷却熱
交換器(42)から導出した冷媒とを熱交換させるものとし
た構成としている。
【0026】この構成により、過冷却熱交換器(42)から
導出した冷媒に所定熱量を与える加熱手段(65)の構成が
具体的に得られ、特別な加熱源を必要とすることなしに
過冷却熱交換器(42)から導出した冷媒を過熱状態にする
ことができる。
【0027】請求項6記載の発明は、上記請求項1記載
の氷蓄熱装置において、湿り制御手段(72)を、膨張機構
(52a) による冷媒の減圧度を一定とするものとした構成
としている。
【0028】この構成では、特に本発明に係る装置にお
いては、蓄熱循環回路(B) を循環する蓄熱媒体の循環量
や要求される過冷却度は殆ど変化しないので、膨張機構
(52a) としてはその減圧度を一定としても何ら不具合を
生じない。つまり、膨張機構(52a) を開度調整可能な膨
張弁とした場合には、その開度制御を一定にできて制御
動作の簡略化が図れ、また、この膨張機構(52a) として
キャピラリチューブを適用することも可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0030】図1は本発明の実施形態に係る氷蓄熱式空
気調和装置に備えられた冷媒循環回路(A) の全体構成を
示している。また、図2は蓄熱循環回路としての水循環
回路(B) を示す図である。図1に示すように、本空気調
和装置は、室外ユニット(X)と複数の室内ユニット(Y,Y,
Y) とが上記冷媒循環回路(A) の一部を構成する液側及
びガス側の連絡管(RL,RG) により接続された所謂室内マ
ルチタイプに構成されている。以下、冷媒循環回路(A)
及び水循環回路(B) について説明する。
【0031】−冷媒循環回路の説明− 先ず、冷媒循環回路(A) の主要回路構成について説明す
る。
【0032】この冷媒循環回路(A) は、室外ユニット
(X) に備えられた圧縮機構(1) 、四路切換弁(2) 、室外
ファン(F) が近接配置された熱源側熱交換器としての室
外熱交換器(3) 、レシーバ(4) 及び第1室外電動膨張弁
(5) と、室内ユニット(Y) に備えられた複数の室内電動
膨張弁(6,6,6) 及び利用側熱交換器としての室内熱交換
器(7,7,7) とが冷媒配管(8) によって順に接続されて成
るメイン冷媒回路(A-1)を備えている。
【0033】各機器の冷媒配管(8) による接続状態につ
いて詳しく説明すると、上記室外熱交換器(3) における
ガス側である一端にはガス側配管(10)が、液側である他
端には液側配管(11)が夫々接続されている。ガス側配管
(10)は、四路切換弁(2) によって圧縮機構(1) の吐出側
と吸込側とに切換可能に接続されている。つまり、この
ガス側配管(10)は、圧縮機構(1) の吐出側と四路切換弁
(2) とを接続する第1吐出ガスライン(10a) 、四路切換
弁(2) と室外熱交換器(3) とを接続する第2吐出ガスラ
イン(10b) 、四路切換弁(2) と圧縮機構(1) の吸入側と
を接続する吸入ガスライン(10c) を備えている。また、
この吸入ガスライン(10c) にはアキュムレータ(12)が設
けられている。
【0034】一方、液側配管(11)は、室外熱交換器(3)
とレシーバ(4) とを接続する第1液ライン(11a) 、レシ
ーバ(4) と第1室外電動膨張弁(5) とを接続する第2液
ライン(11b) 、室外電動膨張弁(5) と液側連絡管(RL)と
を接続する第3液ライン(11c) を備えている。また、第
1液ライン(11a) には、室外熱交換器(3) からレシーバ
(4) へ向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV1)
が、第3液ライン(11c)には、室外電動膨張弁(5) から
液側連絡管(RL)へ向かう冷媒の流通のみを許容する2個
の逆止弁(CV2,CV3) が夫々設けられている。
【0035】また、第1液ライン(11a) における逆止弁
(CV1) とレシーバ(4) との間と、第3液ライン(11c) に
おける逆止弁(CV3) の下流側とは第4液ライン(11d) に
より接続されている。この第4液ライン(11d) には、第
3液ライン(11c) から第1液ライン(11a) へ向かう冷媒
の流通のみを許容する逆止弁(CV4) が設けられている。
【0036】また、上記液側連絡管(RL)は、複数の室内
液配管(7a,7a,7a)を介して各室内熱交換器(7,7,7) の液
側に接続されている。この各室内液配管(7a,7a,7a)には
上記室内電動膨張弁(6,6,6) が設けられている。
【0037】一方、上記ガス側連絡管(RG)は、複数の室
内ガス配管(7b,7b,7b)を介して各室内熱交換器(7,7,7)
のガス側に接続されている。また、このガス側連絡管(R
G)は、ガス配管(15)を介して四路切換弁(2) に接続され
ており、この四路切換弁(2)によって圧縮機構(1) の吐
出側及び吸込側に対する接続状態が切換え可能となって
いる。
【0038】上記圧縮機構(1) は、インバータ制御され
て多数段階に容量制御される可変容量型の上流側圧縮機
(COMP-1)と、フルロード、アンロード及び停止の3段
階に切換え制御されるアンローダ機構付きの下流側圧縮
機(COMP-2)とが並列に接続された所謂ツイン型に構成
されている。
【0039】そして、本冷媒循環回路(A) には、圧縮機
構(1) に潤滑油を戻す油戻し機構(20)が設けられてい
る。この油戻し機構(20)は、油分離器(21,22)と油戻
し管(23,24)とを備えている。上記油分離器(21,22)
は、第1吐出ガスライン(10a)の一部である上流側圧縮
機(COMP-1)と下流側圧縮機(COMP-2)との各吐出管(1
0a-1,10a-2) の夫々に配設されている。また、上記油戻
し管(23,24)は、キャピラリチューブ(CP)を備え、油
分離器(21,22)の下端部と上記吸入ガスライン(10c) の
一部である上流側圧縮機(COMP-1)の吸込管(10c-1) と
に接続され、油分離器(21,22)に溜った潤滑油を上流側
圧縮機(COMP-1)に戻すように構成されている。また、
各吐出管(10a-1,10a-2) における油分離器(21,22) の下
流側には各圧縮機(COMP-1,COMP-2) から四路切換弁(2)
に向かう冷媒の流通のみを許容する逆止弁(CV5,CV6) が
夫々設けられている。
【0040】また、上記吸入ガスライン(10c) の一部で
ある下流側圧縮機(COMP-2)の吸込管(10c-2) は、上流
側圧縮機(COMP-1)の吸込管(10c-1) より圧力損失が大
きく設定され、両圧縮機(COMP-1,COMP-2)の間にキャ
ピラリチューブ(CP)を備えた均油管(25)が接続されて
いる。この結果、高圧側となる上流側圧縮機(COMP-1)
に回収された潤滑油が、低圧側となる下流側圧縮機(CO
MP-2)に供給されて、各圧縮機(COMP-1,COMP-2)に均等
に潤滑油が回収されるようになっている。
【0041】また、上記室外熱交換器(3) に隣接して補
助熱交換器(30)が設けられており、この補助熱交換器(3
0)のガス側は、補助ガスライン(31)によって第1吐出ガ
スライン(10a) における逆止弁(CV5,CV6) の下流側に接
続されている。一方、補助熱交換器(30)の液側は、補助
液ライン(32)によって第1液ライン(11a) における逆止
弁(CV1) の下流側に接続されている。また、この補助液
ライン(32)にはキャピラリチューブ(CP)及び第1電磁弁
(SV1) が設けられている。
【0042】更に、第3液ライン(11c) における逆止弁
(CV2) の上流側と第1液ライン(11a) における逆止弁(C
V1) の上流側との間は暖房液ライン(33)により接続され
ている。この暖房液ライン(33)には第3液ライン(11c)
から室外熱交換器(3) へ向う冷媒の流通のみを許容する
逆止弁(CV7) が設けられている。
【0043】また、第2液ライン(11b) と、第3液ライ
ン(11c) における逆止弁(CV2) の下流側とはバイパスラ
イン(34)により接続されている。このバイパスライン(3
4)には第2電磁弁(SV2) 及び第2液ライン(11b) から第
3液ライン(11c) へ向う冷媒の流通のみを許容する逆止
弁(CV8) が設けられている。以上が冷媒循環回路(A)の
主要な回路構成である。
【0044】−水循環回路の説明− 次に、水循環回路(B) の構成について説明する。
【0045】この水循環回路(B) は、図2に示すよう
に、蓄熱タンク(T) 、循環手段としてのポンプ(P) 、二
重管構造の熱交換器で成る予熱器(40)、混合器(41)、縦
型のシェルアンドチューブ式の熱交換器で成る過冷却熱
交換器としての蓄熱熱交換器(42)、及び過冷却解消器(4
3)が水配管(45)によって水の循環(図2の矢印参照)が
可能に順に接続されている。また、蓄熱熱交換器(42)と
過冷却解消器(43)とを接続する水配管(45a) には、氷核
生成器(46)及び氷進展防止器(47)が備えられている。そ
して、予熱器(40)及び蓄熱熱交換器(42)では冷媒循環回
路(A) を流れる冷媒と水との間で熱交換を行うようにな
っている。
【0046】以下、この予熱器(40)及び蓄熱熱交換器(4
2)に対し、水との間で熱交換を行う冷媒を供給するため
の冷媒循環回路(A) の構成について説明する。
【0047】図1に示すように、予熱器(40)は、上記第
3液ライン(11c) の途中に設けられており、この二重管
でなる予熱器(40)の中央側空間を水が外側空間を第3液
ライン(11c) 内の冷媒が流れることで、この両者間で熱
交換を行うようになっている(図2参照)。また、第3
液ライン(11c) における予熱器(40)とバイパスガスライ
ン(34)の接続位置との間と、アキュムレータ(12)の上流
側とは解凍バイパスライン(50)により接続されている。
この解凍バイパスライン(50)には第3電磁弁(SV3) が設
けられている。
【0048】次に、蓄熱熱交換器(42)の構成について説
明する。該蓄熱熱交換器(42)は、図3に示すように、上
下方向に延びる軸芯を有する密閉型の円筒形状の容器(4
8)を備えている。この容器(48)内の上下両端部には、管
板(36),(37) により画成された蓄熱媒体の導出及び導入
空間としての導出側及び導入側の水流通空間(48a),(48
b) を備えているとともに、その導出側水流通空間(48a)
と導入側水流通空間(48b) との間を上下方向に延びて
連結する複数の伝熱管(49,49, …) が設けられている。
詳しくは、上側に位置する導出側の管板(36)は、容器(4
8)の上面に対して所定間隔を存した下側位置において該
容器(48)の内面全体に亘って配置されて、その上側の空
間である導出側水流通空間(48a) と下側の空間である冷
媒流通空間(48c) とを区画形成している。一方、下側に
位置する導入側の管板(37)は、容器(48)の下面に対して
所定間隔を存した上側位置において該容器(48)の内面全
体に亘って配置されて、その下側の空間である導入側水
流通空間(48b) と上記冷媒流通空間(48c) とを区画形成
している。そして、導入側水流通空間(48b) には混合器
(41)から延びる水配管(45c) が、導出側水流通空間(48
a) には過冷却解消器(43)へ繋がる水配管(45d) が夫々
接続されている。また、各伝熱管(49,49, …) は、外周
面に図示しない放熱フィンを備えた直管で成り、互いに
等間隔隔てた位置に平行状態で配置されており、上端は
導出側管板(36)を貫通して導出側水流通空間(48a) に開
口し、下端は導入側管板(37)を貫通して導入側水流通空
間(48b) に開口している。つまり、各伝熱管(49,49,
…) は、導入側水流通空間(48b) から導出側水流通空間
(48a) へ向う水の流通が可能となっている。
【0049】また、上記冷媒流通空間(48c) には、その
下部に下部接続管(52)が、上部に上部接続管(51)が夫々
接続されている。この上部接続管(51)および下部接続管
(52)は、後述する冷蓄熱運転、解凍運転、冷蓄熱/冷房
同時運転、温蓄熱利用暖房運転の際、蓄熱熱交換器(42)
の冷媒流通空間(48c) に冷媒を導入する冷媒導入管およ
び該冷媒流通空間(48c) から冷媒を導出する冷媒導出管
として機能するようになっている。このような構成によ
り、各水流通空間(48a,48b) と伝熱管(49)の内部通路と
により蓄熱媒体熱交換部(42b) が構成され、冷媒流通空
間(48c) により冷媒熱交換部(42a) が構成されている。
そして、この冷媒流通空間(48c) 内には、上部接続管(5
1)および下部接続管(52)からの冷媒の導入又は導出によ
って冷媒流通空間(48c) 内に冷媒が気液界面(G) を有し
てほぼ満液状態で循環するようになっている。つまり、
蓄熱熱交換器(42)は、冷媒流通空間(48c) 内において上
部接続管(51)及び下部接続管(52)により導入、導出され
る冷媒が各伝熱管(49)の周囲を流通し、この冷媒と各伝
熱管(49)内を流通する水との熱交換を行うよう構成され
ている。また、上記気液界面(G) は、容器(48)に対する
上部接続管(51)の接続位置よりも下側に位置している。
この気液界面(G) の高さ調整は、例えば下部接続管(52)
に設けられた第2室外電動膨張弁(52a) の開度調整によ
り行われる。
【0050】以上が蓄熱熱交換器(42)の主な構成であ
る。
【0051】一方、上部接続管(51)は、図1の如く、一
端が吸入ガスライン(10c) における上記解凍バイパスラ
イン(50)の接続位置の上流側に接続されている。一方、
下部接続管(52)は、一端が第3液ライン(11c) における
上記予熱器(40)と逆止弁(CV3) との間に接続されてい
る。また、上部接続管(51)には第4電磁弁(SV4) が、下
部接続管(52)には上記第2室外電動膨脹弁(52a) がそれ
ぞれ設けられている。尚、この下部接続管(52)は、第2
室外電動膨張弁(52a) が全開状態である時に、冷媒熱交
換部(42a) を流れる冷媒が過熱することのないような内
径寸法に設定されている。
【0052】また、上記レシーバ(4) の上端部と、下部
接続管(52)における第2室外電動膨張弁(52a) と蓄熱熱
交換器(42)との間は蓄熱利用バイパス管(53)により接続
されている。そして、この蓄熱利用バイパス管(53)には
キャピラリチューブ(CP)及び第5電磁弁(SV5) が設けら
れている。
【0053】更に、第1吐出ガスライン(10a) における
補助ガスライン(31)の接続位置と逆止弁(CV5,CV6) との
間と、下部接続管(52)における蓄熱利用バイパス管(53)
の接続位置と第2室外電動膨張弁(52a) との間はホット
ガス供給管(54)により接続されている。このホットガス
供給管(54)には第6電磁弁(SV6) が設けられている。
【0054】また、このホットガス供給管(54)における
第6電磁弁(SV6) の下流側と蓄熱熱交換器(42)の側面上
部との間は蓄熱利用供給管(55)により接続されている。
この蓄熱利用供給管(55)には第7電磁弁(SV7) が設けら
れている。
【0055】このようにして予熱器(40)及び蓄熱熱交換
器(42)に冷媒配管が接続されていることにより、各冷媒
配管より各機器(40,42) に冷媒が供給されると、該冷媒
と水との間で熱交換が行われて該水を冷却或いは加熱す
るようになっている。具体的には、例えば、蓄熱熱交換
器(42)において製氷用の過冷却水を生成するよう水を冷
却したり、水配管(45)を氷が循環する際には該氷を融解
するよう予熱器(40)により水を加熱する。
【0056】次に、上記氷核生成器(46)及び氷進展防止
器(47)について説明する。氷核生成器(46)は、水配管(4
5a) を流れる水の一部を冷媒循環回路(A) を流れる冷媒
により冷却氷化し、それを氷核として過冷却解消器(43)
に供給するものである。そして、この氷核生成器(46)に
は氷核生成冷媒導入管(58)及び氷核生成冷媒導出管(59)
が接続されている。氷核生成冷媒導入管(58)は、一端が
下部接続管(52)におけるホットガス供給管(54)の接続位
置と第2室外電動膨張弁(52a) との間に、他端が氷核生
成器(46)に夫々接続されている。また、この氷核生成冷
媒導入管(58)はキャピラリチューブ(CP)を備えている。
氷核生成冷媒導出管(59)は、一端が上記下流側圧縮機(C
OMP-2)の吸入管(10c-2) に、他端が氷核生成器(46)に夫
々接続されている。これにより、氷核生成冷媒導入管(5
8)から氷核生成器(46)に導入された冷媒と水配管(45a)
を流れる水との間で熱交換を行って該水を冷却し、この
水の一部を氷塊として水配管(45a) の内壁面に付着生成
し、水配管(45a) 内を流れる過冷却水の一部を、この氷
塊に接触させて過冷却を解消させて氷核を生成し、これ
を過冷却解消部(43)に向って流す構成となっている。
【0057】また、氷進展防止器(47)は、上記氷核生成
器(46)よりも水の流通方向上流側に配設されており、氷
核生成器(46)から水配管(45a) の管壁に沿った氷の進展
を防止するものである。そして、この氷進展防止器(47)
には進展防止冷媒導入管(60)及び進展防止冷媒導出管(6
1)が接続されている。進展防止冷媒導入管(60)は、一端
が補助ガスライン(31)に、他端が氷進展防止器(47)に夫
々接続されている。進展防止冷媒導出管(61)は、一端が
上記補助液ライン(32)におけるキャピラリチューブ(CP)
と第1電磁弁(SV1) との間に、他端が氷進展防止器(47)
に夫々接続されている。また、この進展防止冷媒導出管
(61)はキャピラリチューブ(CP)を備えている。これによ
り、進展防止冷媒導入管(60)から導入された冷媒により
水配管(45a) の管壁を加熱することにより氷核生成器(4
6)からの氷の進展を阻止するようになっている。
【0058】また、上記混合器(41)及び過冷却解消器(4
3)は、共に中空円筒状の容器で成り、水配管(45)により
内周面接線方向から水が導入され容器内に導入された水
が旋回流となる構成とされている。これにより、混合器
(41)では、後述するように蓄熱タンク(T) から流出され
た氷と予熱器(40)で加熱された水とを混合撹拌すること
で、この氷の融解を促進させ、一方、過冷却解消器(43)
では、上記氷核生成器(46)で生成された氷核と蓄熱熱交
換器(42)で生成された過冷却水とを混合撹拌して過冷却
の解消を促進するようになっている。
【0059】また、図2における(62)は、予熱器(40)に
導入する水に含まれる氷や不純物を除去するためのフィ
ルタである。
【0060】そして、上述した四路切換弁(2) 、各電磁
弁(SV1〜SV7)及び各電動膨張弁(5,6,52a) はコントロー
ラ(70)によって開閉状態が制御されるようになってい
る。
【0061】−センサ類の構成− 上記冷媒循環回路(A) 及び水循環回路(B) には、各種の
センサが設けられている。この各センサについて説明す
ると、先ず、冷媒循環回路(A) には、室外空気温度を検
出する外気温センサ(Th-1)が室外熱交換器(3) の近傍
に、室外熱交換器(3) の液冷媒温度を検出する室外液温
センサ(Th-2)が分流管側に、圧縮機構(1)の吐出ガス冷
媒温度を検出する吐出ガス温センサ(Th-31,Th-32) が各
圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出管(10a-1,10a-2)に、
圧縮機構(1) の吸入ガス冷媒温度検出する吸入ガス温セ
ンサ(Th-4)が圧縮機構(1) の吸入ガスライン(10c) にそ
れぞれ設けられている。更に、圧縮機構(1) の吐出冷媒
圧力を検出する高圧圧力センサ(SEN-H)が第1吐出ガス
ライン(10a) に、圧縮機構(1)の吸込冷媒圧力を検出す
る低圧圧力センサ(SEN-L)が吸入ガスライン(10c) に繋
がる上記上部接続管(51)にそれぞれ設けられると共に、
各圧縮機(COMP-1,COMP-2)の吐出冷媒圧力が所定高圧
になると作動する高圧保護開閉器(HPS,HPS)が各圧縮機
(COMP-1,COMP-2)の吐出管(10a-1,10a-2) に設けられ
ている。
【0062】一方、水循環回路(B) には、予熱器(40)下
端部の水入口部分に入口水温センサ(Th-W1) が、混合器
(41)の下端部の水出口部分近傍に出口水温センサ(Th-W
2) が、蓄熱熱交換器(42)上端部の水出口側に過冷却水
温センサ(Th-W3) が、過冷却解消器(43)に氷生成検知セ
ンサ(Th-W4) がそれぞれ設けられており、各部での水温
を検知するようになっている。更に、予熱器(40)の下端
に繋がる水入口管(45b)には該水入口管(45b) 内の水の
流速を検知し、該流速が所定値以下になるとON作動す
るフロースイッチ(SW-F)が設けられている。
【0063】また、上記蓄熱熱交換器(42)に接続してい
る上部接続管(51)には、図3の如く、この上部接続管(5
1)を流れる冷媒の過熱度を検出する過熱度検出手段とし
ての過熱度検出センサ(Th-SH1)が設けられている。実際
の過熱度検出動作としては、上記低圧圧力センサ(SEN-
L)で検出した吸込冷媒圧力に基いて冷媒圧力相当飽和温
度を算出し、この温度を過熱度検出センサ(Th-SH1)が検
出した温度から減算することにより過熱度が得られる。
【0064】−制御の構成− そして、本空気調和装置は、各センサ(Th-1〜SEN-L,Th
-W1 〜Th-W4)、開閉器(HPS)、スイッチ(SW-F)の検出信
号がコントローラ(70)に入力され、これら検出信号に基
づいて各電磁弁(SV1〜SV7)の開閉切換え、各電動膨張弁
(5,6,52a) の開度調整及び圧縮機構(1) の容量等を制御
している。
【0065】また、このコントローラ(70)には、空気調
和装置に製氷運転としての冷蓄熱運転を行わせる製氷運
転手段(71)と、湿り制御手段(72)とが設けられている。
【0066】製氷運転手段(71)は、後述する冷蓄熱運転
の如く、水循環回路(B) の水を過冷却状態にし、この過
冷却状態を解消して氷を生成して該氷を蓄熱タンク(T)
に回収するような運転動作を行わせるものである。
【0067】湿り制御手段(72)は、この製氷運転手段(7
1)による冷蓄熱運転時に、冷媒熱交換部(42a) の出口側
冷媒が湿り蒸気になるように冷媒温度を蒸発温度に保持
するものである。具体的には、上記過熱度検出センサ(T
h-SH1)によって検出される上部接続管(51)を流れる冷媒
の過熱度が0deg になるように第2室外電動膨張弁(52
a) の開度を制御するようになっている。
【0068】−運転動作− 次に、上述の如く構成された空気調和装置の運転動作に
ついて説明する。本空気調和装置の運転モードとして
は、通常冷房運転、通常暖房運転、氷核生成運転、冷蓄
熱運転、解凍運転、冷蓄熱/冷房同時運転、冷蓄熱利用
冷房運転、温蓄熱運転、温蓄熱/暖房同時運転及び温蓄
熱利用暖房運転がある。
【0069】以下、各運転モードにおける冷媒循環動作
について説明する。
【0070】−通常冷房運転− この運転モードでは、コントローラ(70)により、四路切
換弁(2) が図中実線側に切換えられ、室内電動膨張弁
(6) が所定開度に調整(過熱度制御)され、それ以外の
電動膨張弁が閉鎖される。一方、第2電磁弁(SV2) が開
放され、それ以外の電磁弁が閉鎖される。
【0071】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図4に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に導入さ
れ、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱交換を
行って凝縮する。その後、この冷媒は液側配管(11)及び
バイパスライン(34)を経て室内ユニット(Y,Y,Y) に導入
され、室内電動膨張弁(6,6,6) で減圧された後、室内熱
交換器(7,7,7) において室内空気との間で熱交換を行い
蒸発して室内空気を冷却する。そして、このガス冷媒は
ガス配管(15)、四路切換弁(2) 及び吸入ガスライン(10
c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。このよう
な冷媒の循環動作を行うことにより室内の冷房が行われ
る。
【0072】−通常暖房運転− この運転モードでは、コントローラ(70)により、四路切
換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外電動膨張弁
(5) が所定開度に調整される一方、室内電動膨張弁(6)
が全開状態にされる。また、第2室外電動膨張弁(52a)
及び各電磁弁は共に閉鎖される。
【0073】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図5に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユニ
ット(Y,Y,Y) に導入され、室内熱交換器(7,7,7) におい
て室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内空気を
加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(11c)及
び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達し、該レ
シーバ(4) から第2液ライン(11b) を流れて第1室外電
動膨張弁(5) で減圧された後、暖房液ライン(33)から室
外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換器(3) におい
て外気との間で熱交換を行って蒸発する。その後、四路
切換弁(2) 、吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1)
の吸入側に戻される。このような冷媒の循環動作を行う
ことにより室内の暖房が行われる。
【0074】−氷核生成運転− この運転モードは、後述する冷蓄熱運転において過冷却
水の過冷却状態を解消するための氷核を生成するもので
ある。また、この運転モードでは氷核生成動作の開始前
に水循環回路(B) 内の水を所定温度(例えば2℃)まで
冷却する水冷却動作が行われる。この水冷却動作の水及
び冷媒の循環動作について説明すると、第2室外電動膨
張弁(52a) を所定開度に調整し、且つ第1及び第2電磁
弁(SV1,SV2) を開放する。それ以外の電動膨張弁及び電
磁弁は閉塞する。また、四路切換弁(2) は実線側に切換
えられる。この状態で、ポンプ(P) を駆動して水循環回
路(B) において水を循環させ、圧縮機構(1) を駆動す
る。そして、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、
室外熱交換器(3) で凝縮した後、液側配管(11)及び下部
接続管(52)を経て第2室外電動膨張弁(52a) で減圧した
後、蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通空間(48c) 内に導入
し、ここで各伝熱管(49)内を流通する水との間で熱交換
を行い、該水を冷却して蒸発する。その後、この冷媒流
通空間(48c) 内の冷媒は、上部接続管(51)及び吸入ガス
ライン(10c) によって圧縮機構(1) の吸入側に戻され
る。このとき、上部接続管(51)は、冷媒流通空間(48c)
内の冷媒を導出する冷媒導出管として機能する。
【0075】そして、このような水冷却動作が所定時間
行われて水循環回路(B) の水温が所定温度に達すると、
以下の氷核生成動作に移る。
【0076】この氷核生成動作では、コントローラ(70)
により、四路切換弁(2) が実線側とされ、第2室外電動
膨張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の電動膨
張弁は閉鎖される。また、第1及び第2電磁弁(SV1,SV
2) が開放される一方、他の電磁弁は閉鎖される。
【0077】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において上述し
た水冷却動作によって冷却された水が循環する。一方、
冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1) の上流側圧
縮機(COMP-1)のみが駆動する。そして、この圧縮機(COM
P-1)から吐出された冷媒は、図6に矢印で示すように、
その一部が、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に
導入され、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱
交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は、液側配管
(11)及びバイパスライン(34)、下部接続管(52)、第2室
外電動膨張弁(52a) 、氷核生成冷媒導入管(58)を経て氷
核生成器(46)に導入される。また、圧縮機(COMP-1)から
吐出された冷媒の他の一部は補助ガスライン(31)を経て
補助熱交換器(30)に導入され、該補助室外熱交換器(30)
においても外気との間で熱交換を行って凝縮する。その
後、この冷媒は、液側配管(11)に合流する。そして、こ
の室外熱交換器(3) 及び補助室外熱交換器(30)で凝縮し
た冷媒は、第2室外電動膨張弁(52a) により減圧され、
氷核生成器(46)内部において水配管(45a) を流れている
水を冷却して氷核を生成した後、氷核生成冷媒導出管(5
9)及び吸込管(10c-1) を経て上流側圧縮機(COMP-1)の吸
入側に戻される。
【0078】一方、上記補助ガスライン(31)を流れる冷
媒の一部は、進展防止冷媒導入管(60)より氷進展防止器
(47)に供給され、水配管(45a) の管壁を加熱することに
より、氷核生成器(46)から管壁に沿って氷が進展するこ
とを防止する。そして、この冷媒は、進展防止冷媒導出
管(61)より補助液ライン(32)に合流される。このため、
仮に氷が壁面に沿って上流側(蓄熱熱交換器(42)側)に
成長する所謂氷の進展が発生する状況であっても、この
進展する氷は進展防止器(47)にまで達した部分では迅速
に融解されることになるので、この進展が蓄熱熱交換器
(42)にまで達することはない。このような氷核生成運転
が所定時間(例えば5分間)継続して行われた後、後述
する冷蓄熱運転に移る。
【0079】−冷蓄熱運転− この運転モードは、上述した氷核生成運転によって生成
された氷核に対して過冷却水を接触させることにより、
この氷核の周囲で過冷却状態を解消して蓄熱用の氷を生
成するためのものである。
【0080】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が実線側とされ、第2室外電動膨
張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の電動膨張
弁は閉鎖される。また、第1、第2、第4電磁弁(SV1,S
V2,SV4) が開放される一方、他の電磁弁は閉鎖される。
【0081】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図7に矢印で示すように、その一部が、四路切換弁
(2) を経て室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換
器(3) において外気との間で熱交換を行って凝縮する。
その後、この冷媒は、液側配管(11)及びバイパスライン
(34)、下部接続管(52)を経て蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れる。また、圧縮機構(1) から吐出された冷媒の他の一
部は補助ガスライン(31)を経て補助熱交換器(30)に導入
され、該補助室外熱交換器(30)において外気との間で熱
交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は補助液ライ
ン(32)を経て液側配管(11)に合流する。各熱交換器(3,3
0)で凝縮した冷媒は第2室外電動膨張弁(52a) により減
圧される。そして、この蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通空
間(48c) 内に導入された冷媒は、該蓄熱熱交換器(42)の
冷媒流通空間(48c) 内を各伝熱管(49)を介して流れてい
る水との間で熱交換を行って蒸発し、この水を過冷却状
態(例えば−2℃)まで冷却する。その後、上部接続管
(51)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸
入側に戻される。このときも、上部接続管(51)は、冷媒
流通空間(48c) 内から冷媒を導出する冷媒導出管として
機能する。
【0082】また、本運転にあっても、同時に上述した
氷核生成動作が行われている。つまり、下部接続管(52)
を流れる冷媒の一部が氷核生成冷媒導入管(58)を経て氷
核生成器(46)に導入されている。これにより、連続した
製氷が行えることになる。そして、この氷核生成器(46)
において水を冷却して氷核を生成した冷媒は、上述した
氷核生成運転と同様に氷核生成冷媒導出管(59)及び吸入
ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻され
る。
【0083】また、これと同時に、補助ガスライン(31)
を流れる冷媒の一部は氷進展防止器(47)に供給され、上
記と同様に氷の進展を防止している。これによって、こ
の氷の進展が蓄熱熱交換器(42)にまで達して、その内部
で過冷却水の過冷却状態が解消されて該蓄熱熱交換器(4
2)が凍結してしまうことが回避される。
【0084】このような水及び冷媒の循環動作を行うこ
とにより蓄熱熱交換器(42)で生成された過冷却水には、
氷核生成器(46)近傍において、該氷核生成器(46)からの
氷核が混入され、この状態で過冷却解消器(43)に導入さ
れる。そして、この過冷却解消器(43)において、過冷却
水は、その旋回流に伴って氷核の周囲で過冷却状態が解
消し、これによって蓄熱用のスラリー状の氷が生成され
る。この氷は、蓄熱タンク(T) に回収され、該蓄熱タン
ク(T) 内で貯留されることになる。
【0085】この際、過冷却解消器(43)において過冷却
解消動作が行われているか否かの確認は、上記過冷却水
温センサ(Th-W3) 及び氷生成検知センサ(Th-W4) によっ
て夫々検知される水温によって行われる。つまり、良好
な製氷動作が行われている場合、過冷却水温センサ(Th-
W3) では過冷却状態の水温(例えば−2℃)が、氷生成
検知センサ(Th-W4) では過冷却が解消され氷と水とが混
在した水温(例えば0℃)が夫々検出されることにな
り、これら水温を各センサ(Th-W3,Th-W4) が検知するこ
とで過冷却解消動作が行われていることが確認できる。
【0086】また、この冷蓄熱運転における圧縮機構
(1) の容量制御は、過冷却水温センサ(Th-W3) によって
検出される水温が所定温度(例えば上述した−2℃)に
維持されるように行われる。また、本運転時には、予熱
器(40)にも比較的高温の冷媒が流れるようになっている
ので、仮に蓄熱タンク(T) から水配管(45)に氷が流出
し、これが予熱器(40)に混入した場合には、該予熱器(4
0)において加熱された水と氷とが混合器(41)において撹
拌されることで氷が融解し、蓄熱熱交換器(42)に氷が混
入してしまうことを回避しながら蓄熱熱交換器(42)にお
ける過冷却水の生成動作が良好に行われ、この過冷却水
は過冷却解消器(43)に達するまでその過冷却状態が解消
されないようになっている。つまり、蓄熱熱交換器(42)
で過冷却解消してしまうことによる凍結が回避されるこ
とになる。
【0087】−解凍運転− 上述したような冷蓄熱運転の際、蓄熱熱交換器(42)にお
いて水の過冷却が解消して該蓄熱熱交換器(42)が凍結し
た場合には、この冷蓄熱運転を一時的に中断して解凍運
転に切り換える。この解凍運転では、第2室外電動膨張
弁(52a) 、第3、第4、第6の各電磁弁(SV3,SV4,SV6)
が開放され、その他の電動膨張弁及び電磁弁は閉鎖され
る。この状態で、圧縮機構(1) が駆動し、図8に矢印で
示すように、圧縮機構(1) からの高温のガス冷媒をホッ
トガス供給管(54)により下部接続管(52)に供給し、この
下部接続管(52)を経て一部は蓄熱熱交換器(42)の冷媒流
通空間(48c) 内に、他は予熱器(40)に導入される。そし
て、蓄熱熱交換器(42)に導入された冷媒(ホットガス)
は、その温熱によって蓄熱熱交換器(42)内の氷を融解す
る。また、この際、水循環回路(B) のポンプ(P) を駆動
させておけば、氷が僅かに融解した状態で、この氷がポ
ンプ(P) からの水圧によって蓄熱熱交換器(42)内の水経
路の壁面から容易に離脱されて過冷却解消器(43)に向っ
て押し流されることになる。そして、この冷媒は上部接
続管(51)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1)
の吸入側に戻される。一方、予熱器(40)に導入された冷
媒は、解凍バイパスライン(50)及び吸入ガスライン(10
c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。このとき
も、上部接続管(51)は、蓄熱熱交換器(42)の冷媒流通空
間(48c) 内の冷媒を導出する冷媒導出管として機能す
る。
【0088】尚、冷蓄熱運転時において蓄熱熱交換器(4
2)が凍結したことを検知する動作としては、過冷却水温
センサ(Th-W3) によって検出される水温度が−2℃から
0℃に急激に上昇した場合に、この過冷却水温センサ(T
h-W3) の上流側で過冷却解消動作が行われて氷が生成さ
れていると判断し、これによって上記の解凍運転を所定
時間(例えば5分間)行う。また、その他に、解凍運転
を開始する動作としては、上記フロースイッチ(SW-F)に
よって検出される水の流速が所定値以下になった場合、
氷が水循環回路(B) の一部を閉塞していると判断し、こ
の場合にも解凍運転を行って氷を融解する。そして、こ
の解凍運転が終了すると、再び冷蓄熱運転が開始される
ことになる。
【0089】−冷蓄熱/冷房同時運転− この運転モードは、室内の冷房を行いながら蓄熱タンク
(T) に氷を貯留する動作であって、比較的冷房負荷が小
さい状態において行われる。
【0090】この運転モードでは、上述した冷蓄熱運転
において、室内電動膨張弁(6,6,6)を開放することによ
って行われる。つまり、図9に矢印で示すように、室外
熱交換器(3) 及び補助熱交換器(30)で凝縮された冷媒の
一部を室内ユニット(Y,Y,Y)に供給し、室内電動膨張弁
(6,6,6) で減圧した後、室内熱交換器(7,7,7) で蒸発さ
せるようにしている。そして、このガス冷媒はガス配管
(15)、四路切換弁(2)、吸入ガスライン(10c) を経て圧
縮機構(1) の吸入側に戻されることになる。その他の水
及び冷媒の循環動作は上述した冷蓄熱運転と同様であ
る。
【0091】−冷蓄熱利用冷房運転− この運転モードは、上述した冷蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯留された氷の冷熱を利用しながら室内の冷
房を行うものである。
【0092】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が実線側に切換えられ、室内電動
膨張弁(6,6,6) が所定開度に調整され、第2室外電動膨
張弁(52a) が全開状態にされる一方、第1室外電動膨張
弁(5) が閉鎖される。また、第5,第6,第7電磁弁(S
V5,SV6,SV7) が開放され、それ以外の電磁弁が閉鎖され
る。
【0093】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。これにより、水循環回路(B) には蓄熱タンク
(T) 内の氷によって冷却された冷水が循環することにな
る。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1)
が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、図
10に矢印で示すように、その一部が、四路切換弁(2)
を経て室外熱交換器(3)に導入され、該室外熱交換器(3)
において外気との間で熱交換を行って凝縮する。その
後、この冷媒は、第1液ライン(11a) 、レシーバ(4) 、
蓄熱利用バイパス管(53)、下部接続管(52)及び第3液ラ
イン(11c) を経て室内ユニット(Y,Y,Y) に向って流れ
る。また、他の一部の冷媒は、四路切換弁(2) 及び室外
熱交換器(3)をバイパスしてホットガス供給管(54)及び
蓄熱利用供給管(55)を流れて蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れ、ここで水循環回路(B) を循環する冷水との間で熱交
換を行って凝縮し、下部接続管(52)に導入される。そし
て、この下部接続管(52)に導入された冷媒は第3液ライ
ン(11c) に合流して室内ユニット(Y,Y,Y) に向って流れ
る。そして、この室内ユニット(Y,Y,Y) に達した冷媒
は、室内電動膨張弁(6,6,6) で減圧された後、室内熱交
換器(7,7,7) で蒸発し、ガス配管(15)及び吸入ガスライ
ン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。この
ようにして、蓄熱タンク(T) 内に貯留されている氷の冷
熱を利用した室内冷房運転が行われる。
【0094】また、このような冷蓄熱利用冷房運転にお
いて、過冷却水温センサ(Th-W3) によって検出される水
温が所定温度(例えば5℃)に達した場合には、第2室
外電動膨張弁(52a) 、第5、第6及び第7電磁弁(SV5,S
V6,SV7) が閉鎖されると共に第2電磁弁(SV2) が開放さ
れて、冷蓄熱利用冷房運転を終了して、通常の冷房運転
に切換えられる。つまり、過冷却水温センサ(Th-W3) の
水温検知により、蓄熱タンク(T) 内の冷熱の殆どを利用
したと判断した後には、通常の冷房運転に切り換えられ
る。
【0095】−温蓄熱運転− この運転モードは、暖房運転時に利用する温熱として蓄
熱タンク(T) 内に温水を貯留するためのものである。
【0096】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外
電動膨張弁(5) が所定開度に調整され、第2室外電動膨
張弁(52a) 及び第7電磁弁(SV7) が開放される一方、そ
の他の電動膨張弁及び電磁弁が閉鎖される。
【0097】この状態で、水循環回路(B) にあっては、
ポンプ(P) が駆動して該水循環回路(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が駆動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図11に矢印で示すように、ホットガス供給管(54)
及び蓄熱利用供給管(55)を経て蓄熱熱交換器(42)に導入
され、ここで水循環回路(B) の水との間で熱交換を行っ
て該水を加熱して凝縮する。そして、この冷媒は、下部
接続管(52)、第3液ライン(11c) 、第4液ライン(11d)
、第2液ライン(11b) 及び暖房液ライン(33)を経て、
第1室外電動膨張弁(5) で減圧された後、室外熱交換器
(3) に導入される。そして、この室外熱交換器(3) にお
いて外気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換
弁(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の
吸入側に戻される。このような水及び冷媒の循環動作を
行うことにより水循環回路(B) を流れる水は蓄熱熱交換
器(42)において冷媒からの熱を受け、高温の温水となっ
て蓄熱タンク(T) 内に貯留されることになる。
【0098】そして、このような温蓄熱運転中におい
て、入口水温センサ(Th-W1) によって検出される水温が
所定の高温(例えば35℃)に達すると、蓄熱タンク
(T) 内に十分な温熱が貯留されたと判断して運転を終了
する。
【0099】−温蓄熱/暖房同時運転− この運転モードは、室内の暖房を行いながら蓄熱タンク
(T) に温水を貯留する動作であって、比較的暖房負荷が
小さい状態において行われる。
【0100】この運転モードでは、上述した温蓄熱運転
において、室内電動膨張弁(6,6,6)を開放することによ
って行われる。つまり、図12に矢印で示すように、圧
縮機構(1) から吐出された冷媒の一部をガス配管(15)に
よって室内熱交換器(7,7,7)に導入し、この室内熱交換
器(7,7,7) において室内空気との間で熱交換を行って該
室内空気を加温して凝縮した後、第3液ライン(11c) の
冷媒に合流させている。その他の水及び冷媒の循環動作
は上述した温蓄熱運転と同様である。
【0101】−温蓄熱利用暖房運転− この運転モードは、上述した温蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯留された温水の温熱を利用しながら室内の
暖房を行うものである。
【0102】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) が破線側に切換えられ、第1室外
電動膨張弁(5) が所定開度に調整される一方、室内電動
膨張弁(6,6,6) 及び第2室外電動膨張弁(52a) が全開状
態にされる。また、第4電磁弁(SV4) が開放され、それ
以外の電磁弁が閉鎖される。
【0103】この状態で圧縮機構(1) が駆動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図13に矢印で示す
ように、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユ
ニット(Y,Y,Y) に導入され、室内熱交換器(7,7,7) にお
いて室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内空気
を加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(11c)
及び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達し、該
レシーバ(4) から第2液ライン(11b) を経て第1室外電
動膨張弁(5) により減圧される。その後、この冷媒は一
部が第2液ライン(11b) 及び下部接続管(52)を経て蓄熱
熱交換器(42)の冷媒流通空間(48c) 内に導入され、ここ
で温水との間で熱交換を行って蒸発した後、上部接続管
(51)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸
入側に回収される。このときも、上部接続管(51)が、蓄
熱熱交換器(42)の冷媒流入部(48c) 内から冷媒を導出す
る冷媒導出管として機能する。
【0104】そして、第1室外電動膨張弁(5) で減圧さ
れた冷媒の他の一部は暖房液ライン(33)を経て室外熱交
換器(3) に導入され、この室外熱交換器(3) において室
外空気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換弁
(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸
入側に戻される。このようにして、蓄熱タンク(T) 内に
貯留されている温水の温熱を利用した室内暖房運転が行
われる。
【0105】また、この温蓄熱利用暖房運転において
も、上述した冷蓄熱利用暖房運転と同様に、入口水温セ
ンサ(Th-W1) によって検出される水温が所定温度(例え
ば20℃)に達した場合には、第2室外電動膨張弁(52
a) 及び第4電磁弁(SV4) が閉鎖され、温蓄熱利用暖房
運転を終了して、通常の暖房運転に移行する。つまり、
入口水温センサ(Th-W1) の水温検知により、蓄熱タンク
(T) 内の温熱の殆どを利用したと判断した後には、通常
の暖房運転に切り換えられる。以上のような各運転によ
り室内の空気調和が行われる。
【0106】そして、本形態の特徴とする動作として
は、上述した冷蓄熱運転時及び冷蓄熱/冷房同時運転時
における蓄熱熱交換器(42)内部での動作にある。つま
り、上述したように、これらの運転状態にあっては、湿
り制御手段(72)により、過熱度検出センサ(Th-SH1)によ
って検出される上部接続管(51)を流れる冷媒の過熱度が
0deg になるように第2室外電動膨張弁(52a) の開度を
制御している。つまり、冷媒熱交換部(42a) から上部接
続管(51)へ導出する冷媒に過熱度がつかないように第2
室外電動膨張弁(52a) の開度調整が行われ、この冷媒熱
交換部(42a) の出口側冷媒が湿り蒸気になるような制御
を行っている。これにより、上部接続管(51)には液滴混
じりの冷媒が流れることになる。
【0107】このような湿り運転を行うことにより、従
来の如く冷媒熱交換部から過熱度のついた冷媒を導出す
る乾き運転を行った場合のような不具合は解消されるこ
とになる。つまり、この乾き運転では、製氷運転の開始
時等に過冷却熱交換器から液冷媒が流出することに伴っ
て電動膨張弁を急激に絞り、冷媒熱交換部内の冷媒の蒸
発温度が急激に低下したり、過熱度センサの精度が不十
分で、冷媒流通空間から導出する冷媒に過熱度がついて
いるにも拘らず、未だ過熱度がついていないと判断し
て、電動膨張弁の開度を絞ることにより冷媒の蒸発温度
が低下し、これによって氷の発生に伴う水通路の閉塞を
引き起こす可能性があったが、本形態のような湿り運転
を行うようにすれば、このような状況の発生を回避する
ことができ、製氷運転の信頼性の向上を図ることができ
る。また、導出する冷媒に過熱度をつける必要がないた
めに冷媒の気液界面を低く設定する必要がなくなり、過
冷却水を生成するための冷媒の潜熱変化を利用する液冷
媒の貯留領域である過冷却用の熱交換領域を大きく確保
することができて、製氷効率が向上する。更に、気液界
面位置を高くできることに伴って、この気液界面付近に
滞留する圧縮機潤滑用の潤滑油を上部接続管(冷媒導出
管)から容易に圧縮機に戻すことができ、圧縮機の信頼
性の向上を図ることもできる。
【0108】また、上述したように、下部接続管(52)
は、第2室外電動膨張弁(52a) が全開状態である時に、
冷媒熱交換部(42a) を流れる冷媒が過熱することのない
ような内径寸法に設定されているので、例えば第2室外
電動膨張弁(52a) の故障などによって該膨張弁(52a) が
全開状態となった場合には、冷媒熱交換部(42a) の冷媒
圧力は下部接続管(52)の管径等によって支配されること
になるが、このような状況においても、冷媒熱交換部(4
2a) の出口側冷媒は湿り状態に維持されることになる。
【0109】−実験例− 次に、本形態の効果を確認するために行った実験の結果
について説明する。本実験は、上述した実施形態の如く
湿り運転を行った場合と、従来のように乾き運転を行っ
た場合とにおいて、夫々過冷却水生成能力を同一に設定
した場合の冷媒熱交換部での冷媒蒸発温度(42a) の変化
状態を夫々測定することにより行った。
【0110】その結果を図14に示す。本図における実
線は本形態の制御による結果を、破線は従来の制御によ
る結果をそれぞれ示す。この図から判るように、従来例
に係る乾き運転にあっては製氷運転開始直後に蒸発温度
の急激な低下があり、また、その後も比較的低い蒸発温
度となっている。その理由は上述したもの(電動弁の絞
り作用)によると推測される。これに対し、本形態の湿
り運転では、製氷運転開始時において乾き運転のような
急激な温度低下はなく、その後の温度も乾き運転の場合
よりも高くなっている。つまり、この湿り運転によれ
ば、比較的高い蒸発温度であっても所定の製氷能力を維
持することができ、本実験によって、本発明によれば蓄
熱熱交換器の内部の凍結を抑制しながら確実な製氷を行
うことができることが確認されたことになる。
【0111】−変形例− 以下、本発明に係る変形例について説明する。尚、ここ
では上述した実施形態との相違点についてのみ説明す
る。
【0112】本変形例の構成としては、図15に示すよ
うに、下部接続管(52)における第2室外電動膨張弁(52
a) の上流側と、上部接続管(51)の一部とを接触させ、
この両者間で熱交換が可能となるようにしている。これ
により、上部接続管(51)を流れる冷媒に下部接続管(52)
から所定の熱量を与えて該上部接続管(51)を過熱状態に
する加熱手段(65)が構成されている。
【0113】また、上部接続管(51)における加熱手段(6
5)の下流側には、この冷媒の過熱度を検出するための過
熱度検出センサ(Th-SH2)が設けられている。実際には、
この過熱度は、上述した如く、過熱度検出センサ(Th-SH
2)が検出した温度と、上記低圧圧力センサ(SEN-L) が検
出した圧力により算出される。
【0114】そして、図1に破線で示すように、コント
ローラ(70)には、上記過熱度検出センサ(Th-SH2)の出力
を受け、その過熱度及び加熱手段(65)において下部接続
管(52)の冷媒に与えた熱量に基づいて蓄熱熱交換器(42)
から導出する冷媒が湿り状態であるか否かを判定する判
定手段(73)が備えられている。尚、この加熱手段(65)に
おいて下部接続管(52)の冷媒に与えた熱量は、圧縮機構
(1) の運転容量、各配管(51,52) の温度差等によって求
められる。そして、この判定手段(73)の判定に基いて湿
り制御手段(72)は、蓄熱熱交換器(42)から導出する冷媒
が所定の湿り状態となるように、つまり、判定手段(73)
が、蓄熱熱交換器(42)から導出する冷媒が湿り状態であ
ると判定するように膨張弁(52a) の開度を調整するよう
になっている。
【0115】このように本例によれば、蓄熱熱交換器(4
2)から導出する冷媒に所定の熱量を与えて過熱状態に
し、その過熱度を検出することによって蓄熱熱交換器(4
2)の出口部分での冷媒の乾き度を認識することができる
ので、この蓄熱熱交換器(42)の出口部分の冷媒を湿り飽
和状態に設定するようにすれば、効率の高い過冷却水の
生成動作を行うことができる。
【0116】また、その他の変形例として、第2室外電
動膨張弁(52a) に代えて図示しない所定流路径のキャピ
ラリチューブを備えさせるようにしてもよい。その理由
としては、本例に係るような装置にあっては、冷蓄熱運
転時には水循環回路(B) での水の循環量や要求される過
冷却度は殆ど変化しないので、下部接続管(52)を流れる
冷媒の減圧度は一定であっても特に不具合を生じないの
で、このようなキャピラリチューブの適用が可能とな
る。
【0117】また、同様の理由から、上述の如く開度調
整自在な第2室外電動膨張弁(52a)を使用した場合に、
冷蓄熱運転の定常状態では、該膨張弁(52a) を一定開度
に固定してもよく、これによれば制御動作の簡略化が図
れる。
【0118】尚、上述した実施形態及び変形例では、蓄
熱用の蓄熱媒体として水を使用したが、その他ブライン
水溶液等を使用するようにしてもよい。また、空気調和
装置用の氷蓄熱装置に本発明を適用した場合について説
明したが、その他の蓄冷熱を利用する装置に対しても適
用可能である。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載の発
明によれば、過冷却熱交換器によって蓄熱媒体を過冷却
し、この過冷却状態を解消して氷を生成するようにした
氷蓄熱装置に対し、製氷運転時、冷媒熱交換部の出口側
冷媒が湿り蒸気になるように冷媒温度を蒸発温度に保持
させたために、従来のような乾き運転において課題とな
っていた冷媒蒸発温度の低下を抑制でき、過冷却熱交換
器の凍結が回避されることになり、製氷運転の信頼性及
び製氷効率の向上を図ることができる。
【0120】請求項2記載の発明によれば、膨張機構を
開度調整可能な膨張弁とし、この膨張弁の開度を調整す
ることで、冷媒温度を蒸発温度に保持させるようにした
ので、上述した請求項1記載の発明に係る効果を得るた
めの構成及び制御動作を具体化することができ、装置の
実用性の向上を図ることができる。
【0121】請求項3記載の発明によれば、過冷却熱交
換器から導出する冷媒の過熱度の目標値を0deg として
膨張弁の開度を調整するようにしたために、冷媒熱交換
部の出口側冷媒を湿り蒸気にするための制御動作をより
いっそう具体化できる。
【0122】請求項4記載の発明によれば、過冷却熱交
換器から導出した冷媒を過熱することで過冷却熱交換器
から導出する冷媒が湿り状態であるか否かを判定し、こ
れに基いて冷媒が所定の湿り状態となるように膨張弁の
開度を調整したために、この導出冷媒を湿り飽和状態に
設定するようにすることで効率の高い過冷却水の生成動
作を行うことができる。
【0123】請求項5記載の発明によれば、過冷却熱交
換器から導出した冷媒を過熱する手段を具体化でき、ま
た、その過熱源として、特別なものを必要とすることが
ないので、実用性の高い過熱手段を得ることができる。
【0124】請求項6記載の発明では膨張機構による冷
媒の減圧度を一定としている。これは、特に本発明に係
る装置においては、蓄熱循環回路を循環する蓄熱媒体の
循環量や要求される過冷却度は殆ど変化しないので、膨
張機構としてはその減圧度を一定としても何ら不具合を
生じないためであり、このように減圧度を一定にできる
ことにより制御動作の簡略化が図れ、また、この膨張機
構としてキャピラリチューブを適用することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る空気調和装置に備えられた冷媒
循環回路の全体構成を示す図である。
【図2】水循環回路の構成を示す図である。
【図3】蓄熱熱交換器の内部構造を示す断面図である。
【図4】通常冷房運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図5】通常暖房運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図6】氷核生成運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図7】冷蓄熱運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図8】解凍運転の冷媒循環動作を示す回路図である。
【図9】冷蓄熱/冷房同時運転の冷媒循環動作を示す回
路図である。
【図10】冷蓄熱利用冷房運転の冷媒循環動作を示す回
路図である。
【図11】温蓄熱運転の冷媒循環動作を示す回路図であ
る。
【図12】温蓄熱/暖房同時運転の冷媒循環動作を示す
回路図である。
【図13】温蓄熱利用暖房運転の冷媒循環動作を示す回
路図である。
【図14】本発明の効果を確認するために行った実験の
結果を示す図である。
【図15】変形例における図3相当図である。
【符号の説明】 (1) 圧縮機 (3) 室外熱交換器(熱源側熱交換器) (8) 冷媒配管 (42) 蓄熱熱交換器(過冷却熱交換器) (42a) 冷媒熱交換部 (42b) 蓄熱媒体熱交換部 (45) 循環配管 (48) 容器 (48c) 冷媒流通空間 (49) 伝熱管 (51) 上部接続管(冷媒導出管) (52) 下部接続管(冷媒導入管) (52a) 第2室外電動膨張弁(膨張機構) (65) 加熱手段 (71) 製氷運転手段 (72) 湿り制御手段 (73) 判定手段 (A) 冷媒循環回路 (B) 水循環回路 (C) 浮遊空間 (P) ポンプ(循環手段) (T) 蓄熱タンク

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機(1) と、熱源側熱交換器(3) と、
    膨張機構(52a) と、過冷却熱交換器(42)の冷媒熱交換部
    (42a) とが冷媒配管(8) によって冷媒の循環が可能に接
    続されてなる冷媒循環回路(A) を備えているとともに、 蓄熱媒体を貯留する蓄熱タンク(T) と、蓄熱媒体を圧送
    する循環手段(P) と、上記冷媒熱交換部(42a) との間で
    熱交換可能な過冷却熱交換器(42)の蓄熱媒体熱交換部(4
    2b) とが循環配管(45)によって蓄熱媒体の循環が可能に
    接続されてなる蓄熱循環回路(B) を備え、 上記冷媒熱交換部(42a) を流れる冷媒と、蓄熱媒体熱交
    換部(42b) を流れる液相の蓄熱媒体とを熱交換させ、蒸
    発する冷媒により蓄熱媒体を過冷却状態まで冷却し、こ
    の蓄熱媒体を過冷却熱交換器(42)から導出した後に、そ
    の過冷却状態を解消して氷を生成し、該氷を蓄熱タンク
    (T) に回収する製氷運転を行わせる製氷運転手段(71)
    と、 製氷運転時、冷媒熱交換部(42a) の出口側冷媒が湿り蒸
    気になるように冷媒温度を蒸発温度に保持する湿り制御
    手段(72)とを備えていることを特徴とする氷蓄熱装置。
  2. 【請求項2】 膨張機構は開度調整可能な膨張弁(52a)
    であり、湿り制御手段(72)はこの膨張弁(52a) の開度を
    調整することを特徴とする請求項1記載の氷蓄熱装置。
  3. 【請求項3】 過冷却熱交換器(42)から導出する冷媒の
    過熱度を検出する過熱度検出手段(Th-SH1)を備え、 湿り制御手段(72)は、上記過熱度検出手段(Th-SH1)の出
    力を受け、この導出する冷媒の過熱度の目標値を0deg
    として膨張弁(52a) の開度を調整することを特徴とする
    請求項2記載の氷蓄熱装置。
  4. 【請求項4】 過冷却熱交換器(42)から導出した冷媒に
    所定熱量を与えて加熱する加熱手段(65)と、 この加熱により過熱した冷媒の過熱度を検出する過熱度
    検出手段(Th-SH2)と、 該過熱度検出手段(Th-SH2)の出力を受け、その過熱度及
    び上記加熱手段(65)が冷媒に与えた熱量に基づいて過冷
    却熱交換器(42)から導出する冷媒が湿り状態であるか否
    かを判定する判定手段(73)とを備え、 湿り制御手段(72)は、上記判定手段(73)の出力を受け、
    過冷却熱交換器(42)から導出する冷媒が所定の湿り状態
    となるように膨張弁(52a) の開度を調整することを特徴
    とする請求項2記載の氷蓄熱装置。
  5. 【請求項5】 加熱手段(65)は、膨張弁(52a) 上流側の
    冷媒配管(8) を流れる高温の冷媒と、過冷却熱交換器(4
    2)から導出した冷媒とを熱交換させるものであることを
    特徴とする請求項4記載の氷蓄熱装置。
  6. 【請求項6】 湿り制御手段(72)は、膨張機構(52a) に
    よる冷媒の減圧度を一定とするものであることを特徴と
    する請求項1記載の氷蓄熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100351591C (zh) * 2005-07-22 2007-11-28 烟台冰轮股份有限公司 一种制造流态冰的制冷用换热器
CN105115214A (zh) * 2015-10-13 2015-12-02 罗良宜 直接蒸发式冰浆循环动态制冰装置
JP2017101850A (ja) * 2015-11-30 2017-06-08 ダイキン工業株式会社 製氷装置
CN108253726A (zh) * 2018-03-08 2018-07-06 广州汉正能源科技有限公司 一种制备过冷水冰浆的满液式蒸发系统及方法
CN110296550A (zh) * 2019-07-30 2019-10-01 爱法空调冷冻科技(无锡)有限公司 立式满液式蒸发器

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