JPH09303832A - 製氷装置 - Google Patents

製氷装置

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JPH09303832A
JPH09303832A JP11900996A JP11900996A JPH09303832A JP H09303832 A JPH09303832 A JP H09303832A JP 11900996 A JP11900996 A JP 11900996A JP 11900996 A JP11900996 A JP 11900996A JP H09303832 A JPH09303832 A JP H09303832A
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JP
Japan
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ice
main body
ice making
liquid
heat exchanger
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Withdrawn
Application number
JP11900996A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Suehiro
賢一 末広
Tadashi Onishi
正 大西
Yasuhiko Oka
恭彦 岡
Nobuki Matsui
伸樹 松井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒循環回路に接続された熱交換器で水を過
冷却して生成された氷化物を貯溜部に貯溜するようにし
た氷蓄熱装置において、貯溜部から流出した氷片を混合
器で水と撹拌混合して融解させるようにする際に、水及
び氷片を十分に混合して混合器における氷片の融解効率
を高められるようにし、もって、解凍運転の回数を少な
く抑えて製氷量の向上が図れるようにする。 【解決手段】 混合器(41)を、外筒部(71a) 及び内筒部
(71b) からなる本体(71)と、本体(71)の上端側に設けら
れ、外筒部(71a) の内部に水を導入して旋回流を形成さ
せる入口部(72)と、本体(71)の下端側に設けられ、外筒
部(71a) 内の水を内筒部(71b) の内部に導入して旋回流
を形成させる連通部(73)と、本体(71)の上端側に設けら
れ、内筒部(71b) 内の水を本体(71)の外部に導出する出
口部(74)とを有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、循環路で循環する
水等の製氷用液体を、冷凍装置に接続された熱交換器で
過冷却して生成された氷化物を貯溜部に貯溜するように
した製氷装置に関し、特に貯溜部から熱交換器に流入し
ようとする氷片を製氷用液体と撹拌混合して融解する混
合器の融解効率を高める対策に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の製氷装置は、例えば特開昭63
−14063号公報等で広く知られている。このもの
は、図3に例示するように、製氷用液体としての水及び
その氷化物を貯溜可能な貯溜タンク(T) と、冷凍装置
(A) に接続された状態で該冷凍装置(A) の冷媒により上
記の水を過冷却する熱交換器(42)と、これら貯溜タンク
(T)及び熱交換器(42)間で水を循環させる循環路(45)と
を備えている。そして、上記熱交換器(42)において、冷
凍装置(A) の冷媒との間で熱交換させることで水を過冷
却してスラリー状の氷化物を生成し、その氷化物を貯溜
タンク(T) に貯溜するようになされており、冷凍装置
(A) が生成した冷熱を潜熱の状態で蓄熱する等の場合に
用いられる。
【0003】ところで、上記製氷装置において、貯溜タ
ンク(T) に貯溜されている氷片が貯溜タンク(T) から水
と共に流出して熱交換器(42)に流入すると、熱交換器(4
2)の凍結する虞れがある。そこで、上記熱交換器(42)に
流入しようとする氷片を融解するために、上記貯溜タン
ク(T) の出口側に予熱器(40)を配置しておき、この予熱
器(40)で水及び氷片を加熱媒体(例えば、冷凍装置(A)
における膨張前の高圧冷媒)により加熱するようになさ
れている。その上、上記予熱器(40)の出口側に円筒状の
混合器(41)を配置しておき、この混合器(41)の内部にお
いて水及び氷片の流れを旋回流に変化させ、その旋回流
により水及び氷片を撹拌混合して氷片の融解を促進させ
るようになされている。さらに、それでも熱交換器(42)
内で凍結の進行する虞れのある場合には、熱交換器(42)
が完全に凍結する前に凍結防止運転(解凍運転)を行
い、このことで、熱交換器(42)内の氷を解凍するように
なされている。
【0004】上記従来の混合器について具体的に説明す
ると、この混合器は、図23に示すように、上下方向に
延びるように設けられた筒状の本体(a) と、この本体
(a) の上端側に設けられていて、本体(a) の内部に水を
導入して旋回流を形成させる入口部(b) と、上記本体
(a) の下端側に設けられていて、本体(a) 内の水を外部
に導出する出口部(c) とを有してなっている。そして、
同図に矢印で示すように、本体(a) 内で水及び氷片を緩
慢に旋回させつつ下降させることで両者の混合時間を長
くとるとともに、その際に生じる乱流により両者を撹拌
してその混合を促進し、これらにより、水及び氷片の温
度を均一化して氷片を融解させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の混合器では、氷片に対する融解効率が十分であると
はいえず、未だ改良の余地がある。
【0006】すなわち、混合器における旋回流の流速が
遅いことから、その旋回流に乗ることなく重力の影響を
受けて下降する、いわゆるショートサーキットが生じ易
く、その場合には両者の混合時間が不十分になって氷片
が十分に融解されないという問題がある。
【0007】また、上記のような旋回流では、マクロな
乱れは形成されるものの、ミクロな乱れは生じ難いこと
から、水及び氷片は大まかにしか撹拌さず、このこと
で、両者の混合が十分に促進されないという問題もあ
る。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、熱交換器で製氷用液体を過冷却し
て生成された氷化物を貯溜部に貯溜するようにした製氷
装置において、混合器の内部構造に改良を加えること
で、製氷用液体及び氷片を十分に混合して混合器におけ
る氷片の融解効率を高められるようにし、もって、解凍
運転の回数を少なく抑えて製氷量の向上が図れるように
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、従来の混合器における筒状
の本体を外筒部としてその内部に内筒部を配置すること
で二重筒構造の本体を構成し、それら両筒部の両側壁間
の狭い空間で製氷用液体及び氷片を旋回させることでそ
の流速を速めてショートサーキットの発生を防止する一
方、それら2つの筒部内を移動させることで製氷用液体
及び氷片の移動距離を長くし、これらにより、製氷用液
体及び氷片に十分な混合時間を確保できるようにした。
【0010】具体的には、この発明では、図3に示すよ
うに、製氷用液体及びその氷化物を貯溜可能な貯溜部
(T) と、冷凍装置(A) に接続された状態で該冷凍装置
(A) の冷媒により製氷用液体を過冷却する熱交換器(42)
と、上記貯溜部(T) 及び熱交換器(42)間で製氷用液体を
循環させる循環路(45)と、上記貯溜部(T) の出口側及び
熱交換器(42)の入口側間の循環路(45)に配設されてい
て、貯溜部(T) から流出した製氷用液体を加熱する予熱
器(40)と、該予熱器(40)の出口側及び熱交換器(42)の入
口側間の循環路(45)に配設されていて、予熱器(40)によ
り加熱された製氷用液体を撹拌する混合器(41)とを備え
た製氷装置が前提である。
【0011】そして、上記混合器(41)は、図1に示すよ
うに、所定方向(図示する例では上下方向)に延びるよ
うに設けられた外筒部(71a) の内部に内筒部(71b) が同
心状に配置されてなる本体(71)と、該本体(71)の一端側
(図示する例では上端側)に設けられていて、上記外筒
部(71a) の内部に製氷用液体を導入して旋回流を形成さ
せる入口部(72)と、上記本体(71)の他端側(図示する例
では下端側)に設けられていて、外筒部(71a) 内の製氷
用液体を上記内筒部(71b) の内部に導入する連通部(73)
と、上記本体(71)の一端側に設けられていて、内筒部(7
1b) 内の製氷用液体を本体(71)の外部に導出する出口部
(74)とを有するものとする。
【0012】上記の構成において、製氷装置(B) の循環
路(45)を製氷用液体が循環するのに伴って貯溜部(T) か
ら氷片が流出すると、その氷片は、製氷用液体と共に予
熱器(40)により加熱されて或る程度にまで融解された
後、混合器(41)に導入される。この混合器(41)では、製
氷用液体及び氷片は、入口部(72)を経由して本体(71)の
外筒部(71a) の内部に本体(71)の一端側から導入された
後、旋回流を形成しつつ本体(71)の他端側に向かって流
れる。このとき、上記外筒部(71a) の内径が従来の混合
器における筒状本体の内径と略同じであるとすると、内
筒部(71b) の存在している分だけ狭い空間に旋回流が形
成されることになり、したがって、その旋回流の流速は
従来の場合よりも速くなる。これにより、旋回流に対す
るショートサーキットの発生が抑えられるので、製氷用
液体及び氷片に対し十分な混合時間が確保される。
【0013】その後、本体(71)の他端側に達した製氷用
液体及び氷片は、連通部(73)を経由して本体(71)の内筒
部(71b) の内部に導入され、この内筒部(71b) 内を本体
(71)の一端側に向かって流れる。そして、本体(71)の一
端側に達した製氷用液体及び氷片は、出口部(74)を経由
して本体(71)の外部に導出される。よって、上記内筒部
(71b) 内を通過する分だけ製氷用液体及び氷片の移動距
離が長くなるので、それに応じて両者の混合時間も長く
なる。これらにより、混合器(41)における氷片の融解効
率は高くなる。
【0014】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、連通部(73)は、内筒部(71b) の内部に製氷用
液体を導入して旋回流を形成させるように構成されてい
るものとする。
【0015】上記の構成において、本体(71)の外筒部(7
1a) 内の製氷用液体及び氷片は、連通部(73)を経由して
内筒部(71b) の内部に導入されると、この内筒部(71b)
内においても旋回流を形成する。そして、旋回しながら
内筒部(71b) 内を出口部(74)に向かって移動する。よっ
て、内筒部(71b) 内でも旋回する分だけ、製氷用液体及
び氷片の混合はさらに促進される。
【0016】請求項3の発明では、上記請求項1の発明
の場合と同じ前提に立ち、混合器(41)は、図17、図1
9及び図21にそれぞれ示すように、所定方向(図示す
る各例では共に上下方向)に延びるように設けられた筒
状の本体(71)と、この本体(71)の一端側(図示する各例
では共に上端側)に設けられていて、本体(71)の内部に
製氷用液体を導入する入口部(72)と、上記本体(71)の他
端側(図示する各例では共に下端側)に設けられてい
て、本体(71)内の製氷用液体を外部に導出する出口部(7
4)と、上記本体(71)の内部に入口部(72)及び出口部(74)
間の製氷用液体の移動経路を遮閉するように配置された
少なくとも1枚のバッフルプレート(75)とを有するもの
とする。その上で、上記バッフルプレート(75)には、図
17及び図18に示すように、製氷用液体の通過可能な
多数の小孔(75a),(75a),…が設けられているものとす
る。
【0017】上記の構成において、製氷装置(B) の循環
路(45)を製氷用液体が循環するのに伴って貯溜部(T) か
ら氷片が流出すると、その氷片は、製氷用液体と共に予
熱器(40)により加熱されて或る程度にまで融解された
後、混合器(41)に導入される。この混合器(41)では、製
氷用液体及び氷片は、入口部(72)を経由して本体(71)の
内部にその一端側から導入された後、この本体(71)内を
他端側に向かって流れる。そして、バッフルプレート(7
5)により行く手を遮られると、各小孔(75a) を経由して
バッフルプレート(75)を通過する。このとき、各小孔(7
5a) を通過した製氷用液体及び氷片は、その小孔(75a)
の周縁部においてバッフルプレート(75)の背面側に回り
込む状態のミクロな乱れを形成し、このミクロな乱れに
よる撹拌が全体的に行われるようになる。よって、マク
ロな乱れによる大まかな撹拌しか行われない旋回流の場
合に比べて製氷用液体及び氷片の温度は均一化し易くな
り、両者の混合は促進される。
【0018】請求項4の発明では、上記請求項3の発明
において、入口部(72)は、本体(71)の内部に製氷用液体
を導入して旋回流を形成させるように構成されているも
のとする。
【0019】上記の構成において、入口部(72)を経由し
て本体(71)の内部に導入された製氷用液体及び氷片は、
少なくともバッフルプレート(75)に達するまでの間は、
本体(71)内で旋回流を形成する。よって、旋回流による
製氷用液体及び氷片の撹拌が加わる分だけ、両者の混合
はさらに促進される。
【0020】請求項5の発明では、上記請求項3又は4
の発明において、バッフルプレート(75)は複数枚とされ
ているものとする。その上で、上記各バッフルプレート
(75)には、小孔(75a),(75a),…に代えて、図19及び図
20に示すように、該各バッフルプレート(75)の中心部
から偏心した位置に製氷用液体の通過可能な通過部(75
b) が設けられているものとする。そして、互いに隣接
するバッフルプレート(75),(75) の上記通過部(75b),(7
5b) 同士は、周方向にずれて配置されているものとす
る。
【0021】上記の構成において、入口部(72)を経由し
て本体(71)の内部に導入された製氷用液体及び氷片は、
この本体(71)内を出口部(74)に向かって流れる。そし
て、バッフルプレート(75)により行く手を遮られる毎
に、通過部(75b) を経由してバッフルプレート(75)を通
過する。このとき、互いに隣接するバッフルプレート(7
5),(75) の通過部(75b),(75b) 同士が周方向にずれてい
るので、上流側のバッフルプレート(75)の通過部(75b)
を通過した製氷用液体及び氷片は、下流側のバッフルプ
レート(75)の通過部(75b) に達するために、大きく迂回
することになる。よって、本体(71)内における製氷用液
体及び氷片の移動距離が長くなり、それに応じて製氷用
液体及び氷片の混合時間も長くなり、このことで、氷片
に対する融解効率は高くなる。
【0022】請求項6の発明では、上記請求項5の発明
において、互いに隣接するバッフルプレート(75),(75)
の通過部(75b),(75b) 同士は、周方向に略180°ずれ
て配置されているものとする。
【0023】上記の構成において、本体(71)内を出口部
(74)に向かって移動する製氷用液体及び氷片は、上流側
のバッフルプレート(75)の通過部(75b) を通過した後、
下流側のバッフルプレート(75b) の通過部(75b) に達す
るために、本体(75)内をその径方向に移動する。よっ
て、本体(71)内における製氷用液体及び氷片の移動距離
が略最長となり、上記請求項5の発明における作用は具
体的にかつ効率よく営まれる。
【0024】請求項7の発明では、上記請求項5又は6
の発明において、各バッフルプレート(75)には、図21
及び図22に示すように、通過部(75b) に加えて、製氷
用液体の通過可能な多数の小孔(75a),(75a),…が設けら
れているものとする。
【0025】上記の構成において、本体(71)内の製氷用
液体及び氷片は、各バッフルプレート(75)の通過部(75
b) 及び小孔(75a),(75a),…を経由して通過する。よっ
て、各小孔(75a) を通過することで生じるミクロな乱れ
による撹拌作用が加えられるので、製氷用液体及び氷片
の混合はさらに促進され、混合器(41)における氷片の融
解効率はさらに高くなる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。 (実施形態1)図2は、本発明の実施形態1に係る製氷
装置としての氷蓄熱装置(B) の全体構成を示し、この実
施形態では、上記氷蓄熱装置(B) は、空気調和装置の冷
凍装置としての冷媒循環回路(A) に接続されていて、そ
の冷媒循環回路(A) により生成された冷熱を氷の状態
で、また温熱を温水の状態でそれぞれ蓄熱する際に用い
られる。尚、上記氷蓄熱装置(B) では製氷用液体として
水が使用されている。
【0027】上記空気調和装置は、1台の室外ユニット
(X) と複数台の室内ユニット(Y),(Y),…(図示する例で
は3台)とが、上記冷媒循環回路(A) の一部を構成する
液側連絡管(RL)及びガス側連絡管(RG)により接続されて
なる、いわゆる室内マルチタイプとされている。以下、
上記冷媒循環回路(A) 及び氷蓄熱装置(B) について順に
説明する。
【0028】−冷媒循環回路の説明− 先ず、冷媒循環回路(A) の主要回路構成について説明す
る。この冷媒循環回路(A) は、室外ユニット(X) に備え
られた圧縮機構(1) 、四路切換弁(2) 、室外ファン(F)
が近接配置された熱源側熱交換器としての室外熱交換器
(3) 、レシーバ(4) 及び第1室外電動膨張弁(5) の各々
と、各室内ユニット(Y) に備えられた室内電動膨張弁
(6) 及び利用側熱交換器としての室内熱交換器(7) の各
々とが冷媒配管(8) によって順に接続されてなるメイン
冷媒回路(A-1)を備えている。
【0029】上記液側連絡管(RL)は、各々の室内液配管
(7a)を介して各室内ユニット(Y) の内熱交換器(7) の液
側にそれぞれ接続されている。この各室内液配管(7a)に
は上記各々の室内電動膨張弁(6) がそれぞれ介設されて
いる。一方、上記ガス側連絡管(RG)は、各々の室内ガス
配管(7b)を介して各室内ユニット(Y) の室内熱交換器
(7) のガス側にそれぞれ接続されている。また、このガ
ス側連絡管(RG)は、室外ユニット(X) においては、ガス
配管(15)を介して四路切換弁(2) に接続されており、こ
の四路切換弁(2) によって圧縮機構(1) の吐出側及び吸
込側に対する接続状態が切り換えられるようになってい
る。
【0030】上記冷媒配管(8) による室外ユニット(X)
での各機器の接続状態について詳しく説明すると、上記
室外熱交換器(3) の一端にはガス側配管(10)が、また他
端には液側配管(11)がそれぞれ接続されている。上記ガ
ス側配管(10)は、四路切換弁(2) によって圧縮機構(1)
の吐出側と吸込側とに切換可能に接続されている。つま
り、このガス側配管(10)は、圧縮機構(1) の吐出側及び
四路切換弁(2) を互いに接続する第1吐出ガスライン(1
0a) と、四路切換弁(2) 及び室外熱交換器(3)を互いに
接続する第2吐出ガスライン(10b) と、四路切換弁(2)
及び圧縮機構(1) の吸入側を互いに接続する吸入ガスラ
イン(10c) とから主になっている。また、吸入ガスライ
ン(10c) にはアキュムレータ(12)が介設されている。
【0031】一方、上記液側配管(11)は、室外熱交換器
(3) 及びレシーバ(4) を互いに接続する第1液ライン(1
1a) と、レシーバ(4) 及び第1室外電動膨張弁(5) を互
いに接続する第2液ライン(11b) と、第1室外電動膨張
弁(5) 及び液側連絡管(RL)を互いに接続する第3液ライ
ン(11c) とから主になっている。第1液ライン(11a)に
は、室外熱交換器(3) からレシーバ(4) に向かう冷媒の
通過のみを許容する第1逆止弁(CV1) が、また第3液ラ
イン(11c) には、各々、第1室外電動膨張弁(5) から液
側連絡管(RL)に向かう冷媒の通過のみを許容する第2及
び第3逆止弁(CV2),(CV3) がそれぞれ介設されている。
第1逆止弁(CV1) 及びレシーバ(4) 間の第1液ライン(1
1a) と、第2逆止弁(CV3) の下流側の第3液ライン(11
c) とは、第4液ライン(11d) により接続されている。
この第4液ライン(11d) には、第3液ライン(11c) から
第1液ライン(11a) に向かう冷媒の通過のみを許容する
第4逆止弁(CV4) が介設されている。
【0032】上記圧縮機構(1) は、インバータ制御によ
り多数段階に容量制御される可変容量型の上流側圧縮機
(COMP-1)と、フルロード、アンロード及び停止の3段階
に切換制御されるアンローダ機構付きの下流側圧縮機(C
OMP-2)とが並列に接続されてなる、いわゆるツイン型と
されている。
【0033】また、上記圧縮機構(1) には、各圧縮機(C
OMP-1),(COMP-2) から冷媒と共に吐出された潤滑油を上
流側圧縮機(COMP-1)の吸込側に戻す油戻し機構(20)が設
けられている。この油戻し機構(20)は、油分離器(21),
(22) と油戻し管(23),(24) とからなる。上記油分離器
(21),(22) は、第1吐出ガスライン(10a) の一部である
上流側圧縮機(COMP-1)及び下流側圧縮機(COMP-2)の各吐
出管(10a-1),(10a-2) に配設されている。また、上記油
戻し管(23),(24) は、キャピラリチューブ(CP)を備えて
いて、油分離器(21),(22) の下端部と、上記吸入ガスラ
イン(10c) の一部である上流側圧縮機(COMP-1)の吸込管
(10c-1) とを互いに連通するように接続されており、油
分離器(21),(22) に溜った潤滑油を上流側圧縮機(COMP-
1)に戻すようになっている。また、油分離器(21),(22)
の下流側の各吐出管(10a-1),(10a-2) には、各圧縮機(C
OMP-1),(COMP-2) から四路切換弁(2) に向かう各々の冷
媒の通過のみを許容する第5及び第6逆止弁(CV5),(CV
6) が介設されている。
【0034】さらに、上記吸入ガスライン(10c) の一部
である下流側圧縮機(COMP-2)の吸込管(10c-2) は、上流
側圧縮機(COMP-1)の吸込管(10c-1) の場合よりも圧力損
失が大きくなるように設定されている。また、これら圧
縮機(COMP-1),(COMP-2) は、キャピラリチューブ(CP)を
備えた均油管(25)により互いに連通されている。これら
の結果、高圧側となる上流側圧縮機(COMP-1)に回収され
た潤滑油の一部は、低圧側となる下流側圧縮機(COMP-2)
に供給されることになり、このことで、各圧縮機(COMP-
1),(COMP-2) に均等に潤滑油が回収されるようになって
いる。
【0035】上記室外熱交換器(3) には、補助熱交換器
(30)が隣設されている。この補助熱交換器(30)のガス側
は、補助ガスライン(31)によって上記第5及び第6逆止
弁(CV5),(CV6) の下流側の第1吐出ガスライン(10a) に
接続されている。一方、補助熱交換器(30)の液側は、補
助液ライン(32)によって上記第1逆止弁(CV1) の下流側
の第1液ライン(11a) に接続されている。また、補助液
ライン(32)には、キャピラリチューブ(CP)及び第1電磁
弁(SV1) がそれぞれ介設されている。
【0036】さらに、上記第1逆止弁(CV1) の上流側の
第1液ライン(11a) と、第2逆止弁(CV2) の上流側の第
3液ライン(11c) とは、暖房液ライン(33)により接続さ
れている。この暖房液ライン(33)には、第3液ライン(1
1c) から室外熱交換器(3) に向かう冷媒の通過のみを許
容する第7逆止弁(CV7) が介設されている。また、上記
第2液ライン(11b) と、第2逆止弁(CV2) の下流側の第
3液ライン(11c) とは、バイパスライン(34)により接続
されている。このバイパスライン(34)には、第2電磁弁
(SV2) と、第2液ライン(11b) から第3液ライン(11c)
に向かう冷媒の通過のみを許容する第8逆止弁(CV8) と
がそれぞれ介設されている。以上が冷媒循環回路(A) の
主要な回路構成である。
【0037】−氷蓄熱装置の説明− 次に、氷蓄熱装置(B) について、図3を参照しながら説
明する。上記氷蓄熱装置(B) は、製氷用液体としての水
及びその氷化物を貯溜可能な貯溜部としての蓄熱タンク
(T) と、冷媒循環回路(A) における後述の冷蓄熱運転時
及び冷蓄熱/冷房同時運転時の各冷媒により水を過冷却
する縦型のシェルアンドチューブ式の熱交換器からなる
蓄熱熱交換器(42)と、これら蓄熱タンク(T) 及び蓄熱熱
交換器(42)間で水を循環させるための循環路(45)と、上
記蓄熱タンク(T)の出口側に配置されていて、蓄熱タン
ク(T) の水を吸い込んで蓄熱熱交換器(42)に向けて吐出
するポンプ(P) と、このポンプ(P) の吐出側に配置され
ていて、ポンプ(P) から吐出された水を冷媒循環回路
(A) の冷媒により加熱する予熱器(40)と、この予熱器(4
0)の出口側に配置されていて、予熱器(40)により加熱さ
れた水を旋回させる混合器(41)とを備えている。
【0038】また、上記蓄熱熱交換器(42)の出口側の循
環路(45)を構成する水配管(45a) には、この蓄熱熱交換
器(42)から流出した過冷却水に氷核を生成する氷核生成
器(46)と、円筒状をなしていて上記過冷却水の流れを旋
回流に変化させる過冷却解消器(43)とが順に配設されて
いる。これら氷核生成器(46)及び過冷却解消器(43)は、
過冷却水の過冷却状態を解消して液相から固相に相変化
させることで氷化物を生成する機能を営む。さらに、上
記氷核生成器(46)の上流側には、生成された氷の蓄熱熱
交換器(42)への進展を防止する氷進展防止機(47)が設け
られている。
【0039】そして、この実施形態1では、上記混合器
(41)は、図1に模式的に示すように、上下方向に延びる
ように設けられた外筒部(71a) の内部に内筒部(71b) が
同心状に配置されてなる本体(71)と、この本体(71)の上
端側に設けられていて、上記外筒部(71a) の内部に水を
導入して旋回流を形成させる入口部(72)と、上記本体(7
1)の下端側に設けられていて、外筒部(71a) 内の水を内
筒部(71b) の内部に導入する連通部(73)と、上記本体(7
1)の上端側に設けられていて、内筒部(71b) 内の水を本
体(71)の外部に導出する出口部(74)とからなっている。
【0040】具体的には、上記外筒部(71a) の内径は、
従来の混合器における筒状本体の場合と同じにされてい
る。また、上記入口部(72)は、外筒部(71a) の側周壁内
面に対しその接線方向に水を導入するように設けられて
おり、このことで、外筒部(71a) 内に旋回流を形成する
ようになっている。さらに、上記連通部(73)は、内筒部
(71b) の側周壁内面に対しその接線方向に外筒部(71a)
内の水を導入するように設けられており、このことで、
内筒部(71b) 内においても旋回流を形成するようになっ
ている。そして、上記出口部(74)は、内筒部(71b) の軸
心方向に該内筒部(71b) 内の水を導出するように設けら
れている。
【0041】ここで、上記混合器(41)における水及び氷
片の挙動について、以下に詳しい説明を加えておく。こ
の混合器(41)では、水及び氷片は、入口部(72)を経由し
て本体(71)の外筒部(71a) 内に本体(71)の上端側から導
入された後、旋回流を形成しつつ本体(71)の下端側に向
かって流れる。このとき、上記外筒部(71a) 及び内筒部
(71b) 間の狭い空間に旋回流が形成されることになり、
したがって、その旋回流の流速は従来の場合よりも速く
なる。これにより、旋回流に対するショートサーキット
の発生が抑えられるので、水及び氷片に対し十分な混合
時間が確保されることとなる。
【0042】その後、本体(71)の下端側に達した水及び
氷片は、連通部(73)を経由して内筒部(71b) の内部に導
入され、この内筒部(71b) 内を本体(71)の上端側に向か
って流れる。そして、上端側に達した水及び氷片は、出
口部(74)を経由して本体(71)の外部に導出される。よっ
て、上記内筒部(71b) 内を通過する分だけ水及び氷片の
移動距離が長くなるので、それに応じて両者の混合時間
も長くなる。
【0043】さらに、上記外筒部(71a) 内の水及び氷片
は、連通部(73)を経由して内筒部(71b) の内部に導入さ
れると、この内筒部(71b) 内においても旋回流を形成
し、旋回しながら内筒部(71b) 内を出口部(74)に向かっ
て移動する。よって、内筒部(71b) 内でも旋回する分だ
け、水及び氷片の混合はさらに促進される。
【0044】以下、この冷媒循環回路(A) の予熱器(40)
及び蓄熱熱交換器(42)に対し、水との間で熱交換を行う
冷媒を供給するための冷媒循環回路(A) の構成について
説明する。
【0045】図2に示すように、上記予熱器(40)は、第
3液ライン(11c) の途中に設けられており、この二重間
でなる予熱器(40)の中央側空間を循環路(45)の水が、ま
た外側空間を第3液ライン(11c) 内の冷媒がそれぞれ流
れることで、この両者間で熱交換を行うようになってい
る。さらに、予熱器(40)及びバイパスガスライン(34)間
の第3液ライン(11c) と、アキュムレータ(12)の上流側
とは、解凍バイパスライン(50)により接続されている。
この解凍バイパスライン(50)には、第3電磁弁(SV3) が
介設されている。
【0046】上記蓄熱熱交換器(42)には、上部接続管(5
1)及び下部接続管(52)がそれぞれ接続されている。上部
接続管(51)は、一端が蓄熱熱交換器(42)の側面上端部
に、また他端が、上記解凍バイパスライン(50)の接続さ
れた吸入ガスライン(10c) の上流側にそれぞれ接続され
ている。一方、下部接続管(52)は、一端が蓄熱熱交換器
(42)の側面下端部に、また他端が上記予熱器(40)及び第
3逆止弁(CV3) 間の第3液ライン(11c) にそれぞれ接続
されている。さらに、上部接続管(51)には第4電磁弁(S
V4) が、また下部接続管(52)には第2室外電動膨張弁(5
2a) がそれぞれ介設されている。つまり、この蓄熱熱交
換器(42)では、上部接続管(51)及び下部接続管(52)によ
り導入されて導出される冷媒と水との間で熱交換を行う
ようになされている。
【0047】また、上記蓄熱熱交換器(42)及び第2室外
電動膨張弁(52a) 間の下部接続管(52)と、レシーバ(4)
の上端部とは、蓄熱利用バイパス管(53)により接続され
ている。そして、この蓄熱利用バイパス管(53)には、キ
ャピラリチューブ(CP)及び第5電磁弁(SV5) がそれぞれ
介設されている。
【0048】さらに、上記下部接続管(52)及び蓄熱利用
バイパス管(53)間の接続箇所と、第2室外電動膨張弁(5
2a) との間の下部接続管(52)には、第5及び第6逆止弁
(CV5),(CV6) の下流側と、第1吐出ガスライン(10a) 及
び補助ガスライン(31)間の接続箇所との間の第1吐出ガ
スライン(10a) は、ホットガス供給管(54)を介して接続
されている。このホットガス供給管(54)には、第6電磁
弁(SV6) が介設されている。また、上記蓄熱熱交換器(4
2)の側面上部と、第6電磁弁(SV6) の下流側のホットガ
ス供給管(54)とは、蓄熱利用供給管(55)により接続され
ている。この蓄熱利用供給管(55)には、第7電磁弁(SV
7) が介設されている。
【0049】このようにして、氷蓄熱装置(B) の予熱器
(40)及び蓄熱熱交換器(42)に冷媒循環回路(A) の冷媒配
管が接続されているので、各冷媒配管を経由して各機器
(40),(42) に冷媒が供給されることにより、その冷媒と
氷蓄熱装置(B) の水との間で熱交換が行われて予熱器(4
0)では水を加熱する一方、蓄熱熱交換器(42)では水を過
冷却するようになっている。
【0050】次に、上記氷核生成器(46)及び氷進展防止
器(47)について説明する。氷核生成器(46)は、水配管(4
5a) を流れる水の一部を冷媒循環回路(A) の冷媒により
冷却氷化し、それを氷核として過冷却解消器(43)に供給
するものである。そして、氷核生成器(46)には、氷核生
成用の冷媒導入管(58)及び冷媒導出管(59)の各一端がそ
れぞれ接続されている。上記冷媒導入管(58)は、キャピ
ラリチューブ(CP)を備えており、その他端は、下部接続
管(52)及びホットガス供給管(54)間の接続箇所と第2室
外電動膨張弁(52a) との間の下部接続管(52)に接続され
ている。一方、上記冷媒導出管(59)の他端は下流側圧縮
機(COMP-2)の吸入管(10c-2) に接続されている。これら
により、冷媒導入管(58)から氷核生成器(46)に導入され
た冷媒と、水配管(45a) を流れる水との間で熱交換を行
わせて該水を冷却し、その水の一部を氷塊として水配管
(45a) の内壁面に付着生成させ、その氷塊の一部を水配
管(45a) 内の水圧により剥離させ、これを氷核として過
冷却解消部(43)に供給するようになされている。
【0051】上記氷進展防止器(47)は、氷核生成器(46)
の上流側に配設されており、氷核生成器(46)から水配管
(45a) の管壁に沿って蓄熱熱交換器(42)に向かう氷の進
展を防止するものである。この氷進展防止器(47)には、
進展防止用の冷媒導入管(60)及び冷媒導出管(61)の各一
端がそれぞれ接続されている。上記冷媒導入管(60)の他
端は補助ガスライン(31)に接続されている一方、上記冷
媒導出管(61)の他端はキャピラリチューブ(CP)及び第1
電磁弁(SV1) 間の補助液ライン(32)に接続されている。
この冷媒導出管(61)には、キャピラリチューブ(CP)が介
設されている。そして、冷媒導入管(60)から導入された
冷媒により水配管(45a) の管壁を加熱することで、氷核
生成器(46)からの氷の進展を阻止するようになってい
る。
【0052】上記過冷却解消器(43)は、中空円筒状の容
器からなっていて、循環路(45)により内周面接線方向に
水が導入されることで、その水が旋回流となるようにな
っている。これにより、過冷却解消器(43)では、上記氷
核生成器(46)で生成された氷核と蓄熱熱交換器(42)で生
成された過冷却水とを撹拌混合して過冷却状態の解消を
促進させるようになっている。尚、図4における(62)
は、予熱器(40)に導入される水から氷や不純物を除去す
るためのフィルタである。
【0053】ここで、上記氷蓄熱装置(B) の冷蓄熱時、
及びその冷熱を利用して行われる空気調和装置の冷房運
転時の各基本作動について簡単に説明する。先ず、例え
ば冷蓄熱時(後述する冷蓄熱運転時及び冷蓄熱/冷房同
時運転時)には、蓄熱熱交換器(42)は、冷媒循環回路
(A) の蒸発器として機能する。つまり、冷媒循環回路
(A) の冷媒は、蓄熱熱交換器(42)に導入されて氷蓄熱装
置(B) の水との間での熱交換により蒸発気化すること
で、水を過冷却する。そして、蓄熱熱交換器(42)内の水
は、ポンプ(P) の作動に伴って蓄熱熱交換器(42)から流
出し、氷核生成器(46)において氷核が生成された後、過
冷却解消器(43)において旋回流となり、これらのことで
相変化して氷化物が生成される。この氷化物は蓄熱タン
ク(T) に貯溜される。
【0054】一方、上記蓄熱タンク(T) に貯溜されてい
る氷片が、ポンプ(P) の作動に伴って蓄熱タンク(T) の
出口側から水と共に流出したときには、その氷片は、先
ず、予熱器(40)で加熱されることで融解し易い状態とな
る。次いで、混合器(41)に導入され、この混合器(41)内
で撹拌混合されることで融解させられた後、蓄熱熱交換
器(42)に導入される。
【0055】また、例えば上記氷蓄熱装置(B) に蓄熱さ
れた冷熱を利用して冷媒循環回路(A) の冷房運転が行わ
れるとき(後述の冷蓄熱利用冷房運転時)には、蓄熱熱
交換器(42)は、冷媒循環回路(A) の凝縮器として機能す
る。つまり、冷媒循環回路(A) の冷媒が氷蓄熱装置(B)
の水との間での熱交換により凝縮液化することで、水を
加熱する。
【0056】−センサ類の構成− 上記冷媒循環回路(A) 及び氷蓄熱装置(B) には、各種の
センサが設けられている。各センサについて説明する
と、先ず、冷媒循環回路(A) では、図2に示すように、
室外熱交換器(3) の近傍には室外空気温度を検出する外
気温センサ(Th-1)が、室外熱交換器(3) の分流管側には
該室外熱交換器(3) の液冷媒温度を検出する室外液温セ
ンサ(Th-2)が、圧縮機構(1) の各圧縮機(COMP-1),(COMP
-2) の吐出管(10a-1),(10a-2) には各吐出ガス冷媒温度
をそれぞれ検出する吐出ガス温センサ(Th-31),(Th-32)
が、圧縮機構(1) の吸入ガスライン(10c) には該圧縮機
構(1) の吸入ガス冷媒温度を検出する吸入ガス温センサ
(Th-4)がそれぞれ設けられている。さらに、第1吐出ガ
スライン(10a) には圧縮機構(1) の吐出冷媒圧力を検出
する高圧圧力センサ(SEN-H) が、吸入ガスライン(10c)
に繋がる上記上部接続管(51)には圧縮機構(1) の吸込冷
媒圧力を検出する低圧圧力センサ(SEN-L) がそれぞれ設
けられているとともに、各圧縮機(COMP-1),(COMP-2) の
吐出管(10a-1),(10a-2) には各々の吐出冷媒圧力が上昇
して所定高圧になったときに作動する高圧保護開閉器(H
PS) がそれぞれ設けられている。
【0057】一方、上記氷蓄熱装置(B) では、図3に示
すように、予熱器(40)の入口側部分には該予熱器(40)に
流入した水の温度を検出する入口水温センサ(Th-W1)
が、混合器(41)の出口側部分には、該混合器(41)から流
出しようとする水の温度を検出する出口水温センサ(Th-
W2) が、蓄熱熱交換器(42)の出口側近傍の水配管(45a)
には該蓄熱熱交換器(42)から流出した水の温度を検出す
る過冷却水温センサ(Th-W3) が、過冷却解消器(43)の入
口側部分には該過冷却解消器(43)に流入した水の温度を
検出する氷生成検知センサ(Th-W4) がそれぞれ設けられ
ている。さらに、予熱器(40)の入口に接続された水入口
管(45b) には、該水入口管(45b) 内の水の流速を検出し
て該流速が所定値以下になるとON作動するフロースイ
ッチ(SW-F)が設けられている。
【0058】−制御の構成− この空気調和装置では、各センサ(Th-1)〜(SEN-L),(Th-
W1) 〜(Th-4)、開閉器(HPS) 及びスイッチ(SW-F)の各検
出信号はそれぞれコントローラ(70)に入力され、このコ
ントローラ(70)は、それら検出信号に基づいて、四路切
換弁(2) の切換え、各電磁弁(SV1) 〜(SV7) の開閉切換
え、各電動膨張弁(5),(6),(52a) の開度調整及び圧縮機
構(1) の容量等を制御している。
【0059】−運転動作− 次に、上述の如く構成された空気調和装置の運転動作に
ついて、各運転モード毎に詳しく説明する。この空気調
和装置の運転モードとしては、〔1〕通常冷房運転、
〔2〕通常暖房運転、〔3〕氷核生成運転、〔4〕冷蓄
熱運転、〔5〕解凍運転、〔6〕冷蓄熱/冷房同時運
転、〔7〕冷蓄熱利用冷房運転、〔8〕温蓄熱運転、
〔9〕温蓄熱/暖房同時運転及び〔10〕温蓄熱利用暖
房運転がある。以下、各運転モードにおける冷媒循環動
作について説明する。
【0060】〔1〕通常冷房運転 この運転モードでは、コントローラ(70)により四路切換
弁(2) が、図4中実線側に切り換えられるとともに、室
内電動膨張弁(6) が所定開度に調整(過熱度制御)され
る一方、それ以外の電動膨張弁は閉鎖される。また、第
2電磁弁(SV2)が開放される一方、それ以外の電磁弁は
閉鎖される。
【0061】この状態で圧縮機構(1) が作動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図4に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に導入さ
れ、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱交換を
行って凝縮液化する。その後、この冷媒は液側配管(11)
及びバイパスライン(34)を経て室内ユニット(Y),(Y),…
に導入され、室内電動膨張弁(6),(6),…で減圧された
後、室内熱交換器(7),(7),…において室内空気との間で
熱交換を行い、蒸発ガス化して室内空気を冷却する。そ
して、このガス冷媒はガス配管(15)、四路切換弁(2) 及
び吸入ガスライン(10c) を順に経由して、圧縮機構(1)
の吸入側に戻される。このような冷媒の循環動作を行う
ことにより室内の冷房が行われる。
【0062】〔2〕通常暖房運転 この運転モードでは、コントローラ(70)により、四路切
換弁(2) が、図5の破線側に切り換えられるとともに、
第1室外電動膨張弁(5) が所定開度に調整される一方、
室内電動膨張弁(6),(6),…は全開状態にされる。また、
第2室外電動膨張弁(52a) 及び各電磁弁は共に閉鎖され
る。
【0063】この状態で圧縮機構(1) が作動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図5に矢印で示すよ
うに、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユニ
ット(Y),(Y),…に導入され、室内熱交換器(7),(7),…に
おいて室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内空
気を加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(11
c) 及び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達
し、該レシーバ(4) から第2液ライン(11b) を流れて第
1室外電動膨張弁(5) で減圧された後、暖房液ライン(3
3)から室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換器
(3) において外気との間で熱交換を行って蒸発する。そ
の後、四路切換弁(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て
圧縮機構(1) の吸入側に戻される。このような冷媒の循
環動作を行うことにより室内の暖房が行われる。
【0064】〔3〕氷核生成運転 この運転モードは、次に説明する冷蓄熱運転において過
冷却水の過冷却状態を解消するために用いられる氷核を
生成するものである。また、この運転モードでは、氷核
生成動作の開始前に、氷蓄熱装置(B) 内の水を所定温度
(例えば2℃)まで冷却する水冷却動作が行われる。こ
の水冷却動作の水及び冷媒の循環動作について説明する
と、第2室外電動膨張弁(52a) が所定開度に調整される
とともに、第1及び第2電磁弁(SV1),(SV2) は共に開放
される。一方、それ以外の電動膨張弁及び電磁弁は閉塞
される。また、四路切換弁(2) は、図6の実線側に切り
換えられる。この状態で、ポンプ(P) を作動させて氷蓄
熱装置(B) の水を循環させ、圧縮機構(1) を作動させ
る。すると、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、
室外熱交換器(3) で凝縮した後、液側配管(11)及び下部
接続管(52)を経て第2室外電動膨張弁(52a) で減圧した
後、蓄熱熱交換器(42)に導入され、ここで水との間で熱
交換を行い、該水を冷却して蒸発する。その後、この冷
媒は、上部接続管(51)及び吸入ガスライン(10c) によっ
て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。このような水冷却
動作が所定時間行われて氷蓄熱装置(B) の水温が低下
し、所定温度に達すると、以下の氷核生成動作に移る。
【0065】この氷核生成動作では、コントローラ(70)
により、四路切換弁(2) が実線側とされ、第2室外電動
膨張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の電動膨
張弁は閉鎖される。また、第1及び第2電磁弁(SV1),(S
V2) が共に開放される一方、他の電磁弁は閉鎖される。
【0066】この状態で、氷蓄熱装置(B) にあっては、
ポンプ(P) が作動して該氷蓄熱装置(B) において上述し
た水冷却動作によって冷却された水が循環する。一方、
冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1) の上流側圧
縮機(COMP-1)のみが作動する。そして、この圧縮機(COM
P-1)から吐出された冷媒は、図6に矢印で示すように、
その一部が、四路切換弁(2) を経て室外熱交換器(3) に
導入され、該室外熱交換器(3) において外気との間で熱
交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は、液側配管
(11)、バイパスライン(34)、下部接続管(52)、第2室外
電動膨張弁(52a) 、及び氷核生成冷媒導入管(58)を経て
氷核生成器(46)に導入される。また、圧縮機(COMP-1)か
ら吐出された冷媒の他の一部は、補助ガスライン(31)を
経て補助熱交換器(30)に導入され、該補助室外熱交換器
(30)において外気との間で熱交換を行って凝縮する。そ
の後、この冷媒は、液側配管(11)に合流する。そして、
これら室外熱交換器(3) 及び補助室外熱交換器(30)で凝
縮した各々の冷媒は、第2室外電動膨張弁(52a) により
減圧され、氷核生成器(46)内部において水配管(45a) を
流れている水を冷却して氷核を生成した後、氷核生成冷
媒導出管(59)及び吸込管(10c-1) を経て上流側圧縮機(C
OMP-1)の吸入側に戻される。
【0067】一方、上記補助ガスライン(31)を流れる冷
媒の一部は、進展防止冷媒導入管(60)を経由して氷進展
防止器(47)に供給され、水配管(45a) の管壁を加熱する
ことにより、氷核生成器(46)から管壁に沿って氷が進展
することを防止する。そして、この冷媒は、進展防止冷
媒導出管(61)を経由して補助液ライン(32)に合流され
る。このため、仮に氷が水配管(45a) の管壁面に沿って
上流側(蓄熱熱交換器(42)側)に進展する状態であって
も、その氷は進展防止器(47)に達した部分では迅速に融
解されることになるので、この進展が蓄熱熱交換器(42)
にまで達することはない。このような氷核生成運転が所
定時間(例えば5分間)継続して行われた後、次の冷蓄
熱運転に移る。
【0068】〔4〕冷蓄熱運転 この運転モードは、上述した氷核生成運転によって生成
された氷核に過冷却水を接触させることにより、この氷
核の周囲で過冷却状態を解消して冷蓄熱用の氷を生成す
るためのものである。
【0069】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) は、図7の実線側とされ、第2室
外電動膨張弁(52a) が所定開度に調整される一方、他の
電動膨張弁は閉鎖される。また、第1、第2及び第4電
磁弁(SV1),(SV2),(SV4) が共に開放される一方、他の電
磁弁は閉鎖される。
【0070】この状態で、氷蓄熱装置(B) にあっては、
ポンプ(P) が作動して該氷蓄熱装置(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が作動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図7に矢印で示すように、その一部が、四路切換弁
(2) を経て室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換
器(3) において外気との間で熱交換を行って凝縮する。
その後、この冷媒は、液側配管(11)、バイパスライン(3
4)及び下部接続管(52)を経て、蓄熱熱交換器(42)に導入
される。また、圧縮機構(1) から吐出された冷媒の他の
一部は、補助ガスライン(31)を経て補助熱交換器(30)に
導入され、該補助室外熱交換器(30)において外気との間
で熱交換を行って凝縮する。その後、この冷媒は補助液
ライン(32)を経て液側配管(11)に合流する。各熱交換器
(3,30)で凝縮した冷媒は第2室外電動膨張弁(52a) によ
り減圧される。そして、この蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れた冷媒は、該蓄熱熱交換器(42)の内部を流れている水
との間で熱交換を行って蒸発することで水を過冷却状態
(例えば−2℃)まで冷却する。その後、上部接続管(5
1)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入
側に戻される。
【0071】また、この運転にあっても、上述した
〔3〕の氷核生成動作は同時に行われる。つまり、下部
接続管(52)を流れる冷媒の一部が氷核生成冷媒導入管(5
8)を経て氷核生成器(46)に導入されている。これによ
り、連続した製氷が行えることになる。そして、この氷
核生成器(46)において水を冷却して氷核を生成した冷媒
は、上述した氷核生成運転と同様に氷核生成冷媒導出管
(59)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸
入側に戻される。
【0072】また、これと同時に、補助ガスライン(31)
を流れる冷媒の一部は、氷進展防止器(47)に供給され、
上記と同様に氷の進展を防止する。これによって、その
氷の進展が蓄熱熱交換器(42)にまで達して、その内部で
過冷却水の過冷却状態が解消されて該熱交換器(42)が凍
結するという事態は回避される。
【0073】このような水及び冷媒の循環動作を行うこ
とにより蓄熱熱交換器(42)で生成された過冷却水には、
氷核生成器(46)の近傍において氷核が混入され、この状
態で過冷却解消器(43)に導入される。そして、この過冷
却解消器(43)において、過冷却水は、その旋回流に伴っ
て氷核の周囲で過冷却状態が解消し、これによって冷蓄
熱用のスラリー状の氷が生成される。この氷は、蓄熱タ
ンク(T) に回収され、該蓄熱タンク(T) 内に貯溜される
ことになる。
【0074】その際に、過冷却解消器(43)において過冷
却解消動作が行われているか否かの確認は、上記過冷却
水温センサ(Th-W3) 及び氷生成検知センサ(Th-W4) によ
ってそれぞれ検出される水温に基づいて行われる。つま
り、良好な製氷動作が行われている場合には、過冷却水
温センサ(Th-W3) では過冷却状態の水温(例えば−2
℃)が、また氷生成検知センサ(Th-W4) では過冷却状態
が解消されて氷と水とが混在した水温(例えば0℃)が
それぞれ検出されることになり、これら水温を各センサ
(Th-W3),(Th-W4) が検出することで、過冷却解消動作が
行われていることは確認される。
【0075】また、この冷蓄熱運転における圧縮機構
(1) の容量制御は、過冷却水温センサ(Th-W3) によって
検出される水温が所定温度(例えば上述した−2℃)に
維持されるように行われる。さらに、本運転時には、予
熱器(40)にも比較的高温の冷媒が流れるようになってい
るので、仮に蓄熱タンク(T) から循環路(45)に氷が流出
し、これが予熱器(40)に混入したときには、該予熱器(4
0)において加熱された水と氷とがポンプ(P) 及び混合器
(41)の各々で撹拌されることにより氷の融解が促進され
るので、蓄熱熱交換器(42)に氷が混入してしまうことを
回避しながら蓄熱熱交換器(42)における過冷却水の生成
動作を良好に行うことができる。一方、上記蓄熱熱交換
器(42)により生成された過冷却水は、過冷却解消器(43)
に達するまではその過冷却状態が解消されないようにな
っているので、蓄熱熱交換器(42)内で過冷却状態が解消
することによる蓄熱熱交換器(42)の凍結は回避される。
【0076】〔5〕解凍運転 上述したような〔4〕の冷蓄熱運転の際、蓄熱熱交換器
(42)において水の過冷却状態が解消して該蓄熱熱交換器
(42)が凍結した場合には、この冷蓄熱運転を一時的に中
断して解凍運転に切り換える。この解凍運転では、第2
室外電動膨張弁(52a) と、第3、第4及び第6の各電磁
弁(SV3),(SV4),(SV6) とが開放され、その他の電動膨張
弁及び電磁弁は閉鎖される。この状態で、圧縮機構(1)
が作動し、図8に矢印で示すように、圧縮機構(1) から
の高温のガス冷媒をホットガス供給管(54)により下部接
続管(52)に供給し、この下部接続管(52)を経て一部は蓄
熱熱交換器(42)に、また残部は予熱器(40)にそれぞれ導
入される。そして、蓄熱熱交換器(42)に導入された冷媒
(ホットガス)は、その温熱によって蓄熱熱交換器(42)
内の氷を融解する。また、その際に、氷蓄熱装置(B) の
ポンプ(P) を作動させておくようにすれば、氷が僅かに
融解した状態で、その氷がポンプ(P) からの水圧によっ
て蓄熱熱交換器(42)内の水経路の壁面から容易に離脱し
て過冷却解消器(43)に向って押し流されることになる。
そして、この冷媒は上部接続管(51)及び吸入ガスライン
(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。一方、
予熱器(40)に導入された冷媒は、解凍バイパスライン(5
0)及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入
側に戻される。
【0077】尚、上記の冷蓄熱運転時において蓄熱熱交
換器(42)が凍結したことを検知する動作としては、過冷
却水温センサ(Th-W3) によって検出される水温度が−2
℃から0℃に急激に上昇した場合に、この過冷却水温セ
ンサ(Th-W3) の上流側で過冷却解消動作が行われて氷が
生成されていると判断し、この判断に基づいて上記の解
凍運転を所定時間(例えば5分間)行う。また、その他
に、解凍運転を開始する動作としては、上記フロースイ
ッチ(SW-F)によって検出された水の流速が所定値以下に
なったときには、氷が氷蓄熱装置(B) の循環路(45)の一
部を閉塞していると判断し、この場合にも解凍運転を行
って氷を融解する。そして、この解凍運転が終了する
と、再び冷蓄熱運転が開始されることになる。
【0078】〔6〕冷蓄熱/冷房同時運転 この運転モードは、室内の冷房を行いながら蓄熱タンク
(T) に氷を貯溜する動作であって、比較的冷房負荷が小
さい状態において行われる。
【0079】この運転モードでは、上述した冷蓄熱運転
において、室内電動膨張弁(6),(6),…を開放することに
よって行われる。つまり、図9に破線の矢印で示すよう
に、室外熱交換器(3) 及び補助熱交換器(30)で凝縮され
た冷媒の一部を室内ユニット(Y),(Y),…に供給し、室内
電動膨張弁(6),(6),…で減圧した後、室内熱交換器(7),
(7),…で蒸発させるようにしている。そして、このガス
冷媒はガス配管(15)、四路切換弁(2) 及び吸入ガスライ
ン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻されることに
なる。尚、水及び冷媒のその他の循環動作は上述した冷
蓄熱運転の場合と同様である。
【0080】〔7〕冷蓄熱利用冷房運転 この運転モードは、上述した冷蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯溜された氷の冷熱を利用しながら室内の冷
房を行うものである。
【0081】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) は、図10の実線側に切り換えら
れ、室内電動膨張弁(6),(6),…が所定開度に調整され、
第2室外電動膨張弁(52a) が全開状態にされる一方、第
1室外電動膨張弁(5) は閉鎖される。また、第5〜第7
電磁弁(SV5) 〜(SV7) が開放される一方、それ以外の電
磁弁は閉鎖される。
【0082】この状態で、氷蓄熱装置(B) にあっては、
ポンプ(P) が作動して該氷蓄熱装置(B) において水が循
環する。これにより、氷蓄熱装置(B) には蓄熱タンク
(T) 内の氷によって冷却された冷水が循環することにな
る。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構(1)
が作動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒は、図
10に矢印で示すように、その一部が四路切換弁(2) を
経て室外熱交換器(3) に導入され、該室外熱交換器(3)
において外気との間で熱交換を行って凝縮する。その
後、この冷媒は、第1液ライン(11a) 、レシーバ(4) 、
蓄熱利用バイパス管(53)、下部接続管(52)及び第3液ラ
イン(11c) を経て室内ユニット(Y),(Y),…に向って流れ
る。一方、他の一部の冷媒は、四路切換弁(2) 及び室外
熱交換器(3)をバイパスしてホットガス供給管(54)及び
蓄熱利用供給管(55)を流れて蓄熱熱交換器(42)に導入さ
れ、ここで氷蓄熱装置(B) を循環する冷水との間で熱交
換を行って凝縮した後、下部接続管(52)に導入される。
そして、この下部接続管(52)に導入された冷媒は、第3
液ライン(11c) に合流して室内ユニット(Y),(Y),…に向
って流れる。この室内ユニット(Y),(Y),…に達した冷媒
は、室内電動膨張弁(6),(6),…で減圧された後、室内熱
交換器(7),(7),…で蒸発し、ガス配管(15)及び吸入ガス
ライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に戻される。
このようにして、蓄熱タンク(T) 内に貯溜されている氷
の冷熱を利用した室内冷房運転が行われる。
【0083】また、このような冷蓄熱利用冷房運転にお
いて、過冷却水温センサ(Th-W3) によって検出される水
温が上昇して所定温度(例えば5℃)に達したときに
は、第2室外電動膨張弁(52a) 及び第5〜第7電磁弁(S
V5) 〜(SV7) が共に閉鎖される一方、第2電磁弁(SV2)
が開放されて冷蓄熱利用冷房運転を終了し、通常の冷房
運転に切り換えられる。つまり、過冷却水温センサ(Th-
W3) の水温に基づいて、蓄熱タンク(T) 内の冷熱の殆ど
を利用し終えたと判断したときには、通常の冷房運転に
切り換えられる。
【0084】〔8〕温蓄熱運転 この運転モードは、暖房運転時に利用する温熱として蓄
熱タンク(T) 内に温水を貯溜するためのものである。
【0085】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) は、図11の破線側に切り換えら
れ、第1室外電動膨張弁(5) が所定開度に調整され、第
2室外電動膨張弁(52a) 及び第7電磁弁(SV7) が開放さ
れる一方、その他の電動膨張弁及び電磁弁は閉鎖され
る。
【0086】この状態で、氷蓄熱装置(B) にあっては、
ポンプ(P) が作動して該氷蓄熱装置(B) において水が循
環する。一方、冷媒循環回路(A) にあっては、圧縮機構
(1)が作動し、この圧縮機構(1) から吐出された冷媒
は、図11に矢印で示すように、ホットガス供給管(54)
及び蓄熱利用供給管(55)を経て蓄熱熱交換器(42)に導入
され、ここで氷蓄熱装置(B) の水との間で熱交換を行っ
て該水を加熱して凝縮する。そして、この冷媒は、下部
接続管(52)、第3液ライン(11c) 、第4液ライン(11d)
、第2液ライン(11b) 及び暖房液ライン(33)を経て第
1室外電動膨張弁(5) で減圧された後、室外熱交換器
(3) に導入される。そして、この室外熱交換器(3) にお
いて外気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換
弁(2) 及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の
吸入側に戻される。このような水及び冷媒の循環動作を
行うことにより、氷蓄熱装置(B) を流れる水は蓄熱熱交
換器(42)において冷媒からの放熱を受け、高温の温水と
なって蓄熱タンク(T) 内に貯溜されることになる。
【0087】そして、このような温蓄熱運転中におい
て、入口水温センサ(Th-W1) によって検出された水温が
上昇して所定の高温(例えば35℃)に達すると、蓄熱
タンク(T) 内に十分な温熱が貯溜されたと判断して運転
を終了する。
【0088】
〔9〕温蓄熱/暖房同時運転 この運転モードは、室内の暖房を行いながら蓄熱タンク
(T) に温水を貯溜する動作であって、比較的暖房負荷が
小さい状態において行われる。
【0089】この運転モードでは、上述した〔8〕の温
蓄熱運転において、図12に示すように、室内電動膨張
弁(6),(6),…を開放することによって行われる。つま
り、圧縮機構(1) から吐出された冷媒の一部をガス配管
(15)によって室内熱交換器(7),(7),…に導入し、この室
内熱交換器(7),(7),…において室内空気との間で熱交換
を行って該室内空気を加温して凝縮した後、第3液ライ
ン(11c) の冷媒に合流させている。尚、水及び冷媒のそ
の他の循環動作は上述した温蓄熱運転と同様である。
【0090】〔10〕温蓄熱利用暖房運転 この運転モードは、上述した温蓄熱運転において蓄熱タ
ンク(T) に貯溜された温水の温熱を利用しながら室内の
暖房を行うものである。
【0091】この運転モードでは、コントローラ(70)に
より、四路切換弁(2) は、図13の破線側に切り換えら
れ、第1室外電動膨張弁(5) が所定開度に調整されると
ともに、室内電動膨張弁(6),(6),…及び第2室外電動膨
張弁(52a) は全開状態にされる。また、第4電磁弁(SV
4) が開放され、それ以外の電磁弁は閉鎖される。
【0092】この状態で圧縮機構(1) が作動すると、該
圧縮機構(1) から吐出された冷媒は図13に矢印で示す
ように、四路切換弁(2) 及びガス配管(15)を経て室内ユ
ニット(Y),(Y),…に導入され、室内熱交換器(7),(7),…
において室内空気との間で熱交換を行って凝縮して室内
空気を加温する。その後、この冷媒は、第3液ライン(1
1c) 及び第4液ライン(11d) を経てレシーバ(4) に達
し、該レシーバ(4) から第2液ライン(11b) を経て第1
室外電動膨張弁(5) により減圧される。次いで、この冷
媒は、一部が第2液ライン(11b) 及び下部接続管(52)を
経て蓄熱熱交換器(42)に導入され、ここで温水との間で
熱交換を行って蒸発した後、上部接続管(51)及び吸入ガ
スライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側に回収され
る。一方、上記第1室外電動膨張弁(5) で減圧された冷
媒の他の一部は、暖房液ライン(33)を経て室外熱交換器
(3) に導入され、この室外熱交換器(3) において室外空
気との間で熱交換を行って蒸発した後、四路切換弁(2)
及び吸入ガスライン(10c) を経て圧縮機構(1) の吸入側
に戻される。このようにして、蓄熱タンク(T) 内に貯溜
されている温水の温熱を利用した室内暖房運転が行われ
る。
【0093】また、この温蓄熱利用暖房運転において
も、〔7〕の冷蓄熱利用暖房運転と同様に、入口水温セ
ンサ(Th-W1) によって検出された水温が低下して所定温
度(例えば20℃)に達したときには、第2室外電動膨
張弁(52a) 及び第4電磁弁(SV4) が閉鎖され、温蓄熱利
用暖房運転を終了して通常の暖房運転に移行する。つま
り、入口水温センサ(Th-W1) の水温に基づいて、蓄熱タ
ンク(T) 内の温熱の殆どを利用し終えたと判断したとき
には、通常の暖房運転に切り換えられる。以上のような
各運転により室内の空気調和が行われる。
【0094】したがって、この実施形態1によれば、蓄
熱熱交換器(42)にて水を過冷却して生成された氷化物を
蓄熱タンク(T) に貯溜するようにした氷蓄熱装置(B) が
冷媒循環回路(A) と共に備えられてなる空気調和装置に
おいて、上記氷蓄熱装置(B)の混合器(41)の本体(71)
を、従来の混合器における筒状本体に相当する外筒部
(71a)の内部に内筒部(71b) が配置されてなるものと
し、上記外筒部(71a) 内での旋回流の流速を従来の場合
よりも速めてショートサーキットを生じ難くするととも
に、内筒部(71b) 内を移動する分だけ水及び氷片の混合
時間を長くとれるようにし、しかもその内筒部(71b) 内
においても旋回させるようにしたので、上記混合器(41)
における氷片の融解効率を大幅に高めることができる。
この結果、蓄熱熱交換器(42)内に流入する氷片の量を少
なくできるので、その蓄熱熱交換器(42)の凍結を防止す
るために行う空気調和装置の解凍運転の回数を少なくす
ることができ、その分だけ氷蓄熱装置(B) による冷熱の
蓄熱量を増加させることができる。
【0095】また、上記予熱器(40)における氷片の融解
効率の向上に伴い、混合器(41)自体や予熱器(40)のコン
パクト化が可能であるというメリットもある。
【0096】尚、上記実施形態1では、氷蓄熱装置(B)
に水を使用しているが、その他にブライン水溶液等を使
用するようにしてもよい。
【0097】また、上記実施形態1では、冷蓄熱だけで
なく温蓄熱も行う氷蓄熱装置(B) に本発明を適用した場
合について説明したが、その他に、冷蓄熱のみを行う氷
蓄熱装置や、冷蓄熱を直接の目的とはしない製氷装置に
適用することもできる。
【0098】(実施形態2)図14〜図16は、本発明
の実施形態2に係る製氷装置としての氷蓄熱装置(B) に
おける混合器(41)を示しており、この実施形態において
も、上記実施形態1の場合と同様に、上記氷蓄熱装置
(B) は、空気調和装置の冷媒循環回路(A) に接続されて
いて、その冷媒循環回路(A) により生成された冷熱を氷
の状態で、また温熱を温水の状態でそれぞれ蓄熱する際
に用いられる。尚、同各図において、実施形態1の場合
と同じ部分には同じ符号を付して示している。
【0099】上記混合器(41)は、上下方向に延びるよう
に設けられた円筒状の本体(71)と、この本体(71)の上端
側に設けられていて、本体(71)の内部に水を導入する入
口部(72)と、上記本体(71)の下端側に設けられていて、
本体(71)内の水を外部に導出する出口部(74)とを有す
る。
【0100】具体的には、上記本体(71)は、上下両端が
開口された円筒部(81)と、この円筒部(81)の上下開口の
各々を密閉する状態で取り付けられた矩形状の天板部(8
2)及び底板部(83)とからなっている。また、天板部(82)
及び底板部(83)は、この混合器(41)を基台ないし他の機
器に連結固定するための取付板としての機能も有してい
て、図15及び図16に示すように、各々、ボルト孔(8
2a),(83a) が設けられている。
【0101】上記入口部(72)は、断面円形状のパイプ部
(84)と、このパイプ部(84)の一端側に一体に設けられた
外向きフランジ状の取付部(85)とからなっており、上記
パイプ部(84)の他端側は、本体(71)の円筒部(81)の上端
近傍を水平方向に貫通して水密状に固定されている。こ
のとき、上記パイプ部(84)は、図15に示すように、そ
の軸線が円筒部(81)の軸心から外れた位置に配置されて
おり、このことで、本体(71)内に導入された水及び氷片
が円筒部(81)の内周面に沿って旋回するようになってい
る。
【0102】一方、上記出口部(74)は、入口部(72)の場
合と同様に、断面円形状のパイプ部(86)と、このパイプ
部(86)の一端側に一体に設けられた外向きフランジ状の
取付部(87)とからなっている。そして、上記パイプ部(8
6)の他端側は、本体(71)の円筒部(81)の下端近傍を、入
口部(72)の場合とは逆向きの水平方向に貫通して水密状
に固定されている。このパイプ部(86)は、その軸線が円
筒部(81)の軸心と直交する位置に配置されている。
【0103】そして、この実施形態では、上記混合器(4
1)は、図17に模式的に示すように、その本体(71)の内
部に入口部(72)及び出口部(74)間の水の移動経路を遮閉
するように配置された3枚のバッフルプレート(75),(7
5),…を有する。その上で、上記各バッフルプレート(7
5)には、図18に示すように、各々、水の通過が可能
な、例えば直径が10mm程度である円形状をなす多数
の小孔(75a),(75a),…が設けられている。尚、その他の
構成は実施形態1の場合と同じであるので、説明は省略
する。
【0104】次に、上記混合器(41)における水及び氷片
の挙動について説明する。
【0105】氷蓄熱装置(B) の循環路(45)を水が循環す
るのに伴って蓄熱タンク(T) から水と共に流出した氷片
は、予熱器(40)により加熱されて或る程度にまで融解さ
れた後、混合器(41)に導入される。この混合器(41)で
は、水及び氷片は、入口部(72)を経由して本体(71)の内
部にその上端側から導入された後、この本体(71)内を下
端側に向かって流れる。そして、バッフルプレート(75)
により行く手を遮られる毎に、各小孔(75a) を経由して
バッフルプレート(75)を通過する。このとき、各小孔(7
5a) を通過した水及び氷片は、その小孔(75a) の周縁部
においてバッフルプレート(75)の背面側に回り込む状態
のミクロな乱流を形成し、このミクロな乱れによる撹拌
が全体的に行われるようになる。よって、マクロな乱れ
による大まかな撹拌しか行われない旋回流の場合に比べ
て水及び氷片の温度は均一化し易くなり、両者の混合は
促進される。
【0106】その上、入口部(72)を経由して本体(71)の
内部に導入された水及び氷片は、少なくとも最上段のバ
ッフルプレート(75)に達するまでの間は、本体(71)内で
旋回流を形成する。よって、旋回流による水及び氷片の
撹拌が加わり、その分だけ両者の混合はさらに促進され
る。
【0107】したがって、この実施形態2によれば、氷
蓄熱装置(B) の混合器(41)において、各バッフルプレー
ト(75)の小孔(75a),(75a),…により、水及び氷片の流れ
にミクロな乱れを生じさせることができるので、そのミ
クロな乱れによる撹拌で水及び氷片の均熱化を容易なも
のとすることができ、よって、この実施形態によって
も、混合器(41)における氷片の融解効率を高くすること
ができる。
【0108】尚、上記実施形態2では、3枚のバッフル
プレート(75),(75),…を用いるようにしているが、必要
な融解効率が十分に得られる場合には1〜2枚であって
もよいし、そうでない場合には4枚以上用いるようにし
てもよい。
【0109】(実施形態3)図19は、本発明の実施形
態3に係る氷蓄熱装置(B) の混合器(41)を模式的に示し
ている。
【0110】この実施形態では、上記混合器(41)は、上
下方向に延びるように設けられた筒状の本体(71)と、こ
の本体(71)の上端側に設けられていて、本体(71)の内部
に水を導入する入口部(72)と、上記本体(71)の下端側に
設けられていて、本体(71)内の水を外部に導出する出口
部(74)と、上記本体(71)の内部に入口部(72)及び出口部
(74)間の水の移動経路を遮閉するように配置された3枚
のバッフルプレート(75),(75),…とを有してなってい
る。そして、上記各バッフルプレート(75)の中心部から
偏心した位置には、水の通過可能な通過部としての通過
口(75b) が設けられている。
【0111】具体的には、上記各バッフルプレート(75)
は、図20に示すように、円形プレートをその直径より
も短い直線で切り欠いた形状をなしており、その切欠部
分が本体(71)の側周壁との間で上記通過口(75b) を形成
するようになっている。また、上下方向に互いに隣接す
るバッフルプレート(75),(75) の上記通過口(75b),(75
b) 同士は、周方向に略180°だけずれて配置されて
いる。この実施形態では、上記各通過口(75b) の形状及
び大きさは互いに同じとされている。尚、その他の構成
は実施形態1の場合と同じであるので、説明は省略す
る。
【0112】次に、上記混合器(41)における水及び氷片
の挙動について説明する。水及び氷片は、混合器(41)の
入口部(72)を経由して本体(71)の内部にその上端側から
導入された後、この本体(71)内を下端側に向かって流れ
る。そして、バッフルプレート(75)により行く手を遮ら
れる毎に、通過口(75b) を経由してバッフルプレート(7
5)を通過する。このとき、上下方向に互いに隣接するバ
ッフルプレート(75),(75) の通過口(75b),(75b) 同士が
周方向にずれているので、上流側のバッフルプレート(7
5)の通過口(75b) を通過した水及び氷片は、下流側のバ
ッフルプレート(75)の通過口(75b) に達するために、本
体(71)内をその径方向に移動して大きく迂回することに
なる。よって、本体(71)内における水及び氷片の移動距
離が長くなり、それに応じて両者の混合時間も長くなる
のことで、氷片に対する融解効率は高くなる。
【0113】したがって、この実施形態3によれば、氷
蓄熱装置(B) の混合器(41)において、各々、通過口(75
b) を有するバッフルプレート(75)により、本体(71)内
での水及び氷片の混合時間を長くとることができるの
で、この実施形態によっても、混合器(41)における氷片
の融解効率を大幅に高めることができ、蓄熱熱交換器(4
2)内に流入する氷片の量を少なくできる結果、上記蓄熱
熱交換器(42)の凍結を防止するために行う空気調和装置
の解凍運転の回数を少なくすることができ、その分だけ
氷蓄熱装置(B) による冷熱の蓄熱量を増加させることが
できる。
【0114】尚、上記実施形態3では、3枚のバッフル
プレート(75),(75),…を用いるようにしているが、必要
な融解効率が十分に得られる場合には2枚であってもよ
いし、そうでない場合には4枚以上用いるようにしても
よい。
【0115】また、上記実施形態3では、各バッフルプ
レート(75)の通過口(75b) の形状及び大きさを互いに同
じにしているが、バッフルプレート(75)毎に異ならせる
ようにしてもよい。
【0116】さらに、上記実施形態3では、各バッフル
プレート(75)の通過口(75b) の周方向の位置を略180
°ずつずらすようにしているが、バッフルプレートが3
枚以上の場合に必ずしも同じ量ずつずらさなくてもよ
く、入口部及び出口部の配置等に応じて適宜設定するこ
とができる。
【0117】(実施形態4)図21及び図22は、本発
明の実施形態4に係る氷蓄熱装置(B) の混合器(41)を模
式的に示している。
【0118】この実施形態では、上記混合器(41)は、実
施形態3のバッフルプレート(75),(75),…に、通過口(7
5b) に加え、上記実施形態2の場合と同じく、各々、水
の通過可能な多数の小孔(75a),(75a),…が設けられてい
る。尚、その他の構成は実施形態1及び3の場合と同じ
であるので、説明は省略する。
【0119】したがって、この実施形態4によれば、通
過口(75b) による混合時間の延長化作用に、各バッフル
プレート(75)の小孔(75a),(75a),…を通過することで生
じるミクロな乱れによる撹拌作用が加えられるので、水
及び氷片の混合をさらに促進することができ、混合器(4
1)における氷片の融解効率をさらに高くすることができ
る。
【0120】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、製氷用液体及びその氷化物を貯溜可能な貯溜部
と、製氷用液体を過冷却する熱交換器と、これら貯溜部
及び熱交換器間で製氷用液体を循環させる循環路と、上
記貯溜部の出口側に配置され、貯溜部から流出した製氷
用液体を加熱する予熱器と、この予熱器の出口側に配置
され、予熱器により加熱された製氷用液体を撹拌する混
合器とを備えた製氷装置において、上記混合器を、外筒
部及び内筒部からなる二重筒構造の本体と、この本体の
一端側に設けられ、上記外筒部の内部に製氷用液体を導
入して旋回流を形成させる入口部と、上記本体の他端側
に設けられ、外筒部内の製氷用液体を上記内筒部の内部
に導入する連通部と、上記本体の一端側に設けられ、内
筒部内の製氷用液体を本体の外部に導出する出口部とを
有するものとしたので、上記外筒部内における旋回流の
流速を従来の場合よりも速くしてショートサーキットの
発生を抑えることができるとともに、上記内筒部内を移
動する分だけ製氷用液体及び氷片の混合時間を長くとる
ことができ、これらにより、混合器における氷片の融解
効率を高くすることができる。よって、製氷装置の解凍
運転の回数を少なく抑えて製氷量の向上を図ることがで
きる。また、上記氷片の融解効率の向上により、混合器
自体や予熱器のコンパクト化を図るようにすることもで
きる。
【0121】請求項2の発明によれば、上記連通部を、
内筒部の内部に製氷用液体を導入して旋回流を形成させ
るように構成されているものとしたので、内筒部内で旋
回させる分だけ、製氷用液体及び氷片の混合をさらに促
進することができる。
【0122】請求項3の発明によれば、上記製氷装置の
混合器を、筒状の本体と、この本体の一端側に設けら
れ、本体の内部に製氷用液体を導入する入口部と、上記
本体の他端側に設けられ、本体内の製氷用液体を外部に
導出する出口部と、上記本体の内部に入口部及び出口部
間の製氷用液体の移動経路を遮閉するように配置された
バッフルプレートとを有するものとし、その上で、上記
バッフルプレートに、各々、製氷用液体の通過可能な多
数の小孔を設けるようにしたので、上記各小孔を通過す
ることで生じるミクロな乱れにより製氷用液体及び氷片
を撹拌することができ、マクロな乱れによる大まかな撹
拌しか行われない旋回流の場合に比べて製氷用液体及び
氷片の混合を促進することができる結果、この発明によ
っても、混合器の融解効率を高めることができる。
【0123】請求項4の発明によれば、上記入口部を、
本体の内部に製氷用液体を導入して旋回流を形成させる
ように構成されているものとしたので、旋回流による製
氷用液体及び氷片の撹拌を加えた分だけ、両者の混合を
さらに促進させることができる。
【0124】請求項5の発明によれば、上記筒状の本体
の内部に複数枚のバッフルプレートを配設することと
し、これらバッフルプレートに、上記小孔に代えて、各
バッフルプレートの中心部から偏心した位置に製氷用液
体の通過可能な通過部を設け、かつ互いに隣接するバッ
フルプレートの上記通過部同士を周方向にずらして配置
するようにしたので、製氷用液体及び氷片の混合時間を
長くとることができ、したがって、この発明によって
も、氷片の融解効率を高くすることができる。
【0125】請求項6の発明によれば、上記バッフルプ
レートの通過部同士を周方向に略180°ずらして配置
するようにしたので、製氷用液体及び氷片の混合時間を
効率よく長くとることができ、上記請求項5の発明によ
る効果を効率よく得ることができる。
【0126】請求項7の発明によれば、上記各バッフル
プレートに、通過部に加え、各々、製氷用液体の通過可
能な多数の小孔を併せて設けるようにしたので、製氷用
液体及び氷片の混合をさらに促進させることができ、混
合器における氷片の融解効率をさらに高くすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る氷蓄熱装置の混合器
を模式的に示す斜視図である。
【図2】氷蓄熱装置が備えられた空気調和装置の全体構
成を示す回路図である。
【図3】氷蓄熱装置の全体構成を示す回路図である。
【図4】空気調和装置における通常冷房運転時の冷媒循
環動作を示す回路図である。
【図5】通常暖房運転時の冷媒循環動作を示す図4相当
図である。
【図6】氷核生成運転時の冷媒循環動作を示す図4相当
図である。
【図7】冷蓄熱運転時の冷媒循環動作を示す図4相当図
である。
【図8】解凍運転時の冷媒循環動作を示す図4相当図で
ある。
【図9】冷蓄熱/冷房同時運転時の冷媒循環動作を示す
図4相当図である。
【図10】冷蓄熱利用冷房運転時の冷媒循環動作を示す
図4相当図である。
【図11】温蓄熱運転時の冷媒循環動作を示す図4相当
図である。
【図12】温蓄熱/暖房同時運転時の冷媒循環動作を示
す図4相当図である。
【図13】温蓄熱利用暖房運転時の冷媒循環動作を示す
図4相当図である。
【図14】本発明の実施形態2に係る氷蓄熱装置の混合
器を示す側面図である。
【図15】図14のXV−XV線断面図である。
【図16】図14のXVI −XVI 線断面図である。
【図17】混合器を模式的に示す図1相当図である。
【図18】バッフルプレートを示す平面図である。
【図19】本発明の実施形態3に係る氷蓄熱装置の混合
器を示す図1相当図である。
【図20】バッフルプレートを示す図18相当図であ
る。
【図21】本発明の実施形態4に係る氷蓄熱装置の混合
器を示す図1相当図である。
【図22】バッフルプレートを示す図18相当図であ
る。
【図23】従来の製氷装置の混合器を示す図1相当図で
ある。
【符号の説明】
(T) 蓄熱タンク(貯溜部) (42) 蓄熱熱交換器(熱交換器) (45) 循環路 (40) 予熱器 (41) 混合器 (71) 本体 (71a) 外筒部 (71b) 内筒部 (72) 入口部 (73) 連通部 (74) 出口部 (75) バッフルプレート (75a) 小孔 (75b) 通過口(通過部) (A) 冷媒循環回路(冷凍装置) (B) 氷蓄熱装置(製氷装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 恭彦 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内 (72)発明者 松井 伸樹 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製氷用液体及びその氷化物を貯溜可能な
    貯溜部(T) と、冷凍装置(A) に接続された状態で該冷凍
    装置(A) の冷媒により製氷用液体を過冷却する熱交換器
    (42)と、上記貯溜部(T) 及び熱交換器(42)間で製氷用液
    体を循環させる循環路(45)と、上記貯溜部(T) の出口側
    及び熱交換器(42)の入口側間の循環路(45)に配設され、
    貯溜部(T) から流出した製氷用液体を加熱する予熱器(4
    0)と、該予熱器(40)の出口側及び熱交換器(42)の入口側
    間の循環路(45)に配設され、予熱器(40)により加熱され
    た製氷用液体を撹拌する混合器(41)とを備えた製氷装置
    において、 上記混合器(41)は、所定方向に延びるように設けられた
    外筒部(71a) の内部に内筒部(71b) が同心状に配置され
    てなる本体(71)と、該本体(71)の一端側に設けられ、上
    記外筒部(71a) の内部に製氷用液体を導入して旋回流を
    形成させる入口部(72)と、上記本体(71)の他端側に設け
    られ、外筒部(71a) 内の製氷用液体を上記内筒部(71b)
    の内部に導入する連通部(73)と、上記本体(71)の一端側
    に設けられ、内筒部(71b) 内の製氷用液体を本体(71)の
    外部に導出する出口部(74)とを有することを特徴とする
    製氷装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製氷装置において、 連通部(73)は、内筒部(71b) の内部に製氷用液体を導入
    して旋回流を形成させるように構成されていることを特
    徴とする製氷装置。
  3. 【請求項3】 製氷用液体及びその氷化物を貯溜可能な
    貯溜部(T) と、冷凍装置(A) に接続された状態で該冷凍
    装置(A) の冷媒により製氷用液体を過冷却する熱交換器
    (42)と、上記貯溜部(T) 及び熱交換器(42)間で製氷用液
    体を循環させる循環路(45)と、上記貯溜部(T) の出口側
    及び熱交換器(42)の入口側間の循環路(45)に配設され、
    貯溜部(T) から流出した製氷用液体を加熱する予熱器(4
    0)と、該予熱器(40)の出口側及び熱交換器(42)の入口側
    間の循環路(45)に配設され、予熱器(40)により加熱され
    た製氷用液体を撹拌する混合器(41)とを備えた製氷装置
    において、 上記混合器(41)は、所定方向に延びるように設けられた
    筒状の本体(71)と、該本体(71)の一端側に設けられ、本
    体(71)の内部に製氷用液体を導入する入口部(72)と、上
    記本体(71)の他端側に設けられ、本体(71)内の製氷用液
    体を外部に導出する出口部(74)と、上記本体(71)の内部
    に入口部(72)及び出口部(74)間の製氷用液体の移動経路
    を遮閉するように配置された少なくとも1枚のバッフル
    プレート(75)とを有し、 上記バッフルプレート(75)には、各々、製氷用液体の通
    過可能な多数の小孔(75a),(75a),…が設けられているこ
    とを特徴とする製氷装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の製氷装置において、 入口部(72)は、本体(71)の内部に製氷用液体を導入して
    旋回流を形成させるように構成されていることを特徴と
    する製氷装置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の製氷装置におい
    て、 バッフルプレート(75)は複数枚とされ、 上記各バッフルプレート(75)には、小孔(75a),(75a),…
    に代えて、該各バッフルプレート(75)の中心部から偏心
    した位置に製氷用液体の通過可能な通過部(75b) が設け
    られ、 互いに隣接するバッフルプレート(75),(75) の上記通過
    部(75b),(75b) 同士は、周方向にずれて配置されている
    ことを特徴とする製氷装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の製氷装置において、 互いに隣接するバッフルプレート(75),(75) の通過部(7
    5b),(75b) 同士は、周方向に略180°ずれて配置され
    ていることを特徴とする製氷装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の製氷装置におい
    て、 各バッフルプレート(75)に、通過部(75b) に加え、各
    々、製氷用液体の通過可能な多数の小孔(75a),(75a),…
    が設けられていることを特徴とする製氷装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100774604B1 (ko) * 2001-09-26 2007-11-09 간사이 덴료쿠 가부시키가이샤 수중 과냉각 해제에 의한 제빙방법 및 제빙장치, 및 이제빙장치를 이용한 저온수 공급시스템
KR102020308B1 (ko) * 2019-01-24 2019-09-16 대성쎌틱에너시스 주식회사 하이브리드 열교환기
CN115451480A (zh) * 2022-09-13 2022-12-09 河北工程大学 一种冰槽式相变换热器

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CN115451480B (zh) * 2022-09-13 2024-05-03 河北工程大学 一种冰槽式相变换热器

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