JPH09310843A - バーナ覗窓の閉塞防止方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気供給管が不要で、熱効率の低下を防止で
きるバーナ覗窓の閉塞方法及び装置を提供する。 【解決手段】 微粉炭バーナ５に略平行して延びウイン
ドボックス３を貫通しスロート２の内部に開口する覗窓
本体２８に、シール用空気取入口２７を設け、ウインド
ボックス３内の二次空気４をバーナ覗窓２６のシール用
空気として覗窓本体２８の内部に導入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、バーナ覗窓の閉塞
防止方法及び装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】粉砕機で粉砕した石炭の微粉を一次空気
と混合して微粉炭バーナへ供給し該微粉炭バーナから噴
出させて浮遊燃焼させる微粉炭燃焼は、従来から広く一
般に用いられている石炭の燃焼方式である。

【０００３】微粉炭燃焼方式の火炉に使用されている微
粉炭バーナの一例を図５及び図６によって説明すると、
１は火炉であり、該火炉１の側壁の所定位置にはスロー
ト２が形成されており、スロート２付近の火炉１の外部
にはウインドボックス３が配置されていて、このウイン
ドボックス３から火炉１へ燃焼用の二次空気４を供給す
るようになっている。

【０００４】スロート２の中心には、ウインドボックス
３を貫通する微粉炭バーナ５が設けられており、該微粉
炭バーナ５の中心部には、略円筒状で先端開口部に先端
に向かって直径が急減する絞り部を有するバーナ内筒６
が配置され、バーナ内筒６の軸心位置にはオイルバーナ
７が挿入されている。

【０００５】バーナ内筒６の外側には、バーナ外筒８が
バーナ内筒６と同心状に配設されており、該バーナ外筒
８は後端部分が略円筒状で、中間部分から先端に向かっ
て直径が漸減する中空円筒状になっている。

【０００６】バーナ外筒８の先端開口部には、先端に向
かって直径が急減するバーナノズル９が取り付けられて
いる。

【０００７】バーナ外筒８の後端部には、接線方向へ向
けて微粉炭供給口１３が設けられていて、図示しない粉
砕機から一次空気１１とともに供給される微粉炭１０を
バーナ外筒８の内部へ導くように形成されており、バー
ナ外筒８内部には、図６に示されるように、周方向に所
要ピッチでディフレクタアングル１２が配設されてい
る。

【０００８】また、二次空気４の空気量を調整するため
に、前記スロート２とウインドボックス３との間に形成
された空間にスロート２の周りを円形に囲うようにエア
レジスタ１５が配設されており、前記二次空気４に旋回
力を与えるために、エアレジスタ１５の内側の周方向に
複数のインナベーン１６が配設されている。

【０００９】さらに、三次空気１７をバーナ内筒６へ導
くために、ウインドボックス３とバーナ内筒６の後端部
とが三次空気管１８によって連通されている。

【００１０】図示していない粉砕機で粉砕した微粉炭１
０を一次空気１１に混合してバーナ外筒８の微粉炭供給
口１３へ供給すると、微粉炭１０と一次空気１１との混
合流は、バーナ外筒８の接線方向に向けて連結されてい
る微粉炭供給口１３の作用によりバーナ外筒８の後端に
おいて周回運動を与えられ、バーナ外筒８の内面に沿っ
て周方向に旋回しながら流動し、バーナ外筒８内部に設
置されたディフレクタアングル１２により微粉炭流が均
一化されるとともに、軸方向の速度を与えられ、バーナ
外筒８の先端から噴出され、ウインドボックス３から供
給される二次空気４とスロート２内で混合して火炉１の
内部で燃焼する。

【００１１】この際、石炭に含まれている灰分等によっ
て生成されるクリンカ１９がスロート２の周辺に付着・
堆積する。

【００１２】クリンカ１９がスロート２の周辺に付着・
堆積すると空気の流通や微粉炭の燃焼を阻害するので、
微粉炭バーナにおいては、クリンカ１９の付着状態や火
炎の燃焼状態を確認するために、バーナ外筒８の周りに
複数（２〜４本）のバーナ覗窓２０を適宜の間隔を置い
て配置している。

【００１３】このバーナ覗窓２０は、中空円筒状をなし
且つ火炉１の外部からバーナ外筒８に略平行に延びてエ
アレジスタ１５の内側を通りスロート２の内部に開口す
る覗窓本体２１と、該覗窓本体２１の後端部に嵌設され
且つガラスがはめ込まれた覗孔２２を有する覗孔蓋２３
とによって構成されている。

【００１４】上述したバーナ覗窓２０を介して火炉１の
内部状況を監視する場合には、前記覗孔蓋２３の覗孔２
２を通して目視するか、或いは、テレビカメラ等を用い
るようにしている。

【００１５】ところが、前記覗窓本体２１は、燃焼によ
って生じる灰によって閉塞される恐れがあるので、一般
には、覗窓本体２１の後端部に空気供給管２４を接続
し、該空気供給管２４を介して覗窓本体２１の内部へシ
ール用空気２５を供給することによってクリンカ１９が
覗窓本体２１の内部へ侵入することを防止するようにし
ている。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く、シール用空気２５を空気供給管２４を介して覗窓
本体２１の内部へ供給するのでは、シール用空気２５を
覗窓本体２１の内部へ導入するための空気供給管２４を
必要とし、また、加熱していない常温のシール用空気２
５が覗窓本体２１を介して火炉１の内部へ流入するので
熱効率が低下するなどの問題があった。

【００１７】本発明は、前述の実情に鑑み、空気供給管
を配管する必要がなく、且つ熱効率を低下させることな
くバーナ覗窓の閉塞を防止し得るバーナ覗窓の閉塞防止
方法及び装置を提供することを目的としてなしたもので
ある。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明は、火炉の外部か
ら微粉炭バーナに略平行して延びウインドボックスを貫
通しスロートの内部に開口するように、微粉炭バーナの
周りの所要箇所に配設した覗窓本体と、該覗窓本体の後
端部に嵌設した覗孔蓋とを有するバーナ覗窓の閉塞防止
方法であって、ウインドボックス内の二次空気をバーナ
覗窓のシール用空気として覗窓本体の内部に導入するこ
とを特徴とするバーナ覗窓の閉塞防止方法にかかるもの
である。

【００１９】また、本発明は、火炉の外部から微粉炭バ
ーナに略平行して延びウインドボックスを貫通しスロー
トの内部に開口するように、微粉炭バーナの周りの所要
箇所に配設した覗窓本体と、該各覗窓本体の後端部に嵌
設した覗孔蓋とを有するバーナ覗窓の閉塞防止装置であ
って、ウインドボックス内に開口するシール用空気取入
口を覗窓本体に設けたことを特徴とするバーナ覗窓の閉
塞防止装置にかかるものである。

【００２０】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。

【００２１】所定の正圧力を有するウインドボックス内
の二次空気の一部が覗窓本体に設けたシール空気取入口
から覗窓本体の内部へ流入し、負圧状態のスロートの内
部に開口する覗窓本体の先端から流出して覗窓本体の開
口部分をシールする。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例とともに説明する。

【００２３】図１〜図３は本発明を実施する形態の第一
の例を示すものであり、図中、図５及び図６と同一の符
号を付した部分は同一物を表しており、基本的な構成は
図５及び図６に示す従来のものと略同様であるが、本図
示例の特徴とするところは、図１〜図３に示すように、
ウインドボックス３の二次空気４をバーナ覗窓２６の内
部へ導入し得るシール用空気取入口２７をバーナ覗窓本
体２６の所定位置に設けた点にある。

【００２４】本図示例においては、バーナ覗窓２６を構
成する覗窓本体２８は、図２に示す如く、中空円筒状を
なし且つ火炉１の外部からバーナ外筒８に略平行に延び
てウインドボックス３の内部に達する基端部材２９と、
該基端部材２９の先端部側（図２のＢ側）に、基端部材
２９の外周に対して所要の間隙を保って同軸に外嵌され
且つ基端部側（図２のＡ側）の端面３０ａが漏斗状に閉
塞された中空円筒状をなし、エアレジスタ１５の内側を
通って延びスロート２の内部に開口する先端部材３０と
によって形成されており、前記先端部材３０の端面３０
ａには、図３に示すように、放射状に配列されたスリッ
ト状のシール用空気取入口２７を設け、ウインドボック
ス３の二次空気４が該シール用空気取入口２７を通って
覗窓本体２８の内部に流入し得るようにしてある。

【００２５】次に、上記図示例の作動を説明する。

【００２６】火炉１の内部における微粉炭の燃焼を阻害
するクリンカ１９の付着状態、及び火炎の燃焼状態を確
認するために、バーナ外筒８の周りに適宜の間隔を置い
て配置された本図示例のバーナ覗窓２６（図２参照）に
あっては、所定の正圧力を有するウインドボックス３内
の二次空気４の一部が覗窓本体２８に設けたシール用空
気取入口２７からシール用空気２５として覗窓本体２８
の内部へ流入し、負圧状態のスロート２の内部に開口す
る覗窓本体２８の先端から流出する。

【００２７】この結果、覗窓本体２８内を流動するシー
ル用空気２５によって覗窓本体２８の開口部分がシール
され、燃焼によって生じる灰がバーナ覗窓２６の内部へ
侵入することが防止される。

【００２８】こうして、従来例にみられるようなシール
用空気２５を供給するための空気供給管２４を配管する
必要がなく、しかも、予熱された二次空気４を使用する
ことにより熱効率を低下させずにバーナ覗窓２６の閉塞
を防止できる。

【００２９】図４は本発明を実施する形態の第二の例を
示すものであり、本図示例のバーナ覗窓３１を構成する
覗窓本体３３は、図５に示す従来例のバーナ覗窓２０と
略同様に、中空円筒状をなし且つ火炉１の外部からバー
ナ外筒８に略平行に延びてウインドボックス３を貫通し
エアレジスタ１５の内側を通りスロート２の内部に開口
するように形成されており、前記覗窓本体３３のウイン
ドボックス３内にある部分の周壁に、ウインドボックス
３に連通するシール用空気取入口３２を、周方向へ所定
の間隔を置いて配置してある。

【００３０】図４に示す例のバーナ覗窓３１において
は、所定の正圧力を有するウインドボックス３内の二次
空気４の一部が覗窓本体３３の周壁に設けたシール用空
気取入口３２からシール用空気２５として覗窓本体３３
の内部へ流入し、負圧状態のスロート２の内部に開口す
る覗窓本体３３の先端から流出する。

【００３１】この結果、覗窓本体３３内を流動するシー
ル用空気２５によって覗窓本体３３の開口部分がシール
され、燃焼によって生じる灰がバーナ覗窓３１の内部へ
侵入することが防止される。

【００３２】こうして、図４に示す例の場合も、従来例
にみられるようなシール用空気２５を供給するための空
気供給管２４を配管する必要がなく、しかも、予熱され
た二次空気４を使用することにより熱効率を低下させず
にバーナ覗窓３１の閉塞を防止できる。

【００３３】なお、本発明のバーナ覗窓の閉塞防止方法
及び装置は、上述した実施の形態にのみ限定されるもの
ではなく、例えば、上述のようなバーナ覗窓２６，３１
の内部へのシール用空気２５の導入手段に加えて、覗窓
本体２８，３３の後端部に高圧空気供給用ホースを接続
できるように形成しておき、非常時には高圧空気によっ
て覗窓本体２８，３３の内部を清掃し得るようにしても
よいことなど、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００３４】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のバーナ覗窓
の閉塞防止方法及び装置によれば、ウインドボックス内
の二次空気が覗窓本体の内部を流動するようにしたの
で、シール用空気を供給するための空気供給管を必要と
せず、しかも、熱効率を低下させることなくバーナ覗窓
の閉塞を防止し得るという種々の優れた効果を奏し得
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施する形態の第一の例を示す断面図
である。

【図２】図１に関連するバーナ覗窓を示す拡大断面図で
ある。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ矢視図である。

【図４】本発明を実施する形態の第二の例のバーナ覗窓
を示す拡大断面図である。

【図５】従来例を示す断面図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ断面図である。

【符号の説明】

１ 火炉 ２ スロート ３ ウインドボックス ４ 二次空気 ５ 微粉炭バーナ ２３ 覗孔蓋 ２５ シール用空気 ２６ バーナ覗窓 ２７ シール用空気取入口 ２８ 覗窓本体 ３１ バーナ覗窓 ３２ シール用空気取入口 ３３ 覗窓本体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 火炉の外部から微粉炭バーナに略平行し
   て延びウインドボックスを貫通しスロートの内部に開口
   するように、微粉炭バーナの周りの所要箇所に配設した
   覗窓本体と、 該覗窓本体の後端部に嵌設した覗孔蓋とを有するバーナ
   覗窓の閉塞防止方法であって、 ウインドボックス内の二次空気をバーナ覗窓のシール用
   空気として覗窓本体の内部に導入することを特徴とする
   バーナ覗窓の閉塞防止方法。
2. 【請求項２】 火炉の外部から微粉炭バーナに略平行し
   て延びウインドボックスを貫通しスロートの内部に開口
   するように、微粉炭バーナの周りの所要箇所に配設した
   覗窓本体と、 該各覗窓本体の後端部に嵌設した覗孔蓋とを有するバー
   ナ覗窓の閉塞防止装置であって、 ウインドボックス内に開口するシール用空気取入口を覗
   窓本体に設けたことを特徴とするバーナ覗窓の閉塞防止
   装置。