JPH09308967A - 管用自動溶接装置 - Google Patents

管用自動溶接装置

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JPH09308967A
JPH09308967A JP12611996A JP12611996A JPH09308967A JP H09308967 A JPH09308967 A JP H09308967A JP 12611996 A JP12611996 A JP 12611996A JP 12611996 A JP12611996 A JP 12611996A JP H09308967 A JPH09308967 A JP H09308967A
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pipe
welding
drive unit
nozzle
automatic
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Masahiro Nakamura
雅広 中村
Shigeo Sakata
茂穂 坂田
Kunihiko Akiyoshi
邦彦 秋吉
Tadashi Shiraishi
正 白石
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AKIYOSHI KOGYO KK
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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AKIYOSHI KOGYO KK
Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 管用自動溶接装置を容易に配管に装着できる
ようにし、取り扱い易くする。 【解決手段】 駆動部10と走行部30とノズルホルダ
50によって管用自動溶接装置を構成する。駆動部10
のベース11は固定用ベルト12,13と締結器14に
よって配管212に装着され、ベース11の上に駆動モ
ータ18を設置する。走行部30は複数の走行板31を
互いに回動可能に連結して構成され、配管212の外側
を一周するように取り付ける。走行板31はその下側に
配管212の外周面を転動するローラを備え、走行部3
0は配管212の外側を走行する。駆動モータ18はタ
ーンベルト17を介して走行部30を走行させる。走行
部30の一つの走行板にノズルホルダ50を設置する。
ノズルホルダ50はノズル64をウィービングさせるウ
ィービング装置を備える。ノズル64から溶接ワイヤを
開先に向け供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管等の管同士を
突き合わせ溶接する際に用いられる可搬式の管用自動溶
接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】配管に取り外し可能に装着し、配管を回
転させず固定したまま溶接作業を行うことができる自動
溶接装置としては、実開昭56−80971号公報、特
公平6−61620号公報、特開平6−126488号
公報、特開平6−238439号公報等に開示されてい
るものがある。
【0003】これらはいずれも、モータ等からなる駆動
部で回転体を配管の回りに回転させ、この回転体に設置
したトーチ等からなる溶接作業部によって配管同士を突
き合わせ溶接していく構造になっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
自動溶接装置には以下のように種々の問題があった。即
ち、前記各公報に開示された自動溶接装置はいずれも、
駆動部と回転体と溶接作業部が一体化されており、自動
溶接装置を配管に装着する場合には装置全体を一度に配
管に装着しなければならず、極めて取り扱いにくかっ
た。
【0005】又、実開昭56−80971号公報に開示
された自動溶接装置については、配管を挟んで開閉する
クランプ装置によって自動溶接装置を配管に装着する構
造になっているので、配管の周囲には装着の際にクラン
プ装置を開閉できるスペースが必要であり、配管の周り
が狭いところでは使用することができなかった。
【0006】特開平6−238439号公報に開示され
た自動溶接装置については、配管を挟んで一方の側に駆
動部を備えた駆動台車を配し、他方の側にトーチを備え
たトーチ台車を配し、これらを連結手段で連結して両台
車を同時に配管の周りで回転する構造になっているが、
両台車の大型化は避けられず、この自動溶接装置の場合
も配管の周りが狭いところでは使用することができなか
った。
【0007】更に、実開昭56−80971号公報、特
公平6−61620号公報、及び特開平6−12648
8号公報に開示された自動溶接装置については、駆動部
から回転体への回転伝達手段としてピニオンと配管の外
側を一周する円筒状のラックからなる歯車装置を用いて
いるため、外径の異なる配管への対応が難しかったり、
配管の外径に応じたラックを備えた自動溶接装置を複数
用意して使い分けなければならないなど、不利点があっ
た。
【0008】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、装置を小型化でき、管への
装着が容易にでき、径の異なる種々の管に容易に対応で
きる管用自動溶接装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。本発明は、2本の
管同士を突き合わせ溶接する管用自動溶接装置であり、
(イ)駆動部と(ロ)走行部と(ハ)ノズルホルダとを
備えている。
【0010】(イ)駆動部 駆動部は、ターンベルトを駆動する駆動モータを有し、
一方の管に取り外し可能に装着される。
【0011】駆動部は、前記駆動モータの高さ位置を調
節する昇降台を備えているのが好ましい。このようにす
ると、駆動モータの高さ位置を変えることにより、駆動
モータの回転軸の高さ位置を変えることができ、これに
よって、駆動モータと走行部との間に張ったターンベル
トの張力を調節することができる。
【0012】管への駆動部の取り付け手段は、管に載置
される断面コ字形のベースと、このベースの両側に取り
付けられて管に巻き付け可能なベルトと、両ベルトを連
結して巻き上げる緊締器とから構成することができる。
このようにすると、管の外側に突出する部分を少なくす
ることができるとともに、管への駆動部の取り付けが容
易にできる。ベースを断面コ字形にしたことにより、駆
動部を正しい姿勢で管に取り付けることができる。
【0013】(ロ)走行部 走行部は、複数の構成片を互いに回動可能に連結して構
成され、各構成片は前記一方の管の外周面を走行するロ
ーラーを有する。連結された構成片は前記管の外側を一
周するように環状に組み付けられて管に取り外し可能に
装着され、前記駆動部のターンベルトによって駆動され
て管の回りを回転走行する。
【0014】(ハ)ノズルホルダ ノズルホルダは、前記走行部の一つの構成片に固定され
ており、開先に向けて溶接ワイヤを送給するノズルと、
このノズルを前記管の軸心方向に沿いウィービングせし
めるウィービング装置とを備えている。
【0015】ノズルホルダは、ウィービング装置を前記
管の軸心方向に沿って平行移動せしめる位置調節機構を
備えているのが好ましい。このようにすると、溶接ワイ
ヤの先端を開先の真上に正しく位置決めすることができ
る。
【0016】ノズルから炭酸ガス等のシールガスを噴出
できる構成にして、溶接ワイヤの周りをシールできるよ
うにしてもよい。
【0017】前記駆動部の駆動モータの運転と前記ノズ
ルホルダのウィービング装置の運転はコントロールユニ
ットによって自動制御される。ここで、運転の自動制御
とは、駆動モータについては、運転開始と運転停止のタ
イミング、及び運転速度等の制御であり、ウィービング
装置については、ウィービングの開始と停止のタイミン
グ、及びウィービングの方向、振幅、速度等の制御であ
る。
【0018】この管用自動溶接装置においてはノズルホ
ルダが管の周りを一周しながら溶接するので、ノズルホ
ルダの走行位置によって溶接姿勢が変わる。そこで、各
溶接姿勢に最適な溶接条件となるように、駆動部の駆動
モータとウィービング装置の運転条件を予めコントロー
ルユニットに入力し記憶させておき、これに基づいて自
動運転する。
【0019】本発明の管用自動溶接装置は配管を突き合
わせ溶接するのに好適であるが、配管以外であっても管
状の溶接対象を突き合わせ溶接することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
から図14の図面に基いて説明する。図3は、本発明の
管用自動溶接装置(以下、単に溶接装置という)を用い
て、建物の天井から吊り下げられて固定された配管21
1と212を突き合わせ溶接する場合の溶接システムの
全体構成図である。
【0021】溶接装置1には、ワイヤ供給装置110か
ら溶接ワイヤ111が自動供給され、ガスボンベ120
からシールガスとしての炭酸ガスが自動供給されるよう
になっている。又、ワイヤ供給装置110は溶接ワイヤ
111にアーク電流を流すべく溶接機130と電気的に
接続されており、溶接機130のアース線131は一方
の配管211に電気的に接続されている。溶接機130
はコントロールユニット140に電気的に接続され、コ
ントロールユニット140によって電流、電圧等を自動
制御されるようになっている。溶接機130及びコント
ロールユニット140は三相200ボルトの電源150
に接続されている。
【0022】図1は溶接装置1の正面図、図2は同左側
面図である。溶接装置1は、駆動部10と、走行部30
と、ノズルホルダ50とを備えている。各部について以
下に詳述する。
【0023】〔駆動部〕図4は駆動部10の正面図、図
5は同平面図、図6は同左側面図、図7は同右側面図で
ある。駆動部10は配管212に載置可能な断面コ字形
のベース11を備え、このベース11の両側部には固定
用ベルト12,13が連結されている。固定用ベルト1
2,13は配管212を抱持するように巻き付けられ、
一方の固定用ベルト12の端部に連結されたラチェット
機構付きの緊締器14に、他方の固定用ベルト13の端
部を接続し、緊締器14のハンドル14aを操作して固
定用ベルト13を巻き上げることにより、ベース11を
配管212にしっかりと固定することができるようにな
っている。又、緊締器14は解放機構(図示せず)を備
えており、溶接完了後に解放機構によって固定用ベルト
13を緩め、ベース11を配管212から外すことがで
きるようになっている。
【0024】ベース11の上には昇降台15が設置さ
れ、昇降台15の上にモータ取り付け台16が設置さ
れ、モータ取り付け台16の上にターンベルト17を回
転するための駆動モータ18とモータカバー19が固定
されている。駆動モータ18には、小型で、高トルクを
得ることができ、電磁ブレーキを内蔵しスピードコント
ロールが自在にできるステッピングモータが用いられて
いる。この駆動モータ18のON、OFF、並びに回転
速度はコントロールユニット140によって制御され
る。モータカバー19は溶接の熱及びスパッタから駆動
モータ18を保護する。
【0025】昇降台15は、固定台15aに設けられた
ハンドル15bを回転すると、固定台15aに設置され
たスライダ15cが図6及び図7において図中左右方向
に水平移動し、スライダ15cと可動台15dとの間に
設けたカム機構によって可動台15dがガイドロッド1
5eに案内され上下動する構造になっている。したがっ
て、昇降台15で駆動モータ18を昇降させることがで
き、駆動モータ18の回転軸18aを上下方向に位置調
節できる。
【0026】駆動モータ18の回転軸18aの先部には
プーリー20が固定されている。固定台15aの側面に
はガイド21が固定されており、ガイド21の下面には
ガイド溝21aが形成されている。
【0027】駆動部10のベース11は断面コ字形をな
しているので、この開口側を配管212に当接させるこ
とによって、駆動部10を正しい姿勢に装着することが
でき、駆動モータ18の回転軸18aの軸心を配管21
2の軸心に対して平行に配置することができる。
【0028】固定用ベルト12,13によって配管21
2に取り付けられた駆動部10は、配管212の外側へ
張り出す部分が少なく、駆動モータ18を有する部分だ
けが張り出すことになる。駆動モータ18の部分は、配
管212の周りの状況に応じて配管212の周上におけ
る位置を決めることができる。これは、配管212の周
りのスペースが偏っている場合に便利である。
【0029】〔走行部〕走行部30は配管212におい
て駆動部10よりも先端側に取り付けられている。走行
部30は多数の走行板(構成片)31を互いに回動可能
に連結して構成されており、配管212を一周するよう
に取り付けられている。
【0030】図8は走行部30の展開図の一部であり、
図9は図8のI−I断面図、図10は走行板31の正面図
である。走行板31は平板状をなし、その前端と後端に
はそれぞれ円筒状の連結部32,33が設けられてい
る。そして、走行板31の前端の連結部32とこの走行
板31の隣の走行板31の後端の連結部33とに1本の
支軸34を挿入して、隣り合う走行板31同士を簡単に
連結することができるように構成されている。
【0031】走行板31の裏面両側部には脚板35が固
定されており、脚板35の先部には、配管212の表面
を回転しながら走行するローラー36が回動自在に取り
付けられている。
【0032】走行板31の上面中央にはベルトガイド3
7が固定されており、ベルトガイド37にはターンベル
ト17が係合する凹部37aが形成されている。走行部
30における一つおきの走行板31には、駆動部10に
近い側に位置する上面からロッド38が起立しており、
その上部にガイドローラー39が回動自在に取り付けら
れている。
【0033】前記駆動部10のプーリー20と走行部3
0との間にはターンベルト17が張られ、駆動モータ1
8を回転するとプーリー20が回転し、プーリー20が
ターンベルト17を回転し、ターンベルト17が走行部
30を配管212の回りで走行させる。その際に、ター
ンベルト17は走行板31の凹部37aに係合して走行
板31から外れないようになり、走行板31のガイドロ
ーラー39が駆動部10のガイド21のガイド溝21a
内を通過して走行部30の蛇行を防止する。
【0034】〔ノズルホルダ〕前記走行部30における
一つの走行板31には、ノズルホルダ50のベース51
がその先端を配管212の先端側に突き出して固定され
ている。
【0035】図11はノズルホルダ50の正面図、図1
2は同左側面図である。ベース51の上にはトーチマウ
ント52が固定されており、トーチマウント52の上に
ウィービング装置53が設置されている。
【0036】ウィービング装置53は後述するロングチ
ップ63を配管211,212の軸心方向にウィービン
グするためのものであり、超小型ステッピングモータか
らなるウィービングモータが内蔵されている。ウィービ
ングモータはスライダ53aを図11において左右方向
(即ち、配管211,212の軸心方向)に水平に往復
動せしめる。このスライダ53aの先部には取り付け具
54を介してトーチ支持台55が固定されている。ウィ
ービングモータのON、OFFや回転方向及び回転速度
はコントロールユニット140によって制御される。
【0037】トーチ支持台55は絶縁材であるベークラ
イトで形成されており、2本のガイドロッド56に支持
されて、図11において左右方向(即ち、配管211,
212の軸心方向)に摺動自在に取り付けられている。
ガイドロッド56の両端はベース51から起立する脚柱
57に固定されている。
【0038】前記トーチマウント52は位置調節機構を
備えており、トーチマウント52に設けられたハンドル
52aを回転することによって、ウィービング装置53
を図11において左右方向(即ち、配管211,212
の軸心方向)に若干(最大約30mm)移動させること
ができる構造になっている。したがって、ハンドル52
aを回転することによってウィービング装置53と共に
トーチ支持台55を左右方向に移動せしめることができ
るようになっている。
【0039】図13に示すように、トーチ支持台55に
は上下に貫通する孔55aが設けられており、トーチ支
持台55の上面には孔55aと同心状にねじ環59が固
定されている。孔55aにはトーチ60が挿入されてい
る。トーチ60の上部外周面には雄ねじ部60aが形成
されており、この雄ねじ部60aをねじ環59に螺合
し、更に雄ねじ部60aにロック用のねじ環61を螺合
することによってトーチ60はトーチ支持台55に固定
されている。
【0040】トーチ60の内部には下部にガス通路孔6
0bが形成され、上部にねじ孔60cが形成されてお
り、ガス通路孔60bの下部内周面には雌ねじが形成さ
れている。ガス通路孔60bには図示しないガス供給管
が接続されており、前記ガスボンベ120から炭酸ガス
が供給されるようになっている。
【0041】トーチ60のねじ孔60cには中空筒状の
ワイヤ供給管62がねじ込み固定されている。ワイヤ供
給管62の先端はガス通路孔60b内に突き出ており、
先端内周面がねじ孔になっていて、このねじ孔に中空筒
状のロングチップ63がねじ込み固定されている。
【0042】前記ワイヤ供給装置110から自動供給さ
れてきた溶接ワイヤ111はワイヤ供給管62及びロン
グチップ63内を通過して溶接に供される。トーチ60
のガス通路孔60bの先端にはノズル64がねじ込み固
定されている。ノズル64は略円錐形状をなし、その内
部には上面に開口するガス通路孔64aが形成されてい
る。ノズル64の先端中央にはガス通路孔64aに連な
る孔64bが設けられており、この孔64bにはロング
チップ63の先端が挿入されている。
【0043】図14に示すように、ノズル64の孔64
bの周囲にはガス通路孔64aに連なる複数のガス噴出
孔64cが等間隔に設けられている。ガスボンベ120
からトーチ60のガス通路孔60bに供給された炭酸ガ
スは、ノズル64のガス通路孔64aを通ってガス噴出
孔64cから噴出され、ロングチップ63から送り出さ
れる溶接ワイヤ111の周囲を炭酸ガスでシールする。
【0044】この溶接装置1は次の手順で配管212に
装着する。初めに、溶接すべき配管211,212の外
径に合わせて必要な数の走行板31を準備し、それらを
連結して走行部30を構成し、配管212に装着する。
その際、ノズルホルダ50のノズル64の先端部が配管
211,212の開先近傍に位置するように走行部30
を位置決めする。
【0045】次に、駆動部10を固定用ベルト12,1
3及び締結器14によって配管212に装着する。その
際に、走行部30のガイドローラー39が駆動部10の
ガイド21のガイド溝21aを通過するように、駆動部
10を位置決めする。
【0046】そして、プーリー20と走行部30との間
にターンベルト17を張り、駆動部10の昇降台15の
ハンドル15bを操作して可動台15dを昇降させ、タ
ーンベルト17の張力を調節する。
【0047】次に、ノズルホルダ50のハンドル52a
を操作してウィービング装置53を配管211,212
の軸線方向に沿って移動させ、ノズル64の先端部が配
管211,212の開先の真上に位置するように調整す
る。
【0048】このようにして溶接装置1を配管212に
装着した後、溶接装置1の運転条件をコントロールユニ
ットに入力し、記憶させる。溶接装置1の運転条件とは
以下のことである。
【0049】駆動モータ18の運転及び停止のタイミ
ングと運転時の回転速度 ウィービング装置53の駆動源であるウィービングモ
ータの運転及び停止のタイミングと回転方向及び回転速
度 ワイヤ供給装置110の運転及び停止のタイミングと
溶接ワイヤ111の送り出し速度 溶接機130の運転及び停止のタイミングと電流及び
電圧の大きさ この後、溶接装置1の運転は溶接条件に従って全自動で
行われる。即ち、駆動モータ18の運転によってターン
ベルト17が回転し、走行部30が配管212の外側を
回転する。走行部30の回転によって走行板31に取り
付けられたノズルホルダ50が配管212の外側を回転
し、ノズルホルダ50のノズル64から送り出される溶
接ワイヤ111が配管211と配管212の突き合わせ
溶接に供される。
【0050】このように、この溶接装置1においては、
配管211,212は回転せず、ノズルホルダ50が配
管212の回りを回転しながら配管211,212の全
周を溶接しているため、溶接姿勢が刻々と変化すること
になる。
【0051】そのため、この溶接装置1により溶接を行
うときには、それぞれの溶接姿勢に好適な溶接パターン
となるように溶接装置1の溶接条件を予め設定する。以
下に、溶接すべき配管211,212が白ガス管である
場合の溶接パターンを説明する。
【0052】
【実施例1】図15は配管211,212の周方向にお
ける溶接位置と溶接パターンとを対応させた図である。
図15において溶接位置Aは、ノズル64から溶接ワイ
ヤ111が真下に向かって送り出されてくる位置であ
り、この位置から溶接が開始され、図中右回りにA→B
→C→D→Aと溶接が進んでいくものとする。
【0053】溶接位置Aから溶接位置Bまでは図16に
示す溶接パターン(I)で溶接し、溶接位置Bから溶接
位置Cまでは図17に示す溶接パターン(II)で溶接
し、溶接位置Cから溶接位置Dまでは図18に示す溶接
パターン(III)で溶接し、溶接位置Dから溶接位置A
までは溶接パターン(I)で溶接する。尚、図16から
図18において、図中X方向は溶接方向(即ち、配管2
11,212の周方向)を示し、Y方向はノズル64の
ウィービング方向(即ち、配管211,212の軸心方
向)を示している。
【0054】図16の溶接パターン(I)について説明
する。溶接パターン(I)における溶接開始点a1でアー
クを開始し、ノズルホルダ50は停止状態で(即ち、駆
動モータ18は停止)、ウィービングだけ行って(即
ち、ウィービングモータを正回転させて)a2点まで、
アークを続行し溶接しながら進む。
【0055】ノズル64がa2点に達したならば、ノズ
ルホルダ50を前進させ(即ち、駆動モータ18を回転
し)ながら、ウィービングを行い(即ち、ウィービング
モータを逆回転させて)、アークを続行し溶接しながら
3点まで進む。
【0056】ノズル64がa3点に達したならば、ノズ
ルホルダ50を停止させ、ウィービングも停止し、アー
クも停止し、溶接が行われない状態にする。この停止時
間は0.3〜0.5秒とする。
【0057】以上の動きが1サイクルであり、このサイ
クルを繰り返し、a3→a4→a5→a6→a7→a8と進
む。
【0058】図17の溶接パターン(II)について説明
する。溶接パターン(II)における溶接開始点b1でア
ークを開始し、ノズルホルダ50は停止し、ウィービン
グだけ行って(即ち、ウィービングモータを正回転させ
て)b2点まで、アークを続行し溶接しながら進む。
【0059】ノズル64がb2点に達したならば、アー
クを停止し、ウィービングを停止してノズルホルダ50
だけをb3点まで前進させる。即ち、ノズル64がb2
からb3点に移動する間は溶接を行われない。
【0060】ノズル64がb3に達したならば、ノズル
ホルダ50を停止し、アークを再開するとともにウィー
ビングを行って(即ち、ウィービングモータを逆回転さ
せて)、b3点からb4点まで溶接する。
【0061】ノズル64がb4点に達したならば、アー
クを停止し、ウィービングを停止してノズルホルダ50
だけをb5点まで前進させる。即ち、ノズル64がb4
からb5点に移動する間は溶接を行われない。
【0062】以上の動きが1サイクルであり、このサイ
クルを繰り返し、b5→b6→b7→b8→b9→b10と進
む。
【0063】図18の溶接パターン(III)について説
明する。この溶接パターン(III)では、その溶接開始
点c1から溶接終了点までアークを連続して行い、完全
な連続溶接が行われる。又、各折り返し点c2、c3、c
4、c5、c6、c7、c8においてノズルホルダ50が停
止しウィービングが停止される以外では、ノズルホルダ
50は連続して前進し、ウィービングは連続して行われ
る。
【0064】これら溶接パターン(I)(II)(III)
は、炭酸ガスシールを最良な状態にし、白ガス管に含ま
れる亜鉛の燃焼に起因するピンホールやブローホール等
の溶接欠陥の発生を防止する。
【0065】
【実施例2】図19から図21は実施例2における溶接
パターンを示すものである。図19は実施例1における
図16の溶接パターン(I)に相当するものであり、図
20は実施例1における図17の溶接パターン(II)に
相当するものであり、図21は実施例1における図18
の溶接パターン(III)に相当するものである。実施例
2の溶接パターンではいずれのパターンもウィービング
の幅を小さくした点が実施例1との溶接条件の相違点で
あり、そのほかの溶接条件は実施例1と同じである。
【0066】
【実施例3】図22から図24は実施例3における溶接
パターンを示すものである。図22は実施例1における
図16の溶接パターン(I)に相当するものであり、図
23は実施例1における図17の溶接パターン(II)に
相当するものであり、図24は実施例1における図18
の溶接パターン(III)に相当するものである。実施例
3の溶接パターンではいずれのパターンもウィービング
の幅を小さくし、溶接速度(即ち、ノズルホルダ50の
前進速度)を遅くした点が実施例1との溶接条件の相違
点であり、そのほかの溶接条件は実施例1と同じであ
る。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
走行部及びノズルホルダが駆動部から別体になってい
て、それぞれ別々に管に装着できるので、溶接装置の装
着を容易に行うことができる。
【0068】走行部は複数の構成片を連結して構成され
ているので、溶接すべき管の外径に応じて構成片の数を
変えることにより、簡単に種々の管径の管溶接に対応す
ることができる。
【0069】駆動部に昇降台を設けた場合には、駆動モ
ータと走行部との間に張ったターンベルトの張力を簡単
に張設することができる。ノズルホルダに位置調節機構
を設けた場合には、ノズルの先端を、管の突き合わせ開
先の上方の正しい位置に簡単に位置させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の管用自動溶接装置の正面図である。
【図2】 本発明の管用自動溶接装置の左側面図であ
る。
【図3】 本発明の管用自動溶接装置を用いた溶接シス
テムの全体構成図である。
【図4】 本発明の管用自動溶接装置における駆動部の
正面図である。
【図5】 本発明の管用自動溶接装置における駆動部の
平面図である。
【図6】 本発明の管用自動溶接装置における駆動部の
左側面図である。
【図7】 本発明の管用自動溶接装置における駆動部の
右側面図である。
【図8】 本発明の管用自動溶接装置における走行部の
展開図である。
【図9】 図8のI−I断面図である。
【図10】 本発明の管用自動溶接装置における走行部
を構成する構成片の正面図である。
【図11】 本発明の管用自動溶接装置におけるノズル
ホルダの正面図である。
【図12】 本発明の管用自動溶接装置におけるノズル
ホルダの左側面図である。
【図13】 本発明の管用自動溶接装置におけるノズル
ホルダの要部断面図である。
【図14】 本発明の管用自動溶接装置におけるノズル
ホルダのノズルの平面図である。
【図15】 溶接すべき配管の周方向における溶接位置
と溶接パターンとの対応図である。
【図16】 実施例1における溶接パターン図である。
【図17】 実施例1における溶接パターン図である。
【図18】 実施例1における溶接パターン図である。
【図19】 実施例2における溶接パターン図である。
【図20】 実施例2における溶接パターン図である。
【図21】 実施例2における溶接パターン図である。
【図22】 実施例3における溶接パターン図である。
【図23】 実施例3における溶接パターン図である。
【図24】 実施例3における溶接パターン図である。
【符号の説明】
1 管用自動溶接装置 10 駆動部 11 ベース 12,13 固定用ベルト 14 締結器 15 昇降台 17 ターンベルト 18 駆動モータ 30 走行部 31 走行板(構成片) 36 ローラ 50 ノズルホルダ 52a ハンドル(位置調節機構) 53 ウィービング装置 111 溶接ワイヤ 140 コントロールユニット 211,212 配管(管)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 正 福岡県直方市大字上屯野2305−11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2本の管同士を突き合わせ溶接する管用
    自動溶接装置において、(イ)ターンベルトを駆動する
    駆動モータを有し、一方の管に取り外し可能に装着され
    る駆動部と、(ロ)前記一方の管の外周面を走行するロ
    ーラーを有する複数の構成片を互いに回動可能に連結
    し、前記管の外側を一周するように環状に組み付けられ
    て管に取り外し可能に装着され、前記駆動部のターンベ
    ルトに駆動されて管の回りを回転走行する走行部と、
    (ハ)前記走行部の一つの構成片に固定され、開先に向
    けて溶接ワイヤを送給するノズルをウィービング装置に
    よって前記管の軸心方向に沿いウィービングせしめるノ
    ズルホルダと、 を備え、前記駆動部の駆動モータの運転と前記ノズルホ
    ルダのウィービング装置の運転がコントロールユニット
    によって自動制御されることを特徴とする管用自動溶接
    装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動部は、前記駆動モータの高さ位
    置を調節する昇降台を備えていることを特徴とする請求
    項1に記載の管用自動溶接装置。
  3. 【請求項3】 前記ノズルホルダは、ウィービング装置
    を前記管の軸心方向に沿って平行移動せしめる位置調節
    機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の管
    用自動溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動部は、前記管に載置される断面
    コ字形のベースと、このベースの両側に取り付けられて
    管に巻き付け可能な固定用ベルトと、両固定用ベルトを
    連結して巻き上げる緊締器とから構成された管への取り
    付け手段を備えていることを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載の管用自動溶接装置。
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