JPH09308898A - 汚染液体の循環浄化装置 - Google Patents

汚染液体の循環浄化装置

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Publication number
JPH09308898A
JPH09308898A JP8126790A JP12679096A JPH09308898A JP H09308898 A JPH09308898 A JP H09308898A JP 8126790 A JP8126790 A JP 8126790A JP 12679096 A JP12679096 A JP 12679096A JP H09308898 A JPH09308898 A JP H09308898A
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JP
Japan
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tank
bath water
purifying
purification
contaminated liquid
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Application number
JP8126790A
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English (en)
Inventor
Akihisa Suzuki
昭央 鈴木
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微生物の繁殖に有害となる成分を含む添加材
が添加されても、長期間安定した浄化力を持続する汚染
液体の循環浄化装置を提供すること。 【解決手段】 経時的に汚染される液体を液体貯留槽に
貯留し、この汚染液体を前記貯留槽の外部で循環ポンプ
により循環させるようにした循環経路に設けられた浴用
水の浄化部を、通常の浄化を行なうための微生物浄化槽
32と第1の物理濾過槽34とにより構成された第1の
浄化流路と、浴用水に添加された添加剤の成分の浄化す
る第2の物理濾過槽36で構成された第2の浄化流路
と、これらを回避して下流側に連通するバイパス流路3
8とで構成し、微生物の繁殖に有害となる成分を含む添
加剤が添加された場合には、第2の物理濾過槽36で構
成された浄化流路に循環する浴用水を通水するように、
流路切り替え弁40により流路を切り換える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この本発明は汚染液体の循環
浄化装置に関し、さらに詳細には、浴槽中の浴用水のよ
うに、使用により経時的に汚染される液体を循環させつ
つ浄化するための家庭用、業務用の循環浄化装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、浴槽に貯留した浴用水は、入浴
にともなって垢や毛髪等の有機物、その他埃、塵や砂等
が不可避的に混入して経時的に汚染され、濁りや臭いそ
の他ヌメリ等を生じて入浴時の快適性が損なわれること
が一般に知られている。この場合に、浴槽の貯留水を使
用の度毎に新たな水に張り替えれば、このような問題は
生じることがなく理想的であるが、水道水の使用コスト
や温湯に沸かす際のコストが嵩むとともに水交換の手間
が掛かり、またいつでも入浴を楽しむことができない等
の諸欠点があった。
【0003】このような問題に対する1つの解決提案と
して、一般の24時間風呂と称される風呂用の循環浄化
装置が知られている。この装置は、特に、家庭内での使
用を企図したもので、砕石、砂利その他粒状セラミック
のような集合性基材に有用微生物を繁殖させたカートリ
ッジを内蔵し、浴用水をこのカートリッジに強制的に循
環させ得るようになっている。また、循環装置と浴槽と
の連通路中に、例えばスポンジを材質とするフィルター
が配設されている。使用の際は、この槽に内蔵した循環
ポンプを駆動して浴槽中の浴用水を吸引し、前記スポン
ジフィルターで浴用水に混入している毛髪や糸屑等の大
きいなゴミを捕集、濾過する。次いで、このようにして
予備濾過された浴用水中の垢や体脂等の有機物を微生物
で分解して、許容値以下まで清浄化するようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、疲れた時は
温泉に浸かってゆっくりしたいと言うのが日本人共通の
思いであろう。日本は世界でも有数の温泉国であり、古
来より人々は天然の温泉を治療に、健康保持増進に、ま
た現代においても心身のリラクシングやリフレッシュに
と利用してきた。すなわち、日本人は入浴を愛好する民
族と言っても過言ではなく、一般家庭においても各種温
浴効果を訴求した入浴剤が広く愛用されている。この入
浴剤には、温浴タイプ、温泉タイプ、香りタイプ等の入
浴の快適性を訴求したものや、スキンケアタイプ、スキ
ンキュアタイプ等の美容と健康を訴求したものなど多種
多様の入浴剤があり、これに対応してその形状や成分も
種々雑多である。
【0005】このような入浴剤を使用した場合、前述し
た従来技術に係わる浄化装置では、濾過材表面に繁殖さ
せた微生物の浴用水中の有機物に対する分解作用に基づ
いた浄化を行なっているために、入浴剤の成分、例えば
イオウ成分が含まれていると、濾過材表面に繁殖させた
浄化に有効な微生物の活力を阻害したり、微生物自体を
死滅させたりして浄化力不足を招き、浴用水の汚れの進
行にともなうヌメリや臭い等の不具合が生じる可能性が
あった。
【0006】さらに、浄化装置内で、微生物が有機物に
対して充分な浄化力を発揮するには、濾過材表面に微生
物が適度に繁殖していることが必要である。そのため、
装置の使用初期においては、浴用水に生息する有用な微
生物が濾過材表面に自然に繁殖して定着するまでの数日
から数週間を待つ必要がある。この間、微生物の繁殖に
害を与え得る成分を含む入浴剤が浴用水に添加される
と、微生物による浴用水の浄化力の発現がさらに遅れた
り、浄化力の発現そのものが脅かされることが心配され
る。
【0007】そこで、本発明は、微生物の繁殖に有害と
なる成分を含む入浴剤が浴用水に添加されても、濾過材
表面における有用な微生物の自然な繁殖と定着を可能に
するとともに、長期間安定した浄化力を持続する循環浄
化装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を好適に達成するためになされた請求項1記載の
発明は、経時的に汚染される液体を、液体貯留槽に貯留
し、この汚染液体を前記貯留槽の外部で循環ポンプによ
り循環させ、浄化及び殺菌を行なう汚染液体の循環浄化
槽において、前記汚染液体を浄化及び殺菌可能な第一の
浄化手段と、この第一の浄化手段を回避して下流に連通
する第二の浄化手段と、これら浄化手段を回避して下流
に連通するバイパス流路と、前記循環ポンプにより循環
する前記汚染液体を前記第一の浄化手段と前記第二の浄
化手段と、これらを回避して連通するバイパス流路とに
選択的に供給可能な流路切り替え弁とを備えて構成した
ことを特徴としている。
【0009】同じく前記課題を克服し、所期の目的を好
適に達成するためになされた請求項2記載の発明は、液
体貯留槽中の汚染液体を循環ポンプで汲み上げて、この
汚染液体の浄化及び殺菌を行なった後、再びこの貯留槽
に戻すようにした汚染液体の循環浄化装置において、前
記第一の浄化手段は、前記汚染液体に含まれる有機物を
吸着し分解する微生物の生息を容易に許す濾過材が充填
された微生物浄化槽と、この汚染液体に含まれる汚染物
質を捕集、濾過する物理濾過槽と、これらを連通する流
路とを備えて構成され、前記第二の浄化手段は、前記汚
染液体に含まれる汚染物質を捕集、濾過する別の物理濾
過槽と、これを連通する流路とを備えて構成したことを
特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明は、前記第二の
浄化手段が、前記汚染液体を電気分解して前記汚染物質
の酸化分解を促進する電解槽と、この汚染液体に含まれ
る汚染物質を捕集、濾過する物理濾過槽と、これらを連
通する流路とを備えて構成したことを特徴としている。
【0011】さらに、請求項4記載の発明は、前記微生
物浄化槽が、前記汚染液体に含まれる有機物の吸着、分
解を行なう微生物の生息を容易に許す合成高分子ゲル
が、この微生物浄化槽に流入する汚染液体により自由に
流動可能に充填されて構成したことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の汚染液体の循環
浄化装置について、好適な実施の形態を挙げて、添付図
面を参照しながら以下説明する。
【0013】図1は、発明の一実施の形態の循環浄化装
置の概略構成を示している。この装置は、浴槽10に貯
留されて経時的に汚染される浴用水を、この浴槽10の
外部でポンプ循環させながら浄化と殺菌を行なうもので
ある。
【0014】すなわち、本実施の形態の循環浄化装置
は、図3と図4に示すように、液体貯留槽としての浴槽
10に着脱自在に配設される給排水ユニット12と、こ
の給排水ユニット12に給水ホース14と排水ホース1
6を介して接続する装置本体18とから基本的に構成さ
れている。この装置本体18は、例えば、浴槽10の縁
部に設置されたり屋外の適当な位置に設置される。ここ
では、図3に示すように、浴室内に設置される場合につ
いて説明を進める。この装置本体18は漏電ブレーカー
20及び給電ケーブル22を介して電力供給がなされる
とともに、アースケーブル24で確実にアースされて漏
電や感電に対する保護が図られている。
【0015】図3および図4に示す給排水ユニット12
は、一例として吸盤26により浴槽10の内壁面に着脱
自在に取り付けられ、浴用水の一般的な貯留水位より下
方に位置している。この給排水ユニット12は、例え
ば、全体として矩形状をなすケース12aからなり、こ
のケース12aの前面部に上下関係で位置する、装置本
体18内で浄化、殺菌された浴用水を浴槽10に戻す吐
出口12bと浴槽10より浴用水を吸い出す吸い込み口
12c、ケース12aの背面に位置して、ケース12a
を浴槽10の側壁に固定するための吸盤26とから構成
されている。
【0016】このケース12a内部では、浴用水を装置
本体18へ供給する給水ホース14が吸い込み口12c
に、また、装置本体18から浄化された浴用水を還流さ
せるための排水ホース16が吐出口12bにそれぞれ接
続されて構成されており、後述の循環浄化装置を稼働さ
せた際に、浴槽10中の浴用水が循環ポンプにより吸い
込み口12cと給水ホース14を介して装置本体18に
流入し、ここで浄化及び殺菌された後に、排水ホース1
6及び吐出口12bを介して再び浴槽10に戻って循環
するようになっている。なお、前記吸い込み口12c
は、給水ホース14を介して装置本体18に連通接続す
るとともに、その開口部に例えばスポンジのようなプレ
フィルター12dが着脱可能に設けられ、浴用水に混入
している大きめのゴミや毛髪その他の異物を補集除去で
きるようになっている。
【0017】装置本体18は、図1に示すように、浴槽
10から浴用水を汲み上げ循環させる循環ポンプ28
と、浴用水に含まれる有機物やその他の汚染物質を吸
着、分解、濾過等により浄化する浄化部と、循環する浴
用水を保温加熱する加熱槽30及びこれら各構成要素を
連通するための流路とで構成されている。
【0018】特に、本実施の形態では、循環する浴用水
を清浄化する浄化部が、浴用水に含まれる有機物を微生
物により吸着、分解して浄化する微生物浄化槽32と、
この浴用水に含まれる有機性または無機性の汚染物質を
捕集、濾過する第1の物理濾過槽34とで構成された第
1の浄化手段としての第1の浄化流路と、この第1の浄
化流路とは別の、循環する浴用水に含まれる有機性また
は無機性の汚染物質を捕集、濾過する第2の物理濾過槽
36とで構成された第2の浄化手段としての第2の浄化
流路と、これら2つの浄化流路を回避して下流に連通す
るバイパス流路38と、さらに第1の浄化流路と第2の
浄化流路及びバイパス流路38とに循環する浴用水を選
択的に供給可能な流路切り替え弁40とにより構成され
ていることが特徴である。なお、これら3つの流路は、
その下流側で合流し、次段に配設された加熱槽30に連
通している。
【0019】なお、浄化、殺菌処理後の浴用水が浴槽1
0に帰還する流路には、この浴用水の流量を検出する流
量センサー42と浴用水を透過させた照射光のスペクト
ル強度の変化から浴用水の色度を検出する色度センサー
44が介挿され、循環する浴用水を加熱保温する加熱槽
30の入口近傍には、浴用水の水温を検出する水温セン
サー46が配設されている。さらに、この加熱槽30の
内部には、槽内の水位を監視する水位センサー54が設
置されいる。これらの各センサーは、電気的構成を示す
図8の制御回路52に接続して、装置本体18の各種制
御に必要な情報信号を出力するようになっている。
【0020】さて、第1の浄化流路において、微生物浄
化槽32は、浴用水に含まれる有機物を微生物の分解作
用により吸着、分解して浄化するもので、本実施の形態
では微生物の担体として合成高分子ゲルが好適に用いら
れる。この合成高分子ゲルとしては、優れた耐水性と弾
性及び柔軟性を有し、しかも高い含水性を有する粒状の
ポリビニールアルコール(以下「PVA」という)ゲル
がある。
【0021】微生物浄化槽32の概略構造を示す断面図
を図5に示す。
【0022】本実施の形態の微生物浄化槽32は、直立
配置される円筒状ケーシング32aと、この円筒状ケー
シング32aの内部に配設され、その中心軸に沿って延
在する管状ガイド管32bと、この円筒状ケーシング3
2aの低部に開設した流入口32c及び流出口32d
と、この円筒状ケーシング32aの内部に充填した適量
のPVAゲル50とから基本的に構成される。前記流入
口32cと流出口32dとには、粒状PVAゲル50の
槽外への流出を阻止するメッシュ状フィルターが配設さ
れている。
【0023】このような構成により、流入口32cを介
して円筒状ケーシング32aに流入した浴用水は、その
中心部に位置する管状ガイド管32bを上昇した後、頂
部で反転し、円筒状ケーシング32aの内側壁部と管状
ガイド管32bの外側壁部により形成される環状領域を
下降して流出口32dより流出することになる。管状ガ
イド管32bの下端部は、流入口32cと直接接続して
おらず、前記環状領域を下降する浴用水とともに流動す
るPVAゲル50を環状ガイド管32bを上昇する浴用
水の勢いにより吸い出せるように開口している。これに
より、浴用水の流れに乗って、微生物浄化槽32内でP
VAゲル50が循環流動するものである。また、微生物
で分解した後に生成される残査物がPVAゲル50の表
面に付着することで目詰まりを起こすというような不都
合が回避される。
【0024】前記PVAゲル50としては、浴用水中の
垢や体脂等の有機物を分解する有用微生物を予め内包す
るように包括固定処理されているものを使用するのが望
ましい。このPVAゲル50は、直径数mm程度の粒状
をなし、微生物浄化槽32を形成する円筒状ケーシング
32aの容量の20から50%程度を占有するように充
填されている。なお、PVAゲル50として、有用微生
物の包括固定処理がなされていないゲルを用いる場合
は、微生物が自然にPVAゲル50に着床して繁殖する
のを待つことになる。
【0025】第1の浄化流路を構成する第1の物理濾過
槽34は、浴用水に含まれる微細な有機性や無機性の汚
染物質を物理的に補集、濾過するためのもので、濾過材
として糸巻フィルター34aが内部に装填されている。
【0026】図6に示すように、この第1の物理濾過槽
34は、円筒状容器34bと、この円筒状容器34bの
内部に着脱自在に同心配置される糸巻フィルター34a
と、円筒状容器34bの低部に開設した流入口34c及
び流出口34dとから基本的に構成される。糸巻フィル
ター34aは、図示したように円筒状コアに線状素材を
渦巻状に所要巻回して構成され、この筒状コアには、多
数の通孔が穿設されている。
【0027】また、線状素材として、例えばポリプロピ
レン製のヤーンが好適に使用され、その巻回密度として
は、例えば10から100μm程度が推奨される。本実
施の形態では、約10から20μmの巻回密度のものを
採用した。特に、本実施の形態の第1の物理濾過槽34
は、その円筒状容器34bの内頂部に造られた糸巻フィ
ルター34aの固定ガイドに、この第1の物理濾過槽3
4に流入した浴用水が糸巻フィルター34aを通過する
ことなく槽外へ流出することを可能とするバイパス孔3
4eが穿設されている。すなわち、第1の物理濾過槽3
4に流入した浴用水は、大部分は糸巻フィルター34a
を通過した後に槽外に流出するが、一部は円筒状容器3
4bの内壁と糸巻フィルター34aの外周面の間に画成
される環状スペースを上昇し、この円筒状容器34bの
内頂部に穿設されたバイパス孔34eを介して槽外に流
出することになる。
【0028】次に、第2の浄化流路においては、本実施
の形態の場合、第2の物理濾過槽36がその主な構成要
素で、上述した第1の浄化流路を回避するように下流側
に連通している。この第2の物理濾過槽36は、第1の
物理濾過槽34と同様に、浴用水に含まれる微細な有機
性や無機性の汚染物質を物理的に補集、濾過するための
ものであるが、特に、入浴剤が添加された浴用水を浄化
するためのもので、濾過材として活性炭36aが内部に
装填されている。
【0029】図7に示すように、この第2の物理濾過槽
36は、主に筒状容器36bと、この筒状容器36bの
内部に設置され、その中心軸に沿って延在するガイド管
36dと、蓋36cとから構成される。
【0030】筒状容器36bの低部には、循環する浴用
水が供給される流入口36eおよび筒状容器36b内に
充填された浄化材により浄化された浴用水が排出される
流出口36fが開設され、このうち流入口36eは、筒
状容器36bの内部に配設されたガイド管36dと連通
している。
【0031】また、筒状容器36bの内側壁部とガイド
管36dとにより形成される領域には、活性炭36aが
充填され、この活性炭36aの槽外への流出を阻止する
ために、筒状容器36bの低部近傍と頂部開口近傍とに
メッシュ寸法に設定したフィルター36gが配設されて
いる。さらに、筒状容器36bの頂部開口近傍の外周部
には、蓋36cが螺合して締め付け固定され、ガイド管
36dとこのガイド管36dおよび筒状容器36bの内
側壁部とにより形成された領域とを連通する流路を形成
している。
【0032】したがって、流入口36eを介して筒状容
器36bに流入した浴用水は、筒状容器36bの中心部
に位置するガイド管36dを流れて図7の矢印で示すよ
うに蓋36cが作る流路部で反転し、環状をなして充填
された活性炭36aの層を通過して流出口36fから流
出するものである。
【0033】本実施の形態の浄化部は、上述したよう
に、粒状PVAゲル50が流動可能に充填された微生物
浄化槽32と糸巻フィルター34aとが装填された第1
の物理濾過槽34とにより構成された第1の浄化流路
と、活性炭36aが環状をなして層状に充填された第2
の物理濾過槽36により構成された第2の浄化流路とが
並列に配設され、さらにこれら2つの浄化流路を回避し
て、それらの下流に連通するバイパス流路38とにより
構成されている。浄化部を構成する各流路の上流側は、
循環する浴用水を選択的に供給可能な流路切り替え弁4
0に連通するとともに、各流路の下流側は、合流して加
熱槽30に連通する。
【0034】なお、加熱槽30は、内部にヒーター30
aを備え、前記循環ポンプ28でこの加熱槽30に供給
される浴用水は、ヒーター30aにより適切温度に昇
温、保温される。加熱槽30内の浴用水の水は、これに
設けた前記水位センサー54により監視され、基準水位
に達していない場合は、図9に示す表示器56にエラー
表示を行なって、ヒーター30aへの給電や前記循環ポ
ンプ28の運転等を停止させる。また、加熱槽30に供
給される浴用水の温度は、加熱槽30の入口近傍に設置
された水温センサー46により監視し、この水温センサ
ー46の検出結果に基づいてヒーター30aへの給電を
ON/OFFして浴用水を入浴に適した温度に維持す
る。さらに、浴用水が循環しているか否かは、本実施の
形態の浄化部の下流の流路に介挿された前記流量センサ
ー42により監視される。
【0035】また、前記3つの流路から構成される浄化
部、加熱槽30及び吐出口12bを連通接続する管路系
中に、図8に示すオゾナイザー48を別途介挿するよう
にしてもよい。このオゾナイザー48を用いることによ
って確実に殺菌を行うことができる。このオゾナイザー
48で生成されたオゾンの供給箇所は、浴用水が循環す
る管路内であればよいが、微生物浄化槽32の内部に生
息している微生物の働きを阻害しない位置に配設するこ
とが望ましい。本実施の形態では、図1に示すように装
置本体内18で浄化された浴用水を浴槽10に排出する
吐出口12b近傍に、オゾナイザー48で生成されたオ
ゾンの浴用水に対する供給箇所を設置してある。
【0036】さらに、色度センサー44が、加熱槽30
の出口側の流路に介挿されており、循環する浴用水の色
度の変化を検出することにより、浴用水に入浴剤が添加
されたか否か、あるいは添加された入浴剤が浄化により
浴用水から予め設定された基準値以下に除去されたか否
かの判定に必要な情報信号を制御回路52に対して出力
するようになっている。
【0037】図8は、本発明の循環浄化装置の電気的構
成部分を制御するブロックを概略的に示している。制御
回路52に前述した流量センサー42、水温センサー4
6、色度センサー44及び水位センサー54が接続され
て、それぞれの検出結果をこの制御回路52に入力して
いる。またメモリ(RAM)58には、循環浄化装置を
自動的に稼働させるに必要な各種の情報や命令データー
が格納され、制御回路52との間で信号交換されるよう
になっている。
【0038】なお、前記循環ポンプ28の運転と停止
は、制御回路52から制御指令を受けたポンプ駆動回路
60により駆動される。同様に、前記表示器56は表示
器駆動回路62により駆動され、循環する浴用水の流れ
る流路を選択する前記流路切り替え弁40は弁駆動回路
64により駆動され、前記オゾナイザー48はオゾナイ
ザー駆動回路68により駆動され、さらに、加熱槽30
に設置されて循環する浴用水を昇温、保温する前記ヒー
ター30aはヒーター駆動回路70により適時の駆動が
なされる。また、これらの電気的構成要素に必要な電力
は、電源回路72により供給される構成となっている。
【0039】次に、前記各構成の作用について説明す
る。
【0040】図1において、浴槽10から給水ホース1
4を介して循環ポンプ28により吸い出された浴用水
は、本実施の形態の浄化部を形成する3つの流路に浴用
水を振り分ける働きをする流路切り替え弁40に対して
供給される。この流路切り替え弁40は、制御回路52
により判定された3つの運転モードに対応して流路を切
り換える。例えば、浴用水に入浴剤が添加されてなけれ
ば、通常の浄化を行なうため、微生物浄化槽32と第1
の物理濾過槽34とにより構成された第1の浄化流路
が、流路切り替え弁40を介して循環ポンプ28と連通
するように流路が切り換えられる。また、入浴剤が添加
されたと判断された場合は、バイパス流路38が流路切
り替え弁40を介して循環ポンプ28と連通するように
流路が切り換えられる。さらに、使用者により入浴終了
キー(図示せず)が押され、入浴が終わったと判断され
た場合は、第2の物理濾過槽36で構成された前記第2
の浄化流路が、流路切り替え弁40を介して循環ポンプ
28と連通することになる。なお、入浴中でも入浴剤が
添加されなければ、通常の浄化を行なう第1の浄化流路
が流路切り替え弁40により選択される。
【0041】さて、循環する浴用水に入浴剤が添加され
てないと判断された場合、循環ポンプ28により汲み上
げられた浴用水は、まず微生物浄化槽32に供給され
る。
【0042】先に述べたように、微生物浄化槽32に
は、バクテリア等の有用微生物を繁殖が容易に可能なP
VAゲル50が、浴用水の流入により自由流動できる程
度に充填されている。従って、上流側に配設された循環
ポンプ28により浴用水が微生物浄化槽32に供給され
ると、図5に示すように、前記PVAゲル50は浴用水
の流勢により翻弄され流動する。汚染された浴用水がP
VAゲル50に接触すると、これに繁殖した微生物は、
浴用水中の垢や体脂等の有機物を分解して汚泥状の汚染
残渣とする。このようにして生成された汚泥状の汚染残
渣は、PVAゲル50に膜状に付着しようとするが、こ
のPVAゲル50は槽内で流動しているので付着がきわ
めて困難となる。仮に、この汚染残渣がPVAゲル50
に付着しても、このゲル50の流動により容易に剥落さ
せられてしまう。
【0043】従って、PVAゲル50は目詰まりを生ず
ることがなく、これらPVAゲル50に対する洗浄処理
や交換等の定期的なメンテナンスは不要となる。また、
PVAゲル50が激しく流動するために、微生物浄化槽
32に供給される浴用水に対する実効的な接触面積を大
きく確保でき、浴槽水に対して十分な浄化力を発揮でき
る等の利点がある。
【0044】さらに、PVAゲル50の成分の一部は浴
用水に溶出する傾向を示すが、この溶出した成分は浴用
水中の有機物の一部に対して凝集剤として働き、この有
機物の一部を凝集させる。そして、部分的に凝集した有
機物は、微生物によっても分解されなかった有機物や、
分解により発生した汚泥状の汚染残渣とともに浴用水に
分散されて混在する。なお、有用微生物の繁殖が不十分
な使用初期のPVAゲル50であっても、先に述べたよ
うにゲル50の成分の一部が溶出し、浴用水中の有機物
に対する凝集効果はあるので、微生物が繁殖するまでの
間でも相当程度の浄化効果が得られる。
【0045】微生物浄化槽32で有機物の浄化がなされ
た浴用水は、第1の物理濾過槽34に流入する。図6に
示すように、第1の物理濾過槽34の流入口34cから
浴用水の多くは、糸巻きフィルター34aの外周からこ
の糸巻きフィルター34aの半径方向内方に通過し、こ
こで浴用水に含まれる微細な汚染物質が物理的に捕集、
濾過される。
【0046】また、第1の物理濾過槽34に流入した浴
用水の一部は、第1の物理濾過槽34の円筒容器34b
内壁面と糸巻きフィルター34aの外周面との間に形成
される環状領域を上昇し、この円筒容器34b内頂部に
作られた糸巻きフィルター34aを固定する固定ガイド
に穿設されたバイパス孔34eを介して槽外に流出する
ことになる。すなわち、微生物浄化槽32で分解されず
残留した有機物や、分解により生成された汚泥状の汚染
残渣その他不溶性の有機物は、糸巻きフィルター34a
に捕集、濾過される結果として、第1の物理濾過槽34
の流出口34dに浄化された浴用水が得られる。
【0047】また、浴用水の一部は、上述したように糸
巻きフィルター34aを経ることなくバイパスし、流出
口34cで浄化された浴用水と合流している。なお、糸
巻きフィルター34aは、その使用に伴い次第に目詰ま
りを生じて通水抵抗が徐々に増大していく。このように
通水抵抗が徐々に増大するに連れて、第1の物理濾過槽
34に流入した浴用水のうちで、この糸巻きフィルター
34aを通過することで濾過がなされる浴用水の量に対
して、この糸巻きフィルター34aをバイパスして流出
口34cに直接向かう浴用水の占める割合が次第に増加
する。このために、糸巻きフィルター34aの目詰まり
による浴用水の循環量の低下が効果的に防止される。
【0048】なお、糸巻きフィルター34aにおける通
水抵抗の増大を、たとえば前述した流量センサー42に
より検出し、その検出値を前記メモリ(RAM)58に
記憶させた許容流量値と比較して、この糸巻きフィルタ
ー34aの交換時期を前記表示器56により使用者へ知
らせるようにしてもよい。
【0049】次に、入浴剤が添加されたと判断された場
合は、バイパス流路38が流路切り替え弁40を介して
循環ポンプ28と連通するように流路が切り換えられ、
循環ポンプ28により汲み上げられた浴用水は、バイパ
ス流路38に供給され、特に浄化されることなく下流側
に配設された加熱槽30に供給されることになる。この
場合、流路抵抗は低くなり、循環ポンプ28による浴用
水の循環流量は増すことになる。
【0050】また、使用者により入浴終了キー(図示せ
ず)が押され、入浴が終わったと判断された場合は、第
2の物理濾過槽36で構成された前記第2の浄化流路
が、流路切り替え弁40を介して循環ポンプ28とが連
通して、循環ポンプ28により汲み上げられた浴用水
は、第2の物理濾過槽36に供給される。ここでは、図
7に示すように、第2の物理濾過槽36の流入口36e
から流入した浴用水は、筒状容器36bの中心部に位置
するガイド管36dを流れて、図中の矢印で示すように
蓋36cが作る流路部で反転し、環状をなして充填され
た活性炭36aの層を通過し、ここで入浴剤が添加され
た浴用水に含まれる微細な汚染物質や入浴剤の構成材料
が活性炭36aの働きにより物理的に吸着、捕集、濾過
される。
【0051】これにより、浴用水に含まれる入浴剤の成
分が除去され清浄化されることになる。この清浄化され
た浴用水は、筒状容器36bの低部に開設された流出口
36fから排出され、下流の加熱槽30に供給される。
【0052】上述したように、第1の浄化流路、第2の
浄化流路あるいはバイパス流路38のいずれかの流路を
通過した浴用水は、水温センサー46を設置した管路を
経て加熱槽30に供給される。水温センサー46は、こ
の管路を通過する浴用水の温度を計測監視し、この水温
センサー46の検出結果が図8に示すメモリ(RAM)
58での設定値よりも低い場合は、制御回路52がヒー
ター駆動回路70を制御してヒーター30aに給電を開
始する。
【0053】逆に、水温センサー46の検出結果がメモ
り(RAM)58での設定値よりも高い場合は、制御回
路52がヒーター駆動回路70を制御してヒーター30
aへの給電を停止する。このようにして、加熱槽30に
おける浴用水は、常に入浴に適した温度に維持される。
なお、制御回路52によるヒーター30aへの給電の停
止制御は、加熱槽30内に設けられた水位センサー54
により槽内の浴用水が基準水位に達していないと判定さ
れた場合や、本実施の形態の浄化部と加熱槽30を連通
する流路に介挿された流量センサー42により浴用水が
循環していないと判定された場合にも行われ、ヒーター
30aによる空焚きを防ぐとともに、常に浴用水の適切
な昇温、保温が行われる。
【0054】この加熱槽30を経由して昇温、保温され
た浴用水は、再び排水ホース16を介して吐出口12b
から浴槽10に還流する。
【0055】本実施の形態の汚染液体の循環浄化装置の
動作を、図9と図10に示すフローチャートを参照しな
がら説明する。
【0056】浄化装置の稼動に先立って、前記メモリ
(RAM)58には、浴用水の温度値の設定、オゾナイ
ザー48での処理の開始と終了の時刻設定が予めなされ
ているものとする。前記メモリ58に入力されるこれら
の設定値は、前記表示器56に表示されて、視覚的に容
易に確認できるようになっている。さらに、装置の運転
初期には、まず循環ポンプ28と第1の浄化流路が流路
切り替え弁40を介して連通されるものとする。また、
浴槽10には、浴用水が所要の湯張り水位まで貯留され
ているものとする。
【0057】図9のステップS1において、循環浄化装
置に備えた運転キー(図示せず)がオン(ON)しているか
否かを確認し、結果が肯定(YES)であれば循環ポン
プ28が駆動され、浴槽10中の浴用水が図1に示す管
路系を循環し始める。判定結果が否定(NO)であれば
循環浄化装置は停止したままで、運転キーがオン(ON)さ
れるのを待つことになる。そして循環ポンプ28を駆動
した状態で次の操作を一時的に待機する。この待機後に
ステップS2に移行する。ステップS2における詳細な
動作は、図10に示す通りである。
【0058】まず、ステップSS1で、加熱槽30の水
位が規定値になっているかを水位センサー54で確認
し、その判定結果が否定(NO)であれば表示器56に
エラー表示を行って循環ポンプ28の駆動を停止する。
また結果が肯定(YES)であればステップSS2に移
行し、管路中を流れる浴用水が規定値に達しているかを
流量センサー42で確認し、判定結果が否定(NO)で
あれば同じく表示器56にエラー表示を行って循環ポン
プ28の駆動を停止する。また、結果が肯定(YES)
であれば、次のステップSS3に移行する。なお、前記
水位センサー54と流量センサー42での確認が肯定
(YES)されると、循環ポンプ28の運転が継続さ
れ、浴槽10からの浴用水は、微生物浄化槽32、物理
濾過槽34及び加熱槽30の順で循環した後、再び、浴
槽10に帰還するという循環を繰り返す。
【0059】ステップSS3では、加熱槽30に流入す
る浴用水の温度がメモり(RAM)58での設定値より
低いか否かを確認し、結果が肯定(YES)であればヒ
ーター30aをオンしてこの加熱槽30で浴用水の水温
を上昇させる。また、ステップSS3での結果が否定
(NO)であれば、前記ヒーター30aをオフ(OFF)し
て次のステップSS4に移行する。このステップSS4
では、オゾナイザー48での処理時刻になっているかを
確認する。その結果が否定(NO)であれば、図8に示
すオゾナイザー駆動回路68を引き続きオフ(OFF)と
し、また結果が肯定(YES)であれば、オゾナイザー
駆動回路68をオン(ON)して管路中の浴用水へオゾンの
注入を行う。
【0060】次いで、ステップSS5で運転キーがオフ
(OFF)されているか否かを確認し、結果が否定(NO)
であれば、図9に示すフローに戻って、図9のステップ
S3に移行する。一方、このステップでの結果が肯定
(YES)であれば、循環ポンプ28等の駆動を停止す
る。
【0061】運転キーがオフ(OFF)されていると判定さ
れた場合のステップS3において、図9に示すように、
加熱槽30から流出して吐出口12bに向かう浴用水の
色度がメモり(RAM)58での設定値より高いか否か
を判定し、その結果が否定(NO)であれば、ステップ
S2に戻って図10で示したような、加熱槽30内の水
位や循環する浴用水の流量や水温、あるいはオゾナイザ
ー48での処理時刻になっているかどうかの確認等の判
定動作を繰り返すとともに、浴用水が微生物浄化槽32
と第1の物理濾過槽34とから構成された第1の浄化流
路を通過する通常の浄化が継続される。
【0062】一方、結果が肯定(YES)であれば、循
環する浴用水に入浴剤が添加されたと判断し、図8に示
す弁駆動回路64を駆動して、循環ポンプ28とバイパ
ス流路38とを連通するように流路切り替え弁40で流
路を切り替えるとともに、ステップS4に移行する。
【0063】このステップS4は、加熱槽30内の水位
を検出するステップSS1、浴用水の循環流量を検出す
るステップSS2、水温を検出するSS3、オゾナイザ
ー48での処理時刻を検出するSS4および運転キーの
入力状態を検出するステップSS5から構成された上述
のステップS2と同じ動作を行う。ここでは、さらに次
のステップS5で、入浴の終了を意味するキー入力があ
るか否かを判定する。その結果が否定(NO)であれ
ば、ステップS4に戻って上述のステップS2と同じ動
作を行うとともに、浴用水はバイパス流路38を通過し
て、浄化されずに浴槽10と装置本体18とを循環す
る。また、結果が肯定(YES)であれば、図8に示す
弁駆動回路64を駆動して、循環ポンプ28と第2の物
理濾過槽36で構成された第2の浄化流路とを連通する
ように流路切り替え弁40で流路を切り替える。これに
より、浴用水は第2の物理濾過槽36を通過して循環す
るようになり、添加された入浴剤の除去が始まる。
【0064】この間、次のステップS6で、上述のステ
ップS2と同じ動作によりいろいろな検出が行われると
ともに、ステップS7で、常に浴用水の色度が予め設定
した基準値より高いか否かを判定する。結果が肯定(Y
ES)であれば、ステップS6に戻って図10で示す動
作を行うとともに、浴用水は第2の物理濾過槽36で構
成された第2の浄化流路を通過して、浄化されながら浴
槽10と装置本体18とを循環する。この間、浴用水
は、添加された入浴剤の成分が次第に除去され清浄化が
進ことになる。
【0065】また、ステップS7の結果が否定(NO)
であれば、図8に示す弁駆動回路64を駆動して、微生
物浄化槽32と第1の物理濾過槽34で構成された第1
の浄化流路と循環ポンプ28とを連通するように流路切
り換え弁40で流路を切り換え、通常の浄化を開始す
る。さらに、先に述べたステップ2に戻って確認動作を
繰り返す。
【0066】次に、本発明の別の構成について説明す
る。
【0067】図2は、発明の別の実施の形態の循環浄化
装置の概略構成を示している。
【0068】この装置も、浴槽10に貯留されて経時的
に汚染される浴用水を、この浴槽10の外部でポンプ循
環させながら浄化と殺菌を行なうもので、液体貯留槽と
しての浴槽10に着脱自在に配設される給排水ユニット
12と、この給排水ユニット12に給水ホース14と排
水ホース16を介して接続する装置本体18とから基本
的に構成されている。この装置本体18は漏電ブレーカ
ー20及び給電ケーブル22を介して電力供給がなされ
るとともに、アースケーブル24で確実にアースされて
漏電や感電に対する保護が図られている等の点は、上述
した実施の形態と同じである。
【0069】ここでは、入浴剤が添加された浴用水を浄
化する場合に連通される第2の浄化流路が、前述の活性
炭36aが環状をなして充填された第2の物理濾過槽3
6に加えて、汚染液体を電気分解可能な一対の電極で構
成された電解槽74により構成されていることに特徴が
ある。
【0070】すなわち、使用者により入浴終了キー(図
示せず)が押され、制御回路52が入浴が終了したと判
断した場合、この電解槽74と第2の物理濾過槽36と
で構成された第2の浄化流路と循環ポンプ28が流路切
り換え弁40を介して連通され、入浴剤の添加された浴
用水が電解槽74による電気分解と第2の物理濾過槽3
6による物理的な浄化により清浄化されることになる。
【0071】この電解槽74は、例えば図11に示すよ
うに、箱型ケーシング74a内部に、所要の間隔を介し
て配設した一対の電極74bとからなり、これに印可さ
れる直流電圧の極性を選択することにより、一方を陽
極、他方を陰極として機能させるようになっている。こ
の陽極の材料としては、アルミニウム、ステンレス、フ
ェライト、白金、白金被覆のチタン等が好適に用いら
れ、陰極の材料としては、アルミニウム、白金、白金被
覆のチタン等が好適に用いられる。これら電極材料のう
ち、ステンレスやアルミニウムは、電気分解により材料
自体が浴用水に溶出する傾向を有する。この場合は、浴
用水に溶出した金属イオンを核として浴用水中の有機性
および無機性の汚染物質が凝集されるので、浴用水に添
加された入浴剤の成分の捕集、濾過を容易にする働きが
期待できる。この別の実施の形態では、陽極及び陰極の
双方に白金被覆のチタンを用いた。なお、電極の数は、
複数対とする必要はなく、奇数本の配列とするようにし
てもよい。
【0072】さて、循環ポンプ28により流路切り換え
弁40を介して循環する浴用水は、電解槽34に流入し
て所要の直流電圧が印可されている電極に接触する。こ
のため、浴用水は電気分解され、陽極の近傍に酸素ガス
を生じるとともに、この周囲に存在する浴用水中の水素
イオン濃度が高くなって酸性となる。また、陰極の近傍
には水素ガスを生じるとともに、この周囲に存在する浴
用水中の水素イオン濃度は低くなってアルカリ性とな
る。
【0073】このように、陽極の近傍に生ずる酸素ガス
及び酸性化した浴用水と、陰極の近傍に生ずる水素ガス
及びアルカリ性化した浴用水は分離状態で存在するもの
ではなく、浴用水中に気水が混在した状態で存在するも
のである。ここで、陽極の近傍では酸素ガスの発生とと
もに、オゾン(O3)や過酸化水素水(H22)の形で
活性酸素が生成される。また、浴用水中に塩素成分が含
まれておれば、酸化作用の非常に強い塩素化合物を生成
する。これらの生成物により、浴用水中の不要な有機物
や添加されている入浴剤の成分の酸化処理が適切に行わ
れる。
【0074】ところで、電解槽74で電気分解を行う
と、前述したアルカリ性水の生成により陰極の近傍のp
H値が上昇し、浴用水にイオンとなって含まれるカルシ
ウムやマグネシウムがこの陰極の表面に析出してくる。
このように、陰極の表面がこれら析出物により層状に被
覆されると、電解作用が次第に低下するという不都合を
来す。そこで、電気分解を開始した後の電解槽74への
通水量を前記流量センサー42を用いて積算計測し、そ
の計測値が前記メモリ58に予め設定しておいた通水量
に達すると、陰極及び陽極にそれまでと逆の極性の直流
電圧を印可し、この陰極を被覆していた析出物を溶解す
ることにより電極表面の清浄化を行ってもよい。なお、
浴用水の通水量に変えて、通水時間の積算を電極におけ
る極性変換の指標として採用してもよい。
【0075】図12は、本発明の循環浄化装置の電気的
構成部分を制御するブロックを概略的に示している。電
気的な構成は、上述した実施の形態の場合とほぼ同じ
で、さらに電解槽74に格納される電極74bと、これ
に対応して設置される電解槽駆動回路76から構成され
ている点が特徴である。また、これらの電気的構成要素
に必要な電力は、電源回路72により供給される構成と
なっている。流量センサー42、水温センサー46、色
度センサー44及び水位センサー54と制御回路52と
の間で信号交換されるとともに、各種の装置駆動上の制
御を行っている点は、上述した実施の形態の場合と同様
である。
【0076】本実施の形態の汚染液体の循環浄化装置の
動作を、図10と図13に示すフローチャートを参照し
ながら簡単に説明する。
【0077】全体的な動作のフローは、上述の実施の形
態の場合とほぼ同じであるが、ステップS5で、入浴の
終了を意味するキー入力があると判定した後の動作が異
なる。すなわち、第2の浄化流路と循環ポンプ28とを
連通するように、流路切り換え弁40で流路を切り換え
た後、ステップS6に移るのではなく、電解槽74にお
ける酸化分解を起こすために電解槽74に対して電力の
供給が行われた後にステップS6への移動が行われる。
【0078】また、電解槽74と第2の物理濾過槽36
で構成された第2の浄化流路に浴用水を通過させること
により、浴用水に添加された入浴剤の成分が予め設定さ
れた基準値以下に下がった場合、すなわち、ステップS
7の判定が否定(NO)であれば、微生物浄化槽32と
第1の物理濾過槽34で構成された第1の浄化流路によ
る通常の浄化を行うように流路切り換え弁40により流
路を切り換えるのではなく、まず電解槽74への電力の
供給を停止した後に流路の切り換えが行われる。
【0079】本発明の構成は、以上に述べた実施形態に
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
種々の変更を加えることができる。
【0080】例えば、図9あるいは図13のステップS
5において、入浴剤が添加された浴用水の浄化を開始す
るために、入浴の終了を意味するキー入力の有無を判定
基準としているが、予め設定された時間後に強制的に浴
用水の浄化に移行するようにしても良い。
【0081】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、請
求項1記載の汚染液体の循環浄化装置によれば、2つの
浄化手段とこれらを回避して下流側に連通するバイパス
流路を備えているので、必要とする浴用水の浄化方法に
適切に対応した浄化手段を選択することができ、浴用水
の使用状況に応じた効率的な浄化が可能である。また、
浄化が不要の場合には、バイパス流路を選択すること
で、循環流量の多い快適な入浴が楽しめる。あるいは、
循環ポンプに対する負荷が軽くなるので、装置の長寿妙
化が計れるという効果を有する。
【0082】また、請求項2記載の汚染液体の循環浄化
装置によれば、第1の浄化手段が微生物浄化槽と第1の
物理濾過槽から構成されており、このうち、微生物浄化
槽では、微生物により汚染液体に含まれる有機物を分解
してこの液体を浄化する。また、第1の物理濾過槽で
は、分解された有機物から生成される汚泥状の汚染残査
や分解しきれなかった有機物等を捕集、濾過する。これ
ら微生物浄化槽と第1の物理濾過槽とが相俟って汚染液
体の殺菌、この液体に含まれる有機物の分解並びに汚染
残査や未分解有機物等の濾過がなされるので、特に、循
環する浴用水に第1の浄化流路を構成する微生物浄化槽
に繁殖する有用な微生物の浄化力の発現や微生物自体に
対して有害な成分が含まれている場合、微生物の生育や
浄化力の持続、発現を可能とする有害成分の許容値以下
にまで清浄化されるまで、微生物が主に繁殖する流路を
通さずに浴用水の浄化が行えるので、有用な微生物の活
動に有害な成分を含む添加剤の浴用水への添加を可能と
するとともに、安定した浄化力を持続することができる
という効果を有する。
【0083】さらに、請求項3記載の汚染液体の循環浄
化装置によれば、第2の浄化手段が第2の物理濾過槽に
加えて、汚染液体を電気分解可能な電解槽により構成さ
れているので、浴用水の浄化に対して有用な微生物の活
動に対して有害な成分が浴用水に添加されている場合、
電解槽への通電により汚染液体が電気電解され、これに
含まれる汚染物質が第2の物理濾過槽における吸着、捕
集、濾過等の浄化作用に有効な形に酸化分解される。こ
れにより、第2の物理濾過槽では浄化しにくかった汚染
成分までも短時間に浴用水から除去することができると
ともに、微生物によるより安定した浄化力を持続するこ
とができるという効果がある。
【0084】また、請求項4記載の汚染液体の循環浄化
装置によれば、微生物浄化槽が、微生物が容易に繁殖す
る合成高分子ゲルが流動可能に充填されて構成されてい
るので、微生物により生成された汚泥状の汚染残査が、
浄化材である合成高分子ゲルに付着しにくく、目詰まり
を生ずることが無い。そのため、浄化材に対する洗浄処
理や交換等の定期的なメンテナンスが不要となる効果を
有する。また、浄化材が流動可能であるので、被処理液
に対する実効的な接触面積を大きく確保でき、浴用水に
対し充分な浄化力を発揮できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基本構成を示す概略図で
ある。
【図2】本発明の別の実施の形態の基本構成を示す概略
図である。
【図3】浴室に本願の汚染液体の循環浄化装置を設置し
た状態を示す概略斜視図である。
【図4】循環浄化装置の一部を構成する給排水ユニット
を浴槽内壁面に取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図5】微生物浄化槽の概略構造を示す縦断面図であ
る。
【図6】第1の物理濾過槽の概略構造を示す縦断面図で
ある。
【図7】第2の物理濾過槽の概略構造を示す縦断面図で
ある。
【図8】循環浄化装置の電気的構成部分を個別に制御し
得る制御ブロックを示す概略図である。
【図9】循環浄化装置の制御の流れを示すフローチャー
ト図である。
【図10】図9及び図13のフローチャート図における
ステップS2、ステップS4及びステップS6の動作の
詳細を示すフローチャート図である。
【図11】別の実施の形態の電解槽の概略構造を示す縦
断面図である。
【図12】別の実施の形態の電気的構成部分を個別に制
御し得る制御ブロックを示す概略図である。
【図13】別の実施の形態の制御の流れを示すフローチ
ャート図である。
【符号の説明】
10 浴槽 18 装置本体 28 循環ポンプ 30 加熱槽 32 微生物浄化槽 34 第1の物理濾過槽 36 第2の物理濾過槽 38 バイパス流路 40 流路切り替え弁 42 流量センサー 44 色度センサー 46 水温センサー 54 水位センサー 74 電解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 35/027 F24H 9/00 W F24H 9/00 B01D 35/02 J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経時的に汚染される液体を、液体貯留槽
    に貯留し、この汚染液体を前記貯留槽の外部で循環ポン
    プにより循環させ、浄化及び殺菌を行なう汚染液体の循
    環浄化槽において、 前記汚染液体を浄化及び殺菌可能な第一の浄化手段と、
    この第一の浄化手段を回避して下流に連通する第二の浄
    化手段と、これら浄化手段を回避して下流に連通するバ
    イパス流路と、前記循環ポンプにより循環する前記汚染
    液体を前記第一の浄化手段と前記第二の浄化手段と、こ
    れらを回避して連通するバイパス流路とに選択的に供給
    可能な流路切り替え弁とを備えたことを特徴とする汚染
    液体の循環浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記第一の浄化手段は、前記汚染液体に
    含まれる有機物を吸着し分解する微生物の生息を容易に
    許す濾過材が充填された微生物浄化槽と、この汚染液体
    に含まれる汚染物質を捕集、濾過する物理濾過槽と、こ
    れらを連通する流路とを備えて構成され、 前記第二の浄化手段は、前記汚染液体に含まれる汚染物
    質を捕集、濾過する別の物理濾過槽と、これを連通する
    流路とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1に
    記載の汚染液体の循環浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記第二の浄化手段は、前記汚染液体を
    電気分解して前記汚染物質の酸化分解を促進する電解槽
    と、この汚染液体に含まれる汚染物質を捕集、濾過する
    物理濾過槽と、これらを連通する流路とを備えて構成さ
    れたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    汚染液体の循環浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記微生物浄化槽は、前記汚染液体に含
    まれる有機物の吸着、分解を行なう微生物の生息を容易
    に許す合成高分子ゲルが、この微生物浄化槽に流入する
    汚染液体により自由に流動可能に充填されて構成されて
    いることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の
    汚染液体の循環浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007203263A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Act Five Kk 異物除去処理装置

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