JPH1190464A - 排水再利用装置 - Google Patents

排水再利用装置

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JPH1190464A
JPH1190464A JP9278216A JP27821697A JPH1190464A JP H1190464 A JPH1190464 A JP H1190464A JP 9278216 A JP9278216 A JP 9278216A JP 27821697 A JP27821697 A JP 27821697A JP H1190464 A JPH1190464 A JP H1190464A
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JP
Japan
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water
wastewater
tank
recycling apparatus
sterilizing
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JP9278216A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Kanekuni
伸彦 兼国
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般家庭で発生する排水を低コストで効率よ
く再生利用するための装置を提供する。 【解決手段】 浴室50等からの排水は排水回収管14
を通じてタンク12の第1槽12bに流入する。ポンプ
28を起動すると、タンク12に貯留された排水が濾過
筒22へ送られ、ここで生物膜濾過法により排水が浄化
及び濾過されて処理水となり、該処理水はタンク12の
第2槽12cに流入する。トイレ53へ洗浄水が供給さ
れると、切替弁V1及びV2が所定方向にセットされ、
ポンプ28が起動される。これにより第2槽12cから
処理水が吸引され、ロータンク54へ供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭で発生す
る雑排水や、雨水等を再生利用するための装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】排水を再生利用するシステムは個別循環
方式と広域循環方式に大別される。個別循環方式は、ビ
ル等の建造物内で発生する排水を該建造物内で浄化処理
し、再利用するというものである。一方、広域循環方式
は、町や都市といった広い区域内で発生する排水を下水
として回収した後、これに浄化処理や殺菌処理を施し、
中水として再び区域内へ供給するというものである。
【0003】従来、家庭排水の再生利用は主として広域
循環方式に頼っていた。もちろん、風呂残り湯を洗濯水
や庭への散水として利用することは従来より行なわれて
いたし、また、風呂残り湯を洗濯機まで移送するための
ポンプや配管等を備えた簡単な装置も実用化されてい
る。しかし、これは風呂残り湯の単なる再利用に過ぎ
ず、「再生利用」とは言い難いものである。また、上記
の風呂残り湯移送装置はポンプの出力が小さいため、浴
室と洗濯機が十分近接していなければこれを用いること
ができないという欠点がある。更に、洗濯に使用された
水はそのまま排水として下水に流されてしまうため、更
にこれを再生系へ循環させて再利用することができな
い。このように、家庭排水を個別循環方式で再生利用す
るための有効なシステムはこれまで実用化されていなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】家庭排水と言ってもそ
の中には、風呂残り湯、台所排水、トイレ排水等、様々
なものが含まれる。風呂残り湯は比較的清浄であるか
ら、高度の浄化処理をしなくても、濾布等を用いた簡単
な濾過程度の処理をすれば、トイレ洗浄水や洗濯水に十
分利用可能である。一方、台所排水やトイレ排水は、ゴ
ミ、汚物等を多く含むため、簡単な処理のみでは再利用
が困難である。ところで、広域循環方式では、これらの
排水が無差別に混合されてしまう。このような方法で
は、風呂残り湯のような雑排水は、高度な浄化処理を必
要としないにも関わらず、台所排水等と混合されること
により汚され、その後に浄化処理を施される、というこ
とになり、無駄が多い。更に、広域循環方式では、不特
定多数の家庭からの排水が混合されてしまうため、再利
用者に心理的な抵抗感を与えるおそれがある。これを防
止するため、広域循環方式では、膜処理、オゾン殺菌等
の高度な浄化処理を排水に施す必要がある。
【0005】そこで、ビル等で用いられている個別循環
方式の排水再利用装置を一般家庭に応用することが考え
られる。しかし、従来よりビル等で利用されている排水
再利用装置は、(1)50m3/日〜10,000m3
日という大量の排水を処理する必要があること、(2)
大規模な建造物においても広域循環方式の場合と同様に
不特定多数の人々が水を利用するため、再利用者に心理
的な抵抗感を与えないようにするために、排水に十分に
高度な浄化処理を施す必要があること、といった事情を
考慮して設計されているため、装置が大規模で製造コス
トが高いだけでなく、メンテナンスにも多大な手間と費
用がかかり、一般家庭における排水の再生利用にこれを
用いることは困難である。
【0006】また、雨水を適宜処理して再利用する方法
は、乾季と雨季の違いによる影響を受けやすい。特に、
水の再生利用から得られる利益がより大きいのは乾季で
あるが、乾季においては当然に雨水の量も減少する。こ
のようなことを考慮すると、雨水を再生利用する装置で
は、雨季に雨水を大量に貯留しておくための大容量の貯
水タンクが不可欠であり、これが製造コストを高めてし
まう。また、大容量の貯水タンクを設置又は埋設するに
は相当広さの敷地が必要となるという問題もある。
【0007】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、一般家
庭で発生する排水を低コストで効率よく再生利用するた
めの装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る排水再利用装置は、汚れの少な
い雑排水を選択的に回収するための雑排水回収手段と、
前記雑排水回収手段により導入された水に所定の浄化処
理を施すための浄化手段と、前記浄化手段により浄化さ
れた水を少なくとも便器洗浄装置へ移送するための移送
手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態及び発明の効果】本発明に係る排水
再利用装置では、浴室、洗濯機、洗面台等から排出され
る比較的汚れの少ない雑排水が、汚れの多い台所排水や
トイレ排水等と混合されることなく回収され、回収され
た雑排水は浄化手段により浄化される。こうして浄化さ
れた水(以下、「処理水」とする)は、中水程度の質の
水を用いても十分に目的が達せられるような作業や処理
(例えば便器洗浄、庭への散水、自動車の洗浄等)の行
なわれる場所へ移送されるが、本発明に係る排水再利用
装置では、その移送先には少なくとも便器洗浄装置が含
まれるようにしている。
【0010】上記のような排水再利用装置の特徴は次の
通りである。まず、先に述べたように、汚れの少ない雑
排水は比較的簡単な浄化処理のみでその質を中水程度に
高めることができる。従って、上記のように雑排水を他
の汚れのひどい排水と混合することなく回収してこれに
浄化処理を施すようにすれば、浄化手段の簡素化及び小
型化が可能となり、装置の製造コストを低くすることが
できる。次に、浄化処理により得られる処理水を少なく
とも便器洗浄装置へ移送するという構成も本発明の特徴
の一つである。すなわち、たとえ雑排水を浄化処理して
再利用可能な水を生成しても、その水が毎日安定的に消
費されなければ、再生された水は結局無駄となってしま
う。そこで、一般家庭において再生された水を利用する
各種形態を比較すると、洗濯や庭への散水は毎日行なわ
れるとは限らないのに対し、便器の使用及び洗浄は確実
に毎日行なわれる。従って、浄化処理により得られる処
理水を少なくとも便器洗浄装置に移送するようにすれ
ば、処理水を安定的に、効率よく消費することができる
のである。
【0011】本発明に係る排水再利用装置において、上
記雑排水回収手段により回収された雑排水を貯留するた
めの貯留手段を備えるようにしてもよい。このようにす
ると、貯留手段に貯留された排水を原水として必要時に
十分な量の処理水を生成し、供給することができるよう
になる。
【0012】上記排水再利用装置において、上記浄化手
段と貯留手段との間で水を循環させるための循環手段を
設け、前記貯留手段に貯留された水を浄化手段で浄化し
て貯留手段に還流させるという工程を連続的又は断続的
に行なうようにしてもよい。このようにすると、貯留手
段には常に再利用可能な処理水が保持され、必要時には
速やかにこれを所定の場所へ供給することができるよう
になる。
【0013】本発明に係る排水再利用装置において、上
記浄化手段は生物膜濾過法により排水の浄化及び濾過を
行なう生物膜濾過部を備えるようにしてもよい。このよ
うにすると、浄化処理と濾過処理を同一の装置で一度に
行なうことができるため、装置の製造コストを低減させ
ることができるだけでなく、その小型化にも寄与するこ
とができる。
【0014】上記排水再利用装置において、上記生物膜
濾過部に溜まった汚泥やゴミ等を除去して外部へ排出す
る濾過部洗浄手段を備えるようにしてもよい。このよう
にすると、濾過部洗浄手段により適宜生物膜濾過部の洗
浄を行なうことにより常に高い浄化及び濾過性能が維持
されるため、生物膜濾過部内の汚泥やゴミ等を排出せず
に内部に溜め込む構成の従来の生物膜濾過装置と同等の
処理能力を、従来よりも小型の装置で実現できる。ま
た、汚泥やゴミ等を所定のタイムスケジュールで自動的
に除去するようにすれば、生物膜濾過部のメンテナンス
の手間を省くことができるようになる。
【0015】上記排水再利用装置においては、上記生物
膜濾過部において曝気を行なう際の曝気率を50%以上
とすると、生物膜濾過部における浄化能力が十分なもの
となる。なお、曝気率を50%程度とすれば、十分な浄
化能力を維持しつつ、曝気のためのコスト(例えば消費
される電気エネルギ等)を削減することができる。
【0016】本発明に係る排水再利用装置において、上
記浄化手段により生成された処理水を殺菌するための殺
菌手段を備えるようにしてもよい。このようにすると、
次のような効果が得られる。
【0017】便器洗浄装置には通常、便器洗浄水を貯留
するための洗浄水タンクが備えられており、本発明に係
る排水再利用装置により浄化された水は移送手段により
上記洗浄水タンクへ移送され、そこに貯留される。とこ
ろで、こうして貯留された水の中に細菌や微生物(以
下、「細菌等」とする)が多く含まれていると、それら
細菌等の生命活動により水中の有機成分が分解され、悪
臭が発生することがある。また、細菌等が生成する粘着
性の物質が洗浄水タンクの内壁に付着してぬめり汚れが
形成され、清掃等の面倒な作業が必要となる。そこで、
殺菌手段により処理水を殺菌した後に移送するようにす
れば、洗浄水タンク中における悪臭や汚れの発生が抑制
されるのである。
【0018】上記排水再利用装置において、上記殺菌手
段は、水を加熱するという方法、水に紫外線を照射する
という方法、殺菌性を有する物質やイオン(例えば、次
亜塩素酸、オゾン、各種金属イオン)を水に混入すると
いう方法等、一般に知られている方法を利用して構成す
ることができるが、本発明では、銅イオンや銀イオン等
の殺菌性金属イオンを水に混入するという方法を利用す
ることが好ましい。その理由は次の通りである。
【0019】先に述べたように、処理水が洗浄水タンク
に貯留されている間にはそのタンク内で細菌等が増殖し
やすい。そこで、タンク内に貯留された水を殺菌するの
であるが、水が貯留されている間ずっと殺菌作用が持続
しなければ、その作用が失われた後に、水中に残った細
菌等や外来菌等が増殖してしまう。この点に着目しつつ
上記各方法を比較すると、まず熱や紫外線による殺菌で
は、殺菌作用を持続させるには熱又は紫外線を常時供給
しなければならず、それだけ多くのエネルギが必要とな
る。次に殺菌性を有する物質又はイオンのうち、次亜塩
素酸やオゾンは、速効性の点では優れているものの、そ
の殺菌作用には十分な持続性がない。これに対し、殺菌
性金属イオンは、速効性の点では劣っているが、殺菌作
用の持続性の点では最も優れている。従って、貯留され
た水を長時間に渡って効果的に殺菌するには殺菌性金属
イオンを用いることが好ましいのである。
【0020】殺菌性金属イオンを混入することにより水
を殺菌する場合、上記殺菌手段は、上記殺菌性金属イオ
ンのイオン源となる金属から成る一対の電極を有する電
解槽により水中に前記殺菌性金属イオンを電解溶出させ
る構成とするとよい。例えば殺菌性金属イオンとして銀
イオンを用いる場合、銀で形成された一対の電極板を対
向して配置することにより両電極板間に流路を形成し、
その流路に水を流しながら両電極板間に電圧を印加する
と、陽極から銀イオンが水中へ溶出する。このようにす
ると、たとえば硝酸銀水溶液を別途用意して適宜水に注
入するという方法に比べて、(1)銀イオンを混入させ
るタイミングを容易に制御できる、(2)溶出した銀イ
オンの濃度が安定する、(3)硝酸銀水溶液は保管のた
めに多くのスペースを必要とし、またその扱いには安全
上十分な注意を払う必要があるが、銀で電極板を作成す
れば、保管のためのスペースが不要となり、銀又は銀イ
オンの補充等のメンテナンス作業も大幅に簡素化され
る、といった効果が得られる。
【0021】なお、金属イオンの電解溶出により殺菌水
を生成するような電解槽の好ましい態様については、後
述する実施例の中で図面を参照しながら説明する。
【0022】
【実施例】図1は本発明の一実施例である排水再利用装
置10の概略的構成を示す図である。本実施例の排水再
利用装置10は、浴室50、洗濯機51及び洗面台52
からの排水を回収し、濾過筒22にて浄化処理をし、電
解槽44にて殺菌処理をした後、トイレ53の洗浄水と
して再利用するものである。以下、この排水再利用装置
10の構成について説明する。
【0023】排水再利用装置10は、床下又は土中に設
置されたタンク12を備えている。タンク12の内部は
仕切12aにより第1槽12b及び第2槽12cの2槽
に分割されており、浴室50、洗濯機51及び洗面台5
2からの排水は、排水回収管14を通じてタンク12の
第1槽12bに流入する。なお、第1槽12bに貯留さ
れた水を以下では「原水」と呼ぶことにする。
【0024】タンク12の第1槽12bはオーバーフロ
ー管16により排水管18と接続されており、排水管1
8は図示せぬ下水道に通じている。第1槽12b内には
水位センサ17が配設されており、該水位センサ17は
家屋内の適宜箇所に設置された水位表示装置19に接続
されている。また、第1槽12bの底部付近には原水吸
引管20の一端が配置されており、該原水吸引管20の
他端は濾過筒22の下部に接続されている。一方、第2
槽12c内にも水位センサ24が配設されている。な
お、仕切12aの上端とタンク12の天井との間には隙
間があり、第2槽12cに過剰な量の水が流入した場
合、そこから溢れた水は仕切12aを超えて第1槽12
bへ流入するようになっている。
【0025】原水吸引管20の途上には、タンク12に
近い順に、切替弁V1、ポンプ28、切替弁V2及び切
替弁V3が配設されている。切替弁V1には処理水吸引
管30の一端が接続されており、該処理水吸引管30の
他端はタンク12の第2槽12cの底部付近に配置され
ている。一方、切替弁V3には濾過筒排水管32の一端
が接続されており、該濾過筒排水管32の他端は排水管
18の途上に接続されている。
【0026】濾過筒22は円筒状の密閉槽で、その底部
にはブロワ34に接続された空気噴出部36が備えられ
ている。ブロワ34から空気噴出部36へ送られる空気
の流量は、開閉弁V5の開閉により変化させることがで
きる。空気噴出部36の上には微生物を表面に付着させ
た径数mm程度の多数の濾材38が充填されている。濾
過筒22の上部には処理水還流管40の一端が接続され
ており、該処理水還流管40の他端はタンク12の第2
槽12cの上部に配されている。処理水還流管40の途
上には切替弁V4が配設されており、そこには汚水排出
管42の一端が接続されている。汚水排出管42の他端
は排水管18の途上に接続されている。
【0027】図2は生物膜濾過法を説明するための図で
ある。図1の濾過筒22の下部に充填された濾材38の
表面には微生物が膜状に付着している。この微生物が濾
過筒22内に流入した水の中の汚れ成分を摂取するた
め、濾材38の層を通過した後では水の中の生物化学的
酸素要求量(BOD)が低下する。また、排水は濾材3
8の間の狭い流路を通過するため、比較的大きなゴミは
濾材38の層を通過することができない。このようにし
て原水の浄化及び濾過が行なわれ、処理水が生成され
る。
【0028】再び図1において、電解槽44は、ケーシ
ング内に銀又は銅で作成された一対の電極が対向配置さ
れた電解槽で、その液体流入口は処理水導入管45によ
り切替弁V2と接続されている一方、その液体流出口は
殺菌水供給管46によりトイレ53に備えられたロータ
ンク54と接続されている。電解槽44は、その内部の
電極へ電圧を印加するためのDC(直流)電源48と接
続されている。一方、ロータンク54の内部には水位セ
ンサ55及びボールタップ56が配設されている。ボー
ルタップ56には、図示せぬ上水供給源に接続された給
水管57が接続されており、該給水管57の途上には開
閉弁V6が配設されている。
【0029】図3は電解溶出法により殺菌水を生成する
原理を説明するための模式図である。なお、図に示した
反応以外にも、例えば水の電気分解や、水中に含まれる
各種イオンの反応も生じているが、これについては図示
していない。この図において、一対の電極(陽極及び陰
極)の間隙に通水しつつ、両電極間に電圧を印加する
と、陽極の表面から金属がイオン(図3でMn+)となっ
て水中に溶出する一方、陰極の表面では水素イオン(H
+)が陰極から電子を受け取って水素ガス(H2)とな
る。そこで、強い殺菌性を有するイオンのイオン源とな
るような金属、例えば銀や銅で電極を作成すれば、電解
溶出により殺菌水を生成することができるのである。な
お、少なくとも陽極を上記のような金属で作成すれば電
解溶出により殺菌水を生成することが可能ではあるが、
好ましくは両方の電極を上記のような金属で作成し、適
宜時間間隔毎に極性を逆転させるほうがよい。このよう
にすると、電極の寿命を長くすることができ、メンテナ
ンスの手間を少なくすることができる。
【0030】なお、図示していないが、排水再利用装置
10にはタイマを有する制御部が備えられている。制御
部は、水位センサ17、24及び55の出力信号や、タ
イマによる計時に従って、切替弁V1〜V4、開閉弁V
5及びV6、ポンプ28、ブロワ34及びDC電源48
の動作を適宜制御する。
【0031】上記構成を有する排水再利用装置10の作
用について、図1、図4及び図5を参照しながら説明す
る。
【0032】図4は排水再利用装置10の各部の動作を
示す表であり、図5は切替弁の方向を設定する方法を説
明するための図である。図4において、V1〜V4の各
行の「○」印は、切替弁V1〜V4がぞれぞれ図5の矢
印A1〜A4の方向に設定されることを意味し、「×」
印は矢印B1〜B4の方向に設定されることを意味す
る。V5の行の「○」印は開閉弁V5を開くことを意味
し、「×」印は開閉弁V5を閉じることを意味する。ポ
ンプ、ブロワ及びDC電源の行の「○」印はポンプ2
8、ブロワ34又はDC電源48を起動することを意味
し、「×」印はそれらを停止することを意味する。な
お、ポンプの行において、「○(高速)」はポンプ28
を高速運転することを意味し、「○(低速)」は低速運
転することを意味する。
【0033】図1及び図4を参照しながら、まず通常動
作について説明する。通常動作時における基本動作は、
曝気運転と曝気停止の繰り返しである。曝気運転時に
は、ポンプ28を低速運転することにより、タンク12
の第1槽12bに貯留された原水が原水吸引管20に吸
引され、吸引された原水は原水吸引管20を通って濾過
筒22に流入する。この原水は濾過筒22内を下から上
へ流れるが、この間に、先に図3を参照しながら説明し
たような原理により原水が浄化され、処理水が生成され
る。この処理水は、処理水還流管40を通ってタンク1
2の第2槽12cに還流する。このように水が循環して
いる間、ブロワ34により空気噴出部36から流水中に
空気を送り込み、濾過筒22中の微生物の活動に必要な
酸素を供給する。
【0034】なお、微生物の活動を維持するためには水
の循環及び空気の供給を常時行なうことが最も好ましい
が、この場合、ポンプ28やブロワ34等を運転させる
ための電力等のコストが増大するという問題がある。そ
こで、微生物の活動を適度に維持しつつ、運転コストの
削減も図るためには、曝気運転と曝気停止を適宜タイム
スケジュールに従って繰り返すようにするとよい。図6
は曝気率と処理水のBOD濃度との関係を示すグラフで
ある。ここで、 曝気率=100×曝気運転時間/(曝気運転時間+曝気
停止時間) である。このグラフから分かるように、曝気率を50%
程度にまで下げても処理水のBOD濃度はほとんど変わ
らず、従って微生物の活動が十分に維持されているとい
うことがわかる。この結果から、浄化効果を維持しつつ
曝気運転に必要なコストを削減するには、曝気率を50
%程度にまで下げればよいといえる。
【0035】次に、トイレ給水時の動作について説明す
る。トイレ53が使用され、トイレ洗浄が行なわれる
と、ロータンク54内の水位が低下する。水位センサ5
5の出力信号から、ロータンク54内の水位が所定値を
下回ったことを検出すると、制御部はDC電源48を起
動して電解槽44の電極に電圧を印加する。これと同時
に、制御部は、切替弁V1〜V4及び開閉弁V5を図4
の「トイレ給水」欄に示したように設定し、ポンプ28
を高速運転させる。すると、タンク12の第2槽12c
に貯留された処理水が処理水吸引管30に吸引され、切
替弁V1、ポンプ28及び切替弁V2を経て処理水導入
管45に流入し、電解槽44に至る。電解槽44におい
ては、先に図3を参照しながら説明したように殺菌水
(殺菌性金属イオンを含む水)が生成され、その殺菌水
は殺菌水供給管46を通ってロータンク54に流入す
る。その後、制御部は、ロータンク54に所定水位まで
水が貯留されたことを検知すると、DC電源48及びポ
ンプ28を停止する。
【0036】開閉弁V6の動作について説明する。開閉
弁V6は通常は閉成されているのであるが、ロータンク
54への給水開始時においてタンク12の第2槽12c
内の水位が所定値よりも低い場合、あるいはロータンク
54へ第2槽12cから処理水を供給している間に第2
槽12c内の水位が所定値を下回った場合には、制御部
は開閉弁V6を開き、給水管57から上水をロータンク
54内に流入させる。その後、ロータンク54に所定水
位まで水が貯留されると、ボールタップ56が自動的に
閉じ、これにより上水の供給が止まる。なお、開閉弁V
6は、上記のような場合の他、停電時においても開く構
成の弁とすることが好ましい。このようにすると、停電
により排水再利用装置が作動しなくなっても、上水を用
いた通常の便器洗浄動作が適切に行なわれるようにな
る。
【0037】次に、逆洗動作について説明する。逆洗動
作は、図4に示したような「運転停止」「濾過筒排水」
「2相流洗浄」「曝気洗浄」「曝気停止」「排水」の6
つのステップで実行される。
【0038】まず、「運転停止」ステップで、ポンプ2
8及びブロワ34の状態を確認し、もしそれらが運転中
であればこれを停止する。
【0039】次の「濾過筒排水」ステップでは、濾過筒
22内に残った水を、筒の下部から原水吸引管20、切
替弁V3及び濾過筒排水管32を経て排水管18へ完全
に排出する。
【0040】次の「2相流洗浄」ステップでは、ポンプ
28を高速運転するとともに、ブロワ34を運転するこ
とにより、水及び空気を濾過筒22の下から上へ向けて
勢い良く流し、濾材38を激しく運動させ、その表面に
付着した汚れ、ゴミ、余分な微生物膜等を剥離させる。
このとき、開閉弁V5は開かれた状態であるため、ブロ
ワ34を運転すると濾過筒22内へ大量の空気が送り込
まれ、汚れ等の剥離が促進される。なお、このとき、切
替弁V4は図5の矢印B4の方向に設定されているた
め、濾過筒22を通過した水は汚水排出管42を通って
排水管18へ流れてゆく。
【0041】次の「曝気洗浄」ステップでは、ポンプ2
8を停止し、濾過筒22内を水で満たした状態で、ブロ
ワ34のみ運転して気泡を噴出させることにより、更に
汚れ等の剥離を促進する。
【0042】次の「曝気停止」ステップでは、ポンプ2
8及びブロワ34を一時的に停止し、曝気により濾過筒
22内に拡散された濾材38を底部へ沈降させる。これ
により、剥離した汚れ等が濾過筒22内の水の上澄みに
取り残されて浮遊する状態となる。
【0043】最後の「排水」ステップでは、ポンプ28
を高速運転するとともに、ブロワ34を運転する。ただ
し、開閉弁V5はここでは閉めておく。これにより、汚
れ等を懸濁物として含んだ上澄み水が汚水排出管42を
通って排水管18へ流される。
【0044】図7は排水再利用装置10の時間的な動作
パターンの一例を示す図である。この図において、ま
ず、最上段のダイヤグラムは通常動作を示すものであ
る。通常動作時には曝気運転(ON)と曝気停止(OF
F)とを30分毎に交互に行なう、という動作が基本と
なっている。このときの曝気率は50%であり、これは
先に説明した好ましい値である。
【0045】2段目のダイヤグラムは逆洗動作を示すも
のである。逆洗は48時間に1度、先に図4を参照しな
がら説明したような手順で実行するようにしている。1
回の逆洗動作にかける時間は30分間程度とし、その中
の各工程にかける時間は、例えば図4の「動作時間」の
行に記載したように設定する。逆洗動作にある間、通常
動作は一時的に停止されており、逆洗が完了すると、通
常動作が再開される。
【0046】最下段のダイヤグラムはトイレの使用状況
を示すものであり、図で示された時間範囲においては、
第1日の0時40分頃、第2日の20時20分頃及び2
1時40分頃の3回、トイレが使用されている。このよ
うにトイレが使用されると、上記のような基本動作や逆
洗動作よりも、トイレへの給水動作が優先して実行され
る。例えば、第1日の0時40分におけるトイレの使用
に着目すると、このとき一番上のダイヤグラムを見る
と、基本動作では曝気停止(OFF)状態にあるにも関
わらず、トイレの使用とともに一時的に曝気運転(O
N)が行なわれていることがわかる。なお、逆洗動作中
にトイレが使用されたときには、逆洗プログラムが一時
中断され、ロータンクへの給水が行なわれる。その後、
ロータンク内に所定水位まで水が貯留されたら、先に中
断したところから逆洗動作が再開される。
【0047】次に電解槽44の好ましい態様について説
明する。
【0048】図8は一対の銅製の電極板を対向配置した
電解槽における電極板間の距離(極間距離)と電流効率
との関係を示す図である。ここで、電流効率とは、電極
板に供給された電流のうち、銅イオンの溶出のために消
費された電流の割合を示す値である。電極間に流す電流
の値が15A/m2の場合と50A/m2の場合の2通り
を示している。図8から分かるように、極間距離が0m
m〜1mmの範囲では極間距離が大きくなるほど電流効
率が高くなる一方、極間距離が1mm以上の範囲では、
電流効率は極間距離に関わらずほぼ一定である。このこ
とから、少なくとも極間距離を1mm以上に設定してお
けば最大の電流効率が保証される、ということが言え
る。
【0049】図9は一対の銅製の電極板を対向配置した
電解槽における電流密度と電流効率との関係を示す図で
ある。この図を見ると、プロットされた点は中央付近に
高みを有する山を形成しており、電流密度50〜200
A/m2の範囲で良好な電流効率が得られることが分か
る。次に、銀製の電極板を用いたときの電流密度と電流
効率との関係を図10に示す。この場合、電流密度40
〜100A/m2の範囲で良好な電流効率が得られる。
【0050】次に、殺菌率が金属イオンの濃度及び作用
時間に応じてどのように変化するかについて説明する。
既に述べたように、金属イオンの殺菌作用は長時間持続
するから、たとえその濃度が低くても、作用時間を長く
すれば、殺菌率を高めることができると考えられる。こ
のような考察に基づき、2つの異なる濃度(2ppmと
5ppm)の銅イオン含有水を用意し、それぞれを一般
細菌に接触させ、細菌数の時間変化を調べる、という実
験を行なった。図11はその結果を示すグラフである。
縦軸には生存率(=1−殺菌率)、横軸には銅イオン濃
度と作用時間の積(mg・sec/L)であり、いずれ
も対数で表示している。図11を見ると、たとえ銅イオ
ン濃度が異なっていても、銅イオン濃度と作用時間の積
が同じであれば、同程度にまで細菌数を減少させること
ができることがわかる。なお、図12は、2つの異なる
濃度(0.05ppmと0.1ppm)の銀イオン含有
水を用いて上記と同様の実験を行なった結果を示すもの
である。
【0051】図13は本発明の別の実施例である排水再
利用装置60の概略的構成を示す図である。以下、この
排水再利用装置60の構成について説明するが、その構
成要素のうち、先に説明した排水再利用装置10に用い
られていたものと構成的に同一とみなしうるものについ
ては、同一の符号を用いるものとし、その説明を適宜省
略する。
【0052】排水再利用装置60において、原水吸引管
61の一端はタンク12の第1槽12bの底部付近に配
置されている一方、その他端は濾過筒22の側部に接続
されている。原水吸引管61の途上には、原水吸引ポン
プ62が配設されている。濾過筒22の底部には処理水
還流管63の一端が接続されており、該処理水還流管6
3の他端はタンク12の第2槽12cの上部に配置され
ている。処理水還流管63の途上には、濾過筒22に近
い順に、切替弁V7及びV8が配設されている。切替弁
V7には濾過筒排水管64の一端が接続されており、該
濾過筒排水管64の他端は、濾過筒22の上部に一端の
接続された汚水排出管65の途上に接続されている。ま
た、タンク12の第1槽12bに接続されたオーバーフ
ロー管70も、汚水排出管65の途上に接続されてい
る。このような汚水排出管65の上記とは別の一端は排
水管18に接続されている。なお、汚水排出管65と濾
過筒22との接続位置(点P1)は、処理水還流管63
のうち最も高い部分(図13の例では処理水還流管63
の水平部分63a)よりも高い位置にある。
【0053】第2槽12cの底部付近には処理水吸引管
66の一端が配置されており、該処理水吸引管66の他
端は処理水吸引ポンプ67に接続されている。処理水吸
引ポンプ67には、上記処理水吸引管66の他、2本の
処理水供給管68及び69が接続されている。第一の処
理水供給管68は電解槽44の液体流入口に接続されて
いる一方、第二の処理水供給管69は、処理水還流管6
3の途上に配設された切替弁V8に接続されている。な
お、第一の処理水供給管68の途上には開閉弁V9が配
設されている。
【0054】上記構成を有する排水再利用装置60の作
用について、図13、図14及び図15を参照しながら
説明する。
【0055】図14は排水再利用装置60の各部の動作
を示す表であり、図15は切替弁の方向を設定する方法
を説明するための図である。図14において、V7及び
V8の各行の「○」印は、切替弁V7及びV8がぞれぞ
れ図15の矢印A7及びA8の方向に設定されることを
意味し、「×」印は矢印B7及びB8の方向に設定され
ることを意味する。V9の行の「○」印は開閉弁V9を
開くことを意味し、「×」印は開閉弁V9を閉じること
を意味する。ポンプ62、ポンプ67、ブロワ及びDC
電源の行の「○」印は、それぞれ原水吸引ポンプ62、
処理水吸引ポンプ67、ブロワ34又はDC電源48を
起動することを意味し、「×」印はそれらを停止するこ
とを意味する。なお、ポンプ62及びブロワの行におい
て、「○or×」と記したのは、ポンプ62及びブロワ3
4を起動する場合と、停止する場合の両方が有り得るこ
とを示すものであるが、どのような場合に起動し、どの
ような場合に停止するかについては、後述する。
【0056】排水再利用装置60の通常動作時における
基本動作も、曝気運転と曝気停止の繰り返しである。曝
気運転時には、ポンプ28を低速運転することにより、
タンク12の第1槽12bに貯留された原水が原水吸引
管61に吸引され、吸引された原水は原水吸引管61を
通って濾過筒22に流入する。この原水は、その水位が
処理水還流管63の水平部分63aと同じ高さに達する
だけの量だけ濾過筒22内に貯留され、ここで浄化処理
される。上記量を超過する量の原水が流入すると、その
超過分に相当する量の処理水が濾過筒22の底部から押
し出され、処理水還流管63を通じてタンク12の第2
槽12cに還流する。このように水が循環している間、
ブロワ34により空気噴出部36から流水中に空気を送
り込み、濾過筒22中の微生物の活動に必要な酸素を供
給する。
【0057】次に、トイレ給水時の動作について説明す
る。トイレ53が使用され、トイレ洗浄が行なわれる
と、ロータンク54内の水位が低下する。制御部は水位
センサ55の出力信号をモニタしており、ロータンク5
4内の水位が所定値を下回ったことを検出すると、DC
電源48を起動して電解槽44の電極に電圧を印加す
る。これと同時に、制御部は、切替弁V7、V8及び開
閉弁V9を図14の「トイレ給水」欄に示したように設
定し、処理水吸引ポンプ67を起動する。すると、タン
ク12の第2槽12cに貯留された処理水が処理水吸引
管66に吸引され、処理水吸引ポンプ67を経て処理水
供給管68に流入し、電解槽44に至る。電解槽44に
おいては、先に図3を参照しながら説明したように殺菌
水(殺菌性金属イオンを含む水)が生成され、その殺菌
水は殺菌水供給管46を通ってロータンク54に流入す
る。その後、制御部は、ロータンク54に所定水位まで
水が貯留されたことを検知すると、DC電源48及び処
理水吸引ポンプ67を停止する。
【0058】排水再利用装置60においても、ロータン
ク54への給水開始時においてタンク12の第2槽12
c内の水位が所定値よりも低い場合、あるいはロータン
ク54へ第2槽12cから処理水を供給している間に第
2槽12c内の水位が所定値を下回った場合には、制御
部は開閉弁V6を開き、ロータンク54に上水が供給さ
れるようにする。
【0059】排水再利用装置60では、原水吸引ポンプ
62と処理水吸引ポンプ67を独立して設けたことによ
り、原水を浄化処理して処理水を生成、貯留するための
配管系と、処理水をロータンク54へ供給するための配
管系が独立して設けられた構成となっている。このよう
にすると、曝気運転と曝気停止の規則的な繰り返しを妨
げることなく、適時にロータンク54に処理水(殺菌
水)を供給することができる。図14の「トイレ給水」
欄において、「ポンプ62」及び「ブロワ」の行に「○
or×」と記したのは、上記のように、原水吸引ポンプ6
2及びブロワ34の動作が、トイレ給水時か否かに関わ
らず、通常の曝気運転/曝気停止の繰り返しに従うもの
であることを意味するのである。なお、図16は排水再
利用装置60の時間的な動作パターンの一例を示す図で
ある。この図を見ると、トイレが使用されたとき(例え
ば第1日の0時40分頃、第2日目の20時20分頃)
でも、曝気運転や曝気停止は途中で中断されることなく
継続されていることがわかる。
【0060】次に、逆洗動作について説明する。排水再
利用装置60における逆洗動作も、「運転停止」「濾過
筒排水」「2相流洗浄」「曝気洗浄」「曝気停止」「排
水」の6つのステップで実行される。
【0061】まず、「運転停止」ステップで、原水吸引
ポンプ62、処理水吸引ポンプ67及びブロワ34の状
態を確認し、もしそれらが運転中であればこれを停止す
る。
【0062】次の「濾過筒排水」ステップでは、濾過筒
22内に残った水を、筒の下部から処理水還流管63、
切替弁V7、濾過筒排水管64及び汚水排出管65を経
て排水管18へ完全に排出する。
【0063】次の「2相流洗浄」ステップでは、処理水
吸引ポンプ67を起動するとともに、ブロワ34を運転
することにより、処理水及び空気を濾過筒22の下から
上へ向けて勢い良く流し、濾材38を激しく運動させ、
その表面に付着した汚れ、ゴミ、余分な微生物膜等を剥
離させる。その後、上記のように剥離した汚れ等を含ん
だ処理水が濾過筒22内を満たし、更に汚水排出管65
を通って排水管18へ流れてゆく。
【0064】次の「曝気洗浄」ステップでは、処理水吸
引ポンプ67を停止し、濾過筒22内を水で満たした状
態で、ブロワ34のみ運転して気泡を噴出させることに
より、更に汚れ等の剥離を促進する。
【0065】次の「曝気停止」ステップでは、処理水吸
引ポンプ67及びブロワ34を一時的に停止し、曝気に
より濾過筒22内に拡散された濾材38を底部へ沈降さ
せる。これにより、剥離した汚れ等が濾過筒22内の水
の上澄みに取り残されて浮遊する状態となる。
【0066】最後の「排水」ステップでは、処理水吸引
ポンプ67を起動するとともに、ブロワ34を運転す
る。これにより、汚れ等を懸濁物として含んだ上澄み水
が汚水排出管65を通って排水管18へ流される。
【0067】以上、本発明に係る排水再利用装置の実施
例について説明したが、実施例は上記に限られないこと
はもちろんである。例えば、浴室、洗濯機、洗面台から
の排水の再生利用だけでなく、雨水もタンクに回収され
るようにすれば、より高い節水効果が得られるようにな
る。また、本発明に係る排水再利用装置により得られる
処理水の用途も、便器洗浄に限られることはなく、例え
ば庭への散水や自動車の洗浄等、特に上水を用いなくて
も中水程度の質の水で十分に目的が達せられるという作
業や処理に用いる水には、本発明に係る排水再利用装置
で再生された水を利用することができる。その他、本発
明はその精神及び範囲内で様々に変形可能なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る排水再利用装置の一実施例の概
略的構成を示す図。
【図2】 生物膜濾過法を説明するための図。
【図3】 電解溶出法により殺菌水を生成する原理を説
明するための模式図。
【図4】 図1の排水再利用装置の各部の動作を示す
表。
【図5】 図1の切替弁の方向を設定する方法を説明す
るための図。
【図6】 曝気率と処理水のBOD濃度との関係を示す
グラフ。
【図7】 図1の排水再利用装置の動作パターンの一例
を示す図。
【図8】 一対の銅製の電極板を対向配置した電解槽に
おける電極板間の距離(極間距離)と電流効率との関係
を示すグラフ。
【図9】 一対の銅製の電極板を対向配置した電解槽に
おける電流密度と電流効率との関係を示すグラフ。
【図10】 一対の銀製の電極板を対向配置した電解槽
における電流密度と電流効率との関係を示すグラフ。
【図11】 細菌の生存率と、銅イオン濃度と作用時間
の積との関係を示すグラフ。
【図12】 細菌の生存率と、銀イオン濃度と作用時間
の積との関係を示すグラフ。
【図13】 本発明に係る排水再利用装置の別の実施例
の概略的構成を示す図。
【図14】 図13の排水再利用装置の各部の動作を示
す表。
【図15】 図13の切替弁の方向を設定する方法を説
明するための図。
【図16】 図13の排水再利用装置の動作パターンの
一例を示す図。
【符号の説明】
10、60…排水再利用装置 12…タンク 12b…第1槽 12c…第2槽 14…排水回収管 17、24、55…水位センサ 18…排水管 20、61…原水吸引管 22…濾過筒 28…ポンプ 30、66…処理水吸引管 32、64…濾過筒排水管 34…ブロワ 36…空気噴出部 38…濾材 40、63…処理水還流管 42、65…汚水排出管 44…電解槽 45…処理水導入管 46…殺菌水供給管 53…トイレ 54…ロータンク 57…給水管 62…原水吸引ポンプ 67…処理水吸引ポンプ 68、69…処理水供給管 V1〜V4、V7、V8…切替弁 V5、V6、V9…開閉弁

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚れの少ない雑排水を選択的に回収する
    ための雑排水回収手段と、前記雑排水回収手段により回
    収された水に所定の浄化処理を施すための浄化手段と、
    前記浄化手段により浄化された水を少なくとも便器洗浄
    装置へ移送するための移送手段と、を備えることを特徴
    とする排水再利用装置。
  2. 【請求項2】 上記雑排水回収手段により回収された雑
    排水を貯留するための貯留手段を備えることを特徴とす
    る請求項1に記載の排水再利用装置。
  3. 【請求項3】 上記浄化手段と貯留手段との間で水を循
    環させるための循環手段を設け、前記貯留手段に貯留さ
    れた水を浄化手段で浄化して貯留手段に還流させるとい
    う工程を連続的又は断続的に行なうことを特徴とする請
    求項2に記載の排水再利用装置。
  4. 【請求項4】 上記浄化手段は生物膜濾過法により排水
    の浄化及び濾過を行なう生物膜濾過部を備えることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排水再利用装
    置。
  5. 【請求項5】 上記生物膜濾過部に溜まった汚泥やゴミ
    等を除去して外部へ排出する濾過部洗浄手段を備えるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の排水再利用装置。
  6. 【請求項6】 上記生物膜濾過部において曝気を行なう
    際の曝気率が50%以上であることを特徴とする請求項
    4又は5に記載の排水再利用装置。
  7. 【請求項7】 上記浄化手段により生成された処理水を
    殺菌するための殺菌手段を備えることを特徴とする請求
    項1〜6のいずれかに記載の排水再利用装置。
  8. 【請求項8】 上記殺菌手段は、殺菌性金属イオンのイ
    オン源となる金属から成る一対の電極を有する電解槽に
    より水中に前記殺菌性金属イオンを電解溶出させること
    を特徴とする請求項7に記載の排水再利用装置。
  9. 【請求項9】 上記一対の電極間の距離は1mm以上で
    あることを特徴とする請求項9に記載の排水再利用装
    置。
  10. 【請求項10】 上記一対の電極は銅から成り、該電極
    に供給される電流の密度の値は50〜200A/m2
    範囲内にあることを特徴とする請求項9に記載の排水再
    利用装置。
  11. 【請求項11】 上記一対の電極は銀から成り、該電極
    に供給される電流の密度の値は40〜100A/m2
    範囲内にあることを特徴とする請求項9に記載の排水再
    利用装置。
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