JPH09297088A - 試験水槽 - Google Patents
試験水槽Info
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- JPH09297088A JPH09297088A JP13287296A JP13287296A JPH09297088A JP H09297088 A JPH09297088 A JP H09297088A JP 13287296 A JP13287296 A JP 13287296A JP 13287296 A JP13287296 A JP 13287296A JP H09297088 A JPH09297088 A JP H09297088A
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- JP
- Japan
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- wave
- water tank
- flap
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- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
- Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 フラップ式造波装置をそなえた試験水槽にお
いて、浅海域試験を可能にする。 【解決手段】 水槽20の底部21にヒンジ3を介して揺動
可能に支持された複数の造波フラップ2と、その駆動機
構としてのACモータ6,ボールネジ5,ロッド4とを
有する試験水槽において、造波フラップ2の前面に仮底
1を取り付けることにより、浅海域試験を可能にした。
いて、浅海域試験を可能にする。 【解決手段】 水槽20の底部21にヒンジ3を介して揺動
可能に支持された複数の造波フラップ2と、その駆動機
構としてのACモータ6,ボールネジ5,ロッド4とを
有する試験水槽において、造波フラップ2の前面に仮底
1を取り付けることにより、浅海域試験を可能にした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、造波および潮流試
験などの水槽試験に好適な試験水槽に関する。
験などの水槽試験に好適な試験水槽に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の造波試験水槽としては、(A) 図
5に示すようなフラップ式造波装置をそなえた試験水槽
があり、水面Wを貫通する複数の造波フラップ2が下端
を水槽20の底部21にヒンジ部3により枢着されるように
して横方向に並設されており、ACモータ6の正逆転に
伴いボールネジ5およびロッド4を介して各造波フラッ
プ2を所定方向に往復動させることにより、水面Wに波
を起こすようになっている。図5中の符号4aはボール
ネジ5に螺合して往復動する移動素子を、また符号22は
ACモータ6,ボールネジ5等の駆動手段を支える架台
を示している。
5に示すようなフラップ式造波装置をそなえた試験水槽
があり、水面Wを貫通する複数の造波フラップ2が下端
を水槽20の底部21にヒンジ部3により枢着されるように
して横方向に並設されており、ACモータ6の正逆転に
伴いボールネジ5およびロッド4を介して各造波フラッ
プ2を所定方向に往復動させることにより、水面Wに波
を起こすようになっている。図5中の符号4aはボール
ネジ5に螺合して往復動する移動素子を、また符号22は
ACモータ6,ボールネジ5等の駆動手段を支える架台
を示している。
【0003】このフラップ式造波装置はフラップ2の上
端部が往復動するものであるため、深海域水槽において
使用されている。なお、ボールネジ5は、雄ネジのねじ
溝と移動素子4aのねじ溝とを対向に配置してできる空
間に鋼球を入れた構成となっていて、鋼球の転動により
摩擦抵抗の低減をはかることができるようになってい
る。
端部が往復動するものであるため、深海域水槽において
使用されている。なお、ボールネジ5は、雄ネジのねじ
溝と移動素子4aのねじ溝とを対向に配置してできる空
間に鋼球を入れた構成となっていて、鋼球の転動により
摩擦抵抗の低減をはかることができるようになってい
る。
【0004】このほか、(B) 図6に示すようなピスト
ン式造波装置による吸収造波機能をそなえた試験水槽も
提案されている。このピストン式造波試験水槽では、フ
ラップ2がピストン8の先端に接続されており、ピスト
ン8の前後動に伴ってフラップ2が水平方向に移動し波
を発生させるものである。符号7はフラップ2の前面に
取り付けられた波高計7を示しており、この波高計7で
検出された波高値に基づく演算により吸収造波が行なえ
るようになっている。
ン式造波装置による吸収造波機能をそなえた試験水槽も
提案されている。このピストン式造波試験水槽では、フ
ラップ2がピストン8の先端に接続されており、ピスト
ン8の前後動に伴ってフラップ2が水平方向に移動し波
を発生させるものである。符号7はフラップ2の前面に
取り付けられた波高計7を示しており、この波高計7で
検出された波高値に基づく演算により吸収造波が行なえ
るようになっている。
【0005】また、(C) 海洋構造物つまり試験される
筐体を水中で移動させることで潮流を発生させたり、プ
ロペラを水槽の底に装備してプロペラから発生した水流
そのものを潮流としたりするような潮流試験用水槽も知
られている。
筐体を水中で移動させることで潮流を発生させたり、プ
ロペラを水槽の底に装備してプロペラから発生した水流
そのものを潮流としたりするような潮流試験用水槽も知
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図5に示し
た(A)のフラップ式造波装置は、造波フラップ2の上端
部を往復動させる構成であるため、深海域水槽において
使用されてきた。したがって、浅海域水槽ではフラップ
式造波装置を使用することができず、メンテナンス,コ
スト,騒音などフラップ式に比べ課題の多いピストン式
その他の造波装置を使用しなければならないという問題
点がある。
た(A)のフラップ式造波装置は、造波フラップ2の上端
部を往復動させる構成であるため、深海域水槽において
使用されてきた。したがって、浅海域水槽ではフラップ
式造波装置を使用することができず、メンテナンス,コ
スト,騒音などフラップ式に比べ課題の多いピストン式
その他の造波装置を使用しなければならないという問題
点がある。
【0007】さらに、この造波装置は、複雑な造波を行
なうため各フラップ2がそれぞれ独立して動作し、その
隣り合うフラップ2の間に階段状の位相差が発生し、造
波される波に、場合によっては悪影響を及ぼすことがあ
る。また、フラップ2間の隙間からフラップ2背面にも
水槽の水が洩れ、背面の駆動形態が著しく制限されてし
まうという問題点もある。
なうため各フラップ2がそれぞれ独立して動作し、その
隣り合うフラップ2の間に階段状の位相差が発生し、造
波される波に、場合によっては悪影響を及ぼすことがあ
る。また、フラップ2間の隙間からフラップ2背面にも
水槽の水が洩れ、背面の駆動形態が著しく制限されてし
まうという問題点もある。
【0008】また、従来のフラップ式造波装置では、造
波フラップが傾くため造波フラップに波高計を取り付け
ても同波高計により正確な波高を計測することができ
ず、したがって波高計を用いた吸収造波は、図6に示し
たようなピストン式造波装置によらねばならないという
問題点がある。
波フラップが傾くため造波フラップに波高計を取り付け
ても同波高計により正確な波高を計測することができ
ず、したがって波高計を用いた吸収造波は、図6に示し
たようなピストン式造波装置によらねばならないという
問題点がある。
【0009】さらに、上述の(C)の試験用水槽では、海
洋構造物を曳航させるための設備が必要となり、コスト
面でかなりの量となる。また、海洋構造物を曳航させる
際にロープを接続するが、このロープの重量およびロー
プによる水流の変化,構造物の姿勢のアンバランスが生
じる。一方、プロペラを直接水槽の底に装備して潮流を
発生させるものでは、造波装置などの波その他の外乱発
生に大きく影響を及ぼし、また水深が深くなってくるに
つれて、プロペラのサイズの変更も必要となり、試験水
域に起こる水流が水域の上下で大きく異なるといった諸
問題点がある。
洋構造物を曳航させるための設備が必要となり、コスト
面でかなりの量となる。また、海洋構造物を曳航させる
際にロープを接続するが、このロープの重量およびロー
プによる水流の変化,構造物の姿勢のアンバランスが生
じる。一方、プロペラを直接水槽の底に装備して潮流を
発生させるものでは、造波装置などの波その他の外乱発
生に大きく影響を及ぼし、また水深が深くなってくるに
つれて、プロペラのサイズの変更も必要となり、試験水
域に起こる水流が水域の上下で大きく異なるといった諸
問題点がある。
【0010】本発明は、上述の各従来の試験水槽の問題
点の解消をはかろうとするものである。すなわち、フラ
ップ式造波装置をそなえた試験水槽において、深海域水
槽の一部に仮底を設け、フラップ設置部は従来どおりの
深海域水深とするとともにフラップ前面造波水槽部は仮
底による浅海域水深とすることにより、フラップ式造波
装置を使用した、大波高発生可能な造波試験水槽を提供
することを目的とする。
点の解消をはかろうとするものである。すなわち、フラ
ップ式造波装置をそなえた試験水槽において、深海域水
槽の一部に仮底を設け、フラップ設置部は従来どおりの
深海域水深とするとともにフラップ前面造波水槽部は仮
底による浅海域水深とすることにより、フラップ式造波
装置を使用した、大波高発生可能な造波試験水槽を提供
することを目的とする。
【0011】さらに、全フラップの前面に一枚の連続し
たゴム状材料製の板体を取付け、フラップ間に生じる位
相差を無くし、造波された波に不自然な波形が見られな
いようにしてこの板体によりフラップ背面への水洩れを
防いでフラップ背部に設けられる駆動手段を自由に設計
できるようにした、造波試験水槽を提供することを目的
とする。
たゴム状材料製の板体を取付け、フラップ間に生じる位
相差を無くし、造波された波に不自然な波形が見られな
いようにしてこの板体によりフラップ背面への水洩れを
防いでフラップ背部に設けられる駆動手段を自由に設計
できるようにした、造波試験水槽を提供することを目的
とする。
【0012】また、ピストン式造波装置をそなえた試験
水槽において、造波フラップの前後動により生じるフラ
ップの傾きをその時の波高値とともに演算に入力するこ
とで、正しい波高値を計測し、フラップ式造波装置によ
る吸収造波を可能にした、造波試験水槽を提供すること
を目的とする。
水槽において、造波フラップの前後動により生じるフラ
ップの傾きをその時の波高値とともに演算に入力するこ
とで、正しい波高値を計測し、フラップ式造波装置によ
る吸収造波を可能にした、造波試験水槽を提供すること
を目的とする。
【0013】さらに、潮流試験用水槽において、水槽底
を二重化し、その下部にプロペラを設置し、そこで発生
した水流を上部の試験水域へ無駄なく送り、実海域の潮
流を正確に実現できるようにした、潮流試験水槽を提供
することを目的とする。
を二重化し、その下部にプロペラを設置し、そこで発生
した水流を上部の試験水域へ無駄なく送り、実海域の潮
流を正確に実現できるようにした、潮流試験水槽を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、試験水槽の底
部に基端部を枢着されるとともに水面を貫通するように
配設された造波フラップと、同造波フラップを所定方向
に往復移動させる駆動手段とからなるフラップ式造波装
置をそなえた試験水槽において、上記造波フラップの前
方の上記試験水槽の底部に仮底を装着して課題解決の手
段としている。また、上記仮底を支える上記造波フラッ
プに対向する側の柱または板材を、上記造波フラップの
最大傾斜角に合わせて極力近い位置に設置して課題解決
の手段としている。
部に基端部を枢着されるとともに水面を貫通するように
配設された造波フラップと、同造波フラップを所定方向
に往復移動させる駆動手段とからなるフラップ式造波装
置をそなえた試験水槽において、上記造波フラップの前
方の上記試験水槽の底部に仮底を装着して課題解決の手
段としている。また、上記仮底を支える上記造波フラッ
プに対向する側の柱または板材を、上記造波フラップの
最大傾斜角に合わせて極力近い位置に設置して課題解決
の手段としている。
【0015】さらに、上記仮底の内部を空洞に形成して
課題解決の手段としている。
課題解決の手段としている。
【0016】さらにまた、上記フラップ式造波装置を、
上記試験水槽の水槽壁の全面に設置して課題解決の手段
としてる。
上記試験水槽の水槽壁の全面に設置して課題解決の手段
としてる。
【0017】また、試験水槽の底部に基端部を枢着され
るとともに水面を貫通するように同試験水槽の横方向に
並設された複数の造波フラップと、同各造波フラップを
一定の位相差のもとに所定方向に往復移動させる駆動手
段とからなるフラップ式造波装置をそなえた試験水槽に
おいて、上記複数の造波フラップの前面を一枚のゴム状
材料製の板体で覆って課題解決に手段としている。
るとともに水面を貫通するように同試験水槽の横方向に
並設された複数の造波フラップと、同各造波フラップを
一定の位相差のもとに所定方向に往復移動させる駆動手
段とからなるフラップ式造波装置をそなえた試験水槽に
おいて、上記複数の造波フラップの前面を一枚のゴム状
材料製の板体で覆って課題解決に手段としている。
【0018】さらに、上記ゴム状材料製の板体の上端部
を上記造波フラップに等間隔に固定して課題解決の手段
としている。
を上記造波フラップに等間隔に固定して課題解決の手段
としている。
【0019】さらにまた、上記ゴム状材料製の板体によ
り上記複数の造波フラップの背面を水密に構成して課題
解決の手段としている。
り上記複数の造波フラップの背面を水密に構成して課題
解決の手段としている。
【0020】また、試験水槽の底部に基端部を枢着され
るとともに水面を貫通するように配設された造波フラッ
プと、同造波フラップを所定方向に往復移動させる駆動
手段とからなるフラップ式造波装置をそなえた試験水槽
において、上記造波フラップの前面に波高計を設け、同
波高計の直読値を上記造波フラップの傾斜角に応じて補
正し、その補正値を波高値として演算して吸収造波を可
能にして課題解決の手段としている。
るとともに水面を貫通するように配設された造波フラッ
プと、同造波フラップを所定方向に往復移動させる駆動
手段とからなるフラップ式造波装置をそなえた試験水槽
において、上記造波フラップの前面に波高計を設け、同
波高計の直読値を上記造波フラップの傾斜角に応じて補
正し、その補正値を波高値として演算して吸収造波を可
能にして課題解決の手段としている。
【0021】さらに、試験水槽の底部との間に空洞を形
成するように仮底を設け、上記空洞にプロペラを設けて
課題解決の手段としている。
成するように仮底を設け、上記空洞にプロペラを設けて
課題解決の手段としている。
【0022】さらにまた、上記プロペラの直径を上記空
洞の高さをほぼ覆う寸法に設定して課題解決の手段とし
ている。
洞の高さをほぼ覆う寸法に設定して課題解決の手段とし
ている。
【0023】また、上記試験水槽の幅方向全域に均一な
水流を発生できるように、上記プロペラを上記空洞の幅
方向に複数台設けて課題解決の手段としている。
水流を発生できるように、上記プロペラを上記空洞の幅
方向に複数台設けて課題解決の手段としている。
【0024】さらに、上記プロペラにより発生した水流
を上記仮底上部の試験水槽域に効率良く導くべく、上記
空洞の端部に上記水流を案内するブロックを取り付けて
課題解決の手段としている。
を上記仮底上部の試験水槽域に効率良く導くべく、上記
空洞の端部に上記水流を案内するブロックを取り付けて
課題解決の手段としている。
【0025】上述の本発明の試験水槽では、造波フラッ
プの往復動に伴い、同造波フラップの前方へ向かう波動
を生じようとするが、造波フラップの前方水槽に仮底が
設置されているため、従来のフラップ式造波装置の深海
域試験水槽に使用され浅海域試験水槽に使用されないと
いうことが改善され、浅海域試験水槽においてもフラッ
プ式造波装置により所要の波動を生じることができる。
プの往復動に伴い、同造波フラップの前方へ向かう波動
を生じようとするが、造波フラップの前方水槽に仮底が
設置されているため、従来のフラップ式造波装置の深海
域試験水槽に使用され浅海域試験水槽に使用されないと
いうことが改善され、浅海域試験水槽においてもフラッ
プ式造波装置により所要の波動を生じることができる。
【0026】そして、上記試験水槽の仮底の柱または板
面が造波フラップの最大傾斜角に合わせて極力近い位置
に設置されていることにより、造波フラップから造波さ
れた波が浅海域に伝わり無駄を生じることがなく、効率
よく造波することができる。また、仮底の内部が空洞に
形成されていることで、水槽基礎強度の保持とコストの
低減とをはかっている。
面が造波フラップの最大傾斜角に合わせて極力近い位置
に設置されていることにより、造波フラップから造波さ
れた波が浅海域に伝わり無駄を生じることがなく、効率
よく造波することができる。また、仮底の内部が空洞に
形成されていることで、水槽基礎強度の保持とコストの
低減とをはかっている。
【0027】さらに、水槽壁全面にフラップ式造波装置
を設置したことにより、一方の造波装置で造波された波
を他の壁面上の造波装置の造波フラップで消波すること
ができ、永続的に造波を行なうことができる。
を設置したことにより、一方の造波装置で造波された波
を他の壁面上の造波装置の造波フラップで消波すること
ができ、永続的に造波を行なうことができる。
【0028】また、全部の造波フラップの前面に一枚の
連続したゴム状材料製の板体が取り付けられていること
で、従来のフラップ式造波装置付き試験水槽のように各
フラップの階段状の位相差による波への影響を防止し、
所要の造波が可能となる。
連続したゴム状材料製の板体が取り付けられていること
で、従来のフラップ式造波装置付き試験水槽のように各
フラップの階段状の位相差による波への影響を防止し、
所要の造波が可能となる。
【0029】さらに、この板体により造波フラップの背
面への水洩れを防止できるため、板体背部の駆動系の設
計を自由にできるようになる。
面への水洩れを防止できるため、板体背部の駆動系の設
計を自由にできるようになる。
【0030】さらに、本発明の計測アルゴリズムでは、
造波フラップ前面の波高値とその時々のフラップの角度
(θ)とを演算に含むため、フラップ式造波装置でも波高
計を用いた吸収造波ができるようになる。
造波フラップ前面の波高値とその時々のフラップの角度
(θ)とを演算に含むため、フラップ式造波装置でも波高
計を用いた吸収造波ができるようになる。
【0031】また、上記吸収造波法がフラップ式でも確
立されたことで、従来フラップ式造波装置では壁からの
反射波が現れた時点で任意設定波高が得られなくなって
いたものが、永続的に任意設定波高の様々な造波が可能
となり、あらゆる水槽試験に利用できるようになる。
立されたことで、従来フラップ式造波装置では壁からの
反射波が現れた時点で任意設定波高が得られなくなって
いたものが、永続的に任意設定波高の様々な造波が可能
となり、あらゆる水槽試験に利用できるようになる。
【0032】さらにまた、本発明の試験水槽では、同試
験水槽の底部との間に空洞を形成するように仮底が設け
られ、水流を発生させるプロペラが空洞の内部に装備さ
れるため、従来のようにプロペラ自体が他の外乱の邪魔
をすることなく、また仮底上部の試験水域に水流を均一
に発生することができるようになる。
験水槽の底部との間に空洞を形成するように仮底が設け
られ、水流を発生させるプロペラが空洞の内部に装備さ
れるため、従来のようにプロペラ自体が他の外乱の邪魔
をすることなく、また仮底上部の試験水域に水流を均一
に発生することができるようになる。
【0033】また、プロペラの直径が空洞の高さをほぼ
覆う寸法に設定されているので、水流を無駄なく発生で
きるようになる。
覆う寸法に設定されているので、水流を無駄なく発生で
きるようになる。
【0034】さらに、空洞内の水域に、水槽側面より縦
列に水槽幅に合わせて多数のプロペラが設置されている
ため、試験水槽の全域に均一な水流を発生できるように
なる。
列に水槽幅に合わせて多数のプロペラが設置されている
ため、試験水槽の全域に均一な水流を発生できるように
なる。
【0035】また、プロペラによって発生した水流を空
洞上部の試験水域に効率的に伝えるため、空洞の両端に
ブロックが装備されているため、水流の循環に支障をき
たすことがない。
洞上部の試験水域に効率的に伝えるため、空洞の両端に
ブロックが装備されているため、水流の循環に支障をき
たすことがない。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の実施形
態について説明すると、図1はその第1実施形態として
の試験水槽の側面図、図2はその第2実施形態としての
試験水槽の斜視図、図3はその第3実施形態としての試
験水槽の側面図、図4はその第4実施形態としての試験
水槽の側面図である。なお図1〜4中、図5,6と同じ
符号はほぼ同一の部材を示している。
態について説明すると、図1はその第1実施形態として
の試験水槽の側面図、図2はその第2実施形態としての
試験水槽の斜視図、図3はその第3実施形態としての試
験水槽の側面図、図4はその第4実施形態としての試験
水槽の側面図である。なお図1〜4中、図5,6と同じ
符号はほぼ同一の部材を示している。
【0037】はじめに、図1により第1実施形態につい
て説明する。この第1実施形態の試験水槽は、図5に示
したフラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良した
もので、図1に示すように、複数の造波フラップ2が各
下端部を水槽20の底部21にヒンジ3により枢着されて横
方向に並設されており、水槽20の上部に突設された架台
22上のACモータ6の正逆転によりボールネジ5および
ロッド4を介して各造波フラップが所定方向に互いに所
定の位相差のもとで往復動して、水面Wに波を起こすこ
とができるようになっている。
て説明する。この第1実施形態の試験水槽は、図5に示
したフラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良した
もので、図1に示すように、複数の造波フラップ2が各
下端部を水槽20の底部21にヒンジ3により枢着されて横
方向に並設されており、水槽20の上部に突設された架台
22上のACモータ6の正逆転によりボールネジ5および
ロッド4を介して各造波フラップが所定方向に互いに所
定の位相差のもとで往復動して、水面Wに波を起こすこ
とができるようになっている。
【0038】そして、波が起こる水面Wの底部21、すな
わちフラップ前面造波部の底部21に平板状の仮底1が設
置されている。仮底1が設置されている範囲は、造波フ
ラップ2の作動範囲に極力近い位置までとし、水槽に無
駄な範囲がないように設定されている。また、仮底1を
支える造波フラップ2に対向する側の柱(または板材)
9が、造波効率を上げるため造波フラップ2の最大傾斜
角に合わせて極力近い位置に設定される。
わちフラップ前面造波部の底部21に平板状の仮底1が設
置されている。仮底1が設置されている範囲は、造波フ
ラップ2の作動範囲に極力近い位置までとし、水槽に無
駄な範囲がないように設定されている。また、仮底1を
支える造波フラップ2に対向する側の柱(または板材)
9が、造波効率を上げるため造波フラップ2の最大傾斜
角に合わせて極力近い位置に設定される。
【0039】上述の構成において、この第1実施形態の
試験水槽では、造波フラップ2の往復動に伴い同フラッ
プの前方へ向かう波動を生じようとするが、造波フラッ
プ2の前方の水槽に仮底1を設置しているため、従来の
ようにフラップ式造波装置が深海域試験水槽にのみ使用
されることなく、浅海域試験水槽においてもフラップ式
造波装置により所要の波動を生じさせることができる。
そして、上記試験水槽の仮底1の柱9は、フラップ前面
試験水槽側フラップ最大傾斜角に合わせて極力近い位置
に設置されているため、造波フラップから造波された波
が浅海域に無駄を生じることなく伝わり、効率よく造波
することができる。
試験水槽では、造波フラップ2の往復動に伴い同フラッ
プの前方へ向かう波動を生じようとするが、造波フラッ
プ2の前方の水槽に仮底1を設置しているため、従来の
ようにフラップ式造波装置が深海域試験水槽にのみ使用
されることなく、浅海域試験水槽においてもフラップ式
造波装置により所要の波動を生じさせることができる。
そして、上記試験水槽の仮底1の柱9は、フラップ前面
試験水槽側フラップ最大傾斜角に合わせて極力近い位置
に設置されているため、造波フラップから造波された波
が浅海域に無駄を生じることなく伝わり、効率よく造波
することができる。
【0040】また、仮底1の内部12を空洞にすることで
水槽基礎強度の保持とコストの低減とをはかることがで
きる。さらに、水槽壁全面にフラップ式造波装置を設置
すると、一方で造波された波を他の壁面の造波フラップ
で消波することができ、永続的に造波を行なうことがで
きるようになる。また、この消波を行なわなかった場合
に、造波を再開する際は、以前の造波の反射波が静まる
まで波待ちをする時間が必要であるが、この反射波が前
記の他の壁面のフラップによりリアルタイムに消波され
るため、波待ち時間を必要としなくなり、水槽試験をス
ムーズに行なえるようになる。
水槽基礎強度の保持とコストの低減とをはかることがで
きる。さらに、水槽壁全面にフラップ式造波装置を設置
すると、一方で造波された波を他の壁面の造波フラップ
で消波することができ、永続的に造波を行なうことがで
きるようになる。また、この消波を行なわなかった場合
に、造波を再開する際は、以前の造波の反射波が静まる
まで波待ちをする時間が必要であるが、この反射波が前
記の他の壁面のフラップによりリアルタイムに消波され
るため、波待ち時間を必要としなくなり、水槽試験をス
ムーズに行なえるようになる。
【0041】次に、図2により第2実施形態について説
明する。この第2実施形態の試験水槽も図5に示したフ
ラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良したもの
で、図2に示すように、水面Wを貫通する複数の造波フ
ラップ2が、各下端部を水槽20の底部21にそれぞれヒン
ジ3により枢着されるようにして横方向に並設されてお
り、ACモータ6の正逆転によりボールネジ5およびロ
ッド4を介して各造波フラップが所定方向に往復動する
ことにより、水面Wに波を起こすことができるようにな
っている。さらに、造波フラップ2の前面に一枚の(連
続した)ゴム状材料製の板体としてのゴム板14が全フラ
ップ前面と同様の大きさで取り付けられている。ゴム板
14の上端は造波フラップ2に一枚おきもしくは二枚おき
といった一定間隔でクリップ13によって固定されてい
る。
明する。この第2実施形態の試験水槽も図5に示したフ
ラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良したもの
で、図2に示すように、水面Wを貫通する複数の造波フ
ラップ2が、各下端部を水槽20の底部21にそれぞれヒン
ジ3により枢着されるようにして横方向に並設されてお
り、ACモータ6の正逆転によりボールネジ5およびロ
ッド4を介して各造波フラップが所定方向に往復動する
ことにより、水面Wに波を起こすことができるようにな
っている。さらに、造波フラップ2の前面に一枚の(連
続した)ゴム状材料製の板体としてのゴム板14が全フラ
ップ前面と同様の大きさで取り付けられている。ゴム板
14の上端は造波フラップ2に一枚おきもしくは二枚おき
といった一定間隔でクリップ13によって固定されてい
る。
【0042】上述の構成において、この第2実施形態の
試験水槽では、全造波フラップ2の前面が一枚の連続し
たゴム板14で覆われているため、従来(図5の試験水
槽)のように各フラップ間の階段状の位相差による波へ
の悪影響を十分に防止することができる。また、ゴム板
14により造波フラップ2の背面23への水洩れが防止され
るため、ゴム板14の背部に設けられるフラップの駆動系
を自由に構成できるという利点も得られる。
試験水槽では、全造波フラップ2の前面が一枚の連続し
たゴム板14で覆われているため、従来(図5の試験水
槽)のように各フラップ間の階段状の位相差による波へ
の悪影響を十分に防止することができる。また、ゴム板
14により造波フラップ2の背面23への水洩れが防止され
るため、ゴム板14の背部に設けられるフラップの駆動系
を自由に構成できるという利点も得られる。
【0043】さらに、図3により第3実施形態について
説明する。この第3実施形態の試験水槽も、図5に示し
たフラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良して従
来の計測アルゴリズムによって吸収造波を可能にしたも
のであり、図3に示すように、従来の場合と同様に水面
Wを貫通する複数の造波フラップ2が、その下端部をそ
れぞれヒンジ3により枢着されるようにして横方向に並
設されており、ACモータ6の正逆転に伴いボールネジ
5およびロッド4を介して各造波フラップ2が所定方向
に往復動することにより、水面Wに波を起こすようにな
っている。さらに、造波フラップ2の前面に波動を生起
される水面Wの変動範囲をほぼ覆う高さの波高計7が設
置されている。
説明する。この第3実施形態の試験水槽も、図5に示し
たフラップ式造波装置をそなえた試験水槽を改良して従
来の計測アルゴリズムによって吸収造波を可能にしたも
のであり、図3に示すように、従来の場合と同様に水面
Wを貫通する複数の造波フラップ2が、その下端部をそ
れぞれヒンジ3により枢着されるようにして横方向に並
設されており、ACモータ6の正逆転に伴いボールネジ
5およびロッド4を介して各造波フラップ2が所定方向
に往復動することにより、水面Wに波を起こすようにな
っている。さらに、造波フラップ2の前面に波動を生起
される水面Wの変動範囲をほぼ覆う高さの波高計7が設
置されている。
【0044】各造波フラップ2はその前後動時に前後ど
ちらかに傾くことになる。図6に示した試験水槽の場合
のように、波高計7の計測値をそのまま演算器に入力し
ていると、傾いているときの波高は実際の波高より大き
く計測されてしまう。これでは正確な波高データを取り
込むことができない。そのために、予め設定された造波
が造波フラップと対向する水槽壁その他の反射波により
造波できなくなることを避ける吸収造波法が不可能とな
るが、この第3実施形態の計測アルゴリズムでは、波高
値として波高計7からのデータのみでなく、その時の造
波フラップ2の傾き(角度θ)を考慮し、実際の波高値
を得るようになっている。
ちらかに傾くことになる。図6に示した試験水槽の場合
のように、波高計7の計測値をそのまま演算器に入力し
ていると、傾いているときの波高は実際の波高より大き
く計測されてしまう。これでは正確な波高データを取り
込むことができない。そのために、予め設定された造波
が造波フラップと対向する水槽壁その他の反射波により
造波できなくなることを避ける吸収造波法が不可能とな
るが、この第3実施形態の計測アルゴリズムでは、波高
値として波高計7からのデータのみでなく、その時の造
波フラップ2の傾き(角度θ)を考慮し、実際の波高値
を得るようになっている。
【0045】すなわち、造波フラップの角度(垂直位置
を0)=θ,波高計の直読値=Haとした場合、実際の
波高=Hwは[数1]式で求められる。
を0)=θ,波高計の直読値=Haとした場合、実際の
波高=Hwは[数1]式で求められる。
【数1】 Hw=Ha cos θ 上記の計算結果を実際の波高値として演算することで吸
収造波が可能となる。このように、この第3実施形態の
場合、吸収造波を行なえるようになり、試験水槽等にお
いて永続的に所望の波浪を生起させることができるよう
になる。
収造波が可能となる。このように、この第3実施形態の
場合、吸収造波を行なえるようになり、試験水槽等にお
いて永続的に所望の波浪を生起させることができるよう
になる。
【0046】次に図4により第4実施形態について説明
する。この第4実施形態の試験水槽は、造波試験と潮流
試験とを同時に行なえる試験水槽であって、図4に示す
ように、複数の造波フラップ2(この造波フラップ2も
図1のものと同様の駆動機構により駆動されて前面水面
に造波を行なう)の前面造波部の底部21に、仮底1が装
備され、仮底1の内部に形成された空洞17に、水流を発
生させるためのプロペラ10が設置され、さらに空洞17の
両端部にブロック11が設けられて仮底1上部の試験水域
に水流15を発生させるようになっている。
する。この第4実施形態の試験水槽は、造波試験と潮流
試験とを同時に行なえる試験水槽であって、図4に示す
ように、複数の造波フラップ2(この造波フラップ2も
図1のものと同様の駆動機構により駆動されて前面水面
に造波を行なう)の前面造波部の底部21に、仮底1が装
備され、仮底1の内部に形成された空洞17に、水流を発
生させるためのプロペラ10が設置され、さらに空洞17の
両端部にブロック11が設けられて仮底1上部の試験水域
に水流15を発生させるようになっている。
【0047】ここで、プロペラ10はその直径を仮底1の
高さをほぼ覆う寸法に設定されている。符号18はプロペ
ラ10の駆動用モータを示している。なお、水流15が水槽
全域に均一に生起されるように、水槽側面より縦列に水
槽幅に合わせて多数のプロペラ10が装備されている。さ
らに、プロペラ10によって生起された水流を仮底1上部
の試験水域に効率よく案内するため、仮底1の高さで効
率よく水流を案内できる角度のもとにブロック11が装備
されている。
高さをほぼ覆う寸法に設定されている。符号18はプロペ
ラ10の駆動用モータを示している。なお、水流15が水槽
全域に均一に生起されるように、水槽側面より縦列に水
槽幅に合わせて多数のプロペラ10が装備されている。さ
らに、プロペラ10によって生起された水流を仮底1上部
の試験水域に効率よく案内するため、仮底1の高さで効
率よく水流を案内できる角度のもとにブロック11が装備
されている。
【0048】上述のように、この第4実施形態の試験水
槽では、プロペラ10が二重底化された仮底1の内部に装
備されているため、従来の潮流試験水槽のように造波そ
の他の外乱に悪影響を及ぼすことなく所望の潮流を発生
させることができる。そして、水槽内で水流が発生でき
ることで、海洋構造物を曳航して潮流試験を行なう場合
の外部曳航設備が不要となるため、コストの低減にも役
立つようになる。
槽では、プロペラ10が二重底化された仮底1の内部に装
備されているため、従来の潮流試験水槽のように造波そ
の他の外乱に悪影響を及ぼすことなく所望の潮流を発生
させることができる。そして、水槽内で水流が発生でき
ることで、海洋構造物を曳航して潮流試験を行なう場合
の外部曳航設備が不要となるため、コストの低減にも役
立つようになる。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の試験水槽
によれば次のような効果ないし利点が得られる。 (1) 造波フラップの往復動に伴い同フラップの前方へ向
かう波動を生じようとするが、造波フラップ前方の水槽
底部に仮底を設置しているため、浅海域水槽としての所
要の波動を生じさせることができる。 (2) 上記仮底の柱または板材を造波フラップの最大傾斜
角に合わせて極力近い位置に設置させたことにより、フ
ラップからの造波によって発生した波動が無駄なく浅海
域に伝わり、効率よく造波することができる。 (3) 上記仮底の内部を空洞にすることで水槽基礎強度の
保持とコストの低減をはかることができる。 (4) 試験水槽の水槽壁全面にフラップ式造波装置を設置
したとき、一方の造波装置で造波された波を他の壁面の
造波装置のフラップで消波することができ、永続的に造
波を行うことができるようになる。また、このリアルタ
イムの消波により、水槽に反射波がなくなり、試験再開
までの波待ち時間を必要としなくなり、試験をスムーズ
に、多くの点数行なえるようになる。 (5) 上記(1)〜(4)項により、深海水槽に仮底およびフラ
ップ式造波装置を全水槽壁に付設することで、フラップ
式造波装置を用いた永続的造波が可能な浅海域試験水槽
を実現できるようになる。 (6) 全ての造波フラップの前面を覆うように、一枚のゴ
ム状材料製の板体を取り付けたため、各造波フラップ間
の階段状の位相差による波への悪影響を防ぐことがで
き、所要の造波を生起できるようになる。 (7) 上記板体により造波フラップの背面への水洩れが防
止でき、板体背部の駆動系設計上の制限を大幅に解除す
ることができる。 (8) 上記(6),(7)項により、一枚のゴム状材料製の板体
を設けるという簡単な構成で、駆動系を自由に設計で
き、かつ所要の造波を実現できるという利点が得られ
る。 (9) フラップ式造波装置において、造波フラップの上端
を前後移動させて造波を行なう際、波高計の設置された
フラップ前面は円弧を描く動作となり波高計の直読値は
正確な波高値を示さなくなるが、この直読値を計測アル
ゴリズムにより修正したため、正確な波高値が得られ、
吸収造波を行なえるようになる。 (10) 上記計測アルゴリズムを波高値演算に使用するこ
とで、フラップ式造波装置および従来の吸収造波が可能
であったピストン式造波装置のどちらにも波高値として
使用することができ、吸収造波の演算を統一できる。 (11) 試験水槽の底部との間に空洞を形成するように仮
底を設け、同空洞にプロペラを設けたので、他の外乱の
邪魔をすることなく、所望の水流を発生することができ
る。 (12) 上記プロペラによって水流を発生させるようにし
たため、水槽外部に曳航装置を装備する必要がなく、コ
ストの低減にも役立つようになる。 (13) プロペラの直径を、仮底の高さ(空洞の高さ)をほ
ぼ覆う寸法に設定したため、空洞内に無駄なく水流を発
生させることができ、より大きな水流も発生可能とな
る。 (14) 上記プロペラを水槽側面より縦方向に水槽幅に合
わせて多数設置することで、水槽全域に均一の水流を発
生することができる。 (15) 空洞の端部に水流を案内するブロックを取り付け
たことにより、空洞内で発生した水流を仮底上部の試験
水域へ効率よく導くことができる。 (16) 上記(11)〜(15)項により、造波装置を併設された
潮流試験水槽において、造波その他の外乱に悪影響を及
ぼすことなく所望の水流を発生させることができる。
によれば次のような効果ないし利点が得られる。 (1) 造波フラップの往復動に伴い同フラップの前方へ向
かう波動を生じようとするが、造波フラップ前方の水槽
底部に仮底を設置しているため、浅海域水槽としての所
要の波動を生じさせることができる。 (2) 上記仮底の柱または板材を造波フラップの最大傾斜
角に合わせて極力近い位置に設置させたことにより、フ
ラップからの造波によって発生した波動が無駄なく浅海
域に伝わり、効率よく造波することができる。 (3) 上記仮底の内部を空洞にすることで水槽基礎強度の
保持とコストの低減をはかることができる。 (4) 試験水槽の水槽壁全面にフラップ式造波装置を設置
したとき、一方の造波装置で造波された波を他の壁面の
造波装置のフラップで消波することができ、永続的に造
波を行うことができるようになる。また、このリアルタ
イムの消波により、水槽に反射波がなくなり、試験再開
までの波待ち時間を必要としなくなり、試験をスムーズ
に、多くの点数行なえるようになる。 (5) 上記(1)〜(4)項により、深海水槽に仮底およびフラ
ップ式造波装置を全水槽壁に付設することで、フラップ
式造波装置を用いた永続的造波が可能な浅海域試験水槽
を実現できるようになる。 (6) 全ての造波フラップの前面を覆うように、一枚のゴ
ム状材料製の板体を取り付けたため、各造波フラップ間
の階段状の位相差による波への悪影響を防ぐことがで
き、所要の造波を生起できるようになる。 (7) 上記板体により造波フラップの背面への水洩れが防
止でき、板体背部の駆動系設計上の制限を大幅に解除す
ることができる。 (8) 上記(6),(7)項により、一枚のゴム状材料製の板体
を設けるという簡単な構成で、駆動系を自由に設計で
き、かつ所要の造波を実現できるという利点が得られ
る。 (9) フラップ式造波装置において、造波フラップの上端
を前後移動させて造波を行なう際、波高計の設置された
フラップ前面は円弧を描く動作となり波高計の直読値は
正確な波高値を示さなくなるが、この直読値を計測アル
ゴリズムにより修正したため、正確な波高値が得られ、
吸収造波を行なえるようになる。 (10) 上記計測アルゴリズムを波高値演算に使用するこ
とで、フラップ式造波装置および従来の吸収造波が可能
であったピストン式造波装置のどちらにも波高値として
使用することができ、吸収造波の演算を統一できる。 (11) 試験水槽の底部との間に空洞を形成するように仮
底を設け、同空洞にプロペラを設けたので、他の外乱の
邪魔をすることなく、所望の水流を発生することができ
る。 (12) 上記プロペラによって水流を発生させるようにし
たため、水槽外部に曳航装置を装備する必要がなく、コ
ストの低減にも役立つようになる。 (13) プロペラの直径を、仮底の高さ(空洞の高さ)をほ
ぼ覆う寸法に設定したため、空洞内に無駄なく水流を発
生させることができ、より大きな水流も発生可能とな
る。 (14) 上記プロペラを水槽側面より縦方向に水槽幅に合
わせて多数設置することで、水槽全域に均一の水流を発
生することができる。 (15) 空洞の端部に水流を案内するブロックを取り付け
たことにより、空洞内で発生した水流を仮底上部の試験
水域へ効率よく導くことができる。 (16) 上記(11)〜(15)項により、造波装置を併設された
潮流試験水槽において、造波その他の外乱に悪影響を及
ぼすことなく所望の水流を発生させることができる。
【図1】本発明の第1実施形態としての試験水槽の側面
図。
図。
【図2】本発明の第2実施形態としての試験水槽の斜視
図。
図。
【図3】本発明の第3実施形態としての試験水槽の側面
図。
図。
【図4】本発明の第4実施形態としての試験水槽の側面
図。
図。
【図5】従来のフラップ式造波装置を備えた試験水槽の
側面図。
側面図。
【図6】従来のピストン式造波装置を備えた試験装置の
側面図。
側面図。
1 仮底 2 造波フラップ 3 ヒンジ 4 ロッド 5 ボールネジ 6 ACモータ 7 波高計 8 ピストン 9 柱または板材 10 プロペラ 11 ブロック 12 仮底の内部 13 クリップ 14 ゴム状材料製の板体としてのゴム板 15 水流 17 空洞 18 モータ 20 水槽 21 底部 22 架台 W 水面
Claims (12)
- 【請求項1】 試験水槽において、同試験水槽の底部に
基端部を枢着されるとともに水面を貫通するように配設
された造波フラップと、同造波フラップを所定方向に往
復移動させる駆動手段とからなるフラップ式造波装置を
そなえ、上記造波フラップの前方の上記試験水槽の底部
に仮底が装着されていることを特徴とする、試験水槽。 - 【請求項2】 上記仮底を支える上記造波フラップに対
向する側の柱または板材が、上記造波フラップの最大傾
斜角に合わせて極力近い位置に設置されていることを特
徴とする、請求項1に記載の試験水槽。 - 【請求項3】 上記仮底の内部が空洞に形成されている
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の試験水
槽。 - 【請求項4】 上記フラップ式造波装置が上記試験水槽
の水槽壁の全面に設置されていることを特徴とする、請
求項1乃至3のいずれかに記載の試験水槽。 - 【請求項5】 試験水槽において、同試験水槽の底部に
基端部を枢着されるとともに水面を貫通するように同試
験水槽の横方向に並設された複数の造波フラップと、同
各造波フラップを一定の位相差のもとに所定方向に往復
移動させる駆動手段とからなるフラップ式造波装置をそ
なえ、上記複数の造波フラップの前面が一枚のゴム状材
料製の板体で覆われていることを特徴とする、試験水
槽。 - 【請求項6】 上記ゴム状材料製の板体の上端部が、上
記造波フラップに等間隔に固定されていることを特徴と
する、請求項5に記載の試験水槽。 - 【請求項7】 上記ゴム状材料製の板体により上記複数
の造波フラップの背面が水密に構成されていることを特
徴とする、請求項5または6に記載の試験水槽。 - 【請求項8】 試験水槽において、同試験水槽の底部に
基端部を枢着されるとともに水面を貫通するように配設
された造波フラップと、同造波フラップを所定方向に往
復移動させる駆動手段とからなるフラップ式造波装置を
そなえ、上記造波フラップの前面に波高計が設けられ、
同波高計の直読値を上記造波フラップの傾斜角に応じて
補正し、その補正値を波高値として演算することで吸収
造波を可能にした、試験水槽。 - 【請求項9】 試験水槽において、同試験水槽に、同試
験水槽の底部との間に空洞を形成するように仮底が設け
られ、上記空洞にプロペラが設けられていることを特徴
とする、試験水槽。 - 【請求項10】 上記プロペラがその直径を上記空洞の
高さをほぼ覆う寸法に設定されていることを特徴とす
る、請求項9に記載の試験水槽。 - 【請求項11】 上記試験水槽の幅方向全域に均一な水
流を発生できるように、上記プロペラが上記空洞の幅方
向に複数台設けられていることを特徴とする、請求項9
または10に記載の試験水槽。 - 【請求項12】 上記プロペラにより発生した水流を上
記仮底上部の試験水域に効率良く導くべく、上記空洞の
端部に上記水流を案内するブロックが取り付けられてい
ることを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記
載の試験水槽。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13287296A JP3297304B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 試験水槽 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13287296A JP3297304B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 試験水槽 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09297088A true JPH09297088A (ja) | 1997-11-18 |
JP3297304B2 JP3297304B2 (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=15091531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13287296A Expired - Fee Related JP3297304B2 (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 試験水槽 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3297304B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101971252B1 (ko) * | 2018-07-20 | 2019-04-22 | 장준하 | 파력 실험을 위한 수조 타입 물결파 발생장치 |
CN110411708A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-05 | 安徽理工大学 | 一种适用于波浪模拟试验的造波装置及其运行方法 |
CN115014705A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-09-06 | 浙江大学 | 一种折返水槽装置与多组同步试验方法 |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP13287296A patent/JP3297304B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101971252B1 (ko) * | 2018-07-20 | 2019-04-22 | 장준하 | 파력 실험을 위한 수조 타입 물결파 발생장치 |
CN110411708A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-05 | 安徽理工大学 | 一种适用于波浪模拟试验的造波装置及其运行方法 |
CN110411708B (zh) * | 2019-08-13 | 2024-03-08 | 安徽理工大学 | 一种适用于波浪模拟试验的造波装置及其运行方法 |
CN115014705A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-09-06 | 浙江大学 | 一种折返水槽装置与多组同步试验方法 |
CN115014705B (zh) * | 2022-06-20 | 2024-01-02 | 浙江大学 | 一种折返水槽装置与多组同步试验方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3297304B2 (ja) | 2002-07-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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