JPH09296477A - 水中作業機および水中作業設備 - Google Patents

水中作業機および水中作業設備

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JPH09296477A
JPH09296477A JP13440696A JP13440696A JPH09296477A JP H09296477 A JPH09296477 A JP H09296477A JP 13440696 A JP13440696 A JP 13440696A JP 13440696 A JP13440696 A JP 13440696A JP H09296477 A JPH09296477 A JP H09296477A
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arm
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Norihiko Fujimura
則彦 藤村
Hisao Tezuka
久男 手塚
Shosuke Kishida
正輔 岸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、地下空間等の開発に用いられる水
中作業機およびその遠隔制御のための設備に関し、特に
大深度の地下でも掘削や浚渫等の作業および掘削物等の
地上への搬送作業を連続的に行なえるようにした。 【解決手段】 水没状態で水底に沿い走行しうる水中作
業機51に、2リンク機構としてのラダー4およびアーム
11が水平旋回および俯仰可能に装着され、同ラダー4の
先端部に装着されたティース付きバケットホイール1で
掘削された土砂や岩石が、同バケットホイール1に隣接
するクラッシャ3で破砕されて泥水状とされ、ポンプ13
により搬送ホース18を介して地上の濁水処理装置まで搬
送される。水中作業機51の走行制御やラダー4およびア
ーム11の旋回俯仰制御は、地上の指令所で遠隔的に行な
われ、その際、水中作業機51の位置のみならず向きや傾
きも指令所で検知される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下空間やウォー
ターフロント等の開発のために、掘削用バケットホイー
ルなどをそなえて遠隔制御を受けながら作動する水底走
行式の水中作業機および水中作業設備に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、掘削手段を水面下で作動させて土
砂や岩を掘削することは行なわれているが、その使用場
所の水深は数メートル程度で、しかも掘削した土砂や岩
石は別の機械で運び上げるものであり、本発明の対象と
する技術のように数十メートルにも及ぶ深さの地下で岩
や土砂を掘削するなどの水中作業を遠隔制御により的確
に行なえるようにしたものは無い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の掘削設備では、
地下の水底で土砂や岩を掘削する掘削機と同掘削機で掘
削された土砂や岩石を搬出する搬出装置とが個別に装備
されていた点に鑑みて、本発明は、水底に沿い走行しな
がらラダー先端の水中作業装置の位置制御を適切に行な
えるようにするとともに、大深度の地下でも、地下水の
中に水没した状態で地上の操作位置からの指令で目的地
形に掘削などの水中作業を行なえるようにし、掘削作業
の場合は、その掘削物を地上まで連続的に搬出できるよ
うにした、水中作業機および水中作業設備を提供するこ
とを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明の水中作業機は、水没状態で水底に沿い走行
するための走行装置をそなえた水中作業機において、上
記走行装置の上部に旋回可能に装着された機体フレーム
と、同機体フレームを上記走行装置に対し旋回駆動する
ための旋回駆動装置と、上記機体フレームと一体のサポ
ートフレームの上部に基端部を枢着されたアームと、同
アームの先端部に基端部を枢着されたラダーと、同ラダ
ーの先端部に装着された水中作業装置とをそなえ、上記
サポートフレームの下部と上記のアームおよびラダーと
の間にそれぞれ装架された油圧式のアームシリンダおよ
びラダーシリンダとが設けられて、上記走行装置による
移動と、上記旋回駆動装置による上記機体フレームの旋
回動作と、上記のアームシリンダおよびラダーシリンダ
による上記のアームおよびラダーの各俯仰動作とによ
り、上記水中作業装置の位置制御を行なうための遠隔制
御系が設けられたことを特徴としている。
【0005】また、本発明の水中作業機は、上記走行装
置の上部のトラックフレームに上記機体フレームがロー
タリジョイントおよび旋回ベアリングを介して旋回可能
に装着され、上記旋回駆動装置が上記旋回ベアリングの
アウタレースを回転駆動しうるモータとして設けられた
ことを特徴としている。
【0006】さらに、本発明の水中作業機は、上記旋回
ベアリングのアウタレースとインナレースとの相対回転
を許容しながら同アウタレースと同インナレースとの間
への外水の浸入を防止するシールシステムが設けられた
ことを特徴としている。
【0007】また、本発明の水中作業機は、上記水中作
業装置が、上記ラダーの先端部に装着されたティース付
きバケットホイールと同バケットホイールの掘削物を受
けて破砕すべく同バケットホイールに隣接して設けられ
たクラッシャとで構成され、同クラッシャで破砕された
掘削物を同クラッシャに接続された搬送管を介し水との
混合状態で吸引して地上まで搬送する搬送ポンプが装備
されたことを特徴としている。
【0008】さらに、本発明の水中作業機は、上記搬送
ポンプで搬送される掘削物と水との混合物の混合濃度お
よび流量を検出する各センサからの検出信号に基づき、
上記搬送ポンプの吸入速度を制御する搬送ポンプ制御系
が設けられたことを特徴としている。
【0009】上述の本発明の水中作業機では、水没状態
で水底に沿い走行しながら、その機体フレームの旋回に
よるラダーの水平旋回と、アームシリンダおよびラダー
シリンダの作動による上記ラダーの俯仰制御とにより、
上記ラダーの先端の水中作業装置の位置決めが能率よく
的確に制御される。
【0010】すなわち、上記ラダーが、上記機体フレー
ムと一体のサポートフレームの上部にアームを介して枢
着され、上記サポートフレームの下部と上記のアームお
よびラダーとの間にそれぞれ装架されたアームシリンダ
およびラダーシリンダをそなえるという2リンク機構が
採用されているので、上記ラダーの先端部に装着された
水中作業装置の位置決めが、きめ細かく適切に行なわれ
るようになる。
【0011】また、上記旋回駆動装置が上記旋回ベアリ
ングのアウタレースを回転駆動することにより、上記機
体フレームを上記ラダーと共に360度にわたって旋回さ
せる作用も可能になる。
【0012】そして、上記旋回ベアリングのアウタレー
スとインナレースとの間を水密に封鎖するシールシステ
ムが設けられるので、この水中作業機の水没状態でも、
上記の360度にわたる旋回機能が十分に保たれるように
なる。
【0013】さらに、この水中作業機のラダー先端部に
おける水中作業装置としてティース付きバケットホイー
ルとクラッシャとが設けられている場合は、上記バケッ
トホイールで掘削された土砂や岩石が、同バケットホイ
ールに隣接するクラッシャで細かく破砕される。このよ
うにして破砕され水と混合された泥状の掘削物は、上記
クラッシャに接続された搬送管を介し搬送ポンプで吸引
されて、地上まで搬送されるようになる。
【0014】上述の搬送ポンプによる掘削物と水との混
合物の搬送に際しては、上記混合物の混合濃度および流
量を検出する各センサからの検出信号に基づき、上記搬
送ポンプの吸入速度が制御されるので、上記混合物の搬
送管に詰まりを生じることはない。
【0015】本発明の水中作業設備は、上述のような水
中作業機のほか、同水中作業機を遠隔制御する地上の指
令所などを含んで次のように構成される。
【0016】すなわち、本発明の水中作業設備は、水没
状態で水底に沿い走行するための操舵可能な左右のクロ
ーラを含む油圧駆動式走行装置をそなえた水中作業機
と、同水中作業機へ電力を供給する電源および同水中作
業機を遠隔制御する操作装置を含んだ地上の指令所とか
らなり、上記水中作業機には、上記走行装置の上部のト
ラックフレームにロータリジョイントおよび旋回ベアリ
ングを介して旋回可能に装着された機体フレームと、同
機体フレームを旋回駆動すべく上記旋回ベアリングのア
ウタレースをギヤを介し360度にわたって回動させうる
旋回駆動用油圧モータと、上記機体フレームと一体のサ
ポートフレームの上部に基端部を枢着されたアームと、
同アームの先端部に基端部を枢着されたラダーと、上記
サポートフレームの下部と上記のアームおよびラダーと
の間にそれぞれ装架された油圧式のアームシリンダおよ
びラダーシリンダと、上記ラダーの先端部に装着された
油圧モータ駆動式の掘削用ティース付きバケットホイー
ルおよび同バケットホイールと隣接して連動するように
設けられたクラッシャと、同クラッシャで破砕された掘
削物を同クラッシャに接続された搬送管を介し水との混
合状態で吸引して地上まで搬送する搬送ポンプとが装備
されるとともに、上記走行装置における操舵走行用油圧
モータ,上記の旋回駆動用油圧モータ,アームシリンダ
およびラダーシリンダならびに上記のバケットホイール
およびクラッシャを駆動する油圧モータへ油圧制御弁装
置を介して作動油を供給する油圧ポンプが装備され、上
記指令所には上記油圧ポンプの駆動用電動機へ電力を供
給する電源と、上記油圧制御弁装置を遠隔制御する操作
装置とが装備されたことを特徴としている。
【0017】また、本発明の水中作業設備は、上記水中
作業機に装着された送波器からの信号をこれに対応する
受波器で受信することにより同水中作業機の位置を検知
するための位置検知手段が、上記指令所に併設されてい
ることを特徴としている。
【0018】さらに、本発明の水中作業設備は、上記搬
送ポンプにより搬送管を介し地上まで搬送された掘削物
と水との混合物を受ける濁水処理装置が設けられ、同濁
水処理装置で上記混合物から分離された水を地下へ戻す
排水管が同濁水処理装置に接続されていることを特徴と
している。
【0019】また、本発明の水中作業設備は、上記水中
作業機に、その方位および傾斜を検出する検出器が設け
られ、同検出器の検出信号も上記指令所に伝送されるよ
うに構成されたことを特徴としている。
【0020】上述の水中作業設備では、上記水中作業機
における走行装置の作動や上記バケットホイールの回
転,上記のアームおよびラダーの旋回俯仰を行なう油圧
モータ,油圧シリンダ等の各油圧式駆動装置は、その作
動油の供給を同水中作業機上の油圧制御弁装置を介して
油圧ポンプから受けるが、上記油圧制御弁装置の制御は
地上の指令所における操作装置によって遠隔的に行なわ
れ、上記油圧ポンプの駆動用電動機への電力供給も上記
指令所に装備された電源から行なわれる。
【0021】さらに水没状態の水中作業機の位置の検知
は、同水中作業機に装着された送波器からの信号の受信
により、上記指令所に併設された位置検知手段で行なわ
れ、同水中作業機の方位や傾斜も検出器からの信号伝達
により指令所で検知される。上記水中作業機で掘削され
搬送管を通じ地上まで搬送された掘削物と水との混合物
は、濁水処理装置で処理されて水を分離され、その分離
水は排水管を通じ地下へ戻される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明の一実施
形態としての水中作業機および水中作業設備について説
明すると、図1はその水中作業機の側面図、図2は図1
の水中作業機の平面図、図3は図1,2の水中作業機の
要部を示す正面図、図4は図1〜3の水中作業機を含ん
だ水中作業設備の使用状態を示す説明図、図5は上記水
中作業設備の他の使用状態を示す説明図である。
【0023】図1〜3に示すように、本実施形態の水中
作業機51は、走行装置25をそなえて、図4に示すごと
く、地下50〜70メートルにも及ぶ大深度の水底に沿い走
行できるようになっている。
【0024】そして、走行装置25は、油圧駆動式になっ
ており、図1に示すように、トラック28, トラックフレ
ーム30,走行用油圧モータ付きスプロケット26, アイド
ルホイール27および左右のクローラ29をそなえて構成さ
れている。このようにして、この水中作業機51は、左右
のクーロラ29によって前進および後進のほか、舵取りや
スピンターン,ピボットターンも行なえるようになって
いる。
【0025】また走行装置25の上方における上部構造23
を支えるため、そのトラックフレーム30に結合されたフ
ランジ31および旋回ベアリング32を介して、機体フレー
ム22が旋回可能に装着されており、同フレーム22の旋回
駆動は、同フレーム22上の油圧ポンプ装置36から作動油
の供給を受ける旋回駆動装置としての油圧モータ35で、
旋回ベアリング32(図3参照)のアウタレースを回転駆
動することにより行なわれるようになっている。旋回ベ
アリング32は、そのアウタレースとインナレースとの相
対回転を許容しながら同アウタレースと同インナレース
との間への外水の浸入を防止するシールシステム33をそ
なえている。
【0026】機体フレーム22の前部には、同フレーム22
と一体のサポートフレーム40が、横フレーム41および縦
フレーム42をそなえるようにして設けられ、同サポート
フレーム40の上部にアーム11の基端が枢着されている。
【0027】そして、アーム11の先端部にはラダー4の
基端部が枢着され、サポートフレーム40の下部とアーム
11およびラダー4との間には、それぞれ油圧式のアーム
シリンダ21およびラダーシリンダ20が装架されている。
このようにして、ラダー4およびアーム11は、各油圧シ
リンダ20, 21により俯仰駆動される2リンク機構を構成
している。
【0028】なお、油圧シリンダとしてのラダーシリン
ダ20およびアームシリンダ21には、シリンダストローク
位置を検出する検出器を結合させ、予めシリンダストロ
ーク,旋回角度とバケットホイール1との関係を電気制
御装置39に内蔵させるとともに、水中作業機51の方位,
傾斜を検出させる検出器も内蔵させている。
【0029】本実施形態では、ラダー4の先端部に、水
中作業装置19としてバケットホイール1が装着されてい
る。バケットホイール1は、水車状にバケットを配した
もので、図1,2に示すように、同バケットホイール1
の回転軸5を傘歯車6を介して油圧モータ7により回転
駆動されるようになっており、その各バケットの縁部に
は掘削用のティース2が取り付けられている。このよう
なティース付きバケットホイール1が装備されると、軟
岩や土砂の掘削のほか、ヘドロの浚渫も可能になる。
【0030】また、バケットホイール1で掘削された土
砂や岩石を細かく破砕するため、櫛形の固定歯の間を通
り抜ける櫛形の可動歯をもったクラッシャ3が、バケッ
トホイール1と隣接するようにラダー4の先端部に設け
られていて、バケットホイール1と共通の回転軸5によ
り上記可動歯を回転駆動されながら作動するようになっ
ている。
【0031】クラッシャ3で破砕された掘削物と地下水
(または供給水)47(図4参照)との泥水状混合物を搬
送するため、同クラッシャ3に接続された搬送管8,
9,12, 13や可撓管10が、それぞれ止め金などによって
取り付けられている。上記泥水状混合物は機体フレーム
22上の搬送ポンプ14で吸引され、さらに同ポンプ14で流
量計15,土砂濃度計16, ホースねじれ自在継手17および
搬送ホース18を介して地上の濁水処理装置44(図4参
照)へ送り込まれるようになっており、濁水処理装置44
には同装置44で上記泥水状混合物から分離された水を地
下へ戻す排水管としてのホース43が接続されている。
【0032】前述のようにバケットホイール1およびク
ラッシャ3の作動は油圧モータ7で行なわれるが、この
水中作業機51の走行装置25の作動もスプロケット26に付
設された油圧モータで行なわれるようになっており、ま
たラダー4およびアーム11の旋回を機体フレーム22を介
して行なう油圧モータ35や、ラダー4およびアーム11の
俯仰を行なう各油圧シリンダ20, 21も設けられているの
で、これらの油圧式駆動装置へ油圧制御弁装置38を介し
て作動油を供給する油圧ポンプ36が、作動油タンク37に
接続されるようにして機体フレーム22に搭載されてい
る。
【0033】油圧制御弁装置38を機体フレーム22上の電
気制御装置39を介して遠隔制御する操作装置は、図4に
示す地上の指令所45に装備されており、同指令所45には
搬送ポンプ14や油圧ポンプ36の各駆動用電動機へ電力を
供給するための電源も装備されている。なお、図4にお
ける符号48は信号伝達用の光ファイバケーブルを示す。
【0034】さらに、水中作業機51に装備された送波器
24からの信号を地下の3個の受波器46を介し受信して同
水中作業機51の位置を検知する位置検知手段も、地上の
指令所45に装備されている。そして、電気制御装置39に
内蔵された検出器で水中作業機51の方位や傾斜も検出さ
れるので、指令所45では水中作業機51の位置のみなら
ず、その向きや傾斜も検知することができる。
【0035】本実施形態の水中作業機およびその設備
は、上述のように構成されているので、図4に示すよう
に、水中作業機51が地下の水底に沿い水没状態で走行し
ながら、そのアーム11およびラダー4の水平旋回,俯仰
により同ラダー4の先端部のティース2付きバケットホ
イール1の位置決めを制御され、同バケットホイール1
で掘削された土砂や岩石が、同バケットホイール1に隣
接するクラッシャ3で細かく破砕される。このようにし
て、破砕され水と混合された泥状の掘削物は、クラッシ
ャ3に接続された搬送管8,9,12, 13および可撓管10
を介し搬送ポンプ14で吸引される。その際、流量計15お
よび土砂濃度計16の計測値を指令所45で見て、搬送土砂
濃度を適性化するように搬送ポンプ14の吸引速度を制御
し、ホースねじれ自在継手17および搬送ホース18を介し
て地上の濁水処理装置44まで上記泥状の掘削物の搬送が
行なわれる。なお、流量計15および土砂濃度計16の検出
信号に基づき搬送ポンプ14の吸入速度を自動的に制御す
る搬送ポンプ制御系が設けられてもよく、このようにす
れば上記の掘削物と水との混合物が搬送系で詰まりを起
こすのを的確に防止することができる。
【0036】水中作業機51の走行制御や、ラダー4およ
びアーム11の旋回俯仰制御は、制御系によって次のごと
く遠隔的に行なわれる。すなわち、走行装置25における
左右のスプロケット26の作動を行なう油圧モータや、バ
ケットホイール1の回転を行なう油圧モータ7およびラ
ダー4,アーム11の俯仰を行なう各油圧シリンダ20,21
ならびにラダー4,アーム11の旋回台としての機体フレ
ーム22の旋回を行なう油圧モータ35等の各油圧式駆動装
置は、その作動油の供給を機体フレーム22上の油圧制御
弁装置38を介して油圧ポンプ36により受けるが、油圧制
御弁装置38の制御は電気制御装置39を介し地上の指令所
45における操作装置によって遠隔的に行なわれる。そし
て、油圧ポンプ36の駆動用電動機への電力供給も、指令
所45に装備された電源から行なわれる。
【0037】本実施形態では、アーム11およびラダー4
が前述のように2リンク機構を構成し、特にラダー4お
よびアーム11の各油圧シリンダ20, 21の基端部がいずれ
もサポートフレーム40の下部に枢着されているので、同
サポートフレーム40の上部にアーム11の基端部24が枢着
され、同アーム11の先端部にラダー4の基端部が枢着さ
れることと相まって、バケットホイール1の地盤への食
い込み動作が力強く的確に行なわれる効果がある。
【0038】さらに、水没状態の水中作業機51の位置の
検知は、同水中作業機51に装着された3個の送波器24か
らの信号を3個の受波器46を介して受信することによ
り、指令所45に併設された位置検知手段で適切に行なわ
れる。そして、水中作業機51の方位や傾斜も、電気制御
装置39に内蔵された前述の検出器からの信号により指令
所45にて把握される。
【0039】水中作業機51のバケットホイール1で掘削
され地上まで搬送された掘削物と水との混合物は、濁水
処理装置44で処理されて水を分離され、その水はホース
43を通じ地下へ戻される。
【0040】図5は本発明の水中作業設備の他の使用状
態を示しており、一側を堰49で支持される貯水55の水底
で水中作業機51がヘドロ53の浚渫作業を行なっている
が、制御信号や電力を地上から水中作業機51へ送る複合
テザーケーブル54やバケットホイール1の掘削物と水と
の混合物を地上へ送る搬送ホース18がブイ52で支えられ
るようになっていたり、搬送された混合物のための濃縮
脱水処理装置50が地上に設けられるほかは、前述の地下
空間における掘削作業の場合とほぼ同様の設備で作業が
行なわれるようになっている。
【0041】このようにして本発明の水中作業機および
水中作業設備によれば、水底で水中作業機51のラダー先
端部のバケットホイール1により掘削された土砂や岩石
が、同バケットホイールに隣接するクラッシャ3で破砕
され、同水中作業機51上の搬送ポンプ14により泥水状態
で地上まで搬送されるようになり、大深度の地下や貯水
ダムの水底でも掘削作業および搬出作業を連続的に能率
よく行なえるようになる。そして水中作業機51の走行制
御やラダー4およびアーム11の旋回俯仰制御が、地上の
指令所45での水中作業機の位置,方位および傾斜の検知
と相まって、遠隔的に且つ安全に行なわれるようにな
り、また地上の指令所45における操作装置での制御をプ
ログラム化して、掘削作業および搬出作業を自動化する
ことも可能になる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の水中作業
機および水中作業設備によれば、次のような効果が得ら
れる。 (1) 地下の水底に沿い水没状態で走行しうる水中作業機
が、そのラダーの十分な水平旋回とアームを含んだ2リ
ンク機構式の俯仰とによる同ラダー先端部の水中作業装
置の位置決めを、遠隔制御系によって的確に制御される
ようになる。 (2) 上記ラダーを先端部に枢着されたアームが、旋回台
としての機体フレームと一体のサポートフレーム上部に
基端部を枢着され、ラダーシリンダおよびアームシリン
ダの各基端部が共に上記サポートフレームの下部に枢着
されているので、ラダー先端部のバケットホイールのご
とき水中作業装置の地盤への食い込み動作が力強く的確
に行われるようになる。 (3) 上記機体フレームを旋回可能に支持する旋回ベアリ
ングが、そのアウタレースをモータで自由に回転駆動さ
れるようになっているので、上記機体フレームにアーム
を介して設けられたラダーの先端部の水中作業装置も、
360度にわたって旋回制御されるようになる。 (4) 上記機体フレームを旋回可能に支持する旋回ベアリ
ングが、そのアウタレースとインナレースとの間への外
水の浸入を防止するシールシステムをそなえているの
で、水没状態での水中作業が支障なく行なわれる。 (5) 上記水中作業装置が掘削用のティース付きバケット
ホイールの場合、岩や土砂の掘削のほか、ヘドロの浚渫
も可能になり、掘削物と水との混合物やヘドロは、クラ
ッシャを経由して搬送ポンプにより地上まで搬送され
る。 (6) 上記水中作業機における走行装置の作動や上記バケ
ットホイールの回転および上記ラダーの旋回俯仰を行な
う各油圧式駆動装置のための油圧制御弁装置が、地上の
指令所における操作装置によって遠隔的に且つ適切に制
御されるようになる。 (7) 水没状態の水中作業機の位置の検知が、同水中作業
機に装着された送波器からの信号の受信により、上記指
令所に併設された位置検知手段で的確に行なわれる。 (8) 水中作業機の方位および傾斜の検出器が設けられ
て、その検出信号が上記指令所に伝達されるので、作業
場所における上記水中作業機の姿勢が十分に把握される
ようになる。 (9) 上記水中作業機で掘削され搬送管を通じ地上まで搬
送された掘削物と水との混合物は、濁水処理装置で処理
されて水を分離され、その水は排水管を通じ地上へ戻さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての水中作業機の側面
図である。
【図2】図1の水中作業機の平面図である。
【図3】図1,2の水中作業機の要部を示す正面図であ
る。
【図4】図1の水中作業機を含む水中作業設備の使用状
態を示す説明図である。
【図5】図1の水中作業機を含む水中作業設備の他の使
用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 バケットホイール 2 掘削用ティース 3 クラッシャ 4 ラダー 5 回転軸 6 傘歯車 7 油圧モータ 8,9 搬送管 10 可撓管 11 アーム 12,13 搬送管 14 搬送ポンプ 15 流量計 16 土砂濃度計 17 ホースねじれ自在継手 18 搬送ホース 19 水中作業装置 20 ラダーシリンダ 21 アームシリンダ 22 機体フレーム 23 上部構造 24 送波器 25 走行装置 26 走行モータ付きスプロケット 27 アイドルホイール 28 トラック 29 クローラ 30 トラックフレーム 31 フランジ 32 旋回ベアリング 33 シールシステム 34 ロータリジョイント 35 旋回モータ 36 油圧ポンプ装置 37 作動油タンク 38 油圧制御弁 39 電気制御装置 40 サポートフレーム 41 横フレーム 42 縦フレーム 43 ホース 44 濁水処理装置 45 指令所 46 受波器 47 地下水又は供給水 48 光ファイバケーブル 49 堰 50 濃縮脱水処理装置 51 水中作業機 52 ブイ 53 ヘドロ 54 複合テザーケーブル 55 貯水

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水没状態で水底に沿い走行するための走
    行装置をそなえた水中作業機において、上記走行装置の
    上部に旋回可能に装着された機体フレームと、同機体フ
    レームを上記走行装置に対し旋回駆動するための旋回駆
    動装置と、上記機体フレームと一体のサポートフレーム
    の上部に基端部を枢着されたアームと、同アームの先端
    部に基端部を枢着されたラダーと、同ラダーの先端部に
    装着された水中作業装置とをそなえ、上記サポートフレ
    ームの下部と上記のアームおよびラダーとの間にそれぞ
    れ装架された油圧式のアームシリンダおよびラダーシリ
    ンダとが設けられて、上記走行装置による移動と、上記
    旋回駆動装置による上記機体フレームの旋回動作と、上
    記のアームシリンダおよびラダーシリンダによる上記の
    アームおよびラダーの各俯仰動作とにより、上記水中作
    業装置の位置制御を行なうための遠隔制御系が設けられ
    たことを特徴とする、水中作業機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の水中作業機において、
    上記走行装置の上部のトラックフレームに上記機体フレ
    ームがロータリジョイントおよび旋回ベアリングを介し
    て旋回可能に装着され、上記旋回駆動装置が上記旋回ベ
    アリングのアウタレースを回転駆動しうるモータとして
    設けられたことを特徴とする、水中作業機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水中作業機に
    おいて、上記旋回ベアリングのアウタレースとインナレ
    ースとの相対回転を許容しながら同アウタレースと同イ
    ンナレースとの間への外水の浸入を防止するシールシス
    テムが設けられたことを特徴とする、水中作業機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の水
    中作業機において、上記水中作業装置が、上記ラダーの
    先端部に装着されたティース付バケットホイールと同バ
    ケットホイールの掘削物を受けて破砕すべく同バケット
    ホイールに隣接して設けられたクラッシャとで構成さ
    れ、同クラッシャで破砕された掘削物を同クラッシャに
    接続された搬送管を介し水との混合状態で吸引して地上
    まで搬送する搬送ポンプが装備されたことを特徴とす
    る、水中作業機。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の水中作業機において、
    上記搬送ポンプで搬送される掘削物と水との混合物の混
    合濃度および流量を検出する各センサからの検出信号に
    基づき、上記搬送ポンプの吸入速度を制御する搬送ポン
    プ制御系が設けられたことを特徴とする、水中作業機。
  6. 【請求項6】 水没状態で水底に沿い走行するための操
    舵可能な左右のクローラを含む油圧駆動式走行装置をそ
    なえた水中作業機と、同水中作業機へ電力を供給する電
    源および同水中作業機を遠隔制御する操作装置を含んだ
    地上の指令所とからなり、上記水中作業機には、上記走
    行装置の上部のトラックフレームにロータリジョイント
    および旋回ベアリングを介して旋回可能に装着された機
    体フレームと、同機体フレームを旋回駆動すべく上記旋
    回ベアリングのアウタレースをギヤを介し360度にわた
    って回動させうる旋回駆動用油圧モータと、上記機体フ
    レームと一体のサポートフレームの上部に基端部を枢着
    されたアームと、同アームの先端部に基端部を枢着され
    たラダーと、上記サポートフレームの下部と上記のアー
    ムおよびラダーとの間にそれぞれ装架された油圧式のア
    ームシリンダおよびラダーシリンダと、上記ラダーの先
    端部に装着された油圧モータ駆動式の掘削用ティース付
    きバケットホイールおよび同バケットホイールと隣接し
    て連動するように設けられたクラッシャと、同クラッシ
    ャで破砕された掘削物を同クラッシャに接続された搬送
    管を介し水との混合状態で吸引して地上まで搬送する搬
    送ポンプとが装備されるとともに、上記走行装置におけ
    る操舵走行用油圧モータ,上記の旋回駆動用油圧モー
    タ,アームシリンダおよびラダーシリンダならびに上記
    のバケットホイールおよびクラッシャを駆動する油圧モ
    ータへ油圧制御弁装置を介して作動油を供給する油圧ポ
    ンプが装備され、上記指令所には上記油圧ポンプの駆動
    用電動機へ電力を供給する電源と、上記油圧制御弁装置
    を遠隔制御する操作装置とが装備されたことを特徴とす
    る、水中作業設備。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の水中作業設備におい
    て、上記水中作業機に装着された送波器からの信号をこ
    れに対応する受波器で受信することにより同水中作業機
    の位置を検知するための位置検知手段が、上記指令所に
    併設されていることを特徴とする、水中作業設備。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の水中作業設備
    において、上記搬送ポンプにより搬送管を介し地上まで
    搬送された掘削物と水との混合物を受ける濁水処理装置
    が設けられ、同濁水処理装置で上記混合物から分離され
    た水を地下へ戻す排水管が同濁水処理装置に接続されて
    いることを特徴とする、水中作業設備。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の水中作業設備におい
    て、上記水中作業機に、その方位および傾斜を検出する
    検出器が設けられ、同検出器の検出信号も上記指令所に
    伝送されるように構成されたことを特徴とする、水中作
    業設備。
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