JPH09296391A - 補強紙 - Google Patents

補強紙

Info

Publication number
JPH09296391A
JPH09296391A JP11500796A JP11500796A JPH09296391A JP H09296391 A JPH09296391 A JP H09296391A JP 11500796 A JP11500796 A JP 11500796A JP 11500796 A JP11500796 A JP 11500796A JP H09296391 A JPH09296391 A JP H09296391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
viscose
processed
strength
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11500796A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Kobayashi
▲ひろし▼ 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP11500796A priority Critical patent/JPH09296391A/ja
Publication of JPH09296391A publication Critical patent/JPH09296391A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用に耐え、また湿潤状態でも紙強
度を維持できる補強紙を提供すること、その際、紙の透
水性、通気性を維持すること、さらに回収・再使用がで
きるよう天然由来の物で補強すること。 【解決手段】 厚みが30〜120g/m2 である原紙
に、ビスコース溶液を塗布したのち凝固処理し、かつ塗
布量が1〜30g/m2 である加工紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーヨン紡糸に使
用されるいわゆるビスコース溶液を用いて補強された紙
に関し、具体的には、段ボール箱や生ゴミ袋等に用いる
に好適な生分解性のある加工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】紙はその性能に比して、取り扱いの簡便
さとコストの低さから各種用途に幅広く使用されてい
る。しかし、紙製品には一般に繰り返し使用に耐える耐
久性はなく、多くは使い捨て用途に使用される。特に粘
着テープによる簡易包装や、ワープロにより機械印字さ
れた粘着ラベルの使用による簡易宛名書き方法の普及に
より、表面剥離強度が比較的小さい紙類は、ますます使
い捨てされる傾向にある。
【0003】近年、資源の有効利用の観点から紙を一回
きりの使い捨てとせず、使用済み紙類を回収して、再生
紙として再利用するようになってきた。しかし、古紙と
して回収される割合が高くなっても、再生紙の強度は再
生するたびに確実に低下し、また、再生処理に伴う廃棄
物の処理が必要である。また、紙類には水に濡れること
により強度が著しく低下する欠点があるため、湿潤状態
になることが前提となる用途に使用することも一般に困
難である。
【0004】これまで、紙の繰り返し使用や、湿潤状態
での使用のために、紙の耐久性を上げる多くの研究開発
がなされてきた。たとえば、合成繊維を混抄して疎水性
を強くしたり、合成高分子のフィルムとラミネーション
した紙、或いは合成高分子の乳化液を塗布して補強した
紙等が提案されている。しかし、これらはいずれも合成
高分子を使用するためにセルロースの生分解性が阻害さ
れる。そのため紙の再生対象となりにくい問題点があ
る。
【0005】一方、レーヨン紡糸で使用するいわゆるビ
スコースで補強したビスコース加工紙は、高い強度と耐
水性を有し、古くから各種の用途開発が行われている。
たとえば、薫製用ハム・ソーセージのファイブラスケー
シング(特開平6−312494号公報、特開平6−2
17678号公報、特開平63−296647号公報、
USP3956539号)、繊維等のコーティング(特
開平1−33278号公報、特開昭62−141143
号公報、特公昭48−6641号公報、特公昭46−3
6488号公報、USP3278329号、USP38
89038号)、フィルター(BRA8301403
号)、テープ(特公昭56−3960号公報、特公昭5
4−44016号公報)等の例がある。
【0006】しかし、単に紙にビスコースを塗布処理し
ただけでは、紙の特性である透水性や通気性が損なわれ
ることがある。これまで厚みが坪量で特定範囲にある原
紙を使用した加工紙の例は無く、また加工紙の表面剥離
強度に着目した用途の例もない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】紙強度を上げて繰り返
し使用に耐えられる耐久性ある紙類を提供すること、特
に、複数回の粘着テープ剥離に耐えられる剥離強度を有
する補強紙を提供すること、また、湿潤状態でも紙強度
を維持できる補強紙を提供すること、その際、紙の透水
性、通気性を維持すること、さらに補強紙の回収・再使
用ができるように天然由来の物で補強することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、特定の坪量の原紙を用い、かつ特定量のビスコー
ス塗布処理を行うことにより、前記の課題を解決できる
ことを見いだし、本発明に到達した。すなわち本発明の
第1は、厚みが坪量で30g/m2 以上120g/m2
以下である原紙に、ビスコース溶液を塗布したのち、凝
固処理したビスコース加工紙であって、ビスコース塗布
量が1g/m2 以上30g/m2 以下であるビスコース
加工紙である。
【0009】発明の第2は、ウェット抗張力が1kg/
15mm以上15kg/15mm以下である発明の第1
に記載のビスコース加工紙である。発明の第3は、原紙
がパルプから製造された紙である発明の第1または第2
に記載のビスコース加工紙である。まず原紙は、工業的
に製造されうる安価な紙であればよいが、特に厚みが坪
量で30g/m2 以上120g/m2 以下であることを
要する。厚みが下限未満では、ビスコース液の塗布浸透
・凝固処理は容易であるものの、製造時の紙切断トラブ
ルが発生しやすい。一方厚みが上限を超えるとビスコー
スの原紙への塗布浸透・凝固処理が行われにくくなるの
で好ましくない。より好ましい坪量範囲は35〜60g
/m2 である。
【0010】原紙は、ビスコース加工によって補強され
るので、原紙そのものの強度は重要ではない。むしろ生
分解性が必要である。従って原紙はサルファイトパルプ
紙、或いは低叩解紙で十分である。本発明にいうビスコ
ース溶液とは、いわゆるレーヨン紡糸に使用されるパル
プ溶解液であり、水酸化ナトリウムと二硫化炭素、水が
使用される。ビスコース溶液におけるセルロース濃度は
2.5〜8.5wt%が望ましく、水酸化ナトリウム濃
度は1.5〜7wt%が望ましい。また、フリーの二硫
化炭素は反応によりビスコース溶液中にはほとんど残存
しないが、キサントゲン酸として反応した濃度としては
1〜4%が望ましい。
【0011】品質の良いビスコース加工紙を効率よく製
造するための、より好ましいビスコース溶液の条件は、
セルロースの濃度3〜8wt%、水酸化ナトリウム2〜
6wt%、硫酸凝固液は6〜8wt%である。溶解する
セルロースには、天然セルロース或いはその誘導体を含
む。ビスコース溶液の塗布方法は特に限定されず、鉄製
ロールによる塗布方法でも良いし、不織布等に溶液を含
浸した後ロールやドクターナイフで厚みを出す方法でも
良い。
【0012】ビスコース塗布量は1g/m2 以上30g
/m2 以下であることが必要である。塗布量は原紙の厚
みにも依存するが、1g/m2 未満では補強が不十分で
あり、発明の目的を達しない。また30g/m2 を超え
ると、コーティング層がフィルム状に厚くなり、可撓性
が失われる。また紙本来の特性である透水性、通気性が
低下する問題点があり、コスト的にも不利である。より
好ましい塗布量の範囲は2〜20g/m2 である。
【0013】なお、ここにいう塗布量とは、原紙にビス
コース溶液を塗布、凝固、乾燥処理を行った後の加工紙
の乾燥重量を測定し、これから原紙の乾燥重量を差し引
いたものをいい、いわゆる乾式での測定値で定義する。
ビスコース溶液を塗布した後、酸浴に浸して凝固処理を
行う。具体的には5〜10wt%の硫酸溶液に浸漬して
セルロースを凝固せしめることが望ましい。
【0014】その後水洗、乾燥して製品にする。本発明
の加工紙のウェット抗張力は1kg/15mm以上15
kg/15mm以下であることが必要である。加工紙を
用いた紙箱、紙袋等が水の存在下でも実用上安全に使用
できるには、加工紙のウェット抗張力は1kg/15m
m以上あることが必要である。また15kg/15mm
を上回るウェット抗張力を有する紙は、補強の必要性が
薄く、コスト的にも不利になる。
【0015】また原紙はさらしたもの、または未さらし
のものであっても良い。原紙がパルプから製造された紙
であることは望ましい。パルプ紙は繊維の短さから強度
が比較的小さいため、本発明による補強が有効である。
本発明の加工紙は、その高い表面剥離耐性を生かして、
段ボール箱や重袋のごとき紙容器の全体に使用しても良
いが、粘着テープや粘着ラベルを張り付ける部分のみに
使用しても良い。一部に使用する場合、その部位として
は、段ボール箱等の組立時に粘着テープを貼り付ける端
部や、宛名等を記載した粘着ラベルを貼り付ける箱の上
面や側面に接着することが望ましい。
【0016】加工紙を段ボール箱等に使用する場合は、
上記の部位に加工紙を接着剤で貼り付ける必要がある。
接着剤は通常の紙類に使用する一般の糊類を使用して充
分な強度を得ることができる。郵送用封筒或いは事務用
封筒等に関しても同じである。ビスコース加工紙を貼り
付けた部分は、加工紙を使用していない場合と比較して
粘着テープ、粘着ラベルの接着強度が低下することはな
い。
【0017】加工紙の上に貼り付けた粘着テープ類は、
一定時間経過後に剥離しても加工紙やその下の段ボール
等が損傷を受けることが無い。この特性はさらに複数回
の剥離試験を行った場合でも維持される。また、本発明
の加工紙は、その高い湿潤強度、透水性を生かして、水
分を含んだ物をいれる袋、たとえば生ゴミ袋に適してい
る。ビスコース加工紙は本来親水性であり、更にビスコ
ース塗布量を調整することにより、透水性を維持するこ
とができるので、水分の蒸散すなわち生ゴミの自然乾燥
が可能である。また悪臭の防止低減ができる。
【0018】さらにビスコース加工紙は生分解性であ
り、その分解物も無害性であるから生ゴミをコンポスト
化したり堆肥化するときでも、袋のまま作業でき衛生的
である。また水袋として、ディスポ氷嚢や加湿ユニット
等にも有用である。原紙の厚みとビスコース塗布量をコ
ントロールすることにより、果樹包装、なま物包装に使
用することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を説明
する。
【0020】
【実施例1】セルロース濃度6wt%、水酸化ナトリウ
ム濃度6wt%、キサントゲン酸として反応した二硫化
炭素の濃度2.3%のビスコース溶液を調整し、坪量5
0g/m2 の未さらしのクラフト紙に鉄製ロールで3.
1g/m2 塗布した。つぎに7wt%の硫酸溶液に浸漬
して凝固せしめたあと、水洗、乾燥を行ってビスコース
加工クラフト紙を得た。
【0021】このビスコース加工クラフト紙を、幅5c
mで、ダンボール(Kライナー)の粘着テープを貼り付
ける端辺に液状のり(商品名:アラビックヤマト、ヤマ
ト(株)製)で貼りつけ、適当に乾燥させたあと、粘着
テープ(段ボール梱包用強粘着タイプ、ニチバン社製)
を貼り付けた。一週間後にテープを剥離したが、加工紙
の表面が段ボールから剥げることもなく、無傷で剥離で
きた。さらに10回剥離試験を繰り返したが、表面剥離
による構造破壊は生じなかった。
【0022】
【実施例2】実施例1と同様にして、長方形(80cm
×40cm)の加工紙を作成した。この加工紙のウェッ
ト抗張力は1.3Kg/15mmであった。長方形の短
辺に平行な中心線で二つ折りして、両側面を糸縫いし、
40cm×40cmの袋を作製した。
【0023】袋は、野菜の生ゴミ8kgを詰めて、袋が
濡れた状態で取り扱っても破れることはなく、水切りも
良好であった。一晩放置後、袋は乾燥し、中の生ゴミも
乾燥が進んでいた。袋を封した状態では生ゴミの臭いは
外部に漏れなかった。
【0024】
【発明の効果】ビスコース加工紙のドライ抗張力は原紙
のそれに比べて通常2倍以上になるので紙の強度が上が
り、繰り返し使用に耐えられる耐久性ある紙類が得られ
る。特に、複数回の粘着テープ剥離に耐えられる表面剥
離強度のある紙が得られる。粘着テープの接着強度も低
下しない。また加工紙自体は通常の天然糊で強固に紙箱
や封筒に貼りつけることができる。
【0025】湿潤状態でも紙強度を維持することがで
き、その際、透水性、通気性を維持することが可能で、
さらにビスコース加工紙は、ほとんどセルロースからで
きているので、紙の回収・再使用ができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが坪量で30g/m2 以上120g
    /m2 以下である原紙に、ビスコース溶液を塗布したの
    ち、凝固処理したビスコース加工紙であって、ビスコー
    ス塗布量が1g/m2 以上30g/m2 以下であるビス
    コース加工紙。
  2. 【請求項2】 ウェット抗張力が、1kg/15mm以
    上15kg/15mm以下である請求項1記載のビスコ
    ース加工紙。
  3. 【請求項3】 原紙がパルプから製造された紙である請
    求項1または2記載のビスコース加工紙。
JP11500796A 1996-05-09 1996-05-09 補強紙 Pending JPH09296391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11500796A JPH09296391A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 補強紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11500796A JPH09296391A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 補強紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09296391A true JPH09296391A (ja) 1997-11-18

Family

ID=14651981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11500796A Pending JPH09296391A (ja) 1996-05-09 1996-05-09 補強紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09296391A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152472A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sansho Kk 皮膜形成多孔質シートの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006152472A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Sansho Kk 皮膜形成多孔質シートの製造方法
JP4660170B2 (ja) * 2004-11-26 2011-03-30 三晶株式会社 皮膜形成多孔質シートの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU714188B2 (en) Water-disintegratable fibrous sheet
US7642490B2 (en) Single ply paper product, method for manufacturing, and article
US3135613A (en) Impregnated paper web and method of making sausage casings therefrom
JP3324155B2 (ja) 繊維が接着された基質及びその製造方法並びに該基質にて補強された包装材
KR950018947A (ko) 횡방향 인열 강도가 향상된 중합체 보강지
JPH11514595A (ja) 薄片化可能なパッケージ用ラミネートおよびその製造方法
CA3159460A1 (en) Repulpable, recyclable, compostable and biodegradable reinforcement elements and paper reinforced tapes, and containers including the same
JPH09296391A (ja) 補強紙
JPH09290825A (ja) 耐久性紙容器
JP5613614B2 (ja) 環境に配慮した粘着テープ紙及びそれから作られた粘着テープ
US4009319A (en) Regenerated cellulose film, aluminum foil laminates and method for producing same
EP0549803A1 (en) Packaging material and methods of manufacturing and disposing of said material
JP2006298414A (ja) 油脂成分包装用紙
JPH1096188A (ja) 複層ビスコース加工紙
JP3053431B2 (ja) 包装材、その製造方法および処理方法
JPH07189182A (ja) 紙製エアーマット緩衝材用シート及びその製造方法
US2123700A (en) Nonfibrous film and method of making same
TW518280B (en) Method for producing disposable wiping sheet
JP3268522B2 (ja) 電子部品用キャリアテープ紙
FR2663350A1 (fr) Nouveau papier pour emballage, notamment resistant a l'humidite et pouvant etre thermoscelle.
JP3273393B2 (ja) 防湿紙
JPH09290839A (ja) 生ゴミ袋
JPH0581018U (ja) バルカナイズドファイバー製の鋸歯刃つきシ−トならびに該シ−トを接着させたカ−トン
JP2023061025A (ja) 包装材およびペーパーロール包装体の製造方法
JP2002355918A (ja) 包装容器用こんにゃくラミネート紙板及びラミネート用こんにゃくフィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A02 Decision of refusal

Effective date: 20041130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02