JPH09295208A - 油圧チャックの制御装置 - Google Patents

油圧チャックの制御装置

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JPH09295208A
JPH09295208A JP10933496A JP10933496A JPH09295208A JP H09295208 A JPH09295208 A JP H09295208A JP 10933496 A JP10933496 A JP 10933496A JP 10933496 A JP10933496 A JP 10933496A JP H09295208 A JPH09295208 A JP H09295208A
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JP
Japan
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pressure
chuck
grasping
grasping force
hydraulic
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Application number
JP10933496A
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English (en)
Inventor
Norizo Yamaguchi
典三 山口
Kazunobu Tomota
和伸 友田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09295208A publication Critical patent/JPH09295208A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークの種類変更に伴う把握力設定の自動
化,容易化を図る。加えて、より高度なフェイルセー
フ、より高度な精度での圧力制御を可能にする。 【解決手段】 チャックシリンダ(2)に供給する作動
油の圧力を油圧パイロット作動形の電磁比例式減圧弁
(6a,6b)により機械的フィードバック制御する。
圧力センサ(13a,13b)に基づいて作動油の圧力
を電気的フィードバック制御して二重の閉ループを構成
する。メインコントローラ(8)にワークの把握力決定
要素を入力することによりホストコンピュータ(9)内
の把握力情報としてのデータベースから目標把握力を取
り込み、ディジタルコントローラ(7)に出力する。デ
ィジタルコントローラ(7)からの出力によりメインコ
ントローラ(8)で把握完了表示及びアラーム表示をす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを把握する
ための油圧チャックの把握力を制御する制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の油圧チャックの制御
装置として、油圧チャックを開閉するためのチャックシ
リンダに対し作動油を供給する電磁比例弁をフィードバ
ック制御するものが知られている(例えば、特開平4−
343605号公報、特開平4−289007号公報参
照)。このものでは、電磁比例弁として入力信号に応じ
て開度が変更されるスプール式のものを用い、この電磁
比例弁のチャックシリンダ側の作動油の圧力を圧力セン
サにより検出し、この圧力センサによる検出信号に基づ
いて上記チャックシリンダに供給される作動油の圧力が
設定圧力になるようにフィードバック制御を行ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
油圧チャックの制御装置においては、一般に、ワークの
種類を変更する毎に試行錯誤及び熟練作業者の経験に基
づき上記設定圧力の値を決定し、この圧力値が入力設定
されるため、ワーク種別を変更する毎に設定圧力の決定
のための手間を必要とする上、その決定した圧力値が必
ずしも最適値であるとは限らない。
【0004】また、圧力センサを用いてフィードバック
制御をするにしても、圧力センサの故障時や圧力センサ
のハーネスの断線・短絡時には制御が不能もしくは不正
確になるおそれがある。
【0005】さらに、銅やアルミニウム等のワークの材
質によっては、より精密に設定圧力に制御して制御圧力
の精度の向上を図る必要がある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ワークの種類
変更に伴う把握力設定の自動化,容易化を図ることにあ
る。加えて、より高度なフェイルセーフ、及び、より高
度な精度での圧力制御を可能にすることをも目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、主軸の一端に装着されてワ
ークを把握するチャックと、このチャックを開閉させる
チャックシリンダ(2)と、このチャックシリンダ
(2)に供給される作動油の圧力を調整する電磁比例式
制御弁とを備えた油圧チャックの制御装置を前提とす
る。このものにおいて、各種ワークについての把握力情
報がデータベースとして予め記憶保持されその把握情報
を処理するデータ処理手段(9)を備える。加えて、特
定ワークについての把握力決定要素の入力設定により上
記データ処理手段(9)から上記特定ワークについての
特定把握力情報の出力を受けて、上記チャックの把握力
が上記特定把握力情報に基づく目標把握力になるように
上記電磁比例式制御弁を制御する制御手段を備える構成
とする。
【0008】上記の構成の場合、ワークの種類を変更す
る際には、その変更対象のワークについての例えば材
質,形状等の把握力決定要素を制御手段に入力設定する
ことにより、以後、上記制御手段によってデータ処理手
段(9)のデータベースからその特定のワークについて
の特定把握力情報が出力され、チャックの把握力がこの
特定把握力情報に基づく目標把握力になるように電磁比
例制御弁の制御が行われる。このため、ワークの種類変
更に伴う把握力設定が自動化されて容易化が図られ、制
御側のみに人員を配置するだけでよく油圧チャック側で
の無人化が可能になる。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、制御手段として、特定ワークについての把
握力決定要素の入力設定により上記特定ワークについて
の特定把握力情報を上記データ処理手段(9)から出力
させる主制御手段(8)と、この主制御手段(8)から
上記特定把握力情報の出力を受けて、チャックの把握力
が上記特定把握力情報に基づく目標把握力になるように
電磁比例式制御弁を制御する把握力制御手段(7)とを
備えているものとする。
【0010】上記の構成の場合、データ処理手段(9)
のデータベースからの特定把握力情報の取り出しが主制
御手段(8)により行われる一方、電磁比例式制御弁の
制御が把握力制御手段(7)により行われる。すなわ
ち、目標把握力等の数値情報についての制御と、作動油
の圧力についての制御とが専用の制御手段により行われ
る。
【0011】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明における把握力制御手段をディジタルコントローラ
(7)とするものである。
【0012】上記の構成の場合、電磁比例式制御弁の制
御、すなわち、作動油の圧力の制御が数値制御により行
われ、これにより、上記圧力の制御についての精度の向
上が図られる。
【0013】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるデータ処理手段(9)として、把握力決定
要素に基づき目標把握力を演算処理する演算処理部と、
上記把握力決定要素に基づき目標把握力を実測により推
定処理する推定処理部と、上記把握力決定要素の組み合
わせに対応する種々の目標把握力がテーブルとして予め
入力設定され上記把握力決定要素に基づき目標把握力を
検索処理する把握力情報テーブル部との内の一以上のも
のを把握力情報として備えているものとする。
【0014】上記の構成の場合、データ処理手段(9)
にデータベースとして記憶保持されている把握力情報が
演算処理部,推定処理部,及び,把握力情報テーブルの
内の一以上のものにより構成されているため、変更対象
の特定のワークに応じて最適な目標把握力が得られる。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明における電磁比例式制御弁をチャックシリンダ(2)
側の作動油の圧力をフィードバックする油圧パイロット
作動形の電磁比例式減圧弁(6a,6b)とするもので
ある。
【0016】上記の構成の場合、電磁比例式減圧弁(6
a,6b)が油圧パイロット形とされてチャックシリン
ダ(2)側の圧力が機械的にフィードバックされるよう
になるため、上記電磁比例式減圧弁(6a,6b)を従
来の制御装置の如く圧力センサを用いて電気的にフィー
ドバック制御する構成としなくても、チャックシリンダ
(2)に供給される作動油の圧力制御が可能となる。こ
れにより、上記圧力センサやフィードバック制御の省略
が可能となり、制御装置の簡略化、コストの低減化が図
られる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、電磁比例式減圧弁のチャックシリンダ
(2)側の作動油の圧力を検出する圧力検出手段(13
a,13b)を備える。そして、制御手段を上記圧力検
出手段(13a,13b)からの圧力検出信号に基づい
てフィードバック制御するように構成するものである。
【0018】上記の構成の場合、上記の電磁比例式減圧
弁(6a,6b)における油圧パイロットによる機械的
なフィードバックに加えて、圧力検出手段(13a,1
3b)による電気的なフィードバック制御が付加される
ため、請求項5記載の発明の場合と比べ、より確実かつ
正確な圧力制御が可能となる。加えて、この場合、上記
圧力センサの故障や圧力センサのハーネスの断線・短絡
時においても、上記機械的なフィードバックによりチャ
ックシリンダ(2)に供給される作動油の圧力が所定の
値を超えることのないように維持される。
【0019】請求項7記載の発明は、請求項6記載の発
明において、表示手段を備える。そして、制御手段を、
目標把握力に対応する圧力値と圧力検出手段からの検出
圧力値との偏差が把握完了判定用の設定偏差より小さい
とき、把握完了信号を上記表示手段に出力するように構
成する。加えて、上記表示手段を、上記把握完了信号の
出力を受けて把握完了表示を表示するように構成するも
のである。
【0020】上記の構成の場合、目標把握力に対応する
圧力値と、検出圧力値との偏差が設定偏差より小さいと
き、すなわち、上記偏差が微小量であって検出圧力値が
目標把握力に対応する圧力値とほぼ合致するとき、把握
完了信号が出力され、これにより、表示手段に把握完了
した旨の表示が行われる。これにより、作業者はチャッ
クによるワークの把握が完了したことを目視で確認する
ことができ、次の切削工程等のワークの加工工程へ無駄
なく移行させることが可能になる。そして、チャック工
程と加工工程との間の非加工時間の大幅な短縮化により
油圧チャックが装着された加工機械の機械効率の向上が
図られる。
【0021】請求項8記載の発明は、請求項6記載の発
明において、制御手段を、目標把握力に対応する圧力値
と圧力検出手段からの検出圧力値との偏差が把握完了判
定用の設定偏差より大きい状態が異常時判定用の設定時
間経過後も継続するとき、アラーム信号を出力するよう
に構成するものである。なお、上記アラーム信号の出力
は、警報による音もしくは警告灯の点灯,点滅による光
によって、または、表示手段への表示等によって行われ
る。
【0022】上記の構成の場合、目標把握力に対応する
圧力値と、検出圧力値との偏差が設定偏差より大きい状
態が設定時間経過後も継続するとき、アラーム信号が出
力され、これにより、作業者は異常の発生を迅速に発見
することが可能になる。
【0023】請求項9記載の発明は、請求項1記載の発
明において、主軸の回転数を検出する回転数検出手段を
備える。そして、制御手段またはデータ処理手段(9)
が、目標把握力に対し、上記回転数検出手段からの主軸
の検出回転数に基づきチャックに作用する遠心力に相当
する分の補正を行う回転補正部を備えているものとす
る。
【0024】上記の構成の場合、回転補正部において、
回転数検出手段による検出回転数に基づいてチャックに
作用する遠心力が演算され、この遠心力によりワークの
把握力が低減する分に相当する増加補正が目標把握力に
対し行われる。これにより、主軸を回転させて切削加工
等の加工工程に移行しても、ワークの把握を確実に維持
することが可能になる。
【0025】また、請求項10記載の発明は、主軸の一
端に装着されてワークを把握するチャックと、このチャ
ックを開閉させるチャックシリンダ(2)と、このチャ
ックシリンダ(2)に供給される作動油の圧力を調整す
る電磁比例式制御弁とを備えた油圧チャックの制御装置
を前提とし、上記電磁比例式制御弁を、チャックシリン
ダ(2)側の作動油の圧力をフィードバックする油圧パ
イロット作動形の電磁比例式減圧弁(6a,6b)によ
り構成するものである。
【0026】上記の構成の場合、電磁比例式減圧弁(6
a,6b)が油圧パイロット形とされてチャックシリン
ダ(2)側の圧力が機械的にフィードバックされるよう
になるため、上記電磁比例式減圧弁(6a,6b)を従
来の制御装置の如く圧力センサを用いて電気的にフィー
ドバック制御する構成としなくても、チャックシリンダ
(2)に供給される作動油の圧力制御が可能となる。こ
れにより、上記圧力センサやフィードバック制御の省略
が可能となり、制御装置の簡略化、コストの低減化が図
られる。
【0027】さらに、請求項11記載の発明は、請求項
10において、電磁比例式減圧弁(6a,6b)のチャ
ックシリンダ(2)側の作動油の圧力を検出する圧力検
出手段(13a,13b)を備える。そして、上記電磁
比例式減圧弁を上記圧力検出手段(13a,13b)か
らの圧力検出信号に基づいてフィードバック制御する構
成とするものである。
【0028】上記の構成の場合、上記の電磁比例式減圧
弁(6a,6b)における油圧パイロットによる機械的
なフィードバックに加えて、圧力検出手段(13a,1
3b)による電気的なフィードバック制御が付加される
ため、請求項10記載の発明の場合と比べ、より確実か
つ正確な圧力制御が可能となる。加えて、この場合、上
記圧力センサの故障や圧力センサのハーネスの断線・短
絡時においても、上記機械的なフィードバックによりチ
ャックシリンダ(2)に供給される作動油の圧力が所定
の値を超えることのないように維持される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0030】図1は、本発明の実施形態に係る油圧チャ
ックの制御装置を示し、2は図示省略のチャックを開閉
作動させるチャックシリンダ、3a,3bはこのチャッ
クシリンダ(2)の解放側または把握側に作動油を供給
する供給通路、4は上記各供給通路(3a,3b)に油
タンク(5)からの作動油を供給する油圧ポンプ、6
a,6bは上記各供給通路(3a,3b)に介装されて
作動油の圧力を調整する電磁比例式減圧弁、7は各電磁
比例式減圧弁(6a,6b)の動作を制御することによ
り上記圧力を制御する把握力制御手段としてのディジタ
ルコントローラ、8は作業者による入力操作により上記
ディジタルコントローラに対し目標圧力信号等を出力す
る主制御手段(8)としてのメインコントローラ、9は
各種ワークについての把握力情報をデータベースとして
記憶保持しそれを処理するデータ処理手段としてのホス
トコンピュータである。なお、上記チャックはNC加工
機械の一部を構成するものであり、図示省略の電動機に
より回転される主軸の一端に設けられ、主軸の回転に伴
いチャック全体が回転されてチャックにより把握された
ワークに対する切削加工等が行われるようになってい
る。
【0031】上記チャックシリンダ(2)は、その解放
側シリンダ室(21)に作動油が供給されてピストンロ
ッド(10)が図1の右側に移動することにより図示省
略のチャックの爪が半径方向外方(解放側)に移動する
一方、把握側シリンダ室(22)に作動油が供給されて
上記ピストンロッド(21)が同図の左側に移動するこ
とにより上記爪が半径方向内方(把握側)に移動するよ
うになっている。
【0032】上記両供給通路(3a,3b)は、その一
端側が共に上記油圧ポンプ(4)の吐出側と逆止弁(1
1)を介して連通され、途中にそれぞれ上記電磁比例式
減圧弁(6aまたは6b)が介装され、他端側が上記チ
ャックシリンダ(2)の解放側または把握側のシリンダ
室(21または22)とそれぞれパイロット操作逆止弁
(12aまたは12b)を介して連通されている。この
解放側パイロット操作逆止弁(12a)は把握側供給通
路(3b)から、把握側パイロット逆止弁(12b)は
解放側供給通路(3a)からそれぞれパイロット圧を受
けて弁を開くように構成されており、これにより、解放
側及び把握側の両シリンダ室(21,22)の圧力を保
持して均衡を保ち、また、、速やかな緊急停止を可能と
する一方、作動油排出側になった一方のシリンダ室(2
1または22)からの作動油の排出を可能としている。
なお、図1中の14はドレーン通路であり、このドレー
ン通路(14)は上記チャックシリンダ(2)及びチャ
ックから構成される油圧チャック(15)の回転摺動部
分から漏れた作動油を油タンクに戻すものである。
【0033】また、上記両供給通路(3a,3b)に
は、各電磁比例式減圧弁(6a,6b)よりもチャック
シリンダ(2)側の位置における作動油の圧力を検出す
る圧力センサ(13aまたは13b)がそれぞれ接続さ
れており、この各圧力センサ(13a,13b)は検出
した圧力を上記ディジタルコントローラ(7)に出力す
るようになっている。
【0034】上記一対の電磁比例式減圧弁(6a,6
b)は個別の操作信号に基づいて互いに独立して動作す
るように1つの弁機構(6)として組み付けられたもの
である。各電磁比例式減圧弁(6a,6b)は、各ソレ
ノイド(61a,61b)に入力する指令信号(電流ま
たは電圧)に応じて開度が比例制御されてチャックシリ
ンダ(2)に対し所定の圧力の作動油を供給するように
構成されている。加えて、上記各電磁比例式減圧弁(6
a,6b)は、各供給通路(3a,3b)のチャックシ
リンダ(2)側の作動油の圧力がパイロット圧としてフ
ィードバックされてパイロット作動されるように構成さ
れている。そして、上記両電磁比例式減圧弁(6a,6
b)は、いずれか一方が指令信号によりそれに対応する
圧力の作動油を一の供給通路(3aまたは3b)に供給
し、他方が非励磁状態とされて他の供給通路(3bまた
は3a)を油タンク(5)に連通させて作動油を排出さ
せるようになっている。
【0035】次に、上記両電磁比例式減圧弁(6a,6
b)の制御側の概略構成について説明するに、メインコ
ントローラ(8)は、作業対象のワークについての材
質,形状等の把握力決定要素の入力を受けてそのワーク
についての目標把握力をホストコンピュータ(9)から
取り出し、ワークに対するチャックの把握力がその目標
把握力になるようにチャックシリンダ(2)に供給する
作動油の目標圧力を演算してその目標圧力を解放もしく
は把握の動作選択信号(ソレノイド選択信号)と共にデ
ィジタルコントローラ(7)に出力するように構成され
ている。そして、ディジタルコントローラ(7)は、上
記目標圧力に対応する指令電圧信号を上記ソレノイド選
択信号に対応する側のソレノイド(61aまたは61
b)に出力し、各圧力センサ(13aまたは13b)か
らの圧力フィードバック信号に基づいて対応する電磁比
例式減圧弁(6aまたは6b)動作をフィードバック制
御するように構成されている。なお、上記メインコント
ローラ(8)は、シーケンス制御機能を有するNC制御
装置を構成し、上記のチャックの把握力についてのチャ
ック制御部(81)と、他のNC加工機械の制御を行う
加工制御部(82)とを備えている。そして、上記メイ
ンコントローラ(8)はチャックの制御状態を表示する
表示手段としてのディスプレイ部(図示省略)を備えて
いる。
【0036】次に、上記の制御側の構成を詳細に説明す
るに、上記ホストコンピュータ(9)には把握力情報と
して、演算処理部と、推定処理部と、把握力情報テーブ
ル部とが予め記憶保持されており、このホストコンピュ
ータ(9)では、メインコントローラ(8)に入力され
た把握力決定要素と選択情報とに基づいて上記の演算処
理部、推定処理部及び把握力情報テーブル部のいずれか
の処理を行うことにより目標把握力を上記メインコント
ローラ(8)に出力するようになっている。
【0037】上記演算処理部での処理を図2に基づいて
説明すると、まず、ステップSA1で上記メインコント
ローラ(8)に入力された把握力決定要素としての特定
ワークの材質及び寸法等、バイトの硬度、比切削抵抗、
切削速度、並びに、主軸の回転数等を入力し、これらの
数値に基づいてステップSA2で目標把握力の演算を行
う。そして、ステップSA3で上記のステップSA2で
の演算処理結果である目標把握力の値をメインコントロ
ーラ(8)に出力する。
【0038】上記ステップSA2で演算処理はワークの
形状に応じて以下の式(1)及び式(2)に基づいて行
われる。
【0039】
【数1】 ここで、Fg はチャック(15;図3参照)の爪(15
a)が3個とした場合の初期把握力(kgf )、Fc は遠
心力により減少する把握力(kgf )、Sは安全率(例え
ば2.25〜4.5)である。また、Pv は主切削抵抗
(kgf )であり、切り込み量をa(mm)、送り量をs
(mm/rer)、比切削抵抗をps (kgf/mm2)とすると、 Pv =a・s・ps により表せられる。さらに、μはワーク(16)とチャ
ック爪(15a,15a,…)との摩擦部の摩擦係数、
dc はワーク(16)の切削部直径(mm)、dgはワー
ク(16)の把握部の直径(mm)、Lc はチャック爪
(15a)先端から切削点までの長さ(mm)、Lg はチ
ャック爪(15a)の把握部の長さ(mm)、Lw はチャ
ック爪(15a)端からワーク(16)の重心までの長
さ(mm)、Ww はワーク(16)の重量(kgf )であ
る。
【0040】また、上記遠心力により減少する把握力F
c の演算は、以下の式(3)により行われる。
【0041】
【数2】 ここで、Wm はチャック(15)のマスタージョーの重
量(kgf )、Rm はマスタージョーの重心半径(mm)、
Wt はトップジョーの重量(kgf )、Rt はトップジョ
ーの重心半径(mm)、Nは主軸の回転数(rpm )、ηは
減少係数(通常は1)である。
【0042】そして、ワーク(16)の寸法がLc ≦2
Lgのものでは式(1)を用い、Lc >2Lgのもので
は式(1)と式(2)との双方を満たす値を用い、初期
把握力Fg を把握時の目標把握力とする一方、把握後の
回転作動時にはその初期把握力Fg に遠心力による低減
分Fc を加えるように補正する。この場合には、回転補
正部での補正処理が組み込まれていることになる。
【0043】次に、上記推定処理部は実測値を用いて演
算処理することにより目標把握力を決定するものであ
り、実測方法の種類に応じて2種類の決定方法を備えて
いる。この処理手順を図4に基づいて説明すると、ま
ず、ステップSB1では2種類の把握力決定方法の内か
ら1のものを選択する。ロードセルによる実切削力測定
を選択した場合にはステップSB2で刃物台(17;図
5参照)のバイト(18)に作用する切削反力Fd (kg
f )をロードセル(切削動力計)により実測し、この切
削反力Fd を用いてステップSB3で目標把握力Fの演
算を行った後、ステップSB4でその目標把握力Fをメ
インコントローラ(8)に出力する。
【0044】上記ステップSB3における目標把握力F
の演算は、以下のようにして行われる。
【0045】まず、実切削力Fp (kgf )を Fp =(L1 /L2 )・Fd により求め、これに基づいて次式(4)により目標把握
力を求める。
【0046】 F=S・Fh =S・(1/μ)・(dc /dg )・Fp ……(4) なお、Fh は理論把握力(kgf )であり、また、S,
μ,dc ,dg (図6参照)は前述のものと同じであ
る。
【0047】式(4)の根拠を次に説明する。上記の実
切削力Fp を用いると切削トルクT(kgf ・m )は T=Fp ・(1/2)・(dc /1000) ……(5) により表せられる。また、把握トルクTh (kgf ・m )
は理論把握力をFh (kgf )を用いて Th =Fh ・(1/2)・(dg /1000)・μ ……(6) により表せられる。ここで、Th ≧Tとおいて上記の式
(5)及び式(6)を代入して整理すると理論把握力F
h が実切削力Fp を用いて次式(7)で表せられる。
【0048】 Fh ≧(1/μ)・(dc /dg )・Fp ……(7) これに、安全係数Sを乗じたものが式(4)に相当す
る。
【0049】一方、上記ステップSB1で主軸(19;
図6参照)を回転駆動する電動機(20)の負荷測定を
選択した場合には、ステップSB5で電動機(20)の
負荷(kw)、電流(A )、及び、電動機軸トルクTm
(kgf ・m )を測定する。そして、ステップSB6で主
軸(19)のトルクである主軸換算トルクTs (kgf ・
m )を上記電動機軸トルクTm と、ギア(21)やベル
ト等の回転伝達部の減速比iとを用いて Ts =Tm /i ……(8) により求める。そして、ステップSB7でこの主軸換算
トルクTs を用いて目標把握力Fを決定し、その目標把
握力FをステップSB4でメインコントローラ(8)に
出力する。
【0050】上記のステップSB7での目標把握力Fの
演算は、主軸換算トルクTs に基づいて次式(9)によ
り行う。
【0051】 F=S・Fh =S・{(2・1000・Ts )/(dg ・μ)}…(9) この式(9)は、上記の把握トルクTh と主軸換算トル
クTs との関係をTh ≧Ts とおいて上記の式(6)を
代入し、理論把握力Fh について整理すると、次式(1
0)が得られ、この式(10)に安全係数Sを乗じるこ
とにより導かれるものである。
【0052】 Fh ≧(2・1000・Ts )/(dg ・μ) ……(10) また、上記把握力情報テーブル部は、把握力決定要素の
種々の組み合わせに対応する目標把握力として予め決定
された値が整理格納された多数の把握力情報テーブルを
記憶保持しており、メインコントローラ(8)に入力さ
れた特定ワークについての把握力決定要素に基づいてそ
の特定ワーク及びそれに対する切削条件に対応する目標
把握力を上記把握力情報テーブルから検索処理し、その
検索された目標把握力を上記メインコントローラ(8)
に出力するように構成されている。
【0053】上記把握力情報テーブルは、表1に一例を
示す把握力決定要素に基づいて予め入力設定されてい
る。
【0054】
【表1】 すなわち、把握決定要素として、以下のワーク、チャッ
ク仕様、切削条件、回転数、もしくは、安全率等があ
る。例えば、上記ワークについては、材質(鋼,鋳物,
銅,アルミ等)、硬度(HRC,HB)、加工部の形状
・寸法(直径、把握端からの距離)、及び、把握部の形
状・寸法(直径、仕上げ面,荒加工面,黒皮,鋳肌等の
把握部面状態)等があり、チャック仕様については、模
型,レバー型,爪本数,中空,中実,中張り,外張り等
の形式、平滑面,格子状溝及びスパイク等の爪把握面状
態、摺動部潤滑状態、並びに、最大加工径,シリンダ面
積,レバー比等のサイズがあり、切削条件としては、継
続切削か連続切削か、切削速度、切り込み量、送り量、
工作物材質、バイトチップ仕様、仕上げ加工,荒加工等
の要求加工精度、切削液の有無、テールストックの有
無、並びに、治具の有無等があり、回転数としては、例
えば、 150m/min÷(3.14×φ100)=478r
pm の如く切削条件、工作物の条件によって自動的に決まる
ものや、回転バランスの良,悪等があり、また、安全率
としては、切削条件及び把握力により定まる値(例えば
1.5)がある。
【0055】これらの内、予め加工機械側やワークの側
等により予め定まる把握力決定要素を除いて、加工機械
で加工する予定の複数種類のワークについての把握力決
定要素(例えば表1に選択入力として○印で示す要素)
についての組み合わせで予め把握力情報テーブルが作成
されて上記ホストコンピュータ(9)に入力設定されて
いる。そして、作業者はワーク種別の変更に際し、その
変更対象のワークについて例えば上記の選択入力の項目
で示される把握力決定要素をメインコントローラ(8)
に入力すればよい。
【0056】メインコントローラ(8)は、上記把握力
決定要素及び把握作業か解放作業かのソレノイド選択信
号の入力部と、上記把握力決定要素をホストコンピュー
タ(9)に出力して目標把握力を入力する相互通信部
と、その目標把握力からチャックシリンダ(2)に供給
する作動油の目標圧力を演算する演算部と、その目標圧
力及び上記ソレノイド選択信号とをディジタルコントロ
ーラ(7)に出力する出力部と、そのディジタルコント
ローラ(7)から把握完了信号またはアラーム信号を受
けてディスプレイ部に表示等を行う表示部とを備えてい
る。
【0057】また、上記メインコントローラ(8)に
は、ホストコンピュータ(9)から入力される目標把握
力が回転補正が行われないものである場合に、把握完了
後の主軸回転作動時に上記目標把握力に対し回転に伴う
遠心力による把握力の低減分を補正する回転補正部を備
えている。この回転補正部での回転補正についての補正
決定要素としては、表2に示すように、ワーク(加工
物)について、回転中心からワーク(16)の重心まで
の距離(例えば図7に示す30mm)、把握部からバイト
(18)の切削点までの距離(例えば同図に示す50m
m)、回転時のバランス、または、加工による熱膨張等
があり、チャック仕様について、爪(15a)の重量
(例えば300g/1本)、爪本数(例えば3本)、回
転中心から爪(15a)の重心までの距離(例えば同図
に示す70mm)、または、遠心力によるグリス飛散によ
る潤滑性低下(例えば20%)等がある。
【0058】
【表2】 そして、ディジタルコントローラ(7)での制御を図8
に基づいて説明するに、まず、ステップSC1でメイン
コントローラ(8)からソレノイド選択信号を入力し、
ステップSC2でそのソレノイド選択信号がチャックを
解放するものであるか把握するものであるかの判別、す
なわち、解放側及び把握側の両電磁比例式減圧弁(6
a,6b)の内のいずれのものを制御するかの判別を行
う。そのソレノイド選択信号が「チャック把握」であれ
ばステップSC3で前回のソレノイド選択信号との比較
を行い、前回のソレノイド選択信号が「チャック解放」
であれば把握開始であると判断してステップSC4でタ
イマーを0にリセットし、ステップSC5でタイマー加
算を行う。一方、上記ステップSC3で前回のソレノイ
ド選択信号が「チャック把握」であれば把握動作を継続
中であると判断してステップSC5に直接移行してタイ
マー加算を行う。
【0059】次に、ステップSC6でメインコントロー
ラ(8)から目標圧力の入力を、ステップSC7で圧力
センサ(13b)から圧力フィードバック信号の入力を
それぞれ行い、ステップSC8で上記目標圧力と圧力フ
ィードバック信号に基づく圧力値との偏差に基づいて指
令圧力値を演算する。加えて、ステップSC9でその指
令圧力値を指令電圧値(もしくは指令電流値)に変換し
て、ステップSC10で把握側の電磁比例式減圧弁(6
b)のソレノイド(61b)に出力する。そして、ステ
ップSC11で目標圧力の値と圧力フィードバック信号
に基づく圧力値との偏差が把握完了用として予め定めた
微小な設定偏差以内に入っているか否かを判別し、設定
偏差内でなければ、ステップSC12で把握完了信号を
出力せずにステップSC13に進み、このステップSC
13でタイマー値が異常時判定用の設定時間を超えてい
るか否かの判別を行い、まだ設定時間が経過していなけ
ればリターンしてステップSC1からステップSC13
までを繰り返す。
【0060】その途中において、ステップSC11で目
標圧力値と圧力フィードバック信号に基づく圧力値との
偏差が設定偏差内に入れば、チャックの把握動作が完了
したものと判定してステップSC14で把握完了信号を
メインコントローラ(8)に出力して制御を終了する。
一方、ステップSC13において、タイマー値が設定時
間を超えても、まだ上記設定偏差に入らなければ、異常
が発生しているものと判断してステップSC15でメイ
ンコントローラ(8)にアラーム信号を出力し制御を終
了する。この場合であっても、電磁比例式減圧弁(3
b)ではチャックシリンダ(2)側の供給通路(3b)
の圧力が機械的にフィードバックされて圧力が異常に高
くなることなく、チャックシリンダ(2)に供給される
作動油はその前の指令電圧に対応する圧力に維持され
る。
【0061】一方、ステップSC2でソレノイド選択信
号が「チャック解放」に変れば、ステップSC16に進
み、このステップSC16でソレノイド(61b)への
指令電圧の出力を停止して油タンク側に切換える一方、
解放側の電磁比例減圧弁(6a)のソレノイド(61
a)に対しシリンダ室(21)への作動油供給を行うよ
うに指令電圧を出力してリターンする。
【0062】<他の実施形態>なお、本発明は上記実施
形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態
を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、
メインコントローラ(8)とディジタルコントローラ
(7)とに分けているが、これに限らず、1つのコント
ローラにより制御を行ってもよい。
【0063】データ処理手段(9)に対し、演算処理部
と、推定処理部と、把握力情報テーブルとの内、1のみ
を備えるようにしてもよいし、いずれか2つ、もしく
は、すべてのものを備えるようにしてもよい。
【0064】上記実施形態では、解放側及び把握側の両
供給通路(3a,3b)に圧力センサ(13a,13)
を設けているが、これに限らず、例えば把握側の供給通
路(3b)のみに圧力センサ(13b)を設けるように
してもよい。また、両圧力センサ(13a,13b)を
省略してパイロット作動による機械的なフィードバック
のみとしてもよいし、逆に、電磁比例式減圧弁(6a,
6b)から上記のパイロット作動部を省略して上記圧力
センサ(13b)に基づく電気的なフィードバック制御
にのみとしてもよい。
【0065】また、上記実施形態では、チャックシリン
ダ(2)の各シリンダ室(21,22)と各供給通路
(3a,3b)との連通をパイロット操作逆止弁(12
aまたは12b)を介して行っているが、これに限ら
ず、上記のパイロット操作逆止弁(12aまたは12
b)に加え、例えば図9に示すようにヒューズバルブ
(12d,12f)をさらに設けるようにしてもよい。
すなわち、解放側パイロット操作逆止弁(12a)のチ
ャックシリンダ(2)側及び減圧弁(6a)側をバイパ
スするバイパス通路(12c)を設け、このバイパス通
路(12c)に減圧弁(6a)側の圧力をパイロット圧
として開弁するパイロット操作逆止弁によって構成した
ヒューズバルブ(12d)を介装する。同様に、把握側
パイロット操作逆止弁(12b)のチャックシリンダ
(2)側及び減圧弁(6b)側をバイパスするバイパス
通路(12e)を設け、このバイパス通路(12e)に
減圧弁(6b)側の圧力をパイロット圧として開弁する
パイロット操作逆止弁によって構成したヒューズバルブ
(12f)を介装する。そして、上記各ヒューズバルブ
(12d,12f)を、所定の圧力以下にならない場合
には開弁状態を保つように構成する。
【0066】このようなヒューズバルブ(12d,12
f)を追加したことによる作用・効果を以下に説明する
と、上記のヒューズバルブ(12d,12f)がない図
1の場合では、各シリンダ(21,22)に供給する作
動油の圧力を高圧側から低圧側に下げようとすると、各
パイロット操作逆止弁(12a,12b)が閉じるた
め、各シリンダ(21,22)と各パイロット操作逆止
弁(12a,12b)との間に高圧の作動油が閉じ込め
られたままになり、各シリンダ(21,22)内の圧力
が下がらなくなるおそれがある。これに対し、上記のヒ
ューズバルブ(12d,12f)を追加することによ
り、例えば主軸を回転させてワークに対し加工を施す場
合における回転数補正に際し、回転数が低下して遠心力
が小さくなるのに伴いチャックに対する油圧力を下げて
把握力を低減させる時、上記各ヒューズバルブ(12
d,12f)を通して圧力が有効に低下されるため、上
記回転数低下に伴う回転数補正を有効に行うことができ
る。加えて、停電等の発生に起因して圧力が所定の圧力
値以下に下がると、上記各ヒューズバルブ(12d,1
2f)が閉弁するため、より高度なフェールセーフを実
現させることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における油圧チャックの制御装置によれば、ワークの
種類を変更する際に、その変更の度に変更対象のワーク
について把握力の決定に伴う試行錯誤的な作業を省略す
ることができ、ワークの種類変更に伴う把握力設定の自
動化及び容易化を図ることができる。このため、制御側
のみに人員を配置するだけでよく油圧チャック側での無
人化を図ることができる上、油圧チャックを用いたワー
クの加工作業の効率化を図ることができる。。
【0068】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加えて、目標把握力等の数値情報
についての制御と、作動油の圧力についての制御とを専
用の制御手段により行うことができ、確実化を図ること
ができる。
【0069】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明による効果に加えて、作動油の圧力の制御が数
値制御により行うことができ、これにより、上記圧力の
制御についての精度の向上を図ることができる。
【0070】請求項4記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加えて、データ処理手段(9)に
データベースとして記憶保持されている把握力情報が演
算処理部,推定処理部,及び,把握力テーブルの内の一
以上のものにより構成されているため、変更対象の特定
のワークに応じて最適な目標把握力を得ることができ
る。
【0071】請求項5記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加えて、電磁比例式制御弁を従来
の制御装置の如く圧力センサを用いて電気的にフィード
バック制御する構成としなくても、チャックシリンダ
(2)に供給される作動油の圧力制御を行うことがで
き、これにより、上記圧力センサやフィードバック制御
の省略が可能となり、制御装置の簡略化、コストの低減
化を図ることができる。
【0072】請求項6記載の発明によれば、請求項5記
載の発明による効果に加えて、電磁比例式減圧弁におけ
る油圧パイロットによる機械的なフィードバックと、圧
力センサによる電気的なフィードバック制御との二重の
閉ループによるフィードバック制御を行うことができ、
請求項5記載の発明の場合と比べ、より確実かつ正確な
圧力制御を行うことができる。加えて、圧力センサの故
障や圧力センサのハーネスの断線・短絡時においても、
上記機械的なフィードバックによりチャックシリンダ
(2)に供給される作動油の圧力が所定の値を超えるこ
とのないように維持することができ、より高度なフェー
ルセイフを図ることができる。
【0073】請求項7記載の発明によれば、請求項6記
載の発明による効果に加えて、表示手段に把握完了した
旨を表示させることができ、作業者はチャックによるワ
ークの把握が完了したことを目視で確認することができ
る。このため、次の切削工程等のワークの加工工程へ無
駄なく移行させることができ、チャック工程と加工工程
との間の非加工時間の大幅な短縮化により油圧チャック
が装着された加工機械の機械効率の向上を図ることがで
きる。
【0074】請求項8記載の発明によれば、請求項6記
載の発明による効果に加えて、アラーム信号の出力によ
り、作業者は異常の発生を迅速に発見することができ、
素早い手当てを行うことができる。
【0075】請求項9記載の発明によれば、請求項1記
載の発明による効果に加えて、回転補正部により、遠心
力によるワークの把握力の低減分に相当する補正を目標
把握力に対し行うことができ、主軸を回転させて切削加
工等の加工工程に移行しても、ワークの把握を確実に維
持することができる。
【0076】また、請求項10記載の発明によれば、電
磁比例式制御弁を従来の制御装置の如く圧力センサを用
いて電気的にフィードバック制御する構成としなくて
も、チャックシリンダ(2)に供給される作動油の圧力
制御を行うことができ、これにより、上記圧力センサや
フィードバック制御の省略が可能となり、制御装置の簡
略化、コストの低減化を図ることができる。
【0077】さらに、請求項11記載の発明によれば、
請求項10記載の発明による効果に加えて、電磁比例式
減圧弁における油圧パイロットによる機械的なフィード
バックと、圧力センサによる電気的なフィードバック制
御との二重の閉ループによるフィードバック制御を行う
ことができ、請求項10記載の発明の場合と比べ、より
確実かつ正確な圧力制御を行うことができる。加えて、
圧力センサの故障や圧力センサのハーネスの断線・短絡
時においても、上記機械的なフィードバックによりチャ
ックシリンダ(2)に供給される作動油の圧力が所定の
値を超えることのないように維持することができ、より
高度なフェールセイフを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す模式図である。
【図2】データ処理手段の演算処理部での制御を示すフ
ローチャートである。
【図3】図2の演算処理部の演算における各記号等の説
明図である。
【図4】データ処理手段の推定処理部での制御を示すフ
ローチャートである。
【図5】図4の推定処理部の処理における各記号等を説
明する説明図である。
【図6】図4の推定処理部の処理における各記号等を説
明する他の説明図である。
【図7】把握力決定要素の具体的数値等を説明する説明
図である。
【図8】ディジタルコントローラでの制御を示すフロー
チャートである。
【図9】チャックシリンダ側についての他の実施形態を
示す部分模式図である。
【符号の説明】
2 チャックシリンダ 6a,6b パイロット作動形電磁比例式減圧弁 7 ディジタルコントローラ(把握力制
御手段) 8 メインコントローラ(主制御手段) 9 ホストコンピュータ(データ処理手
段) 13a,13b 圧力センサ(圧力検出手段) 15 油圧チャック(チャック) 16 ワーク 19 主軸

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸の一端に装着されてワークを把握す
    るチャックと、このチャックを開閉させるチャックシリ
    ンダ(2)と、このチャックシリンダ(2)に供給され
    る作動油の圧力を調整する電磁比例式制御弁とを備えた
    油圧チャックの制御装置において、 各種ワークについての把握力情報がデータベースとして
    予め記憶保持されその把握情報を処理するデータ処理手
    段(9)と、 特定ワークについての把握力決定要素の入力設定により
    上記データ処理手段(9)から上記特定ワークについて
    の特定把握力情報の出力を受けて、上記チャックの把握
    力が上記特定把握力情報に基づく目標把握力になるよう
    に上記電磁比例式制御弁を制御する制御手段とを備えて
    いることを特徴とする油圧チャックの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 制御手段は、 特定ワークについての把握力決定要素の入力設定により
    上記特定ワークについての特定把握力情報を上記データ
    処理手段(9)から出力させる主制御手段(8)と、 この主制御手段(8)から上記特定把握力情報の出力を
    受けて、チャックの把握力が上記特定把握力情報に基づ
    く目標把握力になるように電磁比例式制御弁を制御する
    把握力制御手段(7)とを備えていることを特徴とする
    油圧チャックの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 把握力制御手段はディジタルコントローラ(7)である
    ことを特徴とする油圧チャックの制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 データ処理手段(9)は、 把握力決定要素に基づき目標把握力を演算処理する演算
    処理部と、 上記把握力決定要素に基づき目標把握力を実測により推
    定処理する推定処理部と、 上記把握力決定要素の組み合わせに対応する種々の目標
    把握力がテーブルとして予め入力設定され上記把握力決
    定要素に基づき目標把握力を検索処理する把握力情報テ
    ーブル部との内の一以上のものを把握力情報として備え
    ていることを特徴とする油圧チャックの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 電磁比例式制御弁はチャックシリンダ(2)側の作動油
    の圧力をフィードバックする油圧パイロット作動形の電
    磁比例式減圧弁(6a,6b)であることを特徴とする
    油圧チャックの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 電磁比例式減圧弁(6a,6b)のチャックシリンダ
    (2)側の作動油の圧力を検出する圧力検出手段(13
    a,13b)を備え、 制御手段は上記圧力検出手段(13a,13b)からの
    圧力検出信号に基づいてフィードバック制御するように
    構成されていることを特徴とする油圧チャックの制御装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 表示手段を備えており、 制御手段は、目標把握力に対応する圧力値と圧力検出手
    段(13a,13b)からの検出圧力値との偏差が把握
    完了判定用の設定偏差より小さいとき、把握完了信号を
    上記表示手段に出力するように構成されており、 上記表示手段は、上記把握完了信号の出力を受けて把握
    完了表示を表示するように構成されていることを特徴と
    する油圧チャックの制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 制御手段は、目標把握力に対応する圧力値と圧力検出手
    段(13a,13b)からの検出圧力値との偏差が把握
    完了判定用の設定偏差より大きい状態が異常時判定用の
    設定時間経過後も継続するとき、アラーム信号を出力す
    るように構成されていることを特徴とする油圧チャック
    の制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 主軸(19)の回転数を検出する回転数検出手段を備え
    ており、 制御手段またはデータ処理手段(9)は、目標把握力に
    対し、上記回転数検出手段からの主軸の検出回転数に基
    づきチャックに作用する遠心力に相当する分の補正を行
    う回転補正部を備えていることを特徴とする油圧チャッ
    クの制御装置。
  10. 【請求項10】 主軸の一端に装着されてワークを把握
    するチャックと、このチャックを開閉させるチャックシ
    リンダ(2)と、このチャックシリンダ(2)に供給さ
    れる作動油の圧力を調整する電磁比例式制御弁とを備え
    た油圧チャックの制御装置において、 上記電磁比例式制御弁が、チャックシリンダ(2)側の
    作動油の圧力をフィードバックする油圧パイロット作動
    形の電磁比例式減圧弁(6a,6b)により構成されて
    いることを特徴とする油圧チャックの制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 電磁比例式減圧弁(6a,6b)のチャックシリンダ
    (2)側の作動油の圧力を検出する圧力検出手段(13
    a,13b)を備え、 上記電磁比例式減圧弁は上記圧力検出手段(13a,1
    3b)からの圧力検出信号に基づいてフィードバック制
    御されるように構成されていることを特徴とする油圧チ
    ャックの制御装置。
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