JPH09295144A - 帯板自動溶接装置 - Google Patents

帯板自動溶接装置

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JPH09295144A
JPH09295144A JP11676196A JP11676196A JPH09295144A JP H09295144 A JPH09295144 A JP H09295144A JP 11676196 A JP11676196 A JP 11676196A JP 11676196 A JP11676196 A JP 11676196A JP H09295144 A JPH09295144 A JP H09295144A
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田 弘 文 園
Kazumi Matsuoka
岡 和 巳 松
Akira Okamura
村 章 岡
Ryuichi Inami
波 龍 一 井
Takashi Yoshida
田 隆 吉
Masaru Nakano
野 優 中
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MEGAFUROOTO GIJUTSU KENKYU KUM
MEGAFUROOTO GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯板を、入熱による曲り,膨らみ等を防止し
つつ自動的に溶接する。 【解決手段】 z方向に配設される基体(15);これに沿
って走行する溶接台車(YD);帯板(5)の厚み方向xに移
動自在に溶接台車(YD)に支持されたト−チ支持台(12);
これをx方向に駆動するx駆動手段(11);支持台(12)で
支持され帯板(5)を押えるロ−ラ(PR);y方向で帯板(5)
の両側に分布する1対のト−チ保持具(SL1,SL2);これ
らに支持され、帯板(5)を間にしてy方向で相対向する
1対の倣いロ−ラ(GR1,GR2);倣いロ−ラ(GR1,GR2)が帯
板(5)を挟圧する関係にト−チ保持具(SL1,SL2)をy方向
に駆動するy駆動手段(SP1,SP2);および、ト−チ保持
具(SL1,SL2)に支持され、帯板(5)の2側端のそれぞれを
溶接ねらい位置とする1対の溶接ト−チ(TC1,TC2);を
備え、帯板(5)の2側端を基板面(4)に同時溶接する装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯板の、長手方向
zに延びる2側端を基板面に溶接する自動溶接装置に関
し、特に、これに限定する意図ではないが、構造基体で
ある厚鋼板の表面に接合した薄金属板(クラッド材)の
継目部を被覆するための帯板の、クラッド材への溶接に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、海上に設置される大規模な浮体
構造物は、図7の(a)に示すように、厚鋼板で成る箱
型の浮体ブロック1を工場又は造船所で製作し、これを
海に運搬し、海水に浮かべ、海上で浮体ブロック同士を
接続して設置される。このような浮体構造物2は、例え
ば海上空港,浮体橋等に用いられる。浮体構造物2の一
単位をなす浮体ブロック(1個の鋼箱)1は、例えば1
00m×40m×5mの大きさを有する。海上におい
て、浮体ブロック同士を接続する際には、作業環境を整
えるために、「ドライチャンバ−」が使用される。図7
の(b)にその形状及び設置の一例を示す。ドライチャ
ンバ−は、浮体ブロックと接する面を除く側面及び底面
を有し、上面は開放されている。該ドライチャンバ−を
浮体ブロック同士の接続作業等を行なう部位に配置し、
内部の水を排除すると、ドライチャンバ−は、水圧によ
り浮体ブロックに圧接する。ドライチャンバ−の浮体ブ
ロックに接触する部分にはシ−ルを設けているので、一
旦水を排除すれば、後の作業は、陸上と同様の環境で行
なうことが出来る。
【0003】海上等に設置する該構造物の腐食防止には
種々の方法が用いられており、例えば、鉄製浮体ブロッ
ク構造物の外側面および必要に応じて他の部位に、製作
工場にてチタンクラッド鋼等の耐食性薄板が貼付され
る。あるいは、構造基体の厚板自身に耐食性が高い表層
を有する複層板が用いられる。しかしながら、耐食性薄
板は、製造上の制約から一定の寸法(定尺)の板であ
り、この為、浮体ブロック上においては、耐食性薄板の
継目が生ずる。構造基体の厚板自身に耐食性が高い表層
を有する複層板を用いる場合でも、複層板間に継目を生
ずる。いずれにしても継目部の耐食性は低い。そこで継
目部を耐食性の帯板で被覆(重ね張り)することが行な
われている。上述の浮体ブロック構造物の場合、帯板は
例えば35〜50mm幅、板厚2mm程度のチタン板で
あり、重ね張りする長さは、外側面の波もしくは波しぶ
きがかかる1.5〜5mの範囲である。
【0004】図8に、浮体ブロック1側面に貼付された
耐食性薄板(チタンクラッド)4の隙間(継目)に、耐
食性材料でなる帯板(上述のチタン板)5を、重ね張り
した状況を示す。図8の(a)は浮体ブロック1の側面
を見た正面図、(b)は上面を見た平面図である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】重ね張り(5)は、前
述のドライチャンバ−内で溶接により行なわれるが、帯
板5は薄く、幅が狭く、長い形状であるので、溶接の入
熱による曲り,膨らみ等の変形を生じ易い。従来は、こ
の問題を低減するために、帯板5を複数点で仮付け溶接
(例えば、100mmピッチで点付け)した後、帯板5
の上下端および2側端(4辺)を連続して溶接する本溶
接を実施していたので、手間,時間を要し効率悪く、ま
た自動化が困難であり、手作業を免れない。従って仕上
がり品質は、作業者の技倆に依存せざるを得ず、品質の
管理に困難があった。
【0006】例えば、仮付けのとき点付けと点付けの間
に膨らみを生じ、裏板(チタンクラッド)との間の隙間
が溶接欠陥をもたらし易い。また、溶接の溶け込みが深
過ぎるとブロック基体の厚鋼板の鉄成分が表面に露出し
てくるため防食の効果を為さなくなるが、手溶接の場合
にはその可能性がある。更には、仮付けした点付け部分
は溶接条件に変化が生じるので、本溶接後も点付けの痕
跡が現われて溶接外観が良くない。
【0007】本発明は、帯板溶接を自動化することを第
1の目的とし、基板面に帯板を密着させることを第2の
目的とし、多点の仮付けを省略することを第3の目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の帯板自動溶接装
置は、基板面(4)に溶接する帯板(5)の長手方向zに平行
に配設される基体(15);基体(15)に装着され基体(15)に
対してz方向に走行する溶接台車(YD);z方向と直交す
る帯板(5)の厚み方向xに移動自在に溶接台車(YD)に支
持されたト−チ支持台(12);ト−チ支持台(12)をx方向
に駆動するx駆動手段(11);ト−チ支持台(12)に回転自
在に支持され、周面が帯板(5)に対向する押えロ−ラ(P
R);x方向およびz方向に直交するy方向に移動自在に
ト−チ支持台(12)に支持され、帯板(5)を間にしてy方
向で帯板(5)の両側に分布する1対のト−チ保持具(SL1,
SL2);ト−チ保持具(SL1,SL2)のそれぞれにそれぞれが
回転自在に支持され、帯板(5)を間にしてy方向で相対
向する1対の倣いロ−ラ(GR1,GR2);ト−チ保持具(SL1,
SL2)を、それらが支持する倣いロ−ラ(GR1,GR2)が帯板
(5)を挟圧する関係にy方向に駆動するy駆動手段(SP1,
SP2);および、ト−チ保持具(SL1,SL2)のそれぞれにそ
れぞれが支持され、帯板(5)の2側端のそれぞれを溶接
ねらい位置とする1対の溶接ト−チ(TC1,TC2);を備え
る、基板面(4)に平行に配置した帯板(5)の、長手方向z
に延びる2側端を基板面(4)に溶接するものである。な
お、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し
後述する実施例の対応要素の符号を、参照までに付記し
た。
【0009】これによれば、x駆動手段(11)がト−チ支
持台(12)をx方向に駆動することにより、押えロ−ラ(P
R)が帯板(5)を加圧し、これにより帯板(5)が基板面(4)
に密着する。y駆動手段(SP1,SP2)が、ト−チ保持具(SL
1,SL2)を、倣いロ−ラ(GR1,GR2)が帯板(5)を挟圧する関
係にy方向に駆動するので、帯板(5)の2側端のそれぞ
れに対してト−チ保持具(SL1,SL2)のそれぞれが倣い、
ト−チ保持具(SL1,SL2)に支持された溶接ト−チ(TC1,TC
2)の溶接ねらい位置が自動的に帯板(5)の2側端のそれ
ぞれに定まり、帯板(5)に対する溶接位置が、z方向の
いずれの位置でも正確に所定位置となる。
【0010】しかして、溶接台車(YD)が、基板面(4)に
溶接する帯板(5)の長手方向zに平行に配設される基体
(15)に対してz方向に走行するので、溶接ト−チ(TC1,T
C2)が、帯板(5)の2側端をz方向に連続溶接する。
【0011】このように、押えロ−ラ(PR)で帯板(5)を
基板面(4)に押え付け、かつ、帯板(5)の2側端に溶接ト
−チ(TC1,TC2)を倣わせて、押えロ−ラ(PR),溶接ト−
チ(TC1,TC2)等をz方向に駆動しつつ溶接を行ない、こ
れらをすべて自動で行なうので、従来の多点仮付け溶接
は不要となり、多点仮付溶接の痕跡が現われことがなく
なる。この溶接中に押えロ−ラ(PR)が帯板(5)を押え付
けているので、帯板(5)に曲りや膨らみを生じたまま溶
接してしまうことはなく、形状上の仕上がり品質が高い
連続溶接が実現する。特に溶け込みがz方向で均一とな
り、溶接品質(性状品質)の管理が容易かつ確実にな
る。
【0012】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0013】
【発明の実施の態様】
【0014】
【実施例】図1の(a)に、本発明の一実施例を、海上
に浮かぶ浮体ブロック1に取付けた状態の平面配置を示
し、(b)にはその正面を示し、図2にはその側面(図
1の(b)のA−A線断面)を示す。浮体ブロック1の
上面には、既設の取付け金具を使用して臨時に、水平x
方向に延びる作業用の支柱16,17を取付け、更にこ
の上に、水平y方向に延びる支柱18を取付けている。
支柱18には、垂直z方向に延びる支柱25,26が取
り付けられている。
【0015】図7の(b)に示す形状と同様の形状を持
つドライチャンバ−3が、支柱25,26に取付けられ
ている。ドライチャンバ−3は浮体ブロック1に密着
し、内部の海水は排水され、ドライチャンバ−3の内空
間には海水は実質上存在しない。
【0016】この状態で、浮体ブロック1の下面に、水
平x方向に延びる作業用の支柱21,22を装着し、そ
の先端部に水平y方向に延びる下ガイド支柱24を取付
けている。更に、支柱18に水平x方向に延びる支柱1
9,20を取付け、これらの支柱19,20の先端部
に、水平y方向に延びる上ガイド支柱23を取付けてい
る。
【0017】溶接装置の基体である垂直z方向に延びる
支柱15の上端は、上ガイド支柱23で、y方向に移動
可に支持され、支柱15の下端は、下ガイド支柱24
で、y方向に移動可に支持されている。すなわち支柱1
5の上部に設けた車輪WLU、及び下部に設けた車輪W
LLが、支柱23及び24で下支持されている。支柱1
5のy方向移動は手動によって行なう。これは所望する
y位置に溶接ト−チを合わせるための機構である。な
お、支柱15の上部および下部には、図示しない手動の
ロック機構があり、支柱15をy方向所要位置に動かし
た後に、支柱15は上,下ガイド支柱23,24に固定
(ロック)される。
【0018】図3の(a)には、溶接ヘッドWH及び溶
接台車YD部分を拡大した平面を示し、(b)には溶接
ヘッドWHの背面を示す。まず図3の(a)を参照する
と、溶接装置の基体である支柱15にはz方向の延びる
ガイドレ−ル14が固着されており、このガイドレ−ル
14にラックが固着されており、このラックに、ピニオ
ンギア13が噛み合っている。一対の溶接ト−チTC
1,TC2を含む溶接ヘッドWHをz方向に駆動するた
めの溶接台車YDのガイドロ−ラが、ガイドレ−ル14
に、z方向移動自在に装着されており、これにより溶接
台車YDは支柱15に沿って上下(z方向)に移動可能
であり、溶接台車YDの上下移動は、ガイドレ−ル14
にあるラックに噛み合ったピニオンギア13を、台車Y
D上の電気モ−タMTRが回転駆動することにより行な
われる。
【0019】台車YDには、エア−シリンダ11および
ガイドスリ−ブ9,10が固着されており、エア−シリ
ンダ11のピストンロッドの先端に、ト−チ支持台であ
る加圧板12が固着されている。加圧板12にはまた、
ガイドスリ−ブ9,10を貫通するガイドロッドの先端
が固着されている。エア−シリンダ11がピストンロッ
ドを突き出すとき、加圧板12は浮体ブロック1に近づ
く方向(+x方向)に移動し、エア−シリンダ11がピ
ストンロッドを引き込むとき、加圧板12は浮体ブロッ
ク1から離れる方向(一x方向)に移動する。
【0020】次に図3の(b)を参照すると、加圧板1
2および溶接ヘッドWHの前面は浮体ブロック1に装着
された帯板5に対向している。加圧板12にはロ−ラ支
持ア−ムRS1,RS2が固着されており、これらのア
−ムRS1,RS2に押えロ−ラPRが回転自在に支持
されている。エア−シリンダ11がピストンロッドを突
き出し、これにより加圧板12が浮体ブロック1に近づ
く方向(+x方向)に移動すると押えロ−ラPRが帯板
5に当り、エア−シリンダ11の押し圧で帯板5を押え
る。加圧板12には、y方向に延びるガイドバ−7,8
が固着されており、これらのガイドバ−7,8で、ト−
チ保持具であるスライダSL1,SL2がy方向移動自
在に支持されている。左スライダSL1は引張コイルス
プリングSP1でア−ムRS1に近づく方向に引かれて
おり、右スライダSL2は引張コイルスプリングSP2
でア−ムRS2に近づく方向に引かれている。
【0021】プラズマア−ク溶接ト−チTC1およびT
C2はそれぞれ、スライダSL1およびSL2で保持さ
れており、それらの先端が、溶接する帯板5の2側端、
すなわちz方向に平行な辺のエッジ、に対向するように
スライダSL1およびSL2に取付けてある。また、倣
いロ−ラGR1およびGR2がそれぞれ、スライダSL
1およびSL2で回転自在に支持されている。
【0022】図4の(a)に、溶接台車YDおよび溶接
ヘッドWHの側面を示す。左右倣いロ−ラGR1,GR
2は、帯板5の幅(y)方向を挾み込む段付きロ−ラで
あり、左ロ−ラGR1はスライダSL1で、右ロ−ラG
R2はスライダSL2で支持されている。図4の(b)
に、帯板5と、段付き倣いロ−ラGR1,GR2の相対
位置関係を示す。先に説明した引張コイルスプリングS
P1,SP2がスライダSL1,SL2をそれぞれ右方
向,左方向(図3の(b)上での話し)に引いているの
で、ロ−ラGR1は帯板5の左側端に、ロ−ラGR2は
帯板5の右側端に当る。したがって、溶接台車YDがz
方向に移動するとき、スライダSL1,SL2(ト−チ
TC1,TC2)がそれぞれ帯板5の左側端,右側端を
倣うように、左,右に移動しうる。
【0023】なお、左右ト−チTC1,TC2は、スラ
イダSL1,SL2上の、図示しないト−チx位置調整
機構(手動調節),ト−チy位置調整機構(手動調節)
および2軸姿勢調整機構(手動調節)で支持されてお
り、x,y位置および傾斜角度(2方向)を微細調整
(手動)しうる。一度これらを設定すると、帯板5の幅
に係わらず、常に帯板エッジ付近の調整点(y方向)に
溶接位置が定まる。本実施例でのプラズマア−ク溶接個
所は、エッジより1mm内側の所をタ−ゲット(溶接狙
い位置)とした。エア−シリンダ11が押えロ−ラPR
を帯板5に圧接するので、ト−チTC1,2と帯板5の
間隔(x方向距離)は一定となり、帯板5に対するト−
チTC1,2の姿勢(傾斜角度)も一定となる。
【0024】溶接施工の方法は対象物がチタン等の非鉄
の場合、後処理がないことが望ましいので、一般にはプ
ラズマア−ク溶接かTIG(タングステン・イナ−トガ
ス)溶接が用いられが、本実施例においては、プラズマ
ア−ク溶接ト−チを用いた。これは、図6の(a)に示
す条件において、両溶接の比較を実施し、その結果によ
り決定したものである。図6の(b)には、プラズマア
−ク溶接ト−チによる溶接状態を模式的に、また図6の
(c)には、TIG溶接状態を模式的に示す。
【0025】次に、プラズマア−ク溶接ト−チを採用し
た根拠を示す。
【0026】(A)溶接速度:プラズマア−ク溶接はT
IG溶接と比較して1.5〜2.5倍の速度の溶接速度
が得られる。これはプラズマア−ク溶接では、水冷ノズ
ルによりア−クが絞られる(サ−マルピンチ効果)た
め、熱集中度が高いためである。 (B)溶接安定度:プラズマア−ク溶接ではア−クの安
定度がよく、ア−クのふらつき等がない。この理由は上
記と同様である。これに対しTIG溶接は、ア−クのふ
らつきが多く、また2ト−チ同時溶接においては、磁気
吹き現象が発生しやすい。
【0027】(C)電極の消耗:−電位であるタングス
テン電極は、プラズマア−ク溶接においては不活性ガス
(Ar)雰囲気で囲まれているので酸化による消耗はな
いので、長時間に渡り安定した溶接が得られる。一方T
IG溶接では、電極はト−チ先端に突き出ており、シ−
ルドガス(Ar)で覆われるものの電極の酸化防止効果
は弱い。
【0028】従って電極の研磨をしばしば行なわなくて
はならず、また消耗により溶接条件の変化を起こしやす
い。
【0029】(D)プラズマア−ク溶接においては、パ
イロットア−クを母材に接近させることによりメインア
−クを発生させるので、ア−クの起動性が確実である。
TIG溶接では、ア−クの起動を電極と母材間に高周波
を飛ばすことにより発生させているため、ア−クの起動
性が不確実である。
【0030】溶接の自動化には溶接速度,溶接の安定
性,操作性等が重要である。従って上記理由により本発
明の自動溶接機には、プラズマア−ク溶接ト−チTC
1,TC2を採用した。
【0031】図5に、本自動溶接機の電気系統の概要を
示す。電源装置を主体とするプラズマア−ク溶接ユニッ
トWPU1,WPU2には、プラズマガス及びシ−ルド
ガスSG,冷却水SW、及び電源SEが供給され、WP
U1,WPU2は、プラズマア−ク溶接ト−チTC1,
TC2に、制御(調整)したガス,水および電流,電圧
を供給する。制御ボックスCONには、z駆動モ−タM
TR用のモ−タドライバ,エア−シリンダ11の空圧切
換回路の弁を駆動するソレノイドドライバ、および、制
御回路があり、制御回路にzリミットスイッチLSU,
LSL、並びに手元操作箱CBXが接続されている。制
御ボックスCONは、手元操作箱CBXと共に、溶接ユ
ニットWPU1,WPU2が出力するガス,水,及び電
流,電圧に関する制御(すなわち溶接ト−チに関する制
御),z駆動モ−タMTRの制御、及び押えロ−ラPR
を駆動するエアシリンタ11のロッド進退の制御等を行
なう。
【0032】以上に説明した本発明の一実施例の自動溶
接機を用いた、浮体ブロック1の垂直面に帯板5を自動
溶接する手順の概略は、次の通りである: (1)浮体ブロック1の作業区域に支柱16〜26、及
びドライチャンバ−3を取付ける; (2)浮体ブロック1の垂直面のチタンクラッド4の隙
間(継目)を覆う位置に帯板5を配置して位置決めし、
その上部短辺を仮付け又は本溶接する; (3)支柱15及び溶接台車YDを取付け、左右(+y
〜−y)方向に動かして、倣いロ−ラGR1,GR2が
帯板5を挾む位置に支柱15を固定する。溶接ト−チT
C1,TC2は、概ね帯板5の幅端位置に対峠するが、
該端からy方向1mm内側をタ−ゲットとする様、必要
に応じて微調整する; (4)同様に溶接ト−チTC1,TC2と帯板5の間隔
(x方向)および姿勢(角度)も必要に応じて微調整す
る; (5)自動溶接機手元操作箱CBXの手動台車移動スイ
ッチを操作して、溶接台車YDを上下方向(+z〜−
z)に動かし、帯板5の溶接開始点に位置決めする。
【0033】(6)同操作箱CBXの台車速度調整ノブ
を200〜300mm/分(z方向の溶接速度)となる
様調整し、また左、右ア−ク起動スイッチをオンとす
る; (7)同操作箱CBXの押しロ−ラPRスイッチをオン
として、溶接ヘッドWHにある押えロ−ラPRを帯板5
に向けて押し付ける; (8)同操作箱CBXの自動溶接スイッチをオンとする
ことにより、左、右ア−クがオンとなり、台車が下方
(−z)に移動し始め、自動溶接が開始される; (9)帯板5の溶接終了点に台車が達すると、リミット
スイッチLSLが閉から開に切換わり、自動溶接は自動
的に終了する。あるいは上記操作箱CBXの自動溶接ス
イッチをオフに手動操作して溶接を終了する。
【0034】帯板長2m、台車速度200mm/分とす
れば、溶接時間は10分で済む。すなわち、本自動溶接
機では、被溶接材である帯板(2mm厚のチタン板)5
を押しロ−ラPRによりチタンクラッド4に押し付け、
また帯板5の2側端を左右倣いロ−ラGR1,GR2で
倣い、帯板5と一定の間隔を持つ2本のト−チTC1,
TC2で、帯板5の2側端を同時に溶接するので、両側
の熱バランスが取れるため、帯板の曲り,浮き上り等は
なく、効率良く、一定の比較的に高速の自動溶接を行な
うことが出来る。
【0035】本実施例においては、浮体ブロック1の側
面に帯板5を垂直に置いて「立向き」に自動溶接する方
法(上方から下方に向けての下進溶接)を述べたが、浮
体ブロック1の上面に帯板5を水平に置いて「下向き」
でx方向又はy方向に自動溶接することもできる。この
場合、支柱15は、x方向又はy方向に平行に配設す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明の一実施例の自動溶接装置を
用い、浮体ブロック1の側面(垂直面)に帯板5を溶接
する場合の、溶接装置(YD+WH)の配置を示す平面
図であり、(b)は正面図である。
【図2】 図1の(b)のA−A線断面図である。
【図3】 (a)は、図1に示す溶接台車YDおよび溶
接ヘッドWHの平面図、(b)は、溶接ヘッドWHの背
面図である。
【図4】 (a)は、図3の(a)に示す溶接台車YD
および溶接ヘッドWHの側面図、(b)は、図3の
(b)に示す帯板5と倣いロ−ラGR1,GR2との接
触状態を示す拡大平面図である。
【図5】 図3に示す実施例の電気系統の概要を示すブ
ロック図である。
【図6】 (a)は、図3に示す溶接ト−チTC1,T
C2と帯板5との位置関係を示す拡大平面図、(b)は
プラズマア−ク溶接状態を模式的に示す縦断面図、
(c)はTIG溶接状態を模式的に示す縦断面図であ
る。
【図7】 (a)は、鉄製浮体ブロック1を組合わせ、
大規模浮体構造物2を構築する状況を示す斜視図、
(b)は海上の鉄製浮体ブロック1の外表面に加工を施
すときに用いるドライチャンバ−3の形状及び装着状態
を示す斜視図である。
【図8】 (a)は、図7に示す鉄製浮体ブロック1の
表面のチタンクラッド4の隙間(継目)に、帯板(チタ
ン板)5を溶接した状態を示す拡大正面図であり、
(b)は拡大平面図である。
【符号の説明】
1:鉄製浮体ブロック 2:大規模浮体構
造物 3:ドライチャンバ− 4:チタンクラッ
ド 5:帯板 6:溶接線 7,8,9,10:ガイドバ− 11:エアシリン
ダ− 12:加圧板 13:ピニオンギ
ア 14:ガイドレ−ル 15〜26:支柱 CBX:手元操作箱 CON:制御ボッ
クス GR1,GR2:倣いロ−ラ LSL:ロア−リ
ミットスイッチ LSU:アッパ−リミットスイッチ MTR:駆動モ−
タ PR:押えロ−ラ SA:エア SE:電源 SG:ガス SW:冷却水 SL1,SL2:
スライダ SP1,SP2:引張コイルスプリング TC1,TC2:溶接ト−チ WLL:下部車輪 WLU:上部車輪 WH:溶接ヘッド WPU1,2:溶接ユニット YD:溶接台車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 9/00 501 8509−4E B23K 9/00 501A (72)発明者 井 波 龍 一 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社機器事業部内 (72)発明者 吉 田 隆 東京都中央区築地3丁目5番4号 日鐵溶 接工業株式会社内 (72)発明者 中 野 優 千葉県習志野市東習志野7丁目6番1号 日鐵溶接工業株式会社機器事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板面に溶接する帯板の長手方向zに平行
    に配設される基体;基体に装着され基体に対してz方向
    に走行する溶接台車;z方向と直交する帯板の厚み方向
    xに移動自在に溶接台車に支持されたト−チ支持台;ト
    −チ支持台をx方向に駆動するx駆動手段;ト−チ支持
    台に回転自在に支持され、周面が帯板に対向する押えロ
    −ラ;x方向およびz方向に直交するy方向に移動自在
    にト−チ支持台に支持され、帯板を間にしてy方向で帯
    板の両側に分布する1対のト−チ保持具;ト−チ保持具
    のそれぞれにそれぞれが回転自在に支持され、帯板を間
    にしてy方向で相対向する1対の倣いロ−ラ;ト−チ保
    持具を、それらが支持する倣いロ−ラが帯板を挟圧する
    関係にy方向に駆動するy駆動手段;および、 ト−チ保持具のそれぞれにそれぞれが支持され、帯板の
    2側端のそれぞれを溶接ねらい位置とする1対の溶接ト
    −チ;を備える、基板面に平行に配置した帯板の、長手
    方向zに延びる2側端を基板面に溶接する帯板自動溶接
    装置。
  2. 【請求項2】溶接ト−チは、プラズマア−ク溶接ト−チ
    である、請求項1記載の帯板自動溶接装置。
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