JPH09294746A - 手術用器具 - Google Patents

手術用器具

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JPH09294746A
JPH09294746A JP8135708A JP13570896A JPH09294746A JP H09294746 A JPH09294746 A JP H09294746A JP 8135708 A JP8135708 A JP 8135708A JP 13570896 A JP13570896 A JP 13570896A JP H09294746 A JPH09294746 A JP H09294746A
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grip
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腹腔や胸腔における内視鏡下手術において、
経外筒的手術操作や経肋間的手術操作において受けるハ
サミ構造を有する手術器具類の決定的な制限を解消し、
開腹・開胸における直視下手術操作と変わらない利便性
・安全性を提供するとともに、患者および医療行政の負
担の軽減という経済性をも提供すること。 【解決手段】 剪刀1はの各柄部31,32は、前記支
点4から前記把持部2に近づくに従って徐々に離隔し、
該把持部2の近接する位置で交差し、各把持部21,2
2に接続されている。従って各柄部31,32の離隔幅
は先端部5を閉じたときに離隔最大幅W1となる。前記
把持部2を開いたときに、各柄部31,32の離隔幅は
最小部分W2となる。また前記離隔最大幅W1に等しい
離隔開口幅W3まで、即ち各柄部31,32が前記外筒
9の内壁に接するまで前記把持部2を開くことができ
る。その結果、前記先端部5は手術操作が十分に可能な
程度に開くようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臓器などの組織の
固定、剥離、切離、切断、把持、牽引、縫合等を行う場
合に使用する手術用器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】病巣を除去する外科手術として、従来か
ら開腹手術や開胸手術が行われているが、近時、内視鏡
下手術も行われるようになってきている。内視鏡下手術
は先端にビデオカメラを取り付けた電子内視鏡を体内に
挿入し、そのビデオカメラの映像をモニターテレビに映
し出し、複数の医師が映像を見ながら行う手術形式の一
つである。この内視鏡下手術は、従来の開腹手術や開胸
手術に比べ、身体を損傷する範囲・程度が少なく、それ
だけ患者の負担が小さく回復が早いという利点を有す
る。特に、胸部の内視鏡下手術は肋骨を外さずに行える
ため、術後疼痛の軽減などそのメリットは大きい。例え
ば肺癌の内視鏡下手術は、胸部肋骨間に15〜20ミリ
程度の孔を3〜4つ開け、その孔に内視鏡ならびに手術
用器具の挿入抜去を容易にする外筒(トロッカー類)を
装着後、経外筒的に内視鏡や手術器具を挿入して手術操
作を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の開胸・
開腹手術で用いられるハサミ構造の手術用器具類を内視
鏡下手術に用いる場合に、決定的な不都合が生じる。内
視鏡下手術において内視鏡や手術器具を挿入するために
許される孔の径は、前記外筒(トロッカー類)の内径で
あって、通常12〜15ミリである。経外筒的に手術操
作を行う場合、従来のハサミ構造の手術器具類、例えば
図8(a)及び(b)に示す剪刀8では、先端部5を開
こうとしても支点4より把持部2寄りの柄部3の開閉が
不可能である。すなわち、図8(b)に示すように外筒
9内で柄部3の動作範囲は極めて小さく、先端部5を手
術操作が可能な程度に開閉することができない。この利
便性の極端な低下を補う目的で、ワイヤー操作の特殊な
鉗子類を用いている現況である。しかし、ワイヤー操作
の鉗子類は、先端部の形状とサイズが限定されざるを得
ず、操作に熟練を有し、高価でなおかつ1症例毎の使い
捨て鉗子類が多い。胸部で行われる胸郭内部における内
視鏡下手術においては、肋骨に平行に手術創を8センチ
程度広げることで、手術操作性の向上を図ることもある
が、肋骨を切断・切除しない限りは、肋間の幅は3セン
チメートル程度にしか開かず、その狭さがハサミ構造の
鉗子類の利便性を低下させている。ここで言う鉗子類と
は、鉗子、持針器や前記剪刀8(前したに刀)などであ
り、ハサミ構造という共通の形態を有している。
【0004】そこで、本発明は、腹腔や胸腔における内
視鏡下手術において、経外筒的手術操作や、経肋間的手
術操作において受けるハサミ構造を有する手術器具類の
決定的な制限を解消し、開腹・開胸における直視下手術
操作と変わらない利便性・安全性を提供するとともに、
患者および医療行政の負担の軽減という経済性をも提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明の手術用器具は請求項1に記載のように、
一対の柄部の各一端に把持部を、各他端に先端部をそれ
ぞれ設け、かつ、前記把持部の開閉に応じて支点を中心
に前記先端部が開閉する手術用器具において、前記先端
部を閉じたときに、前記支点と前記把持部との間で前記
各柄部が交差していることを特徴としている。ここで、
一対の柄部の各一端に把持部を、各他端に先端部をそれ
ぞれ設けかつ前記把持部の開閉に応じて支点を中心に前
記先端部が開閉する手術用器具は、ハサミ状の手術用器
具であって、鉗子、持針器、剪刀等がある。また、把持
部は先端部の開閉を操作する部位であり、先端部は臓器
などの組織を把握する等の部位で、使用する目的により
種々の形状がある。なお、「手術用器具」,「把持部」
及び「先端部」の各意味は、以下に開示する各発明にお
いて、同様の意味である。
【0006】上記構成の手術用器具では、前記先端部を
閉じたとき、即ち前記把持部も閉じられたときに、前記
支点と前記把持部との間で前記各柄部が交差しているの
で、各柄部間の離隔幅が最大となり、把持部を開くと、
その開幅に反比例するように各柄部の離隔幅が縮小す
る。遂に各柄部が交差する交差点は、各柄部が重なる部
分であり各柄部の離隔幅の最小部分となる。よって、従
来のハサミ構造の鉗子、持針器や剪刀のように、人体の
深部に先端部を挿入しても把持部の操作が外筒管等に妨
げられることなく、把持部の開閉に対応して先端部も開
閉するので、体表から操作部位までの浅深に拘わらず同
じ機能として対象を把握できる鉗子等にすることがで
き、しかも、構造は簡単で、術創の大きな場合と同様の
操作性を有する手術用器具を提供することができる。
【0007】上記発明において、請求項2に記載のよう
に前記交差点を前記把持部に近接させるようにしてもよ
い。これによれば、前記交差点と把持部との距離を短く
することができるので、把持部が外筒等に接するまで鉗
子等を深く挿入することができ、かつ、把持部を操作す
ることができ、操作部位による制限の緩和により一層役
立つ。
【0008】上記請求項1又は請求項2の発明の構成
は、請求項3に記載のように、剥離・把持鉗子、結紮補
助鉗子或いは持針器に好適である。但し、その他の手術
用器具にも適用できる。
【0009】また上記課題を解決するため、本願発明の
手術用器具は、請求項4に記載のように、一対の柄部の
各一端に把持部を、各他端に先端部をそれぞれ設けかつ
前記把持部の開閉に応じて支点を中心に前記先端部が開
閉する手術用器具において、前記支点と前記把持部との
間及び前記先端部と前記支点との間で、前記各柄部がそ
れぞれ1回交差していることを特徴とする。上記構成の
手術用器具による作用効果は次のようである。前記各柄
部は、前記支点と前記把持部との間で1回交差している
ので、把持部を閉じた状態のときに、各柄部の離隔幅が
最大となり、把持部を開くと、その開幅に反比例するよ
うに各柄部の離隔幅が縮小する。しかも、各柄部が交差
する交差点は、各柄部が重なる部分であり各柄部の離隔
幅の最小部分となる。また支点と先端部との間で各柄部
を交差させているので、把持部を開く従い支点と先端部
との間の各柄部の交差点が支点方向に移動し、この交差
点の移動に比例し先端部等の作用部位の範囲が拡大す
る。また支点と先端部間の各柄部の交差点は各柄部が重
なる部分であり、その交差点を中心とする各柄部の離隔
幅を最小にできるので、前記支点と前記把持部間の各柄
部の交差点の作用とともに、手術用器具が外筒の内壁に
制限されずに操作できる動作範囲を拡げることができ
る。よって、上記請求項1の発明と同様の作用効果を得
ることができるばかりでなく、先端部等の作用部位の範
囲が拡大し、先端部から支点までの距離を長くできるこ
とで、病巣部の浅部、深部に拘わらず比較的大きな臓器
などの組織を把握することができる。
【0010】上記発明において、請求項5に記載のよう
に前記支点と前記把持部間の交差点を前記把持部に近接
させるようにしてもよい。これによれば、前記交差点と
把持部との距離を短くすることができるので、把持部が
外筒等に接するまで鉗子等を深く挿入することができ、
かつ、把持部を操作することができ、操作部位による制
限の緩和により一層役立つ。
【0011】上記発明において、請求項6に記載のよう
に前記支点と前記先端部間の交差点を前記支点に近接さ
せてもよい。この構成により、前記先端部と前記支点間
の距離を最大限に長くできるので、一層大きな臓器等の
組織を把握することができる。
【0012】また、請求項7に記載のように、前記支点
が手術用器具全長の略1/2に位置するようにすれば、
「てこ」の作用や「力のモーメント」の作用から明らか
なように、把持部の開閉力が等しく先端部に伝達され、
かつ、把持部の開閉幅に応じた開閉幅となる先端部を形
成することができるので、操作の正確性に優れていると
ともに、従来のハサミ状の鉗子等と同様に操作すること
ができる手術用器具となる。
【0013】また上記請求項4乃至請求項7の各発明の
構成は、請求項8に記載のように、淋巴腺鉗子、止血鉗
子(アリス鉗子)或いは肺把持鉗子に好適である。但
し、その他の手術用器具にも適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】上記各請求項に係る各発明の実施
形態を図面に基づいて説明する。図1は請求項1及び請
求項2の各発明に対応する実施形態に係る手術用器具と
しての剪刀の平面図で、(a)は剪刀先端部を閉じたと
き、即ち剪刀把持部も閉じられたときの剪刀平面図、
(b)は剪刀先端部を開いたとき、即ち剪刀把持部も開
いたときの剪刀平面図、(c)は剪刀把持部を更に開い
たときの剪刀平面図である。
【0015】図1(a)に示すように、本発明に係る剪
刀1は把持部2、柄部3、柄部3に位置する支点4及び
先端部5からなっており、前記先端部5を閉じたとき
に、前記支点4と前記把持部2との間で前記各柄部3
1,32が交差している。なお、図中「6」で示すもの
は、ストッパーである。前記各柄部31,32は、前記
支点4から前記把持部2に近づくに従って徐々に離隔
し、該把持部2の近接する位置で交差し、各把持部2
1,22に接続されている。従って各柄部31,32の
離隔幅は先端部5を閉じたときに離隔最大幅W1とな
り、この離隔最大幅W1に略等しい内径を有する外筒9
にこの剪刀1を挿入することができる。また各柄部3
1,32は支点4から交差領域33C直前まで略直線状
に成形されていため、図1(b)に示すように前記把持
部2を開いたときに、ほぼ直線状に重なる交差点(交差
領域)を作るので、各柄部31,32の離隔幅の最小部
分W2となる。さらに、図1(c)に示すように前記離
隔最大幅W1に等しい離隔開口幅W3まで、即ち各柄部
31,32が前記外筒9の内壁に接するまで前記把持部
2を開くことができる。その結果、前記先端部5は手術
操作が十分に可能な程度に開くようになる。よって、従
来のハサミ構造の鉗子、持針器や剪刀のように、人体の
深部に先端部を挿入しても把持部の操作が外筒9等に妨
げられることなく、把持部2の開閉に対応して先端部5
も開閉するので、体表から操作部位までの浅深に拘わら
ず同じ機能として対象を把握できる手術用器具にするこ
とができ、しかも、構造は簡単で、術創の大きな場合と
同様の操作性を有する手術用器具を提供することができ
る。また剪刀1は上述のように、前記把持部2を開いた
ときにほぼ直線状に重なる交差点(交差領域)を作るの
で、人体に挿入する際に剪刀1自体の幅が最小によるよ
うに把持部2の開閉を調節すれば、孔の開口幅が小さい
トロッカー類にも使用することができる。なお、このよ
うな作用効果の詳細は図5及び図6に基づいて後述す
る。
【0016】図1に示した構成の手術用器具は、剥離・
把持鉗子、持針器或いは結紮補助鉗子に好適である。剥
離・把持鉗子の先端部の構成例を図2(a)乃至(c)
に示すと(a)は「弱ワン鉗子」、(b)は「強ワン
(つよまがり)鉗子」、(c)は「直角鉗子」である。
また、図2(d)は持針器の先端部の構成例を示し、図
2(e)は切除部等を糸で結紮する際に使用する結紮補
助鉗子の先端部の構成例を示す。なお、図1に示した構
成の手術用器具を剥離・把持鉗子、持針器或いは結紮補
助鉗子に適用する場合、図3に示すような支点構成を用
いる。図3(a)は支点4前後で先端部5及び柄部3を
切断した支点構成の斜視図、図3(b)は同分解斜視図
である。かかる支点構成は支点4から先端部5にかけて
柄部31,32をそれぞれ略S字状に成形したもので、
支点4を中心に前記把持部2の開閉に応じて前記先端部
5を開閉することができる。
【0017】次に、図4乃至図6に基づいて請求項4乃
至請求項7に対応する手術用器具の実施形態を説明す
る。図4は手術用器具としての鉗子の斜視図、図5
(a)は同鉗子の作用を説明するための説明図、(b)
は従来の鉗子の作用を説明するための説明図、図6は
(a)は同鉗子の作用を説明するための説明図、(b)
は同鉗子の作用を説明するために示した前記請求項1に
対応するの鉗子の平面図、図7は同鉗子の平面図であ
る。
【0018】図4に示す鉗子1の第1の特徴点は、一対
の各柄部31,32が支点4と把持部2との間で1回交
差している点であって、図1に示した剪刀1と同様の構
成である。第2の特徴点は、一対の各柄部31,32が
支点4と先端部5との間でも1回交差している点であ
る。なお、図中「6」で示すものは、ストッパーであ
る。
【0019】まず、第1の特徴点について説明する。図
4に示すように一対の各柄部31,32は一度、鉗子中
心軸C上の支点(ピボット)4で交差した後、それぞれ
弧を描くように前記中心軸Cから離れつつ、再び鉗子中
心軸C上で交差して前記把持部2に続いている。かかる
構成の作用を図5(a)に基づいて説明する。図5
(a)において実線の鉗子1は把持部2及び先端部5を
それぞれ閉じた状態(以下、閉状態という)の鉗子平面
図であり、二点鎖線は把持部2を開き、それによって先
端部5が開いた状態(以下、開状態という)の鉗子平面
図である。
【0020】図5(a)に示すように、鉗子1が閉状態
の場合には各柄部31,32の離隔幅W1が最大幅とな
り、図面上、一対の各把持部21,22をO方向にそれ
ぞれ開いて鉗子1を開状態に移行させると、把持部2の
開幅に反比例するように、各柄部31,32の離隔幅が
縮小する。これに比較して従来の鉗子100は、図5
(b)に示すように、閉状態の場合には各柄部131,
132の離隔幅は最小幅であるが、一対の各把持部12
1,122をO方向にそれぞれ開いて鉗子100を開状
態に移行させると、把持部121,122の開幅に比例
するように、各柄部131,132の離隔幅w1が拡大
する。
【0021】即ち、第1の特徴点より、前記鉗子1は把
持部2を閉じた状態のときに、各柄部31,32間の離
隔幅が最大となり、把持部2を開くとその開幅に反比例
するように各柄部31,32間の離隔幅が縮小するとい
う作用を得ることができる。このことは、鉗子1を挿入
する孔はその最大幅が前記柄部3の離隔最大幅W1に略
等しい径であれば良いことを意味する。また図5(a)
に示すように、第1の特徴点より、把持部2を開けば、
各柄部31,32が交差する交差点33は、交差点3
3′まで変位するが、交差点33或いは交差点33′は
各柄部31,32が重なる部分であり各柄部31,32
の離隔間幅の最小部分にすることができる。なお、図1
に示した剪刀1の各柄部31,32のように、支点から
交差領域までを略直線状に成形すれば、前記把持部2を
開いたときに、ほぼ直線状に重なる交差点(交差領域)
を作ることができるので、第1の特徴点をさらに生かす
ことができる。
【0022】次に第2の特徴点は再び前記先端部5と前
記支点4との間で各柄部31,32を交差させて、把持
部2を開く従い支点4と先端部5との間の交差点34を
支点4方向に移動させ、この交差点の移動に比例して先
端部2等の作用部位の範囲を拡大させるようにしてい
る。なお、以下の説明において前記把持部2と前記支点
4間の各柄部31,32と前記支点4と前記先端部5間
の各柄部31,32を区別するため、後者の各柄部をそ
れぞれ310,320とする。即ち、図4に示すよう
に、前記支点4から先端部5にかけて、前記柄部310
は略逆S字状に成形され、一方、他の柄部320は略S
字状に成形され、それらのカーブが反転する箇所で交差
している。また支点4と先端部5間の各柄部310,3
20の交差点34は、各柄部310,320が重なる部
分であり、その交差点34を中心とする各柄部310,
320の離隔幅を最小にできるので、前記支点4と前記
把持部2間の各柄部31,32の交差点の作用ととも
に、手術用器具が外筒の内壁に制限されずに操作できる
動作範囲を拡げることができる。このような第2の特徴
点を前記請求項1に対応する鉗子1Aと対比しながら図
6に基づいて説明する。なお、前記鉗子1Aは比較的大
きな組織を把握することを想定して先端部5から支点4
までの距離を長く成形している。図6(a)及び(c)
に示すように、第2の特徴点を有する鉗子1と前記鉗子
1Aは、それぞれ外筒9を介して体内の深部或いは浅部
にも挿入することができる。しかし、前記鉗子1Aの場
合、浅部の比較的大きな組織を把握しようとして、把持
部2を開くと、図6(d)に示すように支点4から先端
部5にかけての柄部310,320が外筒9の内壁に制
限され、ある程度の大きさの組織を把握できものの、大
きな組織を把握することはできない。一方、図6(b)
に示すように、第2の特徴点を有する鉗子1は交差点3
4を中心とする各柄部310,320の離隔幅を最小に
できるので把持部2を開いても支点4から先端部5にか
けての柄部3が外筒9の内壁に制限されることなく、比
較的大きな組織を把握できる。
【0023】しかして、上記第1及び第2の特徴点によ
り、上記図1に示した剪刀1と同様の作用効果を得るこ
とができるばかりでなく、先端部5等の作用部位の範囲
が拡大することにより、先端部5から支点4までの距離
を長くできることで、病巣部の浅部或いは深部に拘わら
ずに比較的大きな臓器などの組織を把握できるような鉗
子1にすることができる。
【0024】なお、第1の特徴点からすれば、図7に示
すように前記各柄部31,32が交差点33で作る交差
角αは、把持部2を開くに従い、比例するように拡大す
る。交差角αが交差角α′まで拡大すれば、その交差点
33がより支点側の交差点33″に変位するものの、変
位幅xに対する把持部2近傍の柄部離隔幅変化量yが大
きくなる(y<y′)。このような構成は、把持部2の
近傍において、各柄部31,32の離隔幅を大きくとる
ことができるような作用となり、鉗子を人体の深部まで
挿入しても、把持部2の操作性が外筒9等に妨げられな
いことになる。かかる作用効果は、前記各柄部31,3
2の交差点33を把持部2に近接させて交差角を大きく
とれば取る程発揮される。また、特にこの実施形態に係
る鉗子1のように、各柄部31,32を弓形に成形する
ことにより、前記交差点33,33′或いは交差点3
3″から、各柄部31,32が把持部21,22まで弧
を描いて外側に離反する場合には、前記柄部離隔幅変化
量yはより大きくなる。因みに、図5に基づいて同一位
置X,X′での鉗子1と従来の鉗子100の各柄部離隔
幅及び各先端部の開幅を比較してみると、鉗子1のX位
置における離隔幅は鉗子100のX′位置での離隔幅の
略1/2であるにも拘わらず、先端部5の開幅はW4で
あり、鉗子100の場合はW5にすぎない。このことか
らも、把持部2の操作が外筒等に制約されることなくか
つ簡単な構造で、浅い病巣のみならず深い病巣をも把握
できる鉗子にすることができる。なお、上記作用効果は
前記支点4と先端部5間の各柄部310,320の交差
点34についても当てはまることで、前記各柄部31
0,320の交差点34を支点4に近接させて交差角を
大きくとれば取る程、把持部2の操作性が外筒9に妨げ
られないことになる。
【0025】上記のように構成された鉗子1は、図7に
示すように把持部2から交点4までの長さlと、その交
点4から先端部5までの長さlは略等しく、前記支点4
が鉗子全長の略1/2に位置している。よって「てこ」
の作用や「力のモーメント」の作用から明らかなよう
に、把持部2の開閉力が等しく先端部5に伝達され、か
つ、把持部2の開幅に応じた先端部の開幅にすることが
できるので、操作の正確性に優れた鉗子1となる。
【0026】図4乃至図7に示す構成の手術用器具は、
先端部5等の作用部位の範囲が拡大し、先端部から支点
までの距離を長くできることにより、比較的大きな臓器
などの組織を把握することができ、肺把持鉗子、淋巴腺
鉗子或いは止血鉗子(アリス鉗子)等に好適である。例
えば肺把持鉗子に適用する場合には、その先端部5を図
4に示すようにリング状に成形してもよい。このような
構成により、把持部2の開閉力がリング状の把握部53
によって分散され、肺などの臓器が傷くことがないよう
にすることができる。
【0027】なお、前記リング状の先端部5に代えて、
図8(a)乃至(c)に示すような把握部を成形するよ
うにしてもよい。図8(a)は淋巴腺鉗子の先端部5を
示し、(b)は止血鉗子(アリス鉗子)の先端部5を示
し、(c)は肺把持鉗子の先端部5を示している。
【0028】
【発明の効果】請求項1に記載の手術用器具によれば、
前記先端部を閉じたとき、即ち前記把持部も閉じられた
ときに、前記支点と前記把持部との間で前記各柄部が交
差しているので、各柄部間の離隔幅が最大となり、把持
部を開くと、その開幅に反比例するように各柄部の離隔
幅が縮小する。遂に各柄部が交差する交差点は、各柄部
が重なる部分であり各柄部の離隔幅の最小部分となる。
よって、従来のハサミ構造の鉗子、持針器や剪刀のよう
に、人体の深部に先端部を挿入しても把持部の操作が外
筒管等に妨げられることなく、把持部の開閉に対応して
先端部も開閉するので、体表から操作部位までの浅深に
拘わらず同じ機能として対象を把握できる鉗子等にする
ことができ、しかも、構造は簡単で、術創の大きな場合
と同様の操作性を有する手術用器具を提供することがで
きる。即ち、本発明は腹腔や胸腔における内視鏡下手術
において、経外筒的手術操作や、経肋間的手術操作にお
いて受けるハサミ構造を有する手術器具類の決定的な制
限を解消し、開腹・開胸における直視下手術操作と変わ
らない利便性・安全性を提供するとともに、患者および
医療行政の負担の軽減という経済性をも提供することが
できる。
【0029】請求項2に記載の手術用器具によれば、前
記交差点と把持部との距離を短くすることができるの
で、把持部が外筒等に接するまで鉗子等を深く挿入する
ことができ、かつ、把持部を操作することができ、操作
部位による制限の緩和により一層役立つ。
【0030】上記請求項1又は請求項2の発明の構成
は、請求項3に記載のように、剥離・把持鉗子、結紮補
助鉗子或いは持針器に好適である。但し、その他の手術
用器具にも適用できる。
【0031】請求項4に記載の手術用器具によれば、前
記各柄部は、前記支点と前記把持部との間で1回交差し
ているので、把持部を閉じた状態のときに、各柄部の離
隔幅が最大となり、把持部を開くと、その開幅に反比例
するように各柄部の離隔幅が縮小する。しかも、各柄部
が交差する交差点は、各柄部が重なる部分であり各柄部
の離隔幅の最小部分となる。また支点と先端部との間で
各柄部を交差させているので、把持部を開く従い支点と
先端部との間の各柄部の交差点が支点方向に移動し、こ
の交差点の移動に比例し先端部等の作用部位の範囲が拡
大する。また支点と先端部間の各柄部の交差点は、各柄
部が重なる部分であり支点を中心とする各柄部の離隔幅
を最小にできるので、前記支点と前記把持部間の各柄部
の交差点の作用とともに、手術用器具が外筒の内壁に制
限されずに操作できる動作範囲を拡げることができる。
よって、上記請求項1の発明と同様の作用効果を得るこ
とができるばかりでなく、先端部等の作用部位の範囲が
拡大し、先端部から支点までの距離を長くできること
で、病巣部の浅部、深部に拘わらず比較的大きな臓器な
どの組織を把握することができる。
【0032】請求項5に記載の手術用器具によれば、前
記交差点と把持部との距離を短くすることができるの
で、把持部が外筒等に接するまで鉗子等を深く挿入する
ことができ、かつ、把持部を操作することができ、操作
部位による制限の緩和により一層役立つ。
【0033】上記発明において、請求項6に記載のよう
に前記支点と前記先端部間の交差点を前記支点に近接さ
せてもよい。この構成により、前記先端部と前記支点と
の距離を最大限に長くできるので、一層大きな臓器等の
組織を把握することができる。
【0034】請求項7に記載の手術用器具によれば、
「てこ」の作用や「力のモーメント」の作用から明らか
なように、把持部の開閉力が等しく先端部に伝達されか
つ把持部の開閉幅に応じた先端部の開閉幅となるので、
操作の正確性に優れており、従来のハサミ状の手術用器
具と同様に操作することができる。
【0035】上記請求項4乃至請求項7の各発明の構成
は、請求項8に記載のように、淋巴腺鉗子、止血鉗子
(アリス鉗子)或いは肺把持鉗子に好適である。但し、
その他の手術用器具にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は剪刀先端部を閉じたとき、即ち剪刀
把持部も閉じられたときの剪刀平面図、(b)は剪刀先
端部を開いたとき、即ち剪刀把持部も開いたときの剪刀
平面図、(c)は剪刀把持部を更に開いたときの剪刀平
面図、
【図2】 図1に示した手術用器具を剪刀以外の器具に
応用した場合の先端構成例図であり、(a)は「弱ワン
鉗子」、(b)は「強ワン(つよまがり)鉗子」、
(c)は「直角鉗子」、(d)は「持針器」、(e)は
結紮補助鉗子の各先端部の構成例図、
【図3】 支点前後で先端部及び柄部を切断して示した
支点構成の斜視図、(b)は同分解斜視図、
【図4】 鉗子の斜視図、
【図5】 (a)は同鉗子の作用を説明するための説明
図、(b)は従来の鉗子の作用を説明するための説明
図、
【図6】 (a)及び(b)は同鉗子の作用を説明する
ための説明図(c)及び(d)は同鉗子の作用を説明す
るために示した前記請求項1に対応するの鉗子の平面
図、
【図7】 同鉗子の平面図、
【図8】 図4乃至図7に示した手術用器具を他の器具
に応用した場合の先端構成例図であり、(a)は淋巴腺
鉗子の先端部を示し、(b)は止血鉗子(アリス鉗子)
の先端部を示し、(c)は肺把持鉗子の先端部を示して
いる。
【図9】 (a)及び(b)は、従来の手術用器具とし
ての剪刀の平面図である。
【符号の説明】
1,100・・・鉗子、2,21,22・・・把持部、
3,31,32・・・柄部、 33,34・・・
交差点 4・・・支点、5,51,52・・・先端部、 5
3・・・把握部、6・・・ストッパー、7・・・持針
器、 1,8・・・剪刀、9・・・外
筒。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の柄部の各一端に把持部を、各他端
    に先端部をそれぞれ設け、かつ、前記把持部の開閉に応
    じて支点を中心に前記先端部が開閉する手術用器具にお
    いて、 前記先端部を閉じたときに、前記支点と前記把持部との
    間で前記各柄部が交差していることを特徴とする手術用
    器具。
  2. 【請求項2】 前記交差点は、前記把持部に近接してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の手術用器具。
  3. 【請求項3】 前記手術用器具は剥離・把持鉗子、結紮
    補助鉗子或いは持針器の何れかであることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の手術用器具。
  4. 【請求項4】 一対の柄部の各一端に把持部を、各他端
    に先端部をそれぞれ設け、かつ、前記把持部の開閉に応
    じて支点を中心に前記先端部が開閉する手術用器具にお
    いて、 前記支点と前記把持部との間及び前記先端部と前記支点
    との間で、前記各柄部がそれぞれ1回交差していること
    を特徴とする手術用器具。
  5. 【請求項5】 前記支点と前記把持部間の交差点は、前
    記把持部に近接していることを特徴とする請求項4に記
    載の手術用器具。
  6. 【請求項6】 前記支点と前記先端部間の交差点は、前
    記支点に近接していることを特徴とする請求項4又は請
    求項5に記載の手術用器具。
  7. 【請求項7】 前記支点が手術用器具全長の略1/2に
    位置していることを特徴とする請求項4乃至請求項6の
    何れかに記載の手術用器具。
  8. 【請求項8】 前記手術用器具は、淋巴腺鉗子、止血鉗
    子(アリス鉗子)或いは肺把持鉗子の何れかであること
    を特徴とする請求項4乃至請求項7の何れかに記載の手
    術用器具。
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CN102427768A (zh) * 2009-04-21 2012-04-25 劳尔·利昂·拉莫斯-佩雷拉 外科夹钳
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CN113940731A (zh) * 2021-10-21 2022-01-18 潘砚鹏 一种冠状动脉内膜剥离器

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