JPH09292402A - 回転速度センサ - Google Patents

回転速度センサ

Info

Publication number
JPH09292402A
JPH09292402A JP10817996A JP10817996A JPH09292402A JP H09292402 A JPH09292402 A JP H09292402A JP 10817996 A JP10817996 A JP 10817996A JP 10817996 A JP10817996 A JP 10817996A JP H09292402 A JPH09292402 A JP H09292402A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotation speed
magnet rotor
magnet
speed sensor
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10817996A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Morimoto
泰生 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP10817996A priority Critical patent/JPH09292402A/ja
Publication of JPH09292402A publication Critical patent/JPH09292402A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は磁気抵抗素子を用いた回転速度セン
サに関し、磁石と磁気抵抗素子との相対的な変位に対し
て、出力信号が低下するのを適切に防止し得る回転速度
センサを提供することを目的とする。 【解決手段】 マグネットロータ24は、周方向所定の
角度毎に分極方向が反転するように着磁されている。G
MR素子36及び38はマグネットロータ24を軸方向
両側から挟むように設けられている。マグネッロータ2
4が回転すると、GMR素子36及び38に作用する磁
界が周期的に変化する。マグネットロータ24が軸方向
に変位すると、GMR素子の一方の抵抗値変化量は減少
し、他方の抵抗値は増加するため、直列抵抗値をとるこ
とにより抵抗値の増減は相殺される。従って、かかる変
位に起因して出力信号の振幅が減少することが防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転速度センサに
係わり、特に、磁気抵抗素子を備えた回転速度センサに
関する。
【0002】
【従来の技術】車両の車軸等の回転体の回転速度を検出
する回転速度センサとして、回転体の回転に応じた磁界
の変化を検出し、かかる変化の回数を計数することこと
により、回転体の回転速度を測定する磁気式回転速度セ
ンサが知られている。かかる磁界の変化を検出する方式
として、従来より、コイルに生ずる誘起電圧を用いる電
磁ピックアップ方式が広く用いられている。しかしなが
ら、誘起電圧の大きさは、磁界の変化速度に比例して変
化する。このため、電磁ピックアップ方式によれば、回
転体の回転速度が低い場合には、十分な振幅で変化する
出力信号を得ることができず、従って、回転体の回転に
応じた出力信号の変化を正確に検出することができな
い。つまり、従来の電磁ピックアップ方式における回転
速度の検出方法では、得られた出力信号と、予め所定の
大きさに設定されたしきい値とを比較して、出力信号を
パルス信号に変換し、予め設定された所定時間内に演算
回路に入力されるパルス信号の数を検出することにより
回転速度を検出している。この検出方法において、しき
い値の大きさを比較的小さな値に設定すると、出力信号
に含まれる電気ノイズを回転体の回転に起因する出力信
号と誤認してしまうことがある。かかる誤認を防止する
ため、しきい値はある程度の大きさに設定される。この
場合、回転体の回転速度が低い場合には、上述の理由に
より、回転体の回転速度を正確に検出することができな
いのである。このように、電磁ピックアップ方式は、低
回転速度領域において測定精度が劣化するという問題を
有している。
【0003】かかる問題を解決するため、近年、磁界の
変化を検出する手段として磁気抵抗素子が用いられるよ
うになっている。磁気抵抗素子は作用する磁界の大きさ
に応じて抵抗値が変化する性質を有している。このた
め、磁気抵抗素子を用いた回転速度センサにおいては、
磁界の変化速度にかかわらず一定の出力が得られ、従っ
て、回転体の回転速度にかかわらず、高精度な回転速度
測定が実現される。例えば特開平2−22510号に開
示される回転速度センサは、軸方向に分極するように着
磁されたロータと、ロータと軸方向に対向し、ロータの
発する磁界が作用するように配設された磁気抵抗素子と
を備えている。ロータは周方向所定の角度毎に分極方向
が反転するように着磁されている。従って、磁気抵抗素
子に作用する磁界の大きさは、ロータの回転角に対して
前記所定の角度を周期として変化し、かかる磁界の大き
さの変化に応じて、磁気抵抗素子の抵抗値が変化する。
上記従来の回転速度センサにおいては、かかる抵抗値の
変化を検出し、その変化の回数を計数することにより、
ロータの回転速度を測定している。
【0004】ところで、磁石により生ずる磁界の大きさ
は、磁石からの距離の増加に応じて減少する。従って、
センサの取り付け誤差等により、磁石と磁気抵抗素子と
の距離が増大すると、磁気抵抗素子の抵抗値変化量が減
少する。この場合、センサの出力信号の振幅が減少し、
回転体の回転に応じた出力信号の変化を正確に検出する
ことができなくなることがある。これに対して、上記従
来の回転速度センサにおいては、磁気抵抗素子が、ロー
タと軸方向に対向するように、全周にわたって配置され
ている。このため、ロータに傾きが生じた場合、磁石と
磁気抵抗素子との距離が増加する部位と減少する部位と
が生じ、磁石と磁気抵抗素子との平均的な距離は一定に
保たれる。従って、ロータに傾きが生じても、磁気抵抗
素子全体の抵抗値変化量はロータの傾きによっては変化
せず、従って、出力信号の振幅も変化しない。このよう
に、上記従来の回転速度センサによれば、ロータに傾き
が生じた場合に、出力信号の振幅が減少することが防止
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
如く、上記従来の磁気式位置センサにおいては、磁気抵
抗素子がロータの着磁面と対向するように配置されてい
る。このため、ロータが軸方向に変位すると磁気抵抗素
子と磁石との距離は全体的に変化する。従って、ロータ
に、磁石と磁気抵抗素子との距離が増加するような軸方
向の変位が生ずると、磁気抵抗素子の抵抗値変化量が減
少し、十分な振幅の出力信号が得られなくなることがあ
る。この点、上記従来の磁気式回転速度センサは、ロー
タの変位に起因する出力信号の振幅の減少を防止する上
で最適なものではなかったことになる。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ロータの位置ずれに起因する出力信号の振幅の
減少を適切に抑制することができ、これにより、測定精
度の劣化を防止し得る回転速度センサを提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、回転体と共に回転する磁石と、該磁石
に対向する磁気検出体とを備える回転速度センサにおい
て、前記磁気検出体を、前記磁石の回転軌跡がその軸方
向に変位した場合に、前記磁石により生ずる磁界の大き
さが減少する部位と、前記磁石により生ずる磁界の大き
さが増加する部位との双方に配置すると共に、前記2つ
の磁気検出体の検出値に基づいて、前記回転体の回転速
度を検出する回転速度検出手段を設けた回転速度センサ
により達成される。
【0008】本発明において、磁気検出体は、磁石の回
転軌跡がその軸方向に変位した場合に、磁石により生ず
る磁界の大きさが減少する部位と、磁石により生ずる磁
界の大きさが増加する部位との双方に配置される。従っ
て、磁石の回転軌跡がその軸方向に変位すると、前記2
つの磁気検出体のうちのいずれか一方に作用する磁界の
大きさは増加し、他方に作用する磁界の大きさは減少す
る。従って、磁石の回転軌跡が軸方向に変位すると、前
記2つの磁気検出体のうちのいずれか一方の検出値は増
加し、他方の検出値は減少する。回転速度検出手段は、
前記2つの磁気検出体の検出値に基づいて、回転体の回
転速度を検出する。これにより、磁石の回転軌跡に軸方
向の変位が生じた場合に、検出値が減少することが防止
される。
【0009】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、回転体と共に回転する磁石と、該磁石に対向する
磁気検出体とを備える回転速度センサにおいて、前記磁
気検出体を、前記磁石の回転軌跡がその径方向に変位し
た場合に、前記磁石により生ずる磁界の大きさが減少す
る部位と、前記磁石により生ずる磁界の大きさが増加す
る部位との双方に配置すると共に、前記2つの磁気検出
体の検出値に基づいて、前記回転体の回転速度を検出す
る回転速度検出手段を設けた回転速度センサにより達成
される。
【0010】本発明において、磁気検出体は、磁石の回
転軌跡がその径方向に変位した場合に、磁石により生ず
る磁界の大きさが減少する部位と、磁石により生ずる磁
界の大きさが増加する部位との双方に配置される。従っ
て、磁石の回転軌跡がその径方向に変位すると、前記2
つの磁気検出体のうちのいずれか一方に作用する磁界の
大きさは増加し、他方に作用する磁界の大きさは減少す
る。従って、磁石の回転軌跡が径方向に変位すると、前
記2つの磁気検出体のうちのいずれか一方の検出値は増
加し、他方の検出値は減少する。回転速度検出手段は、
前記2つの磁気検出体の検出値に基づいて、回転体の回
転速度を検出する。これにより、磁石の回転軌跡に径方
向の変位が生じた場合に、検出値が減少することが防止
される。
【0011】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1又は2記載の回転速度センサにおいて、
前記回転速度検出手段は、前記2つの磁気検出体の検出
値の和に基づいて、回転体の回転速度を検出する回転速
度センサによっても達成される。
【0012】本発明において、回転速度検出手段は、前
記2つの磁気検出体の検出値との和に基づいて、回転体
の回転速度を検出する。上述の如く、磁石の回転軌跡
に、その軸方向または径方向の変位が生じた場合、前記
2つの磁気検出体のいずれか一方の検出値は増加し、他
方の検出値は減少する。従って、前記2つの磁気検出体
の検出値との和をとることにより、検出値が減少するこ
とが防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
回転速度センサ10が組み込まれた、アクスル20の断
面図を示す。図1に示す如く、回転部材100は、円盤
状のアクスルハブ102と略円柱状の軸部104とを備
えている。アクスルハブ102は回転部材100の一端
部(図1における左端部)に設けられており、ホイール
106の固定に用いるハブボルト108を備えている。
軸部104には、アクスルハブ102との隣接部から他
端部(図1における右端部)に向けて、順に、大径部1
10、中径部112、小径部114が設けられている。
軸部104の大径部104と中径部112との接続部位
には、円弧状の断面形状を有する摺動面115が形成さ
れている。また、小径部114の外周面には、摺動部材
116が嵌着されている。
【0014】摺動部材116は略円筒状の部材であり、
その外周面には、外径が回転部材100の軸部104の
中径部112とほぼ等しくなるように形成された小径部
118と、外径が小径部118よりも大きく形成された
大径部120とが設けられている。摺動部材116の小
径部118と大径部120との境界部には、円弧状の断
面形状を有する摺動面122が形成されている。摺動面
122は、軸部104の摺動面115と軸方向に対向す
るように設けられている。
【0015】軸部104の摺動面115の外周部、及
び、摺動部材116の摺動面122の外周部には、それ
ぞれ、ベアリング124のボール126及び128が全
周にわたって配設されている。ボール126及び128
はそれぞれ、摺動面115及び122と転がり可能に係
合している。
【0016】回転部材100の軸部104の外周部に
は、ベアリング124のアウタレース130が配設され
ている。アウタレース130は略円筒状の部材であり、
その内周面には、円弧状の断面形状を有する摺動面13
2及び134が形成されている。摺動面132は、軸部
104の摺動面115とボール126を挟んで対向する
ように設けられている。また、摺動面134は、摺動部
材116の摺動面122とボール128を挟んで対向す
るように設けられている。ボール126及び128はそ
れぞれ、摺動面132及び134と転がり可能に係合し
ている。
【0017】軸部104の小径部114の端部(図1に
おける右端部)の外周面には固定部材136が螺着され
ている。固定部材136は略円筒状の部材であり、一端
部(図1における左端部)に円盤状のフランジ部138
を備えている。固定部材136は、そのフランジ部13
8が、摺動部材116をボール128に向けて軸方向に
押圧するように締着されている。このため、ボール12
8は摺動面122により摺動面134に向けて押圧さ
れ、更に、ボール126は摺動面132により摺動面1
15に向けて押圧されている。これにより、ベアリング
124の摺動面を構成する摺動面115、122、13
2、及び134には所定の予圧が付与されている。
【0018】軸部104の大径部110の外周面と、ア
ウタレース130のアクスルハブ102側端部の内周面
との間には、環状のオイルシール140が圧入されてい
る。また、アウタレース130の他端部(図1における
右端部)には、キャップ142が配設されている。キャ
ップ142は一端(図1における右端)が閉じた略円筒
状の樹脂性部材であり、その開放側端部が、アウタレー
ス130の内周面に嵌合されている。オイルシール14
0及びキャップ142により、ベアリング124の摺動
面に塵や水等が侵入することが防止されている。
【0019】上記したアクスル10の構成において、回
転部材100の軸部104と、摺動部材116とは、ベ
アリング124のインナレースを構成する。回転部材1
00、摺動部材116、固定部材136、及び、ホイー
ル106は一体となって、ベアリング124により、軸
周りに回転可能に支持される。
【0020】アクスル20の一端部(図1における右端
部)には、本発明の一実施例である回転速度センサ10
が設けられている。回転速度センサ10により、上記し
た回転部材100の回転速度が検出される。以下、回転
速度センサ10の構成について、図1と共に、図2〜図
4を参照して説明する。
【0021】回転速度センサ10は、マグネットロータ
24と、磁気検出部26とから構成されている。マグネ
ットロータ24は、後述する如く、環状の透磁性部材に
着磁することにより形成されている。マグネットロータ
24はロータ143を介して、回転部材100に連結さ
れている。ロータ143は略円筒状の部材であり、その
一端部(図1における左端部)には他部位に比して大径
に形成された大径部が設けられている。ロータ22の大
径部の内周面は、摺動部材116の大径部120の外周
面に嵌着されている。そして、ロータ143の他端部
(図1における右端部)の外周面に、マグネットロータ
24が固定されており、これにより、マグネットロータ
24は回転部材100と一体となって回転する。
【0022】マグネットロータ24のの外周部近傍に
は、磁気検出部26が配設されている。磁気検出部26
はU字型の断面形状を有する樹脂性部材であり、マグネ
ットロータ24を軸方向両側から挟むように配設されて
いる。なお、キャップ142の、磁気検出部26配設部
位近傍の部位には、周方向に延びる開口が設けられてい
る。かかる開口を介して磁気検出部26を挿入すること
により、キャップ142を装着した状態で、磁気検出部
26を組み付けることができる。磁気検出部26の、マ
グネットロータ24を隔てて互いに対向する部位にはそ
れぞれ、第1検出素子28及び第2検出素子30が埋設
されている。
【0023】図2は、回転速度センサ10の斜視図であ
る。また、図3は、回転速度センサ10を軸方向から見
た際の図である。更に、図4は回転速度センサ10の、
第1検出素子28、及び第2検出素子30の配設部位を
拡大して示す図である。なお、図4には、マグネットロ
ータ24が発生する磁界を点線で併示している。
【0024】マグネットロータ24は環状の磁性部材に
着磁することにより形成されている。図2〜図4に示す
如く、マグネットロータ24は軸方向に分極されてお
り、この分極方向が周方向に所定の角度(図3に示す角
度α)毎に反転するように着磁されている。なお、マグ
ネットロータ24の軸方向両側の各面を、以下、着磁面
と称する。
【0025】第1検出素子28、及び、第2検出素子3
0はそれぞれ、基板32及び34、基板32及び34上
にそれぞれ薄膜状に形成された巨大磁気抵抗素子(以
下、GMR素子と称す)36及び38、及び、GMR素
子36及び38のそれぞれの両端に接続された電極4
0、42、及び44、46を備えている。GMR素子3
6及び38は互いに同一の形状を有する帯状のパターン
に形成されている。電極40と電極44とは配線部材4
8により接続されている。従って、GMR素子36とG
MR素子38とは直列接続されることになる。電極42
及び44は、キャップ142の図1中右側端面に設けら
れたコネクタ144に接続されている。従って、コネク
タ144を介してGMR素子36及び38の直列抵抗値
を検出することができる。また、第1検出素子28及び
第2検出素子30は、マグネットロータ24の着磁面に
対して垂直となると共に、互いに同一平面状に位置する
ように、かつ、GMR素子36及び38とマグネットロ
ータ24の各着磁面との距離が互いに等しくなるように
配設されている。
【0026】図4に点線で示す如く、マグネットロータ
24は、マグネットロータ24の各着磁面のN極から出
て、隣接するS極に入るような磁界を発生させる。従っ
て、図4に示す如く、第1検出素子28及び第2検出素
子30が、マグネットロータ24の各着磁面のN・S極
の境界部と対向する状態では、磁界は第1GMR素子3
6及び第2GMR素子38の膜に対して略垂直に作用す
る。一方、マグネットロータ24が、図4に点線で示す
状態からα/2回転した状態では、第1検出素子28及
び第2検出素子30が、N又はS極の中央部と対向す
る。この状態では、磁界は、第1GMR素子36及び第
2GMR素子38の膜に対して略平行に作用する。
【0027】次に、図5を参照して、GMR素子36、
38の磁気抵抗特性について説明する。図5はGMR素
子36、38に作用する膜に平行な方向の磁界Hと、G
MR素子36、38の単位面積当たりの抵抗値との関係
を示す。図5に示す如く、GMR素子36、38は、膜
に対して平行に作用する磁界Hの増大に応じて抵抗値が
減少し、磁界Hが飽和磁界Hs 以上になると、抵抗値が
飽和抵抗値Rs となるような性質を備えている。
【0028】後述する如く、GMR素子36、38は強
磁性層と非磁性層とが交互に成膜された人工格子膜によ
り形成されている。これにより、GMR素子36、38
の磁気抵抗特性は、従来の磁気式回転速度センサに用い
られている、半導体や強磁性体の磁気抵抗効果を用いた
通常の磁気抵抗素子に対して大幅に向上されている。例
えば、GMR素子36、38の、磁界が作用しない状態
での抵抗値R0 と、飽和抵抗値Rs との比は、従来の磁
気抵抗素子の場合の10倍以上の値となっている。図5
からわかるように、GMR素子16の抵抗は磁界Hの大
きさのみに依存し、膜に平行な方向内での磁界Hの向き
には依存しない。なお、GMR素子36、38の膜に対
して垂直に作用する磁界に対しては、GMR素子36、
38の抵抗値はほとんど変化を示さない。従って、GM
R素子36、38は、作用する磁界の、膜に対して平行
な方向の成分の大きさに応じて、抵抗値が変化すること
になる。
【0029】上述の如く、第1検出素子28及び第2検
出素子30が、マグネットロータ24の各着磁面のN極
とS極の境界部と対向する状態では、磁界はGMR素子
36及び38の膜に対して略垂直に作用する。従って、
この状態では、GMR素子36、38の抵抗値は、磁界
が作用しない状態(以下、通常状態と称す)の値から殆
ど変化していない。この状態から、マグネットロータ2
4がα/2回転すると、第1検出素子28及び第2検出
素子30が、N又はS極の中央部と対向する状態とな
る。この状態では、磁界は、GMR素子36及び38の
膜に対してほぼ平行に作用する。従って、この状態で
は、GMR素子36、38の抵抗値は、通常状態での値
に対して減少されている。このように、マグネットロー
タ24が2/α回転する毎に、GMR素子36、38の
抵抗値が減少された状態と、減少されない状態とが交互
に生ずる。従って、マグネットロータ24が回転する
と、GMR素子36、38の抵抗値はマグネットロータ
24の回転角に対して、周期αで変化することになる。
【0030】なお、上述の如く、第1検出素子28及び
第2検出素子30は、互いに同一平面状に位置するよう
に、かつ、GMR素子36及び38とマグネットロータ
24との距離が互いに等しくなるように配設されてい
る。このため、GMR素子36及び38には常に互いに
等しい大きさの磁界が作用し、従って、GMR素子36
及び38の抵抗値は常に互いに等しい。従って、GMR
素子36及び38の抵抗値は、マグネットロータ24の
回転に対して同一の変化を示すことになる。
【0031】図6はマグネットロータ24の回転角に対
するGMR素子36、38の抵抗値変化を示す。上述の
如く、GMR素子36及び38の抵抗値は、マグネット
ロータ24の回転角に対して周期αで増減を繰り返す。
かかる抵抗値の増減を検出し、単位時間当たりの増減の
回数を計数することにより、マグネットロータ24の回
転速度、即ち、回転部材100の回転速度を検出するこ
とができる。
【0032】図7は、GMR素子36、38の抵抗値を
電圧信号に変換する回路の一例を示す。図7に示す如
く、電極42はコンデンサ250を介して、OPアンプ
252の反転入力端子252aに接続されている。電極
42とコンデンサ250の間の部位には定電流源254
により一定の負の電流−Iが供給されている。電極44
は接地されている。また、定電圧源256と接地面との
間には抵抗体258及び260が直列に接続されてお
り、抵抗体258及び260の接続部位はOPアンプ2
52の非反転入力端子252bに接続されている。
【0033】かかる構成によれば、GMR素子36及び
38の抵抗値をそれぞれ、R1、R2とすると、電極4
2には、GMR素子36及び38の直列抵抗値R1+R
2に応じた負の電位Ve =−I・(R1+R2)が生ず
る。従って、マグネットロータ24の回転に伴ってR1
及びR2が増減すると、それに応じてVが増減し、コン
デンサ250により直流成分か除去されてOPアンプ2
52の反転入力252aに入力される。また、非反転入
力端子252bには、定電圧源256の発する電圧が抵
抗258及び260により分圧された電圧が入力され
る。従って、OPアンプ252の出力端子252cに
は、GMR素子36及び38の抵抗値の変化に応じて変
化する電圧信号Vが出力される。そして、電圧信号Vを
2値化回路260を用いてパルス信号に変換し、そのパ
ルス数Nを計数回路262により計数することにより、
マグネットロータ24の回転速度を計測することができ
る。この場合、電圧信号Vの平均レベルは抵抗体258
及び260の抵抗値を調整して分圧比を変えることによ
り調整することができる。これにより、2値化回路26
0及び計数回路262に適したレベルの電圧信号Vを得
ることができる。
【0034】なお、GMR素子36及び38の抵抗値の
変化量は、膜に水平方向に作用する磁界の大きさに依存
し、磁界の変化速度には依存しない。このため、GMR
素子36及び38の抵抗値は、マグネットロータ24の
回転速度にかかわらず一定の増減量で変化し、従って、
一定の振幅の出力信号が得られることになる。このよう
に、本実施例の回転速度センサにおいては、マグネット
ロータ24により生ずる磁界を検出する手段としてGM
R素子36及び38を用いることにより、低速領域にお
いても測定精度が劣化することのない回転速度計測を行
うことが可能とされている。以下、図8を参照して、G
MR素子36、38の基板32、34への形成方法を説
明する。
【0035】図8は、GMR素子36、38の形成手順
を示す。先ず、工程200において、基板32、34が
超音波洗浄などにより洗浄された後、基板32、34が
スパッタリング装置が真空チャンバ内に設置され、工程
202において、スパッタクリーニングにより洗浄され
る。次に、工程204において、基板32、34に厚み
が約5nmのNiFe等のバッファ層がスパッタリング
により成膜された後、工程206において、磁性人工格
子層が形成される。磁性人工格子層は、強磁性層である
厚みが約1nmのCo層と、非磁性体である厚みが約1
〜2nmのCu層とを交互に10〜30層程度、スパッ
タリングにより成膜することによって形成される。な
お、人工格子層の強磁性層/非磁性層の材料の組み合わ
せとして、上述のCo/Cuの他に、CoFe/Cu、
NiFeCo/Cu、NiFe/Cu/Co/Cu、C
o/Ag等の組み合わせを用いることができる。
【0036】工程206において人工格子層が形成され
た後、工程208において、人工格子層の上にSiN
x、SiO2等の保護膜が形成される。次に、工程21
0において、人工格子層が、上述の如き帯状のパターン
に形成される。このパターニングは、人工格子層にレジ
ストを塗布し、所要のパターンで露光・現像した後、人
工格子層をエッチングすることにより行われる。
【0037】工程210において人工格子層のパターニ
ングが行われた後、工程212において、SiNx、S
iO2等の保護膜が形成される。次に、工程214にお
いて、電極用のコンタクトホールがエッチングにより形
成される。そして、工程216において、電極材料であ
るAl膜が蒸着された後、工程218においてエッチン
グにより電極40、42、44、46が形成されて、基
板32、34へのGMR素子36、38の形成が終了さ
れる。
【0038】ところで、マグネットロータ24が発生す
る磁界の大きさは、マグネットロータ24からの距離が
増大するのに応じて減少する。また、GMR素子36及
び38に作用する磁界が大きくなるほど、その抵抗値変
化量は増加する。従って、回転速度センサ10の組み付
け誤差等により、マグネットロータ24と第1検出素子
28及び第2検出素子30との相対位置が、正規の状態
から軸方向にずれた場合、第1検出素子28及び第2検
出素子30のうちのマグネットロータ24から遠ざかる
方のGMR素子36又は38の抵抗値変化量は減少する
ことになる。
【0039】図9は、マグネットロータ24が、第1検
出素子28に接近するように軸方向に相対的に変位した
状態を示す。ただし、図9には、マグネットロータ24
の正規の状態を破線で示している。また、図10には、
図9に示す状態において、マグネットロータ24が回転
した場合に、GMR素子36及び38のそれぞれに対向
するマグネットロータ24の極の変化、及び、それぞれ
の抵抗値R1及びR2の変化を示す。
【0040】図9に示す状態では、マグネットロータ2
4は正規の状態よりも第1検出素子28に接近する一
方、第2検出素子30から遠ざかっている。このため、
図10に示す如く、マグネットロータ24のN極又はS
極と対向した際の、GMR素子36の抵抗値R1の、通
常状態での抵抗値Rs からの減少量は正規の状態におけ
る値よりも増大し、GMR素子38の抵抗値R2の、R
s から減少量は正規の状態における値よりも減少してい
る。これにより、GMR素子36及び38の直列抵抗値
R=R1+R2の変化の振幅が、正規の状態における振
幅よりも減少されることが防止されている。
【0041】また、図11に示す如く、マグネットロー
タ24が、図9に示す状態とは逆に、第2検出素子30
に接近するように軸方向に相対的に変位した状態では、
マグネットロータ24は正規の状態よりも第2検出素子
30に接近する一方、第1検出素子28から遠ざかって
いる。従って、GMR素子36の抵抗値R1の変化量は
正規の状態よりも減少し、GMR素子38の抵抗値R2
の変化量は正規の状態よりも増加する。従って、図11
に示す状態においても、GMR素子36及び38の直列
抵抗値R=R1+R2の変化の振幅が、正規の状態にお
ける振幅よりも減少されることが防止されている。
【0042】本実施例の回転速度センサ10において
は、マグネットロータ24と、第1検出素子28及び第
2検出素子30との間に相対的な軸方向の変位が生じて
も、GMR素子36及び38の直列抵抗値Rは、正規の
状態における値からほとんど変化しない。従って、図7
に示す如き回路を用いて、Rを電圧に変換することによ
り、上述の如き、軸方向の変位に起因して、出力信号の
振幅が変化するのを防止することができる。従って、本
実施例の回転速度センサ10においては、かかる軸方向
の変位に起因して出力信号の振幅が減少し、出力信号の
変化の検出が困難になるのを防止することができる。こ
れにより、回転速度センサ10において、マグネットロ
ータ24と、第1検出素子28及び第2検出素子30と
の間に相対的な軸方向の変位が生じた場合に、測定精度
が劣化することが防止されている。
【0043】また、本実施例は、GMR素子を上述の如
く構成したので、図10に示すしきい値の設定が容易に
できるという効果を奏するものである。つまり、従来の
センサにおいては、出力信号に含まれる電気ノイズによ
る影響を防止するため、及び、組付誤差による出力信号
の振幅の低下による影響を防止するため、ある決められ
た範囲にしか設定することができず、この範囲から逸脱
すると、センサの検出精度に問題が生ずるものであっ
た。これに対して、本実施例においては、上述の理由に
より、出力信号の振幅の低下による影響を考慮すること
が不要であり、出力信号に重畳する電気ノイズの影響の
みを考慮すればよいので、しきい値の設定が容易に行え
ることになる。
【0044】なお、上記実施例においては、GMR素子
36及び38の直列抵抗値Rを検出し、直列抵抗値Rに
基づいて、マグネットロータ24の回転速度を検出する
こととしているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、GMR素子36の抵抗値R1及びGMR素子38
の抵抗値R2をそれぞれ検出し、R1及びR2の平均値
に基づいてマグネットロータ24の回転速度を検出する
こととしてもよい。
【0045】また、上述の如く、マグネットロータ24
に軸方向の変位が生じた場合、マグネットロータ24の
回転に伴うR1及びR2の変化量のうちいずれか一方は
増加する。即ち、上述の如き軸方向の変位が生じた場
合、R1及びR2のいずれか一方の変化量は、正規の状
態よりも増加した状態に維持されている。従って、R1
及び2をそれぞれ検出し、R1及びR2のうち、マグネ
ットロータ24の回転に伴う変動量の大きい方、すなわ
ち、最低値の小さい方の抵抗値に基づいてマグネットロ
ータ24の回転速度を検出することとしてもよい。
【0046】また、上述の如く、マグネットロータ24
は、マグネットロータ24の着磁面のN極から出て、隣
接するS極に入るような磁界を発生させる。従って、こ
の磁界は、マグネットロータ24の軸方向の成分と共
に、マグネットロータ24の周方向の成分を有すること
になる。上記実施例においては、第1検出素子28及び
第2検出素子30をマグネットロータ24の着磁面に対
して垂直に配置することにより、マグネットロータ24
の軸方向の磁界を検出することとしている。しかしなが
ら、本発明はこれに限定されるものではなく、第1検出
素子28及び第2検出素子30を、マグネットロータ2
4の各着磁面に対して平行となるように配設し、マグネ
ットロータ24の周方向の磁界を検出することとしても
よい。
【0047】また、上記実施例においては、マグネット
ロータ24の径方向の幅を、GMR素子36及び38の
長さに対して十分大きく設ければ、マグネットロータ2
4と第1検出素子28及び第2検出素子30との間に相
対的な径方向の変位が生じても、GMR素子36及び3
8に作用する磁界が変化することはない。従って、上記
実施例において、マグネットロータ24及びGMR素子
36及び38の寸法を適切に設けることにより、上述の
如き径方向の変位に対しても出力信号の振幅が変化する
ことのない回転速度センサ10を実現することができ
る。
【0048】更に、上記実施例においては、GMR素子
36及び38がマグネットロータ24の着磁面を軸方向
に挟むように配置されていることにより、マグネットロ
ータ24に相対的な傾きが生じた場合には、一方のGM
R素子はマグネットロータ24に接近し、他方のGMR
素子はマグネットロータ24から遠ざかることになる。
従って、上記実施例の回転速度センサ10によれば、マ
グネットロータ24に相対的な傾きが生じた場合に、出
力信号の振幅の減少に起因して測定精度が劣化すること
が防止されている。
【0049】次に、図13を参照して、本発明の第2実
施例である回転速度センサ50について説明する。図1
3は、回転速度センサ50の構成図である。なお、図1
3において、図2と同様の構成部分には同一の符号を付
してその説明を省略する。図13に示す如く、検出素子
52はコの字型の基板53により構成されている。検出
素子は、基板53がマグネットロータ24の外周縁部を
軸方向両側から跨ぐように、かつ、マグネットロータ2
4の径方向に向くように配設されている。基板53の、
マグネットロータ24の軸方向両側に位置する部位に
は、それぞれGMR素子54及び55が薄膜状に形成さ
れている。GMR素子54及び55は互いに同一の帯形
状に形成されており、該帯形状の長手方向がマグネット
ロータ24の着磁面に対して平行となるように設けられ
ている。また、基板53には、電極56及び57、及び
導体58が薄膜状に形成されている。電極56及び57
はそれぞれ、GMR素子54及び55の一端に接続され
ている。また、導体58はGMR素子54及び55の他
端を互いに接続している。
【0050】かかる構成によれば、上記第1実施例の回
転速度センサ10の場合と同様に、電極56、57間の
抵抗値は、マグネットロータ24の回転に対して周期α
で増減し、かかる抵抗値の増減を検出することにより、
マグネットロータ24の回転速度を検出することができ
る。更に、上記第1実施例の場合と同様に、電極56、
57間の抵抗値に基づいて得られる出力信号の振幅は、
マグネットロータ24と検出素子52との間に相対的な
軸方向の変位が生じても殆ど変化せず、従って、かかる
変位により測定精度が劣化することが防止されている。
【0051】上述の如く、本実施例の回転速度センサ5
0においては、2つのGMR素子54及び55が1つの
基板53に形成されている。従って、GMR素子54及
び55をエッチングにより一つの工程で形成することが
できるため、センサの製造コストが低減されている。ま
た、本実施例の回転速度センサ50は検出素子を1個の
み備える構成であるため、部品点数が減少され、従っ
て、センサの組み付けが容易とされている。
【0052】ところで、上記第1及び第2実施例におい
ては、2つのGMR素子を同一平面上に配置することに
より、マグネットロータ24の回転角に対して、これら
GMR素子の抵抗値を同位相で変化させることとしてい
る。これにより、GMR素子の直列抵抗値のマグネット
ロータ24の回転角に対する変化量が増加し、マグネッ
トロータ24の回転速度の検出精度が向上されている。
しかしながら、センサの組み付け誤差等により、GMR
素子54及び55が同一平面上に存在しない状態では、
GMR素子54及び55に作用する磁界が最大となるマ
グネットロータ24の回転位置が、GMR素子54と5
5とで互いに異なることになる。かかる状態では、マグ
ネットロータ24の回転角に対して、GMR素子54及
び55の抵抗値は互いに異なる位相で変化する。このた
め、GMR素子54及び55の直列抵抗値のマグネット
ロータ24の回転角に対する変化量は減少し、センサの
出力信号の振幅も減少する。
【0053】これに対して、本実施例の回転速度センサ
50においては、GMR素子54及び55が1つの基板
53に形成されることにより、GMR素子54及び55
が同一平面上に存在することが保証される。これによ
り、上述の如く、GMR素子54及び55の互いの位置
ずれに起因して、出力信号の振幅が減少することが防止
されている。
【0054】次に、図14を参照して、本発明の第3実
施例である回転速度センサ60について説明する。図1
4は、回転速度センサ60の構成図である。なお、図1
4において図2と同様の構成部分には同一の符号を付し
てその説明を省略する。図14に示す如く、回転速度セ
ンサ60はマグネットロータ62を備えている。マグネ
ットロータ62は回転部材に連結されており、回転部材
と一体となって回転する。マグネットロータ62は環状
の磁性部材に着磁することにより形成されている。図1
4に示す如く、マグネットロータ62は径方向に分極さ
れており、この分極方向が周方向に所定の角度(図14
に示す角度β)毎に反転するように着磁されている。マ
グネットロータ62の内側及び外側には、それぞれ、マ
グネットロータ62を径方向に挟むように、第1検出部
材28及び第2検出部材30が配設されている。第1検
出素子28及び第2検出素子30は、マグネットロータ
62の着磁面に対して垂直となると共に、互いに同一平
面状に位置するように、かつ、GMR素子36及び38
とマグネットロータ62との距離が互いに等しくなるよ
うに配設されている。
【0055】かかる構成によれば、上記第1実施例の回
転速度センサ10の場合と同様に、マグネットロータ6
2が回転すると、第1検出素子28及び第2検出素子3
0の各GMR素子36及び38に作用する磁界が変化す
ることにより、GMR素子36及び38の抵抗値が変化
する。マグネットロータ62と第1検出素子28及び第
2検出素子30との間に径方向の相対的な変位が生じた
場合には、GMR素子36及び38のいずれか一方がマ
グネットロータ62と接近し、他方はマグネットロータ
62から遠ざかることになる。従って、上記第1実施例
の場合と同様に、GMR素子36及び38の直列抵抗値
は、かかる径方向の変位によっては殆ど変化しない。従
って、本実施例によれば、マグネットロータ62と第1
検出素子28及び第2検出素子30との間に相対的な径
方向に変位が生じた場合にも、出力信号の低下を抑制し
得る回転速度センサ60が実現されている。
【0056】なお、本実施例においては、マグネットロ
ータ62の軸方向の幅を、GMR素子36及び38の長
さに対して十分大きく設けることにより、マグネットロ
ータ62と、第1検出素子28及び第2検出素子30と
の間に軸方向の相対的な変位が生じても、GMR素子3
6及び38に作用する磁界が変化することはない。従っ
て、本実施例においては、マグネットロータ62及びG
MR素子36及び38の寸法を適切に設けることによ
り、上述の如き軸方向の変位に対しても出力信号の振幅
が変化することのない回転速度センサ60を実現するこ
とができる。
【0057】更に、本実施例においては、GMR素子3
6及び38がマグネットロータ62の着磁面を径方向に
挟むように配置されていることにより、マグネットロー
タ24に相対的な傾きが生じた場合にも、GMR素子3
6及び38と、マグネットロータ62との距離は殆ど変
化しない。従って、上記実施例の回転速度センサ60に
よれば、マグネットロータ62に相対的な傾きが生じた
場合にも、出力信号の振幅が減少することが防止され
る。
【0058】なお、上記第1〜第3実施例においては、
マグネットロータ24、62が上記した磁石に、GMR
素子36、38、54、55が上記した磁気検出体にそ
れぞれ相当している。また、GMR素子36と38、及
び、GMR素子54と55の直列抵抗を電圧信号Vに変
化し、かかる電圧信号の増減の回数を計数することで上
記した回転速度検出手段が実現されている。
【0059】
【発明の効果】上述の如く、請求項1乃至3記載の発明
によれば、磁石の回転軌跡がその軸方向または径方向に
変位した場合に、回転速度センサの出力信号の振幅が減
少するのを防止することができる。これにより、かかる
変位に起因して、測定精度が劣化するのを防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である回転速度センサが組
み込まれたアクスルの断面図である。
【図2】本実施例の回転速度センサの斜視図である。
【図3】本実施例の回転速度センサを軸方向から見た図
である。
【図4】本実施例の回転速度センサの拡大部分図であ
る。
【図5】GMR素子の磁気抵抗特性を示す図である。
【図6】マグネットロータの回転角に対するGMR素子
の抵抗値変化を示す図である。
【図7】GMR素子の抵抗値を電圧信号に変換する回路
の回路図である。
【図8】GMR素子の形成手順を示す図である。
【図9】マグネットロータが軸方向に変位した状態を示
す図である。
【図10】図9に示す状態での各GMR素子に作用する
磁界及びその抵抗値変化を示す図である。
【図11】マグネットロータが図9とは逆向きに変位し
た状態を示す図である。
【図12】図11に示す状態での各GMR素子に作用す
る磁界及びその抵抗値変化を示す図である。
【図13】本発明の第2実施例である回転速度センサの
斜視図である。
【図14】本発明の第3実施例である回転速度センサの
斜視図である。
【符号の説明】
10、50、60 回転速度センサ 24、62 マグネットロータ 36、38、54、57 GMR素子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体と共に回転する磁石と、該磁石に
    対向する磁気検出体とを備える回転速度センサにおい
    て、 前記磁気検出体を、前記磁石の回転軌跡がその軸方向に
    変位した場合に、前記磁石により生ずる磁界の大きさが
    減少する部位と、前記磁石により生ずる磁界の大きさが
    増加する部位との双方に配置すると共に、 前記2つの磁気検出体の検出値に基づいて、前記回転体
    の回転速度を検出する回転速度検出手段を設けたことを
    特徴とする回転速度センサ。
  2. 【請求項2】 回転体と共に回転する磁石と、該磁石に
    対向する磁気検出体とを備える回転速度センサにおい
    て、 前記磁気検出体を、前記磁石の回転軌跡がその径方向に
    変位した場合に、前記磁石により生ずる磁界の大きさが
    減少する部位と、前記磁石により生ずる磁界の大きさが
    増加する部位との双方に配置すると共に、 前記2つの磁気検出体の検出値に基づいて、前記回転体
    の回転速度を検出する回転速度検出手段を設けたことを
    特徴とする回転速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1乃至3記載の回転速度センサに
    おいて、前記回転速度検出手段は、前記2つの磁気検出
    体の検出値の和に基づいて、前記回転体の回転速度を検
    出することを特徴とする回転速度センサ。
JP10817996A 1996-04-26 1996-04-26 回転速度センサ Pending JPH09292402A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10817996A JPH09292402A (ja) 1996-04-26 1996-04-26 回転速度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10817996A JPH09292402A (ja) 1996-04-26 1996-04-26 回転速度センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09292402A true JPH09292402A (ja) 1997-11-11

Family

ID=14478003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10817996A Pending JPH09292402A (ja) 1996-04-26 1996-04-26 回転速度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09292402A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281767A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Alps Electric Co Ltd センサ素子および磁気式センサ
JP2017075790A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社東海理化電機製作所 磁気センサ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010281767A (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 Alps Electric Co Ltd センサ素子および磁気式センサ
JP2017075790A (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社東海理化電機製作所 磁気センサ装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4132835B2 (ja) 回転数検出装置
US4754221A (en) Position detecting apparatus for detecting a signal magnetic field indicative of a desired position
WO2008071875A2 (fr) Capteur de position lineaire ou rotatif a profil d'aimant variable
EP3431933B1 (fr) Montage sur un organe d'un système de détermination de la position dudit organe
FR2698421A1 (fr) Logement pour fixation radiale d'un roulement.
JP3312531B2 (ja) 回転速度検出装置付ハブユニット
EP3513149A1 (fr) Système de détermination d'au moins un paramètre de rotation d'un organe tournant
JP3619156B2 (ja) 磁気検出装置
JPH07264833A (ja) モータ
KR100285656B1 (ko) 모터
US6657476B1 (en) AC-coupled sensor signal conditioning circuit
JPH09292402A (ja) 回転速度センサ
JP3367094B2 (ja) 回転検出装置
JP3019022B2 (ja) 磁気式回転速度センサ
EP3708963B1 (fr) Système de détermination d'au moins un paramètre de rotation d'un organe tournant
JP2004109113A (ja) 磁気検出装置
JP3064293B2 (ja) 回転センサ
JP2001133210A (ja) 非接触型位置センサ
JP2003315091A (ja) 回転角度センサ
JPH063158A (ja) 検出器
JPH09269205A (ja) 磁気式回転センサ
JP2792523B2 (ja) 磁気センサ
JPH0320779Y2 (ja)
EP3708964A1 (fr) Système de détermination d'au moins un paramètre de rotation d'un organe tournant
JP3082056B2 (ja) ロータリーエンコーダ