JPH092883A - 軽量硬化物製土木建築用部材及びその製造方法 - Google Patents

軽量硬化物製土木建築用部材及びその製造方法

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JPH092883A
JPH092883A JP15022395A JP15022395A JPH092883A JP H092883 A JPH092883 A JP H092883A JP 15022395 A JP15022395 A JP 15022395A JP 15022395 A JP15022395 A JP 15022395A JP H092883 A JPH092883 A JP H092883A
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synthetic resin
civil engineering
lightweight
cured product
construction
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JP15022395A
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Ichiro Nakajima
一郎 仲嶋
Kumiko Osugi
久美子 大杉
Kazunari Iwamoto
和成 岩本
Yoshihiro Kimura
吉宏 木村
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B18/00Use of agglomerated or waste materials or refuse as fillers for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of agglomerated or waste materials or refuse, specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B18/02Agglomerated materials, e.g. artificial aggregates
    • C04B18/021Agglomerated materials, e.g. artificial aggregates agglomerated by a mineral binder, e.g. cement
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B38/00Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の土木建築用部材を更に改善し、軽量
で、曲げ強度も大きく、水密性、断熱性、耐久性等に優
れ高品位で、製造が容易で生産性も高く、表面性もよく
表面仕上げ材も不要な新規な土木建築用部材を提供す
る。 【構成】 軽量硬化物を合成樹脂製の外装材で被覆し、
又は軽量硬化物の内部に合成樹脂製の芯材を埋設した土
木建築用部材。 【効果】 鉄筋等との複合材に較べて軽量で、しかも合
成樹脂製外装材や芯材により軽量硬化物の欠点である曲
げ強度、耐衝撃性、耐摩耗性、水密性等も格段に改善さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽量で、しかも強度が
大きく、水密性、断熱性、及び耐久性等に優れ、又、意
匠性にも優れた新規な土木建築用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、土木建築用部材としては、主に、
木材、鉄、コンクリート、ガラス、合成樹脂等の各種材
料が使用されている。しかし、これらの材料は、それぞ
れに長所と短所を有している。例えば、木材は軽量性、
断熱性、加工性、曲げ強度、圧縮強度等に優れるが、耐
火性、水密性、耐腐食性、防蟻性等の性能が低く、鉄の
場合には、強度は大きいが、軽量性、断熱性、防食性、
耐火性等の性能が低い。従って、これらの木材や鉄の場
合、腐敗、害虫、錆等を防ぐための処理を施す必要があ
り、加工工程数が増えコストも高くつく、といったこと
も挙げられる。又、コンクリートの場合には、軽量性、
加工性、曲げ強度等の点で性能が低く、合成樹脂の場合
には、軽量ではあるが、難燃性等の点で問題がある。
【0003】近年、コンクリートについては、その軽量
化を目的として、火山地域等で採取される天然軽量骨
材、又は膨張粘土、膨張頁岩等の人工軽量骨材、及び膨
張スラグ等の副産軽量骨材からなる軽量骨材を用いた軽
量コンクリートや、オートクレーブで養生して作成した
気泡軽量コンクリート(ALC)等を用いる例もある。
しかし、これらの軽量コンクリートの場合にも、水密性
が悪く、曲げ強度、圧縮強度が低く、更には、寸法安定
性が悪くなるといった問題点が指摘されている。そのた
め、本発明者らは先に合成樹脂発泡体を骨材として、圧
縮強度が高く、水密性、寸法安定性、耐久性の高い軽量
コンクリートを提案した(特開平5−31955号、特
開平6−16486号、特願平6−71033号等)。
この合成樹脂発泡体を骨材とした軽量コンクリートの場
合には、軽量で、しかも材料の選定により釘打、鋸によ
る切断も可能となり得るため、それら特性が注目されて
いる。しかし、この合成樹脂発泡体を骨材とした軽量コ
ンクリートの場合にも、その曲げ強度は通常のコンクリ
ートと同等であり、その改善が図られれば更に大きな展
開が期待される。曲げ強度を改善するために、鉄筋や繊
維等との複合化も考慮されるが、鉄筋との複合化の場合
には釘打性や鋸切性等の長所を欠くことになるととも
に、配筋作業等により生産性も低下し易い。又、繊維と
の複合化によっては曲げ強度を木材並の200kgf/
cm2 程度にすることはなかなか困難であり、材料費が
アップするだけでなく、表面性の低下、又、押出やプレ
ス成形が困難となり、やはり生産性が劣るものとなり易
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
上記のような従来の土木建築用部材の更なる改善を試
み、軽量で、且つ曲げ強度も大きく、その他の強度、水
密性、断熱性、耐久性等の性能に優れ、しかも製造が容
易で生産性も高く、より高品位であり、又、表面性がよ
く表面仕上げ材も不要な新規な土木建築用部材を提供せ
んとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係る土木建築用部材は、軽量硬化物を合
成樹脂製の外装材で被覆したことを特徴とする。図1
(a)は、この土木建築用部材の1例を示す断面図であ
り、軽量硬化物1を額縁状の合成樹脂製の外装材1で被
覆したものである。又、図1(b)〜(e)は、各種断
面形状の例を示すものである。更に、この土木建築用部
材は、長尺な棒状、板状、その他、用途に応じた任意の
形状とすることができる。
【0006】この土木建築用部材は、軽量硬化物を、こ
れも軽量な合成樹脂製の外装材で被覆してなるので、コ
ンクリートと鉄筋、鉄骨等との複合材に較べて軽量で、
しかも合成樹脂製の外装材により全体として曲げ強度、
耐衝撃性が改善され、又、表面の外装材により耐摩耗
性、水密性等も格段に改善される。又、軽量硬化物が軽
量コンクリートの場合、合成樹脂の膨張係数はコンクリ
ートとほぼ同じであることから、反りやクラックが生じ
にくく、クラック防止にもなる。更には、成形が容易な
合成樹脂製の外装材にタイル模様等の適宜意匠を施すこ
とも可能であり外観性、意匠性に優れた部材をも簡単に
製造することができる。
【0007】請求項2に係る土木建築用部材は、軽量硬
化物の内部に合成樹脂製の芯材を埋設してなることを特
徴とする。図2(a)は、この土木建築用部材の1例を
示す横断面図であり、軽量硬化物1の内部に合成樹脂製
の芯材3を埋設したものである。又、図2(b)〜
(e)は、各種断面形状の部材の例を示すものであり、
この土木建築用部材は、長尺な棒状、板状、その他、用
途に応じた任意の形状とすることができ、又、内部に埋
設する芯材3の形状等も部材の用途や要求される強度に
応じて適宜設定する。例えば、芯材3を図3に示すよう
に異形のものを用いてもよく、更に、図4に示すよう
に、複数の芯材3・・・を埋設してもよい。
【0008】この土木建築用部材は、軽量硬化物内に、
これも軽量な合成樹脂製の芯材を埋設してなるので、コ
ンクリートと鉄筋、鉄骨等との複合材に較べて軽量で、
しかも合成樹脂製の芯材により全体として曲げ強度、耐
衝撃性が改善される。又、従来の軽量コンクリートと同
様に、防腐性、防錆性等にも優れる。又、軽量硬化物が
軽量コンクリートの場合、合成樹脂の膨張係数はコンク
リートとほぼ同じであることから、芯材の反りやクラッ
クが生じにくく、土木建築用材料のクラック防止にもな
る。
【0009】次に、請求項3に係る土木建築用部材は、
請求項1に係る土木建築用部材において、軽量硬化物内
部に合成樹脂製の芯材を埋設してなるものである。この
ように、軽量硬化物を合成樹脂製の外装材で被覆するこ
とに加えて、軽量硬化物の内部に合成樹脂製の芯材を埋
設しておくことで、曲げ強度をより改善することができ
る。図5は、このように軽量硬化物1の内部に合成樹脂
製の芯材3を埋設した場合の実施例を示すものである。
この場合の芯材3としては、図6に示すように異形のも
のを用いてもよく、更に、図7に示すように、複数の芯
材3・・・を埋設してもよい。
【0010】次に、請求項4に係る土木建築用部材は、
請求項2、3に係る土木建築用部材において、合成樹脂
製の芯材を中空成形体としたものである。図8、9は、
この中空成形体の芯材3を埋設した例を示す断面説明図
であり、この場合にも、図10、11に示すように複数
の芯材3を埋設してもよく、又、中空の芯材と中実の心
材とを併用してもよい。更に、図12に示すように異形
の芯材3としてもよい。このように、芯材を中空成形体
とすれば、一層の軽量化を実現でき、しかも、例えば、
地中埋設管等として使用する場合に、芯材3を配管とし
て使用することができる。尚、中空な芯材3の内部にも
軽量硬化物を充填することもできる。
【0011】更に、図13に示すように、外装材1の内
面に補強用のリブ4を形成したり、或いは、図14に示
すように、外装材1と芯材3との間をリブ4で連結する
ことで、より一層の強化を図ることも可能である。
【0012】又、請求項5に係る土木建築用部材は、軽
量硬化物中に埋設した中空成形体からなる芯材の内部
に、更に補強材を内装してなるものである。図15はこ
のような軽量硬化物1内部に埋設した中空成形体からな
る芯材3内に更に補強材5を内装した土木建築材料の断
面説明図である。この補強材5としては、鉄筋、PC鋼
線、PCより線、PC鋼棒、合成樹脂繊維、木材、更に
鋼製又は合成樹脂製ボルト等の引っ張り強度が強いもの
が好ましい。このように、中空な芯材3の内部に更に補
強材5を内装することで、部材強度、特に曲げ強度をよ
り一層増大させることが可能となる。このうち、木材、
合成樹脂等を使用した場合には、鋸切性を損なわないの
で好ましい。
【0013】更に、請求項6に係る土木建築用部材は、
前記のように芯材に内装した補強材に引っ張り応力をか
けた状態で補強材を固定してなるものである。具体的に
は、例えば、図16に示すように、中空な芯材3内に貫
挿したPC鋼線等の補強材5を両側から引っ張った状態
で芯材3に固定することで、補強材5に両側から引っ張
り応力をかけた状態で軽量硬化物1又は芯材3にくさび
金具6等を用いて固定する。このように、補強材5に両
側から引っ張り応力をかけた状態で固定することで、部
材の曲げ強度をより一層増大させることが可能となる。
【0014】又、請求項7に係る土木建築用部材は、土
木建築用部材同士を互いに接合して部材同士を連結して
なるものである。図17はその一例を示すものであっ
て、軽量硬化物1内に埋設した中空な芯材3の内部に、
補強材5を、その一端5aを部材の一側端から突出させる
とともに、他端側の芯材3内部には空隙3aを形成して嵌
合部とし、図17(b)に示すように、一方の部材の空
隙3a部分に他方の部材の補強材の突出端5a部分を嵌入し
て順次連結してゆくことで、複数の部材を一体に連結す
ることができるのである。尚、土木建築用部材同士の連
結の例として補強材5による例を図示したが、外装材2
や芯材3を利用することもできる。しかしながら、補強
材を利用しての連結が強度の点では最も好ましい。
【0015】上記のような本発明に係る土木建築用部材
の具体例としては、例えば、建築物の柱、梁、土台、大
引、根太、束等の構造部材、OAフロアー、階段の段
板、建築物の外壁、床材、天井材、内装材、耐火材、間
仕切材、窓枠材等の建築部材、ベンチ、机等の家具材、
あるいは、地中埋設管、ヒューム管、コンクリートパイ
ル等の土木用部材等に用いることができる。
【0016】外装材の合成樹脂は特に限定されるもので
はないが、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル系樹脂、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフ
ィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、及びシリコーン樹脂、
フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等を使用することがで
きる。又、この合成樹脂は発泡体や複層したものを用い
ることもできる。軽量硬化物に対する、外装材としての
合成樹脂の量としては、曲げ強度、難燃性等の観点から
1〜25容量%が好ましく、更に好ましくは3〜15容
量%の範囲である。
【0017】芯材の合成樹脂としては特に限定されるも
のではないが、ポリ塩化ビニル樹脂等の塩化ビニル系樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオ
レフィン系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、及びシリコーン
樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等を使用するこ
とができる。又、これらの合成樹脂は発泡体や複層した
ものを用いることもできる。
【0018】前記軽量硬化物としては、気泡軽量コンク
リート、パーライト若しくはシラスバルーン等の軽量骨
材を用いた軽量コンクリート、或いは合成樹脂発泡体を
骨材とした軽量コンクリート等を使用することができ
る。
【0019】請求項8は、軽量硬化物として、合成樹脂
発泡体を骨材とし、水及び水硬性結合材と混練し養生硬
化したものである。この軽量硬化物は、局部強度が小さ
く、木材に使用する鉄丸釘を使用することができ、且つ
木材と同程度の釘の引抜き抵抗力を有する。即ち、木材
と同様に建築物用の構造材として用いることができる。
又、平均粒径が1.5mm以下の合成樹脂発泡ビーズを
用いた場合、製造時に結合材や水と混練する際にローリ
ング効果により結合材の流動性が良好となり、良好な作
業性を維持しつつ水結合材比を小さくすることができ
る。更に、水結合材比が小さく水や空気を透しにくい合
成樹脂発泡体を含有していることで、中性化や凍結融解
抵抗性に優れた高耐久性の軽量硬化物となる。
【0020】更に、請求項9は、軽量硬化物として、複
数個の合成樹脂発泡体を水硬性結合材で固めて一体とし
た発泡体入り軽量骨材を更に配合してなるものである。
このものは、軽量硬化物中に合成樹脂発泡体が配合され
ているのに加え、発泡体入り軽量骨材中にも合成樹脂発
泡体が含まれているので、より一層の硬化物の軽量化を
図ることができる。しかも、合成樹脂発泡体を予め水硬
性結合材で固めたうえで骨材として混入することにより
取り扱いが簡便になるとともに、より多量の合成樹脂発
泡体を良好に混入させることが可能となり、釘打性能、
鋸切性能はそのままで軽量硬化物の乾燥収縮性能を大幅
に向上させることができる。
【0021】上記のように軽量硬化物に合成樹脂発泡体
を用いた場合には、硬化物の比重を1.0〜1.5程度
に小さくすることができる。この合成樹脂発泡体は軽量
で吸水性が低く、硬化物全体にほぼ平均して分布してい
る。この合成樹脂発泡体は、流動性や軽量化の観点か
ら、その平均粒径が0.1〜1.5mmの範囲のものが
好ましい。更に好ましくは、0.5〜1.0mmであ
る。このように合成樹脂発泡体が小さいと、水硬性結合
材や水と混練する際にローリング効果により結合材の流
動性がより良好で、良好な作業性を維持しつつ水結合材
比を小さくすることができ、得られる硬化物は、連続空
隙が小さく、緻密で収縮が小さく、又、吸水性や透水性
も小さく、しかも、凍結融解抵抗性や中性化性能に優れ
た高耐久性の軽量硬化物となる。しかし、この合成樹脂
発泡体の平均粒径が0.1mm未満であると、流動性が
悪くなり好ましくない。一方、1.5mmを越えると軽
量のため水や結合材と混練した際に浮力により浮き上が
り、混練物と分離しやすくなる。この合成樹脂発泡体の
分離は、増粘剤等の混和剤を添加することである程度は
防止できるが、完全ではなく、又、混和剤の使用により
施工性が悪くなるという問題が生ずる。又、合成樹脂発
泡体が大きいと硬化物に欠陥部が生じやすく、その部分
に集中応力がかかり、硬化物の強度が20〜30%も低
下してしまう。
【0022】又、前記合成樹脂発泡体の外形状は、合成
樹脂発泡体を粉砕した粉砕品や異形のものであってもよ
いが、ほぼ球状をなすビーズに形成したものの方が、比
重のバラツキが少なく、又、計量誤差が少なく水結合材
比の管理も容易である。更に、球状であれば応力を分散
できて強度も強く、且つ全体として強度が平均し、品質
の安定した硬化物が得られるので好ましい。又、球状で
あれば表面の凹凸も少なく吸水率が小さいので、結合材
の流動性が良くなり、その分だけ水の量を少なくするこ
とができ、軽量硬化物の水結合材比を小さくすることが
でき、連続空隙が小さく、緻密で収縮が小さく、凍結融
解抵抗性、水密性や中性化性能が向上する。ここで、ビ
ーズとは、球形や長円形や円筒形の球を意味するが、こ
の中でも、球形のものが最も好ましい。これに対し、粉
砕品等の異形のものでは、いびつな形状のために局部的
に応力が集中し、強度が小さくなるといった問題や、
又、計量にバラツキが生じやすく、安定した品質の軽量
硬化物が得られ難いという難点がある。
【0023】前記合成樹脂発泡体の原料樹脂としては、
公知の種々のものが使用できる。例えば、ポリスチレン
等のスチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等
のポリオレフィン系樹脂、アクリルニトリルポリスチレ
ン、ポリスチレンポリエチレン共重合体等の各種共重合
体樹脂、ポリ塩化ビニリデン等があり、これらを発泡さ
せることにより得られる。この中でも、ポリスチレンを
用いれば、その強靱性によって軽量硬化物の強度が強く
なる。しかもポリスチレンは安価に入手できるので、合
成樹脂発泡体としては、ポリスチレン発泡ビーズを用い
ることが最も好ましい。
【0024】前記合成樹脂発泡体は、平均真比重が0.
2〜0.05の範囲のものが、適度な強度が得られ、経
済的にも適しているので好ましい。これを発泡倍率に換
算して述べることは原料樹脂の種類等により異なるので
必ずしも適切ではないが、発泡倍率に換算するとおよそ
5〜20倍の範囲内である。合成樹脂発泡体の平均真比
重が0.05未満、即ち発泡倍率が20倍を超える場合
には、軽量硬化物の強度が20〜30%程度低下し、結
合材との混練物を圧送する場合には発泡体が圧密され、
密度が高くなる傾向がある。一方、平均真比重が0.2
を超える場合、即ち発泡倍率が5倍未満の場合にも、軽
量硬化物中での合成樹脂の量が多くなり、軽量硬化物の
強度が低下し、且つ不燃性も低下し、又、軽量硬化物の
重量も重くなる。尚、ここで、真比重とは結合材と混合
する前の比重のことをいい、平均真比重とは、混合する
すべての合成樹脂発泡体の平均した比重のことをいう。
尚、このような発泡倍率のものでも、軽量硬化物の中で
は若干収縮しており、その収縮の度合いは高倍率のもの
程大きい。
【0025】前記水硬性結合材としては、セメント、石
灰、石膏等の種々の公知のものを用いることができる
が、この中でも、セメントは強度が大きく、又、耐久性
に優れ、しかも比較的安価であることから最も好まし
い。更に、このセメントとしては、普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント等のポルトランドセ
メント以外に、高炉セメント、シリカセメント、フライ
アッシュセメント等も用いることができ、用途により使
い分けるのが好ましい。
【0026】軽量硬化物の水結合材比は45%以下が好
ましく、更に好ましくは25〜40%、最も好ましくは
30〜35%である。このように水結合材比が小さいの
は、前述したように微小な合成樹脂発泡体のローリング
効果によるものであり、このように水結合材比を小さく
することでより緻密な軽量硬化物を得ることができる。
水結合材比が45%を超えると圧縮強度、乾燥収縮率の
性能が低下する傾向を持ち、吸水性や透水性も大きくな
り、又、凍結融解抵抗性や中性化性能が劣る傾向を有
し、軽量硬化物の耐久性が低下する方向となり易い。こ
の水結合材比は、AE剤、減水剤、高性能AE減水剤、
高炉スラブ等を用いることで小さくすることができる。
一般に水結合材比は小さい方が良い性能を示すものの、
25%未満と小さくなり過ぎると、混練物の粘性が高く
なり、混練、ポンプ圧送性等が低下して作業性が悪くな
る傾向を有する。
【0027】又、前記合成樹脂発泡体の軽量硬化物中へ
の混入率は、10〜55容量%、好ましくは20〜40
容量%である。合成樹脂発泡体の混入率が10容量%未
満であると、軽量硬化物の比重を小さくすることができ
ず、又、断熱性が低下し、更に、釘打ち性能や鋸切り性
能等も低下する。一方、55容量%を超えると、軽量硬
化物の強度、難燃性(不燃性)、更には、釘の引抜き抵
抗力が低下するといった傾向がある。尚、ここで容量%
とは、合成樹脂発泡体の絶対容積をベースとするもので
あり、粒子間の空隙は考慮していない。合成樹脂発泡体
の混入率を上記の範囲に調整することで、軽量硬化物の
単位容積質量は1000〜1600kg/m3 の範囲内
となり、軽量硬化物が全体として軽量となる。又、この
場合、水硬性結合材の混入単位容積質量は700kg/
3 以上となるので、強度の強い軽量硬化物となる。
【0028】更に、この軽量硬化物は、気乾比重が0.
9〜1.5と従来の軽量コンクリートに比べても軽量で
あるにもかかわらず、普通コンクリートと同程度の強度
を得ることができる。具体的には、圧縮強度は90〜3
00kg/cm2 であり、例えば、比重1.25の場合
であれば約250kg/cm2 となる。又、曲げ強度は
30〜70kg/cm2 であり、例えば、比重1.25
の場合には約50kg/cm2 となる。又、この軽量硬
化物は、吸水率が20重量%以下と小さい。
【0029】又、請求項9で用いた発泡体入り軽量骨材
は、複数の合成樹脂発泡体を、セメント等の水硬性結合
材に水を加えて混練し、養生硬化させたものである。こ
の場合、前記発泡体入り軽量骨材の混入量は特に限定は
されないが、全容積の20〜50容量%が好ましく、特
に30〜40容量%が好ましい。水結合材比は45%以
下が好ましく、更に好ましくは25〜40%、特に好ま
しくは30〜35%とすることが強度の点から好まし
い。又、発泡体入り軽量骨材の比重は、軽量硬化物の比
重とほぼ同じ値にすることが強度の点から好ましい。
【0030】この発泡体入り軽量骨材中の合成樹脂発泡
体の平均粒径は0.1〜1.5mmとすることで、粒径
の小さな品質の安定した骨材を得ることができるので好
ましい。つまり、骨材中の合成樹脂発泡体の粒径が0.
1mm未満であると、結合材の流動性が低下し、合成樹
脂発泡体の混入量を多くできないため骨材を軽量化しに
くくなり易く、ひいては、これを骨材として用いた軽量
硬化物を軽量化しにくくなる傾向を持つ。一方、骨材中
の合成樹脂発泡体の粒径が1.5mmを超えると、骨材
の密度や強度のバラツキが生じやすく、又、骨材自体が
大きくなり、好ましくない傾向を有する。
【0031】又、発泡体入り軽量骨材中の合成樹脂発泡
体が、合成樹脂発泡体の粉砕品や異形であると、計量誤
差が大きく、骨材の比重のバラツキが生じやすく、又、
弱点部に応力集中がかかり強度が低下する傾向がある。
これに対し、合成樹脂発泡体がほぼ球状をなすものであ
ると、重量計量、容積計量共に容易であり、計量のバラ
ツキを抑えることができ、応力分散が良く、強度が高
く、しかも安定した品質の骨材とすることができるので
好ましい。
【0032】前記発泡体入り軽量骨材中の合成樹脂発泡
体の原料樹脂としては、ポリスチレン等のスチレン系樹
脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン
系樹脂、アクリルニトリルポリスチレン、ポリスチレン
ポリエチレン共重合体等の各種共重合体樹脂、ポリ塩化
ビニリデン等が挙げられるが、この中でも、ポリスチレ
ンを用いた場合には、その性質上、強度が大きく、しか
も比較的安価に入手できるので好ましい。又、この合成
樹脂発泡体の真比重を0.05〜0.2の範囲内とすれ
ば、強度が適度に保たれ、混練時に変形しにくく、骨材
の強度低下を防ぐことができるので好ましい。つまり、
骨材中の合成樹脂発泡体の真比重が0.05未満の場
合、強度が小さくなり易く、水硬性結合材との混練時に
変形して骨材としての強度が小さくなるので好ましくな
い方向になり易い。一方、0.2を超えると、原材料費
が高くなる割にはその強度も殆ど変わりなく不経済であ
るので、上記の範囲が好ましい。これを発泡倍率に換算
して述べることは原料樹脂の種類等により異なるので必
ずしも適切ではないが、およそ5〜20倍の範囲内であ
るのが好ましい。
【0033】又、この発泡体入り軽量骨材の水硬性結合
材としては、セメントを用いることで、骨材の強度が大
きく、且つ耐水性に優れたものとなる。このセメントと
しては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント等のポルトランドセメント以外に、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント等も用い
ることができるが、特にセメントに高炉スラグを混入す
ると更に性能が向上し、より好ましい骨材となる。
【0034】この発泡体入り軽量骨材の水結合材比は、
30%を超えると、吸水率が大きく、吸水による膨張率
も大きく、且つ、強度も低くなるので、30%以下が好
ましい。このような水結合材比とすることで、吸水率が
小さく、吸水による膨張率も小さく、且つ強度も強い骨
材となる。
【0035】又、この発泡体入り軽量骨材の全体形状
は、多角形、長円球体、その他の不定形体等の種々の形
状に形成することができるが、ほぼ球状とすれば、圧力
や応力がかかった場合にこれを分散することができ、強
度の高い骨材を得ることができ、又、軽量硬化物に使用
する場合に混練物の流動性が向上する。更に、その粒径
は2.5〜15mmの範囲内とすることが好ましい。こ
の発泡体入り骨材の粒径が2.5mm未満の場合には、
骨材の混入率を高くできなくなるため好ましくない。一
方、骨材の粒径が15mmを超える場合には軽量硬化物
中の骨材が分離しやすくなるため好ましくない。
【0036】更に、硬化した発泡体入り軽量骨材の外周
面に合成樹脂発泡体が露出していると、硬化物の吸水率
はより小さくなり、水結合材比の管理が一層容易とな
り、硬化物の品質が安定するので好ましい。
【0037】ところで、合成樹脂発泡体を1個だけセメ
ント等の水硬性結合材でその外周囲を被覆して固めた場
合には、水硬性結合材の皮膜厚さの調整が難しく、その
結果、比重や強度のバラツキが生じやすく均一な骨材を
得ることが困難となり易い。これに対し、請求項6で使
用する発泡体入り骨材のように複数個の合成樹脂発泡体
を水硬性結合材で固めた場合には、各々の骨材における
合成樹脂発泡体を被覆している水硬性結合材の皮膜厚さ
がほぼ均等となり、比重や強度のバラツキがなく均一な
骨材を得ることができるので好ましい。又、その製法に
おいても、個々の合成樹脂発泡体を被覆する場合に較べ
て簡単に製造することができる。尚、1個の骨材中の合
成樹脂発泡体の具体的な個数は、骨材の大きさや合成樹
脂発泡体の粒径等によって異なるが、例えば、骨材の直
径が10mmで、合成樹脂発泡体がほぼ球状で平均粒径
が0.7mmの場合には、骨材中に含まれる合成樹脂発
泡体の数は50〜250個程度である。
【0038】又、この発泡体入り軽量骨材の好ましい真
比重は、0.8以上、特に好ましくは1.0〜1.5の
範囲内である。真比重が0.8未満であると、その分、
合成樹脂発泡体の混入率が大きくなり、強度及び不燃性
がともに低下する傾向が生ずる。水硬性結合材がセメン
トである場合、その硬化した場合の比重は約1.9〜
2.2であるから、合成樹脂発泡体の比重が0.1のも
のを用いた場合、最も好ましい合成樹脂発泡体の混入体
積比は約20〜60%の範囲である。
【0039】尚、上記のような軽量硬化物には、合成樹
脂発泡体の他に、構造用軽量コンクリート骨材、砂、砂
利、混和材等を配合することもできる。前記の構造用軽
量コンクリート骨材の例としては、JIS A 500
2に規定されているもの、例えば、人工軽量骨材、天然
軽量骨材、副産軽量骨材等を挙げることができる。この
構造用軽量コンクリート骨材の混入量は特に限定されな
いが、全容量の20〜50容量%、特に30〜40容量
%が好ましい。又、その寸法としては平均粒径が2.5
〜20mm、好ましくは2.5〜10mmであり、比重
は0.4〜2.0、特に1.0〜1.5程度であること
が好ましい。比重が1.0以下の場合には、骨材の寸法
は細かい方が良く、平均粒径2.5〜10mmが好まし
く、更に好ましくは2.5〜5mm程度である。
【0040】又、軽量硬化物には繊維を混入することが
できる。繊維を混入すれば、軽量硬化物のクラック防止
効果及び耐衝撃性が向上するので好ましい。この場合に
混入される繊維としては、ビニロン、ナイロン、ポリプ
ロピレン、アラミド、岩綿、耐アルカリガラス繊維や炭
素繊維等を挙げることができるが、耐アルカリ性、引張
り強さ等の点からは炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン
繊維、耐アルカリガラス繊維、岩綿繊維等を用いること
が好ましい。又、これらの繊維の長さは、好ましくは3
〜30mmであり、更に好ましくは、10〜15mmで
ある。繊維の長さが30mmを超えると分散性が悪くな
り、結合材の流動性が小さくなる。一方、3mm未満で
あると、十分な補強効果を得ることができない。繊維の
太さは特に限定されないが、概ね1〜200デニールが
目安である。この繊維の配合量は、結合材重量に対して
0.1〜3重量%、更に0.5〜1重量%であるのが好
ましい。0.1重量%未満であるとクラック防止効果及
び耐衝撃性向上効果が小さく、一方、3重量%を超える
と混合性が低下する傾向を有し易い。
【0041】上記のような本発明に係る土木建築用部材
においては、軽量硬化物の内部に埋設した合成樹脂製の
芯材に加えて更に補強材を埋設することで、圧縮強度、
曲げ強度をより向上させることができる。この補強材と
しては、鉄筋、PC鋼線、PCより線、PC鋼棒等の鋼
材、合成樹脂繊維、木材等が挙げられ、目的とする土木
建築用部材の種類や用途に応じて適宜選択する。このよ
うな補強材を軽量硬化物の内部に埋設しておくことで、
得られる構造材の曲げ強度が向上するので好ましい態様
である。
【0042】尚、合成樹脂製の外装材で被覆した軽量硬
化物製の土木建築用部材を製造するには、予め成形して
養生硬化した軽量硬化物の表面を合成樹脂製の外装材で
被覆してもよいし、予め成形した合成樹脂外装材の内部
に軽量硬化物を充填するようにしてもよい。予め軽量硬
化物を成形、硬化する場合には、型枠内に軽量硬化物の
混練物を充填して養生、硬化してもよいし、押出方法等
によって成形したものを養生、硬化するようにしてもよ
い。この硬化物の養生、硬化に際しては、自然養生、加
熱養生、蒸気養生、オートクレーブ養生、その他の方法
を適宜用いることができる。又、軽量硬化物の全面を合
成樹脂製外装材で被覆しても、又、その一部の表面のみ
に外装材を設けるようにしてもよい。
【0043】請求項10に係る発明は、本発明に係る軽
量硬化物製の土木建築用部材の製造方法であって、外装
材となる合成樹脂製の型枠内に軽量硬化物の混練物を注
入し、養生硬化することで合成樹脂製の外装材の内部に
軽量硬化物を一体化する製造方法である。この場合、外
装材自体が軽量硬化物の成形、硬化時の型枠を兼ねるの
で、成形時に別途型枠を使用する必要がなく、又、硬化
後に型枠を取り外す手間もいらず、極めて簡単に目的と
する土木建築用部材を製造することができ、又、使用す
る部材も少なくて済む。この場合、型枠となる合成樹脂
製の外装材はコンクリートにより劣化することもなく、
且つ、合成樹脂製の外装材はコンクリートの養生硬化時
の硬化を阻害するといったこともない。又、合成樹脂製
の外装材自体の製造方法には特に制限はなく、押出成形
方法、射出成形方法、ブロー成形方法等の適宜手段を用
いることができる。この型枠となる外装材への注入時に
エアー圧等を用いることもできる。
【0044】又、上記のような内部に合成樹脂製の芯材
を埋設した軽量硬化物製の土木建築用部材を製造するに
は、予め内部に合成樹脂製の芯材を配設した型枠内に軽
量硬化物の混練物を注入して養生硬化させてもよいし、
軽量硬化物と芯材とを押出成形等により同時成形しても
よいし、又、予め芯材埋設部を形成して成形、養生硬化
させた軽量硬化物の内部に芯材を挿着するようにしても
よい。更にこの場合、合成樹脂製の芯材は予め成形した
ものであってもよいし、軽量硬化物に芯材埋設用の空間
部を形成しておき、ここに合成樹脂原料を充填して硬化
させるようにしてもよい。この場合の軽量硬化物の養
生、硬化に際しても、自然養生、加熱養生、蒸気養生、
オートクレーブ養生、その他の方法を適宜用いることが
できる。又、芯材は、軽量硬化物の内部に完全に埋設し
てあってもよいし、軽量硬化物を貫通し、更には前記図
17の実施例のように、芯材が軽量硬化物の外部に突出
した状態であってもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明の実施例を、比較例とともに説
明する。
【0046】(1)軽量硬化物の作製 表1に示す材料を用い、表2に示す割合で軽量硬化物を
配合し、オムニミキサーを用いて混練し、軽量硬化物を
作製した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】(2)試験体の作製 <比較例1〜4>表3の試験方法に示す試験体寸法(φ
100mm×200mm、又は100mm×100mm
×400mm)の型枠内に、前記軽量硬化物の混練物を
流し込み、20℃、80%の恒温恒湿槽にて24時間養
生後、脱型し、標準水中養生を行った。
【0050】
【表3】
【0051】<実施例1〜3、比較例5>表1に示す合
成樹脂を用いて外寸法φ100mm×200mmで厚さ
2mm、又は100mm×100mm×400mmで厚
さ2mmの合成樹脂製外装材を作製し(合成樹脂の断面
積比約8%)、注入孔から前記軽量硬化物の混練物を流
し込み、20℃、80%の恒温恒湿槽にて24時間養生
後、脱型し、標準水中養生を行った。
【0052】<実施例4〜6、比較例6>表1に示す合
成樹脂を用いて外寸法φ50mm×200mmで厚さ
4.5mm、又は50mm×50mm×400mmで厚
さ4.5mmの合成樹脂製芯材を作製し(合成樹脂の断
面積比約8%)、試験体寸法(φ100mm×200m
m、又は100mm×100mm×400mm)の型枠
内の中心部にセットし、軽量硬化物の混練物を流し込
み、20℃、80%の恒温恒湿槽にて24時間養生後、
脱型し、標準水中養生を行った。
【0053】<実施例7、8>合成樹脂を用いて作成し
た外寸法100mm×100mm×400mmの型枠内
に中空φ10mmの表1に示す合成樹脂製芯材としての
パイプ(シース)を埋め込み、軽量硬化物の混練物を流
し込み、20℃、80%の恒温恒湿槽にて24時間養生
後、脱型し、標準水中養生を行い、硬化後、補強材とし
てφ8mmのPC鋼棒を前記芯材である中空パイプ中に
挿入し、約10000kgの引張り応力を加えた状態で
図16に示すように両端をくさび金具を用いて固定し
た。
【0054】上記のような実施例1〜8及び比較例1〜
6で得られた試験体について、表3に示す各種試験を行
い、結果を表4〜表7に示した。
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】表4〜表7の結果から明らかなように、本
発明によれば、釘打ち、及びノコギリによる切断性を犠
牲にすることなく、曲げ強度が格段に改善された。又、
その他の諸物性についても満足しうるものであった。
【0060】
【発明の効果】請求項1に係る土木建築用部材は、軽量
硬化物を合成樹脂製の外装材で被覆してなるから、鉄筋
等との複合材に較べて軽量で、しかも合成樹脂製外装材
により軽量硬化物の欠点である曲げ強度、耐衝撃性、耐
摩耗性、水密性等も格段に改善される。又、合成樹脂の
膨張係数はコンクリート等の軽量硬化物とほぼ同じであ
ることから、反りやクラックが生じにくく、クラック防
止にもなる。更には、成形が容易な合成樹脂製の外装材
にタイル模様等の適宜意匠を施すことで外観性、意匠性
に優れた部材を極めて簡単に製造することができる。
又、合成樹脂製の外装材を任意の形状に成形して自由な
形状の土木建築用部材を製造することができる。
【0061】請求項2に係る土木建築用部材は、軽量硬
化物の内部に合成樹脂製の芯材を埋設してなるから、鉄
筋や鉄骨等との複合材に較べて軽量で、しかも合成樹脂
製芯材により軽量硬化物の欠点である曲げ強度、耐衝撃
性が改善され、しかも、防腐性、防錆性等にも優れてい
る。又、合成樹脂の膨張係数はコンクリート等の軽量硬
化物とほぼ同じであることから、反りやクラックが生じ
にくく、クラック防止にもなる。
【0062】請求項3に係る土木建築用部材は、軽量硬
化物を合成樹脂製の外装材で被覆するとともに、軽量硬
化物の内部に合成樹脂製の芯材を埋設してなるから、一
層の軽量化を可能とし、且つ、曲げ強度を一層向上させ
ることができる。
【0063】請求項4に係る土木建築用部材は、前記合
成樹脂製の芯材として中空成形体を用いてなるから、一
層の軽量化を可能とし、しかも、例えば、地中埋設管等
として使用する場合に、芯材を配管として使用すること
ができる。
【0064】又、請求項5に係る土木建築用部材は、軽
量硬化物中に埋設した中空成形体からなる芯材の内部
に、更に補強材を内装してなるから、補強材により部材
の強度、特に曲げ強度をより一層増大させることが可能
となる。
【0065】更に、請求項6に係る土木建築用部材は、
前記のように芯材に内装した補強材に引っ張り応力をか
けた状態で芯材に補強材を固定してなるから、部材の曲
げ強度をより一層増大させることが可能となる。
【0066】又、請求項7に係る土木建築用部材は、複
数の部材を外装材、芯材、又は補強材の少なくとも一つ
を利用して互いに接合して部材同士を連結してなるか
ら、複数の部材を簡単に連結することができる。
【0067】請求項8では、前記軽量硬化物として、少
なくとも、合成樹脂発泡体、水、及び水硬性結合材と混
練し、これを養生硬化してなるものを用いことで、下記
のような作用効果を奏する。即ち、(1)局部強度が小
さく、木材に使用する鉄丸釘を使用することができ、且
つ木材と同程度の釘の引抜き抵抗力を有し、又、切断性
も良好で鋸切りも可能である。(2)軽量である。
(3)耐火性、断熱性に優れている。(4)骨材の流動
性がよく、型枠への注入が容易である。(5)圧縮強度
に優れている。(5)乾燥収縮率が小さく、反りやクラ
ックが生じ難い。(6)吸水率が小さく、混練時や圧送
時、合成樹脂発泡体が潰れない。又、真球に近い球形の
場合には容積計量が可能で計量誤差が小さい。(7)水
密性に優れている。(8)凍結融解抵抗性に優れてい
る。
【0068】請求項9では、前記軽量硬化物として、少
なくとも、複数個の合成樹脂発泡体を水硬性結合材で固
めて一体とした発泡体入り軽量骨材、合成樹脂発泡体、
水、及び水硬性結合材を混練し、これを養生硬化してな
るものを用いてなり、発泡体入り軽量骨材に合成樹脂発
泡体が含まれているのに加え、これとは別に軽量硬化物
中に合成樹脂発泡体が配合されているので、より一層の
軽量化を図ることができ、しかも、合成樹脂発泡体を予
め水硬性結合材で固めたうえで骨材として混入すること
で、釘打性能、鋸切性能はそのままで軽量硬化物の乾燥
収縮性能を向上させることができる。
【0069】そして、請求項10では、外装材となる合
成樹脂製の型枠内に軽量硬化物の混練物を注入し、養生
硬化することで合成樹脂製の外装材の内部に軽量硬化物
を一体化するようにしたことから、外装材が軽量硬化物
の成形、養生硬化時の型枠となるので、成形時に別途型
枠を使用する必要がなく、使用する部材も少なくて済
み、しかも、硬化後に型枠を取り外す手間もいらず、極
めて簡単に目的とする土木建築用部材を製造することが
できる。又、型枠となる合成樹脂製外装材は水密性がよ
いため、軽量硬化物の混練物を注入する際のノロのもれ
を防止でき、しかも、合成樹脂はコンクリートにより劣
化することはなく、且つ、コンクリートの硬化を阻害す
ることもない。更には、合成樹脂は成形が容易であるこ
とから、外装材の厚みの調整や、複雑な形状の部材でも
自由に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(e)は、いずれも本発明に係る土
木建築用部材の例を示す断面図。
【図2】 (a)〜(e)は、いずれも本発明に係る土
木建築用部材の例を示す横断面図。
【図3】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図4】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図5】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図6】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図7】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図8】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図9】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図10】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図11】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図12】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図13】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図14】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す断面
図。
【図15】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す横断
面図。
【図16】 本発明に係る土木建築用部材の例を示す側断
面図。
【図17】 (a)は本発明に係る土木建築用部材の例を
示す横断面図で、(b)は部材同士を連結した状態の横
断面図である。
【符号の説明】
1:軽量硬化物、 2:合成樹脂製外装材、3:合成樹
脂製芯材、 4:リブ、5:補強材、6:くさび金具。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽量硬化物を合成樹脂製の外装材で被覆
    したことを特徴とする軽量硬化物製土木建築用部材。
  2. 【請求項2】 軽量硬化物の内部に合成樹脂製の芯材を
    埋設してなることを特徴とする土木建築用部材。
  3. 【請求項3】 軽量硬化物の内部に合成樹脂製の芯材を
    埋設してなる請求項1に記載の土木建築用部材。
  4. 【請求項4】 合成樹脂製の芯材が中空成形体である請
    求項2又は請求項3に記載の土木建築用部材。
  5. 【請求項5】 中空成形体からなる芯材の内部に、更に
    補強材を内装してなる請求項4記載の土木建築用部材。
  6. 【請求項6】 芯材に内装した補強材に引っ張り応力を
    かけた状態で補強材を固定してなる請求項5に記載の土
    木建築用部材。
  7. 【請求項7】 補強材、芯材、又は外装材の少なくとも
    一つにより土木建築用部材同士を互いに接合してなる請
    求項1〜請求項6のいずれかに記載の土木建築用部材。
  8. 【請求項8】 前記軽量硬化物が、少なくとも、合成樹
    脂発泡体、水、及び水硬性結合材と混練し、これを養生
    硬化してなるものである請求項1〜請求項7のいずれか
    に記載の土木建築用部材。
  9. 【請求項9】 前記軽量硬化物が、少なくとも、複数個
    の合成樹脂発泡体を水硬性結合材で固めて一体とした発
    泡体入り軽量骨材、合成樹脂発泡体、水、及び水硬性結
    合材を混練し、これを養生硬化させてなるものである請
    求項1〜請求項7のいずれかに記載の土木建築用部材。
  10. 【請求項10】 外装材となる合成樹脂製の型枠内に軽
    量硬化物の混練物を注入し、養生硬化して外装材の内部
    に軽量硬化物を一体化することで、軽量硬化物を合成樹
    脂製の外装材で被覆した軽量硬化物製土木建築用部材を
    製造する方法。
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