JPH09288050A - 硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方法 - Google Patents

硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方法

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JPH09288050A
JPH09288050A JP12226296A JP12226296A JPH09288050A JP H09288050 A JPH09288050 A JP H09288050A JP 12226296 A JP12226296 A JP 12226296A JP 12226296 A JP12226296 A JP 12226296A JP H09288050 A JPH09288050 A JP H09288050A
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constant
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displacement
hardness test
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JP12226296A
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Masao Sakane
政男 坂根
Naomi Hamada
直巳 濱田
Shiyouei Oonami
正瑛 大南
Takafumi Tsurui
孝文 鶴井
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KOBE KOGYO SHIKENJIYOU KK
Original Assignee
KOBE KOGYO SHIKENJIYOU KK
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  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 引っ張り試験を行う必要なく、小型で安価な
装置である硬さ試験機を用いて、小さな試験片からも弾
塑性材料の材料定数を得ることができる、硬さ試験によ
る弾塑性材料定数の決定方法の提供を課題とする。 【解決手段】 弾塑性材料に対して硬さ試験を行った際
に生じる荷重P−変位δ曲線の式をP=aδ2 +bδ+
cとしたときのa、b、cからなる曲線定数組と、ある
弾塑性材料における降伏応力σy 、加工硬化指数n、加
工硬化係数Aからなる材料定数組との関係を、多数の異
なる材料定数組にそれぞれ対応する曲線定数組として予
めデータベース化しておき、現実の調査対象材料に対し
ては、実際に硬さ試験を行い、これによって得られた荷
重−変位曲線から実際の曲線定数組を得て、該得られた
実際の曲線定数組を前記データベースと照合させること
で、前記現実の調査対象材料の材料定数組を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、調査対象材料に対
して硬さ試験を行うことで、その調査対象材料が有する
であろう弾塑性材料定数を決定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ある弾塑性材料における、塑性領域での
応力−ひずみの関係は、一般に次に示す数1で表すこと
ができる。
【0003】
【数1】εp =((σ−σy )/A)1/n σ :応力 εp :塑性ひずみ σy :降伏応力 A :加工硬化係数 n :加工硬化指数
【0004】上記において、降伏応力σy 、加工硬化係
数A、加工硬化指数nは弾塑性材料の機械的性質を知る
上での基本的な重要な材料定数である。かかる降伏応力
σy、加工硬化係数A、加工硬化指数nをある弾塑性材
料について得る方法としては、従来より引っ張り試験を
行うことが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが引っ張り試験
を行うには、JISで規格された形状の試験片、少なく
とも引っ張り試験が行えるような大きさの試験片が必要
であり、また引っ張り試験を行うためには比較的大型で
且つ高価な試験機が必要となる。特に引っ張り試験で
は、サンプリングが不可能な微小部分や微小物について
は、引っ張り試験そのものができないという問題があっ
た。
【0006】そこで本発明は上記引っ張り試験により弾
塑性材料の材料定数を決定する従来の方法の欠点を解消
し、小型で安価な装置である硬さ試験機を用いて、小さ
な試験片からも弾塑性材料の材料定数を得ることができ
る、硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方法の提供を
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明の硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方法
は、弾塑性材料に対して硬さ試験を行った際に生じる荷
重P−変位δ曲線の式をP=aδ2 +bδ+cとしたと
きのa、b、cからなる曲線定数組と、ある弾塑性材料
における降伏応力σy 、加工硬化指数n、加工硬化係数
Aからなる材料定数組との関係を、多数の異なる材料定
数組にそれぞれ対応する曲線定数組として予めデータベ
ース化しておき、現実の調査対象材料に対しては、実際
に硬さ試験を行い、これによって得られた荷重−変位曲
線から実際の曲線定数組を得て、該得られた実際の曲線
定数組を前記データベースと照合させることで、前記現
実の調査対象材料の材料定数組を決定することを第1の
特徴としている。また本発明の硬さ試験による弾塑性材
料定数の決定方法は、上記第1の特徴に加えて、弾塑性
材料に対する荷重−変位の関係を前記降伏応力σy 、加
工硬化指数n、加工硬化係数Aが含まれた複数の弾塑性
基礎方程式で表現すると共にその複数の弾塑性基礎方程
式を硬さ試験という条件の下で有限要素法を用いてコン
ピュータ演算することで、入力データとして与えた多数
の異なる材料定数組にそれぞれ対応する荷重−変位曲線
及びその曲線定数を得て、これをデータベースとするこ
とを第2の特徴としている。
【0008】上記第1の特徴において、現実の調査対象
材料の弾塑性材料定数である降伏応力σy 、加工硬化指
数n、加工硬化係数Aは、硬さ試験を行うことによって
次のようにして得ることができる。即ち、先ず、調査対
象材料に対して複数の荷重Pにて実際に硬さ試験を行
い、複数の荷重P(=P1 、P2 、P3 ・・・)にそれ
ぞれ対応する押し込み深さ(変位δ(=δ1 、δ2 、δ
3 ・・・))を測定し、これらの測定値から荷重P−変
位δ曲線を描く。この荷重P−変位δ曲線は通常、図1
に模試的に示すような2次曲線(P=aδ2 +bδ+
c)となるので、その荷重−変位曲線から、その調査対
象材料の曲線定数組(a、b、c)を得る。ここでcは
図1の荷重−変位曲線が実質的に原点を通ることから、
c=0とすることができる。前記荷重P−変位δ曲線、
及び曲線定数組(a、b、c)は各荷重(P1 、P2
3 ・・・)と各変位(δ1 、δ2 、δ3 ・・・)との
関係をデータとしてコンピュータ処理することで、自動
的に荷重P−変位δ曲線を描き、さらにその荷重P−変
位δ曲線の曲線定数組(a、b、c)を自動的に演算す
ることができる。前記調査対象材料に対して実際の曲線
定数組(a、b、c)が得られると、次に、前記得られ
た調査対象材料の曲線定数組(a、b、c)を予め得て
いるデータベースと照合する。これによって、データベ
ースに示された曲線定数組(a、b、c)と材料定数組
(σy 、n、A)との関係から実際の調査対象材料の材
料定数組を決定することができる。
【0009】前記データベースの作製は、材料定数組
(σy 、n、A)が判っている種々の材料に対して実際
に硬さ試験を行い、荷重(P)−変位(δ)曲線から対
応する曲線定数組(a、b、c)を得ることで、現実に
試験を行ったデータによって前記データベースを予め構
築しておくことも可能である。が、実際の試験を繰り返
してデータベースを構築するのは、随分と根気のいる仕
事となるし、種々の材料定数組(σy 、n、A)を現実
に持つ材料自体の入手も困難なことである。そこで、前
記データベースはコンピュータを用いた演算によって得
るようにしたのが上記本発明の第2の特徴である。即
ち、本発明の第2の特徴においては、弾塑性材料に対す
る荷重(P)−変位(δ)の関係を、降伏応力σy 、加
工硬化指数n、加工硬化係数Aが含まれた複数の弾塑性
基本方程式で表現すると共にその複数の弾塑性基本方程
式を硬さ試験という条件の下で有限要素法を用いてコン
ピュータ演算することで、多数の仮に提供された材料定
数組(σy 、n、A)と、その各材料定数組(σy
n、A)に対応する荷重(P)−変位(δ)曲線、及び
その曲線定数組(a、b、c)を得て、材料定数組(σ
y 、n、A)と曲線定数組(a、b、c)との関係をデ
ータベースとするのである。
【0010】更に説明する。今、荷重(P)と変位
(δ)との関係が、変形後の状態(変形量、荷重、応力
−ひずみ関係等)に依存する場合、問題は非線形とな
る。一般化変位ベクトルを{δ}、一般化荷重ベクトル
を{P}、弾塑性剛性マトリックスを〔K〕とすると、
弾塑性問題の荷重−変位関係は仮想仕事の原理から次の
数2で表される。
【0011】
【数2】{P}=[K(P,δ)]・{δ} {P}:一般化荷重ベクトル [K]:弾塑性剛性マトリックス K(P,δ)はKがP,δの関数であることを示す。 {δ}:一般化変位ベクトル
【0012】数2は、多元一次の連立方程式になり、与
えられた変位増分{Δδ}に対し荷重増分{ΔP}を求
めることができる。
【0013】一方、想定したひずみ増分{Δε}に対す
る完全弾性応力応答は、次の数3で表される。
【0014】
【数3】{Δσel}=[Cel]・{Δε} {Δσel}:弾性域の一般化応力増分ベクトル [Cel] :弾性定数マトリックス {Δε} :ひずみ増分ベクトル
【0015】そして数3で与えられた応力増分ベクトル
{Δσel}が数4で表されるミーゼスの降伏条件を満足
しておれば、数5によって塑性ひずみ増分Δεp を表す
ことができる。
【0016】
【数4】F(σ)=1/2(Sij・Sij−k2 )=0 F(σ):降伏関数(ミーゼスの降伏関数) Sij :偏差応力テンソル k :降伏応力に対応するもの
【0017】
【数5】Δεp =((ΔFT ・Cel)/(H+ΔFT
el・ΔF))・Δε ΔFT =(∂F/∂σ)T ΔF =(∂F/∂σ) (∂F/∂σ)T :(∂F/∂σ)の転置マトリックス Δεp :塑性ひずみ増分 Cel:弾性定数 H :加工係数 Δε :ひずみ増分
【0018】数5において、加工係数Hに関して、次の
数6、数7の関係が成り立つ。
【0019】
【数6】
【0020】
【数7】
【0021】よって、上記数5における加工係数Hは数
8で置き換えることができる。
【0022】
【数8】
【0023】上記数5において、新たな塑性ひずみが発
生すれば、数9により塑性定数Kplを表すことができ
る。
【0024】
【数9】Kpl=mCel−(1−m)Cel・ΔF・Δεppl:塑性定数 m :応力増分の弾性分の寄与率 ΔF:(∂F/∂σ) Δεp :数5に示す
【0025】数9でKplが求まると、数2の弾塑性剛性
マトリックス[K]を次の数10で示す体積積分(三重積
分)で表わすことができる。
【0026】
【数10】[K]=∫[B]T ・[Kpl]・[B]dv [K] :弾塑性剛性マトリックス ∫ :積分記号 [B] :変位とひずみを結びつける係数マトリックス [B]T :[B]の転置マトリックス
【0027】かくして数3、数4、数5、数8、数9、
数10で、変位増分Δδについて順次[K]を更新しなが
ら有限要素法による演算を行うことで、数2による荷重
と変位(押し込み深さ)の関係が求められる。即ち、あ
る一組の材料定数組(σy 、n、A)について、図2に
示すようなモデルで、圧子押し込み荷重(P)−圧子押
し込み変位(δ)を演算する。演算は前記圧子押し込み
荷重(P)を次々と変更しながら、その各荷重(P)に
対応する各変位(δ)をコンピュータ演算すればよい。
これによって、ある一組の材料定数組(σy 、n、A)
に対応した荷重(P)−変位(δ)の関係を得ることが
できる。この荷重(P)−変位(δ)の関係をプロット
すれば、荷重(P)−変位(δ)曲線を得ることができ
る。図3は荷重(P)と変位(δ)の各データをコンピ
ュータ処理することで、荷重(P)−変位(δ)曲線を
直接的に描かせた図である。図3においては、三組の異
なる材料定数組(σy 、n、A)に対応して得たX、
Y、Zの3つの荷重(P)−変位(δ)曲線を示してい
る。以上のようにして材料定数組(σy 、n、A)に対
応する荷重(P)−変位(δ)の関係が図3の如く2次
曲線で表されるので、この2次曲線をP=aδ2 +bδ
+cとしてそれぞれの係数(a、b、c(c=0))を
演算することができる。勿論、このa、bの演算はコン
ピュータにより前記荷重(P)−変位(δ)の関係から
自動的に演算するようにすることができる。表1に図3
の各曲線X、Y、Zに対応して演算されたa、bの値
を、適用した材料定数組(σy 、n、A)の各値と共に
示す。
【0028】
【表1】
【0029】尚、上記有限要素法を用いたコンピュータ
による硬さ試験の演算、即ち荷重(P)−変位(δ)を
演算するのに用いる条件は、次の通りである。 圧子条件 :ダイヤモンド製で剛体とする。 圧子角度 :120 度、140 度、160 度とする。 構成関係 :真応力−対数ひずみ 降伏条件 :ミーゼスタイプ 硬化則 :等方硬化則 接触の判定:剛体と測定材の距離が1×10-5mm以内にな
ったときに接触したと判定し、変位が生じるとする。 解析モデル:有限ひずみ大変形問題として取り扱う。 使用要素 :4角形4節点軸対象要素とする。
【0030】以上のようにして種々の仮に与えられた材
料定数組(σy 、n、A)と、それに対して演算された
曲線定数組(a、b、c(c=0))との関係をデータ
ベースにすることができる。表2に得られたデータベー
スの一部を例として示す。表2においては、圧子角度が
120 度の場合の他、140 度及び160 度の各場合について
の値が示されている。得られたデータベースはコンピュ
ータに記憶させて、検索できるようにしておく。
【0031】
【表2】
【0032】このようにしてデータベースを得ておくこ
とで、実際の調査対象材料に対しての実際の硬さ試験を
行い、得られた荷重(P)−変位(δ)曲線からその曲
線定数組(a、b、c(c=0))を得ることで、その
得られた調査対象材料の曲線定数組(a、b、c)をデ
ータベースと照合することで、データベースの中から調
査対象材料の曲線定数組(a、b、c)に対応して最も
相応しい材料定数組(σy 、n、A)を選ぶことができ
る。即ち、調査対象材料についての硬さ試験を行うだけ
で、引っ張り試験を行うことなく、調査対象材料の
σy 、n、Aを良好に推定することができるのである。
【0033】
【発明の実施の形態】ロックウェル硬さ試験機を用い、
圧子角度(先端角度)が120 度、140 度、160 度の3種
類のダイヤモンド圧子を用いて、調査対象材料1(アル
ミニウム合金(A2017B))、調査対象材料2(黄銅
(C7941B))について実際の硬さ試験を行い、それぞ
れ荷重(P)−変位(δ)の関係を求めた。得られた荷
重(P)と変位(δ)の各数値を一旦コンピュータに入
力して、荷重(P)−変位(δ)曲線を自動作図した。
作図結果を図4〜図9に示す。さらに上記得られた荷重
(P)と変位(σ)との関係をP=aδ2 +bδ+cの
2次式に近似し、且つc=0になるように原点を通る曲
線としてa、bを算出した。結果を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】次に、表3に示す実際の硬さ試験で得た各
圧子角度(120 度、140 度、160 度)毎の曲線定数組
(a、b、c(c=0))に対して、データベースの曲
線定数組の中から、各圧子角度(120 度、140 度、160
度)毎について最も近い曲線定数組を複数組(本実施の
形態例では3組)検索した。表4にデータベースからコ
ンピータ検索された一番近い曲線定数組(a、b)を示
す。また表5にコンピュータ検索された二番目に近い曲
線定数組、三番目に近い曲線定数組も併せて、それらに
対応する材料定数組(σy 、n、A)と共に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】尚、表3に示す前記実際の硬さ試験をして
得た曲線定数組(a、b、c(c=0))に近い曲線定
数組(a、b)をデータベースからコンピュータ検索す
る方法として、本実施の形態例では最小二乗法を用いた
検索を行っている。が、他の方法でデーターベースから
の曲線定数組(a、b)を検索するようにしてもよい。
また選びだす曲線定数組の数も、あまり多すぎることが
ない範囲で特に限定されない。
【0039】さらに、表5に示される選ばれた複数の材
料定数組(σy 、n、A)の中から、120 度、140 度、
160 度に共通するσy 、n、Aを持つ材料定数組
(σy 、n、A)で、且つその曲線定数組(a、b)が
最も実際の曲線定数組に近いものををコンピュータ検索
した。得られた材料定数組(σy 、n、A)を表6に示
す。
【0040】
【表6】
【0041】この表6に示す材料定数組(σy 、n、
A)の数値、即ちσy =196 MPa 、n=0.32、A=540
MPa が調査対象材料1(アルミ合金)の材料定数である
とされ、またσy =200 MPa 、n=0.12、A=490 MPa
が調査対象材料2(銅合金)の材料定数とされる。
【0042】以上で示した実施の形態例で、調査対象材
料毎に120 度、140 度、160 度の実際の曲線定数組をデ
ータ取りし、それに対応してデータベースから各角度毎
に複数個の曲線定数組や材料定数組を選んで、その中か
ら1つの材料定数組を選ぶようにしているが、データベ
ースの中から調査対象材料の材料定数組として相応しい
ものをどのようにして選ぶかの方法は、特に限定されな
い。例えば、いずれか1つの圧子角度について得た実際
の曲線定数組から、同じ圧子角度でのデータベースの中
から最も近い曲線定数組を検索し、それに対応する材料
定数組を当該調査対象材料の材料定数組とするようにし
てもよい。
【0043】尚、表6で示す結果が、引っ張り試験によ
って得られる実際の材料定数と一致しているかどうかを
確認するため、調査対象材料1と調査対象材料2につい
て、実際に引っ張り試験を行い、材料定数を求めたとこ
ろ、表7の結果が得られた。
【0044】
【表7】
【0045】表6と表7とを比較すると、n以外はその
差が約5〜10パーセントであり、本発明の方法によって
得られる材料定数は実際の引っ張り試験を行うことによ
って得られる材料定数に近い値を示すことができること
がわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の構成、作用よりなり、請
求項1に記載の硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方
法によれば、弾塑性材料に対して硬さ試験を行った際に
生じる荷重P−変位δ曲線の式をP=aδ2 +bδ+c
としたときのa、b、cからなる曲線定数組と、ある弾
塑性材料における降伏応力σy 、加工硬化指数n、加工
硬化係数Aからなる材料定数組との関係を、多数の異な
る材料定数組にそれぞれ対応する曲線定数組として予め
データベース化しておき、現実の調査対象材料に対して
は、実際に硬さ試験を行い、これによって得られた荷重
−変位曲線から実際の曲線定数組を得て、該得られた実
際の曲線定数組を前記データベースと照合させること
で、前記現実の調査対象材料の材料定数組を決定するよ
うにしているので、現実の調査対象材料に対しては、硬
さ試験を行って曲線定数組の値を得る作業を行うだけ
で、引っ張り試験等を行うことなく、その材料の材料定
数をデータベースから容易に得ることができる。よっ
て、引っ張り試験用の大きな試験片を必要とせず、小さ
な試験片からも容易に弾塑性材料の材料定数を得ること
ができる。また大型で且つ高価な引っ張り試験機を必要
とすることなく、小型で安価な装置である硬さ試験機を
用いて、調査対象材料の材料定数を得ることができる。
また請求項2に記載の硬さ試験による弾塑性材料定数の
決定方法によれば、上記請求項1に記載の構成による効
果に加えて、弾塑性材料に対する荷重−変位の関係を前
記降伏応力σy 、加工硬化指数n、加工硬化係数Aが含
まれた複数の弾塑性基礎方程式で表現すると共にその複
数の弾塑性基礎方程式を硬さ試験という条件の下で有限
要素法を用いてコンピュータ演算することで、入力デー
タとして与えた多数の異なる材料定数組にそれぞれ対応
する荷重−変位曲線及びその曲線定数を得て、これをデ
ータベースとするようにしているので、降伏応力σy
加工硬化指数n及び加工硬化係数Aの各数値を種々適当
に選んで組み合わせて種々の材料定数組をつくり、これ
を入力するだけで、それに対応する曲線定数組を演算し
て得ることができ、これをデータベースとして使用する
ことができる。よって、データベースを構築するのに、
現実の非常に多数の材料に対して実際に硬さ試験や引っ
張り試験を行うといった困難な作業をする必要がない。
よってまた、実際の試験を行ってデータベースを構築す
る場合に較べて十分に多くのデータ数に基づく精緻なデ
ータベースを構築することができ、種々の材料の材料定
数をより正確に推定することができる。また、現行の材
料では得ることができないような、未知の材料における
材料定数組と曲線定数組との関係も予めデータベース化
して使用することができ、未知の材料に対する材料定数
を容易に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬さ試験によって得られる荷重−変位曲線の模
試的図である。
【図2】コンピュータにより圧子押し込み荷重(P)−
圧子押し込み変位(δ)を演算する場合の硬さ試験のモ
デルを示す図である。
【図3】コンピュータ処理によって硬さ試験の荷重
(P)−変位(δ)曲線を直接的に描かせた図で、三組
の異なる材料定数組(σy 、n、A)に対応して得た
X、Y、Zの3つの荷重(P)−変位(δ)曲線を示し
ている。
【図4】調査対象材料1に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度120 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。
【図5】調査対象材料1に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度140 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。
【図6】調査対象材料1に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度160 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。
【図7】調査対象材料2に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度120 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。
【図8】調査対象材料2に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度140 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。
【図9】調査対象材料2に対して、ロックウェル硬さ試
験機を用い、圧子角度160 度で実際に行った硬さ試験に
よる荷重(P)−変位(δ)の関係を、コンピュータに
より自動作図した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾塑性材料に対して硬さ試験を行った際
    に生じる荷重P−変位δ曲線の式をP=aδ2 +bδ+
    cとしたときのa、b、cからなる曲線定数組と、ある
    弾塑性材料における降伏応力σy 、加工硬化指数n、加
    工硬化係数Aからなる材料定数組との関係を、多数の異
    なる材料定数組にそれぞれ対応する曲線定数組として予
    めデータベース化しておき、現実の調査対象材料に対し
    ては、実際に硬さ試験を行い、これによって得られた荷
    重−変位曲線から実際の曲線定数組を得て、該得られた
    実際の曲線定数組を前記データベースと照合させること
    で、前記現実の調査対象材料の材料定数組を決定するこ
    とを特徴とする硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方
    法。
  2. 【請求項2】 弾塑性材料に対する荷重−変位の関係を
    前記降伏応力σy 、加工硬化指数n、加工硬化係数Aが
    含まれた複数の弾塑性基礎方程式で表現すると共にその
    複数の弾塑性基礎方程式を硬さ試験という条件の下で有
    限要素法を用いてコンピュータ演算することで、入力デ
    ータとして与えた多数の異なる材料定数組にそれぞれ対
    応する荷重−変位曲線及びその曲線定数を得て、これを
    データベースとする請求項1に記載の硬さ試験による弾
    塑性材料定数の決定方法。
JP12226296A 1996-04-19 1996-04-19 硬さ試験による弾塑性材料定数の決定方法 Pending JPH09288050A (ja)

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