JPH0928657A - 浴槽自動掃除装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】浴槽内の掃除の自動化によって、主に家事労働
の軽減を図り、同時に薬品等を使用せずに浴槽内の掃除
を行うことによって、自然環境への悪影響を及ぼさない
ようにした浴槽自動掃除装置を提供する。 【解決手段】浮遊具材４１により水面に浮遊し、回転翼
３１の推力により移動機構たるクローラ２１及び回転ブ
ラシ１１を浴槽壁面５１に押し付けるように構成したた
め、水面位を浴槽壁面５１に沿って移動しながら壁面５
１の清掃を自動的に行う作用を営む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽内の掃除の自
動化によって、主に家事労働の軽減を図り、同時に薬品
等を使用せずに浴槽内の掃除を行うことによって、自然
環境への悪影響を及ぼさないようにした浴槽自動掃除装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、浴槽を掃除する際には、人間がブ
ラシ等で浴槽の壁面及び底面を擦り、汚垢を除去してい
た。近年では、浴槽に水をためた状態で薬品を入れるこ
とによりブラシ等で擦る作業なしに浴槽の壁面及び底面
に付着した汚垢を除去する商品も開発されている。ま
た、浴槽の水を循環させ同時にフィルタでろ過するなど
して、浴槽の水を常に清浄化し浴槽の壁面及び底面にそ
もそも汚垢を付着させないような方法もある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、人間がブラ
シ等で浴槽の壁面及び底面を擦る場合、一般家庭におけ
る浴槽はそれ程大きくないため、浴槽内に入ってかがん
だり、あるいは外から腰を曲げるなどの無理な姿勢で行
わなければならなかった。特に壁面は上から押さえつけ
られないため、力を要した。そのため、この作業はぎっ
くり腰やあるいは無理な姿勢から転んだりする危険が常
につきまとい、特に高年齢者にとってはかなりの重労働
であった。

【０００４】このような不具合を解消するために、前記
薬品を用いた方法では、洗い流す際に薬品も同時に排出
されるために、自然環境への悪影響が懸念される。ま
た、浴槽の水を循環させ同時にフィルタでろ過する方法
は、常にこの装置を稼動しておかなければならず、ラン
ニングコストが大きくなる上に装置自体も大掛かりで高
価になる欠点があった。

【０００５】本発明は、このような課題に着目してなさ
れたものであって、浴槽内壁面の汚垢を人手を使わずに
自動的に除去し、自然環境にやさしく、なおかつ安価で
小型の浴槽自動掃除装置を提供することを目的としてい
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、次のような構成を採用したもので
ある。

【０００７】すなわち、本発明に係わる浴槽自動掃除装
置は、水中壁面に吸着する吸着機構と、水中壁面に沿っ
て移動する移動機構と、水中壁面に付着した汚れ、ヌメ
リ等を除去する汚垢除去機構と、水面に浮遊するための
浮遊機構を具備してなることを特徴とする。

【０００８】具体的な実施の態様としては、水中壁面へ
の吸着が、装置一面に設けられた回転翼を水中で回転さ
せることによって得られる推力をもってなされるものが
あげられる。

【０００９】また、移動機構においては、水中壁面に吸
着する面に設けられたクローラを駆動するもので、移動
方向にその先端が本装置の最先端となるようにしている
ものが望ましい。

【００１０】汚垢除去については、水中壁面に吸着する
面に設けられたブラシを壁面と摺動させることによって
なすものが考えられるが、他にも汚垢除去を、水中壁面
に吸着する側の面より発される振動波によってなすもの
も好ましい。

【００１１】さらに浮遊機構が、進行方向と平行で吸着
面に直角な一面に取り付けられた浮力を有した具材で構
成されているものも好ましい。

【００１２】このような構成のものであると、水を満た
した浴槽内に本装置をいれると、まず浮遊機構によって
水面に浮遊し、その後吸着機構によって浴槽壁面に吸着
する。そして、移動機構によって壁面に沿って移動し、
その際汚垢除去機構によって浴槽壁面に付着した汚垢を
除去していく。このため、本発明によれば、浴槽内壁面
の汚垢を人手を使わずに自動的に除去し、また薬品等を
使用しないため自然環境にやさしく、なおかつ安価で小
型の浴槽自動掃除装置を提供することが可能となる。

【００１３】特に、水中壁面への吸着が、装置一面に設
けられた回転翼を水中で回転させることによって得られ
る推力をもってなされた場合には、浴槽内に水流を発生
するためにそれだけである程度汚垢を除去する効果を期
待できるうえに、最初人が装置を壁面につけなくとも、
装置自身が任意の位置から自動的に壁面まで移動し、吸
着するという利点がある。

【００１４】また、移動機構が、水中壁面に吸着する面
に設けられたクローラを駆動するものである場合には、
クローラと浴槽壁面との摩擦が大きくすべることなしに
移動でき、移動方向に前記クローラの先端が本装置の最
先端となるようにすれば、壁面から別壁面に移るときに
引っかかりなくスムーズに移動でき、かつ、湯沸かし口
等の壁面上の凹凸部分をも簡単に乗り越えられる。

【００１５】そして、浮遊機構が、進行方向と平行で吸
着面に直角な一面に取り付けられた浮力を有した具材で
構成されている場合には、移動が常に水面に沿って行わ
れるため、他に特別な直進機構を設ける必要なく、簡単
な構成で直進することが可能となる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下本発明の一実施形態を図面を
参照して説明する。

【００１７】図１〜図４に示す浴槽掃除装置は、例えば
一般家庭の浴槽を掃除するときに使用されるもので、吸
着機構３により浴槽壁面に吸着しブラシ１１を回転する
ことにより浴槽壁面の汚垢を除去するものである。

【００１８】詳述すると吸着機構３は図２〜図４に示す
ように回転翼３１とそれを回転駆動するモータ３２及び
減速機３３とから構成される。そしてこの回転翼３１は
本装置の略中心に位置し、これを駆動するモータ３２及
び減速機３３は前記回転翼３１の同軸上に本体７の内部
に固定されている。

【００１９】移動機構２は、図２〜図４に示すように、
前記回転翼３１の対面に位置し本体７の両側にある２つ
のクローラ２１と、それを駆動するモータ２２及び減速
機２３、そしてその力を前記２つのクローラ２１に伝え
ると同時に同期回転させる駆動軸２４からなる。モータ
２２、減速機２３は本体７の内部に固定され、駆動軸２
４は、本体７の壁を貫通してクローラ２１に連結されて
いる。そしてこのクローラ２１の先端は、進行方向に向
かって本装置の最先端になっている。

【００２０】汚垢除去機構１は、同じく図２〜図４に示
すように、前記クローラ２１と同じ面に位置し進行方向
に向かって本装置の最後尾にある円筒型の回転ブラシ１
１と、クローラ２１の駆動軸２４よりカウンタギヤ１２
を介して前記回転ブラシ１１に力を伝えるブラシ駆動軸
１３より構成される。

【００２１】浮遊機構４は、図１、図２に示すように、
進行方向と平行で吸着面に直角な一面に取り付けられた
浮力を有した具材４１（本実施形態では発砲スチロー
ル）により構成される。具材４１は、本装置を水に沈め
た時、この具材４１の面が水面位となり、傾かないよう
にバランスされた位置に取り付けられている。

【００２２】本体７はもちろん防水である。また、モー
タ２２、モータ３３の電源たるバッテリ６は図４に示す
よう本体７の内部に固定されている。

【００２３】次に本装置の動作を図５に基づいて説明す
る。

【００２４】人が水を満たした直方体の浴槽５内に本装
置をいれると、まず浮遊具材４１の浮力によって浮遊具
材４１を上面にして水面５３に浮遊する。この時本装置
の浮力は浮遊具材４１のみによって得られているため、
装置の大部分、特に回転翼３１は水中に没することにな
る。その結果、回転翼３１の回転によって推力が得ら
れ、本装置は浴槽壁面５１のいずれかに吸着する。この
回転翼３１の回転方向はクローラ２１を浴槽壁面５１に
押し付けるような推力を発生する方向に定められている
ので、この推力によってクローラ２１と浴槽壁面５１に
摩擦力が生じ、クローラ２１が回転することにより本装
置は浴槽壁面５１に沿って移動する。また、同時に浮遊
機構４によって浮力も与えられているため、本装置は常
に水面及び浴槽壁面５１に沿って、浴槽内を移動するこ
とになる。そして、最初に吸着した浴槽壁面端まで移動
すると、クローラ２１の先端が、進行方向に向かって本
装置の最先端となっているため、最初に次の壁面にあた
り、本装置の他の部分が浴槽壁面にひっかかることなく
９０°進行方向を変えて次の壁面に沿って移動してい
く。このようにして、本装置は水面５３及び浴槽壁面５
１に沿って浴槽内を回転することになる。

【００２５】次に浴槽壁面５１の汚垢除去について述べ
る。本装置が浴槽壁面５１に吸着する際、クローラ２１
と同時に回転ブラシ１１も浴槽壁面５１に押し付けられ
る。回転ブラシ１１はクローラ２１の駆動軸２４からカ
ウンタギヤ１２を介して回転力を伝達されるため装置の
進行方向とは逆向きに回転する。しかし、回転翼３１が
本装置略中央に位置するため、吸着面に均等に押付力が
かかり、なおかつクローラ２１と回転ブラシ１１の浴槽
壁面５１に接する面積はクローラ２１の方が大きいた
め、浴槽壁面５１に対する摩擦力はクローラ２１により
強く働き、回転ブラシ１１は浴槽壁面５１に対してすべ
り、装置の移動を妨げるものではない。このようにし
て、回転ブラシ１１が浴槽壁面５１に対してすべること
によって、浴槽壁面５１の汚垢を擦掃する。また、本装
置の移動方向に対して逆向きに回転ブラシ１１が回転す
ることは、浴槽壁面５１に対する回転ブラシ１１の摺動
速度を大きくし、汚垢の擦掃能力を高める効果がある。

【００２６】そして、この時人が浴槽の排水栓５２を開
け徐々に排水すれば水面は少しずつ下降し、この結果、
図５に示すように浴槽壁面５１を螺旋状に移動してい
き、浴槽壁面５１の汚垢をくまなく擦掃除去することに
なる。

【００２７】以上のようにして、本実施形態の浴槽掃除
装置は、浴槽壁面５１及び水面５３に沿って移動しつつ
浴槽壁面５１の汚垢をくまなく擦掃除去していく。この
ため、本発明によると、浴槽内壁面の汚垢を人手を使わ
ずに自動的に除去し、また薬品等を使用しないため自然
環境にやさしく、なおかつ安価で小型の浴槽自動掃除装
置を提供することが可能となる。

【００２８】また、この他に汚垢除去を回転ブラシ１１
の代わりに本装置の吸着する側の面に取り付けた振動子
などによって振動波を発生し、これによって行うことも
可能である。例えば、超音波洗浄に用いる手法を適用す
ることなどが考えられる。これによれば、浴槽壁面５１
との摩擦力が発生しないため、より滑らかな移動が可能
となる。

【００２９】以上本発明の一実施形態について説明した
が、各部の具体的な構成は図示例のものに限定されるも
のではない。例えば、本体中央に貫通孔を設け、その中
に回転翼を取付け推力の他に吸引力を加えてさらに強く
浴槽壁面５１に装置を吸着させることも可能であるし、
回転翼３１を複数個取り付けることも可能である。この
他にも、各部の具体的な構成などは本発明の趣旨を逸脱
しない範囲で種々変形が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示し、装置全体の斜視
図。

【図２】同実施形態の平面図。

【図３】同実施形態の正面図。

【図４】図３におけるａ−ａ線断面図

【図５】同実施形態の浴槽内での動作を示す斜視図。

【符号の説明】

１…汚垢除去機構 ２…移動機構 ３…吸着機構 ４…浮遊機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水中壁面に吸着する吸着機構と、水中壁面
   に沿って移動する移動機構と、水中壁面に付着した汚
   れ、ヌメリ等を除去する汚垢除去機構と、水面に浮遊す
   るための浮遊機構を具備してなる浴槽自動掃除装置。