JPH09285052A - 回転電機 - Google Patents
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- JPH09285052A JPH09285052A JP9020221A JP2022197A JPH09285052A JP H09285052 A JPH09285052 A JP H09285052A JP 9020221 A JP9020221 A JP 9020221A JP 2022197 A JP2022197 A JP 2022197A JP H09285052 A JPH09285052 A JP H09285052A
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Abstract
性のガスタービン用空気冷却形回転電機を提供するこ
と。 【解決手段】回転電機の回転子は、その外周面軸方向に
設けられかつ円周方向に間隔を置いて設けられるコイル
スロット、このコイルスロットの底部に開口されるサブ
スロット、コイルスロットに収納された回転子巻線、こ
の回転子巻線を回転子に固定するためのウエッジ、及び
回転子巻線に設けられかつサブスロットからウエッジへ
貫通する半径方向通風流路を備えていて、この半径方向
通風流路が回転子巻線の幅方向に複数設けられている。
Description
式回転電機の冷却構造に関する。
回転子巻線またはコイルが配置される軸方向に形成した
コイルスロットを持つ。これらコイルスロットは回転子
本体の外周面に間隔をおいて配置され、同じ磁極を構成
する複数のコイルは、磁極まわりに同心に配置される。
これらコイルは、コイル導体を半径方向に複数ターン積
み重ねて形成したもので、ターン間には絶縁層を設け
る。このコイルに外部から通電するとそれぞれの磁極に
電磁界を発生する。
強大な遠心力によってコイル外径方向に飛ばされないよ
うに、回転子はコイルスロット内部にウエッジで固定さ
れ、回転子端部はコイル外周部に接するように設けられ
た円筒状のリテニングリングにより固定される。
はジュール発熱が生じる。コイルの絶縁層はマイカなど
の耐熱性の高い材料を使用するが、100度または120
度の温度上昇が限界である。また、温度上昇に伴うコイ
ル導体の熱膨張は、コイルおよび回転子に大きな歪みを
与え回転振動の原因となったりする。
のような半径方向流冷却方式と呼ばれる構造にて、コイ
ル温度が高くならないように冷却ガスにて冷却する。コ
イルスロット中のコイルは通常コイルスロット底部にコ
イル端部からの通風流路となるサブスロットを設け、コ
イルにはターン間の電気絶縁を確保しながら多数の半径
方向に流路を設ける。ウエッジにもこの流路と回転子外
径側と連通するように孔を設け、冷却ガスをサブスロッ
トから半径方向流路に流すことでコイル温度が所定の温
度以下になるようにする。
は、半径方向流路を流れる空気の風量が制限される問題
がある。なぜなら、半径方向流路の通風ヘッドは回転子
の外径でほぼ決まるが、回転子の外径は材料強度の制約
からおよそ1mが限界であるからである。そこで、従来
は、半径方向流路内の内面を積極的に凹凸にするなどの
方法によって乱流を促進し、熱伝達を向上させることが
試みられてきた。しかしながら、乱流促進をすればする
ほど通風損失が増大し、流路内を流れる空気の温度上昇
が熱伝達の向上分を相殺してしまう問題があり、実際に
大幅な冷却性能の向上が図られるものではなかった。そ
のため、この半径方向流冷却方式による発電機は発電容
量が50MVA級程度以下のものにしか用いられてこな
かった。
量は年々増加の傾向にあり、今後、150MVA級以上
のものが主流になる。この原動機出力容量の増加に対応
するためには、発電機の大容量化が必須である。発電機
を大容量化するためには、前述したように、回転子の外
径が、遠心力に対抗して強度を保持するため略1mと制
限されていることから回転子を軸方向に長くしなければ
ならない。回転子を軸方向に長くすることは固定子を長
くすることにつながり、発電機は精密加工が必要である
ことからコストが増大してしまう。
発電容量を増大させることが考えられるが、磁力の増大
は回転子コイルに流れる電流を増加させることであるの
で、回転子コイルの発熱量が電流の二乗で増加してしま
い半径方向流路冷却構造では発電容量を増すことは不可
能である。
機に用いられているギャップピックアップ冷却方式や、
冷却ガスに3〜5気圧程度の加圧水素を用いる水素冷却
方式をガスタービン発電機を用いる必要があった。
路方式と異なり、回転子外周側から行うもので、回転子
の大きな周速を冷却ガスの循環圧力として利用できるた
め、極めて大きな冷却ガス流量と熱伝達が得られる。後
者は、水素の熱伝導率が空気に比べ約7倍大きいため
に、冷却構造が全く同じでも冷却性能を増加させること
が可能である。これら、両者の方法は、単独で用いられ
ることは少なく、組み合わせて用いる場合が多い。
は、ウエッジの冷却流路の出入り口部の穴形状を、回転
子の周速を冷却ガスの循環圧力として利用できるように
するために複雑な形にならざるをえない。さらに、冷却
流路は、冷却ガスを外形側から導きコイル内部にて内径
側から外形側へ流れを反転させ再び外形側に排出させる
ために、回転子外径側に入口及び出口を有する循環流路
とする必要があり、冷却構造の加工は必然的にコストの
掛かる機械加工に拠らざるをえず、半径方向流路冷却構
造で用いられる低コストのパンチングによる打ち抜き穴
加工に比べると、製造コストが大幅に増加する問題があ
った。
方向流路冷却構造でも充分に効果があるが、発電機全体
を密閉構造にする必要があるためシール構造に特殊な技
術が必要となる。また、空気冷却では不要な水素の純度
管理をするための周辺機器も必要であり、発電プラント
全体のコストを押し上げる欠点がある。さらに、水素は
極めて爆発性の高い気体であり、ガスタービンなどの火
気がある環境では使用が困難であるという大きな問題が
あった。
大容量化には対応できるものの、発電出力当たりの単価
は前記半径方向流方式よりもどうしても高くなる問題が
ある。
した回転子を有する回転電機の冷却性能を製造コストを
上げることなく増大させることにある。
容量な発電機を提供することにある。
周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を
置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルス
ロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロ
ットに収納された回転子巻線と、、このコイルスロット
に収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッ
ジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットか
ら前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路とを備えた
回転電機において、前記半径方向通風流路は、前記回転
子巻線の幅方向に複数設けることにより達成される。
設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配
したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に
開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納さ
れた回転子巻線と、、このコイルスロットに収納された
回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回
転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッ
ジへ貫通する半径方向通風流路と、この回転子の外周側
に設けられた固定子と、前記半径方向通風流路に空気を
流すことによって冷却を行う回転電機において、この回
転電機の発電容量を150MVA以上とし、回転子の軸
長を3.5mとしたことにより達成される。
図を示す。ガスタービン発電機は、ガスタービン原動機
101は回転軸103により回転出力を発電機102に
伝達するものである。図2に、空気冷却発電機の概略の
構造を示す。図2は、空気を外部から取り入れ、冷却し
た後に再び外部に排出する開放形空気冷却発電機の断面
概略構造図の一例である。このタイプの発電機は比較的
小容量のものに用いられるが、構造が比較的簡単である
反面、外部の塵埃などが発電機内部に入り込みやすい欠
点があり、現在は空気冷却器を持ち空気を発電機内部で
循環させる閉鎖形空冷発電機が主流である。ただし、発
電機の基本的な構造は開放形と同様である。
子1は、ステータ2中に軸受3によって回転支持され
る。回転子1には、同じ磁極を構成する複数のコイル4
を磁極まわりに同心に配置され、固定される。コイル4
に働く遠心力は、軸方向部については、回転子の外周面
に間隔をおいて形成したコイルスロットにて、回転子端
部の周方向部についてはリテニングリング5にて強固に
支える。コイルスロットおよび回転子端部のコイル形状
構造については後述する。リテニングリング5と軸受の
間には、ファン6を配置し空気取入口11から空気を取
り入れ回転子1およびステータ2に空気を送る。矢印7
は、空気の流れを示す。ファン6から送られた空気の一
部は、回転子1端部のコイル4と回転子1の軸の間の空
間に流れ(8)、コイル4を冷却した後にエアギャップ
9と呼ばれる回転子1とステータ2の隙間に排出され
る。一方、ファン6から送られたその他の空気は、ステ
ータ2の両側の空間10とエアギャップ9に流れる。前
者に流れた空気はステータコイル端部10を冷却し、後
者を流れる空気は、回転子1から排出した空気と共にス
テータ2に半径方向に設けたダクトを流れてステータ2
を冷却する。これらステータ2およびその端部を出た空
気は外部へとそのまま放出される。この空気を外部に放
出せず空気冷却器などで冷却して再びファン6へと送る
密閉形の空気冷却発電機もあり、比較的大容量の発電機
には外部の塵埃等の混入の心配がないこのタイプの発電
機が採用されることが多い。
て支えられ、このステータフレームは、図示していない
が基礎に強固に固定される。このステータフレームとス
テータ2と間の空間は、空気の循環流路も兼用する。な
お、この図では空気の循環の向きが、ステータ2がファ
ン6の吐出側になるフォワードフロー形であるが、図3
に示されるように逆の吸い込み側になるリバースフロー
形もある。この場合、回転子1に流れる空気は、ファン
の吐出側になるようにしなければならないので、回転子
1端部およびステータフレームの構造が多少複雑にな
る。
れた回転子端部のコイル形状を示す斜視図である。この
図において、磁極は2つである。この図では説明のため
にリテニングリングは省いている。リテニングリング
は、回転子1のスロットから回転子端部に突き出たコイ
ル4の外周面を外側から保持する。回転子1のコイル4
の外周面に見える穴21はコイル4を遠心力に対して支
えるウエッジ20に開けられた後述するサブスロットと
回転子外周面を貫通する半径方向流路の空気排出孔であ
る。
造の詳細図で、2スロット分を示す。コイル4を納める
軸方向に形成された凹部であるコイルスロット30の底
部には、サブスロット31が設けられ、図1に示したフ
ァン6から送られる空気の通風流路となる。このサブス
ロット31の幅は、コイルスロット30よりも少々幅の
狭くし、コイル導体34などがサブスロットに重力によ
って落ち込まないようになっている。コイル4は、図2
6に示されるように、多数の細長い通風孔33を穿った
コイル導体34が、半径方向に複数ターン積み重ねて形
成したもので、ターン間には図示していないがコイル導
体と同じ位置に穿孔した薄い絶縁シートを挟む。コイル
導体34と絶縁シートから構成されるコイル4に働く遠
心力は、クリページブロック35を介してウエッジ36
と回転子1で支える。コイル導体34を積層して形成さ
れたコイル4は、クリページブロック35、ライナー3
7、並びに、スペーサ38は、FRPなどの耐電気絶縁
特性が良好な材料で囲い、回転子1と電気的に絶縁され
る。コイル導体34の通風孔33、絶縁シートの孔、ク
リページブロック35、並びに、ウエッジ36の孔で構
成した半径方向流路を通称半径方向流路と呼んでおり、
サブスロットを軸方向に流れる空気39の一部が半径方
向流路を通って回転子1の外周側に分岐される。コイル
導体34で発生した熱はほとんど総てこの半径方向通風
流路を流れる空気で除去される。
いた発電機では、前述したような理由で、発電機を軸方
向に長くする以外に発電容量を150MVAとするよう
な大容量化は、冷却の面から困難である。さて、このよ
うな発電機の冷却能力を増大させるためには、前述の如
く、コイル導体34の通風孔33の周長を長くすればよ
いが、そのために通風孔33の内部に凹凸を形成するこ
とが考えられる。しかし、前述したように、これでは内
部に流れる気体の通風損失が増加し、気体の温度上昇が
熱伝達の向上分を相殺してしまい、期待していた結果は
得られなかった。また、一般的に、通風孔33を大きく
して周長を増すとが考えられるが、これでは、内部に流
れる気体の流速が低下してしまい熱伝達が低下するとい
う問題がある。以下に説明する本実施の形態は、通風孔
33の内部に流れる気体の流速を低下させることなく熱
伝達の向上を図るものである。
回転子体積には比例関係にある。この比例関係の勾配
は、冷却性能によってほぼ決まる。たとえば、従来の空
気冷却形の発電機は約100m3・rpm/MVA程度
である。冷却性能が向上すればこの数値は小さくなる。
したがって、発電容量が150MVAで、回転数が30
00rpm(50Hz)とすると、回転子の体積は5m3
となる。回転子の外径は遠心力に絶えられる応力によっ
て決まり、現在得られる材料ではほぼ1mが限度であ
る。回転子外径がφ1mとすると回転子長さは5mにな
る。しかしながら、以下に説明する実施の形態により回
転子の冷却性能を30%以上向上させることができるの
で、この勾配を70m3・rpm/MVA以下にするこ
とが出来る。
/MVAとすれば、上記と同様の容量の発電機を回転子
体積3.5m3、すなわち、回転子外径φ1mで、回転
子軸長3.5m以下で達成できる。発電機の製造コスト
は、回転子体積によってほぼ決まるので、本実施の形態
を用いることによって製造コストの大幅な低減が可能と
なる。
スロット断面構造の詳細図を示す。本図において、前記
通風孔33を2列にしている(2列孔半径方向通風流
路)。この通風孔33の形状を図6に示す。通風孔の形
状は2列孔である必要はなく、図7に示すように3列で
もよい。また、図8に示すように半径方向流路の長手方
向の向きを導体方向に対して傾けた形状であっても、図
9に示すように多数の小孔40を穿ってもよい。
要はなく、図10または図11のように前後にずれてい
てもよい。いずれの形状においても、通風流路の巻線方
向の配列ピッチ内にある総ての前記通風流路の流路周長
(コイルの幅方向に形成された複数の孔の流路の周長)
は、従来のように1穴の場合に比べて、総通風断面積の
増分に対して、総ての前記通風流路の流路周長の増分が
大きくなるようになっている。これによって、半径方向
流路の通風損失を低減させ、かつ、冷却性能を増加させ
ることが出来る。この条件は、以下のような理由による
ものである。
方向流路での入口および出口の周速の差によって発生す
るヘッドと、サブスロットおよび半径方向流路で生じる
圧損のバランスできまる。発生ヘッドは、回転子の外径
および半径方向流路の入口の内径で決まるために、半径
方向流路構造によらず一定になる。
大きく依存しており、この圧損は通風断面積が大きけれ
ば大きいほど小さくなって風量が増え、半径方向流路内
部での空気の温度上昇は小さくなる。すなわち、コイル
の通風面積が2倍になれば流速は、同じ圧損で比較する
と2倍の風量が流れる。従って、半径方向流路内部での
空気の温度上昇は1/2になる。
一定とすると、半径方向流路の通風断面積が増えれば空
気の流速が低下し、流速の関数である熱伝達係数も低下
する。この場合は、流速を確保しながら、熱伝達係数を
あまり低下させずに冷却周長を長くしてやる必要があ
る。たとえば、半径方向流路内部の熱伝達係数が、滑ら
かな円管の乱流熱伝達特性と同様な傾向をもつと仮定す
ると、熱伝達係数αは、流速の0.8乗に比例するの
で、通風断面積が2倍になれば流速が1/2になり、熱
伝達係数αは(1/2)の0.8乗で43%減少してし
まう。すなわち、半径方向流路が一穴の場合、いくら、
通風断面積を広げても、熱伝達係数の悪化によって、か
えって温度の上昇を招いてしまう。このままでは、流速
を確保しながら、熱伝達係数を変えずに冷却周長を長く
することが困難となってしまう。
た)、図25に示した従来技術に比べて、通風断面積を
あまり変えずに、半径方向流路内部のコイル表面積(周
長)が2倍になる。結局、熱伝達係数αとコイル表面積
Aの積で表される熱伝達Aα=(1−0.43)×2=
1.14となり、コイル表面温度の上昇は1/1.14
になる。そして、コイル導体34の温度上昇は、半径方
向流路内部の空気の温度上昇と半径方向流路内部のコイ
ル表面の温度上昇の和である。コイル導体の平均的な温
度上昇のなかで、空気の温度上昇の割合と、コイル表面
の温度上昇の割合が等しいとすれば、上記実施形態によ
って50%×(1/2)+50%×(1/1.14)=
69%になり、31%もの温度上昇低減が達成できる。
て、図5に示した二穴の場合では、実測したところによ
れば、半径方向流路内部での空気の流れが回転にもとづ
く2次流れ(スパイラル流)の発生等が顕著でることが
確認され、このスパイラル流による伝熱促進が顕著であ
り、上記Aαの値は、1.14よりも大きくなる効果が
あった。但し、何故、このスパイラル流の発生が顕著に
なるかという理由についてはまだ解明されていない。
いないので、以下検討する。本発明による回転子におい
ては、コイル導体34における通風口33の孔列を複数
にしたものであり、ラジアルフローの冷却面積は、軸方
向ピッチ当たりの孔の冷却周長の合計に比例する。従っ
て、複数列にすることによって冷却面積を大幅に増やす
ことができる。
電断面積が減少し、導体の発熱量は、電流密度の自乗に
比例するので、列数を増やすことによって発熱量は増加
する。
適値が存在する。孔数とコイルの総合温度上昇の関係
は、図12に示すように温度上昇値の最も小さくなる場
合が最適な孔数で、この図によれば、最適な孔数は3個
である。
度上昇値はあまり変わらない。孔数が多くなると、製造
工数も多くなる場合もあるので、孔数が少ない方が好ま
しい。尚、図12を孔幅W1の合計ΣW1の導体幅W2
に対する比ΣW1/W2での導体温度上昇は図13に示
すようになる。孔数2〜4個の場合は、ΣW1/W2が
30〜40%の範囲に相当する。
は孔の幅W1にも依存する。図14にその一例を示す。
横軸は、導体の幅に対する孔幅の比ΣW1/W2で、縦
軸は導体の温度上昇である。図14に示すように、ΣW
1/W2は、30%程度の場合が最適である。ただし、
20%〜40%の範囲であれば、導体の温度上昇はさほ
ど変わらない。このような特性は、以下に述べる理由に
よって生じる。孔幅を大きくするとラジアルフローの通
風抵抗が減少し、ラジアルフロー内部での流体の温度上
昇が低減される。従って、流体の温度上昇は下がる。こ
のため、流体の温度上昇分と熱伝達による温度上昇の和
である導体の温度上昇は下がる。
と、ラジアルフロー内部の流体の流速が小さくなって熱
伝達が低下すると同時に、導体の通電面積が減少し、発
熱量が増加する。従って、熱伝達による温度上昇分が増
加し、導体の温度上昇も増加する。以上の理由により、
ΣW1/W2には最適値が存在する。
温度上昇を下げるには、最適な列数と孔幅があり、結
局、孔幅の合計の導体幅に対する比ΣW1/W2は、3
0〜40%の範囲に保つのが最もよい。この範囲外の列
数や導体幅を用いた場合は、本発明を用いても従来の構
造よりも冷却が向上しない場合もあり得るので注意が必
要である。
は冷却のみならず、導体の強度についても考慮しなけれ
ばならない。何故なら、導体は温度上昇によって熱膨張
をするが、一方、半径方向に強大な遠心力を受ける。遠
心力によって導体の長手方向の熱膨張が拘束されるの
で、導体内部圧縮応力が発生する。列数が多すぎると、
孔間の導体が座屈したり、又は、曲げを生じたりする場
合もある。
最適範囲の中でなるべく小さい方が好ましい。また、本
発明は、孔をダイスにて打ち抜くパンチング加工に適し
ているが、孔数が多くなると加工時の導体変形が大きく
なる場合がある。従って、この意味から列数は少ない方
が好ましい。製造工程を考えると、列数は2列で、孔幅
の合計の導体幅に対する比を、30〜40%の範囲にす
るのが最適である。尚、孔加工にパンチング加工を用い
ない場合はこの限りではない。
きくするために、孔の長径方向を導体軸に対して斜めに
したものである。この発明の利点は、パンチング加工を
行うときに1回のパンチで1つの孔を開ければよい点で
ある。従って、従来から用いているパンチング加工器が
複数列孔に対応していなくとも、本発明を実施すること
ができる。
ング加工機のプレス圧力があまり大きくない場合に好適
な方法である。この場合についても、図13及び図14
に従って孔数及びその軸方向ピッチを決めればよい。
方向流路の通風面積および冷却面積が増加するので、そ
れに応じた冷却性能の向上が見込め、発電容量が150
MVA、回転子軸長が3,2m〜3.5mの半径方向流
路を用いた空気冷却式発電機の製造が可能となり、ま
た、空気冷却式以外の水素冷却式を用いた場合は、水素
冷却特有の費用は掛かるが、それ以外の特別なコストを
抑制しつつ発電機の大容量化を達成することができる。
グによって可能である。パンチングは、通風孔33の形
状をしたダイスをプレスでコイル導体34を打ち抜く方
法で、自動化が行いやすいという特徴がある。もちろん
機械加工にて行ってもよいが、製造コストの点からパン
チング加工が有利である。パンチング加工の問題点とし
て、打ち抜き時にコイル導体の幅が多少膨らむ。特に、
同じ列の通風孔を打ち抜く場合、通風孔の列間の導体が
ダイスから抜けにくいという問題が考えられる。この問
題については、同じ列を同時にパンチングしないように
すれば解決できる。 たとえば、まず、第一の列につい
てパンチングを行い、その次ぎに第2の列についてパン
チングを行う。または、複数の通風孔33を同時にパン
チングする場合には、同時に打ち抜く通風孔のダイス位
置を前後にずらしてもよい。
スロット断面構造図を示す。コイル導体34の中心の主
半径方向流路41に加え、コイル導体外表面にも副半径
方向流路構造42を設けた点が図5乃至図11に示した
実施形態と異なる。この通風孔33の形状を図16に示
す。副半径方向流路42は、コイル導体34と絶縁ライ
ナー37で挟まれた空間を通風流路として用いるもので
ある。図6に示されたす実施形態と冷却性能に違いはな
いが、パンチング加工によるコイル導体の幅寸法の変化
が生じにくいという利点をもつ。すなわち、このコイル
導体34の加工は、コイル導体34の中心部の通風孔3
3を先に穿孔し、そのあとで、副半径方向流路の加工を
行うようにする。中心部の通風孔33をパンチングによ
り穿孔したとき、多少コイル導体幅が膨らむが、後でそ
の膨らんだ分を含めて副半径方向流路の加工を行うので
コイル導体33の幅寸法を精度良く保つことが可能にな
る。なお、通風孔の列数、または、通風孔のピッチ当た
りの通風孔総面積は、回転子全体で一定である必要はな
い。むしろ、サブスロットから半径方向流路に冷却空気
の分岐に伴う圧力損失が中心部ほど小さくなる関係上、
各半径方向流路の風量は、図17の50に示すように中
心部に向かうほど大きくなる傾向を持つ。したがって、
回転子の中心部のコイルは冷えすぎ、逆に回転子の端部
のコイルは冷えにいことから、コイル全体の平均温度は
コイル温度上昇の限界以下でも、回転子端部のコイルで
局所的にオーバーヒートする問題が生じる。そこで、例
えば、図18に示すように図6に示された形態を回転子
の端部のみに適用すれば、風量分布は図17の51のよ
うに改善することができコイルの温度分布の均一化を図
ることが出来る。この温度分布の均一化によりコイルの
局所的なオーバーヒートの可能性がなくなり、コイルの
平均温度上昇を限界値近くに設計することができ、過度
な温度余裕を設けない限界設計が可能となる。
回転子コイルエンドの冷却について説明する。図19
は、各コイル間に設ける周方向を固定するスペーサ53
を周方向から見た図(図右方向が回転子中央方向、下方
向が回転子の軸中心方向)、図20はこの部分を外周側
から見た図である。尚、この図ではリテニングリング5
を図示していない。回転子コイルエンドは、リテニング
リング5によって覆われているので前述の回転子コイル
と同様の半径方向流路方式を適用することは困難であ
る。しかし、コイルエンドにも磁力を有効に発生するコ
イル部分と全く等しい電流が流れるので、同様に発熱す
る。このため、やはりコスト増とならないような冷却が
要求される。本実施の形態では、コイル4の間にスペー
サが必要であることに着目して、スペーサを工夫するこ
とにより冷却するものである。
イル4に接し、コイル4の周方向に働く力をコイル4の
全体に伝え、コイル4が周方向に動かないように固定す
るものである。各ターンのコイル導体は、何れかの凸部
54に支持されるため、コイル導体同志を接着固定しな
くても、コイル4の形状が崩れることはない。コイル4
またはスペーサ53の内径側は、隔壁55でスペーサ5
3が占めるコイル4の間の空間を、コイル4の内径側空
間と分離する。隔壁55の隣り合うコイル4のコーナー
の間の位置に、通風孔56を設ける。一方、回転子の端
部に、隣り合うコイル4の間に通風路57を設ける。回
転子が回転することによって、通風孔56から、スペー
サ53とコイル4の空間と、通風路57とからなる流路
に通風ヘッドが発生し、空気は多数の矢印58で図示し
たように流れ、コイル4の表面を冷却する。通風路57
は、スペーサ53とコイル4の空間と回転子外側を連通
する流路であれば良く、図の通りである必要はない。た
だし、十分な通風面積をとり、大きな圧力損失が発生し
ないようにしなければならない。スペーサ53のの凸部
の形状は必ずしも図のような形状である必要はないが、
流れに対して抵抗とならないような形状並びに配置とす
る必要がある。また、空気の流れが適度に蛇行するよう
にしたほうが、流速の均一化が図れ、圧力損失を最少に
保つことができる。
固定子2の横断面の一部を示したものである。固定子2
は、非常に薄い珪素鋼板を多数積層したもので、一定ピ
ッチ毎にダクトスペーサ59を挟み、固定子2の内径側
から外径側、または、外径側から内径側へ貫通する半径
方向ダクトとする。スロット間の固定子コアのティース
部のダクトスペーサの位置は、ティースの中心部から片
方にずらす。このずらす方向は隣り合う半径方向ダクト
において互い違いになるようにする。固定子の内径側に
はスロットを形成し、固定子コイル61を納める。
隙間が小さい方は、この部分を流れる空気の流速が、隙
間の広い方よりも早くなるために、隙間が広い方よりも
圧力が下がる。この隙間は、上述のように隣り合う半径
方向ダクトで互い違いに広くなったり狭くなったりする
ために、隣り合う半径方向ダクト間で数10mmAqほ
どの圧力差を生じさせることができる。次に、図22に
スロット部の詳細な構造を示す。固定子コイル61は、
絶縁物62で覆い、リップルスプリング63でスロット
の片面に、スペーサ64を固定子コイル61の間に介し
てウエッジ66でスロットの底部に押し付け、電磁力に
よって固定子コア61が振動するのを防ぐ。スロットダ
クト65は、軸方向に隣り合う半径方向ダクトを連通す
る。このスロットダクトの幅は、2〜3mm程度あれば
十分である。図23は、固定子コイルの軸断面方向を見
たもので、破線の矢印は、空気の流れを示す。隣り合う
半径方向ダクトに上述のように圧力差が生じているの
で、この隙間を空気が流れ、固定子コイル61の熱を直
接冷却できる。スロットダクト65は、リップルスプリ
ング側の固定子コイル61と固定子コアの隙間を1mm
以上にすれば、この隙間で代用できる。この場合、固定
子コイルがスロットに直接接する側では、固定子コイル
からの熱は固定子コアに伝えられる。
たは各ダクトの通風面積は、固定子全体で一定である必
要はなく、むしろ、各ダクトの風量分布を均一化するた
めに固定子中央部の通風面積を固定子端部に比べて小さ
くしたほうが良い。
イズを低減でき、低コストのガスタービン用の空気冷却
形発電機が実現できる。
となく回転子の発熱による温度上昇を低減できるため、
低コストで信頼性の高い大容量の空気冷却形の回転電機
が得られる。
を説明する図である。
を説明する図である。
の斜視図である。
した回転子の断面斜視図である。
おける通風孔の配置の一例を説明する図である。
おける通風孔の配置の他の例を説明する図である。
おける通風孔の配置のさらに他の例を説明する図であ
る。
おける通風孔の配置の他の例を説明する図である。
における通風孔の配置のさらに他の例を説明する図であ
る。
における通風孔の配置の他の例を説明する図である。
の通風孔における孔数と導体温度上昇の関係を示す線図
である。
における導体幅に対する孔幅(一定)の合計比と導体温
度上昇の関係を示す線図である。
における列数一定の場合の導体幅に対する孔幅の合計比
と導体温度上昇の関係を示す線図である。
実施した回転子の断面斜視図である。
の通風孔の配置の説明図である。
量分布を示す線図である。
イル導体の通風孔配置に例の説明図である。
る説明図である。
ル導体の回転子外径側から見た説明図である。
方向横断面概略図である。
図である。
図である。
ある。
転子スロットの部分断面斜視図である。
る。
リテニングリング、6・・・冷却ファン、10・・・固定子コ
イル、30・・・スロット、31・・・サブスロット、33・・
・半径方向流路、34・・・コイル導体、36・・・ウエッ
ジ、42・・・副半径方向流路、53・・・スペーサ、55・・
・隔壁、59・・・ダクトスペーサ、61・・・固定子コイ
ル、62・・・絶縁物、63・・・リップルスプリング、65
・・・スロットダクト、101・・・ガスタービン、102・・
・発電機。
Claims (14)
- 【請求項1】回転子の外周面軸方向に設けられ、この回
転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロッ
トと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロ
ットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記
回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けら
れ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径
方向通風流路とを備えた回転電機において、前記半径方
向通風流路は、前記回転子巻線の幅方向に複数設けられ
た回転電機。 - 【請求項2】請求項1において、前記半径方向通風流路
は長孔である回転電機。 - 【請求項3】請求項1において、前記半径方向通風流路
の巻線方向に対する列数を回転子端部ほど多くした回転
電機。 - 【請求項4】請求項1において、前記半径方向通風流路
は、その通風孔内面が回転子巻線によって形成される流
路と、その通風孔内面が前記コイルスロット及び前記回
転子巻線によって形成される流路とを有する回転電機。 - 【請求項5】回転子の外周面軸方向に設けられ、この回
転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロッ
トと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロ
ットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記
回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けら
れ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径
方向通風流路を前記回転子巻線幅方向に一つ設けた回転
電機において、前記回転子巻線幅方向に一つ設けられた
半径方向通風流路に比べ、通風断面積の増分に対して、
その周長の増分を大きくした半径方向通風流路を備えた
回転電機。 - 【請求項6】請求項5において、前記半径方向通風流路
は長孔である回転電機。 - 【請求項7】請求項5において、前記半径方向通風流路
の巻線方向に対する列数を回転子端部ほど多くした回転
電機。 - 【請求項8】請求項5において、前記半径方向通風流路
は、その通風孔内面が回転子巻線によって形成される流
路と、その通風孔内面が前記コイルスロット及び前記回
転子巻線によって形成される流路とを有する回転電機。 - 【請求項9】回転子の外周面軸方向に設けられ、この回
転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロッ
トと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロ
ットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、前記コイルスロット外に延在する複数の回転子巻線
とを備えた回転電機において、前記コイルスロット外に
延在した回転子巻線間に設けられるスペーサに、両回転
子巻線に接する凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形
成する凹部とを設けた回転電機。 - 【請求項10】回転子の外周面軸方向に設けられ、この
回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロ
ットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブス
ロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、前記コイルスロット外に延在する複数の回転子巻線
とを備えた回転電機において、前記コイルスロット外に
延在した回転子巻線間に設けられるスペーサに、両回転
子巻線に接する凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形
成する凹部を有し、かつ、回転子軸方向から回転子端部
への投影面積が前記両回転子巻線間の空間の回転子端部
への投影面積と等しいスペーサと、前記回転子巻線の間
の空間と前記スペーサが閉める空間を、前記回転子巻線
の内径側空間と分離する隔壁と、前記隣り合う回転子巻
線の間であって、前記回転子巻線のコーナー部に穿った
前記隔壁の通風孔と、回転子端部に位置し前記回転子巻
線の間の空間と回転子外周側との通風孔とからなり、前
記スペーサの間隙および前記通風孔が回転子巻線の内径
側から回転子外径側との通風流路を構成した回転電機。 - 【請求項11】回転子の外周面軸方向に設けられ、この
回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロ
ットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブス
ロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前
記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設け
られ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半
径方向通風流路と、前記コイルスロット外に延在する複
数の回転子巻線とを備えた回転電機において、前記半径
方向通風流路は、前記回転子巻線の幅方向に複数設けら
れたものであり、前記コイルスロット外に延在した回転
子巻線間に設けられるスペーサに、両回転子巻線に接す
る凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形成する凹部を
備えた回転電機。 - 【請求項12】内径側に開口した回転軸方向のスロット
を有する積層珪素鋼板からなり、一定のピッチで設けた
多数の半径方向流路を有する固定子コアと、前記スロッ
トにウエッジにて固定収納した固定子コイルと、前記固
定子コイルと前記スロットの間隙に挿入した波板状のス
プリングとを有する固定子を備えた回転電機において、
前記スロットに、隣り合う前記半径方向流路間を連通す
る通風流路を備えた回転電機。 - 【請求項13】回転子の外周面軸方向に設けられ、この
回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロ
ットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブス
ロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前
記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設け
られ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半
径方向通風流路と、この回転子の外周側に設けられた固
定子と、前記半径方向通風流路に空気を流すことによっ
て冷却を行う回転電機において、この回転電機の発電容
量を150MVA以上とし、回転子の軸長を3.5m以
下とした回転電機。 - 【請求項14】回転子の外周面軸方向に設けられ、この
回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロ
ットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブス
ロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線
と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記
回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けら
れ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径
方向通風流路とを備えた回転電機において、前記半径方
向通風流路は、前記回転子巻線の幅に対する半径方向通
風流路幅の比が30%乃至40%の範囲となるよう穿孔
されたものである回転電機。
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