JP3564915B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大容量のガス直冷式回転電機の冷却構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス直冷式回転電機の回転子は、複数の回転子巻線またはコイルが配置される軸方向に形成したコイルスロットを持つ。これらコイルスロットは回転子本体の外周面に間隔をおいて配置され、同じ磁極を構成する複数のコイルは、磁極まわりに同心に配置される。これらコイルは、コイル導体を半径方向に複数ターン積み重ねて形成したもので、ターン間には絶縁層を設ける。このコイルに外部から通電するとそれぞれの磁極に電磁界を発生する。
【0003】
このコイルは回転子が回転することによる強大な遠心力によってコイル外径方向に飛ばされないように、回転子はコイルスロット内部にウエッジで固定され、回転子端部はコイル外周部に接するように設けられた円筒状のリテニングリングにより固定される。
【0004】
コイルに通電することによりコイル導体にはジュール発熱が生じる。コイルの絶縁層はマイカなどの耐熱性の高い材料を使用するが、100度または120度の温度上昇が限界である。また、温度上昇に伴うコイル導体の熱膨張は、コイルおよび回転子に大きな歪みを与え回転振動の原因となったりする。
【0005】
そこで、特公平5−48058号公報記載のような半径方向流冷却方式と呼ばれる構造にて、コイル温度が高くならないように冷却ガスにて冷却する。コイルスロット中のコイルは通常コイルスロット底部にコイル端部からの通風流路となるサブスロットを設け、コイルにはターン間の電気絶縁を確保しながら多数の半径方向に流路を設ける。ウエッジにもこの流路と回転子外径側と連通するように孔を設け、冷却ガスをサブスロットから半径方向流路に流すことでコイル温度が所定の温度以下になるようにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この構造は、半径方向流路を流れる空気の風量が制限される問題がある。なぜなら、半径方向流路の通風ヘッドは回転子の外径でほぼ決まるが、回転子の外径は材料強度の制約からおよそ1mが限界であるからである。そこで、従来は、半径方向流路内の内面を積極的に凹凸にするなどの方法によって乱流を促進し、熱伝達を向上させることが試みられてきた。しかしながら、乱流促進をすればするほど通風損失が増大し、流路内を流れる空気の温度上昇が熱伝達の向上分を相殺してしまう問題があり、実際に大幅な冷却性能の向上が図られるものではなかった。そのため、この半径方向流冷却方式による発電機は発電容量が50MVA級程度以下のものにしか用いられてこなかった。
【0007】
一方、ガスタービン発電機の原動機出力容量は年々増加の傾向にあり、今後、150MVA級以上のものが主流になる。この原動機出力容量の増加に対応するためには、発電機の大容量化が必須である。発電機を大容量化するためには、前述したように、回転子の外径が、遠心力に対抗して強度を保持するため略1mと制限されていることから回転子を軸方向に長くしなければならない。回転子を軸方向に長くすることは固定子を長くすることにつながり、発電機は精密加工が必要であることからコストが増大してしまう。
【0008】
そこで、回転子の磁力を大きくすることで発電容量を増大させることが考えられるが、磁力の増大は回転子コイルに流れる電流を増加させることであるので、回転子コイルの発熱量が電流の二乗で増加してしまい半径方向流路冷却構造では発電容量を増すことは不可能である。
【0009】
そのため、従来、100MVA級の大容量機に用いられているギャップピックアップ冷却方式や、冷却ガスに3〜5気圧程度の加圧水素を用いる水素冷却方式をガスタービン発電機を用いる必要があった。
【0010】
前者は、冷却ガスの取り入れを半径方向流路方式と異なり、回転子外周側から行うもので、回転子の大きな周速を冷却ガスの循環圧力として利用できるため、極めて大きな冷却ガス流量と熱伝達が得られる。後者は、水素の熱伝導率が空気に比べ約7倍大きいために、冷却構造が全く同じでも冷却性能を増加させることが可能である。これら、両者の方法は、単独で用いられることは少なく、組み合わせて用いる場合が多い。
【0011】
しかしながら、ギャップピックアップでは、ウエッジの冷却流路の出入り口部の穴形状を、回転子の周速を冷却ガスの循環圧力として利用できるようにするために複雑な形にならざるをえない。さらに、冷却流路は、冷却ガスを外形側から導きコイル内部にて内径側から外形側へ流れを反転させ再び外形側に排出させるために、回転子外径側に入口及び出口を有する循環流路とする必要があり、冷却構造の加工は必然的にコストの掛かる機械加工に拠らざるをえず、半径方向流路冷却構造で用いられる低コストのパンチングによる打ち抜き穴加工に比べると、製造コストが大幅に増加する問題があった。
【0012】
また、水素冷却では、基本的に従来の半径方向流路冷却構造でも充分に効果があるが、発電機全体を密閉構造にする必要があるためシール構造に特殊な技術が必要となる。また、空気冷却では不要な水素の純度管理をするための周辺機器も必要であり、発電プラント全体のコストを押し上げる欠点がある。さらに、水素は極めて爆発性の高い気体であり、ガスタービンなどの火気がある環境では使用が困難であるという大きな問題があった。
【0013】
このように、上記従来技術では、発電機の大容量化には対応できるものの、発電出力当たりの単価は前記半径方向流方式よりもどうしても高くなる問題がある。
【0014】
本発明の目的は、半径方向流路冷却構造をした回転子を有する回転電機の冷却性能を製造コストを上げることなく増大させることにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、安価でかつ大容量な発電機を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路を形成するコイル導体とを備えた回転電機において、前記半径方向通風流路を前記コイル導体に長孔で形成するとともに、この半径方向通風流路は前記回転子巻線の幅方向に複数設けられたことにより達成される。
【0017】
上記他の目的は、回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路と、この回転子の外周側に設けられた固定子と、前記半径方向通風流路に空気を流すことによって冷却を行う回転電機において、この回転電機の発電容量を150MVA以上とし、回転子の軸長を3.5mとしたことにより達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1にガスタービン発電機の概念図を示す。ガスタービン発電機は、ガスタービン原動機101は回転軸103により回転出力を発電機102に伝達するものである。図2に、空気冷却発電機の概略の構造を示す。図2は、空気を外部から取り入れ、冷却した後に再び外部に排出する開放形空気冷却発電機の断面概略構造図の一例である。このタイプの発電機は比較的小容量のものに用いられるが、構造が比較的簡単である反面、外部の塵埃などが発電機内部に入り込みやすい欠点があり、現在は空気冷却器を持ち空気を発電機内部で循環させる閉鎖形空冷発電機が主流である。ただし、発電機の基本的な構造は開放形と同様である。
【0019】
図2、図3及び図24に示すように、回転子1は、ステータ2中に軸受3によって回転支持される。回転子1には、同じ磁極を構成する複数のコイル4を磁極まわりに同心に配置され、固定される。コイル4に働く遠心力は、軸方向部については、回転子の外周面に間隔をおいて形成したコイルスロットにて、回転子端部の周方向部についてはリテニングリング5にて強固に支える。コイルスロットおよび回転子端部のコイル形状構造については後述する。リテニングリング5と軸受の間には、ファン6を配置し空気取入口11から空気を取り入れ回転子1およびステータ2に空気を送る。矢印7は、空気の流れを示す。ファン6から送られた空気の一部は、回転子1端部のコイル4と回転子1の軸の間の空間に流れ(8)、コイル4を冷却した後にエアギャップ9と呼ばれる回転子1とステータ2の隙間に排出される。一方、ファン6から送られたその他の空気は、ステータ2の両側の空間10とエアギャップ9に流れる。前者に流れた空気はステータコイル端部10を冷却し、後者を流れる空気は、回転子1から排出した空気と共にステータ2に半径方向に設けたダクトを流れてステータ2を冷却する。これらステータ2およびその端部を出た空気は外部へとそのまま放出される。この空気を外部に放出せず空気冷却器などで冷却して再びファン6へと送る密閉形の空気冷却発電機もあり、比較的大容量の発電機には外部の塵埃等の混入の心配がないこのタイプの発電機が採用されることが多い。
【0020】
ステータ2はステータフレーム12によって支えられ、このステータフレームは、図示していないが基礎に強固に固定される。このステータフレームとステータ2と間の空間は、空気の循環流路も兼用する。なお、この図では空気の循環の向きが、ステータ2がファン6の吐出側になるフォワードフロー形であるが、図3に示されるように逆の吸い込み側になるリバースフロー形もある。この場合、回転子1に流れる空気は、ファンの吐出側になるようにしなければならないので、回転子1端部およびステータフレームの構造が多少複雑になる。
【0021】
図4は、図24に示す発電機から取り出された回転子端部のコイル形状を示す斜視図である。この図において、磁極は2つである。この図では説明のためにリテニングリングは省いている。リテニングリングは、回転子1のスロットから回転子端部に突き出たコイル4の外周面を外側から保持する。回転子1のコイル4の外周面に見える穴21はコイル4を遠心力に対して支えるウエッジ20に開けられた後述するサブスロットと回転子外周面を貫通する半径方向流路の空気排出孔である。
【0022】
図25は、従来のコイルスロットの断面構造の詳細図で、2スロット分を示す。コイル4を納める軸方向に形成された凹部であるコイルスロット30の底部には、サブスロット31が設けられ、図1に示したファン6から送られる空気の通風流路となる。このサブスロット31の幅は、コイルスロット30よりも少々幅の狭くし、コイル導体34などがサブスロットに重力によって落ち込まないようになっている。コイル4は、図26に示されるように、多数の細長い通風孔33を穿ったコイル導体34が、半径方向に複数ターン積み重ねて形成したもので、ターン間には図示していないがコイル導体と同じ位置に穿孔した薄い絶縁シートを挟む。コイル導体34と絶縁シートから構成されるコイル4に働く遠心力は、クリページブロック35を介してウエッジ36と回転子1で支える。コイル導体34を積層して形成されたコイル4は、クリページブロック35、ライナー37、並びに、スペーサ38は、FRPなどの耐電気絶縁特性が良好な材料で囲い、回転子1と電気的に絶縁される。コイル導体34の通風孔33、絶縁シートの孔、クリページブロック35、並びに、ウエッジ36の孔で構成した半径方向流路を通称半径方向流路と呼んでおり、サブスロットを軸方向に流れる空気39の一部が半径方向流路を通って回転子1の外周側に分岐される。コイル導体34で発生した熱はほとんど総てこの半径方向通風流路を流れる空気で除去される。
【0023】
以上説明した従来の半径方向流路冷却を用いた発電機では、前述したような理由で、発電機を軸方向に長くする以外に発電容量を150MVAとするような大容量化は、冷却の面から困難である。さて、このような発電機の冷却能力を増大させるためには、前述の如く、コイル導体34の通風孔33の周長を長くすればよいが、そのために通風孔33の内部に凹凸を形成することが考えられる。しかし、前述したように、これでは内部に流れる気体の通風損失が増加し、気体の温度上昇が熱伝達の向上分を相殺してしまい、期待していた結果は得られなかった。また、一般的に、通風孔33を大きくして周長を増すとが考えられるが、これでは、内部に流れる気体の流速が低下してしまい熱伝達が低下するという問題がある。以下に説明する本実施の形態は、通風孔33の内部に流れる気体の流速を低下させることなく熱伝達の向上を図るものである。
【0024】
ところで、発電容量を回転数で除した値と回転子体積には比例関係にある。この比例関係の勾配は、冷却性能によってほぼ決まる。たとえば、従来の空気冷却形の発電機は約100m・rpm/MVA程度である。冷却性能が向上すればこの数値は小さくなる。したがって、発電容量が150MVAで、回転数が3000rpm(50Hz)とすると、回転子の体積は5mとなる。回転子の外径は遠心力に絶えられる応力によって決まり、現在得られる材料ではほぼ1mが限度である。回転子外径がφ1mとすると回転子長さは5mになる。しかしながら、以下に説明する実施の形態により回転子の冷却性能を30%以上向上させることができるので、この勾配を70m・rpm/MVA以下にすることが出来る。
【0025】
例えば、仮にこの勾配を70m・rpm/MVAとすれば、上記と同様の容量の発電機を回転子体積3.5m、すなわち、回転子外径φ1mで、回転子軸長3.5m以下で達成できる。発電機の製造コストは、回転子体積によってほぼ決まるので、本実施の形態を用いることによって製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0026】
図5に、本発明の一実施形態であるコイルスロット断面構造の詳細図を示す。本図において、前記通風孔33を2列にしている(2列孔半径方向通風流路)。この通風孔33の形状を図6に示す。通風孔の形状は2列孔である必要はなく、図7に示すように3列でもよい。また、図8に示すように半径方向流路の長手方向の向きを導体方向に対して傾けた形状であっても、図9に示すように多数の小孔40を穿ってもよい。
【0027】
また、各列の通風孔33の位置は揃える必要はなく、図10または図11のように前後にずれていてもよい。いずれの形状においても、通風流路の巻線方向の配列ピッチ内にある総ての前記通風流路の流路周長(コイルの幅方向に形成された複数の孔の流路の周長)は、従来のように1穴の場合に比べて、総通風断面積の増分に対して、総ての前記通風流路の流路周長の増分が大きくなるようになっている。これによって、半径方向流路の通風損失を低減させ、かつ、冷却性能を増加させることが出来る。この条件は、以下のような理由によるものである。
【0028】
半径方向流路を流れる空気の風量は、半径方向流路での入口および出口の周速の差によって発生するヘッドと、サブスロットおよび半径方向流路で生じる圧損のバランスできまる。発生ヘッドは、回転子の外径および半径方向流路の入口の内径で決まるために、半径方向流路構造によらず一定になる。
【0029】
一方、圧損は半径方向流路の通風断面積に大きく依存しており、この圧損は通風断面積が大きければ大きいほど小さくなって風量が増え、半径方向流路内部での空気の温度上昇は小さくなる。すなわち、コイルの通風面積が2倍になれば流速は、同じ圧損で比較すると2倍の風量が流れる。従って、半径方向流路内部での空気の温度上昇は1/2になる。
【0030】
一方、半径方向流路を流れる空気の風量が一定とすると、半径方向流路の通風断面積が増えれば空気の流速が低下し、流速の関数である熱伝達係数も低下する。この場合は、流速を確保しながら、熱伝達係数をあまり低下させずに冷却周長を長くしてやる必要がある。たとえば、半径方向流路内部の熱伝達係数が、滑らかな円管の乱流熱伝達特性と同様な傾向をもつと仮定すると、熱伝達係数αは、流速の0.8乗に比例するので、通風断面積が2倍になれば流速が1/2になり、熱伝達係数αは(1/2)の0.8乗で43%減少してしまう。すなわち、半径方向流路が一穴の場合、いくら、通風断面積を広げても、熱伝達係数の悪化によって、かえって温度の上昇を招いてしまう。このままでは、流速を確保しながら、熱伝達係数を変えずに冷却周長を長くすることが困難となってしまう。
【0031】
本実施形態によれば(例えば、図5に示した)、図25に示した従来技術に比べて、通風断面積をあまり変えずに、半径方向流路内部のコイル表面積(周長)が2倍になる。結局、熱伝達係数αとコイル表面積Aの積で表される熱伝達Aα=(1−0.43)×2=1.14となり、コイル表面温度の上昇は1/1.14になる。そして、コイル導体34の温度上昇は、半径方向流路内部の空気の温度上昇と半径方向流路内部のコイル表面の温度上昇の和である。コイル導体の平均的な温度上昇のなかで、空気の温度上昇の割合と、コイル表面の温度上昇の割合が等しいとすれば、上記実施形態によって50%×(1/2)+50%×(1/1.14)=69%になり、31%もの温度上昇低減が達成できる。
【0032】
また、半径方向流路が一穴の場合に比べて、図5に示した二穴の場合では、実測したところによれば、半径方向流路内部での空気の流れが回転にもとづく2次流れ(スパイラル流)の発生等が顕著でることが確認され、このスパイラル流による伝熱促進が顕著であり、上記Aαの値は、1.14よりも大きくなる効果があった。但し、何故、このスパイラル流の発生が顕著になるかという理由についてはまだ解明されていない。
【0033】
以上については通電による発熱を考慮していないので、以下検討する。本発明による回転子においては、コイル導体34における通風口33の孔列を複数にしたものであり、ラジアルフローの冷却面積は、軸方向ピッチ当たりの孔の冷却周長の合計に比例する。従って、複数列にすることによって冷却面積を大幅に増やすことができる。
【0034】
一方、列数を増やすことによって導体の通電断面積が減少し、導体の発熱量は、電流密度の自乗に比例するので、列数を増やすことによって発熱量は増加する。
【0035】
以上のような理由により、孔の列数には最適値が存在する。孔数とコイルの総合温度上昇の関係は、図12に示すように温度上昇値の最も小さくなる場合が最適な孔数で、この図によれば、最適な孔数は3個である。
【0036】
しかしながら、2〜4個の範囲であれば温度上昇値はあまり変わらない。孔数が多くなると、製造工数も多くなる場合もあるので、孔数が少ない方が好ましい。尚、図12を孔幅W1の合計ΣW1の導体幅W2に対する比ΣW1/W2での導体温度上昇は図13に示すようになる。孔数2〜4個の場合は、ΣW1/W2が30〜40%の範囲に相当する。
【0037】
ところで、列数が同じでも、導体温度上昇は孔の幅W1にも依存する。図14にその一例を示す。横軸は、導体の幅に対する孔幅の比ΣW1/W2で、縦軸は導体の温度上昇である。図14に示すように、ΣW1/W2は、30%程度の場合が最適である。ただし、20%〜40%の範囲であれば、導体の温度上昇はさほど変わらない。このような特性は、以下に述べる理由によって生じる。孔幅を大きくするとラジアルフローの通風抵抗が減少し、ラジアルフロー内部での流体の温度上昇が低減される。従って、流体の温度上昇は下がる。このため、流体の温度上昇分と熱伝達による温度上昇の和である導体の温度上昇は下がる。
【0038】
しかしながら、孔幅が大きくなしすぎると、ラジアルフロー内部の流体の流速が小さくなって熱伝達が低下すると同時に、導体の通電面積が減少し、発熱量が増加する。従って、熱伝達による温度上昇分が増加し、導体の温度上昇も増加する。以上の理由により、ΣW1/W2には最適値が存在する。
【0039】
以上のことから、導体を複数列にして導体温度上昇を下げるには、最適な列数と孔幅があり、結局、孔幅の合計の導体幅に対する比ΣW1/W2は、30〜40%の範囲に保つのが最もよい。この範囲外の列数や導体幅を用いた場合は、本発明を用いても従来の構造よりも冷却が向上しない場合もあり得るので注意が必要である。
【0040】
ところで、孔の列数及び幅を決めるときには冷却のみならず、導体の強度についても考慮しなければならない。何故なら、導体は温度上昇によって熱膨張をするが、一方、半径方向に強大な遠心力を受ける。遠心力によって導体の長手方向の熱膨張が拘束されるので、導体内部圧縮応力が発生する。列数が多すぎると、孔間の導体が座屈したり、又は、曲げを生じたりする場合もある。
【0041】
結局、孔幅の合計の導体幅に対する比は、最適範囲の中でなるべく小さい方が好ましい。また、本発明は、孔をダイスにて打ち抜くパンチング加工に適しているが、孔数が多くなると加工時の導体変形が大きくなる場合がある。従って、この意味から列数は少ない方が好ましい。製造工程を考えると、列数は2列で、孔幅の合計の導体幅に対する比を、30〜40%の範囲にするのが最適である。尚、孔加工にパンチング加工を用いない場合はこの限りではない。
【0042】
図8は、軸方向ピッチよりも孔の長さを大きくするために、孔の長径方向を導体軸に対して斜めにしたものである。この発明の利点は、パンチング加工を行うときに1回のパンチで1つの孔を開ければよい点である。従って、従来から用いているパンチング加工器が複数列孔に対応していなくとも、本発明を実施することができる。
【0043】
図9は、小孔を多数開けた場合で、パンチング加工機のプレス圧力があまり大きくない場合に好適な方法である。この場合についても、図13及び図14に従って孔数及びその軸方向ピッチを決めればよい。
【0044】
以上のように、本実施形態によれば、半径方向流路の通風面積および冷却面積が増加するので、それに応じた冷却性能の向上が見込め、発電容量が150MVA、回転子軸長が3,2m〜3.5mの半径方向流路を用いた空気冷却式発電機の製造が可能となり、また、空気冷却式以外の水素冷却式を用いた場合は、水素冷却特有の費用は掛かるが、それ以外の特別なコストを抑制しつつ発電機の大容量化を達成することができる。
【0045】
ところで、通風孔33の加工は、パンチングによって可能である。パンチングは、通風孔33の形状をしたダイスをプレスでコイル導体34を打ち抜く方法で、自動化が行いやすいという特徴がある。もちろん機械加工にて行ってもよいが、製造コストの点からパンチング加工が有利である。パンチング加工の問題点として、打ち抜き時にコイル導体の幅が多少膨らむ。特に、同じ列の通風孔を打ち抜く場合、通風孔の列間の導体がダイスから抜けにくいという問題が考えられる。この問題については、同じ列を同時にパンチングしないようにすれば解決できる。 たとえば、まず、第一の列についてパンチングを行い、その次ぎに第2の列についてパンチングを行う。または、複数の通風孔33を同時にパンチングする場合には、同時に打ち抜く通風孔のダイス位置を前後にずらしてもよい。
【0046】
図15に、本発明の他の実施形態のコイルスロット断面構造図を示す。コイル導体34の中心の主半径方向流路41に加え、コイル導体外表面にも副半径方向流路構造42を設けた点が図5乃至図11に示した実施形態と異なる。この通風孔33の形状を図16に示す。副半径方向流路42は、コイル導体34と絶縁ライナー37で挟まれた空間を通風流路として用いるものである。図6に示されたす実施形態と冷却性能に違いはないが、パンチング加工によるコイル導体の幅寸法の変化が生じにくいという利点をもつ。すなわち、このコイル導体34の加工は、コイル導体34の中心部の通風孔33を先に穿孔し、そのあとで、副半径方向流路の加工を行うようにする。中心部の通風孔33をパンチングにより穿孔したとき、多少コイル導体幅が膨らむが、後でその膨らんだ分を含めて副半径方向流路の加工を行うのでコイル導体33の幅寸法を精度良く保つことが可能になる。なお、通風孔の列数、または、通風孔のピッチ当たりの通風孔総面積は、回転子全体で一定である必要はない。むしろ、サブスロットから半径方向流路に冷却空気の分岐に伴う圧力損失が中心部ほど小さくなる関係上、各半径方向流路の風量は、図17の50に示すように中心部に向かうほど大きくなる傾向を持つ。したがって、回転子の中心部のコイルは冷えすぎ、逆に回転子の端部のコイルは冷えにいことから、コイル全体の平均温度はコイル温度上昇の限界以下でも、回転子端部のコイルで局所的にオーバーヒートする問題が生じる。そこで、例えば、図18に示すように図6に示された形態を回転子の端部のみに適用すれば、風量分布は図17の51のように改善することができコイルの温度分布の均一化を図ることが出来る。この温度分布の均一化によりコイルの局所的なオーバーヒートの可能性がなくなり、コイルの平均温度上昇を限界値近くに設計することができ、過度な温度余裕を設けない限界設計が可能となる。
【0047】
図19および図20に、図4にて説明した回転子コイルエンドの冷却について説明する。図19は、各コイル間に設ける周方向を固定するスペーサ53を周方向から見た図(図右方向が回転子中央方向、下方向が回転子の軸中心方向)、図20はこの部分を外周側から見た図である。尚、この図ではリテニングリング5を図示していない。回転子コイルエンドは、リテニングリング5によって覆われているので前述の回転子コイルと同様の半径方向流路方式を適用することは困難である。しかし、コイルエンドにも磁力を有効に発生するコイル部分と全く等しい電流が流れるので、同様に発熱する。このため、やはりコスト増とならないような冷却が要求される。本実施の形態では、コイル4の間にスペーサが必要であることに着目して、スペーサを工夫することにより冷却するものである。
【0048】
図19において、スペーサの凸部54はコイル4に接し、コイル4の周方向に働く力をコイル4の全体に伝え、コイル4が周方向に動かないように固定するものである。各ターンのコイル導体は、何れかの凸部54に支持されるため、コイル導体同志を接着固定しなくても、コイル4の形状が崩れることはない。コイル4またはスペーサ53の内径側は、隔壁55でスペーサ53が占めるコイル4の間の空間を、コイル4の内径側空間と分離する。隔壁55の隣り合うコイル4のコーナーの間の位置に、通風孔56を設ける。一方、回転子の端部に、隣り合うコイル4の間に通風路57を設ける。回転子が回転することによって、通風孔56から、スペーサ53とコイル4の空間と、通風路57とからなる流路に通風ヘッドが発生し、空気は多数の矢印58で図示したように流れ、コイル4の表面を冷却する。通風路57は、スペーサ53とコイル4の空間と回転子外側を連通する流路であれば良く、図の通りである必要はない。ただし、十分な通風面積をとり、大きな圧力損失が発生しないようにしなければならない。スペーサ53のの凸部の形状は必ずしも図のような形状である必要はないが、流れに対して抵抗とならないような形状並びに配置とする必要がある。また、空気の流れが適度に蛇行するようにしたほうが、流速の均一化が図れ、圧力損失を最少に保つことができる。
【0049】
図21は、固定子の冷却に関するもので、固定子2の横断面の一部を示したものである。固定子2は、非常に薄い珪素鋼板を多数積層したもので、一定ピッチ毎にダクトスペーサ59を挟み、固定子2の内径側から外径側、または、外径側から内径側へ貫通する半径方向ダクトとする。スロット間の固定子コアのティース部のダクトスペーサの位置は、ティースの中心部から片方にずらす。このずらす方向は隣り合う半径方向ダクトにおいて互い違いになるようにする。固定子の内径側にはスロットを形成し、固定子コイル61を納める。
【0050】
固定子コイル61とダクトスペーサ59の隙間が小さい方は、この部分を流れる空気の流速が、隙間の広い方よりも早くなるために、隙間が広い方よりも圧力が下がる。この隙間は、上述のように隣り合う半径方向ダクトで互い違いに広くなったり狭くなったりするために、隣り合う半径方向ダクト間で数10mmAqほどの圧力差を生じさせることができる。次に、図22にスロット部の詳細な構造を示す。固定子コイル61は、絶縁物62で覆い、リップルスプリング63でスロットの片面に、スペーサ64を固定子コイル61の間に介してウエッジ66でスロットの底部に押し付け、電磁力によって固定子コア61が振動するのを防ぐ。スロットダクト65は、軸方向に隣り合う半径方向ダクトを連通する。このスロットダクトの幅は、2〜3mm程度あれば十分である。図23は、固定子コイルの軸断面方向を見たもので、破線の矢印は、空気の流れを示す。隣り合う半径方向ダクトに上述のように圧力差が生じているので、この隙間を空気が流れ、固定子コイル61の熱を直接冷却できる。スロットダクト65は、リップルスプリング側の固定子コイル61と固定子コアの隙間を1mm以上にすれば、この隙間で代用できる。この場合、固定子コイルがスロットに直接接する側では、固定子コイルからの熱は固定子コアに伝えられる。
【0051】
固定子の半径方向ダクトの軸方向ピッチまたは各ダクトの通風面積は、固定子全体で一定である必要はなく、むしろ、各ダクトの風量分布を均一化するために固定子中央部の通風面積を固定子端部に比べて小さくしたほうが良い。
【0052】
以上述べた発明により、発電機のマシンサイズを低減でき、低コストのガスタービン用の空気冷却形発電機が実現できる。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、製造コストをあげることなく回転子の発熱による温度上昇を低減できるため、低コストで信頼性の高い大容量の空気冷却形の回転電機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービン発電機の構成の概略を説明する図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る発電機の全体構造を説明する図である。
【図3】図2の発電機の他の態様を示す図である。
【図4】同発電機における回転子端部の界磁コイル構造の斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る界磁コイルを実施した回転子の断面斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置の一例を説明する図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置の他の例を説明する図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置のさらに他の例を説明する図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置の他の例を説明する図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置のさらに他の例を説明する図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における通風孔の配置の他の例を説明する図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体の通風孔における孔数と導体温度上昇の関係を示す線図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における導体幅に対する孔幅(一定)の合計比と導体温度上昇の関係を示す線図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る界磁コイル導体における列数一定の場合の導体幅に対する孔幅の合計比と導体温度上昇の関係を示す線図である。
【図15】本発明の他の実施の形態に係る界磁コイルを実施した回転子の断面斜視図である。
【図16】図15の回転子に実施された界磁コイル導体の通風孔の配置の説明図である。
【図17】回転子における半径方向通風流路の軸方向風量分布を示す線図である。
【図18】本発明のさらに他の実施の形態に係る界磁コイル導体の通風孔配置に例の説明図である。
【図19】本発明に係る回転子端部の冷却構造を説明する説明図である。
【図20】図19に示した回転子端部における界磁コイル導体の回転子外径側から見た説明図である。
【図21】本発明に係る固定子の冷却構造を説明する軸方向横断面概略図である。
【図22】図21の固定子におけるスロットの詳細断面図である。
【図23】図22の固定子のスロットの詳細軸方向断面図である。
【図24】本発明に係る発電機の部分切除した斜視図である。
【図25】従来の半径方向通風路の冷却構造を示した回転子スロットの部分断面斜視図である。
【図26】従来の界磁コイル導体の通風孔の説明図である。
【符号の説明】
1・・・回転子、2・・・ステータ、4・・・界磁コイル、5・・・リテニングリング、6・・・冷却ファン、10・・・固定子コイル、30・・・スロット、31・・・サブスロット、33・・・半径方向流路、34・・・コイル導体、36・・・ウエッジ、42・・・副半径方向流路、53・・・スペーサ、55・・・隔壁、59・・・ダクトスペーサ、61・・・固定子コイル、62・・・絶縁物、63・・・リップルスプリング、65・・・スロットダクト、101・・・ガスタービン、102・・・発電機。

Claims (13)

  1. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路を形成するコイル導体とを備えた回転電機において、前記半径方向通風流路を前記コイル導体に長孔で形成するとともに、この半径方向通風流路は前記回転子巻線の幅方向に複数設けられた回転電機。
  2. 請求項1において、前記半径方向通風流路の巻線方向に対する列数を回転子端部ほど多くした回転電機。
  3. 請求項1において、前記半径方向通風流路は、その通風孔内面が回転子巻線によって形成される流路と、その通風孔内面が前記コイルスロット及び前記回転子巻線によって形成される流路とを有する回転電機。
  4. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路を前記回転子巻線幅方向に一つ設けた回転電機において、前記回転子巻線幅方向に一つ設けられた半径方向通風流路に比べ、通風断面積の増分に対して、その周長の増分を大きくした半径方向通風流路を備えた回転電機。
  5. 請求項4において、前記半径方向通風流路は長孔である回転電機。
  6. 請求項4において、前記半径方向通風流路の巻線方向に対する列数を回転子端部ほど多くした回転電機。
  7. 請求項4において、前記半径方向通風流路は、その通風孔内面が回転子巻線によって形成される流路と、その通風孔内面が前記コイルスロット及び前記回転子巻線によって形成される流路とを有する回転電機。
  8. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、前記コイルスロット外に延在する複数の回転子巻線とを備えた回転電機において、前記コイルスロット外に延在した回転子巻線間に設けられるスペーサに、両回転子巻線に接する凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形成する凹部とを設けた回転電機。
  9. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、前記コイルスロット外に延在する複数の回転子巻線とを備えた回転電機において、前記コイルスロット外に延在した回転子巻線間に設けられるスペーサに、両回転子巻線に接する凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形成する凹部を有し、かつ、回転子軸方向から回転子端部への投影面積が前記両回転子巻線間の空間の回転子端部への投影面積と等しいスペーサと、前記回転子巻線の間の空間と前記スペーサが閉める空間を、前記回転子巻線の内径側空間と分離する隔壁と、前記隣り合う回転子巻線の間であって、前記回転子巻線のコーナー部に穿った前記隔壁の通風孔と、回転子端部に位置し前記回転子巻線の間の空間と回転子外周側との通風孔とからなり、前記スペーサの間隙および前記通風孔が回転子巻線の内径側から回転子外径側との通風流路を構成した回転電機。
  10. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路と、前記コイルスロット外に延在する複数の回転子巻線とを備えた回転電機において、前記半径方向通風流路は、前記回転子巻線の幅方向に複数設けられたものであり、前記コイルスロット外に延在した回転子巻線間に設けられるスペーサに、両回転子巻線に接する凸部と、これら回転子巻線間に間隙を形成する凹部を備えた回転電機。
  11. 内径側に開口した回転軸方向のスロットを有する積層珪素鋼板からなり、一定のピッチで設けた多数の半径方向流路を有する固定子コアと、前記スロットにウエッジにて固定収納した固定子コイルと、前記固定子コイルと前記スロットの間隙に挿入した波板状のスプリングとを有する固定子を備えた回転電機において、前記スロットに、隣り合う前記半径方向流路間を連通する通風流路を備えた回転電機。
  12. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路と、この回転子の外周側に設けられた固定子と、前記半径方向通風流路に空気を流すことによって冷却を行う回転電機において、この回転電機の発電容量を150MVA以上とし、回転子の軸長を3.5m以下とした回転電機。
  13. 回転子の外周面軸方向に設けられ、この回転子の円周方向に間隔を置いて複数配したコイルスロットと、これらのコイルスロット底部に開口するサブスロットと、前記コイルスロットに収納された回転子巻線と、このコイルスロットに収納された回転子巻線を前記回転子に固定するウエッジと、前記回転子巻線に設けられ、前記サブスロットから前記ウエッジへ貫通する半径方向通風流路とを備えた回転電機において、前記半径方向通風流路は、前記回転子巻線の幅に対する半径方向通風流路幅の比が30%乃至40%の範囲となるよう穿孔されたものである回転電機。
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