JPH09281028A - 細胞分析方法及び装置 - Google Patents

細胞分析方法及び装置

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JPH09281028A
JPH09281028A JP8285799A JP28579996A JPH09281028A JP H09281028 A JPH09281028 A JP H09281028A JP 8285799 A JP8285799 A JP 8285799A JP 28579996 A JP28579996 A JP 28579996A JP H09281028 A JPH09281028 A JP H09281028A
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敦男 富岡
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雅之 中川
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忠 前田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低倍率時の画像と高倍率時の画像の画質ばら
つきをより少なくし、高倍率、低倍率、いずれの場合に
もそれぞれ良好な画像を得ることができる細胞分析方法
及び装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 シース液を外層とし扁平な流れにされた
試料液に、パルス光を照射し、静止画像を次々に得、画
像処理することにより、試料中の有形成分の分析を行う
方法において、同一試料に対し、次の(a)及び(c)
の状態を同時に選択する低倍率の状態と、(b)及び
(d)の状態を同時に選択する高倍率の状態とでそれぞ
れ撮像を行う。 (a)試料液が流れる領域に照射する光量を少なくする
状態。 (b)上記光量を多くする状態。 (c)試料液の静止画像を低倍率で撮像する状態。 (d)上記画像を高倍率で撮像する状態。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体から採取した
尿等の試料液を撮像し、画像処理により有形成分の分析
を行う方法及び装置、詳しくは、測定の途中で倍率を切
り換えて撮像することができる細胞分析方法及び装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】尿沈渣顕微鏡検査は臨床検査として古く
から行われており、今なお、よく行われている検査であ
る。これは、検体(尿)を患者に危険を与えることなく
簡単に採取することができること、さらに尿には毛細管
出血による赤血球、血管外遊走による白血球、腎臓や尿
生殖器官の上皮細胞、腎臓細管で形成される円柱、感染
による微生物等の有形成分が含まれているので、腎臓や
尿生殖器官の状態を良好に知ることができるからであ
る。従来は、尿を遠心分離し、その沈渣をスライドに移
して標本を作製し、顕微鏡で見て、有形成分の観察およ
び分類・計数を行っていた。ところが従来法では、遠心
分離の工程において、有形成分が破壊されたり、濃縮精
度にばらつきが生じたりする。また、顕微鏡による観察
においては、有形成分を分類するために、そのわずかな
差異を見分けなければならないことや、観察できる有形
成分の数が少なく、標本上に有形成分が不均一に分布す
ること等から、検査技師に大きな負担をかけることにな
り、しかも計数・分類結果にばらつきが生じていた。そ
して、何よりも検査の工程に手間がかかっていた。
【0003】そこで、検査の高精度化・省力化を図るた
め、自動尿分析装置が開発された。この装置は、シース
液を外層とし、極めて扁平な流れにさせられた試料液を
ビデオカメラで撮像し、この静止画像を画像処理するこ
とにより、試料中の有形成分の分類・計数を行うように
したものである。
【0004】このフラットシースフロー方式を応用した
顕微鏡検査においては、次の2点が必要である。 (1)扁平な、細胞等の有形成分(例えば赤血球)の向
きを一定の方向に揃えること。 (2)試料液をより扁平にして流すこと。
【0005】上記(1)は、その特徴が最もよく表わさ
れている有形成分の像を得るためであり、(2)は、試
料液をビデオカメラの被写界深度以下の厚みを有し、撮
影範囲以上に広がった扁平な流れにすることにより、焦
点の合った鮮明な画像を得るためである。
【0006】このフラットシースフロー方式の具体例
は、特表昭57−500995号公報及び米国特許第4
338024号に開示されている。フラットシースフロ
ー中での有形成分の静止画像を撮像するためには、発光
時間の短いストロボ光やパルスレーザ光を扁平な流れの
厚みの薄い方向から照射し、対物レンズを介して、ビデ
オカメラの撮像面にその画像を結ばせるようにする。
【0007】ところで、被検試料が尿である場合には、
含有されうる有形成分は多種であり、その大きさも大き
く異なる。赤血球等は径10μm程度である。上皮細胞
はもう少し大きく数十μm、円柱は長さが数百μmから
1〜2mmにも達するものがある。このように大きさの
大きく異なる成分を、同一倍率で撮像し分析することに
は無理がある。そこで測定の途中で倍率の切り換えが必
要となる。そうすれば、高倍率時には小さな成分に注目
し、低倍率時には大きな成分に注目して、画像処理を行
うことができるので、大きさの著しく異なる成分であっ
ても良好に分析できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レンズの倍率
を変えると、撮像領域の大きさ、つまり視野の大きさが
変わる。高倍率時には低倍率時よりも視野が狭くなる。
このため低倍率時と高倍率時とで撮像手段にとどく光量
が変わる。
【0009】本発明は、低倍率時の画像と高倍率時の画
像の画質ばらつきをより少なくし、高倍率、低倍率、い
ずれの場合にもそれぞれ良好な画像を得ることができる
細胞分析方法及び装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、撮像倍率の変更に合わせて照射光量も変更するよ
うにした。
【0011】本発明の細胞分析方法は、シース液を外層
とし扁平な流れにされた試料液に、パルス光を照射し、
静止画像を次々に得、画像処理することにより、試料中
の有形成分の分析を行う方法において、同一試料に対
し、次の(a)及び(c)の状態を同時に選択する低倍
率の状態と、(b)及び(d)の状態を同時に選択する
高倍率の状態とでそれぞれ撮像を行うことを特徴とす
る。
【0012】(a)試料液が流れる領域に照射する光量
を少なくする状態。 (b)上記光量を多くする状態。 (c)試料液の静止画像を低倍率で撮像する状態。 (d)上記画像を高倍率で撮像する状態。
【0013】低倍率で試料液を撮像する場合、視野は広
い。よって、撮像手段に充分な光が到達し、照射光量は
少なくても明るい画像を得ることができる。一方、高倍
率で試料液を撮像する場合、視野は狭い。よって、照射
光量が低倍率の場合と同じでは、撮像手段にとどく光量
は少なくなる。そこで、高倍率の場合には、低倍率の場
合より照射光量を多くすることにより、倍率を変化させ
ても、明るさにあまり変化がなく、それぞれ鮮明な画像
を得ることができる。
【0014】また、本発明の細胞分析装置は、パルス光
を発光するパルス光源と、このパルス光源からの光を導
入する開口絞りと、この開口絞りの開口面積を可変する
可変手段と、開口絞りからの光を後記フローセルの扁平
流路に照射するコンデンサレンズと、下流に行く程次第
に流域が狭められた縮小流路及びこの縮小流路の下流に
連なり幅に比べて厚みが薄い扁平流路を有するフローセ
ルと、このフローセルの縮小流路の上流に先端が下流方
向を向くように保持されたノズルと、このノズルの他端
に接続された試料供給手段と、縮小流路の上流に接続さ
れたシース液供給手段と、フローセルの扁平流路からの
光を入射する対物レンズと、倍率の異なるプロジェクシ
ョンレンズを保持した保持具と、この保持具を移動させ
る第1の移動手段と、プロジェクションレンズによって
所定倍率にされた画像情報を含んだ光を撮像する撮像手
段とを包含することを特徴とする。
【0015】試料供給手段によりノズルの先端から試料
液が押し出され、フローセルの縮小流路を流れる。一
方、シース液供給手段からフローセルの縮小流路にシー
ス液が供給される。試料液は周囲をシース液に包まれ、
フローセルの縮小流路、さらにそれに連なった扁平流路
を流れる。扁平流路は、幅に比べて厚みが薄いので、試
料液もこの扁平流路の形状に従い、幅に比べて厚みの薄
い、扁平な流れにされる。
【0016】パルス光源からパルス光が発せられる。こ
の光は開口絞りを通過する。可変手段により開口絞りの
開口面積が変えられ、通過光量が変えられる。開口絞り
を通過した光はコンデンサレンズにより集光され、扁平
流路の、試料液が流れる計測部分に照射される。フロー
セルの扁平流路を通過した光は、対物レンズ、プロジェ
クションレンズにより所定倍率に拡大され、撮像手段に
より撮像される。プロジェクションレンズは保持具に保
持され、この保持具は第1の移動手段により移動され、
プロジェクションレンズの切り換えが行われる。開口絞
りの開口面積及びプロジェクションレンズを適宜選択す
ることにより、低倍率の状態と高倍率の状態を作り出す
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。図1は本発明の細胞分析装置の
要部概略図である。一点鎖線は光軸を示している。
【0018】10はパルス光源であり、ここでは1/3
0秒ごとに約5μs間発光するストロボである。ストロ
ボ10からの光はコレクタレンズ12にて集光される。
そして、さらにフィールドレンズ24にて平行光にさ
れ、ミラー26にてほぼ90度に反射された後、開口絞
り28に入射する。本実施例においてはコレクタレンズ
12とフィールドレンズ24との間に、拡散板14とそ
の移動を行う第2の移動手段22が設けられている。拡
散板14は例えば、すりガラスであり、拡散板14は保
持具16に保持されている。保持具16は例えば、ロー
タリーアクチュエータ20やモータ等の回転可能な軸1
8に取り付けられ、軸18が回転することにより、スト
ロボ10からのパルス光が、拡散板14を通過する状態
と通過しない状態とをつくることができるようになって
いる。拡散板14を通過することにより光は拡散され、
光度むらが解消され均一な光になる。開口絞り28は軸
の回りに回転させられることにより、光が通過する開口
部の面積が変わり光量の調節が行われる。開口絞り28
は可動手段38により回転され、開口部の面積が変えら
れる。可動手段38は例えば、モータ36等の回転可能
な軸に歯付きプーリ34を取り付け、一方、開口絞り2
8の外周にも歯付きプーリ30を取り付け、両歯付きプ
ーリ30、34にタイミングベルト32を掛け渡すこと
により構成されている。
【0019】開口絞り28の開口部を通過した光は、コ
ンデンサレンズ40にて集光され、フローセル42の扁
平流路44の試料液が流れる小領域に照射される。開口
絞り28を絞る程光量は少なく焦点深度は深くなる。フ
ローセル42を通過した光は、例えば、倍率10倍の対
物レンズ90で拡大され、ミラー92で反射されてプロ
ジェクションレンズ94又は96を通り、ビデオカメラ
等の撮像手段114で撮像される。プロジェクションレ
ンズ94、96はそれぞれ例えば、倍率1倍、4倍であ
る。プロジェクションレンズ94、96は保持具98に
保持され、保持具98は第1の移動手段100により往
復直線移動される。第1の移動手段100は例えば、エ
アシリンダ102のピストン104を保持具98に取り
付けることにより実現できる。ガタなく保持具98を移
動させるには、リニアスライダを用いればよい。プロジ
ェクションレンズ94を選択した場合には倍率を例え
ば、計10倍となり、レンズ94を通過した光はそのま
ま直接撮像手段114に入射し撮像面上に像を結ぶ。プ
ロジェクションレンズ96を選択した場合には倍率は例
えば、計40倍となり、レンズ96を通過した光は反射
ミラー106、108、110、112で反射され、光
路をかせいで撮像手段114に入射し撮像面上に像を結
ぶ。対物レンズ90から撮像手段114までの光路は、
外乱光の影響を受けないようにカバー等をしておく方が
好ましい。
【0020】図2〜図5はフローセル42の扁平流路4
4の中心部分を流れる試料液45、47を示す図であ
る。図3、図5は試料液45、47の断面面である。図
2、図4において120、122はそれぞれ倍率を例え
ば、40倍、10倍としたときの視野を示している。光
学系は高倍率時において、0.61NA/λ≒2×ピク
セル間隔/Mが成り立つように設計されている。NAは
レンズの開口数、λは光の波長、Mはレンズの倍率であ
る。倍率40倍を選択したときには、被写界深度は比較
的浅い。このため、図3に示すように、試料液流の厚み
を被写界深度より少し薄くしておく必要がある。また、
できるだけ多くの粒子の像を撮像するためには、視野の
全領域をカバーするように試料液が流れている必要があ
る。倍率10倍を選択したときには、被写界深度は比較
的深い。よって、図3に示すように試料液流の厚みが薄
い場合にはピントが合う。しかし、試料液流の厚みが薄
い分だけ撮像される試料液が少なくなるので、得られる
粒子数も少なくなり、分析精度の低下を招く。尿試料は
血液等と比べると含有される粒子数は非常に少ない。よ
って、試料液流の厚みは、レンズの被写界深度より少し
だけ薄い状態が良好である。このため、倍率を低くした
場合には、図5に示すように厚みが厚くなるように試料
液を流すのが良い。
【0021】試料液流の厚みを変えるには、シース液供
給量、試料供給量のいずれか一方又は両方を変えればよ
い。しかし、シース液供給量を一定にしておき、試料液
供給量のみを変えるようにしておけば、構成が簡単であ
る。
【0022】また、レンズを切り換える場合に、切り換
えるごとにレンズの位置が変動してしまっては、ピント
がぼけたり撮像できなくなることがある。このため、レ
ンズの位置が微小量変動したぐらいでは、上記の不具合
いが起こらないようにしておく必要がある。そのために
は移動させるレンズの倍率を低く抑えておくのがよい
(ここではプロジェクションレンズの倍率は1倍と4
倍)。その分、静止している対物レンズ90の倍率は大
きくしておく(ここでは対物レンズの倍率は10倍)。
【0023】図6は本発明の細胞分析装置の流体回路図
の一実施例である。まず、弁Vが開けられ、定量装置
により検体である尿試料130が、弁Vの手前ま
で一定量吸引される。Fはフィルタである。フィルタ
の孔径は250μm以上ある。次に、弁Vが開けら
れ、大気圧より低い圧力の供給源である陰圧源Pが動
作することにより、一定量の尿試料が反応槽Sに引き
入れられる。一方、フィルタF、弁Vを介して染色
液槽Sから定量装置Tに吸引された染色液が、弁V
が開けられることにより、一定量反応槽Sに流入す
る。
【0024】大気圧より高い圧力の供給源である陽圧源
を間欠的に動作させることにより、反応槽S内の
尿試料、染色液が気泡により充分に撹拌される。所定時
間、例えば、45秒間染色工程がなされた試料液は、弁
、V、V10が開けられ定量装置Tが吸引を行
うことにより、ノズル62近傍のチューブ132内に満
たされる。反応槽S内の残留液はV、Vを経て廃
液槽Sに排出される。試料供給手段Tが吐出状態に
なり、チューブ132内の試料液を定速で押し、ノズル
62の先端からフローセル42内に吐出される。試料供
給手段Tは例えば、シリンダ内をピストンが移動する
ことにより定量を行うシリンジである。ピストンの移動
速度や移動量を高精度に制御するためには、ステッピン
グモータを動力源にとし、モータの正逆回転運動を往復
直線運動に変換してピストンの制御を行うのが良い。ピ
ストンが上昇すれば吐出状態になる。測定の途中でモー
タの回転速度を変えれば、ピストンの移動速度が変わ
り、試料液の供給流量が変わる。シース液は定圧で供給
されるので、試料液の供給流量を変えることにより、シ
ース液と試料液との供給比率を変えることができ、試料
液流の厚みを変えることができる。また、同時に弁V
11、V13が開けられることにより、シース液槽S
のシース液は陽圧源Pの圧力に押され、フローセル4
2に定圧で供給される。なお、陽圧源Pとシース液槽
とでシース液供給手段Tを構成している。弁V
14も開けられ、フローセル42の扁平流路44を流れ
る試料液及びシース液は廃液槽Sに排出される。
【0025】扁平流路44を流れる試料液は光学系によ
り撮像され、画像処理により尿中の有形成分の像が抽出
される。処理能力の関係上、染色時間に充分な時間を設
けることができない場合には、染色されやすい粒子をま
ず撮像し、染色されにくい粒子を後で撮像するようにす
れば測定が終れば、弁V、V12、V13から各流路
にシース液が供給されて洗浄される。弁V、Vが開
けられることにより、陽圧源Pからの空気が試料吸引
系路の液を除去する。
【0026】図7は本発明の細胞分析装置において使用
されるフローセル42の一例の斜視図である。図8、図
9はフローセル42周辺の断面図であり、図8は正面断
面図、図9は図8においてA方向から見た左側面断面図
である。図10は図9におけるC−C線拡大断面図であ
り、図11は図7においてD方向から見た拡大断面図で
ある。なお、図7、図9、図10における一点鎖線は光
軸を示している。
【0027】フローセル42は第2のセル43の縮小流
路48と第1のセル41の扁平流路44とが連なるよう
に、両セル41、43を一体化して構成されている。例
えば、紫外線硬化型接着剤等で接着されている。また、
セル41、43はそれぞれ複数のガラス部材を組み合わ
せて一体化されている。第2のセル43は図11に示す
ように、直方体の一辺を斜めに切り取ったガラス部材4
3b、43c、直方体のガラス部材43a、43dから
なっている。ガラス部材43b、43cは、斜めに切り
取った部分が互いに向い合うようされ、しかも底部に隙
間49を設けて配置される。直方体のガラス部材43
a、43dがガラス部材43b、43cを挟むように配
置される。ガラス部材43a、43b、43c、43d
は融着により一体化されている。一体化により、第2の
セル43の内部には上端がほぼ正方形であって、下に行
く程、光軸方向には幅が狭まり、光軸と直交する方向に
は幅が変わらない、縮小流路48が形成される。
【0028】第1のセル41は図10に示すように、板
状のガラス部材41a、41b、41c、41d、41
eを融着して一体化されている。詳しく説明すると、光
源側のガラス部材41aの厚みは1mm程度と比較的厚
い。このガラス部材41aの後面(撮像側)に、厚みが
数百μmの比較的薄いガラス部材41b、41cが、隙
間を設けて配置される。この隙間は図7、図8を見れば
わかるように、第2のセル側、すなわち上端では幅は例
えば、1mm程度と狭く、それがしだいに広げられ、下
端では10mm程度となっている。つまり、幅/厚み比
が下流程大きくなっている。この隙間を覆うように、ガ
ラス部材41b、41cの後面に厚みの薄いガラス部材
41dが配置される。ガラス部材41dは、スライドガ
ラス上に用いられるカバーガラスと同程度の厚み、例え
ば、0.17mmや0.18mmのガラス部材となって
いる。ガラス部材41b、41cをガラス部材41a、
41dで挟むことにより、隙間は扁平流路44になる。
撮像側の外壁は上記のように極めて薄いので、対物レン
ズを接近させることができる。外壁が厚ければ、被撮像
物(扁平流路44の中央部分を極めて扁平に流れる試料
液中の粒子、試料が尿試料の場合、粒子としては赤血球
等の血球成分、上皮細胞、円柱等が考えられる)までの
距離が長くなり、対物レンズを接近させることができず
に、ピントを被撮像物に合わせることができなくなる。
また、対物レンズは、被撮像物上のガラスの厚みが所定
の薄さ(先に説明したように、例えば0.17mm、
0.18mmの厚さ)のとき性能が発揮できるように設
計されている。このためガラスの厚みが厚いと収差の影
響が出、良好な拡大画像が得られない。
【0029】しかしながら、第1のセル41の後面のガ
ラスの厚みが薄いままでは、少しの力で破損してしま
う。そこで、何らかの補強が必要となる。少なくとも、
計測部分のガラスの厚みを薄くしたまま、他の部分を補
強する方法として、各種考えられるが、ここでは、ガラ
ス部材41aと同程度の厚み(1mm程度)を有する板
状のガラス部材41eを、はり合わせて補強している。
計測部分には孔46を設け、ガラスの厚みを薄いままに
している。このようにすると、極めて簡単にフローセル
の補強が実現できる。また、第1のセル41と第2のセ
ル43とを一体化するときにしやすいように、そして、
一体化したフローセル42を他の部材で保持しやすいよ
うに、第1のセル41の下端及び上端のそれぞれ前面、
後面に、直方体のガラス部材41f、41g、41h、
41iを紫外線硬化型の接着剤等で設けておくことが好
ましい。一旦、融着で一体化したガラス部品に、新たに
ガラス部材を融着しようとすると、先に一体化してあっ
た部品の寸法、形状等が狂ってしまう恐れがある。第1
のセル41と第2のセル43は、後々取り扱いが便利な
ように接着で一体化されている。他に、第1のセル41
と第2のセル43との間に薄いパッキンを挟み、上下か
ら押圧して連設することもできる。
【0030】以上説明したように、フローセル42は単
純な形状のガラス部材を複数組み合せて一体化している
ので、複雑な形状であっても比較的容易に製造すること
ができる。
【0031】第1及び第2のセル41、43は図11に
示されているように、ここでは第2のセル43の縮小流
路48の最下部、すなわち、隙間49の長辺、短辺の方
向と、第1のセル41の扁平流路44の長辺、短辺の方
向とが同じ方向となるように連設されている。
【0032】図8、図9に示すように、フローセル42
の上部にはノズル62を保持したシース形成部材52
が、パッキン50を介して接続されている。ノズル62
は保持具64に挿入され、パッキン66を押圧するよう
に固定具68でネジ止めされている。60はOリングで
ある。ノズル62を保持した保持具64はシース形成部
材52に取り付けられ、フローセル42の縮小流路48
に連なる通路54内に、ノズル62が配置、保持され
る。シース形成部材52の側面部には、通路54の上部
に通ずるようにニップル56、58が取り付けられてい
る。
【0033】フローセル42、シース形成部材52は、
間にパッキン50を挟んでコの字形のフローセル保持具
70に保持される。フローセル保持具70の下辺には段
付き孔が設けられ、この孔にニップル80を設けた保持
具78、パッキン76が収納され、その上にフローセル
42が乗せられる。フローセル保持具70の上辺の貫通
孔に挿入されたシース形成部材52が、パッキン50を
介してフローセル42の上に乗せられる。シース形成部
材52の外周に形成されたネジ部に係合するネジ部を有
するリング状のネジ74が、板72によりフローセル保
持具70の上部に回転可能に支持されている。ネジ74
を回転させることにより、シース形成部材52がフロー
セル保持具70に対し、下に移動させられ、シース形成
部材52及びフローセル42を、フローセル保持具70
の上辺と下辺との間に保持することができる。
【0034】染色液で所定時間染色された尿試料は、ノ
ズル62の上端から定速で押し出される。シース液はニ
ップル58あるいは56から定圧で供給される。シース
形成部材52の通路54で、試料液はシース液に周囲を
包まれて流れる。通路54で試料液はしだいに細く絞ら
れて流れる。しかし、試料液中の有形成分は一定の向き
に揃っているとは限らない。回転しながら流れている可
能性もある。次に、シース液を外層とする試料液は、フ
ローセル42の縮小流路48を流れる。縮小流路48は
くさび状であり、ある方向(光軸と平行な方向)には大
きく幅が挟まっているが、光軸と直交する方向にはあま
り幅が挟まっていない。このため、くさび状の縮小流路
48を流れる液は、絞り比率の大きい方向、すなわち光
軸と平行な方向には中心に向かって大きな力が作用し、
絞り比率の小さい方向、すなわち光軸と直交する方向に
は中心に向かって小さな力が作用する。このため、縮小
流路48の中央部分を流れる試料液は、光軸と平行な方
向には厚みが薄く、光軸と直交する方向には幅広く、扁
平な流れにされる。
【0035】試料液中に扁平な粒子116がある場合に
は、粒子116は図12に示すように、大きい力fh、
小さい力fvを受け、粒子116は扁平な面を光軸方向
に向けるように、回転モーメントMの作用を受け、粒子
の向きがその方向にしだいに揃えられる。
【0036】ある程度、試料液中の粒子を配向させ扁平
な流れにされた試料液は、次に、フローセル42の扁平
流路44に流入する。扁平流路44は光軸と平行な方向
に狭く、光軸と直交する方向には広い扁平な流路であ
る。しかも、扁平流路44は下流に行く程幅が広がって
いる。つまり、幅/厚み比率が高くなっているので、大
きい力fhはさらに大きく作用し、試料液はしだいによ
り扁平な流れにされ、有形成分の配向性が高められる。
撮像は流れが安定した扁平流路44の中央部分でなされ
る。扁平流路44を流れる試料液、シース液はニップル
80から排出される。
【0037】第2のセル43の縮小流路48は図13に
示されるように、一定量絞られた後、しばらく扁平な流
路を形成していてもよい。このようにすることで、扁平
流路44に至るまでに試料流をより扁平にしておくこと
ができる。
【0038】
【発明の効果】本発明の細胞分析方法及び装置は、レン
ズの倍率に合わせて照射光量も切り換えているので、レ
ンズの倍率にかかわらず鮮明な画像を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞分析装置の要部概略図である。
【図2】扁平な試料液の流れの一例を示す説明図であ
る。
【図3】扁平な試料液の流れの一例の断面図である。
【図4】扁平な試料液の流れの他の例を示す説明図であ
る。
【図5】扁平な試料液の流れの他の例の断面図である。
【図6】本発明の細胞分析装置の一実施例を示す流体回
路説明図である。
【図7】図1におけるフローセルの斜視図である。
【図8】図7に示すフローセル周辺の正面断面図であ
る。
【図9】図7に示すフローセル周辺の左側面断面図であ
る。
【図10】図8におけるB−B線拡大断面図(又は図9
におけるC−C線拡大断面図)である。
【図11】図7においてD方向から見た拡大断面図であ
る。
【図12】扁平な粒子にかかる力を説明するための説明
図である。
【図13】縮小流路の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ストロボ(パルス光源) 28 開口絞り 38 可変手段 40 コンデンサレンズ 42 フローセル 44 扁平流路 45、47 試料液 48 縮小流路 62 ノズル 90 対物レンズ 94、96 プロジェクションレンズ 100 移動手段 114 撮像手段 T 試料供給手段 T シース液供給手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シース液を外層とし扁平な流れにされた試
    料液に、パルス光を照射し、静止画像を次々に得、画像
    処理することにより、試料中の有形成分の分析を行う方
    法において、同一試料に対し、次の(a)及び(c)の
    状態を同時に選択する低倍率の状態と、(b)及び
    (d)の状態を同時に選択する高倍率の状態とでそれぞ
    れ撮像を行うことを特徴とする細胞分析方法。 (a)試料液が流れる領域に照射する光量を少なくする
    状態。 (b)上記光量を多くする状態。 (c)試料液の静止画像を低倍率で撮像する状態。 (d)上記画像を高倍率で撮像する状態。
  2. 【請求項2】パルス光を発光するパルス光源と、このパ
    ルス光源からの光を導入する開口絞りと、この開口絞り
    の開口面積を可変する可変手段と、開口絞りからの光を
    後記フローセルの扁平流路に照射するコンデンサレンズ
    と、下流に行く程次第に流域が狭められた縮小流路及び
    この縮小流路に連なり幅に比べて厚みが薄い扁平流路を
    有するフローセルと、このフローセルの縮小流路の上流
    に先端が下流方向を向くように保持されたノズルと、こ
    のノズルの他端に接続された試料供給手段と、縮小流路
    の上流に接続されたシース液供給手段と、フローセルの
    扁平流路からの光を入射する対物レンズと、倍率の異な
    るプロジェクションレンズを保持した保持具と、この保
    持具を移動させる移動手段と、プロジェクションレンズ
    によって所定倍率にされた画像情報を含んだ光を撮像す
    る撮像手段とを包含することを特徴とする細胞分析装
    置。
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