JPH09277534A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法および該記録ヘッドを搭載した記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法および該記録ヘッドを搭載した記録装置

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JPH09277534A
JPH09277534A JP8527596A JP8527596A JPH09277534A JP H09277534 A JPH09277534 A JP H09277534A JP 8527596 A JP8527596 A JP 8527596A JP 8527596 A JP8527596 A JP 8527596A JP H09277534 A JPH09277534 A JP H09277534A
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ink
recording head
bases
support
nozzles
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JP8527596A
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Haruhiko Terai
晴彦 寺井
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フルラインタイプのインクジェット記録ヘッ
ドの製造に当たり、複数の基体を支持体上に配置する際
に隣り合う基体同士が接触することなく、精度よく配置
された記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 基体が切断ラインを介して複数列配列さ
れた基板から切断された複数の基体を、その切断ライン
の隣同士を連続して支持体上に配列する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ、ワードプロセッサ、パーソナルコンピ
ュータ等の情報処理システムにおいて、文字、画像等の
情報を被記録媒体上に記録するための記録装置および該
装置に搭載されるインクジェット方式の記録ヘッドに関
する。特に、本発明はフルラインタイプのインクジェッ
ト記録ヘッドおよびその製造方法、さらに該記録ヘッド
を搭載するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、布、プラスチックシート、O
HP用シート等の被記録媒体(以下単に記録紙ともい
う)に対して記録を行う記録装置は、種々の記録方式、
例えば、ワイヤードット方式、感熱方式、熱転写方式、
インクジェット方式による記録ヘッドを搭載可能な形態
として提案されている。
【0003】これらの方式の中で、インクジェット方式
はインクを吐出して記録紙に直接付着させる低騒音なノ
ンインパクト方式の一つで、インク滴の形成方法および
噴射エネルギの発生方法により、コンティニアス方式
(電荷粒子制御方式およびスプレー方式が含まれる)と
オンデマンド方式(ピエゾ方式、スパーク方式およびバ
ブルジェット方式が含まれる)とに大きく分類される。
【0004】コンティニアス方式は、インクを連続的に
吐出し、必要な液滴にだけ電荷を与える。そして帯電し
た液滴が記録紙に付着して記録画像が形成されるが、残
りは無駄になる。これに対して、オンデマンド方式は、
印字に必要な時だけインクを吐出するために、インクの
無駄がなく、装置内部が汚れない。また、オンデマンド
方式はインクの吐出を開始したり停止したりするため、
コンティニアス方式に比べて応答周波数は低い。このた
め、ノズル数を増やすことで高速化を実現している。従
って、現在市販されている記録装置の多くはオンデマン
ド方式のものであり、このようなインクジェット方式の
記録ヘッドを具備した記録装置は、高密度かつ高速な記
録動作が可能であることから、情報処理システムの出力
手段、例えば複写機、ファクシミリ、タイプライタ、ワ
ードプロセッサ、ワークステーション等の出力端末とし
てのプリンタ、あるいはパーソナルコンピュータ、ホス
トコンピュータ、光ディスク装置、ビデオ装置等に具備
されているハンディまたはポータブルプリンタとして利
用され、かつ商品化されている。この場合、インクジェ
ット記録装置は、これら装置固有の機能、使用形態等に
対応した構成をとる。
【0005】一般に、インクジェット記録装置は、記録
手段(記録ヘッド)およびインクタンクとを搭載するキ
ャリッジと、記録紙を搬送する搬送手段と、これらを制
御するための制御手段とを具備する。そして、複数の吐
出口からインク滴を吐出させる記録ヘッドを記録紙の搬
送方向(副走査方向)と直行する方向(主走査方向)に
シリアルスキャンさせ、一方で非記録時に記録紙を記録
幅に等しい量で間欠搬送するものである。この記録方式
は、記録信号に応じてインクを記録紙上に吐出させて記
録を行うものであり、ランニングコストが安く、静かな
記録方式として広く利用されている。また、インクを吐
出する多数のノズルが副走査方向に直線上に配置された
記録ヘッドを用いることにより、記録ヘッドが記録紙上
を一回走査することでノズル数に対応した幅の記録がな
される。そのため、記録動作の高速化を達成することが
可能である。
【0006】さらに、カラー対応のインクジェット記録
装置の場合、複数色の記録ヘッドにより吐出されるイン
ク液滴の重ね合わせによりカラー画像を形成する。一般
に、カラー記録を行う場合、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)およびシアン(C)の3原色またはこれら3原色
にブラック(BK)を含めた4色に対応する4種類の記
録ヘッドおよびインクカートリッジが必要とされる。昨
今では、このような3〜4色の記録ヘッドを搭載し、フ
ルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されている。
【0007】さらにまた、上記インクジェット記録装置
は比較的容易にA1等の大判記録が可能な構成を採るこ
ともできる。すなわち、画像を読み取るリーダーを接続
し、原稿を複写するA1版カラー記録対応の記録装置、
例えばCAD出力用プリンター等のプロッターも製品化
されている。また、一方で多様な使い方が要求されるよ
うになり、会議、講義等におけるプレゼンテーション用
に投影可能なOHPフィルムへの記録の需要が高まって
いる。こうした需要に応えるため、インクの吸収特性が
異なる被記録媒体を必要に応じて選択した際に被記録媒
体の種類に関わりなく最良の記録が可能な記録装置の開
発および製品化が行われている。
【0008】このようにインクジェット記録装置は、優
れた記録手段として幅広い産業分野(例えばアパレル産
業等)で需要が高まっており、またより一層高品位な画
像の提供も求められている。
【0009】上記記録ヘッドにおいて、インクを吐出す
るためのエネルギーを発生するエネルギー発生手段とし
ては、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、
あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液
体を加熱させるものなどがある。
【0010】その中でも熱エネルギーを利用(膜沸騰現
象を利用)して液体を吐出させる方式(いわゆるバブル
ジェット方式)の記録ヘッドは、上記液体吐出口を高密
度に配列することができるために高解像度の記録を行う
ことが可能である。
【0011】ここで、従来技術および本発明の理解を容
易にするために、一般的に用いられているインクジェッ
ト記録ヘッドの概略的構成について説明する。
【0012】図12は、インクジェット記録装置の基本
的構成を説明するための模式的斜視図である。
【0013】この図に示すインクジェット記録装置は、
キャリッジHCに着脱自在に搭載されるインクジェット
記録ヘッドカートリッジを有する。このカートリッジ
は、インクジェット記録ヘッド部902とインクタンク
部901とが一体化されてなるもので、上記キャリッジ
HCによって図中矢印aおよびb方向に往復移動する。
また、被記録媒体800を搬送するためのローラや、キ
ャリッジを駆動する駆動源としてのモータ903、駆動
源からの動力をキャリッジに伝えるためのキャリッジ軸
904等が設けられている。さらに、インクジェット記
録ヘッド部902に対してインクを吐出するための信号
を供給する信号供給手段(不図示)が設けられている。
インクジェット記録ヘッドカートリッジ(IJC)の概
略的構成を図13に示す。図中、参照符号500は複数
のインク吐出口が配列したインクジェット記録ヘッド
部、501はインクタンク部である。また、図14はイ
ンクジェット記録ヘッド部の概略的構成を説明するため
の模式図である。この図において、参照符号91は、イ
ンクを通すためのノズルとなる複数の溝93、これらの
溝に連通した共通液室となる溝94、該共通液室へイン
クを供給するための供給口95が形成された天板であ
り、92は各ノズルに対応した電気熱変換体96と各電
気熱変換体に電力を供給する電極97とが成膜技術によ
り一体的に形成された基体である。このような天板91
と基体92とが合わさってインクを吐出するための複数
の吐出口(オリフィス)98が形成される。
【0014】また、電気熱変換体を設けた基体を支持体
上に複数個並べることによって、いわゆるフルラインタ
イプのインクジェット記録装置を製造することが可能で
ある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記フルライ
ンタイプのインクジェット記録装置を製造する際に以下
のような問題が生ずる場合があった。
【0016】(1)複数の基体を支持体に配置する際に
基体同士が接触すると、はじめに配置した基体上に次に
配置する基体が乗り上げてしまう。その結果、配置した
基体同士の間で上面誤差、前面誤差が生じ、絶対位置に
対するピッチズレが生じる。また、天板と結合させる際
に上下、前後、左右の隙間部が生じる。すると、隣接す
るノズル間でクロストークが発生したり、ノズルと隙間
部空間がつながって発泡エネルギーにロスが生じて吐出
ドット径が不足して印字に白すじが出たり、吐出スピー
ドが不足して着弾精度が低下して印字よれが生じたりす
る。
【0017】(2)配置の際に基体同士が接触すると、
欠けによる微粉が支持体と基体の間に入り込み、上面誤
差を生じる。上面誤差は数μmレベルで天板と基体との
密封性に影響して、ノズル間クロストークにより印字が
不良となる。さらに基体を接触させると、真空吸引で固
定しても、配置されている基体、または次に配置する基
体のどちらかがずれる。真空吸引を強くすると基体の表
面が傷付く。真空吸引以外の方法、例えばクランプ等で
も同様の問題が起こる。
【0018】基体は切断ラインを介して基板に複数列配
設されており、切断ラインに沿ってダイヤモンドブレー
ドで分割切断して各々の基体に分けられる。
【0019】隣り合う基体同士が接触しないで配置さ
れ、かつ隣り合う基体の、隣り合う電気熱変換体同士が
正しいピッチであり、かつ基体間の隙間が所定の範囲内
であるためには、隣り合う基体それぞれの隣り合う電気
熱変換体から基体端面までの距離(l1+l2)が所定の
範囲である必要がある(図1)。
【0020】l1,l2それぞれは、端面のたおれも含め
た距離であるため、切断ラインへの合わせ精度、および
端面の直角度の両方が必要となる。
【0021】切断ラインへの合わせは、基板上に設けら
れた合わせマークを目視あるいは画像処理で認識して行
う。
【0022】Siウエハ等の切断に用いる切断機は、近
年非常に高精度のものが市販されるようになってきては
いるが、それでも量産性のあるスピードで1mm弱程度
の厚さのウエハを切断する場合の所望切断ラインに対す
る合わせ精度は±数μm程度が限界である。そこへさら
に直角度の誤差が±数μm加算されると、それだけで電
気熱変換体から端面までの距離の要求精度を越えてしま
い、切断の終わった基板から基体を無作為に選んで支持
体上に並べると、隣り合う基体同士が接触してしまう。
【0023】そこで電気熱変換体から端面までの距離を
切断の終了した1基板分の全基体について測定し、l1
+l2が所定の範囲になるような基体を選別して組み合
わせた。このように選別して並べても、支持体上に複数
個並べていくうちに、結局どこかの基体同士が接触して
しまい、1ヘッド分の全ての基体を精度良く並べられる
のは非常に希で、実用上不可能に近い水準であった。
【0024】その理由としては、電気熱変換体から端面
までの距離を精度良く測定することが難しく、特に図2
の(2)のような切断面を有する場合、基体の上面から
計測すると電気熱変換体が設けられている面と基体底面
との間に厚さ分の距離があるため、ピント合わせが不十
分になるからである。
【0025】また、断面方向から計測しようとしても、
観察面に微小な欠けが少しでもあると、精度良く測定す
ることは困難である。
【0026】本発明は、このように隣り合う基体同士が
接触することなく、精度良く配置されてなるインクジェ
ット記録ヘッド、およびインクジェット記録ヘッドの製
造方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達したも
のである。すなわち本発明は、インクを通すためのノズ
ルとなる複数の溝部、前記ノズルとなる複数の溝部を形
成する複数の凸部、前記ノズルとなる複数の溝部に連通
した共通液室となる溝部、および該共通液室へインクを
供給するための供給口が形成された天板と、各ノズルに
対応したエネルギー変換素子および各エネルギー変換素
子に電力を供給する電極とが成膜技術により一体的に形
成された複数の基体と、該複数の基体が配設されている
支持体とからなり、さらに前記天板と前記複数の基体と
が合わさってインクを吐出するための複数の吐出口が形
成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、前記複数の基体を前記支持体上に一定の隙間で配列
させる工程、および前記凸部が前記隙間を塞ぐようにし
て前記支持体に前記凸部を接合する工程とを有し、前記
複数の基体は、切断ラインを介して複数列配設された基
板から切断されたものであり、前記切断された複数の基
体を、その切断ラインの隣同士を連続して前記支持体上
に配列することを特徴とするインクジェット記録ヘッド
の製造方法、この製造方法に製造されるインクジェット
記録ヘッド、および該記録ヘッドを具備する記録装置に
関する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明者は、上記課題を解決する
ためにまず切断誤差の発生状況について調査した。その
結果、切断誤差の発生状況は図3の(2)〜(5)およ
びその組合せ、すなわち、図3の(2)と(4)、
(2)と(5)、(3)と(4)、(3)と(5)の組
合せによる誤差が発生していることを突き止めた。因み
に、図3(1)は誤差の生じていない場合を示してい
る。
【0029】すなわち、刃厚によって切断代Sは、ほぼ
一定となり、切断ラインの配列ピッチ方向ズレ、および
倒れ、並びにそれらが組み合わせられたときに切断誤差
が生じることが確認された。
【0030】基板上において、各基体はフォトリソグラ
フィーの手法を用いて±1μm以下の精度で配置されて
いるため、切断前の基板上の隣り合う基体の隣り合う電
気熱変換体のピッチP’は、±1μm以下の精度を持っ
ていることになる。
【0031】切断代Sは、前記したようにほぼ一定であ
るので、基板上の隣り合う基体であれば、切断後の電気
熱変換体から端面までの距離の和l'1+l'2は、切断ラ
インの配列ピッチ方向ズレ、および倒れ、並びにそれら
が組み合わせられたときでも、常に一定になることが判
った。
【0032】つまり具体的には、基板を切断する際に刃
厚を適当に選ぶことによって、所望の切断代Sが設定で
きるので、支持体に基体を並べる際に、切断ラインの隣
同士を順番に連続して配置すれば、切断後の電気熱変換
体から端面までの距離を測定する必要もなく、選別組合
せ配列を行う必要なしに、支持体上に基体を複数個精度
良く並べられることが判った。
【0033】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0034】本実施例のインクジェット記録装置は、フ
ルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを有する。
【0035】図6は、インクジェット記録ヘッドの概略
的構成を説明するための図である。この実施例の記録ヘ
ッドは、インク吐出口の密度が360dpi(70.5
μm)、インク吐出口数が1504個(印字幅106m
m)である。もちろん、本発明はこれらの数値に限定さ
れることなく、使用目的等に応じた数値を設定すること
が可能である。
【0036】支持体300は、概略矩形状のステンレス
鋼からなり、その長手方向縁部に沿って複数の基体(以
下、ヒーターボードと称す)100が配列し、かつ接着
剤で固定されている。
【0037】各ヒーターボード100は矩形状の板部材
からなるもので、長手方向に沿って所定の間隔(密度3
60dpi)で設けられた128個の吐出エネルギー発
生素子101を有する。また、各ヒーターボード100
上に、外部からの電気信号により任意のタイミングで吐
出エネルギー発生素子101を駆動させたりする信号パ
ッド、その駆動のための電力などを供給するための電力
パッド等のパッド102が設けられている。
【0038】図7は、複数のヒーターボード100を支
持体300に配置した場合の構成を示す図である。ヒー
ターボード100は、支持体300の所定の場所に、所
定の厚さで塗布された接着剤301によって接着固定さ
れており、この際ヒーターボード100上に設けられた
吐出エネルギー発生素子101がヒーターボード上に配
置されたピッチP=70.5μmと同じピッチに、隣接
するヒーターボードの吐出エネルギー発生素子のピッチ
がなるように精度良く配置されている。
【0039】図6にもどって、支持体300にはヒータ
ーボード100と同様に配線基板400が接着貼付され
ている。この際、ヒーターボード100上のパッド10
2と配線基板400上に設けられた信号電力供給パッド
401とが所定の位置関係になるように接着貼付される
ことになっている。また配線基板400には外部からの
印字信号や駆動電力を供給するためのコネクタ402が
設けられている。
【0040】このようなインクジェット記録ヘッドの製
造は以下の手順による。
【0041】まず、基板からヒーターボードを切り出し
た。ヒーターボードは基板上に図4に示すように配設さ
れている。基板上の切断ラインの一番はじから順番にX
n,Xn+1...の切断ラインに沿って、同一方向の切断
ラインで全部切断し、次にそれと直角方向に切断ライン
の一番はじから順番にYn,Yn+1...の切断ラインに
沿って同一方向のラインを全部切断した。このようにし
て3枚の基板A,B,Cから1枚あたり百数十個のヒー
ターボード(A1、A2・・)を切り出した。
【0042】次に、基板Aから切り出されたヒーターボ
ードから任意の12枚を選択し、配置機を用いて支持体
上に配置し、試料No.1とした。
【0043】その後、リニアスケール付きXYステージ
を持った金属顕微鏡を用いて第1ヒーターボードの第1
ヒータから、それぞれのこり11個のヒーターボードの
第1ヒータまでの距離を測定した。また、ヒーターボー
ド同士が接触していないか、あるいは回転ズレを起こし
ていないかも併せて観察した。
【0044】その結果、ヒーターボード同士がぶつかっ
ている部分があり、その部分の配置位置は大きくずれて
いた。
【0045】同様にして、配置機を用いて支持体上にヒ
ーターボードを配置し、試料No.2〜10を作製した
後、同様にして配置位置の観察を行った。
【0046】その結果、いずれの試料も、ヒーターボー
ド同士がぶつかっている部分があり、その部分の配置位
置は大きくずれていて、正常に配置されているものはな
かった。
【0047】次に、基板Bから切り出したヒーターボー
ドの端面から電気熱変換体(以下ヒータと記す)H1
128の端部までの距離a1,a2(図5参照)を各ヒー
ターボード毎に全て測定した。測定は測微計付き金属顕
微鏡を用いて400倍の倍率で行った。
【0048】次にl1+l2が所定の範囲になるようなヒ
ーターボードを選別して12個分組み合わせた。配置機
を用いて支持体上に配置し、試料No.11とした。同
様にして12個ずつの組合せを作製した後、配置機を用
いて試料No.12〜20を作製した。その後、試料N
o.1で行ったのと同様な方法で配置位置が正常に置か
れているかどうかを観察した。その結果、試料No.1
5は正常に配置されていた。それ以外の試料No.11
〜14、16〜20は、ヒーターボード同士がぶつかっ
ている部分があり、その部分の配置位置は大きくずれて
いた。
【0049】基板Cから切り出したヒーターボードか
ら、切断ラインの隣同士のヒータが連続するように配置
機を用いて支持体上に順番に配置した。このようにして
試料No.21を作製した。同様にして試料No.22
〜30を作製した。その後、試料No.1で行ったのと
同様な方法で配置位置が正常に置かれているかどうかを
観察した。その結果、全ての試料が正常に配置されてい
た。
【0050】次に、正しく配置できた上記試料No.1
5および22〜30に天板を接合した。
【0051】ここで天板200について説明する。
【0052】図8は、本実施例で適用される天板200
の構成を説明するための図で、(a)はインク供給口2
04側から見た図(平面図)、(b)はインク吐出口
(オリフィス)203側から見た図(正面図)、(c)
は共通液室201となる凹部が形成された底面から見た
図(底面図)、そして(d)は(b)のx−x線に沿う
断面図である。すなわち、天板200はヒーターボード
100に設けられた吐出エネルギー発生素子101に対
応して設けられた流路202、インクを被記録媒体に向
けて吐出させるための各流路に連通したオリフィス20
3、各流路に対してインクタンク(不図示)から供給さ
れたインクを流入させるためのインク供給口204とい
った部品で構成されている。また、天板200はヒータ
ーボード100を複数並べて設けられた吐出エネルギー
発生素子列を覆うのに十分な長さを有する。さらに、天
板200を構成する材料としては、正確かつ容易に溝を
形成できる樹脂であればよい。しかし、好ましくは機械
的強度、寸法安定性、耐インク性にも優れたものである
ことが望ましい。このような材料としてはエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ジグリコール・ジアルキルカーボネ
ート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
尿素樹脂等が望ましく、特にポリサルフォンやポリエー
テルサルフォン等の樹脂がその成形性、耐液性等の観点
から望ましい。この実施例では、天板200の熱膨張率
を規制する支持部材205が天板200の流路202上
側の樹脂中に埋設されている。この支持部材205は、
支持体300と同じステンレス鋼からなる。支持部材2
05は表面にブラスト加工、ローレット加工といった表
面加工が施されており、天板200の樹脂との密着度が
向上させられている。そして、その機械的強度から天板
200の熱膨張率はステンレス鋼のそれに倣うようにな
っている。これによってヘッドの天板200と支持体3
00は同一の熱膨張率を持つことになり、熱によるヒー
タとノズルのズレは発生しない。
【0053】図9にヒーターボードの隙間と天板200
の凸部の関係を表す模式図を示す。前にも説明したよう
に、ヒーターボード100が隙間Lを以て並べられてい
る。この時、吐出エネルギー発生素子101は隙間を挟
んでピッチP=70.5μmで配列される。一方、上方
にある天板200には流路202がピッチP=70.5
μmで配列されており、流路202をそれぞれ分ける凸
部206はW=12μmで形成されている。
【0054】図6に戻って天板200は、その流路20
2と支持体300上に並べられたヒーターボード100
上の吐出エネルギー発生素子との位置を所定の関係にな
るように併せて結合させる。
【0055】この際、結合の方法としてバネ等によって
機械的に押さえ込んだり、接着剤によって固定したり、
それらを組み合わせたりすることによってなど、様々な
方法が選択できる。これらにより天板200とヒーター
ボード100は図10のような関係で固定される。
【0056】次に天板200との結合が終了した試料N
o.15および試料No.22〜30をインク洩れの無
いように封止して、インク供給パイプと接続して印字検
査を行った。同一駆動条件でテストパターンを印字し、
それぞれ12個のヒーターボード隙間部分に白スジやム
ラが発生していないかを検査した。その結果、全ての試
料が合格であった。
【0057】以上から、支持体にヒーターボードを配置
する際に基板から任意にとって配置すると配置ズレが発
生すること、ヒーターボード端面からヒータまでの距離
を測定して隣り合うヒーターボードがぶつからないよう
な組合せを作って配置しても正常に配置でき、印字検査
に合格する試料は10個中1個程度であり、非常に希で
あること、切断ラインの隣同士のヒータが連続するよう
に順番に配置すると正常に配置でき、その後天板を接合
して印字検査を行っても全て合格することが判った。実
施例の実験結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】さらに上記構成からなるインクジェット記
録ヘッドを搭載するインクジェット記録装置の一例を図
11に示す。図11は、本発明に基づくインクジェット
記録ヘッドが適用されるフルラインタイプのインクジェ
ット記録装置の概略的構成を説明するための模式的斜視
図である。この図において、参照符号600はフルライ
ンタイプのインクジェット記録ヘッド、700は搬送ロ
ーラ、そして800は被記録媒体である。
【0060】
【発明の効果】本発明に基づくインクジェット記録ヘッ
ド、該記録ヘッドの製造方法は、複数の基体が支持体上
に切断ラインの隣同士を連続して配列することで、基体
同士がぶつからないようにできるため、天板と基板を精
度良く結合でき、従って高品位な画像記録を可能とす
る。
【0061】また、基体端から電気熱変換体までの距離
を測定して選別組合せをする手間も必要としなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】隣り合う基体同士が接触しないで正しいピッチ
で電気熱変換体同士が配置された状態を説明する概略図
である。
【図2】従来技術の問題点を説明する図であり、(1)
は正常に切断された状態、(2)および(3)は切断面
が傾いた場合を示している。
【図3】切断誤差の発生状況を説明する図であり、
(1)は正常な場合、(2)〜(5)は誤差を生ずる場
合を示している。
【図4】基体から各ヒーターボードを切断する場合を示
す図である。
【図5】ヒーターボードの概略平面図である。
【図6】フルラインタイプの記録ヘッドの構成を示す斜
視図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドに適用され
るヒーターボードの配置を説明するための模式図であ
る。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドに適用され
る天板200の構成を説明するための図で、(a)はイ
ンク供給口204から見た図(平面図)、(b)はイン
ク吐出口(オリフィス)203側から見た図(正面
図)、(c)は共通液室201となる凹部が形成された
底面から見た図(底面図)、そして(d)は(b)のx
−x線に沿う断面図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドに適用され
る天板200の構成を説明するための模式図である。
【図10】本発明のインクジェット記録ヘッドに適用さ
れるヒーターボードと天板との位置関係を説明するため
の模式図である。
【図11】本発明に基づくインクジェット記録装置の概
略的構成を説明するための模式的斜視図である。
【図12】従来のインクジェット記録装置の概略的構成
を説明するための模式的斜視図である。
【図13】従来のインクジェット記録ヘッドを適用した
インクジェットカートリッジの斜視図である。
【図14】従来のインクジェット記録ヘッドの概略的構
成を説明するための模式的斜視図である。
【符号の説明】
100 ヒーターボード 101 吐出エネルギー発生素子 102 パッド 200 天板 201 液室 202 液路 203 オリフィス 204 インク供給口 205 支持部材 206 凸部 300 支持部材 301 接着剤 302 封止剤 400 配線基板 401 信号・電力供給パッド 402 コネクター 600 フルラインインクジェット記録ヘッド 700 記録媒体搬送ローラー 800 記録媒体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを通すためのノズルとなる複数の
    溝部、前記ノズルとなる複数の溝部を形成する複数の凸
    部、前記ノズルとなる複数の溝部に連通した共通液室と
    なる溝部、および該共通液室へインクを供給するための
    供給口が形成された天板と、各ノズルに対応したエネル
    ギー変換素子および各エネルギー変換素子に電力を供給
    する電極とが成膜技術により一体的に形成された複数の
    基体と、該複数の基体が配設されている支持体とからな
    り、さらに前記天板と前記複数の基体とが合わさってイ
    ンクを吐出するための複数の吐出口が形成されるインク
    ジェット記録ヘッドの製造方法において、 前記複数の基体を前記支持体上に一定の隙間で配列させ
    る工程、および前記凸部が前記隙間を塞ぐようにして前
    記支持体に前記凸部を接合する工程とを有し、 前記複数の基体は、切断ラインを介して複数列配設され
    た基板から切断されたものであり、 前記切断された複数の基体を、その切断ラインの隣同士
    を連続して前記支持体上に配列することを特徴とするイ
    ンクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 インクを通すためのノズルとなる複数の
    溝部、前記ノズルとなる複数の溝部を形成する複数の凸
    部、前記ノズルとなる複数の溝部に連通した共通液室と
    なる溝部、および該共通液室へインクを供給するための
    供給口が形成された天板と、各ノズルに対応したエネル
    ギー変換素子および各エネルギー変換素子に電力を供給
    する電極とが成膜技術により一体的に形成された複数の
    基体と、該複数の基体が配設されている支持体とからな
    り、さらに前記天板と前記複数の基体とが合わさってイ
    ンクを吐出するための複数の吐出口が形成されるインク
    ジェット記録ヘッドにおいて、 前記複数の基体が前記支持体上に一定の隙間で配列さ
    れ、前記凸部が前記隙間を塞ぐようにして前記支持体に
    前記凸部を接合されており、 前記複数の基体は、切断ラインを介して複数列配設され
    た基板から切断されたものであり、 前記切断された複数の基体は、その切断ラインの隣同士
    を連続して前記支持体上に配列されていることを特徴と
    するインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 エネルギー変換素子が電気エネルギーを
    与えることによって発熱し、インクに状態変化を生ぜし
    めて吐出を行わせるための電気熱変換体である請求項2
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項2〜4の
    何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッドと、該記
    録ヘッドを載置するための部材とを少なくとも具備する
    ことを特徴とする記録装置。
JP8527596A 1996-04-08 1996-04-08 インクジェット記録ヘッド、その製造方法および該記録ヘッドを搭載した記録装置 Pending JPH09277534A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7284817B2 (en) 2000-05-23 2007-10-23 Silverbrook Research Pty Ltd Printer with a self-cleaning inkjet printhead assembly
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US7871153B2 (en) 2006-05-26 2011-01-18 Ricoh Company, Ltd. Liquid jet head, method of manufacturing liquid jet head, and image forming apparatus

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