JPH09275375A - 光通信装置 - Google Patents

光通信装置

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JPH09275375A
JPH09275375A JP8082942A JP8294296A JPH09275375A JP H09275375 A JPH09275375 A JP H09275375A JP 8082942 A JP8082942 A JP 8082942A JP 8294296 A JP8294296 A JP 8294296A JP H09275375 A JPH09275375 A JP H09275375A
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signal
optical
nrz
optical fiber
communication device
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JP8082942A
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Ichiro Seto
一郎 瀬戸
Shigeru Oshima
茂 大島
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信号ま
たはRZ信号を用いた光通信装置の光送信器側において、
信号源からのNRZ 信号またはRZ信号の帯域を制限し、伝
送する光信号の周波数スペクトルの広がりを抑えること
で、伝送路である光ファイバの群速度分散の波形歪への
影響を軽減し、伝送可能距離を延ばすことができる光通
信装置を提供すること。 【解決手段】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
号またはRZ信号を用いた光通信装置の光送信器側1にお
いて、信号源2からの伝送速度Bbit/sのNRZ 信号または
RZ信号の帯域をBHz 以下の遮断周波数をもつローパスフ
ィルタ7により制限することで、伝送する光信号の周波
数スペクトルの広がりを抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばシングルモ
ード光ファイバにおけるNRZ 信号またはRZ信号を用いた
光通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シングルモード光ファイバにおけるNon-
Return Zero 信号(NRZ 信号)またはReturn Zero (RZ
信号)を用いた高速光通信装置において、光信号の伝送
可能な距離を制限する主な要因として、光ファイバの2
次の群速度分散による波形歪みがある。この波形歪み
は、送信される光信号の周波数スペクトルの広がりに依
存し、光信号の伝送速度が大きくなればなるほど、周波
数スペクトルは広がり、光ファイバの群速度分散の影響
をより大きく受ける。
【0003】ここで同一の伝送速度において、NRZ 信号
はRZ信号に比べて光信号の周波数スペクトルの広がりが
小さいため、NRZ 信号に対する群速度分散の影響はRZ信
号に対する群速度分散の影響よりも小さい。しかしなが
ら、将来の幹線系光通信方式として期待されている、大
量に既設されている光波長1. 3um帯で群速度分散がゼ
ロとなる通常分散ファイバにおける、光ファイバ増幅器
が使用できる光波長1. 5um帯の、伝送速度10Gbit/s
のNRZ 信号を用いた光通信装置は、通常分散ファイバの
約15ps/nm/kmの大きな群速度分散の影響を受け、無中
継で伝送可能な距離はわすか70kmほどである(A.F.Elr
efair etal. Chromatic Dispersion Limitations in
Coherent Lightwave Transmission Systems'' IEEE Jou
rnal ofLightwave Technology, vol.6, no. 5, May,
1988, pp..704- 709) 。
【0004】ここでいう伝送可能距離とは、光信号のア
イ開口が受けるパワーペナルティが1dB以下での、最長
な伝送距離を指す。また、光ファイバ中の光信号の強度
に依存する自己位相変調効果と群速度分散の光波形歪み
への影響を補償し合うように、送信側で光出力を最適化
した場合においても、伝送可能距離は100kmほどであ
る(A.H.Gnauck atal. Interplay of Chirp and Self
Phase Modulation inDispersion-Limited Optical Tran
smission Systems'' ECOC '93, TuC 4. 4) 。
【0005】この通常分散ファイバの群速度分散の影響
を軽減するために、幾つかの方法があげられている。そ
の中で代表的な方法を下記にあげる。一つは、逆向きの
大きな分散値をもつ光ファイバを伝送路中に挿入し、分
散値を伝送路全域で小さくする分散補償ファイバ挿入方
式である。この方式は、分散補償光ファイバを挿入する
だけの簡単な方式ではあるが、分散補償光ファイバは損
失が大きいため、無中継長距離伝送の際には、低損失化
が大きな問題となる。
【0006】一つは、プリチャープ方式である。この方
式は送信側において、光信号に負のチャープをあらかじ
め与え、伝送路である光ファイバから受ける群速度分散
の影響を軽減する方式である。この方式は比較的簡単に
実現できるが、伝送可能距離はチャープがない場合び比
べて、およそ20\%しか延ばすことができない。
【0007】一つは、位相共役方式である。この方式
は、伝送路中間地点において、四光波混合による位相共
役光の発生により、伝送路前半に受けた群速度分散と非
線形効果の影響の向きを周波数的に反転した光信号と
し、後半の伝送路で群速度分散と非線形効果による逆方
向の波形歪みを与えることにより、受信側で奇麗な波形
の光信号を得るものである。しかし、位相共役光を得る
ために、大がかりな装置が必要となる。
【0008】一つはDST(Dispersion Supported Transmi
ssion)方式である。この方式は、振幅- 周波数変調を組
合せ、光ファイバの群速度分散の影響による波長による
伝送速度差を利用して、送信側での周波数変調を受信側
において振幅変調に変換する方式である。この方式は半
導体レーザ光源の直接変調で構成できることが大きなメ
リットである。しかし、この方式は各伝送距離におい
て、周波数の変調度を調整する必要があり、適用性が狭
い。
【0009】最後は、デゥオバイナリ方式である。この
方式は、2値の信号をデゥオバイナリ符号化によって3
値に符合化することにより光信号の帯域を狭くし、光フ
ァイバからの群速度分散の影響を軽減し、伝送可能距離
を延ばすものである。この方式は上述した方式に比べ、
付加するシステムはそれほど大きくはなく、現実的な方
法ではある。しかし、多値符合化することにより、光受
信器において3値のレベルを検波しなければならないた
め、受信感度が大きく劣化する。最近、マッハツェンダ
ー型光変調器の特性を利用して、2値信号として受信可
能なデゥオバイナリ方式が提案されたが、信号源のデゥ
オバイナリ符合化は必要であり、半導体レーザ光源の直
接変調及びEA光変調器を用いた光通信装置には適用でき
ない。
【0010】以上のように、いくつかの、通常分散ファ
イバからの群速度分散の影響を軽減する光通信装置が提
案されてはいる。しかし、これらの光通信装置は、各伝
送距離において微妙な調整をする必要がある、適用性が
狭い、また、大がかりな装置を付け加える必要がある等
で、コストや信頼性において問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、大容量
の幹線系の光通信装置では、伝送路である光ファイバの
群速度分散が光信号の波形歪みをおこし、伝送可能距離
が制限されてしまう。本発明の目的は、シングルモード
光ファイバにおけるNRZ 信号またはRZ信号を用いた光通
信装置の光送信器側において、信号源からのNRZ 信号ま
たはRZ信号の帯域を電気段においてローパスフィルタに
より制限することで、送信する光信号の帯域の広がりを
抑え、光ファイバによる2次群速度分散の波形歪みへの
影響を軽減し、伝送可能距離を延ばすことができる光通
信装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】シングルモード光ファイ
バにおける大容量のNRZ 信号またはRZ信号を用いた光通
信装置において、問題となるものは、大容量信号にとも
なう光信号の周波数スペクトルの広がりである。次世代
の光通信方式の伝送速度として期待されている10Gbit
/s以上の伝送速度をもつ光通信装置においては、特に光
ファイバの2次の群速度分散の影響が顕著に現れる。
【0013】伝送速度が10Gbit/sともなると、周波数
スペクトルが大きく広がり光ファイバの群速度分散の影
響を受け、通常分散ファイバにおいてはアイ開口のパワ
ーペナルティ1dB以内で、わずか70kmほどしか伝送で
きない。これは、送信する光信号の周波数スペクトルが
広いと、伝送路である光ファイバの群速度分散の影響を
それだけ大きく受けることになるため、伝送速度が大き
くなればなるほどより大きく波形歪みがおこり、伝送可
能距離が短くなる。
【0014】本提案方式は、信号源からの伝送速度Bbit
/sのNRZ 信号またはRZ信号を電気段において、遮断周波
数が、BHz 以下のローパスフィルタによりNRZ 信号また
はRZ信号の帯域を制限する。このローパスフィルタを挿
入することにより帯域制限されたNRZ 信号またはRZ信号
を用いて、半導体レーザを直接変調し、または外部光変
調器により半導体レーザからの連続発振光を変調し、得
られる光信号はローパスフィルタを挿入しない従来の光
信号に比べて、帯域、つまり周波数スペクトルの広がり
を抑えられる。つまり、光信号の周波数スペクトルの広
がりを従来のものより抑えられるため、光ファイバの群
速度分散の波形歪みへの影響を小さくすることができ、
伝送可能距離を延ばすことができる。
【0015】また、光ファイバからの群速度分散の影響
を小さくすることで、光信号の強度を現実的な範囲(ma
x:+20dBm)で調整し最適化することにより、光強度に
依存する自己位相変調効果と群速度分散の光波形への影
響を補償し合えることが可能であり、伝送可能距離をさ
らに延ばすことができる。
【0016】例えば、通常分散ファイバにおける10Gb
it/sのNRZ 信号またはRZ信号を用いた光通信装置におい
て、アイ開口のパワーペナルティが1dB以内とした時、
150km以上まで伝送可能となる。 本提案方式は、ロ
ーパスフィルタを1つ挿入するだけの現実的で簡単な方
式で、伝送可能距離を大きく延ばすことができ、さらに
ローパスフィルタは安定したコンポーネントであるた
め、システムとしての信頼性も高い。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施例は大きく分けて、
半導体レーザ光源を直接変調する方式と半導体レーザ光
源からの一定強度の光信号を外部光変調器で変調する方
式の2通りがある。2つの方式の大きな違いは、送信す
る光信号の周波数チャープの大きさの違いにあるが、両
方式とも本発明方式による伝送特性の改善効果は大き
い。以下、図面を参照して本発明を詳しく説明する。
【0018】本発明の第1の実施例である半導体レーザ
光源の直接変調を用いた光通信装置の構成図を図1に示
す。光送信器1に信号源2からのNRZ 信号またはRZ信号
が入力され、例えばフリップフロップなどを用いた波形
整形器3できれいな波形のNRZ 信号またはRZ信号にす
る。電気増幅器4でNRZ 信号またはRZ信号パワーを増幅
し、直流電流源5からの直流バイアス電流とバイアステ
ィ6で加算され、ローパスフィルタ7でNRZ 信号または
RZ信号の帯域を制限する。ここで、NRZ 信号またはRZ信
号の伝送速度をBbit/sとすると、ローパスフィルタの遮
断周波数は帯域を制限するために、BHz 以下とする。そ
して、帯域制限されたNRZ 信号またはRZ信号を半導体レ
ーザ光源8に印加し、半導体レーザ光源8を直接変調す
る。半導体レーザ光源8で直接変調された光信号は、光
増幅器9で光強度を増幅され、光ファイバ10に入力さ
れ、光受信器11に伝送される。
【0019】図2は、第2の実施例の外部光変調器12
を用いて変調を行なう場合の光通信装置の構成図であ
る。光送信器1に信号源2からのNRZ 信号またはRZ信号
が入力され、例えばD-FFを用いた波形整形器3できれい
な波形のNRZ 信号またはRZ信号にする。電気増幅器4で
NRZ 信号またはRZ信号パワーを増幅し、直流電圧源13
からの直流バイアス電圧とバイアスティ6で加算され、
ローパスフィルタ7でNRZ 信号またはRZ信号の帯域を制
限する。そして、帯域制限されたNRZ 信号またはRZ信号
を外部光変調器12に印加し、半導体レーザ光源8から
一定強度で発振されている光信号を変調する。外部光変
調器12には、例えば、半導体吸収型光変調器( 以下、
EA変調器) やマッハツェンダー型LiNbO 3光変調器( 以
下、LN変調器) があげられる。外部光変調器12で変調
された光信号は、光増幅器9で光強度を増幅され、光フ
ァイバ10に入力され、光受信器11に伝送される。
【0020】また、従来例の外部光変調器を用いた場合
の光通信装置を図13に示す。本発明による第2の実施
例と従来例との違いはローパスフィルタ7の有無であ
り、大がかりな付加装置は必要としない点である。
【0021】次に上述の本発明による光通信装置の動作
について、特にNRZ 信号を用いた本発明の第2の実施例
について詳しく説明する。信号源2からのNRZ 信号の伝
送速度がBbit/sの場合、NRZ 信号の帯域を制限するため
に、ローパスフィルタ7の遮断周波数はBHz 以下にす
る。そして、ローパスフィルタ7には、ベッセルフィル
タを用いる。他にも、バターワースフィルタ又はチェビ
シェフフィルタなどが考えられるが、情報をもつ信号を
通すため、位相まわり特性の小さいベッセルフィルタが
最適である。
【0022】例えば、信号源2からのNRZ 信号を10Gb
it/sの伝送速度とし、ベッセルフィルタ7を5次で遮断
周波数を4GHz とし、外部光変調器12をEA変調器とす
る。この場合の光ファイバ1へ送信する光信号の周波数
スペクトルを示す。また、ローパスフィルタ7を挿入せ
ず信号源2からのNRZ 信号の帯域を制限しない従来例の
場合の送信する光信号の周波数スペクトルを図4に示
す。
【0023】図3と図4を比較すると、本発明方式であ
るローパスフィルタを挿入した図3の場合のほうが、送
信される光信号の周波数スペクトルの広がり、特に高調
波成分への広がりが抑えられている。そのため、本発明
方式による光通信装置は、周波数のスペクトル広がりを
抑え、伝送可能距離を制限する光ファイバ10からの群
速度分散の影響を小さくすることができる。
【0024】第2の実施例において、NRZ 信号の伝送速
度が10Gbit/sで、外部光変調器12をLN変調器とし、
ローパスフィルタ7の遮断周波数が4GHz の場合、光送
信出力を、群速度分散の影響と自己位相変調効果がつり
合うように最適に調整した場合の伝送距離に対するアイ
開口のパワーぺナルティ特性をローパスフィルタ7を挿
入しない従来の場合の特性とともに図5に示す。
【0025】図5より、従来例の場合は、光信号出力を
調整しても、アイ開口のパワーペナルティを1dB以下と
したときの伝送可能距離( 以下、伝送可能距離の定義を
アイ開口のパワーペナルティ1dB以内とする) は100
kmほどであるが、実施例においては、伝送可能距離が1
80kmと大きく延びていることがわかる。また、実施例
と従来例に対する伝送距離170kmにおける光受信器1
1でのアイパターンの比較を図14に示す。このアイパ
ターンの比較からも、本発明を用いたアイ開口特性が優
れていることが実験的に証明される。
【0026】図6に、上記第2の実施例において、光信
号出力を変化させた場合の伝送距離- パワーペナルティ
特性を示す。図6より、本実施例は光信号出力が、17
dBmまでの範囲で、自己位相変調効果が群速度分散の影
響を補償するように働き、光信号出力に比例して、安定
して伝送可能距離が延びていることがわかる。しかし、
光信号出力を大きくしすぎると、自己位相変調効果が大
きくなりすぎ、群速度分散影響とのつり合いが崩れ、伝
送可能距離が逆に短くなる。
【0027】ローパスフィルタ7の遮断周波数を変化さ
せた場合の伝送距離に対するアイ開口のパターン効果を
考慮したパワーペナルティを図7に示す。ローパスフィ
ルタ7の遮断周波数が低いほうが、光信号のスペクトル
の広がりを抑えられるので光ファイバ10から受ける群
速度分散の影響が小さくなり伝送可能距離も延びるが、
低過ぎるとNRZ 信号のパターン効果を起こし、ペナルテ
ィは増加する。そのため、NRZ 信号の伝送速度がBbit/s
の場合、ローパスフィルタ7の遮断周波数の大きさは、
伝送距離全体においてパワーペナルティが小さくなるよ
うに、0. 3B〜0. 5B が適している。また、NRZ 信
号の伝送速度とローパスフィルタ7の遮断周波数によっ
て光信号の周波数スペクトルの広がりかたが変化するた
め、群速度分散と自己位相効果のつり合いの状態も変化
する。そのため、ローパスフィルタ7の遮断周波数に応
じて、最適な光信号出力を調整する必要がある。
【0028】外部光変調器12にはEA変調器とLN変調器
が考えられる。EA変調器とLN変調器の大きな違いは、変
調電圧に対する消光比変化率である。図8に、理想的な
EA変調器の電圧- 消光比特性を図9に、LN変調器の電圧
- 消光比特性を示す。
【0029】図8と図9をみてわかるように、EA変調器
は変調電圧に対して対数的に比例して変化するが、LN変
調器は電圧に対して線形的に正弦波状に変化する。この
違いは、ローパスフィルタ7により帯域制限された変調
電圧を外部光変調器12に印加したとき、外部光変調器
12より出力される光信号の周波数スペクトル上で高調
波成分への広がりの大きさの違いとして現れる。
【0030】光ファイバ10からの群速度分散の影響の
大きさは光信号の周波数スペクトルのひろがりに比例す
るので、高調波成分が多く含まれるほど光信号波形は群
速度分散の影響を受ける。そのため、できるだけ高調波
成分への広がりを抑えたほうが、光信号の伝送可能距離
も延ばすことができる。高調波成分を抑えるには、外部
光変調器の変調電圧- 消光比特性において、変調電圧と
消光比の関係が線形的に比例に近いほどよい。EA変調器
は、変調電圧と消光比は対数的に比例関係なため、高調
波成分が発生しやすい。また、LN変調器は、変調電圧と
消光比は線形的に正弦波状の関係にあるが、EA変調器に
比べれば、高調波成分は小さい。従来のNRZ 信号を用い
た光通信装置では、光受信器11で0と1のレベルを識
別しやすいように、消光比を大きくとるが、外部光変調
器12では、消光比を大きくとればとるほど、変調電圧
と消光比の線形的に比例な関係は難しく、光信号の周波
数スペクトルの高調波成分が多く含まれてしまう。その
ため、消光比を大きくとることの利得よりも、高調波成
分を多く含むことによる群速度分散の影響による波形劣
化のほうが大きい。
【0031】図10に、NRZ 信号の伝送速度10Gbit/s
で、ローパスフィルタ7の遮断周波数を4GHz 、送信出
力を最適化した場合の、LN変調器とEA変調器、それぞれ
から送信する光信号の消光比に対する伝送可能距離の特
性を示す。図10より、消光比を小さくしたほうが伝送
可能距離が延ばせることがわかる。例えば、LN変調器の
場合に150km以上の無中継伝送を達成するためには、
消光比を6dB以下にすることが必要である。また、LN変
調器の場合のほうが、EA変調器の場合よりも、光信号に
含まれる高調波成分が少ないので、伝送可能距離が延び
ていることがわかる。
【0032】EA変調器に関しては、変調電圧- 消光比特
性は、一様に図8のように対数的に比例な関係ではな
く、個々のEA変調器によりいろいろな特性が考えられ
る。その中で最も多い図11に示す変調電圧- 消光比特
性をもつEA変調器は、例えば、直流バイアス電圧13を
- 2V 付近にして、NRZ 信号による変調振幅を3Vp-pほ
どに設定すると、変調電圧と消光比が線形的な比例関係
に近付き、図8の特性をもつEA変調器よりも、同一の消
光比のときに高調波成分が抑えられる。
【0033】図12に、EA変調器の変調電圧- 消光比特
性が図8の場合と図11の場合の伝送距離に対するアイ
開口のパワーペナルティの関係を示す。図12より、EA
変調器の変調電圧- 消光比特性が図11の場合のほう
が、図8の場合に比べて、伝送特性が非常に改善されて
いることがわかる。上述のことはEA変調器に限らず、LN
変調器を用いる場合及び半導体レーザ光源の直接変調の
場合においても、各々の変調電圧- 消光比特性に対し、
変調電圧を最適化することで伝送可能距離をさらに延ば
すことができる。
【0034】送信する光信号の消光比を小さくすること
は、光受信器11側において光信号の受信感度が劣化す
ることが考えられるが、消光比を大きく設定した場合の
群速度分散の影響による受信感度劣化のほうがはるかに
大きく、また、200km程度までの伝送であれば光受信
器11には充分な光信号パワーが届くため、大きな問題
とはならない。
【0035】上述の実施例は、光送信器1側での電気段
において、ローパスフィルタ7を挿入することで、光信
号の周波数スペクトルの広がりを抑えるが、ローパスフ
ィルタ7の変わりに、光フィルタを光送信器1内に挿入
しても良い。図1及び図2において、光フィルタを光送
信器1内の光増幅器9の入力側又は出力側に挿入し、変
調された光信号を通過させることで、周波数スペクトル
の広がりを抑える。この光フィルタを挿入する場合も、
前述の実施例同様、光信号の周波数スペクトルの広がり
を抑えることで、伝送する光ファイバ10中で生じる群
速度分散と自己位相変調効果の光信号の波形歪みへの影
響を抑圧することができ、伝送特性が向上する。
【0036】本発明にはこれらの実施例の他にも様々な
変形例がある。発明の実施の形態において、NRZ 信号を
用いた例について詳細に説明したが、信号形はNRZ 信号
に限られること無く、RZ信号を用いても発明の効果が損
なわれることはない。半導体レーザ光源としては光波長
1. 5um帯に限ることなく1. 3um帯でもその他の光波
長でも良い。また、NRZ 信号またはRZ信号の伝送速度は
10Gbit/sに限ることなく他の伝送速度とすることもで
きる。伝送路においては、途中に光増幅器を増幅中継器
として含む伝送路でも良い。伝送路である光ファイバは
通常分散ファイバに限ることはなく、分散シフトファイ
バでも良い。その場合、それぞれのNRZ信号またはRZ信
号の伝送速度、光ファイバの群速度分散値によって、伝
送可能距離を延ばすために、ローパスフィルタ7の遮断
周波数、光信号出力を最適に調整することが必要であ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明は、外部光変調器を駆動させる信
号源からのNRZ 信号またはRZ信号の帯域をローパスフィ
ルタにより制限し、送信する光信号の周波数スペクトル
の広がりを抑えることで、光ファイバの群速度分散の波
形歪みへの影響を軽減することができる。さらに、光フ
ァイバの群速度分散の影響を非線形光学効果の一つであ
る自己位相変調効果と相互に補償し合うように光信号出
力を最適化することにより、飛躍的に光ファイバの長手
方向に光信号の伝送可能距離を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示した構成図
【図2】本発明の第2の実施例を示した構成図
【図3】本発明の第2の実施例における光信号の周波数
スペクトルを示した図
【図4】従来例の光信号の周波数スペクトルを示した図
【図5】本発明の第2の実施例及び従来例の伝送距離-
パワーペナルティ特性を示した図
【図6】本発明の第2の実施例における光信号出力に対
する伝送距離- パワーペナルティ特性を示した図
【図7】本発明の第2の実施例におけるローパスフィル
タの遮断周波数に対する伝送距離- パワーペナルティ特
性を示した図
【図8】EA変調器の変調電圧- 消光比特性を示した図
【図9】LN変調器の変調電圧- 消光比特性を示した図
【図10】本発明の第2の実施例であるEA変調器及びLN
変調器を用いた場合の消光比に対するアイ開口のパワー
ペナルティ1dBでの伝送可能距離を示した図
【図11】代表的なEA変調器の変調電圧- 消光比特性を
示した図
【図12】本発明の第2の実施例において変調電圧- 消
光比特性の違うEA変調器を用いた場合の伝送距離- パワ
ーペナルティ特性対比図
【図13】従来例を示した構成図
【図14】 本発明におけるアイパターン特性の改善効
果を示す図
【符号の説明】
1 光送信器 2 信号源 3 波形整形器 4 電気増幅器 5 直流バイアス電流源 6 バイアスティ 7 ローパスフィルタ 8 半導体レーザ光源 9 光増幅器 10 光ファイバ 11 光受信器 12 外部光変調器 13 直流バイアス電圧源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、送信する光信号の帯域を制限するための光
    フィルタを備え、該シングルモード光ファイバ中で生じ
    る群速度分散もしくは自己位相変調効果による光信号の
    波形歪みへの影響を抑圧したことを特徴とする光通信装
    置。
  2. 【請求項2】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、信号源からのNRZ 信号またはRZ信号と、該
    NRZ信号またはRZ信号帯域を制限するための、該NRZ 信
    号またはRZ信号の伝送速度がBbit/sの場合、遮断周波数
    がBHz 以下のローパスフィルタを備え、帯域制限したNR
    Z 信号またはRZ信号を用いて光強度を変調することによ
    り、該シングルモード光ファイバ中で生じる群速度分散
    もしくは自己位相変調効果による光信号の波形歪みへの
    影響を抑圧したことを特徴とする光通信装置。
  3. 【請求項3】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、半導体レーザ光源と、該半導体レーザ光源
    の出力光に強度変調を行なう外部光変調器と、該外部光
    変調器を駆動させる信号源からのNRZ 信号またはRZ信号
    と、該NRZ 信号またはRZ信号の帯域を制限するための、
    該NRZ 信号またはRZ信号が外部光変調器に印加される前
    に挿入されて、該NRZ信号またはRZ信号の伝送速度がBbi
    t/sの場合、遮断周波数がBHz 以下のローパスフィルタ
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の光送信装置。
  4. 【請求項4】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、信号源からのNRZ 信号またはRZ信号の帯域
    を制限するための、信号源からのNRZ 信号またはRZ信号
    の伝送速度がBbit/sの場合、遮断周波数がBHz 以下のロ
    ーパスフィルタに、ベッセルフィルタを用いたことを特
    徴とする請求項2または3記載の光通信装置。
  5. 【請求項5】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、送信される光信号の波長が、伝送路である
    シングルモード光ファイバの異常分散波長域にある場
    合、2次の群速度分散と非線形光学効果の一つである自
    己位相変調効果の光波形歪みへの影響を相互に補償し合
    うように光信号の強度を調整することで、光ファイバの
    長手方向に光信号の伝送可能な距離を延ばしたことを特
    徴とする請求項2、3または4記載の光通信装置。
  6. 【請求項6】シングルモード光ファイバにおけるNRZ 信
    号またはRZ信号を用いた光通信装置であって、光送信器
    側において、送信する光信号の消光比を10dB以下に設
    定することを特徴とする請求項2、3、4または5記載
    の光通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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