JPH09272929A - 非晶質合金材の成形方法及び非晶質合金 - Google Patents

非晶質合金材の成形方法及び非晶質合金

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JPH09272929A
JPH09272929A JP8065707A JP6570796A JPH09272929A JP H09272929 A JPH09272929 A JP H09272929A JP 8065707 A JP8065707 A JP 8065707A JP 6570796 A JP6570796 A JP 6570796A JP H09272929 A JPH09272929 A JP H09272929A
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amorphous alloy
temperature
binder
tubular structure
glass transition
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JP8065707A
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Jun Inahashi
潤 稲橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、3次元の複雑形状の非晶質合金を
成形し得る方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る非晶質合金材の成形方法
は、結晶化温度とガラス遷移温度との差が10K以上2
50K以下である非晶質合金の粉未に、結合剤を添加、
混合し、この混合体を射出成形し、その後、前記結合剤
を除去し、少なくとも、結晶化温度とガラス遷移温度と
の間の温度で加圧しつつ加熱して管状構造体1を得るこ
とを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質合金の成形
方法及び非晶質合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、非晶質合金の製造は大きな冷却速
度が必要なことから、液体急冷法、ガスアトマイズ法等
が用いられていた。
【0003】しかしながら、いずれの方法で成形したと
しても、成形できる形状は薄いリボン状か粉末状に限定
されていて3次元の複雑な形状には成形できなかった。
そこで、非晶質合金材(一般的にはアモルファス合金と
も称される)の中でガラス遷移を示す合金を成形するこ
とにより、このような3次元の複雑形状の非晶質材を得
る方法が多数研究されている。
【0004】非晶質合金のガラス遷移現象とは、非晶質
合金特有の相変化である。即ち、非晶質の固体を加熱す
ると過冷却液体となり、さらに加熱すると結晶の固体と
なり、さらに加熱すると液体となる現象である。
【0005】非晶質の固体から過冷却液体への相変化温
度をガラス遷移温度といい、過冷却液体から結晶の固体
への相変化温度を結晶化温度、結晶の固体から液体への
相変化温度を融点という。
【0006】一般的な金属合金は結晶の固体を加熱する
と液体となり、この固体から液体の相変化を融点という
場合とは際立って異なっている。
【0007】この非晶質の過冷却液体の状態は、約10
6 乃至1012Pa・Sの粘性を示す水飴状である。特に
Mg−Ni−Ln(Lnは稀土類金属)やMg−Cu−
LnのMg系合金、Al−Ni−LnのAl系合金、L
a−Al−LnやLa−Ga−LnのLa系合金、Zr
−Al−LnやZr−Ga−Ln系合金等は、ガラス遷
移温度と結晶化温度との温度差が30K以上有り、最大
130K近く有る。
【0008】この過冷却液体状態を利用して複雑形状を
形成する方法、例えば、特開平5−309427号公報
に開示されている方法は、ガラス遷移挙動を示す非晶質
を一対の型で保持し、ガラス遷移温度と結晶化温度の間
の温度に加熱し、閉じられた空間側と成形用金型とに圧
力差を与えて、非晶質材を成形用金型に密着させ複雑形
状を得ようとするものである。
【0009】即ち、ガラス遷移温度と結晶化温度の間
(過冷却液体状態)の水飴状の状態を利用して所望の形
状を成形し、その後冷却することで非晶質の複雑形状物
を得るものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
合金の成形方法には以下のような課題がある。即ち、成
形用金型に非晶質材を密着させるためには大きな圧力が
必要となる。例えば、10mmの凸部を形成する場合、
2気圧(2.027×105 Pa)以上の圧力差が必要
である。また、過冷却液体状態の約106 乃至1012
Pa・Sという粘性を利用して所望の形状を形成するた
め、あまり小さい形状は形成できず、高々1mm程度の
凸部までしか成形できない。
【0011】さらに、一方向からの圧力で形状を成形す
るため、3次元の複雑形状はやはり困難であり、厚みの
ある2次元形状のみが可能である。
【0012】また、従来の非晶質合金には以下のような
課題がある。即ち、ガラス遷移現象を有する非晶質合金
であっても靭性は低く、例えば、ジルコニウム系合金の
Zr 65Al7.5Cu27.5の伸びは2%である。
【0013】各原子記号の下付数字は原子パーセント組
成を示している。即ち、この表記はZr:65at%、
Al:7.5at%、Cu:27.5at%を表してい
る(以降原子記号と下付数字を用いた表記も同様であ
る。)。上述した非晶質合金は、非常に脆いと通常考え
られているマルテンサイト系ステンレス鋼、例えばJI
S規格SUS420J2の伸びが12%であることから
みても極めて脆いといわざる得ない。この伸びの小ささ
のため、非晶質合金は衝撃力に極めて弱いという課題が
ある。
【0014】本発明は以上の課題に鑑みてなされたもの
であり、3次元の複雑形状の非晶質合金を成形し得る方
法を提供することを目的とする。また、本発明は、耐衝
撃力の高い非晶質合金を提供することを目的とする。
【0015】請求項1記載の発明に係る非晶質合金材の
成形方法は、結晶化温度とガラス遷移温度との差が10
K以上250K以下である非晶質合金の粉未に、結合剤
を添加、混合し、この混合体を射出成形し、その後、前
記結合剤を除去し、少なくとも、結晶化温度とガラス遷
移温度との間の温度で加圧しつつ加熱することを特徴と
するものである。
【0016】請求項2記載の発明に係る非晶質合金材の
成形方法は、結晶化温度とガラス遷移温度との差が10
K以上250K以下である非晶質合金の粉末に、結合剤
を添加、混合し、この混合体を射出成形し、少なくとも
結晶化温度とガラス遷移温度との間の温度で加圧しつつ
加熱し、同時に結合材を除去することを特徴とするもの
である。
【0017】請求項3記載の発明に係る非晶質合金は、
結晶化温度とガラス遷移温度との差が10K以上250
K以下であり、気孔率(体積率)0.001乃至9.5
vol%以下であることを特徴とるものである。
【0018】上記手段を用いることによる請求項1記載
の発明の作用を以下に説明する。非晶質合金粉末と結合
材を混合した混合体を射出成形することにより3次元複
雑形状を成形する。即ち、結合材の流動性を利用し射出
成形用金型の所望の形状を得るためのキャビティ部に前
記混合材を射出し、3次元複雑形状を得る。これにより
混合材の射出成形体としては1mm以下の凸部であって
も成形できる。
【0019】その後、結合材を除去し、少なくとも結晶
化温度とガラス遷移温度の間の温度で加圧しつつ加熱す
ることで、過冷却液体状態の流動性(粘性約106 乃至
10 12Pa・Sの水飴状であり流動性を有する)を利用
し、結合材除去後の射出成形体(以下これを「脱脂体」
と称する。)を均等に収縮させ最終的な非晶質合金を得
る。
【0020】上記手段を用いることによる請求項2記載
の発明の作用を以下に説明する。非晶質合金粉末と結合
材とを混合した混合体を射出成形することにより、3次
元複雑形状を成形する。即ち、結合材の流動性を利用し
射出成形用金型の所望の形状を得るためのキャビティ部
に前記混合材を射出し、3次元複雑形状を得る。
【0021】これにより混合材の射出成形体としては1
mm以下の凸部であっても成形できる。その後。少なく
とも結晶化温度とガラス遷移温度の間の温度で加圧しつ
つ加熱し、同時に結合材を除去することで、過冷却液体
状態の流動性を利用し、射出成形体を均等に収縮させ最
終的な非晶質合金を得る。
【0022】上記手段を用いることによる請求項3記載
の発明の作用を以下に説明する。非晶質合金中に存在す
る0.001乃至9.5vol%以下の気孔部のため、
この気孔部がいわゆるクッションのような働きをし、前
記非品質合金にかかる衝撃力を吸収する。即ち、前記非
晶質合金にかかる衝撃力により一つ一つの気孔部が僅か
に変形する。個々の気孔部の変形は僅かであるが全体と
して大きな変形となり、この変形により衝撃力を吸収す
る。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1乃至4を参照して実施の形態1を
説明する。尚、図1は本実施の形態1で成形した管状構
造体の斜視図、図2は前記管状構造体の断面図、図3は
図1、図2に示す管状構造体を射出成形するための金型
の断面図、図4は脱脂後の管状構造体を加圧加熱する加
熱炉を示す概略図である。
【0024】[構成]図1、図2に示す管状構造体1
は、直径(外径)10mm、肉厚0.5mmで、中空環
状のリング部2を具備し、このリング部2の一端側に一
対の突起部3a、3bを対抗配置に、リング部2の他端
側に一対の突起部5a、5bを対抗配置に有している。
突起部3a、3b、突起部5a、5bには、各々孔4
a、4b、孔6a、6bが穿設されている。
【0025】また、前記リング部2の内径方向には一対
の内径突起7を対抗配置に備え、この内径突起7には孔
8が穿設されている。
【0026】尚、前記内径突起7は、高さ1.5mm、
また、前記孔4a、4b、孔6a、6b及び孔8の孔径
は0.5mmとしている。
【0027】図3に示す射出成形金型10は、固定型1
1、可動型12からなり、パーティングライン13を境
に型開き、型締め可能となっている。
【0028】前記固定型11は、固定取付板15にロケ
ートリング14が取り付られており、この固定取付板1
5に固定型板16が連結されている。固定型板16には
スプルーブッシュ17が組み込まれている。
【0029】また、可動型12における可動型板23に
は、スペーサーブロック24、可動取付板25が連結さ
れており、さらに、可動型板23には第1のエジェクタ
ーピン26、第2のエジエクターピン27が各々摺動可
能に取付られており、これら第1のエジェクターピン2
6、第2のエジエクターピン27は突出板28により固
定されている。
【0030】また、前記可動取板25には、突出口ット
逃穴29が形成されており。この突出口ット逃穴29を
図示しない射出成形機の突出ロットが通過し、突出板2
8を押すことによって、前記第1のエジェクターピン2
6、第2のエジエクターピン27を前進させるようにな
っている。
【0031】さらに、前記固定型板16、可動型板23
には、スプルー18、コールドスラグ19、ランナー2
0、ゲート21が形成されており、ゲート21の次段に
前記管状構造体1の射出成形体を得るためのキャビティ
22が形成されている。
【0032】図4は加熱炉41を示すものであり、炉内
42は、ヒーター43により囲まれており、密閉構造と
なっている。また、炉内42には、通気口44が設置さ
れ、この通気口44の次段には分岐管45が設けられ
て、分岐管45の一方はリークバルブ46を介してリー
ク口46に連通し、他方は増圧ポンプ48、ガス導入バ
ルブ49を介して図示しないArガスボンベに連通して
いる。
【0033】次に、実施の形態1の作用を説明する。平
均粒径12μmのLa55A125Ni 20の非晶質合金粉末
(ガラス遷移温度481K、結晶化温度546K、ガラ
ス遷移温度と結晶化温度の温度差65K、以下、ガラス
遷移温度をTg、結晶化温度をTx、ガラス遷移温度と
結晶化温度の温度差をΔTxとする。)91.5wt
%、低分子ポリアミド8.5wt%を混合し、混合材を
得る。
【0034】この混合材を図示しない射出成形機に固定
取付板15、可動取付板25を介して取り付た射出成形
金型10内に射出する。前記混合材は、スプルー18、
ランナー20、ゲート21を通してキャビティ22内に
射出される。
【0035】このキャビティ22にて射出成形体での管
状溝造体1´(以降それぞれの状態を区別するために、
最終的な非晶質合金の管状構造体を1、射出成形体での
管状構造体を1´、脱脂体での管状構造体を1´´と称
する。)を得る。
【0036】その後、パーテイングライン13より固定
型11、可動型12を型開きし、突出ロットで突出板2
8を押し、第1、第2のエジェクターピン26、27を
前進させることにより、コールドスラグ19、管状構造
体1を突出し、射出成形金型10から離型する。
【0037】その後、この管状構造体1を図示しない脱
脂炉に移送し、常圧大気下で20K/Hで昇温し、47
1Kまで加熱し、471Kで6時間保持した後、放冷し
脱脂炉から管状構造体1´´を取り出す。この管状構造
体1´´を加熱炉41の炉内42に移送し、リークバル
ブ46を閉鎖し、ガス導入バルブ49を開放し、通気口
44よりArガスを炉内42に導入する。
【0038】その際、増圧ポンプ48により炉内42の
雰囲気圧力を1.5気圧(1.520×105 Pa)に
増圧する。その後ヒーター43に通電し、炉内温度50
6Kに加熱し、1時間保持する。
【0039】その後、ヒーター43ヘの通電を停止し、
炉内42の温度が常温に戻ったところで増圧ポンプ48
を停止し、ガス導入バルブ49を閉鎖する。さらに、リ
ークバルブ46を開放し、炉内42のArガスを通気口
44、リーク口47より排出し、炉内42の雲囲気圧力
が常圧まで下がったところで、最終的な管状構造体1を
取り出す。尚この管状構造体1は気孔率(体積率)5v
ol%で成形された。
【0040】[効果]本実施の形態1によれば、結合材
であるポリアミドの流動性を利用して管状構造体1を得
るので1mm以下の3次元複雑形状であっても対応可能
である。さらに、この管状構造体1´を脱脂し、Txで
比較的低圧で加圧し、加熱することで管状構造体1´´
を均等に収縮させ良好な管状構造体1を得ることができ
る。
【0041】また、この管状構造体1は、気孔率(体積
率)5vol%であるため、衝撃力をこの気孔一つ一つ
の変化により吸収することができ耐衝撃力が向上した。
【0042】(実施の形態2)図1乃至図4を再び参照
して実施の形態2を説明する。尚、実施の形態2におい
て、実施の形態1と共通のものに関しては詳細な説明は
省略する。
【0043】[構成]本実施の形態2においては、非晶
質合金粉末として、Mg85Cu5 10粉末(平均粒径2
0μm、Tg:435K、Tx:463K、ΔTx:2
8K)92.7wt%、ポリスチレン5.0wt%。エ
チレン−ビニル酢酸共重合体(EVA)2.0wt%、
ステアリン酸0.3wt%を混合し、混合体を得て射出
成形し、管状構造体1´を成形する。そして、この管状
構造体1´を加熱炉41の炉内42に移送する。
【0044】その後、炉内41をN2 ガスにて1.2気
圧(1.216×105 Pa)まで増圧し、昇温速度5
K/Hで昇温し、455Kまで加熱し、455Kで5時
間保持した後、放冷する。炉内42の温度が常温まで下
がった時、炉内42を減圧し、管状構造体1を得る。得
られた菅状構造体1の気孔率(体債率)は、3.5vo
l%であった。
【0045】[作用・効果]本実施の形態2によれば、
結合材であるポリスチレン、エチレン−ビニル酢酸共重
合体、ステアリン酸の流動性を利用するので、1mm以
下の3次元複雑形状である管状構造体1´得ることがで
きる。さらに、Txで比較的低圧で加熱し、同時に脱脂
も行うので脱脂体を加熱炉に移送する手間が省ける。
【0046】また、この管状構造体1は気孔率(体積
率)3.5vol%wであるため、衝撃力を気孔一つ一
つの変化で吸収することができ、耐衝撃力が向上した。
尚、実施の形態1、2において、結合材の脱脂を加圧雰
囲気若しくは常圧雰囲気(大気圧雰囲気と同義)で行っ
ているが、これにとらわれることなく、脱脂を減圧下で
行っても支障はなく、ΔTxの時加圧すれば同様な効果
が得られる。
【0047】(実施の形態3)図5を参照して実施の形
態3を説明する。図5は本実施の形態3で用いる抽出加
熱槽61を示すものである。
【0048】[構成]図5に示す抽出加熱槽61は、槽
内62に水を満たしており、槽内62を囲んでヒーター
63を配置している。本実施の形態3においては、非晶
質合金粉末としてZr65Al7.5Cu27.55 粉末(平均粒
径20μm、Tg:640K、Tx:740K、ΔT
x:100K)92.0wt%、水溶性セルロース8.
0wt%を混合し、この混合材を射出成形して管状構造
体1´を得る。
【0049】その後、この管状構造は1´を抽出加熱槽
61に移送し、ヒーター63に通電し槽内62の温度を
335Kに保持し、4時間維持する。その後、脱脂の完
了した管状構造体1´´を加熱炉41に移送し、炉内4
2の雰囲気をArガスで1.1気圧(1.115×10
5 Pa)に加圧し、700Kで30分間加熱した。
【0050】その後、加熱を停止し、炉内42を減圧し
た後、管状構造体1を取り出した。尚、完成した管状構
造体1は、気孔率(体積率)4.0vol%であった。
【0051】[作用・効果]本実施の形態3によれば、
結合材である水溶性セルロースに流動性を利用するの
で、1mm以下の3次元複雑形状である管状構造体1を
得ることができる。
【0052】さらに、脱脂を抽出により行うため、加熱
する方法に較べて変形しずらい。即ち、加熱する脱脂方
法の場合、結合材は加熱により分解するが、昇温速度を
速くし過ぎると結合材の分解が射出成形体内部でも発生
し、この分解によるガスが内部に発生することによるフ
クレ、ワレ等の不具合が起こることがある。
【0053】しかし、抽出する場合は、必ず射出成形体
表面から結合材が除去されるので、このような不具合が
発生しない。また、この管状構造体1は気孔率(体積
率)4.0vol%であるため、衝撃力を気孔一つ一つ
の変化で吸収することができ、耐衝撃力が向上した。
【0054】尚、以上の実施の形態1乃至3では、射出
成形に非晶質合金粉末としてLa55Al25Ni20、Mg
85Cu5 10、Zr65Al7.5Cu27.5を用いたが、何ら
これにとらわれる必要はなく。例えばZr55Cu30Al
10Ni5、La55Al25Ni10Cu10、Zr65Cu17.5
Ni1017.5等あっても支障はなく、Txが10K以上
250K以下であればよい。
【0055】また、Txも10K以上250K以下とし
たが、より良くは、25K以上200K以下、なお良く
は40K以上200K以下、特に50K以上150K以
下が望ましい。
【0056】Tgについても、実施の形態では481K
(実施の形態1)、463K(実施の形態2)、640
K(実施の形態3)であったが、450K以上であれば
良く、より良くは500K以上、なお良くは550K以
上、特に良くは600K以上が望ましい。
【0057】非晶質合金粉末の平均粒径も実施の形態で
は、12μm(実施の形態1)、20μm(実施の形態
2、3)であったが、これも0.05μm以上250μ
m以下であれば良い。より良くは、0.1μm以上20
0μm以下、なお良くは1μm以上150μm以下、特
に5μm以上10μm以下が望ましい。
【0058】また、実施の形態で用いた結合材は、低分
子ポリアミド(実施の形態1)、ポリスチレン・エチレ
ン−ビニル酢酸共重合体(EVA)・ステアリン酸(実
施の形態2)、水溶性セルロース(実施の形態3)を用
いたが、この他にも、ポリエチレン、ポリアセタール、
ポリプロピレン、アクリル(PMMA)、カルナウバワ
ックス、パラフィンワックス、ステアリン酸ナトリウ
ム、フタール酸エステル等の射出成形に用いられる有機
材料であれば支障はない。
【0059】また。非晶質合金粉末と結合材の配合比
は、(非晶質合金粉末):(結合材)=91.5wt
%:8.5wt%(実施の形態1)、92.7wt%:
7.3wt%(実施の形態2)、92.0wt%:8.
0wt%(実施の形態3)であったが、これも(非晶質
合金粉末):(結合材)=75wt%:25wt%〜9
7.5wt%:2.5wt%であれば良く、より良く
は、80wt%:20wt%〜97.5wt%:2.5
wt%、なお良くは85wt%:15wt%〜95wt
%:5wt%、特に85wt%:15wt%〜95wt
%:5wt%が好ましい。
【0060】また、結合材の除去方法も実施の形態に記
載したもの以外であってもよく、加圧雰囲気による加熱
除去(加熱脱脂)や還元雰囲気下による加熱脱脂でも構
わない。
【0061】さらに、抽出除去(抽出脱脂)についても
有機溶媒、例えば、キシレン、テトラヒドロナフタレ
ン、n−ヘプタン等を用いても構わない。
【0062】また、非晶質合金の気孔率(体積率)も
0.001vol%〜9.5vol%としたが、より良
くは0.1vol%〜9.5vol%、なお良くは0.
1vol%〜8.0vol%、特に0.5vol%〜
8.0vol%が好ましい。
【0063】
【発明の効果】請求項1、2記載の発明によれば、3次
元の複雑形状の非晶質合金を簡略な工程で得ることがで
きる製造方法を提供できる。特に、1mm以下の形状を
持つ小さい非晶質合金も得られ、さらに、過冷却液体状
態での加圧を比較的低圧で行うことが可能な製造方法を
提供できる。
【0064】請求項3記載の発明によれば、通常の非晶
質合金より高い耐衝撃性を有する非晶質合金を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態1で成形した管状構造体の斜視図
である。
【図2】本実施の形態1の管状構造体の断面図である。
【図3】本実施の形態1の管状構造体を射出成形するた
めの金型の断面図
【図4】脱脂後の管状構造体を加圧加熱する加熱炉を示
す概略図である。
【図5】本実施の形態2で使用する抽出加熱層の概略で
ある。
【符号の説明】
1 管状構造体 2 リング分 3a 突起部 3b 突起部 4a 孔 4b 孔 5a 突起部 5b 突起部 6a 孔 6b 孔 7 内径突起 8 孔 10 射出成形金型 11 固定型 12 可動型 41 加熱炉 61抽出加熱槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶化温度とガラス遷移温度との差が1
    0K以上250K以下である非晶質合金の粉未に、結合
    剤を添加、混合し、この混合体を射出成形し、その後、
    前記結合剤を除去し、少なくとも、結晶化温度とガラス
    遷移温度との間の温度で加圧しつつ加熱することを特徴
    とする非晶質合金材の成形方法。
  2. 【請求項2】 結晶化温度とガラス遷移温度との差が1
    0K以上250K以下である非晶質合金の粉末に、結合
    剤を添加、混合し、この混合体を射出成形し、少なくと
    も結晶化温度とガラス遷移温度との間の温度で加圧しつ
    つ加熱し、同時に結合材を除去することを特徴とする非
    晶質合金材の成形方法。
  3. 【請求項3】 結晶化温度とガラス遷移温度との差が1
    0K以上250K以下であり、気孔率(体積率)0.0
    01乃至9.5vol%以下であることを特徴とる非品
    質合金。
JP8065707A 1996-03-22 1996-03-22 非晶質合金材の成形方法及び非晶質合金 Pending JPH09272929A (ja)

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