JPH09271602A - バッチ式凍結濃縮装置 - Google Patents

バッチ式凍結濃縮装置

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JPH09271602A
JPH09271602A JP11689296A JP11689296A JPH09271602A JP H09271602 A JPH09271602 A JP H09271602A JP 11689296 A JP11689296 A JP 11689296A JP 11689296 A JP11689296 A JP 11689296A JP H09271602 A JPH09271602 A JP H09271602A
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tank
wall
blade
batch
concentration
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JP11689296A
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English (en)
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Isamu Harashima
勇 原島
Manabu Yamada
学 山田
Nobuyoshi Sato
伸好 佐藤
Hiroshi Oizumi
浩史 大泉
Takaaki Oizumi
高明 大泉
Ginsaku Komata
銀作 小又
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DAIWA SEIBUTSU KENKYUSHO KK
TAGA REITOUKI SEISAKUSHO KK
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DAIWA SEIBUTSU KENKYUSHO KK
TAGA REITOUKI SEISAKUSHO KK
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の簡略化を計り操作の簡便さと、メンテ
ナンスの容易な、原液成分の化学的、物理的変化及び損
失がなく、高品質な濃縮液を得ることができブレを防止
でき、掻き取り面積を大きくでき、モータ等の駆動負担
を軽減し、摩擦力による振動を減らし、氷晶の均一化を
計り、掻き取りのできない所をなくすこと。 【解決手段】 氷晶融解用の加熱手段を円筒状濃縮タン
ク内に付設し、外壁に冷媒体を循環させ、円筒状濃縮タ
ンク内の底中央に合成樹脂製、金属製等の軸受けと該タ
ンク蓋上を転動するブレ止め車輪とで回転軸を着脱自在
に付設し、上記濃縮タンクの内壁に摺接する複数の板状
側縁に垂直掻取り刃と切込みとを連設したノコギリ状歯
の歯のピッチをそれぞれ変えた回転羽根と、底部位に角
度を調節可能な複数の攪拌翼とを付設したバッチ式凍結
濃縮装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、濃縮タンクの壁面
を冷却することにより内壁面に氷晶を結晶させ、これを
掻取り低温で水性液体を濃縮する凍結濃縮装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の水性液体を濃縮する
濃縮方法として、凍結濃縮の他に真空蒸発濃縮、膜濃縮
があり、これらの方法の比較を表1に示した。
【0003】
【表1】
【0004】これによれば、真空蒸発濃縮のように、加
熱、蒸発、濾過を伴う場合には、次のような品質の劣化
が起こることが多い。即ち、色素の退色及び褐変、加熱
臭の発生、芳香成分の分解、蛋白質の変性、栄養(必
要)成分の分解が品質の劣化として挙げられる。また、
逆浸透による膜濃縮においては、低分子量成分の逸失が
あり、これが必要成分の場合には問題があるし、膜交換
のためのランニングコストが経済的な欠点である。
【0005】しかし、凍結濃縮では溶質の変質、特に医
薬品では生理活性物質の変質がほとんど問題にならず、
品質維持上ほとんどの場合において最も優れた濃縮方法
であるといえるが、従来の連続式の凍結濃縮装置の実用
化での最も大きな問題は、経済性にあると思われる。即
ち、初期投資額の大きさ、言い替えれば装置単価あたり
の脱水能力が低いことである。
【0006】そこで、従来の凍結濃縮法は、主に冷却工
程、晶析工程、分離工程からなり、いかにして氷晶と濃
縮液を分離するかということに多くの研究・改良が重ね
られ、圧搾(加圧)、遠心分離、洗浄塔操作等により分
離工程が構成され、そしてこの分離操作を容易に且つ効
率的に行うために、冷却工程及び晶析工程において、で
きるかぎり大きな氷晶を作るために努力がなされている
(氷晶の比表面積が大きくなる程−直径が小さくなる程
−濃縮液の残存率が少なくなるという報告等による。M
ullar.J.G.Food technolog
y。著者「松野隆一 外3名 発行所株式会社光琳
「食品工学基礎講座 第6巻」参照)。
【0007】そして、これまでに実用化されている一般
的な装置では、冷却工程によって微細な氷晶とした後
に、晶析工程で結晶成長用タンク等にて氷晶を成長させ
ている。そして、氷晶を大きくするために、氷晶の成長
工程(晶析工程)を長くし、氷晶の滞留時間を長くす
る。また、そのためには晶析槽を大きくする等、の問題
があった。そこで、前記した実情に鑑み、これまでに提
案されたものとして、特公昭63−36834号公報が
あるが、凍結濃縮法における装置は、その性質上、複雑
なものとなり、高価にならざるを得ない。また、特開平
6−210102号公報のように、連続式装置において
も、やはり複雑であり、定常操作に入る前に初期のスタ
ートアップの操作が必要であり、温度の違った冷却媒体
を供給する等の構成を必要とする。さらに、特開平5−
228301号公報のように、晶析工程において、結晶
の純度を実質的に低下させず、かつ処理する液に溶解性
を有する不活性な第3成分を添加した状態で晶析操作を
するものであるが、第3成分の分離回収という手段が必
要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、第1に、バッ
チ式の構造にすることで、装置の簡略化を計るとともに
操作の簡便さと、メンテナンスの容易な、原液成分の化
学的、物理的変化及び損失がなく、高品質な濃縮液を得
ることができる凍結濃縮装置を提供すること。第2と第
3には、第1の課題に加えて、攪拌翼を備えることで、
下方に沈む氷晶を上方へ移動させて、濃縮の速度を一層
促進させ濃縮の効率を計ること。第4に、第1乃至第3
の課題に加えて、濃縮タンク内の底中央に軸受けとタン
ク蓋上を転動するブレ止め車輪とで回転軸を着脱自在に
付設することで、濃縮液で軸受けが潤滑でき、濃縮液等
の漏れの心配がなく、それでいてブレを防止できるこ
と。第5に、第1乃至第4のいずれかの課題に加えて、
回転羽根を特殊な構造とするとともにその取り付け角度
を最適値にすることで、掻き取り面積を大きくでき、モ
ータ等の駆動負荷を軽減し、先端の屈曲で掻き取り時の
摩擦力による振動を減らし、中間部分の屈曲により掻き
取った氷晶を内側に巻き込み、タンク内における氷晶の
均一化を計ること。第6に、第1乃至第5のいずれかの
課題に加えて、複数の回転羽根とし、その各回転羽根の
ノコギリ歯状の歯のピッチの差を各回転羽根でそれぞれ
変えることにより、掻き取りのできない所をなくすこ
と。第7と第8に、第1乃至第7のいずれかの課題に加
えて、氷晶融解用の加熱手段を設けたことにより、より
迅速に、かつ氷の結晶がタンク内壁、回転羽根、回転軸
等に付着残留しないようにすること。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1に、外壁に冷媒体を
循環させる有底の円筒状濃縮タンク内に、上記濃縮タン
クの内壁に摺接する少なくとも一枚の板状側縁に垂直掻
取り刃と切込みとを連設したノコギリ歯状の回転羽根を
付設したバッチ式凍結濃縮装置を要旨とする。第2に、
外壁に冷媒体を循環させる有底の円筒状濃縮タンク内の
底中央に、回転軸を着脱自在に付設し、この回転軸に上
記濃縮タンクの内壁に摺接する少なくとも一枚の板状側
縁に垂直掻取り刃と切込みとを連設したノコギリ歯状の
回転羽根と、底部位には攪拌翼とを設けたバッチ式凍結
濃縮装置を要旨とする。第3に、攪拌翼は、回転軸の底
部位に角度を調節可能な複数の攪拌翼とした請求項2に
記載のバッチ式凍結濃縮装置を要旨とする。第4に、回
転軸は、円筒状濃縮タンク内の底中央に軸受けと該タン
ク蓋上を転動するブレ止め車輪とで回転軸を着脱自在に
付設したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れか1項に記載のバッチ式凍結濃縮装置を要旨とする。
第5に、回転羽根は、板状側縁に垂直掻取り刃と切込
みとを連設したノコギリ歯状の回転羽根の先端を5度程
度屈曲させると共に後端部をも略45度の屈曲させた構
成とし、取り付け角度を濃縮タンク内壁の接線に対して
5度〜60度の範囲と濃縮タンク内壁とのクリアランス
とを上下に設けた内板或いは杆に調節自在に付設したこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
記載のバッチ式凍結濃縮装置を要旨とする。第6に、回
転羽根は、上下に設けた内板或いは杆に放射状に複数枚
の回転羽根を設け、その各回転羽根の板状側縁に垂直掻
取り刃と切込みとを連設したノコギリ歯状の歯のピッチ
の差を各回転羽根でそれぞれ変えたことを特徴とする請
求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のバッチ式凍
結濃縮装置を要旨とする。第7に、氷晶融解用の加熱手
段を円筒状濃縮タンク内に付設したことを特徴とする請
求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のバッチ式凍
結濃縮装置を要旨とする。第8に、加熱手段は、多数の
蒸気噴出孔が穿設された円管或いは間接加熱の加熱管と
したことを特徴とする請求項7に記載のバッチ式凍結濃
縮装置を要旨とする。
【0010】
【実施例】以下、本発明のバッチ式凍結濃縮装置につい
て、第1実施例に基ずいて説明する。図1乃至図6に示
すように、縦横の桟によって構成された基台15の上に
設置された有底の円筒状濃縮タンク1は、凍結濃縮され
る液を収容する冷却タンクであり、この円筒状濃縮タン
ク(以下、濃縮タンクという)1の円筒状壁を冷却する
ためのジャケット2が濃縮タンクの外壁を包むように設
けある。この濃縮タンク1は、濃縮液および氷晶融解液
等の排出が迅速にできるように底に傾斜をつけてある。
ジャケット2の上下に冷媒体の入口2bと出口2aとが
設けられ図示しない冷凍機に接続されている。底中央に
4弗化エチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製、金属
製、合成ゴム、合金等の軸受け7を磁力、ボルト・ナッ
ト、溶接等で取り付け、軸受け7には凹部や円錐状の窪
み等を設け、この凹部等に回転軸4を嵌合させて着脱自
在に付設してある。この場合好ましくは、軸受け7は、
濃縮タンクの底に溶接されているガイドの中に合成樹脂
製等の軸受け7を嵌め込みにして交換容易(メンテナン
ス性)や接着剤等による液の汚染を防ぐようにしてあ
る。このようにすることで、下方の軸受けが濃縮タンク
の外部に露出しないので、長時間の使用による液漏れを
防止できるし、凍結濃縮される液が潤滑剤として働くの
でメンテナンス等の面でも最適な濃縮装置となる。この
回転軸4に内壁の氷晶を掻き取るために上記濃縮タンク
の内壁に摺接する好ましくは四枚の濃縮タンクの内壁に
摺接する板状側縁にノコギリ歯状となる垂直掻取り刃3
aと切込み3bとを設けた回転羽根3と、この回転軸の
底部位で後述の内板或いは腕杆に角度が調節可能な複数
の攪拌翼9…とが設けてある。この調節可能な複数の攪
拌翼9…は全て同じでもよく、各々の攪拌翼9が15度
とか45度とかとのように異ならしめてもよい。この回
転軸4はモータ6により駆動され、タンク蓋16上を転
動するブレ止め車輪8が複数個(好ましくは3個)が設
けられている部材24が、上記回転軸4と軸継手23を
介在させてモータ6の回転力を伝達する。この軸継手2
3は好ましく上下対のカップリング23とし軸を上下で
分割してもよいし、軸継手23が部材24の取り付け手
段のみでもよい。さらに、スプライン軸受け、ジヤーナ
ル軸受け等としてもよい。この回転軸4とモーター6と
は傘歯車等により着脱される。後述の回転羽根3の取り
付け内板と、回転軸と、タンク蓋16上を転動するブレ
止め車輪と、モータとをともに上方に持ち上げることで
軸受け7より着脱されるか、或いは上下対のカップリン
グ23の部位で上下に回転軸を分割させてもよい。さら
に、上記回転軸4の軸受け(内外輪とボール等で構成)
28が蓋16上に取り付けた軸受け台27の上に、六角
穴ネジ27aへのボルト(図示せず)等で固定され、軸
4にボルト等29aで取り付けられている軸受けカバー
29で保護されている。なお、この回転軸4は、後述の
回転羽根3の取り付け内板と、回転軸と、タンク蓋16
上を転動するブレ止め車輪と、モータとの全てを一体に
取り外すようにしてもよいし、上述のように部材24の
軸継手の部位でも、その分割位置は他の場所でもよい。
例えば、後述の回転羽根を取り付ける内板の支持するね
じ環17を、軸継ぎ手とし、または内板の支持のみか支
持の兼用としてもよい。また、モータは低回転可能なイ
ンバータモータがよい。また、蓋16は濃縮タンクの上
端に左右2か所で倒れるノブナット31で蓋が閉めら
れ、この2点で嵌め込み場所の位置決めとなる。
【0011】そして、濃縮タンクの内壁に摺接する複数
(好ましくは4枚)の回転羽根3は、一枚の板状側縁に
垂直掻取り刃3aと切込み3bとを連続した状態で設け
てある。垂直掻取り刃3aのピッチ(刃の長さ)は50
mm、切込み3bの幅は15mm、全幅略190mmで
高さは濃縮タンクの高さより低い500mmのものであ
る。垂直掻取り刃3aの先端より20mmのところで後
述の略5度の屈曲3cと、後端から50mmのところで
略45度の内側への屈曲3dが設けてあり、垂直掻取り
刃3aの先端の厚みは2mmで、上端と下端より30m
mの部位と中央の250mmの部位との3か所にボルト
が通る径と幅が60mmの長孔21が垂直掻取り刃3a
の先端より65mmの位置より水平に設けてある。な
お、数値は一例にすぎない。このような回転羽根を、濃
縮タンクの上下に略一致するような内板5或いは上下の
放射状(回転羽根の枚数と同じで好ましくは4本)の腕
杆の適所に設けられたフランジ18に、濃縮タンクの内
壁の接線に対して好ましく5〜60度、さらに好ましく
は40度で回転羽根3の各々のノコギリ歯状の垂直掻取
り刃3aの先端と濃縮タンクの内壁とのクリアランスが
略2mmになるようメモリー22付の長孔21にボルト
・ナット19とで調節自在に取り付ける。この取り付け
角度により回転羽根の振動をすくなくでき、掻き取りの
効率を良くし大粒径の氷晶が得られた。この上下の内板
5には氷晶が浮上してきた場合の排出用或いは氷晶を融
解しながら排出するための孔20がもうけてある。ま
た、この上下の内板5に代えて回転羽根が取り付けれる
回転軸から図示しないコの字状の杆体にしてもよい。こ
の上の内板又は腕杆や杆体をねじ環17で軸4に着脱自
在に取り付けられている。
【0012】また、図6(a)乃至図6(d)に示すよ
うに、好ましくは濃縮タンク1の内壁に摺接する回転羽
根3の各々の垂直掻取り刃3aのピッチの差Pを、図6
(a)乃至図6(d)に一点鎖線で示すように各羽根ご
とに例えば15mmづつに変えて(即ち、一枚目は上端
に切込み3bを設け、二枚目は上端より15mmの位置
に三枚目は上端より30mmの位置に四枚目は上端より
45mmの位置に設けてある)各羽根ごとの各々の垂直
掻取り刃3aが濃縮タンク1の内壁に摺接する部位を重
複するように変えることで掻き取りのトータル面積を大
きくでき、それで一枚当たりのノコギリ歯状の回転羽根
のモータにかかる負荷を減らせて、過負荷や回転の停止
を防止し、各回転羽根のそれぞれの垂直掻取り刃3aが
互いに重複することで、掻き取れない部分ができるのを
防いでいる。ピッチの差とは、各回転羽根の掻取り刃の
ピッチを変えたものも含む。また、図6(e)に示すよ
うに、ノコギリ歯状の各垂直掻取り刃3aの回転羽根の
先端部より35mmの部位に略5度の屈曲3cを設ける
ことで、回転羽根全体の湾曲を防ぎ、掻き取り時の摩擦
力による振動が発生するのを防止できてスムーズな回転
となる。後端部より50mmの部位にも略45度(これ
らの角度は厳密なものではなく液の濃度、回転速度、氷
晶の大きさ等により最適値を求めればよい)の屈曲3d
を設けて掻き取られた氷晶を内側に巻き込み、濃縮タン
ク内における氷晶の均一化を計れるようにしてある。
【0013】さらに、氷晶融解用の加熱手段は、氷晶融
解液を系内で循環使用する場合、蒸気管等のサビやボイ
ラーで加えられる塩等の添加物の混入が考えられるの
で、好ましくは濃縮タンクの内壁に沿わせた螺旋状(一
巻きでもよい)の噴出孔のない間接加熱(蒸気や電気)
の加熱管12を付設してある。氷晶融解後の水を利用し
ない場合、濾過等の除去手段等によっては、蒸気入口1
2aより図示しないが噴出孔が内方と下方へ穿設した円
管12を、濃縮タンク内の底部位へ耐熱ホース等で移動
可能にするか、上述の回転軸4を、後述の回転羽根3の
取り付け内板と、回転軸と、タンク蓋16上を転動する
ブレ止め車輪と、モータとともに上方に上げる際に邪魔
にならない濃縮タンク内の底部位に付設するか、邪魔に
ならないように自在継手や耐熱ホース等で退避できる位
置まで移動自在としてある。
【0014】濃縮タンクの外壁面に液量ゲージ10を付
設してあり、濃縮タンク内の液量を測定でき、かつ、こ
の液量ゲージ10の上部には二股管30aを介してシャ
ワー管30を連結して、この二股からコック32を開き
管散水するようにして濃縮タンクの内壁を洗浄でき、コ
ック32を閉めると液量ゲージ10を洗浄できるように
してある。また、濃縮タンクの下部にサンプル採取口1
3を設けてある。この採取口13は凍り付による採取困
難を防ぐために氷破砕用の突き棒を蓋に取り付けてあ
る。排出口11は濃縮タンク1の傾斜最低部に取り付
け、その取り付け部分に氷晶濾過用フィルター34を載
置(例えばバスケット状のフィルターを排出口11に装
着)してある。この場合に動かないようにビス止め等に
してもよい。温度計14は濃縮タンク内の温度を測定す
るためのもである。なお、回転羽根3と濃縮タンク1と
の間のクリアランスは、約5〜15mmになると、氷の
層により、内側(回転羽根側)が冷却されなくなるため
で、冷熱を伝えるためには、クリアランスは小さい方が
よい、本発明では、ふれ止め車輪で回転軸を回転させて
いるので、2mmとできた。また、ジヤケット2を通る
冷媒体はブラインを用いて0度C〜−50度Cで、好ま
しくは−20度Cが望ましい。
【0015】さらにまた、上記実施例では、装置がシン
プルな構造にできたので、スタートアップや様々な設定
が不要なので、タイマー、フロートスイッチ等を取り付
け、冷凍濃縮原液の導入、冷媒体の冷却、回転羽根の回
転の開始等を自動化(例えば図7、図8参照)できる。
また、自動屈折率測定器等を取り付けて濃縮のストッ
プ、温度センサーによる蒸気配管による氷晶融解の終了
等の自動制御等にも適用もできる。さらに、濃縮液分離
後の氷晶融解液を系内で循環使用することにより、ロス
をほとんどなくすことができる。なお、符号25は、回
転軸部に接するダストシールが設けてある油止めとダス
トカバーであり、符号26は蓋16上に付設した支柱で
その上面にモータを取り付けるものである。また、符号
33は蓋16の周縁に設けた円環状の油止壁である。さ
らに、蓋16を対の半円蓋とし、その各直径部位の縁に
垂直壁を設け、一方の垂直壁に他方の垂直壁を覆う水平
壁を設け、各半円蓋の縁に円環状の油止壁を設け、回転
軸を挿通させる半円状の筒として油や塵等がタンク内へ
侵入するのを防止している、この場合は蓋16上に付設
した支柱26を一方の半円蓋の上に設けるか、縦横の桟
で構成される基台15を延長させて載置すればよい。
【0016】次ぎに、実施例による、クマ笹抽出エキス
の濃縮時のデータを表2、表3に示す。
【0017】
【表2】
【表3】
【0018】ここでのクマ笹抽出エキスとは、医薬品製
造の際の中間溶液であり、表の中の濃度は水溶性葉緑素
のみのものであるが、その他多種の物質が混合してお
り、強アルカリ性(約pH12)で粘度が非常に高いも
のである。上記表2、表3の濃度測定法は次式の通り
で、測定サンプル3mlを200mlにメスアップし、
400ナノメートル(波長の単位)における吸光度を測
定し次式によって、水溶性葉緑素としての濃度を算出し
た。これらの表より、クマ笹抽出エキスの濃縮時間がそ
の開始時間(0min)の濃度や温度により、表2、表
3のとおりであるが、濃縮時間を短縮するに開始時(0
min)のクマ笹抽出エキス(被濃縮原液)の液温度を
低くすればよい、例えば予冷(4〜6度)等をすると濃
縮時問が30分〜1時間程短縮できた。
【0019】
【数1】
【0020】濃度測定法のLambert−Beer則
の上式で、465は鉄クロロフィリンナトリウムの吸光
係数εを表し、cは溶液を希釈したときの濃度、lは光
路長である。次ぎに、使い方と作用をのべると、濃縮タ
ンク内の原液を、その濃縮タンクの外側を循環するマイ
ナス温度の冷媒体による熱交換によって冷却し、濃縮タ
ンク内の原液を回転羽根によって緩やかに攪拌しなが
ら、全体を均一なる低温にして、水分の凍結温度までに
達成させる。この時点より、徐々に濃縮タンク内壁に氷
の膜が生成される。これを回転羽根(ノコギリ歯状)に
より、均一に掻き取る(削り取る)。掻き取(削り取)
られた氷片は回転羽根と攪拌手段とで攪拌回転されて濃
縮タンクの中央部に移動し、初期段階時には溶解し、こ
の繰り返しにより、濃縮タンク内が水凍結温度に均一に
達成し、削られた氷片は濃縮タンク内を移動しながら、
不溶性不純物等を抱き込みながら成長し、やがて濃縮タ
ンク原液は荒目のシャーベット状となり凍結濃縮が達成
される。この時点で排出を行うことで、フィルターによ
り凍結温度の低い未凍結の液体のみが排出され、凍結し
た氷晶(水分)は濃縮タンク内に残る。この排出工程
で、氷晶もフィルターの役目を果たし、未凍結液体中の
不純物が除去される。ついで、濃縮液排出後に、氷晶融
解用加熱手段(例えば蒸気を配管より濃縮タンク内へ噴
出させる)で、氷晶を融解させる、この時融解を助ける
ために回転羽根を回転させ濃縮タンク内の残留液と空気
とを対流させ均一化させて、融解を助け早めてもよい。
なお、本願発明についての実施例として、凍結濃縮装置
について説明したが、凍結濃縮に限定されるものではな
く、冷却、晶析、分離の三工程に相当する装置があるの
で、これらの工程を利用した広い概念である。
【0021】
【発明の効果】第1に、バッチ式の構造にすることで、
装置の簡略化を計るとともに操作の簡便さと、メンテナ
ンスの容易な、原液成分の化学的、物理的変化及び損失
がなく、高品質な濃縮液を得ることができる、従来のよ
うな多工程に相当する多種類の装置が不要で多品種小量
生産に適し、大幅に小型化な凍結濃縮装置が得られた。
第2と第3には、第1の効果に加えて、攪拌手段を備え
ることで、下方に沈む氷晶を上方へ移動させて、濃縮の
速度を一層促進させ濃縮の効率を計れた。第4に、第1
乃至第3の効果に加えて、濃縮タンク内の底中央に軸受
けとタンク蓋上を転動するブレ止め車輪とで回転軸を着
脱自在に付設することで、タンク蓋上を転動するブレ止
め車輪で主な加重を支持させるとともに、濃縮液で軸受
けが潤滑できるとともに濃縮液等の漏れの心配がなく、
それでいてブレを防止でき、コストのさらなる低廉化が
達成できた。 第5に、第1乃至第4のいずれかの効果
に加えて、回転羽根を特殊な構造とするとともにその取
り付け角度を最適値にすることで、より大粒径の氷晶が
作れたし、掻き取り面積を大きくでき、モータ等の駆動
負荷を軽減し、先端の屈曲で掻き取り時の摩擦力による
振動を減らし、中間部分の屈曲により掻き取った氷晶を
内側に巻き込み、タンク内における氷晶の均一化を計る
ことができた。第6に、第1乃至第5のいずれかの効果
に加えて、複数の回転羽根とし、そのノコギリ歯状の歯
のピッチの差をそれぞれ変えることにより、掻き取りの
できない所をなくすことでより正確、迅速に氷晶が作れ
た。第7と第8に、第1乃至第6のいずれかの効果に加
えて、氷晶融解用の加熱手段を設けたことにより、より
迅速に、かつ氷の結晶がタンク内壁、回転羽根、回転軸
等に付着残留しないようにでき、より精度の高い濃縮装
置が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による濃縮装置の第1実施例を示す断面
図である。
【図2】本発明による濃縮装置の第1実施例の平面図で
ある。
【図3】本発明による濃縮装置の第1実施例を示す第1
図の一部拡大断面図である。
【図4】(a)、(b)は本発明による濃縮装置の一部
拡大断面図及びその一部拡大の平面図である。
【図5】(a)、(b)は本発明による濃縮装置の一部
拡大断面図及びその一部拡大の平面図である。
【図6】本発明による濃縮装置に用いられる4枚の回転
羽根の一部拡大断面図である。
【図7】本発明による濃縮装置の冷却ユニットフローチ
ャートである。
【図8】本発明による濃縮装置フローチャートである。
【符号の説明】
1 円筒状濃縮タンク 2 ジヤケット 2a、2b 冷媒の出入口 3 回転羽根 4 回転軸 5 内板 6 モータ 7 軸受け 8 ブレ止め車輪 9 攪拌翼 10 液量ゲージ 11 排出口 12 加熱管 16 タンク蓋 17 ねじ環 18 フランジ 19 ボルト・ナット 21 長孔 23 軸継手 24 部材 28 軸受け 30 シャワー管 33 円環状の油止壁 34 フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 9/02 618 B01D 9/02 618 9/04 9/04 (72)発明者 大泉 浩史 東京都羽村市五ノ神1−14−9 (72)発明者 大泉 高明 東京都世田谷区上野毛2−10−6 (72)発明者 小又 銀作 長野県上伊那郡辰野町大字辰野1985番地

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外壁に冷媒体を循環させる有底の円筒状濃
    縮タンク内に、上記濃縮タンクの内壁に摺接する少なく
    とも一枚の板状側縁に垂直掻取り刃と切込みとを連設し
    たノコギリ歯状の回転羽根を付設したことを特徴とする
    バッチ式凍結濃縮装置。
  2. 【請求項2】外壁に冷媒体を循環させる有底の円筒状濃
    縮タンク内の底中央に、回転軸を着脱自在に付設し、こ
    の回転軸に上記濃縮タンクの内壁に摺接する少なくとも
    一枚の板状側縁に垂直掻取り刃と切込みとを連設したノ
    コギリ歯状の回転羽根と、底部位には攪拌翼とを設けた
    ことを特徴とするバッチ式凍結濃縮装置。
  3. 【請求項3】攪拌翼は、回転軸の底部位に角度を調節可
    能な複数の攪拌翼としたことを特徴とする請求項2に記
    載のバッチ式凍結濃縮装置。
  4. 【請求項4】回転軸は、円筒状濃縮タンク内の底中央に
    軸受けと該タンク蓋上を転動するブレ止め車輪とで回転
    軸を着脱自在に付設したことを特徴とする請求項1乃至
    請求項3のいずれか1項に記載のバッチ式凍結濃縮装
    置。
  5. 【請求項5】回転羽根は、板状側縁に垂直掻取り刃と切
    込みとを連設したノコギリ歯状の回転羽根の先端を5度
    程度屈曲させると共に後端部をも略45度の屈曲させた
    構成とし、取り付け角度を濃縮タンク内壁の接線に対し
    て5度〜60度の範囲と濃縮タンク内壁とのクリアラン
    スとを上下に設けた内板或いは杆に調節自在に付設した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載のバッチ式凍結濃縮装置。
  6. 【請求項6】回転羽根は、上下に設けた内板或いは腕杆
    に放射状に複数枚の回転羽根を設け、その各回転羽根の
    板状側縁に垂直掻取り刃と切込みとを連設したノコギリ
    歯状の歯のピッチの差を各回転羽根でそれぞれ変えたこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に
    記載のバッチ式凍結濃縮装置。
  7. 【請求項7】氷晶融解用の加熱手段を円筒状濃縮タンク
    内に付設したことを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれか1項に記載のバッチ式凍結濃縮装置。
  8. 【請求項8】加熱手段は、多数の蒸気噴出孔が穿設され
    た円管或いは間接加熱の加熱管としたことを特徴とする
    請求項7に記載のバッチ式凍結濃縮装置。
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