JPH09270995A - デジタル映像記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像を記録しようと思った時に、タイムラグ
により初期の映像を記録し損じることがなく、使用者が
希望する遡及した映像を記録できる。 【解決手段】 補助記録装置７は、使用者の操作とは無
関係に、常時、制御装置５からのデジタル映像データ
の記録および消去を行って、最新の所定時間分のみのデ
ジタル映像データを保存する。スイッチ８より記録開始
信号が制御装置５に送られると、補助記録装置７は記
録を中断し、主記録装置６が制御装置５からのデジタル
映像データの記録を開始する。スイッチ８より記録終
了信号が制御装置５に送られると、主記録装置６は記
録を中断し、この主記録装置６に記録されたジタル映像
データと前記補助記録装置７に記録された所定時間分の
デジタル映像データ（遡及した映像データ）とを繋いで
１つのデジタル映像データとする。遡及して映像を記録
でき、また、単に遡及映像が残っているというだけでな
く、操作後の映像データと一体のまとまった１つの映像
データが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、動的映像をデジ
タル的に記録するデジタル映像記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】動的映像を記録する映像記録装置として
は映像をアナログ的に記録するＶＴＲが一般的である
が、このＶＴＲにおいて、ディスプレイ画面を見ていて
記録しようと思った時、実際に記録が開始するまでに
は、使用者の操作のタイムラグおよび操作後記録開始ま
での装置起動のタイムラグにより少なからずの時間を要
するので、初期の映像を記録できないことが生じる。

【０００３】従来より、ＶＴＲにおいては、例えば遅延
回路の利用等により、操作した時点より遡及した時点か
らの映像を記録できる機能を備えたものもあるが、この
場合の遡及映像は、操作した時点からの本来の記録映像
とは別の独立した映像として残るものであり、単に、遡
及映像が存在するというに過ぎない。したがって、記録
を希望するまとまった１つの映像データ（例えば１つの
番組み全体等）としては不完全であり、使用者の希望を
十分満たすことはできない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】近年、種々の情報のデ
ジタル化とともに、映像情報についてもデジタル化が重
要になってきている。映像情報のデジタル化は例えば、
パソコン等を利用したキャプチャリングと呼ばれる技術
等によって可能である。このデジタル映像を記録するデ
ジタル映像記録装置においても、前述のＶＴＲの場合と
同様に、記録しようと思った時、実際に記録が開始する
までには少なからずの時間を要するので、初期の映像を
記録できないことが生じる。そこで、操作した時点より
遡及した映像を記録できる機能が望まれるが、その場
合、記録を希望するまとまった１つの映像データ（例え
ば１つの番組み全体等）としては記録することができれ
ば、さらに望ましい。

【０００５】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、デジタル映像記録装置において、映像を記録しよう
と思った時にタイムラグにより初期の映像を記録し損じ
ることがなく、希望した瞬間からの映像を記録すること
を可能にし、しかも操作後の映像データと一体のまとま
った映像データとして記録することを可能にすることを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のデジタル映像記録装置は、送られてくるデジタル映
像信号を常時補助記録装置に記録するとともに所定時間
経過後に消去して、この補助記録装置に最新の所定時間
分のみのデジタル映像データを保存する手段と、記録開
始信号に応じて、送られてくるデジタル映像信号を主記
録装置に連続して記録する定常記録処理を開始すると同
時に、前記補助記録装置での処理を中断する手段と、記
録終了信号に応じて前記定常記録処理を中断し、次い
で、前記主記録装置に記録されたデジタル映像データと
前記補助記録装置に記録されたデジタル映像データとを
繋いで１つのデジタル映像データとする手段とを備えた
ことを特徴とする。なお、上記における所定時間分のデ
ジタル映像データとは、実質的に所定時間分となればよ
く、例えばフレーム数として規定する場合も含む。ま
た、この所定時間を調整して変更する場合も含む。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
〜図３に示す一実施例を参照して説明する。図１は本発
明の実施例を示すブロック図であり、同図において、１
はビデオカメラ等のアナログ映像入力装置、２は本発明
の一実施例のデジタル映像記録装置、３はディスプレイ
等の出力装置である。この実施例はアナログ映像情報を
ソースとするデジタル映像記録が可能な装置であり、ア
ナログ映像信号をデジタル映像信号に変換するＡ／Ｄコ
ンバータ４を備えている。このデジタル映像記録装置２
は、各種制御を行うコンピュータ等の制御装置５と、主
記録装置６および補助記録装置７の２つの記録装置と、
前記制御装置５に記録開始および記録終了を指示するス
イッチ８とを備えている。なお、実施例は、パソコンに
おける一機能として設けられたデジタル映像記録装置で
あり、記録時間が短くてよい前記補助記録装置７として
はＩＣメモリ、記録時間を長く必要とする主記録装置６
としては容量の大きなハードディスク等が適当である。
また、前記スイッチ８は出力装置３と同じくユーザーイ
ンターフェースを介して接続される。なお、前記主記録
装置６および補助記録装置７は、上記以外の任意の記録
方式を採用できる。また、本発明のデジタル映像記録装
置は、パソコンの一機能としてでなく、録画専用のデジ
タル映像記録装置としてもよいことは勿論である。

【０００８】そして、このデジタル映像記録装置２は、
送られてくるデジタル映像信号を常時前記補助記録装置
７に記録するとともに所定時間経過後に消去して、この
補助記録装置７に最新の所定時間分のみのデジタル映像
データを保存する手段と、スイッチ８による開始操作を
行った時の記録開始信号に応じて、送られてくるデジタ
ル映像信号を主記録装置６に連続して記録する定常記録
処理を開始すると同時に、前記補助記録装置７に対する
処理を中断する手段と、前記スイッチ８による終了操作
を行った時の記録終了信号に応じて前記定常記録処理を
中断し、次いで、前記主記録装置６に記録されたデジタ
ル映像データと前記補助記録装置７に記録されたデジタ
ル映像データとを繋いで１つのデジタル映像データとす
る手段とを備えている。

【０００９】次に、上記のデジタル映像記録装置２にお
ける映像記録動作について説明する。アナログ映像入力
装置１から入力されたアナログ映像信号は、Ａ／Ｄコ
ンバータ４によりデジタル映像信号に変換される。変
換されたデジタル映像信号は、通常（スイッチ８の操
作がなく記録動作状態でない時）は、制御装置５によっ
て出力装置３へ出力されたり、補助記録装置７に記録さ
れる。出力装置３では、制御装置５より送られたデジタ
ル映像信号を映像として表示する。補助記録装置７
は、制御装置５より送られたデジタル映像データが常
に最新の所定時間分のみ保存されるようにデジタル映像
データの記録と消去を行う。スイッチ８の操作により記
録開始信号が制御装置５に入力されると、制御装置５
はデジタル映像データの出力先を補助記録装置７から主
記録装置６に変更する。主記録装置６では、スイッチ８
の操作により制御装置５へ記録終了信号が入力される
まで、記録できるかぎりデジタル映像データの記録を
行う。

【００１０】スイッチ８の操作により記録終了信号が
制御装置５に入力されると、制御装置５は、補助記録装
置７に記録されていた所定時間分のデジタル映像データ
を主記録装置６へ転送する。こうして、主記録装置６に
おいて、当該主記録装置６に記録されていたスイッチ８
操作後のデジタル映像データと、前記補助記録装置７に
記録されていた所定時間分のデジタル映像データとを繋
いで、１つのデジタル映像データを得る。転送が終了し
た後、制御装置５は、デジタル映像データの出力先を主
記録装置６から補助記録装置７へ戻す。

【００１１】次に、図３と図１を参照して、補助記録装
置７および主記録装置６内でのデジタル映像データの記
録内容について説明する。まず、補助記録装置７は１秒
間デジタルデータ（１秒間分のデジタル映像データ）を
記録できる容量毎にいくつか（ｎ個）のブロックに分割
されている。補助記録装置７の前記各ブロックをそれぞ
れ７［０］、７［１］、７［２］、……、７［ｎ］と仮
に呼ぶ。補助記録装置７内では始めの１秒間に７［０］
に１秒間デジタルデータの記録を行い、次の１秒間に７
［１］に次の１秒間デジタルデータを記録するというこ
とを繰り返す。そして、７［ｎ］に１秒間デジタルデー
タの記録を行うと、次には、最初に戻って７［０］に１
秒間デジタルデータの記録を行う。これらの処理を、ス
イッチ８より記録開始信号が制御装置５に送られてデ
ジタル映像データの記録先が補助記録装置７から主記録
装置６に変更されるまで繰り返し行う。なお、補助記録
装置７における上記のブロック７［ｎ］のｎを変更する
ことで、補助記録装置７において常時記録する所定時間
を容易に変更でき、したがって、後述する遡及時間を容
易に調整できる。

【００１２】デジタル映像データの記録先が補助記録装
置７から主記録装置６に変更されると、補助記録装置７
は記録を中断し、また主記録装置６は記録を開始し、記
録容量の許す限り、デジタル映像データの記録を行
う。

【００１３】記録終了信号がスイッチ８から制御装置
５に送られると、制御装置５は主記録装置６へのデジタ
ル映像データの送信を中断し、補助記録装置７に記録
されているデジタル映像データを主記録装置６に転送す
る。主記録装置６内では、補助記録装置７より転送され
てきたデジタル映像データを主記録装置６内で記録して
いたデジタル映像データの先頭に追加し、１つの時間的
に繋がったデジタル映像データとする。そして、制御装
置５は、デジタル映像データの記録先を補助記録装置７
に戻し、補助記録装置７はデジタル映像データの記録
を再開する。なお、デジタル映像データの記録方法とし
ては、キャプチャリング等いくつかの方法が考えられ
る。

【００１４】次に、図２と図１を参照して、制御装置５
の動作の詳細について説明する。まず、制御のためのパ
ラメータ［ｉ］の初期化を行う（Ｓ１）。スイッチ８よ
り記録開始信号が送られてきたかを判別し（Ｓ２）、
送られてきていなければ補助記録装置７［ｉ］（補助記
録装置７のブロック７［ｉ］を指す）にデジタル映像デ
ータの記録を行う（Ｓ３）。補助記録装置７［ｉ］に記
録を行った後には、パラメータ［ｉ］に１を加算（Ｓ
４）し、パラメータ［ｉ］と希望遡及時間とを比較（Ｓ
５）し、パラメータ［ｉ］が希望遡及時間より大きい場
合はパラメータ［ｉ］を初期化（Ｓ１へ戻る）し、小さ
い場合にはそのまま記録開始信号の検索を行う（Ｓ２
へ戻る）。そして、記録開始信号が送られてくるまで
ステップＳ２からＳ５までの処理を繰り返す。記録開始
信号がスイッチ８より送られてきたら、デジタル映像
データの記録先を補助記録装置７から主記録装置６に変
更し（Ｓ２）、主記録装置６にて記録を行う（Ｓ７）。
そして、スイッチ８から記録終了信号が送られてくる
までステップＳ６およびＳ７の処理を繰り返す。記録終
了信号が送られてきたら補助記録装置７に記録されて
いるデジタル映像データを主記録装置６へ転送し、これ
を主記録装置６に既に記録されているデジタル映像デー
タと繋げて目的とする１つのデジタル映像データを得
る。そして、次にスイッチ８より記録開始信号が送ら
れてくるまでステップＳ２からＳ５およびＳ１までの処
理を繰り返す。

【００１５】なお、主記録装置および補助記録装置は、
必ずしもそれぞれ１つに限らず、複数設けることができ
る。また、本発明のデジタル映像記録装置における映像
信号のソースは、上述したビデオカメラに限らず、テレ
ビ、ＶＴＲ、ビデオディスク装置その他任意のアナログ
映像機器が可能であり、また、勿論デジタル映像機器を
ソースとすることもできる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、使用者の操作とは無関
係に、常時所定時間分のデジタル映像データが補助記録
装置に保存され、主記録装置による本来のデジタル映像
記録動作が終了した時点で、主記録装置に記録されたデ
ジタル映像データに繋げられて１つのまとまったデジタ
ル映像データとされるので、映像を記録しようと思った
時にタイムラグにより初期の映像を記録し損じることが
なく、希望した瞬間からの映像を記録することが可能で
ある。しかも、単に遡及映像が残っているというだけで
なく、操作後の映像データと一体のまとまった１つの映
像データが得られるので、記録しようとした使用者の希
望を十分満足させるものである。また、補助記録装置に
おいて常時記録する所定時間を調整して、遡及時間を容
易に調整でき、一層使用者の希望を満足させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のデジタル映像記録装置の概
要を入力装置および出力装置とともに示すブロック図で
ある。

【図２】図１における制御装置の処理の概要を示すフロ
ーチャートである。

【図３】図１における主記録装置および補助記録装置に
デジタル映像データが記録される時の記録範囲を説明す
る図である。

【符号の説明】

１ アナログ映像入力装置 ２ デジタル映像記録装置 ３ 出力装置 ４ Ａ／Ｄコンバータ ５ 制御装置 ６ 主記録装置 ７ 補助記録装置 ８ スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送られてくるデジタル映像信号を常時補
   助記録装置に記録するとともに所定時間経過後に消去し
   て、この補助記録装置に最新の所定時間分のみのデジタ
   ル映像データを保存する手段と、記録開始信号に応じ
   て、送られてくるデジタル映像信号を主記録装置に連続
   して記録する定常記録処理を開始すると同時に、前記補
   助記録装置での処理を中断する手段と、記録終了信号に
   応じて前記定常記録処理を中断し、次いで、前記主記録
   装置に記録されたデジタル映像データと前記補助記録装
   置に記録されたデジタル映像データとを繋いで１つのデ
   ジタル映像データとする手段とを備えたことを特徴とす
   るデジタル映像記録装置。