JPH09270299A - プラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理装置

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JPH09270299A
JPH09270299A JP8101985A JP10198596A JPH09270299A JP H09270299 A JPH09270299 A JP H09270299A JP 8101985 A JP8101985 A JP 8101985A JP 10198596 A JP10198596 A JP 10198596A JP H09270299 A JPH09270299 A JP H09270299A
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JP
Japan
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electrode
magnetic field
annular
plasma
electrodes
Prior art date
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Application number
JP8101985A
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English (en)
Inventor
Motonobu Takeya
元伸 竹谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FURONTETSUKU KK
Frontec Inc
Original Assignee
FURONTETSUKU KK
Frontec Inc
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Publication date
Application filed by FURONTETSUKU KK, Frontec Inc filed Critical FURONTETSUKU KK
Priority to JP8101985A priority Critical patent/JPH09270299A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プラズマ密度が高く、均一で大面
積なプラズマが形成でき、かつ、被処理体に対するプラ
ズマダメージの少ないプラズマ処理装置を提供する。 【解決手段】 本発明のプラズマ処理装置は、少なくと
も2つ以上の径の異なる環状電極2a,2b,2cと、
前記環状電極2a,2b,2cにより形成された電場に
対して垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを有
し、隣り合う位置に配置された前記環状電極2a,2b
に、異なる位相を有する交流電力を印加する交流電源3
a,3bが接続されたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理装置
に係る。より詳細には、プラズマ密度が高く、均一で大
面積なプラズマを形成でき、かつ、被処理体に対するプ
ラズマダメージの少ないプラズマ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンデンサ型プラズマ処理装置で
は、被処理体たとえば半導体ウェハに形成されている半
導体素子に電気的なダメージを与えてしまうという問題
点と、電極板上に載置される被処理体の配置の仕方等に
よってプラズマ処理のバラツキが生じ、良質でかつバラ
ツキ少ないプラズマCVD膜やプラズマエッチングを行
うことができないという問題点があった。
【0003】特公昭61−6536号公報では、上記2
つの問題点を解決する非晶質薄膜形成装置として、被処
理体に均一なプラズマ励起された反応ガスを供給するた
めに反応ガス供給口を被処理体上に設け、その反応ガス
供給口下に必要に応じて反応ガスを均一分布拡散させる
ガス離散作用体を介在させて、反応ガスをプラズマ励起
する複数個の円筒状のコンデンサ形電極板を設置し、こ
の電極下に被処理体を配設し、その電極によってプラズ
マ励起された反応ガスをもってプラズマ処理を行うよう
にしたコンデンサ形プラズマ処理装置が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、特公昭61−6536号公
報に記載された装置では、隣接し対向する円筒状の電極
板には単一高周波電源から電力が印加されているため、
高いプラズマ密度が得られにくかった。また、隣接し対
向する円筒状の電極板間の空隙を反応ガスが流れ、その
ガスがプラズマ励起されたのち、ガス流線分布の乱れが
ないまま被処理体に向かって流れるため、プラズマの均
一性を上げるためには、ガスの流し方を高度に制御する
必要があった。さらに、被処理体へのプラズマ入射エネ
ルギー制御も、ガスの流し方に依存することとなる。す
なわち、ガスの流し方が、プラズマの均一性とプラズマ
入射エネルギーの両方を決める因子となっているため、
大面積で均一な薄膜形成やエッチングが得られにくいと
いう問題があった。またさらに、円筒状の電極板が全て
絶縁物の棒で繋がっているため、この棒に膜が堆積して
電気的ショートが発生するという不具合もあった。
【0005】また、特公平6−70978号公報では、
被処理体に対するプラズマダメージを回避するため、反
応容器と、同反応容器内を減圧して同容器内へ反応ガス
を導入する手段と、上記反応容器内で放射状に複数枚配
置された放電用電極と、同放電用電極の隣り合うもの同
志間にグロー放電用電圧を供給する電源と、上記複数枚
の放電用電極を内包し該放電用電極間に発生された電界
と直交する向きの磁界を発生させる軸芯を有するコイル
と、同コイルに磁界発生用の電流を供給する交流電源と
を有し、上記放電用電極の端面に臨んで配置した基板の
表面へ非晶質薄膜を形成する非晶質薄膜形成装置が開示
されている。
【0006】しかしながら、特公平6−70978号公
報に記載された装置ではコイルのみで磁場を発生してい
るため、コイル内の空間に発生する磁場強度は、コイル
の中心付近が低く、コイル近傍の周辺部が高くなるため
不均一な状態となり、コイル内の空間に均一な磁場強度
分布が得られないという問題があった。また、特公平6
−70978号公報に記載された装置は円筒形基板への
成膜を対象としており、平板で大面積の基板、例えば直
径が8インチのSiウェハ基板や対角10インチのガラ
ス基板などに適応させることが困難であった。さらに、
基板をプラズマ中に配置した時のみ成膜ができ、基板を
プラズマの外に出して成膜ができないため、基板は少な
からずプラズマダメージを受けてしまうという問題点が
あった。またさらに、プラズマダメージを回避するた
め、コイルの面内空間の外で薄膜を形成しようとした場
合、上述した不均一な磁場強度分布の影響でプラズマが
不均一となるため、得られる薄膜の諸特性はバラツキを
もってしまうという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、プラズ
マ密度が高く、均一で大面積なプラズマが形成でき、被
処理体に対してプラズマダメージの少ないプラズマ処理
装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明で
は、少なくとも2つ以上の径の異なる環状電極と、前記
環状電極により形成された電場に対して垂直な方向に磁
場を形成する磁場発生手段とを有し、隣り合う位置に配
置された前記環状電極には、異なる位相を有する交流電
力を印加するため、均一でかつ高いプラズマ密度が実現
できるプラズマ処理装置がえられる。
【0009】以下、請求項1の作用に関して詳細に述べ
る。
【0010】(1)隣り合う位置に配置された径の異な
る環状電極に、異なる位相を有する交流電力を印加した
ため、環状電極間で交流放電によりプラズマを発生させ
ることができる。
【0011】(2)上記(1)で発生したプラズマ中の
荷電粒子のE×Bドリフトは、環状電極の円周方向に生
じる。その結果、E×Bドリフトによるプラズマ密度の
偏りは発生しないため、プラズマ密度を均一化すること
ができる。
【0012】(3)環状電極により形成された電場に対
して垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段を有する
ため、上記(1)で発生したプラズマ中の電子はラーマ
ー運動を起こす。このため、環状電極へ衝突して消滅す
る確率が減り、空間中の粒子と衝突して粒子をイオン化
する確率が高まる。その結果、環状電極内で高いプラズ
マ密度が実現できる。
【0013】(4)径の異なる環状電極を複数個設ける
ことで、上記(1)〜(3)の作用を有するプラズマ処
理装置を、容易に大型化できる。
【0014】請求項2に係る発明では、少なくとも1つ
以上の環状電極と、前記環状電極の中に配置された棒状
電極と、前記環状電極と前記棒状電極により形成された
電場に対して垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段
とを有し、隣り合う位置に配置された前記環状電極及び
前記棒状電極には、異なる位相を有する交流電力を印加
するため、請求項1と同様の作用が生じる。その結果、
均一でかつ高いプラズマ密度が実現できるプラズマ処理
装置がえられる。
【0015】請求項3に係る発明では、少なくとも2つ
以上の環状電極と、前記環状電極により形成された電場
に対して垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを
有し、交流電力が印加される前記環状電極と、接地して
ある前記環状電極とを交互に配置したため、全ての環状
電極に同じ位相の交流電力を投入できる。その結果、単
一の交流電源だけで、均一でかつ高いプラズマ密度を実
現できる。したがって、請求項1に比べて、安価なプラ
ズマ処理装置がえられる。
【0016】請求項4に係る発明では、少なくとも1つ
以上の環状電極と、前記環状電極の中に配置された棒状
電極と、前記環状電極と前記棒状電極により形成された
電場に対して垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段
とを有し、交流電力が印加される前記環状電極又は前記
棒状電極と、接地してある前記環状電極又は前記棒状電
極とを交互に配置したため、全ての環状電極及び棒状電
極に同じ位相の交流電力を投入できる。その結果、単一
の交流電源だけで、均一でかつ高いプラズマ密度を実現
できる。したがって、請求項2に比べて、安価なプラズ
マ処理装置がえられる。
【0017】請求項5に係る発明では、前記磁場発生手
段が、平板状の磁性体の側面周りをコイルで囲んだ構造
からなるため、磁束密度が高く、均一な磁場を形成でき
る。その結果、環状電極を挟んで磁場発生手段と反対側
の空間に、環状電極で発生したプラズマを均一に引き出
すことができる。また、磁性体の透磁率は真空の約10
4倍であるから、コイルの中に磁性体を導入すること
で、コイルに流す電流値が少なくても強い磁場が形成可
能となる。
【0018】請求項6に係る発明では、前記環状電極を
挟んで、前記磁場発生手段と反対側の空間に引出電極を
有するため、環状電極で発生したプラズマのプラズマポ
テンシャルに対して低い電位の空間を、環状電極の内部
空間の外に形成することができる。その結果、プラズマ
から被処理体に入射するイオンエネルギーが制御できる
ため、被処理体に対するイオンアシスト効果を得つつ、
被処理体に対するプラズマダメージを低減することが可
能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るプラズマ処理装置
(図1)では、グロー放電プラズマを発生させる環状電
極として3個の円筒状電極2を同心円状に配置(図2)
し、隣り合う円筒状電極(例えば、2aと2b)間に発
生する放電用電界と直交する向きに磁界を発生させた。
【0020】また、各円筒状電極には電力供給用の芯線
7を複数箇所設置し、磁性体4の側面周りにコイル5を
巻いたものを磁場発生機構として用いており、円筒状電
極を挟むように上下に配置した。上部の磁性体4には電
極と高周波電源とを結ぶ芯線を通すための貫通孔が開い
ており、磁性体4と芯線7との間には絶縁物8を設け
た。各芯線には、それぞれインピーダンス調整回路9を
接続した。
【0021】荷電粒子は放電用電界より与えられたクー
ロン力により初速を得る。さらに放電用電界と直交する
向きの磁界の作用によりローレンツ力が働き、電界と磁
界の直交する平面上でいわゆるE×Bドリフト運動を起
こす。このE×Bドリフト運動により荷電粒子が電極に
衝突せずに空間中を飛行する距離が伸びるため、空間中
の中性粒子と衝突して中性粒子をイオン化させる確率が
増す。その結果、空間中のプラズマ密度が増大する。ま
た、電極の形が円筒形であるため荷電粒子はE×Bドリ
フト運動によって円筒電極内部の円周を移動する。その
ためE×Bドリフト運動によるプラズマ密度の偏りは発
生しない。また、電極に取り付けられた複数個の芯線と
それに接続されたマッチング回路の調節により、円筒形
の電極に電力を均一に供給することを可能としているた
め、電極の周りに均一なプラズマ励起ができる。さら
に、円盤型の磁性体の側面周りをコイルで囲んだものを
磁場発生機構として用いることにより、コイル内部に発
生する磁場の強度を高めると共に、磁場の均一性も高め
る。また、上部磁性体に貫通孔を開けてマッチング回路
と電極が最短距離で接続される構造により、電力損失が
極めて少ない効率的な電力供給が可能である。さらに、
各電極に供給する電力量の調節も可能であり、円筒状電
極間でのプラズマ密度の不均一も容易に緩和できる。各
電極に供給する電力量の調節は、図3に示した様に環状
電極2a,2b,2cと芯線との接続点の数を内側の環
状電極2aより、外側の環状電極2cの方に多く設ける
ことに依り可能である。図3には、最内側の環状電極2
aに対しては2ヶ所(18a)、中位の環状電極2bに
対しては4ヶ所(18b)、最外側の環状電極2cに対
しては6ヶ所(18c)の接続点を設けた例を示した。
円筒状電極の枚数はいくらでも重ねることが可能なた
め、上記作用により大面積の高密度プラズマを均一性よ
く発生させることができる。
【0022】上記説明では、円筒状電極の間隔を均等に
配置したが、その間隔を変えて配置してもよい。特に、
同心円の内側ほど広く、外側ほど狭い配置とすること
で、電極間でのプラズマ密度の均一性の調節が一層容易
になる。また、本発明に係る円筒状電極の幅は、全て均
等にする必要はない。特に、同心円の内側ほど短く、外
側ほど長くすることで、電極間でのプラズマ密度の均一
性の調節が一層容易になる。さらに、本発明に係る円筒
状電極は、孔の開いているものを用いてもよい。電極間
でのプラズマ密度の偏りは濃度勾配による拡散作用によ
り、電極の孔を通してプラズマが移動し緩和される。
【0023】また、上記説明では、磁場発生機構として
は、反応容器の周りにコイルを巻き付けただけのもので
もよい。ただし、このときは均一で強力な磁場は得難く
なる。磁場発生機構として永久磁石を用いても構わない
が、このときは磁場強度の変更が困難となる。
【0024】さらに、上記説明では、環状電極として3
個の円筒状電極を用いて同心円状に複数個配置したが、
環状電極の設ける数は2個以上であれば、上述した環状
電極の働きがえられる。また、環状電極の形状は円筒状
に限定されるものではなく、例えば図5に示すような多
角形のものを用いても構わない。一方、図6に示すよう
に少なくとも1つ以上の径の異なる環状電極2g,2h
と、前記環状電極2g,2hの中に配置された棒状電極
16とを用いた場合も、上述した環状電極の働きがえら
れる。
【0025】またさらに図4および図5に示したよう
に、交流電力が印加される前記環状電極2a,2b,2
c,2d,2e,2fと、接地してある前記環状電極1
5a,15b,15c,15d,15e,15f,15
g,15hとを交互に配置したり、交流電力が印加され
る前記環状電極又は前記棒状電極と、接地してある前記
環状電極又は前記棒状電極とを交互に配置することで、
単一の交流電源だけで、均一でかつ高いプラズマ密度が
えられるためより好ましい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を図1〜図3に示す一実施例の
装置に基づき説明する。
【0027】反応容器1の中には、グロー放電を発生さ
せるための径の異なる3個の円筒状電極2a〜2cが同
心円状に配置されている。平らな円盤型の磁性体4が、
反応容器1の外部に円筒状電極2a〜2cを挟むように
設置してあり、磁性体4の周りにはコイル5が巻かれて
いる。コイル5は、直流電源6に接続されている。
【0028】一方の磁性体4には、円筒状電極2の芯線
7を通すための孔が開いており、芯線7にはインピーダ
ンス調節回路9を介して、円筒状電極2a〜2cへ電力
を供給するための高周波電源3a〜3cが接続されてい
る。このとき、少なくとも隣り合う円筒状電極2には位
相の異なる交流電力を印加する必要がある。本例では、
交流電源として周波数が13.56MHzの高周波電源
3a〜3cを用い、高周波電源3bの位相を高周波電源
3a及び3cの位相に対して180度ずらした。円筒状
電極2a〜2cには複数個のインピーダンス調節回路9
が設けてあるが、同一電極上のインピーダンス調節回路
9に対して1台の割合で高周波電源3a〜3cを接続し
た。但し、高周波電源3の代わりに、例えば低周波の交
流電源を用いても構わない。直流電源を用いた場合は、
上記位相の問題は考慮しなくてもよい。
【0029】反応容器1の中で、円筒状電極2と対向す
る他方の磁性体4側には、被処理体12を載せる電極1
3が設けてあり、電極13は不図示の高周波電源に接続
した。
【0030】反応ガス導入管10は、同心円状に配置さ
れている円筒状電極2a〜2cの中心位置に設けた。反
応ガス導入管10は、反応容器1の中に、水素・アルゴ
ン・キセノン等の反応ガスを供給するものである。反応
容器1の中を減圧するため、真空ポンプ11を設けた。
【0031】真空ポンプ11を駆動して反応容器1の中
を減圧した後、反応ガス導入管10を通して、アルゴン
ガスを導入し、反応容器1の内圧を10mTorrに保
った。反応容器1の内圧はグロー放電が発生する圧力範
囲であれば幾らでも構わないが、0.01Torr〜5
Torrの範囲に設定することが望ましい。
【0032】次に、円筒状電極2a〜2cの間にグロー
放電を発生させるため、高周波電源3a〜3cから電圧
を印加した。高周波電源の周波数は、適宜選択できる。
周波数が高くなる程、一般に円筒状電極2に電力が入り
難くなるという特徴はあるが、本例では、電力印加用の
芯線7を複数箇所設け、それぞれの芯線7にインピーダ
ンス調整回路9を設けたことにより、円筒状電極2に均
一に高周波電力を印加できるようになった。さらに、磁
性体4に孔を開けて円筒状電極2とインピーダンス調整
回路9を結ぶ芯線7の距離を最短としたことにより、電
力損失の極めて少ない高周波電力の印加を可能とした。
これらの工夫により、円筒状電極内でプラズマ密度がの
ほぼ均一なプラズマ14を発生させることができた(約
3×1010cm-3)。
【0033】一方、本例では円筒状電極の間隔を等しく
作製したため、各電極に供給する電力量を等しくした場
合、内側の円筒状電極ほどプラズマ密度が高くなった
が、これに対しては、円筒状電極への電力供給量を内側
の円筒状電極では小さくし、外側の円筒状電極ほど電力
供給量を大きくして、全体的にプラズマ密度が均一にな
るように調節することが可能である。
【0034】本例では、磁性体4にはフェライト磁性体
を用い、磁性体4を囲むコイル5に接続した直流電源に
は0〜10Aの電流を流して磁場の強度を変化させた。
磁性体4の影響により、コイル5の内部には均一かつ、
真空の場合に比べて約1万倍強力な磁場を発生させるこ
とができる。このようにして、円筒状電極間に発生する
電界Eに直交する磁界Bを発生させた。なお、このとき
の磁界の強度は、コイルの電流値を調節することによ
り、0〜0.5Tまで変化させることができた。
【0035】アルゴンイオン及び電子等の荷電粒子は、
電界Eによるクーロン力[F1=qE]と、磁界Bの作
用によるローレンツ力[F2=q(vxB)]によっ
て、いわゆるE×Bドリフト運動を起こし、円筒状電極
に沿って移動する。この移動によって、荷電粒子と中性
粒子の衝突によるイオン化の確率が増大し、円筒状電極
間のプラズマ密度を増加させる。
【0036】荷電粒子はE×Bドリフトにより円筒状電
極に沿った円周上を移動すること、及び、磁界がコイル
内のほぼ全領域で均一であることにより、磁界によるプ
ラズマ密度の不均一を生じることなく、プラズマ密度を
増大させることができた(約1×1012cm-3)。
【0037】本例で用いた円筒状電極で最も外側にある
ものの直径は30cmであり、円の内側全領域で均一な
プラズマを生成させることができた。円筒状電極はその
枚数を重ねることによりいくらでも拡張でき、磁場の拡
張も容易なため、均一で高密度な大面積のプラズマを発
生させることができる。
【0038】また、図4に示すように、図1〜図3で説
明した高周波電力を印加する円筒状電極2a〜2cを挟
む位置に、新たに接地電位にある円筒状電極15a〜1
5dを設けた電極配置とした場合、高周波電力を印加す
る各円筒状電極には、同一の高周波電源3を結び、各円
筒状電極間に安定したプラズマを発生させることができ
る。したがって、必要な高周波電源の台数を減らすこと
ができるため安価で、かつ、高周波電力の制御も容易な
プラズマ処理装置がえられた。
【0039】さらに、図1に示した2つの磁場発生機構
の間に引出電極17を設けた場合(図7)、環状電極で
発生したプラズマのプラズマポテンシャルに対して低い
電位の空間を、環状電極の内部空間の外に形成すること
ができた。その結果、プラズマから被処理体に入射する
イオンエネルギーが制御できるため、被処理体に対する
イオンアシスト効果を得つつ、被処理体に対するプラズ
マダメージを低減できた。これにより、良質のアモルフ
ァスシリコン膜等を低温で成膜可能となる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るプラ
ズマ処理装置によれば、プラズマ密度が高く、均一で大
面積なプラズマが形成でき、かつ、被処理体に対してプ
ラズマダメージの少ないプラズマ処理ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、環状電極として円筒状電極を用
い、円筒状電極を交流電源に接続したプラズマ処理装置
の模式的な断面図である。
【図2】図1に示した円筒状電極の斜視図である。
【図3】図1に示した円筒状電極の模式的な平面図であ
る。
【図4】図1に示した円筒状電極を挟む位置に、アース
電位にある円筒状電極を設けた場合の模式的な平面図で
ある。
【図5】多角形からなる環状電極の配置を示す模式的な
平面図である。
【図6】環状電極と棒状電極の配置を示す模式的な平面
図である。
【図7】図1のプラズマ処理装置に引出電極を設けた状
態を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 反応容器、 2 高周波電力を印加する環状電極、 3 高周波電源、 4 磁性体、 5 コイル、 6 直流電源、 7 芯線、 8 絶縁物、 9 インピーダンス調整回路、 10 反応ガス導入管、 11 真空ポンプ、 12 被処理体、 13 電極、 14 プラズマ発生領域、 15 アース電位にある環状電極、 16 棒状電極、 17 引出電極、 18 環状電極と芯線との接続点。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つ以上の径の異なる環状電
    極と、前記環状電極により形成された電場に対して垂直
    な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを有し、隣り合
    う位置に配置された前記環状電極に、異なる位相を有す
    る交流電力を印加する交流電源が接続されたことを特徴
    とするプラズマ処理装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つ以上の径の異なる環状電
    極と、前記環状電極の中に配置された棒状電極と、前記
    環状電極と前記棒状電極により形成された電場に対して
    垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを有し、隣
    り合う位置に配置された前記環状電極及び前記棒状電極
    に、異なる位相を有する交流電力を印加する交流電源が
    接続されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも2つ以上の径の異なる環状電
    極と、前記環状電極により形成された電場に対して垂直
    な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを有し、前記環
    状電極に、交流電力を印加する交流電源と接地とが交互
    に接続されたことを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つ以上の径の異なる環状電
    極と、前記環状電極の中に配置された棒状電極と、前記
    環状電極と前記棒状電極により形成された電場に対して
    垂直な方向に磁場を形成する磁場発生手段とを有し、前
    記環状電極と前記棒状電極とに、交流電力を印加する交
    流電源と接地とが交互に接続されたことを特徴とするプ
    ラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 前記磁場発生手段が、平板状の磁性体の
    側面周りをコイルで囲んだ構造からなることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラズマ処理
    装置。
  6. 【請求項6】 前記環状電極を挟んで、前記磁場発生手
    段と反対側の空間に引出電極を有することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラズマ処理装
    置。
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