JPH09269302A - マイクロ波による誘電率測定方法 - Google Patents
マイクロ波による誘電率測定方法Info
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- JPH09269302A JPH09269302A JP10395496A JP10395496A JPH09269302A JP H09269302 A JPH09269302 A JP H09269302A JP 10395496 A JP10395496 A JP 10395496A JP 10395496 A JP10395496 A JP 10395496A JP H09269302 A JPH09269302 A JP H09269302A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試料挿入部のギャップによるマイクロ波電界
の乱れに伴なう共振周波数のずれを補正する。 【解決手段】 装置定数γを γ=f1−(bC/td){(f1−f2)/(ε'−1)} として計算する。ε'はギャップのない基準器を用いて
誘電率の真値、f1,f2はギャップをもつ実機でのブラ
ンクと試料の共振周波数測定値である。その装置定数γ
を用い、実機で未知試料の共振周波数f1,f2を測定
し、誘電率ε'を ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/(f1−γ)} として計算する。
の乱れに伴なう共振周波数のずれを補正する。 【解決手段】 装置定数γを γ=f1−(bC/td){(f1−f2)/(ε'−1)} として計算する。ε'はギャップのない基準器を用いて
誘電率の真値、f1,f2はギャップをもつ実機でのブラ
ンクと試料の共振周波数測定値である。その装置定数γ
を用い、実機で未知試料の共振周波数f1,f2を測定
し、誘電率ε'を ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/(f1−γ)} として計算する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は方形導波管の長軸方
向に垂直な方向にギャップを設けたマイクロ波空洞共振
器を備え、そのギャップに試料のシート状物質を挿入
し、摂動理論によりその試料の誘電率を測定する誘電率
測定装置を用いた測定方法に関するものである。
向に垂直な方向にギャップを設けたマイクロ波空洞共振
器を備え、そのギャップに試料のシート状物質を挿入
し、摂動理論によりその試料の誘電率を測定する誘電率
測定装置を用いた測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】方形導波管を備えたマイクロ波空洞共振
器の中に誘電体を挿入し、試料の挿入前後における共振
周波数の差から誘電体の誘電率を求める方法がある。そ
の方法はバルクな形状の試料の測定には適しているが、
シート状物質の測定には適さない。
器の中に誘電体を挿入し、試料の挿入前後における共振
周波数の差から誘電体の誘電率を求める方法がある。そ
の方法はバルクな形状の試料の測定には適しているが、
シート状物質の測定には適さない。
【0003】円形導波管を備えたマイクロ波空洞共振器
もあるが、シート状物質の面内方向での異方性を測定す
ることができない。シート状物質の面内方向での異方性
を測定するためには、方形導波管を用い、シート状試料
を面内で回転できるようにしなければならない。そのた
めに、方形導波管の長軸方向に垂直な方向にギャップ
(スリット)を設けたマイクロ波空洞共振器を備え、そ
のギャップに試料のシート状物質を挿入し、摂動理論に
よりその試料の誘電率を測定するようにした誘電率測定
装置が提案されている。
もあるが、シート状物質の面内方向での異方性を測定す
ることができない。シート状物質の面内方向での異方性
を測定するためには、方形導波管を用い、シート状試料
を面内で回転できるようにしなければならない。そのた
めに、方形導波管の長軸方向に垂直な方向にギャップ
(スリット)を設けたマイクロ波空洞共振器を備え、そ
のギャップに試料のシート状物質を挿入し、摂動理論に
よりその試料の誘電率を測定するようにした誘電率測定
装置が提案されている。
【0004】図3(B)に、そのようなギャップをもつ
マイクロ波空洞共振器を概略的に示す。一端部(右端
部)にマイクロ波導入部、他端部(左端部)にマイクロ
波検知部を備え、その両端部間が一定の電界振動方向を
持つ、長さがともにx0/2の導波管2a,2bにてな
るマイクロ波共振器2となっている。共振器2には定在
波の腹部の位置で共振器の軸線を垂直方向に横断する方
向にギャップxのスリット4が設けられている。そのス
リット4に試料を配置し、マイクロ波導入部からアイリ
ス6を経てマイクロ波を導入し、他方のアイリス8から
取出したマイクロ波をマイクロ波検知部により検出す
る。マイクロ波導入部側のアイリス6からマイクロ波検
出器側のアイリス8までの距離x0+xが共振器長さと
なる。
マイクロ波空洞共振器を概略的に示す。一端部(右端
部)にマイクロ波導入部、他端部(左端部)にマイクロ
波検知部を備え、その両端部間が一定の電界振動方向を
持つ、長さがともにx0/2の導波管2a,2bにてな
るマイクロ波共振器2となっている。共振器2には定在
波の腹部の位置で共振器の軸線を垂直方向に横断する方
向にギャップxのスリット4が設けられている。そのス
リット4に試料を配置し、マイクロ波導入部からアイリ
ス6を経てマイクロ波を導入し、他方のアイリス8から
取出したマイクロ波をマイクロ波検知部により検出す
る。マイクロ波導入部側のアイリス6からマイクロ波検
出器側のアイリス8までの距離x0+xが共振器長さと
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ギャップを設けた共振
器の場合、そのギャップによる共振周波数の変化を考慮
しなければ測定精度や機能を向上させることはできな
い。しかし、そのような共振周波数を補正する方法につ
いて具体的には提案されていない。本発明はギャップを
設けた共振器を用いて誘電率を測定する場合に、その試
料挿入部のギャップによるマイクロ波電界の乱れに伴な
う共振周波数のずれを補正することにより誘電率測定の
精度の向上を図ることを目的とするものである。
器の場合、そのギャップによる共振周波数の変化を考慮
しなければ測定精度や機能を向上させることはできな
い。しかし、そのような共振周波数を補正する方法につ
いて具体的には提案されていない。本発明はギャップを
設けた共振器を用いて誘電率を測定する場合に、その試
料挿入部のギャップによるマイクロ波電界の乱れに伴な
う共振周波数のずれを補正することにより誘電率測定の
精度の向上を図ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法で
は、ギャップの大きさを異ならせた場合の共振周波数
を、種々の誘電率の誘電体試料で測定し、計算による理
論周波数との違いを基にして、ギャップ0に外插した共
振周波数と実機で用いる特定のギャップにした場合の共
振周波数測定値との変換式を導く。そして、ギャップの
ある場合に測定した共振周波数から結果的にギャップな
しの場合の共振周波数を算出することにより、誘電率の
測定精度向上を図る。
は、ギャップの大きさを異ならせた場合の共振周波数
を、種々の誘電率の誘電体試料で測定し、計算による理
論周波数との違いを基にして、ギャップ0に外插した共
振周波数と実機で用いる特定のギャップにした場合の共
振周波数測定値との変換式を導く。そして、ギャップの
ある場合に測定した共振周波数から結果的にギャップな
しの場合の共振周波数を算出することにより、誘電率の
測定精度向上を図る。
【0007】具体的には図1及び図2のフローチャート
で示される手順で測定を行なう。 (相関関係の導出(図1)) (A)ギャップの大きさxを複数種類に異ならせ、各ギ
ャップの大きさxでの試料を挿入しないブランク状態及
び誘電率の異なる複数の各試料を挿入した状態での共振
周波数fmを測定し、各ギャップでの共振器長さ(xo
+x)における共振周波数の計算値foとの差Y(=fo
−fm)を求める。 fo=(c/2){1/a2+(L/(xo+x))2}1/2 (1) c:光の速度 a:導波管の長軸方向に垂直な断面における長辺内寸法 L:共振器内での振動モード xo:共振器長(図3(B)ではアイリス間距離(xo+
x))からギャップの大きさxを引いたもの
で示される手順で測定を行なう。 (相関関係の導出(図1)) (A)ギャップの大きさxを複数種類に異ならせ、各ギ
ャップの大きさxでの試料を挿入しないブランク状態及
び誘電率の異なる複数の各試料を挿入した状態での共振
周波数fmを測定し、各ギャップでの共振器長さ(xo
+x)における共振周波数の計算値foとの差Y(=fo
−fm)を求める。 fo=(c/2){1/a2+(L/(xo+x))2}1/2 (1) c:光の速度 a:導波管の長軸方向に垂直な断面における長辺内寸法 L:共振器内での振動モード xo:共振器長(図3(B)ではアイリス間距離(xo+
x))からギャップの大きさxを引いたもの
【0008】(B)ブランク及び各試料のYについて、
図4(A)に示されるように、ギャップの大きさxを0
に外插したときの値wを求める。w=fo(x=o)−f
m'で、fm'はfmのx=0への外插値である。
図4(A)に示されるように、ギャップの大きさxを0
に外插したときの値wを求める。w=fo(x=o)−f
m'で、fm'はfmのx=0への外插値である。
【0009】(C)ブランク及び各試料のwとΔfとの
相関関係 w=A+B・Δf (2) (A,Bは定数)を求める。Δfは実機におけるギャッ
プの大きさXでの(fo−fm)である。この相関関係
は図4(B)に示されるようになる。
相関関係 w=A+B・Δf (2) (A,Bは定数)を求める。Δfは実機におけるギャッ
プの大きさXでの(fo−fm)である。この相関関係
は図4(B)に示されるようになる。
【0010】(未知試料の誘電率測定(図2)) (D)ギャップの大きさXをもつ実機でブランク測定及
び未知試料測定を行ない、共振周波数fi(i=1,2
で、i=1はブランク測定時、i=2は未知試料測定時で
ある)を測定し、Δfi(=fo−fiで、(2)式での
Δfのことである)を求める。foは(1)式でx=X
とおいて計算する。 (E)ステップ(C)で求められた相関関係((2)
式)を用いて、Δfiに対応するwiを求める。
び未知試料測定を行ない、共振周波数fi(i=1,2
で、i=1はブランク測定時、i=2は未知試料測定時で
ある)を測定し、Δfi(=fo−fiで、(2)式での
Δfのことである)を求める。foは(1)式でx=X
とおいて計算する。 (E)ステップ(C)で求められた相関関係((2)
式)を用いて、Δfiに対応するwiを求める。
【0011】(F)従来の誘電率ε'の計算式は次の
(3)式で表わされる。 ε'=1+((xo+X)/t)((f1−f2)/f1) (3) (3)式の補正として、f1,f2の代りに、x=0にお
けるε'はf1',f2'を用いると、次の(4)式とな
る。 ε'=1+(xo/t)((f1'−f2')/f1') (4) したがって、ギャップXの実機での測定値f1,f2を知
って、ギャップx=0のときのf1',f2'が求まればよ
い。 wi=f(x=0)−fi' であるから、補正された共振周波数fi'は fi'=fo(x=0)−wi =(c/2){1/a2+(L/xo)2}1/2−wi (5) となる。このfi'を計算する。
(3)式で表わされる。 ε'=1+((xo+X)/t)((f1−f2)/f1) (3) (3)式の補正として、f1,f2の代りに、x=0にお
けるε'はf1',f2'を用いると、次の(4)式とな
る。 ε'=1+(xo/t)((f1'−f2')/f1') (4) したがって、ギャップXの実機での測定値f1,f2を知
って、ギャップx=0のときのf1',f2'が求まればよ
い。 wi=f(x=0)−fi' であるから、補正された共振周波数fi'は fi'=fo(x=0)−wi =(c/2){1/a2+(L/xo)2}1/2−wi (5) となる。このfi'を計算する。
【0012】(G)補正された共振周波数fi'を用い、
誘電率ε'を(4)式を用いて計算する。なお、ここ
で、(5)式のwiに(2)式の関係を代入すると、 fi'=fo(x=0)−{A+BΔf} =fo(x=0)−A−B{fo(x=X)−fi} =αfi−β (6) (α,βは定数)の形になる。
誘電率ε'を(4)式を用いて計算する。なお、ここ
で、(5)式のwiに(2)式の関係を代入すると、 fi'=fo(x=0)−{A+BΔf} =fo(x=0)−A−B{fo(x=X)−fi} =αfi−β (6) (α,βは定数)の形になる。
【0013】本発明の第2の方法は、(6)式で与えら
れたfi'(x=0での共振周波数)とfi(x=Xでの
実測値)との関係を用いて実機での装置関数γを求める
方法である。具体的には、図5及び図6のフローチャー
トに示される手順で測定を行なう。
れたfi'(x=0での共振周波数)とfi(x=Xでの
実測値)との関係を用いて実機での装置関数γを求める
方法である。具体的には、図5及び図6のフローチャー
トに示される手順で測定を行なう。
【0014】(A)ギャップのないマイクロ波空洞共振
器の基準器を用いて標準試料を測定し、誘電率ε'(真
値)を求める。 ε'=1+(bC/td){(f1'−f2')/f1'} (7) b:導波管の短辺内寸法 C:共振器長(アイリス間の距離) t:試料の厚さ d:試料の幅 f1':ブランク測定時の共振周波数 f2':標準試料測定時の共振周波数
器の基準器を用いて標準試料を測定し、誘電率ε'(真
値)を求める。 ε'=1+(bC/td){(f1'−f2')/f1'} (7) b:導波管の短辺内寸法 C:共振器長(アイリス間の距離) t:試料の厚さ d:試料の幅 f1':ブランク測定時の共振周波数 f2':標準試料測定時の共振周波数
【0015】(B)ギャップのある実機で同じ標準試料
を用いてf1,f2を測定する。実測値f1,f2とx=0
における補正値f1',f2'との間には(6)式の関係が
あるので、、(7)式にこの関係を代入すると、 ε'=1+(bC/td)[{(αf1-β)-(αf2-β)}/(αf1-β)] =1+(bC/td){(f1-f2)/(f1-γ)} (8) (ただし、γ=β/α)となる。γは装置定数である。
を用いてf1,f2を測定する。実測値f1,f2とx=0
における補正値f1',f2'との間には(6)式の関係が
あるので、、(7)式にこの関係を代入すると、 ε'=1+(bC/td)[{(αf1-β)-(αf2-β)}/(αf1-β)] =1+(bC/td){(f1-f2)/(f1-γ)} (8) (ただし、γ=β/α)となる。γは装置定数である。
【0016】(C)(8)式から、装置定数γを γ=f1−(bC/td){(f1−f2)/(ε'−1)} (9) として計算する。ここで、ε'はステップ(A)で求め
た真値 f1,f2はステップ(B)で求めた実機での測定値であ
る。
た真値 f1,f2はステップ(B)で求めた実機での測定値であ
る。
【0017】(D)装置定数γを求めた実機で未知試料
の共振周波数f1,f2を測定する。 (E)誘電率ε'を ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/(f1−γ)} (10) として計算する。ここで、f1,f2はステップ(D)で
求めた実機での未知試料の測定値、γはステップ(C)
で求めた装置定数である。
の共振周波数f1,f2を測定する。 (E)誘電率ε'を ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/(f1−γ)} (10) として計算する。ここで、f1,f2はステップ(D)で
求めた実機での未知試料の測定値、γはステップ(C)
で求めた装置定数である。
【0018】
(第1の発明の実施例)第1の発明において、図1のフ
ローチャートに従って種々の誘電率をもつシート状試料
を測定し、wとΔf(x=4mm)との相関関係を求め
ると、 w=0.840722+1.09379Δf となった。その相関係数は0.99932であり、よい
相関関係を示している。スリットのギャップが4mmの
実機に対して、この相関関係を用い、図2のフローチャ
ートに従って未知試料を測定し、その誘電率ε'を求め
た。
ローチャートに従って種々の誘電率をもつシート状試料
を測定し、wとΔf(x=4mm)との相関関係を求め
ると、 w=0.840722+1.09379Δf となった。その相関係数は0.99932であり、よい
相関関係を示している。スリットのギャップが4mmの
実機に対して、この相関関係を用い、図2のフローチャ
ートに従って未知試料を測定し、その誘電率ε'を求め
た。
【0019】(第2発明の実施例)実機の装置定数γを
図5のフローチャートに従って求める。実機はギャップ
が4mmのスリットを備えたマイクロ波空洞共振器であ
り、図3(B)に概略的に示されるものである。まず、
図3(A)に概略的に示されるギャップのないマイクロ
波空洞共振器の基準器12を用いて標準試料を測定す
る。その基準器12は、実機と同じ共振器長を(x+x
o)もっており、中央に試料を挿入するスリット14が
設けられている。そのスリット14は実機のスリット4
のようなギャップではなく、一体の共振器12の上面と
下面間で貫通する穴であり、共振器12の側面にはスリ
ットは設けられていない。
図5のフローチャートに従って求める。実機はギャップ
が4mmのスリットを備えたマイクロ波空洞共振器であ
り、図3(B)に概略的に示されるものである。まず、
図3(A)に概略的に示されるギャップのないマイクロ
波空洞共振器の基準器12を用いて標準試料を測定す
る。その基準器12は、実機と同じ共振器長を(x+x
o)もっており、中央に試料を挿入するスリット14が
設けられている。そのスリット14は実機のスリット4
のようなギャップではなく、一体の共振器12の上面と
下面間で貫通する穴であり、共振器12の側面にはスリ
ットは設けられていない。
【0020】その基準器12を用いて、幅が26mmの
次の各標準試料を測定し、(7)式に基づいて誘電率
ε'(真値)を求めた結果は次の通りであった。 標準試料 ε' 100T60 3.210 NF0100 2.045 PI(ポリイミド) 3.473
次の各標準試料を測定し、(7)式に基づいて誘電率
ε'(真値)を求めた結果は次の通りであった。 標準試料 ε' 100T60 3.210 NF0100 2.045 PI(ポリイミド) 3.473
【0021】次に、ギャップが4mmのスリットを備え
た実機を同じ標準試料を測定する。ただし、実機で測定
する標準試料の大きさは100mm×100mmで、ス
リット4からはみ出す大きさとした。標準試料測定時の
共振周波数f2とブランク測定時の共振周波数f1は次の
通りであった。 標準試料 f1又はf2 100T60 3983.285 NF0100 3986.272 PI 3985.715 ブランク 3988.841
た実機を同じ標準試料を測定する。ただし、実機で測定
する標準試料の大きさは100mm×100mmで、ス
リット4からはみ出す大きさとした。標準試料測定時の
共振周波数f2とブランク測定時の共振周波数f1は次の
通りであった。 標準試料 f1又はf2 100T60 3983.285 NF0100 3986.272 PI 3985.715 ブランク 3988.841
【0022】これらの結果に基づいて、装置定数γを
(9)式により計算した結果、次の通りになった。 γ(100T60)=282.637 γ(NF0100)=472.946 γ(PI) =264.347 これらの平均値を採ると、 γ=339.977 となった。
(9)式により計算した結果、次の通りになった。 γ(100T60)=282.637 γ(NF0100)=472.946 γ(PI) =264.347 これらの平均値を採ると、 γ=339.977 となった。
【0023】この装置定数γと、実機での標準試料の共
振周波数f1,f2とを用い、(10)式により誘電率
ε'を再計算してみると、次のようになった。 試料 再計算値ε' 真値ε' 100T60 3.245 3.210 NF0100 2.007 2.045 PI(ポリイミド) 3.542 3.473 求めた装置定数γを用い、実機で測定した誘電率ε'
(再計算値)と基準器を用いて測定した真値ε'との間
でよい一致がみられることから、この発明の有効性が窺
われる。
振周波数f1,f2とを用い、(10)式により誘電率
ε'を再計算してみると、次のようになった。 試料 再計算値ε' 真値ε' 100T60 3.245 3.210 NF0100 2.007 2.045 PI(ポリイミド) 3.542 3.473 求めた装置定数γを用い、実機で測定した誘電率ε'
(再計算値)と基準器を用いて測定した真値ε'との間
でよい一致がみられることから、この発明の有効性が窺
われる。
【0024】ここでは、複数の標準試料について求めた
装置定数の平均値を使用しているが、複数の標準試料に
応じて複数の装置定数を用意しておき、未知試料の材質
に近い標準試料の装置定数を選択して使用するようにし
てもよい。以上各実施例は、(2)式の関係を一次式で
近似した例を説明したが、(2)式を二次以上の式や他
の適当な関数で近似することもできる。ただし、一次式
以外の関数で近似した場合には、以降の処理が幾らか煩
雑になる。
装置定数の平均値を使用しているが、複数の標準試料に
応じて複数の装置定数を用意しておき、未知試料の材質
に近い標準試料の装置定数を選択して使用するようにし
てもよい。以上各実施例は、(2)式の関係を一次式で
近似した例を説明したが、(2)式を二次以上の式や他
の適当な関数で近似することもできる。ただし、一次式
以外の関数で近似した場合には、以降の処理が幾らか煩
雑になる。
【0025】
【発明の効果】本発明では、方形導波管の長軸方向に垂
直な方向に試料挿入用のギャップを設けたマイクロ波空
洞共振器を備えた誘電率測定装置を用いた測定方法にお
いて、そのギャップによるマイクロ波電界の乱れに伴な
う共振周波数のずれを、ギャップを0に外插する方法に
より、又は装置定数を求める方法により補正するように
したので、誘電率測定の精度を向上させることができる
ようになる。
直な方向に試料挿入用のギャップを設けたマイクロ波空
洞共振器を備えた誘電率測定装置を用いた測定方法にお
いて、そのギャップによるマイクロ波電界の乱れに伴な
う共振周波数のずれを、ギャップを0に外插する方法に
より、又は装置定数を求める方法により補正するように
したので、誘電率測定の精度を向上させることができる
ようになる。
【図1】第1の発明において相関関係を導出する手順を
示すフローチャート図である。
示すフローチャート図である。
【図2】第1の発明において未知試料の誘電率を測定す
る手順を示すフローチャート図である。
る手順を示すフローチャート図である。
【図3】マイクロ波空洞共振器を示す概略斜視図であ
り、(A)はギャップをもたない基準器、(B)はギャ
ップをもつ実機である。
り、(A)はギャップをもたない基準器、(B)はギャ
ップをもつ実機である。
【図4】第1の発明を説明する図であり、(A)はギャ
ップxを0に外插してwを求める過程を示す図、(B)
はwとΔfの相関関係を示す図である。
ップxを0に外插してwを求める過程を示す図、(B)
はwとΔfの相関関係を示す図である。
【図5】第2の発明において装置定数を求める手順を示
すフローチャート図である。
すフローチャート図である。
【図6】第2の発明において未知試料の誘電率を測定す
る手順を示すフローチャート図である。
る手順を示すフローチャート図である。
2,12 共振器 2a,2b 導波管 4 ギャップをもつスリット 6,8 アイリス 14 スリット
Claims (2)
- 【請求項1】 方形導波管の長軸方向に垂直な方向にギ
ャップを設けたマイクロ波空洞共振器を備え、そのギャ
ップに試料のシート状物質を挿入し、摂動理論によりそ
の試料の誘電率を測定する誘電率測定装置を用いた測定
方法において、次のステップ(A)から(G)を備えて
前記ギャップによる影響を補正して試料の誘電率を測定
する方法。 (A)ギャップの大きさxを複数種類に異ならせ、各ギ
ャップの大きさxでの試料を挿入しないブランク状態及
び誘電率の異なる複数の各試料を挿入した状態での共振
周波数fmを測定し、各ギャップでの共振器長さ(xo
+x)における共振周波数の計算値foとの差Y(=fo
−fm)を求めるステップ。 fo=(c/2){1/a2+(L/(xo+x))2}1/2 c:光の速度 a:導波管の長軸方向に垂直な断面における長辺内寸法 L:共振器内での振動モード xo:共振器長(アイリス間の距離)からギャップの大
きさxをひいたもの (B)ブランク及び各試料のYについて、ギャップの大
きさxを0に外插したときの値wを求めるステップ。 (C)ブランク及び各試料のwとΔfとの相関関係 w=A+B・Δf (A,Bは定数) を求めるステップ。Δfは実機におけるギャップの大き
さXでの(fo−fm)である。 (D)ギャップの大きさXをもつ実機でブランク測定及
び未知試料測定を行ない、共振周波数fi(i=1,2
で、i=1はブランク測定時、i=2は未知試料測定時
である)を測定し、Δfi(=fo−fi)を求めるス
テップ。 (E)ステップ(C)で求められた相関関係を用いて、
Δfiに対応するwi(i=1はブランク測定時、i=
2は未知試料測定時のwである)を求めるステップ。 (F)補正された共振周波数fi'を fi'=fo(x=0)−wi =(c/2){1/a2+(L/xo)2}1/2−wi として計算するステップ。 (G)補正された共振周波数fi'を用いて誘電率ε'を ε'=1+(xo/t){(f1'−f2')/f1'} として計算するステップ。 - 【請求項2】 方形導波管の長軸方向に垂直な方向にギ
ャップを設けたマイクロ波空洞共振器を備え、そのギャ
ップに試料のシート状物質を挿入し、摂動理論によりそ
の試料の誘電率を測定する誘電率測定装置を用いた測定
方法において、次のステップ(A)から(E)を備えて
前記ギャップによる影響を補正して試料の誘電率を測定
する方法。 (A)ギャップのないマイクロ波空洞共振器の基準器を
用いて標準試料を測定し、誘電率ε'(真値)を求める
ステップ。 ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/f1} b:導波管の長軸方向に垂直な断面における短辺内寸法 C:共振器長(アイリス間の距離) t:試料の厚さ d:試料の幅 f1:ブランク測定時の共振周波数 f2:標準試料測定時の共振周波数 (B)ギャップのある実機で同じ標準試料を用いて
f1,f2を測定するステップ。 (C)装置定数γを γ=f1−(bC/td){(f1−f2)/(ε'−1)} として計算するステップ。ここで、ε'はステップ
(A)で求めた真値 f1,f2はステップ(B)で求めた実機での測定値であ
る。 (D)装置定数γを求めた実機で未知試料の共振周波数
f1,f2を測定するステップ。 (E)誘電率ε'を ε'=1+(bC/td){(f1−f2)/(f1−γ)} として計算するステップ。ここで、f1,f2はステップ
(D)で求めた実機での未知試料の測定値、γはステッ
プ(C)で求めた装置定数である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10395496A JPH09269302A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | マイクロ波による誘電率測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10395496A JPH09269302A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | マイクロ波による誘電率測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09269302A true JPH09269302A (ja) | 1997-10-14 |
Family
ID=14367812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10395496A Pending JPH09269302A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | マイクロ波による誘電率測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09269302A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011095204A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Oji Paper Co Ltd | 配向測定装置 |
KR101324616B1 (ko) * | 2012-11-19 | 2013-11-01 | 한국표준과학연구원 | 유전율 측정을 위한 공진기 장치 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP10395496A patent/JPH09269302A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011095204A (ja) * | 2009-11-02 | 2011-05-12 | Oji Paper Co Ltd | 配向測定装置 |
KR101324616B1 (ko) * | 2012-11-19 | 2013-11-01 | 한국표준과학연구원 | 유전율 측정을 위한 공진기 장치 |
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