JPH09268A - 新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質、その製造法および用途 - Google Patents

新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質、その製造法および用途

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JPH09268A
JPH09268A JP7224544A JP22454495A JPH09268A JP H09268 A JPH09268 A JP H09268A JP 7224544 A JP7224544 A JP 7224544A JP 22454495 A JP22454495 A JP 22454495A JP H09268 A JPH09268 A JP H09268A
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JP
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protein
seq
dna
sequence represented
coupled receptor
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JP7224544A
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English (en)
Inventor
Kuniji Hinuma
州司 日沼
Masaki Hosoya
昌樹 細谷
Akira Fujii
亮 藤井
Tetsuya Otaki
徹也 大瀧
Masashi Fukuzumi
昌司 福住
Kazuhiro Ooyoshi
和宏 大儀
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNA断片のスクリーニングに有用なDNAプライマ
ー、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質、その製造法
および用途の提供。 【解決手段】ヒト下垂体、扁桃核などおよびマウス膵臓
由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、
該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチド、該
蛋白質をコードするDNA、該蛋白質の製造法、該蛋白
質に対するリガンドの決定方法、リガンドと該レセプタ
ー蛋白質との結合を阻害する化合物のスクリーニング方
法またはスクリーニング用キット、該スクリーニング方
法またはスクリーニング用キットで得られる化合物また
はその塩、該化合物またはその塩を含有する医薬組成
物、該レセプター蛋白質またはその部分ペプチドに対す
る抗体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリメラーゼ・チ
ェーン・リアクション(PCR)用のDNAプライマー
として有用な新規DNA、該DNAを用いるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAの増幅方法、
該DNAを用いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAのスクリーニング方法、該スクリーニン
グ方法で得られるDNAおよびスクリーニング方法で得
られたDNAにコードされるG蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその部分ペプチドあるいはその修飾された
誘導体ペプチド等に関する。また本発明は、新規なG蛋
白質共役型レセプター蛋白質、該蛋白質をコードするD
NAを含有するDNA、該蛋白質の製造方法および該蛋
白質およびDNAの用途等に関する。一つの態様では、
本発明は、ヒト扁桃核由来の新規なG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質、該蛋白質をコードするDNAを含有する
DNA、該蛋白質の製造方法および該蛋白質およびDN
Aの用途等に関する。さらに別の態様では、本発明は、
マウス膵臓β細胞株MIN6由来の新規なG蛋白質共役
型レセプター蛋白質、該蛋白質をコードするDNAを含
有するDNA、該蛋白質の製造方法および該蛋白質およ
びDNAの用途等に関する。また別の態様では、本発明
は、ヒト由来の新規なプリノセプター、該プリノセプタ
ーをコードするDNAを含有するDNA、該プリノセプ
ターの製造方法および該プリノセプターおよびDNAの
用途等に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのホルモンや神経伝達物質等は細胞
膜に存在する特異的なレセプターを通じて生体の機能を
調節している。これらのレセプターの多くは共役してい
る guanine nucleotide-binding protein (以下、G蛋
白質と略称する場合がある)の活性化を通じて細胞内の
シグナル伝達を行い、また7個の膜貫通領域を有する共
通した構造をもっていることから、「G蛋白質共役型レ
セプター」あるいは「7回膜貫通型レセプター」と総称
される。G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の機能
を調節する分子、例えばホルモン、神経伝達物質および
生理活性物質等の標的として非常に重要な役割を担って
いる。それぞれの分子に対して特異的なレセプター蛋白
質が存在し、それによって個々の生理活性物質の作用の
特異性、すなわち標的細胞・臓器、薬理作用、作用強
度、作用時間等を決定している。したがって、G蛋白質
共役型レセプター遺伝子あるいはcDNAをクローニン
グすることができれば、G蛋白質共役型レセプターの構
造、機能、生理作用等の解明に役立つばかりでなく、レ
セプターに作用する物質を探索することにより、医薬品
を開発するためにも役に立つと考えられている。これま
でいくつかのG蛋白質共役型レセプター遺伝子あるいは
cDNAがクローニングされているが、まだ未知のG蛋
白質共役型レセプター遺伝子が数多く存在すると考えら
れている。これまでに知られているG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の特徴として、一次構造上に疎水性アミノ
酸残基のクラスターが7個配置し、それぞれの部分で細
胞膜を貫通していることがあげられる。この構造は公知
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質すべてに共通であ
り、また、この膜貫通領域およびその近傍のアミノ酸配
列はしばしばレセプター間で高度に保存されていること
が知られている。未知の蛋白質がこのような構造を有す
る場合、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の範疇に入る
ことを強く示唆する。また、一部のアミノ酸残基の配置
には共通性があり、これらを特徴としてさらにG蛋白質
共役型レセプター蛋白質であることが強く示唆される。
【0003】公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の
比較から得た共通のアミノ酸配列をもとに合成DNAプ
ライマーを合成し、ポリメラーゼ・チェーン・リアクシ
ョン法(以下、PCR法と略称する場合がある)によっ
て新規レセプター遺伝子の単離を行う方法がLibert F.
らによって報告されている(Science 244: 569-572;198
9)。この報文において、Libert F. らは第3膜貫通領
域および第6膜貫通領域の部分に相当する一組の合成D
NAプライマーを用いている。しかし、一般にPCR法
に用いるプライマーのデザインによって、増幅されるD
NAの分子種が規定される。また、アミノ酸配列の類似
性をもとにすれば、コドンの使用が異なった場合、プラ
イマーの結合に影響を及ぼし、その結果、増幅効率の低
下が引き起こされる。そのため、該DNAプライマーを
用いて各種の新規レセプター蛋白質のDNAが得られて
はいるが、すべてのレセプター蛋白質のDNAを増幅で
きるわけではない。また、74種類のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の第1膜貫通領域〜第7膜貫通領域に共
通するアミノ酸配列がWilliam C.Probstらによって報告
されている(DNA AND CELL BIOLOGY, Vol/11, No.1, 19
92, pp1-20)。しかし、これらアミノ酸配列をコードす
るDNAに相補的なDNAプライマーを用いるPCR法
によって、新規なG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAをスクリーニングする方法については示
唆されていない。したがって、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはそれをコードするDNAの共通の配列を
利用して、新規なG蛋白質共役型レセプター蛋白質のよ
り全長に近い領域をコードするDNAを選択的に、かつ
効率良くスクリーニングするためのPCR用DNAプラ
イマーの開発が望まれていた。
【0004】さらに、Libert F. らの第3膜貫通領域お
よび第6膜貫通領域の部分に相当する一組の合成DNA
プライマーに比べて、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAをより選択的に、かつ効率良くスク
リーニングするための第3膜貫通領域および第6膜貫通
領域の部分に相当する合成DNAプライマーの開発も望
まれていた。G蛋白質共役型レセプター蛋白質は生体の
機能を調節する物質を研究し、医薬品として開発を進め
る対象として非常に重要である。G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を用い、レセプター結合実験および細胞内情
報伝達系を指標としたアゴニスト・アンタゴニストの評
価実験等を行うことによって、新規医薬候補化合物の発
見・開発を効率的に進めることができる。特に、新規G
蛋白質共役型レセプター蛋白質の存在を明らかにすれ
ば、それに対する特異的な作用物質の存在が示唆され
る。新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNAを効率的にスクリーニングし単離することができ
れば、全コード領域を有するDNAの単離、発現系の構
築、作用するリガンドのスクリーニングを効率的に進め
ることが可能となる。このようなホルモンや神経伝達物
質とG蛋白質共役型レセプターによる生体の機能を調節
する経路の一つとして視床下部−下垂体系がある。これ
は、視床下部ホルモン(向下垂体性遊離因子)によって
下垂体からの下垂体ホルモンの分泌が調節され、血中に
放出された下垂体ホルモンを介して標的細胞・器官の機
能調節が行われるものである。この経路によって、ホメ
オスタシスの維持や生殖系、個体の発達・成長の調節な
どの生体にとって重要な機能調節が行われている。視床
下部ホルモンの代表例としては、TRH、LH- RH、
CRF、GRF、ソマトスタチン、ガラニンなどが挙げ
られる。また、下垂体ホルモンの代表例としては、TS
H、ACTH、FSH、LH、プロラクチン、成長ホル
モン、オキシトシン、バソプレッシンなどが挙げられ
る。特に、下垂体ホルモンは視床下部ホルモンと標的内
分泌腺より分泌される末梢ホルモンによるポジティブフ
ィードバック機構またはネガティブフィードバック機構
によって分泌調節されている。下垂体に存在する各種の
レセプター蛋白質は、視床下部−下垂体系を調節する上
で中心的な役割を担っている。
【0005】また、これらのホルモン・因子およびその
レセプターは視床下部−下垂体系だけに限局して存在す
るのではなく、一般に脳内に広く分布することが知られ
ている。このことは視床下部ホルモンと呼ばれている物
質が、中枢神経系においては神経伝達物質あるいは神経
調節物質として機能していることを示唆する。また、末
梢組織においても同様に分布し、それぞれ重要な機能を
担っていると考えられている。膵臓は消化液を分泌する
他にグルカゴンやインスリンを分泌することにより糖代
謝に重要な役割を果たしている。インスリンは膵臓のβ
細胞から分泌されるが、主としてグルコースにより促進
される。しかしβ細胞には様々なレセプターが存在し、
グルコース以外の様々な因子、ペプチドホルモン(ガラ
ニン、ソマトスタチン、ガストリック・インヒビトリー
・ポリペプチド、グルカゴン、アミリンなど)、糖(マ
ンノースなど)、アミノ酸、神経伝達物質などにより、
インスリンの分泌が制御されていることが知られてい
る。以上のように下垂体や膵臓には様々なホルモンや神
経伝達物質に対するレセプター蛋白質が存在し、その機
能調節に重要な役割を果たしていることがわかっている
が、ガラニンやアミリンについてはまだそのレセプター
蛋白質cDNAの構造に関する知見はこれまで報告され
ていない。さらに、未知のレセプター蛋白質やレセプタ
ー蛋白質サブタイプが存在するかどうかについてもわか
っていなかった。
【0006】下垂体や膵臓の機能を調節する物質に対し
ては、下垂体や膵臓の各種機能細胞の表面にその物質特
異的なレセプター蛋白質が存在している。下垂体や膵臓
は複数の機能細胞の集合体であり、それぞれの物質の作
用はそのレセプター蛋白質の機能細胞間の分布によって
規定される。そのため、一つの物質が多岐にわたる作用
を有する場合が多い。このように複雑な系を理解するた
めには、作用物質とその特異的レセプター蛋白質との関
係を明らかにする必要があった。また、下垂体や膵臓機
能を調節するためのレセプター作動薬や拮抗薬を効率良
くスクリーニングし、医薬品を研究開発するためにもレ
セプター蛋白質の遺伝子の構造を解明し、それを適当な
発現系で発現させることが必要であった。近年、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質がその構造の一部にアミノ酸
配列の類似性を示すことを利用して、ポリメラーゼ・チ
ェーン・リアクション(Polymerase Chain Reaction :
以下、PCRと略称する)法によって新規レセプター蛋
白質をコードするDNAを探索する方法が行われるよう
になった。
【0007】中枢神経系においては、ドーパミンレセプ
ター蛋白質、LH−RHレセプター蛋白質、ニューロテ
ンシンレセプター蛋白質、オピオイドレセプター蛋白
質、CRFレセプター蛋白質、GRFレセプター蛋白
質、ソマトスタチンレセプター蛋白質、ガラニンレセプ
ター蛋白質、TRHレセプター蛋白質等多くのレセプタ
ー蛋白質が、G蛋白質共役型レセプター蛋白質であり、
それらのリガンドは、中枢神経系で様々な作用をもつこ
とが明らかにされつつある。免疫系においては、このよ
うなG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、α−ま
たはβ−Chemokine レセプター蛋白質、MIPIαレセ
プター蛋白質、IL−8レセプター蛋白質、C5aレセプ
ター蛋白質等が知られており、免疫調節物質のレセプタ
ー蛋白質として生体の機能を調節する重要な働きを行っ
ている。以上に述べた中枢神経系、免疫系共に作用する
ものとして、例えばIL−6のようなものがあり、IL
−6は、β細胞分化因子であるとともに、神経細胞の増
殖分化に関する生物活性因子でもある。
【0008】さらに、これらのホルモン、因子およびそ
のレセプター蛋白質は、中枢神経系、免疫系だけに限局
して存在するのではなく、一般に広く末梢組織にまで分
布しており、それぞれ重要な機能を担っていると考えら
れる。そして、これらのレセプター蛋白質に対するアゴ
ニストやアンタゴニストが、現在様々な医薬品として開
発されつつある。中枢神経系や免疫系の機能を調節する
物質に対しては、中枢神経系や免疫系の各種機能細胞の
表面にその物質特異的なレセプター蛋白質が存在してい
る。中枢神経系や免疫系は複数の機能細胞の集合体であ
り、それぞれの物質の作用は、そのレセプター蛋白質の
機能細胞間の分布によって規定される。そのため、一つ
の物質が多岐にわたる作用を有する場合が多い。また、
一つの生理現象に対していくつもの因子が関与している
例がある。このように複雑な系を理解するためには、作
用物質とその特異的レセプター蛋白質の関係を明らかに
する必要があった。
【0009】膵臓は消化液を分泌する他にグルカゴンや
インシュリンを分泌することにより糖代謝に重要な役割
を果たしている。インシュリンは膵臓のβ細胞から分泌
されるが、主としてグルコースにより促進される。この
膵臓のβ細胞にも様々なレセプターが存在し、グルコー
ス以外の多くの因子、ペプチドホルモン(ガラニン、ソ
マトスタチン、ガストリックインヒビトリーポリペプチ
ド、グルカゴン、アミリンなど)、糖(マンノース)、
アミノ酸、神経伝達物質などにより、インシュリンの分
泌が制御されていることが知られている。しかし、ガラ
ニン、アミリンについてはレセプター蛋白質cDNAの
構造に関する知見はこれまでに報告されていない。さら
に未知のレセプター蛋白質やレセプター蛋白質サブタイ
プが存在するかどうかについても分かっていなかった。
膵臓の複雑な機能を調節する物質と、その特異的レセプ
ターとの関係を明らかにすることは、医薬品開発に非常
に重要な手段である。そして膵臓の機能を調節するため
のレセプター蛋白質に対するアゴニスト、アンタゴニス
トを効率よくスクリーニングし、医薬品を開発するため
には、レセプター蛋白質の遺伝子の機能を解明し、それ
らを適当な発現系で発現させることが必要であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリメラー
ゼ・チェーン・リアクション用のDNAプライマーとし
て有用な新規DNA、該DNAを用いるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNAの増幅方法、該D
NAを用いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAのスクリーニング方法、該スクリーニング方
法で得られるDNAおよびスクリーニング方法で得られ
たDNAにコードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質またはその部分ペプチドあるいはその修飾ペプチド誘
導体を提供することを目的とする。本発明は、該レセプ
ター蛋白質の生産方法、該レセプター蛋白質を発現する
ことのできる形質転換体、該形質転換体から得られる細
胞膜分画、該レセプター蛋白質に対するリガンドの決定
法、そのリガンドと該レセプター蛋白質との結合を阻害
することのできる化合物又はその塩のスクリーニング
法、該スクリーニングのためのキット、その阻害化合物
又はその塩を含有する医薬組成物、該レセプター蛋白質
に対する抗体、該レセプター蛋白質又は該抗体を用いた
免疫測定法、さらに該レセプター蛋白質及びコードして
いるDNAの用途を提供することを目的とする。また、
本発明は、下垂体及び膵臓β細胞で発現している新規な
G蛋白質共役型レセプター蛋白質、該蛋白質をコードす
るDNAを含有するDNA、該蛋白質の製造方法、該レ
セプター蛋白質を発現することのできる形質転換体、該
形質転換体から得られる細胞膜分画、該レセプター蛋白
質に対するリガンドの決定法、そのリガンドと該レセプ
ター蛋白質との結合を阻害することのできる化合物又は
その塩のスクリーニング法、該スクリーニングのための
キット、その阻害化合物又はその塩を含有する医薬組成
物、該レセプター蛋白質に対する抗体、該レセプター蛋
白質又は該抗体を用いた免疫測定法、及び該蛋白質およ
びDNAの用途を提供することを目的とする。
【0011】さらには、本発明は、ヒト扁桃核由来の新
規なG蛋白質共役型レセプター蛋白質、該蛋白質をコー
ドするDNAを含有するDNA、該蛋白質の製造方法、
該レセプター蛋白質を発現することのできる形質転換
体、該形質転換体から得られる細胞膜分画、該レセプタ
ー蛋白質に対するリガンドの決定法、そのリガンドと該
レセプター蛋白質との結合を阻害することのできる化合
物又はその塩のスクリーニング法、該スクリーニングの
ためのキット、その阻害化合物又はその塩を含有する医
薬組成物、該レセプター蛋白質に対する抗体、該レセプ
ター蛋白質又は該抗体を用いた免疫測定法、及び該蛋白
質およびDNAの用途を提供することを目的とする。本
発明は、マウス膵臓β細胞株MIN6由来の新規なG蛋
白質共役型レセプター蛋白質、該蛋白質をコードするD
NAを含有するDNA、該蛋白質の製造方法、該レセプ
ター蛋白質を発現することのできる形質転換体、該形質
転換体から得られる細胞膜分画、該レセプター蛋白質に
対するリガンドの決定法、そのリガンドと該レセプター
蛋白質との結合を阻害することのできる化合物又はその
塩のスクリーニング法、該スクリーニングのためのキッ
ト、その阻害化合物又はその塩を含有する医薬組成物、
該レセプター蛋白質に対する抗体、該レセプター蛋白質
又は該抗体を用いた免疫測定法、及び該蛋白質およびD
NAの用途を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、効率良く
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
採取することができれば、その中に新規レセプター蛋白
質をコードするDNAが含まれていた場合にそれを遺伝
子組み換え技術によって発現させ、今後の研究、医薬品
開発に多大な効果を奏することができると考え、鋭意研
究を重ねた結果、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第1膜貫通領域または第6膜貫通領域をコードする
塩基配列の類似性に基づいて新規なDNAプライマーを
合成することに成功した。特に、公知のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の第1膜貫通領域または第6膜貫通領
域をコードする塩基配列の類似性に着目して合成された
DNAプライマーについての報告は見当たっていない。
次いで、本発明者らは、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第3膜貫通領域または第6膜貫通領域をコー
ドする塩基配列の類似性に基づいて新規なDNAプライ
マーを合成することに成功した。そして、これらのDN
Aプライマーを用いてPCRを行なうことによって予想
外にもG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NA(断片)を効率良く増幅することに成功した。ま
た、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫
通領域または第7膜貫通領域をコードする塩基配列の類
似性、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜
貫通領域または第3膜貫通領域をコードする塩基配列の
類似性、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2
膜貫通領域または第6膜貫通領域をコードする塩基配列
の類似性などに基づいて新規なDNAプライマーを合成
することに成功した。そして、これらのDNAプライマ
ーを用いてPCRを行なうことによって予想外にもG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断
片)を効率良く増幅することに成功した。
【0013】さらに、本発明者らは、増幅された該G蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断
片)を用いて完全長の該G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを効率的にクローニングすること
に成功した。すなわち、本発明者らは、該DNAプライ
マーを用いて各種DNAの増幅、解析を行うことによっ
て新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAを得ることができることを見いだした。より具体的
には、本発明者らは、公知のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域および第6膜貫通領域付近に共
通するアミノ酸配列を選び、第1膜貫通領域に共通する
アミノ酸配列をコードするDNAプライマー(配列番
号:1)、および第6膜貫通領域付近に共通するアミノ
酸配列をコードする塩基配列に相補的なDNAプライマ
ー(配列番号:2)を設計した。これらのDNAプライ
マーは、これまでに報告されている類似のDNAプライ
マー(例えば、Libert F. らの第3膜貫通領域および第
6膜貫通領域の部分に相当する一組の合成DNAプライ
マー(配列番号:60および配列番号:61)など)と
は塩基配列が異なっており、新規なDNAプライマーで
ある。
【0014】特に、PCRにおいて伸長反応が効率的に
行なうことができるように、プライマーの3' 末端部分
に多くのレセプター蛋白質において共通している塩基配
列を使用している。その他の部分においても塩基配列の
類似性を生かし、なるべく多くのレセプター蛋白質のD
NAと塩基配列が一致するように混合塩基部分を設定し
た。そして、本発明者らは、該DNAプライマーを使用
してヒト脳amygdala、ヒト下垂体およびラット脳由来の
cDNAを増幅したところ、〔図17〕に示すような増
幅産物を入手し、このなかから〔図18〕、〔図1
9〕、〔図20〕、〔図21〕、〔図22〕、〔図2
3〕、〔図27〕、〔図29〕、〔図34〕、〔図3
7〕、〔図40〕、〔図43〕および〔図46〕に示す
配列を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質のcDN
Aを得ることができた。そのうち、〔図22〕、〔図2
3〕、〔図27〕、〔図29〕、〔図34〕、〔図3
7〕、〔図40〕、〔図43〕および〔図46〕に示す
配列を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質のcDN
Aは新規であった。
【0015】また、本発明者らは、公知のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域および第6膜貫通
領域付近に共通するアミノ酸配列を選び、第3膜貫通領
域に共通するアミノ酸配列をコードするDNAプライマ
ー(配列番号:3、配列番号:5、配列番号:6、配列
番号:7)、および第6膜貫通領域付近に共通するアミ
ノ酸配列をコードする塩基配列に相補的なDNAプライ
マー(配列番号:4、配列番号:8、配列番号:9)を
設計した。これらのDNAプライマーも、これまでに報
告されている類似のDNAプライマー(例えば、Libert
F. らの第3膜貫通領域および第6膜貫通領域の部分に
相当する一組の合成DNAプライマー(配列番号:60
および配列番号:61)など)とは塩基配列が異なって
おり、新規なDNAプライマーである。そして、本発明
者らは、該DNAプライマーを使用してウサギ胃幽門部
平滑筋由来のcDNAを増幅したところ、〔図49〕お
よび〔図52〕に示す配列を有するG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質のcDNAを得ることができた。これらの
cDNAは新規である。さらに、本発明者らは、公知の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域およ
び第7膜貫通領域付近に共通するアミノ酸配列を選び、
第2膜貫通領域に共通するアミノ酸配列をコードするD
NAプライマー(配列番号:10)、および第7膜貫通
領域付近に共通するアミノ酸配列をコードする塩基配列
に相補的なDNAプライマー(配列番号:11)を設計
した。これらのDNAプライマーは、これまでに報告さ
れている類似のDNAプライマー(例えば、Libert F.
らの第3膜貫通領域および第6膜貫通領域の部分に相当
する一組の合成DNAプライマー(配列番号:60およ
び配列番号:61)など)とは塩基配列が異なってお
り、新規なDNAプライマーである。そして、本発明者
らは、該DNAプライマーを使用してウサギ胃幽門部平
滑筋由来のcDNAを増幅したところ、〔図55〕およ
び〔図56〕、さらに〔図72〕および〔図73〕に示
す配列を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質のcD
NAを得ることができた。これらのcDNAは新規であ
る。
【0016】さらに、本発明者らは、公知のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域および第3膜貫
通領域付近に共通するアミノ酸配列を選び、第1膜貫通
領域に共通するアミノ酸配列をコードするDNAプライ
マー(配列番号:12)、および第3膜貫通領域付近に
共通するアミノ酸配列をコードする塩基配列に相補的な
DNAプライマー(配列番号:13)を設計した。ま
た、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫
通領域および第6膜貫通領域付近に共通するアミノ酸配
列を選び、第3膜貫通領域に共通するアミノ酸配列をコ
ードするDNAプライマー(配列番号:14および配列
番号:18)、および第6膜貫通領域付近に共通するア
ミノ酸配列をコードする塩基配列に相補的なDNAプラ
イマー(配列番号:15および配列番号:19)を設計
した。さらに、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の第2膜貫通領域および第6膜貫通領域付近に共通する
アミノ酸配列を選び、第2膜貫通領域に共通するアミノ
酸配列をコードするDNAプライマー(配列番号:1
6)、および第6膜貫通領域付近に共通するアミノ酸配
列をコードする塩基配列に相補的なDNAプライマー
(配列番号:17)を設計した。これらのDNAプライ
マーは、これまでに報告されている類似のDNAプライ
マー(例えば、Libert F. らの第3膜貫通領域および第
6膜貫通領域の部分に相当する一組の合成DNAプライ
マー(配列番号:60および配列番号:61)など)と
は塩基配列が異なっており、新規なDNAプライマーで
ある。
【0017】本発明は、下垂体および膵臓β細胞で発現
しているG蛋白質共役型レセプター蛋白質、該蛋白質を
コードするDNAを含有するDNA、該蛋白質の製造方
法および該蛋白質およびDNAの用途を提供することを
目的とする。本発明者らは、上記課題を解決するため
に、鋭意研究を重ねた結果、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAをより効率的に単離するため
の合成DNAプライマーを用いてヒト下垂体およびマウ
ス膵臓β細胞株MIN6由来のcDNAをPCRにより
増幅することに成功し、その解析を進めた。その結果、
本発明者らは、新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするヒトおよびマウス由来cDNAを単離し、そ
の部分的な構造を決定することに成功し、そして、これ
らのcDNAの配列はヒトとマウスで極めて良く保存さ
れていることから、同一リガンドに対するレセプター蛋
白質をコードしていることが考えられた。本発明者ら
は、これらの知見から、これらのDNAを用いれば、完
全長の翻訳枠を持つcDNAを入手することができ、該
レセプター蛋白質を製造することもできることを見いだ
した。さらに、本発明者らは、該G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするcDNAを適当な手段で発現さ
せた該レセプター蛋白質を用いれば、レセプター結合実
験または細胞内セカンドメッセンジャーの測定等を指標
に、生体内あるいは天然・非天然の化合物から該レセプ
ター蛋白質に対するリガンドをスクリーニングすること
ができ、さらには、リガンドとレセプター蛋白質との結
合を阻害する化合物のスクリーニングを行なうこともで
きることを見いだした。
【0018】より具体的には、本発明者らは、〔図22
および図23〕に示すヒト下垂体由来の新規なcDNA
断片をPCR法によって増幅し、プラスミドベクターに
サブクローニングした(p19P2)。その部分配列の
解析から、該cDNAが新規レセプター蛋白質をコード
していることが明らかになった。このcDNAを増幅す
るにあたって用いた合成DNAプライマーは、公知のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質に共通して存在する7個
の疎水性クラスター、すなわち膜貫通領域のうち第1番
目および第6番目の部分に相当している。5’(第1膜
貫通領域)側のプライマー部分より塩基配列(配列番
号:29)を決定し、アミノ酸配列(配列番号:24)
に翻訳したところ〔図22〕、第2および第3膜貫通領
域が疎水性プロット上で確認された〔図58〕。3’
(第6膜貫通領域)側のプライマー部分より同様に塩基
配列(配列番号:30)を決定し、アミノ酸配列(配列
番号:25)に翻訳したところ〔図23〕、第6および
第5膜貫通領域が疎水性プロット上で確認された〔図5
9〕。また、増幅されたcDNAのサイズは、公知のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域と第6
膜貫通領域の間の塩基数と比較して同程度の約700b
pであった。G蛋白質共役型レセプター蛋白質はそのア
ミノ酸配列にある程度の共通性を示し、一つの蛋白質フ
ァミリーを形成している。そこで、本件の新規レセプタ
ー蛋白質(p19P2に含まれるcDNAにコードされ
る蛋白質)のアミノ酸配列をもとにデーターベース検索
を行った。その結果、〔図60〕に示す公知のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質(S12863にコードされる
ラットニューロペプチドYレセプター蛋白質)と比較し
て高い類似性を示した。このことから、本発明の新規レ
セプター蛋白質がG蛋白質共役型レセプター蛋白質ファ
ミリーに属するものであることがわかる。さらに、本発
明のDNAによってコードされるアミノ酸配列を鋳型と
してデーターベースを検索したところ、公知のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質であるマウス由来リガンド不明
RP−23(B40470)、ヒト由来リガンド不明K
−オピオイドレセプター蛋白質(P30098)、ヒト
由来NK−2レセプター蛋白質(JQ1059)のアミ
ノ酸配列と高いホモロジーを示したが、いずれとも完全
には一致せず新規なレセプター蛋白質をコードすること
が判った。上記の( )内の略語は、NBRF-PIR/Swiss-P
ROT にデータとして登録される際の整理番号であり、通
常「Accession Number」と呼ばれるものである。
【0019】次に、本発明の新規G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードしているcDNA断片(p19P
2)を用いて、本発明のレセプター蛋白質の完全長の翻
訳枠を持つcDNAをヒト下垂体cDNAライブラリー
より取得した。このレセプター蛋白質の完全長の翻訳枠
を持つcDNAを保持するプラスミド(phGR3)の
塩基配列の解析を行なった結果、このレセプター蛋白質
をコードする領域の塩基配列は配列番号:31で示され
るものであり、またそれから推定されるアミノ酸配列は
配列番号:26で示されるものであった〔図34〕。こ
のアミノ酸配列をもとにして、疎水性プロットを行った
ところ、〔図36〕に示す結果が得られた。この疎水性
プロットの結果から、本発明のレセプター蛋白質が7個
の疎水性ドメインを有していることが明らかになった。
すなわち、本発明で得られたcDNAがコードしている
レセプター蛋白質が7回膜貫通のG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質であることが確認できた。また、本発明のc
DNAがコードするレセプター遺伝子のmRNAの発現
をノーザンブロットによって調べたところ、ヒト下垂体
で発現していることが確認された〔図35〕。
【0020】さらに、本発明者らは、マウス膵臓β細胞
株MIN6由来のcDNA断片として、PCR法によっ
て増幅し、pG3−2およびpG1−10をクローニン
グした。そして、これらの2つのプラスミドベクターに
含まれるcDNAの塩基配列に基づいて、〔図27〕に
示す塩基配列を導きだした。この塩基配列から該cDN
Aが新規なレセプター蛋白質をコードしていることを明
らかにした。そして、この塩基配列をアミノ酸配列に翻
訳したところ、第3、第4、第5および第6膜貫通領域
が疎水性プロット上で確認された〔図28〕。また、増
幅されたDNAのサイズは、公知のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第3膜貫通領域と第6膜貫通領域の間の
塩基数と比較して同程度の約400bpであった。ま
た、このアミノ酸配列をヒト下垂体からクローニングし
たp19P2に含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質cDNAにコードされるアミノ酸配列〔図22および
図23〕と比較したところ、95%以上の高いホモロジ
ーを示した〔図61〕。このことから、pG3−2に含
まれるcDANにコードされる蛋白質はp19P2に含
まれるcDNAにコードされるヒト由来G蛋白質共役型
レセプター蛋白質のマウス型であることが推測された。
本発明者らは、さらに、マウス膵臓β細胞株MIN6由
来のcDNA断片として、PCR法で増幅し、プラスミ
ドベクターにサブクローニングした〔図62〕に示す塩
基配列を有するクローン(p5S38)を得た。その塩
基配列(配列番号:33)から該cDNAが新規なレセ
プター蛋白質をコードしていることを明らかにした。こ
の塩基配列をアミノ酸配列(配列番号:28)に翻訳し
たところ、第3、第4、第5および第6膜貫通領域が疎
水性プロット上で確認された〔図64〕。また、増幅さ
れたDNAのサイズも公知のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質と比較して同程度の約400bpであった。この
アミノ酸配列をヒト下垂体由来のp19P2に含まれる
cDNAにコードされる蛋白質のアミノ酸配列〔図22
および図23〕およびマウス膵臓β細胞株由来のpG3
−2およびpG1−10にコードされる蛋白質のアミノ
酸配列と比較したところ、いずれも95%以上の高いホ
モロジーを示した〔図63〕。このことから、ヒト下垂
体由来p19P2にコードされる蛋白質、マウス膵臓β
細胞株由来pG3−2およびpG1−10にコードされ
る蛋白質およびマウス膵臓β細胞株由来p5S38にコ
ードされる蛋白質は、同一のリガンドを認識するレセプ
ターファミリーに属することが示唆された。
【0021】本発明は、ヒト扁桃核由来の新規G蛋白質
共役型レセプター蛋白質、該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAを含有するDNA、該G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の製造方法および該蛋白質お
よびDNAの用途を提供することを目的とする。近年、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質がその構造の一部にア
ミノ酸配列の類似性を示すことを利用して、ポリメラー
ゼ・チェーン・リアクション(PCR)法によって新規
レセプター蛋白質を探索する方法が行われるようになっ
た。本発明者等は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAをより効率的に単離するための合成D
NAプライマーを合成し、該プライマーを用いてヒト扁
桃核由来のcDNAを増幅し、その解析を進めた。その
結果、本発明者らは、新規G蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするcDNAをヒト扁桃核より単離し、そ
の部分的な構造を決定した。このcDNAは、マウスの
グルココルチコイド誘導型レセプター蛋白質 (Glucocor
ticoid-Induced Receptor:以下、GIRと略称する場合
がある)の配列を極めて良く保存した配列を有すること
から同一リガンドに対するレセプター蛋白質をコードし
ているものと考えられる (MolecularEndocrinology, 5:
1331-1338, 1991) 。本発明者らがこのGIRのヒト型
をヒトの扁桃核より単離したことにより、このGIRは
ヒトの中枢神経においても発現し、何らかの働きを担っ
ていることが示唆される。これらのことから、このレセ
プター蛋白質は、ヒトの脳内と免疫系で強く発現し、機
能していると考えられる。これらのDNAを用いれば、
完全長の翻訳枠を持つcDNAを入手することができ、
該レセプター蛋白質を製造することもできる。また、適
当な手段で発現させた該レセプター蛋白質を用いれば、
レセプター蛋白質結合実験あるいは細胞内セカンドメッ
センジャーの測定等を指標に、生体内あるいは天然・非
天然の化合物より該レセプター蛋白質に対するリガンド
をスクリーニングすることができる。さらには、リガン
ドとレセプター蛋白質との結合を阻害する化合物のスク
リーニングを行なうこともできる。
【0022】より具体的には、本発明者らは、ヒト扁桃
核由来の新規なcDNA断片として〔図29および図3
0〕に示す1種類のものをPCR法によって増幅し、ク
ローニングし、その部分配列の解析から、新規レセプタ
ー蛋白質をコードしていることを明らかにした。このc
DNAを増幅するにあたって用いた合成DNAプライマ
ーは、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に共通に存在す
る7個の疎水性クラスター、すなわち膜貫通領域のうち
第1番目および第6番目のアミノ酸配列部分に相当して
いる。5’(第1膜貫通領域)側のプライマー部分より
塩基配列を決定し、アミノ酸配列に翻訳したところ、第
2膜貫通領域および第3膜貫通領域が疎水性プロット上
で確認された〔図31〕。3’(第6膜貫通領域)側の
プライマー部分より塩基配列を決定し、アミノ酸配列を
翻訳したところ、第5膜貫通領域および第4膜貫通領域
が疎水性プロット上で確認された〔図32〕。また、増
幅されたcDNAのサイズは、公知のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質と比較して同程度の約700bpであっ
た。本発明者等は、このDNAの塩基配列を鋳型として
鋳型としてデーターベースを検索したところ、公知のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質であるマウス由来のグル
ココルチコイド誘導型レセプター蛋白質をコードするD
NAと高いホモロジーを示した〔図33〕。この結果
は、本発明のDNAがGIRのヒト型のレセプター蛋白
質をコードしていることを強く示している。
【0023】本発明は、マウス膵臓β細胞株MIN6由
来の新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質、該G蛋白質
共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する
DNA、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の製造方法
および該蛋白質およびDNAの用途等を提供することを
目的とする。本発明者等は、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAをより効率的に単離するため
の合成DNAプライマーを合成し、該プライマーを用い
てマウス膵臓β細胞株MIN6由来のcDNAを増幅
し、その解析を進めた。その結果、本発明者らは、新規
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするマウス由
来のcDNAを単離し、その部分的な構造を決定した。
このcDNAは、既知のG蛋白質共役型レセプターとD
NA及びアミノ酸の配列の相同性が認められたことか
ら、マウス膵臓で発現機能している新規なレセプター蛋
白質をコードしていると考えられた。このDNAを用い
れば、完全長の翻訳枠を持つcDNAを入手することが
でき、該レセプター蛋白質を製造することができる。ま
た、該cDNAをプローブとしてヒト由来のcDNAを
クローニングすることもできる。更に、適当な手段で発
現させた該レセプター蛋白質を用いれば、レセプター蛋
白質結合実験あるいは細胞内セカンドメッセンジャーの
測定等を指標に、生体内あるいは天然・非天然の化合物
より該レセプター蛋白質に対するリガンドをスクリーニ
ングすることができる。さらには、リガンドとレセプタ
ー蛋白質との結合を阻害する化合物のスクリーニングを
行なうこともできる。
【0024】より具体的には、本発明者らは、マウス膵
臓β細胞株MIN6由来の新規なcDNA断片として
〔図37〕に示すp3H2−17をPCR法によって増
幅、クローニングし、その配列の解析から新規レセプタ
ー蛋白質をコードしていることを明らかにした。この配
列をアミノ酸配列翻訳したところ、第3、第4、第5及
び第6膜貫通領域が疎水性プロット上で確認された〔図
38〕。また、増幅されたcDNAのサイズも、既知の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質と比較して同程度の約
400bpであった。本発明者等は、このDNAの塩基
配列を鋳型として鋳型としてデーターベースを検索した
ところ、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質である
チキンのATPレセプター(P34996)、ヒトのソ
マトスタチンレセプターサブタイプ4(JN0605)
及びウシのニューロペプチドYレセプター(S2878
7)とそれぞれアミノ酸で30%、25%、27%、2
8%のホモロジーが認められた〔図39〕。上記の
( )内の略語は、NBRF-PIR/Swiss-PROT にデータとし
て登録される際の整理番号であり、通常「Accession Nu
mber」と呼ばれるものである。
【0025】また、このp3H2−17に含まれるcD
NA断片がコードするレセプター遺伝子の発現をmRN
Aレベルでノーザンブロットを用いて調べたところマウ
スの胸腺と膵臓に強い発現を確認した。また、マウスの
脳及び膵臓にも発現していることを確認できた〔図6
5〕。次に、p3H2−17に含まれるcDNA断片の
塩基配列の情報を用いて、本発明のマウス膵臓β細胞株
MIN6由来レセプター蛋白質の完全長の翻訳枠を持つ
cDNAをマウスの胸腺及び膵臓のpoly(A)+
NAより、5’RACE法 (5' rapid amplification o
f cDNA ends; Frohman M. A.ら, プロシージング・オブ
・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユ
ーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 85: 8998-
9002 (1988) 、Belyavsky A.ら, ヌクレイック アシッ
ドズ リサーチ (Nucleic Acids Res.), 17: 2919-2932
(1989)、Edwards J. B. D. M. ら, ヌクレイック ア
シッドズ リサーチ (Nucleic Acids Res.), 19: 5227-
5232 (1991))及び3’RACE法 (3' rapid amplifica
tion of cDNA ends; Frohman M. A.ら, プロシージング
・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス・ユーエスエー (Proc. Natl. Acad. Sci. USA),85:
8998-9002 (1988) 、Belyavsky A.ら, ヌクレイック
アシッドズ リサーチ (Nucleic Acids Res.), 17: 291
9-2932 (1989))を用いて取得した。このレセプター蛋白
質の完全長の翻訳枠を持つcDNAを保持するプラスミ
ド(pMAH2−17)は、塩基配列の解析を行った結
果、このレセプター蛋白質をコードする領域の塩基配列
は、配列番号:41で示されるものであり、また、それ
から推定されるアミノ酸配列は、配列番号:39で示さ
れるものであった〔図69〕。このアミノ酸配列をもと
にして、疎水プロットを行ったところ〔図70〕に示す
結果が得られた。
【0026】この疎水プロットの結果から、本発明のマ
ウス膵臓β細胞株MIN6由来レセプター蛋白質が7個
の疎水性ドメインを有していることが明らかになった。
すなわち、本発明で得られたpMAH2−17に含まれ
るcDNAがコードしているレセプター蛋白質が7回膜
貫通のG蛋白質共役型レセプターであることが確認でき
た。さらに、本発明のpMAH2−17に含まれるcD
NAによってコードされる完全長のアミノ酸配列をもと
にしてデーターベースを検索したところ、公知のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質であるマウスP2Uプリノセプ
ター(P35383)、チキンのP2Yプリノセプター
(P34996)とそれぞれアミノ酸で44.0%、3
8.1%のホモロジーが認められた〔図71〕。上記の
( )内の略語は、NBRF-PIR/Swiss-PROT にデータとし
て登録される際の整理番号であり、通常「Accession Nu
mber」と呼ばれるものである。
【0027】このpMAH2−17でコードされるレセ
プター蛋白質は、プリノセプターに高い相同性を示して
いるので、このレセプターもプリノセプターのサブタイ
プである可能性が高いと考えられる。そこで、本発明者
等はアフリカ・ツメガエルの卵母細胞を用いたレセプタ
ー遺伝子の電気生理学的解析を行ったところ、この遺伝
子を導入した卵はATP刺激に反応して有意な内向きの
電流を生じることが判った〔図75〕。よって、このp
MAH2−17のコードするレセプターはプリノセプタ
ーのサブタイプであると判断される。プリノセプターに
は多くのサブタイプが存在することが議論されかつ予測
されている (Pharmac. Ther., 64: 445-475 (1994)。本
発明のマウス膵臓β細胞株MIN6由来のレセプター蛋
白質(例えば、配列番号:38及び配列番号:39、あ
るいはpMAH2−17のコードする蛋白質)は、チキ
ンのP2Y1 プリノセプター (FEBS LETTERS, 324(2), 21
9-225 (1993)) ;マウスのP2Y2 プリノセプター又はP
2Uプリノセプター (Proc. Natl. Acad. Sci., 90, 5113
-5117 (1993)) ;ラットのP2Uプリノセプター 又はP
2Y2 プリノセプター (Am. J. Respir. Cell Mol. Bio
l., 12, 27-32 (1995)) ;ヒトのP2Uプリノセプター
又はP2Y2 プリノセプター (Proc. Natl. Acad. Sci.,
91, 3275-3279 (1994)) ;及びラットのP2Xプリノセプ
ター (Nature, 371.6, 516-519 (1994) とは明らかに異
なる新規なプリノセプターのサブタイプであることがデ
ータから裏付けられている。またpMAH2−17のコ
ードするレセプターのアゴニストやアンタゴニストはプ
リンリガンドに関連した病気や疾患の治療や予防に有用
であることが強く示唆されている。pMAH2−17の
コードするレセプターのアゴニストは、免疫調節剤、抗
ガン剤として有用である他、昇圧、糖尿病、嚢胞性繊維
症などの治療や予防にも有用であることが期待される。
またpMAH2−17のコードするレセプターのアンタ
ゴニストは、降圧、鎮痛、尿失禁などの治療や予防に有
用であることが期待される。本発明者等はさらに、この
マウス型プリノセプターの塩基配列をもとに、PCR用
プライマーを合成し、ヒト胎盤cDNAライブラリーか
らPCRによりレセプター蛋白質をコードするcDNA
を入手した(図77)。このレセプター蛋白質もプリノ
セプターであると判断され、このヒト型プリノセプター
とマウス型プリノセプターのアミノ酸配列の比較で、8
7%の相同性が認められた(図79)。本発明のヒト型
プリノセプターを用いてプリンリガンドに関連した病気
や疾患の治療や予防に有用なアゴニストやアンタゴニス
トを開発でき、例えば本発明のヒト型プリノセプターの
アゴニストは、免疫調節剤、抗ガン剤として有用である
他、昇圧、糖尿病、嚢胞性繊維症などの治療や予防にも
有用であることが期待され、本発明のヒト型プリノセプ
ターのアンタゴニストは、降圧、鎮痛、尿失禁などの治
療や予防に有用であることが期待される。
【0028】従って、本発明は、 (1)配列番号:1〜配列番号:19のいずれかの配列
番号で表わされる塩基配列を有することを特徴とするD
NA、 (2)DNAが、配列番号:1〜配列番号:9のいずれ
かの配列番号で表わされる塩基配列を有するDNAであ
る上記第(1)項記載のDNA、 (3)DNAが、配列番号:1または配列番号:2で表
わされる塩基配列を有するDNAである上記第(1)項
記載のDNA、 (4)DNAがG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAのポリメラーゼ・チェーン・リアクション
に用いられるDNAプライマーである上記第(1)項記
載のDNA、
【0029】(5)(i)鋳型となるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNA、配列番号:1
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:10で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
4で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーおよび配列番号:18で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくと
も1種のDNAプライマー、および配列番号:2で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:11で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:15で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
17で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーお
よび配列番号:19で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種の
DNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン
・リアクションを行なうか、または (ii)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群
から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、およ
び配列番号:13で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リ
アクションを行なうことを特徴とするG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNAを増幅する方法、
【0030】(6)(i)DNAライブラリー、配
列番号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マー、配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:6で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:7で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
0で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:14で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:16で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:18で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれ
る少なくとも1種のDNAプライマー、および配列番
号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:9で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:11で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくと
も1種のDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・
チェーン・リアクションを行ない、DNAライブラリー
に含まれる鋳型G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを選択的に増幅するか、または (ii)DNAライブラリー、配列番号:1で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:13で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・
チェーン・リアクションを行ない、DNAライブラリー
に含まれる鋳型G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを選択的に増幅することを特徴とするDN
AライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAをスクリーニングする方法、
【0031】(7)上記第(5)項又は第(6)項記載
のスクリーニング方法で得られるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNA、および (8)上記第(7)項記載のDNAにコードされるG蛋
白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたは
それらの塩を提供する。
【0032】より具体的には、本発明は、 (9)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群
から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、およ
び配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:15
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも
1種のDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チ
ェーン・リアクションを行なうことを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の第1膜貫通領域から第6膜貫通領域部
分またはその他の領域部分)をコードするDNAを増幅
する方法、
【0033】(10)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:1で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列
番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプ
ライマー、および配列番号:11で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ
・チェーン・リアクションを行なうことを特徴とするG
蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役
型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜貫通領
域部分またはその他の領域部分)をコードするDNAを
増幅する方法、
【0034】(11)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:3で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:7で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:14で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:18で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくと
も1種のDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・
チェーン・リアクションを行なうことを特徴とするG蛋
白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜貫通領域
部分またはその他の領域部分)をコードするDNAを増
幅する方法、
【0035】(12)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:3で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:7で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:14で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:18で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび配列番号:11で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・
リアクションを行なうことを特徴とするG蛋白質共役型
レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部分または
その他の領域部分)をコードするDNAを増幅する方
法、
【0036】(13)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:10で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNA
プライマー、および配列番号:2で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:4で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:8で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:15で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマーおよび配列番号:19で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群から
選ばれる少なくとも1種のDNAプライマーを混合し
て、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行なうこ
とを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例え
ば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域
から第6膜貫通領域部分またはその他の領域部分)をコ
ードするDNAを増幅する方法、
【0037】(14)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:10で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNA
プライマー、および配列番号:11で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーを混合して、ポリメラー
ゼ・チェーン・リアクションを行なうことを特徴とする
G蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第7膜貫通
領域部分またはその他の領域部分)をコードするDNA
を増幅する方法、 (15)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび配列番号:13で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・
リアクションを行なうことを特徴とするG蛋白質共役型
レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜貫通領域部分または
その他の領域部分)をコードするDNAを増幅する方
法、
【0038】(16)鋳型となるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNA、配列番号:1で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクショ
ンを行なうことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAを増幅する方法、 (17)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA、配列番号:3で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:4で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーを混合し
て、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行なうこ
とを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅する方法、 (18)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA、配列番号:6で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:8で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーを混合し
て、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行なうこ
とを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅する方法、 (19)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA、配列番号:10で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:1
1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーを混
合して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行な
うことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAを増幅する方法、
【0039】(20)(i)鋳型となるG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするDNA、鋳型となる
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAの
−鎖(マイナス鎖)の3' 側の塩基配列に結合して+鎖
(プラス鎖)を5' 側から3'側へ伸長し得る配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:6で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:7で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:10
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マー、配列番号:14で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマー、配列番号:16で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーおよび配列番号:18で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーから成る群か
ら選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、および
鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAの+鎖(プラス鎖)の3' 側の塩基配列に結
合して−鎖(マイナス鎖)を5' 側から3' 側へ伸長し
得る配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:11
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる
少なくとも1種のDNAプライマーを混合して、PCR
を行なうか、または、 (ii)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、鋳型となるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNAの−鎖(マイナス鎖)の
3' 側の塩基配列に結合して+鎖(プラス鎖)を5' 側
から3' 側へ伸長し得る配列番号:1で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAの+鎖(プラス鎖)の3' 側の塩基配列
に結合して−鎖(マイナス鎖)を5' 側から3' 側へ伸
長し得る配列番号:13で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマーを混合して、PCRを行なうこと
を特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを増幅する方法、
【0040】(21)DNAライブラリー、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
および配列番号:12で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種
のDNAプライマー、および配列番号:2で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:4で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:15で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:17で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:19
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成
る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマーを
混合してPCRを行ない、DNAライブラリーに含まれ
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域か
ら第6膜貫通領域部分またはその他の領域部分をコード
するDNAを選択的に増幅することを特徴とするDNA
ライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例
えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領
域から第6膜貫通領域部分またはその他の領域部)分を
コードするDNAをスクリーニングする方法、
【0041】(22)DNAライブラリー、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
および配列番号:12で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種
のDNAプライマー、および配列番号:11で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーを混合してPC
Rを行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜貫通
領域部分またはその他の領域部分をコードするDNAを
選択的に増幅することを特徴とするDNAライブラリー
からG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜
貫通領域部分またはその他の領域部分)をコードするD
NAをスクリーニングする方法、
【0042】(23)DNAライブラリー、配列番
号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:2で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれ
る少なくとも1種のDNAプライマーを混合してPCR
を行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜貫通領
域部分またはその他の領域部分をコードするDNAを選
択的に増幅することを特徴とするDNAライブラリーか
らG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜貫
通領域部分またはその他の領域部分)をコードするDN
Aをスクリーニングする方法、
【0043】(24)DNAライブラリー、配列番
号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:11で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを混合してPCRを行ない、
DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部分また
はその他の領域部分をコードするDNAを選択的に増幅
することを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質
共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部分
またはその他の領域部分)をコードするDNAをスクリ
ーニングする方法、
【0044】(25)DNAライブラリー、配列番
号:10で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーおよび配列番号:16で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマー、および配列番号:2で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:4
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:15で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:17で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:19
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成
る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマーを
混合してPCRを行ない、DNAライブラリーに含まれ
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域か
ら第6膜貫通領域部分またはその他の領域部分をコード
するDNAを選択的に増幅することを特徴とするDNA
ライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例
えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領
域から第6膜貫通領域部分またはその他の領域部分)を
コードするDNAをスクリーニングする方法、
【0045】(26)DNAライブラリー、配列番
号:10で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーおよび配列番号:16で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマー、および配列番号:11で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーを混合してP
CRを行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質
共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第7膜貫
通領域部分またはその他の領域部分をコードするDNA
を選択的に増幅することを特徴とするDNAライブラリ
ーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第7
膜貫通領域部分またはその他の領域部分)をコードする
DNAをスクリーニングする方法、 (27)DNAライブラリー、配列番号:1で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:13で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを混合してPCRを行ない、
DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜貫通領域部分また
はその他の領域部分をコードするDNAを選択的に増幅
することを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質
共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜貫通領域部分
またはその他の領域部分)をコードするDNAをスクリ
ーニングする方法、
【0046】(28)DNAライブラリー、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、および配列番号:2で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーを混合してPCRを行ない、DNA
ライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを選択的に増幅することを特徴と
するDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAをスクリーニングする方法、 (29)DNAライブラリー、配列番号:3で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、および配
列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーを混合してPCRを行ない、DNAライブラリーに
含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNAを選択的に増幅することを特徴とするDNAライ
ブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAをスクリーニングする方法、
【0047】(30)DNAライブラリー、配列番
号:6で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、および配列番号:8で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーを混合してPCRを行ない、DNA
ライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを選択的に増幅することを特徴と
するDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAをスクリーニングする方法、 (31)DNAライブラリー、配列番号:10で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、および
配列番号:11で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマーを混合してPCRを行ない、DNAライブラリ
ーに含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを選択的に増幅することを特徴とするDNA
ライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAをスクリーニングする方法、および (32)DNAライブラリーが、ヒトの組織・細胞由来
のcDNAライブラリーである上記第(6)項および上
記第(21)項〜第(31)項を提供する。ヒトの組織
の例としては、副腎、臍帯、脳、舌、肝臓、リンパ腺、
肺、胸腺、胎盤、腹膜、網膜、脾臓、心臓、平滑筋、
腸、血管、骨、腎臓、皮膚、胎児、乳腺、卵巣、精巣、
下垂体、膵臓、顎下腺、脊椎、前立腺、胃、甲状腺、気
管、骨格筋、子宮、脂肪組織、膀胱、角膜、嗅球、骨
髄、羊膜などが挙げられる。ヒトの細胞の例としては、
神経細胞、上皮細胞、白血球、リンパ球、グリア細胞、
線維芽細胞、角化細胞、骨芽細胞、破骨細胞、星状細
胞、メラニン細胞、各種の癌細胞、上記ヒトの組織由来
の細胞などが挙げられる。
【0048】本発明のDNAは、配列番号:1〜配列番
号:19のいずれかの配列番号で表される塩基配列を有
するディジェネレイトDNAである。
【0049】さらに、本発明は、 (33)配列番号:24で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列または(および)配
列番号:25で表わされるアミノ酸配列又はそれと実質
的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (34)配列番号:26で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とする第(33)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその塩、 (35)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
塩、 (36)配列番号:28で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
塩、 (37)配列番号:34で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列または(および)配
列番号:35で表わされるアミノ酸配列又はそれと実質
的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (38)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
塩、 (39)配列番号:39で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とする第(38)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその塩、 (40)配列番号:56で表わされるアミノ酸配列又は
それと実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特
徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
塩、
【0050】(41)第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペ
プチドまたはその塩、 (42)第(33)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (43)第(34)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (44)第(35)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (45)第(36)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (46)第(37)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (47)第(38)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、 (48)第(39)項記載のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを含有する
DNA、
【0051】(49)第(40)項記載のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードする塩基配列を有するDN
Aを含有するDNA、 (50)配列番号:29で表わされる塩基配列または
(および)配列番号:30で表わされる塩基配列を有す
る第(42)項記載のDNA、 (51)配列番号:31で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(43)項記載のDNA、 (52)配列番号:32で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(44)項記載のDNA、 (53)配列番号:33で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(45)項記載のDNA、 (54)配列番号:36で表わされる塩基配列または
(および)配列番号:37で表わされる塩基配列を有す
る第(46)項記載のDNA、 (55)配列番号:40で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(47)項記載のDNA、 (56)配列番号:41で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(48)項記載のDNA、 (57)配列番号:57で表わされる塩基配列で表され
る塩基配列を有する第(49)項記載のDNA、 (58)第(42)項〜第(57)項記載のいずれかの
DNAを含有することを特徴とするベクター、 (59)第(58)項記載のベクターを保持する形質転
換体、 (60)第(59)項記載の形質転換体を培養し、形質
転換体の細胞膜にG蛋白質共役型レセプター蛋白質を生
成せしめることを特徴とする第(33)項〜第(40)
項記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩
の製造方法、 (61)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩と、試
験化合物とを接触させることを特徴とする特徴とする第
(33)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共
役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、
【0052】(62)(i)第(33)項〜第(40)
項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質も
しくはその塩または第(41)項記載の部分ペプチドも
しくはその塩に、リガンドを接触させた場合と(ii)第
(33)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共
役型レセプター蛋白質もしくはその塩または第(41)
項記載の部分ペプチドもしくはその塩に、リガンドおよ
び試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とするリガンドと第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合
を阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする方
法、 (63)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩を含有
することを特徴とするリガンドと第(33)項〜第(4
0)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キット、および (64)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩に対す
る抗体を提供する。
【0053】また、本発明は、 (65)蛋白質が、(i)配列番号:24で表わされる
アミノ酸配列、配列番号24で表わされるアミノ酸配列
中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以
下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が
欠失したアミノ酸配列、配列番号24で表わされるアミ
ノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上3
0個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミ
ノ酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号24で
表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上1
0個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列または(および)(ii)配列番号25で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号25で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30
個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号25で表わされる
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以
上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号2
5で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以
上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列を含有する蛋白質である第(33)項記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (66)蛋白質が、配列番号26で表わされるアミノ酸
配列、配列番号26で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、より
好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号26で表わされるアミノ酸配列
に1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以
下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が
付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号26で表わさ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以
下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列を含有する蛋白質である第(34)項記載のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (67)蛋白質が、配列番号27で表わされるアミノ酸
配列、配列番号27で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、より
好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失した
アミノ酸配列、配列番号27で表わされるアミノ酸配列
に1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以
下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が
付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号27で表わさ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以
下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配
列を含有する蛋白質である第(35)項記載のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質またはその塩、
【0054】(68)蛋白質が、配列番号28で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号28で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30
個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ
酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号28で表わされる
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以
上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号2
8で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以
上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列を含有する蛋白質である第(36)項記載
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (69)蛋白質が、(i)配列番号:34で表わされる
アミノ酸配列、配列番号:34で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30個
以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸
が欠失したアミノ酸配列、配列番号:34で表わされる
アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以
上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)の
アミノ酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号:
34で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2
個以上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列または(および)(ii)配列番号:3
5で表わされるアミノ酸配列、配列番号:35で表わさ
れるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、
2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以
下)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:3
5で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好ま
しくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上
10個以下)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、ある
いは配列番号:35で表わされるアミノ酸配列中の1ま
たは2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、より
好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が他のアミ
ノ酸で置換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質である
第(37)項記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質ま
たはその塩、
【0055】(70)蛋白質が、配列番号:38で表わ
されるアミノ酸配列、配列番号:38で表わされるアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上
30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のア
ミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:38で表わ
されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、
2個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以
下)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列
番号:38で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましく
は2個以上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置
換されたアミノ酸配列を含有する蛋白質である第(3
8)項記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはそ
の塩、 (71)蛋白質が、配列番号:39で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:39で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、
より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失
したアミノ酸配列、配列番号:39で表わされるアミノ
酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上30
個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号:39で
表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上1
0個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質である第(39)項記載のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (72)蛋白質が、配列番号:56で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:56で表わされるアミノ酸配列中の
1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、
より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失
したアミノ酸配列、配列番号:56で表わされるアミノ
酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上30
個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ
酸が付加したアミノ酸配列、あるいは配列番号:56で
表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上1
0個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列を含有する蛋白質である第(40)項記載のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、 (73)リガンドがアンギオテンシン、ボンベシン、カ
ナビノイド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニ
ン、メラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プ
リン、バソプレッシン、オキシトシン、VIP(バソア
クティブ インテスティナル アンド リレイテッド
ペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、
アミリン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニンジー
ンリレーティッドペプチド)、アドレノメジュリン、ロ
イコトリエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジ
ン、トロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、αお
よびβ−chemokine (IL−8、GROα、GROβ、
GROγ、NAP−2、ENA−78、PF4、IP1
0、GCP−2、MCP−1、HC14、MCP−3、
I−309、MIP1α、MIP−1β、RANTES
など)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミ
ン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティックポ
リペプタイドまたはガラニンである第(61)項記載の
リガンドの決定方法、
【0056】(74)(i)標識したリガンドを第(3
3)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型
レセプター蛋白質もしくはその塩または第(41)項記
載の部分ペプチドもしくはその塩に接触させた場合と、
(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を第(3
3)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型
レセプター蛋白質もしくはその塩または第(41)項記
載の部分ペプチドまたはその塩に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの第(33)項〜第(40)項記
載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしく
はその塩または第(41)項記載の部分ペプチドもしく
はその塩に対する結合量を測定し、比較することを特徴
とするリガンドと第(33)項〜(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合を阻害
する化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (75)(i)標識したリガンドを第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質を含有する細胞に接触させた場合と、(ii)標
識したリガンドおよび試験化合物を第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、標識
したリガンドの該細胞に対する結合量を測定し、比較す
ることを特徴とするリガンドと第(33)項〜第(4
0)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、 (76)(i)標識したリガンドを第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触させた場合と、
(ii)標識したリガンドおよび試験化合物を第(3
3)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型
レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画分に接触させた
場合における、標識したリガンドの該細胞の膜画分に対
する結合量を測定し、比較することを特徴とするリガン
ドと第(33)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋
白質共役型レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物
またはその塩のスクリーニング方法、
【0057】(77)(i)標識したリガンドを第(5
9)項記載の形質転換体を培養することによって該形質
転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に接触させた場合と、(ii)標識したリガンドお
よび試験化合物を第(59)項記載の形質転換体を培養
することによって該形質転換体の細胞膜に発現したG蛋
白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合におけ
る、標識したリガンドの該G蛋白質共役型レセプター蛋
白質に対する結合量を測定し、比較することを特徴とす
るリガンドと第(33)項〜第(40)項記載のいズれ
かのG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合を阻害す
る化合物またはその塩のスクリーニング方法、 (78)(i)第(33)項〜第(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化する化
合物を第(33)項〜第(40)項記載のいずれかのG
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞に接触さ
せた場合と、(ii)第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化
する化合物および試験化合物を第(33)項〜第(4
0)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白
質を含有する細胞に接触させた場合における、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性を測定
し、比較することを特徴とするリガンドと第(33)項
〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング方法、 (79)(i)第(33)項〜第(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化する化
合物を第(59)項記載の形質転換体を培養することに
よって該形質転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に接触させた場合と、(ii)第(3
3)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型
レセプター蛋白質を活性化する化合物および試験化合物
を第(59)項記載の形質転換体を培養することによっ
て該形質転換体の細胞膜に発現したG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に接触させた場合における、G蛋白質共役
型レセプター蛋白質を介する細胞刺激活性を測定し、比
較することを特徴とするリガンドと第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリ
ーニング方法、
【0058】(80)第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化
する化合物がアンギオテンシン、ボンベシン、カナビノ
イド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メ
ラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、
バソプレッシン、オキシトシン、VIP(バソアクティ
ブ インテスティナル アンド リレイテッド ペプチ
ド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリ
ン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニンジーンリレ
ーティッドペプチド)、アドレノメジュリン、ロイコト
リエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、ト
ロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ
−chemokine (IL−8、GROα、GROβ、GRO
γ、NAP−2、ENA−78、PF4、IP10、G
CP−2、MCP−1、HC14、MCP−3、I−3
09、MIP1α、MIP−1β、RANTESな
ど)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミ
ン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティックポ
リペプタイドまたはガラニンである第(78)項または
第(79)項記載のスクリーニング方法、 (81)第(62)項、第(74)項〜第(80)項記
載のスクリーニング方法で得られる化合物またはその
塩、 (82)第(81)項記載の化合物またはその塩を含有
することを特徴とする医薬組成物、
【0059】(83)第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有す
る細胞を含有することを特徴とする第(63)項記載の
スクリーニング用キット、 (84)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画
分を含有することを特徴とする第(63)項記載のスク
リーニング用キット、 (85)第(59)項又は第(106)項記載の細胞を
含有することを特徴とする第(63)項記載のスクリー
ニング用キット、 (86)第(59)項又は第(106)項記載の細胞由
来の膜画分を含有することを特徴とする第(63)項記
載のスクリーニング用キット、 (87)第(63)項、又は第(83)項〜第(86)
項記載のスクリーニング用キットを用いて得られる化合
物またはその塩、 (88)第(87)項記載の化合物またはその塩を含有
することを特徴とする医薬組成物、および (89)第(64)項記載の抗体と、第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質もしくはその塩または第(41)項記載の部分ペ
プチドもしくはその塩とを接触させることを特徴とする
第(33)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質
共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または第(4
1)項記載の部分ペプチドもしくはその塩の測定方法を
提供する。
【0060】さらにまた、本発明は (90)(i)第(33)項〜第(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩
または第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩
を試験化合物と接触させることにより決定されたもので
あることを特徴とする上記第(33)項〜第(40)項
記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対
するリガンド、及び (91)(i)リガンドを第(33)項〜第(40)項
記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もし
くはその塩または第(41)項記載の部分ペプチドもし
くはその塩に接触させた場合と、(ii)リガンドおよ
び試験化合物を第(33)項〜第(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩
または第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩
に接触させた場合における比較することにより決定され
たものであることを特徴とするリガンドと第(33)項
〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質との結合を阻害する化合物またはその塩を提
供する。
【0061】また、本発明は (92)上記第(42)項〜第(57)項記載のいずれ
かのDNAの発現により得られたリコビナントG蛋白質
共役型レセプター蛋白質もしくはその塩、あるいはその
修飾された誘導体又はその断片とされた誘導体、 (93)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA、及び配列番号:1で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:2
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーからな
る群から選ばれたDNAプライマーの少なくとも一つを
混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行
なうことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAを増幅する方法、及び (94)DNAライブラリー、及び配列番号:1で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーからなる群から選ばれたDNAプライマーの少なく
とも一つを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リアク
ションを行ない、DNAライブラリーに含まれる鋳型G
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを選
択的に増幅することを特徴とするDNAライブラリーか
らG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA
をスクリーニングする方法を提供する。
【0062】さらに、本発明は (95)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩に対す
るモノクローナル抗体、 (96)第(33)項〜第(40)項記載のいずれかの
G蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩または
第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩に対す
る精製されたポリクローナル抗体調製物、及び (97)(i)上記第(64)項記載の抗体と測定すべ
き試料とをインキュベーションし、抗原・抗体複合物を
形成せしめ、(ii)上記第(i)工程で形成された抗
原・抗体複合物を検出することを特徴とするG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の検知のための免疫測定アッセイ
法、 (98)(i)上記第(33)項〜第(40)項記載の
いずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはそ
の塩または第(41)項記載の部分ペプチドもしくはそ
の塩と測定すべき試料とをインキュベーションし、抗原
・抗体複合物を形成せしめ、(ii)上記第(i)工程
で形成された抗原・抗体複合物を検出することを特徴と
するG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する抗体の検
知のための免疫測定アッセイ法を提供する。
【0063】またさらに、本発明は (99)上記第(42)項〜第(57)項記載のいずれ
かのDNAにハイブリダイズすることのできる第(4
2)項〜第(57)項記載のいずれかのDNAの少なく
とも一部に相補的な塩基配列を含有することを特徴とす
るアンチセンスDNAおよびRNA、 (100)該アンチセンスDNAおよびRNAが、上記
第(42)項〜第(57)項記載のいずれかのG蛋白質
共役型レセプター蛋白質のDNAの5’端ヘアピンルー
プ、5’端6−塩基ペア・リピート、5’端非翻訳領
域、蛋白質翻訳開始部位又はコドン、ORF翻訳開始部
位又はコドン、3’端非翻訳領域又は3’端ヘアピンル
ープを含有することを特徴とする上記第(99)項記載
のアンチセンスDNAおよびRNA、 (101)医薬として許容される担体中にあることを特
徴とする上記第(99)項記載のアンチセンスDNAお
よびRNA、 (102)2〜50の塩基配列を含有することを特徴と
する上記第(99)項記載のアンチセンスDNAおよび
RNA、 (103)上記第(99)項記載のアンチセンスDNA
およびRNAとG蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現
している細胞とを接触せしめることを特徴とするG蛋白
質共役型レセプター蛋白質の活性を制御・調節する方
法、 (104)上記第(33)項〜第(40)項記載のいず
れかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその塩
または第(41)項記載の部分ペプチドもしくはその塩
を個体に投与することを特徴とする第(33)項〜第
(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対する抗体の産生方法、及び (105)(i)上記第(33)項〜第(40)項記載
のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
その塩または第(41)項記載の部分ペプチドもしくは
その塩で個体を免疫し、(ii)該免疫された個体から
得られた細胞を永代培養可能ならしめ、(iii)G蛋
白質共役型レセプター蛋白質と反応する抗体を産生する
永代培養可能な細胞を選択し、そして(iv)該永代培
養可能な細胞を生育せしめることを特徴とする第(3
3)項〜第(40)項記載のいずれかのG蛋白質共役型
レセプター蛋白質に対するモノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマの生産方法を提供する。
【0064】さらに、本発明は (106)配列番号:1で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:3で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:5で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:6で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:7で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:14で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:16で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:1
8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから
成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマ
ー、および 配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:11で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる少
なくとも1種のDNAプライマーを含有することを特徴
とするDNAライブラリー中のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNA(あるいはヌクレオチド配
列)をポリメラーゼ・チェーン・リアクション法でスク
リーニングするためのキット、 (107)上記第(7)項記載のDNAを含有するベク
ター、 (108)上記第(7)項及び第(42)項〜第(5
7)項記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白
質のDNA由来のDNAのコード領域(ORF)を含有
し、該ORFが所要の宿主細胞において許容されるコン
トロール配列に操作可能に結合されていることを特徴と
する発現系、 (109)上記第(107)項又は第(108)項記載
のベクターあるいは発現系を保持する形質転換体、
【0065】(110)上記第(107)項記載の形質
転換体を培養し、該形質転換体の細胞膜にG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させることを特徴とするG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の製造方法、 (111)(a)上記第(59)項又は第(109)項
記載の形質転換体を用意し、(b)G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を発現させることのできる条件下に該形質
転換体を培養することを特徴とするG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質ポリペプチドの発現方法、 (112)(a)形質転換することのできる宿主細胞を
用意し、(b)上記第(58)項又は第(107)項記
載のベクターあるいは上記第(108)項記載の発現系
を用意し、(c)該ベクターあるいは発現系で該宿主細
胞を形質転換しうる条件下に上記(a)と(b)とをイ
ンキュベーションすることを特徴とする上記第(59)
項又は第(109)項記載の形質転換体の調製方法、 (113)上記第(81)項又は第(87)項記載の化
合物又はその医薬として許容される塩の有効量と医薬と
して許容される添加物、例えば担体、賦与剤、希釈剤な
どを含有することを特徴とする上記第(82)項又は第
(88)項記載の医薬組成物、 (114)本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質と
リガンドとの結合を阻害するためのものであることを特
徴とする上記第(82)項又は第(88)項記載の医薬
組成物、 (115)上記第(81)項又は第(87)項記載の化
合物又はその塩の有効量と媒体とを接触させることを特
徴とする本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質と該
媒体中のリガンドとの結合を阻害する方法、 (116)上記第(81)項又は第(87)項記載の化
合物又はその塩の有効量とG蛋白質共役型レセプター蛋
白質を発現している細胞とを接触させることを特徴とす
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質の活性を制御・調節
する方法、 (117)検出可能な信号形成体で標識された上記第
(90)項記載のリガンド、 (118)検出可能な信号形成体で標識された上記第
(64)項記載の抗体、 (119)上記第(99)項記載のアンチセンスDNA
の有効量を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の発現を制御・調節するための医薬組成
物、及び (120)上記第(59)項又は第(109)項記載の
形質転換体により製造された培養生産物を提供する。 本明細書において、「実質的に同一」とは蛋白質の活
性、例えば、リガンドの結合活性、生理的な特性など
が、実質的に同じであることを意味する。アミノ酸の置
換、欠失あるいは挿入はしばしばポリペプチドの生理的
な特性や化学的な特性に大きな変化を生ぜしめないし、
こうした場合その置換、欠失あるいは挿入を施されたポ
リペプチドは、そうした置換、欠失あるいは挿入のされ
ていないものと実質的に同一であるとされるであろう。
該アミノ酸配列中のアミノ酸の実質的に同一な置換物と
しては、そのアミノ酸が属するところのクラスのうちの
他のアミノ酸類から選ぶことができうる。非極性(疎水
性)アミノ酸としては、アラニン、ロイシン、イソロイ
シン、バリン、プロリン、フェニルアラニン、トリプト
ファン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)ア
ミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、シス
テイン、チロシン、アスパラギン、グルタミンなどが挙
げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、
アルギニン、リジン、ヒスチジンなどが挙げられる。負
電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン
酸、グルタミン酸などが挙げられる。
【0066】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、配列番号:1〜
配列番号:19のいずれかの配列番号で表される塩基配
列を有するDNAが合成され、その特徴が明らかにされ
ている。該DNAはポリメラーゼ・チェーン・リアクシ
ョン(PCR)法によってG蛋白質共役型レセプター蛋
白質のポリペプチドの一部あるいは全部をコードしてい
るDNAを増幅するためのプライマーとして非常に優れ
ている。G蛋白質共役型レセプター蛋白質のポリペプチ
ド配列の一部あるいは全部をコードしているDNAをP
CR法によって増幅することはこのプライマーDNAに
よって有利に行うことができる。DNAライブラリー中
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質のポリペプチド配列
の一部あるいは全部をコードしているDNAのスクリー
ニングが、このプライマーDNAを用いたPCR法によ
って成功することができる。結果、DNAライブラリー
中に含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質のポリペ
プチド配列の一部あるいは全部をコードしている鋳型D
NAを選択的に増幅することができ、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質のポリペプチド配列の一部あるいは全部
をコードしている各種のDNA配列を単離し、その特性
を明らかにすることができる。さらに、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質
から誘導された部分ペプチド、その修飾誘導体、その類
縁体、さらにその塩を認識したり、予測したり、推測し
たり、製造したり、発現したり、単離したり、その特性
を明らかにすることができる。G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質のポリペプチド配列の一部あるいは全部をコー
ドしているDNA配列をPCR法によって増幅するのに
有用なプライマーDNAは、配列番号:1〜配列番号:
19のいずれかの配列番号で表されるオリゴヌクレオチ
ド配列を持つディジェネレイト・デオキシヌクレオチド
である。
【0067】より具体的には、本発明のプライマーのう
ち配列番号:1で表わされる塩基配列は、 5' −CGTGGSCMTSSTGGGCAACN1
CCTG−3' 〔SはGまたはCを示し、MはAまたはCを示し、N1
はA、C、GまたはTを示し、YはTまたはCを示
す。〕である〔図1のHS−1〕。配列番号:2で表わ
される塩基配列〔HS−2〕は、 5' −GTN1 GWRRGGCAN1 CCAGCAGA
KGGCAAA 〔N1 はA、C、GまたはTを示し、WはAまたはTを
示し、RはAまたはGを示し、KはGまたはTを示
す。〕であり、これは、 5' −TTTGCCMTCTGCTGGNTGCCYY
WCNAC−3' 〔NはA、C、GまたはTを示し、MはAまたはCを示
し、YはTまたはCを示し、WはAまたはTを示す。〕
で表わされる塩基配列〔図2〕に相補的な塩基配列であ
る。
【0068】配列番号:3で表わされる塩基配列は、 5' −CTCGCSGCYMTN2 RGYATGGAY
CGN2 TAT−3' 〔SはGまたはCを示し、YはCまたはTを示し、Mは
AまたはCを示し、RはAまたはGを示し、N2 はIを
示す。〕である〔図4の3D〕。配列番号:4で表わさ
れる塩基配列は、 5' −CATGTRGWAGGGAAN2 CCAGSA
MAN2 RARRAA−3' 〔RはAまたはGを示し、WはTまたはAを示し、Sは
GまたはCを示し、MはAまたはCを示し、N2 はIを
示す。〕であり、これは、 5' −TTYYTYN1 TKTSCTGGN1 TTCC
CTWCYACATG−3' 〔YはCまたはTを示し、N1 はA、T、GまたはCを
示し、KはGまたはTを示し、SはGまたはCを示し、
WはAまたはTを示す。〕で表わされる塩基配列〔図6
の6C〕に相補的な塩基配列である。
【0069】配列番号:5で表わされる塩基配列は、 5' −CTGACYGYTCTN2 RSN2 RYTGA
CMGVTAC−3' 〔YはCまたはTを示し、RはAまたはGを示し、Sは
GまたはCを示し、MはAまたはCを示し、VはA、C
またはGを示し、N2 はIを示す。〕である〔図3の3
A〕。配列番号:6で表わされる塩基配列は、 5' −CTGACYGYTCTN2 RSN2 RYTGA
CMGVTAT−3' 〔YはCまたはTを示し、RはAまたはGを示し、Sは
GまたはCを示し、MはAまたはCを示し、VはA、C
またはGを示し、N2 はIを示す〕である〔図3の3
B〕。
【0070】配列番号:7で表わされる塩基配列は、 5' −CTCGCSGCYMTN2 RGYATGGAY
CGN2 TAC−3' 〔SはGまたはCを示し、YはCまたはTを示し、Mは
AまたはCを示し、RはAまたはGを示し、N2 はIを
示す。〕である〔図4の3C〕。配列番号:8で表わさ
れる塩基配列は、 5' −GATGTGRTARGGSRN2 CCAACA
GAN2 GRYAAA−3' 〔RはAまたはGを示し、SはGまたはCを示し、Yは
CまたはTを示し、N2はイノシンを示す。〕であり、
これは、 5' −TTTRYCN1 TCTGTTGGN1 YSCC
YTAYCACATC−3' 〔RはAまたはGを示し、YはCまたはTを示し、Sは
GまたはCを示し、N1はA、T、GまたはCを示
す。〕で表わされる塩基配列〔図5の6A〕に相補的な
塩基配列である。
【0071】配列番号:9で表わされる塩基配列は、 5' −GATGTGRTARGGSRN2 CCAACA
GAN2 GRYGAA−3' 〔RはAまたはGを示し、SはGまたはCを示し、Yは
CまたはTを示し、N2はIを示す。〕であり、これ
は、 5' −TTCRYCN1 TCTGTTGGN1 YSCC
YTAYCACATC−3' 〔RはAまたはGを示し、YはCまたはTを示し、Sは
GまたはCを示し、N1はA、T、GまたはCを示
す。〕で表わされる塩基配列〔図5の6B〕に相補的な
塩基配列である。配列番号:10で表わされる塩基配列
は、 5' −GYCACCAACN2 WSTTCATCCTS
WN2 HCTG−3' 〔SはGまたはCを示し、YはCまたはTを示し、Wは
AまたはTを示し、HはA、CまたはTを示し、N2
Iを示す。〕である〔図7のT2A〕。
【0072】配列番号:11で表わされる塩基配列〔図
8のT7A〕は、 5' −ASN2 SAN2 RAAGSARTAGAN2
AN2 RGGRTT−3' 〔RはAまたはGを示し、SはGまたはCを示し、N2
はIを示す。〕であり、これは、 5' −AAYCCYN2 TCN2 TCTAYTSCTT
YN2 TSN2 ST−3' 〔YはCまたはTを示し、N2 はIを示し、SはGまた
はCを示す。〕で表わされる塩基配列〔図8〕に相補的
な塩基配列である。配列番号:12で表わされる塩基配
列は、 5' −TGN2 TSSTKMTN2 GSN2 GTKGT
2 GGN2 AA−3' 〔SはGまたはCを示し、KはGまたはTを示し、Mは
AまたはCを示し、N2はIを示す。〕である〔図9の
TM1−A2〕。
【0073】配列番号:13で表わされる塩基配列〔図
10のTM3−B2〕は、 5' −AYCKGTAYCKGTCCAN2 KGWN2
ATKGC−3' 〔YはCまたはTを示し、KはGまたはTを示し、Wは
AまたはTを示し、N2はIを示す。〕であり、これ
は、 5' −GCMATN2 WCMN2 TGGACMGRTA
CMGRT−3' 〔MはAまたはCを示し、WはTまたはAを示し、Rは
AまたはGを示し、N2はIを示す。〕で表わされる塩
基配列〔図10〕に相補的な塩基配列である。配列番
号:14で表わされる塩基配列は、 5' −CATKKCCSTGGASAGN2 TAYN2
TRGC−3' 〔KはGまたはTを示し、SはGまたはCを示し、Yは
CまたはTを示し、RはAまたはGを示し、N2 はIを
示す。〕である〔図11のTM3−C2〕。
【0074】配列番号:15で表わされる塩基配列〔図
12のTM6−E2〕は、 5' −GWWGGGSAKCCAGCASAN2 GGC
RAA−3' 〔WはTまたはAを示し、SはGまたはCを示し、Kは
GまたはTを示し、RをAまたはGを示し、N2 はIを
示す。〕であり、これは、 5' −TTYGCCN2 TSTGCTGGMTSCCC
WWC−3' 〔YはCまたはTを示し、SはGまたはCを示し、Mは
AまたはCを示し、WはAまたはTを示し、N2 はIを
示す。〕で表わされる塩基配列〔図12〕に相補的な塩
基配列である。配列番号:16で表わされる塩基配列
は、 5' −ARYYTN2 GCN22 TN2 GCN1 GA
Y−3' 〔RはAまたはGを示し、YはCまたはTを示し、N1
はA、T、GまたはCを示し、N2 はIを示す。〕であ
る〔図13のTM2F18〕。
【0075】配列番号:17で表わされる塩基配列〔図
14のTM6R21〕は、 5' −N2 GGN2 AN2 CCARCAN1 AN11
RN1 RAA−3' 〔RはAまたはGを示し、N1 はA、T、GまたはCを
示し、N2 はIを示す。〕であり、これは、 5' −TTYN1 YN11 TN1 TGYTGGN2
2 CCN2 −3' 〔YはCまたはTを示し、N1 はA、T、GまたはCを
示し、N2 はIを示す。〕で表わされる塩基配列〔図1
4〕に相補的な塩基配列である。配列番号:18で表わ
される塩基配列は、 5' −GCCTSN2 TN2 RN2 SATGWSTGT
GGAN2 MGN2 T−3' 〔SはGまたはCを示し、RはAまたはGを示し、Wは
AまたはTを示し、MはAまたはCを示し、N2 はIを
示す。〕である〔図15のS3A〕。
【0076】配列番号:19で表わされる塩基配列〔図
16のS6A〕は、 5' −GAWSN2 TGMYN2 AN2 RTGGWAG
GGN2 AN2 CCA−3' 〔WはAまたはTを示し、SはGまたはCを示し、Mは
AまたはCを示し、YはCまたはTを示し、RはAまた
はGを示し、N2 はIを示す。〕であり、これは、 5' −TGGN2 TN2 CCCTWCCAYN2 TN2
RKCAN2 SWTC−3' 〔WはAまたはTを示し、YはCまたはTを示し、Rは
AまたはGを示し、KはGまたはTを示し、SはGまた
はCを示す。〕で表わされる塩基配列〔図16〕に相補
的な塩基配列である。具体的な場合には、上記配列番号
における記号(R、Y、M、K、S、W、H、V及び
N)は複数の塩基が組み込まれ、該プライマー調製物の
内にマルチプル・オリゴヌクレオチドが生じていること
示している。すなわち、配列番号:1〜配列番号:19
は、ディジェネレイト・ヌクレオチド・プライマーであ
る。
【0077】配列番号:1で表される塩基配列〔図1:
HS−1〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質、すなわち、ヒト由来TRHレセプター蛋白質(HT
RHR)、ヒト由来RANTESレセプター蛋白質(L
10918、HUMRANTES)、ヒトバーキットリ
ンパ腫由来リガンド不明レセプター蛋白質(X6814
9、HSBLR1A)、ヒト由来ソマトスタチンレセプ
ター蛋白質(L14856、HUMSOMAT)、ラッ
ト由来μ−オピオイドレセプター蛋白質(U0208
3、RNU02083)、ラット由来κ−オピオイドレ
セプター蛋白質(U00442、U00442)、ヒト
由来ニューロメジンBレセプター蛋白質(M7348
2、HUMNMBR)、ヒト由来ムスカリン作動性アセ
チルコリンレセプター蛋白質(X15266、HSHM
4)、ラット由来アドレナリンα1 Bレセプター蛋白質
(L08609、RATAADRE01)、ヒト由来ソ
マトスタチン3レセプター蛋白質(M96738、HU
MSSTR3X)、ヒト由来C5aレセプター蛋白質
(HUMC5AAR)、ヒト由来リガンド不明レセプタ
ー蛋白質(HUMRDC1A)、ヒト由来リガンド不明
レセプター蛋白質(M84605、HUMOPIODR
E)、ラット由来アドレナリンα2 B(M91466、
RATA2BAR)などの第1膜貫通領域付近のアミノ
酸配列をコードするDNAの塩基配列において共通性の
高い塩基を有する塩基配列である〔図1〕。
【0078】配列番号:2で表される塩基配列〔図2:
HS−2〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質、すなわち、マウス由来リガンド不明レセプター蛋白
質(M80481、MUSGIR)、ヒト由来ボンベシ
ンレセプター蛋白質(L08893、HUMBOMB3
S)、ヒト由来アデノシンA2レセプター蛋白質(S4
6950、S46950)、マウス由来リガンド不明レ
セプター蛋白質(D21061、MUSGPCR)、マ
ウス由来TRHレセプター蛋白質(S43387、S4
3387)、ラット由来ニューロメジンKレセプター蛋
白質(J05189、RATNEURA)、ラット由来
アデノシンA1レセプター蛋白質(M69045、RA
TA1ARA)、ヒト由来ニューロキニンAレセプター
蛋白質(M57414、HUMNEKAR)、ラット由
来アデノシンA3レセプター蛋白質(M94152、R
ATADENREC)、ヒト由来ソマトスタチン1レセ
プター蛋白質(M81829、HUMSRI1A)、ヒ
ト由来ニューロキニン3レセプター蛋白質(S8639
0、S86371S4)、ラット由来リガンド不明レセ
プター蛋白質(X61496、RNCGPCR)、ヒト
由来ソマトスタチン4レセプター蛋白質(L0706
1、HUMSSTR4Z)、ラット由来GnRHレセプ
ター蛋白質(M31670、RATGNRHA)などの
第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNA
の塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基配列
〔図2〕に相補的な塩基配列である。
【0079】配列番号:5で表される塩基配列〔図3の
3A〕または配列番号:6で表される塩基配列〔図3の
3B〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター、すなわち
マウス由来κ- オピオイドレセプター蛋白質(L110
64)、マウス由来δ- オピオイドレセプター蛋白質
(L11065)、ラット由来μ- オピオイドレセプタ
ー蛋白質(D16349)、マウス由来ブラジキニンB
2レセプター蛋白質(X69676)、ラット由来ブラ
ジキニンB2レセプター蛋白質(M59967)、マウ
ス由来ボンベシンレセプター蛋白質(M35328)、
ヒト由来ニューロメジンBレセプター蛋白質(M734
82)、ヒト由来ガストリンリリーシングペプチドレセ
プター蛋白質(M73481)、ヒト由来ボンベシンレ
セプター蛋白質サブタイプ3(L08893)、マウス
由来サブスタンスKレセプター蛋白質(X6293
3)、マウス由来サブスタンスPレセプター蛋白質(X
62934)、ラット由来ニューロキニン3レセプター
蛋白質(J05189)、ラット由来エンドセリンレセ
プター蛋白質(M60786)、ラット由来リガンド不
明レセプター蛋白質(L04672)、同(X6149
6)、同(X59249)、同(L09249)、マウ
ス由来リガンド不明レセプター蛋白質(P3073
1)、ヒト由来リガンド不明レセプター蛋白質(M31
210)、同(U03642)などの第3膜貫通領域付
近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列におい
て共通性の高い塩基を有する塩基配列〔図3〕である。
【0080】配列番号:7で表される塩基配列〔図4の
3C〕または配列番号:3〔(図4の3D〕で表される
塩基配列は、公知のG蛋白質共役型レセプター、すなわ
ちマウス由来アンジオテンシンIIレセプター蛋白質(L
32840)、ラット由来アンジオテンシンIbレセプ
ター蛋白質(X64052)、ラット由来アンジオテン
シンレセプター蛋白質サブタイプ(M90065)、ヒ
ト由来アンジオテンシンIaレセプター蛋白質(M91
464)、ラット由来コレシストキニンaレセプター蛋
白質(M88096)、ラット由来コレシストキニンb
レセプター蛋白質(M99418)、ヒト由来コレシス
トキニンbレセプター蛋白質(L04473)、マウス
由来ローアフィニティーインターロイキン8レセプター
蛋白質(M73969)、ヒト由来ハイアフィニティー
インターロイキン8レセプター蛋白質(X6585
8)、マウス由来C5aアナフィラトキシンレセプター
蛋白質(S46665)、ヒト由来N- フォルミルペプ
チドレセプター蛋白質(M60626)などの、第3膜
貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基
配列において共通性の高い塩基を有する塩基配列〔図
4〕である。
【0081】配列番号:10で表される塩基配列〔図7
のT2A〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター、すな
わちヒトガラニンレセプター(HUMGALARE
C)、ラットα−1B−アドレナジックレセプター(R
ATADR1B)、ヒトβ−1−アドレナジックレセプ
ター(HUMADRB1)、ウサギIL−8レセプター
(RABIL8RSB)、ヒトオピオイドレセプター
(HUMOPIODRE)、ウシサブスタンスKレセプ
ター(BTSKR)、ヒトソマトスタチンレセプター−
2(HUMSRI2A)、ヒトソマトスタチンレセプタ
ー−3(HUMSSTR3Y)、ヒトガストリンレセプ
ター(HUMGARE)、ヒトコレシストキニンAレセ
プター(HUMCCKAR)、ヒトドパミンレセプター
−D5(HUMD1B)、ヒトセロトニンレセプター5
HT1E(HUM5HT1E)、ヒトドパミンレセプタ
ーD4(HUMD4C)、マウスセロトニンレセプター
−2(MMSERO)、ラットα−1A−アドレナジッ
クレセプター(RATADRA1A)、ラットヒスタミ
ンH2レセプター(S57565)などの、第2膜貫通
領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列
において共通性の高い塩基を有する塩基配列〔図7〕で
ある。
【0082】配列番号:8で表される塩基配列〔図5の
6Aに相補的な塩基配列〕または配列番号:9〔図5の
6Bに相補的な塩基配列〕で表される塩基配列は、公知
のG蛋白質共役型レセプター、すなわちマウス由来κ-
オピオイドレセプター蛋白質(L11064)、マウス
由来δ- オピオイドレセプター蛋白質(L1106
5)、ラット由来μ- オピオイドレセプター蛋白質(D
16349)、マウス由来ブラジキニンB2レセプター
蛋白質(X69676)、ラット由来ブラジキニンB2
レセプター蛋白質(M59967)、マウス由来ボンベ
シンレセプター蛋白質(M35328)、ヒト由来ニュ
ーロメジンBレセプター蛋白質(M73482)、ヒト
由来ガストリンリリーシングペプチドレセプター蛋白質
(M73481)、ヒト由来ボンベシンレセプター蛋白
質サブタイプ3(L08893)、マウス由来サブスタ
ンスKレセプター蛋白質(X62933)、マウス由来
サブスタンスPレセプター蛋白質(X62934)、ラ
ット由来ニューロキニン3レセプター蛋白質(J051
89)、ラット由来エンドセリンレセプター蛋白質(M
60786)、ラット由来リガンド不明レセプター蛋白
質(L04672)、同(X61496)、同(X59
249)、同(L09249)、マウス由来リガンド不
明レセプター蛋白質(P30731)、ヒト由来リガン
ド不明レセプター蛋白質(M31210)、同(U03
642)などの第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコ
ードするDNAの塩基配列において共通性の高い塩基を
有する塩基配列〔図5〕に相補的な塩基配列である。
【0083】配列番号:4で表される塩基配列〔図6の
6Cに相補的な塩基配列〕は、公知のG蛋白質共役型レ
セプター、すなわちマウス由来アンジオテンシンIIレセ
プター蛋白質(L32840)、ラット由来アンジオテ
ンシンIbレセプター蛋白質(X64052)、ラット
由来アンジオテンシンレセプター蛋白質サブタイプ(M
90065)、ヒト由来アンジオテンシンIaレセプタ
ー蛋白質(M91464)、ラット由来コレシストキニ
ンaレセプター蛋白質(M88096)、ラット由来コ
レシストキニンbレセプター蛋白質(M99418)、
ヒト由来コレシストキニンbレセプター蛋白質(L04
473)、マウス由来ローアフィニティーインターロイ
キン8レセプター蛋白質(M73969)、ヒト由来ハ
イアフィニティーインターロイキン8レセプター蛋白質
(X65858)、マウス由来C5aアナフィラトキシ
ンレセプター蛋白質(S46665)、ヒト由来N- フ
ォルミルペプチドレセプター蛋白質(M60626)な
どの第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするD
NAの塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基
配列〔図6〕に相補的な塩基配列である。
【0084】配列番号:11で表される塩基配列〔図8
のT7A〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター、すな
わちヒトガラニンレセプター(HUMGALARE
C)、ラットA1アデノシンレセプター(RAT1AD
REC)、ブタアンジオテンシンレセプター(PIGA
2R)、ラットセロトニンレセプター(RAT5HTR
TC)、ヒトドパミンレセプター(S58541)、ヒ
トガストリンリリーシングペプチドレセプター(HUM
GRPR)、マウスGRP/ボンベシンレセプター(M
USGRPBOM)、ラットバスキュラータイプ1アン
ジオテンシンレセプター(RRVT1AIIR)、ヒト
ムスカリニックアセチルコリンレセプター(HSHM
4)、ヒトβ−1アドレナジックレセプター(HUMD
RB1)、ヒトガストリンレセプター(HUMGAR
E)、ラットコレシストキニンレセプター(RATCC
KAR)、ラットリガンド不明レセプター(S5974
8)、ヒトソマトスタチンレセプター(HUMSST2
8A)、ラットリガンド不明レセプター(RNGPRO
CR)、マウスソマトスタチンレセプター1(MUSS
RI1A)、ヒトα−A1−アドレナジックレセプター
(HUMA1AADR)、マウスデルタオピオイドレセ
プター(S66181)、ヒトソマトスタチンレセプタ
ー−3(HUMSSTR3Y)などの第7膜貫通領域付
近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列におい
て共通性の高い塩基を有する塩基配列〔図8〕に相補的
な塩基配列である。
【0085】配列番号:12で表される塩基配列〔図9
のTM1−A2〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちマウス由来ブラジキニンB2 レセプター
(MUSBB2R)、ウシ由来サブスタンスKレセプタ
ー(BTSKR)、ウシ由来エンドセリンETB レセプ
ター(BOVEETBR)、ヒト由来ニューロペプチド
Yレセプター(MMSUBKREC)、ヒト由来プロス
タグランジンE2 レセプター(HUMPGE2R)、ヒ
ト由来プロスタサイクリンレセプター(HUMPI
R)、ヒト由来κ−オピオイドレセプター(HSU11
053)、ラット由来メラノコルチン3レセプター(R
RMC3RA)、ヒト由来メラノコルチンレセプター
(HUMMR)、マウス由来ボンベシン/GRPレセプ
ター(MUSGRPBOM)、ラット由来コレシストキ
ニンBレセプター(RATCHOLREC)、ラット由
来コレシストキニンAレセプター(RATCCKAR)
などの第1膜貫通領域内のアミノ酸配列をコードするD
NAの塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基
配列〔図9〕である。
【0086】配列番号:13で表される塩基配列〔図1
0のTM3−B2〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来コレシストキニンレセプター(H
UMCCKR)、ヒト由来コレシストキニンBレセプタ
ー(HUMCCKBGR)、マウス由来メラノコルチン
5レセプター(MMGMC5R)、ヒト由来バソプレッ
シンレセプター(HUMV2R)、ラット由来ニューロ
メジンKレセプター(RATNEURA)、イヌ由来ガ
ストリンレセプター(DOGGSTRN)、ラット由来
セロトニンレセプター(RAT5HT5A)、マウス由
来α2-アドレナリンレセプター(MUSALP2AD
A)、ヒト由来アデノシンA1 レセプター(HUMAD
ORA1X)、ヒト由来オピオイド(推定)レセプター
(HUMOPIODRE)、マウス由来ボンベシン/G
RPレセプター(MUSGRPBOM)、ラット由来コ
レシストキニンAレセプター(RATCCKAR)、ヒ
ト由来TRHレセプター(HSTRHREC)などの第
3膜貫通領域終盤付近のアミノ酸配列をコードするDN
Aの塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基配
列〔図10〕に相補的な塩基配列である。
【0087】配列番号:14で表される塩基配列〔図1
1のTM3−C2〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来ニューロキニン3レセプター(H
UMNK3R)、ヒト由来オキシトシンレセプター(H
SMRNAOXY)、モルモット由来コレシストキニン
Aレセプター(S68242)、イヌ由来リガンド不明
レセプター(CFGPCR4)、マウス由来サブスタン
スPレセプター(MMSUBPREC)、ヒト由来リガ
ンド不明レセプター(HUMOPIODRE)、ヒト由
来ガラニンレセプター(HUMGALAREC)、ヒト
由来セロトニンレセプター(HSS31G)、ヒト由来
β3-アドレナリンレセプター(HUMARB3A)、ヒ
ト由来プロスタサイクリンレセプター(HUMHP
R)、ラット由来コレシストキニンAレセプター(RA
TCCKAR)などの第3膜貫通領域終盤付近アミノ酸
配列をコードするDNAの塩基配列において共通性の高
い塩基を有する塩基配列〔図11〕である。
【0088】配列番号:15で表される塩基配列〔図1
2のTM6−E2〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来ニューロキニンAレセプター(H
UMNEKAR)、ヒト由来サブスタンスPレセプター
(HUMSUBPRA)、ラット由来サブスタンスKレ
セプター(RATSKR)、マウス由来ボンベシン/G
RPレセプター(MUSGRPBOM)、ヒト由来オピ
オイド(推定)レセプター(HUMOPIODRE)、
ヒト由来アデノシンA2 レセプター(HUMA2XX
X)、ヒト由来β2-アドレナリンレセプター(HUMA
DRBR)、イヌ由来リガンド不明レセプターRDC5
(CFGPCR8)、ヒト由来エンドセリンレセプター
(HUMETSR)、マウス由来ニューロペプチドY1
レセプター(MMNPY1CDS)、ヒト由来オキシト
シンレセプター(HSMRNAOXY)、ラット由来コ
レシストキニンAレセプター(RATCCKAR)など
の第6膜貫通領域内のアミノ酸配列をコードするDNA
の塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基配列
〔図12〕に相補的な塩基配列である。
【0089】配列番号:16で表される塩基配列〔図1
3のTM2F18〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来TSHレセプター(HUMTSH
X)、ヒト由来ニューロキニンAレセプター(HUMN
EKAR)、ヒト由来FMLPレセプター(HUMFM
LP)、ヒト由来IL8レセプターB(HUMINTL
EU8)、ヒト由来α- A1アドレナジックレセプター
(HUMA1AADR)、ヒト由来IL8レセプターA
(HUMIL8RA)、ヒト由来ドパミンD2レセプタ
ー(HSDD2)、ヒト由来アンギオテンシンタイプI
レセプター(HUMANTIR)、ヒト由来ソマトスタ
チンレセプター(HUMSOMAT)、ヒトTRHレセ
プター(HSTRHREC)由来、ヒト由来デルタオピ
オイドレセプター(HSUO7882)などの、第2膜
貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基
配列において共通性の高い塩基を有する塩基配列〔図1
3〕である。
【0090】配列番号:17で表される塩基配列〔図1
4のTM6R21〕は、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来β- アドレナジックレセプター
(HSBAR)、ヒト由来ニューロキニンAレセプター
(HUMNEKAR)、ヒト由来エンドセリン- 1レセ
プター(HUMETN1R)、ヒト由来ヒスタミンH2
レセプター(HUMHISH2R)、ヒト由来α- A1
アドレナジックレセプター(HUMA1AADR)、ヒ
ト由来IL8レセプターA(HUMIL8RA)、ヒト
由来ニューロメジンBレセプター(HUMNMBR)、
ヒト由来ニューロキニン1レセプター(HUMNKIR
X)、ヒト由来サブスタンスPレセプター(HUMSU
BPRA)、ヒト由来5- HT1Dセロトニンレセプタ
ー(HUM5HT1DA)、ヒト由来ホルミルペプチド
レセプター(HUMPFPR2A)、ヒト由来ドパミン
D2レセプター(HSDD2)、ヒト由来ニューロペプ
チドYレセプター(HUMNEUYREC)、ヒト由来
アデノシンA2レセプター(HUMA2XXX)、ヒト
由来ブラジキニンレセプターBK- 2(HUMBK2
A)、ヒト由来FMLP- リレイテッドレセプターII
(HUMFMLPX)、ヒト由来ソマトスタチンレセプ
ターサブタイプ3(HUMSSTR3X)、ヒト由来コ
レシストキニンレセプター(HUMCCKR)、ヒト由
来ニューロテンシンレセプター(HSNEURA)など
の第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDN
Aの塩基配列において共通性の高い塩基を有する塩基配
列〔図14〕に相補的な塩基配列である。
【0091】配列番号:18で表される塩基配列〔図1
5のS3A〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター、す
なわちヒト由来ガラニンレセプター(HUMGALAR
EC)、ヒト由来CCK・Bレセプター(S7005
7)、ヒト由来ETA レセプター(S67127)、ヒ
ト由来ETB レセプター(S44866)、ヒト由来C
5Aレセプター(HUMC5AAR)、ヒト由来アンジ
オテンシンIIレセプター(HUMANTIR)、ヒト由
来ブラジキニンレセプター(HUMBK2R)、ヒト由
来ニューロテンシンレセプター(HSNEURA)、ヒ
ト由来GRPレセプター(HUMGRPR)、ヒト由来
ソマトスタチン5レセプター(HUMFSRS)、ヒト
由来IL- 8レセプター(HUMIL8RA)、ヒト由
来ニューロキニン2(ニューロキニンA)レセプター
(HUMNEKAR)など、第3膜貫通領域付近のアミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列において共通性
の高い塩基を有する塩基配列〔図15〕である。
【0092】配列番号:19で表される塩基配列〔図1
6のS6A〕は、公知のG蛋白質共役型レセプター、す
なわちヒト由来ガラニンレセプター(HUMGALAR
EC)、ヒト由来CCK・Bレセプター(S7005
7)、ヒト由来ETA レセプター(S67127)、ヒ
ト由来ETB レセプター(S44866)、ヒト由来C
5Aレセプター(HUMC5AAR)、ヒト由来アンジ
オテンシンIIレセプター(HUMANTIR)、ヒト由
来ブラジキニンレセプター(HUMBK2R)、ヒト由
来ニューロテンシンレセプター(HSNEURA)、ヒ
ト由来GRPレセプター(HUMGRPR)、ヒト由来
ソマトスタチン5レセプター(HUMFSRS)、ヒト
由来IL- 8レセプター(HUMIL8RA)、ヒト由
来ニューロキニン2(ニューロキニンA)レセプター
(HUMNEKAR)などの第6膜貫通領域付近のアミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列において共通性
の高い塩基を有する塩基配列〔図16〕に相補的な塩基
配列である。上記の( )内の略語はDNASIS Gene/Prot
ein シークエンスデータベース(CD019、日立ソフ
トウエアエンジニアリング)を用いて GenBank/EMBL Da
ta Bank を検索した際に示される整理番号であり、それ
ぞれ通常Accession Numberまたはエントリーネームと呼
ばれるものである。ただし、HTRHRは特願平5−2
86986号(EPA638645)に記載されている
配列である。本発明のDNAは、それ自体公知のDNA
合成法あるいはそれに準じる方法に従って、製造するこ
とができる。本発明のDNA(又はヌクレオチド類)
は、8個〜60個の塩基、好ましくは12個〜50個の
塩基、より好ましくは15個〜40個の塩基、さらに好
ましくは18個〜30個の塩基を有するオリゴヌクレオ
チドであることができる。
【0093】本発明のDNAのうち、配列番号:1また
は配列番号:12で表わされる塩基配列を有するDNA
は、前述の公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第
1膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの
塩基配列に共通して存在する塩基配列であるので、公知
または未知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜
貫通領域付近をコードするDNA(ゲノムDNA、cD
NA)またはRNAに相補的に結合することができる、
さらには、他の膜貫通領域にも相補的に結合することが
できる。配列番号:3、配列番号:5、配列番号:6、
配列番号:7、配列番号:14または配列番号:18で
表わされる塩基配列を有するDNAは、前述の公知のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域付近の
アミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列に共通して
存在する塩基配列であるので、公知または未知のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域付近をコー
ドするDNA(ゲノムDNA、cDNA)またはRNA
に相補的に結合することができ、さらには、他の膜貫通
領域にも相補的に結合することができる。
【0094】配列番号:10または配列番号:16で表
わされる塩基配列を有するDNAは、前述の公知のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域付近のア
ミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列に共通して存
在する塩基配列であるので、公知または未知のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域付近をコード
するDNA(ゲノムDNA、cDNA)またはRNAに
相補的に結合することができ、さらには、他の膜貫通領
域にも相補的に結合することができる。配列番号:2、
配列番号:4、配列番号:8、配列番号:9、配列番
号:15、配列番号:17または配列番号:19で表わ
される塩基配列を有するDNAは、前述の公知の第6膜
貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基
配列に共通して存在する塩基配列に相補的な塩基配列で
あるので、公知または未知のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第6膜貫通領域付近をコードするDNA(ゲノ
ムDNA、cDNA)またはRNAに相補的に結合する
ことができ、さらには、その他の膜貫通領域にも相補的
に結合することができる。
【0095】配列番号:11で表わされる塩基配列を有
するDNAは、前述の公知の第7膜貫通領域付近のアミ
ノ酸配列をコードするDNAの塩基配列に共通して存在
する塩基配列に相補的な塩基配列であるので、公知また
は未知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第7膜貫通
領域付近をコードするDNA(ゲノムDNA、cDN
A)またはRNAに相補的に結合することができ、さら
には、その他の膜貫通領域にも相補的に結合することが
できる。配列番号:13で表わされる塩基配列を有する
DNAは、前述の公知の第3膜貫通領域付近のアミノ酸
配列をコードするDNAの塩基配列に共通して存在する
塩基配列に相補的な塩基配列であるので、公知または未
知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域
付近をコードするDNA(ゲノムDNA、cDNA)ま
たはRNAに相補的に結合することができ、さらには、
その他の膜貫通領域にも相補的に結合することができ
る。
【0096】したがって、本発明のDNAはポリメラー
ゼ・チェーン・リアクション(以下、PCRと略称する
場合がある)用のDNAプライマーとして用いることが
できる。例えば、(i)鋳型となる微量のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)、
配列番号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:3で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:6で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:7で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
10で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、
配列番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマー、配列番号:14で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:16で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:18で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれ
る少なくとも1種のDNAプライマーを混合して、ポリ
メラーゼ・チェーン・リアクションを行なうか、または
(ii)鋳型となる微量のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするDNA(断片)、配列番号:1で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列
番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプ
ライマー、および配列番号:13で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる少
なくとも1種のDNAプライマーを混合して、ポリメラ
ーゼ・チェーン・リアクションを行なうことによって、
該レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)を増幅
することができる。
【0097】配列番号:2で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:9で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる少
なくとも1種のDNAプライマーを用いてPCR法を行
なうと、該DNAプライマーは鋳型となるG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の第6膜貫通領域または他の膜貫通
領域をコードするDNA(断片)あるいはRNAの+鎖
(プラス鎖)の3' 側の塩基配列に結合して、−鎖(マ
イナス鎖)を5' 側から3' 側へ伸長していく。配列番
号:11で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーを用いてPCR法を行なうと、該DNAプライマーは
鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第7膜貫
通領域または他の膜貫通領域をコードするDNA(断
片)あるいはRNAの+鎖(プラス鎖)の3' 側の塩基
配列に結合して、−鎖(マイナス鎖)を5' 側から3'
側へ伸長していく。
【0098】配列番号:1で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーまたは配列番号:12で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマーを用いてPCR法を
行なうと、該DNAプライマーは鋳型となるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域または他の膜貫
通領域をコードするDNA(断片)あるいはRNAの−
鎖(マイナス鎖)の3' 側の塩基配列に結合して、+鎖
を5’側から3’側へ伸長していく。配列番号:10で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーまたは配
列番号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーを用いてPCR法を行なうと、該DNAプライマ
ーは鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2
膜貫通領域または他の膜貫通領域をコードするDNA
(断片)あるいはRNAの−鎖(マイナス鎖)の3' 側
の塩基配列に結合して、+鎖を5’側から3’側へ伸長
していく。配列番号:3で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマー、配列番号:6で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:7で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:14で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーおよび配列番号:18で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマーを用いてPCR法を行なうと、該
DNAプライマーは鋳型となるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第3膜貫通領域または他の膜領域をコードす
るDNA(断片)あるいはRNAの−鎖(マイナス鎖)
の3' 側の塩基配列に結合して、+鎖を5’側から3’
側へ伸長していく。
【0099】したがって、本発明の配列番号:1〜配列
番号:19のいずれかの配列番号で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを組み合わせることによっ
て、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
A(断片)を増幅することができる。より具体的には、
本発明は、 (A)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群
から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、およ
び配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:15
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも
1種のDNAプライマーを混合して、PCRを行なうこ
とを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例え
ば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域
から第6膜貫通領域部分またはその他の領域部分)をコ
ードするDNAを増幅する方法、
【0100】(B)鋳型となるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNA、配列番号:1で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:11で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを混合して、PCRを行なう
ことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例
えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領
域から第7膜貫通領域部分またはその他の領域部分)を
コードするDNAを増幅する方法、 (C)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、、配列番号:10で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:16
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成
る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、
および配列番号:2で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマー、配列番号:4で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:8で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:9で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
15で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、
配列番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマーから成る群から選ばれる少なく
とも1種のDNAプライマーを混合して、PCRを行な
うことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質
(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫
通領域から第6膜貫通領域部分またはその他の領域部
分)をコードするDNAを増幅する方法、
【0101】(D)鋳型となるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNA、、配列番号:10で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNA
プライマー、および配列番号:11で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーを混合して、PCRを行
なうことを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質
(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫
通領域から第7膜貫通領域部分またはその他の領域部
分)をコードするDNAを増幅する方法、 (E)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、、配列番号:3で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:5で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:6
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:7で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:14で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーおよび配列番号:18で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる少
なくとも1種のDNAプライマー、および配列番号:
2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:15で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:17で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列
番号:19で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプ
ライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDN
Aプライマーを混合して、PCRを行なうことを特徴と
するG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜
貫通領域部分またはその他の領域部分)をコードするD
NAを増幅する方法、
【0102】(F)鋳型となるG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNA、、配列番号:3で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:7で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:14で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:18で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、お
よび配列番号:11で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーを混合して、PCRを行なうことを特徴
とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第7
膜貫通領域部分またはその他の領域部分)をコードする
DNAを増幅する方法、および (G)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群
から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、およ
び配列番号:13で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーを混合して、PCRを行なうことを特徴と
するG蛋白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜
貫通領域部分またはその他の領域部分)をコードするD
NAを増幅する方法を提供する。
【0103】上記(A)の増幅方法において、より好ま
しいDNAプライマーの組み合わせとしては、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
と配列番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマーとの組み合わせなどが挙げられる。上記(D)
の増幅方法において、より好ましいDNAプライマーの
組み合わせとしては、配列番号:10で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーと配列番号:11で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーとの組み合わ
せなどが挙げられる。上記(E)の増幅方法において、
より好ましいDNAプライマーの組み合わせとしては、
(i)配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーまたは配列番号:6で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーと、配列番号:8で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマーまたは配列番号:
9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、
(ii)配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーまたは配列番号:7で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーと、配列番号:4で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマーとの組み合わせな
どが挙げられる。
【0104】上記(G)の増幅方法において、より好ま
しいDNAプライマーの組み合わせとしては、配列番
号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーと配列番号:13で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマーとの組み合わせなどが挙げられる。この増
幅方法は、公知のPCR法に従って実施することができ
る。例えば、Saiki R.K. et al. Science,239:487-491
(1988) に記載の方法に従って実施することができる。
PCR法の温度、時間、バッファー、サイクル数、DN
Aポリメラーゼなどの酵素、2'-deoxy-7-deaza-guanosi
ne triphosphate やInosine の添加などは対象DNAの
種類などに応じて適宜選択することができる。またRN
Aを鋳型として用いる場合は、Saiki R.K. et al. Scie
nce,239:487-491(1988) に記載の方法などに従って行な
う。
【0105】さらに、本発明の配列番号:1または配列
番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAはG蛋
白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域付近のア
ミノ酸配列をコードするDNAの−鎖の3' 側の塩基配
列に選択的に相補的に結合することができ、配列番号:
10または配列番号:16で表わされる塩基配列を有す
るDNAはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫
通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの−鎖の
3' 側の塩基配列に選択的に相補的に結合することがで
き、本発明の配列番号:3、配列番号:5、配列番号:
6、配列番号:7、配列番号:14または配列番号:1
8で表わされる塩基配列を有するDNAはG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の第3膜貫通領域付近のアミノ酸配
列をコードするDNAの−鎖の3' 側の塩基配列に選択
的に相補的に結合することができ、本発明の配列番号:
2、配列番号:4、配列番号:8、配列番号:9、配列
番号:15、配列番号:17または配列番号:19で表
わされる塩基配列を有するDNAはG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコ
ードするDNAの+鎖の3' 側に選択的に相補的に結合
することができ、本発明の配列番号:11で表わされる
塩基配列を有するDNAはG蛋白質共役型レセプター蛋
白質の第7膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードする
DNAの+鎖の3' 側に選択的に相補的に結合すること
ができ、本発明の配列番号:13で表わされる塩基配列
を有するDNAはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第
3膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの
+鎖の3' 側に選択的に相補的に結合することができる
ので、DNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNA(断片)をスクリーニング
するためのプローブとして使用することができるので、
試薬として有用である。
【0106】本発明のDNAをプローブとして用いてD
NAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA(断片)をスクリーニングするに
は、それ自体公知のDNAのクローニング方法あるいは
それに準じる方法に従って行なうことができる。特に、
本発明のDNAをPCR用のDNAプライマーとして使
用すれば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNA(断片)の増幅とスクリーニングとを一挙に行
なうことができる。すなわち、本発明のDNAを適当に
組み合わせてPCR用のDNAプライマーとして使用す
れば、該DNAプライマーはG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域、第2膜貫通領域、第3膜貫通
領域、第6膜貫通領域、第7膜貫通領域または他の膜貫
通領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)ある
いはRNAにそれぞれ結合して、例えば、G蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第6膜貫通
領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)もしく
はRNA、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜
貫通領域から第7膜貫通領域のアミノ酸配列をコードす
るDNA(断片)もしくはRNA、G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜貫通領域の
アミノ酸配列をコードするDNA(断片)もしくはRN
A、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領
域から第7膜貫通領域のアミノ酸配列をコードするDN
A(断片)もしくはRNA、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第2膜貫通領域から第6膜貫通領域のアミノ
酸配列をコードするDNA(断片)もしくはRNA、ま
たは他の領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断
片)もしくはRNA、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第2膜貫通領域から第7膜貫通領域のアミノ酸配列
をコードするDNA(断片)もしくはRNA、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜
貫通領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)も
しくはRNA、または他の領域のアミノ酸配列をコー
ドするDNA(断片)もしくはRNAなどを増幅してい
くことができる。
【0107】したがって、本発明のDNAプライマーは
DNAライブラリーの中からG蛋白質共役型レセプター
蛋白質のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫
通領域から第6膜貫通領域のアミノ酸配列をコードする
DNA(断片)もしくはRNA、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜貫通領域のア
ミノ酸配列をコードするDNA(断片)もしくはRN
A、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3膜貫通領
域から第6膜貫通領域のアミノ酸配列をコードするDN
A(断片)もしくはRNA、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域のアミノ
酸配列をコードするDNA(断片)もしくはRNA、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から
第6膜貫通領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断
片)もしくはRNA、または他の領域のアミノ酸配列を
コードするDNA(断片)もしくはRNA、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第7膜貫
通領域のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)もし
くはRNA、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1
膜貫通領域から第3膜貫通領域のアミノ酸配列をコード
するDNA(断片)もしくはRNAなどを選択的に増幅
することができる。
【0108】特に、本発明のDNAプライマーのうち、
配列番号:1または配列番号:12で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマーと、配列番号:2で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:15で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:17で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:19で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマーとの組み合わせは、従来のDNAプライマーとは
異なり、第1膜貫通領域から第6膜貫通領域にわたる広
い領域あるいはその他の領域を選択的に増幅することが
できる。本発明のDNAプライマーのうち、配列番
号:1または配列番号:12で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーと、配列番号:11で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマーとの組み合わせ
は、従来のDNAプライマーとは異なり、第1膜貫通領
域から第7膜貫通領域にわたる広い領域あるいはその他
の領域を選択的に増幅することができる。
【0109】また、本発明のDNAプライマーのうち、
配列番号:10または配列番号:16で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーと、配列番号:2で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:15で表わされる塩基
配列を有するDNAプライマー、配列番号:17で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:19で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマーとの組み合わせは、従来のDNAプライマーとは
異なり、第2膜貫通領域から第6膜貫通領域にわたる広
い領域あるいはその他の領域を選択的に増幅することが
できる。
【0110】本発明のDNAプライマーのうち、配列
番号:10または配列番号:16で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーと、配列番号:11で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーとの組み合わ
せは、従来のDNAプライマーとは異なり、第2膜貫通
領域から第7膜貫通領域にわたる領域を一斉に増幅する
ことができるが、従来のDNAプライマーでは得られな
かったG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAを、より選択的に効率良く増幅することができる。
さらに、本発明のDNAプライマーのうち、配列番
号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマーと、配列番号:11で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーとの組み合わせは、従来のDNA
プライマーと同様に第3膜貫通領域から第7膜貫通領域
にわたる領域にわたる広い領域あるいはその他の領域を
選択的に増幅することができる。そのため、該DNAが
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードすることを確
認するために基準となる疎水性プロットおよび他の類似
レセプター蛋白質に対する塩基配列あるいはアミノ酸配
列のホモロジーをより明確に算出することができるよう
になった。
【0111】また、本発明のDNAプライマーのうち、
配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマー、配列番号:7で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:14で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配
列番号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNA
プライマーと、配列番号:2で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれ
る少なくとも1種のDNAプライマーとの組み合わせ
は、従来のDNAプライマーと同様に第3膜貫通領域か
ら第6膜貫通領域にわたる領域を一斉に増幅することが
できるが、従来のDNAプライマーでは得られなかった
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA
を、より選択的に効率良く増幅することができる。さら
に、本発明のDNAプライマーのうち、配列番号:1
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび
配列番号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDN
Aプライマーと、配列番号:13で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマーとの組み合わせは、第1膜
貫通領域から第3膜貫通領域にわたる領域を一斉に増幅
することができる。
【0112】そして、増幅されたG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質の第1膜貫通領域から第6膜貫通領域部分の
アミノ酸配列をコードするDNA(断片)、増幅された
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から
第7膜貫通領域部分のアミノ酸配列をコードするDNA
(断片)、第3膜貫通領域から第6膜貫通領域部分のア
ミノ酸配列をコードするDNA(断片)、第3膜貫通領
域から第7膜貫通領域部分のアミノ酸配列をコードする
DNA(断片)、第2膜貫通領域から第6膜貫通領域部
分のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)、第2膜
貫通領域から第7膜貫通領域部分のアミノ酸配列をコー
ドするDNA(断片)、第1膜貫通領域から第3膜貫通
領域部分のアミノ酸配列をコードするDNA(断片)、
あるいはその他の領域のアミノ酸配列をコードするDN
A(断片)をプローブとして用い、それ自体公知の方法
に従って、DNAライブラリーからG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を完全にコードするDNAをスクリーニン
グすることができる。なお、DNAライブラリーとして
は、ゲノムDNAライブラリー、cDNAライブラリ
ー、RNAライブラリーのいずれを用いてもよい。本願
明細書においては、これらのライブラリーを総称してD
NAライブラリーと呼ぶ。
【0113】すなわち、本発明は、本発明のDNAをP
CR用DNAプライマーとして用いることを特徴とする
レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)を含有す
るDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするDNA(断片)をスクリーニングする
方法を提供する。具体的には、本発明は、本発明のDN
AをPCR用のDNAプライマーとして用い、該DNA
プライマーとDNAライブラリーとを混合してPCR法
を行ない、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第1膜貫
通領域から第6膜貫通領域部分をコードするDNA断
片、第1膜貫通領域から第7膜貫通領域部分をコードす
るDNA断片、第3膜貫通領域から第6膜貫通領域部分
をコードするDNA断片、第3膜貫通領域から第7膜貫
通領域部分をコードするDNA断片、第2膜貫通領域か
ら第6膜貫通領域部分をコードするDNA断片、第2膜
貫通領域から第7膜貫通領域部分をコードするDNA断
片、第1膜貫通領域から第3膜貫通領域部分をコードす
るDNA断片、あるいはその他の領域部分をコードする
DNA断片を増幅し選択し(すなわち、スクリーニング
し)、これをプローブとして自体公知のクローニング方
法を用いて、DNAライブラリーからG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を完全にコードするDNAをクローニン
グする方法を提供する。
【0114】より具体的には、本発明は、DNAライ
ブラリー、配列番号:1で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:3で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:5で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:6で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:7で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:10で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:14で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:16で表わされる
塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:1
8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーから
成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマ
ー、および配列番号:2で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わされ
る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:9で
表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
号:11で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:15で表わされる塩基配列を有するDN
Aプライマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマーおよび配列番号:19で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群から
選ばれる少なくとも1種のDNAプライマーを混合し
て、ポリメラーゼ・チェーン・リアクションを行ない、
DNAライブラリーに含まれる鋳型G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAを選択的に増幅するこ
とを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNAをスクリーニング
する方法を提供する。
【0115】より具体的には、本発明は、 (1)DNAライブラリー、配列番号:1で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:2で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーら成る群から選ばれる
少なくとも1種のDNAプライマーを混合してPCRを
行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第6膜貫通領域
部分などをコードするDNAを選択的に増幅することを
特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第1膜貫通領域から第6膜貫通領域部分)などをコ
ードするDNAをスクリーニングする方法、
【0116】(2)DNAライブラリー、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
および配列番号:12で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種
のDNAプライマー、および配列番号:11で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーを混合してPC
Rを行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜貫通
領域部分などをコードするDNAを選択的に増幅するこ
とを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役型
レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域から第7膜貫通領域部分)など
をコードするDNAをスクリーニングする方法、
【0117】(3)DNAライブラリー、配列番
号:10で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーおよび配列番号:16で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマー、および配列番号:2で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:4
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
番号:8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:15で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマー、配列番号:17で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーおよび配列番号:19
で表わされる塩基配列を有するDNAプライマーら成る
群から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマーを混
合してPCRを行ない、DNAライブラリーに含まれる
G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から
第6膜貫通領域部分などをコードするDNAを選択的に
増幅することを特徴とするDNAライブラリーからG蛋
白質共役型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第6膜貫通領域
部分)などをコードするDNAをスクリーニングする方
法、
【0118】(4)DNAライブラリー、配列番
号:10で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーおよび配列番号:16で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
種のDNAプライマー、および配列番号:11で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマーを混合してP
CRを行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質
共役型レセプター蛋白質の第2膜貫通領域から第7膜貫
通領域部分などをコードするDNAを選択的に増幅する
ことを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役
型レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第2膜貫通領域から第7膜貫通領域部分)な
どをコードするDNAをスクリーニングする方法、
【0119】(5)DNAライブラリー、配列番
号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:2で表わされる塩基配列を
有するDNAプライマー、配列番号:4で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマー、配列番号:8で表わ
される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
9で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
列番号:15で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマー、配列番号:17で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマーおよび配列番号:19で表わされる塩
基配列を有するDNAプライマーら成る群から選ばれる
少なくとも1種のDNAプライマーを混合してPCRを
行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質の第3膜貫通領域から第6膜貫通領域
部分などをコードするDNAを選択的に増幅することを
特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の第3膜貫通領域から第6膜貫通領域部分)などをコ
ードするDNAをスクリーニングする方法、
【0120】(6)DNAライブラリー、配列番
号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNA
プライマー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配
列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
号:18で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
イマー、および配列番号:11で表わされる塩基配列
を有するDNAプライマーを混合してPCRを行ない、
DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の第3膜貫通領域から第7膜貫通領域部分など
をコードするDNAを選択的に増幅することを特徴とす
るDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋
白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の第3
膜貫通領域から第7膜貫通領域部分)などをコードする
DNAをスクリーニングする方法、および
【0121】(7)DNAライブラリー、配列番
号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー
および配列番号:12で表わされる塩基配列を有するD
NAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1種
のDNAプライマー、および配列番号:13で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマーを混合してPC
Rを行ない、DNAライブラリーに含まれるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜貫通
領域部分などをコードするDNAを選択的に増幅するこ
とを特徴とするDNAライブラリーからG蛋白質共役型
レセプター蛋白質(例えば、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質の第1膜貫通領域から第3膜貫通領域部分)など
をコードするDNAをスクリーニングする方法を提供す
る。
【0122】特に好ましくは、本発明は、 (8)DNAライブラリー、配列番号:1で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、および配列
番号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーを混合してPCRを行ない、DNAライブラリーに含
まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAを選択的に増幅することを特徴とするDNAライブ
ラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAをスクリーニングする方法、 (9)DNAライブラリー、配列番号:3で表わさ
れる塩基配列を有するDNAプライマー、および配列
番号:4で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ーを混合してPCRを行ない、DNAライブラリーに含
まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NAを選択的に増幅することを特徴とするDNAライブ
ラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAをスクリーニングする方法、
【0123】(10)DNAライブラリー、配列番
号:6で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
ー、および配列番号:8で表わされる塩基配列を有す
るDNAプライマーを混合してPCRを行ない、DNA
ライブラリーに含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを選択的に増幅することを特徴と
するDNAライブラリーからG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAをスクリーニングする方法、
および (11)DNAライブラリー、配列番号:10で表
わされる塩基配列を有するDNAプライマー、および
配列番号:11で表わされる塩基配列を有するDNAプ
ライマーを混合してPCRを行ない、DNAライブラリ
ーに含まれるG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを選択的に増幅することを特徴とするDNA
ライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAをスクリーニングする方法を提供するも
のである。クローニングされたDNAの解析は,制限酵
素及び/又はシークエンシング法を用いて行なうことが
できる。
【0124】本発明のDNAを用いるPCR法による増
幅およびスクリーニングの対象となるG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNA(断片)またはRN
Aとしては、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNA(断片)またはRNAであってもよい
し、未知の(新規な)G蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA(断片)またはRNAであってもよ
い。これら対象RNA又はDNA(それらの断片)は新
規ヌクレオチド配列であっても、既知のヌクレオチド配
列でさえあってよい。例えば、脊椎動物(例えば、マウ
ス、ラット、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ウマ、サル、ヒ
トなど)のあらゆる細胞・組織(例えば、下垂体、脳、
膵臓、肺、副腎など)、昆虫もしくはその他の無脊椎動
物(例えば、ショウジョウバエ、カイコ、ヨトウガな
ど)、植物(例えば、イネ、コムギ、トマトなど)およ
びそれらに由来する培養細胞株由来のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNA(断片)またはRN
Aなどが挙げられる。
【0125】具体的には、例えばアンギオテンシン、ボ
ンベシン、カナビノイド、コレシストキニン、グルタミ
ン、セロトニン、メラトニン、ニューロペプチドY、オ
ピオイド、プリン、バソプレッシン、オキシトシン、V
IP(バソアクティブ インテスティナル アンド リ
レイテッド ペプチド)、ソマトスタチン、ドーパミ
ン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGRP(カ
ルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、アドレノ
メジュリン、ロイコトリエン、パンクレアスタチン、プ
ロスタグランジン、トロンボキサン、アデノシン、アド
レナリン、αおよびβ−chemokine (IL−8、GRO
α、GROβ、GROγ、NAP−2、ENA−78、
PF4、IP10、GCP−2、MCP−1、HC1
4、MCP−3、I−309、MIP1α、MIP−1
β、RANTESなど)、エンドセリン、エンテロガス
トリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、TRH、パン
クレアティックポリペプタイド、ガラニン、それらのフ
ァミリー構成員などのG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNA(断片)またはRNAなどが挙げら
れる。
【0126】本発明のDNAを用いたPCRによる増幅
方法において、鋳型となるDNA(断片)としては、上
記の組織・細胞由来のものであればいかなるものであっ
てもよい。より具体的には、ゲノムDNA、ゲノムDN
Aライブラリー、組織・細胞由来のcDNA、組織・細
胞由来のcDNAライブラリーのいずれでもよい。特
に、ヒトの組織・細胞由来のcDNAライブラリーが好
適である。ライブラリーに使用するベクターはバクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、組織・細胞よりmRNA
画分を調製したものを用いて直接にRT−PCR法によ
って増幅することもできる。鋳型となるDNAは、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質を完全にコードするDNA
であってもよいし、そのDNA断片であってもよい。
【0127】好ましくは、本発明のDNAを用いるG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAのスク
リーニング方法で得られるDNA(断片)またはRNA
は、使用したDNAライブラリーに含まれているG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)
またはRNAである。すなわち、より具体的には、アン
ギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、コレシスト
キニン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニュー
ロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、
オキシトシン、VIP(バソアクティブ インテスティ
ナル アンドリレイテッド ペプチド)、ソマトスタチ
ン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、
CGRP(カルシトニンジーンリレーティッドペプチ
ド)、アドレノメジュリン、ロイコトリエン、パンクレ
アスタチン、プロスタグランジン、トロンボキサン、ア
デノシン、アドレナリン、αおよびβ−chemokine (I
L−8、GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、
ENA−78、PF4、IP10、GCP−2、MCP
−1、HC14、MCP−3、I−309、MIP1
α、MIP−1β、RANTESなど)、エンドセリ
ン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシ
ン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガラ
ニン、それらのファミリー構成レセプターなどのG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA(断片)
またはRNA(以下、DNAと略称する場合がある)で
ある。
【0128】本発明のスクリーニング方法で得られたD
NAが、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を部分的にコ
ードするDNA断片である場合は、該DNA断片をプロ
ーブとして用いることによって、適当なDNAライブラ
リーからそれ自体公知のDNAのクローニング方法に従
って、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全にコー
ドするDNAを単離することができる。すなわち、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質を完全にコードするDNA
のクローニングの手段としては、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を部分的にコードするDNA断片の部分塩基
配列を有する合成DNAプライマーを用いてPCR法に
よって増幅するか、または該DNA断片の一部あるいは
全領域を有するDNAもしくは合成DNAを用いて標識
したものとのハイブリダイゼーションによって選別する
ことができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例え
ば Molecular Cloning 2nd ed.; J. Sambrook et al.,
Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989 に記載の方法な
どに従って行なうことができる。また、市販のライブラ
リーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に
従って行なうことができる。
【0129】G蛋白質共役型レセプター蛋白質を完全に
コードするDNAは目的によりそのまま、または所望に
より制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして
使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻
訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側に
は翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAG
を有していてよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止
コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加す
ることもできる。また、該DNAをプローブとしてノザ
ンプローティングを行なって、該レセプター蛋白質が発
現している組織・細胞などを決定することができる。ま
た、全コード領域を有するDNAを適当なプロモーター
と連結して動物細胞に導入することによりレセプター蛋
白質を発現させることができる。
【0130】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
は、本発明のスクリーニング方法で得られるG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAにコードされ
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質であり、具体的に
は、例えば、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビノ
イド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メ
ラトニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、
バソプレッシン、オキシトシン、VIP(バソアクティ
ブ インテスティナル アンド リレイテッドペプチ
ド)、ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリ
ン、ブラジキニン、CGRP(カルシトニンジーンリレ
ーティッドペプチド)、アドレノメジュリン、ロイコト
リエン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、ト
ロンボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ
−chemokine (IL−8、GROα、GROβ、GRO
γ、NAP−2、ENA−78、PF4、IP10、G
CP−2、MCP−1、HC14、MCP−3、I−3
09、MIP1α、MIP−1β、RANTESな
ど)、エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミ
ン、ニューロテンシン、TRH、パンクレアティックポ
リペプタイド、ガラニン、それらのファミリー構成員な
どのG蛋白質共役型レセプター蛋白質である。
【0131】本発明に従えば、新規なG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質由
来の部分ペプチド、それらの修飾誘導体、あるいはそれ
らの類縁体を認識したり、クローニングしたり、生産し
たり、単離したり、あるいはその特徴を明らかにしたり
しうる。こうした本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質としては、温血動物(例えば、モルモット、ラッ
ト、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル、ヒト、ウサ
ギ、ネコ、イヌ、ウマなど)のあらゆる組織(例えば、
下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆の
う、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管、血管、心臓
など)または細胞などに由来するG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質であって、配列番号:24で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列、配列番号:2
5で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列、配列番号:26で表わされるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列、配列番号:27で表わされる
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列、配列番
号:28で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列、配列番号:34で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列、配列番号:35で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列、配
列番号:38で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
のアミノ酸配列、配列番号:39で表わされるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列、または配列番号:
56で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列を含有するものであれば如何なるものであっても
よい。
【0132】一つの具体的な態様では、本発明のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質としては、温血動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サル、ヒト、ネコ、イヌ、ウマなど)のあらゆる組
織(例えば、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、
甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化
管、血管、心臓など)または細胞などに由来するG蛋白
質共役型レセプター蛋白質であって、配列番号:24で
表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列、配列番号:25で表わされるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列、配列番号:26で表わされるア
ミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列、配列番号:
27で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列、または配列番号:28で表わされるアミノ酸配
列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有するものであれ
ば如何なるものであってもよい。本発明のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質としては、配列番号:24で表わさ
れるアミノ酸配列、配列番号:25で表わされるアミノ
酸配列、配列番号:26で表わされるアミノ酸配列、配
列番号:27で表わされるアミノ酸配列または配列番
号:28で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質な
どの他に、配列番号:24で表わされるアミノ酸配列、
配列番号:25で表わされるアミノ酸配列、配列番号:
26で表わされるアミノ酸配列、配列番号:27で表わ
されるアミノ酸配列または配列番号:28で表わされる
アミノ酸配列と約90〜99.9%の相同性を有するア
ミノ酸配列を含有し、配列番号:24、配列番号:2
5、配列番号:26、配列番号:27または配列番号:
28で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質と実質
的に同質の活性を有する蛋白質などが挙げられる。実質
的に同質の活性としては、例えばリガンド結合活性、シ
グナル情報伝達などが挙げられる。実質的に同質とは、
リガンド結合活性などが性質的に同質であることを示
す。したがって、リガンド結合活性の強さなどの強弱、
レセプター蛋白質の分子量などの量的要素は異なってい
てもよい。
【0133】より具体的には、本発明のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質としては、配列番号:24で表わされ
るアミノ酸配列または(および)配列番号:25で表わ
されるアミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質、配列番号:27で表わされ
るアミノ酸配列を含有するマウス膵臓由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質、配列番号:28で表わされるア
ミノ酸配列を含有するマウス膵臓由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質などが挙げられる。そして、配列番
号:24で表わされるアミノ酸配列および配列番号:2
5で表わされるアミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、具体的に
は配列番号:26で表わされるアミノ酸配列を含有する
ヒト下垂体由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質など
が挙げられる。また、本発明のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質としては、配列番号:24、配列番号:25、
配列番号:26、配列番号:27または配列番号:28
で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上
10個以下)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列
番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番
号:27または配列番号:28で表わされるアミノ酸配
列に1または2個以上(好ましくは、2個以上30個以
下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が
付加したアミノ酸配列、配列番号:24、配列番号:2
5、配列番号:26、配列番号:27または配列番号:
28で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上
(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましくは2
個以上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換さ
れたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども挙げられる。
【0134】さらなる具体的な態様では、本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質としては、温血動物(例え
ば、モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウ
シ、サル、ヒトなど)のあらゆる組織(例えば、扁桃
核、下垂体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、
胆のう、骨髄、肺、消化管、血管、心臓、胸腺、脾臓、
白血球など)または細胞などに由来するG蛋白質共役型
レセプター蛋白質であって、配列番号:34で表わされ
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列または
(および)配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を含有するものであれば如
何なるものであってもよい。また本発明のそのG蛋白質
共役型レセプター蛋白質としては、配列番号:34で表
わされるアミノ酸配列および/または配列番号:35で
表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質などの他に、
配列番号:34で表わされるアミノ酸配列および/また
は配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と約90〜
99.9%の相同性を有するアミノ酸配列を含有し実質
的に同質の活性を有する蛋白質などが挙げられる。実質
的に同質の活性としては、例えばリガンド結合活性、シ
グナル情報伝達などが挙げられる。実質的に同質とは、
リガンド結合活性などが性質的に同質であることを示
す。したがって、リガンド結合活性の強さなどの強弱、
レセプター蛋白質の分子量などの量的要素は異なってい
てもよい。より具体的には、本発明のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質は、配列番号:34で表わされるアミノ
酸配列および/または配列番号:35で表わされるアミ
ノ酸配列を有するヒト扁桃核由来のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質などが挙げられる。また本発明のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質としては、配列番号:34で表
わされるアミノ酸配列または配列番号:35で表わされ
るアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、2
個以上30個以下、より好ましくは2個以上10個以
下)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、配列番号:3
4または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列に1
または2個以上(好ましくは、2個以上30個以下、よ
り好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸が付加し
たアミノ酸配列、配列番号:34または配列番号:35
で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ま
しくは、2個以上30個以下、より好ましくは2個以上
10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたア
ミノ酸配列を含有する蛋白質なども挙げられる。
【0135】別の具体的な態様では、本発明のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質としては、温血動物(例えば、
モルモット、ラット、マウス、ブタ、ヒツジ、ウシ、サ
ル、ヒトなど)のあらゆる組織(例えば、扁桃核、下垂
体、膵臓、脳、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、
骨髄、肺、消化管、血管、心臓、胸腺、脾臓、白血球な
ど)または細胞などに由来するG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質であって、配列番号:38で表わされるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するもの、好
ましくは 配列番号:39で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列を有するものであれば如何
なるものであってもよい。また本発明のそのG蛋白質共
役型レセプター蛋白質としては、配列番号:38で表わ
されるアミノ酸配列を有する蛋白質の他に、配列番号:
38で表わされるアミノ酸配列と約90〜99.9%の
相同性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号:38で
表わされるアミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同質
の活性を有する蛋白質などが挙げられる。好ましくは、
配列番号:39で表わされるアミノ酸配列を有する蛋白
質の他に、配列番号:39で表わされるアミノ酸配列と
約90〜99.9%の相同性を有するアミノ酸配列を有
し、配列番号:39で表わされるアミノ酸配列を有する
蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが挙げ
られる。実質的に同質の活性としては、例えばリガンド
結合活性、シグナル情報伝達などが挙げられる。実質的
に同質とは、リガンド結合活性などが性質的に同質であ
ることを示す。したがって、リガンド結合活性の強さな
どの強弱、レセプター蛋白質の分子量などの量的要素は
異なっていてもよい。実験データから本発明のマウス膵
臓β細胞株MIN6由来のレセプター蛋白質(例えば、
配列番号:38及び配列番号:39、及びpMAH2−
17でコードされている蛋白質)は、知られたプリノセ
プターと明らかに異なる新規なプリノセプターサブタイ
プのものであることが示唆されている。
【0136】より具体的には、本発明のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質としては、配列番号:38で表わされ
るアミノ酸配列を有するマウス膵臓β細胞株MIN6由
来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質などの他に、配列
番号:38で表わされるアミノ酸配列中の1または2個
以上(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましく
は2個以上10個以下)のアミノ酸が欠失したもの、配
列番号:38で表わされるアミノ酸配列に1または2個
以上(好ましくは、2個以上30個以下、より好ましく
は2個以上10個以下)のアミノ酸が付加したもの、配
列番号:38で表わされるアミノ酸配列中の1または2
個以上(好ましくは、2個以上30個以下、より好まし
くは2個以上10個以下)のアミノ酸が他のアミノ酸で
置換されたものなどが挙げられる。さらに好ましくは、
配列番号:39で表わされるアミノ酸配列を有するマウ
ス膵臓β細胞株MIN6由来のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質などの他に、配列番号:39で表わされるアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上
30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のア
ミノ酸が欠失したもの、配列番号:39で表わされるア
ミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上
30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のア
ミノ酸が付加したもの、配列番号:39で表わされるア
ミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以
上30個以下、より好ましくは2個以上10個以下)の
アミノ酸が他のアミノ酸で置換されたものなどが挙げら
れる。
【0137】別の具体的な態様では、本発明のG蛋白質
共役型レセプター蛋白質としては、ヒトのあらゆる組織
(例えば、胎盤、生殖腺、扁桃核、下垂体、膵臓、脳、
腎臓、肝臓、甲状腺、胆のう、骨髄、肺、消化管、血
管、心臓、胸腺、脾臓、白血球など)または細胞などに
由来するG蛋白質共役型レセプター蛋白質であって、配
列番号:56で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
のアミノ酸配列を有するものであれば如何なるものであ
ってもよい。また本発明のそのG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質としては、配列番号:56で表わされるアミノ
酸配列を有する蛋白質の他に、配列番号:56で表わさ
れるアミノ酸配列と約90〜99.9%の相同性を有す
るアミノ酸配列を有し、配列番号:56で表わされるア
ミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同質の活性を有す
る蛋白質などが挙げられる。実質的に同質の活性として
は、例えばリガンド結合活性、シグナル情報伝達などが
挙げられる。実質的に同質とは、リガンド結合活性など
が性質的に同質であることを示す。したがって、リガン
ド結合活性の強さなどの強弱、レセプター蛋白質の分子
量などの量的要素は異なっていてもよい。こうした本発
明のレセプター蛋白質としては、ヒト由来の新規なプリ
ノセプターであり、例えば、配列番号:56で表わされ
るアミノ酸配列を含有する蛋白質あるいはphAH2−
17でコードされている蛋白質などが挙げられる。注目
すべきリガンドとして、ATPなどのプリン系化合物と
の結合活性、応答活性などを持つものが挙げられる。
【0138】より具体的には、本発明のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質としては、配列番号:56で表わされ
るアミノ酸配列を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白
質などの他に、配列番号:56で表わされるアミノ酸配
列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30個
以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸
が欠失したもの、配列番号:56で表わされるアミノ酸
配列に1または2個以上(好ましくは、2個以上30個
以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ酸
が付加したもの、配列番号:56で表わされるアミノ酸
配列中の1または2個以上(好ましくは、2個以上30
個以下、より好ましくは2個以上10個以下)のアミノ
酸が他のアミノ酸で置換されたものなどが挙げられる。
本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質においては、
そのアミノ酸配列の一部が修飾(付加、除去、その他の
アミノ酸への置換など)されていてもよい。さらに、本
発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質には、N末端の
Met が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などの
1-6 アシル基など)で保護されているもの、Gluの
N端側が生体内で切断され、該Gluがピログルタミン
化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖が適当な保護基
(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6 アシル
基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合し
た、いわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれ
る。
【0139】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩
が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例え
ば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あ
るいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フ
マル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リ
ンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸など)との塩などが用いられる。本発明のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩は、温血動
物の組織または細胞から自体公知の蛋白質の精製方法ま
たはそれと類似の方法によって製造することもできる
し、後述するG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを含有する形質転換体を培養することによっ
ても製造することができる。また、後述のペプチド合成
法に準じて製造することもできる。本発明のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質の部分ペプチドとしては、例え
ば、本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質分子のう
ち、細胞膜の外に露出している部位などが用いられる。
具体的には、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の疎水性
プロット解析において細胞外領域(親水性(Hydrophili
c )部位)であると分析された部分ペプチドである。よ
り具体的には、〔図24〕、〔図25〕、〔図28〕、
〔図31〕、〔図32〕、〔図36〕、〔図38〕、
〔図41〕、〔図44〕、〔図47〕、〔図50〕、
〔図53〕、〔図57〕、〔図58〕、〔図59〕、
〔図64〕、〔図70〕、〔図74〕または〔図78〕
などで示される本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質の疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性
(Hydrophilic )部位)であると分析された部分を含む
ペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic )部位を
一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々
のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数の
ドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。本発明
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチドの塩
としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好
ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、
塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるい
は有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。
【0140】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の部分ペプチドは、自体公知のペプチドの合成法又はそ
れと類似の方法に従って、あるいはG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を適当なペプチダーゼで切断することによ
って製造することができる。ペプチドの合成法として
は、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても
良い。すなわち、本発明の蛋白質を構成し得る部分ペプ
チドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物
が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目
的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法
や保護基の脱離としてはたとえば、以下の〜に記載
された方法が挙げられる。
【0141】M. Bodanszkyおよび M.A. Ondetti 、ペ
プチドシンセシス (Peptide Synthesis), Interscience
Publishers, New York (1966 年) Schroeder およびLuebke、ザペプチド(The Peptide),
Academic Press, New York (1965 年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善( 株)
(1975年) 矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座 1、タンパ
ク質の化学IV、 205 、(1977 年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、たとえば、塩析、溶媒抽
出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグ
ラフィー・電気泳動法・再結晶などを組み合わせて本発
明のタンパク質を精製単離することができる。上記方法
で得られる蛋白質が遊離体である場合は、公知の方法に
よって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得
られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換するこ
とができる。さらに、該部分ペプチドをコードするDN
Aを含有する形質転換体を培養することによっても製造
することができる。
【0142】本発明のDNAを用いた前述のスクリーニ
ング方法で得られるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAおよび該DNAにコードされるG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドは、
例えば、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドの決定や該レセプター蛋白質とリガンドとの結合
を阻害する化合物のスクリーニングなどに使用すること
ができる。この場合、まず、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAの発現系を構築する。該DN
Aの宿主としては、動物細胞、昆虫細胞、酵母、枯葉
菌、大腸菌などいずれでも良く、用いるプロモーターと
しては遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ
モーターであればいかなるものであっても良い。なお、
発現にエンハンサーの利用も効果的である。
【0143】そして、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
を構築した発現細胞をそのまま、あるいはそれらより公
知の方法又はそれに類似の方法に従って細胞膜画分を調
製し、レセプター結合実験に供することができる。用い
るリガンドは、市販の放射性同位元素等による標識化合
物、また培養上清、組織抽出物等を直接クロラミンT法
やラクトペルオキシダーゼ法によって標識化したもので
もよい。結合・遊離のリガンドの分離は、基質に接着し
ている細胞を用いた場合はそのまま洗浄によって行な
い、浮遊細胞あるいはその細胞膜画分の場合は遠心分離
あるいはろ過によって行なっても良い。容器等への非特
異結合は、投入した標識リガンドに対して100倍程度
の濃い非標識リガンドの添加によって推定できる。この
ようなレセプター結合実験によって得られたリガンドに
ついて、アゴニスト・アンタゴニストの判別を行なうこ
とができる。
【0144】具体的には、該G蛋白質共役型レセプター
蛋白質を発現している細胞とリガンドであることが予想
される天然物あるいは化合物を培養し、その後、培養上
清を回収あるいは細胞を抽出する。これらに含まれる成
分の変化を、例えば市販の測定キット(cAMP、ジア
シルグリセロール、cGMP、プロテインキナーゼAな
ど)で測定する。また、公知の方法又はそれと類似の方
法に従い、Fura−2、〔3 H〕アラキドン酸、〔3
H〕イノシトールリン酸代謝物の遊離等を測定すること
もできる。このようにスクリーニングして得た化合物あ
るいは天然物は、該レセプター蛋白質に対するアゴニス
トあるいはアンタゴニストであり、該レセプターが分布
する組織・細胞に作用することが予測される。そのた
め、ノーザンブロッティングなどによって明らかにした
分布を参考にすることによって、よりその薬効を効率的
に探索することが可能である。また、例えば、中枢神経
組織、循環系、腎臓、膵臓などにおいて、新しい薬効を
持つ化合物の開発が望まれる。組織から、選択的にG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを増幅
することによって、効率的に医薬の開発を進めることが
できる。
【0145】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAとしては、本発明の配列番号24の
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る、および/または配列番号24のアミノ酸配列を持つ
ものと同質の活性を有するG蛋白質共役型レセプター蛋
白質、配列番号25のアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する、および/または配列番号25の
アミノ酸配列を持つものと同質の活性を有するG蛋白質
共役型レセプター蛋白質、配列番号26のアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する、および/ま
たは配列番号26のアミノ酸配列を持つものと同質の活
性を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、配列番号
27のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含
有する、および/または配列番号27のアミノ酸配列を
持つものと同質の活性を有するG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質、または配列番号:28のアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する、および/または配
列番号:28のアミノ酸配列を持つものと同質の活性を
有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする塩
基配列を含有するものであればいかなるものであっても
よい。また本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAとしては、本発明の配列番号:34の
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有す
る、および/または配列番号:34のアミノ酸配列を持
つものと同質の活性を有するG蛋白質共役型レセプター
蛋白質または(および)配列番号:35のアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する、および/ま
たは配列番号:35のアミノ酸配列を持つものと同質の
活性を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
する塩基配列を含有するものであれば如何なるものであ
ってもよい。
【0146】さらにまた、本発明のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAとしては、本発明の配
列番号:38のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を有する、および/または配列番号:38のアミノ
酸配列を持つものと同質の活性を有するG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードする塩基配列、好ましくは配
列番号:39のアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列を有する、および/または配列番号:39のアミノ
酸配列を持つものと同質の活性を有するG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードする塩基配列を含有するもの
であれば如何なるものであってもよい。さらに本発明の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAと
しては、本発明の配列番号:56のアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する、および/または配
列番号:56のアミノ酸配列を持つものと同質の活性を
有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする塩
基配列を含有するものであれば如何なるものであっても
よい。また、ヒトゲノムDNA、ヒトゲノムDNAライ
ブラリー、ヒト組織・細胞由来のcDNA、ヒト組織・
細胞由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれ
でもよい。ライブラリーに使用するベクターはバクテリ
オファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなど
いずれであってもよい。また、組織・細胞よりmRNA
画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptas
e Polymerase Chain Reaction (以下、RT- PCR法
と略称する。)によって増幅することもできる。
【0147】より具体的には、配列番号:24のアミノ
酸配列を含有するヒト下垂体由来のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:
29で表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いら
れる。配列番号:25のアミノ酸配列を含有するヒト下
垂体由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAとしては、配列番号:30で表わされる塩基配
列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:26の
アミノ酸配列を含有するヒト下垂体由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配列
番号:31で表わされる塩基配列を有するDNAなどが
用いられる。配列番号:27のアミノ酸配列を含有する
マウス膵臓由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAとしては、配列番号:32で表わされる
塩基配列を有するDNAなどが用いられる。配列番号:
28のアミノ酸配列を含有するマウス膵臓由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAとして
は、配列番号:33で表わされる塩基配列を有するDN
Aなどが用いられる。
【0148】さらに別の態様においては具体的には、配
列番号:34のアミノ酸配列を有するヒト扁桃核由来の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAと
しては、配列番号:36で表わされる塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。配列番号:35のアミノ酸配
列を有するヒト扁桃核由来のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:37で
表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:34のアミノ酸配列および配列番号:35の
アミノ酸配列を有するヒト扁桃核由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配列番
号:36で表わされる塩基配列および配列番号:37で
表わされる塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
また別の態様においては具体的には、配列番号:38の
アミノ酸配列を有するマウス膵臓β細胞MIN6由来の
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAと
しては、配列番号:40で表わされる塩基配列を有する
DNAなどが用いられる。配列番号:39のアミノ酸配
列を有するマウス膵臓β細胞MIN6由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAとしては、配
列番号:41で表わされる塩基配列を有するDNAなど
が用いられる。また別の態様においては具体的には、配
列番号:56のアミノ酸配列を有するヒト由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAとして
は、配列番号:57で表わされる塩基配列を有するDN
Aなどが用いられる。
【0149】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
を完全にコードするDNAのクローニングの手段として
は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分塩基配列を
有する合成DNAプライマーを用いてPCR法によって
増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNA
をヒトG蛋白質共役型レセプター蛋白質の一部あるいは
全領域を有するDNA断片もしくは合成DNAを用いて
標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別
する。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば Molec
ular Cloning2nd(ed. ;J. Sambrook et al., Cold S
pring Harbor Lab. Press, 1989 )に記載の方法などに
従って行われる。また、市販のライブラリーを使用する
場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行う。ク
ローン化されたG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAは目的によりそのまま、または所望により
制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用
することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開
始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻
訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有
していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コ
ドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加する
こともできる。
【0150】G蛋白質共役型レセプター蛋白質の発現ベ
クターは、例えば、(イ)本発明のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAから目的とするDNA
断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベク
ター中のプロモーターの下流に連結することにより製造
することができる。ベクターとしては、大腸菌由来のプ
ラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC1
2,pUC13など)、枯草菌由来のプラスミド(例、
pUB110,pTP5,pC194など)、酵母由来
プラスミド(例、pSH19,pSH15など)、λフ
ァージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワ
クシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイル
スなどが用いられる。本発明で用いられるプロモーター
としては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切な
プロモーターであればいかなるものでもよい。
【0151】形質転換する際の宿主がエシェリヒア属菌
である場合は、trp プロモーター、lac プロモーター、
rec Aプロモーター、λPLプロモーター、lpp プロモ
ーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SP
O1プロモーター、SPO2プロモーター、pen Pプロ
モーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロ
モーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、
ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が動物細胞で
ある場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウ
イルスのプロモーター、メタロチオネインプロモータ
ー、ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイル
スプロモーター、SRαプロモーターなどがそれぞれ利
用できる。なお、発現にエンハンサーの利用も効果的で
ある。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質のN端末側に付加
する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、アルカリ
フォスファターゼ・シグナル配列、OmpA・シグナル配
列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミ
ラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列な
どが、宿主が酵母である場合は、メイテイングファクタ
ーα・シグナル配列、インベルターゼ・シグナル配列な
ど、宿主が動物細胞である場合には、例えばインシュリ
ン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配
列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用でき
る。このようにして構築されたG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質をコードするDNAを含有するベクターを用い
て、形質転換体を製造する。
【0152】宿主としては、たとえばエシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫、動物細胞などが用いら
れる。エシェリヒア属菌、バチルス属菌の具体例として
は、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・
DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci.USA),60巻,16
0( 1968) 〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09( 1981) 〕,JA221〔ジャーナル・オブ・
モレキュラー・バイオロジー(Journalof Molecular Bi
ology)〕,120巻,517( 1978) 〕,HB1
01〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー,41巻,459( 1969) 〕,C600〔ジェネ
ティックス(Genetics),39巻,440( 1954)
〕などが用いられる。バチルス属菌としては、たとえ
ばバチルス・サチルス(Bacillus subtilis )MI11
4〔ジーン,24巻,255( 1983) 〕,207−
21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journa
l of Biochemistry ),95巻,87(1984) 〕な
どが用いられる。
【0153】酵母としては、たとえばサッカロマイセス
セレビシエ(Saccaromyces cerevisiae)AH22,A
H22R- ,NA87−11A,DKD−5D,20B
−12などが用いられる。昆虫としては、例えばカイコ
の幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Natur
e),315巻,592( 1985) 〕。動物細胞とし
ては、たとえばサル細胞COS−7,Vero ,チャイニ
ーズハムスター細胞CHO,DHFR遺伝子欠損チャイ
ニーズハムスター細胞CHO(dhfr- CHO細
胞),マウスL細胞,マウスミエローマ細胞,ヒトFL
細胞などが用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換す
るには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・
ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.USA),69
巻,2110( 1972) やジーン(Gene),17巻,
107( 1982) などに記載の方法に従って行なわれ
る。バチルス属菌を形質転換するには、たとえばモレキ
ュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Mole
cular & General Genetics ),168巻,111( 1
979) などに記載の方法に従って行われる。酵母を形
質転換するには、たとえばプロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.Acad. Sci.US
A),75巻,1929( 1978) に記載の方法に従
って行なわれる。
【0154】昆虫細胞を形質転換するには、たとえばバ
イオ/テクノロジー(Bio/Technology),6, 47-55(198
8) )などに記載の方法に従って行なわれる。動物細胞
を形質転換するには、たとえばヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456( 1973) に記載の方法に従っ
て行なわれる。このようにして、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNAを含有する発現ベクター
で形質転換された形質転換体が得られる。宿主がエシェ
リヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する
際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であ
り、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒
素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、たとえばグルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、たとえばアンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としてはたとえば塩化カルシ
ウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなど
が挙げられる。また、酵母、ビタミン類、生長促進因子
などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望まし
い。
【0155】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えばグルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、たとえば3β−インドリル
アクリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主が
エシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で
約3〜24時間行い、必要により、通気や攪拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や攪拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、たとえばバークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.ら、
「プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci.USA),77巻,4505
( 1980) 〕や0. 5%カザミノ酸を含有するSD培
地〔Bitter, G. A. ら、「プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci.US
A),81巻,5330(1984)〕などが挙げられ
る。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培
養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行い、必
要に応じて通気や攪拌を加える。
【0156】宿主が昆虫である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium (Grace,
T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動
化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなど
が用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整す
るのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行
い、必要に応じて通気や攪拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、たとえ
ば約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエ
ンス(Seience ),122巻,501( 1952) 〕,
DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,39
6( 1959) 〕,RPMI1640培地〔ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーショ
ン(The Jounal of the American Medical Associatio
n)199巻,519( 1967) 〕,199培地〔プ
ロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・
バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Soci
ety for the Biological Medicine ),73巻,1( 1
950) 〕などが用いられる。pHは約6〜8であるの
が好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜6
0時間行い、必要に応じて通気や攪拌を加える。
【0157】上記培養物からG蛋白質共役型レセプター
蛋白質を分離精製するには、例えば下記の方法により行
なうことができる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養
後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当
な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または
凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したの
ち、遠心分離やろ過によりG蛋白質共役型レセプター蛋
白質の粗抽出液を得る方法などが適宜用い得る。緩衝液
の中に尿素や塩酸グアニジンなどのたんぱく変性剤や、
トリトンX−100(登録商標。以下、TMと省略する
ことがある。)などの界面活性剤が含まれていてもよ
い。培養液中にG蛋白質共役型レセプター蛋白質が分泌
される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌
体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。この
ようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含ま
れるG蛋白質共役型レセプター蛋白質の精製は、自体公
知の分離・精製法を適切に組み合わせて行なうことがで
きる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶
媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ
過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方
法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利
用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの
特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグ
ラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気
泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられ
る。
【0158】かくして得られるG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法
あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することが
でき、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるい
はそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換
することができる。なお、組換え体が産生するG蛋白質
共役型レセプター蛋白質を、精製前または精製後に適当
な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を
加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもでき
る。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモ
トリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテイ
ンキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。かくし
て生成するG蛋白質共役型レセプター蛋白質の活性は標
識したリガンドとの結合実験および特異抗体を用いたエ
ンザイムイムノアッセイなどにより測定することができ
る。本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAおよびG蛋白質共役型レセプター蛋白質は、
本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドの決定方法、抗体および抗血清の入手、組換
え型レセプター蛋白質の発現系の構築、同発現系を用
いたレセプター結合アッセイ系の開発と医薬品候補化合
物のスクリーニング、構造的に類似したリガンド・レ
セプターとの比較にもとづいたドラッグデザインの実
施、遺伝子診断におけるプローブ、PCRプライマー
の作成、遺伝子治療等に用いることができる。特に、
本発明の組み替え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
発現系を用いたレセプター結合アッセイ系によって、ヒ
トなどの温血動物に特異的なG蛋白質共役型レセプター
アゴニストまたはアンタゴニストをスクリーニングする
ことができ、該アゴニストまたはアンタゴニストを各種
疾病の予防・治療剤などとして使用することができる。
本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、部分ペプチ
ド、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDN
Aおよび抗体の用途について、以下により具体的に説明
する。
【0159】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
をコードするDNAのスクリーニング方法で得られるG
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA、該
DNAにコードされるG蛋白質共役型レセプター蛋白
質、その部分ペプチドまたはそれらの塩(以下、塩を含
めてG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペ
プチドと略称する)、組換え型G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞またはその細胞膜画分などの有
用性について、さらにより詳細に説明する。 (1)G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガン
ドの決定方法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドは、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガ
ンドを探索しまたは決定するための試薬として有用であ
る。すなわち、G蛋白質共役型レセプター蛋白質または
その部分ペプチドと、試験化合物とを接触させることを
特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドの決定方法を提供する。
【0160】試験化合物としては、公知のリガンド(例
えば、アンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイド、
コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラトニ
ン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バソプ
レッシン、オキシトシン、VIP(バソアクティブ イ
ンテスティナル アンド リレイテッド ペプチド)、
ソマトスタチン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブ
ラジキニン、CGRP(カルシトニンジーンリレーティ
ッドペプチド)、アドレノメジュリン、ロイコトリエ
ン、パンクレアスタチン、プロスタグランジン、トロン
ボキサン、アデノシン、アドレナリン、αおよびβ−ch
emokine (IL−8、GROα、GROβ、GROγ、
NAP−2、ENA−78、PF4、IP10、GCP
−2、MCP−1、HC14、MCP−3、I−30
9、MIP1α、MIP−1β、RANTESなど)、
エンドセリン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニュ
ーロテンシン、TRH、パンクレアティックポリペプタ
イド、ガラニン、それらの修飾された誘導体、それらの
類縁体、それらのファミリー構成員など)の他に、例え
ば温血動物(例えば、マウス、ラット、ブタ、ウシ、ヒ
ツジ、サル、ヒトなど)の組織抽出物、細胞培養上清な
どが用いられる。例えば、該組織抽出物、細胞培養上清
などをG蛋白質共役型レセプター蛋白質に添加し、細胞
刺激活性などを測定しながら分画し、最終的に単一のリ
ガンドを得ることができる。
【0161】具体的には、該リガンド決定方法は、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドを
用いるか、または組換え型レセプター蛋白質の発現系を
構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を
用いることによって、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
に結合して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、
アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAM
P生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下、G蛋白質の活性化、細胞増
殖などを促進する活性または抑制する活性)を有する化
合物(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩を決定
する方法である。該リガンド決定方法においては、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質または部分ペプチドと試験
化合物とを接触させた場合の、例えば該G蛋白質共役型
レセプター蛋白質または該部分ペプチドに対する試験化
合物の結合量、細胞刺激活性などを測定することを特徴
とする。
【0162】より具体的には、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質またはその部分ペプチドもしくはその塩に接触させ
た場合における、標識した試験化合物の該蛋白質もしく
はその塩、または該部分ペプチドもしくはその塩に対す
る結合量を測定することを特徴とするG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質に対するリガンドの決定方法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた
場合における、標識した試験化合物の該細胞または該細
胞膜画分に対する結合量を測定することを特徴とするG
蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定
方法、 標識した試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養す
ることによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に接触させた場合における、標識した試験
化合物の該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する結
合量を測定しすることを特徴とするG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質に対するリガンドの決定方法、
【0163】試験化合物を、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞に接触させた場合における、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質を介した細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、G蛋白質の活性化、細胞増殖などを促進する活性ま
たは抑制する活性など)を測定することを特徴とするG
蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドの決定
方法、および 試験化合物を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするDNAを含有する形質転換体を培養することに
よって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプター蛋
白質に接触させた場合における、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン
酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞
内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリ
ン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、
c−fosの活性化、pHの低下、G蛋白質の活性化、
細胞増殖などを促進する活性または抑制する活性など)
を測定することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対するリガンドの決定方法を提供する。
【0164】リガンド決定方法の具体的な説明を以下に
する。まず、リガンド決定方法に用いるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質としては、G蛋白質共役型レセプター
蛋白質またはその部分ペプチドを含有するものであれば
何れのものであってもよいが、動物細胞を用いて大量発
現させたG蛋白質共役型レセプター蛋白質が適してい
る。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を製造するには、
前述の方法が用いられるが、該蛋白質をコードするDN
Aを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行う
ことができる。目的部分をコードするDNA断片には相
補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるも
のではない。例えば、遺伝子断片や合成DNAを用いて
もよい。G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
DNA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく
発現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とする
バキュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclea
r polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモ
ーター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルス
のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒト
ヒートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプ
ロモーター、SRαプロモーターなどの下流に組み込む
のが好ましい。発現したレセプターの量と質の検査はそ
れ自体公知の方法又はそれと類似の方法で行うことがで
きる。例えば、文献〔Nambi ,P .ら、ザ・ジャーナル
・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol. Che
m.),267巻,19555〜19559 頁,1992 年〕に記載の方法に
従って行うことができる。
【0165】したがって、リガンド決定方法において、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドを含有するものとしては、それ自体公知の方法又はそ
れと類似の方法に従って精製したG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質または該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
部分ペプチドであってもよいし、該蛋白質を含有する細
胞を用いてもよく、また該蛋白質を含有する細胞の膜画
分を用いてもよい。リガンド決定方法において、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞を用いる場
合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固
定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法又は
それと類似の方法に従って行うことができる。G蛋白質
共役型レセプター蛋白質を含有する細胞としては、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質を発現した宿主細胞をいう
が、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫
細胞、動物細胞などが挙げられる。細胞膜画分として
は、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法又はそれと
類似の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のこと
をいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型
ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレ
ンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超
音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細
胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙
げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾
配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用い
られる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3
000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心
し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000
rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を
膜画分とする。該膜画分中には、発現したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質な
どの膜成分が多く含まれる。
【0166】該G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有
する細胞や膜画分中のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の量は、1細胞当たり103 〜108 分子であるのが好
ましく、105 〜107 分子であるのが好適である。な
お、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性
(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構
築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料
を測定できるようになる。G蛋白質共役型レセプター蛋
白質に結合するリガンドを決定する前記の〜の方法
を実施するためには、適当なG蛋白質共役型レセプター
画分と、標識した試験化合物が必要である。G蛋白質共
役型レセプター画分としては、天然型のG蛋白質共役型
レセプター画分か、またはそれと同等の活性を有する組
換え型G蛋白質共役型レセプター画分などが望ましい。
ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性など
を示す。標識した試験化合物としては、〔3 H〕、〔
125 I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識したアンギオ
テンシン、ボンベシン、カナビノイド、コレシストキニ
ン、グルタミン、セロトニン、メラトニン、ニューロペ
プチドY、オピオイド、プリン、バソプレッシン、オキ
シトシン、VIP(バソアクティブ インテスティナル
アンド リレイテッド ペプチド)、ソマトスタチ
ン、ドーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、
CGRP(カルシトニンジーンリレーティッドペプチ
ド)、アドレノメジュリン、ロイコトリエン、パンクレ
アスタチン、プロスタグランジン、トロンボキサン、ア
デノシン、アドレナリン、αおよびβ−chemokine (I
L−8、GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、
ENA−78、PF4、IP10、GCP−2、MCP
−1、HC14、MCP−3、I−309、MIP1
α、MIP−1β、RANTESなど)、エンドセリ
ン、エンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシ
ン、TRH、パンクレアティックポリペプタイド、ガラ
ニン、それらの類縁誘導体などが好適である。
【0167】具体的には、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質に結合するリガンドの決定方法を行うには、まずG
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞または細
胞の膜画分を、決定方法に適したバッファーに懸濁する
ことによりレセプター標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バ
ッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレ
セプターとの結合を阻害しないバッファーであればいず
れでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、
CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
やウシ血清アルブミンやゼラチンなどの各種蛋白質をバ
ッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼ
によるリセプターやリガンドの分解を抑える目的でPM
SF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、
ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加すること
もできる。0. 01ml〜10ml の該レセプター溶液
に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の
3 H〕、〔125 I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識
した試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NS
B)を知るために大過剰の未標識の試験化合物を加えた
反応チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ま
しくは4℃から37℃で20分から24時間、望ましく
は30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で
濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維
濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウン
ターあるいはγ−カウンターで計測する。全結合量
(B)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント
(B−NSB)が0cpmを越える試験化合物を本発明
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドと
して選択することができる。
【0168】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドを決定する前記の〜の方法を実施するた
めには、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を介する細胞
刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン
遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内
cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下、G蛋白質の活性化、細胞増殖などを促進する
活性または抑制する活性など)を公知の方法または市販
の測定用キットを用いて測定することができる。具体的
には、まず、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有す
る細胞をマルチウェルプレート等に培養する。リガンド
決定を行なうにあたっては前もって新鮮な培地あるいは
細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験
化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、
細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物を
それぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標
とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細
胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分
解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なっても
よい。また、cAMP産生抑制などの活性については、
フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させて
おいた細胞に対する産生抑制作用として検出することが
できる。
【0169】G蛋白質共役型レセプター蛋白質に結合す
るリガンドの決定方法に用いるキットとしては、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチド、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞、または
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞の膜画
分などを含有するものなどが挙げられる。リガンド決定
用キットの例としては、次のものが挙げられる。 1.リガンド決定用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製)に、
0. 05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加え
たもの。孔径0. 45μmのフィルターで濾過滅菌し、
4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター蛋白質標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105 個/穴で継代し、3
7℃、5%CO2 、95%airで2日間培養したも
の。
【0170】標識試験化合物 市販の〔3 H〕、〔125 I〕、〔14C〕、〔35S〕など
で標識した化合物、または適当な方法で標識化したもの 水溶液の状態のものを4℃あるいは−20℃にて保存
し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。水に難
溶性を示す試験化合物については、ジメチルホルムアミ
ド、DMSO、メタノール等に溶解する。 非標識試験化合物 標識化合物を同じものを100〜1000倍濃い濃度に
調製する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、測定用
緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩
衝液を各穴に加える。 標識試験化合物を5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには非標識試験化合物
を5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識試験化合物を0. 2N NaO
H−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーター
A(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定する。
【0171】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
に結合することができるリガンドとしては、例えば、
脳、下垂体、膵臓などに存在する物質などが挙げられ、
具体的にはアンギオテンシン、ボンベシン、カナビノイ
ド、コレシストキニン、グルタミン、セロトニン、メラ
トニン、ニューロペプチドY、オピオイド、プリン、バ
ソプレッシン、オキシトシン、VIP(バソアクティブ
インテスティナル ペプチド)、ソマトスタチン、ド
ーパミン、モチリン、アミリン、ブラジキニン、CGR
P(カルシトニンジーンリレーティッドペプチド)、ア
ドレノメジュリン、ロイコトリエン、パンクレアスタチ
ン、プロスタグランジン、トロンボキサン、アデノシ
ン、アドレナリン、αおよびβ−chemokine (IL−
8、GROα、GROβ、GROγ、NAP−2、EN
A−78、PF4、IP10、GCP−2、MCP−
1、HC14、MCP−3、I−309、MIP1α、
MIP−1β、RANTESなど)、エンドセリン、エ
ンテロガストリン、ヒスタミン、ニューロテンシン、T
RH、パンクレアティックポリペプタイド、ガラニン、
それらの修飾誘導体、それらの類縁体などが挙げられ
る。pMAH2−17でコードされるレセプター蛋白質
はプリノセプター類と高い相同性があることから、プリ
ノセプターファミリーのサブタイプである可能性が高い
と考えられる。電気生理学的測定などのデータのすべて
が、本発明のマウス膵臓β細胞株MIN6由来のレセプ
ター蛋白質(例えば、配列番号:38及び配列番号:3
9、あるいはpMAH2−17でコードされる蛋白質)
は、新規なプリノセプターサブタイプであることを示し
ている。すなわち、本発明のマウス膵臓β細胞株MIN
6由来のレセプター蛋白質(例えば、配列番号:38及
び配列番号:39、あるいはpMAH2−17でコード
される蛋白質)に結合することができるリガンドとして
は、ATPのようなプリン化合物であることが示唆され
ている。さらに本発明のレセプター蛋白質、例えば、配
列番号:56、あるいはphAH2−17でコードされ
る蛋白質は、ヒト型プリノセプター蛋白質と考えられ、
プリン化合物に関連した中枢神経系や免疫系の機能を調
節するためのレセプター蛋白質作動薬や拮抗薬を効率良
くスクリーニングし、医薬品を研究開発するために特に
有用と考えられる。
【0172】(2)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質欠乏症の予防・治療剤 上記(1)の方法において、本発明のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質に対するリガンドが明らかになれば、該
リガンドが有する作用に応じて、本発明のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質をコードするDNAをG蛋白質共役
型レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療剤として使用す
ることができる。例えば、生体内において本発明のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質が減少しているためにリガ
ンドの生理作用が期待できない患者がいる場合に、
(イ)本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを該患者に投与し発現させることによっ
て、あるいは(ロ)脳細胞などにG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNAを挿入し発現させた後
に、該脳細胞を該患者に移植することなどによって、該
患者の脳細胞におけるG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の量を増加させ、リガンドの作用を充分に発揮させるこ
とができる。したがって、本発明のG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質をコードするDNAは、安全で低毒性なG
蛋白質共役型レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療剤な
どとして用いることができる。具体的態様において、本
発明のマウス膵臓β細胞株MIN6由来のレセプター蛋
白質(例えば、配列番号:38及び配列番号:39、あ
るいはpMAH2−17でコードされる蛋白質)に結合
することができるリガンド、さらには本発明のヒト型プ
リノセプター蛋白質(例えば、配列番号:56、あるい
はphAH2−17でコードされる蛋白質)に結合する
ことができるリガンドは、ATPのようなプリン化合物
であることが示唆されていることから、治療を受けるべ
き病気としては、プリンリガンド化合物に関連した疾患
あるいは症状を挙げることができる。そのような病気の
例としては、例えばガン、免疫不全症、自己免疫疾患、
リューマチ性疾患、臓器移植時の拒絶反応、高血圧、糖
尿、嚢胞性繊維症、低血圧、尿失禁、痛みなどが挙げら
れる。
【0173】(3)ヒト由来G蛋白質共役型レセプター
蛋白質欠乏症の予防・治療剤 ヒト由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードす
るDNAをスクリーニングをして、上記(1)の方法を
用いて、該ヒト由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質に
対するリガンドを明らかにすることができれば、該リガ
ンドが有する作用に応じて、ヒト由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするDNAを該ヒト由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質欠乏症の予防・治療剤として
使用することができる。例えば、生体内においてG蛋白
質共役型レセプター蛋白質が減少しているためにリガン
ドの生理作用が期待できない患者がいる場合に、(イ)
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
該患者に投与し発現させることによって、あるいは
(ロ)脳細胞などにG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
コードするDNAを挿入し発現させた後に、該脳細胞を
該患者に移植することなどによって、該患者の脳細胞に
おけるG蛋白質共役型レセプター蛋白質の量を増加さ
せ、リガンドの作用を充分に発揮させることができる。
したがって、G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAは、安全で低毒性なG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質欠乏症の予防・治療剤などとして用いることが
できる。
【0174】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを上記治療剤として使用する場合は、該DN
Aを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイ
ルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイル
スベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手
段に従って実施することができる。例えば、必要に応じ
て糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイ
クロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしく
はそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、ま
たは懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に、またスプ
レー吸入、直腸投与あるいは局所投与で、様々な医薬組
成物又は医薬調製物にして使用できる。例えば、本発明
のDNAを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形
剤、アジュバント、希釈剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要
求される単位用量形態で混和することによって製造する
ことができる。これら製剤における有効成分量は指示さ
れた範囲の適当な容量が得られるようにするものであ
る。錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加
剤としては、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガ
ント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロース
のような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン
酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのよ
うな潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘
味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのよう
な香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルで
ある場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような
液状担体を含有することができる。注射のための無菌組
成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻
油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解また
は懸濁させるなどの通常の製剤実施にしたがって処方す
ることができる。
【0175】注射用の水性液としては、例えば生理食塩
水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、
D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム
など)などがあげられ、適当な溶解補助剤、たとえばア
ルコール(たとえばエタノールなど)、ポリアルコール
(たとえばプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなど)、非イオン性界面活性剤(たとえばポリソル
ベート80(TM)、HCO−50など)などと併用し
てもよい。油性液としてはゴマ油、大豆油などがあげら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、
リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化
剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインな
ど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチ
レングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアル
コール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合して
もよい。調整された注射液は通常、適当なアンプルに充
填される。このようにして得られる製剤は安全で低毒性
であるので、例えば温血哺乳動物(例えば、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトな
ど)などに対して投与することができる。該DNAの投
与量は、症状などにより差異はあるが、経口投与の場
合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日
につき約0. 1mg〜100mg、好ましくは約1.0
〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgであ
る。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与
対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なる
が、たとえば注射剤の形では通常成人(60kgとし
て)においては、一日につき約0.01〜30mg程
度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましく
は約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するの
が好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに
換算した量を投与することができる。
【0176】(4)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質に対するリガンドの定量法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドは、リガンドに対して結合性を有しているので、生体
内におけるリガンド濃度を感度良く定量することができ
る。この定量法は、例えば競合法と組み合わせることに
よって用いることができる。すなわち、被検体をG蛋白
質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドと接
触させることによって被検体中のリガンド濃度を測定す
ることができる。具体的には、例えば、以下のまたは
などに記載の方法あるいはそれに準じる方法に従って
用いることができる。 入江寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和4
9年発行) 入江寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和
54年発行)
【0177】(5)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質とリガンドの結合を阻害する化合物のスクリーニ
ング方法 G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチ
ドを用いるか、または組換え型レセプター蛋白質の発現
系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ
系を用いることによって、リガンドとG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質との結合を阻害する化合物(例えば、ペ
プチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発
酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液な
ど)またはその塩をスクリーニングすることができる。
このような化合物には、G蛋白質共役型レセプターを介
して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下、G蛋白質の活性化、細胞増殖など
を促進する活性または抑制する活性など)を有する化合
物(いわゆるG蛋白質共役型レセプターアゴニスト)と
該細胞刺激活性を有しない化合物(いわゆるG蛋白質共
役型レセプターアンタゴニスト)などが含まれる。
【0178】すなわち、(i)G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質もしくはその塩または部分ペプチドもしくはそ
の塩に、リガンドを接触させた場合と(ii)G蛋白質共
役型レセプター蛋白質もしくはその塩または部分ペプチ
ドもしくはその塩に、リガンドおよび試験化合物を接触
させた場合との比較を行なうことを特徴とするリガンド
とG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合を阻害する
化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法においては、(i)G蛋白質共役
型レセプター蛋白質または部分ペプチドに、リガンドを
接触させた場合と(ii)G蛋白質共役型レセプター蛋白
質または部分ペプチドに、リガンドおよび試験化合物を
接触させた場合における、例えば該G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質または該部分ペプチドに対するリガンドの
結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較することを
特徴とする。
【0179】より具体的には、 標識したリガンドを、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質またはその部分ペプチドに接触させた場合と、標識し
たリガンドおよび試験化合物をG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質またはその部分ペプチドに接触させた場合にお
ける、標識リガンドの該蛋白質またはその部分ペプチド
もしくはその塩に対する結合量を測定し、比較すること
を特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、 標識リガンドを、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合
と、標識したリガンドおよび試験化合物をG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を含有する細胞または該細胞の膜画
分に接触させた場合における、標識リガンドの該細胞ま
たは該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを
特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質
との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、
【0180】標識リガンドを、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードするDNAを含有する形質転換体を
培養することによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質に接触させた場合と、標識したリガ
ンドおよび試験化合物をG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質に接触させた場合における、標識リガンドの
該G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対する結合量を測
定し、比較することを特徴とするリガンドとG蛋白質共
役型レセプター蛋白質との結合を阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を活性化する化合物
(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリ
ガンドなど)を、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含
有する細胞に接触させた場合と、G蛋白質共役型レセプ
ターを活性化する化合物および試験化合物をG蛋白質共
役型レセプター蛋白質を含有する細胞に接触させた場合
における、G蛋白質共役型レセプターを介した細胞刺激
活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊
離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内c
GMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変
動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、p
Hの低下、G蛋白質の活性化、細胞増殖などを促進する
活性または抑制する活性など)を測定し、比較すること
を特徴とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白
質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング方法、および
【0181】G蛋白質共役型レセプターを活性化する
化合物(例えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質に対
するリガンドなど)を、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするDNAを含有する形質転換体を培養する
ことによって細胞膜上に発現したG蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質に接触させた場合と、G蛋白質共役型レセプ
ターを活性化する化合物および試験化合物をG蛋白質共
役型レセプター蛋白質をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞膜上に発現したG
蛋白質共役型レセプター蛋白質に接触させた場合におけ
る、G蛋白質共役型レセプターを介する細胞刺激活性
(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細
胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP
生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞
内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低
下、G蛋白質の活性化、細胞増殖などを促進する活性ま
たは抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴
とするリガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との
結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方
法を提供する。
【0182】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
が得られる以前は、G蛋白質共役型レセプターアゴニス
トまたはアンタゴニストをスクリーニングする場合、ま
ずラットなどのG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含む
細胞、組織またはその細胞膜画分を用いて候補化合物を
得て(一次スクリーニング)、その後に該候補化合物が
実際にヒトのG蛋白質共役型レセプター蛋白質とリガン
ドとの結合を阻害するか否かを確認する試験(二次スク
リーニング)が必要であった。細胞、組織または細胞膜
画分をそのまま用いれば他のレセプター蛋白質も混在す
るために、目的とするレセプター蛋白質に対するアゴニ
ストまたはアンタゴニストを実際にスクリーニングする
ことは困難であった。しかしながら、本発明のヒト由来
G蛋白質共役型レセプター蛋白質を用いることによっ
て、一次スクリーニングの必要がなくなり、リガンドと
G蛋白質共役型レセプターとの結合を阻害する化合物を
効率良くスクリーニングすることができる。さらに、ス
クリーニングされた化合物がG蛋白質共役型レセプター
アゴニストかG蛋白質共役型レセプターアンタゴニスト
かを評価することができる。
【0183】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いるG蛋白質共役型レセプター蛋白質としては、G蛋
白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドを
含有するものであれば何れのものであってもよいが、温
血動物の臓器の膜画分が好適である。しかし、特にヒト
由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニ
ングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量
発現させたG蛋白質共役型レセプター蛋白質が適してい
る。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を製造するには、
前述の方法が用いられるが、該蛋白質をコードするDN
Aを哺乳動物細胞や昆虫細胞で発現することにより行う
ことができる。目的部分をコードするDNA断片には相
補DNAが用いられるが、必ずしもこれに制約されるも
のではない。例えば遺伝子断片や合成DNAを用いても
よい。G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするD
NA断片を宿主動物細胞に導入し、それらを効率よく発
現させるためには、該DNA断片を昆虫を宿主とするバ
キュロウイルスに属する核多角体病ウイルス(nuclear
polyhedrosis virus;NPV)のポリヘドリンプロモー
ター、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスの
プロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒトヒ
ートショックプロモーター、サイトメガロウイルスプロ
モーター、SRαプロモーターなどの下流に組み込むの
が好ましい。発現したレセプターの量と質の検査はそれ
自体公知の方法あるいはそれと類似の改変法で行うこと
ができる。例えば、文献〔Nambi ,P .ら、ザ・ジャー
ナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. Biol.
Chem.),267巻,19555〜19559 頁,1992 年〕に記載の方
法に従って行うことができる。
【0184】したがって、本発明のスクリーニング方法
において、G蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその
部分ペプチドを含有するものとしては、それ自体公知の
方法に従って精製したG蛋白質共役型レセプター蛋白質
または該G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分ペプチ
ドであってもよいし、該蛋白質を含有する細胞を用いて
もよく、また該蛋白質を含有する細胞の膜画分を用いて
もよい。本発明のスクリーニング方法において、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞を用いる場
合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固
定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法又は
それと実質的に類似の改変法に従って行うことができ
る。G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有する細胞と
しては、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現した宿
主細胞をいうが、該宿主細胞としては、大腸菌、枯草
菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。細胞
膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方
法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。
細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナ
イザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーや
ポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波によ
る破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細い
ノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられ
る。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心
分離法などの遠心力による分画法が主として用いられ
る。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜300
0rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、
上清をさらに高速(15000rpm〜30000rp
m)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画
分とする。該細胞膜画分中には、発現したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質な
どの膜成分が多く含まれる。
【0185】該G蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有
する細胞やその細胞膜画分中のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の量は、1細胞当たり103 〜108 分子であ
るのが好ましく、105 〜107 分子であるのが好適で
ある。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド
結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニン
グ系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大
量の試料を測定できるようになる。リガンドとG蛋白質
共役型レセプターとの結合を阻害する化合物をスクリー
ニングする前記の〜を実施するためには、適当なG
蛋白質共役型レセプター画分と、標識したリガンドが必
要である。G蛋白質共役型レセプター画分としては、天
然型のG蛋白質共役型レセプター画分か、またはそれと
同等の活性を有する組換え型G蛋白質共役型レセプター
画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等の
リガンド結合活性などを示す。
【0186】標識したリガンドとしては、標識したリガ
ンド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられ
る。例えば〔3 H〕、〔125 I〕、〔14C〕、〔35S〕
などで標識されたリガンドなどを利用することができ
る。具体的には、リガンドとG蛋白質共役型レセプター
蛋白質との結合を阻害する化合物のスクリーニングを行
うには、まずG蛋白質共役型レセプター蛋白質を含有す
る細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適した
バッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製
する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH
6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファー
などのリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッ
ファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を
低減させる目的で、CHAPS、Tween−80
TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレー
トなどの界面活性剤及び/又はウシ血清、ゼラチンなど
の各種蛋白質をバッファーに加えることもできる。さら
に、プロテアーゼによるレセプターやリガンドの分解を
抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプ
チド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害
剤を添加することもできる。0. 01ml〜10mlの該レ
セプター溶液に、一定量(5000cpm〜50000
0cpm)の標識したリガンドを添加し、同時に10-4
M〜10-10 Mの試験化合物を共存させる。非特異的結
合量(NSB)を知るために大過剰の未標識のリガンド
を加えた反応チューブも用意する。
【0187】反応は0℃から50℃、望ましくは4℃か
ら37℃で20分から24時間、望ましくは30分から
3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量
の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存す
る放射活性を液体シンチレーターまたはγ−カウンター
で計測する。拮抗する物質がない場合のカウント( B
0 )から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント
(B0 −NSB)を100%とした時、特異的結合量
(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化合物を
拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができ
る。リガンドとG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結
合を阻害する化合物スクリーニングする前記の〜の
方法を実施するためには、G蛋白質共役型レセプター蛋
白質を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca遊離、細胞内cA
MP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産
生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−f
osの活性化、pHの低下、G蛋白質の活性化、細胞増
殖などを促進する活性または抑制する活性など)を公知
の方法または市販の測定用キットを用いて測定すること
ができる。具体的には、まず、G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培
養する。
【0188】スクリーニングを行なうにあたっては前も
って新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバ
ッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間
インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回
収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量す
る。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキド
ン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって
検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加し
てアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制
などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基
礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作
用として検出することができる。細胞刺激活性を測定し
てスクリーニングを行なうには、適当なG蛋白質共役型
レセプター蛋白質を発現した細胞が必要である。G蛋白
質共役型レセプター蛋白質を発現した細胞としては、天
然型のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を有する細胞株
(例えば、マウス膵臓β細胞株MIN6など)、前述の
組換え型G蛋白質共役型レセプター蛋白質発現細胞株な
どが望ましい。試験化合物としては、例えばペプチド、
タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産
物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血清、
血液、体液などが挙げられ、これら化合物は新規な化合
物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
【0189】本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
とリガンドとの結合を阻害する化合物またはその塩のス
クリーニング用キットとしては、G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質もしくはその部分ペプチド、G蛋白質共役型
レセプター蛋白質を含有する細胞もしくはその細胞膜画
分を含有するものである。スクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution (ギブコ社製)に、
0. 05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加え
たもの。孔径0. 45μmのフィルターで濾過滅菌し、
4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 G蛋白質共役型レセプター標品 G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現させたCHO細
胞を、12穴プレートに5×105 個/穴で継代し、3
7℃、5%CO2 95%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 市販の〔3 H〕、〔125 I〕、〔14C〕、〔35S〕など
で標識したリガンド水溶液の状態のものを4℃あるいは
−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに
希釈する。
【0190】リガンド標準液 リガンドを0. 1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)
を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で
保存する。 2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養したG蛋白質共役
型レセプター蛋白質を発現させたCHO細胞を、測定用
緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩
衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10 Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識リガンドを5μl加え、室温にて1時間反応さ
せる。非特異的結合量を知るためには試験化合物のかわ
りに10-3Mのリガンドを5μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識リガンドを0. 2N NaOH
−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA
(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent of Maximum Bindi
ng(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
【0191】PMB=〔(B−NSB)〕/(B0 −N
SB)〕×100 PMB:Percent of Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0192】スクリーニング方法またはスクリーニング
用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、リガ
ンドとG蛋白質共役型レセプターとの結合を阻害する化
合物であり、具体的にはG蛋白質共役型レセプターを介
して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(いわゆ
るG蛋白質共役型レセプターアゴニスト)、あるいは該
刺激活性を有しない化合物(いわゆるG蛋白質共役型レ
セプターアンタゴニスト)である。該化合物としては、
ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合
物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な
化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよ
い。該G蛋白質共役型レセプターアゴニストは、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドが有する生
理活性と同様の作用を有しているので、該リガンド活性
に応じて安全で低毒性な医薬組成物として有用である。
逆に、G蛋白質共役型レセプターアンタゴニストは、G
蛋白質共役型レセプター蛋白質に対するリガンドが有す
る生理活性を抑制することができるので、該リガンド活
性を抑制する安全で低毒性な医薬組成物として有用であ
る。実施例19で得られるpMAH2−17によりコー
ドされているレセプター、さらには実施例21で得られ
るphAH2−17によりコードされているレセプター
に関連したアゴニスト及び/又はアンタゴニストは、プ
リンリガンド化合物又はその関連アナローグに関連した
病気又は疾患の予防や治療に有用であることが強く示唆
されている。pMAH2−17あるいはphAH2−1
7によりコードされているレセプターアゴニストは、免
疫調節剤、抗ガン剤として有用である他、あるいは昇
圧、糖尿、嚢胞性繊維症などの予防や治療に有用である
ことが期待される。またpMAH2−17あるいはph
AH2−17によりコードされているレセプターアンタ
ゴニストは、降圧剤、鎮痛剤、尿失禁の予防や治療剤な
どとして有用であることが期待される。プリノセプター
に関して、その6膜と7膜貫通領域に保存されている塩
基性アミノ酸残基を変異させると、ATPに対するレセ
プターの反応性が変化する(J. Biol. Chem., Vol. 270
(9), pp. 4185-4188(1995))。ATPはレセプターを介
して血圧をコントロールしたり、循環系に関係している
こと (Circulation Research, Vol. 58(3), pp. 319-33
0 (1986)) 及びATPとプリノセプターは密接に関連性
をもつこと(Am. Phys. Soc., pp. C577-C606 (1993))が
示唆されている。
【0193】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
を上述の医薬組成物として使用する場合、常套手段に従
って実施することができる。例えば、必要に応じて糖衣
を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカ
プセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ
以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸
濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例え
ば、該化合物またはその塩を生理学的に認められる担
体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合
剤などとともに一般に認められた製薬実施に要求される
単位用量形態で混和することによって製造することがで
きる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲
の適当な容量が得られるようにするものである。錠剤、
カプセル剤などに混和することができる添加剤として
は、例えばゼラチン、コーンスターチ、トラガント、ア
ラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような
賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などの
ような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑
剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペ
パーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤
などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合
には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体
を含有することができる。注射のための無菌組成物は注
射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油
などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させ
るなどの通常の製剤実施にしたがって処方することがで
きる。
【0194】注射用の水性液としては生理食塩水、ブド
ウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソル
ビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)な
どがあげられ、適当な溶解補助剤、たとえばアルコール
(たとえばエタノール)、ポリアルコール(たとえばプ
ロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イ
オン性界面活性剤(たとえばポリソルベート80(T
M)、HCO−50)などと併用してもよい。油性液と
してはゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤とし
て安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用し
てもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢
酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザ
ルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、
ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、
保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールな
ど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調整された注
射液は通常、適当なアンプルに充填される。このように
して得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば温
血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ネコ、イヌ、サル、ヒトなど)に対して投与する
ことができる。
【0195】該化合物またはその塩の投与量は、症状な
どにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に成人
(60kgとして)においては、一日につき約0. 1〜
100mg、好ましくは1.0〜50mg、より好まし
くは1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合
は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与
方法などによっても異なるが、たとえば注射剤の形では
通常成人(60kgとして)においては、一日につき約
0.01〜30mg程度、好ましくは0.1〜20mg
程度、より好ましくは0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0196】(6)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質、その部分ペプチドまたはそれらの塩に対する抗
体または抗血清の製造 本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその
塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部
分ペプチドもしくはその塩に対する抗体(例えば、ポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体)または抗血清
は、本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくは
その塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
の部分ペプチドもしくはその塩を抗原として用い、自体
公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造すること
ができる。例えば、モノクローナル抗体は、後述の方法
に従って製造することができる。
【0197】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクロナール抗体産生細胞の作製 本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質もしくはその
塩または本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部
分ペプチドもしくはその塩(以下、G蛋白質共役型レセ
プターと略称する場合がある)は、温血動物に対して投
与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担
体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生
能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全
フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常
2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用
いられる温血動物としては、たとえばサル、ウサギ、イ
ヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワ
トリがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく用
いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際して
は、抗原を免疫された温血動物、たとえばマウスから抗
体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に
脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産
生細胞を骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができ
る。抗血清中の抗体価の測定は、例えば後記の標識化G
蛋白質共役型レセプターと抗血清とを反応させたのち、
抗体に結合した標識剤の活性を測定することによりなさ
れる。融合操作は既知の方法、たとえばケーラーとミル
スタインの方法〔ネイチャー(Nature) 、256 、495 (1
975)〕に従い実施できる。融合促進剤としてはポリエチ
レングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどが挙
げられるが、好ましくはPEGが用いられる。
【0198】骨髄腫細胞としてはたとえばNS−1、P
3U1、SP2/0、AP−1などがあげられるが、P
3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞
(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:
1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1
000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で
添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1
〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞
融合を実施できる。抗G蛋白質共役型レセプター抗体産
生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使
用できるが、たとえばG蛋白質共役型レセプター抗原を
直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイク
ロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に
放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体
(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス
免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインA
を加え、固相に結合した抗G蛋白質共役型レセプターモ
ノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗
体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドー
マ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識した
G蛋白質共役型レセプターを加え、固相に結合した抗G
蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体を検出する
方法などがあげられる。
【0199】抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナ
ル抗体の選別及びクローニングは、自体公知あるいはそ
れに準じる方法に従って行なうことができる。通常HA
T(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添
加した動物細胞用培地で行なわれる。選別、クローニン
グおよび育種用培地としては、ハイビリドーマが生育で
きるものならばどのような培地を用いても良い。例え
ば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清
を含むRPMI1640培地(大日本製薬(株))、1
〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業
(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(S
FM−101、日水製薬(株))などを用いることがで
きる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約3
7℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましく
は1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下
で行なわれる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上
記の抗血清中の抗G蛋白質共役型レセプター抗体価の測
定と同様にして測定できる。クローニングは、通常半固
形アッガー法や限界希釈法などのそれ自体公知の方法で
行うことができ、クローン化されたハイブリドーマは、
好ましくは無血清培地中で培養され至適量の抗体をその
上清に与える。目的モノクローナル抗体は好ましく腹水
化して得ることもできる。
【0200】(b)モノクロナール抗体の精製 抗G蛋白質共役型レセプターモノクローナル抗体の分離
精製は通常のポリクローナル抗体の分離精製と同様に免
疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈
殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、
DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗
原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインG
などの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離
させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行われる。以
上の(a)および(b)の方法に従って製造させる本発
明のG蛋白質共役型レセプター抗体は、G蛋白質共役型
レセプターを特異的に認識することができるので、被検
液中のG蛋白質共役型レセプターの定量、特にサンドイ
ッチ免疫測定法による定量などに使用することができ
る。
【0201】すなわち、本発明は、例えば、(i)本発
明のG蛋白質共役型レセプターに反応する抗体と、被検
液および標識化G蛋白質共役型レセプターとを競合的に
反応させ、該抗体に結合した標識化G蛋白質共役型レセ
プターの割合を測定することを特徴とする被検液中のG
蛋白質共役型レセプターの定量法、および(ii)被検
液と担体上に不溶化した抗体および標識化された抗体と
を同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上
の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の
G蛋白質共役型レセプターの定量法において、一方の抗
体がG蛋白質共役型レセプターのN端部を認識する抗体
で、他方の抗体がG蛋白質共役型レセプターのC端部に
反応する抗体であることを特徴とする被検液中のG蛋白
質共役型レセプターの定量法を提供する。
【0202】本発明のG蛋白質共役型レセプターを認識
するモノクローナル抗体(以下、抗G蛋白質共役型レセ
プター抗体と称する場合がある)を用いてG蛋白質共役
型レセプターの測定を行なえるほか、組織染色等による
検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分
子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF( a
b')2 、Fab' 、あるいはFab画分を用いてもよ
い。本発明の抗体を用いる測定法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えばG蛋白質
共役型レセプター量)に対応した抗体、抗原もしくは抗
体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検
出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製し
た標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定
法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、
イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用い
られるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ
法を用いるのが特に好ましい。
【0203】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物
質などが挙げられる。放射性同位元素としては、例えば
125 I〕、〔131 I〕、〔3 H〕、〔14C〕などが、
上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好まし
く、例えばβ−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リ
ンゴ酸脱水素酵素等が、蛍光物質としては、フルオレス
カミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが、発
光物質としては、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシ
フェリン、ルシゲニンなどがそれぞれ挙げられる。さら
に、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−ア
ビジン系を用いることもできる。抗原あるいは抗体の不
溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常蛋
白質あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられ
る化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガ
ロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖
類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の
合成樹脂、あるいはガラス等が挙げられる。
【0204】サンドイッチ法においては不溶化した抗G
蛋白質共役型レセプター抗体に被検液を反応させ(1次
反応)、さらに標識化抗G蛋白質共役型レセプター抗体
を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤
の活性を測定することにより被検液中のG蛋白質共役型
レセプター量を定量することができる。1次反応と2次
反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよ
いし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不
溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。ま
た、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用
抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1
種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的
で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。本発明の
サンドイッチ法によるG蛋白質共役型レセプターの測定
法においては、1次反応と2次反応に用いられる抗G蛋
白質共役型レセプター抗体はG蛋白質共役型レセプター
の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。
即ち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例
えば、2次反応で用いられる抗体が、G蛋白質共役型レ
セプターのC端部を認識する場合、1次反応で用いられ
る抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識
する抗体が用いられる。
【0205】本発明のG蛋白質共役型レセプター抗体を
サンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、
イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用い
ることができる。競合法では、被検液中の抗原と標識抗
原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の
標識抗原と( F)と抗体と結合した標識抗原(B)とを
分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定
し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体
として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレング
リコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相
法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あ
るいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として
固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメ
トリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定
量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を
分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識
化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標
識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離す
る。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗
原量を定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あ
るいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降
物の量を測定する。被検液中の抗原量僅かであり、少量
の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用
するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
【0206】これら個々の免疫学的測定法を本発明の測
定方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてG蛋
白質共役型レセプターの測定系を構築すればよい。これ
らの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書な
どを参照することができる〔例えば、入江 寛編「ラジ
オイムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江
寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54
年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書
院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定
法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄
治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和
62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY 」 Vol. 70(Im
munochemical Techniques(Part A))、同書 Vol. 73(Imm
unochemical Techniques(Part B)) 、同書 Vol. 74(Imm
unochemical Techniques(Part C)) 、同書 Vol. 84(Imm
unochemical Techniques(PartD:Selected Immunoassay
s)) 、同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E:Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Me
thods)) 、同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques
(Part I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibo
dies))(以上、アカデミックプレス社発行) など参
照〕。
【0207】(7)本発明のG蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAを有する動物の作製 G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
用いて、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を発現するト
ランジェニック動物を作製することができる。動物とし
ては、温血哺乳動物(例えば、ラット、ウサギ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)が挙げれる。
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細
胞で発現させうるプロモーターの下流に結合して用いる
のが一般に有利である。たとえば、ウサギにG蛋白質共
役型レセプター蛋白質DNAを導入する場合、これと相
同性が高い動物由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
DNAを動物細胞で発現させうる各種プロモーターの下
流に結合した遺伝子コンストラクトを、対象動物の受精
卵、たとえばウサギ受精卵へマイクロインジェクション
することによってG蛋白質共役型レセプター蛋白質を高
産生する遺伝子導入(トランスジェニック)動物を作出
できる。
【0208】このプロモーターとしては、たとえばウイ
ルス由来プロモーター、メタロチオネイン等のユビキタ
スな発現プロモーターも使用しうるが、好ましくは脳で
特異的に発現するNGF遺伝子プロモーターやエノラー
ゼ遺伝子プロモーターなどが用いられる。受精卵細胞段
階におけるG蛋白質共役型レセプター蛋白質DNAの転
移は、対象動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在す
るように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細
胞においてG蛋白質共役型レセプター蛋白質が存在する
ことは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細
胞の全てにG蛋白質共役型レセプター蛋白質を有するこ
とを意味する。遺伝子を受け継いだこの種の動物の子孫
はその胚芽細胞および体細胞の全てにG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質を有する。G蛋白質共役型レセプター蛋
白質DNA導入動物は、交配により遺伝子を安定に保持
することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼
育環境で飼育継代を行うことができる。さらに、目的D
NAを保有する雌雄の動物を交配することにより、導入
遺伝子を相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を
取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての
子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができ
る。G蛋白質共役型レセプター蛋白質DNAが導入され
た動物は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質が高発現さ
せられているので、該G蛋白質共役型レセプター蛋白質
に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニ
ング用の動物などとして有用である。
【0209】この遺伝子導入動物を、組織培養のための
細胞源として使用することもできる。たとえば、遺伝子
導入マウスの組織中のDNAもしくはRNAを直接分析
するかあるいは遺伝子により発現されたタンパク質組織
を分析することにより、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質について分析することができる。G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質を有する組織の細胞を標準組織培養技術に
より培養し、これらを使用して、たとえば脳や末梢組織
由来のような一般に培養困難な組織からの細胞の機能を
研究することができる。また、その細胞を用いることに
より、たとえば各種組織の機能を高めるような医薬の選
択も可能である。また、高発現細胞株があれば、そこか
ら、G蛋白質共役型レセプター蛋白質を単離精製するこ
とも可能である。以上のように、本発明のG蛋白質共役
型レセプター抗体を用いることによって、G蛋白質共役
型レセプターを感度良く定量することができる。
【0210】(8)G蛋白質共役型レセプター蛋白質遺
伝子の複製を阻害することのできるアンチセンスDNA
(又はオリゴヌクレオチド) 本発明に従えば、G蛋白質共役型レセプター蛋白質遺伝
子の複製又は発現を阻害することのできるアンチセンス
・オリゴヌクレオチド(核酸)を、クローン化したある
いは決定されたG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合成しう
る。そうしたオリゴヌクレオチド(核酸)は、G蛋白質
共役型レセプター蛋白質遺伝子のRNAとハイブリダイ
ズすることができ、該RNAの合成又は機能を阻害する
ことができるか、あるいはG蛋白質共役型レセプター蛋
白質関連RNAとの相互作用を介してG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質遺伝子の発現を調節・制御することがで
きる。G蛋白質共役型レセプター蛋白質関連RNAの選
択された配列に相補的なオリゴヌクレオチド、及びG蛋
白質共役型レセプター蛋白質関連RNAと特異的にハイ
ブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドは、生
体内及び生体外でG蛋白質共役型レセプター蛋白質遺伝
子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気な
どの治療又は診断に有用である。用語「対応する」と
は、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列又は核酸の
特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であること
を意味する。ヌクレオチド、塩基配列又は核酸とペプチ
ド(蛋白質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド
(核酸)の配列又はその相補体から誘導される指令にあ
るペプチド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。G
蛋白質共役型レセプター蛋白質遺伝子の5’端ヘアピン
ループ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻
訳領域、ポリペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領
域、ORF翻訳開始コドン、3’端非翻訳領域、3’端
パリンドローム領域、及び3’端ヘアピンループは好ま
しい対象領域として選択しうるが、G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質遺伝子内の如何なる領域も対象として選択
しうる。
【0211】目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に
相補的なオリゴヌクレオチドとの関係は、対象物とハイ
ブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドとの関
係は、「アンチセンス」であるということができる。ア
ンチセンス・オリゴヌクレオチドは、2−デオキシ−D
−リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチド、
D−リボースを含有しているポリデオキシヌクレオチ
ド、プリン又はピリミジン塩基のN−グリコシドである
その他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレ
オチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の
蛋白質核酸及び合成配列特異的な核酸ポリマー)又は特
殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマ
ーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリ
ングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを
含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DN
A、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さら
にDNA:RNAハイブリッドであることができ、さら
に非修飾ポリヌクレオチド又は非修飾オリゴヌクレオチ
ド、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該
分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたも
の、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチ
ドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾の
されたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホ
ネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カ
ルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合又は硫
黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジ
チオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレア
ーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、
シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例え
ば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有している
もの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、
プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例え
ば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属
など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、
修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核
酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、
「ヌクレオチド」及び「核酸」とは、公知のプリン及び
ピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその
他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。
こうした修飾物は、メチル化されたプリン及びピリミジ
ン、アシル化されたプリン及びピリミジン、あるいはそ
の他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌク
レオシド及び修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修
飾されていてよく、例えば1個以上の水酸基がハロゲン
とか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエー
テル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0212】本発明のアンチセンス核酸は、RNA、D
NA、あるいは修飾された核酸である。修飾された核酸
の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート
誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレ
オシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、そ
れに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核
酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわ
ち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにす
る、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標
とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにす
る、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性
をより小さなものにする。こうした修飾は当該分野で数
多く知られており、例えばJ. Kawakami et al.,Pharm T
ech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1
992; S. T. Crooke et al. ed.,Antisense Research an
d Applications, CRC Press, 1993などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修
飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾー
ム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与された
り、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で
与えられることができうる。こうした付加形態で用いら
れるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するよう
に働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との
相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるよう
な脂質(例えば、ホスホリッピド、コレステロールな
ど)といった粗水性のものが挙げられる。付加するに好
ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例
えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)
が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは
5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌク
レオシド結合を介して付着させることができうる。その
他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的
に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、
RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するた
めのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基として
は、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ルなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた
水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるもの
ではない。アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形
質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あ
るいはG蛋白質共役型レセプター蛋白質の生体内や生体
外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸其れ自
体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
【0213】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commision on Biochemical Nomenclature による略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸
【0214】 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム EIA :エンザイムイムノアッセイ Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン
【0215】 Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン NVal :ノルバリン pGlu :ピログルタミン酸 Blc :γ−ブチルロラクトン−γ−カルボニル基 Kpc :2−ケトピペリジン−6−カルボニル基 Otc :3−オキソペルヒドロ−1,4−チアジン −5−カルボニル基 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基
【0216】後述の実施例3で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) INVαF’/p
19P2は、平成6年8月9日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−4776として寄託されており、また平成
6年8月22日から財団法人発酵研究所(IFO)にI
FO 15739として寄託されている。後述の実施例
4で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Escheric
hia coli) INVαF’/pG3−2は、平成6年8月
9日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所
(NIBH)にFERM BP−4775として寄託さ
れており、また平成6年8月22日から財団法人発酵研
究所(IFO)にIFO15740として寄託されてい
る。後述の実施例5で得られた形質転換体エシェリヒア
コリ(Escherichia coli) INVαF’/p63A2
は、平成6年8月9日から通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM B
P−4777として寄託されおり、また平成6年8月2
2日から財団法人発酵研究所(IFO)にIFO 15
738として寄託されている。
【0217】後述の実施例6で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/ph
GR3は、平成6年9月27日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−4807として寄託されており、また平成
6年9月22日から財団法人発酵研究所(IFO)にI
FO 15748として寄託されている。後述の実施例
7で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Escheric
hia coli) JM109/p3H2−17は、平成6年9
月27日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−4806
として寄託されており、また平成6年9月22日から財
団法人発酵研究所にIFO15747として寄託されて
いる。後述の実施例8で得られた形質転換体エシェリヒ
ア コリ(Escherichia coli) JM109/p3H2−
34は、平成6年10月12日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−4828として寄託されており、また平成
6年10月12日から財団法人発酵研究所にIFO 1
5749として寄託されている。
【0218】後述の実施例9で得られた形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/pM
D4は、平成6年11月11日から通商産業省工業技術
院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FE
RM BP−4888として寄託されており、また平成
6年11月17日から財団法人発酵研究所(IFO)に
IFO 15765として寄託されている。後述の実施
例10で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Esch
erichia coli) JM109/pMGR20は、平成6年
12月15日から通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−49
37として寄託されており、また平成6年12月14日
から財団法人発酵研究所(IFO)にIFO 1577
3として寄託されている。後述の実施例12で得られた
形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) J
M109/pMJ10は、平成6年12月15日から通
商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIB
H)に寄託番号FERM BP−4936として寄託さ
れており、また平成6年12月16日から財団法人発酵
研究所(IFO)にIFO 15784として寄託され
ている。
【0219】後述の実施例14で得られた形質転換体エ
シェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/p
MH28は、平成7年1月13日から通商産業省工業技
術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号F
ERM BP−4970として寄託されており、また平
成7年1月20日から財団法人発酵研究所(IFO)に
IFO 15791として寄託されている。後述の実施
例16で得られた形質転換体エシェリヒア コリ(Esch
erichia coli) JM109/pMN7は、平成7年2月
22日から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所(NIBH)に寄託番号FERM BP−5011と
して寄託されており、また平成7年2月27日から財団
法人発酵研究所(IFO)にIFO 15803として
寄託されている。後述の実施例17で得られた形質転換
体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109
/p5S38は、平成6年10月27日から通商産業省
工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託
番号FERM BP−4856として寄託されており、
また平成6年10月25日から財団法人発酵研究所(I
FO)にIFO 15754として寄託されている。
【0220】後述の実施例19で得られた形質転換体エ
シェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/p
MAH2−17は、平成7年4月7日から通商産業省工
業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番
号FERM BP−5073として寄託されており、ま
た平成7年3月31日から財団法人発酵研究所(IF
O)にIFO 15813として寄託されている。後述
の実施例20で得られた形質転換体エシェリヒア コリ
(Escherichia coli) JM109/pMN128は、平
成7年3月17日から通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM BP−
5039として寄託されており、また平成7年3月22
日から財団法人発酵研究所(IFO)にIFO 158
10として寄託されている。後述の実施例21で得られ
た形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli)
JM109/phAH2−17は、平成7年7月20日
から通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(N
IBH)に寄託番号FERM BP−5168として寄
託されており、また平成7年7月14日から財団法人発
酵研究所(IFO)にIFO 15856として寄託さ
れている。
【0221】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:24〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコー
ドされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:25〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコー
ドされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:26〕phGR3に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAにコードさ
れるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質の
全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:27〕pG3−2およびpG1−10にそ
れぞれ含まれるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列から
導きだした塩基配列(配列番号:32)を有するマウス
膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNA断片にコードされるマウス膵臓β細胞株M
IN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分アミ
ノ酸配列を示す。 〔配列番号:28〕p5S38にコードされるマウス膵
臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:29〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。 〔配列番号:30〕p19P2に含まれるヒト下垂体由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。
【0222】〔配列番号:31〕phGR3に含まれる
ヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDN
Aの全塩基配列を示す。 〔配列番号:32〕pG3−2およびpG1−10にそ
れぞれ含まれるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列をも
とに導き出したマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列を示
す。 〔配列番号:33〕p5S38に含まれるマウス膵臓β
細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質c
DNA断片の塩基配列を示す。
【0223】〔配列番号:34〕p63A2に含まれる
cDNA断片にコードされるヒト扁桃核由来G蛋白質共
役型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:35〕p63A2に含まれるcDNA断片
にコードされるヒト扁桃核由来G蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質の部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:36〕p63A2に含まれるヒト扁桃核由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。 〔配列番号:37〕p63A2に含まれるヒト扁桃核由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基
配列を示す。
【0224】〔配列番号:38〕p3H2−17に含ま
れるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNAにコードされる部分アミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:39〕pMAH2−17に含まれるマウス
膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNAのコード領域にコードされる蛋白質の全ア
ミノ酸配列を示す。 〔配列番号:40〕p3H2−17に含まれるマウス膵
臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:41〕pMAH2−17に含まれるマウス
膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNAの塩基配列を示す。
【0225】〔配列番号:42〕p3H2−34に含ま
れるマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNAにコードされる部分アミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:43〕p3H2−34に含まれるマウス膵
臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白
質cDNA断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:44〕pMD4に含まれるウサギ胃幽門部
平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAに
コードされる部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:45〕pMD4に含まれるウサギ胃幽門部
平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断
片の塩基配列を示す。
【0226】〔配列番号:46〕pMGR20に含まれ
るマウス膵臓β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質cDNAにコードされる全アミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:47〕pMGR20に含まれるマウス膵臓
β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質
cDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:48〕pMJ10に含まれるウサギ胃幽門
部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
にコードされる部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:49〕pMJ10に含まれるウサギ胃幽門
部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列を示す。
【0227】〔配列番号:50〕pMH28に含まれる
ウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNAにコードされる部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:51〕pMH28に含まれるウサギ胃幽門
部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:52〕pMN7に含まれるウサギ胃幽門部
平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAに
コードされる部分アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:53〕pMN7に含まれるウサギ胃幽門部
平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断
片の塩基配列を示す。
【0228】〔配列番号:54〕pMN128に含まれ
るウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター
蛋白質cDNAにコードされる部分アミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:55〕pMN128に含まれるウサギ胃幽
門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDN
A断片の塩基配列を示す。 〔配列番号:56〕phAH2−17に含まれるヒト由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAにコードさ
れる全アミノ酸配列を示す。 〔配列番号:57〕phAH2−17に含まれるヒト由
来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNAの塩基配列
を示す。
【0229】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。当業者には本件の開示をみれば、その特許請求の
範囲の内で各種の具体的な実施の形態が明らかとなろ
う。
【0230】
【実施例1】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するDNAを増幅させるための合成DNAプライマーの
製造 公知のヒト由来TRHレセプター蛋白質(HTRH
R)、ヒト由来RANTESレセプター蛋白質(L10
918、HUMRANTES)、ヒトバーキットリンパ
腫由来リガンド不明レセプター蛋白質(X68149、
HSBLR1A)、ヒト由来ソマトスタチンレセプター
蛋白質(L14856、HUMSOMAT)、ラット由
来μ−オピオイドレセプター蛋白質(U02083、R
NU02083)、ラット由来κ−オピオイドレセプタ
ー蛋白質(U00442、U00442)、ヒト由来ニ
ューロメジンBレセプター蛋白質(M73482、HU
MNMBR)、ヒト由来ムスカリン作動性アセチルコリ
ンレセプター蛋白質(X15266、HSHM4)、ラ
ット由来アドレナリンα1 Bレセプター蛋白質(L08
609、RATAADRE01)、ヒト由来ソマトスタ
チン3レセプター蛋白質(M96738、HUMSST
R3X)、ヒト由来C5 aレセプター蛋白質(HUMC
5AAR)、ヒト由来リガンド不明レセプター蛋白質
(HUMRDC1A)、ヒト由来リガンド不明レセプタ
ー蛋白質(M84605、HUMOPIODRE)およ
びラット由来アドレナリンα2 B(M91466、RA
TA2BAR)の第1膜貫通領域付近のアミノ酸配列を
コードするcDNAの塩基配列を比較し、類似性の高い
部分を見いだした〔図1〕。
【0231】また、公知のマウス由来リガンド不明レセ
プター蛋白質(M80481、MUSGIR)、ヒト由
来ボンベシンレセプター蛋白質(L08893、HUM
BOMB3S)、ヒト由来アデノシンA2レセプター蛋
白質(S46950、S46950)、マウス由来リガ
ンド不明レセプター蛋白質(D21061、MUSGP
CR)、マウス由来TRHレセプター蛋白質(S433
87、S43387)、ラット由来ニューロメジンKレ
セプター蛋白質(J05189、RATNEURA)、
ラット由来アデノシンA1レセプター蛋白質(M690
45、RATA1ARA)、ヒト由来ニューロキニンA
レセプター蛋白質(M57414、HUMNEKA
R)、ラット由来アデノシンA3レセプター蛋白質(M
94152、RATADENREC)、ヒト由来ソマト
スタチン1レセプター蛋白質(M81829、HUMS
RI1A)、ヒト由来ニューロキニン3レセプター蛋白
質(S86390、S86371S4)、ラット由来リ
ガンド不明レセプター蛋白質(X61496、RNCG
PCR)、ヒト由来ソマトスタチン4レセプター蛋白質
(L07061、HUMSSTR4Z)およびラット由
来GnRHレセプター蛋白質(M31670、RATG
NRHA)の第6膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコー
ドするcDNAの塩基配列を比較し、類似性の高い部分
を見いだした〔図2〕。
【0232】上記の( )内の略語はDNASIS Gene/Prot
ein シークエンスデータベース(CD019、日立ソフ
トウエアエンジニアリング)を用いて GenBank/EMBL Da
ta Bank を検索した際に示される整理番号であり、それ
ぞれ通常Accession Numberおよびエントリーネームと呼
ばれるものである。ただし、HTRHRは特願平5−2
86986号(EPA638645)に記載されている
配列である。特に、多くのレセプター蛋白質をコードす
るcDNAで一致する塩基部分を基準とし、その他の部
分においてもなるべく多くのレセプターcDNAと配列
の一致性を高めるために混合塩基の導入を計画した。こ
の配列をもとに、図1の共通する塩基配列に相補的であ
る配列番号:1で表わされる塩基配列を有する合成DN
Aと図2の共通する塩基配列に相補的である配列番号:
2で表わされる塩基配列を有する合成DNAを製造し
た。
【0233】〔合成DNA〕 5' −CGTGG(GまたはC)C(AまたはC)T
(GまたはC)(GまたはC)TGGGCAAC(A、
G、CまたはT)(CまたはT)CCTG−3' (配列表の配列番号:1において、SはGまたはCを示
し、MはAまたはCを示し、N1 はA、G、CまたはT
を示し、YはCまたはTを示す。)(配列番号:1) 5' −GT(A、G、CまたはT)G(AまたはT)
(AまたはG)(AまたはG)GGCA(A、G、Cま
たはT)CCAGCAGA(GまたはT)GGCAAA
−3' (配列表の配列番号:2において、N1 はA、G、Cま
たはTを示し、WはAまたはTを示し、RはAまたはG
を示し、KはGまたはTを示す。)(配列番号:2) ( )内は合成時に複数の塩基に混合して合成する。
【0234】
【実施例2】ヒトソマトスタチンレセプター蛋白質コー
ドするDNA、ヒトD5ドーパミンレセプター蛋白質コ
ードするDNAおよびラットソマトスタチンレセプター
蛋白質をコードするDNAの単離 (1)ポリメラーゼ・チェーン・リアクション法(PC
R法)によるDNAの増幅 ヒト脳amygdala、ヒト下垂体およびラット脳より調製し
たcDNA(QuickClone、CLONTECH社)各1ngを鋳型
として、実施例1で製造した合成DNAプライマーを各
1μM、2. 5mM dNTPs(Deoxyribonucleosid
e triphosphates)、2. 5units TaqDNAポリメラ
ーゼ(宝酒造)を酵素に添付のバッファーとともに混合
して100μlとし、パーキン・エルマー社のサーマル
サイクラーを用いてPCR反応を行なった。1サイクル
の設定は、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・3
分とし、これを30回繰り返してDNAを増幅させた。
DNAの増幅の結果を、1. 2%アガロース電気泳動で
確認した〔図17〕。
【0235】(2)増幅されたDNAの単離とDNA配
列解析 PCR法によって増幅されたDNAは、TA cloning k
it(インビトロゲン社)を用いてプラスミドベクターで
あるpCRTMIIに挿入した。このDNAを用いてキット
付属の大腸菌を形質転換し、増幅したDNAのライブラ
リーを形成した。形質転換体が形成するコロニーはX−
gal(5-Bromo-4-chloro-3-indolyl-β-D-galactosid
e) 添加のLBプレート(Luria-Bertani medium に寒
天を加えて固め、プレートにしたもの)上でβ−ガラク
トシダーゼの活性を指標として選別し、DNA断片が挿
入されている白色のコロニーのみを分離した。これらを
アンピシリン添加のLB培地にて培養し、プラスミド自
動抽出装置(クラボウ社)によってプラスミドDNAを
調製した。調製したDNAの一部を用いてEcoRI切
断を行ない、DNA断片が挿入されていることをさらに
確認するとともに、個々のクローンのDNAの収率をマ
ーカーと比較することによって検討した。調製したプラ
スミドDNAの一部をRNaseにて処理し、フェノー
ル・クロロフォルムによって抽出、エタノール沈殿を行
なった後、DyeDeoxy terminator cycle sequencing kit
(アプライド・バイオシステムズ社)を用いて配列決定
のための反応を行なった。
【0236】配列決定はアプライド・バイオシステムズ
社の370A蛍光式自動シーケンサーを用いて行なっ
た。また、得られた塩基配列の解析はDNASIS(日
立ソフトウエア・エンジニアリング社)を用いて行なっ
た。得られた塩基配列を〔図18、図19、図20、図
21〕に示した。これらの図より、得られたDNAは、
ホモロジー検索の結果、それぞれがG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質であるヒトソマトスタチンレセプター蛋白
質〔図18および図19〕、ヒトD5ドーパミンレセプ
ター蛋白質〔図20〕、ラットソマトスタチンレセプタ
ー蛋白質〔図21〕をコードするDNAであることが分
かった。〔図18〕では、併記してある通りヒトソマト
スタチンレセプター(HUMSOMAT)をコードする
塩基配列と一致しており、クローンA58がヒトソマト
スタチンレセプターのcDNAであることを示す。下線
部はPCRに用いた5’側の合成DNAプライマーの部
分を示すが、このように塩基配列の一部にミスマッチが
あっても充分にPCRによって増幅ができることが分か
る。
【0237】〔図19〕から、クローンA58は反対側
から配列決定を行っても、ヒトソマトスタチンレセプタ
ー(HUMSOMAT)をコードする塩基配列によく一
致していることが分かる。下線部はPCRに用いた3’
側の合成DNAプライマーの部分である。この図ではプ
ライマー部分以外にも多少の塩基配列のミスマッチを示
すが、PCRの際の塩基置換あるいはシーケンス反応の
部分的な偏りに起因すると考えられ、必要に応じて相補
鎖の配列決定によって確認することができる。〔図2
0〕では、併記してある通り、プライマー部分(下線)
を除いてヒトD5ドーパミンレセプター(HUMDRD
5A)をコードする塩基配列とよく一致しており、クロ
ーン57- A- 2はヒトD5ドーパミンレセプターのc
DNAであることが分かった。〔図21〕では、併記し
てある通り、プライマー部分(下線)を除いてラットソ
マトスタチンレセプター(RNU04738)をコード
する塩基配列とよく一致しており、クローンB54はラ
ットソマトスタチンレセプターのcDNAであることが
分かった。
【0238】
【実施例3】ヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAの単離 (1)ヒト下垂体由来cDNAを用いたPCR法による
受容体cDNAの増幅 ヒト下垂体由来cDNA(QuickClone、CLONTECH社)を
鋳型として用い、実施例1で合成したDNAプライマー
を用いてPCR法による増幅を行なった。反応液の組成
は、合成DNAプライマー(配列:5’プライマー配列
および3’プライマー配列)各1μM、鋳型cDNA1
ng、0. 25mMdNTPs、TaqDNA polymer
ase 1μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応溶
液量は100μlとした。増幅のためのサイクルはサー
マルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用い、95
℃・1分、55℃・1分、72℃・1分のサイクルを3
0回繰り返した。TaqDNA polymerase を添加する
前に、残りの反応液を混合し、95℃・5分、65℃・
5分の加熱を行なった。増幅産物の確認は1. 2%アガ
ロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド染色によ
って行なった。
【0239】(2)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規受容体候補クローンの選択 PCR後の反応産物は0. 8%の低融点アガロースゲル
を用いて分離し、バンドの部分をカミソリで切り出した
後、熱融解、フェノール抽出、エタノール沈殿を行って
DNAを回収した。TAクローニングキット(インビト
ロゲン社)の処方に従い、回収したDNAをプラスミド
ベクターpCRTMII(TMは登録商標を意味する)へサ
ブクローニングした。これを大腸菌INVαF’ compe
tent cell (インビトロゲン社)に導入して形質転換し
たのち、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ンおよびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白
色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分
離し、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia co
li) INVαF’/p19P2を得た。
【0240】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボウ
社)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、得られた
塩基配列の情報はDNASIS(日立システムエンジニ
アリング社)を用いて行なった。下線で示した部分は合
成プライマーに相当する部分である〔図22および図2
3〕。決定した塩基配列〔図22および図23〕をもと
にホモロジー検索を行なった結果、形質転換体エシェリ
ヒア コリ(Escherichia coli) INVαF’/p19
P2の保有するプラスミドp19P2に挿入されたcD
NA断片が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドすることが分かった。それをさらに確認するために、
DNASIS(日立システムエンジニアリング社)を用
い、塩基配列をアミノ酸配列に変換した後〔図22およ
び図23〕、疎水性プロット〔図24および図25〕お
よびアミノ酸配列に基づくホモロジー検索を行ない、ニ
ューロペプチドYレセプター蛋白質等との相同性を見い
だした〔図26〕。
【0241】
【実施例4】マウス膵臓由来G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAの単離 (1)マウス膵臓β細胞株MIN6からの poly(A)+ RN
A 画分の調製およびcDNAの合成 マウス膵β細胞株MIN6(Jun-ichi Miyazaki et al.
Endocrinology, Vol.127, No.1, p126-132 )よりグア
ニジンチオシアネート法により TotalRNAを調製後
(Kaplan B.B. et al., Biochem. J. 183, 181-184(19
79)) 、mRNA精製キット(ファルマシア社)を用い
て、 poly(A)+ RNA 画分を調製した。次に、 poly(A)+
RNA 画分5μgにプライマーとしてランダムDNAヘキ
サマー(BRL社)を加え、モロニイマウス白血病ウイ
ルスの逆転写酵素(BRL社)により、添付バッファー
を用いて相補DNAを合成した。反応後の産物はフェノ
ール:クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈
殿を行なった後、30μlのTEに溶解した。
【0242】(2)MIN6由来cDNAを用いたPC
R法による受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 上記の(1)でマウス膵β細胞株MIN6より調製した
cDNA5μlを鋳型として使用し、実施例1で合成し
たDNAプライマーを用いて実施例3(2)と同条件で
PCR法を行なった。得られたPCR産物は実施例2に
記載の方法と同様にして、プラスミドベクターpCRTM
IIにサブクローニングし、プラスミドpG3−2を得
た。このプラスミドpG3−2を大腸菌INVαF’に
形質転換し、形質転換体エシェリヒア コリ(Escheric
hia coli) INVαF’/pG3−2を得た。また、マ
ウス膵β細胞株MIN6より調製したcDNA5μlを
鋳型として使用し、Libert, F ら(Science 244:569-57
2, 1989 )に記載されている合成DNAプライマー、す
なわち、 5' −CTGTG(CまたはT)G(CまたはT)(G
またはC)AT(CまたはT)GCIIT(Gまたは
T)GA(CまたはT)(AまたはC)G(Gまたは
C)TAC−3'
(配列番号:60) 〔Iはイノシンを示す。〕で表される合成プライマーお
よび 5' −A(GまたはT)G(AまたはT)AG(Aまた
はT)AGGGCAGCCAGCAGAI(Gまたは
C)(AまたはG)(CまたはT)GAA−3'(配列
番号:61) 〔Iをイノシンを示す。〕で表される合成プライマーを
用いて、実施例1と同条件でPCR法を行なった。得ら
れたPCR産物は実施例3(2)に記載の方法と同様に
して、プラスミドベクターpCRTMIIにサブクローニン
グし、プラスミドpG1−10を得た。
【0243】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、得
られた塩基配列の解析はDNASIS(日立システムエ
ンジニアリング社)を用いて行なった。形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) INVαF’/p
G3−2に保有されるプラスミドpG3−2およびpG
1−10の配列をもとにマウス膵β細胞株MIN6由来
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNA
およびこれにコードされるアミノ酸配列を〔図27〕に
示した。下線で示した部分は合成プライマーに相当する
部分である。決定した塩基配列〔図27〕をもとにホモ
ロジー検索を行なった結果、得られたcDNA断片が新
規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードすることが
分かった。それをさらに確認するために、DNASIS
(日立システムエンジニアリング社)を用い、塩基配列
をアミノ酸配列に変換した後〔図27〕、疎水性プロッ
トを行なったところ、6個の疎水性領域の存在が確認で
きた〔図28〕。また、アミノ酸配列を実施例3で得た
p19P2と比較したところ、〔図61〕に示すとおり
高い相同性を見いだした。その結果、pG3−2および
pG1−10にコードされるG蛋白質共役型レセプター
蛋白質とp19P2にコードされるG蛋白質共役型レセ
プター蛋白質は由来する動物種は異なるが、同一のリガ
ンドを認識するレセプター蛋白質であることが強く示唆
された。
【0244】
【実施例5】ヒト扁桃核由来G蛋白質共役型レセプター
蛋白質をコードするDNAの単離 (1)ヒト扁桃核由来cDNAを用いたPCR反応によ
る受容体cDNAの増幅 ヒト扁桃核由来cDNA(QuickClone, CLONTECH社)を
鋳型として用い、実施例1で得られた合成DNAプライ
マーを用いてPCRによる増幅を行なった。反応液の組
成は、合成DNAプライマー(配列:5' プライマー配
列および3' プライマー配列)各1μM、鋳型cDNA
1ng、0. 25mMdNTPs、TaqDNA polymer
ase 1μlおよび酵素に付属のバッファーで、総反応溶
液量は100μlとした。増幅のためのサイクルはサー
マルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用い、95
℃・1分、55℃・1分、72℃・1分のサイクルを3
0回繰り返した。Taq DNA polymerase を添加す
る前に、残りの反応液を混合し、95℃・5分、65℃
・5分の加熱を行なった。増幅産物の確認は1.2%ア
ガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド染色に
よって行なった。
【0245】(2)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 PCR後の反応産物は0. 8%の低融点アガロースゲル
を用いて分離し、バンドの部分をカミソリで切り出した
後、熱融解、フェノール抽出、エタノール沈殿を行って
DNAを回収した。TAクローニングキット(インビト
ロゲン社)の処方に従い、回収したDNAをプラスミド
ベクターpCRTMIIへサブクローニングした。これを大
腸菌INVαF’competent cell(インビトロゲン社)
に導入して形質転換したのち、cDNA挿入断片を持つ
クローンをアンピシリンおよびX−galを含むLB寒
天培地中で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌し
た爪楊枝を用いて分離し、形質転換体エシェリヒア コ
リ(Escherichia coli) INVαF’/p63A2を得
た。
【0246】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
〔図29および図30〕をもとにホモロジー検索を行な
った結果、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichi
a coli) INVαF’/p63A2の保有するプラスミ
ドp63A2に挿入されたcDNA断片が新規G蛋白質
共役型レセプター蛋白質をコードすることが分かった。
それをさらに確認するために、DNASIS(日立シス
テムエンジニアリング社)を用い、塩基配列をアミノ酸
配列に変換した後〔図29および図30〕、疎水性プロ
ット〔図31および図32〕およびアミノ酸配列に基づ
くホモロジー検索を行ない、マウスGIRとの相同性を
見いだした〔図33〕。
【0247】
【実施例6】ヒト下垂体由来のG蛋白質共役型レセプタ
ー蛋白質cDNAのクローニング (1)ヒト下垂体由来cDNAライブラリーからのレセ
プター蛋白質の全コード領域を含むcDNAのクローニ
ング ヒト下垂体由来cDNAライブラリーとしては、クロー
ンテック社製のλgt11ファージベクターを使ったラ
イブラリーを用いた(クローンテック、CLHL113
9b)。2×106 pfu(プラーク・フォーミング・
ユニット)分のヒト下垂体cDNAライブラリーを、硫
酸マグネシウムで処理した大腸菌Y1090- と混ぜ、
37℃、15分間インキュベートした後、0. 5%アガ
ロース(ファルマシア社)LBを加え、1. 5%寒天
(和光純薬社)LBプレート( 50μg/ml Ampicilin含
有)に播いた。プラークのできたプレートにニトロセル
ロースフィルターを置き、フィルター上にプラークを転
写した。このフィルターをアルカリ処理することによっ
て変性させた後、80℃、3時間の加熱によってDNA
の固定を行なった。
【0248】このフィルターを、50% formamide,5
×SSPE,5× Denhardt's 溶液,0. 1%SDS,
100μg/ml salmon sperm DNAを含むバッファー中
で以下に述べるプローブと42℃で一晩インキュベート
し、ハイブリダイズさせた。プローブとしては、実施例
3で得られたプラスミドp19P2に挿入されたDNA
断片をEcoRIで切断し、回収後、ランダムプライム
DNAラベリングキット(アマシャム社)を用いて〔32
P〕dCTP(デュポン社)を取り込ませることによっ
て標識して用いた。洗浄は、2×SSC,0. 1%SD
Sで55℃、1時間行ない、その後、−80℃でオート
ラジオグラフィを行ってハイブリダイズするプラークを
検出した。このスクリーニングにより、3個の独立した
プラークにハイブリダイゼーションのシグナルが認めら
れた。この3個のクローンからそれぞれDNAを調製
し、EcoRIで消化したものをアガロース電気泳動
後、スクリーニングに用いたものと同じプローブを用い
て、サザンブロットにより解析を行なったところ、各々
約0. 7kb,0. 8kb,2. 0kbのところにそれ
ぞれハイブリダイズするバンドを生じ、このうち約2.
0kbのバンドを生じるもの(λhGR3)を選択し
た。λhGR3のハイブリダイズするサイズのEcoR
I断片をプラスミドpUC18のEcoRIサイトにサ
ブクローニングした後、このプラスミドで大腸菌JM1
09を形質転換し、形質転換体E. coli JM10
9/phGR3を得た。このプラスミドphGR3を、
実施例3で示された塩基配列から予想される制限酵素地
図をもとにして制限酵素地図を作製したところ、実施例
3で示されるレセプター蛋白質をコードするDNAから
予想されるレセプター蛋白質の全長をコードするDNA
を保持していることが分かった。
【0249】(2)ヒト下垂体由来レセプター蛋白質c
DNAの塩基配列の決定 上記(1)で得られたプラスミドphGR3に挿入した
EcoRI断片のうち、レセプター蛋白質をコードして
いると考えられるEcoRIサイトからNheIサイト
までの約1330bpの塩基配列を決定した。具体的に
は、EcoRI断片中に存在する制限酵素サイトを利用
して、不必要な部分を除き、または必要な断片をサブク
ローニングし、配列解析のための鋳型プラスミドを調製
した。塩基配列決定のための反応は Dye Deoxy Termina
tor Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用いて行な
い、蛍光式DNAシーケンサー(ABI社)を用いて解
読し、データー解析にはDNASIS(日立ソフトウェ
アエンジニアリング社)を使用した。phGR3のコー
ドするEcoRIサイト直後からNheIサイトまでの
塩基配列を〔図34〕に示した。そして、ヒト下垂体由
来レセプタータンパク質をコードするDNAの塩基配列
は、〔図34〕の塩基配列の第118番目〜第1230
番目の塩基配列に対応する。そして、これにコードされ
るレセプター蛋白質のアミノ酸配列を〔図34〕に示し
た。このアミノ酸配列に基づいて、疎水性プロットを行
なった結果を〔図36〕に示した。
【0250】(3)ヒト下垂体由来レセプター蛋白質を
コードするphGR3を用いたノーザンハイブリダイゼ
ーション phGR3にコードされるヒト下垂体由来レセプター蛋
白質の下垂体での発現をmRNAレベルで検出するた
め、ノーザンブロットを行なった。mRNAとしてはヒ
ト下垂体mRNA(クローンテック社)2. 5μgを用
い、プローブは実施例5で用いたものと同じものを用い
た。また、ノーザンブロット用のフィルターは、Nylon
membrane(Pall Biodyne, U.S.A.)を用い、mRNAの
泳動及びフィルターへの吸い上げは Molecular clonin
g, Cold Spring Harbor LaboratoryPress (1989)の方
法に従って作製した。ハイブリダイゼーションは、上に
述べたフィルターとプローブを50% formamide,5×
SSPE,5×Denhardt's溶液,0. 1%SDS,10
0μg/ml salmon sperm DNAを含むバッファー中で、
42℃一晩インキュベートした。フィルターの洗浄は
0. 1×SSC,0. 1%SDSで50℃にて行ない、
風乾後3日間−80℃でX線フィルム(XAR5,コダ
ック)に感光させた。その結果を〔図35〕に示した。
〔図35〕から、phGR3がコードするレセプター遺
伝子はヒト下垂体で発現していると考えられる。
【0251】
【実施例7】マウス膵臓β細胞株MIN6由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNAのクローニング (1)マウス膵臓β細胞株MIN6からの poly(A)+ RN
A 画分の調製およびcDNAの合成 マウス膵β細胞株MIN6(Jun-ichi Miyazaki et al.
Endocrinology, Vol.127, No.1, p126-132 )よりグア
ニジンチオシアネート法により TotalRNAを調製後
(Kaplan B.B. et al., Biochem. J. 183, 181-184 (19
79) )、mRNA精製キット(ファルマシア社)を用い
て、 poly(A)+ RNA 画分を調製した。次に、 poly(A)+
RNA 画分5μgにプライマーとしてランダムDNAヘキ
サマー(BRL社)を加え、モロニイマウス白血病ウイ
ルスの逆転写酵素(BRL社)により、添付バッファー
を用いて相補DNAを合成した。反応後の産物はフェノ
ール:クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈
殿を行なった後、30μlのTE79に溶解した。
【0252】(2)MIN6由来cDNAを用いたPC
R法による受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 上記(1)でマウス膵臓β細胞株MIN6より調製した
cDNA5μlを鋳型として使用し、実施例1で合成し
たDNAプライマーを用いてPCRによる増幅を行なっ
た。反応液の組成は、合成DNAプライマー(配列:
5' プライマー配列および3' プライマー配列)各10
0pM、0. 25mMdNTPs、TaqDNA polymer
ase 1μlおよび酵素に付属の10×バッファー10μ
lで、総反応溶液量は100μlとした。増幅のための
サイクルはサーマルサイクラー(パーキン・エルマー
社)を用い、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・
3分のサイクルを30回繰り返した。Taq DNA p
olymerase を添加する前に、残りの反応液を混合し、9
5℃・5分、65℃・5分の加熱を行なった。増幅産物
の確認は1. 2%アガロースゲル電気泳動およびエチジ
ウムブロミド染色によって行なった。
【0253】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記(2)で行なったPCR後の反応産物は0. 8%の
低融点アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分を
カミソリで切り出した後、熱融解、フェノール抽出、エ
タノール沈殿を行ってDNAを回収した。TAクローニ
ングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収し
たDNAをプラスミドベクターpCRTMIIへサブクロー
ニングした。これを大腸菌JM109 competent cell
(宝酒造株式会社)に導入して形質転換したのち、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTG
(Isopropylthio-β-D-galactoside) およびX−gal
を含むLB寒天培地中で選択し、白色を呈するクローン
のみを滅菌した爪楊枝を用いて分離し、形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli)JM109/p3
H2−17を得た。
【0254】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
〔図37〕をもとにホモロジー検索を行なった結果、形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM
109/p3H2- 17の保有するプラスミドに挿入さ
れたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードすることが分かった。それをさらに確認する
ために、DNASIS(日立システムエンジニアリング
社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換した後〔図
37〕、疎水性プロット〔図38〕およびアミノ酸配列
に基づくホモロジー検索を行ない、チキンATPレセプ
ター(P34996)、ヒトソマトスタチンレセプター
サブタイプ3(A46226)、ヒトソマトスタチンレ
セプターサブタイプ4(JN0605)およびウシニュ
ーロペプチドYレセプター(S28787)との相同性
を見いだした〔図39〕。上記の( )内の略語は、NB
RF-PIR/Swiss-PROT にデータとして登録される際の整理
番号であり、通常Accession Numberと呼ばれるものであ
る。
【0255】
【実施例8】マウス膵臓β細胞株MIN6由来のG蛋白
質共役型レセプター蛋白質のcDNAのクローニング (1)マウス膵臓β細胞株MIN6からの poly(A)+ RN
A 画分の調製およびcDNAの合成 マウス膵β細胞株MIN6(Jun-ichi Miyazaki et al.
Endocrinology, Vol.127, No.1, p126-132 )よりグア
ニジンチオシアネート法により TotalRNAを調製後
(Kaplan B.B. et al., Biochem. J. 183, 181-184 (19
79) )、mRNA精製キット(ファルマシア社)を用い
て、 poly(A)+ RNA 画分を調製した。次に、 poly(A)+
RNA 画分5μgにプライマーとしてランダムDNAヘキ
サマー(BRL社)を加え、モロニイマウス白血病ウイ
ルスの逆転写酵素(BRL社)により、添付バッファー
を用いて相補DNAを合成した。反応後の産物はフェノ
ール:クロロホルム(1:1)で抽出し、エタノール沈
殿を行なった後、30μlのTEに溶解した。
【0256】(2)MIN6由来cDNAを用いたPC
R法による受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 上記(1)でマウス膵臓β細胞株MIN6より調製した
cDNA5μlを鋳型として使用し、実施例1で合成し
たDNAプライマーを用いてPCRによる増幅を行なっ
た。反応液の組成は、合成DNAプライマー(配列:
5' プライマー配列および3' プライマー配列)各10
0pM、0. 25mMdNTPs、TaqDNA polymer
ase 1μlおよび酵素に付属の10×バッファー10μ
lで、総反応溶液量は100μlとした。増幅のための
サイクルはサーマルサイクラー(パーキン・エルマー
社)を用い、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・
3分のサイクルを30回繰り返した。Taq DNA p
olymerase を添加する前に、残りの反応液を混合し、9
5℃・5分、65℃・5分の加熱を行なった。増幅産物
の確認は1. 2%アガロースゲル電気泳動およびエチジ
ウムブロミド染色によって行なった。
【0257】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記(2)で行なったPCR後の反応産物は0. 8%の
低融点アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分を
カミソリで切り出した後、熱融解、フェノール抽出、エ
タノール沈殿を行ってDNAを回収した。TAクローニ
ングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収し
たDNAをプラスミドベクターpCRTMIIへサブクロー
ニングした。これを大腸菌JM109 competent cell
(宝酒造株式会社)に導入して形質転換したのち、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTG
およびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白色
を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離
し、形質転換体エシェリヒアコリ(Escherichia coli)
JM109/p3H2−34を得た。
【0258】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
〔図40〕をもとにホモロジー検索を行なった結果、形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM
109/p3H2- 34の保有するプラスミドに挿入さ
れたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードすることが分かった。それをさらに確認する
ために、DNASIS(日立システムエンジニアリング
社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換した後〔図
40〕、疎水性プロット〔図41〕およびアミノ酸配列
に基づくホモロジー検索を行ない、ヒトソマトスタチン
レセプターサブタイプ4(JN0605)、ヒトソマト
スタチンレセプターサブタイプ2(B41795)、ラ
ット由来リガンド不明レセプター(A39297)との
相同性を見いだした〔図42〕。上記の( )内の略語
は、NBRF-PIR/Swiss-PROT にデータとして登録される際
の整理番号であり、通常Accession Numberまたはエント
リーネームと呼ばれるものである。
【0259】
【実施例9】ウサギ胃幽門部平滑筋由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質のcDNAのクローニング方法 (1)ウサギ胃幽門部平滑筋からの poly(A)+ RNA 画分
の調製およびcDNAの合成 ウサギ胃幽門部平滑筋よりグアニジンチオシアネート法
により TotalRNAを調製後(Kaplan B.B. et al., Bi
ochem. J. 183, 181-184 (1979) )、mRNA精製キッ
ト(ファルマシア社)を用いて、 poly(A)+ RNA 画分を
調製した。次に、 poly(A)+ RNA 画分5μgにプライマ
ーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加
え、モロニイマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はフェノール:クロロホルム
(1:1)で抽出し、エタノール沈殿を行なった後、3
0μlのTE (Tris-EDTA solution; 10 mM Tris-HCl
(pH8.0), 1 mM EDTA (pH8.0))に溶解した。
【0260】(2)ウサギ胃幽門部平滑筋由来cDNA
を用いたPCR法による受容体cDNAの増幅と塩基配
列の決定 上記の(1)でウサギ胃幽門部平滑筋より調製したcD
NA1μlを鋳型として使用し、実施例1で合成したD
NAプライマーを用いてPCRによる増幅を行なった。
反応液の組成は、合成DNAプライマー(配列:5' プ
ライマー配列および3' プライマー配列)各100p
M、0. 25mMdNTPs、Taq DNA polymeras
e 1μlおよび酵素に付属のバッファー10μlで、総
反応溶液量は100μlとした。増幅のためのサイクル
はサーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用
い、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・3分のサ
イクルを25回繰り返した。増幅産物の確認は1. 2%
アガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド染色
によって行なった。
【0261】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記の(2)で行なったPCR後の反応産物は1. 0%
の低融点アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分
をカミソリで切り出した後、熱融解、フェノール抽出、
エタノール沈殿を行ってDNAを回収した。TAクロー
ニングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収
したDNAをプラスミドベクターpCR TMIIへサブクロ
ーニングした。これを大腸菌JM109 competent cel
l (宝酒造株式会社)に導入して形質転換したのち、c
DNA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPT
GおよびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白
色を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離
し、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia col
i)JM109/pMD4を得た。
【0262】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
を〔図43〕に示した。〔図43〕から、クローニング
されたcDNA断片は、実施例1の配列番号:1で表わ
される塩基配列を有する合成DNAプライマーのみで両
側から増幅されていることが分かる。決定した塩基配列
〔図43〕をもとにホモロジー検索を行なった結果、形
質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia coli) JM
109/pMD4の保有するプラスミドに挿入されたc
DNA断片が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードすることが分かった。それをさらに確認するため
に、DNASIS(日立システムエンジニアリング社)
を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換した後〔図4
3〕、疎水性プロット〔図44〕およびアミノ酸配列に
基づくホモロジー検索を行ない、ラットリガンド不明レ
セプター蛋白質(A35639)との相同性を見いだし
た〔図45〕。上記の( )内の略語は、NBRF-PIRにデ
ータとして登録される際の整理番号であり、通常Access
ion Numberと呼ばれるものである。
【0263】
【実施例10】マウス膵臓β細胞株MIN6由来cDN
Aライブラリーからのレセプター蛋白質の全コード領域
を含むcDNAのクローニング (1)マウス膵臓β細胞株MIN6由来cDNAライブ
ラリーからのレセプター蛋白質の全コード領域を含むc
DNAのクローニング MIN6由来cDNAライブラリーの構築には、BRL
社の SuperscriptTMLambda System (BRL ,Cat .825
6)および Stratagene 社の Glgapack II Gold (Strat
agene,Cat .200215)を用いた。上記のキットを用い
てMIN6 poly(A)+ RNA 10μgより、2. 2×10
6 pfu(プラーク・フォーミング・ユニット)のMI
N6cDNAライブラリーを構築した。このcDNAラ
イブラリーを、硫酸マグネシウムで処理した大腸菌Y1
090- と混ぜ、37℃、15分間インキュベートした
後、0. 5%アガロース(ファルマシア社)LBを加
え、1. 5%寒天(和光純薬社)LBプレート( 50μ
g/ml Ampicilin含有)に播いた。プラークのできたプレ
ートにニトロセルロースフィルターを置き、フィルター
上にプラークを転写した。このフィルターをアルカリ処
理することによって変性させた後、80℃、3時間の加
熱によってDNAの固定を行なった。
【0264】このフィルターを、50% formamide,4
×SSPE,5× Denhardt's 溶液,0. 1%SDS,
100μg/ml salmon sperm DNAを含むバッファ
ー中で、以下に述べるプローブと42℃で一晩インキュ
ベートし、ハイブリダイズさせた。プローブとしては、
実施例8で得られたプラスミドp3H2- 34に挿入さ
れたDNA断片をEcoRIで切断、回収後、ランダム
プライムDNAラベリングキット(アマシャム社)を用
いて〔32P〕dCTP(デュポン社)を取り込ませるこ
とによって標識して用いた。洗浄は、2×SSC (150
mM NaCl, 15 mMクエン酸ナトリウム) ,0. 1%SDS
で55℃、1時間行ない、その後、−80℃でオートラ
ジオグラフィを行ってハイブリダイズするプラークを検
出した。このスクリーニングにより、2個の独立したプ
ラークにハイブリダイゼーションのシグナルが認められ
た。この2個のクローンからそれぞれDNAを調製し、
SalIとNotIで消化したものをアガロース電気泳
動後、解析したところ、各々約2. 0kb,3. 0kb
のところに挿入断片が確認でき、このうち約3.0kb
のバンドを生じるもの(λNo. 20)を選択した。λ
No. 20の約3. 0kbのNotI−SalI断片を
プラスミドpBluescript TM IISK(+)のNotI
SalIサイトにサブクローニングした後、このプラス
ミドで大腸菌JM109を形質転換し、形質転換体エシ
ェリヒア コリJM109/pMGR20を得た。この
プラスミドpMGR20を、実施例8で示された塩基配
列から予想される制限酵素地図をもとにして制限酵素地
図を作製したところ、実施例8で示されるレセプター蛋
白質をコードするDNAから予想されるレセプター蛋白
質の全長をコードするDNAを保持していることが分か
った。
【0265】(2)MIN6由来レセプター蛋白質全長
cDNAの塩基配列の決定 上記(1)で得られたプラスミドpMGR20に挿入し
たNotISalI断片のうち、レセプター蛋白質をコ
ードしていると考えられる領域およびその周辺計160
7bpの塩基配列を決定した。具体的には、NotIS
alI断片中に存在する制限酵素サイトを利用して、不
必要な部分を除き、または必要な断片をサブクローニン
グし、配列解析のための鋳型プラスミドを調製した。ま
た、一部の領域の塩基配列については、既に決定した塩
基配列をもとにして塩基配列決定用のプライマーを合成
して、さらに確認を行なった。塩基配列決定のための反
応は Dye Deoxy Terminator Cycle Sequencing Kit(A
BI社)を用いて行ない、蛍光式DNAシーケンサー
(ABI社)を用いて解読し、データー解析にはDNA
SIS(日立ソフトウェアエンジニアリング社)を使用
した。pMGR20に挿入されているcDNAのコード
するマウスガラニンレセプター蛋白質の翻訳領域周辺の
塩基配列を〔図46〕に示した。そして、マウスガラニ
ンレセプター蛋白質をコードするDNAの塩基配列は
〔図46〕の塩基配列の第481番目〜1525番目の
塩基配列に対応する。塩基配列をアミノ酸配列に変換し
た後〔図46〕、疎水性プロット〔図47〕を行なっ
た。そして、アミノ酸配列〔図46〕は、ヒト由来ガラ
ニンレセプター蛋白質とアミノ酸配列において92%の
相同性を有することから〔図48〕、pMGR20に挿
入されているcDNAは、マウス由来のガラニンレセプ
ター蛋白質をコードするcDNAであることが分かっ
た。
【0266】
【実施例11】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅させるための合成DNAプライマー
の製造 公知のG蛋白質共役型レセプター、すなわちマウス由来
アンジオテンシンIIレセプター蛋白質(L3284
0)、ラット由来アンジオテンシンIbレセプター蛋白
質(X64052)、ラット由来アンジオテンシンレセ
プター蛋白質サブタイプ(M90065)、ヒト由来ア
ンジオテンシンIaレセプター蛋白質(M9146
4)、ラット由来コレシストキニンA レセプター蛋白質
(M88096)、ラット由来コレシストキニンB レセ
プター蛋白質(M99418)、ヒト由来コレシストキ
ニンB レセプター蛋白質(L04473)、マウス由来
ローアフィニティーインターロイキン8レセプター蛋白
質(M73969)、ヒト由来ハイアフィニティーイン
ターロイキン8レセプター蛋白質(X65858)、マ
ウス由来C5aアナフィラトキシンレセプター蛋白質
(S46665)、ヒト由来N- フォルミルペプチドレ
セプター蛋白質(M60626)などの、第3膜貫通領
域付近〔図4の3Cおよび3D〕および第6膜貫通領域
付近の塩基配列〔図6の6C〕を比較し、類似性の高い
部分を見いだした。
【0267】上記の( )内の略語は、GenBank / EMBL
データベースを検索した際に示される整理番号で、通常
Accession Number と呼ばれるものである。特に多くの
受容体cDNAで一致する塩基部分を基準とし、その他
の部分においてもできるだけ多くの受容体cDNAと配
列の一致性を高めるため、混合塩基の導入を計画した。
この配列をもとに、共通する塩基配列に相補的である配
列番号:3で表される塩基配列を有する合成DNA(図
4の3D)および配列番号:4で表される塩基配列を有
する合成DNA(図6の6Cに相補的な塩基配列)を作
製した。 〔合成DNA〕 5' −CTCGC(GまたはC)GC(CまたはT)
(AまたはC)TI(AまたはG)G(CまたはT)A
TGGA(CまたはT)CGITAT−3' (配列表の配列番号:3において、SはGまたはCを示
し、YはCまたはTを示し、MはAまたはCを示し、R
はAまたはGを示し、N2 はIを示す。)(配列番号:
3) 5' −CATGT(AまたはG)G(TまたはA)AG
GGAAICCAG(GまたはC)A(AまたはC)A
I(AまたはG)A(AまたはG)(AまたはG)AA−
3’
(配列番号:4) (配列表の配列番号:4において、RはAまたはGを示
し、SはGまたはCを示し、MはAまたはCを示し、N
2 はIを示す。) ( )内は複数の塩基に混合して合成する。ただし、I
はイノシンを示す。
【0268】
【実施例12】ウサギ胃幽門部平滑筋由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNAのクローニング方法 (1)ウサギ胃幽門部平滑筋からの poly(A)+ RNA 画分
の調製およびcDNAの合成 ウサギ胃幽門部平滑筋よりグアニジンチオシアネート法
により TotalRNAを調製後(Kaplan B.B. et al., Bi
ochem. J. 183, 181-184 (1979) )、mRNA精製キッ
ト(ファルマシア社)を用いて、 poly(A)+ RNA 画分を
調製した。次に、 poly(A)+ RNA 画分5μgにプライマ
ーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加
え、モロニイマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はフェノール:クロロホルム
(1:1)で抽出し、エタノール沈殿を行なった後、3
0μlのTEに溶解した。
【0269】(2)ウサギ胃幽門部平滑筋由来cDNA
を用いたPCR法による受容体cDNAの増幅と塩基配
列の決定 上記(1)でウサギ胃幽門部平滑筋より調製したcDN
A1μlを鋳型として使用し、実施例11で合成した配
列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーおよび配列番号:4で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマを用いて、PCRによる増幅を行なっ
た。反応液の組成は、合成DNAプライマー(5' プラ
イマー配列および3' プライマー配列)各100pM、
0. 25mMdNTPs、Taq DNA polymerase 1
μlおよび酵素に付属のバッファー10μlで、総反応
溶液量は100μlとした。増幅のためのサイクルはサ
ーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用い、9
6℃・30秒、45℃・1分、60℃・3分のサイクル
を25回繰り返した。増幅産物の確認は1. 2%アガロ
ースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド染色によっ
て行なった。
【0270】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記(2)で行なったPCR後の反応産物は1. 0%の
低融点アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分を
カミソリで切り出した後、熱融解、フェノール抽出、エ
タノール沈殿を行ってDNAを回収した。TAクローニ
ングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収し
たDNAをプラスミドベクターpCRTMIIへサブクロー
ニングした。これを大腸菌JM109 competent cell
(宝酒造株式会社)に導入して形質転換したのち、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTG
およびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白色
を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離
し、形質転換体エシェリヒアコリ(Escherichia coli)
JM109/pMJ10を得た。
【0271】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
を〔図49〕に示した。決定した塩基配列〔図49〕を
もとにホモロジー検索を行なった結果、形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/pM
J10の保有するプラスミドに挿入されたcDNA断片
が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするこ
とが分かった。それをさらに確認するために、DNAS
IS(日立システムエンジニアリング社)を用い、塩基
配列をアミノ酸配列に変換した後〔図49〕、疎水性プ
ロット〔図50〕およびアミノ酸配列に基づくホモロジ
ー検索を行ない、ヒトリガンド不明レセプター蛋白質
(B42009)、ヒトN-フォルミルペプチドレセプ
ター蛋白質(JC2014)、ウサギN- フォルミルペ
プチドレセプター蛋白質(A46520)、マウスC5
aアナフィラトキシンレセプター蛋白質(A4652
5)およびウシニューロペプチドYレセプター蛋白質
(S28787)との相同性を見いだした〔図51〕。
上記の( )内の略語は、NBRF-PIRにデータとして登録
される際の整理番号であり、通常AccessionNumberと呼
ばれるものである。
【0272】
【実施例13】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅させるための合成DNAプライマー
の製造 公知のG蛋白質共役型レセプター、すなわちマウス由来
κ- オピオイドレセプター蛋白質(L11064)、マ
ウス由来δ- オピオイドレセプター蛋白質(L1106
5)、ラット由来μ- オピオイドレセプター蛋白質(D
16349)、マウス由来ブラジキニンB2レセプター
蛋白質(X69676)、ラット由来ブラジキニンB2
レセプター蛋白質(M59967)、マウス由来ボンベ
シンレセプター蛋白質(M35328)、ヒト由来ニュ
ーロメジンBレセプター蛋白質(M73482)、ヒト
由来ガストリンリリーシングペプチドレセプター蛋白質
(M73481)、ヒト由来ボンベシンレセプター蛋白
質サブタイプ3(L08893)、マウス由来サブスタ
ンスKレセプター蛋白質(X62933)、マウス由来
サブスタンスPレセプター蛋白質(X62934)、ラ
ット由来ニューロキニン3レセプター蛋白質(J051
89)、ラット由来エンドセリンレセプター蛋白質(M
60786)、ラット由来リガンド不明レセプター蛋白
質(L04672)、同(X61496)、同(X59
249)、同(L09249)、マウス由来リガンド不
明レセプター蛋白質(P30731)、ヒト由来リガン
ド不明レセプター蛋白質(M31210)、同(U03
642)などの第3膜貫通領域付近のアミノ酸配列をコ
ードするDNAの塩基配列を比較し、特に多くの受容体
cDNAで一致する塩基部分を基準とし、その他の部分
においてもできるだけ多くの受容体cDNAと配列の一
致性を高めるため、共通性の高い塩基を有する塩基配列
(図3の3B、配列番号:6)を有するDNAを合成し
た。
【0273】配列番号:6で表わされる塩基配列は、 5' −CTGAC(CまたはT)G(CまたはT)TC
TI(AまたはG)(GまたはC)I(AまたはG)
(CまたはT)TGAC(AまたはC)G(A、Cまた
はG)TAT−3' 〔配列表の配列番号:6において、YはCまたはTを示
し、RはAまたはGを示し、SはGまたはCを示し、M
はAまたはCを示し、VはA、CまたはGを示し、N2
はIを示す。( )内は合成時に複数の塩基に混合して
合成する。ただし、Iはイノシンを示す。〕である。
【0274】さらに、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちマウス由来κ- オピオイドレセプター蛋白
質(L11064)、マウス由来δ- オピオイドレセプ
ター蛋白質(L11065)、ラット由来μ- オピオイ
ドレセプター蛋白質(D16349)、マウス由来ブラ
ジキニンB2レセプター蛋白質(X69676)、ラッ
ト由来ブラジキニンB2レセプター蛋白質(M5996
7)、マウス由来ボンベシンレセプター蛋白質(M35
328)、ヒト由来ニューロメジンBレセプター蛋白質
(M73482)、ヒト由来ガストリンリリーシングペ
プチドレセプター蛋白質(M73481)、ヒト由来ボ
ンベシンレセプター蛋白質サブタイプ3(L0889
3)、マウス由来サブスタンスKレセプター蛋白質(X
62933)、マウス由来サブスタンスPレセプター蛋
白質(X62934)、ラット由来ニューロキニン3レ
セプター蛋白質(J05189)、ラット由来エンドセ
リンレセプター蛋白質(M60786)、ラット由来リ
ガンド不明レセプター蛋白質(L04672)、同(X
61496)、同(X59249)、同(L0924
9)、マウス由来リガンド不明レセプター蛋白質(P3
0731)、ヒト由来リガンド不明レセプター蛋白質
(M31210)、同(U03642)などの第6膜貫
通領域付近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配
列を比較し、特に多くの受容体cDNAで一致する塩基
部分を基準とし、その他の部分においてもできるだけ多
くの受容体cDNAと配列の一致性を高めるため、共通
性の高い塩基を有する塩基配列(図5の6A)に相補的
な塩基配列(配列番号:8)を有するDNAを合成し
た。
【0275】配列番号:8で表わされる塩基配列は、 5' −GATGTG(AまたはG)TA(AまたはG)
GG(GまたはC)(AまたはG)ICCAACAGA
IG(AまたはG)(CまたはT)AAA−3' 〔配列表の配列番号:8において、RはAまたはGを示
し、SはGまたはCを示し、YはCまたはTを示し、N
2 はIを示す。( )内は合成時に複数の塩基に混合し
て合成する。ただし、Iはイノシンを示す。〕である。
上記の( )内の略語は、GenBank / EMBLデータベース
を検索した際に示される整理番号で、通常 Accession N
umber と呼ばれるものである。
【0276】
【実施例14】ウサギ胃幽門部平滑筋由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNAのクローニング方法 (1)ウサギ胃幽門部平滑筋からの poly(A)+ RNA 画分
の調製およびcDNAの合成 ウサギ胃幽門部平滑筋よりグアニジンチオシアネート法
により TotalRNAを調製後(Kaplan B.B. et al., Bi
ochem. J. 183, 181-184 (1979) )、mRNA精製キッ
ト(ファルマシア社)を用いて、 poly(A)+ RNA 画分を
調製した。次に、 poly(A)+ RNA 画分5μgにプライマ
ーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加
え、モロニイマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はフェノール:クロロホルム
(1:1)で抽出し、エタノール沈殿を行なった後、3
0μlのTEに溶解した。
【0277】(2)ウサギ胃幽門部平滑筋由来cDNA
を用いたPCR法による受容体cDNAの増幅と塩基配
列の決定 上記(1)でウサギ胃幽門部平滑筋より調製したcDN
A1μlを鋳型として使用し、実施例13で合成した配
列番号:6で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
マーおよび配列番号:8で表わされる塩基配列を有する
DNAプライマを用いて、PCRによる増幅を行なっ
た。反応液の組成は、合成DNAプライマー(5' プラ
イマー配列および3' プライマー配列)各100pM、
0. 25mMdNTPs、Taq DNA polymerase 1
μlおよび酵素に付属のバッファー10μlで、総反応
溶液量は100μlとした。増幅のためのサイクルはサ
ーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)を用い、9
6℃・30秒、45℃・1分、60℃・3分のサイクル
を25回繰り返した。増幅産物の確認は1. 2%アガロ
ースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド染色によっ
て行なった。
【0278】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記(2)で行なったPCR後の反応産物は1. 0%の
低融点アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分を
カミソリで切り出した後、熱融解、フェノール抽出、エ
タノール沈殿を行ってDNAを回収した。TAクローニ
ングキット(インビトロゲン社)の処方に従い、回収し
たDNAをプラスミドベクターpCRTMIIへサブクロー
ニングした。これを大腸菌JM109 competent cell
(宝酒造株式会社)に導入して形質転換したのち、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTG
およびX−galを含むLB寒天培地中で選択し、白色
を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を用いて分離
し、形質転換体エシェリヒアコリ(Escherichia coli)
JM109/pMH28を得た。
【0279】個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、自動プラスミド抽出装置(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy Terminat
or Cycle Sequencing Kit (ABI社)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得られ
た塩基配列の情報は、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行なった。決定した塩基配列
を〔図52〕に示した。決定した塩基配列〔図52〕を
もとにホモロジー検索を行なった結果、形質転換体エシ
ェリヒア コリ(Escherichia coli) JM109/pM
H28の保有するプラスミドに挿入されたcDNA断片
が新規G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするこ
とが分かった。それをさらに確認するために、DNAS
IS(日立システムエンジニアリング社)を用い、塩基
配列をアミノ酸配列に変換した後〔図52〕、疎水性プ
ロット〔図53〕およびアミノ酸配列に基づくホモロジ
ー検索を行ない、マウスIL−8レセプター蛋白質(P
35343)、ヒトソマトスタチンレセプター蛋白質1
(A41795)およびヒトソマトスタチンレセプター
蛋白質4(A47457)との相同性を見いだした〔図
54〕。上記の()内の略語は、NBRF-PIRまたはSWISS-
PLOTにデータとして登録される際の整理番号であり、通
常Accession Numberと呼ばれるものである。
【0280】
【実施例15】G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするDNAを増幅させるための合成DNAプライマー
の製造 公知のG蛋白質共役型レセプター、すなわちヒト由来ガ
ラニンレセプター(HUMGALAREC)、ラット由
来α−1B−アドレナジックレセプター(RATADR
1B)、ヒト由来β−1−アドレナジックレセプター
(HUMADRB1)、ウサギ由来IL−8レセプター
(RABIL8RSB)、ヒト由来オピオイドレセプタ
ー(HUMOPIODRE)、ウシ由来サブスタンスK
レセプター(BTSKR)、ヒト由来ソマトスタチンレ
セプター−2(HUMSRI2A)、ヒト由来ソマトス
タチンレセプター−3(HUMSSTR3Y)、ヒト由
来ガストリンレセプター(HUMGARE)、ヒト由来
コレシストキニンAレセプター(HUMCCKAR)、
ヒト由来ドパミンレセプター−D5(HUMD1B)、
ヒト由来セロトニンレセプター5HT1E(HUM5H
T1E)、ヒト由来ドパミンレセプターD4(HUMD
4C)、マウス由来セロトニンレセプター−2(MMS
ERO)、ラット由来α−1A−アドレナジックレセプ
ター(RATADRA1A)、ラット由来ヒスタミンH
2レセプター(S57565)などの第2膜貫通領域付
近のアミノ酸配列をコードするDNAの塩基配列を比較
し、特に多くの受容体cDNAで一致する塩基部分を基
準とし、その他の部分においてもできるだけ多くの受容
体cDNAと配列の一致性を高めるため、共通性の高い
塩基を有する塩基配列(図7のT2A、配列番号:1
0)を有するDNAを合成した。
【0281】配列番号:10で表わされる塩基配列は、 5' −GYCACCAACN2 WSTTCATCCTS
WN2 HCTG−3' 〔SはGまたはCを示し、YはCまたはTを示し、Wは
AまたはTを示し、HはA、CまたはTを示し、N2
Iを示す。( )内は合成時に複数の塩基に混合して合
成する。ただし、Iはイノシンである。〕である。
【0282】さらに、公知のG蛋白質共役型レセプタ
ー、すなわちヒト由来ガラニンレセプター(HUMGA
LAREC)、ラット由来A1アデノシンレセプター
(RAT1ADREC)、ブタ由来アンジオテンシンレ
セプター(PIGA2R)、ラット由来セロトニンレセ
プター(RAT5HTRTC)、ヒト由来ドパミンレセ
プター(S58541)、ヒト由来ガストリンリリーシ
ングペプチドレセプター(HUMGRPR)、マウス由
来GRP/ボンベシンレセプター(MUSGRPBO
M)、ラット由来バスキュラータイプ1アンジオテンシ
ンレセプター(RRVT1AIIR)、ヒト由来ムスカ
リニックアセチルコリンレセプター(HSHM4)、ヒ
ト由来β−1アドレナジックレセプター(HUMDRB
1)、ヒト由来ガストリンレセプター(HUMGAR
E)、ラット由来コレシストキニンレセプター(RAT
CCKAR)、ラット由来リガンド不明レセプター(S
59748)、ヒト由来ソマトスタチンレセプター(H
UMSST28A)、ラット由来リガンド不明レセプタ
ー(RNGPROCR)、マウス由来ソマトスタチンレ
セプター1(MUSSRI1A)、ヒト由来α−A1−
アドレナジックレセプター(HUMA1AADR)、マ
ウス由来デルタオピオイドレセプター(S6618
1)、ヒト由来ソマトスタチンレセプター−3(HUM
SSTR3Y)などの第7膜貫通領域付近のアミノ酸配
列をコードするDNAの塩基配列を比較し、特に多くの
受容体cDNAで一致する塩基部分を基準とし、その他
の部分においてもできるだけ多くの受容体cDNAと配
列の一致性を高めるため、共通性の高い塩基を有する塩
基配列に相補的な塩基配列(図8のT7A、配列番号:
11)を有するDNAを合成した。
【0283】配列番号:11で表わされる塩基配列は、 5' −ASN2 SAN2 RAAGSARTAGAN2
AN2 RGGRTT−3' 〔RはAまたはGを示し、SはGまたはCを示し、N2
はIを示す。( )内は合成時に複数の塩基に混合して
合成する。ただし、Iはイノシンである。〕である。上
記の( )内の略語は、GenBank/EMBLデータベースを検
索した際に示される整理番号で、通常エントリーネーム
と呼ばれるものである。
【0284】
【実施例16】ウサギ胃幽門部平滑筋由来のG蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNAのクローニング方法 (1)ウサギ胃幽門部平滑筋からの poly(A)+ RNA 画分
の調製およびcDNAの合成 ウサギ胃幽門部平滑筋よりグアニジンチオシアネート法
により TotalRNAを調製後(Kaplan B.B. et al., Bi
ochem. J. 183, 181-184 (1979) )、mRNA精製キッ
ト(ファルマシア社)を用いて、 poly(A)+ RNA 画分を
調製した。次に、 poly(A)+ RNA 画分5μgにプライマ
ーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加
え、モロニイマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はフェノール:クロロホルム
(1:1)で抽出し、エタノール沈殿を行なった後、3
0μlのTEに溶解した。
【0285】(2)ウサギ胃幽門部平滑筋由来cDNA
を用いたPCR法による受容体cDNAの増幅と塩基配
列の決定 上記(1)でウサギ胃幽門部平滑筋より調製したcDN
A1μlを鋳型として使用し、実施例15で合成した配
列番号:10で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
イマーおよび配列番号:11で表わされる塩基配列を有
するDNAプライマーを用いてPCRによる増幅を行な
った。反応液の組成は、合成DNAプライマー(配列:
5' プライマー配列および3' プライマー配列)各10
0pM、0. 25mMdNTPs、Taq DNA polym
erase 1μlおよび酵素に付属のバッファー10μl
で、総反応溶液量は100μlとした。増幅のためのサ
イクルはサーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)
を用い、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・3分
のサイクルを25回繰り返した。増幅産物の確認は1.
2%アガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド
染色によって行なった。
【0286】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記(2)で行なったPCR後の反応産物は1. 4%の
アガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミソ
リで切り出した後、エレクトロエリューション、フェノ
ール抽出、エタノール沈殿を行ってDNAを回収した。
TAクローニングキット(インビトロゲン社)の処方に
従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCRTMII
へサブクローニングした。これを大腸菌JM109 com
petent cell (宝酒造株式会社)に導入して形質転換し
たのち、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ン、IPTGおよびX−galを含むLB寒天培地中で
選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌した爪楊枝を
用いて分離し、形質転換体を100クローン得た。個々
のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養
し、自動プラスミド抽出装置PI−100(クラボウ)
を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したDNA
の一部を用いてEcoRIによる切断を行い、挿入され
ているcDNA断片の大きさを確認した。残りのDNA
の一部をさらにRNase処理、フェノール・クロロフ
ォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮した。
【0287】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。得
られた塩基配列を基に、DNASIS(日立システムエ
ンジニアリング社)を用いてホモロジー検索を行なった
結果、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichiacol
i) JM109/pMN7の保有するプラスミドに挿入
されたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レセプター蛋
白質をコードすることが分かった。該cDNA断片の塩
基配列を〔図55〕および〔図56〕に示した。さらに
確認するために、DNASIS(日立システムエンジニ
アリング社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換し
た後〔図55〕および〔図56〕、疎水性プロット〔図
57〕を行なった結果、G蛋白質共役型レセプター蛋白
質であることを示す疎水性ドメインが存在することが確
認された。また、アミノ酸配列に基づくホモロジー検索
を行なった結果、例えば、ラット由来β3 −アドレナリ
ンレセプター蛋白質(A41679)と27%、ラット
由来セロトニン(5−HT6)レセプター蛋白質(JN
0591)と29%、イヌ由来ヒスタミンH2 レセプタ
ー蛋白質(A39008)と27%、ヒト由来ソマトス
タチンレセプター(タイプ4)蛋白質(JN0605)
と27%、ヒト由来ドーパミンD1 レセプター蛋白質
(S11377)と24%、ラット由来ニューロテンシ
ンレセプター蛋白質(JH0164)と23%、ヒト由
来コレシストキニンBレセプター蛋白質(JC135
2)と31%、ラット由来ガストリンレセプター蛋白質
(JQ1614)と30%のホモロジーを有する新規な
レセプター蛋白質であることが判明した。上記の( )
内の略語は、NBRF−PIRにデータとして登録され
る際の整理番号であり、通常Accession Number と呼ば
れるものである。
【0288】
【実施例17】MIN6由来cDNAを用いたPCR法
による受容体cDNAの増幅と塩基配列の決定 実施例4(1)でマウス膵β細胞株MIN6より調製し
たcDNA5μlを鋳型として使用し、実施例4(2)
で合成したLibert, F ら(Science 244:569-572, 1989
)に記載されている合成DNAプライマー、すなわ
ち、 5' −CTGTG(CまたはT)G(CまたはT)(G
またはC)AT(CまたはT)GCIIT(Gまたは
T)GA(CまたはT)(AまたはC)G(Gまたは
C)TAC−3'
(配列番号:60) 〔Iはイノシンを示す。〕で表される合成プライマーお
よび 5' −A(GまたはT)G(AまたはT)AG(Aまた
はT)AGGGCAGCCAGCAGAI(Gまたは
C)(AまたはG)(CまたはT)GAA−3'(配列
番号:61) 〔Iをイノシンを示す。〕で表される合成プライマーを
用いて、実施例3(1)と同条件でPCR法を行った。
得られたPCR産物は実施例3(2)に記載の方法と同
様にして、プラスミドベクターpCRTMIIにサブクロー
ニングし、プラスミドp5S38を得た。このプラスミ
ドで大腸菌JM109を形質転換し、形質転換体エシェ
リヒア コリ(Escherichia coli) JM109/p5S
38を得た。
【0289】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、得ら
れた塩基配列の情報はDNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用いて行った。p5S38の配列を
もとにマウス膵β細胞株MIN6由来のG蛋白質共役型
レセプター蛋白質をコードするDNAの塩基配列(配列
番号:33)およびこれにコードされるアミノ酸配列
(配列番号:28)を〔図62〕に示した。下線で示し
た部分は合成プライマーに相当する部分である。決定し
た塩基配列〔図62〕をもとにホモロジー検索を行なっ
た結果、得られたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードすることが分かった。それをさ
らに確認するために、DNASIS(日立システムエン
ジニアリング社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変
換した後〔図62〕、疎水性プロットを行なったとこ
ろ、4個の疎水性領域の存在が確認できた〔図64〕。
また、アミノ酸配列を実施例3(2)で得たp19P2
および実施例4(2)で得たpG3−2と比較したとこ
ろ、〔図63〕に示すとおり高い相同性を見いだした。
その結果、p5S38にコードされるマウス膵β細胞株
MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質とp19
P2にコードされるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセ
プター蛋白質は、由来する動物種は異なるが、同一のリ
ガンドを認識するレセプター蛋白質であることが強く示
唆された。また、p5S38にコードされるマウス膵β
細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質と
pG3−2およびpG1−10にコードされるマウス膵
β細胞株MIN6由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質
は、同一のリガンドを認識するレセプター蛋白質であ
り、互いに近縁なレセプター蛋白質(いわゆる、サブタ
イプ)であることが示唆された。
【0290】
【実施例18】MIN6由来レセプター蛋白質をコード
するp3H2−17に含まれるcDNA断片を用いたノ
ーザンハイブリダイゼーション poly(A) + RNAとしては、マウス細胞株MIN
6、Neuro 2Aおよびマウスの脳、脾臓、胸腺、
膵臓のpoly(A) + RNA 2.5μgを用いた。
また、ハイブリダイゼーションのプローブとしては、実
施例7(3)で得られたプラスミドp3H2−17に挿
入されたDNA断片をEcoRIで切断して約400b
pの大きさのDNA断片として回収した後、ランダムプ
ライムDNAラベリングキット(アマシャム社)を用い
て、〔32P〕dCTP(デュポン社)を取り込ませるこ
とによって標識して用いた。また、ノーザンブロット用
のフィルターは Nylon membrane (PALL, Biodyne,U.S.
A.) を用い、poly(A) + RNAの泳動およびフィ
ルターへの吸い上げは、Molecular cloning, Cold Spri
ng Habor Laboratory Press (1989) の方法に従って行
った。ハイブリダイゼーションは、上述したフィルター
とプローブを50% ホルムアミド、5×SSPE (15
0 mM NaCl, 10 mM リン酸二水素ナトリウム一水和物,
1.25 mM EDTA, pH7.4),5× Denhardt's 溶液(ニッポ
ンジーン),0. 1% SDS,100μg/ml salmon
sperm DNAを含むバッファー中で42℃で一晩インキ
ュベートした。フィルターの洗浄は、0.1×SSC、
0. 1% SDSで50℃にて行ない、風乾後、−80
℃で15日間X線フィルム(XAR5コダック)に感光
させた。その結果を〔図65〕に示した。〔図65〕か
らp3H2−17に含まれるcDNA断片がコードする
レセプター遺伝子のmRNAは、MIN6、Neuro
−2a細胞株およびマウスの脳、膵臓、脾臓、胸腺で発
現しており、特に脾臓と胸腺で強く発現していることが
分かった。また、MIN6細胞とその他の細胞臓器で
は、ノーザンハイブリダイゼーションで得られたハイブ
リダイズするシグナルの位置が異なっていた。
【0291】
【実施例19】マウスの脾臓、胸腺由来poly(A)
+ RNAからのレセプター蛋白質の全コード領域を含む
cDNAのPCR法によるクローニングと塩基配列の解
析 (1)レセプター蛋白質の全コード領域を含むcDNA
のPCR法によるクローニングと塩基配列の解析 p3H2−17に含まれるcDNA断片がコードするレ
セプター蛋白質の全コード領域を取得するために、マウ
スの胸腺、脾臓のpoly(A) + RNAより、5’R
ACEおよび3’RACE法を用いて、PCR法による
取得を行った。まず、すでに判明している3H2−17
の塩基配列に基づいて、以下の4つのプライマーを合成
した。 合成したプライマーの配列 5’−TAGTGTGTGGAGTCGTGTGGCTGGCTG−3’ (配列番号:20) 5’−AGTCTTTGCTGCCACAGGCATCCAGCG−3’ (配列番号:21) 5’−CAAGCCAGTAAGGCTATGAAGGGCAGCAAG −3’ (配列番号:22) 5’−ACAGGACCTGCTGGGCCATCCTGGCGACACA −3’ (配列番号:23) 5’RACEは、クローンテック社の5’Ampli
FinderTM RACE kitのマニュアルに従っ
て行った。具体的には、まず、上記のプライマーを用
いてマウスの脾臓、胸腺のpoly(A) + RNA各々
2μgよりcDNAを合成した後、5’RACE ki
t付属の Anchor を ligation した。このうち1/20
0量を Anchor primerと上記のプライマーを用いて、
以下の条件でTaq (Takara) ,Ex Taq (Takar
a) ,Vent (New England Biolabs), Pfu (Str
atagene) の4種のポリメラーゼを用いてPCRにかけ
た(95℃/30秒、60℃/60秒、72℃/90
秒、35サイクル)。このうち1/5量をとってアガロ
ースゲル電気泳動を行ない、エチジウムブロマイド(E
tBr)にて染色したところ、〔図66〕のようになっ
た。脾臓、胸腺のpoly(A) + RNAよりEx T
aqポリメラーゼで5’RACEによって約1kbpの
ところに出現したDNAの増幅されたバンドを、SUP
RECTM−01 (Takara) を用いて回収した。このDN
AをTA cloning kit (Invitrogen) にて
pCRIITMvectorにサブクローニングし、大腸
菌JM109を形質転換することにより、N26、N6
4、N75と名付けた3つのクローンを得た。N26、
N64は胸腺由来の5’RACEにより増幅されたcD
NAを有しており、N75は脾臓由来の5’RACEに
より増幅されたcDNAを有している〔図68〕。
【0292】次に、3’RACEは、3’RACE k
it (GIBCO BRL 社) のマニュアルに従って行った。具
体的には、3’RACE kit付属の Adaptor prime
r を用いて、マウスの胸腺、脾臓のpoly(A) +
NA 1μgを出発材料としてcDNAを合成した。続
いて、この Adaptor primer と上記のプライマーを用
いてできたcDNAの1/10量をTaq (Takara) ,
Ex Taq (Takara) ,Vent (NEB), Pfu
(Stratagene) の4種のポリメラーゼを用いて、それぞ
れ以下の条件で1st PCRを行った(95℃/30
秒、55℃/60秒、72℃/120秒、30サイク
ル)。次に、その1/50量をとって再び上に述べたポ
リメラーゼを用いて同じ条件で上記のプライマーと A
daptor primer を用いて2nd PCRを行った。この
PCR産物を1/5量をとってアガロースゲル電気泳動
を行ない、エチジウムブロマイドで染色したところ、
〔図67〕のようになった。脾臓のpoly(A) +
NAよりVentポリメラーゼを用いた3’RACEに
より増幅された約1kbpのところのDNAのバンド
と、胸腺のpoly(A) + RNAよりPfuポリメラ
ーゼにて3’RACEにより増幅された約1kbpのと
ころのDNAのバンドを、SUPRECTM−01 (Taka
ra) を用いて回収した。このDNAをT4 polynucleot
ide kinase (和光純薬)にて末端にリン酸基を付加した
のち、pUC18 SmaI BAP (Pharmacia)とD
NA ligationkit (タカラ)を用いてライゲーション
し、大腸菌JM109を形質転換することにより、C
2、C13、C15と名付けた3つのクローンを得た。
C13、C15は胸腺由来の3’RACEにより増幅さ
れたcDNAを有しており、C2は脾臓由来の3’RA
CEにより増幅されたcDNAを有している〔図6
8〕。
【0293】〔図68〕に示すように、p3H2−17
に含まれるcDNA断片の翻訳領域のN末側を保持して
いると考えられるクローンN26、N64、N75、お
よびC末側を保持していると考えられるクローンC2、
C13、C15の塩基配列を基に、p3H2−17に含
まれるcDNAがコードするレセプター蛋白質の翻訳領
域とその周辺の塩基配列を全て決定した。具体的には、
5’RACEおよび3’RACEに用いたプライマーま
たは塩基配列決定のために合成したプライマーと、 Dye
Deoxy Terminator Cycle Sequencing Kit (ABI社)
を用いて反応を行ない、蛍光式自動シーケンサーで解読
した。得られたDNAの情報は、DNASIS(日立シ
ステムエンジニアリング社)を用いて解析した。また、
PCR時に予想されるPCRエラーについては、3クロ
ーンのうち独立にPCRを行った2クローン(クローン
N75とN64)が同じものが正しいと考え、塩基配列
を決定した〔図69〕。決定した塩基配列をもとにし
て、アミノ酸配列を予想すると〔図69〕のようになっ
た。次に、予想されるアミノ酸配列をもとに疎水性プロ
ットを行なうと、〔図70〕のようになり、p3H2−
17に含まれるcDNA断片から予想されたとおり、7
回膜貫通のG蛋白質共役型レセプターであることが判明
した。
【0294】さらに、アミノ酸配列をもとにしてホモロ
ジー検索を行なったところ、〔図71〕に示すようにマ
ウスP2Uプリノセプター、チキンP2Yプリノセプターに
高い相同性を示した。さらに、翻訳領域にPCRエラー
が存在しないクローンを選択して、3H2−17のコー
ドするレセプター蛋白質の翻訳領域全長を保持するプラ
スミドの構築を行った。具体的には、まず、N75クロ
ーンが保持するcDNA断片であって、p3H2−17
が保持するレセプター蛋白質のN末側のcDNA断片を
制限酵素DraIIIおよびEcoRIで切り出した
後、C13のコードするC末側の断片のうちDraII
I部位より5’側の部分を制限酵素DraIIIおよび
EcoRIで切り出して欠失させ、C13の制限酵素D
raIIIおよびEcoRI切断によって生ずる長い断
片に、N75由来のDraIIIおよびEcoRIで切
り出されたN末側のcDNAを保持する断片をDNA l
igation kit (タカラ)を用いてライゲーションし、大
腸菌JM109を形質転換することにより、形質転換体
大腸菌JM109/pMAH2−17を得た。
【0295】(2)pMAH2−17にコードされるレ
セプターの電気生理学的測定 pMAH2−17にコードされるレセプターをアフリカ
ツメガエル (Xenopus)の卵を用いて電気生理学的に調べ
た。まず、pMAH2−17にコードされるレセプター
の翻訳領域を pBluescriptTMII SK
(+) (Stratagene) のXhoI−XbaI部位にT7
promoterの下流の向きに組み込んだ。次にこ
のプラスミドを鋳型として、mCAPTMmRNA Capp
ing kit (Stratagene)を使用してこのレセプター遺伝子
のcRNAを合成した。このレセプター遺伝子のcRN
Aを Nathan Dascalらの方法 (Proc. Natl. Acad. Sci.
U.S.A., Vol. 90, pp. 6596-6600 (1993)) に従って準
備したアフリカツメガエル (Xenous) の卵に5ng/5
0nl/oocyte injectionした。cR
NAを導入した卵を2〜3日20℃で培養した後、電気
生理学的測定を行った。測定には微小電極用入力抵抗増
幅器(MEZ−8300、日本光電)、電位固定用増幅
器(CEZ−1200、日本光電)を用いて卵の膜電位
を−60mVに固定し、リガンドを添加した時のレスポ
ンス(膜電流の変化)をレコーダー (Thermal Array re
corder、日本光電)で記録することによって行った(Pro
c. Natl. Acad. Sci. U.S.A., Vol. 90, pp. 5113-5117
(1993)) 。〔図75〕に示すように、10μMのAT
P刺激により、pMAH2−17のcRNAを導入した
卵では、phospholipase C−coupl
edreceptorの活性化の際に起こる典型的な内
向き電流を生じた。また、pMAH2−17のcRNA
の代わりにH2 Oを導入した卵においては、ATP刺激
によってこのような電流は生じなかった。以上のことか
らpMAH2−17のcDNAのコードするレセプター
はATPの受容体、P2 purinoceptorに属
すると判断した。
【0296】
【実施例20】ウサギ胃幽門部平滑筋からのpoly
(A) + RNA画分の調製およびcDNAの合成 ウサギ胃幽門部平滑筋よりグアニジンチオシアネート法
により TotalRNAを調製後(Kaplan B.B. et al., Bi
ochem. J. 183, 181-184 (1979) )、mRNA精製キッ
ト(ファルマシア社)を用いて、 poly(A)+ RNA 画分を
調製した。次に、 poly(A)+ RNA 画分5μgにプライマ
ーとしてランダムDNAヘキサマー(BRL社)を加
え、モロニイマウス白血病ウイルスの逆転写酵素(BR
L社)により、添付バッファーを用いて相補DNAを合
成した。反応後の産物はフェノール:クロロホルム
(1:1)で抽出し、エタノール沈殿を行なった後、3
0μlのTEに溶解した。
【0297】(2)ウサギ胃幽門部平滑筋由来cDNA
を用いたPCR法による受容体cDNAの増幅と塩基配
列の決定 上記の(1)でウサギ胃幽門部平滑筋より調製したcD
NA1μlを鋳型として使用し、実施例15で合成した
DNAプライマーを用いてPCRによる増幅を行なっ
た。反応液の組成は、合成DNAプライマー(配列:
5' プライマー配列および3' プライマー配列)各10
0pM、0. 25mMdNTPs、Taq DNA polym
erase 1μlおよび酵素に付属のバッファー10μl
で、総反応溶液量は100μlとした。増幅のためのサ
イクルはサーマルサイクラー(パーキン・エルマー社)
を用い、96℃・30秒、45℃・1分、60℃・3分
のサイクルを25回繰り返した。増幅産物の確認は1.
2%アガロースゲル電気泳動およびエチジウムブロミド
染色によって行なった。
【0298】(3)PCR産物のプラスミドベクターへ
のサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基配列
の解読による新規レセプター候補クローンの選択 上記の(2)で行なったPCR後の反応産物は1. 4%
のアガロースゲルを用いて分離し、バンドの部分をカミ
ソリで切り出した後、エレクトロエリューション、フェ
ノール抽出、エタノール沈殿を行ってDNAを回収し
た。TAクローニングキット(インビトロゲン社)の処
方に従い、回収したDNAをプラスミドベクターpCR
TMIIへサブクローニングした。これを大腸菌JM109
competentcell (宝酒造株式会社)に導入して形質転
換したのち、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピ
シリン、IPTGおよびX−galを含むLB寒天培地
中で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌した爪楊
枝を用いて分離し、形質転換体を100クローン得た。
個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培
養し、自動プラスミド抽出装置PI−100(クラボ
ウ)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部を用いてEcoRIによる切断を行ない、挿
入されているcDNA断片の大きさを確認した。残りの
DNAの一部をさらにRNase処理、フェノール・ク
ロロフォルム抽出し、エタノール沈殿によって濃縮し
た。
【0299】塩基配列の決定のための反応は DyeDeoxy
Terminator Cycle Sequencing Kit(ABI社)を用い
て行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した。
得られた塩基配列を基に、DNASIS(日立システム
エンジニアリング社)を用いてホモロジー検索を行なっ
た結果、形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichia
coli) JM109/pMN128の保有するプラスミド
に挿入されたcDNA断片が新規G蛋白質共役型レセプ
ター蛋白質をコードすることが分かった。該cDNA断
片の塩基配列を〔図72および図73〕に示した。さら
に確認するために、DNASIS(日立システムエンジ
ニアリング社)を用い、塩基配列をアミノ酸配列に変換
した後〔図72および図73〕、疎水性プロット〔図7
4〕を行なった結果、G蛋白質共役型レセプター蛋白質
であることを示す疎水性ドメインが存在することが確認
された。またアミノ酸配列に基づくホモロジー検索を行
なった結果、例えばハムスター由来β2 −アドレナリン
レセプター蛋白質(A03159)と27%、ラット由
来ブラジキニンレセプター(タイプB2 )蛋白質(A4
1283)と20%、ヒト由来ドーパミンD1 レセプタ
ー蛋白質(S11377)と24%、ヒト由来青色感受
性オプシン蛋白質(A03156)と23%のホモロジ
ーを有する新規なレセプター蛋白質であることが判明し
た。上記の()内の略語は、NBRF−PIRにデータ
として登録される際の整理番号であり、通常 Accession
Number と呼ばれるものである。
【0300】
【実施例21】ヒト由来DNAライブラリーからのレセ
プター蛋白質の全コード領域を含むcDNAのクローニ
ング ヒト胎盤λgt11cDNAライブラリー (CLONTECH
社, CLHL1008b) 10 万 PFU を加熱変成後、実施例19
に記載のマウスプリノセプターcDNA取得時に用いた
配列番号:20のプライマーおよび配列番号:23のプ
ライマー 5’−TAGTGTGTGGAGTCGTGTGGCTGGCTG−3’ (配列番号:20) 5’−ACAGGACCTGCTGGGCCATCCTGGCGACACA −3’ (配列番号:23) を用いて、PCRを行って増幅されて得られたDNA断
片をTAクローニングキット(インビトロゲン社)を用
いてサブクローニングした。塩基配列を決定したとこ
ろ、得られたcDNA断片ph3H2−17は、図76
に示されるようなものとなり、マウスプリノセプターc
DNA断片p3H2−17と高い相同性を示しており、
このヒト由来のcDNA断片は、ヒトプリノセプターc
DNAの部分配列であると考えられた。次にこのcDN
A断片ph3H2−17の情報をもとに、次のプライマ
ーを合成した。 5’−ACAGCCATCTTCGCTGCCACAGGCAT−3’ (配列番号:58) 5’−AGACAGTAGCAGGCCAGCAGGGCAGCAAA−3’ (配列番号:59) 上記2種の合成プライマーを、λgt11のプライマー
(宝酒造、カタログ 3864 )と組み合わせてヒトプリノ
セプターcDNAの全長の取得を行った。具体的には、
ヒト胎盤λgt11cDNAライブラリー (CLONTECH
社, CLHL1008b)を加熱変成後、配列番号:20のプライ
マーとλgt11 Foward プライマー、配列番号:20
のプライマーとλgt11 Reverseプライマー、配列番
号:23のプライマーとλgt11 Foward プライマ
ー、配列番号:23のプライマーとλgt11 Reverse
プライマーの組み合わせで、まずEx Taqポリメラ
ーゼ (Takara) を用いて1st PCRを30サイクル
行い(1サイクル;95℃/30秒、55℃/60秒、
72℃/60秒)、次に配列番号:20のプライマーを
配列番号:58のプライマーにそして配列番号:23の
プライマーを配列番号:59のプライマーにそれぞれ変
えて、その1st PCR産物の1/50をとってさら
に2nd PCRを30サイクル行った(1サイクル;
95℃/30秒、65℃/60秒、72℃/60秒)。
得られたPCR産物のcDNA断片をTAクローニング
キット(インビトロゲン社)を用いてサブクローニング
し、5’側および3’側それぞれ3クローンずつその塩
基配列を決定した(図77)。図77に示されたように
配列決定されたヒトプリノセプターのcDNAの塩基配
列から予想されるアミノ酸配列をもとに疎水性プロット
を行ったところ、図78に示されるような結果が得られ
た。こうしてこのヒト由来の受容体もマウス型と同じく
7回膜貫通領域をもつ新規G蛋白質共役型レセプター蛋
白質と予想される。さらにヒトとマウスのプリノセプタ
ーのアミノ酸配列を比較したところ相同性は87%であ
り、非常によく保存されていることが認められた(図7
9)。さらにPCR時に予想されるPCRエラーを持た
ないクローンを選び、重なる領域の制限酵素部位をつか
って、ヒトプリノセプターのcDNA全長のオープン・
リーディング・フレームをもつプラスミドphAH2−
17を構築した。このプラスミドphAH2−17は、
形質転換体エシェリヒア コリ(Escherichiacoli) J
M109/phAH2−17に保有されている。本発明
で用いられている技術は、特に断らないかぎり、分子生
物学、微生物学、リコビナントDNA、薬学、免疫学、
バイオサイエンス、医学の分野で通常用いられている技
術を指すものである。本件明細書に記載された特許ある
いは特許出願中の文献を含めた刊行物のそのもの又はそ
こで引用されたものは本件明細書の記載と同様に参照さ
れて利用されることが出来る。
【0301】
【発明の効果】本発明のDNAを用いることによって、
G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを
効率良く増幅することができる。これによって、G蛋白
質共役型レセプター蛋白質をコードするDNAを効率良
くスクリーニングし、クローニングを行なうことができ
る。本発明のG蛋白質共役型レセプター蛋白質および該
蛋白質をコードするDNAは、リガンドの決定、抗
体および抗血清の入手、組み替え型レセプター蛋白質
の発現系の構築、同発現系を用いたレセプター結合ア
ッセイ系の開発と医薬品候補化合物のスクリーニング、
構造的に類似したリガンド・レセプターとの比較にも
とづいたドラッグデザインの実施、遺伝子診断におけ
るプローブ、PCRプライマーの作成、遺伝子治療等
に用いることができる。特に、G蛋白質共役型のレセプ
ターの構造・性質の解明はこれらの系に作用するユニー
クな医薬品の開発につながる。
【0302】
【配列表】
【配列番号:1】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N1 はA、G、CまたはTを示す。 配列 CGTGGSCMTS STGGGCAACN1 YCCTG 25
【0303】
【配列番号:2】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N1 はA、G、CまたはTを示す。 配列 GTN1GWRRGGC AN1CCAGCAGA KGGCAAA 27
【0304】
【配列番号:3】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CTCGCSGCYM TN2RGYATGGA YCGN2TAT 27
【0305】
【配列番号:4】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CATGTRGWAG GGAAN2CCAGS AMAN2RARRAA 30
【0306】
【配列番号:5】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CTGACYGYTC TN2RSN2RYTGA CMGVTAC 27
【0307】
【配列番号:6】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CTGACYGYTC TN2RSN2RYTGA CMGVTAT 27
【0308】
【配列番号:7】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CTCGCSGCYM TN2RGYATGGA YCGN2TAC 27
【0309】
【配列番号:8】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GATGTGRTAR GGSRN2CCAAC AGAN2GRYAAA 30
【0310】
【配列番号:9】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GATGTGRTAR GGSRN2CCAAC AGAN2GRYGAA 30
【0311】
【配列番号:10】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GYCACCAACN2 WSTTCATCCT SWN2HCTG 27
【0312】
【配列番号:11】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 ASN2SAN2RAAG SARTAGAN2GA N2RGGRTT 27
【0313】
【配列番号:12】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 TGN2TSSTKMT N2GSN2GTKGTN2 GGN2AA 25
【0314】
【配列番号:13】 配列の長さ:25 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 AYCKGTAYCK GTCCAN2KGWN2 ATKGC 25
【0315】
【配列番号:14】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CATKKCCSTG GASAGN2TAYN2 TRGC 24
【0316】
【配列番号:15】 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GWWGGGSAKC CAGCASAN2GG CRAA 24
【0317】
【配列番号:16】 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N1 はA、T、GまたはCを示す。N2
Iを示す。 配列 ARYYTN2GCN2N2 TN2GCN1GAY 18
【0318】
【配列番号:17】 配列の長さ:21 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N1 はA、T、GまたはCを示す。N2
Iを示す。 配列 N2GGN2AN2CCAR CAN1AN1N1RN1RA A 21
【0319】
【配列番号:18】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GCCTSN2TN2RN2 SATGWSTGTG GAN2MGN2T 27
【0320】
【配列番号:19】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 GAWSN2TGMYN2 AN2RTGGWAGG GN2AN2CCA 27
【0321】
【配列番号:20】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TAGTGTGTGG AGTCGTGTGG CTGGCTG 27
【0322】
【配列番号:21】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGTCTTTGCT GCCACAGGCA TCCAGCG 27
【0323】
【配列番号:22】 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CAAGCCAGTA AGGCTATGAA GGGCAGCAAG 30
【0324】
【配列番号:23】 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACAGGACCTG CTGGGCCATC CTGGCGACAC A 31
【0325】
【配列番号:24】 配列の長さ:91 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu His Asn Val Thr Asn 1 5 10 15 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 20 25 30 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 35 40 45 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Pro Val Thr 50 55 60 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 65 70 75 80 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile 85 90
【0326】
【配列番号:25】 配列の長さ:59 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val Ile Leu Leu 1 5 10 15 Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val Val Pro Gly 20 25 30 Cys Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg Arg Arg Arg 35 40 45 Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 50 55
【0327】
【配列番号:26】 配列の長さ:370 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Ala Ser Ser Thr Thr Arg Gly Pro Arg Val Ser Asp Leu Phe Ser 1 5 10 15 Gly Leu Pro Pro Ala Val Thr Thr Pro Ala Asn Gln Ser Ala Glu Ala 20 25 30 Ser Ala Gly Asn Gly Ser Val Ala Gly Ala Asp Ala Pro Ala Val Thr 35 40 45 Pro Phe Gln Ser Leu Gln Leu Val His Gln Leu Lys Gly Leu Ile Val 50 55 60 Leu Leu Tyr Ser Val Val Val Val Val Gly Leu Val Gly Asn Cys Leu 65 70 75 80 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu His Asn Val Thr Asn 85 90 95 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 100 105 110 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 115 120 125 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Pro Val Thr 130 135 140 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 145 150 155 160 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 165 170 175 Ala Tyr Ala Val Leu Ala Ile Trp Ala Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 180 185 190 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 195 200 205 Arg Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Leu 210 215 220 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val 225 230 235 240 Ile Leu Leu Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 245 250 255 Val Pro Gly Cys Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 260 265 270 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val Phe Ala 275 280 285 Val Cys Trp Leu Pro Leu His Val Phe Asn Leu Leu Arg Asp Leu Asp 290 295 300 Pro His Ala Ile Asp Pro Tyr Ala Phe Gly Leu Val Gln Leu Leu Cys 305 310 315 320 His Trp Leu Ala Met Ser Ser Ala Cys Tyr Asn Pro Phe Ile Tyr Ala 325 330 335 Trp Leu His Asp Ser Phe Arg Glu Glu Leu Arg Lys Leu Leu Val Ala 340 345 350 Trp Pro Arg Lys Ile Ala Pro His Gly Gln Asn Met Thr Val Ser Val 355 360 365 Val Ile 370
【0328】
【配列番号:27】 配列の長さ:206 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Val Leu Val Ile Ala Arg Val Arg Arg Leu Tyr Asn Val Thr Asn 1 5 10 15 Phe Leu Ile Gly Asn Leu Ala Leu Ser Asp Val Leu Met Cys Thr Ala 20 25 30 Cys Val Pro Leu Thr Leu Ala Tyr Ala Phe Glu Pro Arg Gly Trp Val 35 40 45 Phe Gly Gly Gly Leu Cys His Leu Val Phe Phe Leu Gln Ala Val Thr 50 55 60 Val Tyr Val Ser Val Phe Thr Leu Thr Thr Ile Ala Val Asp Arg Tyr 65 70 75 80 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 85 90 95 Ala Tyr Ala Val Leu Ala Ile Trp Val Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 100 105 110 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 115 120 125 Arg Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Leu 130 135 140 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Val Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Val 145 150 155 160 Ile Leu Leu Ser Tyr Ala Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 165 170 175 Val Pro Gly Arg Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 180 185 190 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 195 200 205
【0329】
【配列番号:28】 配列の長さ:126 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Val Leu Val His Pro Leu Arg Arg Arg Ile Ser Leu Arg Leu Ser 1 5 10 15 Ala Tyr Ala Val Leu Gly Ile Trp Ala Leu Ser Ala Val Leu Ala Leu 20 25 30 Pro Ala Ala Val His Thr Tyr His Val Glu Leu Lys Pro His Asp Val 35 40 45 Ser Leu Cys Glu Glu Phe Trp Gly Ser Gln Glu Arg Gln Arg Gln Ile 50 55 60 Tyr Ala Trp Gly Leu Leu Leu Gly Thr Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Ala 65 70 75 80 Ile Leu Leu Ser Tyr Val Arg Val Ser Val Lys Leu Arg Asn Arg Val 85 90 95 Val Pro Gly Ser Val Thr Gln Ser Gln Ala Asp Trp Asp Arg Ala Arg 100 105 110 Arg Arg Arg Thr Phe Cys Leu Leu Val Val Val Val Val Val 115 120 125
【0330】
【配列番号:29】 配列の長さ:273 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTGCACAACG TGACGAACTT CCTCATCGGC 60 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACCGCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 120 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGCGGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 180 CAGCCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACGCTCACCA CCATCGCAGT GGACCGGTAC 240 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATC 273
【0331】
【配列番号:30】 配列の長さ:177 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GGCCTGCTGC TGGTCACCTA CCTGCTCCCT CTGCTGGTCA TCCTCCTGTC TTACGTCCGG 60 GTGTCAGTGA AGCTCCGCAA CCGCGTGGTG CCGGGCTGCG TGACCCAGAG CCAGGCCGAC 120 TGGGACCGCG CTCGGCGCCG GCGCACCTTC TGCTTGCTGG TGGTGGTCGT GGTGGTG 177
【0332】
【配列番号:31】 配列の長さ:1110 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGCCTCAT CGACCACTCG GGGCCCCAGG GTTTCTGACT TATTTTCTGG GCTGCCGCCG 60 GCGGTCACAA CTCCCGCCAA CCAGAGCGCA GAGGCCTCGG CGGGCAACGG GTCGGTGGCT 120 GGCGCGGACG CTCCAGCCGT CACGCCCTTC CAGAGCCTGC AGCTGGTGCA TCAGCTGAAG 180 GGGCTGATCG TGCTGCTCTA CAGCGTCGTG GTGGTCGTGG GGCTGGTGGG CAACTGCCTG 240 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTGCACAACG TGACGAACTT CCTCATCGGC 300 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACCGCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 360 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGCGGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 420 CAGCCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACGCTCACCA CCATCGCAGT GGACCGCTAC 480 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATCTCGCTGC GCCTCAGCGC CTACGCTGTG 540 CTGGCCATCT GGGCGCTGTC CGCGGTGCTG GCGCTGCCCG CCGCCGTGCA CACCTATCAC 600 GTGGAGCTCA AGCCGCACGA CGTGCGCCTC TGCGAGGAGT TCTGGGGCTC CCAGGAGCGC 660 CAGCGCCAGC TCTACGCCTG GGGGCTGCTG CTGGTCACCT ACCTGCTCCC TCTGCTGGTC 720 ATCCTCCTGT CTTACGTCCG GGTGTCAGTG AAGCTCCGCA ACCGCGTGGT GCCGGGCTGC 780 GTGACCCAGA GCCAGGCCGA CTGGGACCGC GCTCGGCGCC GGCGCACCTT CTGCTTGCTG 840 GTGGTGGTCG TGGTGGTGTT CGCCGTCTGC TGGCTGCCGC TGCACGTCTT CAACCTGCTG 900 CGGGACCTCG ACCCCCACGC CATCGACCCT TACGCCTTTG GGCTGGTGCA GCTGCTCTGC 960 CACTGGCTCG CCATGAGTTC GGCCTGCTAC AACCCCTTCA TCTACGCCTG GCTGCACGAC 1020 AGCTTCCGCG AGGAGCTGCG CAAACTGTTG GTCGCTTGGC CCCGCAAGAT AGCCCCCCAT 1080 GGCCAGAATA TGACCGTCAG CGTGGTCATC 1110
【0333】
【配列番号:32】 配列の長さ:618 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 CTGGTGCTGG TGATCGCGCG GGTGCGCCGG CTGTACAACG TGACGAATTT CCTCATCGGC 60 AACCTGGCCT TGTCCGACGT GCTCATGTGC ACCGCCTGCG TGCCGCTCAC GCTGGCCTAT 120 GCCTTCGAGC CACGCGGCTG GGTGTTCGGC GGCGGCCTGT GCCACCTGGT CTTCTTCCTG 180 CAGGCGGTCA CCGTCTATGT GTCGGTGTTC ACGCTCACCA CCATCGCAGT GGACCGCTAC 240 GTCGTGCTGG TGCACCCGCT GAGGCGGCGC ATCTCGCTGC GCCTCAGCGC CTACGCTGTG 300 CTGGCCATCT GGGTGCTGTC CGCGGTGCTG GCGCTGCCCG CCGCCGTGCA CACCTATCAC 360 GTGGAGCTCA AGCCGCACGA CGTGCGCCTC TGCGAGGAGT TCTGGGGCTC CCAGGAGCGC 420 CAGCGCCAGC TCTACGCCTG GGGGCTGCTG CTGGTCACCT ACCTGCTCCC TCTGCTGGTC 480 ATCCTCCTGT CTTACGCCCG GGTGTCAGTG AAGCTCCGCA ACCGCGTGGT GCCGGGCCGC 540 GTGACCCAGA GCCAGGCCGA CTGGGACCGC GCTCGGCGCC GGCGCACCTT CTGCTTGCTG 600 GTGGTGGTCG TGGTGGTG 618
【0334】
【配列番号:33】 配列の長さ:378 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GTGGTTCTGG TGCACCCGCT ACGTCGGCGC ATTTCACTGA GGCTCAGCGC CTACGCGGTG 60 CTGGGCATCT GGGCTCTATC TGCAGTGCTG GCGCTGCCGG CCGCGGTGCA CACCTACCAT 120 GTGGAGCTCA AGCCCCACGA CGTGAGCCTC TGCGAGGAGT TCTGGGGCTC GCAGGAGCGC 180 CAACGCCAGA TCTACGCCTG GGGGCTGCTT CTGGGCACCT ATTTGCTCCC CCTGCTGGCC 240 ATCCTCCTGT CTTACGTACG GGTGTCAGTG AAGCTGAGGA ACCGCGTGGT GCCTGGCAGC 300 GTGACCCAGA GTCAAGCTGA CTGGGACCGA GCGCGTCGCC GCCGCACTTT CTGTCTGCTG 360 GTGGTGGTGG TGGTAGTG 378
【0335】
【配列番号:34】 配列の長さ:70 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Cys His Val Ile Phe Lys Asn Gln Arg Met His Ser Ala Thr Ser 1 5 10 15 Leu Phe Ile Val Asn Leu Ala Val Ala Asp Ile Met Ile Thr Leu Ile 20 25 30 Asn Thr Pro Phe Thr Leu Val Arg Phe Val Asn Ser Thr Trp Ile Phe 35 40 45 Gly Lys Gly Met Cys His Val Ser Arg Phe Ala Gln Tyr Cys Ser Leu 50 55 60 His Val Ser Ala Leu Thr 65 70
【0336】
【配列番号:35】 配列の長さ:71 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Glu Pro Ala Asp Leu Phe Trp Lys Asn Leu Asp Leu Pro Thr Phe Ile 1 5 10 15 Leu Leu Asn Ile Leu Pro Leu Leu Ile Ile Ser Val Ala Tyr Val Arg 20 25 30 Val Thr Lys Lys Leu Trp Leu Cys Asn Met Ile Val Asp Val Thr Thr 35 40 45 Glu Gln Tyr Phe Ala Leu Arg Pro Lys Lys Lys Lys Thr Ile Lys Met 50 55 60 Leu Met Leu Val Val Val Leu 65 70
【0337】
【配列番号:36】 配列の長さ:210 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GTCTGTCATG TCATCTTCAA GAACCAGCGA ATGCACTCGG CCACCAGCCT CTTCATCGTC 60 AACCTGGCAG TTGCCGACAT AATGATCACG CTGCTCAACA CCCCCTTCAC TTTGGTTCGC 120 TTTGTGAACA GCACATGGAT ATTTGGGAAG GGCATGTGCC ATGTCAGCCG CTTTGCCCAG 180 TACTGCTCAC TGCACGTCTC AGCACTGACA 210
【0338】
【配列番号:37】 配列の長さ:213 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GAGCCAGCTG ACCTCTTCTG GAAGAACCTG GACTTGCCCA CCTTCATCCT GCTCAACATC 60 CTGCCCCTCC TCATCATCTC TGTGGCCTAC GTTCGTGTGA CCAAGAAACT GTGGCTGTGT 120 AATATGATTG TCGATGTGAC CACAGAGCAG TACTTTGCCC TGCGGCCCAA AAAGAAGAAG 180 ACCATCAAGA TGTTGATGCT GGTGGTAGTC CTC 213
【0339】
【配列番号:38】 配列の長さ:115 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ser Trp His Lys Arg Gly Gly Arg Arg Ala Ala Trp Val Val Cys 1 5 10 15 Gly Val Val Trp Leu Ala Val Thr Ala Gln Cys Leu Pro Thr Ala Val 20 25 30 Phe Ala Ala Thr Gly Ile Gln Arg Asn Arg Thr Val Cys Tyr Asp Leu 35 40 45 Ser Pro Pro Ile Leu Ser Thr Arg Tyr Leu Pro Tyr Gly Met Ala Leu 50 55 60 Thr Val Ile Gly Phe Leu Leu Pro Phe Ile Ala Leu Leu Ala Cys Tyr 65 70 75 80 Cys Arg Met Ala Arg Arg Leu Cys Arg Gln Asp Gly Pro Ala Gly Pro 85 90 95 Val Ala Gln Glu Arg Arg Ser Lys Ala Ala Arg Met Ala Val Val Val 100 105 110 Ala Ala Val 115
【0340】
【配列番号:39】 配列の長さ:328 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Gln Asp Asn Gly Thr Ile Gln Ala Pro Gly Leu Pro Pro Thr 1 5 10 15 Thr Cys Val Tyr Arg Glu Asp Phe Lys Arg Leu Leu Leu Thr Pro Val 20 25 30 Tyr Ser Val Val Leu Val Val Gly Leu Pro Leu Asn Ile Cys Val Ile 35 40 45 Ala Gln Ile Cys Ala Ser Arg Arg Thr Leu Thr Arg Ser Ala Val Tyr 50 55 60 Thr Leu Asn Leu Ala Leu Ala Asp Leu Met Tyr Ala Cys Ser Leu Pro 65 70 75 80 Leu Leu Ile Tyr Asn Tyr Ala Arg Gly Asp His Trp Pro Phe Gly Asp 85 90 95 Leu Ala Cys Arg Phe Val Arg Phe Leu Phe Tyr Ala Asn Leu His Gly 100 105 110 Ser Ile Leu Phe Leu Thr Cys Ile Ser Phe Gln Arg Tyr Leu Gly Ile 115 120 125 Cys His Pro Leu Ala Ser Trp His Lys Arg Gly Gly Arg Arg Ala Ala 130 135 140 Trp Val Val Cys Gly Val Val Trp Leu Ala Val Thr Ala Gln Cys Leu 145 150 155 160 Pro Thr Ala Val Phe Ala Ala Thr Gly Ile Gln Arg Asn Arg Thr Val 165 170 175 Cys Tyr Asp Leu Ser Pro Pro Ile Leu Ser Thr Arg Tyr Leu Pro Tyr 180 185 190 Gly Met Ala Leu Thr Val Ile Gly Phe Leu Leu Pro Phe Ile Ala Leu 195 200 205 Leu Ala Cys Tyr Cys Arg Met Ala Arg Arg Leu Cys Arg Gln Asp Gly 210 215 220 Pro Ala Gly Pro Val Ala Gln Glu Arg Arg Ser Lys Ala Ala Arg Met 225 230 235 240 Ala Val Val Val Ala Ala Val Phe Ala Ile Ser Phe Leu Pro Phe His 245 250 255 Ile Thr Lys Thr Ala Tyr Leu Ala Val Arg Ser Thr Pro Gly Val Ser 260 265 270 Cys Pro Val Leu Glu Thr Phe Ala Ala Ala Tyr Lys Gly Thr Arg Pro 275 280 285 Phe Ala Ser Val Asn Ser Val Leu Asp Pro Ile Leu Phe Tyr Phe Thr 290 295 300 Gln Gln Lys Phe Arg Arg Gln Pro His Asp Leu Leu Gln Arg Leu Thr 305 310 315 320 Ala Lys Trp Gln Arg Gln Arg Val 325
【0341】
【配列番号:40】 配列の長さ:345 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GCTTCCTGGC ACAAGCGTGG AGGTCGCCGT GCTGCTTGGG TAGTGTGTGG AGTCGTGTGG 60 CTGGCTGTGA CAGCCCAGTG CCTGCCCACG GCAGTCTTTG CTGCCACAGG CATCCAGCGC 120 AACCGCACTG TGTGCTACGA CCTGAGCCCA CCCATCCTGT CTACTCGCTA CCTGCCCTAT 180 GGTATGGCCC TCACGGTCAT CGGCTTCTTG CTGCCCTTCA TAGCCTTACT GGCTTGTTAT 240 TGTCGCATGG CCCGCCGCCT GTGTCGCCAG GATGGCCCAG CAGGTCCTGT GGCCCAAGAG 300 CGGCGCAGCA AGGCGGCTCG TATGGCTGTG GTGGTGGCAG CTGTC 345
【0342】
【配列番号:41】 配列の長さ:984 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGAGCAGG ACAATGGCAC CATCCAGGCT CCAGGCTTGC CGCCCACCAC CTGCGTCTAC 60 CGTGAGGATT TCAAGCGACT GCTGCTAACC CCGGTATACT CGGTGGTGCT GGTGGTCGGC 120 CTGCCACTGA ACATCTGCGT CATTGCCCAG ATCTGCGCAT CCCGCCGGAC CCTGACCCGT 180 TCCGCTGTGT ACACCCTGAA CCTGGCACTG GCGGACCTGA TGTATGCCTG TTCACTACCC 240 CTACTTATCT ATAACTACGC CAGAGGGGAC CACTGGCCCT TCGGAGACCT CGCCTGCCGC 300 TTTGTACGCT TCCTCTTCTA TGCCAATCTA CATGGCAGCA TCCTGTTCCT CACCTGCATT 360 AGCTTCCAGC GCTACCTGGG CATCTGCCAC CCCCTGGCTT CCTGGCACAA GCGTGGAGGT 420 CGCCGTGCTG CTTGGGTAGT GTGTGGAGTC GTGTGGCTGG CTGTGACAGC CCAGTGCCTG 480 CCCACGGCAG TCTTTGCTGC CACAGGCATC CAGCGCAACC GCACTGTGTG CTACGACCTG 540 AGCCCACCCA TCCTGTCTAC TCGCTACCTG CCCTATGGTA TGGCCCTCAC GGTCATCGGC 600 TTCTTGCTGC CCTTCATAGC CTTACTGGCT TGTTATTGTC GCATGGCCCG CCGCCTGTGT 660 CGCCAGGATG GCCCAGCAGG TCCTGTGGCC CAAGAGCGGC GCAGCAAGGC GGCTCGTATG 720 GCTGTGGTGG TGGCAGCTGT CTTTGCCATC AGCTTCCTGC CTTTCCACAT CACCAAGACA 780 GCCTACTTGG CTGTGCGCTC CACGCCCGGT GTCTCTTGCC CTGTGCTGGA GACCTTCGCT 840 GCTGCCTACA AAGGCACTCG GCCCTTCGCC AGTGTCAACA GTGTTCTGGA CCCCATTCTC 900 TTCTACTTCA CACAACAGAA GTTCCGGCGG CAACCCCACG ATCTCTTACA GAGGCTCACA 960 GCCAAGTGGC AGAGGCAGAG AGTC 984
【0343】
【配列番号:42】 配列の長さ:128 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Met Ser Val Asp Arg Tyr Val Ala Ile Val His Ser Arg Arg 1 5 10 15 Ser Ser Ser Leu Arg Val Ser Arg Asn Ala Leu Leu Gly Val Gly Phe 20 25 30 Ile Trp Ala Leu Ser Ile Ala Met Ala Ser Pro Val Ala Tyr His Gln 35 40 45 Arg Leu Phe His Arg Asp Ser Asn Gln Thr Phe Cys Trp Glu Gln Trp 50 55 60 Pro Asn Lys Leu His Lys Lys Ala Tyr Val Val Cys Thr Phe Val Phe 65 70 75 80 Gly Tyr Leu Leu Pro Leu Leu Leu Ile Cys Phe Cys Tyr Ala Lys Val 85 90 95 Leu Asn His Leu His Lys Lys Leu Lys Asn Met Ser Lys Lys Ser Glu 100 105 110 Ala Ser Lys Lys Lys Thr Ala Gln Thr Val Leu Val Val Val Val Val 115 120 125
【0344】
【配列番号:43】 配列の長さ:384 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GCCGCGATGT CTGTGGATCG CTACGTGGCC ATTGTGCACT CGCGGCGCTC CTCCTCCCTC 60 AGGGTGTCCC GCAACGCACT GCTGGGCGTG GGCTTCATCT GGGCGCTGTC CATCGCCATG 120 GCCTCGCCGG TGGCCTACCA CCAGCGTCTT TTCCATCGGG ACAGCAACCA GACCTTCTGC 180 TGGGAGCAGT GGCCCAACAA GCTCCACAAG AAGGCTTACG TGGTGTGCAC TTTCGTCTTT 240 GGGTACCTTC TGCCCTTACT GCTCATCTGC TTTTGCTATG CCAAGGTCCT TAATCATCTG 300 CATAAAAAGC TGAAAAACAT GTCAAAAAAG TCTGAAGCAT CCAAGAAAAA GACTGCACAG 360 ACCGTCCTGG TGGTCGTTGT AGTA 384
【0345】
【配列番号:44】 配列の長さ:71 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Leu Trp Phe Phe Gly Phe Ser Ile Lys Arg Thr Pro Phe Ser Val 1 5 10 15 Tyr Phe Leu His Leu Ala Ser Ala Asp Gly Ala Tyr Leu Phe Ser Lys 20 25 30 Ala Val Phe Ser Leu Leu Asn Ala Gly Gly Phe Leu Gly Thr Phe Ala 35 40 45 His Tyr Val Arg Ser Val Ala Arg Val Leu Gly Leu Cys Ala Phe Val 50 55 60 Ala Gly Val Ser Leu Leu Pro 65 70
【0346】
【配列番号:45】 配列の長さ:215 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GTGCTCTGGT TCTTCGGCTT CTCCATCAAG AGGACCCCCT TCTCCGTCTA CTTCCTGCAC 60 CTGGCCAGCG CCGACGGCGC CTACCTCTTC AGCAAGGCCG TGTTCTCCCT GCTGAACGCC 120 GGCGGCTTCC TGGGCACCTT CGCCCACTAT GTGCGCAGCG TGGCCCGGGT GCTGGGGCTC 180 TGCGCCTTCG TGGCGGGCGT GAGCCTCCTG CCGGC 215
【0347】
【配列番号:46】 配列の長さ:348 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Leu Ala Met Val Asn Leu Ser Glu Gly Asn Gly Ser Asp Pro 1 5 10 15 Glu Pro Pro Ala Pro Glu Ser Arg Pro Leu Phe Gly Ile Gly Val Glu 20 25 30 Asn Phe Ile Thr Leu Val Val Phe Gly Leu Ile Phe Ala Met Gly Val 35 40 45 Leu Gly Asn Ser Leu Val Ile Thr Val Leu Ala Arg Ser Lys Pro Gly 50 55 60 Lys Pro Arg Ser Thr Thr Asn Leu Phe Ile Leu Asn Leu Ser Ile Ala 65 70 75 80 Asp Leu Ala Tyr Leu Leu Phe Cys Ile Pro Phe Gln Ala Thr Val Tyr 85 90 95 Ala Leu Pro Thr Trp Val Leu Gly Ala Phe Ile Cys Lys Phe Ile His 100 105 110 Tyr Phe Phe Thr Val Ser Met Leu Val Ser Ile Phe Thr Leu Ala Ala 115 120 125 Met ser Val Asp Arg Tyr Val Ala Ile Val His Ser Arg Arg Ser Ser 130 135 140 Ser Leu Arg Val Ser Arg Asn Ala Leu Leu Gly Val Gly Phe Ile Trp 145 150 155 160 Ala Leu Ser Ile Ala Met Ala Ser Pro Val Ala Tyr His Gln Arg Leu 165 170 175 Phe His Arg Asp Ser Asn Gln Thr Phe Cys Trp Glu Gln Trp Pro Asn 180 185 190 Lys Leu His Lys Lys Ala Tyr Val Val Cys Thr Phe Val Phe Gly Tyr 195 200 205 Leu Leu Pro Leu Leu Leu Ile Cys Phe Cys Tyr Ala Lys Val Leu Asn 210 215 220 His Leu His Lys Lys Leu Lys Asn Met Ser Lys Lys Ser Glu Ala Ser 225 230 235 240 Lys Lys Lys Thr Ala Gln Thr Val Leu Val Val Val Val Val Phe Gly 245 250 255 Ile Ser Trp Leu Pro His His Val Val His Leu Trp Ala Glu Phe Gly 260 265 270 Ala Phe Pro Leu Thr Pro Ala Ser Phe Phe Phe Arg Ile Thr Ala His 275 280 285 Cys Leu Ala Tyr Ser Asn Ser Ser Val Asn Pro Ile Ile Tyr Ala Phe 290 295 300 Leu Ser Glu Asn Phe Arg Lys Ala Tyr Lys Gln Val Phe Lys Cys His 305 310 315 320 Val Cys Asp Glu Ser Pro Arg Ser Glu Thr Lys Glu Asn Lys Ser Arg 325 330 335 Met Asp Thr Pro Pro Ser Thr Asn Cys Thr His Val 340 345
【0348】
【配列番号:47】 配列の長さ:1044 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGAACTGG CTATGGTGAA CCTCAGTGAA GGGAATGGGA GCGACCCAGA GCCGCCAGCC 60 CCGGAGTCCA GGCCGCTCTT CGGCATTGGC GTGGAGAACT TCATTACGCT GGTAGTGTTT 120 GGCCTGATTT TCGCGATGGG CGTGCTGGGC AACAGCCTGG TGATCACCGT GCTGGCGCGC 180 AGCAAACCAG GCAACCCCCG CAGCACCACC AACCTGTTTA TCCTCAATCT GAGCATCGCA 240 GACCTGGCCT ACCTGCTCTT CTGCATCCCT TTTCAGGCCA CCGTGTATGC ACTGCCCACC 300 TGGGTGCTGG GCGCCTTCAT CTGCAAGTTT ATACACTACT TCTTCACCGT GTCCATGCTG 360 GTGAGCATCT TCACCCTGGC CGCGATGTCT GTGGATCGCT ACGTGGCCAT TGTGCACTCG 420 CGGCGCTCCT CCTCCCTCAG GGTGTCCCGC AACGCACTGC TGGGCGTGGG CTTCATCTGG 480 GCGCTGTCCA TCGCCATGGC CTCGCCGGTG GCCTACCACC AGCGTCTTTT CCATCGGGAC 540 AGCAACCAGA CCTTCTGCTG GGAGCAGTGG CCCAACAAGC TCCACAAGAA GGCTTACGTG 600 GTGTGCACTT TCGTCTTTGG GTACCTTCTG CCCTTACTGC TCATCTGCTT TTGCTATGCC 660 AAGGTCCTTA ATCATCTGCA TAAAAAGCTG AAAAACATGT CAAAAAAGTC TGAAGCATCC 720 AAGAAAAAGA CTGCACAGAC CGTCCTGGTG GTCGTTGTAG TATTTGGCAT ATCCTGGCTG 780 CCCCATCATG TCGTCCACCT CTGGGCTGAG TTTGGAGCCT TCCCACTGAC GCCAGCTTCC 840 TTCTTCTTCA GAATCACCGC CCATTGCCTG GCATACAGCA ACTCCTCAGT GAACCCCATC 900 ATATATGCCT TTCTCTCAGA AAACTTCCGG AAGGCGTACA AGCAAGTGTT CAAGTGTCAT 960 GTTTGCGATG AATCTCCACG CAGTGAAACT AAGGAAAACA AGAGCCGGAT GGACACCCCG 1020 CCATCCACCA ACTGCACCCA CGTG 1044
【0349】
【配列番号:48】 配列の長さ:125 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Leu Thr Leu His Pro Val Trp Ser Gln Lys His Arg Thr Ser His 1 5 10 15 Trp Ala Ser Arg Val Val Leu Gly Val Trp Leu Ser Ala Thr Ala Phe 20 25 30 Ser Val Pro Tyr Leu Val Phe Arg Glu Thr Tyr Asp Asp Arg Lys Gly 35 40 45 Arg Val Thr Cys Arg Asn Asn Tyr Ala Val Ser Thr Asp Trp Glu Ser 50 55 60 Lys Glu Met Gln Thr Val Arg Gln Trp Ile His Ala Thr Cys Phe Ile 65 70 75 80 Ser Arg Phe Ile Leu Gly Phe Leu Leu Pro Phe Leu Val Ile Gly Phe 85 90 95 Cys Tyr Glu Arg Val Ala Arg Lys Met Lys Glu Arg Gly Leu Phe Lys 100 105 110 Ser Ser Lys Pro Phe Lys Val Thr Met Thr Ala Val Ile 115 120 125
【0350】
【配列番号:49】 配列の長さ:377 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 CTTCTCACCC TTCACCCAGT GTGGTCCCAA AAGCACCGAA CCTCACACTG GGCTTCCAGA 60 GTCGTTCTGG GAGTCTGGCT CTCTGCCACT GCCTTCAGCG TGCCCTATTT GGTTTTCAGG 120 GAGACATATG ATGACCGTAA AGGAAGAGTG ACCTGCAGAA ATAACTACGC TGTGTCCACT 180 GACTGGGAAA GCAAAGAGAT GCAAACAGTA AGACAATGGA TTCATGCCAC CTGTTTCATC 240 AGCCGCTTCA TACTGGGCTT CCTTCTGCCT TTCTTAGTCA TTGGCTTTTG TTATGAAAGA 300 GTAGCCCGCA AGATGAAAGA GAGGGGCCTC TTTAAATCCA GCAAACCCTT CAAAGTCACG 360 ATGACTGCTG TTATCTC 377
【0351】
【配列番号:50】 配列の長さ:119 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Phe Lys Ile Val Lys Pro Leu Ser Thr Ser Phe Ile Gln Ser Val Asn 1 5 10 15 Tyr Ser Lys Leu Val Ser Leu Val Val Trp Leu Leu Met Leu Leu Leu 20 25 30 Ala Val Pro Asn Val Ile Leu Thr Asn Gln Arg Val Lys Asp Val Thr 35 40 45 Gln Ile Lys Cys Met Glu Leu Lys Asn Glu Leu Gly Arg Gln Trp His 50 55 60 Lys Ala Ser Asn Tyr Ile Phe Val Gly Ile Phe Trp Leu Val Phe Leu 65 70 75 80 Leu Leu Ile Ile Phe Tyr Thr Ala Ile Thr Arg Lys Ile Phe Lys Ser 85 90 95 His Leu Lys Ser Arg Lys Asn Ser Ile Ser Val Lys Lys Lys Ser Ser 100 105 110 Arg Asn Ile Phe Ser Ile Val 115
【0352】
【配列番号:51】 配列の長さ:357 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 TTCAAGATTG TGAAGCCCCT TTCCACGTCC TTCATCCAGT CTGTGAACTA CAGCAAACTC 60 GTCTCGCTGG TGGTCTGGTT GCTCATGCTC CTCCTCGCCG TCCCCAACGT CATTCTCACC 120 AACCAGAGAG TTAAGGACGT GACGCAGATA AAATGCATGG AACTTAAAAA CGAACTGGGC 180 CGCCAGTGGC ACAAGGCGTC AAACTACATC TTTGTGGGCA TTTTCTGGCT TGTGTTCCTT 240 TTGCTAATCA TTTTCTACAC TGCTATCACC AGGAAAATCT TTAAGTCCCA CCTGAAATCC 300 AGAAAGAATT CCATCTCGGT CAAAAAGAAA TCTAGCCGCA ACATCTTCAG CATCGTG 357
【0353】
【配列番号:52】 配列の長さ:252 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Val Asp Leu Leu Ala Ala Leu Thr Leu Met Pro Leu Ala Met Leu Ser 1 5 10 15 Ser Ser Ala Leu Phe Asp His Ala Leu Phe Gly Glu Val Ala Cys Arg 20 25 30 Leu Tyr Leu Phe Leu Ser Val Cys Phe Val Ser Leu Ala Ile Leu Ser 35 40 45 Val Ser Ala Ile Asn Val Glu Arg Tyr Tyr Tyr Val Val His Pro Met 50 55 60 Arg Tyr Glu Val Arg Met Lys Leu Gly Leu Val Ala Ser Val Leu Val 65 70 75 80 Gly Val Trp Val Lys Ala Leu Ala Met Ala Ser Val Pro Val Leu Gly 85 90 95 Arg Val Ser Trp Glu Glu Gly Pro Pro Ser Val Pro Pro Gly Cys Ser 100 105 110 Leu Gln Trp Ser His Ser Ala Tyr Cys Gln Leu Phe Val Val Val Phe 115 120 125 Ala Val Leu Tyr Phe Leu Leu Pro Leu Leu Leu Ile Leu Val Val Tyr 130 135 140 Cys Ser Met Phe Arg Val Ala Arg Val Ala Ala Met Gln His Gly Pro 145 150 155 160 Leu Pro Thr Trp Met Glu Thr Pro Arg Gln Arg Ser Glu Ser Leu Ser 165 170 175 Ser Arg Ser Thr Met Val Thr Ser Ser Gly Ala Pro Gln Thr Thr Pro 180 185 190 His Arg Thr Phe Gly Gly Gly Lys Ala Ala Val Val Leu Leu Ala Val 195 200 205 Gly Gly Gln Phe Leu Leu Cys Trp Leu Pro Tyr Phe Ser Phe His Leu 210 215 220 Tyr Val Ala Leu Ser Ala Gln Pro Ile Ala Ala Gly Gln Val Glu Asn 225 230 235 240 Val Val Thr Trp Ile Gly Tyr Phe Cys Phe Thr Ser 245 250
【0354】
【配列番号:53】 配列の長さ:756 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GTGGACCTGC TGGCTGCCCT GACCCTCATG CCTCTGGCCA TGCTCTCCAG CTCCGCCCTC 60 TTTGACCACG CCCTCTTTGG GGAGGTGGCC TGCCGCCTCT ACTTGTTCCT GAGCGTCTGC 120 TTTGTCAGCC TGGCCATCCT CTCGGTGTCC GCCATCAATG TGGAGCGCTA CTATTATGTG 180 GTCCACCCCA TGCGCTATGA GGTGCGCATG AAACTGGGGC TGGTGGCCTC TGTGCTGGTG 240 GGCGTGTGGG TGAAGGCCCT GGCCATGGCT TCTGTGCCAG TGTTGGGAAG GGTGTCCTGG 300 GAGGAAGGCC CTCCCAGTGT CCCCCCAGGC TGTTCACTCC AATGGAGCCA CAGTGCCTAC 360 TGCCAGCTTT TCGTGGTGGT CTTCGCCGTC CTCTACTTCC TGCTGCCCCT GCTCCTCATC 420 CTTGTGGTCT ACTGCAGCAT GTTCCGGGTG GCTCGTGTGG CTGCCATGCA GCACGGGCCG 480 CTGCCCACGT GGATGGAGAC GCCCCGGCAA CGCTCCGAGT CTCTCAGCAG CCGCTCCACT 540 ATGGTCACCA GCTCGGGGGC CCCGCAGACC ACCCCTCACC GGACGTTTGG CGGAGGGAAG 600 GCAGCAGTGG TCCTCCTGGC TGTGGGAGGA CAGTTCCTGC TCTGTTGGTT GCCCTACTTC 660 TCCTTCCACC TCTATGTGGC CCTGAGCGCT CAGCCCATTG CAGCGGGGCA GGTGGAGAAC 720 GTGGTGACCT GGATTGGCTA CTTCTGCTTC ACCTCC 756
【0355】
【配列番号:54】 配列の長さ:263 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Asp Val Leu Val Thr Ala Ile Cys Leu Pro Ala Ser Leu Leu Val 1 5 10 15 Asp Ile Thr Glu Ser Trp Leu Phe Gly His Ala Leu Cys Lys Val Ile 20 25 30 Pro Tyr Leu Gln Ala Val Ser Val Ser Val Val Val Leu Thr Leu Ser 35 40 45 Ser Ile Ala Leu Asp Arg Trp Tyr Ala Ile Cys His Pro Leu Leu Phe 50 55 60 Lys Ser Thr Ala Arg Arg Ala Arg Gly Ser Ile Leu Gly Ile Trp Ala 65 70 75 80 Val Ser Leu Ala Val Met Val Pro Gln Ala Ala Val Met Glu Cys Ser 85 90 95 Ser Val Leu Pro Glu Leu Ala Asn Arg Thr Arg Leu Leu Ser Val Cys 100 105 110 Asp Glu Arg Trp Ala Asp Asp Leu Tyr Pro Lys Ile Tyr His Ser Cys 115 120 125 Phe Phe Ile Val Thr Tyr Leu Ala Pro Leu Gly Leu Met Ala Met Ala 130 135 140 Tyr Phe Gln Ile Phe Arg Lys Leu Trp Gly Arg Gln Ile Pro Gly Thr 145 150 155 160 Thr Ser Ala Leu Val Arg Asn Trp Lys Arg Pro Ser Asp Gln Leu Asp 165 170 175 Asp Gln Gly Gln Gly Leu Ser Ser Glu Pro Gln Pro Arg Ala Arg Ala 180 185 190 Phe Leu Ala Glu Val Lys Gln Met Arg Ala Arg Arg Lys Thr Ala Lys 195 200 205 Met Leu Met Val Val Leu Leu Val Phe Ala Leu Cys Tyr Leu Pro Ile 210 215 220 Ser Val Leu Asn Val Leu Lys Arg Val Phe Gly Met Phe Arg Gln Ala 225 230 235 240 Ser Asp Arg Glu Ala Ile Tyr Ala Cys Phe Thr Phe Ser His Trp Leu 245 250 255 Val Tyr Ala Asn Ser Ala Ala 260
【0356】
【配列番号:55】 配列の長さ:789 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 GCCGATGTGC TGGTGACAGC CATCTGCCTG CCGGCCAGTC TGCTGGTAGA CATCACGGAA 60 TCCTGGCTCT TTGGCCATGC CCTCTGCAAG GTCATCCCCT ATCTACAGGC CGTGTCCGTG 120 TCAGTGGTCG TGCTGACTCT CAGCTCCATC GCCCTGGACC GCTGGTACGC CATCTGCCAC 180 CCGCTGTTGT TCAAGAGCAC TGCCCGGCGC GCCCGCGGCT CCATCCTCGG CATCTGGGCG 240 GTGTCGCTGG CTGTCATGGT GCCTCAGGCT GCTGTCATGG AGTGTAGCAG CGTGCTGCCC 300 GAGCTGGCCA ACCGCACCCG CCTCCTGTCT GTCTGTGATG AGCGCTGGGC AGACGACCTG 360 TACCCCAAGA TCTACCACAG CTGCTTCTTC ATTGTCACCT ACCTGGCCCC ACTGGGCCTC 420 ATGGCCATGG CCTATTTCCA GATCTTCCGC AAGCTCTGGG GCCGCCAGAT CCCCGGCACC 480 ACCTCGGCCC TGGTGCGCAA CTGGAAGCGG CCCTCAGACC AGCTGGACGA CCAGGGCCAG 540 GGCCTGAGCT CAGAGCCCCA GCCCCGGGCC CGCGCCTTCC TGGCCGAGGT GAAACAGATG 600 CGAGCCCGGA GGAAGACGGC CAAGATGCTG ATGGTGGTGC TGCTGGTCTT CGCCCTCTGC 660 TACCTGCCCA TCAGTGTCCT CAACGTCCTC AAGAGGGTCT TCGGGATGTT CCGCCAAGCC 720 AGCGACCGAG AGGCCATCTA CGCCTGCTTC ACCTTCTCCC ACTGGCTGGT GTACGCCAAC 780 AGCGCCGCC 789
【0357】
【配列番号:56】 配列の長さ:328 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Met Glu Trp Asp Asn Gly Thr Gly Gln Ala Leu Gly Leu Pro Pro Thr 1 5 10 15 Thr Cys Val Tyr Arg Glu Asn Phe Lys Gln Leu Leu Leu Pro Pro Val 20 25 30 Tyr Ser Ala Val Leu Ala Ala Gly Leu Pro Leu Asn Ile Cys Val Ile 35 40 45 Thr Gln Ile Cys Thr Ser Arg Arg Ala Leu Thr Arg Thr Ala Val Tyr 50 55 60 Thr Leu Asn Leu Ala Leu Ala Asp Leu Leu Tyr Ala Cys Ser Leu Pro 65 70 75 80 Leu Leu Ile Tyr Asn Tyr Ala Gln Gly Asp His Trp Pro Phe Gly Asp 85 90 95 Phe Ala Cys Arg Leu Val Arg Phe Leu Phe Tyr Ala Asn Leu His Gly 100 105 110 Ser Ile Leu Phe Leu Thr Cys Ile Ser Phe Gln Arg Tyr Leu Gly Ile 115 120 125 Cys His Pro Leu Ala Pro Trp His Lys Arg Gly Gly Arg Arg Ala Ala 130 135 140 Trp Leu Val Cys Val Thr Val Trp Leu Ala Val Thr Thr Gln Cys Leu 145 150 155 160 Pro Thr Ala Ile Phe Ala Ala Thr Gly Ile Gln Arg Asn Arg Thr Val 165 170 175 Cys Tyr Asp Leu Ser Pro Pro Ala Leu Ala Thr His Tyr Met Pro Tyr 180 185 190 Gly Met Ala Leu Thr Val Ile Gly Phe Leu Leu Pro Phe Ala Ala Leu 195 200 205 Leu Ala Cys Tyr Cys Leu Leu Ala Cys Arg Leu Cys Arg Gln Asp Gly 210 215 220 Pro Ala Glu Pro Val Ala Gln Glu Arg Arg Gly Lys Ala Ala Arg Met 225 230 235 240 Ala Val Val Val Ala Ala Ala Phe Ala Ile Ser Phe Leu Pro Phe His 245 250 255 Ile Thr Lys Thr Ala Tyr Leu Ala Val Gly Ser Thr Pro Gly Val Pro 260 265 270 Cys Thr Val Leu Glu Ala Phe Ala Ala Ala Tyr Lys Gly Thr Arg Pro 275 280 285 Phe Ala Ser Ala Asn Ser Val Leu Asp Rro Ile Leu Phe Tyr Phe Thr 290 295 300 Gln Lys Lys Phe Arg Arg Arg Pro His Glu Leu Leu Gln Lys Leu Thr 305 310 315 320 Ala Lys Trp Gln Arg Gln Gly Arg 325
【0358】
【配列番号:57】 配列の長さ:984 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 配列の種類:cDNA 特徴を決定した方法:S 配列 ATGGAATGGG ACAATGGCAC AGGCCAGGCT CTGGGCTTGC CACCCACCAC CTGTGTCTAC 60 CGCGAGAACT TCAAGCAACT GCTGCTGCCA CCTGTGTATT CGGCGGTGCT GGCGGCTGGC 120 CTGCCGCTGA ACATCTGTGT CATTACCCAG ATCTGCACGT CCCGCCGGGC CCTGACCCGC 180 ACGGCCGTGT ACACCCTAAA CCTTGCTCTG GCTGACCTGC TATATGCCTG CTCCCTGCCC 240 CTGCTCATCT ACAACTATGC CCAAGGTGAT CACTGGCCCT TTGGCGACTT CGCCTGCCGC 300 CTGGTCCGCT TCCTCTTCTA TGCCAACCTG CACGGCAGCA TCCTCTTCCT CACCTGCATC 360 AGCTTCCAGC GCTACCTGGG CATCTGCCAC CCGCTGGCCC CCTGGCACAA ACGTGGGGGC 420 CGCCGGGCTG CCTGGCTAGT GTGTGTAACC GTGTGGCTGG CCGTGACAAC CCAGTGCCTG 480 CCCACAGCCA TCTTCGCTGC CACAGGCATC CAGCGTAACC GCACTGTCTG CTATGACCTC 540 AGCCCGCCTG CCCTGGCCAC CCACTATATG CCCTATGGCA TGGCTCTCAC TGTCATCGGC 600 TTCCTGCTGC CCTTTGCTGC CCTGCTGGCC TGCTACTGTC TCCTGGCCTG CCGCCTGTGC 660 CGCCAGGATG GCCCGGCAGA GCCTGTGGCC CAGGAGCGGC GTGGCAAGGC GGCCCGCATG 720 GCCGTGGTGG TGGCTGCTGC CTTTGCCATC AGCTTCCTGC CTTTTCACAT CACCAAGACA 780 GCCTACCTGG CAGTGGGCTC GACGCCGGGC GTCCCCTGCA CTGTATTGGA GGCCTTTGCA 840 GCGGCCTACA AAGGCACGCG GCCGTTTGCC AGTGCCAACA GCGTGCTGGA CCCCATCCTC 900 TTCTACTTCA CCCAGAAGAA GTTCCGCCGG CGACCACATG AGCTCCTACA GAAACTCACA 960 GCCAAATGGC AGAGGCAGGG TCGC 984
【0359】
【配列番号:58】 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 ACAGCCATCT TCGCTGCCAC AGGCAT 26
【0360】
【配列番号:59】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGACAGTAGC AGGCCAGCAG GGCAGCAAA 29
【0361】
【配列番号:60】 配列の長さ:27 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 CTGTGYGYSA TYGCN2N2TKGA YMGSTAC 27
【0362】
【配列番号:61】 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列の特徴:N2 はIを示す。 配列 AKGWAGWAGG GCAGCCAGCA GAN2SRYGAA 29
【0363】
【図面の簡単な説明】
【図1】配列番号:1で表わされる塩基配列を有する
5’側の合成DNAプライマー(HS−1)の配列と、
他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcD
NAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図で
ある。
【図2】配列番号:2で表わされる塩基配列を有する
3’側の合成DNAプライマー(HS−2)に相補的な
塩基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性
を示した図である。
【図3】配列番号:5で表わされる塩基配列を有する
5’側の合成DNAプライマー(3A)および配列番
号:6で表わされる塩基配列を有する5’側の合成DN
Aプライマー(3B)の配列と、他のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするcDNAあるいは遺伝子の
塩基配列との共通性を示した図である。
【図4】配列番号:7で表わされる塩基配列を有する
5’側の合成DNAプライマー(3C)および配列番
号:3で表わされる塩基配列を有する5’側の合成DN
Aプライマー(3D)の配列と、他のG蛋白質共役型レ
セプター蛋白質をコードするcDNAあるいは遺伝子の
塩基配列との共通性を示した図である。
【図5】配列番号:8で表わされる塩基配列を有する
3’側の合成DNAプライマーに相補的な塩基配列(6
A)および配列番号:9で表わされる塩基配列を有する
3’側の合成DNAプライマーに相補的な塩基配列(6
B)と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示
した図である。
【図6】配列番号:4で表わされる塩基配列を有する
3’側の合成DNAプライマーに相補的な塩基配列(6
C)と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコード
するcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示
した図である。
【図7】配列番号:10で表わされる塩基配列を有する
5’側の合成DNAプライマー(T2A)と、他のG蛋
白質共役型レセプター蛋白質をコードするcDNAある
いは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図である。
【図8】配列番号:11で表わされる塩基配列を有する
3’側の合成DNAプライマー(T7A)に相補的な塩
基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
ドするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を
示した図である。
【図9】配列番号:12で表わされる塩基配列を有する
5’側の合成DNAプライマー(TM1−A2)と、他
のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcDN
Aあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図であ
る。
【図10】配列番号:13で表わされる塩基配列を有す
る3’側の合成DNAプライマー(TM3−B2)に相
補的な塩基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との
共通性を示した図である。
【図11】配列番号:14で表わされる塩基配列を有す
る5’側の合成DNAプライマー(TM3−C2)と、
他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcD
NAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図で
ある。
【図12】配列番号:15で表わされる塩基配列を有す
る3’側の合成DNAプライマー(TM6−E2)に相
補的な塩基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との
共通性を示した図である。
【図13】配列番号:16で表わされる塩基配列を有す
る5’側の合成DNAプライマー(TM2F18)と、
他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcD
NAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図で
ある。
【図14】配列番号:17で表わされる塩基配列を有す
る3’側の合成DNAプライマー(TM6R21)に相
補的な塩基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質をコードするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との
共通性を示した図である。
【図15】配列番号:18で表わされる塩基配列を有す
る5’側の合成DNAプライマー(S3A)と、他のG
蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードするcDNAあ
るいは遺伝子の塩基配列との共通性を示した図である。
【図16】配列番号:19で表わされる塩基配列を有す
る3’側の合成DNAプライマー(S6A)に相補的な
塩基配列と、他のG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコ
ードするcDNAあるいは遺伝子の塩基配列との共通性
を示した図である。
【図17】配列番号:1で表わされる塩基配列を有する
合成DNAプライマーおよび配列番号:2で表わされる
塩基配列を有する合成DNAプライマーを用い、ヒト脳
amygdala (扁桃核)(1,2,7)、ヒト下垂体
(3,4,8)およびラット全脳(5,6,9)由来の
cDNAを増幅した産物を1. 2%アガロースゲル電気
泳動で分離した図を示す。レーン1〜6は実施例記載の
厳しい条件、レーン7〜9は緩い条件でPCRを行った
結果を示す。Mはサイズマーカーで、λファージのDN
Aを制限酵素EcoT14Iで切断したものを示す。
【図18】ヒト脳 amygdala 由来cDNAを緩い条件で
PCR増幅し、pCR-II にサブクローニングして得た
クローンA58をT7プライマーを用いて配列決定した
結果を示す。
【図19】クローンA58をSP6プライマーを用いて
配列決定した結果を示す。
【図20】ヒト脳amygdala由来cDNAを厳しい条件で
PCR増幅し、pCR-II にサブクローニングして得た
クローン57- A- 2を−21M13プライマーを用い
て配列決定した結果を示す。
【図21】ラット全脳由来cDNAを緩い条件でPCR
増幅し、pCR-IIにサブクローニングして得たクロー
ンB54をT7プライマーを用いて配列決定した結果を
示す。
【図22】ヒト下垂体由来cDNAを用いてPCR法に
よって単離したcDNAクローンp19P2に含まれる
ヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDN
A断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配
列を示す。配列決定に用いたプライマーは−21M13
である。下線で示した部分は合成プライマーに相当する
部分である。
【図23】ヒト下垂体由来cDNAを用いてPCR法に
よって単離したcDNAクローンp19P2に含まれる
ヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDN
A断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配
列を示す。配列決定に用いたプライマーはM13RV-
N(宝酒造)である。下線で示した部分は合成プライマ
ーに相当する部分である。
【図24】図22に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質
の部分疎水性プロットを示す。
【図25】図23に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質
の部分疎水性プロットを示す。
【図26】図22および図23に示したp19P2に含
まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質
cDNA断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列
(p19P2)を、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質であるS12863と比較した図を示す。黒く塗っ
た部分は一致している部分を示す。p19P2の第1番
目〜第99番目のアミノ酸配列は図22の第1番目〜第
99番目のアミノ酸配列に対応し、第156番目〜第2
30番目のアミノ酸配列は図23の第1番目〜第68番
目のアミノ酸配列に対応する。
【図27】MIN6由来cDNAを用いてPCR法によ
って単離したcDNAクローンpG3−2およびpG1
−10にそれぞれ含まれるMIN6由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列に基づいて
導き出したMIN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質cDNA断片の塩基配列およびそれにコードされる
アミノ酸配列を示す。下線で示した部分は合成プライマ
ーに相当する部分である。
【図28】図27に示した部分アミノ酸配列をもとに作
成した、MIN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白
質の部分疎水性プロットを示す。
【図29】ヒト扁桃核よりPCR増幅によって得た新規
レセプター蛋白質cDNAクローンp63A2の部分塩
基配列とそれにコードされるアミノ酸配列を示す。下線
部分はPCR増幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図30】ヒト扁桃核よりPCR増幅によって得た新規
レセプター蛋白質cDNAクローンp63A2の部分塩
基配列とそれにコードされるアミノ酸配列を示す。下線
部分はPCR増幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図31】図29に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た疎水性プロットを示す。この図から1〜3で示す疎水
性ドメインの存在が示唆される。
【図32】図30に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た疎水性プロットを示す。この図から4〜6で示す疎水
性ドメインの存在が示唆される。
【図33】p63A2にコードされる新規レセプター蛋
白質cDNAの部分塩基配列とマウスT細胞由来のグル
ココルチコイドによって発現誘導されるG蛋白質共役型
レセプター蛋白質(P30731)の部分アミノ酸配列
を比較した図である。黒塗りの部分は一致しているアミ
ノ酸残基を表わす。
【図34】p19P2の挿入断片をプローブとして用い
て、ヒト下垂体由来cDNAライブラリーよりプラーク
ハイブリダイゼーション法によって単離したcDNAク
ローンphGR3に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれ
にコードされるアミノ酸配列を示す。
【図35】ヒト下垂体由来のcDNAクローンphGR
3がコードするレセプター遺伝子のヒト下垂体mRNA
に対するノーザンブロットの結果を示す。
【図36】図34に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、phGR3に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNAにコードされる蛋白質の疎
水性プロットを示す。
【図37】マウス膵臓β細胞株MIN6よりPCR増幅
によって得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンp
3H2- 17の部分塩基配列とそれにコードされるアミ
ノ酸配列を示す。下線部分はPCR増幅に用いた合成プ
ライマーに相当する。
【図38】図37に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た疎水性プロットを示す。この図から3〜6で示す疎水
性ドメインの存在が示唆される。
【図39】p3H2- 17にコードされる新規レセプタ
ー蛋白質cDNAの部分アミノ酸配列とチキンATPレ
セプター蛋白質(P34996)、ヒトソマトスタチン
レセプターサブタイプ3蛋白質(A46226)、ヒト
ソマトスタチンレセプターサブタイプ4蛋白質(JN0
605)、ウシニューロペプチドYレセプター蛋白質
(S28787)の部分アミノ酸配列を比較した図であ
る。黒塗りの部分は一致しているアミノ酸残基を表わ
す。
【図40】マウス膵臓β細胞株MIN6よりPCR増幅
によって得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンp
3H2−34の部分塩基配列とそれにコードされるアミ
ノ酸配列を示す。下線部分はPCR増幅に用いた合成プ
ライマーに相当する。
【図41】図40に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た疎水性プロットを示す。縦軸は疎水性のインデックス
を示し、横軸はアミノ酸数を示す。図中の番号3〜6
は、疎水性ドメインの存在を示す。
【図42】p3H2−34にコードされる新規レセプタ
ー蛋白質cDNAの部分アミノ酸配列と、ヒトソマトス
タチンレセプターサブタイプ4蛋白質(JN060
5)、ヒトソマトスタチンレセプターサブタイプ2蛋白
質(B41795)およびラット由来リガンド不明レセ
プター蛋白質(A39297)の部分アミノ酸配列とを
比較した図である。黒塗りの部分は一致しているアミノ
酸残基を表わす。
【図43】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMD4
に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNA断片の塩基配列およびそれにコ
ードされるアミノ酸配列を示す。下線部分はPCR増幅
に用いた合成プライマーに相当する。
【図44】図35に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、pMD4に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋
白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされ
る蛋白質の疎水性プロットを示す。この図から1〜3で
示す疎水性ドメインの存在が示唆される。
【図45】図43に示したpMD4に含まれるウサギ胃
幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cD
NA断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列(p
MD4)を、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質で
あるラットリガンド不明レセプター蛋白質(A3563
9)と比較した図を示す。黒く塗った部分は一致してい
る部分を示す。pMD4の第1番目〜第88番目のアミ
ノ酸配列は図43の第1番目〜第88番目のアミノ酸配
列に対応する。
【図46】p3H2−34に挿入されているcDNAを
プローブとしてクローニングされたマウス由来ガラニン
レセプター蛋白質cDNAクローンpMGR20の塩基
配列とそれにコードされるアミノ酸配列を示す。
【図47】図46に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た疎水性プロットを示す。縦軸は疎水性のインデックス
を示し、横軸はアミノ酸数を示す。図中の番号1〜7
は、疎水性ドメインの存在を示す。
【図48】pMGR20にコードされるマウス由来ガラ
ニンレセプター蛋白質のアミノ酸配列(MOUSEGA
LRECE)と、ヒト由来ガラニンレセプター蛋白質の
アミノ酸配列(HUMAGALAMI)とを比較した図
である。黒塗りの部分は一致しているアミノ酸残基を表
わす。
【図49】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMJ1
0に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型
レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列およびそれに
コードされるアミノ酸配列を示す。下線部分はPCR増
幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図50】図49に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、pMJ10に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G
蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコードさ
れる蛋白質の疎水性プロットを示す。この図から4〜6
で示す疎水性ドメインの存在が示唆される。
【図51】図49に示したpMJ10に含まれるウサギ
胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質c
DNA断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列
(pMJ10)を、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質であるヒトリガンド不明レセプター蛋白質(B42
009)、ヒトN- フォルミルペプチドレセプター蛋白
質(JC2014)、ウサギN- フォルミルペプチドレ
セプター蛋白質(A46520)、マウスC5aアナフ
ィラトキシンレセプター蛋白質(A46525)および
ウシニューロペプチドYレセプター蛋白質(S2878
7)と比較した図を示す。黒く塗った部分は一致してい
る部分を示す。pMJ10の第1番目〜第125番目の
アミノ酸配列は図49の第1番目〜第125番目のアミ
ノ酸配列に対応する。
【図52】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMH2
8に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型
レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列およびそれに
コードされるアミノ酸配列を示す。下線部分はPCR増
幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図53】図52に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、pMH28に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G
蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片にコードさ
れる蛋白質の疎水性プロットを示す。この図から4〜6
で示す疎水性ドメインの存在が示唆される。
【図54】図52に示したpMH28に含まれるウサギ
胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質c
DNA断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列
(pMH28)を、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質であるマウスIL−8レセプター蛋白質(P353
43)、ヒトソマトスタチンレセプター蛋白質1(A4
1795)およびヒトソマトスタチンレセプター蛋白質
4(A47457)と比較した図を示す。黒く塗った部
分は一致している部分を示す。pMH28の第1番目〜
第119番目のアミノ酸配列は図52の第1番目〜第1
19番目のアミノ酸配列に対応する。
【図55】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMN7
に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNA断片の塩基配列およびそれにコ
ードされるアミノ酸配列を示す。塩基配列の5' 端に記
載した下線部分は、PCR増幅に用いた合成プライマー
に相当する。
【図56】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMN7
に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役型レ
セプター蛋白質cDNA断片の塩基配列およびそれにコ
ードされるアミノ酸配列を示す。塩基配列の3' 端に記
載した下線部分はPCR増幅に用いた合成プライマーに
相当する。
【図57】図55および図56に示したアミノ酸配列を
もとに作成した、pMN7に含まれるウサギ胃幽門部平
滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断片
にコードされる蛋白質の疎水性プロットを示す。この図
からTM2〜TM6で示す疎水性ドメインの存在が示唆
される。
【図58】図22に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質
の部分疎水性プロットを示す。
【図59】図23に示したアミノ酸配列をもとに作成し
た、p19P2に含まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白質
の部分疎水性プロットを示す。
【図60】図22および図23に示したp19P2に含
まれるヒト下垂体由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質
cDNA断片にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列
(p19P2)を、公知のG蛋白質共役型レセプター蛋
白質であるS12863と比較した図を示す。黒く塗っ
た部分は一致している部分を示す。p19P2の第1番
目〜第99番目のアミノ酸配列は図22の第1番目〜第
99番目のアミノ酸配列に対応し、第156番目〜第2
30番目のアミノ酸配列は図23の第1番目〜第68番
目のアミノ酸配列に対応する。
【図61】図27に示したMIN6由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列(pG3−2/
pG1−10)を、図22および図23に示したp19
P2にコードされる蛋白質の部分アミノ酸配列(p19
P2)と比較した図を示す。黒塗りの部分は配列が一致
している部分を示す。p19P2の第1番目〜第99番
目のアミノ酸配列は図22の第1番目〜第99番目のア
ミノ酸配列に対応し、第156番目〜第223番目のア
ミノ酸配列は図23の第1番目〜第68番目のアミノ酸
配列に対応する。pG3−2/pG1−10の第1番目
〜第223番目のアミノ酸配列は図27の第1番目〜第
223番目のアミノ酸配列に対応する。
【図62】MIN6由来cDNAを用いてPCR法によ
って単離したcDNAクローンp5S38に含まれるM
IN6由来のG蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片の塩基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列
を示す。下線で示した部分は合成プライマーに相当する
部分である。
【図63】図62に示したMIN6由来のG蛋白質共役
型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列(p5S38)
を、図22および図23に示したp19P2に含まれる
cDNA断片にコードされるG蛋白質共役型レセプター
蛋白質の部分アミノ酸配列、および図27に示したpG
3−2ならびにpG1−10にそれぞれ含まれるcDN
A断片の塩基配列から導きだした塩基配列にコードされ
るG蛋白質共役型レセプター蛋白質の部分アミノ酸配列
と比較した図を示す。黒塗りの部分は配列が一致してい
る部分を示す。p5S38の第1番目〜第144番目の
アミノ酸配列は図62の第1番目〜第144番目のアミ
ノ酸配列に対応する。p19P2の第1番目〜第99番
目のアミノ酸配列は図22の第1番目〜第99番目のア
ミノ酸配列に対応し、第156番目〜第223番目のア
ミノ酸配列は図23の第1番目〜第68番目のアミノ酸
配列に対応する。pG3−2/pG1−10の第1番目
〜第223番目のアミノ酸配列は図27の第1番目〜第
223番目のアミノ酸配列に対応する。
【図64】図62に示した部分アミノ酸配列をもとに作
成した、p5S38に含まれるMIN6由来G蛋白質共
役型レセプター蛋白質cDNA断片にコードされる蛋白
質の部分疎水性プロットを示す。
【図65】マウス細胞株MIN6、Neuro−2a細
胞およびマウスの脳、胸腺、脾臓ならびに膵臓の poly
(A)+ RNA に対するマウス膵臓β細胞株MIN6由来の
新規レセプター蛋白質cDNAクローンp3H2−17
に含まれるcDNA断片がコードするレセプター遺伝子
のノーザンブロット解析の結果を示す。矢印と数字は分
子量マーカーの位置を示す(数字の単位はキロベースで
ある)。
【図66】マウス胸腺、脾臓の poly(A)+ RNA を用い
て、p3H2−17に含まれるレセプター遺伝子を5’
RACEによってPCRを行って得られたPCR産物の
アガロースゲル電気泳動による解析の結果を示す。レー
ン1は分子量マーカー6(和光純薬)を示す。レーン2
は Internal control であり、Taqポリメラーゼにて
配列番号:20で表されるプライマーと配列番号:22
で表されるプライマーで増幅した胸腺由来のPCR産物
を示す。レーン3は Negative control であり、Anchor
付加前の胸腺cDNAをEx Taqポリメラーゼにて
PCRを行って増幅されたPCR産物を示す。レーン4
は Negative control であり、Anchor付加前の胸腺cD
NAをTaqポリメラーゼにてPCRを行って増幅され
たPCR産物を示す。レーン5はPfuポリメラーゼで
胸腺 poly(A)+ RNAを5’RACEにより増幅したPC
R産物を示す。レーン6はVentポリメラーゼにて胸
腺 poly(A)+ RNA を5’RACEにより増幅したPCR
産物を示す。レーン7はEx Taqポリメラーゼにて
胸腺 poly(A)+ RNA を5’RACEにより増幅したPC
R産物を示す。レーン8はTaqポリメラーゼにて胸腺
poly(A)+ RNA を5’RACEにより増幅したPCR産
物を示す。レーン9は分子量マーカー5(和光純薬)を
示す。レーン10は Internal control であり、Taq
ポリメラーゼにて配列番号:20で表されるプライマー
と配列番号:22で表されるプライマーで増幅した脾臓
由来のPCR産物を示す。レーン11は Negative cont
rol であり、Anchor付加前の脾臓cDNAをEx Ta
qポリメラーゼにてPCRを行って増幅されたPCR産
物を示す。レーン12は Negative control であり、An
chor付加前の脾臓cDNAをTaqポリメラーゼにてP
CRを行って増幅されたPCR産物を示す。レーン13
はPfuポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を5’R
ACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン14は
Ventポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を5’R
ACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン15は
Ex Taqポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を
5’RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン
16はTaqポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を
5’RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン
17は分子量マーカー5(和光純薬)を示す。黒塗り三
角は回収したバンドの位置を示す。
【図67】マウス胸腺および脾臓の poly(A)+ RNA を用
いて、p3H2−17に含まれるレセプター遺伝子を
3’RACEによってPCRを行って得られたPCR産
物のアガロースゲル電気泳動による解析の結果を示す。
レーン1は分子量マーカー5(和光純薬)を示す。レー
ン2はTaqポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を
3’RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン
3はExTaqポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を
3’RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン
4はVentポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を
3’RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン
5はPfuポリメラーゼにて脾臓 poly(A)+ RNA を3’
RACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン6は
Taqポリメラーゼにて胸腺 poly(A)+ RNA を3’RA
CEにより増幅したPCR産物を示す。レーン7はEx
Taqポリメラーゼにて胸腺 poly(A)+ RNAを3’R
ACEにより増幅したPCR産物を示す。レーン8はV
entポリメラーゼにて胸腺 poly(A)+ RNA を3’RA
CEにより増幅したPCR産物を示す。レーン9はPf
uポリメラーゼで胸腺 poly(A)+ RNA を3’RACEに
より増幅したPCR産物を示す。レーン10は分子量マ
ーカー6(和光純薬)を示す。黒塗り三角は回収したバ
ンドの位置を示す。
【図68】5’RACEおよび3’RACEにより得ら
れたp3H2−17に含まれる受容体タンパク質cDN
A断片のRACE産物のモデル図を示す。白抜き枠部分
は既に得ていたp3H2−17に含まれる領域を示す。
細い矢印、、、は実施例19で設計したプライ
マーの位置と方向を示す。太い矢印はp3H2−17が
保持するレセプター蛋白質cDNAの予測される全長翻
訳領域を示す。両端の数字は、得られたRACE産物の
クローン番号を示す。これらのRACE産物のうち、N
26、N64、N75はpCRTMIIベクターに挿入さ
れており、C2、C13、C15はpUC18のSma
I部位に挿入されている。黒三角は塩基配列決定の結
果、判明したPCRエラーの存在した位置を示す。
【図69】p3H2−17に含まれるcDNA断片の塩
基配列を基にして、RACE法によりマウス膵臓および
胸腺の poly(A)+ RNA より得たcDNAクローンpMA
H2−17に含まれるマウスG蛋白質共役型レセプター
蛋白質cDNAの翻訳領域周辺の塩基配列およびそれに
コードされるアミノ酸配列を示す。
【図70】図69に示したアミノ酸配列をもとに作製し
たpMAH2−17に含まれるレセプター蛋白質cDN
Aにコードされる蛋白質の疎水性プロットを示す。
【図71】図69に示したpMAH2−17に含まれる
マウス由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA断
片にコードされる蛋白質のアミノ酸配列(75+13C
ODING)を公知のG蛋白質共役型レセプター蛋白質
であるマウスP2Uプリノセプター蛋白質(P2UR M
OUSE)、チキンP2Yプリノセプター蛋白質(P2Y
R CHICK)と比較した図を示す。黒く塗った部分
は一致している部分を示す。
【図72】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMN1
28に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列(第1番目
〜第540番目)およびそれにコードされるアミノ酸配
列を示す。塩基配列の5’端に示した下線部分は、PC
R増幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図73】ウサギ胃幽門部平滑筋よりPCR増幅によっ
て得た新規レセプター蛋白質cDNAクローンpMN1
28に含まれるウサギ胃幽門部平滑筋由来G蛋白質共役
型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列(第541
番目〜第843番目)およびそれにコードされるアミノ
酸配列を示す。塩基配列の3’端に示した下線部分は、
PCR増幅に用いた合成プライマーに相当する。
【図74】図72および図73に示したアミノ酸配列を
もとに作成した、pMN128に含まれるウサギ胃幽門
部平滑筋由来G蛋白質共役型レセプター蛋白質cDNA
断片にコードされる蛋白質の疎水性プロットを示す。こ
の図からTM2〜TM7で示す疎水性ドメインの存在が
示唆される。
【図75】pMAH2−17のコードするレセプターの
cDNAを注入されたアフリカツメガエルの卵における
ATP刺激で生ずる内向きの電流を示す。
【図76】ph3H2−17に含まれるヒト由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNA断片の塩基配列とp
3H2−17に含まれるマウス由来プリノセプターcD
NA断片の塩基配列とを比較した図を示す。影の部分は
一致している部分を示す。
【図77】phAH2−17に含まれるヒト由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNAの翻訳領域周辺の塩
基配列およびそれにコードされるアミノ酸配列を示す。
【図78】phAH2−17に含まれるヒト由来G蛋白
質共役型レセプター蛋白質cDNAにコードされる蛋白
質の疎水性プロットを示す。
【図79】phAH2−17に含まれるヒト型プリノセ
プターとp3H2−17に含まれるマウスプリノセプタ
ーのアミノ酸配列を比較した図を示す。黒く塗った部分
は一致している部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 14/705 8517−4H C07K 14/705 16/28 8517−4H 16/28 C12P 21/02 C12P 21/02 C 21/08 21/08 C12Q 1/68 9453−4B C12Q 1/68 A (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) (31)優先権主張番号 特願平6−236356 (32)優先日 平6(1994)9月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−236357 (32)優先日 平6(1994)9月30日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−270017 (32)優先日 平6(1994)11月2日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−326611 (32)優先日 平6(1994)12月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−7177 (32)優先日 平7(1995)1月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−57186 (32)優先日 平7(1995)3月16日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−93989 (32)優先日 平7(1995)4月19日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 大瀧 徹也 茨城県つくば市春日1丁目7番地の9 武 田春日ハイツ802号 (72)発明者 福住 昌司 茨城県つくば市並木3丁目17番地の6 ロ イヤルシテイ並木302号 (72)発明者 大儀 和宏 茨城県つくば市梅園2丁目16番地1号 ル ン・ビーニ梅園206号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:1〜配列番号:19のいずれ
    かの配列番号で表わされる塩基配列を有することを特徴
    とするDNA。
  2. 【請求項2】(i)鋳型となるG蛋白質共役型レセプ
    ター蛋白質をコードするDNA、配列番号:1で表わ
    される塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:
    3で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
    列番号:5で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
    マー、配列番号:6で表わされる塩基配列を有するDN
    Aプライマー、配列番号:7で表わされる塩基配列を有
    するDNAプライマー、配列番号:10で表わされる塩
    基配列を有するDNAプライマー、配列番号:14で表
    わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番
    号:16で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
    ーおよび配列番号:18で表わされる塩基配列を有する
    DNAプライマーから成る群から選ばれる少なくとも1
    種のDNAプライマー、および配列番号:2で表わさ
    れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:4
    で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
    番号:8で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
    ー、配列番号:9で表わされる塩基配列を有するDNA
    プライマー、配列番号:11で表わされる塩基配列を有
    するDNAプライマー、配列番号:15で表わされる塩
    基配列を有するDNAプライマー、配列番号:17で表
    わされる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列
    番号:19で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
    マーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプ
    ライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リアク
    ションを行なうか、または (ii)鋳型となるG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
    コードするDNA、配列番号:1で表わされる塩基配
    列を有するDNAプライマーおよび配列番号:12で表
    わされる塩基配列を有するDNAプライマーから成る群
    から選ばれる少なくとも1種のDNAプライマー、およ
    び配列番号:13で表わされる塩基配列を有するDN
    Aプライマーを混合して、ポリメラーゼ・チェーン・リ
    アクションを行なうことを特徴とするG蛋白質共役型レ
    セプター蛋白質をコードするDNAを増幅する方法。
  3. 【請求項3】(i)DNAライブラリー、配列番
    号:1で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
    ー、配列番号:3で表わされる塩基配列を有するDNA
    プライマー、配列番号:5で表わされる塩基配列を有す
    るDNAプライマー、配列番号:6で表わされる塩基配
    列を有するDNAプライマー、配列番号:7で表わされ
    る塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:10
    で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配列
    番号:14で表わされる塩基配列を有するDNAプライ
    マー、配列番号:16で表わされる塩基配列を有するD
    NAプライマーおよび配列番号:18で表わされる塩基
    配列を有するDNAプライマーから成る群から選ばれる
    少なくとも1種のDNAプライマー、および配列番
    号:2で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
    ー、配列番号:4で表わされる塩基配列を有するDNA
    プライマー、配列番号:8で表わされる塩基配列を有す
    るDNAプライマー、配列番号:9で表わされる塩基配
    列を有するDNAプライマー、配列番号:11で表わさ
    れる塩基配列を有するDNAプライマー、配列番号:1
    5で表わされる塩基配列を有するDNAプライマー、配
    列番号:17で表わされる塩基配列を有するDNAプラ
    イマーおよび配列番号:19で表わされる塩基配列を有
    するDNAプライマーから成る群から選ばれる少なくと
    も1種のDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・
    チェーン・リアクションを行ない、DNAライブラリー
    に含まれる鋳型G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
    ドするDNAを選択的に増幅するか、または (ii)DNAライブラリー、配列番号:1で表わさ
    れる塩基配列を有するDNAプライマーおよび配列番
    号:12で表わされる塩基配列を有するDNAプライマ
    ーから成る群から選ばれる少なくとも1種のDNAプラ
    イマー、および配列番号:13で表わされる塩基配列
    を有するDNAプライマーを混合して、ポリメラーゼ・
    チェーン・リアクションを行ない、DNAライブラリー
    に含まれる鋳型G蛋白質共役型レセプター蛋白質をコー
    ドするDNAを選択的に増幅することを特徴とするDN
    AライブラリーからG蛋白質共役型レセプター蛋白質を
    コードするDNAをスクリーニングする方法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の増幅方法または請求項3記
    載のスクリーニング方法で得られる新規なアミノ酸配列
    を有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質をコードする
    DNA。
  5. 【請求項5】請求項4記載のDNAにコードされるG蛋
    白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたは
    それらの塩。
  6. 【請求項6】配列番号:38、配列番号:39または配
    列番号:56で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一
    のアミノ酸配列を含有することを特徴とする請求項5記
    載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載のG蛋白質共役型レ
    セプター蛋白質をコードする塩基配列を有するDNAを
    含有することを特徴とするDNA。
  8. 【請求項8】請求項4または7に記載のDNAを含有す
    ることを特徴とするベクターを保持する形質転換体。
  9. 【請求項9】請求項5または6記載のいずれかのG蛋白
    質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドもし
    くはその塩と、試験化合物とを接触させることを特徴と
    する請求項5または6記載のいずれかのG蛋白質共役型
    レセプター蛋白質に対するリガンドの決定方法。
  10. 【請求項10】(i)請求項5または6記載のいずれか
    のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプ
    チドもしくはその塩に、リガンドを接触させた場合と
    (ii)請求項5または6記載のいずれかのG蛋白質共役
    型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドもしくはそ
    の塩に、リガンドおよび試験化合物を接触させた場合と
    の比較を行なうことを特徴とするリガンドと請求項5ま
    たは6記載のいずれかのG蛋白質共役型レセプター蛋白
    質との結合を阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
    ング方法。
  11. 【請求項11】請求項9または請求項10記載の方法で
    決定された化合物またはその塩。
  12. 【請求項12】(i)請求項5または6記載のいずれか
    のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプ
    チドもしくはその塩に、リガンドを接触させた場合と
    (ii)請求項5または6記載のいずれかのG蛋白質共役
    型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドもしくはそ
    の塩に、リガンドおよび試験化合物を接触させた場合と
    の比較を行なうスクリーニング方法で決定されたことを
    特徴とするリガンドと請求項5または6記載のいずれか
    のG蛋白質共役型レセプター蛋白質との結合を阻害する
    化合物またはその塩。
JP7224544A 1994-08-11 1995-08-10 新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質、その製造法および用途 Abandoned JPH09268A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000024891A1 (fr) * 1998-10-28 2000-05-04 Takeda Chemical Industries, Ltd. Nouvelles proteines receptrices couplees aux proteines g et adn de celles-ci
WO2002040669A1 (fr) 2000-11-17 2002-05-23 Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. Bg37, nouvelle proteine du recepteur couple aux proteines g de liaison de guanosine triphosphate (gtp)

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WO2000024891A1 (fr) * 1998-10-28 2000-05-04 Takeda Chemical Industries, Ltd. Nouvelles proteines receptrices couplees aux proteines g et adn de celles-ci
WO2002040669A1 (fr) 2000-11-17 2002-05-23 Banyu Pharmaceutical Co., Ltd. Bg37, nouvelle proteine du recepteur couple aux proteines g de liaison de guanosine triphosphate (gtp)

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