JPH09264870A - バイオセンサ - Google Patents

バイオセンサ

Info

Publication number
JPH09264870A
JPH09264870A JP8097361A JP9736196A JPH09264870A JP H09264870 A JPH09264870 A JP H09264870A JP 8097361 A JP8097361 A JP 8097361A JP 9736196 A JP9736196 A JP 9736196A JP H09264870 A JPH09264870 A JP H09264870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
reaction layer
enzyme reaction
light
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8097361A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadahisa Toyama
忠久 当山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP8097361A priority Critical patent/JPH09264870A/ja
Publication of JPH09264870A publication Critical patent/JPH09264870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 妨害電流の影響を防止し、微量の試料液で基
質の測定が可能なバイオセンサを提供する。 【解決手段】 下基板22上面全域にカソード電極24
を形成し、間隔の狭い2本のスペーサ27を介してカソ
ード電極24上に、中空部27Aを覆うように酵素反応
層26およびアノード電極25が順次形成され、アノー
ド電極25上に上基板23が設けられている。酵素反応
層26はグルコースオキシダーゼとロジウム含有カーボ
ンペーストとを混合したもので形成されている。このた
め、アスコルビン酸なの妨害物質による妨害電流の影響
を受けることなくグルコース濃度の測定を行える。ま
た、スペーサ27どうしの間が狭いため、導入する試料
液の量が少なくてよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、バイオセンサに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バイオセンサとしては、図7
(a)、(b)に示すような構造のものが提案されてい
る。このバイオセンサでは、図示するように、1枚の絶
縁基板1上に、対極としてのカソード電極2が形成され
ている。また、カソード電極2の両側方には、このカソ
ード電極2を挟むように、作用極としてのアノード電極
3と補正用アノード電極4とが形成されている。アノー
ド電極3の先端部には、例えばグルコース酸化酵素であ
るグルコースオキシダーゼ(以下、GODという)が固
定化された酵素反応層5が形成されている。そして、カ
ソード電極2は、リード線6を介して電圧印加回路7お
よび電流測定回路8に接続されている。また、アノード
電極3は、リード線9を介して電圧印加回路7および電
流測定回路8に接続されている。さらに、補正用アノー
ド電極4は、リード線10を介して電圧印加回路7およ
び電流測定回路8に接続されている。さらにまた、電流
測定回路8は、演算手段11および表示手段12に接続
されている。
【0003】このような構成の従来のバイオセンサで
は、酵素が固定化されていない補正用アノード電極4を
備えているため、アノード電極3と補正用アノード電極
4との電流応答の差をとることにより、試料液中に含ま
れる還元性物質、例えばアスコルビン酸や尿酸などの電
解酸化電流を差し引き、酵素反応によって生じる過酸化
水素または還元型メディエータの酸化電流のみを検出す
ることができる。このため、妨害物質による電流を除去
でき、グルコース濃度に相関のある電流のみを得ること
でき、試料液中のグルコース濃度を高精度に測定でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなバイオセン
サでは、妨害物質による電流を除去するため、カソード
電極2に対してアノード電極3と補正用アノード電極4
とを備える構造となっている。測定に際しては、各電極
の先端を覆うだけの量の試料液を滴下する必要がある。
ところが、各電極は面方向に離れて形成されているた
め、必要とする試料液の量が多くなるという問題点があ
る。また、このように各電極が面方向に離れて形成され
るため、バイオセンサの小型化を図りにくいものであっ
た。さらに、このように各電極を配置・形成し、さらに
アノード電極3の先端部分のみに酵素反応層5を形成す
るため、容易に製造できないという問題点があった。
【0005】そこで、この発明が解決しようとする課題
は、所謂妨害物質を含んだ試料液中の基質濃度の測定を
高精度に行うことができ、測定に必要な試料液の量が少
なく、しかも製造が容易なバイオセンサを得るにはどの
ような手段を講じればよいかという点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
相対向する一対の基板のうち、一方の前記基板の対向内
側面の全域にカソード電極を形成し、他方の前記基板の
対向内側面の全域にアノード電極を形成し、前記アノー
ド電極の対向内側面の全域に、酵素とロジウム含有カー
ボンとを含んでなる酵素反応層を形成し、前記基板間
に、前記カソード電極と前記酵素反応層とが対向して臨
む、試料液を導入する細径の試料液導入空間を、形成す
るスペーサが介在されていることを特徴としている。
【0007】請求項1記載の発明においては、滴下され
た試料液が、細径の試料液導入空間内に毛細管現象によ
り速やかに導入される。試料液導入空間内では、カソー
ド電極と酵素反応層とが対向しているため、試料液はカ
ソード電極と酵素反応層との両方に接触する。そして、
酵素反応層では、試料液中の基質と酵素とが反応してア
ノード電極カソード電極との間に流れる電流値を変化さ
せる。この電流値の変化に対応して基質濃度を確定する
ことが可能となる。
【0008】請求項2記載の発明は、前記スペーサが、
スクリーン印刷法により形成されていることを特徴とし
ている。また、請求項3記載の発明は、前記酵素反応層
が、スピンコーティング法により形成されていることを
特徴としている。
【0009】請求項4記載の発明は、バイオセンサにお
いて、酵素と該酵素の酵素反応に伴って発光する発光材
料とを含む酵素反応層が形成された該発光の波長域の光
に対し実質的に遮光性を有する第1基板と、該第1基板
と所定の間隔離間して配置され、前記発光材料の発光を
受光する受光素子が設けられた第2基板と、を備えるこ
とを特徴としている。
【0010】請求項4記載の発明においては、第1基板
と第2基板との間に、第1基板に設けられた酵素反応層
で酵素反応を引き起こさせる試料が導入しやすいように
所定の間隔離間して配置され、酵素反応層側の第1基板
と異なる第2基板側に受光素子を設けているので、酵素
反応層の酵素反応に伴う発光を最も受光しやすい最適位
置に受光素子を配置することができる。このため、少量
の試料内の測定対象物の濃度を受光量から測定すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係るバイオセン
サの詳細を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0012】(実施形態1)図1〜図3は、この発明に
係るバイオセンサの実施形態1を示している。この実施
形態のバイオセンサは、グルコースセンサに本発明を適
用したものである。図1(a)はバイオセンサの平面
図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。図
中21はグルコースセンサを示している。このグルコー
スセンサ21は、相対向する一対の下基板22、上基板
23と、下基板22の対向内側面に形成された対極とし
てのカソード電極24と、上基板23の対向内側面(下
面)に形成された作用極としてのアノード電極25と、
このアノード電極25の下面に形成された酵素反応層2
6と、酵素反応層26とカソード電極24との間に配置
されたスペーサ27と、カソード電極24に接続された
リード線28と、アノード電極25に接続されたリード
線29と、から大略構成されている。
【0013】まず、図2(a)および(b)を用いて下
基板22側の構造を詳しく説明する。なお、図2(a)
は下基板22にカソード電極24、スペーサ27および
リード線28を形成した構造体の平面図であり、図2
(b)は図2(a)のB−B断面図である。下基板22
は、絶縁性材料で形成された矩形状の板である。カソー
ド電極24は、例えば白金(Pt)でなり、下基板22
の表面にスクリーン印刷法、スパッタリング法、無電解
メッキ法などの方法を用いて、基板全面に亙って形成さ
れている。このカソード電極24の幅方向の一方の側縁
部上には、長さ方向に沿ってリード線28が接続するよ
うに設けられている。また、カソード電極24上の他の
領域には、幅方向の中央に長さ方向に沿って形成される
中空部(溝部)27Aを除く領域に所定の厚みをもつス
ペーサ27が、例えばスクリーン印刷法で形成されてい
る。なお、このスペーサ27は、接着剤に、所定の外径
寸法のビーズ状の粒体27Bが混合されてなり、電気絶
縁性をもつ。
【0014】次に、図3(a)および(b)を用いて上
基板23側の構造を詳しく説明する。なお、図3(a)
は、上基板23にアノード電極25、酵素反応層26お
よびリード線29を形成した構造体の平面図であり、図
3(b)は図3(a)のC−C断面図である。上基板2
3は、上記した下基板22と同様に絶縁性材料で矩形状
に形成され、その大きさ(面積)も下基板22と同様で
ある。この上基板23の下面に形成されたアノード電極
25は、例えば白金(Pt)でなり、上基板23の表面
にスクリーン印刷法、スパッタリング法、無電解メッキ
法などの方法を用いて、基板全面に亙って形成されてい
る。また、アノード電極25の幅方向の一方の(上下基
板22、23とを張り合わせた際に下基板22に接続し
たリード線28に対して反対)側縁部の下面には、長さ
方向に沿ってリード線29が接続するように設けられて
いる。また、アノード電極25の下面の他の領域には、
酵素反応層26が形成されている。この酵素反応層26
は、ロジウム含有カーボンペーストと、グルコース酸化
酵素であるグルコースオキシダーゼ(GOD)との混合
溶液をスピンコーティング法により塗布されてなる。な
お、リード線29は、酵素反応層26を部分的に除去し
た後にアノード電極25に接続してもよいし、または酵
素反応層26を形成する前にリード線29を形成しても
よい。
【0015】本実施形態のグルコースセンサ21は、図
1(a)および(b)に示したように、上記した下基板
22側と上基板23側とを張り合わせることにより構成
される。なお、下基板22側と上基板23側とは、対向
する基板に対して各リード線28、29が重ならないよ
うに、互いにリード線の幅寸法程度ずらして張り合わさ
れている。この張り合わせは、スペーサ27を構成する
接着剤により行われている。なお、このグルコースセン
サ21には、リード線28、29を介して図示しない電
圧印加回路、電流測定回路、演算手段および表示手段な
どが接続されている。
【0016】図4に示すグラフは、本実施形態のグルコ
ースセンサ21を用いて、グルコース濃度が既知のグル
コース溶液を所定量ずつ滴下して、そのときアノード電
極25とカソード電極24との間に流れた電流値を順次
測定し、これから電流減少量を求め、その値をプロット
した検量線を描いたものである。なお、このときのアノ
ード電極25とカソード電極24との間に印加した電圧
は0.7Vである。
【0017】このようにして検量線を作成した後、この
検量線を作成したときと同じ条件のもとで、新たにグル
コース濃度が未知の試料液をグルコースセンサ21に極
微量(200μl)滴下した。そして、このときの電流
値減少量を求めたところ、電流減少量は50nAであっ
た。この電流減少量を図4の検量線にあてはめ、これか
ら試料液のグルコース濃度が約40mg/dlであるこ
とが求められた。したがって、この試料液のグルコース
濃度から、計算により試料液のグルコース濃度が約1g
/dlであることが確定できた。なお、図4の検量線を
示すグラフより、グルコース濃度が上昇するに伴って電
流減少量が増加することがわかる。したがって、この検
量線を用いれば、血液や尿などのグルコースを含む試料
液中の、グルコース濃度を測定することが可能となる。
なお、試料液にアスコルビン酸などの妨害物質が含まれ
ている場合、妨害物質の影響を受けることなくグルコー
ス濃度の測定が可能となった。
【0018】次に、上記した構成のグルコースセンサ2
1の操作方法およびグルコースセンサ21の作用・動作
を以下に説明する。まず、中空部分27Aの両端のどち
らか一方に試料液を滴下すると、試料液は毛細管現象に
より、中空部27Aに沿ってセンサ内部へ取り込まれて
酵素反応層26へ拡散していく。すると、酵素反応層2
6では酵素反応が起こり、試料液中のグルコースが酸化
されると同時に、過酸化水素が生成する。次に、試料液
が対向する電極間に十分入り込むのを待って、所定時間
経過後、カソード電極(対極)24を基準としてアノー
ド電極(作用極)25に例えば−0.2V程度の負の電
圧を図示しない電圧印加回路によって印加する。この電
圧印加により、対向したアノード電極25、カソード電
極間に過酸化水素の電解還元電流が流れる。電圧印加し
てから例えば5秒後の電解電流を電流測定回路により測
定する。この電流値は酵素反応によって生成する過酸化
水素量と相関があり、過酸化水素生成量はグルコース濃
度に比例するため、電流値からグルコース濃度を求める
ことができる。このとき、酵素反応層26は、ロジウム
含有カーボンペーストにGODを混合してなるアノード
電極25側に負の電圧を印加しているので、過酸化水素
の還元電流は観察されるが、例えばアスコルビン酸、尿
酸、アセトアミノフェンなどの容易に酸化されやすい物
質に起因する電流はほとんど流れない。すなわち、本実
施形態のグルコースセンサ21では、妨害電流の発生が
防止できるため、正確なグルコース濃度を測定すること
ができる。
【0019】本実施形態では、以下に説明するような効
果がある。すなわち、本実施形態では、上記したように
酵素反応層26として、GODを混合したロジウム含有
カーボンペーストが用いられているため、妨害物質の電
流を検出することなく、グルコースに起因する電流のみ
を検出するので、不純物の補正用の新たな電極を別途設
ける必要がない。このため、グルコースセンサ21の構
成が簡略化できる。具体的には、下基板22や上基板2
3に形成されるカソード電極24やアノード電極25は
それぞれの基板の表面全域に亙って形成するだけでよい
ため、形状加工が非常に簡単になる。また、酵素反応層
26もアノード電極25の略表面全域に形成すればよい
ため、スピンコーティング法などの方法を採用すること
で膜厚制御性を向上できる。さらに、スペーサ27も、
スクリーン印刷法などの手間のかからない方法で形成で
き、加えて液晶セルの製造技術を適用できるという利点
もある。また、本実施形態では、スペーサ24どうしの
間隔を短くすることにより、導入する試料液の量を微量
化することができる。
【0020】以上、実施形態1について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、構成の要旨に付
随する各種の設計変更が可能である。例えば、上記実施
形態では、酵素反応層26を、GODをロジウム含有カ
ーボンペーストに混合したものを用いてグルコース濃度
を測定するためのグルコースセンサとしたが、固定化す
る酵素を適宜選択することにより、各種成分濃度を測定
するためのバイオセンサとすることができる。また、上
記実施形態では下基板22と上基板22を幅方向にリー
ド線の幅寸法程度ずらした構成としたが、両基板を長さ
方向にずらして試料液を中空部27Aへ導入するための
試料液滴下部を備えた構成としてもよい。さらに、上記
実施形態では、スペーサ27中にビーズ状の粒体27B
を混合した構成としたが、接着剤の粘度等を調整するこ
とによりスペース設定が容易になるため、粒体27Bを
混入させない構成としてもよい。
【0021】(実施形態2)以下、本発明の実施形態2
を図5(a)、(b)、(c)を用いて説明する。図5
(a)は本実施形態のグルコースセンサ21の平面図、
図5(b)は図5(a)のD−D断面図、図5(c)は
図5(a)のE−E断面図である。なお、この実施形態
2は上記した実施形態1の変形例であるため、実施形態
1と同一部分には同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0022】本実施形態のグルコースセンサ21の特徴
は、上基板23の幅寸法を下基板22の幅寸法と略同一
とし、上基板23の長さ寸法を下基板22の長さ寸法よ
り短く設定している点である。そして、本実施形態は、
上基板23側と下基板22側とを組み合わせたときに、
下基板22側のカソード電極24が露出して、試料液を
中空部27Aの導入口付近に滴下し易くした構成として
いる。
【0023】本実施形態の具体的な構成を以下に説明す
る。まず、矩形状の下基板22の表面全域には、カソー
ド電極24が形成されている。カソード電極24表面の
一方の側縁部(図中右側)には、リード線28が接続す
るように形成されている。このリード線28の端縁は、
カソード電極24の長さ方向の中間部に位置するように
配置されている。そして、カソード電極24上における
リード線28の側方には、所定の膜厚に設定された矩形
状の2つのスペーサ27が、他方の側縁部(図中左側)
に向けて、所定間隔を介して形成されている。これらス
ペーサ27、27の間の部分は、下基板22側と上基板
23側とが組み合わせられた状態で中空部27Aとな
る。なお、スペーサ27は、本実施形態ではスクリーン
印刷法を用いて形成している。また、本実施形態では、
スペーサ27を粘性の高い接着剤のみで形成している
これらスペーサ27の上には、上基板23側が架設され
ている。上基板23側の構造としては、上基板23の下
面に、アノード電極25が全域に形成されている。ま
た、アノード電極25下面の他方の側縁部にはリード線
29が長さ方向に沿って接続・形成されている。さら
に、アノード電極25下面における、リード線29を形
成した領域およびその付近を除く領域に、全域に亙って
酵素反応層26が形成されている。本実施形態において
も、酵素反応層26は、GODを混合したロジウム含有
カーボンペーストで形成されている。そして、この酵素
反応層26が上記したスペーサ27の上面に張り合わさ
れている。なお、図4に示すように、それぞれのリード
線28、29は、他方側の基板と平面的に重なり合わな
いように、下基板22側と上基板23側とを互いに幅方
向にずらした構造となっている。
【0024】本実施形態のグルコースセンサにおける作
用を以下に説明する。すなわち、本実施形態では中空部
27Aの入口近傍に位置するカソード電極24上に試料
液を滴下させると、試料液は毛細管現象を起こして中空
部27A内に導入される。そして、試料液は酵素反応層
26を浸透してアノード電極25に到達し、試料液がカ
ソード電極24とアノード電極25との間に介在され
る。酵素反応層26では、試料液中のグルコースが酸化
されると同時に過酸化水素を生成する。この状態で、上
記実施形態1と同様の電流測定を行うことによりグルコ
ース濃度を求めることができる。本実施形態において
も、酵素反応層26として、GODを混合したロジウム
含有カーボンペーストが用いられているため、妨害物質
の電流を検出することなく、グルコースに起因する電流
のみを検出するので、補正用の新たな電極を別途設ける
必要がない。このため、グルコースセンサ21の構成を
簡略化できる。
【0025】(実施形態3)以下、本発明の実施形態3
を図6(a)、(b)、(c)を用いて説明する。図6
(a)は本実施形態のグルコースセンサの平面図、
(b)は図6(a)のF−F断面図、(c)は図6
(a)のG−G断面図である。本実施形態のグルコース
センサの特徴は、酵素反応による生成物質と発光試薬と
の反応により発生する光の量を検出することにより、試
料液中の基質(グルコース)濃度を測定することであ
る。同図中31は、グルコースセンサを示している。こ
のグルコースセンサ31は、対向する不透明基板32と
透明基板33との間に2本のスペーサ34が介在され、
不透明基板の上面略中央に酵素反応層35が形成され、
透明基板33の上面中央に酵素反応層35と対向する受
光素子36が配置され、さらに受光素子および透明基板
33を覆うように遮光膜37が形成されて、大略構成さ
れている。
【0026】具体的に説明すると、不透明基板32は、
試料液により影響を受けない、不透明材料で矩形状に形
成されている。酵素反応層35は、不透明基板32上面
の略中央に円板状に形成されている。また、この酵素反
応層35は、例えばルミノールとGODの複合酵素系を
固定化してなる。ルミノールとしては、5-アミノー2,3-
ジヒドロー1,4-フタラジンジオンまたは3-アミノフタル
酸ヒドラジドがある。なお、この酵素反応層35はスク
リーン印刷法などにより形成することができる。スペー
サ34、34は、酵素反応層35を挟むように、不透明
基板32上面における幅方向の両側に所定距離を隔て
て、それぞれ不透明基板32の長さ方向に沿って形成さ
れている。なお、スペーサ34の先端部(センサ先端
側)は不透明基板32の先端縁より少し後方(図中右
方)に位置するように設定されている。このため、不透
明基板32の先端縁側部分は、透明基板33に覆われ
ず、この前庭状の部分が試料液導入部32Aとなる。ま
た、これらスペーサ34どうしの間は試料液が導入され
る導入空間38となる。すなわち、これらスペーサ3
4、34の上には、例えばガラスでなる透明基板33が
配置されて、不透明基板32、透明基板33およびスペ
ーサ34、34で囲まれた試料液導入空間38が形成さ
れる。さらに、透明基板33上面の略中央には、酵素反
応層35と対向するように受光素子36が配置・固定さ
れている。図中36Aは、受光素子36の配線を示して
おり、図示しない電流検出手段に接続されている。そし
て、この受光素子36および透明基板33の表面を覆う
ように、例えば樹脂でなる酵素反応層35の発光を遮光
する遮光膜37が形成されている。
【0027】以下に、本実施形態のグルコースセンサ3
1の操作方法ならびに作用・動作を説明する。まず、グ
ルコースセンサ31の試料液導入部32A上に、基質
(グルコース)を含む試料液を滴下する。滴下された試
料液は、毛細管現象により試料液導入空間38に導入さ
れ酵素反応層35に速やかに到達する。酵素反応層35
は、ルミノールとGODの複合酵素系を固定化したもの
であるため、GODによりグルコースが酵素反応を経て
生成された過酸化水素がルミノールを酸化することによ
り、生成された過酸化水素量に応じた光量の光を発する
作用をもつ。この光は、透明基板33を通過して受光素
子36で検出される。この受光素子36の光検出量に応
じて、試料液中のグルコース濃度を確定することができ
る。なお、本実施形態では、スペーサ34どうしの間隔
を狭くすることにより、導入する試料液の量を少なくす
ることができ、しかも毛細管現象を促進して速やかに試
料液を導入することが可能となる。
【0028】本実施形態については、酵素反応層35を
不透明基板32と透明基板33との間で試料液を導入す
る構成であり、不透明基板32と遮光膜37とが、酵素
反応層35および受光素子36とを外部からの光から実
質的に遮光するので、受光素子が外部の光を受光するこ
とがなく酵素反応に伴う発光の光量に応じたグルコース
濃度を精度良く測定することができる。
【0029】以上、本実施形態について説明したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、構成の要旨に付
随する各種の変更が可能である。例えば本実施形態で
は、ルミノールを用いたが、他の化学発光を示す物質を
用いても勿論よい。また、本実施形態では、基質として
グルコース濃度を測定するバイオセンサとしたが、酵素
反応により過酸化水素を生成する基質であれば、他の基
質濃度を測定するバイオセンサとしてもよい。
【0030】本実施形態では、透明基板33側に遮光膜
を設けたが、透明基板33の代わりに受光素子36が検
知可能な波長域の光に対し遮光性を有する基板を適用
し、この基板の酵素反応層35側に受光素子36を設け
てもよい。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この発
明によれば、アスコルビン酸などの妨害電流を発生させ
る物質を含んだ試料液中の基質濃度の測定を高精度に行
うことができる。また、測定に必要な試料液の量が少な
く、しかも製造が容易なバイオセンサを実現する効果が
ある。また、この発明によれば、電極の数を削減し、ま
た電極構造を簡単にすることができるため、製造コスト
を削減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態1の平面図、(b)
は(a)のA−A断面図。
【図2】(a)は本発明の実施形態1の平面図、(b)
は(a)のB−B断面図。
【図3】(a)は本発明の実施形態1の平面図、(b)
は(a)のC−C断面図。
【図4】実施形態1のグルコースセンサを用いて作成し
たグルコース濃度と電流減少量との関係を示すグラフ。
【図5】(a)は本発明の実施形態2の平面図、(b)
は(a)のD−D断面図、(c)は(a)のE−E断面
図。
【図6】(a)は本発明の実施形態3の平面図、(b)
は(a)のF−F断面図、(c)は(a)のG−G断面
図。
【図7】(a)は従来のバイオセンサの平面図、(b)
は(a)のX−X断面図。
【符号の説明】
21 グルコースセンサ 22 下基板 23 上基板 24 カソード電極 25 アノード電極 26 酵素反応層 27 スペーサ 27A 中空部 31 グルコースセンサ 32 不透明基板 33 透明基板 34 スペーサ 35 酵素反応層 36 受光素子 37 遮光膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対向する一対の基板のうち、一方の前
    記基板の対向内側面の全域にカソード電極を形成し、他
    方の前記基板の対向内側面の全域にアノード電極を形成
    し、前記アノード電極の対向内側面の全域に、酵素とロ
    ジウム含有カーボンとを含んでなる酵素反応層を形成
    し、基板間に試料液を導入する細径の試料液導入空間を
    形成するスペーサが介在されていることを特徴とするバ
    イオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記スペーサは、スクリーン印刷法によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1記載のバイ
    オセンサ。
  3. 【請求項3】 前記酵素反応層は、スピンコーティング
    法により形成されていることを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載のバイオセンサ。
  4. 【請求項4】 酵素と該酵素の酵素反応に伴って発光す
    る発光材料とを含む酵素反応層が形成された該発光の波
    長域の光に対し実質的に遮光性を有する第1基板と、該
    第1基板と所定の間隔離間して配置され、前記発光材料
    の発光を受光する受光素子が設けられた第2基板と、を
    備えることを特徴とするバイオセンサ。
JP8097361A 1996-03-28 1996-03-28 バイオセンサ Pending JPH09264870A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8097361A JPH09264870A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 バイオセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8097361A JPH09264870A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 バイオセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09264870A true JPH09264870A (ja) 1997-10-07

Family

ID=14190372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8097361A Pending JPH09264870A (ja) 1996-03-28 1996-03-28 バイオセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09264870A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6893545B2 (en) 1997-09-12 2005-05-17 Therasense, Inc. Biosensor
JP2006502810A (ja) * 2002-10-18 2006-01-26 メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド 分析物センサ及びその製造法
US9234864B2 (en) 1997-02-06 2016-01-12 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US9234863B2 (en) 1998-10-08 2016-01-12 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
RU2598162C1 (ru) * 2012-09-07 2016-09-20 Цилаг Гмбх Интернэшнл Электрохимические датчики и способ их изготовления
JP2017513017A (ja) * 2014-03-12 2017-05-25 グルコベーション, インコーポレーテッドGlucovation, Inc. 電気化学センシングシステム
CN110462391A (zh) * 2017-01-31 2019-11-15 西拉格国际有限公司 测定具有干扰物的生理流体的分析物浓度

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9234864B2 (en) 1997-02-06 2016-01-12 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US8557103B2 (en) 1997-09-12 2013-10-15 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US7918988B2 (en) 1997-09-12 2011-04-05 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US6893545B2 (en) 1997-09-12 2005-05-17 Therasense, Inc. Biosensor
US7905998B2 (en) 1997-09-12 2011-03-15 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US7713406B2 (en) 1997-09-12 2010-05-11 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US7998336B2 (en) 1997-09-12 2011-08-16 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US8414761B2 (en) 1997-09-12 2013-04-09 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US7901554B2 (en) 1997-09-12 2011-03-08 Abbott Diabetes Care Inc. Biosensor
US9291592B2 (en) 1998-10-08 2016-03-22 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US9234863B2 (en) 1998-10-08 2016-01-12 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US9316609B2 (en) 1998-10-08 2016-04-19 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US9341591B2 (en) 1998-10-08 2016-05-17 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
US9891185B2 (en) 1998-10-08 2018-02-13 Abbott Diabetes Care Inc. Small volume in vitro analyte sensor
JP2006502810A (ja) * 2002-10-18 2006-01-26 メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド 分析物センサ及びその製造法
RU2598162C1 (ru) * 2012-09-07 2016-09-20 Цилаг Гмбх Интернэшнл Электрохимические датчики и способ их изготовления
JP2017513017A (ja) * 2014-03-12 2017-05-25 グルコベーション, インコーポレーテッドGlucovation, Inc. 電気化学センシングシステム
CN110462391A (zh) * 2017-01-31 2019-11-15 西拉格国际有限公司 测定具有干扰物的生理流体的分析物浓度

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100340174B1 (ko) 전기화학적 바이오센서 테스트 스트립, 그 제조방법 및 전기화학적 바이오센서
AU2008279274B2 (en) Electrochemical test strip
KR100475634B1 (ko) 일정 소량의 시료를 빠르게 도입할 수 있는 시료도입부를구비한 바이오 센서
JP4879459B2 (ja) 液体サンプルの分析のための電気化学式バイオセンサストリップ
CA2481425C (en) Disposable sensor with enhanced sample port inlet
RU2305279C2 (ru) Устройство и способ для определения концентрации восстановленной формы или окисленной формы окислительно-восстановительного вещества в жидкой пробе
JPH11352093A (ja) バイオセンサ
JPH09101280A (ja) バイオセンサ
US20050176133A1 (en) Measuring instrument for biosensor and measuring method using same
KR20030036609A (ko) 헤모글로빈 감지기
US20150241378A1 (en) Electrochemical-based analytical test strip with bare interferent electrodes
JP2008509406A (ja) 生理的又は水性の液体中の被分析物濃度を定量するための被分析物検査システム
JP2011053211A (ja) 共有する対/基準電極及び直列電極構成を備えた多検体検査ストリップ
JPH08285814A (ja) バイオセンサ
JP4184572B2 (ja) バイオセンサ
US20220134339A1 (en) Biosensor
EP1571442B1 (en) Analyser system
US9128039B2 (en) Biosensor test strip
JPH09264870A (ja) バイオセンサ
EP2781914A1 (en) Method for measuring hematocrit levels, quantitative analysis method using said measurement method, and sensor chip
US20220168727A1 (en) Biosensor for detection of analytes in a fluid
KR102083979B1 (ko) 센서 스트립 및 이를 이용한 생체 물질 측정 장치
Kim et al. Gold-film array-electrode for electrochemical ELISA
EP1918708A2 (en) Analytical test strip with electroluminescent lamp
US20210255134A1 (en) Biosensor and method for producing same