JPH09264719A - ねじ要素の測定方法および装置 - Google Patents
ねじ要素の測定方法および装置Info
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Abstract
状やピッチ、ねじ高さ、テーパ等のねじ要素を測定する
方法および装置を提供する。 【解決手段】 光学式センサ10と、光学式センサ10で測
定されたねじ形状の線図を演算・記憶する演算処理装置
20と、前記ねじ形状の線図を入力して、このねじ形状の
線図に予め記憶された接触式センサのゲージに用いられ
るコンタクトチップのイメージを仮想的に内接するよう
に重ね合わせて、その接点の座標データを所定の間隔ご
とに求め、それらの座標データからねじ要素を演算する
計算機30とで構成する。
Description
端に加工された大口径のねじの形状やピッチ、ねじ高
さ、テーパ等のねじ要素を測定する方法および装置に関
する。
ために刻み込まれるねじの検査方法として、測定子をね
じ溝に沿って移動させながら形状の判別を行う接触式ね
じ要素検査装置(以下、接触式センサと略称する)を用
いた測定方法が採用されている。
に定められている油井管のバットレスねじ、ラウンドね
じのねじ部でのリード測定とテーパ測定の原理を示した
ものである。リード測定の場合は図8(a) に示すよう
に、最初のねじ谷1aに所定の半径rのリードゲージの
コンタクトチップ2を嵌め込んで、その接点P1 ,P1
への垂直線S,Sと接点P1 ,P1 間の弦3aとのなす
角度がいずれもθ(例えばねじの角度が60°の場合はθ
=30°)となるような中心線4aの位置を求めておき、
このねじ谷1aから管軸方向に1インチ離れた位置にお
けるねじ谷1bにおける接点P2 ,P2 での弦3bと中
心線4bを求め、この中心線4a−4b間の距離Lをリ
ードとする。
する場合は、図9に示すように、ねじ部5でのA−B間
の全ねじ長さL1 に対して完全なねじ谷を有するA−C
間の長さ(L1 −g)(g;不完全ねじ長さ)において
1インチごとに測定することにより、ねじ谷のピッチを
検査するのである。また、テーパ測定の場合は図8(b)
に示すように、同様にして中心線4a−4b間が1イン
チ離れた位置のねじ谷1a,1bの弦3a,3bの高さ
の差ΔH1を求め、同様にねじの反対側でΔH2 を求
め、下記(1) 式でテーパTを得る。
およびねじの種類によって、あるいはセンサを保持する
治具によってその位置を変更する必要があるなど、測定
するのにかなりの工数がかかるという欠点がある。ま
た、接触式の機械的な手段による測定面の限界やオペレ
ータの個人差による誤差も大きいことから、精度の点で
好ましくない結果を招くことも避けられない。
光学式ねじ形状検査装置(以下、光学式センサと略称す
る)を用いてねじ要素を測定する方法が最近注目されつ
つある。この光学式センサの場合は、被測定物に光束を
照射した後にこれを撮像装置によって映像信号としてこ
れを計算機に入力することにより、被測定物の形状を測
定しようとするものである。いま、例えばねじのテーパ
を測定する場合は、ねじ谷の径に相当する区間を取り出
し、この間の径の測定値の平均値を求め、ねじ谷の径と
して算出するのである。
光学式センサでねじ要素を測定する方法では、前記した
接触式センサでのコンタクトチップとねじ表面の接触状
態の検出とは異なることから、光学式センサと接触式セ
ンサの測定値の間には差を生じることがままあり、その
ため光学式センサの測定値を接触式センサの測定値に代
えて使用することは、ねじ要素の品質管理を統一して実
施するうえで問題であった。
光学式センサを用いたネジ形状測定装置が提案されてい
る。その内容は、外周にネジが形成された円柱状の測定
対象のネジ形状測定装置において、測定対象の軸長方向
に相対移動可能な架台と、該架台に装着された測定ヘッ
ドと、前記架台と測定対象との相対位置を測定する位置
検出センサと、前記測定ヘッドに装着され、測定対象の
軸長方向に沿ってその外径を検出する光学式センサとを
備え、前記架台と測定対象とを相対移動させることによ
り前記測定ヘッドを測定対象の軸長方向に沿って移動さ
せつつ前記光学式センサにて測定対象の外径を検出し、
また前記位置検出センサにて前記架台と測定対象との相
対位置を検出し、両検出結果を関連付けることにより測
定対象のネジ形状を測定すべくなしたことを特徴とする
ものであるが、ネジ形状の認識がたとえ正確にできたと
しても、APIゲージ等による測定を再現することがで
きないため、APIゲージ等による測定値との間に差が
生じてしまうという問題が潜在していたのである。
課題を解決すべくしてなされたもので、光学式センサと
接触式センサとの測定値間の差が生じる原因を取り除
き、光学式センサの測定値を接触式センサの測定値の代
替として使用可能なねじ要素の測定方法および装置を提
供することを目的とする。
ら光をねじ溝に平行に照射してねじ面を通過する光を検
出してねじ形状を測定する光学式センサを用いてねじ要
素を測定する方法であって、前記光学式センサで測定さ
れたねじ形状の線図に接触式センサのゲージに用いられ
るコンタクトチップのイメージを仮想的に内接するよう
に重ね合わせてその接点の2次元座標データを所定の間
隔ごとに求め、それらの2次元座標データからねじ要素
を演算することを特徴とするねじ要素の測定方法であ
る。なお、所定の間隔ごとに得られる測定値から外径変
化量を演算・比較してシール部付近の異物付着の有無を
判定することができる。
する光源ランプと、この光源ランプに対向した位置に設
けられてねじ面を通過する光を検出する受光素子とから
なる光学式センサを用いてねじ要素を測定する装置であ
って、前記光学式センサで測定されたねじ形状の線図を
演算・記憶する演算処理装置と、前記ねじ形状の線図を
入力して、このねじ形状の線図に予め記憶された接触式
センサのゲージに用いられるコンタクトチップのイメー
ジを仮想的に内接するように重ね合わせて、その接点の
2次元座標データを所定の位置ごとに求め、それらの2
次元座標データからねじ要素を演算する計算機と、から
なることを特徴とするねじ要素の測定装置である。
を、また前記受光素子にCCDカメラを用いるのがよ
い。また、管端部にねじの長手方向座標の基準となる管
端位置を検出する管端位置検出器を取り付けるのがよ
い。
態について、図面を参照して詳しく説明する。図1は本
発明に係わるねじ要素測定装置の全体構成を示す概要図
であり、図2はそのA−A矢視正面図である。まず、図
1において、10は光学式センサ、20は演算処理装置、30
は計算機、40はCRTなどのディスプレイ装置、50はプ
リンタ、61は上下方向の昇降装置、62は管長手方向の駆
動装置である。
じ部5の周囲に4個のハロゲンランプなどの光源ランプ
11a,11b,11c,11dと、それらに対向した位置にそ
れぞれ4個のCCDカメラなどの受光素子12a,12b,
12c,12dとが配置される。光源ランプ11a,11b,11
c,11dからの光線は第1のレンズ13a,13b,13c,
13dで平行光とされてねじ溝に平行に照射され、ねじ面
を通過した光線は第2のレンズ14a,14b,14c,14d
によって集光されて受光素子12a,12b,12c,12dで
それぞれ受光される。15a,15bは光学式センサ10の左
右方向の移動位置を検出するマグネスケールなどの位置
検出器である。
器で、ねじの長手方向座標の基準となる管端位置P0 を
検出するものである。この管端位置検出器16は図3に示
すように、管端に形状が例えば円柱状のピース17を押し
当てて、その端面座標をCCDカメラなどの光学装置18
によって読み取って、管端位置P0 とする。なお、端面
座標を検出する際、光学装置18を管長手方向軸に対して
垂直とならないでやや斜めになるように取り付けるのが
望ましい。また、ピース17と光学装置18の数は管端円周
方向に90°配置とした4個が望ましいが、120 °配置の
3個あるいは60°配置の6個など複数配置でもかまわな
い。
12c,12dからの受光信号と位置検出器15a,15bから
の位置検出信号を入力して、ねじ部5の4箇所における
ねじ形状を例えば図4に示すように、位置検出器15a,
15bによるねじ軸方向位置xと受光素子12a〜12dによ
るねじ径方向の値yとして演算して、連続した線図を描
いて記憶する。
ねじ形状の線図に例えばリードゲージのコンタクトチッ
プのイメージを仮想的に内接するように重ね合わせた状
態をソフトウェア内でつくり出し、その接点座標からね
じ要素であるリードやテーパを求め、その結果をディス
プレイ装置40に表示させるとともにプリンタ50に出力す
る。また、この計算機30は、昇降装置61および駆動装置
62を操作して光学式センサ10の位置決めをする機能も有
する。
る。 予めAPI規格ねじおよびプレミアムジョイントねじ
の測定に用いられる接触式センサのコンタクトチップの
径(例えば表1参照)を、イメージとしてプログラム内
定数テーブルに登録しておく。
光学式センサ10がねじ軸のほぼ延長線上になるように位
置決めして、管端位置検出器16で管端位置P0 を検出し
た後最初の完全なねじ形状を測定し、その位置における
演算処理装置20で演算・記憶された線図を順次2次元座
標データ(xi ,yi )として入力し、図5に示すよう
に、径rなるコンタクトチップのイメージ2Aがねじ谷
1aに仮想的に内接するように重ね合わせて、その接点
の管端側の位置P1 (x1 ,y1 )を求める。 つぎに、駆動装置62を操作して光学式センサ10をほぼ
1インチ移動させ、その位置におけるねじ谷1bのねじ
形状を測定し、同様にしてコンタクトチップのイメージ
2Aがねじ谷1bに仮想的に内接する接点の管端側位置
P2 (x2 ,y2)を求める。 ねじの反対側において前記P1 に対応する点P3 (x
3 ,y3 )と、P2 に対応する点P4 (x4 ,y4 )を
求める。 そして、ねじ要素であるリードLおよびテーパTを下
記式(2) , (3) 式によってそれぞれ求める。
ここで、ねじ軸方向位置xを測定する際に、位置検出器
15a,15bに異物付着や摩耗、曲がりなどの異常事態に
よって測定誤差が発生する場合があるので、これを防止
するためには以下のような処置を講ずるのがよい。 イ.2個の位置検出器15a,15bの測定値Lai,L
bi(i=1,2…n)を例えば1msec毎に逐次比較し
て、両者の差Δsを算出する。
出器15a,15bの移動量の差、Se ;位置検出器15a,
15bの測定異常により生じる両者の読みの差である。 ロ.その差Δsが例えば40μm の許容値を超えたらどち
らか一方に異常が発生したとみなして測定値を無効にす
るとともに、警報を出力させる。 ハ.また、位置検出器15a,15bの測定異常によって生
じる両者の差Se の検出能を高めるために、移動量が例
えば5mm毎に(4) 式のΔsをリセットする。これによっ
て、Ce の影響を小さくすることができる。
するピース17に摩耗が生じたり異物が付着したりして誤
検出を行う場合がある。そこで、そのようなときの誤検
出を防ぐためには、図6に示すように、管端位置検出器
16で採取したデータDから最小自乗法により算出したベ
ストフィットラインBFL と個々のねじ長手方向座標の距
離X,Y,Zを測定毎にチェックし、その値が別に定め
られた許容値を超えた場合はエラーが発生したとして無
効にするのである。
管軸方向の距離(μm)で平面度を表し、Yはベストフィ
ットラインBFL とMIN 点の距離の管軸方向の距離(μm)
で摩耗度合いを表し、ZはベストフィットラインBFL と
MAX 点の距離の管軸方向の距離(μm)で異物付着を表す
指標である。また、図7に示すようなプレミアムジョイ
ントのシール部付近に異物が付着して測定精度を損なう
おそれがある。すなわち、シール部に異物付着があると
シール径DS が実際よりも大きく測定されて外径変化量
rが小さくなり、一方管端基準径DB の付近に異物付着
があると外径変化量rが大きくなる傾向があることが知
られている。そこで、異物付着のチェックを行うため
に、前出図7に示したように、各測定毎に4つの測定方
向の外径変化量r1 ,r2 ,r3 ,r4 を比較し、その
最大値rMAX と最小値rMIN の差Wを下記(5) 式で演算
する。
合、シール部付近に異物が付着したとみなして、警報を
発するようにするのである。なお、上記の説明におい
て、光源ランプと受光素子を組み合わせたものを4組用
いるとして説明したが、本発明はこれに限るものではな
く、少なくとも1組を用いることによって実現すること
が可能である。
測定したときの測定値の接触式センサでの測定値(基準
値)との差の平均およびその標準偏差を表2に示した。
このとき、光源ランプ11a〜11dにはハロゲンランプを
用い、受光素子12a〜12dにはCCDカメラを用いた。
なお、比較のために、従来の光学式センサでのそれぞれ
のデータも併せて示した。
均が従来法に比較して1/3と大きく減少しており、測
定誤差の軽減に寄与することは明らかである。なお、上
記の実施例ではラウンドねじのリード測定について述べ
たが、本発明はそれに限るものではなく、バットレスね
じやその他のプレミアムジョイントねじなどのテーパや
ねじ山高さ、シール部外径などの測定にも用いることが
できることはいうまでもない。
従来の接触式センサで実施されているねじ要素測定方法
を光学式センサに取り入れて、ねじ形状に例えばリード
ゲージのコンタクトチップを仮想的に内接させた状態を
ソフトウェア内でつくり出してリードやテーパ等のねじ
要素を求めるようにしたので、光学式センサを用いても
誤差の少ない測定を行うことができる。また、API規
格ねじばかりでなく、特殊なプレミアムジョイントねじ
等のねじ要素を測定することができるから、検査作業の
効率化や省力化を実現することが可能である。
ある。
る。
る。
る。
ーパの測定原理の説明図である。
定の説明図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 光源ランプから光をねじ溝に平行に照射
してねじ面を通過する光を検出してねじ形状を測定する
光学式センサを用いてねじ要素を測定する方法であっ
て、 前記光学式センサで測定されたねじ形状の線図に接触式
センサのゲージに用いられるコンタクトチップのイメー
ジを仮想的に内接するように重ね合わせてその接点の2
次元座標データを所定の間隔ごとに求め、それらの2次
元座標データからねじ要素を演算することを特徴とする
ねじ要素の測定方法。 - 【請求項2】 所定の間隔ごとに得られる測定値から外
径変化量を演算・比較してシール部付近の異物付着の有
無を判定することを特徴とする請求項1記載のねじ要素
の測定方法。 - 【請求項3】 光をねじ溝に平行に照射する光源ランプ
と、この光源ランプに対向した位置に設けられてねじ面
を通過する光を検出する受光素子とからなる光学式セン
サを用いてねじ要素を測定する装置であって、 前記光学式センサで測定されたねじ形状の線図を演算・
記憶する演算処理装置と、前記ねじ形状の線図を入力し
て、このねじ形状の線図に予め記憶された接触式センサ
のゲージに用いられるコンタクトチップのイメージを仮
想的に内接するように重ね合わせて、その接点の2次元
座標データを所定の位置ごとに求め、それらの2次元座
標データからねじ要素を演算する計算機と、からなるこ
とを特徴とするねじ要素の測定装置。 - 【請求項4】 前記光源ランプにハロゲンランプを、ま
た前記受光素子にCCDカメラを用いることを特徴とす
る請求項3記載のねじ要素の測定装置。 - 【請求項5】 管端部にねじの長手方向座標の基準とな
る管端位置を検出する管端位置検出器を取り付けたこと
を特徴とする請求項3または4記載のねじ要素の測定装
置。
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