JPH09259903A - 固体高分子型燃料電池用加湿部材の製造方法 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用加湿部材の製造方法

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JPH09259903A
JPH09259903A JP8087638A JP8763896A JPH09259903A JP H09259903 A JPH09259903 A JP H09259903A JP 8087638 A JP8087638 A JP 8087638A JP 8763896 A JP8763896 A JP 8763896A JP H09259903 A JPH09259903 A JP H09259903A
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JP
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humidifying member
sheet
porosity
resin solution
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Tadashi Kaneko
忠司 金子
Mitsuo Enomoto
三男 榎本
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Tokai Carbon Co Ltd
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Tokai Carbon Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池用加湿部材として好適
な気孔性状を備え、優れた加湿性能を発揮する加湿部材
の製造方法を提供する。 【解決手段】 太さ0.5 〜3 デニール、長さ 3mm以下の
単一性状を有するαセルロースを主成分とする熱揮散性
パルプ繊維65〜90重量部と針葉樹パルプ10〜35重量部を
混合抄紙してシート化し、該シートに炭化率が40重量%
以上の熱硬化性樹脂溶液を樹脂成分が 5〜30重量%とな
る量比で含浸付着させ、乾燥後所定の厚さに積層して熱
圧下にプレス成形したのち、焼成炭化処理する。熱硬化
性樹脂溶液の濃度は有機溶媒に対して 5〜20重量%に、
またプレス成形時の負荷圧力は 3〜70kg/cm2の範囲に設
定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部加湿型の構造
を有する固体高分子型燃料電池のセルを構成する多孔質
カーボンからなる加湿部材、特に優れた加湿性能を発揮
する気孔性状を備えた固体高分子型燃料電池用加湿部材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、例えばスルホ
ン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜のような高分
子イオン交換膜からなる電解質を中心に、その両面に触
媒電極を配置させ、更にその両側面に多孔質カーボン板
を接合してセルを構成し、各セルをセパレータを介して
積層することによりスタックが形成されている。電池の
発電機構は、セルのアノード側に供給された水素(燃
料)とカソード側に供給された酸素(酸化剤)とが、下
記の反応によって生ずる電子(e- )の流れを電気エネ
ルギーとして外部に取り出すものである。 アノード:H2 →2H+ +2e- カソード:1/2O2 +2H+ +2e- →H2 O 全反応 :H2 +1/2O2 →H2
【0003】すなわち、アノードで生成したH+ は電解
質膜を介して水(xH2 O)とともにカソード側へ移動
し、カソードにおいて酸素(O2 )と反応してH2 Oを
生成する。この反応を円滑に進行させるためには、電解
質膜を適度な湿潤状態に保持する必要があり、通常、燃
料および酸化剤に電池の運転温度に近い温度の飽和水蒸
気を含ませて、加湿することにより湿潤状態を維持して
いる。
【0004】この加湿部材には導電性の優れた親水性の
多孔体、例えば親水性多孔質カーボン材が用いられてお
り、多孔質カーボン材の微細気孔による毛細管現象を利
用してアノードに水を供給している。したがって、多孔
質カーボン材の気孔性状は、安定して均等に加湿した
り、電池の負荷変動に追従して加湿を行うなど、加湿部
材として有効に機能するために極めて重要である。
【0005】多孔質カーボン材の製造技術としては、粒
度を揃えたコークス粉をタールピッチのような炭化性バ
インダーとともに捏合したのち粉砕、成形および焼成炭
化する方法が古くから知られているが、均質、安定な気
孔性状を付与することが難しい上に、導電性や材質強度
が低いという難点がある。
【0006】また、炭素繊維をパルプおよびバインダー
成分とともに抄紙して得られる炭素繊維混合シートに熱
硬化性樹脂液を含浸させたのち焼成炭化する方法(特開
昭50−25808 号公報)は気孔径、気孔率や嵩密度などの
制御が難しく、更に高価な炭素繊維を用いる欠点があ
る。このため、高価な炭素繊維に代えてその原料となる
有機繊維を使用し、これにパルプ、炭素質粉末などを配
合して抄紙したシートに有機高分子物質あるいは炭素質
粉末を懸濁させた有機高分子物質を含浸したのち焼成処
理する方法(特開昭61−236664号公報、同61−236665号
公報)が提案されている。しかし、この方法では組織内
に局部的に閉塞された空隙部分が多く形成されるため、
均質で制御された気孔構造を得ることが困難である。こ
のほか、特開昭62−223012号公報には膨張黒鉛を骨材と
して含有する多孔質炭素製品が開示されているが、前記
技術と同様に均質かつ制御された気孔構造が得難い欠点
がある。
【0007】本出願人は、先に良好な気孔性状と高強度
特性を兼備するポーラスカーボン材の製造技術として、
αーセルロースを主成分とする熱揮散性物質を抄紙して
シート化する工程と、シートに残炭率40%以上の熱硬
化性樹脂溶液を含浸する工程と、含浸処理後のシートを
50〜150℃の温度で半硬化する工程と、半硬化シー
トを積層して全面を均一加熱しながらシート厚さが70
〜20%になるように圧縮する工程と、圧縮シートを非
酸化性雰囲気下で800℃以上の温度で焼成炭化する工
程からなる方法を開発し、提案した(特開平3−183672
号公報)。
【0008】また、熱および電気伝導性に優れた多孔質
カーボン材を得る方法として、α−セルロースを主成分
とする有機質物60〜90重量部、水溶性抄紙バインダ
ー10〜40重量部に鱗片状膨張黒鉛5〜40重量部を
添加して水に分散し、これを抄紙してシート状に成形し
たのち残炭率40%以上の熱硬化性樹脂溶液に浸漬処理
し、処理後のシートを半硬化状態で積層成形し、ついで
成形体を非酸化性雰囲気下で800℃以上の温度により
焼成炭化する方法を開発した(特開平5−43350 号公
報)。
【0009】更に、小さい気孔径と高い気孔率を備えた
多孔質カーボン材の製造方法として炭素質粉末及び/又
は炭化率40%以上の有機粒状物質100重量部に対し
て、α−セルロースを主成分とする有機繊維および針葉
樹パルプ15〜50重量部、微細繊維状セルロース4〜
20重量部をそれぞれ添加して水に分散し、抄紙してシ
ート状に成形したのち残炭率40%以上の熱硬化性樹脂
溶液を含浸し、半硬化の状態で積層して熱圧プレスによ
り成形し、得られた成形体を非酸化性雰囲気下で800
℃以上の温度により焼成炭化する方法を開発、提案した
(特願平6−221102号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によれば
良好な多孔性状と高強度の多孔質カーボン材が得られる
が、上記した特開平3−183672号公報および特開平5−
43350 号公報の方法により製造される多孔質カーボン材
の気孔性状は平均気孔径が50μm 前後であり、気孔率
も60%を越え、また、特願平6−221101号の方法では
平均気孔径が5μm 以下の微細気孔のものが得られる
が、気孔率は50%以上であり気孔率の高い気孔性状の
ものである。
【0011】本発明者らは、固体高分子型燃料電池の加
湿部材として好適な多孔質カーボン材の気孔性状につい
て研究を進めた結果、加湿部材に適した水分保持および
水分透過の機能を保持させるためには、小気孔径の開気
孔が多数存在することが有効であり、特に平均気孔径が
10μm 以下、開気孔率が20〜50%の気孔性状を備
えていることが必要であることを確認した。そして、こ
れらの気孔性状は用いる有機質繊維の形状、含浸する熱
硬化性樹脂溶液の濃度および含浸量、プレス成形時の成
形圧力などの条件を設定制御することによって得られる
ことを見出した。
【0012】本発明は、上記の知見に基づいて完成した
ものであり、その目的は固体高分子型燃料電池の加湿部
材として好適な気孔性状を有する多孔質ガラス状カーボ
ンからなる加湿部材の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の固体高分子型燃料電池用加湿部材の製造方
法は、太さ0.5〜3デニール、長さ3mm以下の単一性
状を有するα−セルロースを主成分とする熱揮散性パル
プ繊維65〜90重量部と針葉樹パルプ10〜35重量
部を混合抄紙してシートを形成し、該シートに炭化率4
0重量%以上の熱硬化性樹脂溶液を樹脂成分が5〜30
重量%となる量比で含浸付着させ、ついで含浸シートを
乾燥後、所定の厚さに積層して熱圧下でプレス成形して
硬化したのち、非酸化性雰囲気中800℃以上の温度で
焼成炭化処理することにより多孔質ガラス状カーボン化
することを構成上の特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用する有機質繊維に
は、太さ0.5〜3デニール、長さ3mm以下の単一性状
を有するα−セルロースを主成分とする熱揮散性パルプ
繊維が用いられる。熱揮散性パルプ繊維は焼成炭化時に
揮散するとともに、その周囲に付着した樹脂成分が炭化
収縮する際にオープンポアを形成するのに有効機能し、
20%以上の気孔率を確保するためにはα−セルロース
が90%以上であることが好ましい。また、小気孔径化
を図るためには熱揮散性パルプ繊維は微細形状であるこ
とが必要であり、パルプ繊維の繊維径は太さ0.5〜3
デニール、繊維長は3mm以下のものが用いられ、これら
の熱揮散性パルプ繊維は抄紙成形性や気孔構造の変動を
防止するために単一性状であることが必要である。
【0015】熱揮散性パルプ繊維は抄紙してシート成形
体にするが、抄紙成形性および気孔性状を確保するため
にアカマツ、エゾマツ、トドマツ、カラマツ、モミ、ツ
ガ等の針葉樹パルプと混合抄紙する。混合割合は熱揮散
性パルプ繊維65〜90重量部に対し、針葉樹パルプ1
0〜35重量部の範囲で適宜設定され、針葉樹パルプの
割合が10重量部を下回ると抄紙したシートの強度が低
下し、また35重量部を越えると気孔性状の確保が困難
となる。
【0016】シート成形体にはフェノール樹脂、フラン
樹脂、ポリイミド樹脂、ジビニルベンゼン樹脂等の残炭
率が40重量%以上の熱硬化性樹脂を有機溶媒に溶解し
た熱硬化性樹脂溶液が含浸される。有機溶媒にはメタノ
ール、エタノール等のアルコール系やアセトンが用いら
れ、熱硬化性樹脂溶液の濃度は5〜20重量%の範囲に
設定される。樹脂溶液の濃度は気孔性状を確保する上で
重要であり、樹脂溶液の濃度が20重量%を越えると熱
圧成形時に閉塞気孔が形成され易く有効な開気孔が少な
くなり、また5重量%を下回る樹脂濃度では熱圧成形時
の成形圧力を高くしても気孔率が大きくなり、強度の低
下や電気抵抗が増大する。
【0017】シート成形体に含浸する熱硬化性樹脂溶液
の含浸量は、付着する樹脂成分が5〜30重量%の範囲
となるように設定することが必要である。樹脂含浸量が
多いと閉塞気孔が形成され、また熱圧成形時に樹脂成分
がシート成形体の外周囲部に流出して気孔構造が不均一
化するためである。一方、樹脂含浸量が少ない場合には
焼成炭化処理後の多孔質カーボン成形体の強度が低下す
る。したがって、含浸付着する樹脂成分は5〜30重量
%の範囲に設定される。
【0018】熱硬化性樹脂溶液を含浸したシートは乾燥
後、所定の厚さに積層して熱圧下でプレス成形すること
により含浸シートの層間が充分に接着され、積層体の強
度が保持される。この場合、多孔質カーボン材の平均気
孔径を10μm 以下および気孔率を20〜50%の気孔
性状とするためにプレス成形時の負荷圧力を3〜70kg
/cm2の範囲に設定することが必要である。負荷圧力が3
kg/cm2未満では平均気孔径が大きくなり、また気孔率が
高くなるためである。一方、負荷圧力が70kg/cm2を越
えると気孔率が低下し、目標とする気孔性状の多孔質カ
ーボン材が得られない。負荷圧力は3〜70kg/cm2の範
囲で、使用する熱揮散性パルプ繊維の形状、熱硬化性樹
脂溶液の樹脂濃度および樹脂含浸量などに基づいて設定
し、硬化処理される。なお、プレス成形時の温度は70
〜200℃の範囲が好ましく、硬化処理後の成形体の嵩
密度は0.75〜1.15g/cm3 の範囲に調整される。
【0019】ついで、この積層成形された成形体は、常
法により窒素、アルゴン、二酸化炭素などの非酸化性雰
囲気中で800℃以上の温度、好ましくは1200℃以
上の温度により焼成炭化処理することにより多孔質カー
ボン材が製造される。
【0020】このようにして、例えば比較的平均気孔径
を大きくする場合には繊維径の大きな熱揮散性パルプ繊
維を用いてプレス成形圧を小さく設定し、また平均気孔
径を小さくする時は繊維径を小さくするとともにプレス
成形圧を低く設定することにより、平均気孔径の調整が
可能となる。また、開気孔率の比較的大きなものを得る
場合には樹脂含浸量を少なくしてプレス成形圧を小さく
設定し、逆に開気孔率を小さくするためには樹脂含浸量
を多く、プレス成形圧を高く設定することにより開気孔
率を制御することができ、固体高分子型燃料電池用加湿
部材として好適な気孔性状を備えた多孔質カーボン材を
製造することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0022】実施例1〜6、比較例1〜4 太さおよび長さの異なるレーヨンパルプ〔大和紡績
(株)製〕と針葉樹パルプ(NBKP)とを、混合割合
を変えて水中にて混合して均一な分散液を調製し、長網
式抄紙機を用いて抄紙成形して、縦横300mm、厚さ
0.25mmのシートを作成した。残炭率45%のフェノ
ール樹脂〔住友デュレズ(株)製PR940〕をアセト
ンに溶解して樹脂濃度の異なるフェノール樹脂溶液を調
製し、上記のシートを浸漬して異なる量比で樹脂を含浸
した。風乾してアセトンを除去したのち、シートを積層
して、温度140℃で負荷圧力を変えてプレス成形する
ことにより縦横300mm、厚さ3.5mmの成形体を得
た。この成形体を、表面が平滑な黒鉛板に挟んだ状態で
電気炉に入れ、窒素雰囲気中で1500℃の温度により
焼成炭化処理して多孔質カーボン材を製造した。この製
造条件を表1、表2に示した。
【0023】比較例5 レーヨンパルプに代えてPAN繊維(太さ3デニール、
長さ3mm)80重量部と針葉樹パルプ(NBKP)20
重量部を混合抄紙して縦横300mm、厚さ0.25mmの
シートを作成し、濃度10重量%のフェノール樹脂溶液
を10重量%の量比で含浸した。このシートを積層し、
温度140℃、負荷圧力30kg/cm2の負荷圧力でプレス
成形して縦横300mm、厚さ3.5mmの成形体を得た。
この成形体を実施例と同一の方法により焼成炭化処理し
て、多孔質カーボン板を製造し、製造条件を表2に併載
した。
【0024】比較例6 ピッチ系炭素繊維〔呉羽化学工業(株)製C−103
T、太さ15μm 、長さ3mm)を用いたほかは、比較例
5と同一の方法により多孔質カーボン板を製造して、製
造条件を表2に併載した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 (表注) * シート原料はPAN繊維を使用。 ** シート原料はピッチ系炭素繊維(太さ15μm)を使用。
【0027】このようにして製造された多孔質カーボン
材について各種の特性を測定し、その結果を表3に示し
た。なお、平均気孔径および開気孔率は水銀圧入法によ
り、また嵩密度はJIS R7222、曲げ強度はJI
S K6911、固有抵抗は電圧降下法によりそれぞれ
測定した。また、嵩密度から算出される気孔率と水銀圧
入法によって測定される開気孔率とから、下記式により
閉塞気孔率を算出し、その結果を表3に併載した。 閉塞気孔率=1−(水銀圧入法による開気孔率/嵩密度
から求めた気孔率)
【0028】
【表3】
【0029】表1、表2および表3の結果から、実施例
の多孔質カーボン材は平均気孔径が10μm 以下と小さ
い上に開気孔率も適正なレベルにあり、また曲げ強度も
高く、固有抵抗が低いなど強度や電気伝導性にも優れて
いることが判る。更に、閉塞した気孔が極めて少なく、
大部分の気孔は連続した開気孔であり、加湿部材として
好適な気孔性状を備えていることが認められる。
【0030】なお、フェノール樹脂溶液の濃度が低く、
樹脂含浸量も少ない比較例4の多孔質カーボン材は曲げ
強度の低下が大きく、積層したシートの層間に割れが発
生した。また、炭素繊維を用いた比較例6では焼成炭化
処理後に著しい膨れが生じてひび割れが起こっていた。
【0031】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば平均気孔
径が10μm 以下および開気孔率が20〜50%で、閉
塞気孔が少ない優れた気孔性状を備えるとともに強度特
性や電気伝導性の良好な多孔質カーボン材を製造するこ
とができ、固体高分子型燃料電池用加湿部材の製造方法
として極めて有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太さ0.5〜3デニール、長さ3mm以下
    の単一性状を有するα−セルロースを主成分とする熱揮
    散性パルプ繊維65〜90重量部と針葉樹パルプ10〜
    35重量部を混合抄紙してシートを形成し、該シートに
    炭化率40重量%以上の熱硬化性樹脂溶液を樹脂成分が
    5〜30重量%となる量比で含浸付着させ、ついで含浸
    シートを乾燥後、所定の厚さに積層して熱圧下でプレス
    成形して硬化したのち、非酸化性雰囲気中800℃以上
    の温度で焼成炭化処理することにより多孔質ガラス状カ
    ーボン化することを特徴とする固体高分子型燃料電池用
    加湿部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂溶液の濃度を、有機溶媒に
    対して5〜20重量%に設定する請求項1記載の固体高
    分子型燃料電池用加湿部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 プレス成形時の負荷圧力を、3〜70kg
    /cm2に設定する請求項1又は2記載の固体高分子型燃料
    電池用加湿部材の製造方法。
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