JPH09258792A - 雑音低減方法および装置 - Google Patents

雑音低減方法および装置

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JPH09258792A
JPH09258792A JP8068548A JP6854896A JPH09258792A JP H09258792 A JPH09258792 A JP H09258792A JP 8068548 A JP8068548 A JP 8068548A JP 6854896 A JP6854896 A JP 6854896A JP H09258792 A JPH09258792 A JP H09258792A
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昭二 牧野
Yutaka Kaneda
豊 金田
Junji Kojima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 聴感上の音質の劣化が少ない雑音低減方法お
よび装置を提供することである。 【解決手段】 入力信号15はディジタル信号に変換さ
れた後、周波数帯域分割部22で複数の帯域に分割され
る。その後、入力信号パワー計算部24で入力信号の平
均パワーレベルが計算され、これと並行して雑音パワー
計算部31で雑音パワーの推定が行われる。次いで、損
失値計算部32において、平均パワーレベルと雑音パワ
ーとから帯域信号中に占める各帯域毎の雑音の比率を求
め、この比率に基づいて帯域毎の損失値を求める。次い
で、損失値挿入部33において前記損失値を挿入し、雑
音の低減した帯域出力信号を得た後、これを時間領域変
換部28で時間領域に変換し、次いで、アナログ信号に
変換し、雑音の低減した出力信号を得る構成を特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声会議装置、TV会
議装置等の音声/音響装置等において、目的となる信号
と不要な雑音等の信号が混在する入力信号から、雑音を
低減した信号を出力する雑音低減方法および装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】音声会議、TV会議等の拡声通話系で
は、マイクロホンで受音し、相手側に送出される送話信
号に、目的となる音声以外の周囲雑音が混入すると、音
声の明瞭性が損なわれ通話品質が著しく劣化する。この
ため、送話信号に含まれる目的音声以外の周囲雑音を低
減することが強く求められている。
【0003】雑音低減方法とは、目的となる音声信号と
不要な周囲雑音等の信号が混在する入力信号から、雑音
を低減した信号を出力する技術である。
【0004】図6は、収音システムを示すもので、これ
を用いて従来の雑音低減方法および装置を説明する。1
1はマイクロホン、12はこのマイクロホン11から離
れた位置にある発声者、13はこの発声者12の発声し
た目的とする音声信号、14は空調音等の不要な周囲雑
音、15は前記マイクロホン11において受音された雑
音低減装置への入力信号、16は雑音低減装置、17は
前記雑音低減装置16の出力信号を示す。本明細書にお
いては、信号の時間表現は離散時間を表す整数値nを用
いて、例えばX(n) と表わす。
【0005】今、音声信号13をS(n) 、周囲雑音14
をN(n) 、雑音低減装置16への入力信号15をX(n)
、雑音低減装置16の出力信号17をY(n) とする
と、雑音低減装置16への入力信号X(n) には、目的と
なる音声信号S(n) 以外に周囲雑音N(n) が混入してい
る。すなわち
【0006】
【数1】 と表わされる。この時、入力信号X(n) 中の周囲雑音N
(n) を低減し、目的となる音声信号S(n) に近い信号を
出力信号Y(n) として取り出す装置を雑音低減装置16
と呼ぶ。
【0007】図7は、スペクトラムサブトラクション法
と呼ばれ、音声認識の分野で従来使用されている方法を
示すブロック図で、これを用いて従来の雑音低減方法を
説明する。図7では図6と同一の要素には共通の記号を
用いた。21はA/D変換部、22は周波数帯域分割
部、23は雑音判別部、24は入力信号パワー計算部、
25は入力信号位相計算部、26は雑音パワー計算部、
27は減算部、28は時間領域変換部、29はD/A変
換部を示す。
【0008】まず、マイクロホン11により受音され
た、目的信号と不要な雑音等の混入する入力信号15を
A/D変換部21においてデジタル化し、周波数帯域分
割部22と雑音判別部23に転送する。周波数帯域分割
部22では、転送された信号が複数の周波数帯域に分割
される。周波数帯域への分割は、例えば離散的フーリエ
変換等を用いて行う。ここで、帯域分割された信号は一
般に複素数であるが、分割方法によっては実数となる場
合もある。ここでは、一般的に複素数を仮定して議論す
るが、実数の場合も同じ議論が可能である。周波数帯域
に分割されたk番目の周波数帯域の信号を
【0009】
【数2】 とすると、Xk(n)は、入力信号パワー計算部24,入力
信号位相計算部25,雑音パワー計算部26に転送され
る。入力信号パワー計算部24では、入力信号のパワー
レベル
【0010】
【数3】 が入力信号位相計算部25では位相
【0011】
【数4】 が計算される。その後PX,k(n)は減算部27に転送さ
れ、Φk(n)は時間領域変換部28に転送される。一方、
雑音判別部23ではA/D変換部21から転送されてき
たX(n) に対して、まずパワーレベル
【0012】
【数5】 が計算される。次に例えば予め決められたしきい値Pth
に対し、
【0013】
【数6】 の判定が行われ、条件式を満たした場合には、雑音であ
ると判別する。雑音パワー計算部26では、雑音判別部
23において入力信号が雑音であると判定された時の
み、雑音のパワーレベルを
【0014】
【数7】 として計算し、その時間平均PavN,k(n)を減算部27
に転送する。時間平均は、例えば
【0015】
【数8】 と計算される。ここでγm は例えば、
【0016】
【数9】 と表わされるような指数重みづけの係数で(γ<1)、
Aは
【0017】
【数10】 となる正規化のための定数である。減算部27では、入
力信号パワー計算部24および雑音パワー計算部26か
ら転送されてきたPX,k(n),PavN,k(n)を用いて
【0018】
【数11】 を計算する。PY,k(n)は時間領域変換部28に転送さ
れ、入力信号位相計算部25から送られてきたΦk(n)を
用いて、
【0019】
【数12】 に変換され、全帯域信号に合成される。この結果を、D
/A変換部29でアナログ信号にして雑音を低減した出
力信号17のY(n) を出力する。
【0020】この方法は、目的信号となる音声信号と不
要な雑音等の混入する入力信号15に含まれる目的音の
パワーをPS 、不要音のパワーをPN とした時、
【0021】
【数13】 で定義されるS/N比が25dB程度以上ある場合に
は、効果的に雑音を低減できる。しかし、S/N比が2
0dB程度以下の場合には、雑音は低減されるが、それ
に伴い音声信号の歪みが生じる。これは、このスペクト
ラムサブトラクション法が帯域に分割された信号の段階
で引き算という非線形な処理を施していることに起因す
る。
【0022】一方、音声の歪みを少なくするために、計
測された雑音レベルよりも低い値を用いて減算した場
合、例えば雑音パワー計算部26において推定されたP
avN,k(n)に対して
【0023】
【数14】 を行った後PavN,k(n)を減算部27に転送し減算を行
った場合には雑音を低減しきれず、雑音低減装置16の
出力信号17のY(n) の消し残された雑音が時間的に変
化するために聴感上好ましくない音をたてる。すなわ
ち、スペクトラムサブトラクション法では、処理後の出
力信号が減算量によらず、聴感上好ましくなくなってし
まうという問題がある。このため、音声会議装置・TV
会議装置等、受聴を目的とし音質が重要である収音にお
いては、この方法をそのまま適用することはできない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】周囲雑音が混入した入
力信号の雑音を低減する方法として雑音の振幅分を音声
信号から減算する従来の方法では、減算量が大きいと音
声の歪みが大きくなり、減算量が小さいと引き残された
雑音が時間的に変化するために聴感上好ましくない音を
たてるという問題があった。
【0025】本発明の目的は、聴感上の音質の劣化が少
ない雑音低減方法および装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる雑音低減
方法および装置は、目的となる音声信号と周囲雑音など
の混在したマイクロホンでの受音信号を複数の帯域に分
割し、各々の帯域別の信号に対し雑音パワーを推定し、
推定された雑音パワーと実際に入力されてきた入力信号
パワーとを比較して、音声信号と雑音信号の比率を推定
し、これに基づいて入力信号に損失を与えることによっ
て、雑音を抑圧する手法である。
【0027】損失値は、音声信号と雑音信号の比率の推
定値に基づいて値を決定した後、帯域間での平均化およ
び過去の損失値との間での平均化を行ったものを用い
る。
【0028】また、雑音パワーの推定には、入力信号の
パワーレベル分布のヒストグラムを用いる。音声信号
は、パワーレベルの変動が大きく、分布にばらつきがあ
るが、定常雑音は、パワーレベル値がほぼ一定であるた
め、パワーレベル分布のヒストグラムをとると、雑音平
均レベル位置に強いピークが立つ。本発明では、この性
質を用いて、ヒストグラムのピーク区間を検出し雑音の
パワーを推定する。
【0029】
【作用】本発明は、次のような特徴をもつ。まず、帯域
に分割して処理することによって、一部の帯域で損失挿
入の判別誤りが起こっても全体的な影響が小さい。ま
た、減算という非線形処理を用いた従来のスペクトラム
サブトラクション法に対し、損失の挿入という線形が処
理を与えるため、信号に対する歪みが少ない。また、音
声の立ち上り部分や立ち下がり部分等では、音声のパワ
ーが短時間に激しく変動するため、音声信号と雑音信号
の比率も大きく変化し、それに伴い平均前の損失値は激
しく変わる。その結果、この損失値を用いると処理後の
信号に不連続感が生じる。本発明では、損失値を帯域お
よび時間で平均化して与えることで、この不連続感を解
消している。また、雑音の混入寄与率の計算に必要であ
る雑音パワー推定には、ヒストグラムを用いることで、
音声と雑音の混在する区間でも雑音パワーの推定が可能
である。
【0030】
【実施例】図1は、本発明にかかる雑音低減装置の一実
施例の構成を示すブロック図であり、これを用いて、本
発明の処理手順を説明する。図6,図7と同じものにつ
いては共通の記号を用いた。図1において、31は雑音
パワー推定部、32は損失値計算部、33は損失挿入部
を示す。
【0031】その動作について説明する。まず、マイク
ロホン11により受音された、目的信号と不要な雑音等
の混入する入力信号15をA/D変換部21においてデ
ジタル化し、周波数帯域分割部22に転送する。周波数
帯域分割部22では、転送された信号が周波数帯域に分
割される。分割された各帯域信号は、入力信号パワー計
算部24,雑音パワー推定部31,損失挿入部33に転
送される。以降、k番目の帯域信号をXk(n)として、X
k(n)に対する処理の流れを説明する。
【0032】入力信号パワー計算部24では、転送され
てきた帯域信号Xk(n)のパワーレベル
【0033】
【数15】 を計算する。次にパワーレベルPX,k(n)を予め定められ
た時間について平均し、Pavx,k(n)として損失値計算
部32に転送する。時間平均は、例えば
【0034】
【数16】 と計算される。ここでγm は例えば、
【0035】
【数17】 と表わされるような指数重みづけの係数で(γ<1)、
Aは
【0036】
【数18】 となる正規化のための定数である。この平均時間mが短
すぎると音声・雑音の判別の時間的な変動が大きくな
る。また長すぎると、時間的な変動に対する追従性能が
悪くなる。平均時間としては、例えば0.5〜1mse
cをとる。
【0037】雑音パワー推定部31では転送されてきた
帯域信号Xk(n)を用いて雑音パワーPavN,k(n)の推定
が行われる。雑音パワー推定部31については、処理の
流れ図を図2に示した。詳しい処理の説明はこの図を用
いて行う。なお、図2中のS21〜S23は各ステップ
を示す。
【0038】まずステップS21において、転送されて
きたXk(n)のパワーレベルPX,k(n)を(12)式の計算
式を用いて計算する。次にパワーレベルPX,k(n)を予め
決められた時間について平均し、Pav´x,k(n)とす
る。Pav´x,k(n)の平均時間m´は、入力信号パワー
計算部24におけるPavx,k(n)の平均時間mに比べ
て、長くすることが望ましいが、平均時間が長すぎると
雑音の変動に追従しなくなる。例えば数msecをと
る。次にステップS22でPav´x,k(n)のレベル分布
のヒストグラムをとる。つまりPav´x,k(n)が属する
パワー区間の数を1加算、すなわち
【0039】
【数19】 を行う。int(*)は小数点以下を切り捨て整数化す
ることを示す。更にステップS23でヒストグラムh
k(i)のピーク区間が検出され記憶される。すなわち前後
の値に対して
【0040】
【数20】 となるiを求める。このiの中で最も小さなiを雑音パ
ワーPavN,k(n)とする。この雑音パワーPavN,k(n)
は損失値計算部32に転送される。
【0041】損失値計算部32では、入力信号パワー計
算部24で計算されたPavx,k(n)および雑音パワー推
定部31で推定された雑音パワーPavN,k(n)を用いて
損失値が計算される。損失値計算部32については、処
理の流れ図を図3に示した。詳しい処理の説明はこの図
を用いて行う。
【0042】まず、ステップS31において雑音パワー
PavN,k(n)に予め定められたマージンPthを加えた値
をしきい値PN ',k(n) とする。すなわち
【0043】
【数21】 とする。ここで、マージンPthが小さすぎると効果が小
さくなり、大きすぎると不連続感が出る。例えば、マー
ジンPthとしては、5×PavN,k(n)をとる。次に、ス
テップS32においてPavX,k(n)とPav´N,k(n)の
比較を行い、PavX,k(n)がPav´N,k(n)より小さい
場合には損失値を1より小さく、等しいかあるいは大き
い場合には損失値を1に設定する。
【0044】
【数22】 その後ステップS33において、ステップS32で決定
した損失値Lk(n)に対して、近隣の帯域の損失値、例え
ばLk-2(n),Lk-1(n)……,Lk+2(n)で平均化し、各帯
域間の差を少なくする。また、過去の損失値Lk(n-1),
k(n-2)……を用いて、例えば30msec程度の時間
で損失量を平均化する。この平均化の時間が短いと、損
失値が時間的に変動して不連続感が生じる。平均化によ
って得られた値を新たにLk(n)とし、損失挿入部33に
転送する。
【0045】損失挿入部33では、損失値計算部32に
おいて計算された損失値Lk(n) を用いて損失制御を行
う。すなわち周波数帯域分割部22より転送されてきた
帯域信号Xk(n)に対して、
【0046】
【数23】 を行い雑音を低減した帯域出力Yk(n)を出力する。帯域
出力Yk(n)は時間領域変換部28に転送され、時間領域
に変換される。この結果を、D/A変換部29でアナロ
グ信号にして雑音を低減したY(n) の出力信号17を出
力する。
【0047】なお、上記の説明では、図1の各部はハー
ド的に示したが、これらはコンピュータプログラムによ
りソフト的に構成できる。したがって、請求項の記載に
おいては部にかえて手段で表現してある。
【0048】次に、本発明の雑音低減方法について説明
する。基本的には図1の雑音低減装置の動作手順と同じ
であるが、まとめて示すと図4の流れ図のようになる。
この図でS41〜S47は各ステップを示す。
【0049】音声と雑音の混在した入力信号X(n)が入
力されると、ステップS41の過程において、音声雑音
混在信号を複数の帯域に分割する。分割された複数の周
波数帯域の各帯域信号Xk(n)に対してステップS42の
過程で入力信号の平均パワーレベルPavx,k(n)が計算
される。これと並行してステップS43の過程で前記各
帯域信号Xk(n)の雑音パワーPavN,k(n)の推定が行わ
れる。平均パワーレベルPavx,k(n)と雑音パワーPa
N,k(n)とから帯域信号Xk(n)中に占める各帯域毎の雑
音の比率をステップS44の過程で求める。次いで、ス
テップS45の過程において、この比率に基づいて帯域
毎の損失値を決定する。次に、ステップS46の過程に
おいて分割された複数の周波数帯域の各帯域信号に対し
て各帯域毎に決定された損失値を挿入し、各帯域毎の雑
音を低減した帯域出力信号とする。次いで、ステップS
47の過程において、雑音が低減された帯域出力信号を
時間領域に変換し全帯域信号とし、雑音の低減したアナ
ログ信号を得る。
【0050】本発明の有効性を、実際のTV会議システ
ムの状況下で収音された女性音声(16kHzサンプリ
ング)に対して計算機シミュレーションで検証した。騒
音の加わった音声および従来技術で示したスペクトラム
サブトラクションと本発明による騒音低減処理を行った
データのスペクトログラムを図5に示す。スペクトラム
サブトラクションと本発明は両者とも250Hz幅の3
2の帯域信号に分割してから処理を行った。
【0051】図5(a)は、騒音の加わった音声で、5
00Hz以下の黒い帯状の部分と全体的に広がったグレ
ーの部分が、主に空調音からなる周囲雑音である。雑音
によって音声がかき消されている様子がわかる。
【0052】図5(b)は、スペクトラムサブトラクシ
ョンで処理を行ったものである。全体的に雑音が除去さ
れ音声との差が明確に現れている。ただし、消し切って
いない雑音が薄くたて縞になって現われている。この周
波数成分が時間的に変化し、これがキュルキュルとした
耳障りな音の原因となる。また音声部分では、減算のし
過ぎによって振幅の小さな部分が消え劣化が認められ
る。
【0053】図5(c)は、本発明により損失制御を行
ったものである。スペクトラムサブトラクションに比べ
て音声と雑音部分の対比がはっきりしていないが、全体
的に雑音部分が薄くなり、音声が強調されているのがわ
かる。原音を大きく変えることなく明瞭度を上げること
により、聞きやすい音が作られている。
【0054】S/N比を計算したところ、損失制御の処
理前後でそれぞれ18dB,30dBとなり、損失制御
によって12dBの騒音低減効果があることが確かめら
れた。
【0055】
【発明の効果】本発明は、受聴を目的とした雑音低減方
法および装置であり、次のような特徴を持つ。まず、帯
域に分割して処理することによって、一部の帯域で損失
挿入の判別誤りが起こっても全体的な影響が小さい。ま
た、損失の挿入という線形な処理を与えるため、信号に
対する歪みが少ない。また、損失値を平均化して与える
ことにより、音声の立ち上がり部分や立ち下がり部分
等、音声信号と雑音信号の比率が大きく変化し、それに
伴い損失値が激しく変わる部分でも不連続感が解消され
る。また、雑音パワーの推定にヒストグラムを用いるこ
とで、音声と雑音の混在する区間でも雑音パワーの推定
が使用可能である。
【0056】本発明の方法および装置による受聴を目的
とした雑音低減により、聞き易い目的信号を得ることが
可能になる。その結果、音声会議・TV会議等の拡声通
話系において、マイクロホンで受音し、相手側に送出さ
れる送話信号に、目的となる音声以外の周囲雑音が混入
した場合でも、本方法および装置による雑音の低減によ
り音声の明瞭性を保つことが可能になり、通信品質が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる雑音低減装置の一実施例の構成
を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例における雑音パワー推定部による
処理の流れ図である。
【図3】図1の実施例における損失値計算部による処理
の流れ図である。
【図4】本発明にかかる雑音低減方法の一実施例を示す
流れ図である。
【図5】本発明の効果を説明するためのスペクトログラ
ムである。
【図6】従来の雑音低減装置の原理を説明するための図
である。
【図7】従来の雑音低減装置の一例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
11 マイクロホン 15 入力信号 16 雑音低減装置 17 出力信号 21 A/D変換部 22 周波数帯域分割部 28 時間領域変換部 29 D/A変換部 31 雑音パワー推定部 32 損失値計算部 33 損失挿入部
フロントページの続き (72)発明者 金田 豊 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 小島 順治 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目的となる音声信号と不要な雑音信号の
    混在する音声雑音混在信号から雑音信号を除去した信号
    を出力する雑音低減処理装置であって、 前記音声雑音混在信号を複数の帯域に分割する周波数帯
    域分割手段と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号に対して
    各帯域毎の入力信号パワーを計算する入力信号パワー計
    算手段と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号を用いて
    前記各周波数帯域毎の雑音パワーの推定を行う雑音パワ
    ー推定手段と、 前記各帯域毎の入力信号パワーと前記各帯域毎の雑音パ
    ワーとを比較して、前記各帯域信号中に占める前記各帯
    域毎の雑音の比率を予測し、これに基づいて前記各帯域
    毎の損失値を決定する損失値計算手段と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号に対して
    前記各帯域毎に決定された前記損失値を挿入し、前記各
    帯域毎の雑音を低減した帯域出力信号を出力する損失挿
    入手段と、 前記帯域出力信号を時間領域に変換し全帯域信号に合成
    する時間領域変換手段とを有することを特徴とする雑音
    低減装置。
  2. 【請求項2】 目的となる音声信号と不要な雑音信号の
    混在する音声雑音混在信号から雑音信号を除去した信号
    を出力する雑音低減処理方法であって、 前記音声雑音混在信号を複数の帯域に分割する周波数帯
    域分割過程と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号に対して
    各帯域毎の入力信号パワーを計算する入力信号パワー計
    算過程と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号を用いて
    前記各周波数帯域毎の雑音パワーの推定を行う雑音パワ
    ー推定過程と、 前記各帯域毎の入力信号パワーと前記各帯域毎の雑音パ
    ワーとを比較して、前記各帯域信号中に占める前記各帯
    域毎の雑音の比率を予測する予測過程と、 この予測した比率に基づいて前記各帯域毎の損失値を決
    定する損失値計算過程と、 前記分割された複数の周波数帯域の各帯域信号に対して
    前記各帯域毎に決定された前記損失値を挿入し、前記各
    帯域毎の雑音を低減した帯域出力信号を出力する損失挿
    入過程と、 前記帯域出力信号を時間領域に変換し全帯域信号に合成
    する時間領域変換過程とを有することを特徴とする雑音
    低減方法。
  3. 【請求項3】 雑音パワー推定過程は、分割された複数
    の周波数帯域の各帯域信号毎の入力信号パワーレベル分
    布のヒストグラムをとり、 前記ヒストグラムのピーク区間を検出しピーク区間の一
    番小さい値を雑音のパワーとすることを特徴とする請求
    項2記載の雑音低減方法。
  4. 【請求項4】 損失値計算過程は、推定された前記各帯
    域毎の雑音パワー信号に予め決められた値を加算し、こ
    れをしきい値として定め、 前記決定された各帯域毎のしきい値と前記各帯域毎の入
    力信号パワーの大小を比較し、前記各帯域毎の入力信号
    パワーがしきい値より大きい帯域については予め決めら
    れた損失値を与え、しきい値より小さい帯域について
    は、損失を挿入しないことを特徴とする請求項2また3
    記載の雑音低減方法。
  5. 【請求項5】 損失値計算過程は、過去の前記各帯域毎
    の損失値を記憶し、現時刻で決定された前記損失値と前
    記過去の損失値とを平均して新たに各帯域毎の現時刻で
    の損失値を決定し直すことを特徴とする請求項2または
    3記載の雑音低減方法。
  6. 【請求項6】 損失値計算過程は、前記各帯域毎に決定
    された前記損失値を、隣接する帯域の損失値と平均して
    新たに各帯域毎の損失値を決定し直すことを特徴とする
    請求項2または3記載の雑音低減方法。
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