JP2002140100A - 騒音抑圧装置 - Google Patents

騒音抑圧装置

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JP2002140100A
JP2002140100A JP2000335779A JP2000335779A JP2002140100A JP 2002140100 A JP2002140100 A JP 2002140100A JP 2000335779 A JP2000335779 A JP 2000335779A JP 2000335779 A JP2000335779 A JP 2000335779A JP 2002140100 A JP2002140100 A JP 2002140100A
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amplitude
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signal
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Kazuhiro Nakamura
一啓 中村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力信号スペクトル成分から騒音信号スペク
トル成分を減算することによって騒音を抑圧させる騒音
抑圧装置において、抑圧処理による音声の歪を低減する
騒音抑圧装置を提供すること。 【解決手段】 入力信号を複数の周波数バンドの信号に
分割する分割処理部101と、各周波数ごとに騒音を抑
圧する係数を乗算する係数乗算部102と、時間信号に
変換する合成処理部103と、振幅算出部104が算出
した入力信号の振幅成分と、騒音推定処理部105が推
定した騒音推定値に加え、騒音目標設定部107が設定
した騒音目標値を用いて係数乗算部102が騒音を抑圧
するために乗算する騒音抑圧係数を算出することによ
り、騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標の値し、抑
圧処理による音声の歪を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声信号に騒音信
号が重畳された信号が入力された場合に、入力信号のス
ペクトル成分から騒音信号のスペクトルを減算すること
によって、騒音信号を抑圧する騒音抑圧装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、騒音抑圧装置としては、例えば文
献“Suppression ofAcoustic
Noise in Speech Using Spe
ctral Subtraction”(IEEE T
ransactions on Acoustics,
Spech,and Signal Processi
ng,vol.ASSP−27、No.2、Apri
l、1979)に示されているようなものがあった。
【0003】以下、図7を用いて従来の騒音抑圧装置に
ついて説明する。
【0004】図7は、従来の騒音抑圧装置の構成例を示
している。
【0005】図7に示すように、騒音抑圧装置は、分割
処理部801、係数乗算部802、合成処理部803、
振幅算出部804、騒音推定部805および係数算出部
806を備えている。
【0006】分割処理部801は、入力の時間信号を周
波数軸上の信号に変換するものである。係数乗算部80
2は、周波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗
算するものである。合成処理部803は、周波数分割さ
れた信号を時間信号に変換するものである。振幅算出部
804は、周波数分割された信号の振幅成分を算出する
ものである。騒音推定部805は、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定するものである。係数算
出部806は、騒音抑圧係数を算出するものである。
【0007】次に、上記従来の騒音抑圧装置例の動作に
ついて説明する。
【0008】図7において、音声信号に騒音信号が重畳
された入力信号は、分割処理部801によって周波数軸
上の信号に変換される。分割処理部801の処理方法と
しては、フーリエ変換のような時間−周波数変換処理
や、サブバンド分割処理のような複数のバンドパスフィ
ルタを有するような処理方法が用いられる。分割処理部
801によって周波数分割された信号は、係数乗算部8
02によって係数がかけられる。係数乗算部802の係
数は、後に説明するように入力信号に含まれる各周波数
バンドごとの騒音の量に応じて算出されている。例え
ば、音声信号のみが含まれる周波数バンドにおいては係
数を1とし、騒音信号のみが含まれる周波数バンドにお
いては係数は0または十分に小さな値とする。係数乗算
部802によって騒音が抑圧された信号は、合成処理部
803によって周波数軸上の信号から時間軸上の信号に
変換され、出力される。合成処理部803の処理は、分
割処理部801の逆変換である。分割処理部801によ
って周波数分割された信号はまた、振幅算出部804に
入力される。振幅算出部804は、入力信号の分割処理
部801によって分割された周波数単位ごと、または複
数の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの、入力信
号の振幅値を算出する。騒音推定部805は、振幅算出
部804によって算出された入力信号の振幅成分を用い
て、各周波数単位ごと、または複数の分割周波数をまと
めた周波数バンドごとの騒音の振幅成分を推定する。係
数算出部806は、振幅算出部804によって算出され
た入力信号の振幅成分と、騒音推定部805によって推
定された騒音信号の振幅成分を用いて係数を算出する。
【0009】次に、係数算出部806の係数算出方法を
式を用いて説明する。いま、音声信号をs(n)、騒音
信号をn(n)とすると、音声信号に騒音信号が重畳さ
れた入力信号x(n)は、下記式(1)で表される。 x(n)=s(n)+n(n) ・・・(1)
【0010】また、そのフーリエ変換は、 X(ω)=S(ω)+N(ω) ・・・(2) となる。騒音信号が定常で、音声信号と騒音信号は無相
関でありエネルギ加算が成り立ち、音声信号の推定信号
s’(n)のフーリエ変換S’(ω)が下記式(3)で
表されると仮定する。
【0011】 S’(ω)=|S’(ω)|exp{jarg(X(ω))} ={|X(ω)|−|N(ω)|}exp{jarg(X(ω)) } ・・・(3)
【0012】また、上記式(3)を変形すると、下記式
(4)のようになる。 S’(ω)=H(ω)X(ω) ・・・(4)
【0013】ただし、 H(ω)={|X(ω)|−|N(ω)|}/|X(ω)| ・・・(5) である。以下、周波数バンド番号を表す添え字のiを用
いて、式(4)を式(6)のように、式(5)を式
(7)のように表す。
【0014】 S’i=HiXi ・・・(6) Hi={|Xi|−|Ni|}/|Xi| ・・・(7)
【0015】上記式(6)および式(7)は、入力信号
の振幅から騒音信号の振幅を減算した値を入力信号の振
幅で割ったものを係数として、入力信号に乗算すると、
音声信号が復元できることを示している。
【0016】次に、騒音推定部805の動作を、図8を
用いて説明する。
【0017】図8は、騒音推定方法の一例であり、比較
器701、振幅更新器702、振幅設定器703からな
り、比較器701は、推定した騒音振幅と入力信号の振
幅を比較するものであり、振幅更新器702は、推定し
た騒音振幅を更新するものであり、振幅設定器703
は、騒音振幅値を入力信号の振幅値に置き換えるもので
ある。
【0018】図8において、iを周波数バンド番号を表
す添え字とすると、振幅比較器701に入力された入力
信号の振幅値Xiは、以前に推定した騒音振幅値Niと
比較される。以前に推定した騒音振幅値Niの方が入力
信号の振幅値Xiよりも大きい場合には、振幅更新器7
02によって以前に推定した騒音振幅値Niは更新量L
upだけ更新され、新しい騒音推定振幅値となる。ま
た、以前に推定した騒音振幅値Niの方が入力信号の振
幅値Xiよりも小さい場合には、振幅設定器703によ
って新しい騒音推定振幅値は入力信号の振幅値Xiに置
き換えられる。更新量Lupは1より大きな値で、例え
ば0.1dBから3dB程度の更新量となるように設定
される。騒音振幅値Niの方が入力信号の振幅値Xiよ
りも小さい場合にはNi=Xiとすることは、音節間の
非音声区間における騒音レベルを検出することになる。
また、騒音振幅値Niの方が入力信号の振幅値Xiより
も大きい場合にはNi=Ni*Lupとすることは、騒
音レベルが上昇しているときに推定騒音振幅値を少しず
つ上昇させるために、変動する騒音も推定することがで
きる。推定騒音振幅値を少しずつ上昇させるのは、音声
区間において音声信号に過度に反応しないようにするた
めである。
【0019】このように、騒音推定部805は、振幅算
出部804によって算出された入力信号の振幅値を用い
て、騒音信号の振幅値を推定することができる。
【0020】以上のように、前記従来の騒音抑圧装置で
は、騒音信号と音声信号が無相関でエネルギ加算が成り
立つと仮定することにより、騒音信号の各周波数バンド
における振幅値を推定し、各周波数バンドにおける入力
信号の振幅値から減算することで、騒音を抑圧してい
た。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の騒音抑圧装置では、騒音信号と音声信号が無
相関でエネルギ加算が成り立つと仮定しているために、
騒音信号と音声信号に相関がある場合には、推定した騒
音信号の振幅値が実際の騒音信号の振幅値よりも大きく
なってしまうことがある。また、入力信号の振幅値から
騒音信号の振幅値を推定しているために、実際の騒音信
号の振幅値よりも大きくなってしまうことがある。その
ために、入力信号の振幅値から減算する量が多くなるの
で、音声信号が歪んでしまうという問題があった。
【0022】本発明は、このような従来の問題を解決す
るためになされたもので、騒音抑圧量を制御して音声信
号の歪みの少ない優れた騒音抑圧装置を提供するもので
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の騒音抑圧装置
は、音声信号に騒音が重畳された入力の時間信号を周波
数軸上の信号に変換する分割処理部と、前記分割された
周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗
算部と、前記周波数信号を時間信号に変換する合成処理
部と、前記分割処理部によって分割された各周波数ご
と、または複数の分割周波数をまとめた周波数バンドご
との入力信号の振幅成分を算出する振幅算出部と、前記
振幅算出部によって算出された振幅成分を用いて前記騒
音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、前記係数乗
算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑圧係数を算
出する係数算出部と、抑圧されずに残る残留騒音の量を
設定する騒音目標値設定部を備え、前記騒音目標値設定
部が、目標とする残留騒音の量となる騒音目標値を設定
し、前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力
信号の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推
定値と前記騒音目標設定部が設定した騒音目標値を用い
て前記騒音抑圧係数を算出することを特徴とした構成を
有している。この構成により、前記騒音目標値設定部に
よって設定された値に残留騒音の量を制御するので、騒
音抑圧処理による残留騒音の量を目標の値とすることが
でき、入力信号の振幅値から減算する騒音の量を最適に
し、音声信号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0024】また、本発明の騒音抑圧装置は、音声信号
に騒音が重畳された入力の時間信号を周波数軸上の信号
に変換する分割処理部と、前記分割された周波数信号に
前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗算部と、前記
周波数信号を時間信号に変換する合成処理部と、前記分
割処理部によって分割された各周波数ごと、または複数
の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの入力信号の
振幅成分を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部によ
って算出された振幅成分を用いて前記騒音信号の振幅を
推定する騒音推定処理部と、前記係数乗算部が騒音を抑
圧するために乗算する騒音抑圧係数を算出する係数算出
部と、前記音声信号と抑圧されずに残る残留騒音との目
標のS/Nを設定するS/N設定部と、前記入力信号の
振幅成分と前記騒音推定値と前記S/N値を用いて目標
の残留騒音の量を算出する騒音目標値算出部を備え、前
記騒音目標算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信
号の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定
値と前記S/N設定部が設定したS/N値を用いて目標
の残留騒音の量を算出し、前記係数算出部が、前記振幅
算出部が算出した入力信号の振幅成分と前記騒音推定処
理部が推定した騒音推定値と前記騒音目標算出部が算出
した騒音目標値を用いて前記騒音抑圧係数を算出するこ
とを特徴とした構成を有している。この構成により、前
記S/N設定部によって設定されたS/Nになるように
残留騒音の量を制御するので、騒音抑圧処理による残留
騒音の量を目標の値とすることができ、入力信号の振幅
値から減算する騒音の量を最適にし、音声信号の歪みを
防ぐことができることとなる。
【0025】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記騒
音目標値算出部が、周波数バンドiにおける前記入力信
号の振幅成分をXiとし、前記騒音推定値をNiとし、
前記S/N値をηiとしたとき、前記残留騒音の目標値
Diを、Di=(Xi−Ni)/ηiによって算出する
ことを特徴とした構成を有している。この構成により、
騒音抑圧処理による残留騒音の量を、前記入力信号の振
幅成分と前記騒音推定値と前記S/N値から計算により
算出した目標の値とすることができ、入力信号の振幅値
から減算する騒音の量を最適にし、音声信号の歪みを防
ぐことができることとなる。
【0026】また、本発明の騒音抑圧装置は、音声信号
に騒音が重畳された入力の時間信号を周波数軸上の信号
に変換する分割処理部と、前記分割された周波数信号に
前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗算部と、前記
周波数信号を時間信号に変換する合成処理部と、前記分
割処理部によって分割された各周波数ごと、または複数
の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの入力信号の
振幅成分を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部によ
って算出された振幅成分を用いて前記騒音信号の振幅を
推定する騒音推定処理部と、前記係数乗算部が騒音を抑
圧するために乗算する騒音抑圧係数を算出する係数算出
部と、全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおけ
る入力信号の振幅の平均値を算出する平均振幅算出部
と、前記平均振幅算出部によって算出された値を用いて
全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおける前記
騒音信号の平均振幅値を推定する平均騒音推定部と、前
記音声信号と抑圧されずに残る残留騒音との目標のS/
Nを設定するS/N設定部と、各周波数バンドごとの前
記残留騒音の特性を設定する目標騒音特性設定部と、前
記入力信号の平均振幅成分と前記平均騒音推定値と前記
S/N値と前記目標騒音特性値を用いて目標の残留騒音
の量を算出する騒音目標値算出部を備え、前記騒音目標
値算出部が、前記平均振幅算出部が算出した入力信号の
平均振幅成分と前記平均騒音推定部が推定した平均騒音
推定値と前記S/N設定部が設定したS/N値と前記目
標騒音特性設定部が設定した目標騒音特性値を用いて目
標の残留騒音の量である騒音目標値を算出し、前記係数
算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号の振幅成
分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定値と前記騒
音目標値算出部が算出した騒音目標値を用いて前記騒音
抑圧係数を算出することを特徴とした構成を有してい
る。この構成により、前記S/N設定部によって設定さ
れたS/Nでかつ前記目標騒音特性設定部によって設定
された特性になるように残留騒音の量を制御するので、
騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標の値とすること
ができ、入力信号の振幅値から減算する騒音の量を最適
にし、音声信号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0027】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記騒
音目標値算出部が、前記入力信号の平均振幅成分をXa
とし、前記平均騒音推定値をNaとし、前記S/N値を
ηaとし、前記目標騒音特性をTiとしたとき、前記残
留騒音の目標値Diを、Di=Ti(Xa−Na)/η
aによって算出することを特徴とした構成を有してい
る。この構成により、騒音抑圧処理による残留騒音の量
を、前記入力信号の平均振幅成分と前記平均騒音推定値
と前記S/N値から計算により算出した目標の値とする
ことができ、入力信号の振幅値から減算する騒音の量を
最適にし、音声信号の歪みを防ぐことができることとな
る。
【0028】また、本発明の騒音抑圧装置は、音声信号
に騒音が重畳された入力の時間信号を周波数軸上の信号
に変換する分割処理部と、前記分割された周波数信号に
前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗算部と、前記
周波数信号を時間信号に変換する合成処理部と、前記分
割処理部によって分割された各周波数ごと、または複数
の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの入力信号の
振幅成分を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部によ
って算出された振幅成分を用いて前記騒音信号の振幅を
推定する騒音推定処理部と、前記係数乗算部が騒音を抑
圧するために乗算する騒音抑圧係数を算出する係数算出
部と、全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおけ
る入力信号の振幅の平均値を算出する平均振幅算出部
と、前記平均振幅算出部によって算出された値を用いて
全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおける前記
騒音信号の平均振幅値を推定する平均騒音推定部と、前
記入力信号の平均振幅値の最大値を算出する最大値算出
部と、前記最大値を一定時間ごと更新する最大値更新部
と、前記音声信号と抑圧されずに残る残留騒音との目標
のS/Nを設定するS/N設定部と、各周波数バンドご
との前記残留騒音の特性を設定する目標騒音特性設定部
と、前記入力信号の振幅の最大値と前記平均騒音推定値
と前記S/N値と前記目標騒音特性値を用いて目標の残
留騒音の量を算出する騒音目標値算出部を備え、前記騒
音目標値算出部が、前記最大値更新部によって更新され
た前記入力信号の振幅の最大値と前記平均騒音推定部が
推定した平均騒音推定値と前記S/N設定部が設定した
S/N値と前記目標騒音特性設定部が設定した目標騒音
特性値を用いて目標の残留騒音の量である騒音目標値を
算出し、前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した
入力信号の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒
音推定値と前記騒音目標値算出部が算出した騒音目標値
を用いて前記騒音抑圧係数を算出することを特徴とした
構成を有している。この構成により、前記S/N設定部
によって設定されたS/Nでかつ前記目標騒音特性設定
部によって設定された特性になるように残留騒音の量を
制御するので、騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標
の値とすることができ、入力信号の振幅値から減算する
騒音の量を最適にし、音声信号の歪みを防ぐことができ
ることとなる。
【0029】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記騒
音目標値算出部が、前記最大値更新部によって更新され
た入力信号の平均振幅最大値をX’maxとし、前記平
均騒音推定値をNaとし、前記S/N値をηaとし、前
記目標騒音特性をTiとしたとき、前記残留騒音の目標
値Diを、Di=Ti(X’max−Na)/ηaによ
って算出することを特徴とした構成を有している。この
構成により、騒音抑圧処理による残留騒音の量を、前記
入力信号の平均振幅最大値と前記平均騒音推定値と前記
S/N値から計算により算出した目標の値とすることが
でき、入力信号の振幅値から減算する騒音の量を最適に
し、音声信号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0030】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記目
標騒音特性設定部が設定する騒音特性を、目標とする騒
音の時間信号を前記分割処理部と前記振幅算出部と同一
の処理を行った値を、前記平均振幅算出部と同一の処理
を行った値で正規化することを特徴とした構成を有して
いる。この構成により、騒音抑圧処理による残留騒音の
量を目標の値とすることができ、入力信号の振幅値から
減算する騒音の量を最適にし、音声信号の歪みを防ぐこ
とができることとなる。
【0031】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記目
標騒音特性設定部が設定する騒音特性が、ピンクノイズ
の特性であることを特徴とした構成を有している。この
構成により、騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標の
値とすることができ、入力信号の振幅値から減算する騒
音の量を最適にし、音声信号の歪みを防ぐことができる
こととなる。また、残留騒音の特性をピンクノイズの特
性とするために、聴感上自然な制御ができることとな
る。
【0032】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記目
標騒音特性設定部が設定する騒音特性が、音声認識処理
の認識パターンを設定するときに音声に加えた騒音の特
性であることを特徴とした構成を有している。この構成
により、騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標の値と
することができ、入力信号の振幅値から減算する騒音の
量を最適にし、音声信号の歪みを防ぐことができること
となる。また、残留騒音の特性を音声認識処理の認識パ
ターンを設定するときに音声に加えた騒音の特性になる
ようにするので、音声認識の前処理として騒音抑圧処理
を行った場合に、音声認識率を向上させることができる
こととなる。
【0033】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記係
数算出部が、周波数バンドiにおける前記入力信号の振
幅成分をXiとし、前記騒音推定値をNiとし、前記残
留騒音の目標値をDiとしたとき、係数Hiを、Hi=
(Xi−Ni+Di)/Xiによって算出することを特
徴とした構成を有している。この構成により、騒音抑圧
処理による係数を前記入力信号の振幅成分と前記騒音推
定値と前記残留騒音の目標値から計算によって算出する
ので、残留騒音の量を目標の値とすることができ、入力
信号の振幅値から減算する騒音の量を最適にし、音声信
号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0034】また、本発明の騒音抑圧装置は、音声信号
に騒音が重畳された入力の時間信号を周波数軸上の信号
に変換する分割処理部と、前記分割された周波数信号に
前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗算部と、前記
周波数信号を時間信号に変換する合成処理部と、前記分
割処理部によって分割された各周波数ごと、または複数
の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの入力信号の
振幅成分を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部によ
って算出された振幅成分を用いて前記騒音信号の振幅を
推定する騒音推定処理部と、前記係数乗算部が騒音を抑
圧するために乗算する騒音抑圧係数を算出する係数算出
部と、全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおけ
る入力信号の振幅の平均値を算出する平均振幅算出部
と、前記平均振幅算出部によって算出された値を用いて
全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおける前記
騒音信号の平均振幅値を推定する平均騒音推定部と、前
記入力信号の平均振幅値と前記平均騒音推定値を比較す
る比較部と、前記比較部の比較結果によって減算係数を
設定する減算係数設定部を備え、前記比較部が、前記平
均振幅算出部が算出した入力信号の平均振幅値と前記平
均騒音推定部が推定した平均騒音推定値を比較し、前記
係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号の振
幅成分と前記騒音推定部が推定した騒音推定値と前記減
算係数設定部が設定した減算係数を用いて前記騒音抑圧
係数を算出することを特徴とした構成を有している。こ
の構成により、前記入力信号の平均振幅値と前記平均騒
音推定値の値によって前記入力信号振幅値から前記騒音
推定値を減算する量を変更するので、入力信号に含まれ
る騒音の量に応じて騒音抑圧量を変えることができ、音
声信号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0035】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記平
均振幅算出部によって算出された前記入力信号の平均振
幅値の最大値を算出する最大値算出部と、前記最大値を
一定時間ごと更新する最大値更新部を備え、前記比較部
が、前記入力信号の平均振幅値の代わりに前記最大値更
新部によって算出された最大値を用いることを特徴とし
た構成を有している。この構成により、前記入力信号の
平均振幅値の代わりに前記最大値更新部によって算出さ
れた最大値を用いるので、入力信号に含まれる騒音の量
に応じた騒音抑圧量を最適にすることができ、音声信号
の歪みを防ぐことができることとなる。
【0036】また、本発明の騒音抑圧装置は、音声信号
に騒音が重畳された入力の時間信号を周波数軸上の信号
に変換する分割処理部と、前記分割された周波数信号に
前記騒音を抑圧する係数を乗算する係数乗算部と、前記
周波数信号を時間信号に変換する合成処理部と、前記分
割処理部によって分割された各周波数ごと、または複数
の分割周波数をまとめた周波数バンドごとの入力信号の
振幅成分を算出する振幅算出部と、前記振幅算出部によ
って算出された振幅成分を用いて前記騒音信号の振幅を
推定する騒音推定処理部と、前記係数乗算部が騒音を抑
圧するために乗算する騒音抑圧係数を算出する係数算出
部と、全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおけ
る入力信号の振幅の平均値を算出する平均振幅算出部
と、前記平均振幅算出部によって算出された値を用いて
全周波数バンドまたは複数の周波数バンドにおける前記
騒音信号の平均振幅値を推定する平均騒音推定部と、前
記入力信号の平均振幅値と前記平均騒音推定値との比を
算出するS/N算出部と、前記S/N算出部によって算
出された値によって減算係数を設定する減算係数算出部
を備え、前記S/N算出部が、前記平均振幅算出部が算
出した入力信号の平均振幅値と前記平均騒音推定部が推
定した平均騒音推定値との比を算出し、前記係数算出部
が、前記振幅算出部が算出した入力信号の振幅成分と前
記騒音推定部が推定した騒音推定値と前記減算係数設定
部が設定した減算係数を用いて前記騒音抑圧係数を算出
することを特徴とした構成を有している。この構成によ
り、前記入力信号の平均振幅値と前記平均騒音推定値と
の比によって前記入力信号振幅値から前記騒音推定値を
減算する量を変更するので、入力信号と音声信号との比
に応じて騒音抑圧量を変えることができ、音声信号の歪
みを防ぐことができることとなる。
【0037】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記平
均振幅算出部によって算出された前記入力信号の平均振
幅値の最大値を算出する最大値算出部と、前記最大値を
一定時間ごと更新する最大値更新部を備え、前記S/N
算出部が、前記入力信号の平均振幅値の代わりに前記最
大値更新部によって更新された最大値を用いることを特
徴とした構成を有している。この構成により、前記入力
信号の平均振幅値の代わりに前記最大値更新部によって
算出された最大値を用いるので、入力信号に含まれる騒
音の量に応じた騒音抑圧量を最適にすることができ、音
声信号の歪みを防ぐことができることとなる。
【0038】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記平
均騒音推定部が、振幅比較器と、振幅更新器と、振幅設
定器からなることを特徴とした構成を有している。この
構成により、簡単な処理で入力信号に含まれる騒音の量
を推定でき、また音声信号の歪みを防ぐことができるこ
ととなる。
【0039】また、本発明の騒音抑圧装置は、前記騒音
推定部が、振幅比較器と、振幅更新器と、振幅設定器か
らなることを特徴とした構成を有している。この構成に
より、簡単な処理で入力信号に含まれる騒音の量を推定
でき、また音声信号の歪みを防ぐことができることとな
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。 (実施の形態1)
【0041】図1は、本発明の第1の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部101、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部102、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部103、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部104、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部105、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部106を備え、さら
に、騒音抑圧処理による残留騒音の目標値を設定する騒
音目標値設定部107を備えたものである。
【0042】次に、第1の実施の形態の動作について説
明する。
【0043】図1において、分割処理部101、係数乗
算部102、合成処理部103、振幅算出部104、騒
音推定部105の動作は、前記従来例と同様である。
【0044】騒音目標値設定部107は、目標とする残
留騒音の量を設定し、係数算出部106に通知する。係
数算出部106は、振幅算出部104によって算出され
た入力信号の振幅値と、騒音推定部105によって推定
された騒音信号の振幅値と、騒音目標値設定部107に
よって設定された残留騒音の量を用いて係数を算出す
る。
【0045】前記従来の例では、係数の算出式は、式
(7)によって表されたが、係数算出部106は、式
(8)に基づいて係数を算出する。 Hi={|Xi|−|Ni|+|Di|}/|Xi| ・・・(8)
【0046】ただし、Diは、残留騒音信号d(n)の
フーリエ変換である。音声信号の推定信号S’iは式
(6)で表されるので、式(8)を式(6)に代入し、
その振幅成分を表すと式(9)のようになる。
【0047】 |S’i|=Hi|Xi| =|Xi|−|Ni|+|Di| ・・・(9)
【0048】式(9)をみてわかるように、推定した音
声信号の振幅成分は、入力信号の振幅成分から騒音の振
幅成分を減算し、残留騒音の振幅成分を加えたものとな
る。
【0049】以上のように、第1の実施の形態によれ
ば、騒音目標値設定部によって騒音抑圧処理による残留
騒音の目標値を設定し、それに基づいて係数を算出する
ために、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値を減算す
る量が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信号の歪み
を防ぐことができるという効果を有する。また、残留騒
音の量を常に一定に制御できるという効果を有する。 (実施の形態2)
【0050】図2は、本発明の第2の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部201、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部202、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部203、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部204、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部205、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部206を備え、さら
に、騒音抑圧処理による残留騒音の目標値を設定する騒
音目標値設定部207、推定した音声信号と残留騒音と
のS/N目標値を設定するS/N設定部208を備えた
ものである。
【0051】次に、第2の実施の形態の動作について説
明する。
【0052】図2において、分割処理部201、係数乗
算部202、合成処理部203、振幅算出部204、騒
音推定部205の動作は、前記従来例と同様である。
【0053】S/N設定部208は、目標とする音声信
号と残留騒音とのS/Nを設定し、騒音目標値設定部2
07に通知する。騒音目標値設定部207は、S/N設
定部208によって設定されたS/Nの値、振幅算出部
204によって算出された入力信号振幅値、および騒音
推定部205によって推定された騒音振幅値に基づき、
目標の残留騒音の量を算出する。S/N設定部208に
よって設定されたS/N値をηiとすると、S/Nηi
は式(10)で表される。
【0054】 ηi=|S’i|/|Di| =(|Xi|−|Ni|)/|Di| ・・・(10)
【0055】ただし、S’iは推定音声信号、Diは残
留騒音信号、Xiは入力信号、Niは推定した騒音信号
である。式(10)を変形すると式(11)が得られ
る。 |Di|=(|Xi|−|Ni|)/ηi ・・・(11)
【0056】騒音目標値設定部207は、式(11)に
基づき目標とする残留騒音の量を設定し、係数算出部2
06に通知する。係数算出部206の動作は、前記第1
の実施の形態と同様である。
【0057】以上のように、第2の実施の形態によれ
ば、S/N設定部によって設定されたS/Nに基づいて
騒音目標値設定部によって騒音抑圧処理による残留騒音
の目標値を設定し、それに基づいて係数を算出するため
に、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値を減算する量
が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信号の歪みを防
ぐことができるという効果を有する。また、S/Nによ
って残留騒音の目標値を設定するために、音声のレベル
が変動した場合でも、常に一定のS/Nのまま残留騒音
を制御できるという効果を有する。 (実施の形態3)
【0058】図3は、本発明の第3の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部301、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部302、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部303、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部304、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部305、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部306を備え、さら
に、全体または複数の周波数バンド平均の入力信号の振
幅を算出する平均振幅算出部307、入力信号の平均振
幅値を用いて全体または複数の周波数バンド平均の騒音
振幅を推定する平均騒音推定部308、騒音抑圧処理に
よる残留騒音の目標値を算出する騒音目標値算出部30
9、推定した音声信号と残留騒音とのS/N目標値を設
定するS/N設定部310、振幅算出部304によって
算出された振幅成分の各周波数バンドごとの騒音目標特
性を設定する騒音目標特性設定部311を備えたもので
ある。
【0059】次に、第3の実施の形態の動作について説
明する。
【0060】図3において、分割処理部301、係数乗
算部302、合成処理部303、振幅算出部304、騒
音推定部305の動作は、前記従来例と同様である。
【0061】平均振幅算出部307は、振幅算出部30
4で算出された各周波数バンドの振幅値を用いて、全周
波数帯域または複数の周波数バンドでの平均振幅値を算
出する。平均騒音推定部308は、平均振幅算出部30
7によって算出された全周波数帯域または複数の周波数
バンドでの入力信号平均振幅値を用いて、全周波数帯域
または複数の周波数バンドでの平均騒音推定値を算出す
る。平均騒音推定部308の動作は、入力信号が異なる
だけで、騒音推定部305の動作と同様である。
【0062】S/N設定部310は、目標とする音声信
号と残留騒音とのS/Nを設定し、騒音目標値算出部3
09に通知する。騒音目標特性設定部311は、振幅算
出部304、騒音推定部305、および係数算出部30
6で処理する各周波数バンドごとの騒音特性目標値を設
定し、騒音目標値算出部309に通知する。
【0063】騒音目標値算出部309は、S/N設定部
310によって設定されたS/Nの値、平均振幅算出部
307によって算出された平均入力信号振幅値、平均騒
音推定部308によって推定された平均騒音振幅値、お
よび騒音目標特性設定部311によって設定された騒音
特性に基づき、目標の残留騒音の量を算出する。騒音目
標値算出部309は、式(12)に基づき、残留騒音信
号Diを算出する。 Di=(|Xa|−|Na|)/η*TDi ・・・(12)
【0064】ただし、Diは残留騒音信号、Xaは平均
入力信号、Naは推定した平均騒音信号、ηは設定S/
N、TDiは設定した騒音目標特性である。式(12)を
用いることによって、全周波数帯域または複数の周波数
バンドでのS/Nを一定に保ったまま、残留騒音の特性
が制御できる。騒音目標算出部309によって算出され
た目標とする残留騒音の量は、係数算出部306に通知
され、係数算出部306は係数を算出する。係数算出部
306の動作は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0065】騒音目標特性設定部311で設定する騒音
特性は、次のようにして算出する。
【0066】目標とする特性を持った騒音の時間信号
を、分割処理部301と同様の処理で周波数信号に変換
する。変換した周波数信号を振幅算出部304と同様の
処理で、各分割周波数ごとまたは複数の分割周波数をま
とめた周波数バンドごとに振幅成分を算出する。算出さ
れた振幅成分から、平均振幅算出部307と同様の処理
で、全周波数帯域または複数の周波数バンドにおける平
均振幅を算出する。そして、振幅算出部304と同様の
処理で算出した振幅成分を、平均振幅算出部307と同
様の処理で算出した平均振幅値で正規化する。この値を
目標の騒音特性とすれば、全周波数帯域または複数の周
波数バンドでのS/Nを一定に保ったまま、それぞれの
周波数バンドにおける残留騒音の特性を、目標の特性と
することができる。
【0067】以上のように、第3の実施の形態によれ
ば、S/N設定部によって設定されたS/Nと、騒音目
標特性設定部によって設定された騒音特性に基づいて、
騒音目標値設定部によって騒音抑圧処理による残留騒音
の目標値を設定し、それに基づいて係数を算出するため
に、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値を減算する量
が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信号の歪みを防
ぐことができるという効果を有する。また、全周波数帯
域または複数の周波数バンドでのS/Nをもとにするた
め、全周波数帯域または複数の周波数バンドでのS/N
を一定に保ったまま、それぞれの周波数バンドにおける
残留騒音の特性を、目標の特性とすることができるとい
う効果を有する。 (実施の形態4)
【0068】図4は、本発明の第4の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部401、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部402、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部403、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部404、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部405、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部406を備え、さら
に、全体または複数の周波数バンド平均の入力信号の振
幅を算出する平均振幅算出部407、入力信号の平均振
幅値を用いて全体または複数の周波数バンド平均の騒音
振幅を推定する平均騒音推定部408、全体または複数
の周波数バンド平均の入力信号の振幅の最大値を算出す
る最大値算出部409、最大値を一定時間ごと更新する
最大値更新部410は、騒音抑圧処理による残留騒音の
目標値を算出する騒音目標値算出部411、推定した音
声信号と残留騒音とのS/N目標値を設定するS/N設
定部412、振幅算出部404によって算出された振幅
成分の各周波数バンドごとの騒音目標特性を設定する騒
音目標特性設定部413を備えたものである。
【0069】次に、第4の実施の形態の動作について説
明する。
【0070】図4において、分割処理部401、係数乗
算部402、合成処理部403、振幅算出部404、騒
音推定部405、係数算出部406、平均振幅算出部4
07、平均騒音推定部408、S/N設定部412、騒
音目標特性設定部413の動作は、前記第3の実施の形
態と同様である。
【0071】最大値算出部409は、平均振幅算出部4
07で算出された全周波数バンドまたは複数の周波数バ
ンド平均の入力信号の振幅値の最大値を算出する。最大
値更新部410は、最大値算出部409によって算出さ
れた最大値を、例えば数100ms〜数sの時間フレー
ム間隔で更新する。更新の方法は、前記時間フレームご
と最大値をクリアする方法でも良いし、前のフレームで
の最大値が現フレームでの最大値よりも大きい場合には
前のフレームの最大値を少しずつ減少させ、小さい場合
には現フレームの最大値とするような更新方法でも良
い。これは、入力信号のレベルが減少した場合に対応で
きるようにするためである。また、突発的に大きなノイ
ズが入力された場合に、その大きな値に最大値が固定さ
れないようにするためである。
【0072】騒音目標値算出部411は、平均騒音推定
部408によって推定された平均騒音振幅値、最大値更
新部410によって更新された平均振幅の最大値、S/
N設定部412によって設定されたS/Nの値、および
騒音目標特性設定部413によって設定された騒音特性
に基づき、目標の残留騒音の量を算出する。騒音目標値
算出部411は、式(13)に基づき、残留騒音信号D
iを算出する。 Di=(X’max−|Na|)/η*TDi ・・・(13)
【0073】ただし、Diは残留騒音信号、X’max
は更新された入力信号の平均振幅の最大値、Naは推定
した平均騒音信号、ηは設定S/N、TDiは設定した騒
音目標特性である。式(13)を用いることによって、
入力信号の変動が大きな場合などに、残留騒音の量をあ
まり変動させないようにできる。係数算出部406の動
作は、前記第1の実施の形態と同様である。
【0074】以上のように、第4の実施の形態によれ
ば、S/N設定部によって設定されたS/Nと、騒音目
標特性設定部によって設定された騒音特性に基づいて、
騒音目標値設定部によって騒音抑圧処理による残留騒音
の目標値を設定し、それに基づいて係数を算出するため
に、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値を減算する量
が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信号の歪みを防
ぐことができるという効果を有する。また、全周波数帯
域または複数の周波数バンドでの入力信号の平均振幅の
最大値をもとにしたS/Nによって騒音目標値を算出す
るため、入力信号の変動が大きな場合などに、残留騒音
の量を大きく変動させることがなく、聴感上自然な制御
が可能であるという効果を有する。 (実施の形態5)
【0075】図5は、本発明の第5の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部501、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部502、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部503、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部504、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部505、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部506を備え、さら
に、全周波数または複数の周波数バンド平均の入力信号
の振幅を算出する平均振幅算出部507、入力信号の平
均振幅値を用いて全周波数または複数の周波数バンド平
均の騒音振幅を推定する平均騒音推定部508、入力信
号の平均振幅値と平均騒音推定値とを比較する比較部5
09、比較結果によって減算係数を設定する減算係数設
定部510を備えたものである。
【0076】次に、第5の実施の形態の動作について説
明する。
【0077】図5において、分割処理部501、係数乗
算部502、合成処理部503、振幅算出部504、騒
音推定部505、平均振幅算出部507、平均騒音推定
部508の動作は、前記第3の実施の形態と同様であ
る。
【0078】比較部509は、平均振幅算出部507に
よって算出された全周波数バンドまたは複数の周波数バ
ンド平均の入力信号の振幅値と、平均騒音推定部508
によって推定された全周波数バンドまたは複数の周波数
バンド平均の騒音信号の振幅値とを比較する。比較部5
09の動作を、しきい値がaとbの2つある場合を例に
とって説明する。この場合には、比較部509は、入力
信号の平均振幅値Xaと平均騒音推定値Naの大小によ
って、次の3つの場合に分類する。
【0079】(場合1)Xa>a*Na、(場合2)a
*Na≧Xa>b*Na、(場合3)Xa≦b*Na。
【0080】次に、減算係数設定部510は、比較部5
09の比較結果により、減算係数を設定する。上記のし
きい値が2つある場合には、減算係数kは、(場合1)
k=A、(場合2)k=B、(場合3)k=C、の3種
類が設定される。上記では、しきい値が2つの場合で説
明したが、しきい値が1つまたは3つ以上の場合も同様
にして、比較部509および減算係数設定部510は動
作する。係数算出部506は、振幅算出部504によっ
て算出された入力信号の振幅値|Xi|、騒音推定部5
05によって推定された騒音推定値|Ni|、減算係数
設定部510によって設定された減算係数kを用いて、
式(14)に基づいて係数を算出する。 Hi={|Xi|−k|Ni|}/|Xi| ・・・(14)
【0081】以上のように、第5の実施の形態によれ
ば、全周波数バンドまたは複数の周波数バンド平均の入
力信号の振幅値と、全周波数バンドまたは複数の周波数
バンド平均の騒音信号の推定振幅値とを比較し、その結
果に応じて、入力信号の振幅値から推定した騒音信号の
振幅値を減算する量を変更するために、とくに騒音信号
が大きい場合に、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値
を減算する量が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信
号の歪みを防ぐことができるという効果を有する。 (実施の形態6)
【0082】図6は、本発明の第6の実施の形態の騒音
抑圧装置の構成を示すブロック図であり、入力の時間信
号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部601、周
波数分割された信号に騒音を抑圧する係数を乗算する係
数乗算部602、周波数分割された信号を時間信号に変
換する合成処理部603、周波数分割された信号の振幅
成分を算出する振幅算出部604、入力信号の振幅成分
を用いて騒音の振幅成分を推定する騒音推定部605、
騒音抑圧係数を算出する係数算出部606を備え、さら
に、全周波数または複数の周波数バンド平均の入力信号
の振幅を算出する平均振幅算出部607、入力信号の平
均振幅値を用いて全周波数または複数の周波数バンド平
均の騒音振幅を推定する平均騒音推定部608、入力信
号の平均振幅値と平均騒音推定値とのS/Nを算出する
S/N算出部609、S/N値を用いて減算係数を算出
する減算係数算出部610を備えたものである。
【0083】次に、第6の実施の形態の動作について説
明する。
【0084】図6において、分割処理部601、係数乗
算部602、合成処理部603、振幅算出部604、騒
音推定部605、係数算出部606、平均振幅算出部6
07、平均騒音推定部608の動作は、前記第5の実施
の形態と同様である。
【0085】S/N算出部609は、平均振幅算出部6
07によって算出された全周波数バンドまたは複数の周
波数バンド平均の入力信号の振幅値|Xa|と、平均騒
音推定部608によって推定された全周波数バンドまた
は複数の周波数バンド平均の騒音信号の振幅値|Na|
との比を計算する。S/N算出部609によって算出さ
れるS/Nは、|Xa|/|Na|となる。減算係数算
出部610は、S/N算出部609によって算出された
S/Nを用いて、減算係数kを算出する。減算係数算出
部610は、例えば式(15)に基づいて減算係数を算
出する。 k=α*|Xa|/|Na|+β ・・・(15)
【0086】ただし、αおよびβは定数である。また
は、式(15)では、S/Nの値によってkが大きすぎ
たり、小さすぎたりする場合も生じるので、|Xa|/
|Na|>aの場合には、k=A、|Xa|/|Na|
<bの場合には、k=B、のようにS/Nの値に応じ
て、kにしきい値を設けても良い。係数算出部606の
動作は、前記第5の実施の形態と同様である。
【0087】以上のように、第6の実施の形態によれ
ば、全周波数バンドまたは複数の周波数バンド平均の入
力信号の振幅値と、全周波数バンドまたは複数の周波数
バンド平均の騒音信号の推定振幅値とのS/Nに応じ
て、入力信号の振幅値から推定した騒音信号の振幅値を
減算する量を変更するために、とくに騒音信号が大きい
場合に、入力信号の振幅値から騒音推定振幅値を減算す
る量が大きすぎず、騒音抑圧処理による音声信号の歪み
を防ぐことができるという効果を有する。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は騒音目標
値設定部によって設定された値に残留騒音の量を制御す
ることにより、騒音抑圧処理による残留騒音の量を目標
の値とすることができ、入力信号の振幅値から減算する
騒音の量を最適にし、音声信号の歪みを防ぐことができ
るというすぐれた効果を有する騒音抑圧装置を提供する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図3】本発明の第3の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図4】本発明の第4の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図5】本発明の第5の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図6】本発明の第6の実施の形態の騒音抑圧装置の構
成を示すブロック図
【図7】従来の騒音抑圧装置の構成を示すブロック図
【図8】騒音推定部の騒音推定処理を示す図
【符号の説明】
101、201、301、401、501、601
分割処理部 102、202、302、402、502、602
係数乗算部 103、203、303、403、503、603
合成処理部 104、204、304、404、504、604
振幅算出部 105、205、305、405、505、605
騒音推定部 106、206、306、406、506、606
係数算出部 107、207 騒音目標値設定部 208、310、412 S/N設定部 307、407、507、607 平均振幅算出部 308、408、508、608 平均騒音推定部 309、411 騒音目標値算出部 311、413 騒音目標特性設定部 409 最大値算出部 410 最大値更新部 509 比較部 510 減算係数設定部 609 S/N算出部 610 減算係数算出部 701 比較器 702 振幅更新器 703 振幅設定器 801 分割処理部 802 係数乗算部 803 合成処理部 804 振幅算出部 805 騒音推定部 806 係数算出部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声信号に騒音が重畳された入力の時間
    信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前記
    分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗算
    する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換す
    る合成処理部と、前記分割処理部によって分割された各
    周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波数
    バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出部
    と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用い
    て前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、前
    記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑圧
    係数を算出する係数算出部と、抑圧されずに残る残留騒
    音の量を設定する騒音目標値設定部を備え、 前記騒音目標値設定部が、目標とする残留騒音の量とな
    る騒音目標値を設定し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定値
    と前記騒音目標設定部が設定した騒音目標値を用いて前
    記騒音抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧装
    置。
  2. 【請求項2】 音声信号に騒音が重畳された入力の時間
    信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前記
    分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗算
    する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換す
    る合成処理部と、前記分割処理部によって分割された各
    周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波数
    バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出部
    と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用い
    て前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、前
    記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑圧
    係数を算出する係数算出部と、前記音声信号と抑圧され
    ずに残る残留騒音との目標のS/Nを設定するS/N設
    定部と、前記入力信号の振幅成分と前記騒音推定値と前
    記S/N値を用いて目標の残留騒音の量を算出する騒音
    目標値算出部を備え、 前記騒音目標算出部が、前記振幅算出部が算出した入力
    信号の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推
    定値と前記S/N設定部が設定したS/N値を用いて目
    標の残留騒音の量を算出し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定値
    と前記騒音目標算出部が算出した騒音目標値を用いて前
    記騒音抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧装
    置。
  3. 【請求項3】 前記騒音目標値算出部が、周波数バンド
    iにおける前記入力信号の振幅成分をXiとし、前記騒
    音推定値をNiとし、前記S/N値をηiとしたとき、
    前記残留騒音の目標値Diを、Di=(Xi−Ni)/
    ηiによって算出することを特徴とする請求項2に記載
    の騒音抑圧装置。
  4. 【請求項4】 音声信号に騒音が重畳された入力の時間
    信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前記
    分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗算
    する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換す
    る合成処理部と、前記分割処理部によって分割された各
    周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波数
    バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出部
    と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用い
    て前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、前
    記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑圧
    係数を算出する係数算出部と、全周波数バンドまたは複
    数の周波数バンドにおける入力信号の振幅の平均値を算
    出する平均振幅算出部と、前記平均振幅算出部によって
    算出された値を用いて全周波数バンドまたは複数の周波
    数バンドにおける前記騒音信号の平均振幅値を推定する
    平均騒音推定部と、前記音声信号と抑圧されずに残る残
    留騒音との目標のS/Nを設定するS/N設定部と、各
    周波数バンドごとの前記残留騒音の特性を設定する目標
    騒音特性設定部と、前記入力信号の平均振幅成分と前記
    平均騒音推定値と前記S/N値と前記目標騒音特性値を
    用いて目標の残留騒音の量を算出する騒音目標値算出部
    を備え、 前記騒音目標値算出部が、前記平均振幅算出部が算出し
    た入力信号の平均振幅成分と前記平均騒音推定部が推定
    した平均騒音推定値と前記S/N設定部が設定したS/
    N値と前記目標騒音特性設定部が設定した目標騒音特性
    値を用いて目標の残留騒音の量である騒音目標値を算出
    し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定値
    と前記騒音目標値算出部が算出した騒音目標値を用いて
    前記騒音抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧
    装置。
  5. 【請求項5】 前記騒音目標値算出部が、前記入力信号
    の平均振幅成分をXaとし、前記平均騒音推定値をNa
    とし、前記S/N値をηaとし、前記目標騒音特性をT
    iとしたとき、前記残留騒音の目標値Diを、Di=T
    i(Xa−Na)/ηaによって算出することを特徴と
    する請求項4に記載の騒音抑圧装置。
  6. 【請求項6】 音声信号に騒音が重畳された入力の時間
    信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前記
    分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗算
    する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換す
    る合成処理部と、前記分割処理部によって分割された各
    周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波数
    バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出部
    と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用い
    て前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、前
    記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑圧
    係数を算出する係数算出部と、全周波数バンドまたは複
    数の周波数バンドにおける入力信号の振幅の平均値を算
    出する平均振幅算出部と、前記平均振幅算出部によって
    算出された値を用いて全周波数バンドまたは複数の周波
    数バンドにおける前記騒音信号の平均振幅値を推定する
    平均騒音推定部と、前記入力信号の平均振幅値の最大値
    を算出する最大値算出部と、前記最大値を一定時間ごと
    更新する最大値更新部と、前記音声信号と抑圧されずに
    残る残留騒音との目標のS/Nを設定するS/N設定部
    と、各周波数バンドごとの前記残留騒音の特性を設定す
    る目標騒音特性設定部と、前記入力信号の振幅の最大値
    と前記平均騒音推定値と前記S/N値と前記目標騒音特
    性値を用いて目標の残留騒音の量を算出する騒音目標値
    算出部を備え、 前記騒音目標値算出部が、前記最大値更新部によって更
    新された前記入力信号の振幅の最大値と前記平均騒音推
    定部が推定した平均騒音推定値と前記S/N設定部が設
    定したS/N値と前記目標騒音特性設定部が設定した目
    標騒音特性値を用いて目標の残留騒音の量である騒音目
    標値を算出し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定処理部が推定した騒音推定値
    と前記騒音目標値算出部が算出した騒音目標値を用いて
    前記騒音抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧
    装置。
  7. 【請求項7】 前記騒音目標値算出部が、前記最大値更
    新部によって更新された入力信号の平均振幅最大値を
    X’maxとし、前記平均騒音推定値をNaとし、前記
    S/N値をηaとし、前記目標騒音特性をTiとしたと
    き、前記残留騒音の目標値Diを、Di=Ti(X’m
    ax−Na)/ηaによって算出することを特徴とする
    請求項6に記載の騒音抑圧装置。
  8. 【請求項8】 前記目標騒音特性設定部が設定する騒音
    特性を、目標とする騒音の時間信号を前記分割処理部と
    前記振幅算出部と同一の処理を行った値を、前記平均振
    幅算出部と同一の処理を行った値で正規化することを特
    徴とする請求項4、5、6または7に記載の騒音抑圧装
    置。
  9. 【請求項9】 前記目標騒音特性設定部が設定する騒音
    特性が、ピンクノイズの特性であることを特徴とする請
    求項4、5、6、7または8に記載の騒音抑圧装置。
  10. 【請求項10】 前記目標騒音特性設定部が設定する騒
    音特性が、音声認識処理の認識パターンを設定するとき
    に音声に加えた騒音の特性であることを特徴とする請求
    項4、5、6、7または8に記載の騒音抑圧装置。
  11. 【請求項11】 前記係数算出部が、周波数バンドiに
    おける前記入力信号の振幅成分をXiとし、前記騒音推
    定値をNiとし、前記残留騒音の目標値をDiとしたと
    き、係数Hiを、Hi=(Xi−Ni+Di)/Xiに
    よって算出することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5、6、7、8、9または10に記載の騒音抑圧装
    置。
  12. 【請求項12】 音声信号に騒音が重畳された入力の時
    間信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前
    記分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗
    算する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換
    する合成処理部と、前記分割処理部によって分割された
    各周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波
    数バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出
    部と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用
    いて前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、
    前記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑
    圧係数を算出する係数算出部と、全周波数バンドまたは
    複数の周波数バンドにおける入力信号の振幅の平均値を
    算出する平均振幅算出部と、前記平均振幅算出部によっ
    て算出された値を用いて全周波数バンドまたは複数の周
    波数バンドにおける前記騒音信号の平均振幅値を推定す
    る平均騒音推定部と、前記入力信号の平均振幅値と前記
    平均騒音推定値を比較する比較部と、前記比較部の比較
    結果によって減算係数を設定する減算係数設定部を備
    え、 前記比較部が、前記平均振幅算出部が算出した入力信号
    の平均振幅値と前記平均騒音推定部が推定した平均騒音
    推定値を比較し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定部が推定した騒音推定値と前
    記減算係数設定部が設定した減算係数を用いて前記騒音
    抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧装置。
  13. 【請求項13】 前記平均振幅算出部によって算出され
    た前記入力信号の平均振幅値の最大値を算出する最大値
    算出部と、前記最大値を一定時間ごと更新する最大値更
    新部を備え、 前記比較部が、前記入力信号の平均振幅値の代わりに前
    記最大値更新部によって算出された最大値を用いること
    を特徴とする請求項12に記載の騒音抑圧装置。
  14. 【請求項14】 音声信号に騒音が重畳された入力の時
    間信号を周波数軸上の信号に変換する分割処理部と、前
    記分割された周波数信号に前記騒音を抑圧する係数を乗
    算する係数乗算部と、前記周波数信号を時間信号に変換
    する合成処理部と、前記分割処理部によって分割された
    各周波数ごと、または複数の分割周波数をまとめた周波
    数バンドごとの入力信号の振幅成分を算出する振幅算出
    部と、前記振幅算出部によって算出された振幅成分を用
    いて前記騒音信号の振幅を推定する騒音推定処理部と、
    前記係数乗算部が騒音を抑圧するために乗算する騒音抑
    圧係数を算出する係数算出部と、全周波数バンドまたは
    複数の周波数バンドにおける入力信号の振幅の平均値を
    算出する平均振幅算出部と、前記平均振幅算出部によっ
    て算出された値を用いて全周波数バンドまたは複数の周
    波数バンドにおける前記騒音信号の平均振幅値を推定す
    る平均騒音推定部と、前記入力信号の平均振幅値と前記
    平均騒音推定値との比を算出するS/N算出部と、前記
    S/N算出部によって算出された値によって減算係数を
    設定する減算係数算出部を備え、 前記S/N算出部が、前記平均振幅算出部が算出した入
    力信号の平均振幅値と前記平均騒音推定部が推定した平
    均騒音推定値との比を算出し、 前記係数算出部が、前記振幅算出部が算出した入力信号
    の振幅成分と前記騒音推定部が推定した騒音推定値と前
    記減算係数設定部が設定した減算係数を用いて前記騒音
    抑圧係数を算出することを特徴とする騒音抑圧装置。
  15. 【請求項15】 前記平均振幅算出部によって算出され
    た前記入力信号の平均振幅値の最大値を算出する最大値
    算出部と、前記最大値を一定時間ごと更新する最大値更
    新部を備え、 前記S/N算出部が、前記入力信号の平均振幅値の代わ
    りに前記最大値更新部によって更新された最大値を用い
    ることを特徴とする請求項14に記載の騒音抑圧装置。
  16. 【請求項16】 前記平均騒音推定部が、振幅比較器
    と、振幅更新器と、振幅設定器からなることを特徴とす
    る請求項4、5、6、7、8、9、10、11、12、
    13、14または15に記載の騒音抑圧装置。
  17. 【請求項17】 前記騒音推定部が、振幅比較器と、振
    幅更新器と、振幅設定器からなることを特徴とする請求
    項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、
    12、13、14、15または16に記載の騒音抑圧装
    置。
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