JPH09253100A - 歯科補綴物設計装置および方法 - Google Patents

歯科補綴物設計装置および方法

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JPH09253100A
JPH09253100A JP9747196A JP9747196A JPH09253100A JP H09253100 A JPH09253100 A JP H09253100A JP 9747196 A JP9747196 A JP 9747196A JP 9747196 A JP9747196 A JP 9747196A JP H09253100 A JPH09253100 A JP H09253100A
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JP
Japan
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occlusal
shape
prosthesis
lower jaw
dentition
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JP9747196A
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Inventor
Makoto Ogino
誠 荻野
Takeshi Sato
剛 佐藤
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Original Assignee
Technology Research Association of Medical and Welfare Apparatus
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常診療での作業負担を増やすことなく顎の
運動を考慮した補綴物設計が可能となる補綴物設計装置
および方法を得る。 【解決手段】 歯科補綴物による修復部位を含む上下顎
歯列模型を用意する準備工程(S1)と、これら上下顎
歯列模型の形状および複数の咬合位置における相対位置
関係を計測する計測工程(S2)と、この計測データに
基づいていずれか一つの咬合位置における上下顎歯列の
咬合形状関係を演算してこの関係から補綴物の形状を設
計する設計工程(S5)と、他の咬合位置における上下
顎歯列の咬合形状関係を補綴物を装着した状態で演算す
る演算工程(S7)と、この演算結果に基づいて補綴物
の形状を修正する修正工程(S8)とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯科補綴物をCA
D/CAMにより製作するときに用いられる補綴物設計
装置および方法に関し、特に、顎運動を考慮して補綴物
の形状設計を行う補綴物設計装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、歯科補綴物をCAD/CAMによ
り製作する方法が提案されている。これらの方法は一般
的に、補綴する部位と周囲の歯列および口腔内形状を計
測する手段、計測データに基づきコンピュータ上で補綴
物を設計する手段および設計データに基づき補綴物を加
工する手段からなっている。これらのうち、歯列形状を
計測し、データをコンピュータに取り込みそれぞれの歯
の三次元的な位置関係を画面上に表示するプロセスは、
設計する補綴物の精度や形状に大きな影響を与える。
【0003】従来、最も簡便な方法として、咬頭嵌合位
のような上下の歯列を自然な噛み合わせ位置関係に固定
された歯牙模型を計測し、このデータのみを画面上に表
示し、歯列上の一部に形成された支台歯上に上下歯列の
位置関係を阻害しないように補綴物(クラウン又はブリ
ッジ)を設計する方法があった。しかしながらこの方法
では、咀嚼運動をしたときの上下歯列の位置関係が全く
考慮されていないので、不完全な設計となり、正常な咀
嚼運動に悪影響を与える場合があった。
【0004】これを解決するために、例えば、患者の顎
の動きをシミュレーションできる方法が提案されてい
る。一つは特定の歯の動きを測定し、そのデータを用い
てコンピュータで咀嚼時の顎の運動を再現する方法であ
る。また、チェックバイトあるいはFGPなどと呼ばれ
る方法で、顎を動かしたときに患者の口腔内で直接ワッ
クス上の材料を咬ませた運動を記録し、これを計測器で
測定して画面上に再現する方法があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は理論的
に正しい咬合運動を再現できるが、個々の患者の顎運動
を直接患者から別の方法で計測、記録する必要があるた
め、時間の制約が多い日常診療では必ずしも歓迎されな
い方法であった。
【0006】本発明はこの問題を解決し、日常診療での
作業負担を増やすことなく顎の運動を考慮した補綴物設
計が可能となる補綴物設計装置および方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題解決のた
め、本発明の補綴物設計装置は、歯科補綴物による修復
部位を含む上下顎歯列の形状および複数の咬合位置にお
ける相対位置関係を計測する歯列計測部と、この計測デ
ータからいずれか一つの咬合位置における上下顎歯列の
咬合形状関係を演算するとともにこの関係から補綴物の
形状を設計する補綴物設計部と、他の咬合位置における
上下顎歯列の咬合形状関係を、補綴物を修復部位に装着
したままの状態で演算する演算部と、この演算結果に基
づいて補綴物の形状を修正する補綴物修正部とから構成
される。
【0008】また、本発明の補綴物設計方法は、歯科補
綴物による修復部位を含む上下顎歯列模型を用意する準
備工程と、これら上下顎歯列模型の形状および複数の咬
合位置における相対位置関係を計測する計測工程と、こ
の計測データに基づいていずれか一つの咬合位置におけ
る上下顎歯列の咬合形状関係を演算してこの関係から補
綴物の形状を設計する設計工程と、他の咬合位置におけ
る上下顎歯列の咬合形状関係を補綴物を装着した状態で
演算する演算工程と、この演算結果に基づいて補綴物の
形状を修正する修正工程とから構成される。
【0009】このような装置もしくは方法では、患者の
上下歯列模型を作成すれば、その後は、患者がいなくて
も、この模型の形状および各咬合位置での相対位置関係
を計測し、この計測データを用いて補綴物の設計が可能
である。このため、個々の患者に対する負担は少なく、
日常診療における歯科補綴物の設計にも十分に適用でき
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態につい
て、図面を参照して説明する。本発明に係る歯科補綴物
の設計手順を図1に示している。
【0011】まず、患者の上下顎歯列の石膏模型を作成
する(ステップS1)。この模型は、患者の全ての歯に
ついての歯列模型でも、補綴物(クラウンもしくはブリ
ッジ)により修復を行う部位(支台歯等)の周辺部の歯
列模型でもよい。そして、これら上下顎歯列模型の形状
測定を行う(ステップS2)とともにその測定結果を保
存する(ステップS3)。この測定は、少なくとも支台
歯(修復部位)と、その隣在歯と、これらの対合歯とに
ついて行う。形状測定手段としては、例えば、特開平7
−248213号に開示されているようなレーザ光距離
センサ等を用いた三次元計測装置が用いられる。
【0012】この測定データに基づいて歯列の三次元形
状が、図2のブロックB1に示すようにディスプレイ
(CRT)上に表示される(ステップS4)。本例で
は、上顎歯列UTとしてクラウン(補綴物)が装着され
る支台歯1とこの支台歯1の左右隣在歯2,3とが計測
されて表示され、下顎歯列LTとしてこれら上顎歯列U
Tが対向して噛み合う三つの対合歯4,5,6の三次元
形状が表示されている。なお、ここでは咬頭嵌合位もし
くは中心咬合位と呼ばれる咬合位置関係における形状を
表示している。
【0013】本発明では、この支台歯1に装着するクラ
ウンを設計するのであるが、装置のメモリに予め各歯の
標準的なクラウンのモデル形状がデータベースとして保
存されており、ここから支台歯1の部位に適合する標準
クラウン8を選択して画面上に呼び出す(ブロックB
2)。
【0014】標準クラウン8を選択した後、画面上でク
ラウン8を回転、移動および拡大/縮小させ、支台歯1
とクラウン8のサイズおよび位置合わせを行う(ブロッ
クB3)。次に、このようにサイズおよび位置が合った
状態でこのクラウン8を支台歯1の上にかぶせ(ブロッ
クB4)、支台歯1の根本部形状に対応してクラウン8
の歯頚線(マージライン)を設定し、隣在歯2,3と一
点または小さな面積で接するようにクラウン8の形状設
定を行う。さらに、クラウン8の咬合面に、対合歯4,
6等の凹凸と自然な状態でしっくり噛み合うように凹凸
を設ける。
【0015】上述のようにこの場合には、上下歯列は咬
頭嵌合位で噛み合った状態を示しており、この状態で隣
在歯2,3および対合歯4,5,6と所定の噛み合い関
係となるように、すなわち、どの歯とも画面上で干渉し
ないようにクラウン8の形状が設計される(ステップS
5)。
【0016】ところで、実際に歯で食物を咀嚼する場
合、人間の顎は左右の顎関節を支点として、開閉運動
(垂直方向)と側方および前後の水平運動とが複合した
複雑な運動をする。特に、主として側方に上下歯列をこ
すり合わせる運動は顎関節と上下歯列の咬合面の形に依
存している。このため、上記のように咬頭嵌合位での位
置関係から設計したクラウン8は、そのような咀嚼運動
中において対合歯の凸部(咬頭)と干渉を起こすおそれ
があり、このようなクラウン8を実際に患者の支台歯に
装着したのでは、咀嚼に違和感が生じる。
【0017】本発明では、このようなことから、ステッ
プS2の計測工程において咬頭嵌合位から側方に移動し
た咬合位置(側方運動位置)における上下歯列の相対位
置関係を計測しており、この計測データ(ステップS
6)から側方運動位置での咬合状態もシミュレーション
する(ステップS7)。そして、このシミュレーション
に基づいてクラウン8の形状を修正変形する。すなわ
ち、本発明では、咀嚼運動の中で影響の大きい側方運動
位置においても対合歯などと干渉を起こさないようにク
ラウン8の形状修正を行い、これにより咀嚼時にも違和
感の生じることのないクラウン設計を行う。
【0018】なお、側方運動位置の代表的なものとして
は、左右の側方運動限界位置を選択するのが好ましい。
これは、咬頭嵌合位および左右側方運動限界位置は歯科
医が容易に決定できるポジションためである。必要に応
じて咬頭嵌合位と側方運動限界位置との間に計測ポジシ
ョンを増やせば、より正確な補綴物設計が可能となる。
但し、計測の負荷はそれだけ増加する。
【0019】また、測定位置は左右の限界位置と咬頭嵌
合位のみとし、各位置の代表点座標を結ぶ直線に沿って
歯列が運動すると仮定し、このような運動中に干渉が生
じないようにクラウンの形状修正を行ってクラウン形状
設計を行うことも可能である。例えば、ある隣在歯の舌
側咬頭頂を代表点として選び、咬頭嵌合位と左右側方運
動限界位置とにおけるこの咬頭頂の座標位置を結んだ線
上を運動するように上下歯列を動かせば、画面上での顎
の側方運動を近似的にシミュレートすることができる。
そして、このシミュレーションにおいてクラウンが対合
歯と干渉しないように形状修正がなされる。
【0020】このような咬合運動をより正確に再現する
方法としては歯科咬合器を用いる方法がある。咬合器は
擬似的な顎関節の機能を有する支持部と、上下の歯列模
型を装着する二つの部材を備えた装置からなり、咀嚼運
動時の顎の動きを機械的に再現することが可能である。
このため、咬合器による上下歯列の運動をコンピュータ
でシミュレーションすることにより、運動経路を直線で
近似するよりも正確な咀嚼運動を再現することができ、
より正確なクラウン設計が可能である。
【0021】咬合器は咬頭嵌合位や側方運動位置を歯列
模型を使って口腔外に再現するために最も適した治具で
あるため、これを計測器治具として使用することにより
効率的にデータ採取が可能である。実際には、計測時に
使用した咬合器と同一の構成および動きを持つ咬合器を
コンピュータ上でシミュレーションして、クラウン設計
を行い、設計精度および効率ともに向上させることがで
きた。
【0022】
【第1実施例】本発明の第1実施例について図面を参照
して説明する。なお、この実施例では、下顎左下第6番
の第1大臼歯部に形成された支台歯上に新しいクラウン
を設計する。
【0023】 咬頭嵌合位での計測: まず、患者の
歯列模型を作成し、この歯列模型の三次元形状を測定す
る。この測定装置として、図3に示す装置を用いた。こ
の装置は、X−Yテーブル上の裁置台11と、この裁置
台11を垂直軸を中心として回転させる被測定物回転機
構12と、先端にレーザ変位計16を有して水平軸を中
心として回動自在な支持アーム13と、この支持アーム
13を水平軸を中心として回動させる(矢印W方向)セ
ンサ回動機構14と、センサ回動機構14を垂直方向
(Z方向)に移動自在に支持する支持台15とから構成
される。X−Yテーブルにより裁置台11の上に載置し
た歯列モデルMの位置決めを行うとともに、支持台15
によりレーザ変位計16の垂直位置調整を行った後、裁
置台11を回転させながら、支持アーム13を回動さ
せ、レーザ変位計16によりモデルMの三次元形状を測
定する。
【0024】このような三次元形状測定装置では上顎歯
列および下顎歯列をそれぞれ別々に測定する必要があ
る。しかし、本発明では上下顎歯列の所定咬合位置関係
も測定する必要があるため、上下顎歯列の咬合関係を保
持したまま、それを測定装置上に載置する治具を用いて
形状測定を行い、上下顎歯列の各三次元形状のみならず
両歯列の咬合位置関係も測定する。なお、このような治
具としては、本出願人が特願平7−178122号で提
案したものがある。
【0025】 側方運動位置での計測: 次に、側方
運動位置における上下歯列の咬合位置関係を求めるた
め、図4および図5に示すような歯科用咬合器の機能を
有した補助装置20を準備した。この装置における上顎
模型弓21の支持台21aに石膏を介して上顎歯列模型
MUを取り付け、下顎模型弓22の支持台22aに石膏
を介して下顎歯列模型MLを取り付ける。このとき、両
歯列模型MU,MLを咬頭嵌合位で咬合させた状態で、
図6(a)に示すように、ガイドロッド23の先端ボー
ル23aがボールガイド24の中央に位置するように設
定する。
【0026】そして、X−Yステージ25を作動させて
先端ボール23aを誘導し、上下歯列MU,MLが左方
運動限界位置関係になるまで上顎歯列模型MUを移動さ
せた。このときのX−Yステージ25の作動量すなわち
先端ボール23aの移動量(X1,Y1)を読みとった
(図6(b)参照)。同様にして、右方運動限界位置関
係になるまで上顎歯列模型MUを移動させたときの移動
量(X2,Y2)も読みとった。これと同時に、左右運
動限界位置まで移動したときにおける先端ボール23a
の垂直方向の移動量Z1,Z2もダイヤルゲージを用い
て計測した。
【0027】 咬合シミュレーション: まず、咬頭
嵌合位での計測データをエンジニアリングワークステー
ションに搭載したCADソフトに入力し、CRT画面上
に咬頭嵌合位における上下顎歯列の三次元形状を表示し
た。
【0028】次に、側方運動限界位置まで移動したとき
の上下顎歯列の相対移動量(X1,X2,Y1,Y2,
Z1,Z2)をCADソフトの一部を構成する顎運動シ
ミュレーションソフトに入力した。この顎運動シミュレ
ーションソフトは、計測に使用した補助装置20(歯科
用咬合器と同じ機能を有する装置)の機構および動きを
再現できるようにプログラムされている。そして、既に
入力済みの咬頭嵌合位における上下顎歯列形状をソフト
ウェア内に入力された補助装置(咬合器)と合成するこ
とにより、上下顎歯列を咬合器によって誘導される軌道
に沿って左右側方運動限界位置まで相対運動させた。
【0029】 補綴物の設計: まず、咬頭嵌合位で
の計測結果に基づき、咬頭嵌合位で嵌合した状態での上
下顎歯列の三次元形状をコンピュータの画面上に表示し
た。そして、図2に示した工程に基づいて、標準クラウ
ンを支台歯に装着するとともに隣在歯および対合歯との
干渉のないクラウン設計を行った。これにより、咬頭嵌
合位でのクラウン設計が完了する。
【0030】次に、上記の顎運動シミュレーションソフ
トを起動し、上下顎歯列を咬頭嵌合位から左右運動限界
位置まで相対運動させ、このときに支台歯に装着したク
ラウンの咬合面と対合歯の咬合面とが干渉する部分をカ
ラー表示した。そして、CADの画面変形ソフトを使っ
て干渉部分がなくなるようにクラウン咬合面を変形修正
し、設計を完了した。
【0031】
【第2実施例】第1実施例では咬合器を用いているので
正確なクラウン設計が可能であるが、シミュレーション
を適度な速度で行わせるには現在では高価なワークステ
ーションを必要とする。しかしながら、技工現場で実用
化できるようにするにはコストを考慮したシステムとす
る必要があり、このため、より簡便な実施例について以
下に説明する。
【0032】 計測: 第1実施例と同様にして上下
顎歯列模型の三次元形状の測定を行った。さらに、第1
実施例と同様の補助装置20を計測器のステージにセッ
トし、左右側方運動限界位置まで上下顎歯列を移動させ
るのであるが、本例では、犬歯を目印として用いて測定
を行った。すなわち、上下犬歯の位置および形状を咬頭
嵌合位および左右側方運動限界位置において計測した。
【0033】咬頭嵌合位での計測結果からこの位置関係
での上下顎歯列の三次元形状を画面表示させることがで
きる。また、左右の側方運動限界位置での犬歯の位置と
形状を、コンピュータに入力し、咬頭嵌合位での上下歯
列データの犬歯部にフィッティングさせることにより側
方運動限界位置での上下顎歯列の三次元形状位置関係を
画面上に表示させることができる。
【0034】 咬合シミュレーション: 左右側方運
動限界位置および咬頭嵌合位における犬歯の先端部をそ
れぞれ直線で結び、犬歯先端がこの直線状を移動するよ
うに歯列全体を相対運動させることにより、咬合シミュ
レーションを行った。なお、このとき、上下歯列全体を
移動させると演算時間が大きくなることがあるため、支
台歯側の歯列のみを移動させる方が実用的である。ま
た、目印として犬歯に変えて支台歯の隣在歯を使えば、
より効率的なシミュレーションを行うことができる。こ
れは、シミュレーションを図2に示すように、支台歯と
その左右隣在歯と、これらの対合歯のみを用いて行うこ
とが可能であり、この場合には犬歯のデータが不要だか
らである。
【0035】 クラウンの設計: 第1実施例と同様
にして、まず咬頭嵌合位でのクラウン設計を行い、次
に、上記咬合シミュレーションにおいてこのクラウンの
咬合面と対合歯の咬合面との干渉部を表示し、この干渉
がなくなるようにクラウン咬合面を変形修正し、設計を
完了した。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
歯科補綴物による修復部位を含む上下顎歯列の形状およ
び複数の咬合位置における相対位置関係を計測する歯列
計測部と、この計測データからいずれか一つの咬合位置
における上下顎歯列の咬合形状関係を演算するとともに
この関係から補綴物の形状を設計する補綴物設計部と、
他の咬合位置における上下顎歯列の咬合形状関係を、補
綴物を修復部位に装着したままの状態で演算する演算部
と、この演算結果に基づいて補綴物の形状を修正する補
綴物修正部とから補綴物設計装置が構成されている。
【0037】また、本発明の補綴物設計方法は、歯科補
綴物による修復部位を含む上下顎歯列模型を用意する準
備工程と、これら上下顎歯列模型の形状および複数の咬
合位置における相対位置関係を計測する計測工程と、こ
の計測データに基づいていずれか一つの咬合位置におけ
る上下顎歯列の咬合形状関係を演算してこの関係から補
綴物の形状を設計する設計工程と、他の咬合位置におけ
る上下顎歯列の咬合形状関係を補綴物を装着した状態で
演算する演算工程と、この演算結果に基づいて補綴物の
形状を修正する修正工程とから構成されている。
【0038】このような装置もしくは方法では、患者の
上下歯列模型を作成すれば、その後は、患者がいなくて
も、この模型の形状および各咬合位置での相対位置関係
を計測し、この計測データを用いて補綴物の設計が可能
である。このため、個々の患者に対する負担は少なく、
日常診療における歯科補綴物の設計にも十分に適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る補綴物設計手順を示すフローチャ
ートである。
【図2】本発明に係る補綴物設計手順を示すブロック図
である。
【図3】本発明の補綴物設計において歯列模型の形状計
測を行うための三次元形状計測装置を示す斜視図であ
る。
【図4】本発明において上下顎歯列の咬合位置関係の計
測に用いられる補助装置を示す側面図である。
【図5】本発明において上下顎歯列の咬合位置関係の計
測に用いられる補助装置を示す正面図である。
【図6】上記補助装置の一部を矢印VI−VIに沿って
示す断面図である。
【符号の説明】
1 支台歯 2,3 隣在歯 4,5,6 対合歯 8 標準クラウン 11 裁置台 16 レーザ変位計 20 補助装置 23 ガイドロッド 23a 先端ボール 24 ボールガイド 25 X−Yステージ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯科補綴物による修復を必要とする修復
    部位を含む上下顎歯列の形状とこれら上下顎歯列の二つ
    以上の異なる咬合位置における相対位置関係とを計測す
    る歯列計測部と、 この歯列計測部による計測データに基づいて、前記咬合
    位置のうちのいずれか一つの咬合位置における前記上下
    顎歯列の咬合形状関係を演算し、この咬合形状関係から
    前記修復部位に装着する補綴物の形状を設計する補綴物
    設計部と、 前記歯列計測部による計測データに基づいて、他の咬合
    位置における前記上下顎歯列の咬合形状関係を、前記補
    綴物設計部により設計された補綴物を前記修復部位に装
    着した状態で演算する演算部と、 この演算部における演算結果に基づいて前記補綴物の形
    状を修正する補綴物修正部とを有することを特徴とする
    歯科補綴物設計装置。
  2. 【請求項2】 前記計測データに基づいて前記上下顎歯
    列の形状および位置関係を画面上に三次元表示する表示
    部を有していることを特徴とする請求項1に記載の歯科
    補綴物設計装置。
  3. 【請求項3】 前記歯列計測部が、光距離センサを用い
    て上下顎歯列模型の三次元形状を測定する三次元形状測
    定装置を有することを特徴とする請求項1または2に記
    載の歯科補綴物設計装置。
  4. 【請求項4】 前記歯列計測部において、歯科用咬合器
    を用いて前記上下顎歯列の二つ以上の異なる咬合位置に
    おける相対位置関係を計測することを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の歯科補綴物設計装置。
  5. 【請求項5】 前記いずれかひとつの咬合位置が咬頭嵌
    合位であり、前記他の咬合位置が側方運動限界位置であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の歯
    科補綴物設計装置。
  6. 【請求項6】 歯科補綴物による修復を必要とする修復
    部位を含む上下顎歯列模型を用意する準備工程と、これ
    ら上下顎歯列模型の形状とこれら上下顎歯列の二つ以上
    の異なる咬合位置における相対位置関係とを計測する計
    測工程と、この計測工程における計測データに基づい
    て、前記咬合位置のうちのいずれか一つの咬合位置にお
    ける前記上下顎歯列の咬合形状関係を演算し、この咬合
    形状関係から前記修復部位に装着する補綴物の形状を設
    計する設計工程と、前記計測工程における計測データに
    基づいて、他の咬合位置における前記上下顎歯列の咬合
    形状関係を、前記設計工程において設計された補綴物を
    前記修復部位に装着した状態で演算する演算工程と、こ
    の演算工程における演算結果に基づいて前記補綴物の形
    状を修正する修正工程とを有することを特徴とする歯科
    補綴物設計方法。
  7. 【請求項7】 前記計測工程における計測データに基づ
    いて前記上下顎歯列の形状および位置関係を画面上に三
    次元表示する表示工程を有していることを特徴とする請
    求項6に記載の歯科補綴物設計方法。
  8. 【請求項8】 前記計測工程において、前記上下顎歯列
    模型を歯科用咬合器に装着して前記二つ以上の異なる咬
    合位置における相対位置関係を計測することを特徴とす
    る請求項6または7に記載の歯科補綴物設計方法。
  9. 【請求項9】 前記演算工程において、前記いずれか一
    つの咬合位置から前記他の咬合位置までの前記上下顎歯
    列同士の相対運動を、歯科用咬合器の作動をシミュレー
    ションして演算し、前記修正工程においては、このシミ
    ュレーションによる相対運動に基づいて前記補綴物の形
    状を修正することを特徴とする請求項6〜8のいずれか
    に記載の歯科補綴物設計方法。
  10. 【請求項10】 前記演算工程において、前記いずれか
    一つの咬合位置から前記他の咬合位置まで前記上下顎歯
    列に相対直線運動を行わせて前記上下顎歯列の咬合形状
    関係を演算し、前記修正工程においては、この相対直線
    運動を行うときにおける前記上下顎歯列の咬合形状関係
    に基づいて前記補綴物の形状を修正することを特徴とす
    る請求項6〜8のいずれかに記載の歯科補綴物設計方
    法。
  11. 【請求項11】 前記いずれかひとつの咬合位置が咬頭
    嵌合位であり、前記他の咬合位置が側方運動限界位置で
    あることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載
    の歯科補綴物設計方法。
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