JPH09249583A - 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法 - Google Patents

酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法

Info

Publication number
JPH09249583A
JPH09249583A JP8333896A JP8333896A JPH09249583A JP H09249583 A JPH09249583 A JP H09249583A JP 8333896 A JP8333896 A JP 8333896A JP 8333896 A JP8333896 A JP 8333896A JP H09249583 A JPH09249583 A JP H09249583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen carrier
carrier
oxygen
reaction
ethane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8333896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimika Ishizuki
貴美香 石月
Suguru Iki
英 壱岐
Fumio Igarashi
文穂 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Petroleum Energy Center PEC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER, Petroleum Energy Center PEC filed Critical SEKIYU SANGYO KASSEIKA CENTER
Priority to JP8333896A priority Critical patent/JPH09249583A/ja
Publication of JPH09249583A publication Critical patent/JPH09249583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C5/00Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms
    • C07C5/42Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with a hydrogen acceptor
    • C07C5/48Preparation of hydrocarbons from hydrocarbons containing the same number of carbon atoms by dehydrogenation with a hydrogen acceptor with oxygen as an acceptor

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】反応性の低い短鎖パラフィン、特に、エタン、
プロパンを酸素キャリアーとして用いて比較的低温で酸
化脱水素反応を行い、原料炭化水素と同一炭素数のモノ
オレフィンを得ることである。 【解決手段】気相において分子状酸素非共存下で酸素キ
ャリアーを用いた炭素数2〜3のパラフィン類の酸化脱
水素反応によるオレフィン類の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素キャリアーを
用いた短鎖のパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレ
フィン類の製造方法に関する。更に詳しくは、反応性の
低いエタン、プロパンを酸素キャリアーを用いて分子状
酸素非共存のもと比較的低温で酸化脱水素反応を行い、
原料炭化水素と同一炭素数のモノオレフィンを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パラフィン類をモノオレフィンに転化す
る方法としては、単純脱水素反応と酸化脱水素反応があ
る。単純脱水素反応は、熱力学的平衡の制約を受けるた
め高収率を得るためには高温で行うことを要するが、そ
れでもなおモノオレフィンの収率には限界がある。ま
た、酸化脱水素反応には2通りの方法がある。その1つ
は分子状酸素の共存下、パラフィンを触媒に接触させて
酸化脱水素反応を行う方法であり、他の1つは、分子状
酸素非共存下で、複数の酸化状態を取り得る金属酸化物
を酸素キャリアーとして用い、酸化脱水素反応を行う方
法である。
【0003】分子状酸素素非共存下で金属酸化物を酸素
キャリアーとして用い、酸化脱水素反応を行う試みとし
ては、以下の例が知られている。
【0004】特公昭62−51937号は、γ−アルミ
ナに硝酸ビスマス又は硝酸カドミウムを含浸担持後焼成
し酸化物としたものを酸素キャリアーとして用い、ブテ
ンからブタジエンを製造することに関するものであり、
反応温度400〜500℃で実施されている。しかし、
この公報に記載の方法は、原料がブテンのみであり、パ
ラフィン類に関しては言及していない。
【0005】また、酸素キャリアーの中には酸化力が強
いため初期活性が高く一酸化炭素及び二酸化炭素が多く
生成するものもある。そこで、特公昭63−32335
号では、γ−アルミナ担持酸化銅、γ−アルミナ担持酸
化カドミウム及びγ−アルミナ担持酸化マンガンを還元
性ガス(一酸化炭素、水素、メタンなど)により予めあ
る程度還元したものを酸素キャリアーとして用い、ブテ
ンからブタジエンを製造している。酸素キャリアーを還
元することにより、一酸化炭素及び二酸化炭素の生成が
抑制され、ブタジエンの選択性が向上している。しか
し、この特許公報も短鎖のパラフィン類に関しては言及
していない。
【0006】J.Chem.Soc.Faraday
Trans.,Vol.87,1639(1991)
は、含浸法により調整したフェライトマグネシウム(M
gFe)を用いた1−ブテンからのブタジエンの
製造に関するものである。反応温度は600℃で実施さ
れている。生成物中に二酸化炭素が検出され、また、反
応後MgFeのXRDピークが消滅し、FeO及
びFeのピークが現れていることより、MgFe
は酸素キャリアーとして作用しているものと考え
られる。1−ブテンの転化率15%及びブタジエンの選
択率65%となっており、比較的反応性の高いブテン原
料としては活性が低く、更に反応性の低いパラフィン類
には適用できない。
【0007】Bull.Pol.Acad.Sci.C
hem.,Vol.39,153(1991)には、含
浸法及び共沈法により調整した五酸化バナジウム−フッ
化マグネシウム(V−MgF)を用いた分子状
酸素非共存下でのシクロヘキサンからのベンゼン製造、
並びにプロパノールからのプロピレン及びメチルエチル
ケトンの製造の例が挙げられている。反応温度は370
℃で実施されており、還元前処理温度と反応活性に相関
があり、バナジウムの酸化還元により反応が進行してい
ると提唱している。しかし、反応はパルスで行われてお
り、定常的に反応が進行するかは不明である。
【0008】以上のように多くは反応性の高いオレフィ
ン、ナフテン系炭化水素及びアルコール類を原料として
いる。一方、反応性の低いエタンを原料とする試みとし
ては以下に示す例が知られている。
【0009】米国特許第4,737,595 号は、シ
リカにマンガンとピロリン酸ナトリウムを含浸させたも
の(Mn/Na/SiO)を用いた分子状
酸素非共存下でのエタンからエチレンへの製造に関する
ものである。一酸化炭素、二酸化炭素及び水が生成して
いることによりMn/Na/SiOは酸素
キャリアーとして作用して働いているとも考えられる
が、該米国特許明細書にはMn/Na/Si
の酸素キャリアーとしての働きについては何も記載
されていない。また、エチレン選択率が91Cwt%及
び76Cwt%と高い値を示しているが、何れも反応温
度が700℃及び800℃と高温であり、エチレン生成
は主として熱的に進行していると推察される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記の酸素キャリアー
は、前記米国特許第4,737,595号を除き、反応
性の高いオレフィン、ナフテン系炭化水素及びアルコー
ル類の酸化脱水素反応に用いられており、反応性の低い
短鎖のパラフィン系炭化水素の酸化脱水素反応には用い
られていない。また、前記米国特許第4,737,59
5号では反応性の低いエタンに作用する酸素キャリアー
を開示しているが、反応温度が700℃と高温であり、
主なオレフィン生成は熱的脱水素に依存すると推察され
る。
【0011】本発明の課題は、反応性の低い短鎖パラフ
ィン、特に、エタン、プロパンを酸素キャリアーとして
用いて比較的低温で酸化脱水素反応を行い、原料炭化水
素と同一炭素数のモノオレフィンを得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、気相において
パラフィン類を分子状酸素共存下で酸素キャリアーを用
いた酸化脱水素反応によりオレフィン類を製造する方法
において、複数の酸化状態を取り得る金属の内、或る特
定の金属の酸化物が、短鎖のパラフィン類、特にエタ
ン、プロパンの酸化脱水素反応に対し酸素キャリアーと
して活性を示すことを見出し本発明を完成するに至っ
た。
【0013】即ち、上記課題を解決する本発明は以下の
構成を有する。
【0014】本発明に係るオレフィン類の製造方法は、
気相において分子状酸素非共存下で酸素キャリアーを
用いた炭素数2〜3のパラフィン類の酸化脱水素反応に
よること、酸素キャリアーが、バナジウム、モリブデ
ン、鉄、ニッケル、銅、クロム並びにマンガンよりなる
群から選ばれる一つの金属の酸化物であること、酸素
キャリアーが、バナジウム、モリブデン、鉄、ニッケ
ル、銅、クロム並びにマンガンよりなる群から選ばれる
1つの金属の酸化物を、シリカ、チタニア、アルミナ、
ジルコニア、マグネシア並びにシリカアルミナよりなる
群から選ばれる一つの坦体に担持したものであること、
坦体担持の酸素キャリアーがバナジウム、モリブデ
ン、鉄、ニッケル、銅、クロム並びにマンガンよりなる
群から選ばれる一つの金属の塩類とシリカ、チタニア、
アルミナ、ジルコニア、マグネシア並びにシリカアルミ
ナよりなる群から選ばれる一つの坦体を混練りした上で
400〜750℃の温度範囲で焼成したものであり、且
つ前記金属(原子)と坦体の割合が坦体1モル当たり金
属(原子)が0.1〜10モルの範囲であること、酸
素キャリアーが水素又は一酸化炭素及びそれらを不活性
ガスで希釈した混合ガスにより還元前処理したものであ
ること、酸素キャリアーが酸化脱水素反応終了後酸素
を含むガスを通気し再酸化したものであること、をそれ
ぞれ特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる酸素キャリア
ーは、バナジウム、モリブデン、鉄、ニッケル、銅、ク
ロム並びにマンガンよりなる群から選ばれる1つの金属
の酸化物である。本発明に用いられる酸素キャリアー
は、上記の金属酸化物をそのまま使用してもよいが、反
応原料との接触効率向上などのため混練法により坦体に
担持するのがより好ましい。坦体としては、シリカ、チ
タニア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア又はシリカ
アルミナの中から選ぶことができる。この場合、金属酸
化物と単体の割合はモル比で金属原子/坦体=0.1〜
10.0であるが、好ましくは、0.5〜4.0、更に
好ましくは0.8〜3.0である。
【0016】本発明の酸素キャリアーは、前述の金属の
塩類即ち硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、シ
ュウ酸塩及びリン酸塩などをそのまま空気中又は不活性
ガスと酸素の混合気流中で焼成するか、又は坦体と水を
加えて加熱しながら混練し、120℃で8〜20時間乾
燥したものを空気中又は不活性ガスと酸素の混合気流中
で焼成して得られる。焼成温度は金属種にもよるが、4
00〜750℃の温度範囲であり、例えばバナジウムは
650℃、鉄は550℃である。温度が低過ぎると金属
が高原子価まで酸化されず、また高過ぎると不経済なの
で上記の如く400〜750℃の範囲で行うのがよい
が、より好ましくは500〜700℃の範囲である。
【0017】本発明で用いられる反応原料ガスは、短鎖
のパラフィン類であるが、不活性ガスで希釈することも
できる。パラフィン類としては、炭素数2〜3のものが
挙げられる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム及び
アルゴンガスなどが使用できる。
【0018】反応温度は、通常300〜800℃、好ま
しくは400〜700℃、より好ましくは、450〜6
00℃の範囲である。反応圧力は、通常100〜500
0kPa、好ましくは100〜300kPaの範囲であ
る。空間速度は、小さ過ぎると生産性が低下し、また大
き過ぎると転化率が低下するので、通常10〜2000
−1、好ましくは30〜1000h−1である。
【0019】本発明において、酸化力が強過ぎる酸化キ
ャリアーは反応の前に該酸素キャリアーを還元性ガスを
用いて還元前処理を行う。この還元前処理により反応の
選択性が向上すると共に反応初期の一酸化炭素及び二酸
化炭素の生成が抑制され、同時に酸素キャリアーの急激
な還元を防ぐので酸素キャリアーの寿命も延長する。還
元性ガスとしては、水素及び一酸化炭素などが挙げられ
る。また、これらの還元性ガスは不活性ガスで希釈する
こともできる。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム及
びアルゴンガスが使用できる。
【0020】還元前処理の温度は、通常300〜800
℃、好ましくは400〜600℃の範囲である。処理圧
力は、通常100〜5000kPa、好ましくは100
〜300kPaの範囲である。還元前処理の空間速度
は、通常10〜2000h−1、好ましくは100〜1
500h−1の範囲である。還元時間は特に制限はない
が、短過ぎると還元が進行せず、また長過ぎると酸素キ
ャリアーとして機能しないほど低酸化状態まで還元され
るため、通常0.05〜2.0時間、好ましくは0.1
〜1.5時間である。
【0021】反応後、原料により還元され失活した酸素
キャリアーの再酸化を行う。先ず、酸化性ガスにより酸
素キャリアー上に堆積したコークの除去を再酸化の温度
より低温で行った後、温度を上げて酸素キャリアーの再
酸化を行う。酸化性ガスとしては、酸素ガス及び空気な
どが挙げられる。また、これらの酸化性ガスは不活性ガ
スで希釈することもできる。不活性ガスとしては、窒
素、ヘリウム及びアルゴンガスなどが使用できる。
【0022】コーク除去の温度は、通常200〜550
℃、好ましくは300〜500℃である。酸化性ガスの
圧力は、通常100〜5000kPa、好ましくは10
0〜300kPaである。またこの空間速度は、小さ過
ぎるとコークの燃焼に長時間を要し、大き過ぎると急激
な温度上昇をもたらすので、通常10〜2000
−1、好ましくは100〜1500h−1である。
【0023】酸素キャリアーの再酸化の温度は、酸素キ
ャリアーによって異なり、酸素キャリアーを焼成した温
度で行う。酸化性ガスの圧力は、通常100〜5000
kPa、好ましくは100〜300kPaである。ま
た、この空間速度は、小さ過ぎると酸素キャリアーの再
生に長時間を要し、大き過ぎると急激な温度上昇をもた
らすので、通常10〜2000h−1、好ましくは10
0〜1500h−1である。再酸化時間は、特に制限が
ないが、短過ぎると再酸化が不完全となり、また、長過
ぎると再生に長時間を要するため通常0.1〜10時
間、好ましくは0.5〜5.0時間である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明の要旨を逸脱しない限り本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
【0025】実施例1 メタバナジン酸アンモニウム(和光純薬社製、特級)3
0.0gを直径35mmの石英製反応管に充填し空気流
通下300℃で5時間、650℃で16時間焼成し、粉
末状のV酸素キャリアーを得た。反応は固定床流
通式反応装置を用いて行った。6.0ml(6.7g)
のVを内径10mmのステンレス製反応管に充填
し、常圧のもとでアルゴンガスを空間速度1000h
−1で通気しながら反応管内の温度を昇温し538℃で
安定した後エタンを空間速度100h−1で導入した。
この際還元前処理は行わず、またエタンは不活性ガスで
希釈せずに用いた。エタンを2時間通気して得られた反
応生成物は全て気体であり、ガスクロマトグラフによっ
て分析した。TCDによりH2、COCO2、CH
4、6、を、FIDにより全炭化水素を
定量した。結果を表1に示す。
【0026】実施例2 硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬社製、特級)14
5.44gを、コロイダルシリカ(日産化学社製、ST
−N)60.08gに攪拌しながら加温溶解した(Fe
/SiO=1.8モル/モル)。更に、90℃に加熱
しながら混練しビーカー内壁から剥離できるまで水分が
蒸発した後、乾燥器中において120℃で15時間乾燥
させた。その後電気炉中で空気を導入しながら650℃
で3時間焼成し、粉末状のFe−SiO酸素キャリア
ーを得た。実施例1と同じ反応装置を用い、6.0ml
(4.3g)のFe−SiOを内径10mmのステン
レス製反応管に充填し、実施例1と同様にエタンの酸化
脱水素反応を行った。エタンを2時間通気して得られた
反応生成物は全て気体であり、ガスクロマトグラフによ
り分析した。結果を表1に示す。
【0027】実施例3 硝酸(III)九水和物(和光純薬社製、特級)30.
00gを電気炉中で空気を導入しながら650℃で3時
間焼成し粉末状のFe酸素キャリアーを得た。実
施例1と同じ反応装置を用い、6.0ml(3.5g)
の Feを内径10mmのステンレス製反応管に
充填し、実施例1と同様に反応を行った。エタンを2時
間通気して得られた反応生成物は全て気体であり、ガス
クロマトグラフにより分析した。結果を表1に示す。
【0028】実施例4 硝酸マンガン六水和物(和光純薬社製、特級)51.7
gを、水100gに加温溶解した。硝酸マンガン水溶液
にチタニア(日本アエロジル社製、P−25)8.0g
を攪拌しながら加えた(Mn/TiO=1.8 モル
/モル)。更に、90℃に加熱しながら混練しビーカー
内壁から剥離できるまで水分を蒸発させた後、乾燥器中
において120℃で15時間乾燥させた。その後、電気
炉中で空気を導入しながら550℃で3時間焼成し、粉
末状のMn−TiO酸素キャリアーを得た。実施例1
と同じ反応装置を用いて、6.0ml(7.8g)のM
n−TiOを内径10mmのステンレス製反応管に充
填し、実施例1と同様にエタンの酸化脱水素反応を行っ
た。エタンを2時間通気して得られた反応生成物は全て
気体であり、ガスクロマトグラフにより分析した。結果
を表1に示す。
【0029】実施例5 メタバナジン酸アンモニウム(和光純薬社製、特級)6
3.2gを水200gに加温溶解した。メタバナジン酸
アンモニウム水溶液にコロイダルシリカ(日産化学社製
ST−N)90.1gを攪拌しながら加えた(V/Si
=1.8モル/モル)。更に、90℃に加熱しなが
ら混練しビーカー内壁から剥離できるまで水分を蒸発さ
せた後、乾燥器中において120℃で15時間乾燥させ
た。その後電気炉中で空気を導入しながら300℃で3
時間焼成し、直径35mmの石英製反応管に充填し空気
流通下650℃で3時間焼成し、粉末状のV−SiO
酸素キャリアーを得た。
【0030】実施例1と同じ反応装置を用い、6.0m
l(5.4g)のV−SiOを内径10mmのステン
レス製反応管に充填した。アルゴンガスを空間速度10
00h−1で通気しながら反応管内の温度を昇温し53
8℃で安定した後、アルゴンガスの供給を停止し、空間
速度1000h−1 で水素を0.4時間導入した。水
素供給停止後アルゴンガスを導入し反応管内の温度が5
38℃に安定した後、エタンを空間速度100h−1
導入した。エタンを6時間通気して得られた反応生成物
は全て気体でありガスクロマトグラフにより分析した。
結果を表1に示す。
【0031】また、エチレン収率1%以上を維持するエ
タンの通気時間(酸素キャリアー寿命)及び数1で定義
されるエチレン収率の時間積算値を求めた。結果を表2
に示す。
【0032】エチレン収率時間積算値=Σ{(Y+Y
n−1)×T/2} Y :n回目のサンプリング時におけるエチレンの
収率(%) Yn−1:(n−1)回目のサンプリング時におけるエ
チレンの収率(%) T :(n−1)回目とn回目のサンプリングの間
隔(h) 実施例6 酸素キャリアーをエタン通気前に還元前処理しなかった
以外は実施例5と同じ装置及び酸素キャリアーを使用
し、実施例5と同様にエタンの酸化脱水素反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0033】また、エチレン収率1%以上を維持するエ
タンの通気時間及びエチレン収率の時間積算値を求め
た。結果を表2に示す。
【0034】実施例7 モリブデン酸アンモニウム四水和物(和光純薬社製、特
級)31.8gを水100gに加温溶解した。モリブデ
ン酸アンモニウム水溶液にチタニア(日本アエロジル社
製、P−25)8.0gを攪拌しながら加えた(Mo/
TiO=1.8 モル/モル)。更に、90℃に加熱
しながら混練しビーカー内壁から剥離できるまで水分が
蒸発した後、乾燥器において120℃で15時間乾燥し
た。その後、電気炉中で空気を導入しながら550℃で
3時間焼成し、粉末状のMo−TiO酸素キャリアー
を得た。
【0035】実施例1と同じ反応装置を用い6.0ml
(7.6g)のMo−TiO を内径10mmのステ
ンレス製反応管に充填した。アルゴンガスを空間速度1
000h−1で通気しながら反応管内を昇温し538℃
で安定した後アルゴンガスの供給を停止し、空間速度1
000h−1で水素を0.15時間導入した。水素供給
停止後アルゴンガスを導入し、反応管内の温度が538
℃で安定した後エタンを空間速度100h−1で導入し
た。エタンを2時間通気して得た反応生成物は全て気体
でありガスクロマトグラフにより分析した。結果を表1
に示す。
【0036】実施例8 酸素キャリアーをエタン通気前に還元前処理しなかった
以外は実施例7と同じ装置及び酸素キャリアーを使用
し、実施例7と同様にエタンの酸化脱水素反応を行っ
た。結果を表1に示す。
【0037】比較例1 硝酸コバルト六水和物(和光純薬社製、特級)29.1
gを水100gに加温溶解した。硝酸コバルト水溶液に
チタニア(日本アエロジル社製、P−25)8.0gを
攪拌しながら加えた(Co/TiO=1.8 モル/
モル)。更に、90℃に加熱しながら混練しビーカー内
壁から剥離できるまで水分が蒸発した後、乾燥器中12
0℃で15時間乾燥した。その後、電気炉中で空気を導
入しながら550℃で3時間焼成し、粉末状のCo−T
iO酸素キャリアーを得た。
【0038】実施例1と同じ反応装置を用い、6.0m
l(6.8g)のCo−TiOを内径10mmのステ
ンレス製反応管に充填し、実施例1と同様にエタンの酸
化脱水素反応を行った。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 (注)実施例5、6はエタンを6時間通気、その他は2
時間通気した。
【0040】
【表2】
【0041】表1で、実施例5と6を、また、実施例7
と8と比較して明らかなように、還元前処理を行うこと
によりエチレン選択率を向上させることができる。ま
た、比較例1より、複数の酸化状態を取り得る金属の酸
化物でも短鎖のパラフィンの酸化脱水素反応に用いられ
る酸素キャリアーとして不適なものもある。
【0042】表2で実施例5と6を比較して明らかなよ
うに、還元前処理を行うことにより反応初期の一酸化炭
素及び二酸化炭素を生成する急激な酸素キャリアーの還
元を防ぎ、その結果、酸素キャリアーの寿命が延び、ま
た酸素キャリアーの格子酸素が有効に酸化脱水素反応に
機能する。
【0043】実施例9 実施例5と同じ酸素キャリアー及び装置を使用し、実施
例5と同様にエタンの酸化脱水素反応を行った。エチレ
ン収率が低下した後にエタンの供給を停止し、アルゴン
ガスを通気させながら反応管内部の温度を450℃に
し、酸素8容量%、窒素30容量%、アルゴン62容量
%の混合ガスを空間速度1000h−1で12時間通気
した。通気ガスをアルゴンに切り替え反応管内温度が5
38℃で安定した後、実施例5と同様に再度還元前処理
し、エタンの酸化脱水素反応を行った。エチレン収率が
低下した後、同様な方法によりコーク除去、再酸化、還
元前処理を行った後エタンの酸化脱水素反応を行った。
反応生成物の分析結果を表3に示す。
【0044】
【表3】 (注)エタンを6時間通気した。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、反応性の低い短鎖のパ
ラフィンを酸素キャリアーを用いて比較的低温で酸化脱
水素反応を行い、高選択率で原料と同一炭素数のモノオ
レフィンを製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/72 B01J 23/72 X 23/74 23/74 X C07C 5/48 6958−4H C07C 5/48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相において分子状酸素非共存下で酸素キ
    ャリアーを用いた炭素数2〜3のパラフィン類の酸化脱
    水素反応によるオレフィン類の製造方法。
  2. 【請求項2】酸素キャリアーが、バナジウム、モリブデ
    ン、鉄、ニッケル、銅、クロム並びにマンガンよりなる
    群から選ばれる一つの金属の酸化物である請求項1に記
    載のオレフィン類の製造方法。
  3. 【請求項3】酸素キャリアーが、バナジウム、モリブデ
    ン、鉄、ニッケル、銅、クロム並びにマンガンよりなる
    群から選ばれる1つの金属の酸化物を、シリカ、チタニ
    ア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア並びにシリカア
    ルミナよりなる群から選ばれる一つの坦体に担持したも
    のである請求項1に記載のオレフィン類の製造方法。
  4. 【請求項4】坦体担持の酸素キャリアーがバナジウム、
    モリブデン、鉄、ニッケル、銅、クロム並びにマンガン
    よりなる群から選ばれる一つの金属の塩類とシリカ、チ
    タニア、アルミナ、ジルコニア、マグネシア並びにシリ
    カアルミナよりなる群から選ばれる一つの坦体を混練り
    した上で400〜750℃の温度範囲で焼成したもので
    あり、且つ前記金属(原子)と坦体の割合が坦体1モル
    当たり金属(原子)が0.1〜10モルの範囲である請
    求項1に記載のオレフィン類の製造方法。
  5. 【請求項5】酸素キャリアーが水素又は一酸化炭素及び
    それらを不活性ガスで希釈した混合ガスにより還元前処
    理したものである請求項1、2、3又は4に記載のオレ
    フィン類の製造方法。
  6. 【請求項6】酸素キャリアーが酸化脱水素反応終了後酸
    素を含むガスを通気し再酸化したものである請求項1、
    2、3、4又は5に記載のオレフィン類の製造方法。
JP8333896A 1996-03-12 1996-03-12 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法 Pending JPH09249583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8333896A JPH09249583A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8333896A JPH09249583A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09249583A true JPH09249583A (ja) 1997-09-22

Family

ID=13799658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8333896A Pending JPH09249583A (ja) 1996-03-12 1996-03-12 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09249583A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113226540A (zh) * 2018-12-28 2021-08-06 Sk燃气 株式会社 包含氧载体物质及脱氢催化剂的烯烃制造用催化剂

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113226540A (zh) * 2018-12-28 2021-08-06 Sk燃气 株式会社 包含氧载体物质及脱氢催化剂的烯烃制造用催化剂
CN113226540B (zh) * 2018-12-28 2024-03-26 Sk燃气 株式会社 包含氧载体物质及脱氢催化剂的烯烃制造用催化剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3735212B2 (ja) 低級アルカン酸化脱水素用触媒およびオレフインの製造方法
CA2871853C (en) Catalyst for alkane oxidative dehydrogenation and/or alkene oxidation
US3192259A (en) Production of alpha, beta-unsaturated oxygen-containing compounds
MXPA01008496A (es) Composiciones que comprenden niquel y su uso como catalizadores en la deshidrogenacion oxidanxte de alcanos.
CN102459135A (zh) 催化剂和方法
JPH11209331A (ja) アンモ酸化反応による不飽和ニトリルの製造方法
US10308570B2 (en) Method for dehydrogenating a hydrocarbon stream with a bimetallic catalyst
JP2000037625A (ja) 低級アルカン酸化脱水素用触媒およびオレフィンの製造方法
CA2310203C (en) Catalytic system and process for the oxidative dehydrogenation of alkylaromatics or paraffins to the corresponding alkenylaromatics or to the corresponding olefins
JP2010260793A (ja) アルカンの酸化脱水素用触媒、当該触媒の製造方法、並びに当該触媒を用いた不飽和炭化水素化合物および/または含酸素炭化水素化合物の製造方法、または不飽和酸の製造方法。
KR100636570B1 (ko) 알코올 및/또는 케톤의 제조방법
JP5571680B2 (ja) パラフィン系低級炭化水素の酸化的脱水素化プロセス
CN112867560A (zh) 用于烷烃氧化脱氢和/或烯烃氧化的催化剂
JPH1157479A (ja) 炭化水素の気相接触酸化反応触媒の製造方法
JPH09249583A (ja) 酸素キャリアーを用いたパラフィン類の酸化脱水素反応によるオレフィン類の製造方法
EP0557790B1 (en) Process for producing isobutylene by oxidative dehydrogenation of isobutane
JP2005298508A (ja) 低級アルカンの変換のための改良された接触(アンモ)酸化法
EP1160011B1 (en) Process for the preparation of catalytic compositions for the oxidative dehydrogenation of alkylaromatics or paraffins
US20210339227A1 (en) Vanadium oxide supported catalyst for alkane dehydrogenation
EP3922350A1 (en) Supported catalysts for non-oxidative dehydrogenation of alkanes
JP2004307451A (ja) オレフィン類への二酸化炭素促進脱水素プロセス
JP2009000641A (ja) アルカンの酸化脱水素用触媒および当該触媒の製造方法並びに当該触媒を用いた不飽和炭化水素化合物、含酸素炭化水素化合物または不飽和酸の製造方法。
JP2001500137A (ja) アルキル芳香族およびパラフィン化合物の接触的酸化脱水素方法およびこの目的用の触媒
RU2224734C2 (ru) Способ получения этилена
JPH0242034A (ja) メタクリル酸および/またはメタクロレインの製法