JPH0924104A - カテーテル取付け補助具 - Google Patents

カテーテル取付け補助具

Info

Publication number
JPH0924104A
JPH0924104A JP8059240A JP5924096A JPH0924104A JP H0924104 A JPH0924104 A JP H0924104A JP 8059240 A JP8059240 A JP 8059240A JP 5924096 A JP5924096 A JP 5924096A JP H0924104 A JPH0924104 A JP H0924104A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
film
hole
separator
cut
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8059240A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Sasaki
康行 佐々木
Tetsuji Sugii
哲次 杉井
Hiromi Fukue
浩美 福江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP8059240A priority Critical patent/JPH0924104A/ja
Publication of JPH0924104A publication Critical patent/JPH0924104A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な作業性をもってカテーテルを生体の穿
刺部に取付け固定することができ、また、生体外におい
て穿刺部から複数のチューブに分枝するようなカテーテ
ルであっても、医療用粘着シートの生体表面からの浮き
や剥がれを抑制することができるカテーテル取付け補助
具を提供すること。 【解決手段】 一対のフィルム基材1、2が積層され、
これらが互いに開閉可能なようにその接合面の一部の領
域4において互いに接着され、一対のフィルム基材の一
方のフィルム基材1が積層方向の外面1aに生体表面B
に対する粘着機能を有し、前記領域4に、この積層体を
貫通する孔8が設けられたカテーテル取付け補助具であ
る。フィルム基材1は、粘着機能を被覆するセパレータ
ー7をさらに有し、その粘着機能は該フィルム基材上に
設けられた粘着剤層6によるものが好ましい。また、他
方のフィルム基材2が、外面2aに剥離可能な補強層5
をさらに有し、孔8から両フィルム基材の外形線に至る
分断部8aを有する態様がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテルの生体
に対する穿刺部において、生体外のカテーテルを生体表
面に取付けるための補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内に挿入されるカテーテルは、主と
して皮膚等の生体表面を穿刺して血管内に挿入されて用
いられる場合が多い。そのような場合、生体外でのカテ
ーテルに対する操作によって、生体の穿刺部には外力が
作用する。このため、その外力を阻止するために、カテ
ーテルを固定する必要がある。また同時に、生体の穿刺
部からの細菌の感染を防止する必要がある。従来、カテ
ーテルの生体への穿刺部に対しては、粘着性フィルムド
レッシングやハイドロコロイドドレッシングなどの医療
用粘着シートが、該穿刺部を含む広い領域を覆うように
貼付され、カテーテルを生体表面に対して取付け固定す
ると共に、外部からの細菌の侵入を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、カテーテル
に対する生体外での機械的操作やカテーテル内への薬物
の投与等の行為によって、上記穿刺部には種々の方向の
外力が繰り返し強く作用する。特に、複数のルーメンを
内部に有し、先端部での種々の作業機能を有するような
多機能のカテーテルは、外径が太く、より高い剛性のも
のであり、操作側の端部に少しの力を加えても、穿刺部
には「てこ」の作用点のように大きな力が作用する。さ
らに生体外側のカテーテルは、穿刺部から複数のチュー
ブに分枝するものもあり、各々のチューブに別途に力が
作用するものもある。従って、従来のように穿刺部を医
療用粘着シートによって押さえただけでは、各々のカテ
ーテルの動きによって医療用粘着シートに浮きや剥がれ
が容易に生じ、その部分が細菌の感染ルートとなるとい
う問題があった。
【0004】本発明の目的は、良好な作業性をもってカ
テーテルを生体の穿刺部に取付け固定することができ、
また、生体外において穿刺部から複数のチューブに分枝
するようなカテーテルであっても、医療用粘着シートの
生体表面からの浮きや剥がれを抑制することができるカ
テーテル取付け補助具を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明のカテーテ
ル取付け補助具は以下の特徴を有するものである。 (1)一対のフィルム基材が積層され、これらが互いに
開閉可能なようにその接合面の一部の領域において互い
に接着され、一対のフィルム基材のうち少なくとも一方
のフィルム基材が積層方向の外側の面に生体表面に対す
る粘着機能を有し、前記接着された領域に、両フィルム
基材を含むこの積層体を積層方向に貫通する孔が設けら
れたものであることを特徴とするカテーテル取付け補助
具。
【0006】(2)一対のフィルム基材の一方のフィル
ム基材が、粘着機能を被覆するセパレーターをさらに有
するものであって、その粘着機能が該フィルム基材上に
設けられた粘着剤層によるものである上記(1)記載の
カテーテル取付け補助具。
【0007】(3)一対のフィルム基材の他方のフィル
ム基材が、積層方向の外側の面に剥離可能な補強層をさ
らに有するものである上記(1)記載のカテーテル取付
け補助具。
【0008】(4)一対のフィルム基材の他方のフィル
ム基材が、積層方向の外側の面に粘着機能をさらに有
し、この粘着機能をさらに被覆する補強層を有するもの
である上記(2)記載のカテーテル取付け補助具。
【0009】(5)孔から上記接着された領域内を通っ
て両フィルム基材の外形線に至り、両フィルム基材を含
むこの積層体を分断し孔をC字形に開き得る分断部をさ
らに有するものである上記(1)に記載のカテーテル取
付け補助具。
【0010】(6)一対のフィルム基材の外形が互いに
合同な長方形または正方形であり、これらの積層がこれ
らの外形が一致するようになされるものであり、接着さ
れる領域が、積層された両フィルム基材の外形の1つの
頂点を共有する長方形または正方形であり、この領域に
孔から外形線に至る直線状の分断部を有するものである
上記(5)記載のカテーテル取付け補助具。
【0011】(7)セパレーターが2以上に分割され得
るような切断部を有するものである上記(2)に記載の
カテーテル取付け補助具。
【0012】(8)セパレーターが少なくとも両フィル
ム基材を貫通する孔を含む部分と含まない部分とに分割
され得るような切断部を有するものである上記(7)記
載のカテーテル取付け補助具。
【0013】(9)セパレーターが、上記孔を含む1つ
の部分と含まない2つの部分とに3分割され得るような
切断部を有するものである上記(8)記載のカテーテル
取付け補助具。
【0014】(10)一対のフィルム基材の外形が互い
に合同な方形状であり、これらの積層がこれらの外形が
一致するようになされるものであり、接着された領域
が、フィルム基材の外形の一辺を共通の一辺とする方形
状の領域である上記(4)記載のカテーテル取付け補助
具。
【0015】(11)孔から上記接着された領域内を通
って上記共通の一辺に至り、両フィルム基材を含むこの
積層体を分断し孔をC字形に開き得る分断部をさらに有
するものである上記(10)記載のカテーテル取付け補
助具。
【0016】(12)孔から上記共通の一辺に平行な方
向へ上記接着された領域内を通って外形の一辺に至り、
両フィルム基材を含むこの積層体を分断し孔をC字形に
開き得る分断部をさらに有するものである上記(10)
記載のカテーテル取付け補助具。
【0017】(13)セパレーターおよび補強層が、3
分割されるための2本の平行な直線状の切断部をさらに
有するものであって、その切断部の2本の直線が、上記
共通の一辺の両端から等しい距離の位置に、該一辺に垂
直に形成されたものである上記(10)記載のカテーテ
ル取付け補助具。
【0018】(14)当該カテーテル取付け補助具全体
が3分割されるための2本の平行な直線状の切断予定部
をさらに有するものであって、その切断予定部の2本の
直線が共に、上記セパレーターおよび補強層の切断部の
直線に平行であって、かつ、該切断部の2本の直線に挟
まれた位置に形成されたものである上記(13)記載の
カテーテル取付け補助具。
【0019】(15)孔から上記共通の一辺に至る分断
部が、予め完全に分断された態様であって、カテーテル
の外形よりも大きな幅を有する帯状の隙間として形成さ
れたものである上記(11)記載のカテーテル取付け補
助具。
【0020】(16)一対のフィルム基材が、各々、上
記共通の一辺に対向する辺から外側に拡張された領域を
さらに有するものであり、この拡張された領域において
一対のフィルム基材が互いに接着され、この互いに接着
された領域が、前記対向する辺に沿って設けられた当該
カテーテル取付け補助具に対する切断予定部によって除
去され得、拡張された領域における一対のフィルム基材
の互いの接着が解除され得るものである上記(15)記
載のカテーテル取付け補助具。
【0021】(17)セパレーターが、部分的に剥離さ
れ得るように切断部を有するものであって、この切断部
が、上記切断予定部と平行に、かつ該切断予定部の外側
に設けられたものである上記(16)記載のカテーテル
取付け補助具。
【0022】(18)補強層が、部分的に剥離され得る
ように切断部を有するものであって、この切断部が、上
記切断予定部と平行に、かつ該切断予定部の外側に設け
られたものであって、補強層の切断部と切断予定部との
間の距離が、セパレーターの切断部と切断予定部との間
の距離よりも大きく設定されたものである上記(17)
記載のカテーテル取付け補助具。
【0023】(19)当該カテーテル取付け補助具に対
して、上記切断予定部の両端部の位置に、外周から切断
予定部に沿って切欠きがさらに設けられたものである上
記(16)記載のカテーテル取付け補助具。
【0024】
【作用】本発明のカテーテル取付け補助具の示す作用を
説明するために、その使用状態を先に説明する。以下、
説明のために、一対のフィルム基材のうち、生体表面に
貼付される一方のフィルム基材を第一のフィルム基材と
呼び、他方のフィルム基材を第二のフィルム基材と呼
ぶ。図3はその使用状態の一例を模式的に示す図であ
る。同図に示すように、本発明のカテーテル取付け補助
具Aは、第一のフィルム基材1と第二のフィルム基材2
との一対のフィルム基材が、互いに開閉可能なように、
各々の一部の領域4で接着されたものであって、その接
着された領域4には、両フィルム基材を含むこの積層体
を積層方向に貫通する孔8が設けられ、さらに、フィル
ム基材1の積層方向の外面1aには生体表面Bに対する
粘着機能が付与されたものである。
【0025】本発明のカテーテル取付け補助具を用いて
カテーテルの生体外の部分を生体表面に固定するに際し
ては、先ず、穿刺部から生体外に出ているカテーテル
が、第一のフィルム基材側から第二のフィルム基材側へ
孔8を通過した状態で、第一のフィルム基材1の外面1
aを生体表面(皮膚)Bに接着する。図3の例では、孔
8によって穿刺部を囲む位置に貼付している。次に、既
存の医療用粘着シートDを用いて、孔8を完全に覆い、
また、カテーテルCの所定部分を、フィルム基材2の外
面2aに固定する。医療用粘着シートDは、第二のフィ
ルム基材2の外面全面に対して密着するよう用いられる
ことが好ましいが、同図では説明のために、医療用粘着
シートDの一部を切欠いて省略し、穿刺部の付近を見せ
ている。
【0026】当該カテーテル取付け補助具の貼付位置
は、図3に示すような、貫通孔が穿刺部を囲む位置だけ
に限定されるものではない。例えば、図10に示すよう
に、穿刺部から出ているカテーテルCを先ず生体表面に
寝かせ、穿刺部から離れて貫通孔8を位置させ、穿刺部
を医療用粘着シートで覆うように貼付してもよい。
【0027】上記のように用いられることによって、図
3に太い矢印で示すような方向にカテーテルCが動いて
も、カテーテル取付け補助具Aの一対のフィルム基材
が、領域4を蝶番として開閉動作を行い、カテーテルの
動きに追従する。このカテーテル取付け補助具の動作に
よって、医療用粘着シートに対しては、フィルム基材2
との接着を剥離する方向の力が作用し難いものとなる。
従って、医療用粘着シートの全面にわたって浮きや剥が
れの発生が抑制される。
【0028】また、本発明のカテーテル取付け補助具で
は、両フィルム基材が互いに接着された領域4に設けら
れた孔8を通してカテーテルを生体に穿刺する構成が重
要である。この構成によって、当該カテーテル取付け補
助具の開閉動作は穿刺部には伝達されず、より密閉性良
くカテーテルを固定することができる。
【0029】本発明のカテーテル取付け補助具の生体表
面への貼付は、カテーテルを体内へ挿入する前であって
も挿入後であってもよいが、孔8から両フィルム基材の
外形線に至り、両フィルム基材を含むこの積層体を層拡
張方向(即ち、面方向)に分断し、孔8をC字形に開く
分断部8aをさらに有する構成とすることによって、既
に体内に挿入されたカテーテルに対して、後から当該カ
テーテル取付け補助具を生体表面へ貼付する作業が特に
容易となる。
【0030】また、本発明のカテーテル取付け補助具
は、生体外のカテーテルが穿刺部から複数のチューブに
分岐(図では2本に分岐)したものに対しても好適に用
いられる。即ち、本発明のカテーテル取付補助具は、接
着された領域4を、フィルム基材の隅部に設けることに
よって、図3に太い矢印で示すように、X、Yの2方向
またはこれらの合成方向に自在に開閉できる。従って、
分岐したチューブC1およびC2の動きにこの開閉が適
合するよう設置することができる。これによって、分枝
したチューブが異なる方向X、Yに動いても、本発明の
カテーテル取付け補助具は各々の動きに独立して追従
し、医療用粘着シートDの浮きや剥がれを生じさせな
い。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。図1は、本発明によるカテーテル取付け補助具の一
例を模式的に示す図であって、フィルム基材の積層を側
面方向から見た図である。また、図2は、図1のカテー
テル取付け補助具を矢印Zの方向から見た図である。図
1に示すように、本発明のカテーテル取付け補助具は、
一対のフィルム基材1、2が積層され、これらが互いに
開閉可能なようにその接合面の一部の領域4において互
いに接着されたものである。第一のフィルム基材1は、
積層方向の外側の面1aに生体表面に貼付され得る粘着
機能を有し、上記接着された領域4に、両フィルム基材
を含むこの積層体を積層方向に貫通する孔8が設けられ
ている。図1、2の例では、第一のフィルム基材1の粘
着機能は、粘着剤層6が設けられることによって付与さ
れている。さらに、同図の例は、この粘着剤層6上にセ
パレーター7を有し、また、第二のフィルム基材2が、
積層方向の外側の面2aに剥離可能な補強層5を有する
場合の例である。
【0032】上記第一のフィルム基材は、生体表面に貼
付される側のフィルムであって、その材料は、生体表
面、特に人間の皮膚に対して拒絶反応を生じさせないも
のであればよく、可撓性を有するものが好ましい。その
ような材料としては、アクリル重合体、ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリエ
ーテルポリエステル、ポリエーテルポリアミドブロック
共重合体およびナイロン誘導体等のポリマーが挙げられ
る。中でも、アクリル重合体、ポリウレタン、ポリエー
テルポリエステルおよびナイロン誘導体等のポリマー
は、フィルムとして加工した場合に水蒸気の透過性に優
れており、皮膚の呼吸を妨げることが少なく、かつ皮膚
の白化現象を抑制することができるという理由や、透明
性を有しているため貼付場所を見ながら貼付することが
できるという理由から特に好ましい。また、このフィル
ム基材は、上記材料のいずれか1種だけからなるもので
あってもよいし、任意の材料からなるフィルムを複数積
層してなるラミネートフィルムであってもよい。このフ
ィルム基材の厚さは、皮膚に貼付した際の違和感を少な
くできる、水蒸気透過性に優れるなどの点から、10μ
m〜75μmが好ましく、15μm〜45μmがより好
ましい。
【0033】上記第二のフィルム基材は、接着された領
域4を蝶番として開閉動作を行い、カテーテルの動きに
追従する可動部分である。本発明が適用されるカテーテ
ルは、主として可撓性を有するものが多く、第二のフィ
ルム基材は、カテーテルと共に屈曲し得るような可撓性
を有するものであることが好ましい。また、カテーテル
によっては一定以上に屈曲させてはならないものもあ
る。そのような場合には、第二のフィルム基材は、カテ
ーテルの過度の屈曲を抑制し得るように適度な剛性を有
するものであることが好ましい。そのような材料として
は、上記第一のフィルム基材に用いられる材料の他、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、
およびこれらのフィルムと不織布との積層フィルム、
又、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオ
ロエチレン等の多孔質フィルム等が挙げられる。また、
第二のフィルム基材は、上記第一のフィルム基材の場合
と同様、単独の材料からなるものであってもよいし、ラ
ミネートフィルムであってもよい。このフィルム基材の
厚さは、カテーテルの保持性に優れるなどの点から、1
0μm〜75μmが好ましく、15μm〜45μmがよ
り好ましい。
【0034】一対のフィルム基材の外形は限定されない
が、製造が容易である、製造ロスが少ない、既存の医療
用粘着シートも使用する場合がありうるなどの点から、
長方形または正方形が好ましい。ただし、角部のアール
は任意である。また、互いに合同な形状であることが好
ましい。さらには、それらの外形が一致するように積層
することが好ましい。一対のフィルム基材の外形寸法
は、適用するカテーテルに応じて適宜決定すればよい。
【0035】これら一対のフィルム基材は、重ね合わせ
られ、その接合面の一部の領域において互いに接着さ
れ、これらが互いに開閉可能なように構成される。一対
のフィルム基材同士を接着する方法は特に限定されず、
接着剤を用いる方法、熱溶着、高周波溶着による方法、
機械的な接合による方法、粘着剤による方法等が挙げら
れる。図1の例は、接着剤層3を介在させて接着した例
である。接着剤層を介在させる場合、該接着剤層として
は、接着剤だけからなる層、基材に接着剤を含浸させて
なる層、両面粘着テープのように基材の両面に接着剤層
を形成してなる層等の態様が挙げられる。
【0036】一対のフィルム基材を互いに接着する領域
(以下、「接着領域」)は、穿刺部をより好ましく密閉
するために、フィルム基材の外形線に接して設けられる
ことが好ましい。また、当該カテーテル取付け補助具の
開閉を、本の開閉動作のような1方向だけではなく、多
方向に対応させるために、接着領域は、フィルム基材の
隅部に一か所設けることが好ましい。特に、一対のフィ
ルム基材の外形が互いに合同な長方形または正方形であ
り、一対のフィルム基材の互いの重ね合わせがそれらの
外形が一致するようになされるならば、図2に示すよう
に、接着領域4の形状を、積層された両フィルム基材の
外形の1つの頂点Kを共有する長方形または正方形とす
ることによって、穿刺部に対する密閉性はより向上す
る。
【0037】また、一対のフィルム基材の外形が互いに
合同な長方形または正方形であり、互いに外形が一致す
るように重ね合わせられる場合において、当該カテーテ
ル取付け補助具の開閉を、本の開閉動作のような1方向
とするならば、接着領域の形状は、図4に例示するよう
に、外形が一致するように重ね合わせられた両フィルム
基材の外形の一辺Lを共通の辺とし、この共通の辺Lの
全部を一辺として共有する方形の形状とすることが好ま
しい。図4では、接着領域4は両フィルム基材に挟まれ
て隠れているが、接着領域の境界を一点鎖線で示し、該
接着領域4にハッチングを施して示している。
【0038】前記接着領域を貫通する孔の内径は、少な
くとも適用されるカテーテルが通過し得る寸法以上であ
ることが好ましい。実使用上では、穿刺部におけるカテ
ーテルの曲げや複数のカテーテルの挿入および縫合等の
処置を考慮して、10mm〜100mm程度が好適であ
る。
【0039】図2の例は、孔から両フィルム基材の外形
線に至り、両フィルム基材を含むこの積層体を層拡張方
向(即ち、面方向)に分断する分断部を設けた例であ
る。これによって孔をC字形に開くことができ、穿刺後
のカテーテルに対しても適用可能となる。分断部は、図
2(a)に示すように、孔から両フィルム基材の外形線
に至るまでの距離が最短となるよう形成することが好ま
しいが、図2(b)に示すように、外形線の隅部に向け
て形成する等、自由に決定してよい。
【0040】また、図4に例示するように、互いに合同
な方形状のフィルム基材が外形を一致させて重ね合わせ
られ、接着領域が共通の辺Lを一辺とする方形状の領域
である場合、分断部の好ましい態様としては図4
(a)、(b)に示すものが挙げられる。図4(a)
は、図2(a)と同様、孔から接着領域内を通って、共
通の辺Lに直角に至る分断部の態様である。また、図4
(b)は、孔から共通の辺Lに平行な方向へ向かい、接
着領域内を通って外形の一辺L2に至る分断部の態様で
ある。分断部が接着領域内を通って孔をどの方向にC字
形に開くかは、カテーテルを取付ける生体の部位に応じ
て、作業性が良好となるように決定すればよい。
【0041】また、図4(b)に例示する態様の場合、
第一のフィルム基材側のセパレーターには、同図に一点
鎖線で示すように、孔の近傍または孔の領域を横切るよ
うに、ミシン目などによって、共通の辺Lに平行な折り
曲げ線hを設けておくことが好ましい。同図の例では、
折り曲げ線hは分断部と重なる位置に設けられている
が、これに限定されず、この近傍の位置であってよい。
この折り曲げ線hを加える態様と、後述する図7の拡張
された領域17を加える態様とによって、生体表面に貼
付する場合に、第一のフィルム基材側のセパレーター
を、共通の辺Lの対辺L1からこの折り曲げ線hまで剥
離し、この線で剥離を止めておくことが容易になり、粘
着面を持たずに孔をC字形に開き、かつ仮の貼付作業が
でき、最終的に全体を剥離することも容易となる。
【0042】分断部は、この部分で容易に積層体を層拡
張方向(即ち、面方向)に分断でき、孔をC字形に開く
ことができる態様であれば、予め完全に分断されたもの
であっても、分断されていない脆弱部であってもよく、
特に制限されない。例えば、破線状の切り込み、曲線ま
たは直線状の切り込み等が挙げられる。
【0043】分断部を予め完全に分断された態様とする
場合、該分断部は、図5に示すように、一定の幅を有す
る帯状の隙間として形成されたものであってもよい。例
えば、図5(a)は、分断部8aの幅を、少なくともカ
テーテルの外形よりも大きい幅に拡張した例であり、図
5(b)は、分断部の幅を図5(a)の状態からさらに
孔の外形まで拡張し、二点鎖線で示したもとの孔8を、
完全にC字形に開かれた形状とした例である。このよう
な、孔を最初からC字形に開かれた形状とする態様は、
既に穿刺されているカテーテルに対して当該カテーテル
取付け補助具の適用をより容易にするものである。
【0044】また、孔を最初からC字形に開かれた形状
とする場合、図5(c)に示すように、共通の一辺Lか
ら孔8の最奥の壁面までの深さfは、必ずしもカテーテ
ルの外形よりも大きいものとする必要はない。この深さ
fの大小は、穿刺部をどの程度包囲するかによって決定
すればよい。
【0045】上記第一のフィルム基材の積層方向の外側
には、このカテーテル取付け補助具を生体表面に接着す
るための粘着機能が付与される。この粘着機能は生体表
面に好適に接着するものであればどのようなものであっ
てもよいが、フィルム基材上に粘着剤層を設けることが
好ましい態様である。粘着剤層は、粘着剤だけからなる
層であっても両面粘着テープのように基材を層内に有す
るものであってもよい。粘着剤は、特に限定されない
が、粘着力が強く、皮膚との密着性が良く、皮膚に湿疹
等を生じさせないものが好ましい。例えばアクリル系粘
着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、吸液性のハ
イドロコロイド系粘着剤等が挙げられる。該粘着剤層を
フィルム基材上に設ける方法としては、公知の方法を用
いてもよく、例えば粘着剤組成物をフィルム上に塗布す
る方法、予め成形された粘着剤組成物よりなる膜をフィ
ルム上に設ける方法等が挙げられる。粘着剤層の厚み
は、10μm〜60μm、好ましくは15μm〜50μ
mである。なお、ハイドロコロイド系の粘着剤を用いる
場合には、充分な皮膚密着性を維持させるために、厚み
の上限を2mm程度とすることが好ましい。
【0046】粘着剤層上に設けられるセパレーターは、
本発明のカテーテル取付け補助具が使用されるまでの
間、粘着剤層の粘着性を保護し、取扱い性をより改善す
るものである。セパレーターの基材としては、プラスチ
ックフィルム(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステルおよびこれらの積層複合体等)、紙
(例えば、上質紙、クラフト紙等)等が挙げられる。ま
た、上記基材の表面には、粘着剤層からの良好な剥離性
を得るための剥離処理として、シリコーン樹脂処理やフ
ッ素樹脂処理等が施される。
【0047】セパレーターには、該セパレーターを二以
上に分割し得るような切断部を設けることが好ましい。
これによってセパレーターの剥離が容易になると共に、
カテーテル取付け補助具の貼付作業においては、剥離さ
れなかったセパレーター部分を手で持って作業すること
ができ、手からの粘着剤層の汚染を防止できる。特に、
その分割を、上記接着領域を貫通する孔を含む部分と、
含まない部分とに分割し得るものとすることで、カテー
テル取付け補助具の貼付においては、先ず、穿刺部の周
囲だけを接着し、その後、残りの領域を接着することが
できる。これによって、穿刺部に対する位置決めに両手
が使えるので、正確でより容易な作業となる。さらに、
この残りの領域を2つに分割し得るものとすること、即
ち、セパレーターが、孔を含む領域と残りの2つの領域
とに3分割され得るように切断部を設けることによっ
て、上記長所に加えて、貼付後の残りの2つのセパレー
ターの剥離がより容易となり好ましい。
【0048】セパレーターを上記のように3分割するた
めの切断部のパターンは限定されず、図2(a)のよう
に、孔の周囲を取り囲むパターン9aと、残りの領域を
2つに分割するパターン9bの例や、図2(b)のよう
に、交差しない2本の線9c、9dによってセパレータ
ーを3分割する例が挙げられる。また切断部は、容易に
該切断部でセパレーターを分割できる態様であれば、予
め完全に切断されたものであっても、切断されていない
脆弱部であってもよく、特に制限されない。例えば、破
線状の切り込み、曲線または直線状の切り込み等が挙げ
られる。
【0049】上記第二のフィルム基材の積層方向の外側
の面は、カテーテルを固定するために、既存の医療用粘
着シートが貼付される面であるが、この面に粘着機能を
付与することが、より好ましい態様である。これによっ
て、この面に医療用粘着シートを貼り合わせたとき、粘
着面同士が密着することになるので、より強固に貼り合
わせることができる。この粘着機能は、上記第一のフィ
ルム基材と同様に、フィルム基材上に粘着剤層を設ける
ことが好ましい態様である。また、この第二のフィルム
基材上に付与される粘着機能、特に粘着剤層を、この第
二のフィルム基材の外周縁部分には形成しない態様が挙
げられる。即ち、この第二のフィルム基材の上面のう
ち、外形線から所望の幅の領域には粘着剤層を形成せ
ず、中央の領域だけに粘着剤層を設ける態様である。こ
れによって、この面に医療用粘着シートを貼り合わせる
とき、その医療用粘着シートの位置が多少位置ずれして
も、粘着剤層が露出しなくなる。
【0050】上記第二のフィルム基材の積層方向の外側
には、剥離可能な補強層を設けることが好ましい。補強
層は、このカテーテル取付け補助具が生体表面に貼付さ
れた後、剥離されるものである。これによって未使用時
のカテーテル取付け補助具の取扱い性が改善される他、
使用直前まで該フィルム基材の積層方向の外側を無菌に
保つことができる。第二のフィルム基材の外側の面に粘
着機能が付与される場合、補強層は、単に粘着面を保護
するだけのセパレーターであってもよい。また、補強層
に透明な材料を用いることによって、貼付場所を見なが
ら貼付することができる。
【0051】本発明によるカテーテル取付け補助具の全
ての態様において、第二のフィルム基材の外側の面に対
する粘着機能の付与の有無、補強層の付与の有無は自由
に選択してよい。
【0052】補強層の材料は限定されず、上記セパレー
ターと同様の材料を用いてもよいが、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ポリエステ
ルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリ
デンフィルム、アクリルフィルム、紙、またはこれらを
任意に積層したものが好ましいものとして挙げられる。
補強層の厚みは、プラスチック系の材料にて形成する場
合は、10μm〜80μm、好ましくは、20μm〜5
0μmが良い。補強層をフィルム基材に対して剥離可能
に設けるための方法としては、補強層とフィルム基材の
物理的吸着法、補強層表面のコロナ処理等の表面処理
法、熱処理等の方法が挙げられる。
【0053】当該カテーテル取付け補助具が、上記説明
した図4に例示する態様の場合、さらに次に示すような
構造を付与してもよい。即ち、セパレーターに対して、
図6(a)のように、共通の辺Lの両端から等しい距離
の位置に、この辺Lに垂直に、2本の平行な直線状の切
断部13、14を形成し、該切断部がセパレーターを3
分割する態様である。このような切断部の態様によっ
て、カテーテル取付け補助具の貼付作業においては、先
ず分割されたセパレーターの中央を剥離し、残った両側
のセパレーターを両手で持って、粘着機能を露出させた
中央を生体表面に貼付し、その後、両側のセパレーター
を剥離し全面を貼付するという手順で作業ができるよう
になり、容易で迅速、しかも正確な貼付作業となる。
【0054】また、図6(a)に例示する態様に加え
て、セパレーターの剥離をより容易にするために、剥離
のきっかけ部を形成し、指をかけやすくしてもよい。例
えば、セパレーターの切断部の直線部分には、図6
(b)に例示するように、この直線状の切断部13、1
4の途中を各々部分的に屈曲させて、きっかけ部w1、
w2とする。このような態様によって、きっかけ部分の
セパレーターは粘着面を適当に屈曲させるだけで他の部
分よりも容易に粘着面から剥離して立ち上がり、指でつ
まむことも容易となり、剥離の際の好ましいきっかけと
なる。
【0055】また、図6(a)に例示する態様におい
て、第二のフィルム基材の表面に粘着機能が付与される
場合、補強層には、上記セパレーターの場合と同様、共
通の辺Lの両端から等しい距離の位置にこの辺Lに垂直
に、2本の平行な直線状の切断部を形成することが好ま
しい。セパレーターの切断部と、補強層の切断部とは互
いに表裏で対応する位置に形成することが好ましい。
【0056】またさらに、図6(a)のように、当該カ
テーテル取付け補助具全体が3分割されるための2本の
平行な直線状の切断予定部15、16を付与する態様が
挙げられる。即ち、当該カテーテル取付け補助具に対し
て、他の機能を有する層がさらに積層されても、全体を
3分割し得る2本の平行な直線状の切断予定部15、1
6を付与する態様である。図6(a)に例示するよう
に、2本の切断予定部の直線15、16は、共に、上記
セパレーターの切断部の直線13、14に平行に、か
つ、その直線13、14に挟まれた位置に形成するもの
とする。切断予定部は、使用に臨んでは、容易にその部
分で当該カテーテル取付け補助具全体を分割できる態様
であれば、ミシン目のようなものであっても、切断され
ていない脆弱部であってもよく、特に制限されない。図
6(a)はミシン目の態様を示すものであって、切断予
定部15、16を示す破線が、各々、この積層体を裏面
まで完全に貫通するミシン目である。
【0057】この切断予定部を設けることによって、カ
テーテル取付け補助具の貼付作業においては、次の作業
が可能となる。即ち、先ず分割されたセパレーターの中
央部を剥離し粘着面を露出させ、残った両側のセパレー
ターを両手で持って、露出した粘着面を生体表面に貼付
する。次に、補強層の中央部を剥離して粘着面を露出さ
せ、この粘着面にカテーテルを寝かせる。次に、医療用
粘着シートによって穿刺部を覆い、かつ、カテーテルを
第二のフィルム基材と医療用粘着シートとによって挟み
フラップを形成する。その後、切断予定部15、16の
部分でこのカテーテル取付け補助具を分割し、生体表面
に貼付されなかった両サイドの部分を捨て去るという作
業である。従って、手で触れた部分が完全に除去される
態様であるため、容易で迅速、しかも正確で、さらには
より清潔な貼付作業となる。
【0058】セパレーターと補強層に切断部を設け、当
該カテーテル取付け補助具に切断予定部を設ける態様の
他の好ましい例として図7に示す態様が挙げられる。図
7(a)は、当該カテーテル取付け補助具を補強層の側
からみた平面図であり、図7(b)は、図7(a)の側
面図である。先ず、図4に示すような一対のフィルム基
材に対して、図7(a)に示すように共通の一辺Lに対
向する辺L1に隣接するように領域17をさらに拡張す
る。この拡張された領域17において、第一、第二のフ
ィルム基材を互いに接着する。さらに、前記辺L1を切
断予定部として、この拡張され互いに接着された領域1
7を除去し得る構造とする。この除去によって、拡張さ
れた領域17における一対のフィルム基材の互いの接着
は解除され得る。
【0059】上記拡張された領域の形状としては、前記
辺L1を一辺に含む方形状の領域が好ましい形状であ
る。前記辺L1を何%として含むかは自由であるが、前
記辺L1を一辺(特に長辺)とする方形状(長方形)が
好ましい。
【0060】図7に示すような切断予定部L1を設ける
とき、セパレーターには、部分的に剥離され得るように
切断部18を設けることが好ましい。切断部は、上記図
6の例と同様に、切断予定部L1と平行に、かつ該切断
予定部L1の外側に設けることが好ましい。この態様に
よって、上記図6の例と同様に、手で触れた部分が、完
全に除去される態様となるとともに、カテーテルの取り
付けが完了するまでは一対のフィルム基材の開閉運動が
不可となり、使用前の取扱がより容易となる。
【0061】またこのとき、補強層にもセパレーターと
同様の理由から切断部を設けることが好ましい。図7に
示す態様に対して、補強層にさらに切断部を設ける場
合、セパレーターの切断部と、補強層の切断部とは互い
に表裏で対応する同じ位置に形成することを避けること
が好ましい。即ち、図7に示す態様では、拡張された領
域17を手で持つので、片持ち状態の保持となる。この
ときに、セパレーターの切断部と、補強層の切断部と
が、互いに表裏で対応する同じ位置にあれば、その位置
で、貼付すべき本体部分が自重によって折れ曲がって垂
れ下がり、生体表面の所定の位置に正確に貼付すること
が困難となるからである。従って、補強層と切断予定部
との間の距離を、セパレーターと切断予定部との間の距
離よりも大きく設定することが好ましい態様となる。こ
れによって、図8に示すように、セパレーターの本体側
を剥離して、拡張部分を片持ち状態で保持しても、セパ
レーターの切断部の位置における剛性は、補強層でカバ
ーされ、折れ曲がって垂れ下がることが抑制される。
【0062】図7の態様の場合、分断部を有する孔を両
手でC字形に開くことは、衛生上好ましくなく、また形
状の点からも困難である。従って、孔の形状を、図5に
示すように、分断部によって最初からC字形に開かれた
形状とすることが好ましい。これによって、拡張された
領域だけを保持した片持ち状態からでも容易に孔部で穿
刺部を包囲するように貼付できる。
【0063】図7の態様の場合、上記切断予定部の両端
部の位置には、図9に示すように、当該カテーテル取付
け補助具に対して、外周から切断予定部L1に沿って、
切欠き20をさらに設けることが好ましい。本発明で
は、例えば、図7の態様の場合、切断予定部が補強層の
切断部を兼用し補強層には切断部を設けない場合があ
る。このような場合に、補強層を共通の辺Lの側から剥
離した場合に、図9の切欠き20によって、剥離の進行
を切断予定部の直線の方向に誘い込むことができ、より
確実に、補強層の剥離を切断予定部で止めることができ
る。また、切欠きによって、切断予定部での切断開始も
容易となる。補強層を共通の辺Lの側から剥離するため
に、共通の辺Lから補強層だけを拡張し、ドライエッジ
としてもよい。
【0064】本発明に用いるフィルム基材、粘着剤、セ
パレーター、補強層には、必要に応じて抗菌剤、老化防
止剤、安定剤、充填剤、架橋剤、顔料等の公知の添加剤
を配合することができる。
【0065】本発明のカテーテル取付け補助具は、滅菌
袋に個別包装されていてもよく、また、放射線等により
滅菌処理されていてもよい。
【0066】本発明のカテーテル取付け補助具が取付け
の対象とするカテーテルは、管腔を含む生体に挿入され
る医療器具全体を意味し、内視鏡やドレーンなども含む
ものである。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 本実施例では、上記カテーテル取付け補助具を実際に製
作し、カテーテルの取付け固定に実際に適用することに
よって、その作業性と、カテーテル取付け後の状態を確
認した。
【0068】本実施例のために製作したカテーテル取付
け補助具の構造は、図1、図2(a)に示す通りであっ
て、各部の具体的な仕様は次の通りである。ただし、各
部の外形は、接着剤層3の領域の形状を除いて、全て外
形135mm×110mmの長方形である。 補強層5;厚み40μm、材料ポリプロピレンフィル
ム。 フィルム基材2;厚み30μm、材料ポリエーテルポリ
アミドブロック共重合体。 接着剤層3;領域の形状85mm×80mm、厚み50
μm、材料アクリル系粘着剤。 孔;内径40mm。 フィルム基材1;厚み30μm、材料ポリウレタン。 粘着剤層6;厚み20μm、材料アクリル系粘着剤。 セパレーター7;厚み170μm、材料上質紙にシリコ
ーン処理したもの。図2(a)に示すように、切断部9
a、9bが設けられている。
【0069】また、取付けるカテーテルは、図3に示す
ように、穿刺部の近傍において角度90度をなして2方
向に分枝するものを用いた。
【0070】次に示すように、上記仕様のカテーテル取
付け補助具を、カテーテルの取付けに適用した。カテー
テルは先に穿刺したものである。先ず3分割されたセパ
レーターのうち、孔を含むセパレーターを剥がして粘着
剤層を露出させ、残りのセパレーターを両手で保持し孔
をC字形に開いて、孔が穿刺部を取り囲むように皮膚に
貼付し、残りのセパレーターを剥がして第一のフィルム
基材全面を皮膚に貼付した。カテーテル取付け補助具を
皮膚に貼付した後、補強層を剥離し、図3に示すよう
に、本発明の補助具上に分枝したカテーテルのチューブ
C1、C2を載せた。さらにその上から、第二のフィル
ム基材2の開閉を妨げるようなはみ出しがないように、
孔および第二のフィルム基材2上のカテーテルを医療用
粘着シートDで覆い、カテーテルの取付けを完了した。
【0071】上記実験によって、密閉性良く、容易にカ
テーテルを取付けられることが確認できた。また、取付
け直後の穿刺部の周囲を確認したところ、よく密閉され
ており、細菌の感染経路となるような間隙は形成されて
いなかった。取付け後のカテーテルの分枝したチューブ
は、種々の操作によって2方向に動かされたが、本発明
によるカテーテル取付け補助具が開閉動作によってその
動きに良好に追従すると同時に、穿刺部に対する力の伝
達を阻止した。これによって、カテーテルの動きによる
医療用粘着シートの浮きや剥がれが減少した。
【0072】
【発明の効果】本発明によって、良好な作業性をもって
カテーテルを生体の穿刺部に取付け固定することがで
き、また、生体外において穿刺部から複数のチューブに
分枝するようなカテーテルであっても、医療用粘着シー
トの生体表面からの浮きや剥がれを抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカテーテル取付け補助具の一例を示す
図である。
【図2】図1のカテーテル取付け補助具を矢印Zの方向
から見た図である。
【図3】本発明のカテーテル取付け補助具の使用状態を
示す図である。
【図4】本発明のカテーテル取付け補助具の他の例を示
す図である。
【図5】孔と分断部の態様例を示す図である。
【図6】本発明のカテーテル取付け補助具の他の例を示
す図である。
【図7】本発明のカテーテル取付け補助具の他の例を示
す図である。
【図8】本発明のカテーテル取付け補助具の取扱状態を
示す図である。
【図9】切断予定部に設けられた切欠きの例を示す図で
ある。
【図10】穿刺部に対する孔の位置の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 一方の(第一の)フィルム基材 1a 一方の(第一の)フィルム基材の積層方向の外
側の面 2 他方の(第二の)フィルム基材 2a 他方の(第二の)フィルム基材の積層方向の外
側の面 4 接着された領域 5 剥離可能な補強層 6 粘着剤層 7 セパレーター 8 孔 8a 分断部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のフィルム基材が積層され、これら
    が互いに開閉可能なようにその接合面の一部の領域にお
    いて互いに接着され、一対のフィルム基材のうち少なく
    とも一方のフィルム基材が積層方向の外側の面に生体表
    面に対する粘着機能を有し、前記接着された領域に、両
    フィルム基材を含むこの積層体を積層方向に貫通する孔
    が設けられたものであることを特徴とするカテーテル取
    付け補助具。
  2. 【請求項2】 一対のフィルム基材の一方のフィルム基
    材が、粘着機能を被覆するセパレーターをさらに有する
    ものであって、その粘着機能が該フィルム基材上に設け
    られた粘着剤層によるものである請求項1記載のカテー
    テル取付け補助具。
  3. 【請求項3】 一対のフィルム基材の他方のフィルム基
    材が、積層方向の外側の面に剥離可能な補強層をさらに
    有するものである請求項1記載のカテーテル取付け補助
    具。
  4. 【請求項4】 一対のフィルム基材の他方のフィルム基
    材が、積層方向の外側の面に粘着機能をさらに有し、こ
    の粘着機能をさらに被覆する補強層を有するものである
    請求項2記載のカテーテル取付け補助具。
  5. 【請求項5】 孔から上記接着された領域内を通って両
    フィルム基材の外形線に至り、両フィルム基材を含むこ
    の積層体を分断し孔をC字形に開き得る分断部をさらに
    有するものである請求項1記載のカテーテル取付け補助
    具。
  6. 【請求項6】 一対のフィルム基材の外形が互いに合同
    な長方形または正方形であり、これらの積層がこれらの
    外形が一致するようになされるものであり、接着される
    領域が、積層された両フィルム基材の外形の1つの頂点
    を共有する長方形または正方形であり、この領域に孔か
    ら外形線に至る直線状の分断部を有するものである請求
    項5記載のカテーテル取付け補助具。
  7. 【請求項7】 セパレーターが2以上に分割され得るよ
    うな切断部を有するものである請求項2記載のカテーテ
    ル取付け補助具。
  8. 【請求項8】 セパレーターが少なくとも両フィルム基
    材を貫通する孔を含む部分と含まない部分とに分割され
    得るような切断部を有するものである請求項7記載のカ
    テーテル取付け補助具。
  9. 【請求項9】 セパレーターが、上記孔を含む1つの部
    分と含まない2つの部分とに3分割され得るような切断
    部を有するものである請求項8記載のカテーテル取付け
    補助具。
  10. 【請求項10】 一対のフィルム基材の外形が互いに合
    同な方形状であり、これらの積層がこれらの外形が一致
    するようになされるものであり、接着された領域が、フ
    ィルム基材の外形の一辺を共通の一辺とする方形状の領
    域である請求項4記載のカテーテル取付け補助具。
  11. 【請求項11】 孔から上記接着された領域内を通って
    上記共通の一辺に至り、両フィルム基材を含むこの積層
    体を分断し孔をC字形に開き得る分断部をさらに有する
    ものである請求項10記載のカテーテル取付け補助具。
  12. 【請求項12】 孔から上記共通の一辺に平行な方向へ
    上記接着された領域内を通って外形の一辺に至り、両フ
    ィルム基材を含むこの積層体を分断し孔をC字形に開き
    得る分断部をさらに有するものである請求項10記載の
    カテーテル取付け補助具。
  13. 【請求項13】 セパレーターおよび補強層が、3分割
    されるための2本の平行な直線状の切断部をさらに有す
    るものであって、その切断部の2本の直線が、上記共通
    の一辺の両端から等しい距離の位置に、該一辺に垂直に
    形成されたものである請求項10記載のカテーテル取付
    け補助具。
  14. 【請求項14】 当該カテーテル取付け補助具全体が3
    分割されるための2本の平行な直線状の切断予定部をさ
    らに有するものであって、その切断予定部の2本の直線
    が共に、上記セパレーターおよび補強層の切断部の直線
    に平行であって、かつ、該切断部の2本の直線に挟まれ
    た位置に形成されたものである請求項13記載のカテー
    テル取付け補助具。
  15. 【請求項15】 孔から上記共通の一辺に至る分断部
    が、予め完全に分断された態様であって、カテーテルの
    外形よりも大きな幅を有する帯状の隙間として形成され
    たものである請求項11記載のカテーテル取付け補助
    具。
  16. 【請求項16】 一対のフィルム基材が、各々、上記共
    通の一辺に対向する辺から外側に拡張された領域をさら
    に有するものであり、この拡張された領域において一対
    のフィルム基材が互いに接着され、この互いに接着され
    た領域が、前記対向する辺に沿って設けられた当該カテ
    ーテル取付け補助具に対する切断予定部によって除去さ
    れ得、拡張された領域における一対のフィルム基材の互
    いの接着が解除され得るものである請求項15記載のカ
    テーテル取付け補助具。
  17. 【請求項17】 セパレーターが、部分的に剥離され得
    るように切断部を有するものであって、このセパレータ
    ーの切断部が、上記切断予定部と平行に、かつ該切断予
    定部の外側に設けられたものである請求項16記載のカ
    テーテル取付け補助具。
  18. 【請求項18】 補強層が、部分的に剥離され得るよう
    に切断部を有するものであって、この補強層の切断部
    が、上記切断予定部と平行に、かつ該切断予定部の外側
    に設けられたものであって、この補強層の切断部と切断
    予定部との間の距離が、セパレーターの切断部と切断予
    定部との間の距離よりも大きく設定されたものである請
    求項17記載のカテーテル取付け補助具。
  19. 【請求項19】 当該カテーテル取付け補助具に対し
    て、上記切断予定部の両端部の位置に、外周から切断予
    定部に沿って切欠きがさらに設けられたものである請求
    項16記載のカテーテル取付け補助具。
JP8059240A 1995-05-10 1996-03-15 カテーテル取付け補助具 Pending JPH0924104A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8059240A JPH0924104A (ja) 1995-05-10 1996-03-15 カテーテル取付け補助具

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-112136 1995-05-10
JP11213695 1995-05-10
JP8059240A JPH0924104A (ja) 1995-05-10 1996-03-15 カテーテル取付け補助具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0924104A true JPH0924104A (ja) 1997-01-28

Family

ID=26400291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8059240A Pending JPH0924104A (ja) 1995-05-10 1996-03-15 カテーテル取付け補助具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0924104A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010207300A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Nitto Denko Corp フィルムドレッシング
KR20190016314A (ko) * 2017-08-08 2019-02-18 신미현 수액세트의 약액공급부 고정 홀더

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010207300A (ja) * 2009-03-09 2010-09-24 Nitto Denko Corp フィルムドレッシング
KR20190016314A (ko) * 2017-08-08 2019-02-18 신미현 수액세트의 약액공급부 고정 홀더

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4169243B2 (ja) 傷治療のための外科用ドレープ及び吸引ヘッド
EP2076311B1 (en) Grommet
JP4142103B2 (ja) 手術用切開ドレープ
JPS63242270A (ja) 接着性ドレッシング、その製法と用途
JP3609105B2 (ja) 粘着性フィルムドレッシング
JP5416547B2 (ja) フィルムドレッシング
EP3975955B1 (en) Medical dressing for securing a tubiform component of a medical device
JPH0924104A (ja) カテーテル取付け補助具
JPH0994299A (ja) カテーテル取付け具およびそれを用いたカテーテルの取付け方法
JP6067715B2 (ja) ジップ式ストリップドレープシステムおよびその製造方法
JP3696922B2 (ja) カテーテル取付け補助具
JPH03264058A (ja) 開窓付き二層切れ目構造
US10758671B2 (en) Securement device assembly and securement and dressing device assembly and method of applying said device assemblies
CN215135570U (zh) 一种用于引流管的减压固定敷贴
JPH0910317A (ja) カテーテル取付け具およびそれを用いたカテーテルの取付け方法
JPH08299449A (ja) カテーテル取付け具
JPH02126842A (ja) 施術用皮膚被覆材
JPH09192166A (ja) 医療用チューブを固定するための粘着テープ
JP2005334252A (ja) 手術ドレープ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060328

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060808