JPH09238932A - 心機能診断装置 - Google Patents

心機能診断装置

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Publication number
JPH09238932A
JPH09238932A JP8047489A JP4748996A JPH09238932A JP H09238932 A JPH09238932 A JP H09238932A JP 8047489 A JP8047489 A JP 8047489A JP 4748996 A JP4748996 A JP 4748996A JP H09238932 A JPH09238932 A JP H09238932A
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JP
Japan
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contour
left ventricle
volume value
image
data
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JP8047489A
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English (en)
Inventor
Kunitoshi Matsumoto
国敏 松本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】デジタル画像上における左心室輪郭の自動抽出
に関する利点を最大限に生かして、医師がマニュアル抽
出するであろう左心室輪郭を反映させた、より精度の高
い左心室容積値を計測できる心機能診断装置を提供す
る。 【解決手段】X線診断装置に一体に搭載される心機能診
断装置は、撮影測定部1により取得される複数枚のフレ
ーム画像の中から心臓の収縮及び拡張の運動末期よりも
前の時相(緩徐期)でのフレーム画像を選択する画像選
択手段(心電計8、プロセッサ部2の一部及びコンソー
ル部3の一部を要部とする)と、この画像選択手段によ
り選択されたフレーム画像から左心室輪郭を抽出する輪
郭抽出手段(計測部18を要部とする)と、この輪郭抽
出手段により抽出された左心室輪郭から上記左心室容積
値を計測する容積値計測手段(計測部18を要部とす
る)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、X線診断装置等
に搭載される心機能診断装置に係り、特に心臓の左心室
容積値を計測する心機能診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に循環器系診断等の臨床の場では、
心臓の運動機能を定量的に把握するため「心駆出率(ej
ection fraction)EF」を計測している。この心駆出率
EFは、左心室の収縮機能を評価する指標の1つとして
広く採用されているもので、心臓の拡張末期及び収縮末
期(以下、両者を総称する際は単に「運動末期」と呼
ぶ)の夫々の左心室の容積値、即ち拡張末期容積値(en
d-diastolic volume)EDV及び収縮末期容積値(end-
systolic volume )ESVに基づいて、次の算出式によ
り求められている。
【0003】
【数1】
【0004】上記両容積値EDV及びESV(以下、両
者を総称する際は単に「左心室容積値」と呼ぶ)は、例
えばX線血管造影検査によるフレーム画像上で抽出され
た左心室の輪郭に関するデータ(輪郭線の形態等)か
ら、エリアレングス(area-length)法又はシンプソン(S
impson)法等の求積法により算出されている。ここで、
エリアレングス法とは、算出対象である左心室を楕円体
とみなし、その楕円体の容積値を正面像上での左心室の
面積及び長軸長に基づいて算出する方法である。また、
シンプソン法とは算出対象である左心室を複数の薄い円
柱の集合体とみなし、その集合体の容積値を円柱毎に求
めた体積の総和として算出する方法である。
【0005】いずれの求積法を採用しても、左心室容積
値の計測精度を高めるにはフレーム画像上の左心室輪郭
に関するデータの計測精度を上げることが望ましい。
【0006】上記フレーム画像を取得するX線動画像撮
影法としては、従来からの映画フィルムを利用したX線
シネ撮影法と、近年になって普及しつつあるDF(デジ
タル・フルオログラフィ)装置等のX線デジタル撮影法
とが知られている。
【0007】前者に搭載される心機能診断法は、フィル
ム画像上で心筋や肉柱等の画像処理的に識別できない非
造影部分を医師が経験的に推定しながら、その推定部分
を含めた左心室輪郭をトレースしてマニュアル抽出する
ようになっている。
【0008】一方、後者に搭載される心機能診断法は、
撮影画像を撮影後即座に再生して診断でき、且つ、その
後の画像処理を容易に実行できる等のデジタル画像の利
点を生かして、通常では左心室輪郭を自動抽出するよう
になっている。
【0009】しかしながら、後者の心機能診断法にあっ
ては、造影剤の濃度差(画像データ上の画素値)の大き
い位置をそのままトレースする構成であったため、濃度
差に反映されない輪郭構成部分(非造影部分)を抽出す
ることができなかった。例えば、同一臨床例(同じ患者
の同じ画像データ)でも、マニュアル抽出される輪郭と
自動抽出される輪郭とが大きく異なってしまい、これら
両輪郭を反映した左心室容積値についても、マニュアル
抽出に比べ自動抽出の方が計測精度が低下するといった
問題があった。この計測精度に関する問題は、拡張末期
容積値EDVよりも収縮末期容積値ESVにおいて特に
顕著になっていた。
【0010】上記デジタル画像を処理する心機能診断法
における問題点を解決するため、例えば、(1):輪郭
補正法、(2):左心室容積値補正法が知られている。
【0011】(1)では、さらに画素値に反映されない
輪郭構成部分を自動抽出する場合と、自動抽出された輪
郭をマニュアル修正する場合とが考えられる。前者では
画素値の情報を自動抽出用のパラメータとして利用でき
ないため、殆ど実現されておらず、後者では自動抽出自
体の利点を生かすことができず、オペレータにとっても
大変手間がかかるといった不都合があった。また、最終
的に得たいデータは、輪郭自体ではなく左心室容積値で
ある。
【0012】そこで(2)では、例えばフィルム画像上
でマニュアル抽出に関する左心室容積値と自動抽出に関
する左心室容積値との相関図を作成し、その相関図から
最小二乗法により得られた一次回帰直線等の統計的な関
係式(EDV用及びESV用の2つ)を予め設定し、こ
の関係式により、実際の計測データを補正するようにな
っている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記心
機能診断法による(2)の左心室容積値補正法にあって
は、一部の臨床データに基づいて設定された平均的かつ
近似的な関係式を全ての計測データに適用させる構成で
あったため、患者毎の左心室容積値を必ずしも正確に反
映できないといった不都合があった。例えば、輪郭に関
するデータは患者毎に態様の異なっているため、このデ
ータに基づいた左心室容積値を上記関係式で補正すると
患者毎に誤差が生じてしまう。
【0014】本発明は、上述した従来技術の問題を考慮
してなされたもので、デジタル画像上における左心室輪
郭の自動抽出に関する利点を最大限に生かして、医師が
マニュアル抽出するであろう左心室輪郭を反映させた、
より精度の高い左心室容積値を計測できる心機能診断装
置を提供することを、目的とする。
【0015】また本発明は、左心室容積値を患者毎に臨
機応変で且つ精度良く補正できる心機能診断装置を提供
することを、別の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明に係る心機能診断装置は、モダ
リティから一定間隔毎に連続して得られた複数枚のフレ
ーム画像に基づいて心臓の少なくとも収縮及び拡張の夫
々の運動末期での左心室容積値を計測し且つ当該左心室
容積値の基づいて心駆出率を算出する構成とし、上記複
数枚のフレーム画像の中から上記運動末期よりも前の時
相でのフレーム画像を選択する画像選択手段と、この画
像選択手段により選択されたフレーム画像から左心室輪
郭を抽出する輪郭抽出手段と、この輪郭抽出手段により
抽出された左心室輪郭から上記左心室容積値を計測する
容積値計測手段とを備えている。
【0017】また請求項2記載の発明では、前記画像選
択手段は、前記モダリティにより被検体の複数枚のフレ
ーム画像が取得される間、当該被検体の心電図信号を取
得する心電計を更に備えると共に、この心電計により取
得された心電図信号の時相に基づいて上記複数枚のフレ
ーム画像の時相を特定することにより前記運動末期より
も前の時相でのフレーム画像を選択する手段である。
【0018】また請求項3記載の発明では、前記画像選
択手段は、前記心電図信号の内のP波、R波、T波、及
びU波の時相に基づいて心運動の緩徐期に相当するフレ
ーム画像を選択する手段である。
【0019】また請求項4記載の発明では、前記画像選
択手段は、前記T波及びU波の時相に基づいて心運動の
緩徐駆出期に相当するフレーム画像を選択する手段であ
る。
【0020】また請求項5記載の発明では、前記輪郭抽
出手段は、前記フレーム画像上に投影される左心室の内
部位置及び外部位置の夫々の画素値に基づいて当該両位
置の境界部を探索することにより、前記左心室輪郭を自
動で抽出するアルゴリズムを実行する手段である。
【0021】また請求項6記載の発明では、前記容積値
計測手段は、前記左心室輪郭からシンプソン求積法によ
り前記左心室容積値を計測するアルゴリズムを実行する
手段である請求項1記載の心機能診断装置。
【0022】さらに請求項7記載の発明に係る心機能診
断装置は、モダリティから一定間隔毎に得られた複数枚
のフレーム画像に基づいて心臓の少なくとも収縮及び拡
張の夫々の運動末期での左心室容積値を計測し且つ当該
左心室容積値の基づいて心駆出率を算出する構成とし、
複数の臨床データに関する左心室容積値を含む輪郭デー
タに基づいて設定された複数の輪郭モデル及びこの複数
の輪郭モデルと対を成す個々の補正情報を予め保持する
データ保持手段と、診断対象の被検体において計測され
た上記左心室容積値を含む輪郭データが上記データ保持
手段が保持する複数の輪郭モデルの内のいずれに該当す
るかを判別する判別手段と、この判別手段により判別さ
れた輪郭モデルの上記補正情報に基づいて上記被検体の
輪郭データを補正する補正手段とを備えている。
【0023】また請求項8記載の発明では、前記データ
保持手段は、前記複数の臨床データ毎にマニュアル抽出
対象及び自動抽出対象の夫々の左心室輪郭に関する短軸
長を左心室容積値及び長軸長に基づいて演算し且つ当該
長軸長と演算した短軸長との軸長比に基づいて上記2種
類の左心室輪郭を上記複数の臨床データ毎に複数のグル
ープに割り当てることにより、その割り当てたグループ
毎に輪郭モデルを設定するモデル設定手段と、そのモデ
ル設定手段により設定された輪郭モデル毎に上記2種類
の左心室輪郭間の相関関係式を含む個別の補正情報を取
得することにより当該輪郭モデル及びその補正情報をメ
モリに保持するメモリ手段とを備えている。
【0024】また請求項9記載の発明では、前記判別手
段は、前記被検体の輪郭データから前記軸長比を演算し
且つその演算された軸長比に基づいて当該輪郭データが
前記メモリ手段が保持する輪郭モデルの内のいずれに該
当するかを判別するアルゴリズムを実行する手段であ
る。
【0025】また請求項10記載の発明では、前記補正
手段は、前記判別手段が判別した輪郭モデルの前記補正
情報の内の短軸長に関する相関関係式に基づいて上記被
検体の輪郭データを補正するアルゴリズムを実行する手
段である。
【0026】さらに請求項11記載の発明に係る心機能
診断装置は、請求項1及び7記載の発明の要部を組み合
わせた構成を備えている。
【0027】また請求項12記載の発明に係る心機能診
断装置は、請求項1、7、又は11記載の発明に係る前
記モダリティはX線診断装置である。
【0028】請求項1〜6記載の発明に係る心機能診断
装置にあっては、モダリティから得られた複数枚のフレ
ーム画像の中から心臓の収縮及び拡張の夫々の運動末期
よりも前の時相でのフレーム画像が選択される。次い
で、その選択されたフレーム画像から左心室輪郭が抽出
される。そして、その抽出された左心室輪郭から左心室
容積値が計測される。
【0029】また請求項7〜10記載の発明に係る心機
能診断装置にあっては、複数の臨床データに関する左心
室容積値を含む輪郭データに基づいて設定された複数の
輪郭モデル及びこの複数の輪郭モデルと対を成す個々の
補正情報が予め保持される。次いで、診断対象の被検体
においてモダリティにより計測された左心室容積値を含
む輪郭データが上記複数の輪郭モデルの内のいずれに該
当するかが判別される。そして、その判別された輪郭モ
デルの補正情報に基づいて被検体の輪郭データが補正さ
れる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図13に基づいて説明する。
【0031】図1に示すX線診断システムは、通常のX
線診断装置を適用したものであって、複数枚のフレーム
画像から成る動画像データ及び心電図(ECG)信号を
同期して取得するシステムである。このX線診断システ
ムは、被検体のX線撮影及び心電図測定を同時に実行し
て映像信号S1及び心電図信号S2を生成する撮影測定
部1と、この撮影測定部1からの両信号S1、S2が入
力されるプロセッサ部2と、このプロセッサ部2からの
出力データに基づいて左心室容積値を計測し、その左心
室容積値に基づいた心機能診断等をオペレータが実施す
るためのコンソール部3とを備えている。
【0032】撮影測定部1は、寝台(図示しない)に載
せられる被検体Pを挟む位置に配置されたX線管4及び
イメージインテンシファイア(以下、単に「I.I.」
と呼ぶ)5を備えている。X線管4と被検体Pの間に
は、X線の曝射範囲を制限するための絞り(コリメー
タ)4aが設けられている。この撮影測定部1は、プロ
セッサ部3からの同期クリア信号を含む駆動信号に基づ
いて、X線管4から曝射したX線ビームBXを造影剤が
注入された被検体Pの左心室LVに透過させ、I.I.
5にて可視像に変換させるようになっている。この可視
像は、光学系6を介してX線TVカメラ7の撮像管もし
くはCCD(Change Coupled Device )(図示しない)
にて映像信号S1に変換され、プロセッサ部2に出力さ
れる。
【0033】また、撮影測定部1は、被検体Pに配置さ
れた電極(図示しない)が接続される心電計8を有し、
その心電計8をプロセッサ部3からの駆動信号に基づい
て、X線撮影と同期して駆動させて、被検体Pからの心
電図信号S2を収集し、その心電図信号S2をプロセッ
サ部2に出力するようになっている。
【0034】プロセッサ部2は、例えばマイクロコンピ
ュータ等を搭載した専用プロセッサから成り、そのプロ
セッサ内に撮影システムコントローラ9を備え、その撮
影システムコントローラ9で生成した同期クリア信号を
含む駆動信号を撮影測定部1に供給するようになってい
る。
【0035】また、このプロセッサ部2は、映像信号S
1に関する処理系の主要な構成要素である、A/D変換
器10、内部メモリ11、D/A変換器12、及び画像
処理部13と、心電図信号S2に関する処理系の主要な
構成要素である、A/D変換器14及びECGメモリ1
5とを備えている。
【0036】これら構成により、プロセッサ部2は、撮
影測定部1からの映像信号S1をA/D変換器10を介
してフレーム画像毎にデジタル量としての動画像データ
D1に変換し、内部メモリ11に記録すると共に、撮影
測定部1からの心電図信号S2をA/D変換器14を介
してX線撮影周期に応じて予め設定されたサンプリング
周期毎にデジタル量としての心電波形データD2に変換
し、ECGメモリ15に記憶するようになっている。こ
れにより、動画像データD1の各フレーム画像の時相と
心電波形データD2のサンプリング点の時相とが相互に
対応付けられるようになっている。
【0037】このプロセッサ部2は、動画像データD1
をD/A変換器12を介してコンソール部3のTVモニ
タ(後述)に出力する一方、心電波形データD2と共に
画像処理部13を介してコンソール部3の外部記憶装置
(後述)に出力するようになっている。
【0038】コンソール部3は、両データD1及びD2
が入力される外部記憶装置16と、D/A変換器12を
介してアナログ量に変換された映像信号を動画像表示す
るTVモニタ17と、両データD1及びD2に基づいて
左心室LVの容積値を計測する左心室容積値計測部18
とを備えている。
【0039】左心室容積値計測部(便宜上、単に「計測
部」)18は、本発明に係る心機能診断装置の要部を成
すもので、例えばCPUを含むコンピュータを搭載して
成り、このコンピュータが予め保持している左心室容積
値計測を含む心機能解析に関するアルゴリズムを実行す
ることにより、左心室容積値を計測するようになってい
る。
【0040】ここで、本発明に係る心機能診断装置の原
理を図2に基づいて説明する。図2は、左心室LVの1
サイクル(1心周期)間の一般的な収縮拡張運動に関す
る内圧(左室圧P1)の変化を説明するものである。
【0041】同図によると、左室圧P1は心房の収縮と
共に左房圧P2を殆ど超えない範囲で小さなピークを向
かえ(「心房収縮期T1」)、その直後に始まる心室の
収縮開始と共に左房圧P2を超えて急上昇し(「等容積
収縮期T2」)、そのまま大動脈圧P3を超えてピーク
に達し(「急速駆出期T3」)、そのピーク付近で安定
状態となり収縮末期t1を経ながら(「緩徐駆出期T
4」)、心室の弛緩(収縮終了)と共に大動脈圧P3を
下回って急速に下降する(「等容積弛緩期T5」)。こ
の急下降の直後に左室圧P1は左房圧P2を下回って最
も低くなり(「急速充満期T6」)、その後、徐々に上
昇して拡張末期t2を経ながら(「緩徐充満期T
7」)、心房収縮期T1に至る。
【0042】このように1サイクル間の各小サイクルT
1〜T7の各運動状況を反映した動画像データD1の各
フレーム画像は、収縮及び拡張の両運動末期t1及びt
2の時相だけでなく、上記サイクルT1〜T7に沿う一
連の収縮拡張運動状況をカバーしている。
【0043】従って、本発明では、両運動末期t1及び
t2の各フレーム画像上で自動抽出される輪郭よりも、
心筋や肉柱等の非造影部分を考慮に入れてマニュアル抽
出されるであろう理想的な輪郭線(以下、「理想輪郭
線」と呼ぶ)と結果的にほぼ同等と見做してよい輪郭線
を有するフレーム画像を「仮末期像」の概念として定義
した。
【0044】そこで、概念としての仮末期像の実際の存
否状況及びその時相を調べたところ、収縮末期t1に代
表させる仮末期像は、収縮末期t1よりも前の時相であ
る緩徐駆出期T4のフレーム画像群中に存在しているこ
とが統計的に確認された。また、拡張末期t2に代表さ
せる仮末期像は、拡張末期t2よりも前の時相である緩
徐充満期T7のフレーム画像群中に存在していることも
統計的に確認された。
【0045】このことは、仮末期像が実際に存在し、且
つ、その存在している時相が運動末期直前の収縮及び膨
脹の度合いが小さくなる緩徐期(緩徐駆出期T4及び緩
徐充満期T7)に該当していることを、意味している。
【0046】従って、本発明では、仮末期像の概念を実
際の左心室容積値に反映させる要部手段として、仮末期
像を緩徐期に相当するフレーム画像群の中から選択する
手段と、仮末期像の左心室輪郭を抽出する手段と、左心
室輪郭に基づいて左心室容積値を計測する手段とを採用
している。この各手段は、本実施形態では主に計測部1
8が実行するアルゴリズムに反映されるように予め設定
した。
【0047】ここで、仮末期像の画像選択手段としての
画像摘出信号の設定例を図3及び図4に基づいて説明す
る。
【0048】図3は、心電図信号の心電波形C1の一般
的変化を説明するものである(同図中、符号C2は心室
容積曲線C2を示す)。例えば、同図において緩徐駆出
期T4に観測される収縮末期t1は、心電波形C1上で
のT波及びU波の夫々の信号ピーク点の中間時相に位置
し、また緩徐充満期T7に観測される拡張末期t2は、
心電波形C1上でのU波及びP波の夫々の信号ピーク点
の中間時相付近(図示しない)に位置している。従っ
て、上記小サイクルT1〜T7の時相は、心電波形C1
の時相に基づいて特定される。
【0049】図4は、心電波形C1上のP波、R波、T
波、及びU波の各信号ピーク点の時相に応じて作成され
る4種類のピーク基準信号を説明するものである。この
基準ピーク信号の夫々は、X線撮影間隔毎にサンプリン
グされた心電波形データD2に基づいて設定される。
【0050】具体的には、心電波形データD2のサンプ
リング点の内の最大値を規格基準値(例えば1)とし
て、全てのサンプリング点を規格値(例えば0〜1間の
値)に変換し、その変換された規格値の極大点を抽出す
ればよい。例えば、上記各信号ピーク点の内の最大値を
示すR波の信号ピーク点をしきい値処理(例えば、しき
い値を0.95とする)により抽出し、そのR波の信号
ピーク点の時相を基準にした位相差から他の信号ピーク
点の時相を抽出してもよい。これにより、P波、R波、
T波、及びU波の各信号ピーク点の時相が識別され、そ
の時相に応じたピーク基準信号が作成される。
【0051】このように作成された4種類のピーク基準
信号に基づいて画像摘出信号が設定される。例えば、収
縮末期用の画像摘出信号のタイミングは、T波及びU波
の両ピーク基準信号から両ピーク時相の中間時相に設定
される。また、仮末期像用の画像摘出信号のタイミング
は、緩徐期に相当する時相に設定される。このように設
定された画像摘出信号により、緩徐期のフレーム画像群
が摘出され、そのフレーム画像群の中から最適な仮末期
像がマニュアルで選択される。
【0052】また、仮末期像の緩徐期における最適な特
定時相が予め判明している場合には、その特定時相での
画像摘出信号を予め作成してもよい。この場合には、こ
の画像摘出信号を対象患者の年齢、年代毎に応じて作成
することが望ましい。即ち、例えば成人の場合には収縮
末期のフレーム画像よりも4フレーム前、幼児の場合に
は収縮末期のフレーム画像よりも6フレーム前、60歳
代の場合には収縮末期のフレーム画像よりも4フレーム
前等の特定時相における画像摘出信号であってもよい。
これにより、仮末期像が自動で選択されるようになる。
【0053】次いで、上記仮末期像の左心室輪郭の抽出
手段を図5〜図8に基づいて説明する。まず、図5に示
す仮末期像の表示像上で指示された心臓の大動脈弁の両
端部及び心尖部の夫々の位置から、大動脈弁の2点を結
ぶ線分の中点と心尖部とを結ぶ線分(長軸)の長さ及び
位置が決定される。
【0054】このように決定された左心室LVの長軸上
での心尖部輪郭点が図6及び図7に示す画素値のプロフ
ァイル曲線に基づいて決定される。即ち、図6に示すプ
ロファイル曲線の2次微分曲線から、指示された心尖部
位置における長軸の外側延長線上で極小値を示す点の輪
郭外側位置(背景位置)を求め、その背景位置の画素値
G1と輪郭内部位置の画素値G2との加重平均により心
尖部輪郭点しきい値Gnを求める。この心尖部輪郭点し
きい値Gnに基づいて、図7に示すプロファイル曲線上
で心尖部の外側から内側に向かい長軸に沿って画素値を
順次調べ、最初に心尖部輪郭点しきい値Gn以下になる
位置が心尖部輪郭点R1となる。
【0055】また、図8に示すように、長軸に直交する
垂線方向の左右輪郭点R2が画素値のプロファイル曲線
に基づいて決定される。即ち、上記と同様の垂線方向の
プロファイル曲線上で背景位置及び輪郭内部位置を長軸
を挟む左右の夫々に求め、その背景位置の画素値G1と
輪郭内部位置の画素値G3との加重平均により左右輪郭
点しきい値G4を求める。この左右輪郭点しきい値Gy
に基づいて、プロファイル曲線上で垂線方向に沿って背
景位置から輪郭内部位置へ向かい順次画素値を調べ、最
初に左右輪郭点しきい値G4以下になる垂線方向上の位
置が左右輪郭点R2となる。
【0056】この左右輪郭点R2を心尖部から長軸方向
に沿って大動脈弁に到達するまで繰り返し求め、最終的
に得られるものを上記で求めた心尖部輪郭点R1を含め
て接続することにより、左心室LVの輪郭が決定され
る。このように決定された左心室輪郭に基づいて、計測
手段であるシンプソン法等の求積法により左心室容積値
が算出される。
【0057】このように算出された左心室容積値の計測
精度を調べる目的で、成人を診断対象として計測された
収縮末期での左心室容積値を取り上げて、従来との比較
を行った。この結果、従来の係数補正による算出値は、
理想輪郭線に基づく理想値との相関係数が約0.861
1、誤差率が約75%であるのに対し、本発明に係る、
算出値は同相関係数が約0.8790、同誤差率が13
〜22%程であることが確認された。
【0058】このように仮末期像の左心室輪郭を用いて
臨床上殆ど問題にならない精度の高い左心室容積値を求
めることができる。しかしながら、その左心室容積値に
おいても若干の誤差が含まれる場合、臨床例によっては
精度がやや劣る場合等の可能性も想至される。
【0059】そこで、このような想至事態に対処するた
めの左心室容積値の補正の原理を図9及び図10に基づ
いて説明する。本実施形態では、この補正に関するアル
ゴリズムは前記と同様に計測部18が実行するよう予め
設定されている。
【0060】この補正は、患者の態様(年代、年齢等)
に応じた最適な計測値を得る目的で、左心室を回転楕円
体と見做し、その回転楕円体の輪郭に関するパラメータ
(左心室容積値、長軸長、及び短軸長)に基づいた複数
の輪郭モデルを設定し、その輪郭モデル毎に用意した補
正式により計測された左心室容積値を補正するものであ
る。この補正対象のパラメータは主に短軸長である。長
軸方向の輪郭誤差は短軸方向のそれに比べて僅かであ
り、臨床上殆ど問題がないためである。
【0061】最初に、図9に示すように、左心室容積値
V及び長軸長Lを含む上記記載の計測データに基づい
て、左心室LVの形状を回転楕円体と仮定(回転楕円体
近似)した際の短軸長rが次の算出式により求められ
る。
【0062】
【数2】r=(3V/2πL)1/2 ……(2)
【0063】次いで、長軸長L及び(2)式で算出され
た短軸長rから軸長比aが次の算出式により決定され
る。
【0064】
【数3】a=r/L (0<a≦1) ……(3) この(3)式で決定された計測データの軸長比aに基づ
いて、図10に示す複数の輪郭モデルM1…Mnの内の
所望の輪郭モデルが選択される。
【0065】ここで、複数の輪郭モデルM1…Mnの夫
々は予め用意した複数の適宜な臨床例に基づいて設定さ
れている。具体的には、複数の臨床例毎に輪郭線に関す
る自動抽出データとマニュアル抽出データとの対比結果
の基づいて決定されている。即ち、自動抽出データの輪
郭Xに基づく左心室容積値Vx及び長軸長Lxと、非造
影部分を考慮に入れたマニュアル抽出データの理想輪郭
Yに基づく左心室容積値Vy及び長軸長Lyとに基づい
て、上記と同様に左心室の形状を回転楕円体近似した際
の両データの短軸長rx及びryが(2)式により算出
される。また、自動抽出データに関しては上記(3)式
により軸長比axが決定される。
【0066】このように決定された軸長比ax(0<a
x≦1)に基づいて、用意した全ての臨床例が所要の軸
長比区間(枠)毎にグループとして分類される。これら
グループの夫々が上記輪郭モデルM1…Mnとして定義
される。この輪郭モデルM1…Mnの夫々は、相関図で
の最小二乗法等により決定された、上記両データの相関
関係に関する近似式(短軸長補正式を含む)を保持する
ように設定される。
【0067】この複数の輪郭モデルM1…Mn及びその
複数の輪郭モデルM1…Mnと対を成す個々の近似式
は、例えば計測部18の本発明のデータ保持手段の要部
に相当するメモリ(図示しない)に予め保持されるよう
になっている。
【0068】従って、上記軸長比aに応じて選択された
所望の輪郭モデルが保持する近似式により、上記計測デ
ータの短軸長等が適宜に補正される。これにより、短軸
長補正式による短軸長rの補正値と長軸長Lから上記
(2)式により左心室容積値Vの補正値が算出される。
この補正に関するアルゴリズムは、前記仮末期像の処理
に関するものと同様に、計測部18が実行できるように
予め設定されている。
【0069】上記の如く算出された左心室容積値の計測
精度を調べる目的で、拡張末期の計測データを取り上げ
て、便宜上、輪郭モデルを2グループに分類設定した場
合と従来の場合との比較を行った。その比較の結果、分
類前の算出値は理想値との相関係数が約0.9099、
誤差率が約6.51%であるのに対し、本発明に係る、
分類後の算出値は同相関係数が約0.9746%及び約
0.9776%、同誤差率が約4.21%及び約2.6
2%程であることが確認された。
【0070】なお、上記輪郭モデルによる補正は、患者
の輪郭態様に応じて臨機応変に実施できるため、前記仮
末期像を用いた左心室容積値に対処する二次的なもので
はなく、従来の自動抽出による左心室輪郭に基づいた左
心室容積値でも対処できる独立したものとして設定して
もよい。
【0071】例えば、拡張末期画像は心筋や肉柱の影響
をあまり受けないため、その拡張末期画像に対しては上
記輪郭モデルによる補正を行う一方、心筋や肉柱の影響
を受けやすい収縮末期画像に対して仮末期像に基づいて
左心室容積値を計測するように設定することも可能であ
る。このように仮末期像を用いた計測及び輪郭モデルに
よる補正の夫々の使い分け又は組み合わせにより、左心
室容積値の計測精度が向上すると共に、補正効果を最大
限に発揮させることができる。
【0072】ここで、実施形態に戻り、計測部18が実
行する処理を図11〜図13に基づいて説明する。
【0073】計測部18は、図11〜図13に示すステ
ップS1でプロセッサ部2からの心電同期されたデータ
(動画像データD1及び心電波形データD2)を外部記
憶装置16を介して入力すると、図11に示すステップ
S2にて心電波形データD2に基づいて作成された画像
摘出信号により動画像データD1の各フレーム画像の中
から左心室容積値算出に適した仮末期像がマニュアル抽
出される。具体的には、図12に示すステップS2aに
て緩徐期のフレーム画像群を抽出し、ステップS2bで
フレーム画像群の中から仮末期像がマニュアル抽出され
る。また、図13に示すステップS2cにて自動抽出し
てもよい。このステップS1及びS2の処理が本発明に
係る画像選択手段の要部を成している。
【0074】次いでステップS3(本発明に係る輪郭抽
出手段の要部を成す)に移行し、仮末期像の左心室輪郭
を抽出すると、ステップS4(本発明に係る容積値計測
手段の要部を成す)にて左心室輪郭に基づいて長軸長を
計測し、シンプソン求積法により左心室容積値を算出す
る。
【0075】続いてステップS5に移行し、オペレータ
の指示により補正が必要であるか否かを判断する。YE
S(補正する)の場合にはステップS6に移行し、NO
の場合にはステップS10に移行して、左心室容積値を
含む計測データをTVモニタ17に出力する。このステ
ップS5の処理は、予め補正するように設定されている
場合には図12及び図13に示す如く省略してもよい。
【0076】補正する場合にはステップS6にて計測デ
ータの内の左心室容積値及び長軸長に基づいて回転楕円
体近似により短軸長及び軸長比を算出し、ステップS7
にて軸長比に基づいて左心室輪郭を判別し、メモリに予
め保持された輪郭モデルを選択する。上記ステップS6
及びS7の処理が本発明に係る判別手段の要部を成して
いる。
【0077】さらにステップS8にて選択された輪郭モ
デルの近似式により短軸長を補正(係数補正)し、ステ
ップS9にて左心室容積値(及び必要に応じて輪郭線)
を補正する。そしてステップS10で補正した計測デー
タをTVモニタ17に出力する。上記ステップS8及び
S9の処理が本発明に係る補正手段の要部を成してい
る。
【0078】従って、本実施形態に係る心機能診断装置
では、仮末期像を選択する構成としたため、心臓の心
筋、肉柱等の非造影部分を幾何学上で反映したと見做さ
れる左心室輪郭をフレーム画像上で取得でき、その左心
室輪郭に基づいた精度の高い左心室容積値を計測でき
る。
【0079】また、心電計を用いてフレーム画像を心電
同期して取得するため、従来の患者毎の心拍数の違いに
よる計測誤差の影響を殆ど回避できると共に、従来の如
く拡張・収縮末期画像を画面上の造影剤の動きを見なが
ら選択する手間が省け、速やか且つ自動的に所望時相の
フレーム画像を検索できる。
【0080】さらに、オペレータにとっても、左心室輪
郭をマニュアルで抽出する手間が省ける分、心機能診断
に掛かる負担が大幅に軽減されるようになる。
【0081】一方、本実施形態に係る心機能診断装置で
は、多様な臨床例に基づく複数の輪郭モデル及びその補
正式により左心室容積値を補正する構成としたため、患
者の態様で異なる左心室輪郭の形状に則して臨機応変に
左心室容積値を補正でき、その結果、左心室容積値の計
測精度が大幅に向上するようになる。
【0082】また、輪郭モデルの利用にあたり、左心室
を回転体楕円体に近似し、容積値、長軸長、短軸長の3
つのパラメータに限定したため、輪郭モデルの作成、選
択等を従来のように輪郭点1つ1つを対象に進めていく
手間が省け、簡単かつ迅速に処理できる。
【0083】なお、上記実施形態に係る心機能診断装置
は、左心室容積値計測部がステップS1〜ステップS1
0の処理に代表させるアルゴリズムを実行するように構
成したが、本発明に係る心機能診断装置はこれに限定さ
れるものではない。例えば、ステップS2〜S4を要部
とする仮末期像に関する計測処理とステップS6〜ステ
ップS9を要部とする輪郭モデルに関する補正処理とを
独立した構成とし、両処理の内の少なくとも一方を採用
するものであればよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6記載
の発明に係る心機能診断装置にあっては、モダリティか
ら得られた複数枚のフレーム画像の中から心臓の収縮及
び拡張の夫々の運動末期よりも前の時相でのフレーム画
像を選択し、その選択したフレーム画像から左心室輪郭
を抽出し、その抽出した左心室輪郭から左心室容積値を
計測する構成としたため、運動末期でのフレーム画像か
ら心臓の心筋、肉柱等の画像に反映されない部分を考慮
に入れてマニュアル抽出される左心室輪郭と見掛け上同
等又はほぼ同等と見做される左心室輪郭をフレーム画像
上で抽出でき、且つ、その左心室輪郭に基づいた精度の
高い左心室容積値を計測できる。
【0085】また請求項7〜10記載の発明に係る心機
能診断装置にあっては、複数の臨床データに関する左心
室容積値を含む輪郭データに基づいて設定された複数の
輪郭モデル及びこの複数の輪郭モデルと対を成す個々の
補正情報を予め保持すると共に、診断対象の被検体にお
いてモダリティにより計測された左心室容積値を含む輪
郭データが上記複数の輪郭モデルの内のいずれに該当す
るかを判別し、その判別した輪郭モデルの補正情報に基
づいて被検体の輪郭データを補正する構成としたため、
患者の左心室輪郭に応じて臨機応変に且つ適切に左心室
容積値を補正でき、これにより、左心室容積値の計測精
度が大幅に向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るX線診断装置の全体構成を示す
概略ブロック図。
【図2】心臓の左心圧の経時変化を説明する図。
【図3】心電波形の経時変化を説明する図。
【図4】ピーク基準信号の作成を説明する概略タイミン
グチャート。
【図5】左心室輪郭の輪郭点抽出を説明する概要図。
【図6】左心室輪郭の心尖部輪郭点抽出を説明する図。
【図7】左心室輪郭の心尖部輪郭点抽出を説明する図。
【図8】左心室輪郭の左右輪郭点抽出を説明する図。
【図9】回転楕円体近似を説明する概要図。
【図10】輪郭モデルの概要を説明する概念図。
【図11】左心室容積値計測部の処理を示す概略フロー
チャート。
【図12】左心室容積値計測部の処理を示す別の概略フ
ローチャート。
【図13】左心室容積値計測部の処理を示す更に別の概
略フローチャート。
【符号の説明】
1 撮影測定部 2 プロセッサ部 3 コンソール部 4 X線管 LV 被検体の左心室 17 TVモニタ 18 左心室容積値計測部(本発明に係る心機能診断装
置の要部を搭載)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モダリティから一定間隔毎に連続して得
    られた複数枚のフレーム画像に基づいて心臓の少なくと
    も収縮及び拡張の夫々の運動末期での左心室容積値を計
    測し且つ当該左心室容積値の基づいて心駆出率を算出す
    る心機能診断装置において、上記複数枚のフレーム画像
    の中から上記運動末期よりも前の時相でのフレーム画像
    を選択する画像選択手段と、この画像選択手段により選
    択されたフレーム画像から左心室輪郭を抽出する輪郭抽
    出手段と、この輪郭抽出手段により抽出された左心室輪
    郭から上記左心室容積値を計測する容積値計測手段とを
    備えたことを特徴とする心機能診断装置。
  2. 【請求項2】 前記画像選択手段は、前記モダリティに
    より被検体の複数枚のフレーム画像が取得される間、当
    該被検体の心電図信号を取得する心電計を更に備えると
    共に、この心電計により取得された心電図信号の時相に
    基づいて上記複数枚のフレーム画像の時相を特定するこ
    とにより前記運動末期よりも前の時相でのフレーム画像
    を選択する手段である請求項2記載の心機能診断装置。
  3. 【請求項3】 前記画像選択手段は、前記心電図信号の
    内のP波、R波、T波、及びU波の時相に基づいて心運
    動の緩徐期に相当するフレーム画像を選択する手段であ
    る請求項2記載の心機能診断装置。
  4. 【請求項4】 前記画像選択手段は、前記T波及びU波
    の時相に基づいて心運動の緩徐駆出期に相当するフレー
    ム画像を選択する手段である請求項3記載の心機能診断
    装置。
  5. 【請求項5】 前記輪郭抽出手段は、前記フレーム画像
    上に投影される左心室の内部位置及び外部位置の夫々の
    画素値に基づいて当該両位置の境界部を探索することに
    より、前記左心室輪郭を自動で抽出するアルゴリズムを
    実行する手段である請求項1記載の心機能診断装置。
  6. 【請求項6】 前記容積値計測手段は、前記左心室輪郭
    からシンプソン求積法により前記左心室容積値を計測す
    るアルゴリズムを実行する手段である請求項1記載の心
    機能診断装置。
  7. 【請求項7】 モダリティから一定間隔毎に得られた複
    数枚のフレーム画像に基づいて心臓の少なくとも収縮及
    び拡張の夫々の運動末期での左心室容積値を計測し且つ
    当該左心室容積値の基づいて心駆出率を算出する心機能
    診断装置において、複数の臨床データに関する左心室容
    積値を含む輪郭データに基づいて設定された複数の輪郭
    モデル及びこの複数の輪郭モデルと対を成す個々の補正
    情報を予め保持するデータ保持手段と、診断対象の被検
    体において計測された上記左心室容積値を含む輪郭デー
    タが上記データ保持手段が保持する複数の輪郭モデルの
    内のいずれに該当するかを判別する判別手段と、この判
    別手段により判別された輪郭モデルの上記補正情報に基
    づいて上記被検体の輪郭データを補正する補正手段とを
    備えたことを特徴とする心機能診断装置。
  8. 【請求項8】 前記データ保持手段は、前記複数の臨床
    データ毎にマニュアル抽出対象及び自動抽出対象の夫々
    の左心室輪郭に関する短軸長を左心室容積値及び長軸長
    に基づいて演算し且つ当該長軸長と演算した短軸長との
    軸長比に基づいて上記2種類の左心室輪郭を上記複数の
    臨床データ毎に複数のグループに割り当てることによ
    り、その割り当てたグループ毎に輪郭モデルを設定する
    モデル設定手段と、そのモデル設定手段により設定され
    た輪郭モデル毎に上記2種類の左心室輪郭間の相関関係
    式を含む個別の補正情報を取得することにより当該輪郭
    モデル及びその補正情報をメモリに保持するメモリ手段
    とを備えた請求項7記載の心機能診断装置。
  9. 【請求項9】 前記判別手段は、前記被検体の輪郭デー
    タから前記軸長比を演算し且つその演算された軸長比に
    基づいて当該輪郭データが前記メモリ手段が保持する輪
    郭モデルの内のいずれに該当するかを判別するアルゴリ
    ズムを実行する手段である請求項8記載の心機能診断装
    置。
  10. 【請求項10】 前記補正手段は、前記判別手段が判別
    した輪郭モデルの前記補正情報の内の短軸長に関する相
    関関係式に基づいて上記被検体の輪郭データを補正する
    アルゴリズムを実行する手段である請求項9記載の心機
    能診断装置。
  11. 【請求項11】 モダリティにより一定間隔毎に得られ
    た複数枚のフレーム画像に基づいて心臓の少なくとも収
    縮及び拡張の夫々の運動末期での左心室容積値を計測し
    且つ当該左心室容積値の基づいて心駆出率を算出する心
    機能診断装置において、 上記複数枚のフレーム画像の中から上記運動末期よりも
    前の時相でのフレーム画像を選択する画像選択手段と、
    この画像選択手段により選択されたフレーム画像から上
    記左心室輪郭を抽出する輪郭抽出手段と、この輪郭抽出
    手段により抽出された左心室輪郭に基づいて上記左心室
    容積値を計測する容積値計測手段とを備えると共に、 複数の臨床データに関する左心室容積値を含む輪郭デー
    タに基づいて設定された複数の輪郭モデル及びこの複数
    の輪郭モデルと対を成す個々の補正情報を予め保持する
    データ保持手段と、上記容積値計測手段により計測され
    た診断対象の被検体に関する上記左心室容積値を含む輪
    郭データが上記データ保持手段が保持する複数の輪郭モ
    デルの内のいずれに該当するかを判別する判別手段と、
    この判別手段により判別された輪郭モデルの上記補正情
    報に基づいて上記被検体の輪郭データを補正する補正手
    段とを備えたことを特徴とする心機能診断装置。
  12. 【請求項12】 前記モダリティはX線診断装置である
    請求項1、7、又は11記載の心機能診断装置。
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