JP2017113592A - 医用画像処理装置、医用画像処理装置に搭載可能なプログラム、及び医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置、医用画像処理装置に搭載可能なプログラム、及び医用画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 心臓収縮期に撮影された医用画像を用いて、冠動脈の狭窄の診断に供することができる画像を生成できる医用画像処理装置を提供することを目的としている。
【解決手段】 心内腔領域を用いて心筋領域の面を特定し、その面を、当該位置の医用画像の信号値に応じた色として表示させることにより、1つのボリュームデータである心臓領域を含む医用画像のみで、冠動脈の狭窄の診断に供することができる画像を提供することができる。
【選択図】 図11

Description

本発明は、医用画像処理装置、医用画像処理装置に搭載可能なプログラム、及び医用画像処理方法に関する。
冠動脈の閉塞や狭窄などにより心筋への血流が阻害されて生じる虚血性心疾患は、一般的に心筋内膜より生じ、外膜方向に進展していくが、外膜にまで達してしまうと治療が困難となってしまう可能性があるため、早期に発見することが極めて重要である。そのため近年さまざまな医用画像診断装置を用いて早期に冠動脈の狭窄を早期に発見するための手法が模索されている。
特許文献1には、造影剤が注入された被検体の心臓をX線CT装置で撮影することで得られた、撮影された時間がそれぞれ異なる複数のボリュームデータから、冠動脈の各領域における血流速度又は血流速度の勾配を求め、それらの大きさに応じた色を割りあてた冠動脈の形態を表す画像を生成して、冠動脈の狭窄の有無を判断することが可能にできる医用画像処理装置が開示されている。
特開2013−10005号公報
しかしながら、特許文献1に開示される医用画像処理手法では、撮影時間を異ならせた複数のボリュームデータをCT装置で取得しておく必要があるため、撮影されるデータ量が膨大となるばかりでなく、患者への被爆量が多くなるため、簡便な画像生成手法であるとはいえなかった。
また近頃の虚血診断の研究で心筋のメカニカルストレスが原因で心臓収縮期に虚血状態が出現することが見出されており、このような心臓収縮期に撮影される医用画像を用いて虚血性心疾患を早期発見に寄与できる可能性が指摘されている。
そこで、本願発明は、心臓収縮期に撮影された医用画像を用いて、冠動脈の狭窄の診断に供することができる画像を生成できる医用画像処理装置を提供することを目的としている。
本発明の医用画像処理装置は、心臓領域を含む医用画像から、心内腔領域を特定する心内腔特定工程と、前記心内腔特定工程で特定された前記心内腔領域の面を、所定距離ずつ心筋側に拡張させて得られる心筋領域の面を特定する心筋特定工程と、前記心筋特定工程で特定された前記心筋領域の面を、当該心筋領域の面の位置ごとに対応する前記医用画像の信号値に応じた色とする画像を生成する生成工程と、を有することを特徴としている。
このように心内腔領域を用いて心筋領域の面を特定し、その面を面位置の医用画像の信号値に応じた色として表示させることにより、1つのボリュームデータである心臓領域を含む医用画像のみで、冠動脈の狭窄の診断に供することができる画像を提供することができる。
医用画像処理装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。 本発明に係る医用画像処理の流れを説明するフローチャートである。 大動脈の重心301を特定する様子を説明する図である。 各画像における重心301を結んで生成した芯線401を説明する図である。 芯線401の心尖部501側から、領域拡張法(リージョングローイング法)を用いて心内腔領域を抽出する様子を説明する図である。 領域拡張法で抽出される心内腔領域の体積変化と時間の関係を占めず図である。 不要な領域を除外する際の処理を説明する図である。 不要な領域を除外する際の処理を説明する図である。 不要な領域を除外した後の心内腔領域を示す図である。 心内腔領域の表面1101と心筋領域の面1102とを説明するための図である。 心筋領域の面1102を色分けした画像である。 閾値を取得する位置1201を説明する図である。 閾値を取得する位置1201を説明する図である。 本発明に係る医用画像処理の流れを説明するフローチャートである。 (a)抽出した冠動脈等の画像、(b)抽出した冠動脈等の画像と仮想面を色分けした画像とを合成した画像である 抽出した冠動脈等の画像と仮想面を色分けした画像とを合成した画像である。
以下、図面を参照して、造影剤を患者に投与した状態で心臓収縮期にCT装置で撮影される1つのボリュームデータ(複数のスライス画像データ)を用いて、冠動脈の狭窄の診断に供する画像を生成する手法を詳細に説明する。
本実施形態で用いるCT装置で撮影されるCT画像は、点滴や血管注射により造影剤を投与された患者(被検体)が、寝台に寝かされた状態で撮影された心臓領域を含む画像である。造影剤が存在するとX線の吸収度が高くなるため、高いCT値が取得されることになるため、このような条件でCT撮影を行うことで、血液が流れている心臓の内腔領域が高CT値となるCT画像が撮影されている。
図1は、本実施形態の医用画像処理装置101のハードウェア構成の一例を示す図である。本実施形態における医用画像処理装置101は、CT装置などの医用画像診断装置で撮影されるボリュームデータを記憶している記憶装置から、当該ボリュームデータ(複数の医用画像)を取得して(読み込んで)画像処理を行うものである。
CPU201は、システムバス204に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
また、ROM202あるいは外部メモリ211(記憶手段)には、CPU201の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/OutputSystem)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、医用画像処理装置101の実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。RAM203は、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
CPU201は、処理の実行に際して必要なプログラム等をRAM203にロードして、プログラムを実行することで各種動作を実現するものである。
また、入力コントローラ(入力C)205は、キーボードや不図示のマウス等のポインティングデバイス等の入力デバイス209からの入力を制御する。
ビデオコントローラ(VC)206は、ディスプレイ210等の表示器への表示を制御する。表示器の種類はCRTや、液晶ディスプレイを想定するが、これに限らない。
メモリコントローラ(MC)207は、ブートプログラム、ブラウザソフトウエア、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)やフレキシブルディスク(FD)或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるカード型メモリ等の外部メモリ211へのアクセスを制御する。
通信I/Fコントローラ(通信I/FC)208は、ネットワークを介して、CT装置等の医用画像診断装置で取得された画像を記憶する記憶装置等の外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いたインターネット通信等が可能である。
尚、CPU201は、例えばRAM203内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、ディスプレイ210上での表示を可能としている。
また、CPU201は、ディスプレイ210上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
本発明の医用画像処理装置101が後述する各種処理を実行するために用いられる各種プログラム等は外部メモリ211に記録されており、必要に応じてRAM203にロードされることによりCPU201によって実行されるものである。
さらに、本発明に係わるプログラムが用いる定義ファイルや各種情報テーブルは外部メモリ211に格納されている。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態における医用画像処理装置101が行う医用画像処理の流れを説明するフローチャートである。図2のフローチャートに示す処理は、医用画像処理装置101のCPU201が記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図2のS201では、医用画像処理装置101のCPU201は、まずCT装置等の医用画像診断装置で取得された冠静脈CT画像データを記憶装置(不図示)から取得する。ここで取得する冠静脈CT画像データは、1つのボリュームデータを構成する複数のスライス画像である。
S202では、医用画像処理装置101のCPU201は、取得したCT画像の大動脈側のスライス画像において、円形度の高い高信号値領域(CT値が高い領域)の重心を特定する。図3に大動脈側のスライス画像において特定された、重心301の位置を示している。さらに、ボリュームデータを構成する複数のスライス画像に対して同様の特定作業を大動脈側から順に行い、高信号値領域がなくなる画像まで、それぞれの重心をつないで芯線を抽出する。円形度の高い高信号値領域は大動脈であるといえるため、このときスライス画像を大動脈側から行うことにより、芯線は、大動脈から虚血疾患の原因となる左心室の心尖部501に至る経路を確実に特定することができる。このように各スライス画像の重心301をつないで特定された大動脈と左心房の心尖部501とを結ぶ芯線401を図4に例示する。なお、ここで用いるスライス画像は、CT装置で撮影されたスライス画像のみならず、ボリュームデータから再構成されたスライス画像でもよい。さらに、芯線を各スライス画像の重心301をつないで生成する例を示したが、高信号値領域の中心位置付近が抽出できれば他の方法でも良い。
S203では、医用画像処理装置101のCPU201は、S202で抽出された芯線401を心尖部501の側から領域拡張法を用いて心内腔領域の抽出処理を行う(領域特定)。具体的にはリージョングローイング法を用いることができる。リージョングローイング法は、任意のピクセル(抽出開始点)から何らかの指標に基づいて信号値を追跡することができる手法であり、この手法を用いて心尖部501の側から、芯線401を指標として追跡しながら造影剤による高信号値領域を抽出していくことにより、左心室の心尖部501から大動脈、さらに増幅弁方向に向かう心内腔領域を抽出することができる。
図5(a)乃至(d)はリージョングローイング法を用いて抽出されている様子を順に示している。図5(a)及び(b)は、心内腔のみが抽出されている状態を示している。図5(c)は、心内腔領域に加え、大動脈502が抽出され始めた状態をしめしている。図5(d)は、心内腔領域の抽出がほぼ終了し、左心房503の抽出が開始された様子を示している。
芯内腔領域の抽出を停止するタイミングは、心内腔領域が十分に抽出されるタイミングであればよいが、心臓の大きさは患者ごとに異なるため、抽出される心内腔の体積変化を加味して決定することが好ましい。
図6は、リージョングローイング法による時間経過と抽出された心内腔領域の体積変化との関係を示した図である。ここからわかるように、心内腔領域のみが抽出される時間帯においては、体積の増加速度はほぼ一定であるが、大動脈の抽出が開始されると体積の増加速度がそれ以前と比べて早くなる。さらに、左心房の抽出が開始されるとさらに体積の増加速度が速くなることがわかる。つまり、2つ目の体積増加速度の変曲点が発現した後に抽出処理を停止すれば、いかなる患者の心臓画像であったとしても、心内腔領域を確実に抽出することができる。具体的には、2つ目の変曲点が発現した後、所定量の体積抽出が行われたタイミングや、所定時間経過したタイミングで抽出処理を停止するように制御することが好ましい。
次にS204では、医用画像処理装置101のCPU201は、S203で抽出された心内腔領域に含まれる不要領域の除外処理を行う。なお不要領域の除外処理は、必須の処理ではないが画像の識別性を向上するために行われることが好ましい。
具体的な処理としては、図7(a)に示すように、S203で抽出した画像の2つの冠動脈701を結ぶ平面Bを特定し、その後図7(b)に示すように平面Bを心尖部側に1cm程度平行移動した平面B´を特定する。平面B´よりも大動脈側(上側)の領域は、虚血診断に用いない領域のため、除外することができる。さらに、増幅弁側(左心房側)に対しても同様に、S203で抽出した画像から特定した左冠動脈回旋枝801に沿う平面Cを特定する(図8)。平面Cよりも上側の領域は、虚血診断に用いない領域であるため、除外することができる。
このように平面B´と平面Cを特定して不要領域を除外することにより、心筋領域の色分け処理を行った際に、不要な領域が含まれない3次元の色分け画像とすることができるため、当該画像を医師が診察に用いる際に虚血領域が生じているかを識別しやすくすることができる。図9にS203で抽出された心内腔領域から不要な領域を除外して、特定された心内腔領域を例示する。
S205では、医用画像処理装置101のCPU201は、このようにS203で抽出された心内腔領域から不要な領域を除外して、特定された心内腔領域(心内腔特定)をもとに、心内腔領域の表面1101を特定する。なお、本実施形態では領域拡張法(リージョングローイング法)を用いて抽出する例を用いて説明したが、心内腔領域が抽出できればこれ以外の方法を用いてもよい。
S206では、医用画像処理装置101のCPU201は、心内腔領域の表面1101を、心内膜も含む心筋領域にまで領域を拡張する拡張処理を行う。具体的には、CT画像の心内腔領域の表面位置を数ピクセルずつ(所定距離ずつ)心筋側に拡張させて、心内腔領域の表面1101からある程度(5mm程度)離れた位置を心筋領域の面1102(仮想面)として特定する(心筋特定)。ここで拡張する距離を最適距離に調整できれば、虚血病変を早期に診断することができる位置とすることができるため、心内腔領域の表面1101からどの程度内側とするかは、適宜ユーザが設定変更できるように設けておくことが好ましい。なお、拡張させる距離は全領域において一定距離である必要はなく、心臓の部位に応じて拡張距離を変えられるように設けてもよい。
図10にS205で特定される心内腔領域の表面1101と心筋領域の面1102を示したCT画像のスライス画像を示す。ここからわかるように心内腔領域の表面1101を、重心301から結ぶ直線に沿って、心内腔領域の表面1101の各点を所定距離ずつずらして心筋領域の面1102が特定される。
S207では、医用画像処理装置101のCPU201は、S206で特定した心筋領域の面1102を、当該面を構成する各座標の位置ごとに対応するCT値の強度に応じた色とした3次元画像の生成処理を行う。その後生成された色分け画像は、医用画像処理装置101の外部メモリ211などに保存されるとともにディスプレイ等に表示され、医師等のユーザが視認可能な状態となる。
色分けの方法としては、例えば100を予め設定されている閾値とし、CT値が100以上を赤に色付けしCT値が100未満を青に色分けしたり、閾値を段階的に設けて、CT値が110以上を赤、110未満かつ100以上をオレンジ、100未満かつ90以上を緑、90未満80以上を青、80未満を黒とするように色分け表示する画像を生成してもよい。さらに、閾値を設けて色分けするのみではなく、グラデーションをつけるようにしてもよい。図11にこのような心筋領域の面1102に色分け処理した画像の一例を示す。ここでは、正常状態である可能性が高いCT値が100以上となる領域1103と、虚血状態である可能性が高い100未満の領域1104とが識別可能に表示されている。すなわち、心筋領域の面における信号の強度差が色分けされて表示されるため、心臓の状態を容易に識別可能となっている。なお、本実施形態における色分けとは、明るさやコントラストによる調整による色味の違いも含まれるものとする。
なお予め設定される閾値は、正常な心筋領域で取得される値をもとに定めておけば、概ね冠動脈の狭窄の有無を判断するために好ましい画像となる可能性が高いといえる。そのため図12に示すような、1枚のスライス画像における心筋領域の面1102よりも外側であり、かつ心筋の範囲内の位置1201のCT値を、閾値の初期設定値として色分け画像の生成処理を行ってもよい。さらに、図13に示すように、心筋領域の面1102よりも外側であり、かつ心筋の範囲内で複数の位置(1201a〜1201h)でCT値を取得し、これらを平均した値を閾値の初期設定値として色分け画像の生成処理を行ってもよい。このように複数の位置でCT値を取得する場合には、ばらつきを平均化するために、1枚のスライス画像の重心301を中心点として均等分けした位置でCT値を取得することが好ましい。さらに、1枚のスライス画像のみならず、複数のスライス画像から取得するCT値を用いてもよい。
そして、このような閾値は、最適な値に調整することができれば、虚血病変を早期に診断することができる色分けに寄与できるため、予め設定してある閾値(初期値)をツールバーのようなものをユーザに操作させて適宜調整できるようにしておくことが好ましい。
以上説明したように、心内腔領域をもとに心筋領域の面を特定し、その面に心筋虚血に敏感に反応する左心室内膜の状態を識別できる色分け画像を生成することにより、虚血病変の見落としを低減に貢献できる画像を供することが可能となる。さらに、従来の手法と比べると複数のボリュームデータを取得する必要がなく、1つのボリュームデータである心臓領域を含む医用画像のみで色分けされた3次元画像を生成することにより、撮影される画像データの容量を削減できるとともに、患者への被爆量を低減した状態で、冠動脈の狭窄の診断に供することができる画像を提供することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、左心室内膜の状態を識別できる色分け画像を生成して表示する例を用いて説明したが、表示の際には左心室内膜のみならず冠動脈等を一緒に表示させてもよい。本実施形態においては、左心室内膜とともに冠動脈を重畳して表示する例を説明する。なお、本実施形態では第1の実施形態と異なる部分を中心に説明を行い、第1の実施形態と同じ部分については説明を省略する。
図14は、第2の実施形態における医用画像処理装置101が行う医用画像処理の流れを説明するフローチャートである。図14のフローチャートに示す処理は、医用画像処理装置101のCPU201が記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより実現される。
図14のS1401乃至S1407の処理については、図2のS201乃至S207の処理と同様であるため説明を省略する。
S1408では、医用画像処理装置101のCPU201は、S1401で取得したCT画像から、心筋に酸素を供給する冠動脈等を特定する(冠動脈特定手段)。このように特定した冠動脈等の血管の一例を図15(a)に示す。ここでは大動脈1501から分岐する左冠状動脈1502と右冠状動脈1503とが特定される。このような冠動脈は、大動脈の根元部分から分岐しているため、分岐している血管の抽出処理を行うことで特定できる。なお、冠動脈等の特定処理は色分け画像が生成される前に予め特定しておいてもよい。
S1409では、医用画像処理装置101のCPU201が、S1407で生成したCT値に応じて色分けされた画像とS1408で特定した冠動脈とを重畳した重畳画像を生成する。なお大動脈側は、S1404で不要領域の除外処理の際に特定した平面B´と平面Cの位置付近まで特定しておき、冠状動脈及び大動脈と色分け画像とが連続的に表示されることが好ましい。その後重畳画像は、医用画像処理装置101の外部メモリ211などに保存されるとともにディスプレイ等に表示され、医師等のユーザが視認可能な状態となる。
S1409で合成して得られた画像の一例を図15(b)に示す。このように、冠動脈と色分け画像を一緒に表示させることにより、虚血状態である可能性が高い100未満の領域1104に血液を送るべき冠動脈がどの血管であるかを容易に特定することができる。すなわち狭窄している可能性が高い血管を容易に識別することができる。図15(b)に示す例では、虚血状態である可能性が高い領域1104の近傍に第1対角枝1505が位置していることがわかるため、第1対角枝1505で狭窄が起きている可能性が高いことを容易に識別できる。
なお、心筋領域の面の信号値が予め設定される閾値未満の部分を虚血状態である可能性が高い領域1104として特定し、さらに当該領域1104に重畳している血管(もしくは領域に近接している血管)を特定することで、図16に示すように当該血管の経路を破線等で強調表示させてもよい。これにより医師等のユーザは、狭窄が起きている可能性の高い血管をより容易に識別することができる。なお、予め設定される閾値としては、第1の実施形態で説明したように正常な心筋領域で取得される値をもとに定めておけば、概ね冠動脈の狭窄の有無を判断するために好ましい領域が特定できる可能性が高いといえる。
本実施形態においては医用画像として、造影剤を患者に投与した状態で心臓収縮期にCT装置で撮影されたCT画像を用いた例を説明したが、MR装置で心臓収縮期に撮影されたMRA画像も用いることができる、
本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体等としての実施形態も可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、1つの機器からなる装置に適用してもよい。なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、システム或いは装置に直接、或いは遠隔から供給するものを含む。そして、そのシステム或いは装置の情報処理装置が前記供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合も本発明に含まれる。
したがって、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するために、前記情報処理装置にインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RWなどがある。また、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などもある。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、前記ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、若しくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。
また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理を情報処理装置で実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、ダウンロードした鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行して情報処理装置にインストールさせて実現することも可能である。
また、情報処理装置が、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他、そのプログラムの指示に基づき、情報処理装置上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、情報処理装置に挿入された機能拡張ボードや情報処理装置に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
なお、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
101 医用画像処理装置
301 重心
401 芯線
501 心尖部
502 大動脈
503 左心房
1101 心内腔領域の表面
1102 心筋領域の面

Claims (13)

  1. 心臓領域を含む医用画像から、心内腔領域を特定する心内腔特定手段と、
    前記心内腔特定手段で特定された前記心内腔領域の面を、所定距離ずつ心筋側に拡張させて得られる心筋領域の面を特定する心筋特定手段と、
    前記心筋特定手段で特定された前記心筋領域の面を、当該心筋領域の面の位置ごとに対応する前記医用画像の信号値に応じた色とする色分け画像を生成する生成手段と、
    を有することを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記心内腔特定手段は、
    前記医用画像を用いて、大動脈と左心室の心尖部とを結ぶ線を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段で抽出された線の前記心尖部の側を開始点として、領域拡張法を用いて前記心内腔領域を特定する領域特定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記領域特定手段は、不要な領域を除外する除外を行った後に前記心内腔領域を特定することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記生成手段では、閾値をもとに色分けすることで、強度差を識別可能な画像とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記閾値は、段階的に設けられており、当該段階に応じて色分けすることで、識別可能に表示することを特徴とする請求項4に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記閾値は、正常な心筋領域で取得された信号値を用いて決定されていることを特徴とする請求項4または5に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記心内腔特定手段は、左心室の内膜を含む領域を特定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  8. 冠動脈を特定する冠動脈特定手段を更に有し、
    前記生成手段は、前記色分け画像と前記冠動脈特定手段で特定された冠動脈とを重畳した重畳画像を生成することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記心筋領域の面のうち、信号値が所定の閾値未満の領域を特定する領域特定手段を更に有し、
    前記生成手段は、前記重畳画像を、前記領域特定手段で特定される領域に重畳している血管、若しくは当該領域に近接している血管が識別可能に生成することを特徴とする請求項8に記載の医用画像処理装置。
  10. 前記心臓領域を含む医用画像は、心臓の収縮期に撮影された1つのボリュームデータであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  11. 前記心臓領域を含む医用画像は、CT画像またはMRA画像であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の医用画像処理装置に搭載可能なプログラム。
  13. 心臓領域を含む医用画像から、心内腔領域を特定する心内腔特定工程と、
    前記心内腔特定工程で特定された前記心内腔領域の面を、所定距離ずつ心筋側に拡張させて得られる心筋領域の面を特定する心筋特定工程と、
    前記心筋特定工程で特定された前記心筋領域の面を、当該心筋領域の面の位置ごとに対応する前記医用画像の信号値に応じた色とする画像を生成する生成工程と、
    を有することを特徴とする医用画像処理方法。
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