JPH09236261A - ガスタービン燃焼器 - Google Patents

ガスタービン燃焼器

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JPH09236261A
JPH09236261A JP4092796A JP4092796A JPH09236261A JP H09236261 A JPH09236261 A JP H09236261A JP 4092796 A JP4092796 A JP 4092796A JP 4092796 A JP4092796 A JP 4092796A JP H09236261 A JPH09236261 A JP H09236261A
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combustion
premixed
combustor
flow
air
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Application number
JP4092796A
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English (en)
Inventor
Shigeyoshi Kobayashi
成嘉 小林
Toshio Otaguro
俊夫 大田黒
Masaya Otsuka
雅哉 大塚
Shohei Yoshida
正平 吉田
Hiroshi Inoue
洋 井上
Tomoki Koganezawa
知己 小金沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発電等に用いられるガスタービン燃焼器におけ
る振動燃焼の発生を抑制する。 【解決手段】本発明のガスタービン燃焼器は、空気と燃
料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼
手段と、燃焼器の振動燃焼に起因する物理量を検出する
検出手段313と、検出された前記物理量に基づいて前
記振動燃焼の振動周波数を分析し、前記振動周波数に基
づいて制御信号316を作成する演算手段315と、前
記予混合気の流体速度の剪断が強い部位318,319
の近傍に形成され、前記制御信号316に基づいて前記
予混合気或いは前記予混合気を形成する予混合用燃焼空
気の流れに速度変動を励起する手段とを有する。 【効果】本発明によれば、常に発熱量変動の少ない安定
な燃焼火炎を形成することが出来、振動燃焼の発生を抑
制することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電等に用いられ
るガスタービン燃焼器に係り、特に、空気と燃料とを予
め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼手段を有
するガスタービン燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】発電等に用いられるガスタービン燃焼器
においては、燃焼火炎の発熱量変動に起因する圧力変動
が、燃焼室にしばしば発生する。かかる現象は、一般に
振動燃焼と呼ばれ、燃焼火炎の吹き消えを誘起するだけ
ではなく、燃焼器の部品を損傷させる。よって、その発
生を抑制することが望まれている。振動燃焼の発生の抑
制を検討したものに、以下のようなものがある。
【0003】例えば、特開平6−193470 号公報によれ
ば、燃焼器の圧力変動を検出し、検出された前記圧力変
動の信号に基づいて、前記圧力変動の主なる周波数及び
その大きさを分析し、前記周波数の中から振動成分を取
り出し、前記振動成分に基づいて前記圧力変動を抑える
時間遅れを持った振動波形を算出し、前記振動波形に従
って、主流と副流に分割した燃料供給手段の副流の燃料
流量を変動させることにより、燃焼器の振動燃焼を抑制
している。また、前記振動成分に基づいて前記圧力変動
を抑える時間遅れに相当したタイミングを算出し、前記
圧力変動の大きさに応じて前記副流の燃料流量を調整す
ると共に、前記タイミングに従って前記副流の燃料を供
給又は停止することにより、燃焼器の振動燃焼の発生を
抑制している。
【0004】また、「ジャーナル・オブ・プロパルジョ
ン・アンド・パワー,1993年第9巻第4号第529
頁〜第535頁」(Journal of Propulsion and Power,
Vol.9,No.4,1993,p529〜535.)によ
れば、予混合燃焼火炎の不安定な振動を、マイクロフォ
ンや光ダイオードによって検知し、その検知した信号に
基づき、前記不安定な振動を打ち消すような音響学的変
動を、空気と燃料とを予め混合する予混合器内に形成し
たラウドスピーカから、燃焼器にフィードバックするこ
とによって、実験室レベルではあるが、振動燃焼の圧力
振幅を最大で30dB近くも低減できたと報告してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平6−193470
号公報に記載された方法は、燃料流量を変動させること
から、燃料流量に振動燃焼と同等の発熱量変動を誘起す
るだけの振幅の変動を、常に与え続けなければならな
い。それ故、振動燃焼が顕著な場合には、それを抑制す
るために、非常に大きな制御エネルギーが必要となる。
また、一般に、予混合燃焼手段を有する燃焼器において
は、予混合比率(燃料に対する燃焼空気の比率)が高く
なると、数百Hzの周波数の振動燃焼が発生し易くな
る。流体力学的見知から、この高い周波数では、燃料流
量の調整弁の開閉の振幅に相当するだけの燃料流量の振
幅が得られない傾向があり、振動燃焼の発生を抑制する
だけの十分な制御量を得られないことがあると考えられ
る。よって、予混合燃焼手段を有する燃焼器には、必ず
しも有効であるとは言えない。
【0006】また、「ジャーナル・オブ・プロパルジョ
ン・アンド・パワー,1993年第9巻第4号第529
頁〜第535頁」に記載された方法は、予混合器内の予
混合気に対し、一律に変動を与えるものであり、工業用
燃焼器のように、前記予混合気の流れの場に流体速度の
剪断の強い部位が多数存在する場合、それぞれの部位で
励起された変動が、流れと共に混合するため、最終的に
制御しようとする燃焼火炎の発熱量変動を要求通りに制
御することが非常に困難である。また、この方法は、実
験室内で試験的に作成した燃焼器をモデルとしており、
工業用燃焼器のように、例えば16気圧,1300℃と
いう過酷な条件下で、予混合器内のラウドスピーカを正
常に作動させることは、ラウドスピーカの材料の耐熱性
や強度を考慮すると、非常に困難であると考えられる。
【0007】よって本発明の目的は、発電等に用いら
れ、予混合燃焼手段を有するものであって、予混合比率
や燃焼室内の形状や予混合燃焼手段の形状に依存するこ
となく、且つ極力小さな制御エネルギーで効果的に振動
燃焼の発生を抑制するガスタービン燃焼器を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明に係わるガスタービン燃焼器は、空気
と燃料とを予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合
燃焼手段と、燃焼器の振動燃焼に起因する物理量を検出
する検出手段と、検出された前記物理量に基づいて前記
振動燃焼の振動周波数を分析し、前記振動周波数に基づ
いて制御信号を出力する演算手段と、前記制御信号に基
づいて前記予混合気或いは前記予混合気を形成する予混
合燃焼用空気の流れに速度変動を励起する手段とを有す
る。
【0009】かかる構成を有する第1の発明に係わるガ
スタービン燃焼器は、燃焼器主室内の圧力,燃焼器主室
外筒の機械的振動,燃焼火炎の輝度,燃焼火炎の温度,
燃焼により得られる燃焼ガスの温度,前記予混合気の流
速,前記燃焼ガスの流速等の燃焼器の振動燃焼に起因す
る物理量を、燃焼器に形成した検出手段により検出し、
検出した前記物理量の信号に基づいて、前記振動燃焼の
振動周波数を分析し、その振動周波数に基づいて前記物
理量の変動を抑制するような制御信号を演算し、出力す
る。そして、前記制御信号に基づいて予混合気或いは予
混合燃焼用空気の流れの少なくとも一方に速度変動を励
起する。ここで、前記流体速度の剪断の強い部位は、外
乱を受け入れたときに増幅しやすい部位であり、ここに
速度変動を励起すると、流れに伴い指数関数的に増幅
し、さらに強い速度変動を生じる。そして、該速度変動
は、予混合気の時間的・空間的な燃料濃度変動を生み、
該予混合気が燃焼する際に発熱量変動となる。該発熱量
変動が、燃焼振動に起因する燃焼火炎の発熱量変動を打
ち消すように作用する。
【0010】また、上記の目的を達成するために、第2
の発明に係わるガスタービン燃焼器は、空気と燃料とを
予め混合して得た予混合気を燃焼する予混合燃焼手段
と、燃焼器の振動燃焼に起因する物理量を検出する検出
手段と、検出された前記物理量に基づいて前記振動燃焼
の振動周波数を分析し、前記振動周波数に基づいて制御
信号を出力する演算手段と、前記制御信号に基づいて前
記予混合気或いは前記予混合気を形成する予混合燃焼用
空気に対し液体を噴霧する手段とを有する。
【0011】かかる構成を有する第2の発明に係わるガ
スタービン燃焼器は、燃焼器主室内の圧力,燃焼器主室
外筒の機械的振動,燃焼火炎の輝度,燃焼火炎の温度,
燃焼により得られる燃焼ガスの温度,前記予混合気の流
速,前記燃焼ガスの流速等の燃焼器の振動燃焼に起因す
る物理量を、燃焼器に形成した検出手段により検出し、
検出した前記物理量の信号に基づいて、前記振動燃焼の
振動周波数を分析し、その振動周波数に基づいて前記物
理量の変動を抑制するような制御信号を演算し、出力す
る。そして、前記制御信号に基づいて前記予混合気或い
は前記予混合燃焼用空気の少なくとも一方に対し液体を
噴霧し、液体が気化する際に潜熱を奪うことを利用し
て、予混合気が燃焼する際に発熱量変動となる。該発熱
量変動が、燃焼振動に起因する燃焼火炎の発熱量変動を
打ち消すように作用する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を、図面
を用いて説明する。
【0013】図1は、本発明のガスタービン燃焼器の全
体構成を示す断面図である。円筒状の燃焼器主室外筒3
01の外側には、燃焼用空気302が流れる環状のフロ
ースリーブ303が設けてある。燃焼用空気302は、
前記フロースリーブ303で二手に分岐し、一方は、燃
焼器の中央に形成されるパイロット燃焼器305へ、他
方は前記パイロット燃焼器305の周囲に複数個形成さ
れる予混合器304へと導かれる。予混合器304に導
かれた前記燃焼用空気302は、予混合燃焼用燃料ノズ
ル306から噴出される予混合燃焼用燃料307と混合
して予混合気を形成し、保炎器308の下流に再循環流
を発達させて、かかる領域に予混合燃焼火炎309を形
成する。一方、パイロット燃焼器305に導かれた燃焼
用空気302は、パイロット燃焼器305の出口側でパ
イロット燃焼用燃料310と共に拡散火炎311を形成
する。
【0014】燃焼器主室外筒301には、振動燃焼に起
因する物理量を検出する振動燃焼検出手段313が複数
個設置されている。前記振動燃焼検出手段313で得ら
れた振動燃焼に起因する物理量を表す電気信号314
は、燃焼器の外部に設置される制御量演算手段315へ
と導かれる。ここで必要な制御量を求めた上で、制御信
号316が熱流体励起手段318、または熱流体励起手
段319へと入力される。ここで、熱流体励起手段31
8は予混合器内部に設けた熱流体励起手段,熱流体励起
手段319は保炎器表面に設けた熱流体励起手段であ
る。これらの熱流体励起手段は、燃焼器内の流体力学的
不安定性を利用して燃焼器内での発熱量変動を励起し、
それがさらに強い圧力変動を生み、元々存在していた振
動燃焼を打ち消し、振動燃焼の発生を抑制する。
【0015】振動燃焼検出手段313は、燃焼器に複数
個形成されることが好ましく、燃焼器内部312の圧
力,燃焼器主室外筒301の機械的振動,予混合燃焼火
炎309の輝度,予混合燃焼火炎309の温度,燃焼によ
り得られる燃焼ガスの温度,予混合気の流速,燃焼ガス
の流速の少なくとも1つを検出することが好ましい。以
下に、振動燃焼検出手段313の実施例について、図面
を用いて説明する。
【0016】振動燃焼の最も直接的な検出手段は、燃焼
室内の圧力の検出である。図2に、燃焼器主室外筒に形
成した圧力検出手段の断面図を示す。燃焼器主室外筒3
01には、取り付け具402を介して、燃焼機主室内部
に開口部を持つ圧力導入管401が取り付けられてお
り、圧力導入管401は十分に長い音響学的距離を持っ
た共鳴減衰管406に接続されている。この共鳴減衰管
406は、圧力導入孔の音響学的共鳴周波数を振動燃焼
の周波数帯域から遠ざけ、かつ共鳴を鈍くするためのも
のである。圧力導入管401の燃焼器主室外筒301に
近い部分には、圧力センサー403が保護鞘405を介
して接続されている。圧力センサー403は燃焼器内部3
12の圧力を検知し、それを電気的信号としてケーブル
404を経て外部の制御量演算手段315へ出力する。
【0017】前記圧力の変動が強い場合には、燃焼器自
身が振動しているので、該振動を検出しても良い。図3
に、燃焼器主室外筒に形成した振動検出手段の断面図を
示す。燃焼器主室外筒301には取り付け具501を介
して振動センサー502が取り付けられている。振動セ
ンサー502は、燃焼器主室外筒301の機械的振動を
検知し、それを電気信号314としてケーブル503を
経て外部の制御量演算手段315へ出力する。
【0018】また、振動燃焼は、一種の共鳴現象である
から、振動燃焼が生じる燃焼場では、燃焼火炎の輝度や
温度が、前記圧力の変動に同期して変動する。よってこ
れらを検出することもできる。図4に、燃焼器主室外筒
に形成した輝度検出手段の断面図を示す。燃焼器主室外
筒301には、取り付け具602を介して、燃焼器主室
内部に開口端を持つ光ファイバー601が設けられてお
り、これはさらに取り付け具604を介して光センサー
603に取り付けられている。光センサー603は、燃焼
器内部312に形成される燃焼火炎の輝度を検知し、そ
れを電気信号として、ケーブル605を経て外部の制御
量演算手段315へ出力する。
【0019】図5に、燃焼器主室外筒に形成した温度検
出手段の断面図を示す。燃焼器主室外筒301には取り
付け具705を介して、保護鞘704が、燃焼器内部に
達するよう取り付けられている。温度センサーの検出部
701は、短い導電プロング702に接続され、耐熱性
絶縁材料で703で封止された上で、保護鞘704内に
納められている。温度センサーは燃焼器内部312に形
成される燃焼火炎の温度を検知し、それを電気信号とし
て、ケーブル706を経て外部の制御量演算手段315
へ出力する。
【0020】また、前記圧力の変動は、同時に流体の速
度の変動としてもとられることができ、予混合気、或い
は燃焼ガスの速度の変動を検出することも有効である。
図6に、予混合器内壁に形成した流速検出手段の断面図
を示す。予混合器内壁805の一部に、耐熱性絶縁材料
802に埋め込む形で熱膜流速センサー803が取り付
けられている。センサー803の表面は石英ガラスの薄
い膜801で保護されている。熱膜流速センサー803
は、予混合器内部304の予混合気の流速を検知し、そ
れを電気信号として、ケーブル804を経て外部の制御
量演算手段315へ出力する。
【0021】制御量演算手段315は、検出された前記
物理量の信号を電気的整合性を取った後増幅するインタ
ーフェースと、前記インターフェースの出力信号の内振
動燃焼の周波数の近傍だけを通過させるバンドパスフィ
ルタと、前記バンドバスフィルタの出力信号の位相をシ
フトする位相シフト器と、前記位相シフト器の出力信号
を増幅し制御信号として出力する電力増幅器とを有する
ことが好ましく、さらに、流れの場の局所的な形態に応
じて流体の速度変動が最も増幅されやすい周波数の正弦
波信号を出力する局部発振器と、前記正弦波信号を搬送
波として前記位相シフト器の出力信号で振幅変調する変
調器と、前記位相シフト器の出力信号と前記変調器の出
力信号とを切り替える切替器と有し、前記電力増幅器が
前記切替器の出力信号を増幅し制御信号として出力する
ことが好ましい。
【0022】また、制御量演算手段315は、検出され
た前記物理量の信号を電気的整合性を取った後増幅する
インターフェースと、前記インターフェースの出力信号
を離散化するAD変換器と、振動燃焼の周波数や位相の
変化に追随して常に振動燃焼の抑制に最適な制御量を出
力する適応制御ディジタルフィルタと、前記適応制御デ
ィジタルフィルタの出力信号をアナログ信号に変換する
DA変換器と、前記DA変換器の出力信号を増幅し制御
信号として出力する電力増幅器増幅とを有することが好
ましく、さらに、流れの場の局所的な形態に応じて流体
の速度変動が最も増幅されやすい周波数の正弦波信号を
決定し該正弦波信号を搬送波として前記適応制御ディジ
タルフィルタの出力信号で振幅変調する信号処理部と、
前記適応制御ディジタルフィルタの出力信号と前記信号
処理部の出力信号とを切り替える切替器とを有し、前記
DA変換器が前記切替器の出力信号をアナログ信号に変
換することが好ましい。以下に、制御量演算手段315
の実施例について、図面を用いて説明する。
【0023】図7に、アナログ回路を用いた制御量演算
手段の概念図を示す。振動燃焼検出手段313により検
出された振動燃焼に起因する物理量を表す電気信号31
4は、センサーインターフェース901で、電気的整合
性を取られた後に増幅され、適当な中心周波数と通過帯
域幅を持ったバンドパスフィルタ902へ導かれる。バ
ンドパスフィルタ902で雑音を取り除かれ準正弦波と
なった信号は、位相シフト器903に導かれ、適当な量
だけ位相をシフトされる。一方、局部発振器906で
は、流れの局所的な形態に応じて、流体の速度変動が最
も増幅されやすい周波数の正弦波信号を出力する。変調
器907では、前記正弦波信号を搬送波として、位相シ
フト器903からの出力信号で振幅変調する。位相シフ
ト器903からの出力信号と変調器907からの出力信号
は、切替器908で、熱流体制御性能の差異に基づき、
必要に応じて切り替えられ、電力増幅器904に導かれ
て増幅される。増幅された信号は、制御信号316とし
て、熱流体励起手段905に導かれる。燃焼器の運転状
態に応じて、バンドパスフィルタ902と位相シフト器
903を調整し、最適な制御を行うことによって、振動
燃焼の発生を抑制する。
【0024】図8に、ディジタル回路を用いた制御量演
算手段の概念図を示す。振動燃焼検出手段313により
検出された振動燃焼に起因する物理量を表す電気信号3
14は、センサーインターフェース1001で、電気的
整合性を取られた後に増幅され、AD変換器1002へ
と導かれる。AD変換器1002で離散化された信号
は、適応制御ディジタルフィルタ1004へと導かれ
る。適応制御ディジタルフィルタ1004では、振動燃
焼の周波数や位相の変化に追随して、常に最適な制御量
の演算が行われる。一方、信号処理部1005では、流
れの局所的な形態に応じて、流体の速度変動が最も増幅
されやすい周波数の正弦波信号を出力する。前記正弦波
信号を搬送波として、適応制御ディジタルフィルタ10
04の出力信号で振幅変調する。前記適応制御ディジタ
ルフィルタ1004からの出力信号と信号処理部100
5からの出力信号は、切替器1007で、熱流体制御性
能の差異に基づき、必要に応じて切り替えられ、DA変
換器1006へ導かれて、アナログ信号に変換され、さ
らに電力増幅器904に導かれて増幅される。増幅され
た信号は、制御信号316として、熱流体励起手段90
5に導かれる。前記適応制御ディジタルフィルタ100
4のアルゴリズムは、検出される振動燃焼の強度が常に
最小になるように演算することが出来るので、燃焼器の
形状や運転条件等を制御機構の設計の際に考慮する必要
がなく、常に最適な制御を行うことによって、振動燃焼
の発生を抑制する。
【0025】熱流体励起手段は、前記予混合燃焼手段に
形成される前記予混合気の流路或いは前記予混合燃焼用
空気の流路の内壁表面,前記予混合燃焼手段に旋回羽根
が形成される場合は、該旋回羽根の表面、或いは前記予
混合燃焼手段に保炎器が形成される場合は、該保炎器の
表面の少なくとも1つに形成されることが好ましい。ま
た、予混合燃焼手段の予混合気或いは予混合燃焼用空気
の流路に形成され、前記予混合気に液体を噴霧する噴霧
手段を有し、前記制御信号に基づいて前記液体の噴霧量
を変動することが好ましい。以下に、熱流体励起手段の
実施例について、図面を用いて説明する。
【0026】図9に、予混合燃焼用空気の流路に形成し
た第一の熱流体励起手段の断面図を示す。フロースリー
ブ303を流れてきた燃焼用空気302の一部は、予混
合燃焼用空気1201として、予混合器304に導入さ
れる。その後、前記予混合燃焼用空気1201は、燃料
ノズル306から導入される予混合燃焼用燃料307と
混合して、予混合気を形成する。かかる予混合気が、燃
焼室内で燃焼火炎を形成する。ここで、前記予混合器3
04に形成される前記予混合燃焼用空気1201の流路に、
動的流量制御装置1204を備えた噴霧発生用空気流路
1203と液体流路1202とから成る熱流体励起手段
を設ける。前記液体流路1202を通って供給される水
等の液体は、噴霧発生用空気流路1203を通って供給
される噴霧発生用空気により噴霧化され、前記予混合燃
焼用空気1201中に噴出される。制御量演算手段から
の制御信号に基づいて、前記動的流量制御装置1204
を駆動し、噴霧発生用空気の流量を動的に変動し、噴霧
1206の流量を変動する。液体が気化する際に潜熱を
奪うことから、噴霧1206の流量の変動が、予混合気
が燃焼する際に発熱量変動となって現れる。かかる発熱
量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動を
打ち消すように作用させることにより、振動燃焼の発生
を抑制することが出来る。
【0027】図10に、予混合燃焼用空気の流路に形成
した第二の熱流体励起手段の断面図を示す。フロースリ
ーブ303を流れてきた燃焼用空気302の一部は、予
混合燃焼用空気1201として、予混合器304に導入
される。ここで、予混合燃焼用空気1201の流路の曲
がり凸部に、表面に圧電効果型アクチュエータ1302を備
えた緩やかな絞り部1301から成る熱流体励起手段を
設ける。制御量演算手段からの制御信号に基づいて、前
記アクチュエータ1302が、表面と直角の方向に振動
し、前記緩やかな絞り部1301の表面に沿って流れる
予混合燃焼用空気1201に速度変動を与える。前記曲
がり凸部は、流れの境界層が剥離しやすい不安定な部位
であるため、流れが本来持つ不安定性によって、前記速
度変動が指数関数的に成長し、境界層がアクチュエータ
の振動に従って剥離・再付着を繰り返し、さらに強い速
度変動1303が発生する。かかる性質の速度変動の成
分を有する予混合燃焼用空気1201が、燃料ノズル3
06から導入される予混合燃焼用燃料307と混合する
と、時間・空間的な燃料濃度変動が生じる。該燃料濃度
変動は、予混合気が燃焼する際に発熱量変動となって現
れる。かかる発熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火
炎の発熱量変動を打ち消すように作用させることによ
り、振動燃焼の発生を抑制することが出来る。
【0028】図11は、予混合燃焼用空気の流路に形成
した第三の熱流体励起手段の断面図を示す。フロースリ
ーブ303を流れてきた燃焼用空気302の一部は、予
混合燃焼用空気1201として、予混合器304に導入
される。ここで、予混合燃焼用空気1201の流路の曲
がり凸部に、動的流量制御装置1403を備えた空気流
路1402の開口部を表面に形成した緩やかな絞り部1
401から成る熱流体励起手段を設ける。制御量演算手
段からの制御信号に基づいて、前記動的流量制御装置1
403を駆動することにより、絞り部1401の表面か
ら噴出する噴出空気1404の流量を変動させ、緩やか
な絞り部1401の表面に沿って流れる予混合燃焼用空
気1201に速度変動を与える。前記曲がり凸部は、流
れの境界層が剥離しやすい不安定な部位であるため、流
れが本来持つ不安定性によって、前記速度変動が指数関
数的に成長し、境界層が噴出空気1404の流量変動に
従って剥離・再付着を繰り返し、さらに強い速度変動1
303が発生する。かかる性質の速度変動の成分を有す
る予混合燃焼用空気1201が、燃料ノズル306から
導入される予混合燃焼用燃料307と混合すると、時間
・空間的な燃料濃度変動が生じる。該燃料濃度変動は、
予混合気が燃焼する際に発熱量変動となって現れる。か
かる発熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱
量変動を打ち消すように作用させることにより、振動燃
焼の発生を抑制することが出来る。
【0029】図12は、予混合気の流路に形成した熱流
体励起手段の断面図を示す。予混合器304で燃料と空
気とを混合して得た予混合気1501は、流れ方向に置
かれた複数の予混合気導入管1502を通して、燃焼器
内部312へ導入される。ここで、前記予混合気導入管
1502の曲がり凸部の表面に、圧電効果型アクチュエ
ータ1503から成る熱流体励起手段を設ける。制御量
演算手段からの制御信号に基づいて、該アクチュエータ
1302が、表面と直角の方向に振動し、予混合気15
01に速度変動を与える。該曲がり凸部の表面は、流れ
の境界層が剥離しやすい不安定な部位であるため、流れ
が本来持つ不安定性によって、前記速度変動が指数関数
的に成長し、前記境界層がアクチュエータの振動に従っ
て剥離・再付着を繰り返し、さらに強い速度変動150
4が発生する。前記強い速度変動は、予混合気1501
が燃焼する際に発熱量変動となって現れる。かかる発熱
量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動を
打ち消すように作用させることにより、振動燃焼の発生
を抑制することが出来る。
【0030】図13は、旋回器に形成した熱流体励起手
段を示す。図13(a)は、旋回型予混合器の旋回器部
分を旋回軸方向の下流側から見た投影図である。該旋回
器は、シュラウド1601と、ボス1602と、シュラ
ウド1601とボス1602の少なくとも一方に支持さ
れた複数の旋回羽根1603とから成り、旋回軸方向か
ら流入した予混合気1606は、旋回羽根1603によ
って旋回軸を中心に回転する旋回速度成分1604が与
えられる。図13(b)は、前記複数の旋回羽根160
3の一部を取り出して見た見取り図である。ここで、ボ
ス1602に支持された旋回羽根1603の表面の前縁
低圧面側近傍に、圧電効果型アクチュエータ1605か
ら成る熱流体励起手段を設ける。制御量演算手段からの
制御信号に基づいて、前記圧電効果型アクチュエータ1
605が、表面と直角の方向に振動し、旋回羽根160
3の表面に沿って流れる予混合気に速度変動を与える。
前記旋回羽根1603の表面の前縁低圧面側近傍は、流
れの境界層が剥離しやすい不安定な部位であるため、流
れが本来持つ不安定性によって、前記速度変動が指数関
数的に成長し、前記境界層がアクチュエータの振動に従
って剥離・再付着を繰り返し、さらに強い速度変動16
07が発生する。前記強い速度変動は、予混合気160
6が燃焼する際に発熱量変動となって現れる。かかる発
熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動
を打ち消すように作用させることにより、振動燃焼の発
生を抑制することが出来る。
【0031】図14に、ブラフボディ型の保炎器に形成
した第一の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の
流れ1704の中に、ブラフボディ型の保炎器308
が、支持板1701によって支持されている。該保炎器
308に沿って流れる予混合気は、保炎器308の後縁
の鋭い縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保
炎器308の後方に再循環渦1705を形成し、ここに
予混合燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器の表面
の後縁近傍に、圧電効果型アクチュエータ1702から成る
熱流体励起手段を設ける。制御量演算手段からの制御信
号に基づいて、前記圧電効果型アクチュエータ1702
が、表面と直角の方向に振動し、保炎器308の表面に
沿って流れる予混合気に速度変動を与える。前記保炎器
308の表面の後縁近傍は、流れの境界層が剥離しやす
い不安定な部位であるため、流れが本来持つ不安定性に
よって、前記速度変動が指数関数的に成長し、保炎器30
8の後方の再循環領域1706で強い速度変動が発生す
る。前記強い速度変動は、予混合気が燃焼する際に発熱
量変動となって現れる。かかる発熱量変動を、振動燃焼
に起因する燃焼火炎の発熱量変動を打ち消すように作用
させることにより、振動燃焼の発生を抑制することが出
来る。
【0032】図15に、ブラフボディ型の保炎器に形成
した第二の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の
流れ1704の中に、ブラフボディ型の保炎器308
が、支持板1701によって支持されている。該保炎器
308に沿って流れる予混合気は、保炎器の後縁の鋭い
縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保炎器3
08の後方に再循環渦1705を形成し、ここに予混合
燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器308の表面
の後縁近傍に、薄膜ヒータ1801から成る熱流体励起
手段を設ける。制御量演算手段からの制御信号に基づい
て、薄膜ヒータ1801を加熱すると、保炎器308の
表面に沿って流れる予混合気が熱膨張し、保炎器308
の後縁から剥離する直前の予混合気の流れ1704の境
界層中に速度変動を与える。該保炎器308の表面の後
縁近傍は、流れの境界層が剥離しやすい不安定な部位で
あるため、流れが本来持つ不安定性によって、前記速度
変動が指数関数的に成長し、保炎器308の後方の再循
環領域1706で強い速度変動が発生する。前記強い速
度変動は、予混合気が燃焼する際に発熱量変動となって
現れる。かかる発熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼
火炎の発熱量変動を打ち消すように作用させることによ
り、振動燃焼の発生を抑制することが出来る。
【0033】図16に、ブラフボディ型の保炎器に形成
した第三の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の
流れ1704の中に、ブラフボディ型の保炎器308
が、支持板1701によって支持されている。該保炎器
308に沿って流れる予混合気は、保炎器308の後縁
の鋭い縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保
炎器308の後方に再循環渦1705を形成し、ここに
予混合燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器308
の後端に、動的流量制御装置1902を備え、該後端に
開口部を持つ空気流路1901から成る熱流体励起手段
を設ける。制御量演算手段からの制御信号に基づいて、
前記動的流量制御装置1902を駆動することにより、
保炎器308の後端から噴出する噴出空気1903の流
量を変動する。噴出空気1903の流量変動が、保炎器
308の後縁から剥離する予混合気の流れ1704の剪
断層中に速度変動を与える。前記保炎器308の表面の
後縁近傍は、流れの境界層が剥離しやすい不安定な部位
であるため、流れが本来持つ不安定性によって、前記速
度変動が指数関数的に成長し、保炎器308の後方の再
循環領域で強い速度変動が発生する。前記強い速度変動
は、予混合気が燃焼する際に発熱量変動となって現れ
る。かかる発熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎
の発熱量変動を打ち消すように作用させることにより、
振動燃焼の発生を抑制することが出来る。
【0034】図17に、リセス型の保炎器に形成した第
一の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の流れ1
704の中であって、燃焼器主室外筒301にリセス型
の保炎器2001が形成されている。該保炎器の表面に
沿う予混合気の流れ2004は、保炎器2001の後縁
の鋭い縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保
炎器2001の後方に再循環渦2005を形成し、ここ
に予混合燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器20
01の表面の後縁近傍に、圧電効果型アクチュエータ2
002から成る熱流体励起手段を設ける。制御量演算手
段からの制御信号に基づいて、前記圧電効果型アクチュ
エータ2002が、表面と直角の方向に振動し、保炎器
の表面に沿う予混合気の流れ2004に速度変動を与え
る。前記保炎器2001の表面の後縁近傍は、流れの境
界層が剥離しやすい不安定な部位であるため、流れが本
来持つ不安定性によって、前記速度変動が指数関数的に
成長し、保炎器2001の後方の再循環領域2006で
強い速度変動が発生する。前記強い速度変動は、予混合
気が燃焼する際に発熱量変動となって現れる。かかる発
熱量変動を、振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動
を打ち消すように作用させることにより、振動燃焼の発
生を抑制することが出来る。
【0035】図18に、リセス型の保炎器に形成した第
二の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の流れ1
704の中であって、燃焼器主室外筒301にリセス型
の保炎器2001が形成されている。該保炎器の表面に
沿う予混合気の流れ2004は、保炎器2001の後縁
の鋭い縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保
炎器2001の後方に再循環渦2005を形成し、ここ
に予混合燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器20
01の表面の後縁近傍に、薄膜ヒータ2101から成る
熱流体励起手段を設ける。制御量演算手段からの制御信
号に基づいて、薄膜ヒータ2101を加熱すると、保炎
器の表面に沿う予混合気の流れ2004が熱膨張し、保
炎器2001の後縁から剥離する直前の予混合気の流れ
2004の境界層中に速度変動が与えられる。前記保炎
器2001の表面の後縁近傍は、流れの境界層が剥離し
やすい不安定な部位であるため、流れが本来持つ不安定
性によって、前記速度変動が指数関数的に成長し、保炎
器2001の後方の再循環領域2006で強い速度変動
が発生する。前記強い速度変動は、予混合気が燃焼する
際に発熱量変動となって現れる。かかる発熱量変動を、
振動燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動を打ち消すよ
うに作用させることにより、振動燃焼の発生を抑制する
ことが出来る。
【0036】図19に、リセス型の保炎器に形成した第
三の熱流体励起手段の断面図を示す。予混合気の流れ1
704の中であって、燃焼器主室外筒301にリセス型
の保炎器2001が形成されている。該保炎器の表面に
沿う予混合気の流れ2004は、保炎器2001の後縁
の鋭い縁から剥離し、剥離剪断層が自ら巻き込んで、保
炎器2001の後方に再循環渦2005を形成し、ここ
に予混合燃焼火炎を保持する。ここで、前記保炎器20
01の表面の後縁近傍に、動的流量制御装置2202を
備え、該後縁近傍の表面に開口部を持つ空気流路220
1から成る熱流体励起手段を設ける。制御量演算手段か
らの制御信号に基づいて、前記動的流量制御装置220
2を駆動することにより、保炎器2001の後縁近傍の
表面から噴出する噴出空気2203の流量を変動する。
噴出空気1903の流量変動が、保炎器2001の後縁
から剥離する直前の予混合気の剪断層中に速度変動を与
える。前記保炎器2001の表面の後縁近傍は、流れの
境界層が剥離しやすい不安定な部位であるため、流れが
本来持つ不安定性によって、前記速度変動が指数関数的
に成長し、前記再循環領域2006で強い速度変動が発
生する。前記強い速度変動は、予混合気が燃焼する際に
発熱量変動となって現れる。かかる発熱量変動を、振動
燃焼に起因する燃焼火炎の発熱量変動を打ち消すように
作用させることにより、振動燃焼の発生を抑制すること
が出来る。
【0037】上記実施例によれば、熱流体励起手段が、
予混合気或いは予混合燃焼用空気の流れの境界層が剥離
し易い部位、すなわち、流れの速度の剪断が強い部位に
形成されることから、小さな制御エネルギーで且つ効果
的に、振動燃焼の発生を抑制することが出来る。また、
本実施例は、予混合気或いは予混合燃焼用空気に対し、
一律に速度変動を励起するものではなく、上述した部位
に局所的な速度変動を励起するものであることから、工
業用燃焼器のように、予混合燃焼手段の形状が複雑な燃
焼器に対して特に有効である。
【0038】本発明によれば、制御が有効に働き始め、
振動燃焼の発生が抑制され始めると、その振動燃焼の減
少に伴い、必要な制御のエネルギーが小さくなる。つま
り極限状態では、振動燃焼の発生が完全に抑制され、し
かもそれを抑制するための制御エネルギーもゼロとな
る。そして、かかる状態から外乱により僅かでも、振動
燃焼が発生すると、直ちにそれを打ち消す向きの制御が
され、振動燃焼が弱いうちに打ち消されて、巨視的に振
動燃焼が全く無い状態が維持される。
【0039】さらに本発明によれば、従来振動燃焼が障
害となり制限されていたガスタービン燃焼器の運転領域
においても、運転が可能となる。また、ガスタービン燃
焼器から排出される燃焼ガスの発熱量や圧力の変動によ
り生じるガスタービンの静翼,動翼の疲労を防止するこ
とができ、プラントの効率を向上することができる。上
記実施例のように、予混合燃焼器が複数個形成される燃
焼器では、予混合燃焼器毎に、予混合比率等の燃焼特性
や、予混合燃焼器内部の僅かな形状或いは前記燃焼特性
に起因して流れの特性等が異なることも考えられる。か
かる場合には、予混合燃焼器毎に制御を行う。また、複
数個形成される予混合燃焼器のすべてについて制御を行
う必要はなく、任意の予混合燃焼器を選択して制御を行
うことも考えられる。
【0040】上記実施例は、中央にパイロット燃焼器が
1つ形成され、該パイロット燃焼器の周囲に、予混合燃
焼器が複数個形成された燃焼器であるが、パイロット燃
焼器が存在しない燃焼器,パイロット燃焼器が複数個形
成される燃焼器、或いは円筒状の予混合燃焼器が独立し
て複数個形成される燃焼器等についても、本発明は有効
であり、パイロット燃焼器の有無,予混合燃焼器の形態
にかかわらず、予混合燃焼手段を有する燃焼器であれ
ば、本発明は有効である。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、発電等に用いられ、予
混合燃焼手段を有するものであって、予混合比率や燃焼
室内の形状や予混合燃焼手段の形状に依存することな
く、且つ極力小さな制御エネルギーで効果的に振動燃焼
の発生を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するガスタービン燃焼器の全体構
成の断面図。
【図2】燃焼器主室外筒に形成された圧力検出手段の断
面図。
【図3】燃焼器主室外筒に形成された振動検出手段の断
面図。
【図4】燃焼器主室外筒に形成された輝度検出手段の断
面図。
【図5】燃焼器主室外筒に形成された温度検出手段の断
面図。
【図6】予混合器内壁に形成された流速検出手段の断面
図。
【図7】アナログ回路を用いた制御量演算手段の概念
図。
【図8】ディジタル回路を用いた制御量演算手段の概念
図。
【図9】予混合燃焼用空気の流路に形成した第一の熱流
体励起手段の断面図。
【図10】予混合燃焼用空気の流路に形成した第二の熱
流体励起手段の断面図。
【図11】予混合燃焼用空気の流路に形成した第三の熱
流体励起手段の断面図。
【図12】予混合気の流路に形成した熱流体励起手段の
断面図。
【図13】旋回器に形成した熱流体励起手段の投影図と
見取り図。
【図14】ブラフボディ型の保炎器に形成した第一の熱
流体励起手段の断面図。
【図15】ブラフボディ型の保炎器に形成した第二の熱
流体励起手段の断面図。
【図16】ブラフボディ型の保炎器に形成した第三の熱
流体励起手段の断面図。
【図17】リセス型の保炎器に形成した第一の熱流体励
起手段の断面図。
【図18】リセス型の保炎器に形成した第二の熱流体励
起手段の断面図。
【図19】リセス型の保炎器に形成した第三の熱流体励
起手段の断面図。
【符号の説明】
301…燃焼器主室外筒、302…燃焼用空気、303
…フロースリーブ、304…予混合器、305…パイロ
ット燃焼器、306…予混合燃焼用燃料ノズル、307
…予混合燃焼用燃料、308…保炎器、309…予混合
燃焼火炎、310…パイロット燃焼用燃料、311…拡
散火炎、312…燃焼器内部、313…振動燃焼検出手
段、314…振動燃焼に起因する物理量を表す電気信
号、315…制御量演算手段、316…制御信号、318
…予混合器に形成された熱流体励起手段、319…保炎
器に形成された熱流体励起手段、401…圧力導入管、
402,501,602,604,705…取り付け
具、403…圧力センサー、404,503,605,
706,804,1703,2003…電気ケーブル、
405,704…保護鞘、406…共鳴減衰管、502
…振動センサー、601…光ファイバー、603…光セ
ンサー、701…温度センサー、702…導電プロン
グ、703,802…耐熱性絶縁材料、801…ガラス
薄膜、803…熱膜流速センサー、805…予混合器内
壁、901,1001…センサーインターフェース、9
02…バンドパスフィルタ、903…位相シフト器、9
04…電力増幅器、905…熱流体励起手段、906…
局部発振器、907…変調器、908,1007…切替
器、1002…AD変換器、1004…適応制御ディジ
タルフィルタ、1005…信号処理部、1006…DA
変換器、1201…予混合燃焼用空気、1202…液体
流路、1203…噴霧発生用空気流路、1204,14
03,1902,2202…動的流量制御装置、120
5…噴霧液体、1301,1401…絞り部、130
2,1503,1605,1702,2002…圧電効果型
アクチュエータ、1303…速度変動、1402,19
01,2201…空気流路、1404,1903,2203
…噴出空気、1501,1606…予混合気、1502
…予混合気導入管、1504,1607…予混合気速度
変動、1601…シュラウド、1602…ボス、160
3…旋回羽根、1604…旋回速度成分、1701…支
持板、1704,2004…予混合気の流れ、1705…再
循環渦、1706,2006…再循環領域、1801,
2101…薄膜ヒータ、2005…再循環渦。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23R 3/26 F23R 3/26 Z 3/34 3/34 (72)発明者 吉田 正平 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 井上 洋 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 小金沢 知己 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気と燃料とを予め混合して得た予混合気
    を燃焼する予混合燃焼手段を有するガスタービン燃焼器
    において、 燃焼器の振動燃焼に起因する物理量を検出する検出手段
    と、検出された前記物理量に基づいて前記振動燃焼の振
    動周波数を分析し、前記振動周波数に基づいて制御信号
    を出力する演算手段と、前記制御信号に基づいて前記予
    混合気或いは前記予混合気を形成する予混合燃焼用空気
    の流れに速度変動を励起する手段とを有することを特徴
    とするガスタービン燃焼器。
  2. 【請求項2】空気と燃料とを予め混合して得た予混合気
    を燃焼する予混合燃焼手段を有するガスタービン燃焼器
    において、 燃焼器の振動燃焼に起因する物理量を検出する検出手段
    と、検出された前記物理量に基づいて前記振動燃焼の振
    動周波数を分析し、前記振動周波数に基づいて制御信号
    を出力する演算手段と、前記制御信号に基づいて前記予
    混合気或いは前記予混合気を形成する予混合燃焼用空気
    に対し液体を噴霧する手段とを有することを特徴とする
    ガスタービン燃焼器。
  3. 【請求項3】前記速度変動を励起する手段が、前記流れ
    の流路の前記流れが壁面から剥離する部位の近傍に形成
    され、前記制御信号に基づいて前記流れに速度変動を励
    起することを特徴とする請求項1に記載のガスタービン
    燃焼器。
  4. 【請求項4】前記速度変動を励起する手段が、前記流れ
    の流路の曲がり部の近傍に形成され、前記制御信号に基
    づいて前記流れに速度変動を励起することを特徴とする
    請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
  5. 【請求項5】前記速度変動を励起する手段が、前記流れ
    の流路の断面積が増大する部位の近傍に形成され、前記
    制御信号に基づいて前記流れに速度変動を励起すること
    を特徴とする請求項1に記載のガスタービン燃焼器。
  6. 【請求項6】下流側に予混合燃焼火炎を保持する保炎器
    を有し、前記速度変動を励起する手段が、前記保炎器に
    形成され、前記制御信号に基づいて前記予混合気の流れ
    に速度変動を励起することを特徴とする請求項1に記載
    のガスタービン燃焼器。
  7. 【請求項7】前記予混合気を旋回させる旋回器を有し、
    前記速度変動を励起する手段が、前記旋回器に形成さ
    れ、前記制御信号に基づいて前記予混合気の流れに速度
    変動を励起することを特徴とする請求項1に記載のガス
    タービン燃焼器。
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