JPH09230210A - レンズバリヤ機構を備えたズームレンズカメラ - Google Patents

レンズバリヤ機構を備えたズームレンズカメラ

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JPH09230210A
JPH09230210A JP8034823A JP3482396A JPH09230210A JP H09230210 A JPH09230210 A JP H09230210A JP 8034823 A JP8034823 A JP 8034823A JP 3482396 A JP3482396 A JP 3482396A JP H09230210 A JPH09230210 A JP H09230210A
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JP
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lens
zoom
group
lens group
barrier
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JP8034823A
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English (en)
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Yasushi Tabata
靖司 田畑
Norio Numako
紀夫 沼子
Yoshinari Tanimura
芳成 谷村
Takuma Sato
▲琢▼磨 佐藤
Masaaki Kishimoto
政昭 岸本
Hiroshi Nomura
博 野村
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】カメラ本体から鏡筒が繰り出された状態で、大
きな外力や衝撃を受けて鏡筒が繰り込まれても、フィル
ム、後群レンズ、レンズの駆動機構等を損傷することが
ないズームレンズカメラを提供する。 【解決手段】前群レンズL1および後群レンズL2を一
体に移動させる全体移動モータ25;後群レンズL2の
みを前群レンズL1に対して接離移動させる後群移動モ
ータ30;焦点調整時に、前記全体移動モータ25を駆
動して前群レンズL1および後群レンズL2を所定位置
まで前進させ、後群移動モータ30を駆動して後群レン
ズL2を前群レンズL1から後退させるCPU210;
を備え、このCPU210は、前記前群レンズL1およ
び後群レンズL2がワイド端位置にあるときは、前記全
体移動モータ25を駆動して前記前群レンズL1および
後群レンズL2を前進させた後に前記後群移動モータ3
0を駆動して後群レンズL2を後退させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、少なくとも前群レンズ及
び後群レンズを一体に、及び個別に移動するズームレン
ズを備えたカメラに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】ズームコンパクトカメラ
は、ズーム撮影光学系の像とは別のズームファインダ光
学系の像を観察するカメラであるから、焦点距離を変更
させるズーム操作手段が操作されたとき、常に特定被写
体距離の被写体(通常は無限遠の被写体)に対して合焦
状態を維持してズーミングすることが必要な訳ではな
い。したがって、ズーミングに際してはレンズ群全体を
移動し、フォーカシングの際にレンズ群を個別に移動し
て合焦させることで、レンズ構成及びレンズ駆動機構の
自由度が増加する。そこで、例えば、ズームレンズを前
群レンズおよび後群レンズで構成し、ズーミング時には
前群レンズおよび後群レンズを一体として移動し、フォ
ーカシング時には前群レンズ及び後群レンズを個別に移
動することが可能である。ところで、カメラ本体から鏡
筒を繰り出すことでズーミングを行う鏡筒繰り出し機構
を備えたカメラでは、カメラ本体から鏡筒が繰り出され
た状態で、鏡筒前端にカメラ本体側に向かう大きな外力
や衝撃を受けると、クラッチ等の作動によって鏡筒が本
体側に繰り込まれ、よって鏡筒や該鏡筒の駆動機構の損
傷が防止される。
【0003】かかるレンズ鏡筒繰り出し機構において、
前群レンズに対して後群レンズを後方に移動させてフォ
ーカシングを行うカメラでは、レンズ鏡筒が最も繰り込
まれたワイド端側で、前群レンズに対して後群レンズを
後方(フィルム面側)に最も離間した位置に移動するこ
とになる。このようなズームレンズを備えたカメラで
は、カメラ本体から鏡筒が繰り出された状態、特にテレ
端側に繰り出された状態で鏡筒前端にカメラ本体側に向
かう大きな外力や衝撃を受けたときには、上述したよう
に鏡筒や該鏡筒の駆動機構はクラッチ等の作動によって
防止されるが、鏡筒が本体側に繰り込まれたワイド端側
で鏡筒前端にカメラ本体側に向かう大きな外力や衝撃を
受けたときには、後群レンズが後退していると後群レン
ズがフィルム面に衝突してフィルム、後群レンズ、レン
ズの駆動機構等を損傷する虞れがある。
【0004】
【発明の目的】本発明は、以上の問題点に鑑みてなされ
たもので、カメラ本体から鏡筒が繰り出された状態で、
鏡筒前端にカメラ本体側に向かう大きな外力や衝撃を受
けて鏡筒が繰り込まれても、後群レンズがフィルム面に
衝突してフィルム、後群レンズ、レンズの駆動機構等を
損傷することがないズームレンズカメラを提供すること
を目的とする。
【0005】
【発明の概要】この目的を達成するために本発明は、少
なくとも前群レンズおよび後群レンズを備えたズームレ
ンズカメラであって、前群レンズおよび後群レンズを一
体に移動させる全体移動手段;後群レンズのみを前群レ
ンズに対して接離移動させる後群移動手段;焦点調整時
に、前記全体移動手段を駆動して前群レンズおよび後群
レンズを所定位置まで前進させ、後群移動手段を駆動し
て後群レンズを前群レンズから後退させる制御手段;を
備え、この制御手段は、前記前群レンズおよび後群レン
ズが所定位置よりもカメラボディ側に繰り込まれた位置
にあるときには、前記全体移動手段を駆動して前記前群
レンズおよび後群レンズを前進させた後に前記後群移動
手段を駆動して後群レンズを後退させること、に特徴を
有する。したがって、前群レンズおよび後群レンズが、
例えば収納位置に近い位置にあるときにレンズがレンズ
繰り込み方向の外力を受けても、後群レンズは前進位置
にあり、前群レンズおよび後群レンズが繰り出されてか
ら後群レンズが後退するので、後群レンズがフィルムに
衝突してフィルムを傷つけることがなく、後群レンズが
カメラボディのアパーチャ枠などに衝突する虞れがな
い。また、本発明は、前記前群レンズを、カメラボディ
に進退動自在に装着された鏡筒に支持し、前記後群移動
手段として、この鏡筒に装着された後群移動モータを備
え、前記後群レンズを、この後群移動モータによって移
動可能に前記鏡筒に支持し、前記全体移動手段を、カメ
ラボディに装着された、前記鏡筒を移動させる全体移動
モータとすることで、コンパクト化を図ることできる。
そして、前記鏡筒の先端部にその開口を開閉するレンズ
バリヤ装置と、前記後群レンズ群を移動させる後群ギヤ
装置と、前記後群移動モータの回転を択一的に前記バリ
ヤ装置と後群ギヤ装置とに伝達する切り換えギヤ装置と
を備え、このギヤ装置を、前記鏡筒が収納位置に移動し
たときに前記バリヤ装置に切り換わり、前記鏡筒が収納
位置から繰り出されたときに前記後群ギヤ列に切り換わ
る構成にする。このレンズバリヤ装置を備えたズームレ
ンズカメラは、前群レンズおよび後群レンズが所定位置
にあるときは、全体移動モータによって前記前群レンズ
および後群レンズを所定位置よりも繰り出した後に後群
移動モータを駆動するので、切り換えギヤ装置の接続が
レンズバリヤ装置から後群レンズに確実に切り換わる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下図示実施形態に基づいて本発
明を説明する。この実施形態は、図13に示すレンズシ
ャッタ式ズームレンズカメラに本発明を適用したもので
あり、最初に、この図13について、このズームレンズ
カメラの概念を説明する。レンズ構成は、前群レンズL
1と後群レンズL2の2群である。
【0007】カメラ本体には、全体移動モータ駆動手段
60、後群移動モータ駆動手段61、ズーム操作手段6
2、シャッタレリーズ手段63、測距装置64、測光装
置65、AEモータ駆動手段66及びこれらを統括的に
制御する制御手段(CPU)210が設けられている。
【0008】制御手段210は、カメラボディに設けた
ズームレバー等のズーム操作手段62(ワイドズームボ
タン62WB、テレズームボタン62TB、)が操作さ
れたとき、全体移動モータ駆動手段60に対し、前群レ
ンズL1と後群レンズL2からなるズームレンズをワイ
ド側からテレ側に移動させるための移動指令、またはテ
レ側からワイド側に移動させるための移動指令を与え
る。この移動指令を受けた全体移動モータ駆動手段60
は、全体移動モータ25を駆動してズームレンズをワイ
ド側からテレ側に、またはテレ側からワイド側に移動さ
せる。撮影者によるズーム操作手段62の操作によって
焦点距離が変更され、任意の焦点距離に設定される。な
お、図示しないが、ファインダ視野の像倍率は、ズーム
操作手段62による焦点距離変化に連動して変化する。
よって撮影者は、ズーム操作手段62の操作による焦点
距離変化を、ファインダ視野の像倍率変化を観察するこ
とで知ることができる。また、ズーム操作手段62の操
作によって設定される焦点距離は、例えば、LCD表示
パネル224(図16参照)に表示される数値により認
識することができる。
【0009】制御手段210はまた、シャッタレリーズ
手段63が操作されたとき、全体移動モータ制御手段6
0を介して駆動される全体移動モータ25を駆動すると
とともに、後群移動モータ制御手段61を介して駆動さ
れる後群移動モータ30を駆動して、被写体にズームレ
ンズを合焦させる。シャッタレリーズ手段63は、レリ
ーズボタン63B及びレリーズボタン63Bに連動する
測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRを備
え、制御手段210は、レリーズボタンの63Bの一段
押しで測光スイッチSWSがオンして測距装置64への
測距指令と測光装置65への測光指令を与え、測距結果
に基づいて、全体移動モータ25および後群移動モータ
30を駆動して前群レンズL1および後群レンズL2を
合焦位置まで移動させる焦点調整処理を実行し、レリー
ズボタン63Bの二段押しでレリーズスイッチSWRが
オンしてAEモータ駆動手段66を介して、AF/AE
シャッタユニット21のAEモータ29を駆動してシャ
ッタ27を動作させる。シャッタ駆動に際して制御手段
210は、測光装置65からの測光出力を受けて、AE
モータ29を駆動してシャッタ27のシャッタ羽根27
aを所定時間開放する。なお、シャッタレリーズ手段6
3は、図示しないが、制御手段210に焦点調整処理を
実行させるスイッチ手段を含むものとする。
【0010】制御手段210は、ズーム操作手段62が
操作されると、全体移動モータ25を駆動して前群レン
ズL1と後群レンズL2を一体に移動させる。この移動
と同時に後群移動モータ制御手段61を介して後群移動
モータ30を動作させてもよいが、本ズームレンズカメ
ラにおいて重要な点は、ズーム操作手段62の操作を受
けての前群レンズL1と後群レンズL2の移動は、焦点
の位置を移動させることなく焦点距離を連続的に変化さ
せる従来のズーミングの概念では行なわないということ
である。つまり、ズーム操作手段62が操作されたと
き、 全体移動モータ25のみを動作させて、前群レンズL
1と後群レンズL2を両者の空気間隔を変化させること
なく前後に移動させる態様、及び、 全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動
作させて、前群レンズL1と後群レンズL2を両者の空
気間隔を変化させながら(焦点位置は考慮しないで)移
動させる態様、とが可能である。
【0011】の態様では、特定距離の被写体に常時ピ
ントが合うことはあり得ないが、撮影光学系による像を
観察する訳ではない本カメラのようなレンズシャッタ式
カメラでは、シャッタレリーズ時にピントが合えばよい
から全く問題がない。また、の態様では、焦点位置の
移動を許容しつつ、前群レンズL1と後群レンズL2を
移動させる。ピント合わせは、シャッタレリーズ時に全
体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作さ
せて行う。
【0012】ズーム操作手段62の操作に応じて上記
または の何れかの制御態様を実行した後、ズーム操作
手段62によって設定される焦点距離の少なくとも一部
の焦点距離域においてシャッタレリーズ手段63が操作
されたとき、全体移動モータ25と後群移動モータ30
の双方を動作させて被写体に合焦させる。このときの全
体移動モータ25と後群移動モータ30による前群レン
ズL1と後群レンズL2の移動量は、測距装置64によ
る被写体距離情報によって得られる移動量だけでなく、
ズーム操作手段62によって設定される焦点距離情報に
よって得られる移動量を加味して決定される。このよう
に、シャッタレリーズ手段63が操作されたとき、全体
移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作させ
て合焦動作を行わせると、レンズ位置の制御に自由度が
生れ、その制御が容易になる。
【0013】なお、理論的には、ズーム操作手段62の
操作時には、全体移動モータ25と後群移動モータ30
のいずれも動作させずに単にファインダの視野倍率と焦
点距離情報だけを変化させ、シャッタレリーズ手段63
が操作されたときに、その焦点距離情報と測距装置64
による被写体距離情報とにより全体移動モータ25と後
群移動モータ30を同時に動作させて、その焦点距離情
報と被写体距離情報によって一義的に決定される位置に
前群レンズL1と後群レンズL2を移動させることもで
きる。
【0014】次に、主に図11と図12を用いて、上記
概念のズームレンズ鏡筒を具体的にした実施形態を説明
する。本ズームレンズ鏡筒10の概略構成と動作を最初
に説明すると、前方から順に、第1移動鏡筒20、第2
移動鏡筒19、第3移動鏡筒16、及び固定鏡筒ブロッ
ク12が備えられている。第3移動鏡筒16は、固定鏡
筒ブロック12の筒状部に螺合され、回動とともに光軸
方向に進退する。第3移動鏡筒16は、光軸方向に一体
に移動する、回転を規制された直進案内筒17を内方に
有し、第2移動鏡筒19はこの直進案内筒17に対して
相対回転しながら光軸方向に進退する。第1移動鏡筒2
0は、回転を規制されていて、第2移動鏡筒19に対す
る相対回転により光軸方向に進退する。全体移動モータ
25は、固定鏡筒ブロック12に固定され、AEモータ
29と後群移動モータ30を搭載したシャッタ取付台4
0は、第1移動鏡筒20に固定されている。前群レンズ
L1は、レンズ支持筒34に支持された正のパワーを有
するレンズであり、後群レンズL2は、レンズ支持筒5
0に支持された負のパワーを有するレンズである。
【0015】カメラボディのアパーチャ板14の前方に
固定される固定鏡筒ブロック12は、その筒状部の内周
面に、雌ヘリコイド12aと、光軸Oと平行な複数の直
進案内溝12bとを有している。この複数の直進案内溝
12bの1つには、その底部に、所定のパターンを有す
るコード板13aが固定されている。このコード板13
aは、固定鏡筒ブロック12の外方に位置するフレキシ
ブルプリント基板13の一部として構成されている。ア
パーチャ板14は、フィルムへの露光領域を決定するア
パーチャ14aを有する。
【0016】固定鏡筒ブロック12の筒状部には、径方
向外方に膨出しかつ光軸方向に延びるギヤ収納部12c
が形成されている(図7参照)。このギヤ収納部12c
には、光軸方向に長い駆動ピニオン15が回転自在に収
納されている。この駆動ピニオン15はその軸7の両端
部を、固定鏡筒ブロック12に設けた支持孔4とギヤ支
持板31に設けた支持孔31aにそれぞれ回転自在に支
持されている。この駆動ピニオン15の歯面は、固定鏡
筒ブロック12の内周面に突出している。
【0017】複数の直進案内溝12bの1つである直進
案内溝12b′には、その底部に、所定のパターンを有
するコード板13aが固定されている(図7参照)。こ
の直進案内溝12b′は、固定鏡筒ブロック12におい
ての撮影画面の略対角位置に位置するように設けられて
いる。このコード板13aは、固定鏡筒ブロック12の
軸(光軸)方向の略全域に亘って光軸Oと平行に備えら
れ、固定鏡筒ブロック12の外方に位置するフレキシブ
ルプリント基板13の一部として構成されている。この
フレキシブルプリント基板13には、全体移動モータ2
5の回転軸に固定した回転板2とにより、全体移動モー
タ25の回転検出用のエンコーダーを構成するフォトイ
ンタラプタ1が装着されている(図12参照)。
【0018】固定鏡筒ブロック12の筒状部には、径方
向外方に膨出しかつ光軸方向に延びるギヤ収納部12c
が形成されている(図7参照)。このギヤ収納部12c
には、光軸方向に長い駆動ピニオン15が回転自在に収
納されている。この駆動ピニオン15はその軸7の両端
部を、固定鏡筒ブロック12に設けた支持孔4とギヤ支
持板31に設けた支持孔31aにそれぞれ回転自在に支
持されている。この駆動ピニオン15の歯面は、固定鏡
筒ブロック12の内周面に突出している。
【0019】固定鏡筒ブロック12の内周には、第3移
動鏡筒16が螺合されている。この第3移動鏡筒16
は、内周面に、光軸方向に延びる複数の直進案内溝16
cを有し、後端部外周に、固定鏡筒ブロック12の雌ヘ
リコイド12aと噛み合う雄ヘリコイド16aと、駆動
ピニオン15と噛み合う外周ギヤ16b(図6参照)と
を有している。駆動ピニオン15は、第3移動鏡筒16
の光軸方向の全移動域において、この外周ギヤ16と噛
み合う軸方向長さを有する。
【0020】第3移動鏡筒16の内周には、直進案内筒
17が、この第3移動鏡筒16と光軸方向に一体に移動
可能かつ光軸回りに相対回転可能に支持されている。直
進案内筒17は、後部外周に、径方向外方に突出する複
数の係合突起17cを備えた後端フランジ部17dと、
この後端フランジ部17dの前方にやや隙間を開けて設
けた、該フランジ部17dより小径の抜止フランジ部1
7eとを有している。この抜止フランジ部17eの周方
向に、複数の切欠部17fが形成されている。第3移動
鏡筒16は、後端部内周に、径方向内方に突出する複数
の係合突起16d(図11)を有し、この係合突起16
dを上記切欠部17fから挿入して両フランジ部17
d、17e間の隙間に位置させ、直進案内筒17に対し
相対回転することにより該直進案内筒17と結合してい
る。直進案内筒17の後端面には、アパーチャ14aと
略同形の開口23aを有するアパーチャ板23が固定さ
れている。
【0021】直進案内筒17は、複数の係合突起17c
を、対応する光軸Oと平行な直進案内溝12bに摺動自
在に係合させて、固定鏡筒ブロック12に対する相対回
転を規制されている。係合突起17cの1つである係合
突起(直進案内キー)17c′には、直進案内溝12
b′の底部に固定したコード板13aと摺接して、ズー
ミング時の焦点距離情報に対応する信号を発生させるた
めの接触端子(ブラシ体)9が固定されている。この係
合突起17c′は、撮影画面の略対角位置に位置するよ
うに設けられ、径方向への突出部70と、この突出部7
0に軸(光軸)方向と平行に形成した取り付けねじ孔7
1と、後方に突出させた一対の位置決め突起72を有し
ている。係合突起17cは、固定鏡筒ブロック12の光
軸Oと平行な直進案内溝12bに摺動自在に係合されて
おり、回転を規制されている。
【0022】接触端子9は、固定部9bと略直交しコー
ド板13aに摺接する一対のブラシ部(電気接片)9a
と、一対の位置決め突起72に嵌合する一対の位置決め
孔9dとを有している。この一対のブラシ部9aは、固
定部9bを介して互いに導通している。
【0023】コード板13aは、図18に示すように、
その長手方向と直交する方向に並ぶ4種類の電極パター
ンZC0、ZC1、ZC2、ZC3を備えている。これ
らの電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3は、
上記一対のブラシ部9aがコード板13aの長手方向に
摺動するとき、その摺動位置に応じて予め決められた電
極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3を導通して
所定の信号(電圧)を出力するように、互いに組み合わ
されて所定パターンを形成している。
【0024】直進案内筒17にはまた、その内周面に、
光軸Oと平行な複数の直進案内溝17aと、この案内筒
17の周壁を貫通しかつ円周方向及び光軸方向に対して
傾斜する複数のリード溝17bとが形成されている。
【0025】直進案内筒17の内周には、第2移動鏡筒
19が嵌合されている。この第2移動鏡筒19は、内周
面に、リード溝17bとは逆傾斜の複数のリード溝19
cを有し、後端部外周に、径方向外方に突出する複数の
断面台形状のフォロア突起19aと、このフォロア突起
19a上に位置するフォロアピン18とを有する。この
フォロアピン18は、リング部材18bと、このリング
部材18bをフォロア突起19a上に支持する中心固定
ねじ18aとからなっている。フォロア突起19aは、
直進案内筒17のリード溝17bに摺動可能に嵌まり、
フォロアピン18は、第3移動鏡筒16の直進案内溝1
6cに摺動可能に嵌まる。よって、第3移動鏡筒16が
回転すると、第2移動鏡筒19が回転しながら光軸方向
に直進移動する。
【0026】第2移動鏡筒19の内周には、第1移動鏡
筒20が嵌合されている。この第1移動鏡筒20は、後
端部外周に備えた複数のフォロアピン24を、対応する
内周リード溝19cに係合させ、かつ直進案内部材22
により直進案内されている。この直進案内部材22は、
図1と図2に示すように、環状部22aと、この環状部
22aから光軸方向に延びる一対の案内脚部22bと、
環状部22aの径方向外方に突出させた、直進案内溝1
7aに摺動自在に係合する複数の係合突起28とを有
し、第1移動鏡筒20の内周面とAF/AEシャッタユ
ニット21の間に案内脚部22bを直進案内可能に挿入
している。
【0027】また直進案内部材22の環状部22aは、
第2移動鏡筒19の後端部に、光軸方向に一体に移動可
能かつ光軸回りに相対回転可能に結合されている。この
直進案内部材22は、後部外周に、径方向外方に突出す
る複数の係合突起28を備えた後端フランジ部22d
と、この後端フランジ部22dの前方にやや隙間を開け
て設けた、該フランジ部22dより小径の抜止フランジ
部22cを有し、この抜止フランジ部22cの周方向
に、複数の切欠部22eを有している(図1参照)。第
2移動鏡筒19は、後端部内周に、径方向内方に突出す
る複数の係合突起19b(図11)を有し、この係合突
起19bを上記切欠部22eから挿入して両フランジ部
22c、22d間の隙間に位置させ、直進案内部材22
に対し相対回転することにより該直進案内部材22と結
合している。上記構成により、第1移動鏡筒20は、第
2移動鏡筒19が正逆に回転するとき、回転を規制され
たまま、該第2移動鏡筒19に対して光軸方向前後に直
進移動する。
【0028】この第1移動鏡筒20の前端部には、バリ
ヤ羽根48a、48bを備えたバリア装置35が装着さ
れ、内周面には、3枚のシャッタ羽根27a(図5)か
らなるシャッタ27を備えたAF/AEシャッタユニッ
ト21が嵌合固定されている。このAF/AEシャッタ
ユニット21は、シャッタ取付台40の外周部に等角度
間隔で形成した複数の固定孔40a(図3)を有してい
る。上記複数のフォロアピン24は、このAF/AEシ
ャッタユニット21の固定手段を兼ねており、第1移動
鏡筒20に形成したピン孔20aと、この固定孔40a
に、このフォロアピン24が嵌入固定されて、このシャ
ッタユニット21が第1移動鏡筒20に固定されている
(図4参照)。フォロアピン24は例えば接着、ねじ止
め等の手段で固定できる。なお、41は、第1移動鏡筒
20の前端部に固定される飾り板である。
【0029】AF/AEシャッタユニット21は、図5
と図12に示されるように、シャッタ取付台40と、こ
のシャッタ取付台40の後部に固定されるシャッタ羽根
支持環46と、このシャッタ取付台40に対して相対移
動自在に支持されるレンズ支持筒50(後群レンズL
2)とを有している。このシャッタ取付台40には、前
群レンズL1とAEモータ29と後群移動モータ30が
支持されている。このシャッタ取付台40は、レンズ支
持筒34を挿通させる撮影開口40dを備えた環状部
と、この環状部から後方に向けて延出された3つの脚部
40bとを有している。この3つの脚部40b間の隙間
のうち2箇所は、直進案内部材22の一対の案内脚部2
2bをそれぞれ摺動自在に係合させて移動ガイドする直
進案内部40cとして構成されている。
【0030】シャッタ取付台40にはさらに、AEモー
タ29の回転をシャッタ27に伝えるAEギヤ列45
と、後群移動モータ30の回転をスクリューシャフト4
3に伝えるレンズ駆動ギヤ列42と、フレキシブルプリ
ント基板6に接続されたフォトインタラプタ56、57
と、放射方向に延びるスリットを円周方向に多数備えた
回転板58、59とが支持されている。上記フォトイン
タラプタ57と回転板59によって、後群移動モータ3
0の回転を検知する後群移動モータ用エンコーダが構成
され、フォトインタラプタ56と回転板58によって、
AEモータ29の回転を検知するAEモータ用エンコー
ダが構成されている。
【0031】シャッタ取付台40とこの取付台40に固
定したシャッタ羽根支持環46の間に、上記シャッタ2
7と、このシャッタ27の3枚のシャッタ羽根27aを
枢支する支持部材47と、シャッタ羽根27aに回動力
を付与する環状駆動部材49とが位置している。環状駆
動部材49は、3枚のシャッタ羽根27aにそれぞれ係
合する3つの操作突起49aを等角度間隔で備えてい
る。シャッタ羽根支持環46は、前壁部に、撮影開口4
6aと、この撮影開口46aの周囲に等角度間隔で設け
た3つの支持孔46bを有し、外周部に、直進案内部4
0cから露出して上記一対の案内脚部22bの内周面を
摺動自在に支持する撓み規制面46cを有している(図
9、図10参照)。
【0032】また、シャッタ羽根支持環46の前方に位
置する支持部材47は、撮影開口46aに対向する撮影
開口47aと、3つの支持孔46bとそれぞれ対向する
3つの軸部47b(図5に一箇所のみ示す)とを有して
いる。3枚のシャッタ羽根27aはそれぞれ、一端部
に、軸部47bを挿通させる軸孔27bを有し、他端部
に、撮影開口46a、47aを遮蔽する遮蔽部を有し、
該一端部と他端部の間に、上記操作突起49aを挿通さ
せる長孔27cを有している。上記支持部材47は、シ
ャッタ羽根27aをそれぞれ支持した各軸部47bを、
シャッタ羽根支持環46の対応する支持孔46bに嵌合
させた状態で、このシャッタ羽根支持環46に固定され
ている。
【0033】環状駆動部材49は、外周部に、ギヤ列4
5からの回転を受けるギヤ部49bを有する。また支持
部材47は、3つの軸部47bと近接する位置に、円周
方向に沿う3つの円弧溝47cを有している。環状駆動
部材49の上記3つの操作突起49aは、該3つの円弧
溝47cを貫通して、各シャッタ羽根27aの長孔27
cに係合している。シャッタ羽根支持環46は、これら
環状駆動部材49、支持部材47及びシャッタ27を支
持した状態でシャッタ取付台40の後方側から挿入さ
れ、このシャッタ取付台40にねじ止めされている。
【0034】シャッタ羽根支持環46の後方には、シャ
ッタ取付台40にスライドシャフト51、52を介して
相対移動自在に支持されたレンズ支持筒50が配置され
ている。シャッタ取付台40とレンズ支持筒50は、ス
ライドシャフト51に嵌合されたコイルばね3によって
互いに離れる方向に移動付勢されており、これにより両
者間のガタが除去されている。また、上記ギヤ列42に
備えられた駆動ギヤ42aは、軸方向の移動が規制され
ており、その内周に雌ねじが形成されている。この雌ね
じに、レンズ支持筒50に一端部を固定されたスクリュ
ーシャフト43が螺合しており、これら駆動ギヤ42a
とスクリューシャフト43とにより送りねじ機構が構成
されている。よって、後群移動モータ30が回転駆動し
て駆動ギヤ42aが正逆いずれかに回転すると、スクリ
ューシャフト43がこの駆動ギヤ42aに対して進退
し、レンズ支持筒50つまり該レンズ支持筒50に支持
した後群レンズL2が前群レンズL1に対して相対移動
する。
【0035】シャッタ取付台40の前部には、このシャ
ッタ取付台40に支持した上記モータ29、30等を押
える押え部材53、55がねじ止めされている。シャッ
タ取付台40に一端部を固定された上記フレキシブルプ
リント基板6には、モータ29、30、及びフォトイン
タラプタ56、57が接続されている。第1〜第3移動
鏡筒20、19、16及びAF/AEシャッタユニット
21等を組立てた状態において、直進案内筒17の後端
面にアパーチャ板23が固定され、また固定鏡筒ブロッ
ク12の前端部に、環状の抜止め部材33が嵌着されて
いる。
【0036】ズームレンズ鏡筒10の最前方の第1移動
鏡筒20の前部には、一対ずつの従動バリヤプレート4
8aと主動バリヤプレート48bを備えたバリヤ装置3
5が設けられている。この第1移動鏡筒20の前端部に
固定される飾り板41の裏面に環状プレート96が固定
され、この飾り板41と環状プレート96の間に両バリ
ヤプレート48a、48bが枢着されている。また、第
1移動鏡筒20の前端部においてのこの第1移動鏡筒2
0の前端面20bと裏板96の間に、一対のバリヤ駆動
レバー98a、98bを備えたバリヤ駆動環97が回動
自在に設けられている。このバリヤ駆動環97は、後群
移動モータ30の回転を受けて回転駆動するバリヤ連結
ギヤ92によって正逆に回転され、バリヤ駆動レバー9
8a、98bを介して主動バリヤプレート48bを従動
バリヤプレート48aとともに開閉させる。
【0037】以上の実施の形態では、前群レンズL1お
よび後群レンズL2の二群からなるズームレンズを示し
たが、本発明は、さらに固定レンズ群を備えたズームレ
ンズにも適用できるし、この実施の形態に限定されな
い。また、前群レンズL1と、レンズ支持筒50に支持
した後群レンズL2を、AF/AEシャッタユニット2
1の構成部材の1つとし、全体駆動モータ30を該ユニ
ット21に搭載している。この構成によると、後群レン
ズL2の支持構造及び駆動構造を単純化できるという利
点があるが、後群レンズL2を、シャッタ取付台40、
環状駆動部材49、支持部材47、シャッタ羽根27及
びシャッタ羽根押え環46等を備えたAF/AEシャッ
タユニット21とは別部材とし、該ユニットとは別の支
持部材に支持しても、本ズームレンズは成立する。
【0038】本ズームレンズカメラにおいて、全体移動
モータ25及び後群移動モータ30の回転により、次の
ように作動する。ズームレンズ鏡筒10が最も繰り込ま
れた図9のレンズ収納状態において、電源スイッチをオ
ンすると、全体移動モータ25が正方向に若干量回転駆
動する。すると、この回転が、支持部32に支持された
ギヤ列26を介して駆動ピニオン15に伝えられ、第3
移動鏡筒16が繰り出し方向に回転されるため、第2移
動鏡筒19と第1移動鏡筒20が該第3移動鏡筒16と
ともに光軸方向に若干量繰り出され、カメラはズームレ
ンズをワイド端に位置させた撮影可能状態となる。この
際、直進案内筒17の固定鏡筒ブロック12に対する進
退量がコード板13aと接触端子9の相対摺動によって
検出されることに基づき、前、後群レンズL1、L2か
らなるズームレンズの焦点距離が検出されている。
【0039】この撮影可能状態において、ズームテレス
イッチがオンすると、全体移動モータ25を正方向に回
転駆動し、駆動ピニオン15、外周ギヤ16bを介して
第3移動鏡筒16を繰り出し方向に回転させる。したが
って、この第3移動鏡筒16が雌ヘリコイド12aと雄
ヘリコイド16aの関係により固定鏡筒ブロック12か
ら繰り出され、同時に、直進案内筒17が、係合突起1
7cと直進案内溝12bの関係によって固定鏡筒ブロッ
ク12に対し相対回転しない状態で、該第3移動鏡筒1
6とともに光軸前方に進出する。このとき第2移動鏡筒
19は、フォロアピン18をリード溝17bと直進案内
溝16cに同時に係合させていることにより、第3移動
鏡筒16と同方向に相対回転しながら該移動鏡筒16に
対して光軸前方に相対移動する。また第1移動鏡筒20
は、直進案内部材22によって直進案内されかつフォロ
アピン24をリード溝19cによって移動ガイドされる
ため、固定鏡筒ブロック12に対して相対回転しない状
態で、第2移動鏡筒19からAF/AEシャッタユニッ
ト21とともに光軸前方に進出する。この際、直進案内
筒17の固定鏡筒ブロック12に対する進退位置がコー
ド板13aと接触端子9の相対摺動によって検出される
ことに基づき、前、後群レンズL1、L2からなるズー
ムレンズの焦点距離が検出されている。
【0040】ズームワイドスイッチがオンすると、全体
移動モータ25が逆方向に回転駆動し、第3移動鏡筒1
6が繰り込み方向に回転されて、直進案内筒17ととも
に固定鏡筒ブロック12に繰り込まれる。同時に第2移
動鏡筒19が、第3移動鏡筒16と同方向に回転しなが
ら該移動鏡筒16に対して繰り込まれ、第1移動鏡筒2
0が、回転する第2移動鏡筒19に対してAF/AEシ
ャッタユニット21とともに繰り込まれる。この繰込駆
動時においても、後群移動モータ30は、上述の繰出駆
動時と同様、駆動しない。
【0041】ズームレンズ鏡筒10がズーミングに際し
て駆動される間、後群移動モータ30は駆動しないた
め、前群レンズL1と後群レンズL2は互いの距離を一
定に保ったまま一体的に光軸方向に移動する(図8参
照)。ズームコード板13aを介して入力した焦点距離
は、LCD表示パネル224によって表示される。
【0042】ズーム操作手段31によって設定される任
意の焦点距離において、レリーズボタン217Bが一段
押しされると、制御手段210は、測距装置64により
測距し、測光装置65により測光し、全体移動モータ2
5と後群移動モータ30の双方を、設定されていた焦点
距離情報及び測距装置64による被写体距離情報によっ
て得られる移動量だけ前群レンズL1と後群レンズL2
を移動させて設定焦点距離にするとともに被写体に合焦
させる。この状態でレリーズボタン217Bが二段押し
されると、AEモータ制御回路66を介してAEモータ
29が、測光装置65からの被写体輝度情報に応じて環
状駆動部材49を回転駆動し、所定の露出を満たすよう
にシャッタ27を駆動する。このシャッタレリーズの終
了後、全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方
が直ちに駆動されて、前群レンズL1と後群レンズL2
がシャッタレリーズ前の状態に戻される。
【0043】そしてズームレンズ鏡筒10は、電源スイ
ッチ212がオン操作されて電源が切られると、これに
基づき回転駆動する全体移動モータ25によって、図1
1に示すレンズ収納位置に繰り込まれる。その前に、全
体移動モータ25が起動して、後群レンズL2がホーム
位置まで移動される。
【0044】図14から図16は、図1から図13に示
したズームレンズ鏡筒を備えた、本発明のレンズシャッ
タ式カメラの一実施の形態の外観を示す正面図、背面図
および平面図である。カメラボディ201の正面ほぼ中
央にはズームレンズ鏡筒12が装着されていて、さらに
正面には、測光用の受光素子65a、AFセンサー窓6
4a、ファインダー光学系のファインダー窓207a、
ストロボの発光部209、およびセルフタイマー表示ラ
ンプ224が設けられている。カメラボディ201の底
面には、電池蓋202が設けられている。
【0045】カメラボディ201の背面には、フィルム
(パトローネ)を出し入れするための裏蓋203、裏蓋
203を閉状態にロックするロック機構をロック解除操
作するための裏蓋開閉レバー204、測距結果を表示す
る緑ランプ223、ストロボ充電状態を表示する赤ラン
プ222、ファインダー装置の接眼部207b、電源ボ
タン216Bが設けられている。
【0046】カメラボディ201の上面には、図面左か
ら、途中巻き戻しボタン230B、LCDパネル22
4、モードボタン228B、ドライブボタン229B、
レリーズボタン217B、ワイドボタン62WB、テレ
ボタン62TBが設けられている。
【0047】図17には、このズームレンズカメラの主
要回路構成の実施の形態をブロックで示してある。この
カメラは、カメラの機能全般を制御する制御手段として
CPU210を備えている。
【0048】CPU210は、全体移動制御回路60を
介して全体移動モータ25を、後群移動モータ制御回路
61を介して後群移動モータ30を、AEモータ制御回
路66を介してAEモータ29をそれぞれ駆動制御す
る。さらにCPU210は、フィルム給送制御回路22
5を介して、フィルムのローディング、巻き上げ、巻き
戻しを行うフィルム給送モータ226を駆動制御する。
さらにCPU210は、ストロボ回路231を介して、
内蔵ストロボの発光を制御する。
【0049】CPU210は、電池211が装填された
状態で動作可能な状態となり、電源スイッチ212、裏
蓋スイッチ213、モードスイッチ214、ドライブス
イッチ215、テレスイッチ62T、ワイドスイッチ6
2W、途中巻き戻しスイッチ216、測光スイッチSW
S、レリーズスイッチSWRの操作を受けて、そのスイ
ッチのオン/オフに応じた機能を実行する。
【0050】電源スイッチ212は電源ボタン212B
に連動したスイッチであって、電源オフ状態(電池21
1の電力を遮断)でオンされると電源をオン(電池21
1の電力を供給)し、電源オン状態でオンされると電源
をオフする。裏蓋スイッチ213は裏蓋の開閉に連動し
てオン/オフするスイッチであり、裏蓋スイッチ213
の状態変化により、フィルム給送モータを駆動してフィ
ルムのローディング処理を実行し、または撮影枚数カウ
ンタをクリアする。モードスイッチ214はモードボタ
ン214Bに連動した、撮影モードを変更するスイッチ
であって、オンされるごとに、オートストロボ発光モー
ド、ストロボ強制発光モード、ストロボ発光禁止モー
ド、スローシャッターモード、バルブモードなどのモー
ドを切り換える。ドライブスイッチ215はドライブボ
タン75Bに連動した、ドライブモードを変更するスイ
ッチであって、オンされる毎に、コマ撮りモード、セル
フタイマーモード、連写モード、多重露光モードなどの
モードを切り換える。テレスイッチ62Tはテレボタン
62TBに連動したボタンであって、オンされると、全
体移動モータ25をテレズーミング(レンズ繰り出し)
方向に駆動する。ワイドスイッチ62Wはワイドボタン
62WBに連動したスイッチであって、オンされると、
全体移動モータ25をワイドズーミング(レンズ後退)
方向に駆動する。
【0051】測光スイッチSWS及びレリーズスイッチ
SWRはレリーズボタン217Bに連動したスイッチで
あって、レリーズボタン217Bの一段(半)押しで測
光スイッチSWSがオンし、二段(全)押しでレリーズ
スイッチSWRがオンし、一段押しから二段押しの間、
測光スイッチSWSはオン状態を維持する。ここで、測
光スイッチSWSがオンすると、測光及び測距を実行
し、測距結果に基づいて全体移動モータ25及び後群移
動モータ30を駆動して前群レンズL1及び後群レンズ
L2を、測距した被写体に合焦する位置まで駆動し、レ
リーズスイッチSWRがオンすると、AEモータ29を
駆動して測光値に基づいた露光処理を実行する。露光が
終了すると、全体移動モータ25及び後群移動モータ3
0を駆動して前群レンズL1及び後群レンズL2を移動
前の位置にリターンさせ、フィルム給送モータ226を
起動してフィルムを1コマ分巻き上げる。
【0052】CPU210には、フィルムのISO感度
などの情報を読み込むDXコード情報入力回路218、
コード板から現在のレンズ位置情報を読み込むズームコ
ード情報入力回路219、ズームパルス入力回路22
0、AEパルス入力回路221、AF基準パルス入力回
路222、フィルムの走行および走行量を検知するワイ
ンドパルス入力回路223、AFホーム位置検知回路2
32の出力が入力されている。
【0053】CPU210には、表示手段として、焦点
距離、撮影枚数、露出モードなどを表示するLCD表示
パネル224、ストロボの充電状態を表示する赤ランプ
227、測距回路64による測距結果を表示する緑ラン
プ228、セルフタイマー動作を表示するセルフタイマ
ー表示ランプ229が接続されている。
【0054】EEPROM230には、このカメラ組立時のデ
ータ、例えばAE調整済みかどうかなどのデータや、一
般人が使用するときには、設定した露出モード、撮影枚
数データなどがメモリされる。
【0055】ズームコード情報入力回路219は、図1
9に示したように、直列に接続された4個の抵抗を備
え、抵抗R0はグランドに接地され、抵抗R3には基準
電圧Vccが印加されている。そして、抵抗R0とグラ
ンドとの間に電極パターンZC0が接続され、抵抗R
0、R1間に電極パターンZC1が、抵抗R1、R2間
に電極パターンZC2が、抵抗R3、R2間に電極パタ
ーンZC3が接続されている。さらに抵抗R3、R2間
が、CPU210のA/D変換入力ポートに接続されて
いる。
【0056】コード板13aは、図18の(A)に示し
たように、絶縁基板13b上に形成された、4枚の独立
した電極パターン(ズームコード部)ZC0、ZC1、
ZC2、ZC3を備えている。各導電板ZC0、ZC
1、ZC2、ZC3が、抵抗R0、R1、R2、R3の
間に接続されている。接触端子9は、導通部9bで互い
に導通した一対のブラシ部9a、9aを備え、これらの
ブラシ部9a、9aは、電極パターンZC0、ZC1、
ZC2、ZC3のいずれか二つを導通するように、コー
ド板13a上を摺接移動するように形成されている。し
たがって、電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC
3のいずれか二つが導通すると、その導通する組合せに
よってズームコード情報入力回路219の出力電圧が変
化する(図18(F)(C)参照)。CPU211は、
その出力電圧をディジタル値にA/D変換し、変換した
ディジタル値を対応するズームコードに変換する。そし
てCPU210は、そのコードによってズームレンズの
位置を検知する。
【0057】本実施の形態では、ブラシ部9aの接触位
置に応じて発生する電圧を、7個のコード0、1、2、
3、4、5、6、7に変換する(図18(D)参照)。
ここで、ズームコード1が収納位置、ズームコード2が
ワイド位置、ズームコード6がテレ位置、ズームコード
3、4、5がワイド位置とテレ位置の中間位置、ズーム
コード0が収納位置とワイド位置との間を識別してい
る。中間位置では、ズームコードが3、4、5の順で4
回繰り返して、ズーム領域を14個のズームステップに
分割してズームステップコード化している。本実施の形
態では、ワイド端にズームステップ0、テレ端にズーム
ステップ13を割り付け、ワイド端とテレ端の間にズー
ムステップ1から12を割り付けてある。
【0058】図19、20には、抵抗R0、R1、R
2、R3の具体的な値の一実施例およびズームコード情
報入力回路219の出力電圧を示してある。
【0059】ズームパルス入力回路220は、フォトイ
ンタラプタ1および回転板2からなるエンコーダを備
え、全体移動モータ25の駆動軸の回転に連動して回転
する回転板2のスリットの通過)によって変化するフォ
トインタラプタ1の出力をズームパルスとして出力す
る。
【0060】AEパルス入力回路221は、フォトイン
タラプタ57および回転板59からなるエンコーダを備
え、AEモータ29の駆動軸の回転に連動して回転する
回転板59のスリットの通過によって変化するフォトイ
ンタラプタ57の出力を、AEパルスとして出力する。
この回転スリット板59は、1回転未満しか回転しない
構成である。
【0061】AF基準パルス入力回路222は、フォト
インタラプタ56および回転板59からなるエンコーダ
を備え、後群移動モータ30の駆動軸の回転に連動して
回転する回転板59のスリットの通過によって変化する
フォトインタラプタ56の出力を、AFパルスとして出
力する。
【0062】AFホーム位置検知回路232は、後群レ
ンズL2が、前群レンズL1に対して最も接近した基準
位置(AFホーム位置)にあることを検知する手段であ
る。本実施の形態では、後群レンズL2の位置を、この
AFホーム位置を基準としてAFパルス数で制御する。
このAFホーム位置検知回路232は、フォトインタラ
プタ301を備え、後群レンズL2と一体に移動するチ
ョッパ302(チョッパ板302a)がフォトインタラ
プタ301の光路を遮光する位置がAFホーム位置とし
て設定されていて、フォトインタラプタ301の出力変
化によって後群レンズL2がAFホーム位置にあること
を検知する。
【0063】図21はストロボ回路231の回路構成を
示す図である。ストロボ回路は、接地端子GND、電圧
入力端子VBATおよび3つのストロボ制御端子STR
G、CHEN、RLSを有している。端子VBATとG
NDにはカメラのバッテリ電圧が供給される。制御端子
STRG、CHEN、RLSはそれぞれCPU210に
接続されている。端子STRGはストロボ発光信号(ス
トロボトリガ)入力端子で、通常はL(ロー)レベルと
なっており、ストロボ発光を行わせる際にH(ハイ)レ
ベルの信号が入力される。端子CHENは充電信号が入
力される端子で、L(ロー)状態では充電が行われず、
H(ハイ)状態で充電が行われる。端子RLSは充電電
圧出力端子で、充電電圧に対応した電圧をCPU210
のA/D変換器に出力する。
【0064】まず、充電および充電電圧のモニタについ
て説明する。上述のように、充電は端子CHENのレベ
ルをH(充電信号:オン)にすることにより行われる。
端子CHENをHレベルにすると、トランジスタ501
のベースがHレベルとなりトランジスタ501がオンさ
れる。トランジスタ501がオンされることにより、ト
ランジスタ502、トランス510の一次巻線511お
よび二次巻線512、ダイオード521からなる昇圧回
路が動作しコンデンサ530の充電が行われる。なお、
端子CHENにHレベルの信号が供給されることによ
り、トランジスタ573および576もオンされ、ツェ
ナダイオード570がトランジスタ576、抵抗577
および578を介してコンデンサ530の両端に接続さ
れ、コンデンサ530の充電電圧がツェナダイオード5
70のツェナ電圧より高い場合にはツェナ電流が流れ
る。
【0065】前述のように、端子CHENがHレベルと
なる充電時には抵抗577および578がコンデンサ5
30の両端に接続されており、この時端子RLSにおい
てはコンデンサ530の充電電圧からツェナダイオード
570のツェナ電圧を引いた電圧をを抵抗577および
578により分圧した電圧値が出力される。CPU21
0は、従って端子RLSの出力電圧をA/D変換するこ
とにより、コンデンサ530の充電電圧を検知すること
ができる。なお、ダイオード507はトランジスタ50
1の耐圧を越えないようにするための保護用ダイオード
であり、コンデンサ503、抵抗504およびコイル5
13からなる回路は昇圧動作を安定化するための回路で
ある。
【0066】端子CHENがLレベルの時にはトランジ
スタ501および502はオフ状態でありコンデンサ5
30の充電は行われない。また、端子CHENがLレベ
ル(充電信号:オフ)の時にはトランジスタ573およ
び577もオフ状態であり、この時には端子RLSから
コンデンサ530の充電電圧を検知することはできな
い。
【0067】次に、ストロボ発光について説明する。コ
ンデンサ530の充電電圧が発光可能レベル以上となっ
ている場合には、ストロボトリガを端子STRGに入力
することにより、ストロボ発光が行われる。
【0068】端子STRGにストロボトリガ信号が入力
されると(すなわち、STRGにHレベルの信号が入力
されると)、SCR(サイリスタ)が導通状態となる。
この時トランス550の一次巻線に接続されたコンデン
サ544が急激に放電する事により、トランス550の
二次巻線に高電圧が発生する。トランス550の二次巻
線の高電圧がキセノン管560のトリガ電極551に印
加されてキセノン管560の発光を開始させる。
【0069】図25〜図28には、後群レンズL2の初
期位置であるAFホーム位置を検知するための機構を示
してある。このAFホーム位置とは、前群レンズL1に
対すして後群レンズL2が接近した初期位置であり、こ
の位置をフォーカシングの基準位置として、前群レンズ
L1から離反する方向に、光軸Oに沿って並行移動され
る。後群レンズL2は前群レンズL1に対して、電源投
入時、シャッタレリーズ完了時、収納時、ズームステッ
プ0から4を除いたズームステップ位置などでは、この
AFホーム位置を保つように制御され、ズームスップ0
から4では所定パルス数AP1分AFホーム位置から後
退した位置に移動される。
【0070】後群レンズ支持筒50は、一対のスライド
シャフト51、52を介してシャッタ取付台40に光軸
に沿って移動可能に支持されている。スライドシャフト
51、52の一方の端部は、レンズ支持筒50の外周面
に突設されたシャフト支持ボス50b、50cに固定さ
れている。そしてスライドシャフト51は、シャッタ取
付台40に固定されたスライド軸受51aにスライド自
在に挿入支持されている。
【0071】スクリューシャフト43の一方の端部は、
レンズ支持筒50の外周面にシャフト支持ボス50bに
近接して突設されたシャフト支持ボス50aに固定され
ている。そしてスクリューシャフト43は、シャッタ取
付台40およびシャッタ27に、回動自在にかつ軸方向
移動が規制された状態で支持された駆動ギヤ42aに螺
合している。駆動ギヤ42aが後群移動モータ30によ
って回動駆動されると、スクリューシャフト43が駆動
ギヤ42aに対して進退動し、レンズ支持筒50つまり
このレンズ支持筒50に支持した後群レンズL2が前群
レンズL1に対して相対移動する。スクリューシャフト
43と駆動ギヤ42aとの間のバックラッシュを除去す
るために、一方のスライドシャフト51には、スライド
軸受51aとシャフト支持ボス50bとの間に後群付勢
コイルばね3が嵌装されている。後群付勢コイルばね3
は、レンズ支持筒50をシャッタ取付台40から離反す
る方向(シャッタ取付台40に対して後方)に付勢して
バックラッシュを除去している。
【0072】シャッタ取付台40の前端部(押さえ部材
55)には、AFホーム位置検知回路232を構成する
フォトインタラプタ301およびチョッパ302が装着
されている。フォトインタラプタ301は、フレキシブ
ルプリント基板6に装着され、シャッタ取付台40に固
定されている。チョッパ302は、シャッタ取付台40
に植設され、先端部が押え部材55に支持されたチョッ
パガイド軸303にスライド自在に支持され、かつ押え
部材55との間に装着されたチョパ付勢ばね304によ
ってシャッタ取付台40に向かって(光軸O後方に向か
って)付勢されている。チョッパ302は、フォトイン
タラプタ301のスリットに進入したチョッパ板302
aを備えていて、チョッパ302がチョパ付勢ばね30
4の付勢力によって後退位置にあるときはフォトインタ
ラプタ301の光路を開放し、チョッパ付勢ばね304
の付勢力に抗して所定位置まで前進したときにフォトイ
ンタラプタ304の光路を遮断する。
【0073】スクリューシャフト43と一方のスライド
シャフト51の先端部には、ストッパ板306がロック
ワッシャ305を介して固定されている。ストッパ板3
0には一体に、レンズ支持筒50が前進したときにチョ
ッパ302に当接してこれをチョッパ付勢ばね304の
付勢力に抗して前進移動させるチョッパ押圧部30aが
形成されている。このチョッパ押圧部30aは、レンズ
支持筒50(後群レンズL2)が、シャッタ取付台40
に対して所定位置まで接近したときにチョッパ302の
突起302aに当接し、レンズ支持筒50のさらなる前
進によってチョッパ302をチョッパ付勢ばね303の
付勢力に抗して前進させる。そして後群レンズ支持筒3
0がシャッタ取付台40に対して接近したAFホーム位
置まで移動したとき、チョッパ302のチョパ板302
aがフォトインタラプタ301の光路を遮断する。CP
U210は、フォトインタラプタ301の出力をチェッ
クすることで、後群レンズL2(レンズ支持筒50)が
AFホーム位置にあるかどうかを検知する。
【0074】『メイン処理』このズームレンズカメラの
動作について、さらにフローチャートを参照して説明す
る。この処理は、CPU210によって、CPU210
の内部ROM メモリされたプログラムに基づいて実行され
る。
【0075】図29は、このカメラのメイン処理に関す
るフローチャートである。カメラにバッテリーが装填さ
れたときにCPU210が起動し、このメインルーチン
を立ち上げて、撮影者によって何らかの操作がなされる
のを待つ待機状態に入る。
【0076】メイン処理に入ると、まずステップ(以下
「S 」)0001のリセット処理を行う。このリセット処理
では、CPU210の各ポートなどのハードの初期化、
RAMの初期化、調整データの読み込み、テスト関数呼
び出し、シャッターの初期化、AFレンズの初期化、お
よびレンズ収納処理を行う。
【0077】リセット処理が終了すると、エラーフラグ
がセットされているか、巻戻しスイッチ216がオンし
ているか、裏蓋スイッチ213が変化したか、電源がオ
ン状態かどうか、電源スイッチ212がオフからオンに
変化したか、テレスイッチ62Tがオンしているか、ワ
イドスイッチ62Wがオンしているか、ドライブスイッ
チがオフからオンに変化したか、モードスイッチがオフ
からオンに変化したか、測光スイッチSWSがオフから
オンに変化したか、充電要求フラグがセットされている
かどうかをチェックして、チェック結果に応じた処理を
実行する(S0003 〜S0057 )。
【0078】エラーフラグに1がセットされているとき
には、後述のいずれかの処理でエラーが発生してエラー
フラグに1がセットされたエラー状態なので、S0005 〜
S0013 のエラー初期化処理を実行して、エラー状態が解
消され、エラーフラグがクリアされるのを待つ。このエ
ラー初期処理では、いずれかのスイッチが変化するのを
待ち(S0005)、変化したら、エラーフラグに0をセット
し、シャッタ初期化処理、AFレンズ初期化処理を実行
する(S0006 、S0007 、S0009 )。そして、これらの処
理でエラーフラグに1がセットされたかどうかをチェッ
クし(S0011 )、1がセットされていればS1003 に戻っ
てS0005 からの処理を繰り返す。エラーフラグに1がセ
ットされていなければエラー状態が解消されているの
で、レンズ収納処理を実行してからS0003 に戻る(S001
3 )。
【0079】エラーフラグがクリアされ、かつ電源がオ
フ状態のときには、巻戻しスイッチ216がオンしてい
るか、裏蓋スイッチ213が変化したか、電源がオン状
態かどうか、電源スイッチ212がオフからオンに変化
したどうかのチェックを繰り返す(S0015 、S0019 、S0
023 、S0025 、S003)。そして、巻き戻しスイッチがオ
ンしたとき、裏蓋スイッチ213の状態が変化したと
き、あるいは電源スイッチ212がオフ状態からオンし
たときに下記の処理を実行する。
【0080】巻き戻しスイッチ216がオンしたときに
は、巻き戻しモータを起動してフィルムの巻き戻し処理
を実行する(S0015 、S0017 )。裏蓋スイッチ213の
状態が変化したとき、つまり、裏蓋が閉じられたとき、
または裏蓋が開放されたときには、フィルカウンタをク
リア、またはフィルムのローディング処理などの裏蓋関
係処理を実行する(S0019 、S0021 )。電源スイッチ2
12がオフ状態からオンに変化したときは、電源をオン
し、レンズ繰り出し処理を実行する。なお、CPU21
0は、電源スイッチ212がオンされるごとに、電源が
オフ状態のときは電源をオンし、電源がオン状態のとき
は電源をオフする。
【0081】電源がオン状態になると、S0023 からS002
9 に進み、さらにS0029 からS0053処理を実行する。S00
29 からS0053 の処理では、電源スイッチ212がオフ
からオンに変化したか、テレスイッチ62Tがオンして
いるか、ワイドスイッチ62Wがオンしているか、ドラ
イブスイッチがオフからオンに変化したか、モードスイ
ッチがオフからオンに変化したか、測光スイッチSWS
がオフからオンに変化したか、充電要求フラグがセット
されているかどうかをチェックする。
【0082】電源スイッチ212がオフからオンに変化
したときは、電源をオフするので、レンズ収納処理をコ
ールする(S0029 、S0031 )。レンズ収納処理は、レン
ズ鏡筒を収納位置まで繰り込む処理である。テレスイッ
チ62Tがオンしたときは、ズームテレ移動処理をコー
ルする(S0033 、S0035 )。ズームテレ移動処理は、全
体移動モータ25をレンズ繰り出し方向に駆動する処理
である。ワイドスイッチ62Wがオンしたときは、ズー
ムワイド移動処理をコールする(S0037 、S0039 )。ズ
ームワイド移動処理は、全体移動モータ25をレンズ繰
り込み方向に駆動する処理である。ドライブスイッチが
オフからオンに変化したときは、ドライブ設定処理を実
行する(S0041 、S0043 )。ドライブ設定処理は、詳細
は図示しないが、例えば、ドライブモードをいわゆるコ
マ撮りモード、連写モード、多重露光モード、セルフタ
イマーモードなどの中から選択する処理である。
【0083】モードスイッチがオフからオンに変化した
ときには、モード設定処理を実行する(S0045 、S0047
)。このモード設定処理は、詳細は図示しないが、例
えば、露出モードを、ストロボオート発光モード、スト
ロボ強制発光モード、ストロボ発光禁止モード、赤目防
止(プリ発光)モード、スローシャッターモード、バル
ブモードの中から選択するモードである。測光スイッチ
SWSがオフからオンすると、撮影処理をコールして撮
影処理を実行する(S0049 、S0051 )。さらに、充電要
求フラグがセットされているときには、メイン充電処理
をコールして、ストロボ回路231の充電処理を実行す
る(S0053 、S0055 )。
【0084】電源がオフ状態のときには、以上のS0003
〜S0055 の処理を繰り返して、撮影者の操作に応じた処
理を実行し、操作されない間は撮影可能な状態を維持し
て待機している。
【0085】『リセット処理』図30には、S001のリセ
ット処理のフローチャートを示してある。このリセット
処理は、CPU210の各ポートなどのハードの初期
化、RAMの初期化、テスト関数呼び出し、調整データ
の読み込み、シャッタの初期化、AFレンズの初期化、
およびレンズ収納処理を行う処理である。
【0086】リセット処理に入ると、まず、CPU21
0の各ポートのレベルを初期化するハード初期化および
CPU210の内部RAMをクリアするRAM初期化を
行う(S1101 、S1103 )。
【0087】テスト関数呼び出し処理(S1105 )は、カ
メラ組立時、あるいは組み立て後に、カメラの諸機能を
外部測定器(例えばコンピュータ)によってテストする
処理である。本実施の形態のテスト関数呼び出し処理
は、テストしたい処理に関するコマンドを外部測定機器
が出力するが、実際の処理はCPU210が行うことに
特徴を有する。
【0088】調整データ読み込み処理では、調整データ
を、EEPROM230から読み込む(S1107)。調整データに
は、露出補正値、ピント補正値、絞り調整済みのデータ
が含まれる。露出補正値は、例えば設計絞り値と実際の
絞り値との誤差、レンズの透過率の相違を補正する値で
あって、カメラ出荷前に個別に書き込まれる。絞り調整
済みデータとは、AEモータ29を駆動してAEエンコ
ーダで検出したAEパルス数に対して、シャッタ羽根の
設計開放量と実際の開放量との差を補正したかどうかを
識別するデータである。補正してある場合は、絞り補正
値が調整データの一つとしてEEPROM230に書き込まれ
ている。
【0089】シャッタ初期化処理では、シャッタ羽根2
7aを完全に閉じるシャッタ初期化処理を行う(S1107
)。本実施の形態では、シャッタ羽根27aの開閉を
AEモータ29で行っているので、シャッタが開いた状
態で電池が抜かれ、シャッタが開いた状態で電池が装填
されることがある。そこで、AEモータ29をシャッタ
閉方向に駆動してシャッタ羽根27aを閉じて、シャッ
タ羽根27aが初期位置ストッパ(不図示)に当接した
閉状態にする。
【0090】AFレンズ初期化処理では、後群レンズL
2を最も繰り出した初期位置まで移動させる。本実施の
形態では、後群移動モータ30を起動して後群レンズL
2を最も前進させて前群レンズL1に接近させた初期位
置まで移動させる。
【0091】そして、エラーフラグがセットされている
かどうかをチェックして、エラーフラグがセットされて
いたら何もせずにリターンし、セットされていなければ
レンズ収納処理を実行してリターンする(S1111 、S111
3 )。レンズ収納処理は、全体移動モータ25によって
レンズ鏡筒をカメラボディ201内の収納位置まで後退
させ、バリヤ羽根48a、48bを閉じる処理である。
通常の使用状態ではエラーフラグがクリアされているの
で、レンズ収納処理を実行する。エラーフラグに1がセ
ットされているときは、AF初期化処理において、後群
レンズL2が初期位置(AFホーム位置)にある保証が
なく、そのままレンズ収納を行うと、後群レンズL2が
アパーチャ板14に衝突する虞れがあるため、レンズ収
納をストップさせる。
【0092】『AFレンズ初期化処理』図31は、AF
レンズ初期化処理に関するフローチャートである。AF
レンズ初期化処理は、レンズが収納状態にあるときに
は、全体移動モータ25を正転させて、後群移動モータ
30を不図示のバリヤ駆動ギヤ機構に接続し、全体移動
モータ25によって前群レンズL1および後群レンズL
2を一体にワイド位置まで繰り出し、さらに後群移動モ
ータ30を駆動して後群レンズL2を最も前群レンズL
1に接近したAFホーム位置まで移動する処理である。
レンズが収納位置以外にあるときには、全体移動モータ
25を正転駆動し、いずれかのズームコードを検知した
ら、後群移動モータ30を起動して後群レンズL2を最
も前群レンズL1に接近したAFホーム位置まで移動さ
せる処理である。ただし、後群移動モータ30は、収納
位置ではバリヤ駆動ギヤ機構に接続され、収納位置以外
では後群レンズ駆動ギヤ機構に連結されるため、後群レ
ンズL2を駆動するときは、全体移動モータ25を駆動
して前群レンズL1、後群レンズL2を収納位置以外に
(ワイド端またはワイド端よりも)繰り出しておく必要
がある。
【0093】AFレンズ初期化処理に入ると、まず、全
体移動モータ25を正転(レンズ繰り出し方向回転)駆
動する(S1201 )。レンズが収納状態にあった場合は、
これにより、バリヤ駆動機構がバリヤ駆動ギヤから離脱
し、レンズ駆動ギヤに噛み合い、以降、後群レンズL2
の駆動が可能な状態になる。
【0094】CPU210は、ズームコード入力回路2
19から入力した電圧をA/D変換してそのディジタル
値をズームコードに変換し、変換したズームコードをチ
ェックして、2〜6のいずれかであれば、直ちに全体移
動モータ25をストップさせる(S1203 、S1205 、S120
7 )。本実施の形態では、ズームコード1が収納位置、
2がワイド端位置、6がテレ端位置、3、4、5が中間
ズーム領域を、0がOFF コードを識別している。S1201
〜S1207 の処理は、ズームコード2〜6のいずれかを検
知する位置までレンズ鏡筒16、19、20を繰り出す
処理である。
【0095】全体移動モータ25を停止させたら、AF
パルス確認処理を実行して後群レンズL2をAFホーム
位置に移動させる(S1209 )。AFパルス確認処理は、
後群移動モータ30を正転駆動および逆転駆動して、カ
ム溝とカムフォロワピンなど、機械的構成部品のいわゆ
る食い付きを外すことに特徴を有する。後群レンズL2
をAFホーム位置に移動させたら、リターンする。
【0096】『レンズ収納処理』図32、33はレンズ
収納処理のフローチャートである。レンズ収納処理は、
レンズ(前群レンズL1および後群レンズL2)を収納
位置に戻す処理で、後群駆動モータ30によって後群レ
ンズL2をAFホーム位置まで戻すと共に、全体移動モ
ータ25によってレンズ(前群レンズL1および後群レ
ンズL2)を収納位置まで後退させ、レンズバリアを閉
じる処理である。
【0097】レンズ収納処理が呼び出されると、全体移
動モータ25を正転方向(テレズーム方向)に駆動する
(S1301 )。現ズームコード(レンズ収納処理が呼び出
された時点でのレンズ位置に対応するズームコード)を
検知するまでズームコード入力処理を実行し(S1303
)、ズームコードを検知すると(YES:S1305 )、全体
移動モータ25の駆動を停止する(S1307 )。次に、後
群レンズL2がAFホーム位置にあるかどうかを判定す
る(S1309 )。後群レンズL2がAFホーム位置になけ
れば(NO:S1309)、AFリターン処理を実行して後群レ
ンズをAFホーム位置まで移動する。
【0098】後群レンズがAFホーム位置に位置してい
ない状態(すなわち、後群レンズL2がフィルム側に突
出した状態)でレンズ収納動作を行うとレンズが収納位
置に到達する前に後群レンズL2がカメラ本体のアパチ
ャー板14に当接してしまうおそれがある。これを避け
るために、上記の処理において、レンズを収納する前に
(すなわち全体移動モータ25を逆転駆動する前に)後
群レンズL2をAFホーム位置に戻している。
【0099】ここで、レンズ収納処理が呼び出された時
点で、レンズがワイド端に位置していた場合、後群移動
モータ30が、後群レンズL2の移動機構ではなくバリ
ア開閉機構に接続されている場合がある。もしも後群移
動モータ30がバリア開閉機構に接続されており、しか
も後群レンズL2がホーム位置から繰り出した状態にあ
ると、後群移動モータ30を駆動しても後群レンズL2
がAFホーム位置まで移動しないことになる。
【0100】S1301 〜S1307 の処理では、レンズをテレ
側に駆動して一旦ワイド端を越えた位置まで移動させる
ことにより、S1307 の後では必ず後群移動モータ30が
後群レンズL2の駆動機構に接続されるようにしている
(図22参照)。従って、S1309 で後群レンズL2がホ
ーム位置にないと判断された場合、S1311 おけるAFリ
ターン処理で後群移動モータ30を駆動することによ
り、後群レンズL2を確実に移動させることができる。
【0101】なお、S1309 において、後群レンズL2が
AFホーム位置にあると判定されれば、CPU210
は、AFリターン処理をスキップしてS1311 から始まる
収納のための動作へ処理を進める。
【0102】つぎに、全体移動モータ25を逆転させ
て、レンズのワイド端へ向けての移動を開始させ(S131
1 )、2秒タイマをスタートする(S1313 )。以下、S1
315 からS1329 において、2秒タイマがタイムアップし
ないうちは、レンズの移動に伴って変化するズームコー
ドを入力して、ワイド端に達するのを検知する。
【0103】S1315 では、CPU210はタイマがタイ
ムアップしたかどうかを判定する。タイムアップしてい
なければ、ズームコード入力処理を呼び出し(S1321
)、ズームコードを入力する。ズームコードが変化し
たかどうかをS1323 で判定し、ズームコードが変化して
いれば、2秒タイマをリセットする。S1323 においてズ
ームコードが変化していないと判定されれば、レンズが
収納位置に達したかどうかをS1327 において判定する。
収納位置に達していない場合にはワイド端に達したかど
うかを判定する(S1329 )。収納コードもワイドコード
も検知されない場合には、CPU210はS1315 からの
処理を繰り返す。
【0104】上記の処理を繰り返すうちに、タイムアッ
プすると、CPU210は、全体移動モータ25を停止
し(S1317 )、エラーフラグにエラー発生を示す1をセ
ットして、レンズ収納処理を終了し、本サブルーチンが
コールされた位置へ戻る。ここでタイムアップする場合
というのは、2秒の間にズームコードの変化が検知され
なかった場合であり、レンズの移動が止まっている場合
である。
【0105】上記処理中にワイドコードが検出されると
(YES:S1329 )、次に4秒タイマをセットして(S1331
)、カウンタをクリアし(カウンタに0をセット
し)、4秒タイマがタイムアップするまでS1337 からS1
361 の処理を繰り返す。ここでは、全体移動モータ25
が連続して駆動している状態(レンズがワイド端を通過
してさらに収納位置に向かっている状態)で、後群移動
モータ30を間欠的に駆動する処理を行っている。
【0106】本実施形態のカメラ1においては、前述の
ように、後群移動モータ30により後群レンズ30の移
動とバリアの開閉とを行っている。レンズがワイド端よ
りテレ側に位置している時には後群移動モータ30は後
群レンズL2の駆動機構に接続され、バリア開閉機構と
は接続されていないが、レンズ収納時にレンズがワイド
端より収納位置側に位置すると、後群移動モータ30が
バリア開閉機構に接続されるよう、バリア/レンズ切り
替えギア機構を切り替える必要がある。
【0107】ギアの切換はレンズの移動に対応してカム
機構により行われる様になっているが、この時、バリア
/レンズ切り替えギア機構がバリア駆動ギアの歯と確実
に係合するよう、レンズがワイド端から収納位置に向か
って移動している間(すなわち、全体移動モータ25の
逆転が開始されるS1311 以降)、間欠的に後群移動モー
タ30を駆動するようにしている。
【0108】S1337 において、4秒タイマがタイムアッ
プしたかどうかが判定される。異常が発生しない限りタ
イムアップする事は無く、通常はS1337 ではNと判定さ
れる。S1345 では1ms待った後、カウンタをインクリメ
ントして(S1347 )、カウンタの値が100に達したか
どうかをS1349 で判定する。カウンタの値が100未満
の時にはS1349 においてNと判定し、次にS1351 におい
てカウンタが80に達したかどうかを判定する。
【0109】ここでカウンタの値が80未満であれば
(N:S1351 )、ズームコード入力処理を呼び出してズー
ムコードを入力し、収納コードが検出されなければ、S1
337 に戻って処理を繰り返す。S1351 において、カウン
タの値が80に達した場合には後群移動モータ30の逆
転駆動を行う(S1353 )。またカウンタの値が100に
達した場合には、カウンタをリセットし(カウンタに0
をセットし)、後群移動モータ30を停止する(S1355
、S1357 )。
【0110】ここで、S1345 において1msの待ち時間を
設けているため、上記の処理は100msを周期として、
繰り返される。従って、カウンタの値が0から80未満
であれば(ワイド端コードが検出されてから80msに達
するまで)、全体移動モータ25のみが駆動され、カウ
ンタの値が80以上100未満(ワイド端コードが検出
されてから80ms以上100ms未満)であれば全体移動
モータ25と後群移動モータ30の両方が駆動され、カ
ウンタの値が100になると(100msに達すると)、
後群移動モータ30の駆動は停止され、全体移動モータ
25のみが駆動され続ける。以上の処理が繰り返される
ため、全体移動モータ25が駆動されている間、100
ms毎に20msだけ後群移動モータ30が駆動されること
になる。
【0111】なお、4秒タイマがタイムアップするまで
に収納コードが検知されない場合には、S1337 でタイム
アップと判定される。4秒間のうちに収納コードが検知
されないのは、何らかの理由でレンズの移動が妨げられ
ている場合であり、後群移動モータ30および全体移動
モータ25を停止し(S1339 、S1341 )、エラーフラグ
にエラー発生を示す1をセットして処理を終了する。
【0112】上記の処理中に、収納コードが検知される
と、CPU210は、後群移動モータ30を停止し(S1
363 )、さらに全体移動モータ25を停止して(S1365
)、バリア閉処理を呼び出してバリアを閉じた後、レ
ンズ収納処理を終了する。なお、バリア閉処理は、後群
移動モータ30によりレンズバリアを閉じる処理であ
る。
【0113】『レンズ繰り出し処理』図34はレンズ繰
り出し処理のフローチャートである。レンズ繰り出し処
理は、カメラが待機状態から電源オン状態(作動状態)
になった時にレンズバリアを開き、レンズ(前群レンズ
L1および後群レンズL2)を収納位置からワイド端ま
で繰り出す処理である。
【0114】レンズ繰り出し処理が呼び出されると、ま
ずバリア開処理をコールし(S1403、後群移動モータ3
0を駆動してバリアを開く。バリア開処理において、A
F基準パルス入力回路222からパルスが出力されない
と(すなわち、後群移動モータ30が回転しないと)、
エラーフラグに1がセットされる。
【0115】S1403 においては、バリア開処理において
セットされるエラーフラグが1かどうかを判定する。エ
ラーフラグが1となるのはバリアを開く処理が正常終了
しなかった場合であり、この時には、S1405 以降のレン
ズ繰り出しの処理を行わず(N:S1403 )リターンする。
エラーフラグが0となるのは、正常にバリア開処理が実
行された場合であり、この場合には、次に全体移動モー
タ25を正転して後群レンズL2および前群レンズL1
のテレ方向への駆動を開始する(S1405 )。
【0116】CPU210は、全体移動モータ25の駆
動開始とともに、4秒タイマをスタートし(S1407 )、
タイマのタイムアップまでにワイド端コードが検知され
るかどうか(レンズがワイド端に達するかどうか)をモ
ニタする。
【0117】CPU210は、まず、S1409 にてタイマ
がタイムアップしたかどうかを判定する。通常は、レン
ズ繰り出しを開始してから4秒以内にレンズはワイド端
に達するため、S1409 の判定はNOとなる。次に、ズー
ムコード入力処理をコールして(S1415 )、入力された
コード(レンズ位置に対応したズームコード)がテレ端
コードかどうかを判定し(S1417 )、テレ端コードでな
ければワイド端コードかどうかを判定する(S1419 )。
【0118】レンズは収納位置からテレ端まで4秒以内
に移動する。従って、4秒タイマがタイムアップする前
にテレ端コードもワイド端コードも検知されないのは、
例えばレンズの移動が妨げられている場合である。この
ため、レンズ移動中にタイムアップと判定されると(Y:
S1409 )、全体移動モータ25の駆動を停止し(S1411
)、エラーフラグに、エラーが発生したことを示す1
をセットして(S1413 )、レンズ繰り出し処理を終了す
る。
【0119】通常の繰り出し処理においては、レンズが
繰り出されるとまずワイド端コードが検知される。ワイ
ド端コードが検知されると(S1419 )、レンズ位置を示
す指標であるズームステップにワイド位置に対応した値
0をセットする(S1423 )。その後、レンズ停止のため
の処理を行う(S1425 以降)。
【0120】もしも、ワイド端コードが検知されないま
まにレンズの繰り出しが継続すると、レンズは移動可能
な領域の端部に到達してもはや移動できない状態とな
る。本実施形態のカメラ1においては、レンズ繰り出し
処理の時に、もしもワイド端が検知されないままにレン
ズが移動し続けた場合でも、テレ端コードが検知されれ
ば(S1417 )レンズの移動を停止する(S1425 以降の処
理)ようにしている。なお、レンズがテレ端に達したと
きには、ズームステップにテレ端位置に対応した値であ
る13をセットし(S1421 )ている。このため、レンズ
繰り出し処理において、テレ端までレンズが移動した場
合でもズームステップはレンズ位置に対応した正しい値
がセットされる。
【0121】以上のようにして、レンズが繰り出され、
ズームステップがレンズ位置に対応してセットされた
後、S1425 からS1435 において、レンズを停止させるた
めの処理が行われる。本実施の形態のカメラにおいて
は、レンズ位置を得るためにズームコードを検知してズ
ームステップをセットしているが、レンズ停止時には常
にズームコード検出のためのブラシ9aがズームコード
より所定量だけワイド端側に位置した状態(待機位置)
で停止するようになっている。そして、ズーミングある
いはフォーカシングのためにレンズを移動させる場合に
は、移動方向がワイド端側かテレ端側かにかかわらず、
一旦レンズをテレ側に移動させてズームコード検出用の
ブラシ9aをズームコードに接触させてCPU210に
ズームコードを入力し、CPU210はズームコードが
入力された位置を基準にしてズームレンズの移動量を制
御している。
【0122】S1425 においては、ズームパルスカウンタ
に所定値の第1ズームパルスZP1 をセットし、ズームド
ライブ処理をコールする(図21参照)。ズームドライ
ブ処理は、全体移動モータ25を正転駆動して(レンズ
がテレ側に進む方向に駆動して)、全体移動モータ25
の回転に同期してズームパルス入力回路220がCPU
210に出力するパルス数とズームパルスカウンタにセ
ットされたカウント値とが一致するまで全体移動モータ
25を駆動することにより、ズームコードを検出する端
子がズームコードを検出した位置よりさらに所定量だけ
ワイド側にレンズを進めてレンズを停止する。
【0123】なお、S1425 でズームパルスカウンタにセ
ットされる第1ズームパルスZP1 としては、ズームドラ
イブ処理によりレンズが移動された時、ズームコード検
出用のブラシがズームコードを越え、確実にテレ側の非
導通部分に位置する値が用いられる。また、この第1ズ
ームパルスZP1 は、次の条件を満たす値でもある。本カ
メラにおいては、レンズの移動に連動してファインダー
光学系の倍率が変化するようになっている。第1ズーム
パルスZP1 は、たとえこのパルス数に対応する量だけレ
ンズが移動してもファインダーの倍率に影響を与えない
ように定められている。尚、本実施の形態においては、
シャッタボタンを押すとレンズが移動するが、そのとき
のレンズの移動量に対応したズームパルスは上記第1ズ
ームパルスZP1 を越えない値に設定されている。
【0124】レンズがズームパルスZP1 に対応する量だ
け移動された後、後群レンズL2がAFホーム位置に位
置しているかどうかを判定し(S1429 )、後群レンズL
2がAFホーム位置にない時(AFホーム位置より繰出
しているとき)には(N:S1431 )、AFリターン処理を
コールして後群レンズL2をAFホーム位置に移動させ
る(S1431 )。こうして後群レンズL2をAFホーム位
置に位置させた状態で、AF2段繰り出し処理(S1433
)およびズームリターン処理(S1435 )を実行してリ
ターンする。
【0125】AF2段繰り出し処理は、後群レンズL2
をAFホーム位置より所定量繰り出すための処理であ
る。本カメラにおいては、ズーミング時に前群レンズL
1および後群レンズL2が同時に移動した後、撮影時
(シャッターボタン半押し時)に、合焦および焦点距離
の調整のために、全体移動モータ25による前群レンズ
L1と後群レンズL2の移動に加えて後群移動モータ3
0による後群レンズL2のみの移動も行われる。
【0126】撮影時の後群レンズL2の移動量はレンズ
がワイド端側にある時には比較的大きいため、レンズが
ワイド側にある時には、シャッターボタンを操作してか
ら実際に露光が行われるまでの時間差であるレリーズタ
イムラグが比較的長くなる。このレリーズタイムラグを
短くするために、本カメラにおいては、比較的後群レン
ズL2の移動量が大きいワイド側にレンズが位置してい
る時にはあらかじめ後群レンズL2を所定量繰り出して
おくようにしている。AF2段繰り出し処理は、このた
めの処理で、レンズ位置がワイド側の時に限り、後群レ
ンズL2を所定量だけ繰り出す処理である。なお、本実
施の形態においてはレンズがワイド側か否かをズームス
テップが4より小さいか否かにより判定している(後
述)。
【0127】『ズームテレ移動処理』図35は、ズーム
テレ処理に関するフローチャートである。ズームテレ処
理時における前群レンズL1および後群レンズL2の位
置と、ズームコード板13bとの関係を示した図22を
参照して説明する。ズームテレ移動処理は、レンズ鏡筒
16、19、20が突出する方向(焦点距離が長くなる
方向)に全体移動モータ25を駆動する処理、つまり前
群レンズL1および後群レンズL2を互いの空気間隔を
変えることなく一体に前進させる処理である。
【0128】このズームテレ移動処理では、全体モータ
25を正転駆動して現在のレンズ位置に対応するズーム
コードを検知し、全体移動モータ25を停止するとき
は、ズームコードがオンしたときを基準にしてさらに、
所定数の第1ズームパルス数ZP1 分全体移動モータ25
を正転駆動してレンズを前進させた後(ズームコードが
オフしてから)逆転駆動し、再び先のズームコードがオ
ン/オフしたときを基準にしてさらにズームパルス数ZP
2 分逆転駆動した後、バックラッシュ取りズームパルス
数ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止
させる。このズームテレ移動処理によってズームレンズ
は、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態
で、ズームコードの間に停止する。
【0129】さらに本実施の形態では、全体移動モータ
25を停止するときのズームステップが4以下のときに
は、後群レンズL2を所定AFパルス数(AP1)分後
退させる。本実施の形態では、ワイド(ワイド端)から
テレ(テレ端)までの焦点距離を14分割して、ワイド
端をズームステップ0、テレ端をズームステップ13と
し、その間の焦点距離にズームステップ1から12を付
して、現在のレンズ位置を管理している。
【0130】ズームテレ移動処理に入ると、まず、レン
ズがテレ位置(テレ端位置)にあるかどうかをチェック
し、レンズがテレ位置にあればテレズーミングの必要が
ないのでそのままリターンする(S1501 )。レンズがテ
レ位置になければ、全体移動モータ25を正転方向(テ
レズーム方向)に駆動し、ズームコード入力処理を実行
して、ズームステップに対応した現ズームコードを検知
するのを待つ(S1501 、S1503 、S1505 、S1507 )。ズ
ームステップに対応した現ズームコードを検知したら、
全体移動モータ25が一定時間(2秒)回転できなかっ
た状態を検知する2秒タイマーをスタートさせる(S150
7 、S1509 )。
【0131】2秒タイマーをスタートさせたら、タイム
アップしたかどうかをチェックするが、通常動作時はタ
イムアップしないので、ズームコード入力処理を実行す
る(S1511 、S1513 )。そして、ズームコードが変化し
たかどうかをチェックし、ズームコードが変化していな
ければそのままテレコード検知チェックを行い、変化し
たら2秒タイマーを再スタートさせてからテレコード検
知チェックを行う(S1515 、S1519 またはS1515 、S151
7 、S1519 )。
【0132】全体移動モータ25を駆動しているのに所
定時間経過してもズームコードが変化しないときは、レ
ンズ鏡筒が何かに触れている場合など、何らかの異常状
態が予想される。そこで、2秒タイマーをスタートさせ
た後、ズームコードの変化がなく2秒経過して2秒タイ
マーがタイムアップしたら全体移動モータ25を停止さ
せて、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S1
511 、S1537 、S1539。
【0133】テレ端コードを検知していなけば、次のズ
ームコードを検知したかどうかを判断し、検知していな
ければS1511 に戻って、S1511 〜S1519 の処理を繰り返
し、次のズームコードを検知したら、ズームステップを
1インクリメントしてテレスイッチ62Tがオンしてい
ることを条件に、S1511 に戻って以上の処理を繰り返
し、テレスイッチ62TがオフしていたらS1525 に抜け
る。つまり、この処理に一旦入ると、1ズームステップ
分ズームしないうちにズームスイッチ62Tがオフされ
ても、1ズームステップ分はテレズームする。
【0134】レンズがテレ端に達するか、テレスイッチ
62TがオフされるとS1529 に抜ける(S1525 、S1529
またはS1519 、S1527 、S1529)。テレ端に達して抜ける
ときは、ズームステップに13をセットとする(S1527
)。
【0135】S1529 では、ズームパルスカウンタに所定
値の第1ズームパルス数ZP1 をセットする。そして、ズ
ームドライブ処理、AF2段繰り出し処理およびズーム
リターン処理を実行してリターンする(S1529 、S1531
、S1533 、S1535 )。
【0136】ズームドライブ処理では、ズームパルスカ
ウンタの値(第1ズームパルス数ZP1 )分、全体移動モ
ータ25を正転方向(レンズ繰り出し方向)に駆動す
る。AF2段繰り出し処理では、全体移動モータ25を
停止するときのズームステップが4以下のときには、後
群レンズL2をAFホーム位置から所定AFパルス数
(AP1)分後退させる。ズームコードがオン/オフし
たときを基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆転駆
動した後、バックラッシュ取り第3ズームパルス数ZP3
分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止させ
る。このズームテレ移動処理によってズームレンズは、
前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、
ズームコードの間に停止する。
【0137】ズームリターン処理は、全体移動モータ2
5を逆転駆動し、ズームコードがオン/オフしたときを
基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆転駆動した
後、バックラッシュ取りズームパルス数ZP3 分正転駆動
してから、全体移動モータ25を停止させて、前群レン
ズL1及び後群レンズL2を、ズームコード間の待機位
置で止める処理である。
【0138】『ズームワイド移動処理』図36は、ズー
ムワイド処理に関するフローチャートである。ズームワ
イド処理時における前群レンズL1および後群レンズL
2の位置と、ズームコード板13bとの関係を示した図
22を参照して説明する。ズームワイド移動処理は、レ
ンズ鏡筒16、19、20を引き込む方向(焦点距離が
短くなる方向)に全体移動モータ25を駆動する処理、
つまり、前群レンズL1および後群レンズL2を互いの
空気間隔を変えることなく一体に後退させる処理であ
る。ズームワイド移動処理では、まず全体移動モータ2
5を正転駆動して現在のズームステップに対応するズー
ムコードを検知したときを基準に第1ズームパルス数ZP
1 分さらに正転駆動してから逆転駆動する。そして全体
移動モータ25を停止するときは、ズーム中間領域にお
いては、ズームコードがオン/オフしたときを基準にし
て第2ズームパルス数ZP2 分さらに逆転駆動し、その後
バックラッシュ取りパルスPZ3正転駆動してから停止さ
せる。このズームワイド移動処理によってレンズは、前
進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、ズ
ームコードの間に停止する。
【0139】さらに本実施の形態では、全体移動モータ
25を停止するときのズームステップが4以下のときに
は、後群レンズL2をAFホーム位置から所定AFパル
ス数(AP1)分後退させる。ズームコードがオン/オ
フしたときを基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆
転駆動した後、バックラッシュ取り第3ズームパルス数
ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止さ
せる。このズームテレ移動処理によってズームレンズ
は、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態
で、ズームコードの間に停止する。
【0140】ズームワイド移動処理に入ると、まず、レ
ンズがワイド位置(ワイド端位置)にあるかどうかをチ
ェックし、レンズがワイド位置にあればズーミングの必
要がないのでそのままリターンする(S1601 )。
【0141】レンズがワイド位置になければ、レンズが
押し込まれたときにバックラッシュ分により次のズーム
コードを越えてしまっている虞れがあるので、全体移動
モータ25を正転方向(テレズーム方向)に駆動し、ズ
ームコード入力処理を実行して現ズームステップに対応
するズームコードを検知するのを待つ(S1601 、S1603
、S1605 、S1607 )。現ズームコードを検知したら、
全体移動モータ25を停止してから逆転させ、2秒タイ
マーをスタートさせる(S1607 、S1609 、S1611S1613
)。
【0142】2秒タイマーをスタートさせたら、タイム
アップしたかどうかを検知し、通常はタイムアップしな
いので、ズームコード入力処理を実行する(S1615 、S1
617。そして、ズームコードが変化したかどうかをチェ
ックし、ズームコードが変化していれば2秒タイマーを
再スタートしてから、ズームコードが変化していなけら
ばなにもせずに収納コードを検知したかどうかチェック
する(S1619 、S1621S1623 、またはS1619 、S1623)。
収納コードを検知していなければワイド端コードを検知
したかどうかチェックし、ワイド端コードも検知してい
なければ次のズームコードを検知したかどうかをチェッ
クする(S1623 、S1625 、S1627 )。次のズームコード
を検知していなければS1615 に戻って次のズームコード
を検知するまでS1615 からS1627 の処理を繰り返す。
【0143】次のズームコードを検知したら、ズームス
テップを1デクリメントし、ワイドスイッチ62Wがオ
ンしているときはS1615 に戻って以上のS1615 からS163
1 の処理を繰り返す。そして、ワイド端コードを検知す
るか、ワイドスイッチ62WがオフしたらS1643 に抜け
てズームリターン処理をコールする(S1625 、S1633S16
35 、S1637 、または、S1631 、S1635 、S1637 )。な
お、ワイド端コードを検知して抜けるときは、ズームス
テップを0にする(S1633 )。
【0144】S1635 のズームリターン処理では、前群レ
ンズL1及び後群レンズL2を、撮影処理におけるレン
ズドライブ処理で移動する前の待機位置に戻す。
【0145】S1637 のAF2段繰り出し処理では、現ズ
ームステップに応じて、後群レンズL2をAFホーム位
置またはAFホーム位置からAFパルスAP1分後退さ
せる。
【0146】以上は通常の動作であるが、レンズ鏡筒が
強制的に押し込まれた場合など、S1623 で収納コードを
検知したことをチェックすると、全体移動モータ25を
停止し、レンズ繰り出し処理を実行してリターンする
(S1623 、S1639 、S1641 )。また、レンズ鏡筒が押さ
えられて移動できなかった場合など、2秒タイマーがタ
イムアップしたときには、全体移動モータ25を停止
し、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S161
5、S1645 、S1647 )。
【0147】なお、本ズームワイド移動処理では、現ズ
ームコードを検知し、さらに次のズームコードを検知し
てからワイドスイッチチェックを行うので、一旦このズ
ームワイド移動処理に入ると、1ズームステップ分ズー
ムしないうちにワイドスイッチ62Wがオフされても、
1ズームステップ分はワイドズームする。
【0148】『撮影処理』図37には、撮影処理に関す
るフローチャートである。本実施の形態の撮影処理は、
測光スイッチSWSがオンされたときにコールされ、ま
ず、前群レンズL1が待機位置にあることを確認し、レ
リーズスイッチSWRがオンされてから、前群レンズL
1および後群レンズL2を、設定された焦点距離で測距
した被写体に合焦する位置まで移動させることに特徴の
一つを有する。
【0149】撮影処理に入ると、まず、ズーム待機確認
処理を実行して前群レンズL1を現焦点距離に対応する
待機位置に移動させる(S1701 )。
【0150】そして、測距処理を実行して撮影距離を求
め、測光処理を実行して被写体輝度を求め、AE演算処
理を実行してシャッタ速度および絞り値、ストロボ発光
の要不要を求める(S1703 、S1705 、S1707 )。ストロ
ボ発光要の場合とは、自動ストロボ発光モードで被写体
輝度がストロボ発光レベルになったとき、ストロボ強制
発光モードが設定されている場合などである。そして、
ストロボ発光が必要がどうかをチェックし、必要である
と判断したときは、撮影充電処理を実行し、撮影充電処
理において測光スイッチSWSがオフされた場合や、充
電タイマがタイムアップしたときにはリターンし、十分
な充電が完了したときなときは、フラッシュマチック演
算処理を実行してからS1717 に進む(S1709 、S1711 、
S1713 、S1715 、S1717 )。ストロボ発光不要の場合
は、S1711 〜S1715 をスキップしてS1717 に進む。
【0151】S1717 は測光スイッチSWSチェックで、
測光スイッチSWSがオフしていたらリターンする。測
光スイッチSWSがオンしていたら、測光スイッチSW
Sがオンしている間、レリーズスイッチSWRオンする
のを待つ(S1717 、S1719 )。
【0152】レリーズスイッチSWRがオンすると、セ
ルフモードで無い場合はそのままレンズドライブ演算処
理を実行し、セルフモードの場合は所定時間待つセルフ
ウエイト処理を実行してからレンズドライブ演算処理を
実行する(S1721 、S1725 またはS1721 、S1723 、S172
5 )。
【0153】レンズドライブ演算処理では、測距結果
と、現在の書打て距離より、ズームコードのオフ/オン
の変化点を基準とした前群レンズL1の移動量(ズーム
パルス数)と、AFホーム信号の変化点(AFホーム位
置)を基準とした後群レンズL2の移動量(AFパルス
数)を演算する。
【0154】そして、レンズドライブ演算処理で算出し
た前群レンズL1移動量及び後群レンズL2移動量に基
づいて、レンズドライブ処理を実行する(S1725 、S172
7 )。このレンズドライブ処理では、前群レンズL1の
駆動に並行して、後群レンズL2が駆動され、被写体に
合焦するよう制御される。
【0155】レンズ移動が終了したら、シャッタが切れ
ることを撮影者に知らせるために、緑ランプ228を点
灯(に通電)してから露出処理を実行する(S1729 、S1
731。緑ランプ228は、僅かな時間だけ発光して消え
る。
【0156】露出処理が終了したら、S1727 で移動する
前のレンズ位置まで前群レンズL1及び後群レンズL2
を復帰させるレンズリターン処理を実行する(S1733
)。
【0157】そして、フィルム巻き上げ処理を実行し、
フィルムが終端でなければそのままリターンし、フィル
ム終端を検知したら巻き戻し処理を実行してリターンす
る(S1735 、S1737 、S1739 )。
【0158】『メイン充電処理』図38は、メイン充電
処理のフローチャートである。メイン充電処理は、図2
9に示すメインフローにおいて充電要求フラグ=1の時
にコール(実行)される、メイン処理中で呼び出される
充電処理である。
【0159】CPU210は、S1801 において充電禁止
タイマが0になっているかどうかを判定する。充電禁止
タイマは充電を禁止する時間がセットされるタイマで、
ストロボ回路231の発光用コンデンサ530がフル充
電されると3秒の充電禁止時間がセットされる。充電禁
止タイマがタイムアップしていなければ(N:S1801 )、
充電要求フラグに0をセットし(S1803 )、処理を終了
する。すなわち充電禁止タイマが3秒の充電禁止時間を
カウント中は、CPU210は充電電圧をチェックする
ことなく無条件に充電を禁止する。ストロボ回路231
の端子CHENをLレベルにすることにより充電を中断
(禁止)する事ができる。
【0160】充電禁止タイマがタイムアップしていると
(Y:S1805 )、CPU210は、充電中断フラグが1か
どうかを判定する(S1805 )。充電中断フラグは、後述
するが、充電処理を途中で中断した場合に1がセットさ
れる。本メイン充電処理及び後述する撮影充電処理にお
いて、充電電圧が所定値に達するか、あるいは充電時間
が所定時間(本カメラにおいては8秒)に達した場合に
充電処理が正常終了したものとしている。もしも充電中
に、他のスイッチの操作などにより充電が中断された場
合には、上記所定時間(8秒)から中断前に充電に費や
した時間を差し引いた残り時間をメモリに格納してお
き、充電が再会された場合にはその残り時間の間に充電
電圧が所定値に達するかどうかを判定するようにしてい
る。
【0161】このため、充電中断フラグに1がセットさ
れていた場合には、充電中断フラグをクリアし(0をセ
ットし)、メモリに格納されている残り時間を充電タイ
マにセットして充電処理を行う。充電中断フラグが1で
は無いとき、すなわち充電処理が中断されていなかった
場合には(N:S1805 )、充電タイマに所定の充電時間
(すなわち8秒)をセットして充電を行う。
【0162】CPU210は、充電を開始するため、充
電信号をオンにする(S1813 )。すなわち、ストロボ回
路231の端子CHENをハイ(H)レベルにして、充
電を開始する。ストロボ回路231の端子CHENがH
レベルの間は、ストロボ回路231の端子RLSの出力
(充電電圧に対応)がA/D変換されてCPU210に
入力される。CPU210は、A/D変換された電圧値
に基づいて充電電圧をチェックする(S1815 )。もしも
充電電圧が上限値に達していたなら(Y:S1817、CPU
210は充電禁止タイマに充電禁止時間である3秒をセ
ットすることにより、3秒間充電を禁止し、ストロボ回
路231の端子CHENをロー(L)にすることにより
充電を停止し(S1821 )、充電要求フラグに0をセット
してメイン充電処理を終了する。
【0163】CPU210は、S1817 において充電電圧
が上限に達していないと判断すると、充電タイマがタイ
ムアップしたかどうかを判定する(S1825 )。充電タイ
マがタイムアップした場合には、ストロボ回路231の
端子CHENをロー(L)にして充電を停止し(S1821
)、充電処理が完了したことを示す充電要求フラグに
0をセットする(S1823 )。なお、充電タイマがタイム
アップしてメイン充電処理が終了した場合には、3秒間
の充電禁止時間は設定されない。
【0164】充電タイマがタイムアップしていなければ
(N:S1825 )、CPU210は、何らかのスイッチの状
態が変化したかどうかを判断する(S1827 )。スイッチ
状態の変化が検出された場合には、充電処理を中断して
操作されたスイッチに対応した処理を優先的に行う。こ
のため、CPU210は、スイッチ状態の変化を検出す
ると、S2819 において充電信号をオフにし(すなわちス
トロボ回路231の端子CHENをローにし)、充電タ
イマーが示す残り時間をメモリに格納し(S1831 )、充
電中断フラグに1をセットして充電が中断されたことを
示し(S1835 )、メイン充電処理を終了する。S1831 で
メモリに格納された残り時間と、S1835おいてセットさ
れた充電中断フラグは、次にメイン充電処理または撮影
充電処理が実行される際に参照される。
【0165】『シャッタ初期化処理』図39は、シャッ
タ初期化処理に関するフローチャートである。本実施の
形態のシャッタ初期化処理は、シャッタ27を駆動する
AEモータ29をシャッタ閉方向に駆動してシャッタ羽
根をストッパに当接するまで完全に閉じる処理である。
【0166】この処理に入ると、まず、AEモータ29
を逆転させてシャッタ羽根27aを閉方向に駆動し、A
Eパルスカウントリミット時間タイマーをスタートさせ
てAEパルスカウント処理をコールしてAEパルスを検
知しながら、AEパルスカウントリミット時間タイマー
がタイムアップするのを待つ(S1901 、S1903 、S1905
、S1907)。
【0167】シャッタ羽根27aが完全に閉じてAEモ
ータ29が回転不能になるとAEパルスカウントリミッ
ト時間タイマーがタイムアップするので、タイムアップ
したらAEモータ29をフリーにしてリターンする(S1
907 、S1909 )。
【0168】以上の処理によって、シャッタ27はシャ
ッタ羽根27aが完全に閉じた初期位置に設定される。
【0169】『ズームコード入力処理』図40はズーム
コード入力処理のフローチャートである。ズームコード
入力処理は、CPU210のA/D入力端子に入力され
たズームコード情報入力回路219からの電圧のA/D
変換値に基づいてズームコードをセットする処理であ
る。
【0170】S3201 において、ズームコード情報入力回
路219からCPU210のA/D端子に電圧が入力さ
れる。CPU210は入力電圧のA/D変換値を図20
に示すスレッシュホールド電圧Va〜Vfと比較して入力電
圧に対応したズームコードをセットする。ズームコード
のセットは以下のようにして行われる。
【0171】CPU210は、入力電圧のA/D変換値
とスレッシュホールド電圧Vaとを比較する(S3203 )。
入力電圧のA/D変換値がスレッシュホールド電圧Vaよ
り大きい場合(Y:S3203 )にはズームコードとして0を
セットして(S3205 )、リターンする。
【0172】入力電圧のA/D変換値がVa以下(N:S320
3 )であり、Vbより大きい場合(Y:S3207 )には、ズー
ムコードに5がセットされる(S3209 )。
【0173】入力電圧のA/D変換値がVb以下(N:S320
7 )であり、Vcより大きい場合(Y:S3211 )には、ズー
ムコードに4がセットされる(S3213 )。
【0174】入力電圧のA/D変換値がVc以下(N:S321
1 )であり、Vdより大きい場合(Y:S3215 )には、ズー
ムコードに3がセットされる(S3217 )。
【0175】入力電圧のA/D変換値がVd以下(N:S321
5 )であり、Veより大きい場合(Y:S3219 )には、ズー
ムコードに6がセットされる(S3221 )。
【0176】入力電圧のA/D変換値がVe以下(N:S321
9 )であり、Vfより大きい場合(Y:S3223 )には、ズー
ムコードに1がセットされる(S3225 )。
【0177】入力電圧のA/D変換値がVf以下(N:S322
3 )の場合には、ズームコードに2がセットされる(S3
221 )。
【0178】なお、ここで、スレッシュホールド電圧間
の間隔が比較的大きいVd、Ve、Vfにより識別されるコー
ドに対して、レンズ位置の基準点となる、レンズ収納位
置(ズームコード=1)、ワイド端(ズームコード=
2)、テレ端(ズームコード=6)が割当てられてい
る。こうすることにより、電圧の変動などによりCPU
210への入力電圧が多少ずれることがあっても、少な
くとも基準点に関しては、正しいズームコードがセット
されることになる。
【0179】『AFパルス確認処理』図41は、AFパ
ルス確認処理に関するフローチャートである。AFパル
ス確認処理は、後群移動モータ30を正逆に交互に回転
する処理である。たとえば、何らかの原因で後群移動モ
ータ30を駆動してもこれらのモータが回転できなかっ
た場合に、後群移動モータ30を正逆に交互に回転する
ことで、後群移動モータ30の移動を阻害している原因
を取り除き、後群レンズの移動を可能にする。本実施の
形態では、後群移動モータ30を正逆に交互に回転し、
後群移動モータ30が所定量以上回転したことを確認し
てから後群レンズL2をAFホーム位置に移動させる。
正逆の駆動を5回繰り返してもこの確認ができなかった
とき、あるいは、確認できても所定時間内に後群レンズ
L2がAFホーム位置に移動しなかったときには、後群
移動モータ30を停止させ、エラーフラグに1をセット
する。
【0180】AFパルス確認処理にはいると、後群移動
モータ30を正逆交互に駆動する最大回数を規定するカ
ウンタの値を5にセットする(S3301 )。
【0181】そして、まず、後群移動モータ30を正転
方向(後群レンズ後退方向)に起動し、AFパルスカウ
ンタの値を50にセットして、AFパルスカウント処理
を行って、AFパルスが50個出力されるのを待つ(S3
303 、S3305 、S3307 )。AFパルスカウンタの値が0
になったら、後群移動モータ30を停止させる(S3309
)。
【0182】OKフラグをチェックし、OKフラグがセ
ットされていれば、つまりAFパルスが50回出力され
れば、後群レンズL2がAFホーム位置にあるかどうか
をチェックする(S3311 、S3329 )。AFホーム位置に
あればリターンするが、AFホーム位置にない場合は、
後群移動モータ30を逆転駆動(後群レンズL2をAF
ホーム位置方向に移動する方向)して500ms タイマーを
スタートさせる(S3331 、S3335 )。通常は、500ms タ
イマーがタイムアップする前に後群レンズL2がAFホ
ーム位置に達するので、後群レンズL2がAFホーム位
置に達したら後群移動モータ30を停止させてリターン
する(S3335 、S3337 、S3339 )。ここで、もし、500m
s タイマーがタイムアップする前に後群レンズL2がA
Fホーム位置に達しなかったときは、後群移動モータ3
0を停止させ、エラーフラグに1をセットしてリターン
する(S3335 、S3341 、S3343)。
【0183】以上は、通常の処理であるが、後群レンズ
L2が容易に動かなかったときは、下記の処理を実行す
る。S3307 のAFパルスカウント処理において、後群移
動モータ30を駆動しているにも拘わらずAFパルスが
所定時間出力されなかったときは、噛み付きなどによっ
て後群移動モータ30が回転できない状態なので、OK
フラグをクリアする。したがって、S3311 からS3313 の
揺動処理に進む。S3313 に進むと、100ms待ってか
ら、後群移動モータ30を逆回転駆動する(S3315 )。
そしてAFパルスカウンタの値を50にセットし、AF
パルスカウント処理を行って、後群移動モータ30を停
止させる(S3317 、S3319 、S3321 )。AFパルスカウ
ント処理では、AFパルスが50個出力されたときはO
Kフラグをセットし、所定時間AFパルスが出力されな
かったときはOKフラグをクリアしている。したがっ
て、この後群移動モータ30の逆回転で、後群レンズL
2が移動したときはS3329 の処理に進み、移動しなかっ
たときはS3325 に進む。
【0184】S3325 では、カウンタを1デクリメント
し、カウンタが0でなければS3303 に戻って、S3303 か
らの処理を繰り返す。カウンタが0になったら、つま
り、後群移動モータ30の正逆駆動を5回繰り返しても
後群レンズL2が移動しなかったときは、レンズ駆動系
に何らかの異常が発生していることがあるので、後群移
動モータ30を停止させ、エラーフラグに1をセットし
てリターンする(S3327 、S3341 、S3343 )。
【0185】『AFリターン処理』図42は、AFリタ
ーン処理のフローチャートである。AFリターン処理
は、後群レンズL2をAFホーム位置に戻す処理であ
る。
【0186】AFリターン処理に入ると、後群移動モー
タ39を逆転方向(レンズ前進方向)駆動して後群レン
ズL2をAFホーム位置に向かって前進させて、後群レ
ンズL2がAFホーム位置に達するのを待つ(S3401 、
S3403 )。
【0187】後群レンズL2がAFホーム位置に達した
ことをフォトインタラプタ301を介して検知したら、
後群移動モータ30の駆動を低速逆転駆動に変えて、カ
ウンタに10をセットし、AFパルスの立ち上がりをカ
ウントしてカウントする毎にカウンタを1デクリメント
して、カウンタの値が0になるのを待つ(S3405 、S340
7 、S3409 、S3411 、S3413 )。
【0188】カウンタが0になったら、後群移動モータ
30をストップさせる(S3413 、S3415 )。これによ
り、後群レンズL2がAFホーム位置で確実に停止す
る。
【0189】本実施の形態では、後群レンズL2がAF
ホーム位置に到達してからさらに10パルス分後群移動
モータ30の駆動を継続しているが、これは、後群レン
ズL2の駆動パルスカウントをAFホーム信号の切り換
わりを基準としているので、待機状態で確実に後群レン
ズL2をAFホーム位置にするためである(図26から
図28参照)。
【0190】『バリア閉処理』図43はバリア閉処理の
フローチャートである。バリア閉処理は、レンズ収納時
にバリアを閉じるための処理である。まずカウンタに、
後述する不具合発生時に実行される開閉処理の繰り返し
回数である3をセットする。本実施形態においては、バ
リア閉処理が正常に終了したか否かは後群移動モータ3
0が正転方向に所定量回転したかどうか(すなわち、後
群移動モータ30を正転駆動しAFパルスが所定数カウ
ントされたか否か)に基づいて判定している。
【0191】もしも後群移動モータ30を正転駆動した
時に所定数のAFパルスがAF基準パルス入力回路22
2から入力されない場合には、何らかの理由でバリアが
閉じられなかったかバリアが既に閉じた状態でバリア閉
処理が実行された場合が考えられる。
【0192】このため、本実施の形態においては、後群
移動モータ30を正転駆動してAFパルスが所定数カウ
ントされなかった場合には、一旦後群移動モータ30を
逆転方向に所定量(閉じられているバリアを開放させる
に十分な量)だけ駆動し、その後再び後群移動モータ3
0を正転駆動するようにしている。S3501 で設定する回
数は、上記の一旦後群移動モータ30を逆転方向に駆動
した後、再度正転駆動するという処理の実行回数を制限
するための値である。
【0193】S3503 では後群移動モータ30を正転駆動
し(バリアが閉じる方向に駆動し)、AFパルスカウン
タに300をセットして(S3505 )、AFパルスカウン
ト処理をコールする(S3507 )。AFパルスカウント処
理は、後群移動モータ30の回転と同期してAF基準パ
ルス入力回路222がCPU210に出力するパルス信
号に基づいて、S3505 でセットされたAFパルスカウン
タをデクリメントする処理である。
【0194】AFパルスカウント処理では、所定時間の
間にパルスが出力されなくなるか、デクリメントされた
AFパルスカウンタのカウント値が0になると、処理を
終了する。
【0195】AFパルスカウント処理が終わると、後群
移動モータ30が停止され(S3509、AFパルスカウン
タ処理でデクリメントされた残りのAFパルスカウント
が100未満かどうかが判定される(S3511 )。
【0196】S3511 において、AFパルスカウンタの値
が100未満であれば(すなわち、AFパルスカウント
処理において200以上デクリメントされた場合は)、
バリアは正常に閉じたと判断して、バリア閉処理を終了
する。もしも、AFパルスカウンタの値が100以上の
場合には(N:S3511 )、何らかの理由で後群移動モータ
30が回転しないと考えられ、後群移動モータ30を一
旦逆方向(バリアが開く方向)に回転させ、再度正転さ
せることにより、障害を取り除くようにしている。
【0197】S3513 においてカウンタをデクリメント
し、カウンタが0にならない限り、S3519 に処理を進め
る。S3519 では、後群移動モータ30を逆転し、AFパ
ルスカウンタに300をセットしてAFパルスカウント
処理をコールする。AFパルスカウント処理が終了する
と、後群移動モータ30を停止し、S3503 に戻って、後
群移動モータ30の正転、AFパルスカウンタのセッ
ト、AFパルスカウント処理の実行、後群移動モータ3
0の停止を実行し(S3503 、S3505 、S3507 、S3509
)、再度AFパルスカウンタの値に基づきバリアが閉
じたか否かを判定する(S3511 )。本実施の形態におい
ては、S3501 においてカウンタに3がセットされている
ため、バリアが閉じない場合には、上記の再試行処理は
2回繰り返される。
【0198】この間にバリアが閉じれば、S3511 にてA
Fパルスカウンタが100未満となり(Y:S3511 )、バ
リア閉処理は終了する。また、繰り返しのうちに最後ま
でAFパルスカウンタが100未満とはならなかった場
合には(Y:S3515 )、バリアが閉じなかったと判定さ
れ、エラーフラグに異常発生を示す1がセットされてバ
リア閉処理は終了する。
【0199】『バリア開処理』図44はバリア開処理の
フローチャートである。バリア開処理は、レンズを収納
位置から繰り出す時にバリアを開くための処理である。
【0200】まずカウンタに処理の繰り返し回数である
3をセットする(S3601 )。通常はバリアが閉じた状態
でバリア開処理が呼出される。しかし、例えばレンズが
繰り出された状態で(すなわちバリアが開いた状態で)
カメラのバッテリを交換したような場合には、バリアが
開いている状態でバリア開処理が実行されることにな
る。あるいは何らかの障害によりレンズ収納時にバリア
が閉じられないままにバリア開処理が呼出される可能性
もある。バリアが開いた状態でバリアを開くために後群
モータ30を駆動した場合には、既にバリアが開いてい
るために後群移動モータ30が回転せずAF基準パルス
入力回路222がパルスを発生しないことになる。
【0201】このため、本処理では、まずバリアを開く
ように後群移動モータ30を駆動し、バリアが開いたこ
とが確認できなかった場合(AF基準パルス入力回路2
22がCPU210にパルスを出力しない場合)には、
バリアを閉じる方向に後群移動モータ30を駆動した後
もう一度バリアを開く方向に後群移動モータ30を駆動
する。S3601 においてカウンタにセットする回数は、最
初に後群移動モータ30を駆動したときにバリアが開い
たことが確認できなかった場合に行われる、上述のバリ
アを一旦閉じた後再度バリアを開く処理の実行回数を限
定するための値である。
【0202】まずS3603 において、後群移動モータ30
を逆転し(バリアが開く方向に駆動し)、AFパルスカ
ウンタに300をセットして(S3605 )、AFパルスカ
ウント処理をコールする(S3607 )。AFパルスカウン
ト処理は、後群移動モータ30の回転と同期してAF基
準パルス入力回路222から出力されるパルス信号に基
づいて、セットされたAFパルスカウンタをデクリメン
トする処理である。
【0203】AFパルスカウント処理では、所定時間の
間にAF基準パルス入力回路222からCPU210に
パルスが出力されなくなるか、デクリメントされたAF
パルスカウンタのカウント値が0になると、処理を終了
する。AFパルスカウント処理が終わると、後群移動モ
ータ30が停止され、AFパルスカウンタ処理でデクリ
メントされた残りのAFパルスカウントが100未満か
どうかが判定される。
【0204】ここでAFパルスカウンタの値が100未
満であれば(すなわち、AFパルスカウント処理におい
てカウント値が200以上デクリメントされた場合
は)、バリアは正常に開いたと判断して、バリア開処理
を終了する。
【0205】もしも、AFパルスカウンタの値が100
以上の場合には、何らかの理由で後群移動モータ30が
回転しないと考えられ、後群移動モータ30を一旦正転
方向(バリアが閉じる方向)に回転させ、再度逆転させ
ることにより、障害を取り除くようにしている。
【0206】まず、カウンタをデクリメントし(S3613
)、カウンタが0にならない限り(N:S3615 )、S3619
に処理を進める。S3619 では、後群移動モータ30を
逆転し、AFパルスカウンタに300をセットしてAF
パルスカウント処理をコールする(すなわち、バリアを
閉じる様に後群移動モータ30を駆動する)。S3623 の
AFパルスカウント処理が終了すると、後群移動モータ
30を停止し(S3625 )、S3603 に戻って、後群移動モ
ータ30の逆転、AFパルスカウンタのセット、AFパ
ルスカウント処理の実行、後群移動モータ30の停止を
実行し、再度AFパルスカウンタの値に基づきバリアが
開いたか否かを判定する。
【0207】本実施の形態においてはカウンタに3がセ
ットされているため、バリアが開かない場合(N:S3611
)にはS3619 からS3625 を経てS3609 までの処理を2
回繰り返す。この間にバリアが開けば、S3611 にてAF
パルスカウンタが100未満となり、バリア開処理は終
了する。また、繰り返しのうちに最後までAFパルスカ
ウンタが100未満とはならなかった場合には、バリア
が開かなかったと判定され、エラーフラグに異常発生を
示す1がセットされてバリア開処理は終了する。
【0208】『ズームドライブ処理』図45は、ズーム
ドライブ処理のフローチャートである。ズームドライブ
処理は、前群レンズL1および後群レンズL2を被写体
距離に合焦させるために、ズームパルスカウンタの値
分、全体移動モータ25を正転方向(レンズ繰り出し方
向)に駆動制御する処理である(図22参照)。
【0209】ズームドライブ処理に入ると、まずズーム
パルスカウンタの値をズームパルスとしてメモリする
(3701)。そして、ズームシーケンスを0にして全体移
動モータ25を正転起動(前進方向に駆動)し、ドライ
ブチェック処理を行ってズームシーケンスが5になるの
を待ち、ズームシーケンスが5になったらリターンする
(S3703、S3705 、S3707 、S3709 )。
【0210】ズームシーケンスとは、全体移動制御回路
60の動作シーケンスの状態を識別する識別子であっ
て、0はズームパルスのカウント基準であるズームコー
ドの切り換わり検知状態、1および2はズームパルスの
カウントを行っている状態を示しており、3は逆転ブレ
ーキ駆動状態、4はショートブレーキ状態、5は端子オ
ープン状態(非作動状態)で、ズームドライブの一連の
シーケンスが終了したこと示す(図23、24参照)。
【0211】『AF2段繰り出し処理』図46はAF2
段繰り出し処理のフローチャートである。AF2段繰り
出し処理は、レンズの焦点距離が変更された場合に実行
される処理で、レンズがワイド側に位置している場合
に、予め後群レンズ30をAFホーム位置から所定量
(AP1 )繰出しておく処理である。
【0212】AF2段繰り出し処理がコールされると、
CPU210は、現在後群レンズL2がAF2段繰り出
し処理により所定量繰出された状態となっているかどう
かを判定する(S3801)。前回AF2段繰り出し処理が実
行された時にレンズがワイド端側(ズームステップが4
未満)にあった場合には後群レンズが所定量繰り出され
て2段繰り出しフラグに1がセットされている。また、
前回AF2段繰り出し処理が実行されたときにズームス
テップが4以上であれば、後群レンズは繰り出されてお
らず(AFホーム位置に位置しており)、2段繰り出し
フラグには0がセットされている。
【0213】AF2段繰り出し処理が呼出され、2段繰
り出しフラグに1がセットされている場合には(Y:S380
1 )、次にCPU210は現在のレンズ位置に対応する
ズームステップが4より大きいかどうかを判定する(S3
895 )。ズームステップが4より大きい場合(後群およ
び前群レンズがテレ側にある場合)には、AFリターン
処理をコールして既に繰り出されている後群レンズL2
をAFホーム位置に戻し、2段繰り出し済フラグをクリ
アして(0をセットして)リターンする(S3807 、S380
9 )。現在のズームステップが4以下の場合には、後群
レンズL2を繰り出しておく必要があるが、既に前回A
F2段繰り出し処理が実行されたときに後群レンズL2
は繰り出されており、ここでは何もせずにリターンす
る。
【0214】S3801 で2段繰り出し済フラグが1でなか
った場合(すなわち0がセットされている場合)には、
前回のAF2段繰り出し処理が終了した時点で後群レン
ズはAFホーム位置に位置していることになる。この場
合には、CPU210は、ズームステップが4以下かど
うかを判定し(S3803 )、ズームステップが4を越えて
いる場合には(N:S3803 )、後群レンズL2を繰り出す
必要は無いため(AFホーム位置のままで良いため)、
後群レンズL2の繰り出しの処理は行わず、そのままリ
ターンする。ズームステップが4以下の場合(すなわち
レンズがワイド側に位置している場合)には(Y:S3809
)、後群レンズL2を繰り出す処理を行うが、この
時、レンズがワイド端にあるか否かにより処理方法が異
なる。
【0215】まず、ズームステップが0かどうか(すな
わち、レンズがワイド端に位置しているか否か)を判定
する(S3811 )。レンズがワイド端に位置している場合
には、後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続され
ていて後群レンズ移動機構に接続されていない場合があ
る。すなわち、レンズがワイド端に位置している状態で
後群移動モータ30を駆動した場合、後群レンズL2が
駆動されずにバリアの開閉が行われる可能性がある。
【0216】一方、レンズがワイド端よりテレ側にある
場合には必ず後群移動モータ30は後群レンズ駆動機構
に接続されている。このため、レンズがワイド端に位置
していないとき(すなわちズームステップが0でない
時)には(N:S3811 )、AFパルスカウンタに所定値AP
1 をセットし(S3823 )、AFドライブ処理をコールす
ることにより(S3825 )、後群レンズL2をAFホーム
位置からAFパルス数AP1 に対応した量だけ突出させる
ことができる。後群レンズL2を繰出した後、CPU2
10は、2段繰り出し処理済フラグに1をセットしてリ
ターンする。
【0217】ズームステップが0の時(すなわちレンズ
がワイド端に位置している時)には(Y:S3811 )、前述
のように後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続さ
れている可能性がある。ただし、AF2段繰り出し処理
がレンズリターン処理中でコールされる場合に限り、後
群移動モータ30は後群レンズ移動機構に接続されてい
ることが保証される。このため、S3813 において、実行
中のAF2段繰り出し処理がレンズリターン処理におい
て呼出された処理か否かを示すズームリターンフラグに
より処理を分岐している。実行中のAF2段繰り出し処
理がレンズリターン処理においてコールされたものであ
る場合には、ズームリターンフラグには1がセットされ
ている。この場合には、後群レンズの駆動だけが行われ
る(S3823 、S3825 )。
【0218】これに対し、実行中のAF2段繰り出し処
理がレンズリターン処理以外のルーチンにおいて呼出さ
れたものである場合には、ズームリターンフラグには0
がセットされており、CPU210はS3815 からの処理
を実行する。
【0219】CPU210は、ズームパルスカウンタお
よびAFパルスカウンタにそれぞれ所定値ZP1 およびAP
1 をセットし(S3815 、S3817 )、レンズドライブ処理
を呼出して(S3819 )、まず全体移動モータ25を駆動
して前群および後群レンズをズームパルスZP1 に対応す
る量だけ駆動すると共に、後群移動モータ30を駆動し
て後群レンズをAFパルスAP1 に対応する量だけ駆動し
た後、ズームリターン処理において(S3821 )、全体移
動モータ25を駆動してZP1 に対応する量だけ前群およ
び後群レンズを戻している。すなわち、レンズを一旦テ
レ側に所定量移動して後群移動モータ30が確実に後群
レンズL2の駆動機構に係合するようにした上で後群移
動モータを駆動して後群レンズを繰り出し、その後レン
ズをワイド側に所定量戻すことにより、結果的には後群
レンズL2のみをテレ側に移動するようにしている。
【0220】以上のように、AF2段繰り出し処理が終
った時点で、レンズがワイド側にある時(ズームステッ
プが4以下の時)には後群レンズL2が所定量繰り出さ
れ、かつ2段繰り出し済フラグには1がセットされてい
る。またレンズがテレ側にある時(ズームステップが4
より大きい時)には、後群レンズL2がAFホーム位置
に位置し、2段繰り出し済フラグには0がセットされて
いる。
【0221】『ズームリターン処理』図47は、ズーム
リターン処理のフローチャートである。ズームリターン
処理は、前群レンズL1及び後群レンズL2を、撮影処
理におけるレンズドライブ処理で移動する前の待機位置
に戻す処理である。つまり、全体移動モータ25を、現
ズームコードの収納位置側切り換え点から第2ズームパ
ルス数ZP2 分逆転させて前群レンズL1および後群レン
ズL2を待機位置に戻し、さらに全体移動モータ25を
第3ズームパルス数ZP3 分正転させてバックラッシュを
ある程度除去した状態で停止する処理である(図22の
レンズドライブ参照)。
【0222】ズームリターン処理に入ると、ズームパル
スメモリにメモリされているパルス数が第1ズームパル
ス数ZP1 未満であるかどうかをチェックし、未満であれ
ば、全体移動モータ25を正転(テレ方向回転)し、第
1ズームパルス数ZP1 からズームパルスメモリにメモリ
された駆動パルス数を減算したパルス数をズームパルス
カウンタにセットし、ズームパルスカウント処理を実行
してズームパルスカウンタが0になるのを待ち、0にな
ったら、つまり現ズームコードの切り換え点から第1ズ
ームパルス数ZP1 分駆動したら全体移動モータ25をス
トップさせる(S3901 、S3905 、S3907 、S3909 、S391
1 )。これは、レンズが現ズームコードのテレ側切り換
え点付近に停止しているときには全体移動モータ25へ
の通電初期にズームコードが不安定になり、待機位置が
ずれる虞れがあるので、これを防止するために、確実に
ズームコードがオフになるように第1ズームパルス数ZP
1分正転させるのである。そして、エラーフラグに1が
セットされていればリターンし、エラーフラグに1がセ
ットされていなければS3915 に進む(S3911 、S3913 。
【0223】ズームパルスメモリにメモリされた駆動パ
ルス数が第1ズームパルス数ZP1 と等しい場合は、現ズ
ームコードがオフする位置までレンズが移動しているの
で、全体移動モータ25を正転する処理をスキップする
(S3901 、S3903 、S3915 )。
【0224】S3915 では、全体移動モータ25を逆転
(ワイド方向回転)する。そして、ズームコード入力処
理をコールしてズームコードを検知し、ワイドコードを
検知したか、収納コードを検知したか、現ズームコード
を検知したかをチェックする(S3917 、S3923 、S3929
)。ワイドコードを検知したらレンズワイド位置をセ
ットし、収納コードを検知したら全体移動モータ25を
ストップさせて、レンズ繰り出し処理を実行してからリ
ターンする(S3919 、S3921 、S3923 、またはS3923 、
S3925 、S3927 )。
【0225】現ズームコードを検知したら、ズームコー
ド入力処理を実行する(S3929 、S3931 )。そして、OF
F コードを検知する(現ズームコードがOFFする)の
を待ち、OFF コードを検知したら、ズームパルスカウン
タに第2ズームパルス数ZP2セットし、ズームパルスカ
ウント処理をコールしてズームパルスカウンタが0にな
るのを待つ(S3931 、S3933 )。
【0226】ズームパルスカウント処理からリターンす
ると、全体移動モータ25を停止する(S3937 、S3939
)。エラーフラグに1がセットされているとき(ズー
ムパルスカウンタが0にならずにリターンしたとき)は
そのままリターンし、エラーフラグがセットされていな
いとき(ズームパルスカウンタが0になってリターンし
たとき)は全体移動モータ25を正転駆動し、ズームパ
ルスカウンタにバックラッシュ取りパルス数ZP3 をセッ
トし、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパ
ルスカウンタが0になるのを待つ(S3941 、S3943 、S3
945 、S3947 )。そして、ズームパルスカウント処理か
らリターンすると、全体移動モータ25を停止してリタ
ーンする(S3947 、S3949 )。
【0227】このようにズームリターン処理によって前
群レンズL1は、現ズームコードの後端エッジよりも第
2ズームパルス数ZP2 分後退した待機位置(OFF位
置)に移動される。この待機位置では、全体移動モータ
25がテレ方向に回転する際のバックラッシュがほぼ除
去されている。
【0228】『ズーム待機確認処理』図48は、ズーム
待機確認処理に関するフローチャートである。ズーム待
機確認処理は、撮影処理においてコールされ、測光スイ
ッチSWSがオンしたときにレンズが正しい待機位置に
あるかを確認し、正しい待機位置に無い場合にレンズを
正しい待機位置に移動させる処理である。なお、ズーム
確認処理のS3931 以降の処理は、ズームリターン処理と
同一である。
【0229】ズーム待機確認処理に入ると、まず、ズー
ムコード入力処理をコールしてズームコードを入力し、
現ズームコードを検知できなければ、レンズが正しい待
機位置にあると考えられるのでそのままリターンする
(S4001 、S4003 )。現ズームコードを検知できたら、
レンズが正しい待機位置から移動しているので、全体移
動モータ25を逆転(ワイド方向回転)して、S3931 に
進み、ズームコード入力処理を実行する(S4003 、S400
5 、S3931 )。
【0230】そして、ズームコードのOFF コードを検知
するのを待ち、OFF コードを検知したら、ズームパルス
カウンタに第2ズームパルス数ZP2 をセットし、ズーム
パルスカウント処理をコールしてズームパルスカウンタ
が0になるのを待つ(S3931S3933 )。
【0231】ズームパルスカウント処理からリターンす
ると、全体移動モータ25を停止させる(S3937 、S393
9 )。エラーフラグがセットされているとき(ズームパ
ルスカウンタが0にならずにリターンしたとき)はその
ままリターンし、エラーフラグがセットされていないと
き(ズームパルスカウンタが0になってリターンしたと
き)は全体移動モータ25を正転駆動し、てズームパル
スカウンタにバックラッシュ取りパルスZP3 をセット
し、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパル
スカウンタが0になるのを待つ(S3941 、S3943 、S394
5 、S3947 )。そして、ズームパルスカウント処理から
リターンすると、全体移動モータ25を停止させてリタ
ーンする(S3947S3949)。
【0232】このようにズーム待機確認処理は、ズーム
ステップに対応する現ズームコードを検知することを条
件に、前群レンズL1及び後群レンズL2を、現ズーム
コードのワイド側切り換え位置よりも所定距離後退した
撮影待機位置に移動させる。
【0233】『撮影充電処理』図49は撮影充電処理の
フローチャートである。撮影充電処理は、測光スイッチ
がオンとなっている時に行われる充電処理で、撮影処理
においてストロボ発光が必要と判定された場合に呼び出
される充電処理である。
【0234】撮影充電処理が呼出されると、CPU21
0は、S4101 において充電禁止タイマが0になっている
かどうかを判定する。充電禁止タイマは充電を禁止する
期間を計時するタイマで、図29のメイン充電処理にお
いて、ストロボ回路231の発光用コンデンサ530が
フル充電された場合に3秒の充電禁止時間がセットされ
る。すなわち、充電禁止タイマがタイムアップしていな
い(0でない)場合には、ストロボ発光用のコンデンサ
530の充電は禁止されており、かつコンデンサ530
はほぼフル充電状態であってストロボ発光が可能な状態
となっている。このため、充電禁止タイマがタイムアッ
プしていない場合(N:S4101 )には、充電OKフラグ
に、ストロボ発光可能であることを示す1をセットし
(S4103 )充電要求フラグに0をセットして(S4104
)、撮影充電処理を終了しリターンする。
【0235】充電禁止タイマがタイムアップしていれば
(N:S4101 )、ストロボ回路231はフル充電されてい
ないか、もしくはフル充電された後3秒以上経っている
場合である。この時には、充電は禁止されていないた
め、CPU210は、S4103 で充電OKフラグに0をセ
ットした後、S4105 以降の充電のための処理を実行す
る。
【0236】CPU210は、S4105 で、充電中断フラ
グに1がセットされているか否かを判定する。メイン充
電処理の実行中にスイッチ操作が行われると充電処理は
中断されて、操作されたスイッチに対応した処理が行わ
れる。その際に充電中断フラグに1がセットされる。
【0237】充電中断フラグに0がセットされている場
合、すなわちメイン充電処理は中断されなかった場合に
は(N:S4105 )、充電時間を制限するため、充電タイマ
に所定の制限時間(8秒)をセットする。もしも、充電
中断フラグに1がセットされていた場合(Y:S4105 )に
は、充電が再開されるので充電中断フラグをクリアし
(0をセットし)、充電タイマには充電が中断された時
の充電制限時間の残り時間をセットする(S4107 、S410
9 )。すなわち、充電が中断されている場合には、既に
中断前の充電処理において所定の充電制限時間(8秒)
のうちのどれだけかが既に充電に費やされており、従っ
て中断後の充電処理においては所定の充電制限時間(8
秒)のうち前記既に費やされた時間の残りの時間を充電
時間とすることにより、結果的には所定の充電時間だけ
充電が行われると、タイムアップにより充電を終了する
ようにしている。
【0238】S4111 またはS4109 において充電タイマに
時間をセットすると、次に、CPU210は、赤ランプ
点滅フラグに1をセットし、赤ランプ227の点滅を行
わせる。メイン充電処理においては、ストロボ発光用の
コンデンサ530の充電は撮影者に認識されないままに
実行されるが、撮影充電処理における充電は、撮影者が
シャッタボタン217を半押しした状態で実行されるた
め、充電中であることを撮影者に示すことが好ましい。
このため、撮影充電処理においては、赤ランプ227を
点滅させて、充電中であることを撮影者が認識できるよ
うにしている。
【0239】充電タイマがセットされると、充電信号を
ONにして(すなわちストロボ回路231の端子CHE
NのレベルをHにして)、充電を開始する(S4115 )。
ストロボ回路231の端子RLSの出力(充電電圧に対
応)がA/D変換されてCPU210に入力される。C
PU210は、A/D変換された充電電圧をチェックす
る(S4117 )。もしも充電電圧がストロボ発光可能なレ
ベルに達していたなら(Y:S4119 )、CPU210は、
ストロボ発光が可能であることを示すために充電OKフ
ラグに1をセットし(S4121 )、ストロボ回路500の
端子CHENをロー(L)にすることにより充電を停止
し(S4123 )、赤ランプ点滅フラグに0をセットして赤
ランプの点滅を終了させ(S4125 )て、充電処理が完了
したこと(すなわち、ストロボ発光できない状態ではな
くなったこと−撮影可能になったこと)を撮影者に認識
させる。
【0240】CPU210は、S4119 において充電電圧
がストロボ発光可能な電圧値に達していないと判断する
と、次に充電タイマがタイムアップしたかどうかを判定
する(S4127 )。充電タイマがタイムアップした場合に
は、ストロボ回路500の端子CHENをロー(L)に
して充電を停止し(S4123 )、赤ランプ点滅フラグに0
をセットして赤ランプの点滅を終了させる(S4125 )。
なお、S4127 でタイムアップとなった時には、充電電圧
は発光可能なレベルに達していないため、充電OKフラ
グには1はセットされない。
【0241】充電タイマがタイムアップしていなければ
(N:S4127 )、CPU210は、測光スイッチがオフに
なったかどうかを判定する(S4129 )。測光スイッチが
ON状態であれば、S4117 からS4129 の処理が繰り返さ
れる。すなわち、シャッタボタンが少なくとも半押しさ
れている間は充電電圧が発光可能なレベルに達するか充
電制限時間(8秒)が経過するまで充電が行われる。
【0242】S4129 において測光スイッチがオフである
と判定された場合、すなわち充電中にシャッタボタンの
半押し状態が解除された場合には(N:S4129 )、CPU
210は、S4131 において充電信号をオフにし(すなわ
ちストロボ回路500の端子CHENをローにし)、充
電タイマーが示す残り時間をメモリに格納し(S4133、
充電中断フラグに1をセットして充電が中断されたこと
を示し(S4135 )、さらにメイン充電処理において中断
された充電処理の続きを実行するために充電要求フラグ
に1をセットし(S4137 )、赤ランプ点滅フラグに0を
セットして赤ランプ227の点滅を停止して、撮影充電
処理を終了する。上述のように、S4133メモリに格納さ
れた残り時間と、充電中断フラグおよび充電要求フラグ
は、メイン充電処理が実行される際に参照される。
【0243】『ピント調整処理』図50は、ピント調整
処理に関するフローチャートである。ピント調整処理で
は、レンズドライブ演算処理によって演算された全体移
動モータ駆動パルス数および後群移動モータ駆動パルス
数に基づいて、全体移動モータ25を正転方向(レンズ
繰り出し方向)に駆動し、後群移動モータ30を正転方
向(後群レンズL2が後退するレンズ後退方向)に駆動
して前群レンズL1および後群レンズL2を合焦位置ま
で移動させる処理である(図22のレンズドライブ参
照)。そしてこのピント調整処理は、全体移動モータ2
5および後群移動モータ30の両方を同時に駆動(並列
駆動)することに特徴を有する。
【0244】ピント調整処理に入ると、まず、ズームパ
ルスカウンタ値(レンズドライブ演算処理で演算した、
全体移動モータ25を現ズームコードの収納側切り替え
点からの駆動パルス数)をズームパルスメモリに書き込
む(S4201 )。そして、ズームシーケンスを0にして全
体移動モータ25を正転方向に起動してからドライブチ
ェック処理を行ってズームシーケンスが1になるのを、
つまり、現ズームコードを検知(オフからオン)するの
を待ち、ズームシーケンスが1になったらAFシーケン
スを0にする(S4203 、S4205 、S4207 、S4209 、S421
1)。
【0245】そして、後群移動モータ30を正転方向に
駆動してからAFパルスカウンタの値が50未満である
かどうかをチェックし、50未満であれば後群移動モー
タ30の制御を低速制御(PWM制御)に変え、50以
上であればそのままで、ズームドライブチェック処理に
進む(S4213 、S4215 、S4217 、S4219 またはS4213S42
15 、S4219 )。
【0246】ズームシーケンスおよびAFシーケンスが
ともに5になるのを待ち、双方が5になったら(全体移
動モータ25および後群移動モータ30が停止したら)
リターンする(S4219 、S4221 、S4223 、S4225 )。
【0247】このようにピント調整処理は、全体移動モ
ータ25および後群移動モータ30の両方を同時に駆動
するので、前群レンズL1および後群レンズL2を合焦
位置まで移動させる、合焦に要する時間が短縮される。
【0248】『露出処理』図51から図53は、露出処
理に関するフローチャートである。露出処理は、レリー
ズスイッチSWRがオンされたときにコール(実行)さ
れる。この露出処理では、シャッターに関する補正処
理、シャッターの初期位置確認処理などを実行してから
シャッターを開放し、露出を行う。
【0249】露出処理に入ると、まず、AE調整済みか
どうかをチェックし、AE調整済みでないか、AE調整
済みでもAEデータが10Ev 未満であれば、AE演算
処理で求めたAEデータに基づいて、ROMにメモリし
た固定データの中からAEタイマー時間を選択する( S
4301、S4305 またはS4301 、S4303 、S4305 )。AE調
整済みかつAEデータが10Ev 以上であれば、AE演
算処理で求めたAEデータに基づいて、リセット処理時
に読み込んだ調整データの中からAEタイマー時間を決
定する(S4301、S4303 、S4307 )。AEデータが10E
v 未満のときにROM上の固定データを使用するのは、
10Ev 未満のときはシャッタ開放時間が長いので、誤
差の影響がきわめて小さいし、ROM上のデータを使用
する方が短時間で処理できるからである。
【0250】次にFM調整済みかどうかをチェックし、
FM調整済みでなければ、FMデータに基づいて、RO
M上の固定データからFMタイマー時間を選択し、FM
調整済みであればリセット処理時の調整データ読み込み
処理で読み込んだデータを使用する(S4309 、S4311 ま
たはS4309 、S4313 )。
【0251】タイマーの設定が終了すると、まず、シャ
ッター初期位置確認処理を実行する( S4315、S4317 、
S4319 、S4321 )。つまり、AEモータを逆転してシャ
ッター羽根27aを閉鎖方向に駆動し、AEパルスカウ
ントリミット時間タイマーをスタートさせ、AEパルス
カウント処理を実行してがタイムアップするのを待つ
(S4315 、S4317 、S4319 、S4321 )。シャッタ羽根2
7aが完全に閉じて移動できなくなるとAEモータが回
転できなくなるので、タイムアップする。
【0252】タイムアップしたらAEモータ29を正転
してシャッタを開方向に駆動し、AEパルスカウントリ
ミット時間タイマーをスタートさせる(S4323 、S4325
)。そして、AEパルスカウント処理を実行し、AE
パルスカウントリミット時間タイマーがタイムアップし
たかどうかをチェックしながら、AEパルスカウント処
理により基準パルスのカウントが終了するのを待つ(S4
327 、S4329 、S4331 )。
【0253】ここで、もしAEパルスカウントリミット
時間タイマーがタイムアップしたら、何らかの理由でA
Eモータ29の回転が阻止されているので、シャッター
エラーフラグをセットし、AEモータ29をフリー(不
通電)にしてリターンする(S4329 、S4333 。S4335
)。基準パルスのカウントが終了した時点当たりから
シャッタ羽根27aが開き始めるので、AEタイマー及
びFMタイマーをスタートさせ、発光終了フラグをクリ
アする(S4335、S4337 、S4339 、S4341 )。
【0254】そして、発光終了フラグがセットされてい
るか、発光モードかをチェックするが、ストロボを発光
しないときは発光終了フラグはクリアされたままであ
り、発光モードでもないので、AEタイマーがタイムア
ップするのを待つ(S4343 、S4345 、S4347 )。
【0255】AEタイマーがタイムアップしたら、バル
ブモードではないことを条件に、AEモータ29を逆転
(シャッタ閉方向回転)させてシャッター羽根閉鎖動作
を開始し、AEパルスカウントリミット時間タイマーを
スタートさせる(S4371 、S4373 )。そして、AEパル
スカウント処理を実行しながらAEパルスカウンタがタ
イムアップするのを、つまり、シャッタ羽根27aが閉
じてAEモータ29が停止するのを待ち、タイムアップ
したらAEモータ29をフリーにしてからリターンする
(S4375 、S4377 、S4379 )。バブルモードのときは、
測光スイッチSWSがオンされている間は、AEモータ
29への過負荷を防止するためにAEモータ29をフリ
ーにして測光スイッチSWSがオフされるのを待つ(S4
365 、S4367 、S4369 )。
【0256】なお、ストロボ発光モードのときは、発光
モードなので、S4345 からS4349 に進んで発光中かどう
かをチェックし、当初は発光中ではないので、FMタイ
マーがタイムアップするのを待つ(S4349 、S4351 、S4
347 、S4313 、S4345 )。通常は、FMタイマーの方が
AEタイマーよりも短時間なのでFMタイマーが先にタ
イムアップする。FMタイマーがタイムアップしたら、
発光をスタートし、2msタイマーをスタートする( S43
51、S4353 、S4355 )。この2msタイマーは、ストロボ
が完全に発光終了するのを待つためのタイマーであっ
て、待ち時間はストロボの特性によって変わり、2msに
限定されない。
【0257】発光をスタートさせると、発光中になるの
で、2msタイマーがタイムアップするのを待つ(S4349
、S4357 、S4347 、S4343 、S4345 )。2msタイマー
がタイムアップしたら、発光を停止し、発光終了フラグ
をセットし、充電要求フラグをセットする(S4357 、S4
359 、S4361 、S4363 )。そして、発光終了フラグがセ
ットされているので、AEタイマーがタイムアップする
のを待つ(S4343 、S4347 )。
【0258】『レンズリターン処理』図54は、レンズ
リターン処理のフローチャートである。レンズリターン
処理は、撮影処理時に合焦位置まで移動させた前群レン
ズL1及び後群レンズL2を、撮影処理前の位置まで復
帰させる処理である。前群レンズL1は、現焦点距離を
識別するズームステップに対応するズームコードのワイ
ド側切り換え点から第2ズームパルスZP2分収納位置
方向に後退した待機位置に戻し、後群レンズL2を、ズ
ームステップが5以上のときにはAFホーム位置に戻
し、ズームステップが0から4のときにはAFホーム位
置からAFパルス数AP1分繰り出した(後退させた)
位置に移動する処理である。
【0259】このレンズリターン処理に入ると、AFリ
ターン処理をコールして、後群レンズL2をAFホーム
位置に戻してからレンズリターンフラグをセットし、A
F2段繰り出し処理をコールして後群レンズL2をズー
ムコードが5以上のときにはそのままで、4以下のとき
にはAFパルスAP1分繰り出し(後退させ)てからズ
ームリターンフラグをクリア(0をセット)し、ズーム
リターン処理をコールして、前群レンズLlを現ズーム
コードの待機位置に移動させてリターンする(S4401 、
S4403 、S4405 、S4407 、S4409 )。
【0260】『レンズドライブ演算処理』図55は、レ
ンズドライブ演算処理のフローチャートである。レンズ
ドライブ演算処理は、測距処理によって得られた被写体
距離(または撮影距離)および現ズームステップに基づ
いて、全体移動モータ25および後群移動モータ30を
駆動するパルス数を、現ズームステップに対応する現ズ
ームコードのワイド側切り換え点(オフ/オン点)から
のズームパルス数及びAFホーム位置からのAFパルス
数として求める処理である。なお、本実施の形態の焦点
調整において、全体移動モータ25の駆動方向は前群レ
ンズL1を前進させる(繰り出し)方向であり、後群移
動モータ30の駆動方向は、後群レンズL2をAFホー
ム位置から後退(前群レンズL1から離反)させる方向
である。
【0261】また、本実施の形態では、三つの態様でフ
ォーカシングを行なう。ワイド端では全体移動モータ2
5により前群レンズL1および後群レンズL2を一体に
移動させる全体フォーカシングを行い(第一の態様)、
テレ端では後群移動モータ30によって後群レンズL2
のみを移動させる後群フォーカシングを行い(第三の態
様)、ワイド端とテレ端の間では、全体移動モータ25
によって前群レンズL1および後群レンズL2を移動さ
せるとともに、後群移動モータ30によって後群レンズ
L2を(カメラに対する絶対位置が変動しないように)
移動させる前群フォーカシングを行う(第二の態様)。
【0262】レンズドライブ演算処理に入ると、現ズー
ムステップ及び測距処理によって得られた被写体距離に
基づいて、基準レンズ移動量(パルス数)Δ2Tを算出
する(S4501 )。次に、現在のズームステップが0(ワ
イド端)、1〜12(ワイド端)、13(テレ端)のい
ずれであるかを判断して、ズームステップに応じたパル
ス演算処理を実行する(S4503 、S4505 、S4507 、S450
9 、S4511 、S4513 、S4515 )。ワイド端であれば全体
フォーカシングを行うのでズームパルスカウンタには
(a×ΔX2T)を、AFパルスカウンタには0をセッ
トする(S4505 、S4507 )。中間であれば前群フォーカ
シングを行うので、ズームパルスカウンタには(b×Δ
X2T)を、AFパルスカウンタには(c×ΔX2T)
をセットする(S4509 、S4511 )。テレ端であれば後群
フォーカシングを行うので、ズームパルスカウンタには
0を、AFパルスカウンタには(ΔX2T)をセットす
る(S4513 、S4515 )。なお、符号a、b、c、ΔXは
所定の補正係数である。
【0263】パルスカウンタのセットが終了したら、A
Fパルスカウンタの値に、焦点距離に応じた補正値X2
fを加算する(S4517 )。さらに、EEPROM230から調
整データを読み込み、調整データをAFパルスカウンタ
およびズムパルスカウンタに加算する(S4519 、S4521
)。さらに、AF2段繰り出し済みフラグがセットさ
れているかどうかをチェックし、セットされているとき
はすでに後群レンズL2がAFパルス数AP1分AFホ
ーム位置から繰り出されている(後退している)ので、
AFパルスカウンタからAP1を減算する。
【0264】以上の処理によって、現在の焦点距離にお
いて被写体に合焦するレンズ位置まで前群レンズL1お
よび後群レンズL2を移動するための、全体移動モータ
25の駆動パルス数および後群移動モータ30の駆動パ
ルス数のセットが終了する。
【0265】『テスト関数呼び出し処理』図56はテス
ト関数呼び出し処理のフローチャートである。テスト関
数呼び出し処理は、カメラの機能をテストするための処
理で、カメラに測定器を接続した状態で呼出され、カメ
ラの各関数を実行する。
【0266】従来、カメラに測定器を接続してテストを
行う場合には、測定器からカメラに入力されるコマンド
が予め定められており、カメラ側では測定器から入力さ
れた各コマンドに対応して所定の処理を実行するように
なっていた。しかし、そのような方法でテストを行う場
合、予め定められた動作のみが実行可能であり、それ以
外の動作を実行させることはできなかった。従って、プ
ログラム作成時に考慮されていたテスト項目のみしかテ
スト動作をさせることができず、その後にテスト項目を
追加することができなかった。本実施形態のカメラにお
いては、測定器から、カメラの動作を制御するプログラ
ムを関数単位で指定し実行させることができる。
【0267】テスト関数呼び出し処理はリセット処理が
実行されるとリセット処理中で呼び出される。すなわ
ち、カメラに測定器(図示せず)を接続した状態でカメ
ラにバッテリを装着することにより実行される。
【0268】テスト関数呼び出し処理が呼び出される
と、カメラのCPU210とカメラに接続された測定器
との間でハンドシェークが行われ(S7101 )、通信条件
が設定される。ハンドシェーク中にエラーが発生した場
合やカメラに測定器が接続されていない場合にはハンド
シェークは不成功となり(N:S7103 )、テスト関数呼び
出し処理は打切られ、リターンする。ハンドシェークが
成功し通信が可能になると(Y:S7103 )、測定器側から
CPU210側へのコマンド入力が可能になる。
【0269】CPU210が測定器側からコマンドデー
タをシリアル通信により受信すると(S7105 )、CPU
210はコマンドデータがテスト関数呼び出し処理の終
了を示す値0かどうかを判定する(S7107 )。コマンド
データが、テスト関数呼び出し処理を終了を示す値0の
場合には(Y:S7107 )、テスト関数呼び出し処理を終了
しリターンする。コマンドデータが0でない場合には
(N:S7107)、呼出す関数の上位アドレスおよび下位アド
レスをシリアル通信により測定器から受信し(S7109 、
S7111 )、そのアドレスに格納されている関数を実行す
る(S7113 )。以上を、コマンドデータの0を受信する
まで繰返すことにより、必要なテスト項目に関する処理
を実行する。
【0270】上述のように、本実施形態のカメラにおい
ては、測定器からのデータ入力により、カメラの制御プ
ログラムを関数単位で指定して実行させることができる
ため、きめ細かなテストを行うことができる。
【0271】『AFパルスカウント処理』図57はAF
パルスカウント処理のフローチャートである。AFパル
スカウント処理は、所定の期間内にAFパルスの変化が
検出されると、予め設定されているAFパルスカウンタ
を1づつデクリメントし、AFパルスカウンタが0にな
ると、OKフラグに1をセットする処理である。なお、
上記所定期間中にAFパルスカウンタが0にならなかっ
た場合にはOKフラグに0をセットする。
【0272】CPU210は、AFパルスカウント処理
に入ると、まずAFパルスの変化をモニタする期間とし
て200msをタイマにセットする(S7201 )。以下の処
理においては、200msの間にAFパルスの変化がなけ
れば、上記のように、CPU210はOKフラグに0を
セットする。
【0273】まず、CPU210は、200msタイマが
タイムアップしたかどうかを判定する(S7203 )。タイ
ムアップしていなければ、AF基準パルス入力回路22
2からCPU210への出力信号に基づき、AFパルス
の変化があったかどうかを判定する(S7207 )。ここで
AFパルスが変化したかどうかは、パルスのH(ハイ)
からL(ロー)への変化およびL(ロー)からH(ハ
イ)への変化の両方を検出することにより判定してい
る。
【0274】AFパルスの変化が無ければ(N:S7207
)、CPU210は処理をS7203 に戻す。従って、2
00msの間にAFパルスの変化が検出されなければ、S7
203 でタイムアップと判定し、OKフラグに0をセット
して処理を終了する(S7205 )。すなわち、AFパルス
カウント処理を実行している間に、AFパルスカウント
処理が呼び出される前にAFパルスカウンタにセットさ
れた値と同数のパルスが検出できなかった場合に、OK
フラグに0がセットされることになる。
【0275】CPU210は、AFパルスが変化したこ
とを検出すると(Y:S7207 )、タイマをリセットして再
度200msをセットする(S7209 )。検出したAFパル
スの変化が、AFパルスの立上がりである場合には(Y:
S7211 )、AFパルスカウンタを1だけデクリメントす
る(S7213 )。ここでAFパルスカウンタには、AFパ
ルスカウント処理が実行される前に、カウントすべき値
すなわち後群移動モータにより後群レンズを駆動する量
に対応した値がセットされている。CPU210は、デ
クリメントしたAFパルスカウンタが0であればOKフ
ラグに1をセットして処理を終了する。すなわち、AF
パルスカウント処理がコールされる前にAFパルスカウ
ンタにセットされていた値と同数のパルスがカウントさ
れた場合にOKフラグに1がセットされる。
【0276】以上のように、AFパルスカウント処理に
おいては、予めAFパルスカウンタにセットした値と同
数だけAF基準パルス入力回路222からCPU210
にパルスが出力されればOKフラグに1がセットされ、
AF基準パルス入力回路222が、AFパルスカウンタ
にセットされている値と同数のパルスをCPU210に
出力する前にパルスの出力を中止した場合にはOKフラ
グに0がセットされる。
【0277】『ズームドライブチェック処理』図58は
ズームドライブチェック処理のフローチャートである。
また、図23に全体移動モータの駆動状態とズームシー
ケンスの関係をタイミングチャートで示す。ズームドラ
イブチェック処理は、被写体距離への合焦のための全体
移動モータ25によるレンズの駆動がどのような段階に
あるかを判定すると共に、全体移動モータ25の駆動制
御を行う処理である。
【0278】ズームドライブチェック処理が実行される
と、全体移動モータ25の駆動状態(全体移動モータ制
御回路60の動作状態)を現す指標であるズームシーケ
ンスの値(0〜5)により処理が分岐する。ズームドラ
イブチェック処理が呼出される場合には全体移動モータ
25が正転駆動され、ズームシーケンスは0にセットさ
れた状態となっている。
【0279】CPU210は、ズームシーケンスが0の
場合にはズームコード入力処理をコールし、ズームコー
ドの値を入力する(S7303 )。ズームコード検出用の端
子はレンズ停止時にはズームコードよりワイド側に位置
している。そして、全体移動モータ25が正転駆動され
ると、ズームコード検出用の端子は現在のレンズ位置に
対応したズームコードにまず接触する。ズームコード入
力処理で入力されたズームコードが現在のズームコード
としてメモリに格納されている値と等しければ(Y:S730
5 )、ズームシーケンスに1をセットする(S7307 )。
ズームコード入力処理でセットされたズームコードが現
在のズームコードとして格納されている値と異なる場合
には(N:S7305 )ズームシーケンスは0のままで、ズー
ムドライブチェック処理を終了する。
【0280】ズームシーケンスが1の場合、すなわち現
ズームコードが検出された後、CPU210は、ズーム
パルス入力回路220が出力するズームパルスの立上が
りを監視する(S7311 )。ズームパルスの立上がりを検
出した場合にのみズームパルスカウンタをデクリメント
し(S7311 、S7313 )、ズームパルスカウンタが20未
満となると(Y:S7315 )CPU210は、全体移動モー
タ25を低速制御に切換え(S7317 )、ズームシーケン
スを2とする(S7319 )。ズームパルスカウンタが20
以上の場合には(N:S7315 )、ズームシーケンスは1の
ままでズームドライブチェック処理を終了する。
【0281】従って、全体移動モータ25が起動される
と、現ズームコードを基準として、ズームパルス入力回
路220がCPU210に出力するパルスに基づいて、
ズームパルスカウンタがデクリメントされる。ズームパ
ルスカウンタが20になるまでは全体移動モータ25は
通常のDC駆動により駆動される。全体移動モータ25
が通常の速度で駆動されている間はズームシーケンスは
1である。DC駆動の状態で駆動を続けた場合、慣性力
などにより、全体移動モータ停止時に所望のパルス数以
上にレンズが移動する可能性がある。このため、ズーム
パルスカウンタが20未満になると、全体移動モータ2
5は低速制御される。低速制御は、PWMPulse Width Mod
ulation)制御により行われる。全体移動モータ25の
駆動が低速制御に切り替ると、ズームシーケンスには2
がセットされる。
【0282】ズームシーケンスが2の場合に、すなわち
全体移動モータ25が低速制御されている時にズームド
ライブチェック処理がコールされると、S7321 からの処
理が実行される。ここでもCPU210は、ズームパル
スの立上がりを監視し(S7321 )、ズームパルスの立上
がりを検出するとズームパルスカウンタをデクリメント
する(S7323 )。ズームパルスの立上がりが検出されな
ければ(N:S7321 )、S7323 の処理はスキップする。
【0283】全体移動モータ25が低速制御されてレン
ズが駆動される間に1ずつデクリメントされたズームパ
ルスが0に達するまでは、ズームドライブチェック処理
がコールされる毎にS7321 およびS7323 の処理が実行さ
れる。その場合、ズームシーケンスは2のままである。
ズームパルスが0になると、全体移動モータ25を逆転
駆動することにより(S7327 )、ブレーキングの処理
(逆転ブレーキ)を行う。全体移動モータ25の逆転を
開始した後、逆転駆動の期間である5msをタイマにセッ
トし(S7328 )、ズームシーケンスに3をセットする。
すなわち、ズームシーケンスが3の場合には全体移動モ
ータ25がブレーキングのために逆転駆動されている状
態となっている。
【0284】ズームシーケンスが3の場合にズームドラ
イブチェック処理がコールされると、CPU210は、
全体移動モータ25の逆転駆動の期間である5msが経過
したかどうかを判定し(S7331 )、5msが経過していな
ければ、ズームシーケンスは3のままでリターンする。
全体移動モータ25の逆転駆動期間である5msが経過し
た後(Y:S7331 )、全体移動モータ25の両端子をショ
ート状態にすることによりブレーキを作用させ、20ms
タイマをスタートさせ、ズームシーケンスに4をセット
して(S7333 、S7335 、S7337 )リターンする。
【0285】ズームシーケンスが4の場合にズームドラ
イブチェック処理がコールされると、CPU210は、
ズームパルスが変化するかどうかを監視する(S7341
)。すなわちブレーキが作用している状態で全体移動
モータ25が回転しているかどうかを、ズームパルスが
20ms以内に変化するかどうかにより判定している。
【0286】CPU210は、S7341 でズームパルスが
変化していないと判定し、かつS7345 で20msタイマが
タイムアップしたと判定すると、全体移動モータ25の
制御を終了してモータの端子をオープン状態(非駆動状
態)とし、ズームシーケンスに5をセットする(S7347
、S7349 )。もしもS7341 でズームパルスが変化した
ことを検出した場合には、20msタイマをリスタートし
て、ズームパルス変化後の20ms以内に次のズームパル
スの変化が検出されるかどうかを監視する。なお、S734
5 で20msタイマがタイムアップしたと判定されるまで
は、全体移動モータ25にブレーキを作用させた状態
で、かつズームシーケンスは4のままでリターンする。
【0287】ズームシーケンスが5の場合にズームドラ
イブチェック処理がコールされるた場合には、フローチ
ャートに示すように、ズームドライブチェック処理では
何も処理されないままリターンする。
【0288】以上のように、ズームドライブチェック処
理においては、まずレンズを基準位置である現ズームコ
ードの位置まで移動し(ズームシーケンス=0)、ズー
ムパルスカウンタが20以上の時は通常の速度でレンズ
を移動し(ズームシーケンス=1)、ズームパルスカウ
ンタが20未満になるとレンズを低速で移動し(ズーム
シーケンス=2)、ズームパルスカウンタが0になると
全体移動モータ25を5msの間逆転駆動し(ズームシー
ケンス=3)、その後全体移動モータ25の端子をショ
ート状態にしてブレーキを作用させ(ズームシーケンス
=4)、全体移動モータ25が完全に停止したら制御を
終了し(ズームシーケンス=5)、それ以降は新たにズ
ームパルスカウンタに値がセットされズームシーケンス
が0にセットされるまでは全体移動モータ25の制御は
行わない(非駆動状態となる)。
【0289】『AFドライブ処理』図59は、AFドラ
イブ処理のフローチャートである。AFドライブ処理
は、被写体距離に合焦させるために、後群移動モータ3
0を、後群レンズL2が後退するレンズ後退方向に駆動
制御する処理である。AFドライブ処理に入ると、まず
AFシーケンスを0にする(S7401 )。そして、後群移
動モータ30を正転駆動(後退方向に駆動)してからA
Fパルスカウンタの値が50未満であるかどうかをチェ
ックし、50未満であれば後群移動モータ30の制御を
低速制御(PWM制御)に変え、50以上であればその
ままで、AFドライブチェック処理をコールする(S740
3 、S7405 、S7407 、S7409 またはS7403 、S7405 、S7
409 )。そして、AFドライブチェック処理を行いなが
らAFシーケンスが5になるのを待ち、AFシーケンス
が5になったらリターンする(S7409、S7411 )。
【0290】AFシーケンスは、後群移動制御回路61
の動作シーケンスの状態を識別する識別子であって、図
23、24に示したように、0は、AFパルスのカウン
ト基準であるAFホーム信号の切り換わり検知状態、
1、2はAFパルスのカウントを行っている状態を示
し、1はDC駆動状態、2は低速制御状態、3は逆転ブ
レーキ駆動状態、4はショートブレーキ状態、5は端子
オープン状態(非作動状態)で、一連のシーケンスが終
了したことを表している。
【0291】また後群移動モータ30を駆動すべきAF
パルス数が少ないときは、後群移動モータ30をDC駆
動すると、慣性力などの影響によって、駆動すべきAF
パルス数以上駆動してしまうおそれがある。そこで、A
Fパルス数が50未満のときは、始めからAFシーケン
ス2と同じ低速で起動および駆動することにした。
【0292】『ズームパルスカウント処理』図60はズ
ームパルスカウント処理のフローチャートである。ズー
ムパルスカウント処理は、所定の期間内にズームパルス
入力回路220から出力されるズームパルスの変化が検
出されると、予め設定されているズームパルスカウンタ
を1づつデクリメントし、ズームパルスカウンタが0に
なると、終了する処理である。なお、上記所定期間中に
ズームパルスの変化が検出されなかった場合にはエラー
フラグに1をセットする。
【0293】CPU210は、ズームパルスカウント処
理に入ると、まずズームパルスの変化をモニタする期間
として200msをタイマにセットする(S7501 )。以下
の処理において、200msの間にズームパルスの変化が
なければ、上記のように、CPU210はエラーフラグ
に1をセットする。まず、CPU210は、200msタ
イマがタイムアップしたかどうかを判定する(S7503
)。タイムアップしていなければ(N:S7503 )、ズー
ムパルス入力回路220の出力パルスに基づいて、ズー
ムパルスの変化があったかどうかを判定する(S7507
)。ここでズームパルスが変化したかどうかは、パル
スがH(ハイ)からL(ロー)への変化およびL(ロ
ー)からH(ハイ)への変化を検出することにより判定
している。
【0294】ズームパルスの変化が無ければ(N:S7507
)、CPU210は処理をS7503 に戻す。従って、2
00msの間にズームパルスの変化が検出されなければ、
S7503タイムアップと判定され、エラーフラグに1がセ
ットされて処理は終了する(S7505 )。すなわち、ズー
ムパルスカウント処理実行中に、ズームパルスカウント
処理が呼出される前にズームパルスカウンタにセットさ
れた値と同数のパルスが検出できなかった場合には、エ
ラーフラグに1をセットしてリターンする。
【0295】CPU210は、ズームパルスが変化した
ことを検出すると(Y:S7507 )、タイマをリセットして
再度200msをセットする(S7509 )。検出した変化が
ズームパルスの立上がりである場合には(Y:S7511 )、
ズームパルスカウンタを1だけデクリメントする(S751
3 )。ここでズームパルスカウンタには、ズームパルス
カウント処理が実行される前に、カウントすべき値すな
わち全体移動モータ25によりレンズを駆動する量に対
応した値(ズームパルス入力回路220が出力するパル
スのカウント数)がセットされている。CPU210
は、デクリメントしたズームパルスカウンタが0になる
と処理を終了する。すなわち、ズームパルスカウント処
理がコールされる前にズームパルスカウンタにセットさ
れていた値と同数のパルスがカウントされると処理を正
常終了する。
【0296】以上のように、ズームパルスカウント処理
においては、予めズームパルスカウンタにセットした値
と同数だけズームパルスをカウントした場合にはそのま
まリターンし、ズームパルス入力回路220がズームパ
ルスカウンタにセットされている値と同数だけのパルス
をカウントできなかった場合にはエラーフラグに1をセ
ットしてリターンする。
【0297】『AFドライブチェック処理』図61はA
Fドライブチェック処理のフローチャートである。AF
ドライブチェック処理は、後群レンズL2がAFパルス
カウンタにセットされた値に基づいて駆動されるよう、
後群移動モータ30の制御を行う処理である。
【0298】AFドライブチェック処理が実行される
と、後群移動制御回路61の動作シーケンスの状態を識
別する識別子であるAFシーケンスの値(0〜5)によ
り処理が分岐する。初めてAFドライブチェック処理が
実行される場合には、後群移動モータ30が駆動され、
AFシーケンスは0にセットされている。図23に後群
移動モータ30の駆動状況とAFシーケンスとの関係を
示す。
【0299】CPU210は、AFシーケンスが0の場
合には、AFH(AFホーム)信号がH(ハイ)からL
(ロー)に変化したかどうかを判定する(S7603 )。A
FH信号は、後群レンズがホーム位置に位置している時
にはH(ハイ)で有り、後群レンズが移動してホーム位
置から離れるとL(ロー)に変る。以下に説明するAF
パルスカウンタに基づく後群レンズの移動は、AFH信
号がLに変化した位置を基準に行われる。AFH信号が
HからLに変ると(Y:S7603 )、CPU210はAFシ
ーケンスに1をセットしてリターンする(S7605 )。A
FH信号がHの間はAFシーケンスは0のまま、リター
ンする。
【0300】AFシーケンスが1の場合、すなわちAF
H信号のHからLへの変化が検出された後は、CPU2
10は、AFパルスの立上がりを監視する(S7611 )。
AFパルスの立上がりを検出した場合にのみAFパルス
カウンタをデクリメントし(S7611 、S7613 )、AFパ
ルスカウンタが200未満となると(Y:S7615 )CPU
210は、後群移動モータ30を低速制御に切換え(S7
617 )、AFシーケンスを2とする(S7619 )。AFパ
ルスカウンタが200以上の場合には(N:S7615 )、A
Fシーケンスは1のままでAFドライブチェック処理を
終了しリターンする。後群移動モータ30を終始DC駆
動すると、慣性力などの影響によって、所望のAFパルス
数を越えてしまうおそれがある。そこで、AFパルス数の
残りが200になると、PWM (Pulse Width Modulatio
n)制御により後群移動モータ30を低速で駆動してい
る。
【0301】以上のように、後群移動モータ30が起動
されるとAFH信号がHからLに変った点を基準として
AFパルスカウンタがデクリメントされ、AFパルスカ
ウンタが200になるまでは通常のDC駆動により後群
移動モータ30が駆動される。後群移動モータ30が通
常のDC駆動により駆動されている間はAFシーケンス
は1である。AFパルスカウンタが200未満になる
と、後群移動モータ30の駆動は低速制御(PWM 制御)
される。後群移動モータ30が低速制御されると、AF
シーケンスには2がセットされる。
【0302】AFシーケンスが2の場合に、すなわち後
群移動モータ30の駆動が低速制御されている状態の時
にAFドライブチェック処理がコールされると、S7621
からの処理が実行される。ここでもCPU210は、A
Fパルスの立上がりを監視し(S7621 )、AFパルスの
立上がりを検出するとAFパルスカウンタをデクリメン
トする(S7623 )。AFパルスの立上がりが検出されな
ければ(N:S7621 )、S7623 の処理はスキップする。
【0303】後群移動モータ30が低速制御されて後群
レンズが駆動される間に1づづデクリメントされたAF
パルスが0に達するまでは、AFドライブチェック処理
がコールされる毎にS7621 およびS7623 の処理が実行さ
れる。その場合、AFシーケンスは2のままである。A
Fパルスが0になると、後群移動モータ30を逆転駆動
することにより(S7627 )、ブレーキングの処理(逆転
ブレーキ)を行う。後群移動モータ30の逆転駆動を開
始した後、逆転駆動の期間である5msをタイマにセット
し(S7628 )、AFシーケンスに3をセットする。すな
わち、AFシーケンスが3の場合には後群移動モータ3
0がブレーキングのために逆転駆動されている状態とな
っている。
【0304】AFシーケンスが3の場合にAFドライブ
チェック処理がコールされると、CPU210は、後群
移動モータ30の逆転駆動の期間である5msが経過した
かどうかを判定し(S7631 )、5msが経過していなけれ
ば、AFシーケンスは3のままでリターンする。後群移
動モータ30の逆転駆動期間である5msが経過した後
(Y:S7631 )、後群移動モータ30の端子をショート状
態にしてブレーキを作用させ、20msタイマをスタート
させ、AFシーケンスに4をセットして(S7633S7635
、S7637 )リターンする。
【0305】AFシーケンスが4の場合にAFドライブ
チェック処理がコールされると、CPU210は、AF
パルスが変化するかどうかを監視する(S7641 )。すな
わちブレーキが作用している状態で後群移動モータ30
が回転しているかどうかを、AFパルスが20ms以内に
変化するかどうかにより判定している。CPU210
は、S7641 でAFパルスが変化していないと判定し、か
つS7645 で20msタイマがタイムアップしたと判定する
と、後群移動モータ30の制御を終了してモータの電圧
印加端子をオープン状態(非駆動状態)とし、AFシー
ケンスに5をセットする(S7647 、S7649 )。もしもS7
641 でAFパルスが変化したことを検出した場合には、
20msタイマをリスタートして、AFパルス変化後の2
0ms以内に次のAFパルスの変化が検出されるかどうか
を監視する。なお、S7645 で20msタイマがタイムアッ
プしたと判定されるまでは、後群移動モータ30にブレ
ーキを作用させた状態で、かつAFシーケンスは4のま
までリターンする。
【0306】AFシーケンスが5の場合にAFドライブ
チェック処理がコールされた場合には、フローチャート
に示すように、AFドライブチェック処理では何も処理
されないままリターンする。
【0307】以上のように、AFドライブチェック処理
においては、まずレンズを基準位置であるAFH信号が
Lになる位置まで移動し(AFシーケンス=0)、AF
パルスカウンタが200以上の時は通常のDC駆動によ
り後群レンズを移動し(AFシーケンス=1)、AFパ
ルスカウンタが200未満になると後群レンズをPWMよ
り低速で移動し(AFシーケンス=2)、AFパルスカ
ウンタが0になると後群移動モータ30を5msの間逆転
駆動し(AFシーケンス=3)、その後後群移動モータ
30にブレーキを作用させ(AFシーケンス=4)、後
群移動モータ30が完全に停止したら制御を終了し(A
Fシーケンス=5)、それ以降は新たにAFパルスカウ
ンタに値がセットされAFシーケンスが0にセットされ
るまでは後群移動モータ30の制御は行わない(非駆動
状態となる)。
【0308】次に、本実施の形態のバリヤ装置および後
群レンズ駆動機構の詳細について図62から図81を参
照して説明する。ズームレンズ鏡筒10最前方の第1移
動鏡筒20の前部には、一対の従動バリヤ羽根48aと
一対の主動バリヤ羽根48bの計4枚のバリヤ羽根を備
えたレンズバリヤ機構35が設けられている。第1移動
鏡筒20の前端部に固定される飾り板41の裏面には環
状プレート96が固定されており、これら飾り板41と
環状プレート96の間に両バリヤ羽根48a、48bが
枢着されている。また、第1移動鏡筒20の前端面20
bと環状プレート96の間に、一対のバリヤ駆動レバー
98a、98bを備えたバリヤ駆動環97が回動自在に
設けられている。このバリヤ駆動環97は、後群移動モ
ータ30の回転を受けて回転するバリヤ連動ギヤ軸92
を介して正逆に回動され、バリヤ駆動レバー98a、9
8bを介して主動バリヤ羽根48bを従動バリヤ羽根4
8aとともに開閉させる。以下、このバリヤ駆動機構
を、主に図75〜図81を参照して詳述する。なお、図
77〜80の各図では、図示の都合上、合計4枚あるバ
リヤ羽根のうち、1枚の主動バリヤ羽根48bのみを二
点鎖線で示している。
【0309】図75と図78に示すように、レンズバリ
ヤ機構35は、ズームレンズ鏡筒10最前方の第1移動
鏡筒20の先端部に固定された飾り板41、この飾り板
41の裏面に枢着された一対ずつの従動バリヤ羽根48
aと主動バリヤ羽根48b、及び、これらバリヤ羽根4
8a、48bを挟んで飾り板41の裏面に固定された環
状プレート96を備えている。レンズバリヤ機構35は
また、第1移動鏡筒20の前部に形成した円筒部20c
と内周フランジ20bで囲まれた空間に回転可能に収納
されたバリヤ駆動環97、及びこのバリヤ駆動環97に
回転を伝えるバリヤ連動ギヤ軸92を備えている。この
バリヤ連動ギヤ軸92は、前端に駆動ギヤ92aを有し
ており、後端に被動ギヤ92bを有している。この被動
ギヤ92bに、所定のギヤ列を介して後群移動モータ3
0の回転が伝達される。
【0310】第1移動鏡筒20の内周フランジ20bに
は、AF/AEシャッタユニット21の押え部材53に
形成した軸受部111と対向する位置に、支持挿通孔2
0dが形成されている。バリヤ連動ギヤ軸92は、その
被動ギヤ92bを軸受部111に挿通し、かつ、バリヤ
開閉ギヤ列(第2ギヤ列)42Cの最終ギヤ42b(図
63、図64参照)に噛合した状態で、支持挿通孔20
dから前端の駆動ギヤ92aを所定量突出させている。
さらにバリヤ連動ギヤ軸92は、その駆動ギヤ92a
を、バリヤ駆動環97の裏面に形成したセクタギヤ部9
7aに噛合させている。以上の構造によって、バリヤ連
動ギヤ軸92が、後群移動モータ30の回転を受けて正
逆に回転すると、バリヤ駆動環97が光軸Oを中心に正
逆に回転される。
【0311】バリヤ駆動環97は、図75〜図77に示
すように、その外周縁が円筒部20cの内周面より僅か
に小径に形成され、その内周縁が円筒部34aの外周面
より僅かに大径に形成されている。バリヤ駆動環97に
は、一対の主動バリヤ羽根48bを開閉する一対のバリ
ヤ駆動レバー98a、98bがそれぞれ枢着されてい
る。
【0312】化粧板41の裏面には、一対の枢軸(図示
せず)が、光軸Oを挟んで一方が他方に対して略反対側
に位置するように植設されており、この一対の枢軸に
は、一対の主動バリヤ羽根48bのそれぞれに形成され
た対応の孔102が回動自在に嵌っている。また、上記
一対の枢軸には一対の従動バリヤ羽根48aのそれぞれ
に形成された対応の孔103が回動自在に嵌っている。
各主動バリヤ羽根48bは、対応の枢軸を中心に、対応
の従動バリヤ羽根48aを伴って回動して撮影開口を開
閉する。一対の主動バリヤ羽根48bはそれぞれ、その
孔102から偏心した位置にボス突起101を有してい
る。一対の従動バリヤ羽根48aはそれぞれ、光軸O後
方に突出する係合突起100を備えている。各従動バリ
ヤ羽根48aは、その係合突起100を、内側に位置す
る対応の主動バリヤ羽根48bの外側縁部に係合させる
ことにより、該主動バリヤ羽根48bとの開閉動作に追
随する。
【0313】バリヤ駆動環97の前壁には、軸部97
h、97iが、光軸Oを挟んで一方が他方に対して略反
対側に位置するように植設されている。各バリヤ駆動レ
バー98a、98bには、対応の主動バリヤ羽根48b
のボス突起101を嵌入(係合)させるカム溝107を
備えている。各バリヤ駆動レバー98a、98bには、
そのカム溝107の長手方向の中間に位置する軸孔12
0が形成されており、軸部97h、97iには、対応の
軸孔120が回動自在に嵌合している。各軸孔120
は、対応の孔102近傍に設けられている。バリヤ駆動
レバー98a、98bはそれぞれ、一端側係合部109
と他端側係合部110を備えている。
【0314】バリヤ駆動環97の前壁には、一対の主動
バリヤ羽根48bの一対の孔102を結ぶ線分の一側に
位置させて設けた凸部97eに、単一のトーションばね
105のコイル部105cが嵌着されている。このトー
ションばね105は、一対のバリヤ駆動レバー98a、
98bを介して、一対の主動バリヤ羽根48bを開放方
向に付勢するためのもので、その一端部105aを、バ
リヤ駆動レバー98aの一端側係合部109に係合させ
ている。
【0315】また、トーションばね105と一方のバリ
ヤ駆動レバー98bとの間には、トーションばね105
の力の方向を反転させるための反転レバー104が介在
されている。バリヤ駆動環97の前壁には、バリヤ駆動
レバー98bと凸部97eの間に軸部97jが植設され
ており、この軸部97jに、反転レバー104が回動自
在に嵌合されている。この反転レバー104は、その一
端の係合部104bにトーションばね105の他端部1
05bが係合され、他端の係合部104aを、バリヤ駆
動レバー98bの他端側係合部110に係合させてい
る。またバリヤ駆動環97の凸部97eの両側には、径
方向外方に向かうトーションばね105の一端部105
aと他端部105bの変形を所定位置で規制する規制突
起97f、97gが設けられている。
【0316】バリヤ駆動レバー98a、98bにそれぞ
れ設けたカム溝107には、第1開閉区間107aと第
2開閉区間107bとが備えられている。これら両区間
107a、107bは、中間の境界部分がやや段差状に
なっているが、全体としてほぼ直線状に構成されてい
る。
【0317】第1開閉区間107aは、バリヤ開放動作
時つまりバリヤ駆動環97がバリヤ全閉位置(図77の
位置)から中間開放位置(図78の位置)に回動すると
きに、強制開閉区間となって一対の主動バリヤ羽根48
bを強制的に開放方向に移動させ、バリヤ閉じ動作時つ
まりバリヤ駆動環97が中間開放位置(図78の位置)
からバリヤ全閉位置(図77の位置)に回動するとき
に、ばね付勢区間となって一対の主動バリヤ羽根48b
をトーションばね105のばね力により閉じ方向に付勢
するための区間である。
【0318】第2開閉区間107bは、バリヤ閉じ動作
時つまりバリヤ駆動環97がバリヤ全開位置(図79の
位置)から中間開放位置(図80の位置)に回動すると
きに強制開閉区間となって一対の主動バリヤ羽根48b
を強制的に閉じ方向移動させ、バリヤ開放動作時つまり
バリヤ駆動環97が中間開放位置(図80の位置)から
バリヤ全開位置(図79の位置)に回動するときにばね
付勢区間となって一対の主動バリヤ羽根48bをトーシ
ョンばね105のばね力により開放方向に付勢するため
の区間である。
【0319】バリヤ駆動環97にはまた、一対の主動バ
リヤ羽根48bの一対の孔102を結ぶ線分の他側に位
置させて、バリヤ連動ギヤ軸92の回転を受けて該バリ
ヤ駆動環97自身を回転駆動するための上記セクタギヤ
部97aを有している。このセクタギヤ部97aは、バ
リヤ駆動環97の裏面に設けた円弧状の溝部97dの内
面に形成されている。
【0320】以上の構成を有するレンズバリヤ機構35
は、次のように作動する。ズームレンズ鏡筒10がレン
ズ収納位置にあって各部材が図77のように位置する全
閉状態において、バリヤ連動ギヤ軸92が一方向(図7
7の時計回り方向)に回転すると、セクタギヤ部97a
を介してバリヤ駆動環97が図77の反時計回り方向に
回転する。このバリヤ駆動環97の回転時、バリヤ駆動
レバー98a、98bはそれぞれ、一対の主動バリヤ羽
根48bを次のように動かす。
【0321】図77に示す状態で、バリヤ駆動環97が
バリヤ閉位置から中間開放位置に向かって反時計回り方
向に回転すると、先ず、各バリヤ駆動レバー98a、9
8bが、カム溝107の第1開閉区間107aを介して
対応のボス突起101を光軸Oに接近する方向に移動さ
せる(図77から図78に移行する状態)。引き続きバ
リヤ駆動環97が同方向に移動すると、各バリヤ駆動レ
バー98a、98bが、カム溝107の第2開閉区間1
07bを介して対応のボス突起101を、光軸Oに接近
する方向にさらに移動させる(図78から図79に移行
する状態)。この移動によって、一対の主動バリヤ羽根
48bと一対の従動バリヤ羽根48aを共に開放状態と
する。図79に示す状態から、バリヤ連動ギヤ軸92が
他方向(図79の反時計回り方向)に回転すると、セク
タギヤ部97aを介してバリヤ駆動環97が図31の時
計回り方向に回転する。その後は、バリヤ駆動環97が
図77の反時計回り方向に回転したときの上述した動作
とは逆の動作によって一対の主動バリヤ羽根48bと一
対の従動バリヤ羽根48aが共に閉状態となる。以下、
バリヤ連動ギヤ軸92を介してレンズバリヤ機構35に
後群移動モータ30の回転を伝達する機構について詳述
する。
【0322】シャッタ取付台40は、光軸Oと直交する
方向に延びる環状部40fを有しており、後群移動モー
タ30は、この環状部40fの前面に固定されている。
この環状部40f前壁と後壁には、後群移動モータ30
の回転軸に固定したピニオン30aの回転を伝達するレ
ンズ駆動ギヤ列42Aと、同ピニオン30aの回転を伝
達するエンコーダギヤ列42Bが設けられている。この
エンコーダギヤ列42Bは、後群移動モータ30の回転
を、回転板59の回転軸59fに伝達するものであり、
後群移動モータ30の回転はこのエンコーダギヤ列42
Bを介して常時回転軸59fに伝達される。また環状部
40fには、レンズ駆動ギヤ列42Aの回転をバリヤ連
結ギヤ92に伝達してレンズバリヤ機構35のレンズバ
リヤ(主動バリヤ羽根48bを従動バリヤ羽根48a)
を開閉させるためのバリヤ開閉ギヤ列42Cが設けられ
ている。
【0323】レンズ駆動ギヤ列42A中には、遊星ギヤ
93aと太陽ギヤ93bとからなる遊星ギヤ装置93が
備わっている。この遊星ギヤ装置93は、ズームレンズ
鏡筒10がレンズ繰出位置からレンズ収納位置に移行す
るとき、切替カム部材122(図68〜図70参照)を
介して図63に示す位置から図64に示す位置に切り換
えられる。遊星ギヤ93aは、図63に示す状態では、
バリヤ開閉ギヤ列42Cの入力ギヤ42cと噛合し、図
64に示す状態では、スクリューシャフト43が螺合し
た駆動ギヤ42aと噛合する。なお、この駆動ギヤ42
aは、レンズ駆動ギヤ列42Aの最終ギヤである。図6
3の状態で後群移動モータ30が正逆に回転駆動する
と、バリヤ駆動環97がバリヤ連動ギヤ軸92を介して
正逆に回動されて、レンズバリヤ機構35のレンズバリ
ヤが開閉される。また、図64の状態で後群移動モータ
30が正逆に回転駆動すると、駆動ギヤ42aが正逆に
回転されて、スクリューシャフト43を介して後群レン
ズL2が前群レンズL1に対して相対移動される。
【0324】遊星ギヤ装置93の遊星ギヤ93aと太陽
ギヤ93bは、図67〜図71中に拡大して示す回動切
替部材130に支持されている。この回動切替部材13
0は、環状部40fと平行な基部130aを有してい
る。この基部130aの裏面には、一端部に第1軸部1
30bが植設され、他端部に第2軸部130cが植設さ
れている。また基部130aの前面には、一端部に、第
1軸部130bと同軸の軸130fが植設され、他端部
に、第2軸部130cと略同軸の被動軸130dが植設
されている。これら第1軸部130b、第2軸部130
c、被動軸130d及び軸130fは全て光軸Oと平行
とされている。
【0325】第1軸部130bには太陽ギヤ93bが回
動自在に嵌まっており、第2軸部130cには遊星ギヤ
93aが回動自在に嵌っている。第1軸部130bの先
端部130eは、環状部40fの前壁に形成された凹部
座面40hに太陽ギヤ93bを嵌めた状態で、凹部座面
40h中央に形成された孔40iに挿通されて回動自在
に支持されている。軸130fは、押え部材53の対応
する位置に形成したガイド孔(図示せず)に回動自在に
嵌っている。以上の構造によって、回動切替部材130
が第1軸部130bを中心に回動すると、遊星ギヤ93
aが図63に示す位置と図64に示す位置との間で切り
替わることが分かる。
【0326】回動切替部材130の被動軸130dは、
押え部材53に形成されたガイド長孔53jを通って該
ガイド長孔53jから前方に突出し、押え部材53に回
動自在に支持された切替カム部材122の孔122aに
挿通されている。
【0327】この切替カム部材122は、その中央部に
軸挿通孔122bを有しており、押え部材53に植設し
た支軸53iにこの軸挿通孔122bを回動自在に嵌め
た状態で押え部材53に備わっている。支軸53iは、
軸挿通孔122bより所定量長く、その先端は、押え部
材53の前端に固定した押え板55の孔55aに嵌って
いる。また切替カム部材122は、軸挿通孔122bの
周囲に、上記孔122aと、光軸O前方に向かって延び
る係合ピン122cと、係合カム部122dとを有して
いる。この係合カム部122dは、その前端部内面が、
カム面123を構成している。このカム面123は、そ
の後端部123aから前端部123bにいくにつれて徐
々に後群移動モータ30に近付く傾斜面として形成され
ている。このカム面123は、AF/AEシャッタユニ
ット21と直進案内部材22との相対位置が所定位置と
なったときに、直進案内部材22に備わった一方の案内
脚部22bの先端の係合部22fと係合する。よって、
切替カム部材122のカム面123と直進案内部材22
の係合部22fとの光軸方向での相対位置は厳密に設定
されている。
【0328】切替カム部材122の軸挿通孔122bと
押え板55の間には、支軸53iに嵌装したコイルばね
124が設けられている。このコイルばね124によっ
て、切替カム部材122は、常時光軸O後方に向かって
付勢されている。また、押え板55の一端部を固定する
ねじ127が螺合する、押え部材53に植設した固定ポ
スト53kには、トーションバネ125が嵌装されてい
る。このトーションバネ125の一端部125aは、押
え部材53の固定部53mに係合しており、他端部12
5bは、切替カム部材122の係合ピン122cに係合
している。このトーションバネ125によって、切替カ
ム部材122は、AF/AEシャッタユニット21を被
写体側から視て常時反時計回り方向に付勢されている。
また、回動切替部材130の被動軸130dがガイド長
孔53jに挿通されているため、回動切替部材130も
同トーションバネ125によって同方向に付勢されてい
る。また切替カム部材122は、AF/AEシャッタユ
ニット21と直進案内部材22が互いに離間した状態
(例えば図23に示す状態)にあるとき、その係合ピン
122c近傍に形成した係合部122fを、押え部材5
3に植設した係合突起53nに係合させた状態で支軸5
3iに嵌っている(図65に示す状態)。よって、この
状態では、切替カム部材122は、AF/AEシャッタ
ユニット21を被写体側から視て時計回り方向には回転
不能となっている。このときの切替カム部材122と回
動切替部材130の相対位置は、図68に示す位置関係
となる。この状態から、バネ124の付勢力に抗して切
替カム部材122を前方(図68中に示した矢印方向)
に移動させて係合突起53nと係合部122fの係合を
解除すれば、時計回り方向に回転させることが可能とな
っている。
【0329】図71に示す状態(撮影状態)からカメラ
の電源をオフすると、図72に示す状態(収納状態)に
移行する。このとき、先ず、直進案内部材22の係合部
22fがカム面123の前端部123aに当接し、続い
て直進案内部材22とAF/AEシャッタユニット21
がさらに接近すると、係合部22fがカム面123を光
軸前方に向かって押すため、切替カム部材122が前方
に移動されて係合突起53nと係合部122fとの係合
が解除される。このときの切替カム部材122と回動切
替部材130の相対位置は、図69に示す位置関係とな
る。
【0330】その後、直進案内部材22とAF/AEシ
ャッタユニット21がさらに接近すると、切替カム部材
122が、そのカム面123を直進案内部材22の係合
部22fに摺接させながら、AF/AEシャッタユニッ
ト21を被写体側から視て時計回り方向(図69中に示
した矢印方向)に回転する。この回転と同時に、回動切
替部材130も、孔122aと被動軸130dを介して
同方向に回転され、この回転により遊星ギヤ93aと駆
動ギヤ42aとの噛合が解除される。
【0331】その後、直進案内部材22とAF/AEシ
ャッタユニット21が最も接近すると、係合カム部12
2dが、係合部22fに隣接する案内脚部22bの側縁
部22gに乗り上がる(図72)。このとき、切替カム
部材122が、AF/AEシャッタユニット21を被写
体側から視て時計回り方向に最も回転した位置に位置さ
れ、同時に、回動切替部材130も同方向に回転して被
写体側から視て時計回り方向に最も回転した位置に位置
される。このとき、遊星ギヤ93aとバリヤ開閉ギヤ列
42Cの入力ギヤ42cが噛合する。この噛合状態とな
った後、後群移動モータ制御手段61が後群移動モータ
30のピニオン30aを所定の一方向に回転させ、この
回転がレンズ駆動ギヤ列42A、バリヤ開閉ギヤ列42
C、92、バリヤ連動ギヤ軸92等を介してレンズバリ
ヤ機構35に伝達されてレンズバリヤが閉じられる。こ
の収納状態から、カメラの電源をオンすると、先ず、後
群移動モータ制御手段61が後群移動モータ30のピニ
オン30aを上記一方向とは逆方向に回転させてレンズ
バリヤ機構35のレンズバリヤを開放し、その後、ズー
ムレンズ鏡筒を繰り出す。この繰り出しによって、直進
案内部材22とAF/AEシャッタユニット21が互い
から離間し、よって、直進案内部材22の案内脚部22
bと切替カム部材122との係合が解かれ、図71等に
示す撮影状態とされる。この撮影状態では、遊星ギヤ9
3aと駆動ギヤ42aが噛合した状態となる。
【0332】以上のように、本発明を適用した本実施例
のズームレンズ鏡筒10では、後群移動モータ30の回
転を所定のギヤ列を介してレンズバリヤ機構35に伝達
してレンズバリヤを開閉するので、レンズバリヤが確実
に開閉される。
【0333】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り本発明は、
少なくとも前群レンズおよび後群レンズを備え、前群レ
ンズおよび後群レンズを一体に移動する全体移動手段お
よび前群に対して後群レンズを移動する後群移動手段を
備え、前記前群レンズおよび後群レンズが所定位置より
もカメラボディ側に繰り込まれた位置にあるときには、
前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズおよび後群
レンズを前進させた後に前記後群移動手段を駆動して後
群レンズを後退させるので、前群レンズおよび後群レン
ズがカメラボディ側に所定位置に繰り込まれた状態でレ
ンズ繰り込み方向の外力を受けても、前群レンズおよび
後群レンズを繰り出してから後群連レンズを後退させる
ので、後群レンズがフィルムに衝突してフィルムを傷つ
けることがなく、後群レンズがカメラボディのアパーチ
ャ枠などに衝突する虞れがない。さらに本発明は、前記
後群移動手段によって開閉駆動されるレンズバリヤ装置
備え、前群レンズおよび後群レンズがレンズ収納位置に
あるときは、前記後群移動手段を前記レンズバリヤ装置
に連結し、前記前群レンズおよび後群レンズが前記全体
移動手段によって所定位置より繰り出されているときは
前記後群移動手段を後群レンズに連結しする切り換え手
段を備え、前記前群レンズおよび後群レンズが所定位置
にあるときは、前記全体駆動手段によって前記前群レン
ズおよび後群レンズを所定位置よりも繰り出した後に前
記後群駆動手段を駆動するので、切り換え手段の連結が
レンズバリヤ装置から後群レンズに確実に切り換わる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したズームレンズ鏡筒の一部を拡
大して示す斜視図である。
【図2】同ズームレンズ鏡筒の一部を図1と異なる状態
を示す斜視図である。
【図3】同ズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解
斜視図である。
【図4】同ズームレンズ鏡筒のAF/AEシャッタユニ
ットを第1移動鏡筒に組付けた状態を示す斜視図であ
る。
【図5】同ズームレンズ鏡筒のAF/AEシャッタユニ
ットの主要な部材を示す分解斜視図である。
【図6】同ズームレンズ鏡筒の第3移動鏡筒を示す斜視
外観図である。
【図7】同ズームレンズ鏡筒の固定鏡筒ブロックを示す
正面図である。
【図8】同ズームレンズ鏡筒の最大繰出状態を示す上半
断面図である。
【図9】同ズームレンズ鏡筒のレンズ収納状態における
要部を示す上半断面図である。
【図10】同ズームレンズ鏡筒の最大繰出状態における
要部を示す上半断面図である。
【図11】同ズームレンズ鏡筒全体のレンズ収納状態を
示す上半断面図である。
【図12】同ズームレンズ鏡筒全体を示す分解斜視図で
ある。
【図13】同ズームレンズ鏡筒の作動を制御する制御系
を示すブロック図である。
【図14】本発明を適用したズームレンズカメラの一実
施の形態を示す正面図である。
【図15】同ズームレンズカメラの背面図である。
【図16】同ズームレンズカメラの平面図である。
【図17】同ズームレンズカメラの制御系の主要部をブ
ロックで示す図である。
【図18】同ズームレンズカメラの、レンズ位置を検知
する検知手段としての、ズームコード板及びブラシ部の
構成、およびブラシ部が接触したズームコードの位置を
識別する構成を説明する図である。
【図19】ブラシ部が接触したズームコードを電圧とし
て識別する回路の一実施例を示す図である。
【図20】ブラシ部の接触によって得られた電圧をコー
ドに変換するテーブルを示す図である。
【図21】ストロボ回路の一実施例を示す図である。
【図22】同ズームレンズカメラのおける、前群レンズ
および後群レンズの移動態様を示す図である。
【図23】同ズームレンズカメラの露出時(焦点調整
時)の、全体移動モータおよび後群移動モータの動作シ
ーケンスを示す図である。
【図24】同ズームレンズカメラのレンズ復帰時の、全
体移動モータおよび後群移動モータの動作シーケンスを
示す図である。
【図25】同ズームレンズ鏡筒の、後群レンズ周辺機構
を示す分解斜視図である。
【図26】同後群レンズの初期位置検知機構の一実施例
の要部を示す平面図である。
【図27】同後群レンズの初期位置検知機構を、後群レ
ンズが初期位置にある状態で示す断面図である。
【図28】同後群レンズの初期位置検知機構を、後群レ
ンズが初期位置にない状態で示す断面図である。
【図29】本発明のズームレンズカメラのメイン処理に
関するフローチャートを示す図である。
【図30】同ズームレンズカメラのリセット処理に関す
るフローチャートを示す図である。
【図31】同ズームレンズカメラのAFレンズ初期化処
理に関するフローチャートを示す図である。
【図32】同ズームレンズカメラのレンズ収納処理に関
するフローチャートを示す図である。
【図33】同ズームレンズカメラのレンズ収納処理に関
するフローチャートを示す図である。
【図34】同ズームレンズカメラのレンズ繰り出し処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図35】同ズームレンズカメラのズームテレ移動処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図36】同ズームレンズカメラのズームワイド移動処
理に関するフローチャートを示す図である。
【図37】同ズームレンズカメラの撮影処理に関するフ
ローチャートを示す図である。
【図38】同ズームレンズカメラのメイン充電処理に関
するフローチャートを示す図である。
【図39】同ズームレンズカメラのシャッタ初期化処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図40】同ズームレンズカメラのズームコード入力処
理に関するフローチャートを示す図である。
【図41】同ズームレンズカメラのAFパルス確認処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図42】同ズームレンズカメラのAFリターン処理に
関するフローチャートを示す図である。
【図43】同ズームレンズカメラのバリア閉処理に関す
るフローチャートを示す図である。
【図44】同ズームレンズカメラのバリア開処理に関す
るフローチャートを示す図である。
【図45】同ズームレンズカメラのズームドライブ処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図46】同ズームレンズカメラのAF2段繰り出し処
理に関するフローチャートを示す図である。
【図47】同ズームレンズカメラのズームリターン処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図48】同ズームレンズカメラのズームリターン処理
およびズーム待機確認処理に関するフローチャートを示
す図である。
【図49】同ズームレンズカメラの撮影充電処理に関す
るフローチャートを示す図である。
【図50】同ズームレンズカメラのピント調整処理に関
するフローチャートを示す図である。
【図51】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフ
ローチャートを示す図である。
【図52】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフ
ローチャートを示す図である。
【図53】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフ
ローチャートを示す図である。
【図54】同ズームレンズカメラのレンズリターン処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図55】同ズームレンズカメラのレンズドライブ処理
に関するフローチャートを示す図である。
【図56】同ズームレンズカメラのテスト関数呼び出し
処理に関するフローチャートを示す図である。
【図57】同ズームレンズカメラの露出AFパルスカウ
ント処理に関するフローチャートを示す図である。
【図58】同ズームレンズカメラのズームドライブチェ
ック処理に関するフローチャートを示す図である。
【図59】同ズームレンズカメラのAFドライブ処理に
関するフローチャートを示す図である。
【図60】同ズームレンズカメラのズームパルスカウン
ト処理に関するフローチャートを示す図である。
【図61】同ズームレンズカメラのAFドライブチェッ
ク処理に関するフローチャートを示す図である。
【図62】同ズームレンズカメラのズームレンズ鏡筒の
要部を示す斜視図である。
【図63】同要部の正面図である。
【図64】同要部を異なった状態で示す正面図である。
【図65】撮影状態における切替カム部材の位置を示す
図である。
【図66】収納状態における切替カム部材の位置を示す
図である。
【図67】同ズームレンズ鏡筒の本発明に係る要部を拡
大して示す分解斜視図である。
【図68】切替カム部材、回動切替部材及び遊星ギヤ装
置を拡大して示す斜視図である。
【図69】同切替カム部材、回動切替部材及び遊星ギヤ
装置を図68とは異なった状態で示す斜視図である。
【図70】同切替カム部材、回動切替部材及び遊星ギヤ
装置を図68及び図69とは異なった状態で示す斜視図
である。
【図71】撮影状態におけるAF/AEシャッタユニッ
トと直進案内部材を示す斜視外観図である。
【図72】収納状態におけるAF/AEシャッタユニッ
トと直進案内部材を示す斜視外観図である。
【図73】図71中のAF/AEシャッタユニットのみ
を示す斜視外観図である。
【図74】図72中のAF/AEシャッタユニットのみ
を示す斜視外観図である。
【図75】本発明を適用したズームレンズ鏡筒における
レンズバリヤ機構の主要な部材を示す上半断面図であ
る。
【図76】同ズームレンズ鏡筒におけるレンズバリヤ機
構を示す分解斜視図である。
【図77】主動バリヤ羽根が閉状態から開くときの強制
開閉区間を説明するための同レンズバリヤ機構の正面図
である。
【図78】主動バリヤ羽根が閉状態から開くときの強制
開閉区間を説明するための同レンズバリヤ機構の正面図
である。
【図79】主動バリヤ羽根が開状態から閉じるときの強
制開閉区間を説明するための同レンズバリヤ機構の正面
図である。
【図80】主動バリヤ羽根が開状態から閉じるときの強
制開閉区間を説明するための同レンズバリヤ機構の正面
図である。
【図81】第1移動鏡筒の前端部に備えた同レンズバリ
ヤ機構の底面図である。
【符号の説明】
9a ブラシ部 10 ズームレンズ鏡筒 12 固定鏡筒ブロック 13a コード板 16 第3移動鏡筒 19 第2移動鏡筒 20 第1移動鏡筒 21 AF/AEシャッタユニット 25 全体移動モータ 30 後群移動モータ 60 全体移動モータ制御手段(回路) 61 後群移動モータ制御手段(回路) 210 制御手段(CPU) L1 前群レンズ L2 後群レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 ▲琢▼磨 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 岸本 政昭 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内 (72)発明者 野村 博 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも前群レンズおよび後群レンズを
    備えたズームレンズカメラであって、 前群レンズおよび後群レンズを一体に移動させる全体移
    動手段;後群レンズのみを前群レンズに対して接離移動
    させる後群移動手段;焦点調整時に、前記全体移動手段
    を駆動して前群レンズおよび後群レンズを所定位置まで
    前進させ、後群移動手段を駆動して後群レンズを前群レ
    ンズから後退させる制御手段;を備え、 この制御手段は、前記前群レンズおよび後群レンズが所
    定位置よりもカメラボディ側に繰り込まれた位置にある
    ときには、前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズ
    および後群レンズを前進させた後に前記後群移動手段を
    駆動して後群レンズを後退させること、を特徴とするズ
    ームレンズカメラ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記前群レンズは、
    カメラボディに進退動自在に装着された鏡筒に支持さ
    れ、前記後群移動手段は、この鏡筒に装着された後群移
    動モータを備え、前記後群レンズは、この後群移動モー
    タによって移動可能に前記鏡筒に支持され、前記全体移
    動手段は、カメラボディに装着された、前記鏡筒を移動
    させる全体移動モータを備えていること、を特徴とする
    ズームレンズカメラ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のカメラは、前記鏡筒の
    先端部にその開口を開閉するレンズバリヤ装置と、前記
    後群レンズ群を移動させる後群ギヤ装置と、前記後群移
    動モータの回転を択一的に前記バリヤ装置と後群ギヤ装
    置とに伝達する切り換えギヤ装置とを備え、このギヤ装
    置は、前記鏡筒が収納位置に移動したときに前記バリヤ
    装置に切り換わり、前記鏡筒が収納位置から繰り出され
    たときに前記後群ギヤ列に切り換わること、を特徴とす
    るレンズバリヤ機構を備えたズームレンズカメラ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカメラは、ズーム操作
    手段およびレリーズ操作手段を備え、前記制御手段は、
    前記ズーム制御手段が操作されたときに、前記全体移動
    手段を駆動し前記前群レンズおよび後群レンズを一体に
    移動して、予め設定されている複数の待機位置の一つで
    停止させ、前記レリーズ手段が操作されたときに、前記
    全体移動手段を駆動して前群レンズ及び後群レンズを前
    記待機位置から前進させ、前記後群移動手段を駆動して
    前記後群レンズを後退させること、を特徴とするレンズ
    バリヤ機構を備えたズームレンズカメラ。
JP8034823A 1995-07-07 1996-02-22 レンズバリヤ機構を備えたズームレンズカメラ Pending JPH09230210A (ja)

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