JP3727999B2 - ズームファインダを備えたズームレンズカメラ - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、少なくとも前群レンズ及び後群レンズを個別に移動するズームレンズカメラに関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
ズームコンパクトカメラは、ズーム撮影光学系の像とは別のズームファインダ光学系の像を観察するカメラであるから、焦点距離を変更させるズーム操作手段が操作されたとき、常に特定被写体距離の被写体(通常は無限遠の被写体)に対して合焦状態を維持してズーミングすることが必要な訳ではない。したがって、ズーミングに際してはレンズ群全体を移動し、フォーカシングの際にフォーカシングレンズ群を移動して合焦させることで、レンズ構成及びレンズ駆動機構の自由度が増加する。
【0003】
コンパクトカメラのズームレンズは、コンパクト化のために、2段、あるいは3段以上の多段繰り出し鏡筒構造が多用されている。このようなズームレンズは、鏡筒を繰り出す機構、例えばモータ、ギヤ列、ヘリコイドなどにバックラッシュが存在するので、ズーミングしてレンズを停止するときに、レンズを一定位置に停止できないことがある。また、レンズ鏡筒が押されたり、引かれたりして停止した位置からレンズ群全体が移動する場合がある。かかる場合、測距結果に基づいた量フォーカシングレンズ群を移動しても、実際には合焦しないことになる。そのため、確実に合焦できるズームレンズカメラが望まれていた。
また、レンズ群全体の移動に連動して像倍率が変動(変倍)するズームファインダーを備えた場合、レリーズ時にレンズ群全体を駆動すると、ズームファインダーも変倍してしまい、ファインダー像がちらついてしまう。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、従来のズームレンズの問題意識に基づいてなされたもので、ズーミングの際にはレンズ群全体を移動し、フォーカシングの際にはレンズ群全体およびフォーカシングレンズも移動するズームレンズと、レンズ群全体の移動に連動して像倍率が変動(変倍)するズームファインダーを備えた場合に、焦点調整動作時にズームファインダーの像倍率が変動しないズームレンズカメラを提供すること、を目的とする。
【0005】
【発明の概要】
この目的を達成する本発明は、少なくとも前群レンズおよび後群レンズを備えたズームレンズカメラであって、前群レンズおよび後群レンズを一体に移動させる全体移動手段;ズームファインダ;全体移動手段に連動してズームファインダを変倍させるファインダ連動手段;および、ズーミング時には、前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを、段階的に設定された待機位置の一つに停止させ、焦点調整時には、前記全体移動手段を所定駆動量駆動して前群レンズおよび後群レンズを所定位置まで移動し、その後前記全体移動手段を逆転駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを前記待機位置まで戻す制御手段を備え、前記全体移動手段によって前記前群レンズおよび後群レンズを移動させるときのバックラッシュは、前記全体移動手段が前記ファインダ連動手段を介して前記ズームファインダを変倍させるときのファインダバックラッシュよりも少なく設定され、前記焦点調整するときに前記全体移動手段が前記前群レンズおよび後群レンズを前記待機位置から駆動する所定駆動量は、前記バックラッシュより多く、かつ前記ファインダバックラッシュより少なく設定されていること、に特徴を有する。したがって、焦点調整時に全体移動手段を駆動して前群レンズおよび後群レンズを移動しても、ズームファインダが変倍することがない。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図示実施形態に基づいて本発明を説明する。この実施形態は、図13に示すレンズシャッタ式ズームレンズカメラに本発明を適用したものであり、最初に、この図13について、このズームレンズカメラの概念を説明する。レンズ構成は、前群レンズL1と後群レンズL2の2群である。
【0007】
カメラ本体には、全体移動モータ駆動手段60、後群移動モータ駆動手段61、ズーム操作手段62、シャッタレリーズ手段63、測距装置64、測光装置65、AEモータ駆動手段66及びこれらを統括的に制御する制御手段(CPU)210が設けられている。
【0008】
制御手段210は、カメラボディに設けたズームレバー等のズーム操作手段62(ワイドズームボタン62WB、テレズームボタン62TB、)が操作されたとき、全体移動モータ駆動手段60に対し、前群レンズL1と後群レンズL2からなるズームレンズをワイド側からテレ側に移動させるための移動指令、またはテレ側からワイド側に移動させるための移動指令を与える。この移動指令を受けた全体移動モータ駆動手段60は、全体移動モータ25を駆動してズームレンズをワイド側からテレ側に、またはテレ側からワイド側に移動させる。撮影者によるズーム操作手段62の操作によって焦点距離が変更され、任意の焦点距離に設定される。なお、図示しないが、ファインダ視野の像倍率は、ズーム操作手段62による焦点距離変化に連動して変化する。よって撮影者は、ズーム操作手段62の操作による焦点距離変化を、ファインダ視野の像倍率変化を観察することで知ることができる。また、ズーム操作手段62の操作によって設定される焦点距離は、例えば、LCD表示パネル224(図16参照)に表示される数値により認識することができる。
【0009】
制御手段210はまた、シャッタレリーズ手段63が操作されたとき、全体移動モータ制御手段60を介して駆動される全体移動モータ25を駆動するとともに、後群移動モータ制御手段61を介して駆動される後群移動モータ30を駆動して、被写体にズームレンズを合焦させる。シャッタレリーズ手段63は、レリーズボタン63B及びレリーズボタン63Bに連動する測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRを備え、制御手段210は、レリーズボタンの63Bの一段押しで測光スイッチSWSがオンして測距装置64への測距指令と測光装置65への測光指令を与え、レリーズボタン63Bの二段押しでレリーズスイッチSWRがオンして、測距結果に基づいて、全体移動モータ25および後群移動モータ30を駆動して前群レンズL1および後群レンズL2を合焦位置まで移動させる焦点調整処理を実行し、測光結果に基づいてAEモータ駆動手段66を介して、AF/AEシャッタユニット21のAEモータ29を駆動してシャッタ27を動作させる。シャッタ駆動に際して制御手段210は、測光装置65からの測光出力を受けて、AEモータ29を駆動してシャッタ27のシャッタ羽根27aを所定時間開放する。なお、シャッタレリーズ手段63は、図示しないが、制御手段210に焦点調整処理を実行させるスイッチ手段を含むものとする。なお、レリーズボタン217Bの一段押しで全体移動モータ25と後群移動モータ30を駆動してもよい。
【0010】
制御手段210は、ズーム操作手段62が操作されると、全体移動モータ25を駆動して前群レンズL1と後群レンズL2を一体に移動させる。この移動と同時に後群移動モータ制御手段61を介して後群移動モータ30を動作させてもよいが、本ズームレンズカメラにおいて重要な点は、ズーム操作手段62の操作を受けての前群レンズL1と後群レンズL2の移動は、焦点の位置を移動させることなく焦点距離を連続的に変化させる従来のズーミングの概念では行なわないということである。つまり、ズーム操作手段62が操作されたとき、
▲1▼全体移動モータ25のみを動作させて、前群レンズL1と後群レンズL2を両者の空気間隔を変化させることなく前後に移動させる態様、及び、
▲2▼全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作させて、前群レンズL1と後群レンズL2を両者の空気間隔を変化させながら(焦点位置は考慮しないで)移動させる態様、
とが可能である。
【0011】
▲1▼の態様では、特定距離の被写体に常時ピントが合うことはあり得ないが、撮影光学系による像を観察する訳ではない本カメラのようなレンズシャッタ式カメラでは、シャッタレリーズ時にピントが合えばよいから全く問題がない。また、▲2▼の態様では、焦点位置の移動を許容しつつ、前群レンズL1と後群レンズL2を移動させる。ピント合わせは、シャッタレリーズ時に全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作させて行う。
【0012】
ズーム操作手段62の操作に応じて上記▲1▼または▲2▼の何れかの制御態様を実行した後、ズーム操作手段62によって設定される焦点距離の少なくとも一部の焦点距離域においてシャッタレリーズ手段63が操作されたとき、全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作させて被写体に合焦させる。このときの全体移動モータ25と後群移動モータ30による前群レンズL1と後群レンズL2の移動量は、測距装置64による被写体距離情報によって得られる移動量だけでなく、ズーム操作手段62によって設定される焦点距離情報によって得られる移動量を加味して決定される。このように、シャッタレリーズ手段63が操作されたとき、全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を動作させて合焦動作を行わせると、レンズ位置の制御に自由度が生れ、その制御が容易になる。
【0013】
なお、理論的には、ズーム操作手段62の操作時には、全体移動モータ25と後群移動モータ30のいずれも動作させずに単にファインダの視野倍率と焦点距離情報だけを変化させ、シャッタレリーズ手段63が操作されたときに、その焦点距離情報と測距装置64による被写体距離情報とにより全体移動モータ25と後群移動モータ30を同時に動作させて、その焦点距離情報と被写体距離情報によって一義的に決定される位置に前群レンズL1と後群レンズL2を移動させることもできる。
【0014】
次に、主に図11と図12を用いて、上記概念のズームレンズ鏡筒を具体的にした実施形態を説明する。
本ズームレンズ鏡筒10の概略構成と動作を最初に説明すると、前方から順に、第1移動鏡筒20、第2移動鏡筒19、第3移動鏡筒16、及び固定鏡筒ブロック12が備えられている。第3移動鏡筒16は、固定鏡筒ブロック12の筒状部に螺合され、回動とともに光軸方向に進退する。第3移動鏡筒16は、光軸方向に一体に移動する、回転を規制された直進案内筒17を内方に有し、第2移動鏡筒19はこの直進案内筒17に対して相対回転しながら光軸方向に進退する。第1移動鏡筒20は、回転を規制されていて、第2移動鏡筒19に対する相対回転により光軸方向に進退する。全体移動モータ25は、固定鏡筒ブロック12に固定され、AEモータ29と後群移動モータ30を搭載したシャッタ取付台40は、第1移動鏡筒20に固定されている。前群レンズL1は、レンズ支持筒34に支持された正のパワーを有するレンズであり、後群レンズL2は、レンズ支持筒50に支持された負のパワーを有するレンズである。
【0015】
カメラボディのアパーチャ板14の前方に固定される固定鏡筒ブロック12は、その筒状部の内周面に、雌ヘリコイド12aと、光軸Oと平行な複数の直進案内溝12bとを有している。この複数の直進案内溝12bの1つには、その底部に、所定のパターンを有するコード板13aが固定されている。このコード板13aは、固定鏡筒ブロック12の外方に位置するフレキシブルプリント基板13の一部として構成されている。アパーチャ板14は、フィルムへの露光領域を決定するアパーチャ14aを有する。
【0016】
固定鏡筒ブロック12の筒状部には、径方向外方に膨出しかつ光軸方向に延びるギヤ収納部12cが形成されている(図7参照)。このギヤ収納部12cには、光軸方向に長い駆動ピニオン15が回転自在に収納されている。この駆動ピニオン15はその軸7の両端部を、固定鏡筒ブロック12に設けた支持孔4とギヤ支持板31に設けた支持孔31aにそれぞれ回転自在に支持されている。この駆動ピニオン15の歯面は、固定鏡筒ブロック12の内周面に突出している。
【0017】
複数の直進案内溝12bの1つである直進案内溝12b′には、その底部に、所定のパターンを有するコード板13aが固定されている(図7参照)。この直進案内溝12b′は、固定鏡筒ブロック12においての撮影画面の略対角位置に位置するように設けられている。このコード板13aは、固定鏡筒ブロック12の軸(光軸)方向の略全域に亘って光軸Oと平行に備えられ、固定鏡筒ブロック12の外方に位置するフレキシブルプリント基板13の一部として構成されている。このフレキシブルプリント基板13には、全体移動モータ25の回転軸に固定した回転板2とにより、全体移動モータ25の回転検出用のエンコーダーを構成するフォトインタラプタ1が装着されている(図12参照)。
【0018】
固定鏡筒ブロック12の筒状部には、径方向外方に膨出しかつ光軸方向に延びるギヤ収納部12cが形成されている(図7参照)。このギヤ収納部12cには、光軸方向に長い駆動ピニオン15が回転自在に収納されている。この駆動ピニオン15はその軸7の両端部を、固定鏡筒ブロック12に設けた支持孔4とギヤ支持板31に設けた支持孔31aにそれぞれ回転自在に支持されている。この駆動ピニオン15の歯面は、固定鏡筒ブロック12の内周面に突出している。
【0019】
固定鏡筒ブロック12の内周には、第3移動鏡筒16が螺合されている。この第3移動鏡筒16は、内周面に、光軸方向に延びる複数の直進案内溝16cを有し、後端部外周に、固定鏡筒ブロック12の雌ヘリコイド12aと噛み合う雄ヘリコイド16aと、駆動ピニオン15と噛み合う外周ギヤ16b(図6参照)とを有している。駆動ピニオン15は、第3移動鏡筒16の光軸方向の全移動域において、この外周ギヤ16と噛み合う軸方向長さを有する。
【0020】
第3移動鏡筒16の内周には、直進案内筒17が、この第3移動鏡筒16と光軸方向に一体に移動可能かつ光軸回りに相対回転可能に支持されている。直進案内筒17は、後部外周に、径方向外方に突出する複数の係合突起17cを備えた後端フランジ部17dと、この後端フランジ部17dの前方にやや隙間を開けて設けた、該フランジ部17dより小径の抜止フランジ部17eとを有している。この抜止フランジ部17eの周方向に、複数の切欠部17fが形成されている。第3移動鏡筒16は、後端部内周に、径方向内方に突出する複数の係合突起16d(図11)を有し、この係合突起16dを上記切欠部17fから挿入して両フランジ部17d、17e間の隙間に位置させ、直進案内筒17に対し相対回転することにより該直進案内筒17と結合している。直進案内筒17の後端面には、アパーチャ14aと略同形の開口23aを有するアパーチャ板23が固定されている。
【0021】
直進案内筒17は、複数の係合突起17cを、対応する光軸Oと平行な直進案内溝12bに摺動自在に係合させて、固定鏡筒ブロック12に対する相対回転を規制されている。係合突起17cの1つである係合突起(直進案内キー)17c′には、直進案内溝12b′の底部に固定したコード板13aと摺接して、ズーミング時の焦点距離情報に対応する信号を発生させるための接触端子(ブラシ体)9が固定されている。この係合突起17c′は、撮影画面の略対角位置に位置するように設けられ、径方向への突出部70と、この突出部70に軸(光軸)方向と平行に形成した取り付けねじ孔71と、後方に突出させた一対の位置決め突起72を有している。係合突起17cは、固定鏡筒ブロック12の光軸Oと平行な直進案内溝12bに摺動自在に係合されており、回転を規制されている。
【0022】
接触端子9は、固定部9bと略直交しコード板13aに摺接する一対のブラシ部(電気接片)9aと、一対の位置決め突起72に嵌合する一対の位置決め孔9dとを有している。この一対のブラシ部9aは、固定部9bを介して互いに導通している。
【0023】
コード板13aは、図18に示すように、その長手方向と直交する方向に並ぶ4種類の電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3を備えている。これらの電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3は、上記一対のブラシ部9aがコード板13aの長手方向に摺動するとき、その摺動位置に応じて予め決められた電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3を導通して所定の信号(電圧)を出力するように、互いに組み合わされて所定パターンを形成している。
【0024】
直進案内筒17にはまた、その内周面に、光軸Oと平行な複数の直進案内溝17aと、この案内筒17の周壁を貫通しかつ円周方向及び光軸方向に対して傾斜する複数のリード溝17bとが形成されている。
【0025】
直進案内筒17の内周には、第2移動鏡筒19が嵌合されている。この第2移動鏡筒19は、内周面に、リード溝17bとは逆傾斜の複数のリード溝19cを有し、後端部外周に、径方向外方に突出する複数の断面台形状のフォロア突起19aと、このフォロア突起19a上に位置するフォロアピン18とを有する。このフォロアピン18は、リング部材18aと、このリング部材18aをフォロア突起19a上に支持する中心固定ねじ18bとからなっている。フォロア突起19aは、直進案内筒17のリード溝17bに摺動可能に嵌まり、フォロアピン18は、第3移動鏡筒16の直進案内溝16cに摺動可能に嵌まる。よって、第3移動鏡筒16が回転すると、第2移動鏡筒19が回転しながら光軸方向に直進移動する。
【0026】
第2移動鏡筒19の内周には、第1移動鏡筒20が嵌合されている。この第1移動鏡筒20は、後端部外周に備えた複数のフォロアピン24を、対応する内周リード溝19cに係合させ、かつ直進案内部材22により直進案内されている。この直進案内部材22は、図1と図2に示すように、環状部22aと、この環状部22aから光軸方向に延びる一対の案内脚部22bと、環状部22aの径方向外方に突出させた、直進案内溝17aに摺動自在に係合する複数の係合突起28とを有し、第1移動鏡筒20の内周面とAF/AEシャッタユニット21の間に案内脚部22bを直進案内可能に挿入している。
【0027】
また直進案内部材22の環状部22aは、第2移動鏡筒19の後端部に、光軸方向に一体に移動可能かつ光軸回りに相対回転可能に結合されている。この直進案内部材22は、後部外周に、径方向外方に突出する複数の係合突起28を備えた後端フランジ部22dと、この後端フランジ部22dの前方にやや隙間を開けて設けた、該フランジ部22dより小径の抜止フランジ部22cを有し、この抜止フランジ部22cの周方向に、複数の切欠部22eを有している(図1参照)。第2移動鏡筒19は、後端部内周に、径方向内方に突出する複数の係合突起19b(図11)を有し、この係合突起19bを上記切欠部22eから挿入して両フランジ部22c、22d間の隙間に位置させ、直進案内部材22に対し相対回転することにより該直進案内部材22と結合している。上記構成により、第1移動鏡筒20は、第2移動鏡筒19が正逆に回転するとき、回転を規制されたまま、該第2移動鏡筒19に対して光軸方向前後に直進移動する。
【0028】
この第1移動鏡筒20の前端部には、バリヤ羽根48a、48bを備えたバリア装置35が装着され、内周面には、3枚のシャッタ羽根27a(図5)からなるシャッタ27を備えたAF/AEシャッタユニット21が嵌合固定されている。このAF/AEシャッタユニット21は、シャッタ取付台40の外周部に等角度間隔で形成した複数の固定孔40a(図3)を有している。上記複数のフォロアピン24は、このAF/AEシャッタユニット21の固定手段を兼ねており、第1移動鏡筒20に形成したピン孔20aと、この固定孔40aに、このフォロアピン24が嵌入固定されて、このシャッタユニット21が第1移動鏡筒20に固定されている(図4参照)。フォロアピン24は例えば接着、ねじ止め等の手段で固定できる。なお、41は、第1移動鏡筒20の前端部に固定される飾り板である。
【0029】
AF/AEシャッタユニット21は、図5と図12に示されるように、シャッタ取付台40と、このシャッタ取付台40の後部に固定されるシャッタ羽根支持環46と、このシャッタ取付台40に対して相対移動自在に支持されるレンズ支持筒50(後群レンズL2)とを有している。このシャッタ取付台40には、前群レンズL1とAEモータ29と後群移動モータ30が支持されている。このシャッタ取付台40は、レンズ支持筒34を挿通させる撮影開口40dを備えた環状部と、この環状部から後方に向けて延出された3つの脚部40bとを有している。この3つの脚部40b間の隙間のうち2箇所は、直進案内部材22の一対の案内脚部22bをそれぞれ摺動自在に係合させて移動ガイドする直進案内部40cとして構成されている。
【0030】
シャッタ取付台40にはさらに、AEモータ29の回転をシャッタ27に伝えるAEギヤ列45と、後群移動モータ30の回転をスクリューシャフト43に伝えるレンズ駆動ギヤ列42と、フレキシブルプリント基板6に接続されたフォトインタラプタ56、57と、放射方向に延びるスリットを円周方向に多数備えた回転板58、59とが支持されている。上記フォトインタラプタ57と回転板59によって、後群移動モータ30の回転を検知する後群移動モータ用エンコーダが構成され、フォトインタラプタ56と回転板58によって、AEモータ29の回転を検知するAEモータ用エンコーダが構成されている。
【0031】
シャッタ取付台40とこの取付台40に固定したシャッタ羽根支持環46の間に、上記シャッタ27と、このシャッタ27の3枚のシャッタ羽根27aを枢支する支持部材47と、シャッタ羽根27aに回動力を付与する環状駆動部材49とが位置している。環状駆動部材49は、3枚のシャッタ羽根27aにそれぞれ係合する3つの操作突起49aを等角度間隔で備えている。シャッタ羽根支持環46は、前壁部に、撮影開口46aと、この撮影開口46aの周囲に等角度間隔で設けた3つの支持孔46bを有し、外周部に、直進案内部40cから露出して上記一対の案内脚部22bの内周面を摺動自在に支持する撓み規制面46cを有している(図9、図10参照)。
【0032】
また、シャッタ羽根支持環46の前方に位置する支持部材47は、撮影開口46aに対向する撮影開口47aと、3つの支持孔46bとそれぞれ対向する3つの軸部47b(図5に一箇所のみ示す)とを有している。3枚のシャッタ羽根27aはそれぞれ、一端部に、軸部47bを挿通させる軸孔27bを有し、他端部に、撮影開口46a、47aを遮蔽する遮蔽部を有し、該一端部と他端部の間に、上記操作突起49aを挿通させる長孔27cを有している。上記支持部材47は、シャッタ羽根27aをそれぞれ支持した各軸部47bを、シャッタ羽根支持環46の対応する支持孔46bに嵌合させた状態で、このシャッタ羽根支持環46に固定されている。
【0033】
環状駆動部材49は、外周部に、ギヤ列45からの回転を受けるギヤ部49bを有する。また支持部材47は、3つの軸部47bと近接する位置に、円周方向に沿う3つの円弧溝47cを有している。環状駆動部材49の上記3つの操作突起49aは、該3つの円弧溝47cを貫通して、各シャッタ羽根27aの長孔27cに係合している。シャッタ羽根支持環46は、これら環状駆動部材49、支持部材47及びシャッタ27を支持した状態でシャッタ取付台40の後方側から挿入され、このシャッタ取付台40にねじ止めされている。
【0034】
シャッタ羽根支持環46の後方には、シャッタ取付台40にスライドシャフト51、52を介して相対移動自在に支持されたレンズ支持筒50が配置されている。シャッタ取付台40とレンズ支持筒50は、スライドシャフト51に嵌合されたコイルばね3によって互いに離れる方向に移動付勢されており、これにより両者間のガタが除去されている。また、上記ギヤ列42に備えられた駆動ギヤ42aは、軸方向の移動が規制されており、その内周に雌ねじが形成されている。この雌ねじに、レンズ支持筒50に一端部を固定されたスクリューシャフト43が螺合しており、これら駆動ギヤ42aとスクリューシャフト43とにより送りねじ機構が構成されている。よって、後群移動モータ30が回転駆動して駆動ギヤ42aが正逆いずれかに回転すると、スクリューシャフト43がこの駆動ギヤ42aに対して進退し、レンズ支持筒50つまり該レンズ支持筒50に支持した後群レンズL2が前群レンズL1に対して相対移動する。
【0035】
シャッタ取付台40の前部には、このシャッタ取付台40に支持した上記モータ29、30等を押える押え部材53、55がねじ止めされている。シャッタ取付台40に一端部を固定された上記フレキシブルプリント基板6には、モータ29、30、及びフォトインタラプタ56、57が接続されている。第1〜第3移動鏡筒20、19、16及びAF/AEシャッタユニット21等を組立てた状態において、直進案内筒17の後端面にアパーチャ板23が固定され、また固定鏡筒ブロック12の前端部に、環状の抜止め部材33が嵌着されている。
【0036】
ズームレンズ鏡筒10の最前方の第1移動鏡筒20の前部には、一対ずつの従動バリヤプレート48aと主動バリヤプレート48bを備えたバリヤ装置35が設けられている。この第1移動鏡筒20の前端部に固定される飾り板41の裏面に環状プレート96が固定され、この飾り板41と環状プレート96の間に両バリヤプレート48a、48bが枢着されている。また、第1移動鏡筒20の前端部においてのこの第1移動鏡筒20の前端面20bと裏板96の間に、一対のバリヤ駆動レバー98a、98bを備えたバリヤ駆動環97が回動自在に設けられている。このバリヤ駆動環97は、後群移動モータ30の回転を受けて回転駆動するバリヤ連結ギヤ92によって正逆に回転され、バリヤ駆動レバー98a、98bを介して主動バリヤプレート48bを従動バリヤプレート48aとともに開閉させる。
【0037】
以上の実施の形態では、前群レンズL1および後群レンズL2の二群からなるズームレンズを示したが、本発明は、さらに固定レンズ群を備えたズームレンズにも適用できるし、この実施の形態に限定されない。また、前群レンズL1と、レンズ支持筒50に支持した後群レンズL2を、AF/AEシャッタユニット21の構成部材の1つとし、全体駆動モータ30を該ユニット21に搭載している。この構成によると、後群レンズL2の支持構造及び駆動構造を単純化できるという利点があるが、後群レンズL2を、シャッタ取付台40、環状駆動部材49、支持部材47、シャッタ羽根27及びシャッタ羽根押え環46等を備えたAF/AEシャッタユニット21とは別部材とし、該ユニットとは別の支持部材に支持しても、本ズームレンズは成立する。
【0038】
本ズームレンズカメラにおいて、全体移動モータ25及び後群移動モータ30の回転により、次のように作動する。ズームレンズ鏡筒10が最も繰り込まれた図9のレンズ収納状態において、電源スイッチをオンすると、全体移動モータ25が正方向に若干量回転駆動する。すると、この回転が、支持部32に支持されたギヤ列26を介して駆動ピニオン15に伝えられ、第3移動鏡筒16が繰り出し方向に回転されるため、第2移動鏡筒19と第1移動鏡筒20が該第3移動鏡筒16とともに光軸方向に若干量繰り出され、カメラはズームレンズをワイド端に位置させた撮影可能状態となる。この際、直進案内筒17の固定鏡筒ブロック12に対する進退量がコード板13aと接触端子9の相対摺動によって検出されることに基づき、前、後群レンズL1、L2からなるズームレンズの焦点距離が検出されている。
【0039】
この撮影可能状態において、ズームテレスイッチがオンすると、全体移動モータ25を正方向に回転駆動し、駆動ピニオン15、外周ギヤ16bを介して第3移動鏡筒16を繰り出し方向に回転させる。したがって、この第3移動鏡筒16が雌ヘリコイド12aと雄ヘリコイド16aの関係により固定鏡筒ブロック12から繰り出され、同時に、直進案内筒17が、係合突起17cと直進案内溝12bの関係によって固定鏡筒ブロック12に対し相対回転しない状態で、該第3移動鏡筒16とともに光軸前方に進出する。このとき第2移動鏡筒19は、フォロアピン18をリード溝17bと直進案内溝16cに同時に係合させていることにより、第3移動鏡筒16と同方向に相対回転しながら該移動鏡筒16に対して光軸前方に相対移動する。また第1移動鏡筒20は、直進案内部材22によって直進案内されかつフォロアピン24をリード溝19cによって移動ガイドされるため、固定鏡筒ブロック12に対して相対回転しない状態で、第2移動鏡筒19からAF/AEシャッタユニット21とともに光軸前方に進出する。この際、直進案内筒17の固定鏡筒ブロック12に対する進退位置がコード板13aと接触端子9の相対摺動によって検出されることに基づき、前、後群レンズL1、L2からなるズームレンズの焦点距離が検出されている。
【0040】
ズームワイドスイッチがオンすると、全体移動モータ25が逆方向に回転駆動し、第3移動鏡筒16が繰り込み方向に回転されて、直進案内筒17とともに固定鏡筒ブロック12に繰り込まれる。同時に第2移動鏡筒19が、第3移動鏡筒16と同方向に回転しながら該移動鏡筒16に対して繰り込まれ、第1移動鏡筒20が、回転する第2移動鏡筒19に対してAF/AEシャッタユニット21とともに繰り込まれる。この繰込駆動時においても、後群移動モータ30は、上述の繰出駆動時と同様、駆動しない。
【0041】
ズームレンズ鏡筒10がズーミングに際して駆動される間、後群移動モータ30は駆動しないため、前群レンズL1と後群レンズL2は互いの距離を一定に保ったまま一体的に光軸方向に移動する(図8参照)。ズームコード板13aを介して入力した焦点距離は、LCD表示パネル224によって表示される。
【0042】
ズーム操作手段31によって設定される任意の焦点距離において、レリーズボタン217Bが一段押しされると、制御手段210は、測距装置64により測距し、測光装置65により測光する。この状態でレリーズボタン217Bが二段押しされると、全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方を、設定されていた焦点距離情報及び測距装置64による被写体距離情報によって得られる移動量だけ前群レンズL1と後群レンズL2を移動させて設定焦点距離にするとともに被写体に合焦させ、さらに、AEモータ制御回路66を介してAEモータ29が、測光装置65からの被写体輝度情報に応じて環状駆動部材49を回転駆動し、所定の露出を満たすようにシャッタ27を駆動する。このシャッタレリーズの終了後、全体移動モータ25と後群移動モータ30の双方が直ちに駆動されて、前群レンズL1と後群レンズL2がシャッタレリーズ前の状態に戻される。
【0043】
そしてズームレンズ鏡筒10は、電源スイッチ212がオン操作されて電源が切られると、これに基づき回転駆動する全体移動モータ25によって、図11に示すレンズ収納位置に繰り込まれる。その前に、全体移動モータ25が起動して、後群レンズL2がホーム位置まで移動される。
【0044】
図14から図16は、図1から図13に示したズームレンズ鏡筒を備えた、本発明のレンズシャッタ式カメラの一実施の形態の外観を示す正面図、背面図および平面図である。カメラボディ201の正面ほぼ中央にはズームレンズ鏡筒12が装着されていて、さらに正面には、測光用の受光素子65a、AFセンサー窓64a、ファインダー光学系のファインダー窓207a、ストロボの発光部90a、およびセルフタイマー表示ランプ224が設けられている。カメラボディ201の底面には、電池蓋202が設けられている。
【0045】
カメラボディ201の背面には、フィルム(パトローネ)を出し入れするための裏蓋203、裏蓋203を閉状態にロックするロック機構を解除操作するための裏蓋開閉レバー204、測距結果を表示する緑ランプ228、ストロボ充電状態を表示する赤ランプ227、ファインダー装置の接眼部207b、電源ボタン216Bが設けられている。
【0046】
カメラボディ201の上面には、図面左から、途中巻き戻しボタン230B、LCDパネル224、モードボタン228B、ドライブボタン229B、レリーズボタン217B、ワイドボタン62WB、テレボタン62TBが設けられている。
【0047】
図17には、このズームレンズカメラの主要回路構成の実施の形態をブロックで示してある。このカメラは、カメラの機能全般を制御する制御手段としてCPU210を備えている。
【0048】
CPU210は、全体移動制御回路60を介して全体移動モータ25を、後群移動モータ制御回路61を介して後群移動モータ30を、AEモータ制御回路66を介してAEモータ29をそれぞれ駆動制御する。さらにCPU210は、フィルム給送制御回路225を介して、フィルムのローディング、巻き上げ、巻き戻しを行うフィルム給送モータ226を駆動制御する。さらにCPU210は、ストロボ回路231を介して、内蔵ストロボの発光を制御する。
【0049】
CPU210は、電池211が装填された状態で動作可能な状態となり、電源スイッチ212、裏蓋スイッチ213、モードスイッチ214、ドライブスイッチ215、テレスイッチ62T、ワイドスイッチ62W、途中巻き戻しスイッチ216、測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWRの操作を受けて、そのスイッチのオン/オフに応じた機能を実行する。
【0050】
電源スイッチ212は電源ボタン212Bに連動したスイッチであって、電源オフ状態(電池211の電力を遮断)でオンされると電源をオン(電池211の電力を供給)し、電源オン状態でオンされると電源をオフする。
裏蓋スイッチ213は裏蓋の開閉に連動してオン/オフするスイッチであり、裏蓋スイッチ213の状態変化により、フィルム給送モータを駆動してフィルムのローディング処理を実行し、または撮影枚数カウンタをクリアする。
モードスイッチ214はモードボタン214Bに連動した、撮影モードを変更するスイッチであって、オンされるごとに、ストロボオート発光モード、ストロボ強制発光モード、ストロボ発光禁止モード、赤目防止(プリ発光)モード、スローシャッターモード、バルブモードなどのモードを切り換える。
ドライブスイッチ215はドライブボタン75Bに連動した、ドライブモードを変更するスイッチであって、オンされる毎に、コマ撮りモード、セルフタイマーモード、連写モード、多重露光モードなどのモードを切り換える。
テレスイッチ62Tはテレボタン62TBに連動したボタンであって、オンされると、全体移動モータ25をテレズーミング(レンズ繰り出し)方向に駆動する。
ワイドスイッチ62Wはワイドボタン62WBに連動したスイッチであって、オンされると、全体移動モータ25をワイドズーミング(レンズ後退)方向に駆動する。
【0051】
測光スイッチSWS及びレリーズスイッチSWRはレリーズボタン217Bに連動したスイッチであって、レリーズボタン217Bの一段(半)押しで測光スイッチSWSがオンし、二段(全)押しでレリーズスイッチSWRがオンし、一段押しから二段押しの間、測光スイッチSWSはオン状態を維持する。ここで、測光スイッチSWSがオンすると、測光及び測距を実行し、レリーズスイッチSWRがオンすると、測距結果に基づいて全体移動モータ25及び後群移動モータ30を駆動して前群レンズL1及び後群レンズL2を、測距した被写体に合焦する位置まで駆動し、AEモータ29を駆動して測光値に基づいた露光処理を実行する。露光が終了すると、全体移動モータ25及び後群移動モータ30を駆動して前群レンズL1及び後群レンズL2を移動前の位置にリターンさせ、フィルム給送モータ226を起動してフィルムを1コマ分巻き上げる。
【0052】
CPU210には、フィルムのISO感度などの情報を読み込むDXコード情報入力回路218、コード板から現在のレンズ位置情報を読み込むズームコード情報入力回路219、ズームパルス入力回路220、AEパルス入力回路221、AFパルス入力回路222、フィルムの走行および走行量を検知するワインドパルス入力回路223、AFホーム位置検知回路232の出力が入力されている。
【0053】
CPU210には、表示手段として、焦点距離、撮影枚数、露出モードなどを表示するLCD表示パネル224、ストロボの充電状態を表示する赤ランプ227、測距回路64による測距結果を表示する緑ランプ228、セルフタイマー動作を表示するセルフタイマー表示ランプ229が接続されている。
【0054】
EEPROM230には、このカメラ組立時のデータ、例えばAE調整済みかどうかなどのデータや、一般人が使用するときには、設定した露出モード、撮影枚数 データなどがメモリされる。
【0055】
ズームコード情報入力回路219は、図19に示したように、直列に接続された4個の抵抗を備え、抵抗R0はグランドに接地され、抵抗R3には基準電圧Vccが印加されている。そして、抵抗R0とグランドとの間に電極パターンZC0が接続され、抵抗R0、R1間に電極パターンZC1が、抵抗R1、R2間に電極パターンZC2が、抵抗R3、R2間に電極パターンZC3が接続されている。さらに抵抗R3、R2間が、CPU210のA/D変換入力ポートに接続されている。
【0056】
コード板13aは、図18の(A)に示したように、絶縁基板13b上に形成された、4枚の独立した電極パターン(ズームコード部)ZC0、ZC1、ZC2、ZC3を備えている。各導電板ZC0、ZC1、ZC2、ZC3が、抵抗R0、R1、R2、R3の間に接続されている。接触端子9は、導通部9bで互いに導通した一対のブラシ部9a、9aを備え、これらのブラシ部9a、9aは、電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3のいずれか二つを導通するように、コード板13a上を摺接移動するように形成されている。したがって、電極パターンZC0、ZC1、ZC2、ZC3のいずれか二つが導通すると、その導通する組合せによってズームコード情報入力回路219の出力電圧が変化する(図18(C)参照)。CPU211は、その出力電圧をディジタル値にA/D変換し、変換したディジタル値を対応するズームコードに変換する。そしてCPU210は、そのコードによってズームレンズの位置を検知する。
【0057】
本実施の形態では、ブラシ部9aの接触位置に応じて発生する電圧を、7個のコード0、1、2、3、4、5、6に変換する(図18(D)参照)。ここで、ズームコード1が収納位置、ズームコード2がワイド位置、ズームコード6がテレ位置、ズームコード3、4、5がワイド位置とテレ位置の中間位置、ズームコード0が電極パターンのいずれも導通していないOFFコードを識別している。中間位置では、ズームコードが3、4、5の順で4回繰り返して、ズーム領域を14個のズームステップに分割してズームステップコード化している。本実施の形態では、ワイド端にズームステップ0、テレ端にズームステップ13を割り付け、ワイド端とテレ端の間にズームステップ1から12を割り付けてある。
【0058】
図19、20には、抵抗R0、R1、R2、R3の具体的な値の一実施例およびズームコード情報入力回路219の出力電圧を示してある。
【0059】
ズームパルス入力回路220は、フォトインタラプタ1および回転板2からなるエンコーダを備え、全体移動モータ25の駆動軸の回転に連動して回転する回転板2のスリットの通過によって変化するフォトインタラプタ1の出力をズームパルスとして出力する。
【0060】
AEパルス入力回路221は、フォトインタラプタ57および回転板59からなるエンコーダを備え、AEモータ29の駆動軸の回転に連動して回転する回転板59のスリットの通過によって変化するフォトインタラプタ57の出力を、AEパルスとして出力する。この回転スリット板59は、1回転未満しか回転しない構成である。
【0061】
AFパルス入力回路222は、フォトインタラプタ56および回転板59からなるエンコーダを備え、後群移動モータ30の駆動軸の回転に連動して回転する回転板59のスリットの通過によって変化するフォトインタラプタ56の出力を、AFパルスとして出力する。
【0062】
AFホーム位置検知回路232は、後群レンズL2が、前群レンズL1に対して最も接近した基準位置(AFホーム位置)にあることを検知する手段である。本実施の形態では、後群レンズL2の位置を、このAFホーム位置を基準としてAFパルス数で制御する。このAFホーム位置検知回路232は、フォトインタラプタ301を備え、後群レンズL2と一体に移動するチョッパ302(チョッパ板302a)がフォトインタラプタ301の光路を遮光する位置がAFホーム位置として設定されていて、フォトインタラプタ301の出力変化によって後群レンズL2がAFホーム位置にあることを検知する。
【0063】
図21はストロボ回路231の回路構成を示す図である。
ストロボ回路は、接地端子GND、電圧入力端子VBATおよび3つのストロボ制御端子STRG、CHEN、RLSを有している。端子VBATとGNDにはカメラのバッテリ電圧が供給される。制御端子STRG、CHEN、RLSはそれぞれCPU210に接続されている。端子STRGはストロボ発光信号(ストロボトリガ)入力端子で、通常はL(ロー)レベルとなっており、ストロボ発光を行わせる際にH(ハイ)レベルの信号が入力される。端子CHENは充電信号が入力される端子で、L(ロー)状態では充電が行われず、H(ハイ)状態で充電が行われる。端子RLSは充電電圧出力端子で、充電電圧に対応した電圧をCPU210のA/D変換器に出力する。
【0064】
まず、充電および充電電圧のモニタについて説明する。
上述のように、充電は端子CHENのレベルをH(充電信号:オン)にすることにより行われる。端子CHENをHレベルにすると、トランジスタ501のベースがHレベルとなりトランジスタ501がオンされる。トランジスタ501がオンされることにより、トランジスタ502、トランス510の一次巻線511および二次巻線512、ダイオード521からなる昇圧回路が動作しコンデンサ530の充電が行われる。なお、端子CHENにHレベルの信号が供給されることにより、トランジスタ573および576もオンされ、ツェナダイオード570がトランジスタ576、抵抗577および578を介してコンデンサ530の両端に接続され、コンデンサ530の充電電圧がツェナダイオード570のツェナ電圧より高い場合にはツェナ電流が流れる。
【0065】
前述のように、端子CHENがHレベルとなる充電時には抵抗577および578がコンデンサ530の両端に接続されており、この時端子RLSにおいてはコンデンサ530の充電電圧からツェナダイオード570のツェナ電圧を引いた電圧を抵抗577および578により分圧した電圧値が出力される。CPU210は、従って端子RLSの出力電圧をA/D変換することにより、コンデンサ530の充電電圧を検知することができる。なお、ダイオード507はトランジスタ501の耐圧を越えないようにするための保護用ダイオードであり、コンデンサ503、抵抗504およびコイル513からなる回路は昇圧動作を安定化するための回路である。
【0066】
端子CHENがLレベルの時にはトランジスタ501および502はオフ状態でありコンデンサ530の充電は行われない。また、端子CHENがLレベル(充電信号:オフ)の時にはトランジスタ573および577もオフ状態であり、この時には端子RLSからコンデンサ530の充電電圧を検知することはできない。
【0067】
次に、ストロボ発光について説明する。
コンデンサ530の充電電圧が発光可能レベル以上となっている場合には、ストロボトリガを端子STRGに入力することにより、ストロボ発光が行われる。
【0068】
端子STRGにストロボトリガ信号が入力されると(すなわち、STRGにHレベルの信号が入力されると)、SCR(サイリスタ)が導通状態となる。この時トランス550の一次巻線に接続されたコンデンサ544が急激に放電する事により、トランス550の二次巻線に高電圧が発生する。トランス550の二次巻線の高電圧がキセノン管560のトリガ電極551に印加されてキセノン管560の発光を開始させる。
【0069】
図25〜図28には、後群レンズL2の初期位置であるAFホーム位置を検知するための機構を示してある。このAFホーム位置とは、前群レンズL1に対すして後群レンズL2が接近した初期位置であり、この位置をフォーカシングの基準位置として、前群レンズL1から離反する方向に、光軸Oに沿って並行移動される。後群レンズL2は前群レンズL1に対して、電源投入時、シャッタレリーズ完了時、収納時、ズームステップ0から4を除いたズームステップ位置などでは、このAFホーム位置を保つように制御され、ズームスップ0から4では所定パルス数AP1分AFホーム位置から後退した位置に移動される。
【0070】
後群レンズ支持筒50は、一対のスライドシャフト51、52を介してシャッタ取付台40に光軸に沿って移動可能に支持されている。スライドシャフト51、52の一方の端部は、レンズ支持筒50の外周面に突設されたシャフト支持ボス50b、50cに固定されている。そしてスライドシャフト51は、シャッタ取付台40に固定されたスライド軸受51aにスライド自在に挿入支持されている。
【0071】
スクリューシャフト43の一方の端部は、レンズ支持筒50の外周面にシャフト支持ボス50bに近接して突設されたシャフト支持ボス50aに固定されている。そしてスクリューシャフト43は、シャッタ取付台40およびシャッタ27に、回動自在にかつ軸方向移動が規制された状態で支持された駆動ギヤ42aに螺合している。駆動ギヤ42aが後群移動モータ30によって回動駆動されると、スクリューシャフト43が駆動ギヤ42aに対して進退動し、レンズ支持筒50つまりこのレンズ支持筒50に支持した後群レンズL2が前群レンズL1に対して相対移動する。スクリューシャフト43と駆動ギヤ42aとの間のバックラッシュを除去するために、一方のスライドシャフト51には、スライド軸受51aとシャフト支持ボス50bとの間に後群付勢コイルばね3が嵌装されている。後群付勢コイルばね3は、レンズ支持筒50をシャッタ取付台40から離反する方向(シャッタ取付台40に対して後方)に付勢してバックラッシュを除去している。
【0072】
シャッタ取付台40の前端部(押さえ部材55)には、AFホーム位置検知回路232を構成するフォトインタラプタ301およびチョッパ302が装着されている。フォトインタラプタ301は、フレキシブルプリント基板6に装着され、シャッタ取付台40に固定されている。チョッパ302は、シャッタ取付台40に植設され、先端部が押え部材55に支持されたチョッパガイド軸303にスライド自在に支持され、かつ押え部材55との間に装着されたチョパ付勢ばね304によってシャッタ取付台40に向かって(光軸O後方に向かって)付勢されている。チョッパ302は、フォトインタラプタ301のスリットに進入したチョッパ板302aを備えていて、チョッパ302がチョパ付勢ばね304の付勢力によって後退位置にあるときはフォトインタラプタ301の光路を開放し、チョッパ付勢ばね304の付勢力に抗して所定位置まで前進したときにフォトインタラプタ304の光路を遮断する。
【0073】
スクリューシャフト43と一方のスライドシャフト51の先端部には、ストッパ板306がロックワッシャ305を介して固定されている。ストッパ板30には一体に、レンズ支持筒50が前進したときにチョッパ302に当接してこれをチョッパ付勢ばね304の付勢力に抗して前進移動させるチョッパ押圧部30aが形成されている。このチョッパ押圧部30aは、レンズ支持筒50(後群レンズL2)が、シャッタ取付台40に対して所定位置まで接近したときにチョッパ302の突起302aに当接し、レンズ支持筒50のさらなる前進によってチョッパ302をチョッパ付勢ばね303の付勢力に抗して前進させる。そして後群レンズ支持筒30がシャッタ取付台40に対して接近したAFホーム位置まで移動したとき、チョッパ302のチョパ板302aがフォトインタラプタ301の光路を遮断する。CPU210は、フォトインタラプタ301の出力をチェックすることで、後群レンズL2(レンズ支持筒50)がAFホーム位置にあるかどうかを検知する。
【0074】
『メイン処理』
このズームレンズカメラの動作について、さらにフローチャートを参照して説明する。この処理は、CPU210によって、CPU210の内部ROM メモリされたプログラムに基づいて実行される。
【0075】
図29は、このカメラのメイン処理に関するフローチャートである。カメラにバッテリーが装填されたときにCPU210が起動し、このメインルーチンを立ち上げて、撮影者によって何らかの操作がなされるのを待つ待機状態に入る。
【0076】
メイン処理に入ると、まずステップ(以下「S 」)0001のリセット処理を行う。このリセット処理では、CPU210の各ポートなどのハードの初期化、RAMの初期化、調整データの読み込み、テスト関数呼び出し、シャッターの初期化、AFレンズの初期化、およびレンズ収納処理を行う。
【0077】
リセット処理が終了すると、エラーフラグがセットされているか、巻戻しスイッチ216がオンしているか、裏蓋スイッチ213が変化したか、電源がオン状態かどうか、電源スイッチ212がオフからオンに変化したか、テレスイッチ62Tがオンしているか、ワイドスイッチ62Wがオンしているか、ドライブスイッチがオフからオンに変化したか、モードスイッチがオフからオンに変化したか、測光スイッチSWSがオフからオンに変化したか、充電要求フラグがセットされているかどうかをチェックして、チェック結果に応じた処理を実行する(S0003 〜S0057 )。
【0078】
エラーフラグに1がセットされているときには、後述のいずれかの処理でエラーが発生してエラーフラグに1がセットされたエラー状態なので、S0005 〜S0013 のエラー初期化処理を実行して、エラー状態が解消され、エラーフラグがクリアされるのを待つ。このエラー初期化処理では、いずれかのスイッチが変化するのを待ち(S0005)、変化したら、エラーフラグに0をセットし、シャッタ初期化処理、AFレンズ初期化処理を実行する(S0006 、S0007 、S0009 )。そして、これらの処理でエラーフラグに1がセットされたかどうかをチェックし(S0011 )、1がセットされていればS1003 に戻ってS0005 からの処理を繰り返す。エラーフラグに1がセットされていなければエラー状態が解消されているので、レンズ収納処理を実行してからS0003 に戻る(S0013 )。
【0079】
エラーフラグがクリアされ、かつ電源がオフ状態のときには、巻戻しスイッチ216がオンしているか、裏蓋スイッチ213が変化したか、電源がオン状態かどうか、電源スイッチ212がオフからオンに変化したどうかのチェックを繰り返す(S0015 、S0019 、S0023 、S0025 、S003)。そして、巻き戻しスイッチがオンしたとき、裏蓋スイッチ213の状態が変化したとき、あるいは電源スイッチ212がオフ状態からオンしたときに下記の処理を実行する。
【0080】
巻き戻しスイッチ216がオンしたときには、巻き戻しモータを起動してフィルムの巻き戻し処理を実行する(S0015 、S0017 )。
裏蓋スイッチ213の状態が変化したとき、つまり、裏蓋が閉じられたとき、または裏蓋が開放されたときには、フィルカウンタをクリア、またはフィルムのローディング処理などの裏蓋関係処理を実行する(S0019 、S0021 )。
電源スイッチ212がオフ状態からオンに変化したときは、電源をオンし、レンズ繰り出し処理を実行する。なお、CPU210は、電源スイッチ212がオンされるごとに、電源がオフ状態のときは電源をオンし、電源がオン状態のときは電源をオフする。
【0081】
電源がオン状態になると、S0023 からS0029 に進み、さらにS0029 からS0053 処理を実行する。S0029 からS0053 の処理では、電源スイッチ212がオフからオンに変化したか、テレスイッチ62Tがオンしているか、ワイドスイッチ62Wがオンしているか、ドライブスイッチがオフからオンに変化したか、モードスイッチがオフからオンに変化したか、測光スイッチSWSがオフからオンに変化したか、充電要求フラグがセットされているかどうかをチェックする。
【0082】
電源スイッチ212がオフからオンに変化したときは、電源をオフするので、レンズ収納処理をコールする(S0029 、S0031 )。レンズ収納処理は、レンズ鏡筒を収納位置まで繰り込む処理である。
テレスイッチ62Tがオンしたときは、ズームテレ移動処理をコールする(S0033 、S0035 )。ズームテレ移動処理は、全体移動モータ25をレンズ繰り出し方向に駆動する処理である。
ワイドスイッチ62Wがオンしたときは、ズームワイド移動処理をコールする(S0037 、S0039 )。ズームワイド移動処理は、全体移動モータ25をレンズ繰り込み方向に駆動する処理である。
ドライブスイッチがオフからオンに変化したときは、ドライブ設定処理を実行する(S0041 、S0043 )。ドライブ設定処理は、詳細は図示しないが、例えば、ドライブモードをいわゆるコマ撮りモード、連写モード、多重露光モード、セルフタイマーモードなどの中から選択する処理である。
【0083】
モードスイッチがオフからオンに変化したときには、モード設定処理を実行する(S0045 、S0047 )。このモード設定処理は、詳細は図示しないが、例えば、露出モードを、ストロボオート発光モード、ストロボ強制発光モード、ストロボ発光禁止モード、赤目防止(プリ発光)モード、スローシャッターモード、バルブモードの中から選択するモードである。
測光スイッチSWSがオフからオンすると、撮影処理をコールして撮影処理を実行する(S0049 、S0051 )。
さらに、充電要求フラグがセットされているときには、メイン充電処理をコールして、ストロボ回路231の充電処理を実行する(S0053 、S0055 )。
【0084】
電源がオフ状態のときには、以上のS0003 〜S0055 の処理を繰り返して、撮影者の操作に応じた処理を実行し、操作されない間は撮影可能な状態を維持して待機している。
【0085】
『リセット処理』
図30には、S001のリセット処理のフローチャートを示してある。このリセット処理は、CPU210の各ポートなどのハードの初期化、RAMの初期化、テスト関数呼び出し、調整データの読み込み、シャッタの初期化、AFレンズの初期化、およびレンズ収納処理を行う処理である。
【0086】
リセット処理に入ると、まず、CPU210の各ポートのレベルを初期化するハード初期化およびCPU210の内部RAMをクリアするRAM初期化を行う(S1101 、S1103 )。
【0087】
テスト関数呼び出し処理(S1105 )は、カメラ組立時、あるいは組み立て後に、カメラの諸機能を外部測定器(例えばコンピュータ)によってテストする処理である。本実施の形態のテスト関数呼び出し処理は、テストしたい処理に関するコマンドを外部測定機器が出力するが、実際の処理はCPU210が行うことに特徴を有する。
【0088】
調整データ読み込み処理では、調整データを、EEPROM230から読み込む(S1107)。調整データには、露出補正値、ピント補正値、絞り調整済みのデータが含まれる。露出補正値は、例えば設計絞り値と実際の絞り値との誤差、レンズの透過率の相違を補正する値であって、カメラ出荷前に個別に書き込まれる。
絞り調整済みデータとは、AEモータ29を駆動してAEエンコーダで検出したAEパルス数に対して、シャッタ羽根の設計開放量と実際の開放量との差を補正したかどうかを識別するデータである。補正してある場合は、絞り補正値が調整データの一つとしてEEPROM230に書き込まれている。
【0089】
シャッタ初期化処理では、シャッタ羽根27aを完全に閉じるシャッタ初期化処理を行う(S1107 )。本実施の形態では、シャッタ羽根27aの開閉をAEモータ29で行っているので、シャッタが開いた状態で電池が抜かれ、シャッタが開いた状態で電池が装填されることがある。そこで、AEモータ29をシャッタ閉方向に駆動してシャッタ羽根27aを閉じて、シャッタ羽根27aが初期位置ストッパ(不図示)に当接した閉状態にする。
【0090】
AFレンズ初期化処理では、後群レンズL2を最も繰り出した初期位置まで移動させる。本実施の形態では、後群移動モータ30を起動して後群レンズL2を最も前進させて前群レンズL1に接近させた初期位置まで移動させる。
【0091】
そして、エラーフラグがセットされているかどうかをチェックして、エラーフラグがセットされていたら何もせずにリターンし、セットされていなければレンズ収納処理を実行してリターンする(S1111 、S1113 )。
レンズ収納処理は、全体移動モータ25によってレンズ鏡筒をカメラボディ201内の収納位置まで後退させ、バリヤ羽根48a、48bを閉じる処理である。通常の使用状態ではエラーフラグがクリアされているので、レンズ収納処理を実行する。エラーフラグに1がセットされているときは、AF初期化処理において、後群レンズL2が初期位置(AFホーム位置)にある保証がなく、そのままレンズ収納を行うと、後群レンズL2がアパーチャ板14に衝突する虞れがあるため、レンズ収納をストップさせる。
【0092】
『AFレンズ初期化処理』
図31は、AFレンズ初期化処理に関するフローチャートである。AFレンズ初期化処理は、レンズが収納状態にあるときには、全体移動モータ25を正転させて、後群移動モータ30を不図示のバリヤ駆動ギヤ機構に接続し、全体移動モータ25によって前群レンズL1および後群レンズL2を一体にワイド位置まで繰り出し、さらに後群移動モータ30を駆動して後群レンズL2を最も前群レンズL1に接近したAFホーム位置まで移動する処理である。
レンズが収納位置以外にあるときには、全体移動モータ25を正転駆動し、いずれかのズームコードを検知したら、後群移動モータ30を起動して後群レンズL2を最も前群レンズL1に接近したAFホーム位置まで移動させる。
ただし、後群移動モータ30は、収納位置ではバリヤ駆動ギヤ機構に接続され、収納位置以外では後群レンズ駆動ギヤ機構に連結されるため、後群レンズL2を駆動するときは、全体移動モータ25を駆動して前群レンズL1、後群レンズL2を収納位置以外に(ワイド端またはワイド端よりも)繰り出しておく必要がある。
【0093】
AFレンズ初期化処理に入ると、まず、全体移動モータ25を正転(レンズ繰り出し方向回転)駆動する(S1201 )。レンズが収納状態にあった場合は、これにより、バリヤ駆動機構がバリヤ駆動ギヤから離脱し、レンズ駆動ギヤに噛み合い、以降、後群レンズL2の駆動が可能な状態になる。
【0094】
CPU210は、ズームコード入力回路219から入力した電圧をA/D変換してそのディジタル値をズームコードに変換し、変換したズームコードをチェックして、2〜6のいずれかであれば、直ちに全体移動モータ25をストップさせる(S1203 、S1205 、S1207 )。本実施の形態では、ズームコード1が収納位置、2がワイド端位置、6がテレ端位置、3、4、5が中間ズーム領域を、0がOFF コードを識別している。S1201 〜S1207 の処理は、ズームコード2〜6のいずれかを検知する位置までレンズ鏡筒16、19、20を繰り出す処理である。
【0095】
全体移動モータ25を停止させたら、AFパルス確認処理を実行して後群レンズL2をAFホーム位置に移動させる(S1209 )。AFパルス確認処理は、後群移動モータ30を正転駆動および逆転駆動して、カム溝とカムフォロワピンなど、機械的構成部品のいわゆる食い付きを外すことに特徴を有する。後群レンズL2をAFホーム位置に移動させたら、リターンする。
【0096】
『レンズ収納処理』
図32、33はレンズ収納処理のフローチャートである。レンズ収納処理は、レンズ(前群レンズL1および後群レンズL2)を収納位置に戻す処理で、後群駆動モータ30によって後群レンズL2をAFホーム位置まで戻すと共に、全体移動モータ25によってレンズ(前群レンズL1および後群レンズL2)を収納位置まで後退させ、レンズバリアを閉じる処理である。
【0097】
レンズ収納処理が呼び出されると、全体移動モータ25を正転方向(テレズーム方向)に駆動する(S1301 )。現ズームコード(レンズ収納処理が呼び出された時点でのレンズ位置に対応するズームコード)を検知するまでズームコード入力処理を実行し(S1303 )、ズームコードを検知すると(YES:S1305 )、全体移動モータ25の駆動を停止する(S1307 )。次に、後群レンズL2がAFホーム位置にあるかどうかを判定する(S1309 )。後群レンズL2がAFホーム位置になければ(NO:S1309)、AFリターン処理を実行して後群レンズをAFホーム位置まで移動する。
【0098】
後群レンズがAFホーム位置に位置していない状態(すなわち、後群レンズL2がフィルム側に突出した状態)でレンズ収納動作を行うとレンズが収納位置に到達する前に後群レンズL2がカメラ本体のアパチャー板14に当接してしまうおそれがある。これを避けるために、上記の処理において、レンズを収納する前に(すなわち全体移動モータ25を逆転駆動する前に)後群レンズL2をAFホーム位置に戻している。
【0099】
ここで、レンズ収納処理が呼び出された時点で、レンズがワイド端に位置していた場合、後群移動モータ30が、後群レンズL2の移動機構ではなくバリア開閉機構に接続されている場合がある。もしも後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続されており、しかも後群レンズL2がホーム位置から繰り出した状態にあると、後群移動モータ30を駆動しても後群レンズL2がAFホーム位置まで移動しないことになる。
【0100】
S1301 〜S1307 の処理では、レンズをテレ側に駆動して一旦ワイド端を越えた位置まで移動させることにより、S1307 の後では必ず後群移動モータ30が後群レンズL2の駆動機構に接続されるようにしている(図22参照)。従って、S1309 で後群レンズL2がホーム位置にないと判断された場合、S1311 おけるAFリターン処理で後群移動モータ30を駆動することにより、後群レンズL2を確実に移動させることができる。
【0101】
なお、S1309 において、後群レンズL2がAFホーム位置にあると判定されれば、CPU210は、AFリターン処理をスキップしてS1311 から始まる収納のための動作へ処理を進める。
【0102】
つぎに、全体移動モータ25を逆転させて、レンズのワイド端へ向けての移動を開始させ(S1311 )、2秒タイマをスタートする(S1313 )。以下、S1315 からS1329 において、2秒タイマがタイムアップしないうちは、レンズの移動に伴って変化するズームコードを入力して、ワイド端に達するのを検知する。
【0103】
S1315 では、CPU210はタイマがタイムアップしたかどうかを判定する。タイムアップしていなければ、ズームコード入力処理を呼び出し(S1321 )、ズームコードを入力する。ズームコードが変化したかどうかをS1323 で判定し、ズームコードが変化していれば、2秒タイマをリセットする。S1323 においてズームコードが変化していないと判定されれば、レンズが収納位置に達したかどうかをS1327 において判定する。収納位置に達していない場合にはワイド端に達したかどうかを判定する(S1329 )。収納コードもワイドコードも検知されない場合には、CPU210はS1315 からの処理を繰り返す。
【0104】
上記の処理を繰り返すうちに、タイムアップすると、CPU210は、全体移動モータ25を停止し(S1317 )、エラーフラグにエラー発生を示す1をセットして、レンズ収納処理を終了し、本サブルーチンがコールされた位置へ戻る。ここでタイムアップする場合というのは、2秒の間にズームコードの変化が検知されなかった場合であり、レンズの移動が止まっている場合である。
【0105】
上記処理中にワイドコードが検出されると(YES:S1329 )、次に4秒タイマをセットして(S1331 )、カウンタをクリアし(カウンタに0をセットし)、4秒タイマがタイムアップするまでS1337 からS1361 の処理を繰り返す。ここでは、全体移動モータ25が連続して駆動している状態(レンズがワイド端を通過してさらに収納位置に向かっている状態)で、後群移動モータ30を間欠的に駆動する処理を行っている。
【0106】
本実施形態のカメラ1においては、前述のように、後群移動モータ30により後群レンズ30の移動とバリアの開閉とを行っている。レンズがワイド端よりテレ側に位置している時には後群移動モータ30は後群レンズL2の駆動機構に接続され、バリア開閉機構とは接続されていないが、レンズ収納時にレンズがワイド端より収納位置側に位置すると、後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続されるよう、バリア/レンズ切り替えギア機構を切り替える必要がある。
【0107】
ギアの切換はレンズの移動に対応してカム機構により行われる様になっているが、この時、バリア/レンズ切り替えギア機構がバリア駆動ギアの歯と確実に係合するよう、レンズがワイド端から収納位置に向かって移動している間(すなわち、全体移動モータ25の逆転が開始されるS1311 以降)、間欠的に後群移動モータ30を駆動するようにしている。
【0108】
S1337 において、4秒タイマがタイムアップしたかどうかが判定される。異常が発生しない限りタイムアップする事は無く、通常はS1337 ではNと判定される。S1345 では1ms待った後、カウンタをインクリメントして(S1347 )、カウンタの値が100に達したかどうかをS1349 で判定する。カウンタの値が100未満の時にはS1349 においてNと判定し、次にS1351 においてカウンタが80に達したかどうかを判定する。
【0109】
ここでカウンタの値が80未満であれば(N:S1351 )、ズームコード入力処理を呼び出してズームコードを入力し、収納コードが検出されなければ、S1337 に戻って処理を繰り返す。S1351 において、カウンタの値が80に達した場合には後群移動モータ30の逆転駆動を行う(S1353 )。またカウンタの値が100に達した場合には、カウンタをリセットし(カウンタに0をセットし)、後群移動モータ30を停止する(S1355 、S1357 )。
【0110】
ここで、S1345 において1msの待ち時間を設けているため、上記の処理は100msを周期として、繰り返される。従って、カウンタの値が0から80未満であれば(ワイド端コードが検出されてから80msに達するまで)、全体移動モータ25のみが駆動され、カウンタの値が80以上100未満(ワイド端コードが検出されてから80ms以上100ms未満)であれば全体移動モータ25と後群移動モータ30の両方が駆動され、カウンタの値が100になると(100msに達すると)、後群移動モータ30の駆動は停止され、全体移動モータ25のみが駆動され続ける。以上の処理が繰り返されるため、全体移動モータ25が駆動されている間、100ms毎に20msだけ後群移動モータ30が駆動されることになる。
【0111】
なお、4秒タイマがタイムアップするまでに収納コードが検知されない場合には、S1337 でタイムアップと判定される。4秒間のうちに収納コードが検知されないのは、何らかの理由でレンズの移動が妨げられている場合であり、後群移動モータ30および全体移動モータ25を停止し(S1339 、S1341 )、エラーフラグにエラー発生を示す1をセットして処理を終了する。
【0112】
上記の処理中に、収納コードが検知されると、CPU210は、後群移動モータ30を停止し(S1363 )、さらに全体移動モータ25を停止して(S1365 )、バリア閉処理を呼び出してバリアを閉じた後、レンズ収納処理を終了する。なお、バリア閉処理は、後群移動モータ30によりレンズバリアを閉じる処理である。
【0113】
『レンズ繰り出し処理』
図34はレンズ繰り出し処理のフローチャートである。レンズ繰り出し処理は、カメラが待機状態から電源オン状態(作動状態)になった時にレンズバリアを開き、レンズ(前群レンズL1および後群レンズL2)を収納位置からワイド端まで繰り出す処理である。
【0114】
レンズ繰り出し処理が呼び出されると、まずバリア開処理をコールし(S1403 、後群移動モータ30を駆動してバリアを開く。バリア開処理において、AFパルス入力回路222からパルスが出力されないと(すなわち、後群移動モータ30が回転しないと)、エラーフラグに1がセットされる。
【0115】
S1403 においては、バリア開処理においてセットされるエラーフラグが1かどうかを判定する。エラーフラグが1となるのはバリアを開く処理が正常終了しなかった場合であり、この時には、S1405 以降のレンズ繰り出しの処理を行わず(N:S1403 )リターンする。エラーフラグが0となるのは、正常にバリア開処理が実行された場合であり、この場合には、次に全体移動モータ25を正転して後群レンズL2および前群レンズL1のテレ方向への駆動を開始する(S1405 )。
【0116】
CPU210は、全体移動モータ25の駆動開始とともに、4秒タイマをスタートし(S1407 )、タイマのタイムアップまでにワイド端コードが検知されるかどうか(レンズがワイド端に達するかどうか)をモニタする。
【0117】
CPU210は、まず、S1409 にてタイマがタイムアップしたかどうかを判定する。通常は、レンズ繰り出しを開始してから4秒以内にレンズはワイド端に達するため、S1409 の判定はNOとなる。次に、ズームコード入力処理をコールして(S1415 )、入力されたコード(レンズ位置に対応したズームコード)がテレ端コードかどうかを判定し(S1417 )、テレ端コードでなければワイド端コードかどうかを判定する(S1419 )。
【0118】
レンズは収納位置からテレ端まで4秒以内に移動する。従って、4秒タイマがタイムアップする前にテレ端コードもワイド端コードも検知されないのは、例えばレンズの移動が妨げられている場合である。このため、レンズ移動中にタイムアップと判定されると(Y:S1409 )、全体移動モータ25の駆動を停止し(S1411 )、エラーフラグに、エラーが発生したことを示す1をセットして(S1413 )、レンズ繰り出し処理を終了する。
【0119】
通常の繰り出し処理においては、レンズが繰り出されるとまずワイド端コードが検知される。ワイド端コードが検知されると(S1419 )、レンズ位置を示す指標であるズームステップにワイド位置に対応した値0をセットする(S1423 )。その後、レンズ停止のための処理を行う(S1425 以降)。
【0120】
もしも、ワイド端コードが検知されないままにレンズの繰り出しが継続すると、レンズは移動可能な領域の端部に到達してもはや移動できない状態となる。本実施形態のカメラ1においては、レンズ繰り出し処理の時に、もしもワイド端が検知されないままにレンズが移動し続けた場合でも、テレ端コードが検知されれば(S1417 )レンズの移動を停止する(S1425 以降の処理)ようにしている。なお、レンズがテレ端に達したときには、ズームステップにテレ端位置に対応した値である13をセットし(S1421 )ている。このため、レンズ繰り出し処理において、テレ端までレンズが移動した場合でもズームステップはレンズ位置に対応した正しい値がセットされる。
【0121】
以上のようにして、レンズが繰り出され、ズームステップがレンズ位置に対応してセットされた後、S1425 からS1435 において、レンズを停止させるための処理が行われる。本実施の形態のカメラにおいては、レンズ位置を得るためにズームコードを検知してズームステップをセットしているが、レンズ停止時には常にズームコード検出のためのブラシ9aがズームコードより所定量だけワイド端側に位置した状態(待機位置)で停止するようになっている。そして、ズーミングあるいはフォーカシングのためにレンズを移動させる場合には、移動方向がワイド端側かテレ端側かにかかわらず、一旦レンズをテレ側に移動させてズームコード検出用のブラシ9aをズームコードに接触させてCPU210にズームコードを入力し、CPU210はズームコードが入力された位置を基準にしてズームレンズの移動量を制御している。
【0122】
S1425 においては、ズームパルスカウンタに第1の所定駆動量である第1ズームパルスZP1 をセットし、ズームドライブ処理をコールする(図21参照)。ズームドライブ処理は、全体移動モータ25を正転駆動して(レンズがテレ側に進む方向に駆動して)、全体移動モータ25の回転に同期してズームパルス入力回路220がCPU210に出力するパルス数とズームパルスカウンタにセットされたカウント値とが一致するまで全体移動モータ25を駆動することにより、ズームコードを検出する端子がズームコードを検出した位置よりさらに所定駆動量だけテレ側にレンズを進めてレンズを停止する。
【0123】
なお、S1425 でズームパルスカウンタにセットされる第1ズームパルスZP1 としては、ズームドライブ処理によりレンズが移動された時、ズームコード検出用のブラシがズームコードを越え、確実にテレ側の非導通部分に位置する値が用いられる。また、この第1ズームパルスZP1 は、次の条件を満たす値でもある。本カメラにおいては、レンズの移動に連動してファインダー光学系の倍率が変化するようになっている。第1ズームパルスZP1 は、たとえこのパルス数に対応する量だけレンズが移動してもファインダーの倍率に影響を与えないように定められている。尚、本実施の形態においては、シャッタボタンを押すとレンズが移動するが、そのときのレンズの移動量に対応したズームパルスは上記第1ズームパルスZP1 を越えない値に設定されている。
【0124】
レンズがズームパルスZP1 に対応する量だけ移動された後、後群レンズL2がAFホーム位置に位置しているかどうかを判定し(S1429 )、後群レンズL2がAFホーム位置にない時(AFホーム位置より繰出しているとき)には(N:S1431 )、AFリターン処理をコールして後群レンズL2をAFホーム位置に移動させる(S1431 )。こうして後群レンズL2をAFホーム位置に位置させた状態で、AF2段繰り出し処理(S1433 )およびズームリターン処理(S1435 )を実行してリターンする。
【0125】
AF2段繰り出し処理は、後群レンズL2をAFホーム位置より所定量繰り出すための処理である。本カメラにおいては、ズーミング時に前群レンズL1および後群レンズL2が同時に移動した後、撮影時(シャッターボタン全押し時)に、合焦および焦点距離の調整のために、全体移動モータ25による前群レンズL1と後群レンズL2の移動に加えて後群移動モータ30による後群レンズL2のみの移動も行われる。
【0126】
撮影時の後群レンズL2の移動量はレンズがワイド端側にある時には比較的大きいため、レンズがワイド側にある時には、シャッターボタンを操作してから実際に露光が行われるまでの時間差であるレリーズタイムラグが比較的長くなる。このレリーズタイムラグを短くするために、本カメラにおいては、比較的後群レンズL2の移動量が大きいワイド側にレンズが位置している時にはあらかじめ後群レンズL2を所定量繰り出しておくようにしている。AF2段繰り出し処理は、このための処理で、レンズ位置がワイド側の時に限り、後群レンズL2を所定量だけ繰り出す処理である。なお、本実施の形態においてはレンズがワイド側か否かをズームステップが4より小さいか否かにより判定している(後述)。
【0127】
『ズームテレ移動処理』
図35は、ズームテレ処理に関するフローチャートである。ズームテレ処理時における前群レンズL1および後群レンズL2の位置と、ズームコード板13bとの関係を示した図22を参照して説明する。ズームテレ移動処理は、レンズ鏡筒16、19、20が突出する方向(焦点距離が長くなる方向)に全体移動モータ25を駆動する処理、つまり前群レンズL1および後群レンズL2を互いの空気間隔を変えることなく一体に前進させる処理である。
【0128】
このズームテレ移動処理では、全体モータ25を正転駆動して現在のレンズ位置に対応するズームコードを検知し、全体移動モータ25を停止するときは、ズームコードがオンしたときを基準にしてさらに、所定数の第1ズームパルス数ZP1 分全体移動モータ25を正転駆動してレンズを前進させた後(ズームコードがオフしてから)逆転駆動し、再び先のズームコードがオン/オフしたときを基準にしてさらに、第2の所定駆動量であるズームパルス数ZP2 分逆転駆動した後、第3の所定駆動量であるバックラッシュ取りズームパルス数ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止させる。このズームテレ移動処理によってズームレンズは、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、ズームコードの間に停止する。
【0129】
さらに本実施の形態では、全体移動モータ25を停止するときのズームステップが4以下のときには、後群レンズL2を所定AFパルス数(AP1)分後退させる。本実施の形態では、ワイド(ワイド端)からテレ(テレ端)までの焦点距離を14分割して、ワイド端をズームステップ0、テレ端をズームステップ13とし、その間の焦点距離にズームステップ1から12を付して、現在のレンズ位置を管理している。
【0130】
ズームテレ移動処理に入ると、まず、レンズがテレ位置(テレ端位置)にあるかどうかをチェックし、レンズがテレ位置にあればテレズーミングの必要がないのでそのままリターンする(S1501 )。
レンズがテレ位置になければ、全体移動モータ25を正転方向(テレズーム方向)に駆動し、ズームコード入力処理を実行して、ズームステップに対応した現ズームコードを検知するのを待つ(S1501 、S1503 、S1505 、S1507 )。ズームステップに対応した現ズームコードを検知したら、全体移動モータ25が一定時間(2秒)回転できなかった状態を検知する2秒タイマーをスタートさせる(S1507 、S1509 )。
【0131】
2秒タイマーをスタートさせたら、タイムアップしたかどうかをチェックするが、通常動作時はタイムアップしないので、ズームコード入力処理を実行する(S1511 、S1513 )。そして、ズームコードが変化したかどうかをチェックし、ズームコードが変化していなければそのままテレコード検知チェックを行い、変化したら2秒タイマーを再スタートさせてからテレコード検知チェックを行う(S1515 、S1519 またはS1515 、S1517 、S1519 )。
【0132】
全体移動モータ25を駆動しているのに所定時間経過してもズームコードが変化しないときは、レンズ鏡筒が何かに触れている場合など、何らかの異常状態が予想される。そこで、2秒タイマーをスタートさせた後、ズームコードの変化がなく2秒経過して2秒タイマーがタイムアップしたら全体移動モータ25を停止させて、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S1511 、S1537 、S1539 。
【0133】
テレ端コードを検知していなけば、次のズームコードを検知したかどうかを判断し、検知していなければS1511 に戻って、S1511 〜S1519 の処理を繰り返し、次のズームコードを検知したら、ズームステップを1インクリメントしてテレスイッチ62Tがオンしていることを条件に、S1511 に戻って以上の処理を繰り返し、テレスイッチ62TがオフしていたらS1525 に抜ける。つまり、この処理に一旦入ると、1ズームステップ分ズームしないうちにズームスイッチ62Tがオフされても、1ズームステップ分はテレズームする。
【0134】
レンズがテレ端に達するか、テレスイッチ62TがオフされるとS1529 に抜ける(S1525 、S1529 またはS1519 、S1527 、S1529)。テレ端に達して抜けるときは、ズームステップに13をセットとする(S1527 )。
【0135】
S1529 では、ズームパルスカウンタに所定値の第1ズームパルス数ZP1 をセットする。そして、ズームドライブ処理、AF2段繰り出し処理およびズームリターン処理を実行してリターンする(S1529 、S1531 、S1533 、S1535 )。
【0136】
ズームドライブ処理では、ズームパルスカウンタの値(第1ズームパルス数ZP1 )分、全体移動モータ25を正転方向(レンズ繰り出し方向)に駆動して停止させる。AF2段繰り出し処理では、全体移動モータ25を停止するときのズームステップが4以下のときには、後群レンズL2をAFホーム位置から所定AFパルス数(AP1)分後退させる。その後全体移動モータ25を逆転方向(レンズ繰り込み方向)に駆動し、ズームコードがオン/オフしたときを基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆転駆動した後、バックラッシュ取り第3ズームパルス数ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止させる。このズームテレ移動処理によってズームレンズは、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、ズームコードの間に停止する。
【0137】
ズームリターン処理は、全体移動モータ25を逆転駆動し、ズームコードがオン/オフしたときを基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆転駆動した後、バックラッシュ取りズームパルス数ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止させて、前群レンズL1及び後群レンズL2を、ズームコード間の待機位置で止める処理である。
【0138】
『ズームワイド移動処理』
図36は、ズームワイド処理に関するフローチャートである。ズームワイド処理時における前群レンズL1および後群レンズL2の位置と、ズームコード板13bとの関係を示した図22を参照して説明する。ズームワイド移動処理は、レンズ鏡筒16、19、20を引き込む方向(焦点距離が短くなる方向)に全体移動モータ25を駆動する処理、つまり、前群レンズL1および後群レンズL2を互いの空気間隔を変えることなく一体に後退させる処理である。ズームワイド移動処理では、まず全体移動モータ25を正転駆動して現在のズームステップに対応するズームコードを検知してから逆転駆動する。そして全体移動モータ25を停止するときは、ズーム中間領域においては、ズームコードがオン/オフしたときを基準にして第2ズームパルス数ZP2 分さらに逆転駆動し、その後バックラッシュ取りパルス ZP3 分正転駆動してから停止させる。このズームワイド移動処理によってレンズは、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、ズームコードの間に停止する。
【0139】
さらに本実施の形態では、全体移動モータ25を停止するときのズームステップが4以下のときには、後群レンズL2をAFホーム位置から所定AFパルス数(AP1)分後退させる。ズームコードがオン/オフしたときを基準にしてさらにズームパルス数ZP2 分逆転駆動した後、バックラッシュ取り第3ズームパルス数ZP3 分正転駆動してから、全体移動モータ25を停止させる。このズームテレ移動処理によってズームレンズは、前進方向のバックラッシュがある程度除かれた状態で、ズームコードの間に停止する。
【0140】
ズームワイド移動処理に入ると、まず、レンズがワイド位置(ワイド端位置)にあるかどうかをチェックし、レンズがワイド位置にあればズーミングの必要がないのでそのままリターンする(S1601 )。
【0141】
レンズがワイド位置になければ、レンズが押し込まれたときにバックラッシュ分により次のズームコードを越えてしまっている虞れがあるので、全体移動モータ25を正転方向(テレズーム方向)に駆動し、ズームコード入力処理を実行して現ズームステップに対応するズームコードを検知するのを待つ(S1601 、S1603 、S1605 、S1607 )。現ズームコードを検知したら、全体移動モータ25を停止してから逆転させ、2秒タイマーをスタートさせる(S1607 、S1609 、S1611 S1613 )。
【0142】
2秒タイマーをスタートさせたら、タイムアップしたかどうかを検知し、通常はタイムアップしないので、ズームコード入力処理を実行する(S1615 、S1617 。そして、ズームコードが変化したかどうかをチェックし、ズームコードが変化していれば2秒タイマーを再スタートしてから、ズームコードが変化していなければなにもせずに収納コードを検知したかどうかチェックする(S1619 、S1621 S1623 、またはS1619 、S1623)。収納コードを検知していなければワイド端コードを検知したかどうかチェックし、ワイド端コードも検知していなければ次のズームコードを検知したかどうかをチェックする(S1623 、S1625 、S1627 )。次のズームコードを検知していなければS1615 に戻って次のズームコードを検知するまでS1615 からS1627 の処理を繰り返す。
【0143】
次のズームコードを検知したら、ズームステップを1デクリメントし、ワイドスイッチ62WがオンしているときはS1615 に戻って以上のS1615 からS1631 の処理を繰り返す。そして、ワイド端コードを検知するか、ワイドスイッチ62WがオフしたらS1635 に抜けてズームリターン処理をコールする(S1625 、S1633 S1635 、S1637 、または、S1631 、S1635 、S1637 )。なお、ワイド端コードを検知して抜けるときは、ズームステップを0にする(S1633 )。
【0144】
S1635 のズームリターン処理では、前群レンズL1及び後群レンズL2を、撮影処理におけるレンズドライブ処理で移動する前の待機位置に戻す。
【0145】
S1637 のAF2段繰り出し処理では、現ズームステップに応じて、後群レンズL2をAFホーム位置またはAFホーム位置からAFパルスAP1分後退させる。
【0146】
以上は通常の動作であるが、レンズ鏡筒が強制的に押し込まれた場合など、S1623 で収納コードを検知したことをチェックすると、全体移動モータ25を停止し、レンズ繰り出し処理を実行してリターンする(S1623 、S1639 、S1641 )。また、レンズ鏡筒が押さえられて移動できなかった場合など、2秒タイマーがタイムアップしたときには、全体移動モータ25を停止し、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S1615、S1645 、S1647 )。
【0147】
なお、本ズームワイド移動処理では、現ズームコードを検知し、さらに次のズームコードを検知してからワイドスイッチチェックを行うので、一旦このズームワイド移動処理に入ると、1ズームステップ分ズームしないうちにワイドスイッチ62Wがオフされても、1ズームステップ分はワイドズームする。
【0148】
『撮影処理』
図37は、撮影処理に関するフローチャートである。本実施の形態の撮影処理は、測光スイッチSWSがオンされたときにコールされ、まず、前群レンズL1が待機位置にあることを確認し、レリーズスイッチSWRがオンされてから、前群レンズL1および後群レンズL2を、設定された焦点距離で測距した被写体に合焦する位置まで移動させることに特徴の一つを有する。
【0149】
撮影処理に入ると、まず、ズーム待機確認処理を実行して前群レンズL1を現焦点距離に対応する待機位置に移動させる(S1701 )。
【0150】
そして、測距処理を実行して撮影距離を求め、測光処理を実行して被写体輝度を求め、AE演算処理を実行してシャッタ速度および絞り値、ストロボ発光の要不要を求める(S1703 、S1705 、S1707 )。ストロボ発光要の場合とは、自動ストロボ発光モードで被写体輝度がストロボ発光レベル以下のとき、ストロボ強制発光モードが設定されている場合などである。そして、ストロボ発光が必要がどうかをチェックし、必要であると判断したときは、撮影充電処理を実行し、撮影充電処理において測光スイッチSWSがオフされた場合や、充電タイマがタイムアップしたときにはリターンし、十分な充電が完了したときなときは、フラッシュマチック演算処理を実行してからS1717 に進む(S1709 、S1711 、S1713 、S1715 、S1717 )。ストロボ発光不要の場合は、S1711 〜S1715 をスキップしてS1717 に進む。
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【0151】
S1717 は測光スイッチSWSチェックで、測光スイッチSWSがオフしていたらリターンする。測光スイッチSWSがオンしていたら、測光スイッチSWSがオンしている間、レリーズスイッチSWRがオンするのを待つ(S1717 、S1719 )。
【0152】
レリーズスイッチSWRがオンすると、セルフモードで無い場合はそのままレンズドライブ演算処理を実行し、セルフモードの場合は所定時間待つセルフウエイト処理を実行してからレンズドライブ演算処理を実行する(S1721 、S1725 またはS1721 、S1723 、S1725 )。
【0153】
レンズドライブ演算処理では、測距結果と、現在の焦点距離より、ズームコードのオフ/オンの変化点を基準とした前群レンズL1の移動量(ズームパルス数)と、AFホーム信号の変化点(AFホーム位置)を基準とした後群レンズL2の移動量(AFパルス数)を演算する。
【0154】
そして、レンズドライブ演算処理で算出した前群レンズL1移動量及び後群レンズL2移動量に基づいて、レンズドライブ処理を実行する(S1725 、S1727 )。このレンズドライブ処理では、前群レンズL1の駆動に並行して、後群レンズL2が駆動され、被写体に合焦するよう制御される。
【0155】
レンズ移動が終了したら、シャッタが切れることを撮影者に知らせるために、緑ランプ228を点灯(に通電)してから露出処理を実行する(S1729 、S1731 。緑ランプ228は、僅かな時間だけ発光して消える。
【0156】
露出処理が終了したら、S1727 で移動する前のレンズ位置まで前群レンズL1及び後群レンズL2を復帰させるレンズリターン処理を実行する(S1733 )。
【0157】
そして、フィルム巻き上げ処理を実行し、フィルムが終端でなければそのままリターンし、フィルム終端を検知したら巻き戻し処理を実行してリターンする(S1735 、S1737 、S1739 )。
【0158】
『メイン充電処理』
図38は、メイン充電処理のフローチャートである。メイン充電処理は、図29に示すメインフローにおいて充電要求フラグ=1の時にコール(実行)される、メイン処理中で呼び出される充電処理である。
【0159】
CPU210は、S1801 において充電禁止タイマが0になっているかどうかを判定する。充電禁止タイマは充電を禁止する時間がセットされるタイマで、ストロボ回路231の発光用コンデンサ530がフル充電されると3秒の充電禁止時間がセットされる。充電禁止タイマがタイムアップしていなければ(N:S1801 )、充電要求フラグに0をセットし(S1803 )、処理を終了する。すなわち充電禁止タイマが3秒の充電禁止時間をカウント中は、CPU210は充電電圧をチェックすることなく無条件に充電を禁止する。ストロボ回路231の端子CHENをLレベルにすることにより充電を中断(禁止)する事ができる。
【0160】
充電禁止タイマがタイムアップしていると(Y:S1801 )、CPU210は、充電中断フラグが1かどうかを判定する(S1805 )。充電中断フラグは、後述するが、充電処理を途中で中断した場合に1がセットされる。本メイン充電処理及び後述する撮影充電処理において、充電電圧が所定値に達するか、あるいは充電時間が所定時間(本カメラにおいては8秒)に達した場合に充電処理が正常終了したものとしている。もしも充電中に、他のスイッチの操作などにより充電が中断された場合には、上記所定時間(8秒)から中断前に充電に費やした時間を差し引いた残り時間をメモリに格納しておき、充電が再会された場合にはその残り時間の間に充電電圧が所定値に達するかどうかを判定するようにしている。
【0161】
このため、充電中断フラグに1がセットされていた場合には、充電中断フラグをクリアし(0をセットし)、メモリに格納されている残り時間を充電タイマにセットして充電処理を行う。充電中断フラグが1では無いとき、すなわち充電処理が中断されていなかった場合には(N:S1805 )、充電タイマに所定の充電時間(すなわち8秒)をセットして充電を行う。
【0162】
CPU210は、充電を開始するため、充電信号をオンにする(S1813 )。すなわち、ストロボ回路231の端子CHENをハイ(H)レベルにして、充電を開始する。ストロボ回路231の端子CHENがHレベルの間は、ストロボ回路231の端子RLSの出力(充電電圧に対応)がA/D変換されてCPU210に入力される。CPU210は、A/D変換された電圧値に基づいて充電電圧をチェックする(S1815 )。もしも充電電圧が上限値に達していたなら(Y:S1817 、CPU210は充電禁止タイマに充電禁止時間である3秒をセットすることにより、3秒間充電を禁止し、ストロボ回路231の端子CHENをロー(L)にすることにより充電を停止し(S1821 )、充電要求フラグに0をセットしてメイン充電処理を終了する。
【0163】
CPU210は、S1817 において充電電圧が上限に達していないと判断すると、充電タイマがタイムアップしたかどうかを判定する(S1825 )。充電タイマがタイムアップした場合には、ストロボ回路231の端子CHENをロー(L)にして充電を停止し(S1821 )、充電処理が完了したことを示す充電要求フラグに0をセットする(S1823 )。なお、充電タイマがタイムアップしてメイン充電処理が終了した場合には、3秒間の充電禁止時間は設定されない。
【0164】
充電タイマがタイムアップしていなければ(N:S1825 )、CPU210は、何らかのスイッチの状態が変化したかどうかを判断する(S1827 )。スイッチ状態の変化が検出された場合には、充電処理を中断して操作されたスイッチに対応した処理を優先的に行う。このため、CPU210は、スイッチ状態の変化を検出すると、S2819 において充電信号をオフにし(すなわちストロボ回路231の端子CHENをローにし)、充電タイマーが示す残り時間をメモリに格納し(S1831 )、充電中断フラグに1をセットして充電が中断されたことを示し(S1835 )、メイン充電処理を終了する。S1831 でメモリに格納された残り時間と、S1835 おいてセットされた充電中断フラグは、次にメイン充電処理または撮影充電処理が実行される際に参照される。
【0165】
『シャッタ初期化処理』
図39は、シャッタ初期化処理に関するフローチャートである。本実施の形態のシャッタ初期化処理は、シャッタ27を駆動するAEモータ29をシャッタ閉方向に駆動してシャッタ羽根をストッパに当接するまで完全に閉じる処理である。
【0166】
この処理に入ると、まず、AEモータ29を逆転させてシャッタ羽根27aを閉方向に駆動し、AEパルスカウントリミット時間タイマーをスタートさせてAEパルスカウント処理をコールしてAEパルスを検知しながら、AEパルスカウントリミット時間タイマーがタイムアップするのを待つ(S1901 、S1903 、S1905 、S1907)。
【0167】
シャッタ羽根27aが完全に閉じてAEモータ29が回転不能になるとAEパルスカウントリミット時間タイマーがタイムアップするので、タイムアップしたらAEモータ29をフリーにしてリターンする(S1907 、S1909 )。
【0168】
以上の処理によって、シャッタ27はシャッタ羽根27aが完全に閉じた初期位置に設定される。
【0169】
『ズームコード入力処理』
図40はズームコード入力処理のフローチャートである。ズームコード入力処理は、CPU210のA/D入力端子に入力されたズームコード情報入力回路219からの電圧のA/D変換値に基づいてズームコードをセットする処理である。
【0170】
S3201 において、ズームコード情報入力回路219からCPU210のA/D端子に電圧が入力される。CPU210は入力電圧のA/D変換値を図20に示すスレッシュホールド電圧Va〜Vfと比較して入力電圧に対応したズームコードをセットする。ズームコードのセットは以下のようにして行われる。
【0171】
CPU210は、入力電圧のA/D変換値とスレッシュホールド電圧Vaとを比較する(S3203 )。入力電圧のA/D変換値がスレッシュホールド電圧Vaより大きい場合(Y:S3203 )にはズームコードとして0をセットして(S3205 )、リターンする。
【0172】
入力電圧のA/D変換値がVa以下(N:S3203 )であり、Vbより大きい場合(Y:S3207 )には、ズームコードに5がセットされる(S3209 )。
【0173】
入力電圧のA/D変換値がVb以下(N:S3207 )であり、Vcより大きい場合(Y:S3211 )には、ズームコードに4がセットされる(S3213 )。
【0174】
入力電圧のA/D変換値がVc以下(N:S3211 )であり、Vdより大きい場合(Y:S3215 )には、ズームコードに3がセットされる(S3217 )。
【0175】
入力電圧のA/D変換値がVd以下(N:S3215 )であり、Veより大きい場合(Y:S3219 )には、ズームコードに6がセットされる(S3221 )。
【0176】
入力電圧のA/D変換値がVe以下(N:S3219 )であり、Vfより大きい場合(Y:S3223 )には、ズームコードに1がセットされる(S3225 )。
【0177】
入力電圧のA/D変換値がVf以下(N:S3223 )の場合には、ズームコードに2がセットされる(S3221 )。
【0178】
なお、ここで、スレッシュホールド電圧間の間隔が比較的大きいVd、Ve、Vfにより識別されるコードに対して、レンズ位置の基準点となる、レンズ収納位置(ズームコード=1)、ワイド端(ズームコード=2)、テレ端(ズームコード=6)が割当てられている。こうすることにより、電圧の変動などによりCPU210への入力電圧が多少ずれることがあっても、少なくとも基準点に関しては、正しいズームコードがセットされることになる。
【0179】
『AFパルス確認処理』
図41は、AFパルス確認処理に関するフローチャートである。AFパルス確認処理は、後群移動モータ30を正逆に交互に回転する処理である。たとえば、何らかの原因で後群移動モータ30を駆動してもこれらのモータが回転できなかった場合に、後群移動モータ30を正逆に交互に回転することで、後群移動モータ30の移動を阻害している原因を取り除き、後群レンズの移動を可能にする。本実施の形態では、後群移動モータ30を正逆に交互に回転し、後群移動モータ30が所定量以上回転したことを確認してから後群レンズL2をAFホーム位置に移動させる。正逆の駆動を5回繰り返してもこの確認ができなかったとき、あるいは、確認できても所定時間内に後群レンズL2がAFホーム位置に移動しなかったときには、後群移動モータ30を停止させ、エラーフラグに1をセットする。
【0180】
AFパルス確認処理にはいると、後群移動モータ30を正逆交互に駆動する最大回数を規定するカウンタの値を5にセットする(S3301 )。
【0181】
そして、まず、後群移動モータ30を正転方向(後群レンズ後退方向)に起動し、AFパルスカウンタの値を50にセットして、AFパルスカウント処理を行って、AFパルスが50個出力されるのを待つ(S3303 、S3305 、S3307 )。AFパルスカウンタの値が0になったら、後群移動モータ30を停止させる(S3309 )。
【0182】
OKフラグをチェックし、OKフラグがセットされていれば、つまりAFパルスが50回出力されれば、後群レンズL2がAFホーム位置にあるかどうかをチェックする(S3311 、S3329 )。AFホーム位置にあればリターンするが、AFホーム位置にない場合は、後群移動モータ30を逆転駆動(後群レンズL2をAFホーム位置方向に移動する方向)して500ms タイマーをスタートさせる(S3331 、S3335 )。通常は、500ms タイマーがタイムアップする前に後群レンズL2がAFホーム位置に達するので、後群レンズL2がAFホーム位置に達したら後群移動モータ30を停止させてリターンする(S3335 、S3337 、S3339 )。ここで、もし、500ms タイマーがタイムアップする前に後群レンズL2がAFホーム位置に達しなかったときは、後群移動モータ30を停止させ、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S3335 、S3341 、S3343)。
【0183】
以上は、通常の処理であるが、後群レンズL2が容易に動かなかったときは、下記の処理を実行する。S3307 のAFパルスカウント処理において、後群移動モータ30を駆動しているにも拘わらずAFパルスが所定時間出力されなかったときは、噛み付きなどによって後群移動モータ30が回転できない状態なので、OKフラグをクリアする。したがって、S3311 からS3313 の揺動処理に進む。S3313 に進むと、100ms待ってから、後群移動モータ30を逆回転駆動する(S3315 )。そしてAFパルスカウンタの値を50にセットし、AFパルスカウント処理を行って、後群移動モータ30を停止させる(S3317 、S3319 、S3321 )。AFパルスカウント処理では、AFパルスが50個出力されたときはOKフラグをセットし、所定時間AFパルスが出力されなかったときはOKフラグをクリアしている。したがって、この後群移動モータ30の逆回転で、後群レンズL2が移動したときはS3329 の処理に進み、移動しなかったときはS3325 に進む。
【0184】
S3325 では、カウンタを1デクリメントし、カウンタが0でなければS3303 に戻って、S3303 からの処理を繰り返す。カウンタが0になったら、つまり、後群移動モータ30の正逆駆動を5回繰り返しても後群レンズL2が移動しなかったときは、レンズ駆動系に何らかの異常が発生していることがあるので、後群移動モータ30を停止させ、エラーフラグに1をセットしてリターンする(S3327 、S3341 、S3343 )。
【0185】
『AFリターン処理』
図42は、AFリターン処理のフローチャートである。AFリターン処理は、後群レンズL2をAFホーム位置に戻す処理である。
【0186】
AFリターン処理に入ると、後群移動モータ39を逆転方向(レンズ前進方向)駆動して後群レンズL2をAFホーム位置に向かって前進させて、後群レンズL2がAFホーム位置に達するのを待つ(S3401 、S3403 )。
【0187】
後群レンズL2がAFホーム位置に達したことをフォトインタラプタ301を介して検知したら、後群移動モータ30の駆動を低速逆転駆動に変えて、カウンタに10をセットし、AFパルスの立ち上がりをカウントしてカウントする毎にカウンタを1デクリメントして、カウンタの値が0になるのを待つ(S3405 、S3407 、S3409 、S3411 、S3413 )。
【0188】
カウンタが0になったら、後群移動モータ30をストップさせる(S3413 、S3415 )。これにより、後群レンズL2がAFホーム位置で確実に停止する。
【0189】
本実施の形態では、後群レンズL2がAFホーム位置に到達してからさらに10パルス分後群移動モータ30の駆動を継続しているが、これは、後群レンズL2の駆動パルスカウントをAFホーム信号の切り換わりを基準としているので、待機状態で確実に後群レンズL2をAFホーム位置にするためである(図26から図28参照)。
【0190】
『バリア閉処理』
図43はバリア閉処理のフローチャートである。バリア閉処理は、レンズ収納時にバリアを閉じるための処理である。
まずカウンタに、後述する不具合発生時に実行される開閉処理の繰り返し回数である3をセットする。本実施形態においては、バリア閉処理が正常に終了したか否かは後群移動モータ30が正転方向に所定量回転したかどうか(すなわち、後群移動モータ30を正転駆動しAFパルスが所定数カウントされたか否か)に基づいて判定している。
【0191】
もしも後群移動モータ30を正転駆動した時に所定数のAFパルスがAFパルス入力回路222から入力されない場合には、何らかの理由でバリアが閉じられなかったかバリアが既に閉じた状態でバリア閉処理が実行された場合が考えられる。
【0192】
このため、本実施の形態においては、後群移動モータ30を正転駆動してAFパルスが所定数カウントされなかった場合には、一旦後群移動モータ30を逆転方向に所定量(閉じられているバリアを開放させるに十分な量)だけ駆動し、その後再び後群移動モータ30を正転駆動するようにしている。S3501 で設定する回数は、上記の一旦後群移動モータ30を逆転方向に駆動した後、再度正転駆動するという処理の実行回数を制限するための値である。
【0193】
S3503 では後群移動モータ30を正転駆動し(バリアが閉じる方向に駆動し)、AFパルスカウンタに300をセットして(S3505 )、AFパルスカウント処理をコールする(S3507 )。AFパルスカウント処理は、後群移動モータ30の回転と同期してAFパルス入力回路222がCPU210に出力するパルス信号に基づいて、S3505 でセットされたAFパルスカウンタをデクリメントする処理である。
【0194】
AFパルスカウント処理では、所定時間の間にパルスが出力されなくなるか、デクリメントされたAFパルスカウンタのカウント値が0になると、処理を終了する。
【0195】
AFパルスカウント処理が終わると、後群移動モータ30が停止され(S3509 、AFパルスカウンタ処理でデクリメントされた残りのAFパルスカウントが100未満かどうかが判定される(S3511 )。
【0196】
S3511 において、AFパルスカウンタの値が100未満であれば(すなわち、AFパルスカウント処理において200以上デクリメントされた場合は)、バリアは正常に閉じたと判断して、バリア閉処理を終了する。もしも、AFパルスカウンタの値が100以上の場合には(N:S3511 )、何らかの理由で後群移動モータ30が回転しないと考えられ、後群移動モータ30を一旦逆方向(バリアが開く方向)に回転させ、再度正転させることにより、障害を取り除くようにしている。
【0197】
S3513 においてカウンタをデクリメントし、カウンタが0にならない限り、S3519 に処理を進める。S3519 では、後群移動モータ30を逆転し、AFパルスカウンタに300をセットしてAFパルスカウント処理をコールする。AFパルスカウント処理が終了すると、後群移動モータ30を停止し、S3503 に戻って、後群移動モータ30の正転、AFパルスカウンタのセット、AFパルスカウント処理の実行、後群移動モータ30の停止を実行し(S3503 、S3505 、S3507 、S3509 )、再度AFパルスカウンタの値に基づきバリアが閉じたか否かを判定する(S3511 )。本実施の形態においては、S3501 においてカウンタに3がセットされているため、バリアが閉じない場合には、上記の再試行処理は2回繰り返される。
【0198】
この間にバリアが閉じれば、S3511 にてAFパルスカウンタが100未満となり(Y:S3511 )、バリア閉処理は終了する。また、繰り返しのうちに最後までAFパルスカウンタが100未満とはならなかった場合には(Y:S3515 )、バリアが閉じなかったと判定され、エラーフラグに異常発生を示す1がセットされてバリア閉処理は終了する。
【0199】
『バリア開処理』
図44はバリア開処理のフローチャートである。バリア開処理は、レンズを収納位置から繰り出す時にバリアを開くための処理である。
【0200】
まずカウンタに処理の繰り返し回数である3をセットする(S3601 )。通常はバリアが閉じた状態でバリア開処理が呼出される。しかし、例えばレンズが繰り出された状態で(すなわちバリアが開いた状態で)カメラのバッテリを交換したような場合には、バリアが開いている状態でバリア開処理が実行されることになる。あるいは何らかの障害によりレンズ収納時にバリアが閉じられないままにバリア開処理が呼出される可能性もある。バリアが開いた状態でバリアを開くために後群モータ30を駆動した場合には、既にバリアが開いているために後群移動モータ30が回転せずAFパルス入力回路222がパルスを発生しないことになる。
【0201】
このため、本処理では、まずバリアを開くように後群移動モータ30を駆動し、バリアが開いたことが確認できなかった場合(AFパルス入力回路222がCPU210にパルスを出力しない場合)には、バリアを閉じる方向に後群移動モータ30を駆動した後もう一度バリアを開く方向に後群移動モータ30を駆動する。S3601 においてカウンタにセットする回数は、最初に後群移動モータ30を駆動したときにバリアが開いたことが確認できなかった場合に行われる、上述のバリアを一旦閉じた後再度バリアを開く処理の実行回数を限定するための値である。
【0202】
まずS3603 において、後群移動モータ30を逆転し(バリアが開く方向に駆動し)、AFパルスカウンタに300をセットして(S3605 )、AFパルスカウント処理をコールする(S3607 )。AFパルスカウント処理は、後群移動モータ30の回転と同期してAFパルス入力回路222から出力されるパルス信号に基づいて、セットされたAFパルスカウンタをデクリメントする処理である。
【0203】
AFパルスカウント処理では、所定時間の間にAFパルス入力回路222からCPU210にパルスが出力されなくなるか、デクリメントされたAFパルスカウンタのカウント値が0になると、処理を終了する。AFパルスカウント処理が終わると、後群移動モータ30が停止され、AFパルスカウンタ処理でデクリメントされた残りのAFパルスカウントが100未満かどうかが判定される。
【0204】
ここでAFパルスカウンタの値が100未満であれば(すなわち、AFパルスカウント処理においてカウント値が200以上デクリメントされた場合は)、バリアは正常に開いたと判断して、バリア開処理を終了する。
【0205】
もしも、AFパルスカウンタの値が100以上の場合には、何らかの理由で後群移動モータ30が回転しないと考えられ、後群移動モータ30を一旦正転方向(バリアが閉じる方向)に回転させ、再度逆転させることにより、障害を取り除くようにしている。
【0206】
まず、カウンタをデクリメントし(S3613 )、カウンタが0にならない限り(N:S3615 )、S3619 に処理を進める。S3619 では、後群移動モータ30を逆転し、AFパルスカウンタに300をセットしてAFパルスカウント処理をコールする(すなわち、バリアを閉じる様に後群移動モータ30を駆動する)。S3623 のAFパルスカウント処理が終了すると、後群移動モータ30を停止し(S3625 )、S3603 に戻って、後群移動モータ30の逆転、AFパルスカウンタのセット、AFパルスカウント処理の実行、後群移動モータ30の停止を実行し、再度AFパルスカウンタの値に基づきバリアが開いたか否かを判定する。
【0207】
本実施の形態においてはカウンタに3がセットされているため、バリアが開かない場合(N:S3611 )にはS3619 からS3625 を経てS3609 までの処理を2回繰り返す。この間にバリアが開けば、S3611 にてAFパルスカウンタが100未満となり、バリア開処理は終了する。また、繰り返しのうちに最後までAFパルスカウンタが100未満とはならなかった場合には、バリアが開かなかったと判定され、エラーフラグに異常発生を示す1がセットされてバリア開処理は終了する。
【0208】
『ズームドライブ処理』
図45は、ズームドライブ処理のフローチャートである。ズームドライブ処理は、前群レンズL1および後群レンズL2を被写体距離に合焦させるために、ズームパルスカウンタの値分、全体移動モータ25を正転方向(レンズ繰り出し方向)に駆動制御する処理である(図22参照)。
【0209】
ズームドライブ処理に入ると、まずズームパルスカウンタの値をズームパルスとしてメモリする(S3701 )。そして、ズームシーケンスを0にして全体移動モータ25を正転起動(前進方向に駆動)し、ドライブチェック処理を行ってズームシーケンスが5になるのを待ち、ズームシーケンスが5になったらリターンする(S3703、S3705 、S3707 、S3709 )。
【0210】
ズームシーケンスとは、全体移動制御回路60の動作シーケンスの状態を識別する識別子であって、0はズームパルスのカウント基準であるズームコードの切り換わり検知状態、1および2はズームパルスのカウントを行っている状態を示しており、3は逆転ブレーキ駆動状態、4はショートブレーキ状態、5は端子オープン状態(非作動状態)で、ズームドライブの一連のシーケンスが終了したこと示す(図23、24参照)。
【0211】
『AF2段繰り出し処理』
図46はAF2段繰り出し処理のフローチャートである。AF2段繰り出し処理は、レンズの焦点距離が変更された場合に実行される処理で、レンズがワイド側に位置している場合に、予め後群レンズ30をAFホーム位置から所定量(AP1 )繰出しておく処理である。
【0212】
AF2段繰り出し処理がコールされると、CPU210は、現在後群レンズL2がAF2段繰り出し処理により所定量繰出された状態となっているかどうかを判定する(S3801)。前回AF2段繰り出し処理が実行された時にレンズがワイド端側(ズームステップが4未満)にあった場合には後群レンズが所定量繰り出されて2段繰り出しフラグに1がセットされている。また、前回AF2段繰り出し処理が実行されたときにズームステップが4以上であれば、後群レンズは繰り出されておらず(AFホーム位置に位置しており)、2段繰り出しフラグには0がセットされている。
【0213】
AF2段繰り出し処理が呼出され、2段繰り出しフラグに1がセットされている場合には(Y:S3801 )、次にCPU210は現在のレンズ位置に対応するズームステップが4より大きいかどうかを判定する(S3805 )。ズームステップが4より大きい場合(後群および前群レンズがテレ側にある場合)には、AFリターン処理をコールして既に繰り出されている後群レンズL2をAFホーム位置に戻し、2段繰り出し済フラグをクリアして(0をセットして)リターンする(S3807 、S3809 )。現在のズームステップが4以下の場合には、後群レンズL2を繰り出しておく必要があるが、既に前回AF2段繰り出し処理が実行されたときに後群レンズL2は繰り出されており、ここでは何もせずにリターンする。
【0214】
S3801 で2段繰り出し済フラグが1でなかった場合(すなわち0がセットされている場合)には、前回のAF2段繰り出し処理が終了した時点で後群レンズはAFホーム位置に位置していることになる。この場合には、CPU210は、ズームステップが4以下かどうかを判定し(S3803 )、ズームステップが4を越えている場合には(N:S3803 )、後群レンズL2を繰り出す必要は無いため(AFホーム位置のままで良いため)、後群レンズL2の繰り出しの処理は行わず、そのままリターンする。ズームステップが4以下の場合(すなわちレンズがワイド側に位置している場合)には(Y:S3809 )、後群レンズL2を繰り出す処理を行うが、この時、レンズがワイド端にあるか否かにより処理方法が異なる。
【0215】
まず、ズームステップが0かどうか(すなわち、レンズがワイド端に位置しているか否か)を判定する(S3811 )。レンズがワイド端に位置している場合には、後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続されていて後群レンズ移動機構に接続されていない場合がある。すなわち、レンズがワイド端に位置している状態で後群移動モータ30を駆動した場合、後群レンズL2が駆動されずにバリアの開閉が行われる可能性がある。
【0216】
一方、レンズがワイド端よりテレ側にある場合には必ず後群移動モータ30は後群レンズ駆動機構に接続されている。このため、レンズがワイド端に位置していないとき(すなわちズームステップが0でない時)には(N:S3811 )、AFパルスカウンタに所定値AP1 をセットし(S3823 )、AFドライブ処理をコールすることにより(S3825 )、後群レンズL2をAFホーム位置からAFパルス数AP1 に対応した量だけ突出させることができる。後群レンズL2を繰出した後、CPU210は、2段繰り出し済フラグに1をセットしてリターンする。
【0217】
ズームステップが0の時(すなわちレンズがワイド端に位置している時)には(Y:S3811 )、前述のように後群移動モータ30がバリア開閉機構に接続されている可能性がある。ただし、AF2段繰り出し処理がレンズリターン処理中でコールされる場合に限り、後群移動モータ30は後群レンズ移動機構に接続されていることが保証される。このため、S3813 において、実行中のAF2段繰り出し処理がレンズリターン処理において呼出された処理か否かを示すズームリターンフラグにより処理を分岐している。実行中のAF2段繰り出し処理がレンズリターン処理においてコールされたものである場合には、ズームリターンフラグには1がセットされている。この場合には、後群レンズの駆動だけが行われる(S3823 、S3825 )。
【0218】
これに対し、実行中のAF2段繰り出し処理がレンズリターン処理以外のルーチンにおいて呼出されたものである場合には、ズームリターンフラグには0がセットされており、CPU210はS3815 からの処理を実行する。
【0219】
CPU210は、ズームパルスカウンタおよびAFパルスカウンタにそれぞれ所定値ZP1 およびAP1 をセットし(S3815 、S3817 )、レンズドライブ処理を呼出して(S3819 )、まず全体移動モータ25を駆動して前群および後群レンズをズームパルスZP1 に対応する量だけ駆動すると共に、後群移動モータ30を駆動して後群レンズをAFパルスAP1 に対応する量だけ駆動した後、ズームリターン処理において(S3821 )、全体移動モータ25を駆動して第2ズームパルス数ZP2 に対応する量だけ前群および後群レンズを戻している。すなわち、レンズを一旦テレ側に所定量移動して後群移動モータ30が確実に後群レンズL2の駆動機構に係合するようにした上で後群移動モータを駆動して後群レンズを繰り出し、その後レンズをワイド側に所定量戻すことにより、結果的には後群レンズL2のみをワイド側に移動するようにしている。
【0220】
以上のように、AF2段繰り出し処理が終った時点で、レンズがワイド側にある時(ズームステップが4以下の時)には後群レンズL2が所定量繰り出され、かつ2段繰り出し済フラグには1がセットされている。またレンズがテレ側にある時(ズームステップが4より大きい時)には、後群レンズL2がAFホーム位置に位置し、2段繰り出し済フラグには0がセットされている。
【0221】
『ズームリターン処理』
図47は、ズームリターン処理のフローチャートである。ズームリターン処理は、前群レンズL1及び後群レンズL2を、撮影処理におけるレンズドライブ処理で移動する前の待機位置に戻す処理である。つまり、全体移動モータ25を、現ズームコードの収納位置側切り換え点から第2ズームパルス数ZP2 分逆転させて前群レンズL1および後群レンズL2を待機位置に戻し、さらに全体移動モータ25を第3ズームパルス数ZP3 分正転させてバックラッシュをある程度除去した状態で停止する処理である(図22のレンズドライブ参照)。
【0222】
ズームリターン処理に入ると、ズームパルスメモリにメモリされているパルス数が第1ズームパルス数ZP1 未満であるかどうかをチェックし、未満であれば、全体移動モータ25を正転(テレ方向回転)し、第1ズームパルス数ZP1 からズームパルスメモリにメモリされた駆動パルス数を減算したパルス数をズームパルスカウンタにセットし、ズームパルスカウント処理を実行してズームパルスカウンタが0になるのを待ち、0になったら、つまり現ズームコードの切り換え点から第1ズームパルス数ZP1 分駆動したら全体移動モータ25をストップさせる(S3901 、S3905 、S3907 、S3909 、S3911 )。これは、レンズが現ズームコードのテレ側切り換え点付近に停止しているときには全体移動モータ25への通電初期にズームコードが不安定になり、待機位置がずれる虞れがあるので、これを防止するために、確実にズームコードがオフになるように第1ズームパルス数ZP1 分正転させるのである。そして、エラーフラグに1がセットされていればリターンし、エラーフラグに1がセットされていなければS3915 に進む(S3911 、S3913 。
【0223】
ズームパルスメモリにメモリされた駆動パルス数が第1ズームパルス数ZP1 と等しい場合は、現ズームコードがオフする位置までレンズが移動しているので、全体移動モータ25を正転する処理をスキップする(S3901 、S3915 )。
【0224】
S3915 では、全体移動モータ25を逆転(ワイド方向回転)する。そして、ズームコード入力処理をコールしてズームコードを検知し、ワイドコードを検知したか、収納コードを検知したか、現ズームコードを検知したかをチェックする(S3917 、S3923 、S3929 )。ワイドコードを検知したらレンズワイド位置をセットし、収納コードを検知したら全体移動モータ25をストップさせて、レンズ繰り出し処理を実行してからリターンする(S3919 、S3921 、S3923 、またはS3923 、S3925 、S3927 )。
【0225】
現ズームコードを検知したら、ズームコード入力処理を実行する(S3929 、S3931 )。そして、OFF コードを検知する(現ズームコードがOFFする)のを待ち、OFF コードを検知したら、ズームパルスカウンタに第2ズームパルス数ZP2 セットし、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパルスカウンタが0になるのを待つ(S3931 、S3933 )。
【0226】
ズームパルスカウント処理からリターンすると、全体移動モータ25を停止する(S3937 、S3939 )。エラーフラグに1がセットされているとき(ズームパルスカウンタが0にならずにリターンしたとき)はそのままリターンし、エラーフラグがセットされていないとき(ズームパルスカウンタが0になってリターンしたとき)は全体移動モータ25を正転駆動し、ズームパルスカウンタにバックラッシュ取りパルス数ZP3 をセットし、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパルスカウンタが0になるのを待つ(S3941 、S3943 、S3945 、S3947 )。そして、ズームパルスカウント処理からリターンすると、全体移動モータ25を停止してリターンする(S3947 、S3949 )。
【0227】
このようにズームリターン処理によって前群レンズL1は、現ズームコードの後端エッジよりも第2ズームパルス数ZP2 分後退した待機位置(OFF位置)に移動される。この待機位置では、全体移動モータ25がテレ方向に回転する際のバックラッシュがある程度除去されている。
【0228】
『ズーム待機確認処理』
図48は、ズーム待機確認処理に関するフローチャートである。ズーム待機確認処理は、撮影処理においてコールされ、測光スイッチSWSがオンしたときにレンズが正しい待機位置にあるかを確認し、正しい待機位置に無い場合にレンズを正しい待機位置に移動させる処理である。なお、ズーム確認処理のS3931 以降の処理は、ズームリターン処理と同一である。
【0229】
ズーム待機確認処理に入ると、まず、ズームコード入力処理をコールしてズームコードを入力し、現ズームコードを検知できなければ、レンズが正しい待機位置にあると考えられるのでそのままリターンする(S4001 、S4003 )。現ズームコードを検知できたら、レンズが正しい待機位置から移動しているので、全体移動モータ25を逆転(ワイド方向回転)して、S3931 に進み、ズームコード入力処理を実行する(S4003 、S4005 、S3931 )。
【0230】
そして、ズームコードのOFF コードを検知するのを待ち、OFF コードを検知したら、ズームパルスカウンタに第2ズームパルス数ZP2 をセットし、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパルスカウンタが0になるのを待つ(S3931 S3933 )。
【0231】
ズームパルスカウント処理からリターンすると、全体移動モータ25を停止させる(S3937 、S3939 )。エラーフラグがセットされているとき(ズームパルスカウンタが0にならずにリターンしたとき)はそのままリターンし、エラーフラグがセットされていないとき(ズームパルスカウンタが0になってリターンしたとき)は全体移動モータ25を正転駆動し、てズームパルスカウンタにバックラッシュ取りパルスZP3 をセットし、ズームパルスカウント処理をコールしてズームパルスカウンタが0になるのを待つ(S3941 、S3943 、S3945 、S3947 )。そして、ズームパルスカウント処理からリターンすると、全体移動モータ25を停止させてリターンする(S3947 、S3949 )。
【0232】
このようにズーム待機確認処理は、ズームステップに対応する現ズームコードを検知することを条件に、前群レンズL1及び後群レンズL2を、現ズームコードのワイド側切り換え位置よりも所定距離後退した撮影待機位置に移動させる。
【0233】
『撮影充電処理』
図49は撮影充電処理のフローチャートである。撮影充電処理は、測光スイッチがオンとなっている時に行われる充電処理で、撮影処理においてストロボ発光が必要と判定された場合に呼び出される充電処理である。
【0234】
撮影充電処理が呼出されると、CPU210は、S4101 において充電禁止タイマが0になっているかどうかを判定する。充電禁止タイマは充電を禁止する期間を計時するタイマで、図29のメイン充電処理において、ストロボ回路231の発光用コンデンサ530がフル充電された場合に3秒の充電禁止時間がセットされる。すなわち、充電禁止タイマがタイムアップしていない(0でない)場合には、ストロボ発光用のコンデンサ530の充電は禁止されており、かつコンデンサ530はほぼフル充電状態であってストロボ発光が可能な状態となっている。このため、充電禁止タイマがタイムアップしていない場合(N:S4101 )には、充電OKフラグに、ストロボ発光可能であることを示す1をセットし(S4103 )充電要求フラグに0をセットして(S4104 )、撮影充電処理を終了しリターンする。
【0235】
充電禁止タイマがタイムアップしていれば(N:S4101 )、ストロボ回路231はフル充電されていないか、もしくはフル充電された後3秒以上経っている場合である。この時には、充電は禁止されていないため、CPU210は、S4103 で充電OKフラグに0をセットした後、S4105 以降の充電のための処理を実行する。
【0236】
CPU210は、S4105 で、充電中断フラグに1がセットされているか否かを判定する。メイン充電処理の実行中にスイッチ操作が行われると充電処理は中断されて、操作されたスイッチに対応した処理が行われる。その際に充電中断フラグに1がセットされる。
【0237】
充電中断フラグに0がセットされている場合、すなわちメイン充電処理は中断されなかった場合には(N:S4105 )、充電時間を制限するため、充電タイマに所定の制限時間(8秒)をセットする。もしも、充電中断フラグに1がセットされていた場合(Y:S4105 )には、充電が再開されるので充電中断フラグをクリアし(0をセットし)、充電タイマには充電が中断された時の充電制限時間の残り時間をセットする(S4107 、S4109 )。すなわち、充電が中断されている場合には、既に中断前の充電処理において所定の充電制限時間(8秒)のうちのどれだけかが既に充電に費やされており、従って中断後の充電処理においては所定の充電制限時間(8秒)のうち前記既に費やされた時間の残りの時間を充電時間とすることにより、結果的には所定の充電時間だけ充電が行われると、タイムアップにより充電を終了するようにしている。
【0238】
S4111 またはS4109 において充電タイマに時間をセットすると、次に、CPU210は、赤ランプ点滅フラグに1をセットし、赤ランプ227の点滅を行わせる。メイン充電処理においては、ストロボ発光用のコンデンサ530の充電は撮影者に認識されないままに実行されるが、撮影充電処理における充電は、撮影者がシャッタボタン217を半押しした状態で実行されるため、充電中であることを撮影者に示すことが好ましい。このため、撮影充電処理においては、赤ランプ227を点滅させて、充電中であることを撮影者が認識できるようにしている。
【0239】
充電タイマがセットされると、充電信号をONにして(すなわちストロボ回路231の端子CHENのレベルをHにして)、充電を開始する(S4115 )。ストロボ回路231の端子RLSの出力(充電電圧に対応)がA/D変換されてCPU210に入力される。CPU210は、A/D変換された充電電圧をチェックする(S4117 )。もしも充電電圧がストロボ発光可能なレベルに達していたなら(Y:S4119 )、CPU210は、ストロボ発光が可能であることを示すために充電OKフラグに1をセットし(S4121 )、ストロボ回路500の端子CHENをロー(L)にすることにより充電を停止し(S4123 )、赤ランプ点滅フラグに0をセットして赤ランプの点滅を終了させ(S4125 )て、充電処理が完了したこと(すなわち、ストロボ発光できない状態ではなくなったこと−撮影可能になったこと)を撮影者に認識させる。
【0240】
CPU210は、S4119 において充電電圧がストロボ発光可能な電圧値に達していないと判断すると、次に充電タイマがタイムアップしたかどうかを判定する(S4127 )。充電タイマがタイムアップした場合には、ストロボ回路500の端子CHENをロー(L)にして充電を停止し(S4123 )、赤ランプ点滅フラグに0をセットして赤ランプの点滅を終了させる(S4125 )。なお、S4127 でタイムアップとなった時には、充電電圧は発光可能なレベルに達していないため、充電OKフラグには1はセットされない。
【0241】
充電タイマがタイムアップしていなければ(N:S4127 )、CPU210は、測光スイッチがオフになったかどうかを判定する(S4129 )。測光スイッチがON状態であれば、S4117 からS4129 の処理が繰り返される。すなわち、シャッタボタンが少なくとも半押しされている間は充電電圧が発光可能なレベルに達するか充電制限時間(8秒)が経過するまで充電が行われる。
【0242】
S4129 において測光スイッチがオフであると判定された場合、すなわち充電中にシャッタボタンの半押し状態が解除された場合には(N:S4129 )、CPU210は、S4131 において充電信号をオフにし(すなわちストロボ回路500の端子CHENをローにし)、充電タイマーが示す残り時間をメモリに格納し(S4133 、充電中断フラグに1をセットして充電が中断されたことを示し(S4135 )、さらにメイン充電処理において中断された充電処理の続きを実行するために充電要求フラグに1をセットし(S4137 )、赤ランプ点滅フラグに0をセットして赤ランプ227の点滅を停止して、撮影充電処理を終了する。上述のように、S4133 メモリに格納された残り時間と、充電中断フラグおよび充電要求フラグは、メイン充電処理が実行される際に参照される。
【0243】
『ピント調整処理』
図50は、ピント調整処理に関するフローチャートである。ピント調整処理では、レンズドライブ演算処理によって演算された全体移動モータ駆動パルス数および後群移動モータ駆動パルス数に基づいて、全体移動モータ25を正転方向(レンズ繰り出し方向)に駆動し、後群移動モータ30を正転方向(後群レンズL2が後退するレンズ後退方向)に駆動して前群レンズL1および後群レンズL2を合焦位置まで移動させる処理である(図22のレンズドライブ参照)。そしてこのピント調整処理は、全体移動モータ25および後群移動モータ30の両方を同時に駆動(並列駆動)することに特徴を有する。
【0244】
ピント調整処理に入ると、まず、ズームパルスカウンタ値(レンズドライブ演算処理で演算した、全体移動モータ25を現ズームコードの収納側切り替え点からの駆動パルス数)をズームパルスメモリに書き込む(S4201 )。そして、ズームシーケンスを0にして全体移動モータ25を正転方向に起動してからドライブチェック処理を行ってズームシーケンスが1になるのを、つまり、現ズームコードを検知(オフからオン)するのを待ち、ズームシーケンスが1になったらAFシーケンスを0にする(S4203 、S4205 、S4207 、S4209 、S4211)。
【0245】
そして、後群移動モータ30を正転方向に駆動してからAFパルスカウンタの値が50未満であるかどうかをチェックし、50未満であれば後群移動モータ30の制御を低速制御(PWM制御)に変え、50以上であればそのままで、ズームドライブチェック処理に進む(S4213 、S4215 、S4217 、S4219 またはS4213 S4215 、S4219 )。
【0246】
ズームシーケンスおよびAFシーケンスがともに5になるのを待ち、双方が5になったら(全体移動モータ25および後群移動モータ30が停止したら)リターンする(S4219 、S4221 、S4223 、S4225 )。
【0247】
このようにピント調整処理は、全体移動モータ25および後群移動モータ30の両方を同時に駆動するので、前群レンズL1および後群レンズL2を合焦位置まで移動させる、合焦に要する時間が短縮される。
【0248】
『露出処理』
図51から図53は、露出処理に関するフローチャートである。露出処理は、レリーズスイッチSWRがオンされたときにコール(実行)される。この露出処理では、シャッターに関する補正処理、シャッターの初期位置確認処理などを実行してからシャッターを開放し、露出を行う。
【0249】
露出処理に入ると、まず、AE調整済みかどうかをチェックし、AE調整済みでないか、AE調整済みでもAEデータが10Ev 未満であれば、AE演算処理で求めたAEデータに基づいて、ROMにメモリした固定データの中からAEタイマー時間を選択する( S4301、S4305 またはS4301 、S4303 、S4305 )。AE調整済みかつAEデータが10Ev 以上であれば、AE演算処理で求めたAEデータに基づいて、リセット処理時に読み込んだ調整データの中からAEタイマー時間を決定する(S4301、S4303 、S4307 )。AEデータが10Ev 未満のときにROM上の固定データを使用するのは、10Ev 未満のときはシャッタ開放時間が長いので、誤差の影響がきわめて小さいし、ROM上のデータを使用する方が短時間で処理できるからである。
【0250】
次にFM調整済みかどうかをチェックし、FM調整済みでなければ、FMデータに基づいて、ROM上の固定データからFMタイマー時間を選択し、FM調整済みであればリセット処理時の調整データ読み込み処理で読み込んだデータを使用する(S4309 、S4311 またはS4309 、S4313 )。
【0251】
タイマーの設定が終了すると、まず、シャッター初期位置確認処理を実行する( S4315、S4317 、S4319 、S4321 )。つまり、AEモータを逆転してシャッター羽根27aを閉鎖方向に駆動し、AEパルスカウントリミット時間タイマーをスタートさせ、AEパルスカウント処理を実行してタイムアップするのを待つ(S4315 、S4317 、S4319 、S4321 )。シャッタ羽根27aが完全に閉じて移動できなくなるとAEモータが回転できなくなるので、タイムアップする。
【0252】
タイムアップしたらAEモータ29を正転してシャッタを開方向に駆動し、AEパルスカウントリミット時間タイマーをスタートさせる(S4323 、S4325 )。そして、AEパルスカウント処理を実行し、AEパルスカウントリミット時間タイマーがタイムアップしたかどうかをチェックしながら、AEパルスカウント処理により基準パルスのカウントが終了するのを待つ(S4327 、S4329 、S4331 )。
【0253】
ここで、もしAEパルスカウントリミット時間タイマーがタイムアップしたら、何らかの理由でAEモータ29の回転が阻止されているので、シャッターエラーフラグをセットし、AEモータ29をフリー(不通電)にしてリターンする(S4329 、S4333 、S4335 )。
基準パルスのカウントが終了した時点あたりからシャッタ羽根27aが開き始めるので、AEタイマー及びFMタイマーをスタートさせ、発光終了フラグをクリアする(S4331、S4337 、S4339 、S4341 )。
【0254】
そして、発光終了フラグがセットされているか、発光モードかをチェックするが、ストロボを発光しないときは発光終了フラグはクリアされたままであり、発光モードでもないので、AEタイマーがタイムアップするのを待つ(S4343 、S4345 、S4347 )。
【0255】
AEタイマーがタイムアップしたら、バルブモードではないことを条件に、AEモータ29を逆転(シャッタ閉方向回転)させてシャッター羽根閉鎖動作を開始し、AEパルスカウントリミット時間タイマーをスタートさせる(S4371 、S4373 )。そして、AEパルスカウント処理を実行しながらAEパルスカウンタがタイムアップするのを、つまり、シャッタ羽根27aが閉じてAEモータ29が停止するのを待ち、タイムアップしたらAEモータ29をフリーにしてからリターンする(S4375 、S4377 、S4379 )。バブルモードのときは、測光スイッチSWSがオンされている間は、AEモータ29への過負荷を防止するためにAEモータ29をフリーにして測光スイッチSWSがオフされるのを待つ(S4365 、S4367 、S4369 )。
【0256】
なお、ストロボ発光モードのときは、発光モードなので、S4345 からS4349 に進んで発光中かどうかをチェックし、当初は発光中ではないので、FMタイマーがタイムアップするのを待つ(S4349 、S4351 、S4347 、S4343 、S4345 )。通常は、FMタイマーの方がAEタイマーよりも短時間なのでFMタイマーが先にタイムアップする。FMタイマーがタイムアップしたら、発光をスタートし、2msタイマーをスタートする( S4351、S4353 、S4355 )。この2msタイマーは、ストロボが完全に発光終了するのを待つためのタイマーであって、待ち時間はストロボの特性によって変わり、2msに限定されない。
【0257】
発光をスタートさせると、発光中になるので、2msタイマーがタイムアップするのを待つ(S4349 、S4357 、S4347 、S4343 、S4345 )。2msタイマーがタイムアップしたら、発光を停止し、発光終了フラグをセットし、充電要求フラグをセットする(S4357 、S4359 、S4361 、S4363 )。そして、発光終了フラグがセットされているので、AEタイマーがタイムアップするのを待つ(S4343 、S4347 )。
【0258】
『レンズリターン処理』
図54は、レンズリターン処理のフローチャートである。レンズリターン処理は、撮影処理時に合焦位置まで移動させた前群レンズL1及び後群レンズL2を、撮影処理前の位置まで復帰させる処理である。前群レンズL1は、現焦点距離を識別するズームステップに対応するズームコードのワイド側切り換え点から第2ズームパルスZP2分収納位置方向に後退した待機位置に戻し、後群レンズL2を、ズームステップが5以上のときにはAFホーム位置に戻し、ズームステップが0から4のときにはAFホーム位置からAFパルス数AP1分繰り出した(後退させた)位置に移動する処理である。
【0259】
このレンズリターン処理に入ると、AFリターン処理をコールして、後群レンズL2をAFホーム位置に戻してからレンズリターンフラグをセットし、AF2段繰り出し処理をコールして後群レンズL2をズームコードが5以上のときにはそのままで、4以下のときにはAFパルスAP1分繰り出し(後退させ)てからズームリターンフラグをクリア(0をセット)し、ズームリターン処理をコールして、前群レンズLlを現ズームコードの待機位置に移動させてリターンする(S4401 、S4403 、S4405 、S4407 、S4409 )。
【0260】
『レンズドライブ演算処理』
図55は、レンズドライブ演算処理のフローチャートである。レンズドライブ演算処理は、測距処理によって得られた被写体距離(または撮影距離)および現ズームステップに基づいて、全体移動モータ25および後群移動モータ30を駆動するパルス数を、現ズームステップに対応する現ズームコードのワイド側切り換え点(オフ/オン点)からのズームパルス数及びAFホーム位置からのAFパルス数として求める処理である。なお、本実施の形態の焦点調整において、全体移動モータ25の駆動方向は前群レンズL1を前進させる(繰り出し)方向であり、後群移動モータ30の駆動方向は、後群レンズL2をAFホーム位置から後退(前群レンズL1から離反)させる方向である。
【0261】
また、本実施の形態では、三つの態様でフォーカシングを行なう。ワイド端では全体移動モータ25により前群レンズL1および後群レンズL2を一体に移動させる全体フォーカシングを行い(第一の態様)、テレ端では被写体距離によって後群レンズL2のみを移動させる後群フォーカスを行い(第三の態様)、ワイド端とテレ端の間では、全体移動モータ25によって前群レンズL1および後群レンズL2を移動させるとともに、後群移動モータ30によって後群レンズL2を(カメラに対する絶対位置が変動しないように)移動させる前群フォーカシングを行う(第二の態様)。
【0262】
レンズドライブ演算処理に入ると、現ズームステップ及び測距処理によって得られた被写体距離に基づいて、基準レンズ移動量(パルス数)Δ2Tを算出する(S4501 )。次に、現在のズームステップが0(ワイド端)、1〜12(ワイド端)、13(テレ端)のいずれであるかを判断して、ズームステップに応じたパルス演算処理を実行する(S4503 、S4505 、S4507 、S4509 、S4511 、S4513 、S4515 )。ワイド端であれば全体フォーカシングを行うのでズームパルスカウンタには(a×ΔX2T)を、AFパルスカウンタには0をセットする(S4505 、S4507 )。中間であれば前群フォーカシングを行うので、ズームパルスカウンタには(b×ΔX2T)を、AFパルスカウンタには(c×ΔX2T)をセットする(S4509 、S4511 )。テレ端であれば後群フォーカシングを行うので、ズームパルスカウンタには0を、AFパルスカウンタには(ΔX2T)をセットする(S4513 、S4515 )。なお、符号a、b、c、ΔXは所定の補正係数である。
【0263】
パルスカウンタのセットが終了したら、AFパルスカウンタの値に、焦点距離に応じた補正値X2fを加算する(S4517 )。さらに、EEPROM230から調整データを読み込み、調整データをAFパルスカウンタおよびズームパルスカウンタに加算する(S4519 、S4521 )。さらに、AF2段繰り出し済みフラグがセットされているかどうかをチェックし、セットされているときはすでに後群レンズL2がAFパルス数AP1分AFホーム位置から繰り出されている(後退している)ので、AFパルスカウンタからAP1を減算する。
【0264】
以上の処理によって、現在の焦点距離において被写体に合焦するレンズ位置まで前群レンズL1および後群レンズL2を移動するための、全体移動モータ25の駆動パルス数および後群移動モータ30の駆動パルス数のセットが終了する。
【0265】
『テスト関数呼び出し処理』
図56はテスト関数呼び出し処理のフローチャートである。テスト関数呼び出し処理は、カメラの機能をテストするための処理で、カメラに測定器を接続した状態で呼出され、カメラの各関数を実行する。
【0266】
従来、カメラに測定器を接続してテストを行う場合には、測定器からカメラに入力されるコマンドが予め定められており、カメラ側では測定器から入力された各コマンドに対応して所定の処理を実行するようになっていた。しかし、そのような方法でテストを行う場合、予め定められた動作のみが実行可能であり、それ以外の動作を実行させることはできなかった。従って、プログラム作成時に考慮されていたテスト項目のみしかテスト動作をさせることができず、その後にテスト項目を追加することができなかった。本実施形態のカメラにおいては、測定器から、カメラの動作を制御するプログラムを関数単位で指定し実行させることができる。
【0267】
テスト関数呼び出し処理はリセット処理が実行されるとリセット処理中で呼び出される。すなわち、カメラに測定器(図示せず)を接続した状態でカメラにバッテリを装着することにより実行される。
【0268】
テスト関数呼び出し処理が呼び出されると、カメラのCPU210とカメラに接続された測定器との間でハンドシェークが行われ(S7101 )、通信条件が設定される。ハンドシェーク中にエラーが発生した場合やカメラに測定器が接続されていない場合にはハンドシェークは不成功となり(N:S7103 )、テスト関数呼び出し処理は打切られ、リターンする。ハンドシェークが成功し通信が可能になると(Y:S7103 )、測定器側からCPU210側へのコマンド入力が可能になる。
【0269】
CPU210が測定器側からコマンドデータをシリアル通信により受信すると(S7105 )、CPU210はコマンドデータがテスト関数呼び出し処理の終了を示す値0かどうかを判定する(S7107 )。コマンドデータが、テスト関数呼び出し処理の終了を示す値0の場合には(Y:S7107 )、テスト関数呼び出し処理を終了しリターンする。コマンドデータが0でない場合には(N:S7107)、呼出す関数の上位アドレスおよび下位アドレスをシリアル通信により測定器から受信し(S7109 、S7111 )、そのアドレスに格納されている関数を実行する(S7113 )。以上を、コマンドデータの0を受信するまで繰返すことにより、必要なテスト項目に関する処理を実行する。
【0270】
上述のように、本実施形態のカメラにおいては、測定器からのデータ入力により、カメラの制御プログラムを関数単位で指定して実行させることができるため、きめ細かなテストを行うことができる。
【0271】
『AFパルスカウント処理』
図57はAFパルスカウント処理のフローチャートである。AFパルスカウント処理は、所定の期間内にAFパルスの変化が検出されると、予め設定されているAFパルスカウンタを1づつデクリメントし、AFパルスカウンタが0になると、OKフラグに1をセットする処理である。なお、上記所定期間中にAFパルスカウンタが0にならなかった場合にはOKフラグに0をセットする。
【0272】
CPU210は、AFパルスカウント処理に入ると、まずAFパルスの変化をモニタする期間として200msをタイマにセットする(S7201 )。以下の処理においては、200msの間にAFパルスの変化がなければ、上記のように、CPU210はOKフラグに0をセットする。
【0273】
まず、CPU210は、200msタイマがタイムアップしたかどうかを判定する(S7203 )。タイムアップしていなければ、AFパルス入力回路222からCPU210への出力信号に基づき、AFパルスの変化があったかどうかを判定する(S7207 )。ここでAFパルスが変化したかどうかは、パルスのH(ハイ)からL(ロー)への変化およびL(ロー)からH(ハイ)への変化の両方を検出することにより判定している。
【0274】
AFパルスの変化が無ければ(N:S7207 )、CPU210は処理をS7203 に戻す。従って、200msの間にAFパルスの変化が検出されなければ、S7203 でタイムアップと判定し、OKフラグに0をセットして処理を終了する(S7205 )。すなわち、AFパルスカウント処理を実行している間に、AFパルスカウント処理が呼び出される前にAFパルスカウンタにセットされた値と同数のパルスが検出できなかった場合に、OKフラグに0がセットされることになる。
【0275】
CPU210は、AFパルスが変化したことを検出すると(Y:S7207 )、タイマをリセットして再度200msをセットする(S7209 )。検出したAFパルスの変化が、AFパルスの立上がりである場合には(Y:S7211 )、AFパルスカウンタを1だけデクリメントする(S7213 )。ここでAFパルスカウンタには、AFパルスカウント処理が実行される前に、カウントすべき値すなわち後群移動モータにより後群レンズを駆動する量に対応した値がセットされている。CPU210は、デクリメントしたAFパルスカウンタが0であればOKフラグに1をセットして処理を終了する。すなわち、AFパルスカウント処理がコールされる前にAFパルスカウンタにセットされていた値と同数のパルスがカウントされた場合にOKフラグに1がセットされる。
【0276】
以上のように、AFパルスカウント処理においては、予めAFパルスカウンタにセットした値と同数だけAFパルス入力回路222からCPU210にパルスが出力されればOKフラグに1がセットされ、AFパルス入力回路222が、AFパルスカウンタにセットされている値と同数のパルスをCPU210に出力する前にパルスの出力を中止した場合にはOKフラグに0がセットされる。
【0277】
『ズームドライブチェック処理』
図58はズームドライブチェック処理のフローチャートである。また、図23に全体移動モータの駆動状態とズームシーケンスの関係をタイミングチャートで示す。ズームドライブチェック処理は、被写体距離への合焦のための全体移動モータ25によるレンズの駆動がどのような段階にあるかを判定すると共に、全体移動モータ25の駆動制御を行う処理である。
【0278】
ズームドライブチェック処理が実行されると、全体移動モータ25の駆動状態(全体移動モータ制御回路60の動作状態)を現す指標であるズームシーケンスの値(0〜5)により処理が分岐する。ズームドライブチェック処理が呼出される場合には全体移動モータ25が正転駆動され、ズームシーケンスは0にセットされた状態となっている。
【0279】
CPU210は、ズームシーケンスが0の場合にはズームコード入力処理をコールし、ズームコードの値を入力する(S7303 )。ズームコード検出用の端子はレンズ停止時にはズームコードよりワイド側に位置している。そして、全体移動モータ25が正転駆動されると、ズームコード検出用の端子は現在のレンズ位置に対応したズームコードにまず接触する。ズームコード入力処理で入力されたズームコードが現在のズームコードとしてメモリに格納されている値と等しければ(Y:S7305 )、ズームシーケンスに1をセットする(S7307 )。ズームコード入力処理でセットされたズームコードが現在のズームコードとして格納されている値と異なる場合には(N:S7305 )ズームシーケンスは0のままで、ズームドライブチェック処理を終了する。
【0280】
ズームシーケンスが1の場合、すなわち現ズームコードが検出された後、CPU210は、ズームパルス入力回路220が出力するズームパルスの立上がりを監視する(S7311 )。ズームパルスの立上がりを検出した場合にのみズームパルスカウンタをデクリメントし(S7311 、S7313 )、ズームパルスカウンタが20未満となると(Y:S7315 )CPU210は、全体移動モータ25を低速制御に切換え(S7317 )、ズームシーケンスを2とする(S7319 )。ズームパルスカウンタが20以上の場合には(N:S7315 )、ズームシーケンスは1のままでズームドライブチェック処理を終了する。
【0281】
従って、全体移動モータ25が起動されると、現ズームコードを基準として、ズームパルス入力回路220がCPU210に出力するパルスに基づいて、ズームパルスカウンタがデクリメントされる。ズームパルスカウンタが20になるまでは全体移動モータ25は通常のDC駆動により駆動される。全体移動モータ25が通常の速度で駆動されている間はズームシーケンスは1である。DC駆動の状態で駆動を続けた場合、慣性力などにより、全体移動モータ停止時に所望のパルス数以上にレンズが移動する可能性がある。このため、ズームパルスカウンタが20未満になると、全体移動モータ25は低速制御される。低速制御は、PWM Pulse Width Modulation)制御により行われる。全体移動モータ25の駆動が低速制御に切り替ると、ズームシーケンスには2がセットされる。
【0282】
ズームシーケンスが2の場合に、すなわち全体移動モータ25が低速制御されている時にズームドライブチェック処理がコールされると、S7321 からの処理が実行される。ここでもCPU210は、ズームパルスの立上がりを監視し(S7321 )、ズームパルスの立上がりを検出するとズームパルスカウンタをデクリメントする(S7323 )。ズームパルスの立上がりが検出されなければ(N:S7321 )、S7323 の処理はスキップする。
【0283】
全体移動モータ25が低速制御されてレンズが駆動される間に1ずつデクリメントされたズームパルスが0に達するまでは、ズームドライブチェック処理がコールされる毎にS7321 およびS7323 の処理が実行される。その場合、ズームシーケンスは2のままである。ズームパルスが0になると、全体移動モータ25を逆転駆動することにより(S7327 )、ブレーキングの処理(逆転ブレーキ)を行う。全体移動モータ25の逆転を開始した後、逆転駆動の期間である5msをタイマにセットし(S7328 )、ズームシーケンスに3をセットする。すなわち、ズームシーケンスが3の場合には全体移動モータ25がブレーキングのために逆転駆動されている状態となっている。
【0284】
ズームシーケンスが3の場合にズームドライブチェック処理がコールされると、CPU210は、全体移動モータ25の逆転駆動の期間である5msが経過したかどうかを判定し(S7331 )、5msが経過していなければ、ズームシーケンスは3のままでリターンする。全体移動モータ25の逆転駆動期間である5msが経過した後(Y:S7331 )、全体移動モータ25の両端子をショート状態にすることによりブレーキを作用させ、20msタイマをスタートさせ、ズームシーケンスに4をセットして(S7333 、S7335 、S7337 )リターンする。
【0285】
ズームシーケンスが4の場合にズームドライブチェック処理がコールされると、CPU210は、ズームパルスが変化するかどうかを監視する(S7341 )。すなわちブレーキが作用している状態で全体移動モータ25が回転しているかどうかを、ズームパルスが20ms以内に変化するかどうかにより判定している。
【0286】
CPU210は、S7341 でズームパルスが変化していないと判定し、かつS7345 で20msタイマがタイムアップしたと判定すると、全体移動モータ25の制御を終了してモータの端子をオープン状態(非駆動状態)とし、ズームシーケンスに5をセットする(S7347 、S7349 )。もしもS7341 でズームパルスが変化したことを検出した場合には、20msタイマをリスタートして、ズームパルス変化後の20ms以内に次のズームパルスの変化が検出されるかどうかを監視する。なお、S7345 で20msタイマがタイムアップしたと判定されるまでは、全体移動モータ25にブレーキを作用させた状態で、かつズームシーケンスは4のままでリターンする。
【0287】
ズームシーケンスが5の場合にズームドライブチェック処理がコールされた場合には、フローチャートに示すように、ズームドライブチェック処理では何も処理されないままリターンする。
【0288】
以上のように、ズームドライブチェック処理においては、まずレンズを基準位置である現ズームコードの位置まで移動し(ズームシーケンス=0)、ズームパルスカウンタが20以上の時は通常の速度でレンズを移動し(ズームシーケンス=1)、ズームパルスカウンタが20未満になるとレンズを低速で移動し(ズームシーケンス=2)、ズームパルスカウンタが0になると全体移動モータ25を5msの間逆転駆動し(ズームシーケンス=3)、その後全体移動モータ25の端子をショート状態にしてブレーキを作用させ(ズームシーケンス=4)、全体移動モータ25が完全に停止したら制御を終了し(ズームシーケンス=5)、それ以降は新たにズームパルスカウンタに値がセットされズームシーケンスが0にセットされるまでは全体移動モータ25の制御は行わない(非駆動状態となる)。
【0289】
『AFドライブ処理』
図59は、AFドライブ処理のフローチャートである。AFドライブ処理は、被写体距離に合焦させるために、後群移動モータ30を、後群レンズL2が後退するレンズ後退方向に駆動制御する処理である。
AFドライブ処理に入ると、まずAFシーケンスを0にする(S7401 )。そして、後群移動モータ30を正転駆動(後退方向に駆動)してからAFパルスカウンタの値が50未満であるかどうかをチェックし、50未満であれば後群移動モータ30の制御を低速制御(PWM制御)に変え、50以上であればそのままで、AFドライブチェック処理をコールする(S7403 、S7405 、S7407 、S7409 またはS7403 、S7405 、S7409 )。そして、AFドライブチェック処理を行いながらAFシーケンスが5になるのを待ち、AFシーケンスが5になったらリターンする(S7409、S7411 )。
【0290】
AFシーケンスは、後群移動制御回路61の動作シーケンスの状態を識別する識別子であって、図23、24に示したように、0は、AFパルスのカウント基準であるAFホーム信号の切り換わり検知状態、1、2はAFパルスのカウントを行っている状態を示し、1はDC駆動状態、2は低速制御状態、3は逆転ブレーキ駆動状態、4はショートブレーキ状態、5は端子オープン状態(非作動状態)で、一連のシーケンスが終了したことを表している。
【0291】
また後群移動モータ30を駆動すべきAFパルス数が少ないときは、後群移動モータ30をDC駆動すると、慣性力などの影響によって、駆動すべきAFパルス数以上駆動してしまうおそれがある。そこで、AFパルス数が50未満のときは、始めからAFシーケンス2と同じ低速で起動および駆動することにした。
【0292】
『ズームパルスカウント処理』
図60はズームパルスカウント処理のフローチャートである。ズームパルスカウント処理は、所定の期間内にズームパルス入力回路220から出力されるズームパルスの変化が検出されると、予め設定されているズームパルスカウンタを1づつデクリメントし、ズームパルスカウンタが0になると、終了する処理である。なお、上記所定期間中にズームパルスの変化が検出されなかった場合にはエラーフラグに1をセットする。
【0293】
CPU210は、ズームパルスカウント処理に入ると、まずズームパルスの変化をモニタする期間として200msをタイマにセットする(S7501 )。以下の処理において、200msの間にズームパルスの変化がなければ、上記のように、CPU210はエラーフラグに1をセットする。まず、CPU210は、200msタイマがタイムアップしたかどうかを判定する(S7503 )。タイムアップしていなければ(N:S7503 )、ズームパルス入力回路220の出力パルスに基づいて、ズームパルスの変化があったかどうかを判定する(S7507 )。ここでズームパルスが変化したかどうかは、パルスがH(ハイ)からL(ロー)への変化およびL(ロー)からH(ハイ)への変化を検出することにより判定している。
【0294】
ズームパルスの変化が無ければ(N:S7507 )、CPU210は処理をS7503 に戻す。従って、200msの間にズームパルスの変化が検出されなければ、S7503 タイムアップと判定され、エラーフラグに1がセットされて処理は終了する(S7505 )。すなわち、ズームパルスカウント処理実行中に、ズームパルスカウント処理が呼出される前にズームパルスカウンタにセットされた値と同数のパルスが検出できなかった場合には、エラーフラグに1をセットしてリターンする。
【0295】
CPU210は、ズームパルスが変化したことを検出すると(Y:S7507 )、タイマをリセットして再度200msをセットする(S7509 )。検出した変化がズームパルスの立上がりである場合には(Y:S7511 )、ズームパルスカウンタを1だけデクリメントする(S7513 )。ここでズームパルスカウンタには、ズームパルスカウント処理が実行される前に、カウントすべき値すなわち全体移動モータ25によりレンズを駆動する量に対応した値(ズームパルス入力回路220が出力するパルスのカウント数)がセットされている。CPU210は、デクリメントしたズームパルスカウンタが0になると処理を終了する。すなわち、ズームパルスカウント処理がコールされる前にズームパルスカウンタにセットされていた値と同数のパルスがカウントされると処理を正常終了する。
【0296】
以上のように、ズームパルスカウント処理においては、予めズームパルスカウンタにセットした値と同数だけズームパルスをカウントした場合にはそのままリターンし、ズームパルス入力回路220がズームパルスカウンタにセットされている値と同数だけのパルスをカウントできなかった場合にはエラーフラグに1をセットしてリターンする。
【0297】
『AFドライブチェック処理』
図61はAFドライブチェック処理のフローチャートである。AFドライブチェック処理は、後群レンズL2がAFパルスカウンタにセットされた値に基づいて駆動されるよう、後群移動モータ30の制御を行う処理である。
【0298】
AFドライブチェック処理が実行されると、後群移動制御回路61の動作シーケンスの状態を識別する識別子であるAFシーケンスの値(0〜5)により処理が分岐する。初めてAFドライブチェック処理が実行される場合には、後群移動モータ30が駆動され、AFシーケンスは0にセットされている。図23に後群移動モータ30の駆動状況とAFシーケンスとの関係を示す。
【0299】
CPU210は、AFシーケンスが0の場合には、AFH(AFホーム)信号がH(ハイ)からL(ロー)に変化したかどうかを判定する(S7603 )。AFH信号は、後群レンズがホーム位置に位置している時にはH(ハイ)で有り、後群レンズが移動してホーム位置から離れるとL(ロー)に変る。以下に説明するAFパルスカウンタに基づく後群レンズの移動は、AFH信号がLに変化した位置を基準に行われる。AFH信号がHからLに変ると(Y:S7603 )、CPU210はAFシーケンスに1をセットしてリターンする(S7605 )。AFH信号がHの間はAFシーケンスは0のまま、リターンする。
【0300】
AFシーケンスが1の場合、すなわちAFH信号のHからLへの変化が検出された後は、CPU210は、AFパルスの立上がりを監視する(S7611 )。AFパルスの立上がりを検出した場合にのみAFパルスカウンタをデクリメントし(S7611 、S7613 )、AFパルスカウンタが200未満となると(Y:S7615 )CPU210は、後群移動モータ30を低速制御に切換え(S7617 )、AFシーケンスを2とする(S7619 )。AFパルスカウンタが200以上の場合には(N:S7615 )、AFシーケンスは1のままでAFドライブチェック処理を終了しリターンする。後群移動モータ30を終始DC駆動すると、慣性力などの影響によって、所望のAFパルス数を越えてしまうおそれがある。そこで、AFパルス数の残りが200になると、PWM (Pulse Width Modulation)制御により後群移動モータ30を低速で駆動している。
【0301】
以上のように、後群移動モータ30が起動されるとAFH信号がHからLに変った点を基準としてAFパルスカウンタがデクリメントされ、AFパルスカウンタが200になるまでは通常のDC駆動により後群移動モータ30が駆動される。後群移動モータ30が通常のDC駆動により駆動されている間はAFシーケンスは1である。AFパルスカウンタが200未満になると、後群移動モータ30の駆動は低速制御(PWM 制御)される。後群移動モータ30が低速制御されると、AFシーケンスには2がセットされる。
【0302】
AFシーケンスが2の場合に、すなわち後群移動モータ30の駆動が低速制御されている状態の時にAFドライブチェック処理がコールされると、S7621 からの処理が実行される。ここでもCPU210は、AFパルスの立上がりを監視し(S7621 )、AFパルスの立上がりを検出するとAFパルスカウンタをデクリメントする(S7623 )。AFパルスの立上がりが検出されなければ(N:S7621 )、S7623 の処理はスキップする。
【0303】
後群移動モータ30が低速制御されて後群レンズが駆動される間に1ずつデクリメントされたAFパルスが0に達するまでは、AFドライブチェック処理がコールされる毎にS7621 およびS7623 の処理が実行される。その場合、AFシーケンスは2のままである。AFパルスが0になると、後群移動モータ30を逆転駆動することにより(S7627 )、ブレーキングの処理(逆転ブレーキ)を行う。後群移動モータ30の逆転駆動を開始した後、逆転駆動の期間である5msをタイマにセットし(S7628 )、AFシーケンスに3をセットする。すなわち、AFシーケンスが3の場合には後群移動モータ30がブレーキングのために逆転駆動されている状態となっている。
【0304】
AFシーケンスが3の場合にAFドライブチェック処理がコールされると、CPU210は、後群移動モータ30の逆転駆動の期間である5msが経過したかどうかを判定し(S7631 )、5msが経過していなければ、AFシーケンスは3のままでリターンする。後群移動モータ30の逆転駆動期間である5msが経過した後(Y:S7631 )、後群移動モータ30の端子をショート状態にしてブレーキを作用させ、20msタイマをスタートさせ、AFシーケンスに4をセットして(S7633 S7635 、S7637 )リターンする。
【0305】
AFシーケンスが4の場合にAFドライブチェック処理がコールされると、CPU210は、AFパルスが変化するかどうかを監視する(S7641 )。すなわちブレーキが作用している状態で後群移動モータ30が回転しているかどうかを、AFパルスが20ms以内に変化するかどうかにより判定している。CPU210は、S7641 でAFパルスが変化していないと判定し、かつS7645 で20msタイマがタイムアップしたと判定すると、後群移動モータ30の制御を終了してモータの電圧印加端子をオープン状態(非駆動状態)とし、AFシーケンスに5をセットする(S7647 、S7649 )。もしもS7641 でAFパルスが変化したことを検出した場合には、20msタイマをリスタートして、AFパルス変化後の20ms以内に次のAFパルスの変化が検出されるかどうかを監視する。なお、S7645 で20msタイマがタイムアップしたと判定されるまでは、後群移動モータ30にブレーキを作用させた状態で、かつAFシーケンスは4のままでリターンする。
【0306】
AFシーケンスが5の場合にAFドライブチェック処理がコールされた場合には、フローチャートに示すように、AFドライブチェック処理では何も処理されないままリターンする。
【0307】
以上のように、AFドライブチェック処理においては、まずレンズを基準位置であるAFH信号がLになる位置まで移動し(AFシーケンス=0)、AFパルスカウンタが200以上の時は通常のDC駆動により後群レンズを移動し(AFシーケンス=1)、AFパルスカウンタが200未満になると後群レンズをPWM より低速で移動し(AFシーケンス=2)、AFパルスカウンタが0になると後群移動モータ30を5msの間逆転駆動し(AFシーケンス=3)、その後後群移動モータ30にブレーキを作用させ(AFシーケンス=4)、後群移動モータ30が完全に停止したら制御を終了し(AFシーケンス=5)、それ以降は新たにAFパルスカウンタに値がセットされAFシーケンスが0にセットされるまでは後群移動モータ30の制御は行わない(非駆動状態となる)。
【0308】
図62には、本実施の形態における、全体移動モータ25から、前群、後群レンズL1、L2およびズームファインダ光学系(変倍レンズL5)までの伝達機構の概要およびバックラッシュを模式的に示してある。前群レンズL1および後群レンズL3は光軸Oに沿って平行移動してズーミングし、変倍レンズL5は光軸O1に沿って平行移動して変倍(像倍率を変更)する。
【0309】
このカメラの撮影光学系のズーミングにおけるバックラッシュは、全体移動モータ25のピニオン25aから、減速ギヤ列26、駆動ピニオン15までのギヤ機構341によるギヤ列バックラッシュBL1と、駆動ピニオン15から、外周ギヤ16b(第3移動鏡筒16)、固定鏡筒ブロック12、直進案内筒17までのズームコード検知機構342の検知バックラッシュBL2、直進案内筒17から第2移動鏡筒19、第1移動鏡筒20までの鏡筒繰り出し機構343による鏡筒バックラッシュBL3がある。検知バックラッシュBL2は、前群レンズ位置L1の位置を検知するためのブラシ部9a、コード板13aまでに関与するバックラッシュでもある。
なお、この実施形態では、第1移動鏡筒20が移動鏡筒に相当する。そうして、ピニオン25aから、減速ギヤ列26、駆動ピニオン15までのギヤ機構341がギヤ機構に相当し、固定鏡筒ブロック12、直進案内筒17までのズームコード検知機構342が検知手段に相当し、直進案内筒17から第2移動鏡筒19、第1移動鏡筒20までの鏡筒繰り出し機構343が鏡筒繰出し機構に相当する。
【0310】
一方、ズームファインダ光学系の変倍動作におけるバックラッシュは、ギヤ機構341によるギヤ列バックラッシュBL1と、駆動ピニオン15から外周ギヤ16b(第3移動鏡筒16)、ファインダ駆動ギヤ334を含むファインダ駆動機構344によるファインダバックラッシュBL4がある。
【0311】
バックラッシュBL1からBL4には、ギヤが回転方向を変えたときに生じる通常のバックラッシュが含まれるが、検知バックラッシュBL2およびファインダバックラッシュBL4には固有のバックラッシュが含まれる。それぞれのバックラッシュの大きさは、図において、ぞれぞれの凹部の幅で模式的に示してある。
この図と図22を参照して、本実施の形態のズーミング時の動作および焦点調整時の動作について説明する。
【0312】
本実施の形態では、電源がオンした撮影待機状態では、前群レンズL1および後群レンズL2は、ズームコードの切り換え位置よりも収納側の待機位置に停止している。例えば、ワイド側からテレ側にズーミングして停止するときは、全体移動モータ25が正転し、ブラシ部9aが現ズームコードに接触したズームコードOFF /ON検知位置からさらに、第1のズームパルス数ZP1 分全体移動モータ25が正転してズームコードがOFFする位置で停止する。このレンズ位置を折返し位置とする。この折返し位置から全体移動モータ25を逆転する。そして、ブラシ部9aが現ズームコードに接触してから離反するズームコードON/OFF 検知位置からさらに全体移動モータ25を第2のズームパルス数ZP2 分逆転してから停止する。さらに全体移動モータ25は、バックラッシュBL1、BL2、BL3を減らすために、正転方向に第3のズームパルス数ZP3 分回転する。このレンズ位置がレンズ待機位置である(図62(B)参照)。
【0313】
このテレズームでは、全体移動モータ25が正転し、第1のズームパルス数ZP1 分の回転が完了する前に、各機構341、342、343は、バックラッシュBL1〜BL3が除かれた状態で動作し、前群、後群レンズL1、L2を前進させる。全体移動モータ25の第1のズームパルス数ZP1 分の回転が完了したころに、バックラッシュBL4が除かれ、変倍レンズL5が折返し位置に対応する位置から移動を開始する(図62(A)参照)。この位置では、全体移動モータ25が正転する際のテレ方向のバックラッシュBL1〜BL4は無くなっている。
【0314】
また、この折返し位置から全体移動モータ25が逆転すると、ギヤ機構341、検知機構342、鏡筒駆動機構343は、全体移動モータ25の逆転初期にバックラッシュBL1、BL2、BL3分の駆動が終了するので、前群レンズL1および後群レンズL2をレンズ待機位置まで移動する。しかし、ファインダ駆動機構344は、この全体移動モータ25の逆転途中にバックラッシュが無くなることがない。つまり、折返し位置から、全体移動モータ25がファインダバックラッシュBL4分以上逆回転しなければ変倍レンズL5は移動しないので、変倍レンズL5は折返し位置に対応する位置から移動していない(図62(B)参照)。本実施の形態では、ファインダバックラッシュBL4の量を、前群レンズL1および後群レンズL2を折返し位置から待機位置まで移動する間に全体移動モータ25が回転する回転量にほぼ一致させてある。
【0315】
テレ側からワイド側にズーミングして停止するときは、全体移動モータ25が逆転し、ブラシ部9aがズームコードに接触して離反したズームコードON/OFF 検知位置から、全体移動モータ25が第2のズームパルス数ZP2 分逆転し、さらに第3のズームパルス数ZP3 分正転して、後群レンズL1および前群レンズL2をレンズ待機位置に移動して停止する(図62(B)参照)。この待機状態は、テレズーミング時の待機状態と同様である。
【0316】
以上の動作によって、レンズはテレズームしたときもワイドズームしたときも同じレンズ待機位置に、同一のバックラッシュ状態で停止する。
【0317】
焦点調整時(撮影時)には、この待機状態から、被写体距離に応じて前群レンズL1及び後群レンズL2をテレ方向に移動させ(図62(C)参照)、撮影終了後、待機位置に戻る。移動量は、ズームコードOFF /ON検知位置を基準として設定される。但し、焦点調整時の全体移動モータ25の駆動パルス数(ズームコードON/OFF 検知位置からのパルス数)は、第1のズームパルス数ZP1 を越えない量である。したがって、撮影時に全体移動モータが所定移動量移動しても、ファインダバックラッシュBL4によって、ファインダの変倍レンズL5は移動せず、ファインダ視野がふらつくことがない。
また、焦点調整時の駆動パルス数が第1のズームパルス数ZP1 未満のときは、その差分、全体移動移動モータ25を正転させてから逆転させる。
【0318】
図63から図67には、ファインダバックラッシュBL4を得るための一実施の形態を示してある。全体移動モータ25の回転に連動して像倍率が変動するズームファインダ光学系の連動機構を示してある。
【0319】
全体移動モータ25の駆動軸の回転は、駆動軸に固定されたピニオン25a、減速ギヤ列26を介して駆動ピニオン15に伝達される。この駆動ピニオン15は、第3移動鏡筒16の外周ギヤ16bに噛み合うと共に、ダブルギヤ331、332の小径ギヤ331にも噛み合っている。小径ギヤ331と連動する大径ギヤ332は、ファインダ連動ギヤリング333の外周ギヤ333aに噛み合い、さらに外周ギヤ333aには、ファインダ光学系の変倍レンズを駆動する変倍機構の駆動ギヤ334が噛み合っている。つまり、全体移動モータ25の回転は、駆動ピニオン15から、ダブルギヤ331、332およびファインダ連動ギヤリング333を介してファインダ駆動ギヤ334に伝達される。ファインダ連動ギヤリング333は、抜止め部材33に筒状に突設された軸受33aに回動自在に嵌合されている。
【0320】
小径ギヤ331の軸331aは、大径ギヤ332の軸穴332aに挿入されている。そして軸331aには、軸心を挟んで対称に一対のキー331bが形成され、軸穴332aには、一対のキー331bがそれぞれ嵌る一対のキー溝332bが形成されている。キー溝332bの周方向幅は、キー331bの周方向厚よりも広く形成されている。つまり、小径ギヤ331が一定方向に回動している間は、キー331bがキー溝332bの一方の径方向壁に当接して大径ギヤ332が一体に従動回転するが、小径ギヤ331が回転方向を変えたときには、キー331bがキー溝332bの一方の径方向壁から離反し、所定回転角回転してキー331bがキー溝332bの他方の径方向壁に当接するまでは、大径ギヤ332は回転しない。つまり、ファインダ光学系は変倍しない。
【0321】
ここで、この所定回転角(以後「遅延連動角」という)は、撮影時に、全体移動モータ25が、レンズを待機位置から設定焦点距離あるいは合焦位置まで駆動したときに小径ギヤ331が回転する回転角よりも大きく設定されている。詳細後述するが、たとえば、レンズがズームコード間の待機位置に停止している状態から、撮影時に全体移動モータ25が正転して前群レンズL1および後群レンズL2を前進させ、現ズームコードがONするのを検知してからさらに所定パルス数分第1ズームパルス数ZP1 分正転して前進させる間、およびその後全体移動モータ25が逆転して現ズームコードがOFFするのを検知してからさらに第2ズームパルス分ZP2 分逆転して前群レンズL1および後群レンズL2を待機位置まで戻す間、ファインダ光学系が変倍しないように、遅延連動角を設定してある。
【0322】
以上の通り本実施の形態では、焦点調整時に全体移動モータ25を駆動してもズームファインダの変倍レンズL5が移動しないように全体移動モータ25の回転量を設定してあるので、測光スイッチSWSがオンするごとにファインダ視野の倍率が変わることなく、しかも、その後レリーズスイッチSWRを押したときのタイムラグが無くなる。
【0323】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明は、少なくとも前群レンズおよび後群レンズと、前群レンズおよび後群レンズを一体に移動させる全体移動手段に連動して変倍するズームファインダーを備えたズームレンズカメラであって;ズーミング時には、前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを、段階的に設定された待機位置の一つに停止させ、焦点調整時には、前記全体移動手段を所定駆動量駆動して前群レンズおよび後群レンズを所定位置まで移動し、その後前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを前記待機位置まで戻すが、前記全体移動手段が前記前群ンレンズおよび後群レンズを前記待機位置から所定位置まで移動させるときの駆動量が前記全体移動手段に連動して変倍するズームファインダのバックラッシュよりも少なく設定されているので、焦点調整時に前群レンズおよび後群レンズを移動しても、ズームファインダが変倍することがなく、快適なファインダ視野が得られる。しかも焦点調節後は前群レンズおよび後群レンズを待機位置まで戻すので、焦点調節を何度繰り返しても、ズームファインダが変倍することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す斜視図である。
【図2】同ズームレンズ鏡筒の一部を図1と異なる状態を示す斜視図である。
【図3】同ズームレンズ鏡筒の一部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】同ズームレンズ鏡筒のAF/AEシャッタユニットを第1移動鏡筒に組付けた状態を示す斜視図である。
【図5】同ズームレンズ鏡筒のAF/AEシャッタユニットの主要な部材を示す分解斜視図である。
【図6】同ズームレンズ鏡筒の第3移動鏡筒を示す斜視外観図である。
【図7】同ズームレンズ鏡筒の固定鏡筒ブロックを示す正面図である。
【図8】同ズームレンズ鏡筒の最大繰出状態を示す上半断面図である。
【図9】同ズームレンズ鏡筒のレンズ収納状態における要部を示す上半断面図である。
【図10】同ズームレンズ鏡筒の最大繰出状態における要部を示す上半断面図である。
【図11】同ズームレンズ鏡筒全体のレンズ収納状態を示す上半断面図である。
【図12】同ズームレンズ鏡筒全体を示す分解斜視図である。
【図13】同ズームレンズ鏡筒の作動を制御する制御系を示すブロック図である。
【図14】本発明を適用したズームレンズカメラの一実施の形態を示す正面図である。
【図15】同ズームレンズカメラの背面図である。
【図16】同ズームレンズカメラの平面図である。
【図17】同ズームレンズカメラの制御系の主要部をブロックで示す図である。
【図18】同ズームレンズカメラの、レンズ位置を検知する検知手段としての、ズームコード板及びブラシ部の構成、およびブラシ部が接触したズームコードの位置を識別する構成を説明する図である。
【図19】ブラシ部が接触したズームコードを電圧として識別する回路の一実施例を示す図である。
【図20】ブラシ部の接触によって得られた電圧をコードに変換するテーブルを示す図である。
【図21】ストロボ回路の一実施例を示す図である。
【図22】同ズームレンズカメラのおける、前群レンズおよび後群レンズの移動態様を示す図である。
【図23】同ズームレンズカメラの露出時(焦点調整時)の、全体移動モータおよび後群移動モータの動作シーケンスを示す図である。
【図24】同ズームレンズカメラのレンズ復帰時の、全体移動モータおよび後群移動モータの動作シーケンスを示す図である。
【図25】同ズームレンズ鏡筒の、後群レンズ周辺機構を示す分解斜視図である。
【図26】同後群レンズの初期位置検知機構の一実施例の要部を示す平面図である。
【図27】同後群レンズの初期位置検知機構を、後群レンズが初期位置にある状態で示す断面図である。
【図28】同後群レンズの初期位置検知機構を、後群レンズが初期位置にない状態で示す断面図である。
【図29】本発明のズームレンズカメラのメイン処理に関するフローチャートを示す図である。
【図30】同ズームレンズカメラのリセット処理に関するフローチャートを示す図である。
【図31】同ズームレンズカメラのAFレンズ初期化処理に関するフローチャートを示す図である。
【図32】同ズームレンズカメラのレンズ収納処理に関するフローチャートを示す図である。
【図33】同ズームレンズカメラのレンズ収納処理に関するフローチャートを示す図である。
【図34】同ズームレンズカメラのレンズ繰り出し処理に関するフローチャートを示す図である。
【図35】同ズームレンズカメラのズームテレ移動処理に関するフローチャートを示す図である。
【図36】同ズームレンズカメラのズームワイド移動処理に関するフローチャートを示す図である。
【図37】同ズームレンズカメラの撮影処理に関するフローチャートを示す図である。
【図38】同ズームレンズカメラのメイン充電処理に関するフローチャートを示す図である。
【図39】同ズームレンズカメラのシャッタ初期化処理に関するフローチャートを示す図である。
【図40】同ズームレンズカメラのズームコード入力処理に関するフローチャートを示す図である。
【図41】同ズームレンズカメラのAFパルス確認処理に関するフローチャートを示す図である。
【図42】同ズームレンズカメラのAFリターン処理に関するフローチャートを示す図である。
【図43】同ズームレンズカメラのバリア閉処理に関するフローチャートを示す図である。
【図44】同ズームレンズカメラのバリア開処理に関するフローチャートを示す図である。
【図45】同ズームレンズカメラのズームドライブ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図46】同ズームレンズカメラのAF2段繰り出し処理に関するフローチャートを示す図である。
【図47】同ズームレンズカメラのズームリターン処理に関するフローチャートを示す図である。
【図48】同ズームレンズカメラのズームリターン処理およびズーム待機確認処理に関するフローチャートを示す図である。
【図49】同ズームレンズカメラの撮影充電処理に関するフローチャートを示す図である。
【図50】同ズームレンズカメラのピント調整処理に関するフローチャートを示す図である。
【図51】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフローチャートを示す図である。
【図52】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフローチャートを示す図である。
【図53】同ズームレンズカメラの露出処理に関するフローチャートを示す図である。
【図54】同ズームレンズカメラのレンズリターン処理に関するフローチャートを示す図である。
【図55】同ズームレンズカメラのレンズドライブ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図56】同ズームレンズカメラのテスト関数呼び出し処理に関するフローチャートを示す図である。
【図57】同ズームレンズカメラの露出AFパルスカウント処理に関するフローチャートを示す図である。
【図58】同ズームレンズカメラのズームドライブチェック処理に関するフローチャートを示す図である。
【図59】同ズームレンズカメラのAFドライブ処理に関するフローチャートを示す図である。
【図60】同ズームレンズカメラのズームパルスカウント処理に関するフローチャートを示す図である。
【図61】同ズームレンズカメラのAFドライブチェック処理に関するフローチャートを示す図である。
【図62】本願発明のズームファインダーを備えたズームレンズカメラの、全体移動モータから、前群、後群レンズおよびズームファインダ光学系までの伝達機構の概要およびこの伝達機構のバックラッシュを模式的に示した図である。
【図63】同ズームレンズカメラの、ズームレンズ駆動系とズームファインダ駆動系との連動機構を示すズームレンズ鏡筒の固定部の正面図である。
【図64】ズームレンズ駆動系とズームファインダ駆動系との間に遅延動作(バックラッシュ)を発生させる遅延連動作用を有するダブルギヤの分解斜視図である。
【図65】同ダブルギヤの内の従動側の大径ギヤを逆方向から示す斜視図である。
【図66】同ダブルギヤの軸部の横断面図である。
【図67】同ダブルギヤの縦断面図である。
【符号の説明】
9a ブラシ部
10 ズームレンズ鏡筒
12 固定鏡筒ブロック
13a コード板
16 第3移動鏡筒
19 第2移動鏡筒
20 第1移動鏡筒
21 AF/AEシャッタユニット
25 全体移動モータ
30 後群移動モータ
60 全体移動モータ制御手段(回路)
61 後群移動モータ制御手段(回路)
210 制御手段(CPU)
L1 前群レンズ
L2 後群レンズ
Claims (5)
- 少なくとも前群レンズおよび後群レンズを備えたズームレンズカメラであって、
前群レンズおよび後群レンズを一体に移動させる全体移動手段;
ズームファインダ;
全体移動手段に連動してズームファインダを変倍させるファインダ連動手段;および、
ズーミング時には、前記全体移動手段を駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを、段階的に設定された待機位置の一つに停止させ、焦点調整時には、前記全体移動手段を所定駆動量駆動して前群レンズおよび後群レンズを所定位置まで移動し、その後前記全体移動手段を逆転駆動して前記前群レンズおよび後群レンズを前記待機位置まで戻す制御手段を備え、
前記全体移動手段によって前記前群レンズおよび後群レンズを移動させるときのバックラッシュは、前記全体移動手段が前記ファインダ連動手段を介して前記ズームファインダを変倍させるときのファインダバックラッシュよりも少なく設定され、
前記焦点調整するときに前記全体移動手段が前記前群レンズおよび後群レンズを前記待機位置から駆動する所定駆動量は、前記バックラッシュより多く、かつ前記ファインダバックラッシュより少なく設定されていること、を特徴とするズームファインダを備えたズームレンズカメラ。 - 請求項1記載のズームファインダを備えたズームレンズカメラは、前記前群レンズおよび後群レンズを支持して一体として移動させる移動鏡筒と、該移動鏡筒に支持されて該移動鏡筒と一体に移動し、焦点調節時には前記後群レンズを前記前群レンズに対して相対移動させる後群移動手段と、前記移動鏡筒の位置により焦点距離を検知する検知手段を備え、
前記全体移動手段はさらに、全体移動モータと、該全体移動モータの回転を伝達するギヤ機構と、該ギヤ機構を介して、前記移動鏡筒を進退動させる鏡筒繰出し機構を備え、
前記ファインダ連動手段は、前記ギヤ機構によって駆動され、
前記全体移動手段によって前記移動鏡筒を移動させるときのバックラッシュは、前記全体移動モータが前記ギヤ機構を駆動する際のギヤ列バックラッシュと、前記ギヤ機構が前記鏡筒繰出し機構を駆動する際の鏡筒バックラッシュと、前記移動鏡筒の位置により焦点距離を検知する検知手段の検知バックラッシュの合計であり、前記ズームファインダを変倍させるときのファインダバックラッシュは、前記ギヤ列バックラッシュと、前記ファインダ連動手段のバックラッシュの合計であることを特徴とするズームファインダを備えたズームレンズカメラ。 - 請求項2に記載のズームファインダを備えたズームレンズカメラにおいて、前記検知手段は、前群レンズを基準として前記移動鏡筒の位置を、前記移動鏡筒の移動方向に沿って設けられた、検知領域および非検知領域を繰り返し有する検知手段によって検知するレンズ位置検知手段を備えたことを特徴とするズームファインダを備えたズームレンズカメラ。
- 請求項3に記載のズームファインダを備えたズームレンズカメラにおいて、前記制御手段は、
前記全体移動手段を前記移動鏡筒が繰り出される前進方向に駆動して停止させるときは、前記移動鏡筒が非検知領域から検知領域に入ったことを前記レンズ位置検知手段により検知したときからさらに前進方向に第1の所定駆動量駆動し、その後レンズ後退方向に駆動して前記移動鏡筒が検知領域から非検知領域に入ったことを前記レンズ位置検知手段により検知したときから第2の所定駆動量駆動し、その後前進方向に第3の所定駆動量駆動して停止させ、
前記全体移動手段を前記移動鏡筒が繰り込まれる後退方向に駆動して停止させるときは、前記移動鏡筒が検知領域から非検知領域に入ったことを前記レンズ位置検知手段により検知したときから第2の所定駆動量駆動し、その後前進方向に第3の所定駆動量駆動して停止させ、
前記焦点調整時には、前記全体移動手段を前進方向に駆動して、前記レンズ位置検知手段が前記検知領域に入ったことを検知してから前記第1の所定駆動量以下の所定駆動量駆動して停止させ、その後、前記全体移動手段を後退方向に駆動して、前記レンズ位置検知手段が前記検知領域から非検知領域に入ったことを検知したときから第2の所定駆動量駆動し、その後前進方向に第3の所定駆動量駆動して停止させること、
前記第1の所定駆動量と前記第2の所定駆動量の和と前記第3の所定駆動量の差は、前記ファインダバックラッシュ以上であることを特徴とするズームファインダを備えたズームレンズカメラ。 - 請求項4記載のズームファインダを備えたズームレンズカメラにおいて、前記制御手段は、前記焦点調整時にはさらに、前記後群移動手段を駆動して後群レンズを合焦位置に移動させ、その後、前記後群移動手段を駆動して前記後群レンズを移動前位置に復帰させること、を特徴とするズームファインダを備えたズームレンズカメラ。
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