JPH09230006A - 電気波形測定探針 - Google Patents
電気波形測定探針Info
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- JPH09230006A JPH09230006A JP8032081A JP3208196A JPH09230006A JP H09230006 A JPH09230006 A JP H09230006A JP 8032081 A JP8032081 A JP 8032081A JP 3208196 A JP3208196 A JP 3208196A JP H09230006 A JPH09230006 A JP H09230006A
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- Japan
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- terminal
- photoconductive switch
- cantilever
- probe
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- Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 STMあるいはSFMを利用した電気波形測
定の測定精度を高める。 【解決手段】 被測定物に近接させる先の尖った端子
(21)と、この端子(21)と被測定物との間の電流
をサンプリングするために光照射により導通状態となる
光導電性スイッチと、これらを保持するカンチレバー
(23)とにより探針を構成し、光導電性スイッチの受
光部に、入射する光量を最適化する被覆(27)を設け
る。
定の測定精度を高める。 【解決手段】 被測定物に近接させる先の尖った端子
(21)と、この端子(21)と被測定物との間の電流
をサンプリングするために光照射により導通状態となる
光導電性スイッチと、これらを保持するカンチレバー
(23)とにより探針を構成し、光導電性スイッチの受
光部に、入射する光量を最適化する被覆(27)を設け
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体素子の測定に
利用する。特に、微細な構造をもつ高速半導体電子回路
を動作させた状態で、その電気波形を高時間分解能かつ
高空間分解能で測定する装置の探針に関する。
利用する。特に、微細な構造をもつ高速半導体電子回路
を動作させた状態で、その電気波形を高時間分解能かつ
高空間分解能で測定する装置の探針に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクスの分野において
扱われる信号の周波数は250GHzにおよび、これら
の高速電気波形を観測する手段が技術の進歩に追いつか
ないというのが現在の高速電気波形測定技術の現状であ
る。さらに、素子の微細化が進み、時間分解能のみなら
ず、電気波形測定装置の空間分解能も現在の技術の進歩
に追いつかないのが現状である。
扱われる信号の周波数は250GHzにおよび、これら
の高速電気波形を観測する手段が技術の進歩に追いつか
ないというのが現在の高速電気波形測定技術の現状であ
る。さらに、素子の微細化が進み、時間分解能のみなら
ず、電気波形測定装置の空間分解能も現在の技術の進歩
に追いつかないのが現状である。
【0003】微小素子の高速動作状態など高速現象を観
測するには、従来からその代表的なものとして、サンプ
リング・オシロスコープが知られている。しかし、サン
プリングのための電気パルスの幅や測定系のもつ電気抵
抗と静電容量で決まる時定数によって測定可能な速度に
限界があり、時間分解能が制限されている。また、被測
定信号をケーブルあるいは導波路によって測定点から外
へ取り出すため、被測定信号を乱し、その信頼性にも問
題があった。
測するには、従来からその代表的なものとして、サンプ
リング・オシロスコープが知られている。しかし、サン
プリングのための電気パルスの幅や測定系のもつ電気抵
抗と静電容量で決まる時定数によって測定可能な速度に
限界があり、時間分解能が制限されている。また、被測
定信号をケーブルあるいは導波路によって測定点から外
へ取り出すため、被測定信号を乱し、その信頼性にも問
題があった。
【0004】このような問題を解決する技術として、光
学結晶の電気光学効果を利用したE−Oサンプリング法
が、近年になって研究されている(神谷武志、高橋亮、
「半導体レーザを光源とする電気光学サンプリング」、
応用物理第61巻第1号p30、1992)。レーザの
分野ではサブピコ秒領域の光パルスが比較的容易に得ら
れるようになってきたことから、このレーザパルスを電
気信号のサンプリングに用いようとするのが、光サンプ
リング法である。この方法により、従来の電子計測より
も高速で、しかも信号を外に引き出すことなく、測定し
たい点の電位を被測定回路に非接触で直接測定すること
が可能である。この方法は、サンプリング・オシロスコ
ープにおけるサンプリング用の電気パルスを光パルスに
置き換えたものといえる。しかし、このE−Oサンプリ
ング法は、信号の絶対値を測定することが困難であり、
さらに、プローブの位置を高い空間分解能で監視および
制御することについて実用上問題がある。
学結晶の電気光学効果を利用したE−Oサンプリング法
が、近年になって研究されている(神谷武志、高橋亮、
「半導体レーザを光源とする電気光学サンプリング」、
応用物理第61巻第1号p30、1992)。レーザの
分野ではサブピコ秒領域の光パルスが比較的容易に得ら
れるようになってきたことから、このレーザパルスを電
気信号のサンプリングに用いようとするのが、光サンプ
リング法である。この方法により、従来の電子計測より
も高速で、しかも信号を外に引き出すことなく、測定し
たい点の電位を被測定回路に非接触で直接測定すること
が可能である。この方法は、サンプリング・オシロスコ
ープにおけるサンプリング用の電気パルスを光パルスに
置き換えたものといえる。しかし、このE−Oサンプリ
ング法は、信号の絶対値を測定することが困難であり、
さらに、プローブの位置を高い空間分解能で監視および
制御することについて実用上問題がある。
【0005】測定したい点の電位を高空間分解能で直接
測定する他の方法としては、電子ビームテスタがある
(G.Plows "Electron-Beam Probing" Semiconductor an
d Semimetals Vol.28 (Measurement of High-Speed Sig
nals in Solid State Devices)Chap.6, p.336, Edited
by R.K.Willardson and Albert C.Beer, Academic Pres
s, 1990) 。電子ビームテスタは、ICの動作診断、解
析技術において、IC内部の電気信号を観測する有力な
手段である。しかし、時間分解能は低く、高速なトラン
ジスタを用いたICの測定には利用することができな
い。また、測定環境として高真空が要求されるという不
便さがある。
測定する他の方法としては、電子ビームテスタがある
(G.Plows "Electron-Beam Probing" Semiconductor an
d Semimetals Vol.28 (Measurement of High-Speed Sig
nals in Solid State Devices)Chap.6, p.336, Edited
by R.K.Willardson and Albert C.Beer, Academic Pres
s, 1990) 。電子ビームテスタは、ICの動作診断、解
析技術において、IC内部の電気信号を観測する有力な
手段である。しかし、時間分解能は低く、高速なトラン
ジスタを用いたICの測定には利用することができな
い。また、測定環境として高真空が要求されるという不
便さがある。
【0006】高時間分解能かつ高空間分解能で電気波形
を測定する技術として、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)あるいは走査型原子間力顕微鏡(SFM)を利用し
たものも知られている(特開平7−35826号公
報)。STMやSFMは、高い空間分解能で被測定物の
表面形状を観察する装置であり、最近急速に発展普及し
ている。これらの装置は、原子レベルの超高空間分解能
で3次元的な画像を得ることができるため、半導体集積
回路等の表面形状の観察には非常に適している。このよ
うな装置の探針に光導電性スイッチを組み込み、光パル
スを照射することによってオン、オフする。これによ
り、STMあるいはSFMによるサブミクロンの空間分
解能と、光サンプリングによるサブピコ秒の時間分解能
とで、被測定物の任意の点の電気波形を測定することが
できる。
を測定する技術として、走査型トンネル顕微鏡(ST
M)あるいは走査型原子間力顕微鏡(SFM)を利用し
たものも知られている(特開平7−35826号公
報)。STMやSFMは、高い空間分解能で被測定物の
表面形状を観察する装置であり、最近急速に発展普及し
ている。これらの装置は、原子レベルの超高空間分解能
で3次元的な画像を得ることができるため、半導体集積
回路等の表面形状の観察には非常に適している。このよ
うな装置の探針に光導電性スイッチを組み込み、光パル
スを照射することによってオン、オフする。これによ
り、STMあるいはSFMによるサブミクロンの空間分
解能と、光サンプリングによるサブピコ秒の時間分解能
とで、被測定物の任意の点の電気波形を測定することが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】STMあるいはSFM
を利用した電気波形測定装置では、測定探針として、被
測定物に近接させる先の尖った端子と、この端子と被測
定物との間の電流をサンプリングするために光照射によ
り導通状態となる光導電性スイッチとをカンチレバー上
に形成したものを用いる。装置の性能向上のためには、
端子の先端が可能な限り鋭く、光導電性スイッチが可能
な限り端子の近傍に配置されることが重要である。ま
た、光導電性スイッチには、光パルスの入射に対して最
適の導通状態となることが要求される。
を利用した電気波形測定装置では、測定探針として、被
測定物に近接させる先の尖った端子と、この端子と被測
定物との間の電流をサンプリングするために光照射によ
り導通状態となる光導電性スイッチとをカンチレバー上
に形成したものを用いる。装置の性能向上のためには、
端子の先端が可能な限り鋭く、光導電性スイッチが可能
な限り端子の近傍に配置されることが重要である。ま
た、光導電性スイッチには、光パルスの入射に対して最
適の導通状態となることが要求される。
【0008】本発明は、光導電性スイッチの動作を最適
化し、信頼性の高い測定が可能な電気波形測定探針を提
供することを目的とする。
化し、信頼性の高い測定が可能な電気波形測定探針を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電気波形測定探
針は、被測定物に近接させる先の尖った端子と、この端
子と被測定物との間の電流をサンプリングするために光
照射により導通状態となる光導電性スイッチと、端子お
よび光導電性スイッチを支持するカンチレバーとを備え
た電気波形測定探針において、光導電性スイッチの受光
部はカンチレバーの端子が設けられた側とは反対側の面
に形成され、この受光部に入射する光量を最適化する被
覆が設けられたことを特徴とする。
針は、被測定物に近接させる先の尖った端子と、この端
子と被測定物との間の電流をサンプリングするために光
照射により導通状態となる光導電性スイッチと、端子お
よび光導電性スイッチを支持するカンチレバーとを備え
た電気波形測定探針において、光導電性スイッチの受光
部はカンチレバーの端子が設けられた側とは反対側の面
に形成され、この受光部に入射する光量を最適化する被
覆が設けられたことを特徴とする。
【0010】光量を最適化する被覆は、反射光により端
子の位置を検出するための位置センサに入射する光量が
最適となる反射率に形成されることが望ましい。
子の位置を検出するための位置センサに入射する光量が
最適となる反射率に形成されることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態を説明す
る図であり、電気波形測定探針(以下単に「探針」とい
う)の構造および利用方法を示す。この探針1は、ST
MあるいはSFMを利用した電気波形測定装置の探針ホ
ルダ2に取り付けられ、高速半導体電子回路などの被測
定物3の電気波形を測定するために用いられる。探針1
には、被測定物3に近接させる先の尖った端子11と、
この端子11と被測定物3との間の電流被測定物との間
の電流をサンプリングするために光照射により導通状態
となる光導電性スイッチ12と、端子11および光導電
性スイッチ12を支持するカンチレバー13とを備え、
端子11の先端部表面が化学的に安定な金属で被覆され
ている。また、端子11からの信号を光導電性スイッチ
12を経由して電気波形測定装置に取り出すための電極
14を備える。
る図であり、電気波形測定探針(以下単に「探針」とい
う)の構造および利用方法を示す。この探針1は、ST
MあるいはSFMを利用した電気波形測定装置の探針ホ
ルダ2に取り付けられ、高速半導体電子回路などの被測
定物3の電気波形を測定するために用いられる。探針1
には、被測定物3に近接させる先の尖った端子11と、
この端子11と被測定物3との間の電流被測定物との間
の電流をサンプリングするために光照射により導通状態
となる光導電性スイッチ12と、端子11および光導電
性スイッチ12を支持するカンチレバー13とを備え、
端子11の先端部表面が化学的に安定な金属で被覆され
ている。また、端子11からの信号を光導電性スイッチ
12を経由して電気波形測定装置に取り出すための電極
14を備える。
【0012】この探針1を用いた測定は、端子11を被
測定物3に接触あるいは原子間隔程度の微小距離隔てて
配置した状態で、光導電性スイッチ12に光パルスを照
射することにより行われる。すなわち、光パルスの照射
により、端子11と被測定物3との間に生じる電流をサ
ンプリングする。これにより、被測定物3の各点の電位
を求めることができ、被測定物3の動作状態あるいは電
界分布を求めることができる。
測定物3に接触あるいは原子間隔程度の微小距離隔てて
配置した状態で、光導電性スイッチ12に光パルスを照
射することにより行われる。すなわち、光パルスの照射
により、端子11と被測定物3との間に生じる電流をサ
ンプリングする。これにより、被測定物3の各点の電位
を求めることができ、被測定物3の動作状態あるいは電
界分布を求めることができる。
【0013】照射する光パルスとしては、短パルスのレ
ーザ光を用いる。この光パルスの繰り返し周波数を被測
定物3の電気信号の周波数からわずかにずれた周波数に
設定し、このときに流れる電流を測定することにより、
サンプリングを行う。このとき、被測定物3の電気信号
が、光パルスの繰り返し周波数と電気信号の周波数との
差の周波数の信号、すなわちビート成分として、オシロ
スコープその他のよく知られた測定装置で測定される。
また、光パルスの繰り返し周波数を被測定物3の電気信
号の周波数に同期させ、照射する光パルスの光路長を変
化させてもよい。
ーザ光を用いる。この光パルスの繰り返し周波数を被測
定物3の電気信号の周波数からわずかにずれた周波数に
設定し、このときに流れる電流を測定することにより、
サンプリングを行う。このとき、被測定物3の電気信号
が、光パルスの繰り返し周波数と電気信号の周波数との
差の周波数の信号、すなわちビート成分として、オシロ
スコープその他のよく知られた測定装置で測定される。
また、光パルスの繰り返し周波数を被測定物3の電気信
号の周波数に同期させ、照射する光パルスの光路長を変
化させてもよい。
【0014】端子11を被測定物3の表面に垂直に配置
する必要があるが、そのための制御は、STMあるいは
SFMとしての機能を利用する。すなわち、STMの機
能を利用して平均電流が一定となるフィードバック制御
を行うか、または、SFMの機能を利用して、カンチレ
バー13で反射された光ビームのスポット位置を検出し
てその位置が一定となるようにフィードバック制御を行
う。被測定物3の表面に垂直な方向の位置を保持したま
ま被測定物3の面内方向に端子11を走査することによ
り、通常のSTMやSFMと同様に、被測定物3の表面
形状をサブミクロンの空間分解能で観察することができ
る。
する必要があるが、そのための制御は、STMあるいは
SFMとしての機能を利用する。すなわち、STMの機
能を利用して平均電流が一定となるフィードバック制御
を行うか、または、SFMの機能を利用して、カンチレ
バー13で反射された光ビームのスポット位置を検出し
てその位置が一定となるようにフィードバック制御を行
う。被測定物3の表面に垂直な方向の位置を保持したま
ま被測定物3の面内方向に端子11を走査することによ
り、通常のSTMやSFMと同様に、被測定物3の表面
形状をサブミクロンの空間分解能で観察することができ
る。
【0015】このような探針を製造するには、端子11
の少なくとも一部、光導電性スイッチ12およびカンチ
レバー13を同一の材料により形成することがよい。す
なわち、カンチレバー13、端子11および光導電性ス
イッチ12のいずれとも異なる材料を基板とし、この基
板の一部に凸部または凹部を形成し、この凸部または凹
部を端子の鋳型として基板上に端子および光導電性スイ
ッチを含む構造を形成し、この構造がカンチレバーとし
て動作するように、基板の少なくとも一部を除去する。
したがって、光導電性スイッチ12は特別に形成される
ものではなく、信号を取り出すための電極14を形成し
たときに、その電極14と端子11との間の隙間の領域
が光導電性スイッチ12となる。光導電性スイッチ12
の受光部は、カンチレバー13の、端子11が設けられ
た側とは反対側の面に形成され、この受光部に入射する
光量を最適化する被覆が設けられる。この被覆は、反射
光により端子の位置を検出するための位置センサに入射
する光量が最適となる反射率に形成されることが望まし
い。
の少なくとも一部、光導電性スイッチ12およびカンチ
レバー13を同一の材料により形成することがよい。す
なわち、カンチレバー13、端子11および光導電性ス
イッチ12のいずれとも異なる材料を基板とし、この基
板の一部に凸部または凹部を形成し、この凸部または凹
部を端子の鋳型として基板上に端子および光導電性スイ
ッチを含む構造を形成し、この構造がカンチレバーとし
て動作するように、基板の少なくとも一部を除去する。
したがって、光導電性スイッチ12は特別に形成される
ものではなく、信号を取り出すための電極14を形成し
たときに、その電極14と端子11との間の隙間の領域
が光導電性スイッチ12となる。光導電性スイッチ12
の受光部は、カンチレバー13の、端子11が設けられ
た側とは反対側の面に形成され、この受光部に入射する
光量を最適化する被覆が設けられる。この被覆は、反射
光により端子の位置を検出するための位置センサに入射
する光量が最適となる反射率に形成されることが望まし
い。
【0016】探針構造材自体に光導電性材料を使用する
ことで、探針上への光導電性スイッチ12の形成が容易
になる。基板として半導体材料を用い、凸部または凹部
の形成は異方性エッチングにより行うことがよい。特
に、基板としてSi基板を用い、このSi基板の(11
1)面により形成される構造を凸部または凹部とするこ
とがよい。このような構造を利用することで、鋭い端子
を形成することができる。また、半導体の異方性エッチ
ングにより半導体プロセス技術を応用することで、同時
に多数の探針を簡単に製造することができ、安価で信頼
性の高い探針を安定に供給することができる。
ことで、探針上への光導電性スイッチ12の形成が容易
になる。基板として半導体材料を用い、凸部または凹部
の形成は異方性エッチングにより行うことがよい。特
に、基板としてSi基板を用い、このSi基板の(11
1)面により形成される構造を凸部または凹部とするこ
とがよい。このような構造を利用することで、鋭い端子
を形成することができる。また、半導体の異方性エッチ
ングにより半導体プロセス技術を応用することで、同時
に多数の探針を簡単に製造することができ、安価で信頼
性の高い探針を安定に供給することができる。
【0017】カンチレバー13、端子11および光導電
性スイッチ12の材料としては、Si等の IV族半導
体、GaAsなどのIII −V系半導体、ZnSeなどの
II−VI 系半導体などを用いることができ、基板として
Si基板を用いる場合にはIII−V系半導体あるいはII
−VI 系半導体を用いることがよい。特に、光導電性ス
イッチ12の応答を高速化するためには、GaAsを3
00℃以下の温度で成長させることがよい。通常の温度
で成長させたGaAsにイオン注入を行って格子欠陥や
不純物を導入することによっても、光導電性スイッチ1
2の応答を高速化することができる。
性スイッチ12の材料としては、Si等の IV族半導
体、GaAsなどのIII −V系半導体、ZnSeなどの
II−VI 系半導体などを用いることができ、基板として
Si基板を用いる場合にはIII−V系半導体あるいはII
−VI 系半導体を用いることがよい。特に、光導電性ス
イッチ12の応答を高速化するためには、GaAsを3
00℃以下の温度で成長させることがよい。通常の温度
で成長させたGaAsにイオン注入を行って格子欠陥や
不純物を導入することによっても、光導電性スイッチ1
2の応答を高速化することができる。
【0018】端子11の先端部表面には、化学的に安定
な金属を被覆することがよい。このような金属として
は、金Au、白金PtあるいはイリジウムIrを用いる
ことがよい。
な金属を被覆することがよい。このような金属として
は、金Au、白金PtあるいはイリジウムIrを用いる
ことがよい。
【0019】電極14は端子11と同じ側の面と反対側
の面とのいずれに設けてもよい。端子11と同じ側の面
に設けた場合には、光パルスが電極14の設けられてい
る面とは反対側から入射することになるが、カンチレバ
ー13の厚さが十分に薄ければ問題となることはない。
また、端子の先端部表面に金属の被覆を設ける場合に
は、それと同じ金属により形成することが製造上便利で
ある。電極14を端子11と反対側の面に設けた場合に
は、光励起されたキャリアがカンチレバー13を貫通す
るように流れ、その領域が光導電性スイッチ12として
動作する。一般に光導電性スイッチの応答速度は金属電
極間の隙間が狭いほど高速となるが、パターニングによ
る方法で均一性よく1ミクロン以下の隙間を形成するこ
とは困難である。これに対し電極14と端子11とをカ
ンチレバー13の反対側の面に形成する場合には、カン
チレバー13の膜厚を均一性よく1ミクロ以下に形成す
ることが比較的容易であり、光導電性スイッチの応答速
度を高速化でき、ひいては、これを用いた電気波形測定
装置の時間分解能を高めることができる。
の面とのいずれに設けてもよい。端子11と同じ側の面
に設けた場合には、光パルスが電極14の設けられてい
る面とは反対側から入射することになるが、カンチレバ
ー13の厚さが十分に薄ければ問題となることはない。
また、端子の先端部表面に金属の被覆を設ける場合に
は、それと同じ金属により形成することが製造上便利で
ある。電極14を端子11と反対側の面に設けた場合に
は、光励起されたキャリアがカンチレバー13を貫通す
るように流れ、その領域が光導電性スイッチ12として
動作する。一般に光導電性スイッチの応答速度は金属電
極間の隙間が狭いほど高速となるが、パターニングによ
る方法で均一性よく1ミクロン以下の隙間を形成するこ
とは困難である。これに対し電極14と端子11とをカ
ンチレバー13の反対側の面に形成する場合には、カン
チレバー13の膜厚を均一性よく1ミクロ以下に形成す
ることが比較的容易であり、光導電性スイッチの応答速
度を高速化でき、ひいては、これを用いた電気波形測定
装置の時間分解能を高めることができる。
【0020】
【実施例】次に本発明の具体的な実施例について説明す
る。
る。
【0021】図2および図3は本発明第一実施例の構造
を示す図であり、図2は探針を端子側から見た斜視図、
図3は端子の裏側を拡大して示す平面図である。図3で
は角錐状の端子を裏側から見ている。この実施例では、
端子21の本体、光導電性スイッチ(図2では端子21
に隠れている)およびカンチレバー23が、同一の材料
により、基板26上に形成される。端子21の先端部表
面にはPt被覆25が設けられる。カンチレバー23の
一方の面、この例では端子21側の面には、端子21か
らの信号を光導電性スイッチを経由して電気波形測定装
置に取り出すため、電極24を備える。光導電性スイッ
チの受光部はカンチレバー23の端子21が設けられた
側とは反対側の面に形成され、この受光部に入射する光
量を最適化する被覆27を備える。図3ではこの被覆2
7をハッチングにより示す。この被覆27は、反射光に
より端子の位置を検出するための位置センサに入射する
光量が最適となる反射率に形成される。
を示す図であり、図2は探針を端子側から見た斜視図、
図3は端子の裏側を拡大して示す平面図である。図3で
は角錐状の端子を裏側から見ている。この実施例では、
端子21の本体、光導電性スイッチ(図2では端子21
に隠れている)およびカンチレバー23が、同一の材料
により、基板26上に形成される。端子21の先端部表
面にはPt被覆25が設けられる。カンチレバー23の
一方の面、この例では端子21側の面には、端子21か
らの信号を光導電性スイッチを経由して電気波形測定装
置に取り出すため、電極24を備える。光導電性スイッ
チの受光部はカンチレバー23の端子21が設けられた
側とは反対側の面に形成され、この受光部に入射する光
量を最適化する被覆27を備える。図3ではこの被覆2
7をハッチングにより示す。この被覆27は、反射光に
より端子の位置を検出するための位置センサに入射する
光量が最適となる反射率に形成される。
【0022】図4はこの探針の製造方法を工程毎の断面
図により示す。ここでは、Si基板に異方性エッチング
により形成された凸部を鋳型として、GaAsにより端
子21の本体、光導電性スイッチおよびカンチレバー2
3を形成する方法を例に説明する。
図により示す。ここでは、Si基板に異方性エッチング
により形成された凸部を鋳型として、GaAsにより端
子21の本体、光導電性スイッチおよびカンチレバー2
3を形成する方法を例に説明する。
【0023】この方法では、まず、Si(100)基板
31上にこの基板31の<110>方向を辺とする正方
形のSiO2 マスク32を設け(図4(a))、界面活
性剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を添加し
た15%KOH溶液で異方性エッチングを行う(図4
(b))。これにより、(111)面でエッチングが止
まり、ピラミッド型の突起すなわち凸部33ができる。
この凸部33が端子21の本体となる。異方性エッチン
グが終了すると、マスク32を取り除き、分子線エピタ
キシ(MBE)により300℃でGaAs層34を成長
させ(図4(c))、凸部33の先端部表面にPt被覆
25を形成し、同時に電極24をパターニングする(図
4(d))。ここで、電極24とPt被覆25との間の
領域が光導電性スイッチとなる。この後、カンチレバー
部分の基板31をラッピング(機械研磨)して厚さを1
0μmにし、KOH溶液でカンチレバー部分のSiを完
全に除去する(図4(e))。これにより図2に示した
基板26が形成される。最後に、GaAs層34の裏面
の光導電性スイッチの受光部となる領域を含む周辺部
に、被覆27を形成する(図4(f))。
31上にこの基板31の<110>方向を辺とする正方
形のSiO2 マスク32を設け(図4(a))、界面活
性剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を添加し
た15%KOH溶液で異方性エッチングを行う(図4
(b))。これにより、(111)面でエッチングが止
まり、ピラミッド型の突起すなわち凸部33ができる。
この凸部33が端子21の本体となる。異方性エッチン
グが終了すると、マスク32を取り除き、分子線エピタ
キシ(MBE)により300℃でGaAs層34を成長
させ(図4(c))、凸部33の先端部表面にPt被覆
25を形成し、同時に電極24をパターニングする(図
4(d))。ここで、電極24とPt被覆25との間の
領域が光導電性スイッチとなる。この後、カンチレバー
部分の基板31をラッピング(機械研磨)して厚さを1
0μmにし、KOH溶液でカンチレバー部分のSiを完
全に除去する(図4(e))。これにより図2に示した
基板26が形成される。最後に、GaAs層34の裏面
の光導電性スイッチの受光部となる領域を含む周辺部
に、被覆27を形成する(図4(f))。
【0024】GaAs層34の厚さとして、本願発明者
は0.5μmと1μmとについて試作して良好な結果を
得たが、所望の特性が得られるならどのような厚さとし
てもよい。GaAsの成長温度を低めにすることで、端
子21、光導電性スイッチおよびカンチレバー23が多
結晶となる。この場合、キャリアの移動度は低減する
が、GaAsの機械的強度は増大する。
は0.5μmと1μmとについて試作して良好な結果を
得たが、所望の特性が得られるならどのような厚さとし
てもよい。GaAsの成長温度を低めにすることで、端
子21、光導電性スイッチおよびカンチレバー23が多
結晶となる。この場合、キャリアの移動度は低減する
が、GaAsの機械的強度は増大する。
【0025】GaAs層34を通常の結晶成長温度で成
長させ、イオン注入を行って格子欠陥や不純物を導入す
ることによって、光導電性スイッチの応答を高速化する
こともできる。その場合には、端子21の本体、光導電
性スイッチおよびカンチレバー23が単結晶に形成さ
れ、端子21はGaAsの(111)面からなる角錐に
より形成される。
長させ、イオン注入を行って格子欠陥や不純物を導入す
ることによって、光導電性スイッチの応答を高速化する
こともできる。その場合には、端子21の本体、光導電
性スイッチおよびカンチレバー23が単結晶に形成さ
れ、端子21はGaAsの(111)面からなる角錐に
より形成される。
【0026】図5および図6は本発明の第二実施例の構
造を示す図であり、図5は探針を端子の裏側から見た斜
視図、図6は端子の裏側を拡大して示す図3と同様の平
面図である。第一実施例では電極を端子と同じ側の面に
設けていたが、第二実施例では、電極と端子とが反対側
の面に設けられる。すなわち、端子41の本体、光導電
性スイッチおよびカンチレバー43が同一の材料により
形成され、端子41からの信号を光導電性スイッチを経
由して電気波形測定装置に取り出すため、端子41と反
対側の面に電極44を備える。光導電性スイッチの受光
部はカンチレバー23の端子21が設けられた側とは反
対側の面に形成され、被覆47が設けられる。
造を示す図であり、図5は探針を端子の裏側から見た斜
視図、図6は端子の裏側を拡大して示す図3と同様の平
面図である。第一実施例では電極を端子と同じ側の面に
設けていたが、第二実施例では、電極と端子とが反対側
の面に設けられる。すなわち、端子41の本体、光導電
性スイッチおよびカンチレバー43が同一の材料により
形成され、端子41からの信号を光導電性スイッチを経
由して電気波形測定装置に取り出すため、端子41と反
対側の面に電極44を備える。光導電性スイッチの受光
部はカンチレバー23の端子21が設けられた側とは反
対側の面に形成され、被覆47が設けられる。
【0027】この構造の探針を製造するには、図4に示
した方法におけるPt被覆の形成時には電極を形成する
のではなく、カンチレバー部分のSiの除去後に電極を
形成する。また、これとは別の方法により製造すること
もできる。そのような方法について図7を参照して説明
する。
した方法におけるPt被覆の形成時には電極を形成する
のではなく、カンチレバー部分のSiの除去後に電極を
形成する。また、これとは別の方法により製造すること
もできる。そのような方法について図7を参照して説明
する。
【0028】図7は第二実施例の探針を製造する方法を
工程毎の断面図により示す。この方法では、Si基板に
形成した凹部を鋳型とすることが図4に示した方法と異
なる。すなわち、Si(100)基板51上にSiO2
マスク52を設け、<110>方向を辺とする正方形の
穴を開ける(図7(a))。続いて、界面活性剤として
IPA(イソプロピルアルコール)を添加した30%K
OH溶液で異方性エッチングを行う。これにより、(1
11)面でエッチングが止まり、逆ピラミッド型の凹部
53ができる(図7(b))。次に、マスク52をHF
により取り除き、分子線エピタキシ(MBE)により3
00℃でGaAs層54を成長させ(図7(c))、電
極44をパターニングし、光導電性スイッチの受光部に
被覆47を設ける(図7(d))。この後、GaAs層
54の表面に接着剤により台座57を取り付け(図7
(e))、基板51を10μmの厚さにラッピングし、
さらにKOH溶液でSiを完全に除去する(図7
(f))。最後に、端子41の先端部表面にPt被覆4
5を形成する(図7(g))。
工程毎の断面図により示す。この方法では、Si基板に
形成した凹部を鋳型とすることが図4に示した方法と異
なる。すなわち、Si(100)基板51上にSiO2
マスク52を設け、<110>方向を辺とする正方形の
穴を開ける(図7(a))。続いて、界面活性剤として
IPA(イソプロピルアルコール)を添加した30%K
OH溶液で異方性エッチングを行う。これにより、(1
11)面でエッチングが止まり、逆ピラミッド型の凹部
53ができる(図7(b))。次に、マスク52をHF
により取り除き、分子線エピタキシ(MBE)により3
00℃でGaAs層54を成長させ(図7(c))、電
極44をパターニングし、光導電性スイッチの受光部に
被覆47を設ける(図7(d))。この後、GaAs層
54の表面に接着剤により台座57を取り付け(図7
(e))、基板51を10μmの厚さにラッピングし、
さらにKOH溶液でSiを完全に除去する(図7
(f))。最後に、端子41の先端部表面にPt被覆4
5を形成する(図7(g))。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光パルスの入射に対する光導電性スイッチの動作を最適
化することができ、信頼性の高い測定が可能となる効果
がある。また、被覆の反射率を最適にすることで、位置
検出の精度も高められる。
光パルスの入射に対する光導電性スイッチの動作を最適
化することができ、信頼性の高い測定が可能となる効果
がある。また、被覆の反射率を最適にすることで、位置
検出の精度も高められる。
【図1】本発明の実施形態を説明する図。
【図2】本発明第一実施例の探針を示す斜視図。
【図3】第一実施例の探針の端子先端側の一部拡大平面
図。
図。
【図4】第一実施例の探針の製造方法を示す図。
【図5】本発明第二実施例の探針を示す斜視図。
【図6】第二実施例の探針の端子の裏側の一部拡大平面
図。
図。
【図7】第二実施例の探針の製造方法を示す図。
1 探針 2 探針ホルダ 3 被測定物 11、21、41 端子 12 光導電性スイッチ 13、23 カンチレバー 14、24、44 電極 25、45 Pt被覆 26、31、51 基板 27、47 被覆 32、52 マスク 33 凸部 53 凹部 34、54 GaAs層 57 台座
Claims (2)
- 【請求項1】 被測定物に近接させる先の尖った端子
と、 この端子と被測定物との間の電流をサンプリングするた
めに光照射により導通状態となる光導電性スイッチと、 前記端子および前記光導電性スイッチを支持するカンチ
レバーとを備えた電気波形測定探針において、 前記光導電性スイッチの受光部は前記カンチレバーの前
記端子の先端部とは反対側の面に形成され、 この受光部に入射する光量を最適化する被覆が設けられ
たことを特徴とする電気波形測定探針。 - 【請求項2】 前記被覆は、反射光により前記端子の位
置を検出するための位置センサに入射する光量が最適と
なる反射率に形成された請求項1記載の電気波形測定探
針。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8032081A JPH09230006A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 電気波形測定探針 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8032081A JPH09230006A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 電気波形測定探針 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09230006A true JPH09230006A (ja) | 1997-09-05 |
Family
ID=12348937
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8032081A Pending JPH09230006A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-20 | 電気波形測定探針 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09230006A (ja) |
-
1996
- 1996-02-20 JP JP8032081A patent/JPH09230006A/ja active Pending
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