JPH09228211A - 不織布成型品及びその製造方法 - Google Patents

不織布成型品及びその製造方法

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JPH09228211A
JPH09228211A JP8030397A JP3039796A JPH09228211A JP H09228211 A JPH09228211 A JP H09228211A JP 8030397 A JP8030397 A JP 8030397A JP 3039796 A JP3039796 A JP 3039796A JP H09228211 A JPH09228211 A JP H09228211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonwoven fabric
water
adhesive
formed product
entangled
Prior art date
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Pending
Application number
JP8030397A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushige Yoshioka
一茂 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kami Shoji Co Ltd
Original Assignee
Kami Shoji Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kami Shoji Co Ltd filed Critical Kami Shoji Co Ltd
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤(バインダー)を使用せずに成型でき
るようにした不織布成型品及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 接着剤を使用しないでセルロースを含む
繊維同士の絡み合いにより形成された絡合不織布を基材
とし、水蒸気下において熱圧縮成型して成る。基材の絡
合不織布を複数枚重ね合わせると共に、吸水倍率の水を
加えて熱圧縮成型を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絡合不織布を基材
とした不織布成型品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不織布を基材として成型されたト
レーや紙器等があるが、これらは例えばアクリル系、酢
酸系の有機系接着剤(バインダー)を使用して成型した
ものである。しかしながら、接着剤が使用された成型品
は、廃棄時に非常に分解され難く、資源的にも無駄が発
生するものである。成型材料としてビニル系等の石油化
学合成物を使用すると、接着剤なしで成型が可能である
が、この種の成型品も廃棄に関しては様々な問題を引き
起こす原因となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来成型品の廃棄処理問題を解消するためになされ、
接着剤を使用せずに成型でき、しかも廃棄問題を引き起
こさないようにした不織布成型品及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を技術的に解決
するための手段として、本発明は、接着剤を使用しない
でセルロースを含む繊維同士の絡み合いにより形成され
た絡合不織布を基材とし、水蒸気下において熱圧縮成型
して成る不織布成型品を要旨とする。又、接着剤なしで
形成されたセルロースを含む絡合不織布を基材とし、こ
の絡合不織布を複数枚重ね合わせると共に、吸水倍率の
水を加えて熱圧縮成型を行う不織布成型品の製造方法を
要旨とする。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明において、基材として使用する絡合
不織布の構成繊維は、繊維成分中にセルロースを含んで
いれば特に問題はなく、例えば絹、羊毛、綿、麻、パル
プ等の天然繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、アセテー
ト繊維等の半合成繊維を用いることができる。又、合成
繊維も使用可能であるが、廃棄時等に問題が生じる物も
あるためあまり好ましくはない。更に、繊維の種類はこ
れらに限定されるものではなく、使用方法によっては他
の繊維でも良い。
【0006】前記絡合不織布の構成繊維は、一成分から
成る単独繊維のみならず、二成分以上から成る芯鞘型、
サイドバイサイド型の複合繊維も使用することができ
る。何れにしても、絡合不織布は接着剤を使用しないで
繊維同士の絡み合いにより形成されたものであることを
条件とする。
【0007】本発明は前記のような絡合不織布を基材と
し、これらを複数枚重ね合わせると共に、水を加えて熱
圧縮成型することにより不織布成型品を製造する。成型
機は、それに限定されないがWFA−37型復動圧縮成
型機(神藤金属工業所(株)製)を使用し、成型条件は
下記表1のように設定した。尚、成型用金型は表面をテ
フロン加工し、剥離剤はフッ素コートスプレーを使用し
た。
【0008】
【表1】
【0009】[実施例]先ず、基材は下記表2のような
条件で、接着剤を使用せずに絡合不織布を作成した。
【0010】
【表2】
【0011】この絡合不織布の強度及び特性試験を行っ
たところ下記表3のようなデータが得られた。ここで、
引張強度試験方法 (Dry):JIS−P8113 (Wet):JIS−P8135 伸び試験方法:JIS−P8132 吸水倍率は10cm×10cmに基材を切断し、その重
量(W)を測定した後水に浸漬し湿潤させ、吸水後の重
量(W′)を測定して次の計算式にて求めた。 計算式:(W′)−(W)/(W)=吸水倍率(%) 但し、基材は前処理として、温度20℃、湿度65%の
状態で24時間放置したものを使用した。
【0012】
【表3】
【0013】前記A、B、C、E(Dは除外)を基材と
しそれぞれ30cm×30cmに切断したものを3枚重
ねとし、水なし(吸水させない)の状態で前記成型機を
用いて表1の成型条件にて成型した。下記表4のような
結果が得られた。但し、仕上がり状態は目視及び触感に
て行い、×=悪い(成型不可)である。
【0014】
【表4】
【0015】次に、前記A、B、C、D、Eを基材とし
それぞれ30cm×30cmに切断したものを3枚重ね
とし、それぞれ表3に示す吸水倍率の水を加えた状態で
前記成型機を用いて表1の成型条件にて成型した。この
場合、下記表5のような結果が得られた。但し、仕上が
り状態は目視及び触感にて行い、○=良い、△=普通で
ある。
【0016】
【表5】
【0017】更に、Aについて任意に選択した吸水倍率
の水を加え、前記と同じ条件で成型したところ下記表6
のような結果が得られた。
【0018】
【表6】
【0019】以上の実施例の結果によると、基材に未処
理でエネルギーを加えた場合成型は不可能であるが、水
処理を行うことにより成型が可能であることが分かっ
た。又、水の添加量により成型の差はあまり無く、基材
に均一に水が浸透していれば問題ないことが分かった。
【0020】この成型の仕組みは次のように考えられ
る。セルロースは、周知のようにβ−d−グルコースの
第1炭素と、次のβ−d−グルコースの第4炭素との間
でグルコシド結合(1,4−βグルコシド結合)によっ
て生じた鎖状構造を有する高分子であり、C2 ,C3
6 の位置のOH基は反応性のOH基であるため、セル
ロースは不安定な結晶構造を有する。そこで、この反応
性のOH基を安定なものとすれば、セルロースの結晶構
造が安定し、成型を行った場合その形状を維持し易くな
るのである。
【0021】一般に、この反応性OH基の固定には樹脂
成分やホルマリン等を使用して結晶に架橋構造を持たせ
ることが知られている。即ち、このような方法では水共
存下においてセルロースを加熱することによりセルロー
スの結晶化度を増加させ、セルロースの結晶構造を安定
なものとして形状を維持させのである。
【0022】本発明ではこのような樹脂成分やホルマリ
ン等を一切使用することなく、単に水分を適量含ませて
熱圧縮するのみでセルロースの反応性OH基の固定を行
うのである。
【0023】吸水させて熱圧縮を行うと、水蒸気はセル
ロースの結晶内までは浸透できずにミクロフィブリルの
非結晶領域内までしか浸透できず、そこで圧力が加わる
ことによりミクロフィブリルの非結晶領域内で結晶の部
分的切断が起こり、それに伴ってセルロース分子の歪み
が解消され、非結晶セルロースが結晶に順次配向し、結
晶化度が増加することになる。
【0024】結晶化度が増加すると、セルロースの結晶
構造が安定な方向に移行し、不安定なα型から安定なβ
型に移行することにより、一度水処理を行い圧縮成型を
行えばセルロース繊維を含む基材では、その形状を維持
でき再度水処理を行ってもその形状は変わらない成型品
ができる。
【0025】本発明による成型品(表5のA)は、手で
軽く揉みほぐして完全に型崩れさせた後、水に濡らして
手で大雑把に形を整え自然乾燥させたところ皺が消えて
元の形状に戻った。従って、使用により成型品が変形し
ても、後で吸水させて乾燥すれば元の形に復元するの
で、複数回繰り返して使用することが可能である。
【0026】又、この成型品は接着剤(バインダー)な
しで成型され、樹脂成分やホルマリン等が一切含まれて
いないので、農業用容器例えば苗鉢としての使用に好適
であり、その苗を鉢ごと田植えすることができ、しかも
そのまま放って置けば鉢は生分解するので後で回収する
手間が省け、水田やその周辺の環境を汚染する心配もな
い。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セルロース繊維を含む絡合不織布を基材とし、水処理を
施して熱圧縮成型を行えば接着剤なしで成型できるよう
にしたので、廃棄時に生分解が可能で周囲の環境を汚染
せず、従来成型品のような廃棄処理問題や資源の無駄を
引き起こすことがなく、使用時に型崩れしても後で水に
濡らして乾燥させれば元の形に復元する機能を備えてお
り、更に接着剤を使用しないので安価に成型できる等の
優れた効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着剤を使用しないでセルロースを含む
    繊維同士の絡み合いにより形成された絡合不織布を基材
    とし、水蒸気下において熱圧縮成型して成る不織布成型
    品。
  2. 【請求項2】 接着剤なしで形成されたセルロースを含
    む絡合不織布を基材とし、この絡合不織布を複数枚重ね
    合わせると共に、吸水倍率の水を加えて熱圧縮成型を行
    うことを特徴とする不織布成型品の製造方法。
JP8030397A 1996-02-19 1996-02-19 不織布成型品及びその製造方法 Pending JPH09228211A (ja)

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