JPH09227690A - 多孔性粒子及びその製造方法 - Google Patents

多孔性粒子及びその製造方法

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JPH09227690A
JPH09227690A JP8063711A JP6371196A JPH09227690A JP H09227690 A JPH09227690 A JP H09227690A JP 8063711 A JP8063711 A JP 8063711A JP 6371196 A JP6371196 A JP 6371196A JP H09227690 A JPH09227690 A JP H09227690A
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JP
Japan
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dispersed
continuous phase
emulsion
dispersed phase
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Application number
JP8063711A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Kouno
恵宣 河野
Yasuo Hatate
泰雄 幡手
Toru Taniguchi
徹 谷口
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Reika Kogyo KK
Original Assignee
Reika Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良質な多孔性粒子を製造する。 【解決手段】 固化成分を含有する第一の連続相11内
に第一の分散相13が分散したプライマリーエマルショ
ン14を製造した後、このプライマリーエマルション1
4を第二の分散相15としてこれを更に第二の連続相1
6内に分散させることによってセカンダリーエマルショ
ン17を製造し、この状態で前記固化成分を固化させて
から前記プライマリーエマルション14の前記第一の分
散相部分を除去することにより、当該第一の分散相13
が除去された部分が孔18となって多孔性粒子が形成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エマルション形成
を経て多孔性粒子を製造する方法及びその方法により製
造された多孔性粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】多孔性の微粒子を製造する方法として
は、溶剤を含んだ状態でポリマー繊維を形成し、それを
結晶化させた後で細分化して溶剤を除去することにより
多孔質微小球を得る方法がある(特開平3−14034
0号公報)。
【0003】
【課題を解決するための手段】しかし、薬物などを経時
的に放出する徐放性微粒子を得る目的等のために、より
良質の多孔性微粒子は常に求められている。このため、
製造方法等を改良することによって質の向上を図る必要
があった。
【0004】本発明は以上のような課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、新規な製造方法を開発するこ
とにより、良質な多孔性粒子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために本願の請求項1記載の発明に係る多孔性粒子
の製造方法は、固化成分を含有する第一の連続相11内
に第一の分散相13が分散したプライマリーエマルショ
ン14を製造した後(図1(A))、このプライマリー
エマルション14を第二の分散相15としてこれを更に
第二の連続相16内に分散させることによってセカンダ
リーエマルション17を製造し(図1(B))、この状
態で前記固化成分を固化させ(図1(C))てから前記
プライマリーエマルションの前記第一の分散相部分を除
去する(図1(D))ことにより多孔性粒子を製造する
ことを特徴とする。
【0006】このような方法によれば、プライマリーエ
マルションが硬化した後、その第一の分散相が除去され
ることにより、当該第一の分散相13が除去された部分
が孔18となって多孔性粒子が形成される(図1(C)
→(D))。
【0007】請求項2に係る製造方法は、請求項1記載
の製造方法において、前記プライマリーエマルション形
成の際の第一の分散相と第一の連続相の体積比を調節す
ることによって前記多孔性粒子の孔径および/または孔
数を調節することを特徴とする。
【0008】多孔性粒子の孔径は、プライマリーエマル
ション形成の際の分散相と連続相の体積比によって調節
することができる。一般に、分散相の体積割合が多けれ
ば、得られる多孔性粒子の孔径は大きくなる。また、実
験により、分散相と連続相の体積比によって多孔性粒子
の孔数が変化することが分かっている。
【0009】請求項3に係る製造方法は、請求項1記載
の製造方法において、第一の連続相に溶解する固化成分
の濃度、前記プライマリーエマルション形成の際の乳化
の程度、第一の分散相と第一の連続相の体積比、第一の
連続相の組成、または、第一の分散相に溶解する塩の種
類もしくは濃度を調整することによって前記多孔性粒子
の孔径および/または孔数を調節することを特徴とす
る。
【0010】この場合に、連続相に溶解されている固化
成分の濃度が小さければ、その分だけ多孔性粒子の孔径
は大きくなる。また、乳化の程度、分散相と連続相の体
積比、連続相の組成、または、第一の分散相に溶解する
塩の種類もしくは濃度を調整することによって、得られ
る多孔性粒子の孔径および/または孔数をコントロール
することができる。
【0011】請求項4に係る方法は、請求項1から3い
ずれか記載の製造方法において、前記第一の分散相およ
び前記第二の連続相が水相であり、前記第一の連続相が
油相であることを特徴とする。
【0012】この場合には、プライマリーエマルション
は、固化成分を含む油相中に第一の水相(以下、内水
相)が分散したw/oエマルションとなる。そして、セ
カンダリーエマルションは、このw/oエマルションを
第二の水相(以下、外水相)中に分散させたw/o/w
エマルションとなる。そして、このw/o/wエマルシ
ョンが生成した状態で前記油相を固化させ、その後に前
記内水相を除去することにより、当該内水相の部分が孔
となって多孔性粒子が形成される。
【0013】請求項5に係る方法は、請求項1から3い
ずれか記載の製造方法において、前記第一の分散相およ
び前記第二の連続相が油相であり、前記第一の連続相が
水相であることを特徴とする。
【0014】この場合には、請求項4に係る方法とエマ
ルションの相が逆になり、プライマリーエマルション
は、固化成分を含む水相中に第一の油相(以下、内油
相)が分散したo/wエマルションとなる。そして、セ
カンダリーエマルションは、このo/wエマルションを
第二の油相(以下、外油相)中に分散させたo/w/o
エマルションとなる。そして、このo/w/oエマルシ
ョンが硬化した後、内油相が除去されることにより、当
該内油相が除去された部分が孔となって多孔性粒子が形
成される。
【0015】本発明には、請求項1から5いずれか記載
の方法により製造された多孔性粒子(請求項6)、およ
び、請求項6記載の粒子に徐放させたい物質を含浸させ
てなる徐放性粒子(請求項7)、並びに、請求項6記載
の粒子をバイオリアクターの担体として使用する方法
(請求項8)が含まれる。
【0016】また、徐放性粒子の製造にあたっては、多
孔性粒子に徐放させたい物質を含浸させる(請求項7)
だけでなく、請求項1から5いずれか記載の製造方法に
おいて、徐放させたい物質を前記第一の分散相に予め溶
解させておくことにより製造することもできる(請求項
9)。本発明には、この請求項9記載の方法により製造
された徐放性粒子およびその同等物(請求項10)も含
まれる。
【0017】
【発明の実施の形態】エマルションの生成は、攪拌羽根
を振動させることを基本とするバイブロミキサ(商品
名;例えば特公平 2-15247号公報、特開平2-293035号公
報)を用いることもでき、ポーラスパイプを用いること
を基本原理とする混合装置(例えば、特開平4-265137号
公報)を使用することができる。勿論、特願平7-340335
号に記載されている混合装置を使用することも可能であ
る。
【0018】プライマリーエマルションを形成する際の
連続相には、最終的にそれが固化する成分が含まれる。
その連続相が油相であった場合には、スチレンモノマー
等が溶解される(スチレンモノマーが重合するとポリス
チレンとなって固化する)。その際の溶媒としてはトル
エンなど、重合させたいモノマーを溶解する有機溶媒な
どが使用される。連続相が水相だった場合には、溶解さ
れる固化成分としては水ガラス等がある。この場合に最
終的に得られる固化体はシリカである。
【0019】プライマリーエマルション製造の際には超
音波による乳化を行うと好適である。プライマリーエマ
ルション製造にあたって超音波による乳化を行と、分散
相の粒径を非常に小さなもの(サブミクロン程度)にす
ることができる。この分散相は、最終的に多孔性粒子の
孔部分を構成するものであるため、その大きさのコント
ロールは重要課題の1つであるところ、超音波による乳
化を行うことによって、その粒径を小さくし、ひいては
最終的に得られる多孔性粒子の孔径を小さくすることが
できるのである。
【0020】セカンダリーエマルションは、プライマリ
ーエマルションと同様の方法により製造することができ
る。
【0021】重合は、系内に重合開始剤等を添加するこ
とにより行うことができる。
【0022】プライマリーあるいはセカンダリーエマル
ションの生成においては、適宜乳化剤等を加えてエマル
ションの形成を行う。
【0023】最終的に得られた多孔性粒子は、その内部
に薬剤、農薬もしくは香料等を含浸させ、それらを徐放
させるものとすることができる。
【0024】また、本発明に係る多孔性粒子は、バイオ
リアクターにおける固定化酵素用担体として用いること
もできる。更には、アフィニティークロマトグラフィー
のマトリックス(もしくは担体)とすることもできる。
生分解性プラスチックで構成した場合には、農薬や肥料
として使用し、環境にも悪影響を与えないものとするこ
とができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
の実施例に限定されない。
【0026】次の表1に示す条件で多孔性粒子を得た。
得られた多孔性粒子の外観と断面を示す顕微鏡写真を図
2及び図3に示す。
【0027】
【表1】 図2及び図3に示されるように、本発明に係る多孔性粒
子は球形に近く、多孔度も大きく良質である。粒子の大
きさは、作成されるプライマリーエマルションの大きさ
に依存し、数ミクロンから数百ミクロン(直径)の間で
自由に設定できる。そしてこれはエマルション作成形態
等により自由にコントロールできるため、この範囲を越
えるようにすることも可能である。また、条件を適当に
設定することにより、多孔はそれぞれ独立させることも
可能であるが、それらを繋げて洞形態とすることも可能
である。そのいずれを選択するかは、徐放の態様等を考
慮して決められる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は新規な多
孔性粒子の製造方法を提供するものであり、これにより
得られた多孔性粒子は良質であり、医薬分野への適用な
ど、多方面での応用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多孔性粒子の生成工程を説明す
るための図である。
【図2】 本実施例で得られた多孔性粒子の外観を示す
顕微鏡写真である。
【図3】 本実施例で得られた多孔性粒子の断面を示す
顕微鏡写真である。
【符号の説明】
11 第一の連続相、13 第一の分散相、14 プラ
イマリーエマルション、15 第二の分散相、16 第
二の連続相、17 セカンダリーエマルション、18
孔。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固化成分を含有する第一の連続相内に第
    一の分散相が分散したプライマリーエマルションを製造
    した後、このプライマリーエマルションを第二の分散相
    としてこれを更に第二の連続相内に分散させることによ
    ってセカンダリーエマルションを製造し、この状態で前
    記固化成分を固化させてから前記プライマリーエマルシ
    ョンの前記第一の分散相部分を除去することにより多孔
    性粒子を製造する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法において、前記
    プライマリーエマルション形成の際の第一の分散相と第
    一の連続相の体積比を調節することによって前記多孔性
    粒子の孔径および/または孔数を調節することを特徴と
    する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法において、第一
    の連続相に溶解する固化成分の濃度、前記プライマリー
    エマルション形成の際の乳化の程度、第一の分散相と第
    一の連続相の体積比、第一の連続相の組成、または、第
    一の分散相に溶解する塩の種類もしくは濃度を調整する
    ことによって前記多孔性粒子の孔径および/または孔数
    を調節することを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3いずれか記載の製造方法
    において、前記第一の分散相および前記第二の連続相が
    水相であり、前記第一の連続相が油相であることを特徴
    とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項1から3いずれか記載の製造方法
    において、前記第一の分散相および前記第二の連続相が
    油相であり、前記第一の連続相が水相であることを特徴
    とする方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から5いずれか記載の方法によ
    り製造された多孔性粒子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の粒子に徐放させたい物質
    を含浸させてなる徐放性粒子。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の粒子をバイオリアクター
    の担体として使用する方法。
  9. 【請求項9】 請求項1から5いずれか記載の製造方法
    において、徐放させたい物質を前記第一の分散相に予め
    溶解させておくことを特徴とする徐放性粒子の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法により製造された
    徐放性粒子およびその同等物。
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