JPH09227619A - 触媒の除去および回収方法 - Google Patents
触媒の除去および回収方法Info
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- JPH09227619A JPH09227619A JP5835596A JP5835596A JPH09227619A JP H09227619 A JPH09227619 A JP H09227619A JP 5835596 A JP5835596 A JP 5835596A JP 5835596 A JP5835596 A JP 5835596A JP H09227619 A JPH09227619 A JP H09227619A
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- synthetic polymer
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 触媒としてBF3を用いた石油樹脂製造時の
重合反応油からBF3を効率よく分離除去し、さらにこ
れを回収する方法を提供する。 【解決手段】 重合可能成分として、C5オレフィン、
C9芳香族オレフィン、C10オレフィンまたはこれらの
混合物を主として含む炭化水素混合物を、BF3触媒の
存在下に重合することにより炭化水素樹脂を含む液状反
応混合物を得て、次いで、反応混合物を、ニトリル基含
有合成高分子繊維と、温度50℃以下で液相接触させて
BF3を除去し、その後、ニトリル基含有合成高分子繊
維を温度80℃以上に加熱してBF3を回収することを
特徴とするBF3の除去および回収方法。
重合反応油からBF3を効率よく分離除去し、さらにこ
れを回収する方法を提供する。 【解決手段】 重合可能成分として、C5オレフィン、
C9芳香族オレフィン、C10オレフィンまたはこれらの
混合物を主として含む炭化水素混合物を、BF3触媒の
存在下に重合することにより炭化水素樹脂を含む液状反
応混合物を得て、次いで、反応混合物を、ニトリル基含
有合成高分子繊維と、温度50℃以下で液相接触させて
BF3を除去し、その後、ニトリル基含有合成高分子繊
維を温度80℃以上に加熱してBF3を回収することを
特徴とするBF3の除去および回収方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油樹脂製造工程
における触媒の除去に関するものである。さらに詳しく
は、石油樹脂の重合触媒として用いられる三フッ化ホウ
素(以下、「BF3」と記す)の分離除去および回収の
方法に関するものである。
における触媒の除去に関するものである。さらに詳しく
は、石油樹脂の重合触媒として用いられる三フッ化ホウ
素(以下、「BF3」と記す)の分離除去および回収の
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】C9芳香族オレフィン留分およびC5ジオ
レフィン留分を、単独でまたは混合して酸触媒により重
合して得られる低分子量の炭化水素樹脂は一般に石油樹
脂と呼ばれ、接着剤、印刷インク等の分野で広く使用さ
れている。樹脂製造時の重合触媒として、BF3が工業
的に広く使用されている。
レフィン留分を、単独でまたは混合して酸触媒により重
合して得られる低分子量の炭化水素樹脂は一般に石油樹
脂と呼ばれ、接着剤、印刷インク等の分野で広く使用さ
れている。樹脂製造時の重合触媒として、BF3が工業
的に広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】石油樹脂の重合反応終
了後に、触媒として使用されたBF3を除去する方法と
しては、アルカリ性水溶液による中和およびそれに続く
水洗が一般的に採用されているが、水洗時にエマルショ
ンが発生したり、排出されたフッ素を含有する排水の処
理等が必要となるため、環境対策上効率的なBF3の除
去方法が望まれている。
了後に、触媒として使用されたBF3を除去する方法と
しては、アルカリ性水溶液による中和およびそれに続く
水洗が一般的に採用されているが、水洗時にエマルショ
ンが発生したり、排出されたフッ素を含有する排水の処
理等が必要となるため、環境対策上効率的なBF3の除
去方法が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の条
件を満たすアクリル繊維を用いることにより、触媒とし
てBF3を用いた石油樹脂製造時の重合反応油からBF3
を効率よく分離除去し、これを回収する方法を見出して
本発明を完成した。すなわち本発明の第1は、重合可能
成分として、C5オレフィン、C9芳香族オレフィン、C
10オレフィンまたはこれらの混合物を主として含む炭化
水素混合物を、BF3触媒の存在下に重合することによ
り炭化水素樹脂を含む液状反応混合物を得て、次いで、
反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維と、温度
50℃以下で液相接触させることを特徴とするBF3の
除去方法に関するものである。本発明の第2は、上記本
発明の第1において、ニトリル基含有合成高分子繊維
が、アクリロニトリルの繰返し単位を80モル%以上含
むポリアクリロニトリルからなることを特徴とする三フ
ッ化ホウ素の除去方法に関する。本発明の第3は、上記
本発明の第1において、ニトリル基含有合成高分子繊維
が2デニール以下の極細繊維であることを特徴とするB
F3の除去方法に関する。さらに本発明の第4は、重合
可能成分として、C5オレフィン、C9芳香族オレフィ
ン、C10オレフィンまたはこれらの混合物を主として含
む炭化水素混合物を、BF3触媒の存在下に重合するこ
とにより炭化水素樹脂を含む液状反応混合物を得て、次
いで、反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維
と、温度50℃以下で液相接触させ、その後、ニトリル
基含有合成高分子繊維を温度80℃以上に加熱すること
を特徴とするBF3の除去および回収方法に関するもの
である。本発明の第5は、上記本発明の第4において、
ニトリル基含有合成高分子繊維が、アクリロニトリルの
繰返し単位を80モル%以上含むポリアクリロニトリル
からなることを特徴とする三フッ化ホウ素の除去および
回収方法に関する。本発明の第6は、上記本発明の第4
において、ニトリル基含有合成高分子繊維が2デニール
以下の極細繊維であることを特徴とするBF3の除去お
よび回収方法に関する。
件を満たすアクリル繊維を用いることにより、触媒とし
てBF3を用いた石油樹脂製造時の重合反応油からBF3
を効率よく分離除去し、これを回収する方法を見出して
本発明を完成した。すなわち本発明の第1は、重合可能
成分として、C5オレフィン、C9芳香族オレフィン、C
10オレフィンまたはこれらの混合物を主として含む炭化
水素混合物を、BF3触媒の存在下に重合することによ
り炭化水素樹脂を含む液状反応混合物を得て、次いで、
反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維と、温度
50℃以下で液相接触させることを特徴とするBF3の
除去方法に関するものである。本発明の第2は、上記本
発明の第1において、ニトリル基含有合成高分子繊維
が、アクリロニトリルの繰返し単位を80モル%以上含
むポリアクリロニトリルからなることを特徴とする三フ
ッ化ホウ素の除去方法に関する。本発明の第3は、上記
本発明の第1において、ニトリル基含有合成高分子繊維
が2デニール以下の極細繊維であることを特徴とするB
F3の除去方法に関する。さらに本発明の第4は、重合
可能成分として、C5オレフィン、C9芳香族オレフィ
ン、C10オレフィンまたはこれらの混合物を主として含
む炭化水素混合物を、BF3触媒の存在下に重合するこ
とにより炭化水素樹脂を含む液状反応混合物を得て、次
いで、反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維
と、温度50℃以下で液相接触させ、その後、ニトリル
基含有合成高分子繊維を温度80℃以上に加熱すること
を特徴とするBF3の除去および回収方法に関するもの
である。本発明の第5は、上記本発明の第4において、
ニトリル基含有合成高分子繊維が、アクリロニトリルの
繰返し単位を80モル%以上含むポリアクリロニトリル
からなることを特徴とする三フッ化ホウ素の除去および
回収方法に関する。本発明の第6は、上記本発明の第4
において、ニトリル基含有合成高分子繊維が2デニール
以下の極細繊維であることを特徴とするBF3の除去お
よび回収方法に関する。
【0005】以下、本発明をさらに説明する。重合可能
成分としてのC5オレフィンとは、炭素数が5であるペ
ンテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、ピペリ
レン、イソプレン等の脂肪族または脂環族モノオレフィ
ンやジオレフィンである。炭化水素混合物のうち、重合
可能成分以外の成分は主として飽和炭化水素である。重
合可能成分として、主としてC5オレフィンを含む炭化
水素混合物の具体例は、C5オレフィンを主とし、その
ほかにC4オレフィンであるブタジエン、シクロペンタ
ジエン等やC6オレフィンなども少量含む留分である。
このC5オレフィン留分は、ナフサ、ブタン等の石油系
軽質炭化水素の熱分解や接触分解の際に副生するもので
ある。
成分としてのC5オレフィンとは、炭素数が5であるペ
ンテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、ピペリ
レン、イソプレン等の脂肪族または脂環族モノオレフィ
ンやジオレフィンである。炭化水素混合物のうち、重合
可能成分以外の成分は主として飽和炭化水素である。重
合可能成分として、主としてC5オレフィンを含む炭化
水素混合物の具体例は、C5オレフィンを主とし、その
ほかにC4オレフィンであるブタジエン、シクロペンタ
ジエン等やC6オレフィンなども少量含む留分である。
このC5オレフィン留分は、ナフサ、ブタン等の石油系
軽質炭化水素の熱分解や接触分解の際に副生するもので
ある。
【0006】重合可能成分としてのC9芳香族オレフィ
ンとは、炭素数が9であるα−メチルスチレン、ビニル
トルエン、インデン等の芳香族オレフィンである。炭化
水素混合物のうち、重合可能成分以外の成分は主として
飽和炭化水素である。重合可能成分として主としてC9
芳香族オレフィンを含む炭化水素混合物の具体例は、C
9芳香族オレフィンを主とし、そのほかにC8オレフィン
やメチルインデン、ジシクロペンタジエン等のC10オレ
フィンなども少量含む留分である。このC9芳香族オレ
フィン留分は、ナフサ、ブタン等の石油系軽質炭化水素
の熱分解や接触分解の際に副生するものである。
ンとは、炭素数が9であるα−メチルスチレン、ビニル
トルエン、インデン等の芳香族オレフィンである。炭化
水素混合物のうち、重合可能成分以外の成分は主として
飽和炭化水素である。重合可能成分として主としてC9
芳香族オレフィンを含む炭化水素混合物の具体例は、C
9芳香族オレフィンを主とし、そのほかにC8オレフィン
やメチルインデン、ジシクロペンタジエン等のC10オレ
フィンなども少量含む留分である。このC9芳香族オレ
フィン留分は、ナフサ、ブタン等の石油系軽質炭化水素
の熱分解や接触分解の際に副生するものである。
【0007】重合可能成分としてのC10オレフィンと
は、ジシクロペンタジエン、イソプレン2量体などであ
る。炭化水素混合物のうち、重合可能成分以外の成分は
主として飽和炭化水素である。重合可能成分として主と
してC10オレフィンを含む炭化水素混合物の具体例は、
ジシクロペンタジエンを主とし、そのほかにメチルシク
ロペンタジエン2量体等のオレフィンなども少量含む留
分である。このC10オレフィン留分は、ナフサ、ブタン
等の石油系軽質炭化水素の熱分解や接触分解の際に副生
するものである。
は、ジシクロペンタジエン、イソプレン2量体などであ
る。炭化水素混合物のうち、重合可能成分以外の成分は
主として飽和炭化水素である。重合可能成分として主と
してC10オレフィンを含む炭化水素混合物の具体例は、
ジシクロペンタジエンを主とし、そのほかにメチルシク
ロペンタジエン2量体等のオレフィンなども少量含む留
分である。このC10オレフィン留分は、ナフサ、ブタン
等の石油系軽質炭化水素の熱分解や接触分解の際に副生
するものである。
【0008】重合可能成分としてのC5オレフィン、C9
芳香族オレフィン、C10オレフィン等は混合して用いる
ことができる。重合可能成分としてC5オレフィンとC9
芳香族オレフィンとの混合物を主として含む炭化水素混
合物の例は、上記C5オレフィン留分とC9芳香族オレフ
ィン留分とを適宜の割合で混合してなる炭化水素混合物
である。なお、炭化水素混合物中の重合可能成分の割合
は特に限定されないが、通常は10〜90重量%であ
り、残余は主として飽和炭化水素である。
芳香族オレフィン、C10オレフィン等は混合して用いる
ことができる。重合可能成分としてC5オレフィンとC9
芳香族オレフィンとの混合物を主として含む炭化水素混
合物の例は、上記C5オレフィン留分とC9芳香族オレフ
ィン留分とを適宜の割合で混合してなる炭化水素混合物
である。なお、炭化水素混合物中の重合可能成分の割合
は特に限定されないが、通常は10〜90重量%であ
り、残余は主として飽和炭化水素である。
【0009】本発明の液相重合においては、BF3また
はその錯体からなる触媒が用いられる。BF3錯体触媒
としては、例えば石油樹脂製造用として従来公知のいず
れのものも用いられる。例えば、アルコール類、エーテ
ル類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、エステ
ル類、有機酸類、酸無水物等の含酸素化合物等とのBF
3錯体が挙げられる。より具体的なBF3錯体触媒として
は、BF3フェノラート (BF3とフェノールとの錯
体)等が例示される。本願でいう錯体とは、低温では錯
体自体として単離が可能であるが、加熱を行うと容易に
分解して、蒸留操作などにより錯体構成成分に分離する
ことができるものである。BF3またはその錯体からな
る触媒の使用量は特に限定されないが、通常は反応系に
0.001〜10重量%添加される。重合反応後におい
ても、添加した触媒はそのまま反応混合物中に残存す
る。炭化水素樹脂の液相重合を行うことにより、BF3
またはその錯体からなる触媒および炭化水素樹脂を含む
液状反応混合物が得られる。
はその錯体からなる触媒が用いられる。BF3錯体触媒
としては、例えば石油樹脂製造用として従来公知のいず
れのものも用いられる。例えば、アルコール類、エーテ
ル類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、エステ
ル類、有機酸類、酸無水物等の含酸素化合物等とのBF
3錯体が挙げられる。より具体的なBF3錯体触媒として
は、BF3フェノラート (BF3とフェノールとの錯
体)等が例示される。本願でいう錯体とは、低温では錯
体自体として単離が可能であるが、加熱を行うと容易に
分解して、蒸留操作などにより錯体構成成分に分離する
ことができるものである。BF3またはその錯体からな
る触媒の使用量は特に限定されないが、通常は反応系に
0.001〜10重量%添加される。重合反応後におい
ても、添加した触媒はそのまま反応混合物中に残存す
る。炭化水素樹脂の液相重合を行うことにより、BF3
またはその錯体からなる触媒および炭化水素樹脂を含む
液状反応混合物が得られる。
【0010】次いで、本発明においては、上記液状反応
混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維と、温度50
℃以下で液相接触させるものである。本発明で用いるニ
トリル基含有合成高分子繊維は、有機溶剤に実質的に侵
されることのないものであり、好ましくはアクリロニト
リルの繰返し単位を80モル%以上含むポリアクリロニ
トリルからなる繊維(フィラメント)である。通常、ア
クリロニトリルを常法により重合して得られるポリアク
リロニトリルを、常法により紡糸等の方法により極細な
繊維に加工したものが用いられる。アクリロニトリルの
重合は、通常のビニル系モノマーのラジカル重合と同様
に行うことができ、工業的には水系懸濁重合や均一溶液
重合により行われる。水系懸濁重合による場合には、通
常重合度の十分に高いものが得られ、従って、低重合物
による汚染の問題は少ない。また均一溶液重合による場
合においても、有機溶媒として例えばジメチルスルホキ
シド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)など
の適当な有機溶媒を用いると共に重合条件を選択するこ
とにより、通常重合度の十分に高いものが得られ、低重
合物による汚染の問題は少ない。なお、低重合物が溶出
することにより有機液体が汚染される問題は、例えば、
重合後、繊維加工の前後において、重合体を適宜の有機
溶媒で洗浄抽出するなどの処理により改善することがで
きる。
混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊維と、温度50
℃以下で液相接触させるものである。本発明で用いるニ
トリル基含有合成高分子繊維は、有機溶剤に実質的に侵
されることのないものであり、好ましくはアクリロニト
リルの繰返し単位を80モル%以上含むポリアクリロニ
トリルからなる繊維(フィラメント)である。通常、ア
クリロニトリルを常法により重合して得られるポリアク
リロニトリルを、常法により紡糸等の方法により極細な
繊維に加工したものが用いられる。アクリロニトリルの
重合は、通常のビニル系モノマーのラジカル重合と同様
に行うことができ、工業的には水系懸濁重合や均一溶液
重合により行われる。水系懸濁重合による場合には、通
常重合度の十分に高いものが得られ、従って、低重合物
による汚染の問題は少ない。また均一溶液重合による場
合においても、有機溶媒として例えばジメチルスルホキ
シド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAc)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)など
の適当な有機溶媒を用いると共に重合条件を選択するこ
とにより、通常重合度の十分に高いものが得られ、低重
合物による汚染の問題は少ない。なお、低重合物が溶出
することにより有機液体が汚染される問題は、例えば、
重合後、繊維加工の前後において、重合体を適宜の有機
溶媒で洗浄抽出するなどの処理により改善することがで
きる。
【0011】ポリアクリロニトリルとしては、BF3に
対する耐酸性が良好な点から、アクリロニトリルを80
モル%以上含むように重合されたものを用いる。アクリ
ロニトリルの含有量が前記範囲にある限り、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリ
ルアミドなどの非イオン性コモノマー;ビニルベンゼン
スルホン酸、アリルスルホン酸などのアニオン性コモノ
マー;ビニルピリジン、メチルビニルピリジンなどのカ
チオン性コモノマー;そのほか塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどのコモノマーを適宜に共重合したものも用いる
ことができる。これらのコモノマーを共重合することに
より、繊維加工が容易になり、また繊維強度を向上させ
ることができる。
対する耐酸性が良好な点から、アクリロニトリルを80
モル%以上含むように重合されたものを用いる。アクリ
ロニトリルの含有量が前記範囲にある限り、アクリル酸
エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリ
ルアミドなどの非イオン性コモノマー;ビニルベンゼン
スルホン酸、アリルスルホン酸などのアニオン性コモノ
マー;ビニルピリジン、メチルビニルピリジンなどのカ
チオン性コモノマー;そのほか塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどのコモノマーを適宜に共重合したものも用いる
ことができる。これらのコモノマーを共重合することに
より、繊維加工が容易になり、また繊維強度を向上させ
ることができる。
【0012】繊維にするための加工方法は特に限定され
ない。極細繊維を製造する加工方法であればいずれの方
法も採用することができる。例えば、常法による湿式ま
たは乾式紡糸法により繊維に加工することができる。繊
維形状も特に限定されない。例えば、繊維の断面形状が
通常の円形のほか、中空に成形されたもの、または星形
等のいわゆる異形繊維であっても好ましく使用すること
ができる。より高いBF3の吸着効率を得るためには、
繊維の太さが2デニール以下の極細繊維を使用すること
が好ましい。より好ましい繊維の太さは、0.01〜2
デニールである。
ない。極細繊維を製造する加工方法であればいずれの方
法も採用することができる。例えば、常法による湿式ま
たは乾式紡糸法により繊維に加工することができる。繊
維形状も特に限定されない。例えば、繊維の断面形状が
通常の円形のほか、中空に成形されたもの、または星形
等のいわゆる異形繊維であっても好ましく使用すること
ができる。より高いBF3の吸着効率を得るためには、
繊維の太さが2デニール以下の極細繊維を使用すること
が好ましい。より好ましい繊維の太さは、0.01〜2
デニールである。
【0013】本発明に用いる繊維は、上記繊維を含む限
り、織布、不織布、組布などの布状や綿状など各種の形
態のものを用いることができる。不織布の形態である
と、取扱いに便利であり好ましい。例えば、市販のポリ
アクリロニトリル繊維からなる不織布を用いることがで
きる。
り、織布、不織布、組布などの布状や綿状など各種の形
態のものを用いることができる。不織布の形態である
と、取扱いに便利であり好ましい。例えば、市販のポリ
アクリロニトリル繊維からなる不織布を用いることがで
きる。
【0014】BF3を含有する液状反応混合物からBF3
を分離除去するには、反応混合物と繊維とを温度50℃
以下で液相接触させる。この範囲の温度であれば、BF
3の吸着効率が高く、液相接触が可能である限り50℃
以下において任意の温度を採用することができる。より
好ましい接触温度は、−30〜50℃の範囲である。
を分離除去するには、反応混合物と繊維とを温度50℃
以下で液相接触させる。この範囲の温度であれば、BF
3の吸着効率が高く、液相接触が可能である限り50℃
以下において任意の温度を採用することができる。より
好ましい接触温度は、−30〜50℃の範囲である。
【0015】液相接触の方法は特に限定されない。例え
ば、繊維あるいは繊維からなる不織布等を充填した槽
に、BF3を含有する反応混合物を通過接触させること
ができる。流通式およびバッチ式のいずれの形式でも接
触操作を行うことができる。接触の時間も特に限定され
ず、適宜に決定される。通常、流通式では、空間速度と
して0.01〜10hr-1の範囲から選択することができ
る。用いる繊維の量も適宜に選択することができる。上
記の液相接触により、反応混合物中に懸濁状でまたは溶
解して存在するBF3は、繊維に吸着されて、反応混合
物から分離除去される。
ば、繊維あるいは繊維からなる不織布等を充填した槽
に、BF3を含有する反応混合物を通過接触させること
ができる。流通式およびバッチ式のいずれの形式でも接
触操作を行うことができる。接触の時間も特に限定され
ず、適宜に決定される。通常、流通式では、空間速度と
して0.01〜10hr-1の範囲から選択することができ
る。用いる繊維の量も適宜に選択することができる。上
記の液相接触により、反応混合物中に懸濁状でまたは溶
解して存在するBF3は、繊維に吸着されて、反応混合
物から分離除去される。
【0016】吸着されたBF3を繊維から脱離させて回
収するには、吸着した繊維を加熱する方法を用いること
ができる。加熱は、適宜の不活性ガス、例えば窒素を利
用して行うことができる。不活性なものであれば、適宜
の有機溶媒中で加熱することも可能である。加熱温度
は、脱離速度を十分大きくするために80℃以上とす
る。好ましくは100℃以上である。脱離に必要な温度
の上限は特に限定されず、高温であるほど脱離が速やか
に進行する。しかし、著しく高い温度では繊維の耐熱性
が問題となるので、140℃が実用上の上限温度であ
る。このようにしてBF3の吸着および脱離を行った繊
維は、繰り返し使用することができる。本発明における
繊維を用いれば、繰り返し使用してもBF3の吸収能力
は特に低下することなく、複数回の繰り返し使用が可能
である。なお、BF3は脱離する際に通常は気体状であ
り、しかも高純度である。従って、脱離したBF3を適
宜の手段で回収し、そのまま重合触媒として、または適
宜の化合物により錯体とした後に重合触媒として再使用
することもできる。適宜に固体アルカリ等に吸収させて
廃棄することもできる。
収するには、吸着した繊維を加熱する方法を用いること
ができる。加熱は、適宜の不活性ガス、例えば窒素を利
用して行うことができる。不活性なものであれば、適宜
の有機溶媒中で加熱することも可能である。加熱温度
は、脱離速度を十分大きくするために80℃以上とす
る。好ましくは100℃以上である。脱離に必要な温度
の上限は特に限定されず、高温であるほど脱離が速やか
に進行する。しかし、著しく高い温度では繊維の耐熱性
が問題となるので、140℃が実用上の上限温度であ
る。このようにしてBF3の吸着および脱離を行った繊
維は、繰り返し使用することができる。本発明における
繊維を用いれば、繰り返し使用してもBF3の吸収能力
は特に低下することなく、複数回の繰り返し使用が可能
である。なお、BF3は脱離する際に通常は気体状であ
り、しかも高純度である。従って、脱離したBF3を適
宜の手段で回収し、そのまま重合触媒として、または適
宜の化合物により錯体とした後に重合触媒として再使用
することもできる。適宜に固体アルカリ等に吸収させて
廃棄することもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳述
する。
する。
<実施例>繊維太さ0.9デニールのアクリル繊維(ア
クリロニトリル90%)の束35gを、直径25mm、
長さ250mmのステンレス管に充填し、温度10℃の
恒温に維持した。この管に、ナフサクラッカーで副生し
たC9芳香族オレフィン留分をBF3フェノラートにより
温度10℃〜15℃で重合して得られた石油樹脂を含む
液状反応物(BF3として0.2重量%含有)を100ml
/hr の一定速度で供給した。出口流体中のBF3濃度は
零であり、BF3が完全に吸着除去されていることが確
認された。さらに供給を続けながら出口のBF3濃度を
測定し、供給を開始して18時間経過後に、BF3の流
出が確認された時点で反応混合物の供給を停止した。反
応混合物の供給を停止した後、充填管内の繊維を100
0mlのトルエンで洗浄した。窒素を充填管に供給して
トルエンを乾燥した後、充填管の重量を測定した。BF
3供給前の重量との差を求めた結果、充填したアクリル
繊維中に吸着保持されたBF3の量は7.9g/100g-繊維
であった。次いで、上記のようにしてBF3が吸着され
たアクリル繊維の充填管に、10ml/分(標準状態)の
流量で窒素を供給し、加熱を開始して温度を120℃に
維持し、流出する窒素をフェノール中に導入した。この
状態で、出口からの窒素中にBF3による白煙がほとん
ど認められなくなるまで加熱および窒素導入を継続し
た。その後、冷却して充填管の重量を秤量したところ、
吸着されたBF3の89%が回収されていた。
クリロニトリル90%)の束35gを、直径25mm、
長さ250mmのステンレス管に充填し、温度10℃の
恒温に維持した。この管に、ナフサクラッカーで副生し
たC9芳香族オレフィン留分をBF3フェノラートにより
温度10℃〜15℃で重合して得られた石油樹脂を含む
液状反応物(BF3として0.2重量%含有)を100ml
/hr の一定速度で供給した。出口流体中のBF3濃度は
零であり、BF3が完全に吸着除去されていることが確
認された。さらに供給を続けながら出口のBF3濃度を
測定し、供給を開始して18時間経過後に、BF3の流
出が確認された時点で反応混合物の供給を停止した。反
応混合物の供給を停止した後、充填管内の繊維を100
0mlのトルエンで洗浄した。窒素を充填管に供給して
トルエンを乾燥した後、充填管の重量を測定した。BF
3供給前の重量との差を求めた結果、充填したアクリル
繊維中に吸着保持されたBF3の量は7.9g/100g-繊維
であった。次いで、上記のようにしてBF3が吸着され
たアクリル繊維の充填管に、10ml/分(標準状態)の
流量で窒素を供給し、加熱を開始して温度を120℃に
維持し、流出する窒素をフェノール中に導入した。この
状態で、出口からの窒素中にBF3による白煙がほとん
ど認められなくなるまで加熱および窒素導入を継続し
た。その後、冷却して充填管の重量を秤量したところ、
吸着されたBF3の89%が回収されていた。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、触媒として使用された
BF3を効率よく液状反応混合物から除去分離すること
ができると共に、BF3を回収して再使用することが可
能である。
BF3を効率よく液状反応混合物から除去分離すること
ができると共に、BF3を回収して再使用することが可
能である。
Claims (6)
- 【請求項1】 重合可能成分として、C5オレフィン、
C9芳香族オレフィン、C10オレフィンまたはこれらの
混合物を主として含む炭化水素混合物を、三フッ化ホウ
素触媒の存在下に重合することにより炭化水素樹脂を含
む液状反応混合物を得て、 次いで、該反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊
維と、温度50℃以下で液相接触させることを特徴とす
る三フッ化ホウ素の除去方法。 - 【請求項2】 前記ニトリル基含有合成高分子繊維が、
アクリロニトリルの繰返し単位を80モル%以上含むポ
リアクリロニトリルからなることを特徴とする請求項1
に記載の三フッ化ホウ素の除去方法。 - 【請求項3】 前記ニトリル基含有合成高分子繊維が、
2デニール以下の極細繊維であることを特徴とする請求
項1に記載の三フッ化ホウ素の除去方法。 - 【請求項4】 重合可能成分として、C5オレフィン、
C9芳香族オレフィン、C10オレフィンまたはこれらの
混合物を主として含む炭化水素混合物を、三フッ化ホウ
素触媒の存在下に重合することにより炭化水素樹脂を含
む液状反応混合物を得て、 次いで、該反応混合物を、ニトリル基含有合成高分子繊
維と、温度50℃以下で液相接触させ、 その後、該ニトリル基含有合成高分子繊維を温度80℃
以上に加熱することを特徴とする三フッ化ホウ素の除去
および回収方法。 - 【請求項5】 前記ニトリル基含有合成高分子繊維が、
アクリロニトリルの繰返し単位を80モル%以上含むポ
リアクリロニトリルからなることを特徴とする請求項4
に記載の三フッ化ホウ素の除去および回収方法。 - 【請求項6】 前記ニトリル基含有合成高分子繊維が、
2デニール以下の極細繊維であることを特徴とする請求
項4に記載の三フッ化ホウ素の除去および回収方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5835596A JPH09227619A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 触媒の除去および回収方法 |
DE69700536T DE69700536T2 (de) | 1996-02-20 | 1997-02-12 | Verfahren zur Abscheidung und Rückgewinnung von Bortrifluorid |
EP97102228A EP0791557B1 (en) | 1996-02-20 | 1997-02-12 | Method for separating and recovering boron trifluoride |
US08/798,727 US5846429A (en) | 1996-02-20 | 1997-02-13 | Method for separating and recovering boron trifluoride |
IDP970494A ID15972A (id) | 1996-02-20 | 1997-02-20 | Metode untuk memisahkan dan mengumpulkan boron trifluorida |
CN97110056A CN1168349A (zh) | 1996-02-20 | 1997-02-20 | 三氟化硼的分离和回收方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5835596A JPH09227619A (ja) | 1996-02-21 | 1996-02-21 | 触媒の除去および回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09227619A true JPH09227619A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=13082023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5835596A Pending JPH09227619A (ja) | 1996-02-20 | 1996-02-21 | 触媒の除去および回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09227619A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2466541A (en) * | 2008-12-23 | 2010-06-30 | Advanced Composites Group Ltd | Curative fibre component for curing a resin |
-
1996
- 1996-02-21 JP JP5835596A patent/JPH09227619A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2466541A (en) * | 2008-12-23 | 2010-06-30 | Advanced Composites Group Ltd | Curative fibre component for curing a resin |
GB2466541B (en) * | 2008-12-23 | 2014-06-04 | Umeco Structural Materials Derby Ltd | Curative fibre components |
US9926418B2 (en) | 2008-12-23 | 2018-03-27 | Cytec Industrial Materials (Derby) Limited | Curative fibre components |
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