JPH09219149A - 電子放出素子、電子源基板および画像形成装置の製造方法 - Google Patents

電子放出素子、電子源基板および画像形成装置の製造方法

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JPH09219149A
JPH09219149A JP4409596A JP4409596A JPH09219149A JP H09219149 A JPH09219149 A JP H09219149A JP 4409596 A JP4409596 A JP 4409596A JP 4409596 A JP4409596 A JP 4409596A JP H09219149 A JPH09219149 A JP H09219149A
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Mitsutoshi Hasegawa
光利 長谷川
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

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  • Ink Jet (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ容易に大面積に表面伝導型電
子放出素子を形成する。 【解決手段】 一対の素子電極2,3間を連絡する導電
性薄膜4の一部に電子放出部5を形成された電子放出素
子を製造する方法において、絶縁性基板1上に絶縁層6
を介して互いに交差する一対の素子電極2,3を形成
し、該交差部において該交差部上側の素子電極2および
前記絶縁層6に該交差部下側の素子電極3まで到達する
凹部9を形成し、該凹部内に導電膜形成材料を含む溶液
を液滴の状態で付与することにより、前記導電性薄膜4
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子放出素子、電子
源基板および画像形成装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下、「FE型」と略す)、金属/絶縁層
/金属型(以下、「MIM型」と略す)や表面伝導型電
子放出素子等がある。FE型の例としてはW.P.Dy
ke&W.W.Dolan、“Field emiss
ion”、Advance in Electron
Physics、8 89(1956)あるいはC.
A.Spindt、“Physical Proper
ties of thin−film field e
mission cathodes with mol
ybdenium”、J.Appl.Phys.,47
5248(1976)等が知られている。
【0003】MIM型の例としてはC.A.Mead、
“The tunnel−emission ampl
ifier”、J.Appl.Phys.、32 64
6(1961)等が知られている。
【0004】表面伝導型電子放出素子型の例としては、
M.I.Elinson、Radio Eng.Ele
ctron Phys.、10(1965)等がある。
表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成された小面積
の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放
出が生ずる現象を利用するものである。この表面伝導型
電子放出素子としては、前記エリンソン等によるSnO
2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dit
tmer:“Thin Solid Films”、9
317(1972)]、In23 /SnO2 薄膜に
よるもの[M.Hartwell and C.G.F
onstad:“IEEE Trans.ED Con
f.”、519(1975)]、カーボン薄膜によるも
の[荒木久他:“真空”、第26巻、第1号、22頁
(1983)]等が報告されている。
【0005】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェルの素子構成を
図12に示す。同図において1は基板である。4は導電
性薄膜で、スパッタによりH型形状のパターンに形成さ
れた金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミン
グと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成され
る。図中の素子電極間隔Lは0.5mm〜1mm、導電
性薄膜4の幅W’は0.1mmに設定されている。な
お、電子放出部5の位置および形状は、不確定なため模
式的に表してある。
【0006】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行なう前に導電性薄膜4に予め通
電フォーミングと呼ばれる通電処理を施して電子放出部
5を形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミ
ングとは前記導電性薄膜4の両端に直流電圧あるいは非
常にゆっくりとした昇電圧、例えば1V/分程度を印加
通電し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質
せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部5を形
成することである。なお、電子放出部5は導電性薄膜4
の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が行な
われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型電
子放出素子は、上述の導電性薄膜4に電圧を印加し、素
子に電流を流すことにより上述の電子放出部5より電子
を放出せしめるものである。
【0007】上述の表面伝導型放出素子は構造が単純で
製造も容易であることから大面積にわたり多数の素子を
配列形成できる利点がある。そこでこの特徴を生かせる
ような色々な応用が研究されている。例えば、荷電ビー
ム源、画像表示装置等の表示装置があげられる。
【0008】図13は、特開平2−56822号に開示
されている電子放出素子の構成を示す。同図において1
は基板、2および3は素子電極、4は導電性薄膜、5は
電子放出部である。この電子放出素子の製造方法として
は、様々な方法があるが、例えば基板1に一般的な真空
蒸着技術や、フォトリソグラフィ技術により素子電極
2,3を形成する。次いで導電性薄膜4は分散塗布法等
によって形成する。その後、素子電極2,3に電圧を印
加し通電処理を施すことによって電子放出部5を形成す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例による製造方法は、半導体プロセスを主とする方法で
製造するものであるために、現行の技術では大面積に電
子放出素子を形成することが困難であり、かつ特殊で高
価な製造装置を必要とし、生産コストが高いといった欠
点があった。
【0010】そこで本発明の目的は、低コストでかつ容
易に大面積に表面伝導型電子放出素子を形成する製造方
法およびその電子放出素子を有する電子源基板や画像形
成装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべくな
された本発明の電子放出素子の製造方法は、垂直型表面
伝導型電子放出素子(以下SCEと略す)の製造方法で
あって、一対の素子電極間を連絡する導電性薄膜の一部
に電子放出部を有する電子放出素子を製造する方法にお
いて、絶縁性基板上に絶縁層を介して互いに交差する一
対の素子電極を形成し、該交差部において該交差部上部
の素子電極および絶縁層に該交差部下部の素子電極まで
到達する凹部を形成し、該凹部内に導電膜形成材料を含
む溶液を液滴の状態で付与することにより、前記導電性
薄膜層を形成することを特徴とする。
【0012】前記導電膜形成材料を含む溶液の液滴は、
インクジェット方式で付与されることが望ましく、この
インクジェット方式は熱的エネルギーの付与により気泡
を発生させ液滴を吐出させる方式であることがより好ま
しい。
【0013】また、本発明により製造される電子放出素
子の電子放出部の膜厚は、前記導電膜形成材料を含む溶
液の液滴を付与する際の液滴量や液滴数によって制御す
ることができる。
【0014】本発明に係る電子源基板は、絶縁基板上に
複数の電子放出素子が配列され、該電子放出素子間配線
および該素子への電圧印加用端子を形成された電子源基
板であり、各々の電子放出素子は、上述の方法で作成さ
れる。
【0015】この電子源基板は、例えば、前記の素子電
極を形成する際、一方を前記絶縁基板上に連続的に接続
して列方向配線とし、他方を絶縁層を介して交差させ、
連続的に接続して行方向配線とし、該行方向配線および
絶縁層の交差部(内)に列方向配線まで到達する凹部を
連続的に形成し、該凹部内に導電性薄膜形成用の材料溶
液の液滴を連続的に付与し、電子放出部を形成する。
【0016】本発明の画像形成装置は、電子源としての
電子放出素子と、該素子への電圧印加手段と、該素子か
ら放出される電子を受けて発光する発光体と、外部信号
に基づいて該素子へ印加する電圧を制御する駆動回路と
を具備し、該電子放出素子は上述の方法で製造される。
【0017】
【作用】本発明によれば、以上の方法によりフォトリソ
グラフィ技術を用いることなく微粒子膜(導電性薄膜)
を形成できるため、低コストでかつ容易に大面積に電子
放出素子を製造することができる。また、一対の素子電
極の交差部の凹部に液滴として注入することによって電
子放出部を形成するための微粒子膜パターンをセルフア
ライメント的に形成できるためアライメント精度も高い
ものを必要とせず、歩留りを向上させることができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。
【0019】図1は本発明の一実施例に係る垂直型表面
伝導型電子放出素子の基本的な構成を示す模式的平面図
およびそのA−A’断面図である。
【0020】図1において、1は基板、2,3は素子電
極として機能する配線、4は導電性薄膜、5は電子放出
部、6は絶縁膜、9は凹部である。
【0021】基板1としては、石英ガラス、Na等の不
純物含有量の少ないガラス、青板ガラス、SiO2 を表
面に形成したガラス基板およびアルミナ等のセラミック
ス基板等が用いられる。
【0022】素子電極2,3の材料としては一般的な導
電体が用いられ、例えばNi,Cr,Au,Mo,W,
Pt,Ti,Al,Cu,Pd等の金属あるいは合金、
Pd,Ag,Au,RuO2 ,Pd−Ag等の金属ある
いは金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、I
23 −SnO2 等の透明導電体、およびポリシリコ
ン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0023】素子電極間隔Lは、好ましくは数百Å〜数
百μmである。また、通電フォーミング時、素子電極間
に印加する電圧は低い方が望ましく、電子放出部5は位
置再現性良く作成することが要求されるため、より好ま
しい素子電極間隔は数μm〜数十μmである。導電性薄
膜4の幅W1は、電極の抵抗値、電子放出特性から数μ
m〜数百μmが好ましい。また素子電極2,3の膜厚d
1 ,d2 は、数百Å〜数μmが好ましい。
【0024】導電性薄膜4は良好な電子放出特性を得る
ために微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましい。そ
の膜厚は素子電極2,3へのステップカバレージ、素子
電極2,3間の抵抗値および後述する通電フォーミング
条件等によって、適宜設定されるが、好ましくは数Å〜
数千Åで、特に好ましくは10Å〜500Åである。そ
のシート抵抗値は103 〜107 Ω/□である。
【0025】また導電性薄膜4を構成する材料は、P
d,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,C
r,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、Pd
O,SnO2 ,In23 ,PbO,Sb23 等の酸
化物、HfB2 ,ZrB2 ,LaB6 ,CeB6 ,YB
4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,T
aC,SiC,WC等の炭化物、TiN,ZrN,Hf
N等の窒化物、Si,Ge等の半導体、およびカーボン
等があげられる。
【0026】なお、ここで述べる微粒子膜とは複数の微
粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子
が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに
隣接、あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を
さしており、微粒子の粒径は数Å〜数千Åであり、好ま
しくは10Å〜200Åである。
【0027】図2は本発明の製造方法、図3は本発明の
製造方法により作製される表面伝導型電子放出素子の一
例を示す図である。
【0028】図2および図3において、1は基板、2,
3は素子電極、4は導電性薄膜、5は電子放出部、6は
絶縁膜、7は液滴付与装置、8は液滴であり、9は上部
の素子電極2と絶縁層6を通して設けられた凹部であ
る。
【0029】液滴付与装置7としては、任意の液滴を形
成できる装置であればどのような装置でもかまわない
が、特に十数ngから数十ng程度の範囲で制御が可能
で、かつ数十ng程度以上の微少量の液滴が容易に形成
できるインクジェット方式の装置がよい。また、液滴の
材料としては、液滴が形成できる状態であればどのよう
な状態でもかまわないが、水、溶剤等に前述の金属等を
分散、溶解した溶液や、有機金属溶液等がある。
【0030】まず、絶縁性基板1を有機溶剤等で充分洗
浄し乾燥させた後、真空蒸着技術およびフォトリソグラ
フィ技術を用いて、絶縁膜6を介して交差する素子電極
2,3を形成し、さらに交差部内にその交差部上の素子
電極2および絶縁膜6にもう一方の素子電極3にまで到
達する凹部9を形成する(図2(a))。
【0031】次に上記基板の凹部9に液滴付与装置7を
用いて導電性薄膜4を形成する材料溶液の液滴8を注入
・付与した(図2(b))後、300℃から600℃の
温度で加熱処理し溶媒を蒸発させて導電性薄膜4を形成
する(図2(c))。
【0032】電子放出部5は導電性薄膜4の一部に形成
された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミング等により
形成される。また亀裂内には数Åから数百Åの粒径の導
電性微粒子を有することもある。この導電性微粒子は導
電性薄膜4を構成する物質の少なくとも一部の元素を含
んでいる。また電子放出部5およびその近傍の導電性薄
膜4は炭素あるいは炭素化合物を有することもある。
【0033】通電フォーミングは素子電極2,3間に不
図示の電源より通電を行ない、導電性薄膜4を局所的に
破壊、変形もしくは変質せしめ、構造を変化させた部位
を形成させるものである。この局所的に構造変化させた
部位を電子放出部5と呼ぶ(図2(d))。通電フォー
ミングの電圧波形の例を図4に示す。
【0034】電圧波形は特にパルス波形が好ましく、パ
ルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合
(図4(a))とパルス波高値を増加させながら、電圧
パルスを印加する場合(図4(b))とがある。まずパ
ルス波高値を一定電圧とした場合(図4(a))につい
て説明する。
【0035】図4(a)におけるT1およびT2は電圧
波形のパルス幅とパルス間隔であり、T1を1μ秒〜1
0m秒、T2を10μ秒〜100m秒とし、三角波の波
高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は表面伝導型
電子放出素子の形態に応じて適宜選択し、適当な真空
度、例えば10-5torr程度の真空雰囲気下で、数秒
から数十分印加する。なお、素子電極間に印加する波形
は三角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の
波形を用いても良い。
【0036】図4(b)におけるT1およびT2は、図
4(a)と同様であり、三角波の波高値(通電フォーミ
ング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度
づつ増加させ適当な真空雰囲気下で印加する。
【0037】なお、この場合の通電フォーミング処理は
パルス間隔T2中に、導電性薄膜4を局所的に破壊、変
形しない程度の電圧、例えば0.1V程度の電圧で素子
電流を測定して抵抗値を求め、その抵抗値が例えば1M
オーム以上の抵抗を示した時に通電フォーミング終了と
する。
【0038】次に通電フォーミングが終了した素子に活
性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化工程
とは、例えば10-4〜10-5torr程度の真空度で、
通電フォーミング同様、パルス波高値が一定の電圧パル
スを繰り返し印加する処理のことであり、真空中に存在
する有機物質に起因する炭素あるいは炭素化合物を導電
薄膜上に堆積させ素子電流If、放出電流Ieを著しく
変化させる処理である。活性化工程は素子電流Ifと放
出電流Ieを測定しながら、例えば放出電流Ieが飽和
した時点で終了する。また印加する電圧パルスは動作駆
動電圧(完成した電子放出素子を動作させるときの電
圧)で行なうことが好ましい。
【0039】なお、ここで炭素あるいは炭素化合物とは
グラファイト(単、多結晶双方を指す)、非晶質カーボ
ン(非晶質カーボンと多結晶グラファイトの混合物を指
す)であり、その膜厚は500Å以下が好ましく、より
好ましくは300Å以下である。
【0040】こうして作成した電子放出素子をフォーミ
ング工程および活性化処理工程における真空度よりも高
い真空度の雰囲気下に置いて動作駆動させるのが良い。
またさらに高い真空度の雰囲気下で、80℃〜150℃
の加熱後動作駆動させることが望ましい。
【0041】なお、フォーミング工程および活性化処理
工程における真空度より高い真空度とは、例えば約10
-6以上の真空度であり、より好ましくは超高真空系であ
り、新たに炭素あるいは炭素化合物が導電薄膜上にほと
んど堆積しない真空度である。こうすることによって素
子電流If、放出電流Ieを安定化させることが可能に
なる。
【0042】次に本発明の画像形成装置の製造方法につ
いて述べる。画像形成装置に用いられる電子源基板は複
数の表面伝導型電子放出素子を基板上に配列することに
より形成される。
【0043】表面伝導型電子放出素子の配列の方式には
表面伝導型電子放出素子を並列に配置し、個々の素子の
両端を配線で接続するはしご型配置(以下はしご型配置
電子源基板と呼ぶ)や、表面伝導型電子放出素子の一対
の素子電極にそれぞれX方向配線、Y方向配線を接続し
た単純マトリクス配置(以下マトリクス型配置電子源基
板と呼ぶ)が挙げられる。なお、はしご型配置電子源基
板を有する画像形成装置には電子放出素子からの電子の
飛翔を制御する電極である制御電極(グリッド電極)を
必要とする。図5は、図1の表面伝導型電子放出素子を
用いたマトリクス型配置電子源基板の一例を示す平面図
およびそのC−C’断面図である。
【0044】以下、本発明の電子源の構成について、図
6を用いて説明する。61は電子源基板、62はX方向
配線、63はY方向配線、64は表面伝導型電子放出素
子、65は結線である。
【0045】同図において電子源基板61に用いる基板
は前述したガラス基板等であり、用途に応じて形状が適
宜設定される。m本のX方向配線62は、DX1,DX
2,・・・・・・,DXmからなり、Y方向配線63はDY
1,DY2,・・・・・・,DYnのn本の配線よりなる。ま
た多数の表面伝導型素子にほぼ均等な電圧が供給される
ように材料、膜厚、配線幅が適宜設定される。これらm
本のX方向配線62とn本のY方向配線63間は不図示
の層間絶縁層により電気的に分離されてマトリックス配
線を構成する(m,nは共に正の整数)。
【0046】不図示の層間絶縁層はX方向配線62を形
成した基板61の全面あるいは一部の所望の領域に形成
される。X方向配線62とY方向配線63はそれぞれ外
部端子として引き出される。さらに表面伝導型放出素子
64がm本のX方向配線62とn本のY方向配線63と
結線65によって電気的に接続されている。
【0047】表面伝導型電子放出素子は基板あるいは不
図示の層間絶縁層上のどちらに形成してもよい。また、
詳しくは後述するが、前記X方向配線62にはX方向に
配列する表面伝導型放出素子64の行を入力信号に応じ
て走査するための走査信号を印加するための不図示の走
査信号発生手段と電気的に接続されている。
【0048】一方、Y方向配線63にはY方向に配列す
る表面伝導型放出素子64の列の各列を入力信号に応じ
て、変調するための変調信号を印加するための不図示の
変調信号発生手段と電気的に接続されている。さらに表
面伝導型電子放出素子の各素子に印加される駆動電圧は
当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧とし
て供給されるものである。上記構成において、単純なマ
トリクス配線だけで個別の素子を選択して独立に駆動可
能になる。
【0049】つぎに以上のようにして作成した単純マト
リクス配置の電子源を用いた画像形成装置について、図
7、図8および図9を用いて説明する。図7は画像形成
装置を構成する表示パネルの基本構成図であり、図8は
蛍光膜を示す。図9はNTSC方式のテレビ信号に応じ
て表示するための駆動回路のブロック図を示し、その駆
動回路を含む画像形成装置を表わす。
【0050】図7において61は電子放出素子を基板上
に作製した電子源基板、71は電子源基板61を固定し
たリアプレート、76はガラス基板73の内面に蛍光膜
74とメタルバック75等が形成されたフェースプレー
ト、72は支持枠であり、リアプレート71、支持枠7
2およびフェースプレート76をフリットガラス等を塗
布し、大気中あるいは窒素中で400〜500度で10
分以上焼成することで封着して外囲器78を構成する。
【0051】図7において5は図1における電子放出部
に相当する。62,63は表面伝導型電子放出素子の一
対の素子電極に接続されたX方向配線およびY方向配線
である。
【0052】外囲器78は、上述の如くフェースプレー
ト76、支持枠72、リアプレート71で構成したが、
リアプレート71は主に電子源基板61の強度を補強す
る目的で設けられるため、電子源基板61自体で十分な
強度を持つ場合は別体のリアプレート71は不要であ
り、電子源基板61に直接支持枠72を封着し、フェー
スプレート76、支持枠72、電子源基板61にて外囲
器78を構成しても良い。またさらにはフェースプレー
ト76、リアプレート71間に、スペーサーとよばれる
耐大気圧支持部材を設置することで大気圧に対して十分
な強度をもつ外囲器78にすることもできる。
【0053】図8中、82は蛍光体である。螢光膜74
(図7)は、モノクロームの場合は蛍光体82のみから
なるが、カラーの蛍光膜の場合は蛍光体82の配列によ
ってはブラックストライプあるいはブラックマトリクス
などと呼ばれる黒色導電材81と蛍光体82とで構成さ
れる。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設け
られる目的はカラー表示の場合、必要となる三原色蛍光
体の各蛍光体82間の塗り分け部を黒くすることで混色
等を目立たなくすることと蛍光膜74における外光反射
によるコントラストの低下を抑制することである。ブラ
ックストライプの材料としては、通常良く用いられてい
る黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性がある
が、光の透過および反射が少ない材料であればこれに限
るものではない。ガラス基板73に蛍光体を塗布する方
法はモノクローム、カラーによらず沈澱法や印刷法が用
いられる。
【0054】また蛍光膜74(図7)の内面側には通常
メタルバック75(図7)が設けられる。メタルバック
の目的は蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプ
レート76側へ鏡面反射することにより輝度を向上する
こと、電子ビーム加速電圧を印加するための電極として
作用すること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によ
るダメージからの蛍光体の保護等である。メタルバック
は蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通
常フィルミングと呼ばれる)を行ない、その後A1を真
空蒸着等で堆積することで作製できる。フェースプレー
ト76には、さらに蛍光膜74の導電性を高めるため蛍
光膜74の外面側に透明電極(不図示)を設けてもよ
い。前述の封着を行なう際、カラーの場合は各色蛍光体
と電子放出素子とを対応させなくてはならず十分な位置
合わせを行なう必要がある。
【0055】外囲器78は不図示の排気管を通じ、10
-7torr程度の真空度にされ、封止が行なわれる。ま
た外囲器78の封止後の真空度を維持するためにゲッタ
ー処理を行なう場合もある。これは外囲器78の封止を
行なう直前あるいは封止後に抵抗加熱あるいは高周波加
熱等の加熱法により、外囲器78内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該
蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5torrな
いし1×10-7torrの真空度を維持するものであ
る。なお、表面伝導型電子放出素子のフォーミング以降
の工程は適宜設定される。
【0056】次に、単純マトリクス配置型基板を有する
電子源を用いて構成した画像形成装置に、NTSC方式
のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行なうための
駆動回路の概略構成を図9のブロック図を用いて説明す
る。91は前記表示パネルであり、また92は走査回
路、93は制御回路、94はシフトレジスタ、95はラ
インメモリ、96は同期信号分離回路、97は変調信号
発生器、VxおよびVaは直流電圧源である。
【0057】以下、各部の機能を説明する。まず表示パ
ネル91は、端子Dox1ないしDoxmおよび端子D
oy1ないしDoynおよび高圧端子Hvを介して外部
の電気回路と接続している。このうち端子Dox1ない
しDoxmには前記表示パネル内に設けられている電子
源、すなわちm行n列の行列状にマトリクス配線された
表面伝導型電子放出素子群を一行(n素子)ずつ順次駆
動してゆくための走査信号が印加される。
【0058】一方、端子Dy1ないしDynには前記走
査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子
の各素子の出力電子ビームを制御するための変調信号が
印加される。また高圧端子Hvには直流電圧源Vaよ
り、例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、こ
れは表面伝導型電子放出素子より出力される電子ビーム
に蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与するた
めの加速電圧である。
【0059】次に走査回路92について説明する。同回
路は内部にm個のスイッチング素子を備えるもので(図
中、S1ないしSmで模式的に示している)、各スイッ
チング素子は直流電圧源Vxの出力電圧もしくは0
[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、そ
れを表示パネル91の端子Dx1ないしDxmと電気的
に接続するものである。S1ないしSmの各スイッチン
グ素子は制御回路93が出力する制御信号Tscanに
基づいて動作するものであり、実際には例えばFETの
ようなスイッチング素子を組み合わせることにより構成
することが可能である。
【0060】なお、前記直流電圧源Vxは前記表面伝導
型電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づ
き走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放
出しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよ
う設定されている。
【0061】制御回路93は外部より入力する画像信号
に基づいて適切な表示が行なわれるように各部の動作を
整合させる働きをもつものである。次に説明する同期信
号分離回路96より送られる同期信号Tsyncに基づ
いて各部に対してTscan、TsftおよびTmry
の各制御信号を発生する。
【0062】同期信号分離回路96は外部から入力され
るNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と輝度信
号成分とを分離するための回路で周波数分離(フィルタ
ー)回路を用いれば構成できるものである。同期信号分
離回路96により分離された同期信号は良く知られるよ
うに垂直同期信号と水平同期信号よりなるが、ここでは
説明の便宜上Tsync信号として図示した。一方、前
記テレビ信号から分離された画像の輝度信号成分を便宜
上DATA信号と表わすが同信号はシフトレジスタ94
に入力される。
【0063】シフトレジスタ94は時系列的にシリアル
に入力される前記DATA信号を画像の1ライン毎にシ
リアル/パラレル変換するためのもので前記制御回路9
3より送られる制御信号Tsftに基づいて動作する
(すなわち制御信号Tsftは、シフトレジスタ94の
シフトクロックであると言い換えても良い)。シリアル
/パラレル変換された画像1ライン分(電子放出素子n
素子分の駆動データに相当する)のデータはId1ない
しIdnのn個の並列信号として前記シフトレジスタ9
4より出力される。
【0064】ラインメモリ95は画像1ライン分のデー
タを必要時間の間だけ記憶するための記憶装置であり、
制御回路93より送られる制御信号Tmryにしたがっ
て適宜Id1ないしIdnの内容を記憶する。記憶され
た内容はId1ないしIdnとして出力され変調信号発
生器97に入力される。
【0065】変調信号発生器97は前記画像データId
1ないしIdnの各々に応じて表面伝導型電子放出素子
の各々を適切に駆動変調するための信号源で、その出力
信号は端子Doy1ないしDoynを通じて表示パネル
91内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
【0066】前述したように本発明に関わる電子放出素
子は放出電流Ieに対して以下の基本特性を有してい
る。すなわち前述したように電子放出には明確なしきい
値電圧Vthがあり、Vth以上の電圧を印加された時
のみ電子放出が生じる。
【0067】また電子放出しきい値以上の電圧に対して
は素子への印加電圧の変化に応じて放出電流も変化して
ゆく。なお、電子放出素子の材料や構成、製造方法を変
えることにより電子放出しきい値電圧Vthの値や印加
電圧に対する放出電流の変化の度合が変わる場合もある
が、いずれにしても以下のようなことがいえる。
【0068】すなわち、本素子にパルス状の電圧を印加
する場合、例えば電子放出閾値以下の電圧を印加しても
電子放出は生じないが電子放出閾値以上の電圧を印加す
る場合には電子ビームが出力される。その際、第一には
パルスの波高値Vmを変化させることにより出力電子ビ
ームの強度を制御することが可能である。第二には、パ
ルスの幅Pwを変化させることにより出力される電子ビ
ームの電荷の総量を制御することが可能である。したが
って、入力信号に応じて電子放出素子を変調する方式と
しては、電圧変調方式よびパルス幅変調方式等があげら
れ、電圧変調方式を実施するには変調信号発生器97と
して一定の長さの電圧パルスを発生するが入力されるデ
ータに応じて適宜パルスの波高値を変調するような電圧
変調方式の回路を用いる。またパルス幅変調方式を実施
するには変調信号発生器97として、一定の波高値の電
圧パルスを発生するが入力されるデータに応じて適宜電
圧パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路
を用いるものである。
【0069】以上に説明した一連の動作により本発明の
画像表示装置は表示パネル91を用いてテレビジョンの
表示を行なうことができる。なお、上記説明中特に記載
しなかったがシフトレジスタ94やラインメモリ95は
デジタル信号式のものでもアナログ信号式のものでも差
し支えなく、要は画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれればよい。
【0070】デジタル信号式を用いる場合には同期信号
分離回路96の出力信号DATAをデジタル信号化する
必要があるが、これは96の出力部にA/D変換器を備
えれば可能である。また、これと関連してラインメモリ
95の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かによ
り、変調信号発生器97に用いられる回路が若干異なっ
たものとなる。
【0071】まずデジタル信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては変調信号発生器97には、例え
ばよく知られるD/A変換回路を用い、必要に応じて増
幅回路などを付け加えればよい。またパルス幅変調方式
の場合、変調信号発生器97は、例えば高速の発振器お
よび発振器の出力する波数を計数する計数器(カウン
タ)および計数器の出力値と前記メモリの出力値を比較
する比較器(コンパレータ)を組み合せた回路を用いる
ことにより構成できる。必要に応じて比較器の出力する
パルス幅変調された変調信号を表面伝導型電子放出素子
の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅器を付け加え
てもよい。
【0072】次にアナログ信号の場合について述べる。
電圧変調方式においては変調信号発生器97には、例え
ばよく知られるオペアンプなどを用いた増幅回路を用い
ればよく、必要に応じてレベルシフト回路などを付け加
えてもよい。またパルス幅変調方式の場合には例えばよ
く知られた電圧制御型発振回路(VCO)を用いればよ
く、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付け加えてもよい。
【0073】以上のように完成した画像表示装置におい
て、各電子放出素子に、容器外端子Dox1ないしDo
xm,Doy1ないしDoynを通じて、電圧を印加す
ることにより電子放出させ、高圧端子Hvを通じて、メ
タルバック75あるいは透明電極(不図示)に高圧を印
加し、電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させ、励
起・発光させることで画像を表示することができる。
【0074】以上述べた構成は、表示等に用いられる好
適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であ
り、例えば各部材の材料等、詳細な部分は上述内容に限
られるものではなく、画像形成装置の用途に適するよう
適宜選択する。また、入力信号例として、NTSC方式
をあげたが、これに限るものでなく、PAL、SECA
M方式などの諸方式でもよく、また、これよりも、多数
の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方式をは
じめとする高品位TV)方式でもよい。
【0075】次に、前述のはしご型配置電子源基板およ
びそれを用いた画像表示装置について図10および図1
1により説明する。図10において、101は電子源基
板、102は電子放出素子、103のDx1〜Dx10
は前記電子放出素子に接続する共通配線である。電子放
出素子102は、基板101上にX方向に並列に複数個
配置される(これを素子行と呼ぶ)。この素子行を複数
個基板上に配置したものが、はしご型電子源基板であ
る。各素子行の共通配線間に適宜駆動電圧を印加するこ
とで、各素子行を独立に駆動することが可能になる。す
なわち、電子ビームを放出させる素子行には、電子放出
しきい値以上の電圧を、電子ビームを放出させない素子
行には電子放出しきい値以下の電圧を印加すればよい。
また、各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9を、Dx2
とDx3、Dx4とDx5のように互いに隣接する配線
同士を一本に接続して、同一配線とするようにしても良
い。
【0076】図11は、はしご型配置の電子源を備えた
画像形成装置の構造を示すための図である。111はグ
リッド電極、112は電子が通過するため空孔、113
はDox1,Dox2・・・・・・Doxmよりなる容器外端
子、114はグリッド電極111と接続されたG1,G
2,・・・・・・Gnからなる容器外端子、115は前述のよ
うに各素子行間の共通配線を同一配線とした電子源基板
である。なお、図7または図10と同一の符号は同一の
部材を示す。前述の単純マトリクス配置の画像形成装置
(図7)との違いは、電子源基板101とフェースプレ
ート76の間にグリッド電極111を備えていることで
ある。
【0077】グリッド電極111は、表面伝導型放出素
子から放出された電子ビームを変調するためのものであ
り、はしご型配置の素子行と直行して設けられたストラ
イプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素子に
対応して1個ずつ円形の開口112が設けられている。
グリッドの形状や設置位置は図11に示したものに限定
されるものではない。例えば、開口としてメッシュ状に
多数の通過口を設けることもでき、グリッドを表面伝導
型放出素子の周囲や近傍に設けることもできる。容器外
端子113およびグリッド容器外端子114は、不図示
の制御回路と電気的に接続されている。
【0078】本例の画像形成装置では、素子行を1列ず
つ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
【0079】作製例1 マトリクス状に配線および素子電極を前述したような方
法で形成した基板を用い、多数の表面伝導型電子放出素
子を有する電子源基板を作製した。図2はその製造方法
を示す図である。図3(a)は本実施例によって作製し
た表面伝導型電子放出素子1個の平面図、図3(b)は
図3(a)のB−B′断面図である。
【0080】(1)絶縁基板1として石英基板を用い、
これを有機溶剤等により充分に洗浄後、120℃で乾燥
させた。
【0081】(2)該基板1上に真空成膜技術およびフ
ォトリソグラフィ技術を用いてNiからなる電極2,3
と絶縁膜6を形成し、さらにフォトリソグラフィ技術と
エッチング技術を用いて素子電極2,3の交差部の素子
電極2と絶縁膜6に交差部の下部の素子電極3まで到達
する凹部9を形成した。このとき素子電極2,3の厚さ
1 ,d2 は1000Å、絶縁膜6の厚さLは2000
Å、凹部9は一辺100μm(一辺100μmの正方
形)、外周W1を400μmとした(図2(a))。
【0082】(3)次に凹部9に、有機パラジウム含有
溶液(奥野製薬(株)製CCP4230)の液滴を1つ
(1ドット)付与した(図2(b))。液滴付与装置7
としては圧電素子を用いたインクジェット噴射装置7を
用い、1つの液滴量は60μm3 に制御した。
【0083】(4)次に300℃で10分間の加熱処理
をして酸化パラジウム(PdO)微粒子からなる微粒子
膜を形成し薄膜4とした(図2(c))。
【0084】(5)次に電極2,3の間に電圧を印加
し、薄膜4を通電処理(フォーミング処理)することに
より、電子放出部5を形成した(図2(d))。
【0085】こうして作製された電子源基板を用いて、
図7に示すようにフェースプレート76、支持枠72、
リアプレート71とで外囲器78を形成し、封止を行な
って表示パネル、さらには図9に示すようなNTSC方
式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行なうため
の駆動回路を有する画像形成装置を作製した。
【0086】本実施例の製造方法により以上の如く作成
した電子放出素子はなんら問題のない良好な特性を示し
たばかりか、液滴を付与し、薄膜4を形成することによ
り薄膜4のパターン形成を省略でき、また、液滴は凹部
9内にセルフアライメント的に注入されることから高精
度のアライメントを必要とせず容易に形成できた。
【0087】作製例2 凹部9の外周W1を600μm(1辺150μm)、絶
縁膜6の厚さLを2μm、素子電極d1 、d2 の厚さ1
000Åに形成したはしご状に配線された素子電極を有
する基板(図10)を用い、作製例1と同様な方法で表
面伝導型電子放出素子を多数有する電子源基板を作成し
た。得られた電子源基板を用いて、作製例1と同様な方
法で図7のようなフェースプレート76、支持枠72、
リアプレート71とで外囲器78を形成し、封止を行な
い表示パネルを作成し、さらには図9に示すようなNT
SC方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行な
うための駆動回路を有する画像形成装置を作製した。作
製例1と同様な効果を得ることができた。
【0088】作製例3 マトリクス状に配線され、前述した方法で形成した基板
(図6)を用い、熱的エネルギーの付与により気泡を発
生させ液滴を吐出させる方式のインクジェット装置を用
いて、作製例1と同様に多数の表面伝導型電子放出素子
を有する電子源基板を作製した。得られた電子源基板を
用いて、作製例1と同様な方法でフェースプレート7
6、支持枠72、リアプレート71とで外囲器78を形
成し、封止を行ない表示パネル、さらには図9に示すよ
うなNTSC方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表
示を行なうための駆動回路を有する画像形成装置を作製
した。作製例1と同様な効果を得ることができた。
【0089】作製例4 はしご状に配線され、素子電極を前述したような方法で
形成した基板(図10)を用い、作製例3と同様の熱的
エネルギーの付与により気泡を発生させ液滴を吐出させ
る方式のインクジェット装置を用い、作製例3と同様に
表面伝導型電子放出素子多数を有する電子源基板を作製
した。得られた電子源基板を用いて、作製例3と同様な
方法でフェースプレート76、支持枠72、リアプレー
ト71とで外囲器78を形成し、封止を行ない表示パネ
ル、さらにはNTSC方式のテレビ信号に基づきテレビ
ジョン表示を行なうための駆動回路を有する画像形成装
置を作製した。作製例3と同様な効果を得ることができ
た。
【0090】作製例5 図1の表面伝導型電子放出素子をX、Y方向にそれぞれ
複数個並べ素子電極がマトリクス状に配線された電子源
基板を作製した。得られた電子源基板は、図5に示され
る形状であった。
【0091】本作製例は作製例1の(2)の工程におけ
る素子電極2、3がX方向配線15、Y方向配線16を
兼ねていること以外は作製例1と全く同じ製造工程で作
製したものである。
【0092】得られた電子源基板を用いて、作製例1と
同様な方法でフェースプレート76、支持枠72、リア
プレート71とで外囲器78を形成し、封止を行ない表
示パネル、さらには図9に示すようなNTSC方式のテ
レビ信号に基づきテレビジョン表示を行なうための駆動
回路を有する画像形成装置を作製した。本作製例の装置
は、素子電極が配線を兼ねているため作製例1のものよ
り、さらに工程を短縮することができた。また、素子電
極が配線を兼ねた容易な構成であるにもかかわらず電子
放出素子や画像形成装置の特性は作製例1と同様であっ
た。
【0093】作製例6 本作製例の電子源基板は、導電製薄膜形成用の材料溶液
として酢酸Pdを水に0.05wt%含有した溶液を用
いた以外は作製例1と同様に作成した。
【0094】得られた電子源基板を用いて、作製例1と
同様な方法でフェースプレート76、支持枠72、リア
プレート71とで外囲器78を形成し、封止を行ない表
示パネル、さらには図9に示すようなNTSC方式のテ
レビ信号に基づきテレビジョン表示を行なうための駆動
回路を有する画像形成装置を作製した。その結果、材料
溶液中の含有成分の違いにもかかわらず、作製例1と同
様な効果を得た。
【0095】作製例7 本作製例の電子源基板は、液滴量を30μm3 とし、液
滴を2つ(2ドット)付与した以外は作製例1と同様に
作成した。
【0096】得られた電子源基板を用いて、作製例1と
同様な方法でフェースプレート76、支持枠72、リア
プレート71とで外囲器78を形成し、封止を行ない表
示パネル、さらにはNTSC方式のテレビ信号に基づき
テレビジョン表示を行なうための駆動回路を有する画像
形成装置を作製した。その結果、作製例1と同様な効果
が得られた。即ち、本発明の製造方法によれば所望の液
滴数を付与することにより、所望の薄膜が得られること
がわかった。
【0097】作製例8 本作製例は、液滴量を200μm3 とした以外は作製例
1と同様に作成した。得られた電子源基板を用いて、作
製例1と同様な方法でフェースプレート76、支持枠7
2、リアプレート71とで外囲器78を形成し、封止を
行ない表示パネル、さらには図9に示すようなNTSC
方式のテレビ信号に基づきテレビジョン表示を行なうた
めの駆動回路を有する画像形成装置を作製した。また本
作製例では、凹部9より液があふれでた(不図示)が、
電子放出素子の電子放出特性には問題のないことがわか
った。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
凹部に電子放出部を有する微粒子膜の材料を含む溶液を
液滴の形態で付与することからセルアライメントで所定
の位置に所望の量を付与することができ、アライメント
を必要とせず歩留まりを向上できる。
【0099】また、インクジェット方法により液滴を付
与する場合は、十数ng程度から数μg程度の範囲で制
御された数十ng程度以上の微小量の液滴を付与できる
効果がある。
【0100】さらに本発明の電子源基板および画像形成
装置の製造方法において素子電極が配線を兼ねる構成に
おいては、上記効果に加えてより製造工程を低減するこ
とができ歩留まりも向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る表面伝導型電子放出
素子の基本的な構成を示す模式的平面図および断面図で
ある。
【図2】 図1の表面伝導型電子放出素子の製造方法を
示す模式的断面図である。
【図3】 本発明の他の実施例に係る表面伝導型電子放
出素子の模式的平面図および断面図である。
【図4】 本発明の通電フォーミングの電圧波形の一例
を表わすグラフである。
【図5】 図1の表面伝導型電子放出素子を配列してな
るマトリクス型配置電子源基板の模式的平面図および断
面図である。
【図6】 単純マトリクス配置の電子源を表わす模式図
である。
【図7】 単純マトリクス配置の電子源を用いた画像形
成装置の概略構成図である。
【図8】 蛍光膜のパターン図である。
【図9】 NTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行
なうための駆動回路のブロック図である。
【図10】 梯子型配置の電子源基板を表わす模式図で
ある。
【図11】 画像形成装置の概略構成図である。
【図12】 従来の電子放出素子を示す模式的平面図で
ある。
【図13】 従来の他の電子放出素子を示す模式的斜視
図である。
【符号の説明】
1:基板、2,3:素子電極、4:導電性薄膜、5:電
子放出部、6:絶縁膜(絶縁層)、7:液滴付与装置、
8:液滴、9:凹部、61:電子源基板、62:X方向
配線、63:Y方向配線、64:表面伝導型電子放出素
子、65:結線、71:リアプレート、72:支持枠、
73:ガラス基板、74:蛍光膜、75:メタルバッ
ク、76:フェースプレート、77:高圧端子、78:
外囲器、81:黒色導電材、82:蛍光体、91:表示
パネル、92:走査回路、93:制御回路、94:シフ
トレジスタ、95:ラインメモリ、96:同期信号分離
回路、97:変調信号発生器、Vx,Va:直流電圧
源、101:電子放出素子、102(Dx1〜Dx1
0):電子放出素子を配線するための共通配線、11
1:グリッド電極、112:電子が通過するための空
孔、113(Dox1,Dox2,・・・・・・,Dox
m):容器外端子、114(G1,G2,・・・・・・,G
n):グリッド電極111と接続された容器外端子。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の素子電極間を連絡する導電性薄膜
    の一部に電子放出部を形成された電子放出素子を製造す
    る方法において、 絶縁性基板上に絶縁層を介して互いに交差する一対の素
    子電極を形成し、 該交差部において該交差部上側の素子電極および前記絶
    縁層に該交差部下側の素子電極まで到達する凹部を形成
    し、 該凹部内に導電膜形成材料を含む溶液を液滴の状態で付
    与することにより、前記導電性薄膜を形成することを特
    徴とする電子放出素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記導電性薄膜の膜厚を、前記液滴の量
    および/または数によって制御することを特徴とする請
    求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記液滴を、インクジェット方式で付与
    することを特徴とする請求項1または2記載の電子放出
    素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記インクジェット方式が熱的エネルギ
    ーの付与により気泡を発生させ液滴を吐出させる方式で
    あることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 絶縁基板上に複数の電子放出素子を配列
    され、該電子放出素子間の配線および該素子への電圧印
    加用端子を形成された電子源基板を製造する方法におい
    て、前記電子放出素子を、請求項1〜5のいずれかに記
    載の方法で製造することを特徴とする、電子源基板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記の素子電極を形成する際、一方を前
    記絶縁基板上に連続的に接続して列方向配線とし、他方
    を前記絶縁層を介して交差させ、連続的に接続して行方
    向配線とすることを特徴とする請求項5記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 電子源としての電子放出素子と、該素子
    への電圧印加端子と、該素子から放出される電子を受け
    て発光する発光体と、外部信号に基づいて該素子へ印加
    する電圧を制御する駆動回路とを具備する画像形成装置
    の製造方法であって、該電子放出素子を請求項1〜5の
    いずれかに記載の方法で製造することを特徴とする画像
    形成装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 絶縁基板上に形成された第1の素子電極
    と、該第1の素子電極と絶縁層を介して交差する第2の
    素子電極であって、該第1の素子電極と第2の素子電極
    との交差部に前記第2の素子電極および絶縁層を通って
    前記第1の素子電極まで達する凹部を有するものと、該
    凹部に形成されて前記第1の素子電極と第2の素子電極
    とを電気的に接続するた微粒子導電膜と、該微粒子導電
    膜の局所的な破壊、変形もしくは変質部分からなる電子
    放出部とを具備することを特徴とする電子放出素子。
JP4409596A 1996-02-07 1996-02-07 電子放出素子、電子源基板および画像形成装置の製造方法 Pending JPH09219149A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100791327B1 (ko) * 2005-04-15 2008-01-03 삼성전자주식회사 게이트 조절 전자 방출 소자 어레이 패널, 이를 구비하는액티브 매트릭스 디스플레이 및 이의 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100791327B1 (ko) * 2005-04-15 2008-01-03 삼성전자주식회사 게이트 조절 전자 방출 소자 어레이 패널, 이를 구비하는액티브 매트릭스 디스플레이 및 이의 제조 방법

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