JPH09218944A - 拡大・縮小画像処理方法 - Google Patents

拡大・縮小画像処理方法

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JPH09218944A
JPH09218944A JP8045643A JP4564396A JPH09218944A JP H09218944 A JPH09218944 A JP H09218944A JP 8045643 A JP8045643 A JP 8045643A JP 4564396 A JP4564396 A JP 4564396A JP H09218944 A JPH09218944 A JP H09218944A
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frequency
digital
filter
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JP8045643A
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Takashi Miura
高志 三浦
Satoshi Murakami
聡 村上
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Hudson Soft Co Ltd
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Hudson Soft Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 視覚特性を考慮したシンプルな方法でデジタ
ル画像を縮小、拡大する。 【解決手段】 デジタル画像データをデジタルローパス
フィルタを介して画像処理する方法において、前記デジ
タルローパスフィルタのカット周波数fdが元の画像デ
ータに含まれる最高の周波数成分の周波数fmとfd=k
m (0<k<1)なる関係があるとき、拡大倍率の逆数がk
である周波数特性のデジタルローパスフィルタで画像デ
ータを変換して(1/k)倍の拡大・縮小された画像デ
ータを生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンピュータにおけ
る画像処理方法に関する。詳しくはゲーム、CG、ポリ
ゴンチップ、画像処理ソフト等の画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】アナログ画像データはA/D変換器(ア
ナログ/デジタル変換器)を通してデジタルデータに
し、コンピュータで処理する。一方、デジタルデータを
テレビなどの表示装置に映し出すには、D/A変換器
(デジタル/アナログ変換器)を通して再度電気的なア
ナログデータに変換する。図1はアナログ映像をデジタ
ル化(A/D変換)し、コンピュータ処理したのち再び
アナログ化(D/A変換)して画像出力する一連の流れ
を図式化したものである。
【0003】図1の中の標本化(サンプリング)は、あ
る周期でパルスを発生させて入力信号を時間方向で離散
信号に変換することであり、量子化は振幅方向で離散信
号に変換することである。図2は、この標本化操作を図
で表したものである。標本化信号y(t)は、 y(t)=Σx(t)δ(t−nT) で表せる。
【0004】ここでTは一定周期、Σは時間tをマイナ
ス無限大からプラス無限大までの総和、x(t)は入力
信号のアナログデータである。通常、x(t)は電圧の
時間に対するアナログ信号である。また、δはデルタ関
数すなわち、 δ(t−nT)=1 (t=nT時) =0 (t≠nT時) となる特殊関数である。
【0005】信号x(t)が帯域幅W(ラジアン/秒)
の有限帯域信号であるとき、 T=π/W f=W/2π となる。このfが最高周波数である。
【0006】図3は等間隔に並べられた白黒の縦縞の模
様とアナログ信号の関係をイメージ的に示した図であ
る。(2)は(1)の倍の間隔になっているために、画
像信号の波長も2倍になっている。(1)は模様の変化
が急であり、(2)は滑らかである。したがって、画像
の変化が急な場合にはサンプリング周波数を高く、滑ら
かな場合は低くてもよいことがわかる。サンプリングに
関しては本発明が直接的に関与するところではないの
で、次に画像の拡大、縮小について説明する。
【0007】図3の(1)から(2)に変換する場合が
拡大(2倍)であり、(2)から(1)に変換する場合
が縮小(1/2倍)である。画像の拡大、縮小に関して
は様々な方法が採られてきた。しかしコンピュータ処理
における画像の拡大、縮小は直線補間やスプライン補間
といった、補間法がほとんどである。
【0008】たとえば特開平4-326183では以下のように
拡大、縮小を行っている。まず連続平面上の第1の画像
(原画像)をX、Yの2方向にサンプリングし、離散化
された画像すなわち第1の離散画像を生成する。この離
散画像に0の標本を挿入、すなわちオーバーサンプリン
グして、X、Yの2方向の標本間隔がそれぞれX/
1、Y/L1の等間隔な標本化を行い、第2の離散画像
を生成する。この離散画像にデジタルローパスフィルタ
(以下、ローパスフィルタを“LPF”と記述)をかけ
て第1の離散画像を補間して第3の離散画像を生成す
る。
【0009】さらに第3の離散画像の標本を2方向に
“L2−1”標本おきに取り出し、すなわちダウンサン
プリングして第4の離散画像を生成する。この第4の離
散画像の2方向の標本間隔をL1/L2倍とするデジタル
アナログ変換して連続平面上の第2の画像を生成する。
第2の画像に含まれる高次の周波数成分をアナログLP
Fをかけて取り除き、拡大縮小に伴う特性劣化を補正す
る。これによって、元の画像(第1の画像)がL1/L2
倍される。以上の内容をまとめたものが図4である。
【0010】上記の方法における問題点は、ダウンサン
プリングを行うときに単純な間引きを行っているため
に、ここでエイリアスが生じていることである。このた
め、これを削除するためにアナログLPFが不可欠なも
のとなっている。しかし急峻な減衰特性のアナログLP
Fを得ることが困難なために、デジタルフィルタで補正
している。
【0011】拡大、縮小、回転等の画像処理には画質の
劣化を伴う。サンプリングの定理に基づいてサンプリン
グ周波数fsを定めるが、fs/2以下の周波数成分をも
つ信号成分では、図5の斜線部分で示すような折り返し
成分が生じ、画質の劣化の元になっている。この画質劣
化を防ぐために、折り返し成分を除去(カットオフ)す
るために様々なLPFが使われている。LPFのカット
オフ周波数は 2/(サブサンプリング間隔)・fs/2 となる。
【0012】そこで従来は、図6で示すように縮小率に
応じたカットオフ周波数を有するアナログLPFを複数
個用意し、縮小率に応じたアナログLPFをスイッチ回
路で選択し、選択した出力信号をA/D変換したのち、
サブサンプリング処理を施していた。
【0013】アナログLPFを複数個用意することはコ
スト面に問題があり、またカットオフ周波数を可変にす
るアナログLPFは簡単に得られない。このような理由
から、特開平7-73302では縮小時にデジタルフィルタを
用いてカット周波数を変化させている。すなわちデジタ
ルフィルタの伝達関数を以下の数式で表し、係数aを変
えることによりカットオフ周波数を変化させている。
【0014】
【数1】
【0015】またこの特開平7-73302の実施例では、縮
小とは別手法で拡大を扱っている。すなわち、元の画素
データの間に補間によって新たな画像データを配置し、
元の画像を拡大している。このとき拡大に伴う周波数特
性の劣化を補うためにデジタル強調部を設け、周波数特
性の劣化を補償するデジタルフィルタを用意している。
このときの出力信号Pは以下の数2のように表される。
【0016】
【数2】
【0017】ここでkx、ky、kzは適当な値を設定
することによってフィルタ特性を変化させるために導入
された係数である。以上の一連の画像処理を行うシステ
ム構成が図7である。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、コンピ
ュータ処理における拡大、縮小は直線補間法やスプライ
ン補間法を用いてきた。これらの補間法はデータの変化
を滑らかに表現できるという長所がある反面、人間の目
で見て必ずしも自然な結果が得られるとは限らないとい
う短所がある。
【0019】たとえば図3で示したような縞模様は、そ
れを何倍に拡大してもやはり明確な縞もようでなければ
ならない。ところが補間法では、状態の変化が滑らかに
なるために白と黒の境がぼやけた状態になる。そこで見
た目に自然な状態にするために、データ変化後に人間が
手作業で修正していた。また拡大や縮小に伴う画質の劣
化を防ぐために、様々なアナログLPFが用いられてき
た。
【0020】上記の問題点を解決するために開発された
手法が、特開平7-73302に提唱されている。しかしこの
例では縮小時と拡大時ではその方法が異なっており、ま
たフィルタで使用する係数の決定法が煩雑になってい
る。たとえば従来技術に挙げた(1)式の係数aは複雑
な演算かテーブル形式で求める必要があり、また拡大時
の強調処理で使われる(2)式の係数kx、ky、kz
を適当に調整しながら選ぶ必要がある。
【0021】従来の補間による拡大、縮小は視覚特性を
考慮しない方法であったために、人間の目で見て必ずし
も自然な結果が得られるとは限らなかった。また特開平
7-73302の場合には、拡大と縮小で別々な処理を施して
おり、なおかつ係数の決定が複雑なために、プログラム
的に見て複雑で大きなメモリを必要としている。そこで
本発明の課題としては、もっとシンプルな形態で縮小、
拡大が自動的に行える手法を開発することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、デジタル画像データをデジタルローパスフ
ィルタを介して画像処理する際に、このデジタルローパ
スフィルタのカット周波数を拡大率に応じた値に変更し
て、拡大・縮小された画像データを生成するものであ
る。
【0023】さらに詳細には、デジタル画像データをデ
ジタルローパスフィルタを介して画像処理する方法にお
いて、デジタルローパスフィルタのカット周波数fd
元の画像データに含まれる最高の周波数成分の周波数f
mと fd=kfm (0<k<1) なる関係があるとき、拡大倍率の逆数がkである周波数
特性のデジタルローパスフィルタで画像データを変換し
て(1/k)倍の拡大・縮小された画像データを生成す
るものである。
【0024】人間が小さな物体を識別しようとすると
き、ある限界以下の物体は一つの塊としてしか認識でき
ない。最終的には、識別可能な最小の物体の大きさは、
物体の輪郭と目を結んだ線の角度の最小値によって知る
ことができる。図8からもわかるように、最小の視野角
に対して近くの物体と遠くの物体とではその大きさが異
なる。このことはすなわち、遠くを見ているときには広
い面積全体を小さな点として認識していることになる。
【0025】コンピュータで利用する画像データは、あ
るサンプリング周波数fsに基づいて取得された映像デ
ータの集まりと考えることができる。この画像データは
サンプリング理論によるとサンプリング周波数fsの半
分までの周波数成分fm(=fs/2)をもっていること
になる。そして、このときに人間の目で認識可能な最小
の物体の大きさは、表示された画像における1ドットの
大きさであることになる。画像データに含まれる最高周
波数成分がfm/2に変化したとすると、人間の目で認
識可能な最小物体の大きさは表示された画像における2
ドットの大きさに変化する。
【0026】以上のことから、1ドット単位ではなく、
2ドット単位で識別可能な場合の画像に変換すれば、2
倍に拡大された画像が生成できることになる。図9はこ
の考え方に基づいて2倍に画像を拡大する場合の説明図
である。図9の(A)は、元の画像の画素(白丸)の配
置図である。(B)は、2倍に拡大する場合に新たに挿
入される画素の場所(黒丸)を示した図である。(C)
は、2倍に拡大処理をしたときの画像を示している。す
なわち(C)の図は、(B)における黒丸の位置に適切
な画素データが挿入されたことを示している。
【0027】逆に、元の画像を縮小する場合には、1ド
ット単位でなく、2ドット単位で識別可能な場合の画像
に変換すれば、2分の1倍に縮小した画像を生成できる
ことになる。図10はこの考え方に基づいて半分に画像
を縮小する場合の説明図である。図10の(A)は、元
の画像の画素(白丸)の配置図である。(B)は、半分
に縮小する場合に間引きされる画素の場所(黒丸)を示
した図である。(C)は、半分に縮小処理をしたときの
画像を示している。すなわち(C)の図は、(B)にお
ける黒丸が間引かれた結果、生成された新たな画素デー
タを示している。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の態様について説明
する。もっとも単純な例として、図3で示した白黒の縦
縞を考えてみよう。話を簡単にするために2階調のモノ
クロ画面における拡大/縮小とし、しかも横1行のみを
考える。2階調モノクロ画面では画像(画素)データを
2ビットで表せる。ここでは、明を1、暗を0として表
す。
【0029】図11は、画素と最高周波数fmとの関係
を示している。周波数と波長とは反比例の関係にあるか
ら、周波数が半分になると波長は2倍になる。山の部分
が明であり、谷の部分が暗であるから、波長が全体的に
2倍に広がることは明と暗が2倍に広がることをにな
る。すなわち、2倍に拡大されたことになる。
【0030】逆の場合、すなわち最高周波数が2倍にな
ると波長は半分になり、全体が1/2倍に縮小されたこ
とになる。画素データで見ると、(1,0,1,0,1……)から
(1,1,0,0,1,1,0,0,1,1……)の変換が2倍の拡大であ
り、その逆が1/2倍の縮小ということになる。
【0031】すなわちA/D変換され、デジタル化され
た画像データに対して、 (縮小/拡大画像データ)=(元の画像データ)×(デ
ジタルLPF) とするようなデジタルLPFが用意できれば、拡大、縮
小がデジタルレベルですべて行えることになる。上記で
は2倍の拡大と1/2倍の縮小について考えてきたが、
この考え方は人間の視覚特性をデジタルLPFで近似す
ることによって、以下のように一般化して考えることが
できる。
【0032】元の画像データに含まれる最高の周波数成
分は、サンプリング周波数fsの半分、すなわちfs/2
である。この周波数成分をfm、LPFのカットオフ周
波数fd、また0<k<1であるkに対してfd=kfm
としたとき、次のことが成り立つ。
【0033】・k=1のとき、LPFの処理を受けた画
像データは、元の画像データと同じ最高周波数成分をも
つことになり、結果的にはLPF処理をしなかったこと
と同じになる。すなわち、変換前と同様に1ドットごと
に識別可能な状態を表していることになる。
【0034】・k=0.5のとき、2ドットごとに識別可
能な画像データを生成することになる。 ・k=0.8のとき、10ドットの画像情報を8ドット分
として認識する画像データを生成することになる。 ・k=kのとき、kの逆数分のドット数が1ドットとし
て認識されることになる。 以上のように、拡大あるいは縮小したい倍率の逆数kに
相当する周波数特性のデジタルフィルタ処理を画像デー
タに適用することによって、画像データを自由に拡大、
縮小することが可能となる。
【0035】コンピュータで利用する画像データは様々
なサンプリング周波数によって採取される可能性があ
り、しかもそのサンプリング周波数の情報も得られない
ことが多い。しかし、この問題は以下で説明する式によ
り考慮する必要のないことがわかる。なぜなら本発明の
方法によれば、与えられた画像データをサンプリング周
波数にかかわらず、画像を1/k倍に拡大したり、k倍
に縮小することが可能となるからである。この点を以下
で詳しく述べる。
【0036】ここではデジタルLPFの例として、バタ
ーワースフィルタについて説明する。フィルタの次数に
ついては偶数次であっても奇数次であっても事情は変わ
らないから、偶数次についてのみ説明する。いま次数n
=2m、カットオフ周波数ωd=2πfdとすると、サン
プリング周波数fs=1/tsのデジタルバターワースフ
ィルタの伝達関数H2m(ωd,z)は以下の数式のよう
に表せる。
【0037】
【数3】
【0038】上記の数3の(5)式において、
【数4】
【0039】とすると、上記の数3の式における伝達関
数の係数に含まれる「tsωcp=tsωd」の項は以下の
数5の式のように表せる。
【0040】
【数5】
【0041】この式の最後の表現にはサンプリング周波
数fsが現れない。したがって、数3の式の伝達関数も
サンプリング周波数には無関係になり、最終的にサンプ
リング周波数の半分fmとカットオフ周波数fdとの比率
kだけで表せる。このことはすなわち、先に述べたよう
に本発明の伝達関数はサンプリング周波数に影響を受け
ずにフィルタ処理が行えることを表している。
【0042】数3の式の次数n=2mのデジタルLPF
は図12で示すようなデータ処理をm段階連続で処理す
るフィルタである。なお数3ではバターワースフィルタ
の例を挙げたが、ほかにチェビシェフ、逆チェビシェ
フ、楕円関数フィルタ等を用いても、同じようにパラメ
ータkによって表せる。
【0043】本発明を実際に適用する場合には、求める
拡大あるいは縮小の倍率から決まるkの値を直接用いな
いで、プリワープという処理を行ってから用いる。プリ
ワープの処理は、
【0044】
【数6】
【0045】この式の意味は、サンプリング周波数fs
のデジタルフィルタでは、カットオフ周波数ωdのフィ
ルタはカットオフ角周波数ωaのアナログフィルタを基
に設計するということである。この処理を行わないと、
伝達特性において周波数が低い角周波数からωdに近づ
くに従って予定の特性から誤差を生じることになる。
【0046】数5の式を参照して、数3の(4)の式に
おけるtsωcp=tsωdは以下のようになる。
【数7】
【0047】以上の式を基に、(1/k)倍に拡大する
場合の処理フローチャートを図13に示す。処理1で
は、基の画像データM(q,p)をN(q/k,p/
k)に拡大しておき、Nの全要素を0クリアする。処理
2でNの要素をMで初期化する。ただし、N(j/k,
i/k)のみがM(j,i)で置換されるだけで、他は
0のままである。処理3でフィルタリングされ、最終的
な拡大画像を得る。k=0.5(2倍に拡大)としたと
きの具体例が先に挙げた図9である。
【0048】すなわち、処理1で図9の(B)の状態に
なるが、白丸、黒丸ともこの時点ではすべて0である。
処理2で元の画像データ(A)の白丸が、(B)の対応
する白丸に代入される。このときはまだ黒丸は0であ
る。処理3で初めて黒丸に値が設定され、最終結果の
(C)の状態になる。
【0049】この図中で用いられている言語はCであ
り、for(i=0;i<p;i++)はiが0から始まり、iを1づつカ
ウントアップ(i++はi=i+1と同じ)して、i<pとなるま
でループすることを表す。また、i+=1/kはi=i+1/kと同
じ意味である。なお、角丸枠の下の波線で囲まれた部分
は具体的な処理内容を示している。
【0050】本発明の特徴は、拡大も縮小も同じ式を用
いて行えることである。図14はk倍に縮小する場合の
処理フローチャートである。処理4で、元の画像データ
M(p,q)をN(kq,kp)に縮小している。この
時点では、Nの要素はアンノン(未知数)である。処理
5でMに対してデジタルLPF処理を行い、処理6でそ
の結果をMに代入している。処理6のループは“i+=
1/k”すなわち“i=i+1/k”でiを変化させて
いるから、Mの要素が1/kごとにNの要素に代入され
ることになる。Mが間引かれてNに代入されることにな
り、結果的にk倍に縮小されたことになる。
【0051】k=0.5(1/2倍に縮小)としたときの具体
例が先に挙げた図10である。すなわち、処理1で図1
0の(C)の状態を作り出しているが、白丸はこの時点
ではすべて未知数(値が設定されていない状態)であ
る。処理2で元の画像データ(A)に対してデジタルL
PF処理がなされて(B)の状態になり、処理3で
(B)の白丸の値が対応する(C)の白丸に代入され
る。以上で縮小が完了する。
【0052】上記では1/kが整数の場合を説明した
が、非整数の倍率に拡大あるいは縮小することもでき
る。いま非整数値xを考え、元の画像をx倍(x<1な
ら縮小、x>1なら拡大)にする場合を説明する。ま
ず、非整数値xを適当な有理数に置き換える。まず、誤
差e(=|x−N/M|)が最小になるような整数Nと
Mを求める。たとえばx=1.28なら x=1.28=128/100=32/25〜4/3=1.3〜5/4=1.25 となるから、近似値である前者(=4/3)の誤差は0.0
2、後者(=5/4)はe=0.03である。
【0053】したがってこの場合、前者を採ると、N=
4、M=3となる。N=32、M=25ならxの値その
ものになっているが、拡大率、縮小率が大きすぎるとそ
れだけ元の画像を損ねる危険性があり、また処理時間も
掛かることから、なるべく1桁台の値に変換することが
好ましい。NとMが求まれば、あとは図13の処理に従
ってN倍(k=1/N)に拡大したのち、さらに図14
の処理に従って1/M倍(k=1/M)に縮小すれば、
結果として近似的ではあるが、x倍の画像が得られる。
以上の処理をフローチャートにしたのが図15である。
【0054】なお最後に画像を1/k倍に拡大したり、
k倍に縮小する場合の伝達関数H2m(ωd,z)の係
数の実例を表1に載せておく。
【0055】
【表1】
【0056】
【実施例】本発明の応用例を実施例として説明する。も
っとも一般的に使われている遠近感を表現する手法が、
対象物の大小関係で遠近感を表す方法である。すなわち
経験によって手前にあるものは大きく、遠くにあるもの
は小さく見えることがわかっている。これは、目で見る
対象物の大きさは視角によって決まるからである。
【0057】等間隔に置かれた物体を一方向から見たと
ころである。遠くにある物体ほどその視角が小さくな
る。それを実際に目で見たときは遠くの物ほど小さく、
また物体間の間隔も狭くなって見える。もっとも単純な
方法であるが、もっとも効果的な手法であるために、一
般に広く利用されている。これに影をつければ、さらに
立体感が増し、より一層の効果が表れる。
【0058】ゲーム機においては、背景画面を何面か重
ねて表示することができる。たとえば図16のような背
景画面1、2が原画として用意されていたとする。本発
明の縮小拡大の方法を用いて、背景画面1に対してk=
1/3として3分の1に縮小し、背景画面2に対してk
=1としてそのままの大きさで合成すれば、図に示すよ
うな合成画面が得られる。すなわち、背景画面に1の人
家は小さくなり、遠くにあるように見える。kの値を変
えるだけで縮小拡大が自由に行えるから、kの値によっ
て容易に双方の位置関係が表現できる。
【0059】別の例として、遠近法を用いた動きのある
例を説明する。ゲーム機では背景をバックグランドとよ
び、主人公などの登場人物や動物等をスプライトとよん
でいる。この二つは独自に画像として管理されており、
重ね合わせて表示することができる。私たちの経験で、
遠ざかる物は徐々に小さくなり、近づく物は徐々に大き
くなることを知っている。このことを利用して、背景画
面を本発明の縮小拡大の手法を用いて、縮小あるいは拡
大することによって動きを表現することができる。
【0060】図17はその例で、背景画面には円が描か
れており、その前の人物がスプライトである。図は、背
景画面のみを徐々に縮小して連続して表示している例で
ある。この絵を上から順に連続して表示すると、円が徐
々に遠ざかっているように見える。円に動きを表現して
表示すれば、相対的に円が人物から遠ざかっているよう
に見える。
【0061】本発明の特徴は係数kのみで拡大縮小が行
えるから、kを一定の値で連続的に変化させてやれば、
1枚の背景画面で立体的な遠近感をもった動きが表現で
きることになる。kの変化率を大きくすれば速い動きが
表現でき、変化率を小さくすれば遅い動きが表現でき
る。プログラム的にもループ表現で記述することができ
るので、プログラム的にもメモリ的にも小さくてすむ。
【0062】本発明を類似の技術を用いている従来技術
である特開平7-73302(以下、比較従来例と記述)との
比較を行って説明する。両者とも解決課題として、離散
化された画像データで表される画像を縮小、拡大する場
合に生じる画質の劣化を扱っている。また、解決手段も
縮小、拡大後の画像がもつ実効的なサンプリンググレー
ドでフィルタリング処理を行っている。しかし本発明と
比較従来例とは以下の点で異なっている。
【0063】(1)比較従来例のフィルタ処理は数1の式
の伝達関数で行っている。数1の式のフィルタの周波数
特性は係数a(0≦a<1)の値を可変にすることで変
化するが、その関係は単なる比例関係でないために、複
雑な演算かテーブル参照等の手段で、求める縮小率に対
してaを決める必要がある。
【0064】(2)一方、拡大時は縮小時と異なり、補間
処理で画像を求めたあとに劣化した周波数特性を補正す
るために、利得が低下した周波数帯域にピークをもつよ
うな特性のフィルタで強調処理を行っている。実施例に
よれば、このフィルタの周波数特性はkx、ky、kz
の係数(数2の式参照)を操作することで変化させるこ
とができるが、強調処理に適切な値を各々求める必要が
ある。
【0065】(3)これに対して本発明では、拡大時も縮
小時も同一のフィルタにより処理でき、なおかつ、変換
後の画像に最適なフィルタの周波数特性を決定するに
は、パラメータkに拡大率または縮小率の逆数を与える
だけでよい。したがって、複雑な演算もテーブル参照も
必要がなく、プログラミングが簡単に行えるアルゴリズ
ムになる。また比較従来例ではテーブル参照のために、
微妙な周波数特性を設定するためには多くの記憶領域を
必要とするが、本発明では係数kの値を変化させるだけ
で対応できるためにいっさい余分な記憶領域を必要とし
ない。
【0066】(4)比較従来例では、フィルタの係数とカ
ットオフ周波数が比例していないために係数と周波数特
性の関係がわかりづらい。このため、1次のフィルタで
さえ係数とカットオフの対応表のために多くの記憶領域
を必要とし、さらに2次以上の高次フィルタについては
設計が困難なことが予想される。また、プリワープ処理
を行っていないために、本来減衰を避けたいカットオフ
周波数以下の領域においても、減衰量が大きい。
【0067】(5)これに対して本発明では、バターワー
スフィルタを用いれば、フィルタ係数に等しい値の正規
化周波数において必ず-3dBの特性が得られる。また、
通過域の減衰量が必ず-3dB以内である。しかもフィル
タ係数の決定は数式によって容易に行える。したがっ
て、急峻な減衰特性も簡単に設計が可能であり、画像の
拡大、縮小の倍率とフィルタの係数が同一にできること
も、利点としてもっている。
【0068】(6)さらに本発明では、フィルタ処理を施
す目的によって通過域での減衰量を−0.1dB以内に限
定した場合には、チェビシェフ、逆チェビシェフ、楕円
関数フィルタなどのフィルタを、本発明のアルゴリズム
に従って適用可能であり、通過域での減衰量を抑え、阻
止域の減衰を急峻にすることが容易に設計、製作でき
る。
【0069】比較従来例と本発明の、それぞれのフィル
タ係数ごとの周波数特性をグラフ化した例を図18〜2
0に載せておく。なお図18〜20の本発明のグラフ化
には数8に示すバターワースフィルタの伝達関数の2次
の式を使用し、比較従来例については数1の式を使用し
ている。
【0070】
【数8】
【0071】フィルタ係数kが0.7のときの周波数特性
を、次数nが4次から16次までについてバターワース
フィルタとチェビシェフフィルタを用いてグラフ化した
ものを図21に示す。図からもわかるように、次数が大
きくなるに従って減衰特性が急峻になる。フィルタの種
類がバターワースの場合には、正規化周波数が0.7にお
ける減衰量は-3dBで一定である。
【0072】この減衰量はチェビシェフ、逆チェビシェ
フ、楕円関数フィルタなどを選択すれば、−0.1dB
といった少ない減衰量にすることができる。このように
目的に応じてフィルタが選択できるのも、本発明の特徴
である。
【0073】
【発明の効果】従来の画像の拡大縮小は、直線補間やス
プライン補間などの補間法が採られてきた。補間法は滑
らかな画像が得られる反面、人間の目で見たときに必ず
しも自然な表現になっていないという欠点をもってい
た。これは人間の視覚特性を考慮しないで拡大、縮小を
行ってきたためであり、その結果、自然な表現にするた
めにデータ変換後に手作業によって修正が必要であっ
た。
【0074】これに対して本発明の方法では、人間の視
覚特性に見合った空間周波数特性を自動生成しているた
めに、より自然な拡大、縮小表現が少ない労力で可能と
なっている。また本発明の方法によれば、デジタルロー
パスフィルタとして目的に応じたフィルタを選択するこ
とで、効率的に画像の拡大・縮小処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるアナログ画像信号のデジタル
化および再生処理の一連の流れを説明した図である。
【図2】従来技術におけるアナログ画像信号のサンプリ
ング化と量子化の説明図である。
【図3】従来技術におけるアナログ信号と画像との関連
を説明する図である。
【図4】従来技術における拡大縮小画像処理を説明する
図である。
【図5】従来技術における折り返しを説明する図であ
る。
【図6】従来技術の一例におけるアナログLPFを複数
個備えたスイッチ回路図である。
【図7】従来技術における画像情報処理システムの一例
の構成ブロック図である。
【図8】認識可能な最小物体とその視野角の説明図であ
る。
【図9】本発明において2倍に画像を拡大する場合の画
素の変化の状態を示した図である。
【図10】本発明において、1/2倍に画像を縮小する
場合の画素の変化の状態を示した図である。
【図11】本発明において、最高の周波数fmの変化に
伴う、アナログ信号とドットおよび画素データの関係を
イメージ的に示した図である。
【図12】本発明における2次のデジタルLPFの構成
図である。
【図13】本発明のデジタルLPFを用いて画像を1/
k倍に拡大する場合の処理フローチャートである。
【図14】本発明のデジタルLPFを用いて画像をk倍
に縮小する場合の処理フローチャートである。
【図15】本発明のデジタルLPFを用いて画像をx倍
にする場合の処理フローチャートである。
【図16】背景画面を本発明の拡大縮小アルゴリズムで
縮小して、スプライトとともに表示する場合の説明図で
ある。
【図17】本発明の実施例における、背景画面を本発明
の拡大縮小アルゴリズムで縮小して合成する場合の説明
図である。
【図18】本発明と比較例のフィルタ係数ごとの周波数
特性をグラフ化した図である。
【図19】本発明と比較例のフィルタ係数ごとの周波数
特性をグラフ化した図である。
【図20】本発明と比較例のフィルタ係数ごとの周波数
特性をグラフ化した図である。
【図21】本発明においてバターワースフィルタとチェ
ビシェフフィルタを用いた例のグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル画像データをデジタルローパス
    フィルタを介して画像処理する方法において、前記デジ
    タルローパスフィルタのカット周波数fdが元の画像デ
    ータに含まれる最高の周波数成分の周波数fmと fd=kfm (0<k<1) なる関係があるとき、拡大倍率の逆数がkである周波数
    特性のデジタルローパスフィルタで画像データを変換し
    て(1/k)倍の拡大・縮小された画像データを生成す
    ることを特徴とする拡大・縮小画像処理方法。
JP8045643A 1996-02-08 1996-02-08 拡大・縮小画像処理方法 Pending JPH09218944A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010044107A (ja) * 2008-08-08 2010-02-25 Seiko Epson Corp 画像表示装置、画像表示装置の制御方法、および制御プログラム
WO2015182239A1 (ja) * 2014-05-29 2015-12-03 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 画像処理装置

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