JPH09214237A - 位相制御アレーアンテナ - Google Patents

位相制御アレーアンテナ

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JPH09214237A
JPH09214237A JP3708696A JP3708696A JPH09214237A JP H09214237 A JPH09214237 A JP H09214237A JP 3708696 A JP3708696 A JP 3708696A JP 3708696 A JP3708696 A JP 3708696A JP H09214237 A JPH09214237 A JP H09214237A
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phase control
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Naoki Onishi
直樹 大西
Hirotoshi Takahashi
宏寿 高橋
Hirotaka Saito
広隆 斉藤
Kanemi Sasaki
金見 佐々木
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Kokusai Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】携帯無線機の使用中の姿勢によってアンテナ指
向性,利得が異なって受信感度が低下する欠点を改善す
る。 【解決手段】無線機筐体の外側の1面に、複数のλ/8
の長さの線状アンテナ素子5を、λ/4の間隔で配置固
定する。複数のアンテナ素子5のそれぞれに移相器6を
設け、、それぞれのアンテナ素子5の受信電界強度を検
出して総合のアンテナ利得が最大になるように制御器9
によって移相器6の位相を制御するように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯無線機に用いら
れるアンテナに関し、特に、2GHz帯以上の周波数帯
の携帯無線機に搭載される複数素子を有するアレーアン
テナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば、900MHz帯のセルラ
ー電話等の携帯無線機は、サービスエリアの拡大と装置
の低価格化、通話コストの低減に伴い急速に普及される
ようになってきた。しかし、基地局からの電波レベルが
低いところでの使用状態も多く、常に通話品質が良いわ
けではない。これらの問題はアンテナ指向特性を任意に
変えることができれば補うことができる。すなわち、常
に、電波到来方向に最大の利得を有するようにアンテナ
の指向性を送受信回路で制御することができれば通話品
質の向上が可能になる。本発明は以上の考えから、約2
GHz帯の携帯無線機等において、複数のアンテナ素子
の位相を制御することにより、アンテナ指向性,利得を
向上させ、常に最適な送受信感度での通信を可能にした
位相制御アレーアンテナを提供しようとするものであ
る。
【0003】以下図面を参照しながら従来の携帯無線機
のアンテナについて説明を行う。図1は従来の900M
Hz帯の携帯無線機の概要図であり、1は筐体12の内
部に収納可能なホイップアンテナ等の外部アンテナであ
り、2は筐体の内部に設けられた内蔵アンテナ、3は外
部アンテナ1と内蔵アンテナ2との接続を切替えるアン
テナ切替えスイッチである。また、4は送受信回路であ
る。
【0004】以上のように構成された従来の携帯無線機
のアンテナについて以下に簡単にその動作を説明する。
通常の無線交信では、外部アンテナ1を筐体内に収容し
た状態での着信待ち受け時、または受信電界レベルが強
く内蔵アンテナ2でも良好な交信が可能な場合は、図1
に示すようにアンテナ切替えスイッチ3により内蔵アン
テナ2と送受信回路4を接続して交信が行われる。
【0005】携帯者からの送信時は、外部アンテナ1を
筐体12から引出し、アンテナ切替えスイッチ3を外部
アンテナ1に接続して交信が行われる。また、外部アン
テナ1と内蔵アンテナ2の両方の受信レベルを比較し最
適な一方を選択することも行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
900MHz帯や1.5GHz帯の携帯無線機では、外
部アンテナ1を筐体内に収納し、内蔵アンテナ動作時で
の待ち受け状態で、ボケットやカバン等に入れていると
き、あるいは机の上に横にして置いたときに受信特性が
悪い場合があり、送信時においても、一般的には携帯無
線機を任意の角度で傾けて使用することが多いので必ず
しも最適な送信特性ではないという問題点を有してい
る。
【0007】本発明の目的は、従来技術の問題点である
様々な状況下で、アンテナが必ずしも最適な送受信特性
を保持していないという事情に鑑みてなされたものであ
って、2GHz帯〜5GHz帯の携帯無線機を対象と
し、複数のアンテナ素子で各々に給電する信号の位相を
電気的に制御し、常に電波到来方向に対応して最適のア
ンテナ指向性,利得を有することのできる位相制御アレ
ーアンテナを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した本発
明の携帯無線機用の位相制御アレーアンテナは、携帯無
線機の筐体の外側の1面に設けられた複数のアンテナ素
子と、該複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複
数の移相器と、前記複数のアンテナ素子のそれぞれの受
信電界強度を検出して総合のアンテナ利得が最大になる
ように前記複数の移相器の位相をそれぞれ制御する制御
器とが備えられたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の基本回路構成につ
いて、図面と共に説明する。図2は本発明の基本構成を
示す構成図である。図2において、破線で囲った5のA
NT1,ANT2,…ANTnは、各々アンテナ素子で
あり、互いに素子間隔dをもち配列されている。破線で
囲った6のΦ1 ,Φ2 ,…,Φn は、複数のアンテナ素
子ANT1,ANT2,…ANTn のそれぞれに接続さ
れている移相器である。移相器6は、アンテナ素子の間
隔dによる位相遅延分の補正および位相調整を行うもの
であり、制御器9で電気的に制御される。
【0010】7は送受信信号の分配・合成器であって、
例えばストリップ線路などで構成され、送受信回路8と
接続され電力を均等に分配・合成している。また、送受
信回路8では、送受信信号の処理の他にも受信電界レベ
ルの検知を行い、その最大レベルから電波到来方向を判
定し制御器9に信号を送る。制御器9は移相器6の位相
制御を行うことによって常に電波到来方向に対応してア
ンテナ5の指向性,利得を最適に保持することができ
る。
【0011】次に、本発明の実施例で最も簡単な2個の
アンテナ素子による構成の外観正面図を図3に示す。図
において、13,14は外部アンテナであり、例えば、
直径約2mmの金属導線を芯線として樹脂カバーを被せ
て固定してある。この実施例では、2本の外部アンテナ
13,14は一定間隔d(波長λの約4分の1)で携帯
無線機筐体12の上面部に平行に配置されており、内蔵
アンテナはない。外部アンテナ13,14の長さは波長
λの約8分の1である。例えば、2GHzの場合、2つ
の外部アンテナ13,14の長さは約25mm、間隔d
は約50mmである。
【0012】図4は本発明の図3の実施例の回路ブロッ
ク図である。図において、13,14は外部アンテナ、
15は移相器、16は分配合成器、17は送受信回路、
18は制御器である。この実施例は、アンテナ素子は2
つなので、その一方のみに移相器15が設けられてい
る。次に、この実施例において、各平面での位相差とア
ンテナ最大利得の関係の実測特性を図5〜図7に示す。
図5は携帯無線機を直立させたとき(X−Y平面)の特
性を示し、図6は無線機を平倒しのとき(Y−Z平面)
の特性を示す。また、図7は無線機を横倒しのとき(Z
−Y平面)の特性を示す。これらの図5〜図7の横軸は
2つの外部アンテナ13,14の励振電流の位相差を表
し、縦軸はアンテナ利得を表す。また、実線の特性は
1.9GHzのときの垂直偏波成分の特性を示し、破線
の特性は水平偏波成分の特性を示す。これらの図から、
携帯無線機筐体12を直立させたとき(X−Y平面)も
平倒しのとき(Y−Z平面)も2つのアンテナ素子の励
振を同相(位相差0degress)にすると、アンテナ利得
が最大を示すので最適であることが分かる。同様に携帯
無線機筐体12を横倒し(Z−X平面)のときは位相差
を180度にするとアンテナ利得が最大になる。
【0013】また、図8は、携帯無線機筐体12が平成
倒しの状態(Y−Z平面)で従来の1本のアンテナ素子
と本実施例とのアンテナ指向特性の比較図である。この
図より、破線で示した本実施例は実線で示した従来のも
のよりも最大利得,平均利得ともに5dB程度の改善が得
られたことが分かる。これらの効用は、全空間において
も当てはまり、送受信回路17で電波到来方向を検知し
て、その方向にアンテナ指向性が向くように位相を制御
することで成り立つ。
【0014】以上の実施例では、アンテナ素子を2本の
外部アンテナの場合について説明したが、複数の外部ア
ンテナ素子の場合も同様の効果が得られる。また、複数
の外部アンテナ素子と内蔵アンテナ素子との組合せを適
用しても効果が同じであることは明白である。
【0015】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明を実施する
ことにより、常に、電波到来方向に対応して最適のアン
テナ指向性,利得を保持させることができるため実用上
極めて効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の携帯無線機の概要図である。
【図2】本発明の基本回路構成例図である。
【図3】本発明の一実施例の外観正面図である。
【図4】本発明の図4の実施例の回路構成図である。
【図5】本発明の図4の実施例における携帯無線機のX
−Y平面での位相差とアンテナ最大利得の関係である。
【図6】本発明の図4の実施例における携帯無線機のY
−Z平面での位相差とアンテナ最大利得の関係である。
【図7】本発明の図4の実施例における携帯無線機のZ
−Y平面での位相差とアンテナ最大利得の関係である。
【図8】携帯無線機筐体12が平倒しの状態(Y−Z平
面)で従来の1本のアンテナ素子と本実施例とのアンテ
ナ指向特性の比較を示す。
【符号の説明】
1 外部アンテナ 2 内蔵アンテナ 3 アンテナ切替えスイッチ 4 送受信回路 5 複数のアンテナ素子 6 複数の移相器 7 分配・合成器 8 送受信回路 9 制御器 12 携帯無線機筐体 13,14 外部アンテナ 15 移相器 16 分配・合成器 17 送受信回路 18 制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 金見 東京都中野区東中野三丁目14番20号 国際 電気株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 携帯無線機の筐体の外側の1面に設けら
    れた複数のアンテナ素子と、該複数のアンテナ素子のそ
    れぞれに接続された複数の移相器と、前記複数のアンテ
    ナ素子のそれぞれの受信電界強度を検出して総合のアン
    テナ利得が最大になるように前記複数の移相器の位相を
    それぞれ制御する制御器とが備えられた位相制御アレー
    アンテナ。
  2. 【請求項2】 携帯無線機の筐体の外側の1面に設けら
    れた2つのアンテナ素子と、該2つのアンテナ素子の一
    方に接続された移相器と、前記2つのアンテナ素子のそ
    れぞれの受信電界強度を検出して総合のアンテナ利得が
    最大になるように前記移相器の位相を制御する制御器と
    が備えられた位相制御アレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 請求項1および請求項2記載の複数のア
    ンテナ素子は、長さが使用周波数の波長の1/8に設定
    された線状アンテナであって、アンテナ素子の相互の間
    隔が使用周波数の波長の1/4に設定されて配列されて
    いることを特徴とする請求項1および請求項2記載の位
    相制御アレーアンテナ。
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