JPH09213975A - 集電極形成方法 - Google Patents
集電極形成方法Info
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- JPH09213975A JPH09213975A JP8019697A JP1969796A JPH09213975A JP H09213975 A JPH09213975 A JP H09213975A JP 8019697 A JP8019697 A JP 8019697A JP 1969796 A JP1969796 A JP 1969796A JP H09213975 A JPH09213975 A JP H09213975A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 大掛りな装置を必要とせずに短時間で形成す
ることができ、かつ電気抵抗が低い集電極を素子表面の
所望の位置に容易に形成し得る、集電極形成方法を得
る。 【解決手段】 太陽電池1の素子表面に集電極を形成す
るに際し、半田11が表面に付着している線材9を用意
し、溶融状態にある半田11を素子表面の銀ペースト層
8上に接触させた後、線材9を素子表面から遠ざけるこ
とにより素子表面に溶融半田11を移し、該溶融半田1
1を固化させて集電極7とする集電極形成方法。
ることができ、かつ電気抵抗が低い集電極を素子表面の
所望の位置に容易に形成し得る、集電極形成方法を得
る。 【解決手段】 太陽電池1の素子表面に集電極を形成す
るに際し、半田11が表面に付着している線材9を用意
し、溶融状態にある半田11を素子表面の銀ペースト層
8上に接触させた後、線材9を素子表面から遠ざけるこ
とにより素子表面に溶融半田11を移し、該溶融半田1
1を固化させて集電極7とする集電極形成方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、太陽電池
などの素子表面に低抵抗の集電極を形成する方法に関
し、特に、溶融状態にある導電性材料を素子表面に付着
させて固化することにより集電極を形成する方法に関す
る。
などの素子表面に低抵抗の集電極を形成する方法に関
し、特に、溶融状態にある導電性材料を素子表面に付着
させて固化することにより集電極を形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池のように電力を取出すための素
子においては、素子表面に集電極が形成されている。従
来、この種の集電極形成方法としては、金属や合金を
素子の表面に蒸着する方法、銀ペースト等を素子表面
にスクリーン印刷する方法、金属ワイヤーの表面に銀
ペースト等を塗布し、該金属ワイヤーを素子表面に直接
接合する方法、素子を溶融半田槽に浸漬する半田ディ
ップ法などが用いられていた。
子においては、素子表面に集電極が形成されている。従
来、この種の集電極形成方法としては、金属や合金を
素子の表面に蒸着する方法、銀ペースト等を素子表面
にスクリーン印刷する方法、金属ワイヤーの表面に銀
ペースト等を塗布し、該金属ワイヤーを素子表面に直接
接合する方法、素子を溶融半田槽に浸漬する半田ディ
ップ法などが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸着
法などでは、真空プロセスを用いるため、集電極形成工
程に要する時間が長くなったり、設備が大掛りなものに
なったりするという問題があった。スクリーン印刷法
では、銀ペースト中にバインダ樹脂などが含有されてい
るため、電気抵抗の低い集電極を形成することが困難で
あった。
法などでは、真空プロセスを用いるため、集電極形成工
程に要する時間が長くなったり、設備が大掛りなものに
なったりするという問題があった。スクリーン印刷法
では、銀ペースト中にバインダ樹脂などが含有されてい
るため、電気抵抗の低い集電極を形成することが困難で
あった。
【0004】銀ペーストが塗布された金属ワイヤーを
素子表面に直接接合する方法では、銀ペースト中に含ま
れている溶剤が無くなるまで、ワイヤーを素子表面に固
定した状態で加熱し続ける必要があり、取扱いに際し多
大の注意を払う必要があった。加えて、比較的長時間加
熱し続けるため、素子が劣化するおそれもあった。
素子表面に直接接合する方法では、銀ペースト中に含ま
れている溶剤が無くなるまで、ワイヤーを素子表面に固
定した状態で加熱し続ける必要があり、取扱いに際し多
大の注意を払う必要があった。加えて、比較的長時間加
熱し続けるため、素子が劣化するおそれもあった。
【0005】さらに、半田ディップ法では、素子表面
の集電極を形成すべき部分以外の部分にも半田が付着し
たり、溶融半田槽中で素子が加熱されることにより、素
子の特性が劣化しがちであるという問題があった。
の集電極を形成すべき部分以外の部分にも半田が付着し
たり、溶融半田槽中で素子が加熱されることにより、素
子の特性が劣化しがちであるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、電気抵抗が十分に低い集
電極を、素子の劣化を引き起こすことなく、かつ比較的
短時間で効率良く形成し得る集電極形成方法を提供する
ことにある。
電極を、素子の劣化を引き起こすことなく、かつ比較的
短時間で効率良く形成し得る集電極形成方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、素子表
面に集電極を形成するための方法であって、線材の表面
の溶融状態にある導電性材料を素子の表面に当接させた
後、線材を素子表面から遠ざけることにより、素子表面
に導電性材料を付着させる工程と、前記導電性材料を固
化して集電極とする工程とを備えることを特徴とする、
集電極形成方法が提供される。
面に集電極を形成するための方法であって、線材の表面
の溶融状態にある導電性材料を素子の表面に当接させた
後、線材を素子表面から遠ざけることにより、素子表面
に導電性材料を付着させる工程と、前記導電性材料を固
化して集電極とする工程とを備えることを特徴とする、
集電極形成方法が提供される。
【0008】本発明の集電極形成方法では、線材表面の
溶融状態にある導電性材料が、線材から素子表面に移さ
れて素子表面に導電性材料が付与される。従って、電気
抵抗が十分に低い集電極を比較的短時間で、かつ容易に
形成することができる。
溶融状態にある導電性材料が、線材から素子表面に移さ
れて素子表面に導電性材料が付与される。従って、電気
抵抗が十分に低い集電極を比較的短時間で、かつ容易に
形成することができる。
【0009】本発明においては、好ましくは、複数本の
線材が所定距離を隔てて配置されており、かつ相互に固
定された線材連結体が用いられ、この場合には、複数本
の線材に応じて複数本の集電極を一度に形成することが
できる。従って、例えば、太陽電池などの素子表面に複
数本の集電極を分散して形成する必要がある場合、該複
数本の集電極を効率良く形成し得る。
線材が所定距離を隔てて配置されており、かつ相互に固
定された線材連結体が用いられ、この場合には、複数本
の線材に応じて複数本の集電極を一度に形成することが
できる。従って、例えば、太陽電池などの素子表面に複
数本の集電極を分散して形成する必要がある場合、該複
数本の集電極を効率良く形成し得る。
【0010】また、本発明の特定的な局面によれば、上
記線材は、線状のヒータ線と、ヒータ線の外表面に設け
られた絶縁体層とを備えるように構成される。本発明に
おいて、溶融状態にある導電性材料を線材表面に設ける
方法については、線材表面に導電性材料を付着させた
後、加熱して導電性材料を溶融させることにより行い得
る。この場合、加熱による溶融は、導電性材料が素子表
面に当接される前に行ってもよく、導電性材料が素子表
面に当接してから加熱して溶融してもよい。
記線材は、線状のヒータ線と、ヒータ線の外表面に設け
られた絶縁体層とを備えるように構成される。本発明に
おいて、溶融状態にある導電性材料を線材表面に設ける
方法については、線材表面に導電性材料を付着させた
後、加熱して導電性材料を溶融させることにより行い得
る。この場合、加熱による溶融は、導電性材料が素子表
面に当接される前に行ってもよく、導電性材料が素子表
面に当接してから加熱して溶融してもよい。
【0011】また、線材表面に導電性材料を設ける工程
は、線材を溶融導電性材料に浸漬する方法、線材表面に
導電性材料を溶射する方法、スプレーなどを用いて導電
性材料を噴霧する方法などの適宜の方法を用いて行うこ
とができる。
は、線材を溶融導電性材料に浸漬する方法、線材表面に
導電性材料を溶射する方法、スプレーなどを用いて導電
性材料を噴霧する方法などの適宜の方法を用いて行うこ
とができる。
【0012】また、溶融状態にある導電性材料を素子表
面に移す工程においては、好ましくは、溶融状態にある
導電性材料が素子の表面に接している際に、線材に超音
波を印加してもよく、該超音波の印加により導電性材料
の素子表面に対する密着性を効果的に高め得る。
面に移す工程においては、好ましくは、溶融状態にある
導電性材料が素子の表面に接している際に、線材に超音
波を印加してもよく、該超音波の印加により導電性材料
の素子表面に対する密着性を効果的に高め得る。
【0013】本発明において、上記導電性材料として
は、素子の集電極として機能し得る、電気抵抗が十分に
低い適宜の導電性材料を用いることができ、好ましく
は、融点が比較的低く、溶融が容易である導電性材料、
例えば、半田が用いられる。また、半田の中でも、好ま
しくは、錫、鉛及びカドミウムを含む半田が用いられ、
その場合には、冷却固化時に微細なクラックが入り難い
ので、良好な集電極を形成し得る。
は、素子の集電極として機能し得る、電気抵抗が十分に
低い適宜の導電性材料を用いることができ、好ましく
は、融点が比較的低く、溶融が容易である導電性材料、
例えば、半田が用いられる。また、半田の中でも、好ま
しくは、錫、鉛及びカドミウムを含む半田が用いられ、
その場合には、冷却固化時に微細なクラックが入り難い
ので、良好な集電極を形成し得る。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の集電極形成方法
により集電極が形成されている太陽電池の略図的断面図
である。この太陽電池1における集電極形成方法を説明
することにより、本発明の構成を明らかにする。
により集電極が形成されている太陽電池の略図的断面図
である。この太陽電池1における集電極形成方法を説明
することにより、本発明の構成を明らかにする。
【0015】太陽電池1は、例えば、ステンレスよりな
る基板2上にn型a−Si層3、i型a−Si層4及び
p型s−Si層5を積層した構造を有する。p型a−S
i層5の表面には、例えば、ITOなどからなる透明電
極6が形成されている。複数本の集電極7が、この透明
電極6の表面に形成されている。
る基板2上にn型a−Si層3、i型a−Si層4及び
p型s−Si層5を積層した構造を有する。p型a−S
i層5の表面には、例えば、ITOなどからなる透明電
極6が形成されている。複数本の集電極7が、この透明
電極6の表面に形成されている。
【0016】図1の構造では、集電極7が形成されてい
る部分に予め溶融導電性材料との濡れ性を高めるために
銀ペースト層8が形成されている。図2に集電極形成前
の状態を示す平面図から明らかなように、複数本の銀ペ
ースト層8は所定の距離を隔てて平行に延びるように形
成されている。図1において、各集電極7は各銀ペース
ト層8上に形成されている。
る部分に予め溶融導電性材料との濡れ性を高めるために
銀ペースト層8が形成されている。図2に集電極形成前
の状態を示す平面図から明らかなように、複数本の銀ペ
ースト層8は所定の距離を隔てて平行に延びるように形
成されている。図1において、各集電極7は各銀ペース
ト層8上に形成されている。
【0017】上記集電極7は、線材から溶融状態にある
導電性材料を透明電極6上に移し、固化することにより
形成されている。これを、図3〜図5を参照してより詳
細に説明する。
導電性材料を透明電極6上に移し、固化することにより
形成されている。これを、図3〜図5を参照してより詳
細に説明する。
【0018】集電極の形成にあたっては、先ず、図3
(a)に示す線材9を用意する。本実施形態では、線材
9は、ヒータ線9aの外表面に絶縁体層9bを形成した
構成を有する。ヒータ線9aは、ヒータとして機能する
ものであるため、例えば、ニクロムなどのように通電さ
れた際に効率良く加熱し得る材料で構成されている。
(a)に示す線材9を用意する。本実施形態では、線材
9は、ヒータ線9aの外表面に絶縁体層9bを形成した
構成を有する。ヒータ線9aは、ヒータとして機能する
ものであるため、例えば、ニクロムなどのように通電さ
れた際に効率良く加熱し得る材料で構成されている。
【0019】なお、線材9としては、図3では断面形状
が円形であるものが図示されているが、線材は、角形な
どの円形以外の他の断面形状を有するものであってもよ
い。絶縁体層9bは、本実施形態ではシリコンワニスを
用いて構成されているが、後で付与される導電性材料と
の濡れ性が良好である限り、適宜の材料、例えば絶縁性
セラミックスあるいは絶縁性の樹脂等を用いて形成する
ことができる。
が円形であるものが図示されているが、線材は、角形な
どの円形以外の他の断面形状を有するものであってもよ
い。絶縁体層9bは、本実施形態ではシリコンワニスを
用いて構成されているが、後で付与される導電性材料と
の濡れ性が良好である限り、適宜の材料、例えば絶縁性
セラミックスあるいは絶縁性の樹脂等を用いて形成する
ことができる。
【0020】絶縁体層9bの外側表面には、図3(b)
に拡大断面図で示すように、銀ペースト層10(図3a
では図示省略)が形成されている。銀ペースト層10
は、絶縁体層9bと、外側の半田層11との濡れ性を高
めるために設けられている。
に拡大断面図で示すように、銀ペースト層10(図3a
では図示省略)が形成されている。銀ペースト層10
は、絶縁体層9bと、外側の半田層11との濡れ性を高
めるために設けられている。
【0021】本実施形態では、ヒータ線9aの表面に上
記絶縁体層9bを形成した後に、銀ペースト層10を比
較的薄い膜厚となるように形成し、しかる後、銀ペース
ト層10を乾燥した後に、全体を溶融半田に浸漬し、引
き上げることにより、半田層11が形成されている。
記絶縁体層9bを形成した後に、銀ペースト層10を比
較的薄い膜厚となるように形成し、しかる後、銀ペース
ト層10を乾燥した後に、全体を溶融半田に浸漬し、引
き上げることにより、半田層11が形成されている。
【0022】しかる後、図4(a)及び(b)に断面図
で示すように、上記半田層11を太陽電池1の表面に設
けられた銀ペースト層8上に近接させ、その状態でヒー
タ線9aに通電して加熱し、半田層11を溶融させ、溶
融状態にある半田を銀ペースト層8側に付着させる。し
かる後、線材9を太陽電池1の素子表面から遠ざけるこ
とにより(図4(c))、溶融状態にある半田層11が
銀ペースト層8上に残され、自然冷却されることにより
溶融半田が固化し、集電極7が形成される。
で示すように、上記半田層11を太陽電池1の表面に設
けられた銀ペースト層8上に近接させ、その状態でヒー
タ線9aに通電して加熱し、半田層11を溶融させ、溶
融状態にある半田を銀ペースト層8側に付着させる。し
かる後、線材9を太陽電池1の素子表面から遠ざけるこ
とにより(図4(c))、溶融状態にある半田層11が
銀ペースト層8上に残され、自然冷却されることにより
溶融半田が固化し、集電極7が形成される。
【0023】上記のように、溶融状態にある半田を線材
9側から太陽電池1の素子表面に移すものであるため、
集電極7の形成にあたり真空装置などの大掛りな設備を
必要とせず、かつ集電極7の形成時間を短縮し得ること
がわかる。また、溶融半田が固化して集電極7が形成さ
れるものであるため、比較的厚みが厚く、かつ電気的抵
抗の十分に低い集電極7を容易に形成し得る。
9側から太陽電池1の素子表面に移すものであるため、
集電極7の形成にあたり真空装置などの大掛りな設備を
必要とせず、かつ集電極7の形成時間を短縮し得ること
がわかる。また、溶融半田が固化して集電極7が形成さ
れるものであるため、比較的厚みが厚く、かつ電気的抵
抗の十分に低い集電極7を容易に形成し得る。
【0024】さらに、半田を溶融させるためにだけヒー
タ線9aにより加熱しているに過ぎないため、素子が加
熱される時間が比較的短く、従って太陽電池1の特性が
劣化し難いことがわかる。
タ線9aにより加熱しているに過ぎないため、素子が加
熱される時間が比較的短く、従って太陽電池1の特性が
劣化し難いことがわかる。
【0025】なお、上記説明は、図2に示した複数本の
銀ペースト層8のうち、1本の銀ペースト層8上に集電
極7を形成する工程を説明したが、好ましくは、複数本
の銀ペースト層8上に一度に複数本の集電極を形成する
ために、図5に示す線材連結体12が用いられる。線材
連結体12では、複数本の線材9が所定距離を隔てて略
平行に配置されている。また、複数本の線材9は、両端
近傍において、連結棒13,14により、互いに固定さ
れている。
銀ペースト層8のうち、1本の銀ペースト層8上に集電
極7を形成する工程を説明したが、好ましくは、複数本
の銀ペースト層8上に一度に複数本の集電極を形成する
ために、図5に示す線材連結体12が用いられる。線材
連結体12では、複数本の線材9が所定距離を隔てて略
平行に配置されている。また、複数本の線材9は、両端
近傍において、連結棒13,14により、互いに固定さ
れている。
【0026】従って、線材連結体12を用い、上記図4
(a)〜(c)に示した工程を実施すれば、太陽電池1
の素子表面に複数本の集電極7を一度に形成することが
できる。すなわち、好ましくは、素子表面に形成される
集電極の数に応じた数の線材が連結された線材連結体が
用いられる。もっとも、集電極の数がより多い場合、あ
るいは集電極形成パターンが複雑な場合には、集電極の
数やパターンに応じて、複数もしくは複数種の線材連結
体を用い、複数回にわたって集電極を形成してもよい。
(a)〜(c)に示した工程を実施すれば、太陽電池1
の素子表面に複数本の集電極7を一度に形成することが
できる。すなわち、好ましくは、素子表面に形成される
集電極の数に応じた数の線材が連結された線材連結体が
用いられる。もっとも、集電極の数がより多い場合、あ
るいは集電極形成パターンが複雑な場合には、集電極の
数やパターンに応じて、複数もしくは複数種の線材連結
体を用い、複数回にわたって集電極を形成してもよい。
【0027】上記線材連結体12では、複数本の線材9
が所定距離を隔てて略平行に配置されているが、この所
定距離は、適用される素子によっても異なるが、太陽電
池の場合には、通常、5〜30mm程度とされる。
が所定距離を隔てて略平行に配置されているが、この所
定距離は、適用される素子によっても異なるが、太陽電
池の場合には、通常、5〜30mm程度とされる。
【0028】また、上記実施形態では、ヒータ線9aを
通電加熱することにより半田層11を溶融していたが、
本発明では、外部に設けられたヒータを用いて導電性材
料を溶融してもよい。例えば、図6に斜視図で示すよう
に、線材15の表面に、半田層16を形成し、その周囲
にヒータ17を配置し、ヒータ17を加熱することによ
り半田層16を溶融して、線材15の表面に溶融状態に
ある導電性材料層を形成してもよい。
通電加熱することにより半田層11を溶融していたが、
本発明では、外部に設けられたヒータを用いて導電性材
料を溶融してもよい。例えば、図6に斜視図で示すよう
に、線材15の表面に、半田層16を形成し、その周囲
にヒータ17を配置し、ヒータ17を加熱することによ
り半田層16を溶融して、線材15の表面に溶融状態に
ある導電性材料層を形成してもよい。
【0029】この場合には、線材15は溶融状態にある
半田層16を支持する機能を有するだけであるため、導
電性材料で構成される必要はなく、従って、金属だけで
なく、絶縁性セラミックスなどにより線材15を構成す
ることができる。また、好ましくは、線材15と外表面
に形成される半田層16との付着性を高めるために、上
記実施形態の場合と同様に、線材15の表面には銀ペー
スト層などの導電性ペースト層を薄く形成しておけば、
半田層16を線材15の外表面に容易にかつ確実に形成
することができる。
半田層16を支持する機能を有するだけであるため、導
電性材料で構成される必要はなく、従って、金属だけで
なく、絶縁性セラミックスなどにより線材15を構成す
ることができる。また、好ましくは、線材15と外表面
に形成される半田層16との付着性を高めるために、上
記実施形態の場合と同様に、線材15の表面には銀ペー
スト層などの導電性ペースト層を薄く形成しておけば、
半田層16を線材15の外表面に容易にかつ確実に形成
することができる。
【0030】ヒータ17は、上記半田層16を溶融する
ために設けられているものであり、通電加熱により加熱
されるヒータ、あるいは赤外線等を用いたヒータなどの
適宜のヒータにより構成することができる。もっとも、
素子表面に溶融状態にある導電性材料を付与する際に
も、導電性材料の溶融状態を維持するためには、ヒータ
17は、線材15と共に、素子表面近傍に移動され得る
ように構成されていることが望ましい。
ために設けられているものであり、通電加熱により加熱
されるヒータ、あるいは赤外線等を用いたヒータなどの
適宜のヒータにより構成することができる。もっとも、
素子表面に溶融状態にある導電性材料を付与する際に
も、導電性材料の溶融状態を維持するためには、ヒータ
17は、線材15と共に、素子表面近傍に移動され得る
ように構成されていることが望ましい。
【0031】本発明の集電極形成方法は、上記太陽電池
の素子表面に集電極を形成する場合に限らず、電気化学
素子や他の光電変換素子の集電極の形成に広く用いるこ
とができる。
の素子表面に集電極を形成する場合に限らず、電気化学
素子や他の光電変換素子の集電極の形成に広く用いるこ
とができる。
【0032】また、太陽電池では、大面積化に伴って、
本発明の方法を利用した場合には、線材の長さが長くな
ることになる。その場合には、線材の熱膨張により線材
がたわむ可能性があるが、この点については、加熱に先
立ち線材を太陽電池表面すなわち素子表面に載置し、し
かる後加熱すればよい。すなわち、本発明においては、
導電性材料の溶融は、線材を素子表面に載置した後に加
熱して行ってもよく、あるいは、導電性材料を溶融した
後に、素子表面に導電性材料を付着させてもよい。
本発明の方法を利用した場合には、線材の長さが長くな
ることになる。その場合には、線材の熱膨張により線材
がたわむ可能性があるが、この点については、加熱に先
立ち線材を太陽電池表面すなわち素子表面に載置し、し
かる後加熱すればよい。すなわち、本発明においては、
導電性材料の溶融は、線材を素子表面に載置した後に加
熱して行ってもよく、あるいは、導電性材料を溶融した
後に、素子表面に導電性材料を付着させてもよい。
【0033】
【実施例】以下、より具体的な実施例を説明することに
より、本発明の効果を明らかにする。
より、本発明の効果を明らかにする。
【0034】実施例1 実施例1では、図1に示した太陽電池1として、平面形
状が10cm×10cmの寸法の太陽電池を用意し、そ
の表面に1cmの間隔を隔てて9本の集電極7を形成し
た。
状が10cm×10cmの寸法の太陽電池を用意し、そ
の表面に1cmの間隔を隔てて9本の集電極7を形成し
た。
【0035】まず、ヒータ線9aとして、ニクロムより
なり、長さ12cmの9本の線材を連結してなる線材連
結体12を用意した。この場合、上記ニクロムよりなる
ヒータ線9aの抵抗は1本あたり約4Ωであり、複数本
のヒータ線9aは電気的には並列に接続されている。
なり、長さ12cmの9本の線材を連結してなる線材連
結体12を用意した。この場合、上記ニクロムよりなる
ヒータ線9aの抵抗は1本あたり約4Ωであり、複数本
のヒータ線9aは電気的には並列に接続されている。
【0036】上記線材連結体12を液状のシリコンワニ
スに浸漬した後、引き上げ、これを加熱乾燥して該連結
体12の外表面に絶縁体層9bを形成した。次に、シリ
コンワニスからなる絶縁体層9bの表面に、後で形成さ
れる半田との濡れ性を考慮し、銀ペーストを比較的薄い
膜厚(約500μm程度)となるように塗布し、銀ペー
スト層10を形成した。銀ペーストの塗布は、溶剤の量
が市販の銀ペーストの2倍程度とされた希釈銀ペースト
中に線材連結体12を浸漬し、引き上げ、直後にヒータ
線9aに通電し乾燥させることにより行った。乾燥に際
しては、線材連結体12に1Vの電圧を1分印加するこ
とにより行い、それによって上記銀ペースト層10がほ
ぼ乾燥した。
スに浸漬した後、引き上げ、これを加熱乾燥して該連結
体12の外表面に絶縁体層9bを形成した。次に、シリ
コンワニスからなる絶縁体層9bの表面に、後で形成さ
れる半田との濡れ性を考慮し、銀ペーストを比較的薄い
膜厚(約500μm程度)となるように塗布し、銀ペー
スト層10を形成した。銀ペーストの塗布は、溶剤の量
が市販の銀ペーストの2倍程度とされた希釈銀ペースト
中に線材連結体12を浸漬し、引き上げ、直後にヒータ
線9aに通電し乾燥させることにより行った。乾燥に際
しては、線材連結体12に1Vの電圧を1分印加するこ
とにより行い、それによって上記銀ペースト層10がほ
ぼ乾燥した。
【0037】次に、乾燥された上記銀ペースト層10上
に、錫:鉛:カドミウムを重量比で49.8:32.
0:18.2の割合で含む半田により導電性材料層とし
ての半田層11を形成した。この組成の半田を用いたの
は、低融点半田として知られているビスマス含有半田で
は、冷却時に微細なクラックが入るのに対し、上記特定
組成の半田ではこのようなクラックが生じ難いため、上
記特定の組成の半田を用いれば、良好な集電極を形成し
得るからである。
に、錫:鉛:カドミウムを重量比で49.8:32.
0:18.2の割合で含む半田により導電性材料層とし
ての半田層11を形成した。この組成の半田を用いたの
は、低融点半田として知られているビスマス含有半田で
は、冷却時に微細なクラックが入るのに対し、上記特定
組成の半田ではこのようなクラックが生じ難いため、上
記特定の組成の半田を用いれば、良好な集電極を形成し
得るからである。
【0038】なお、上記半田を用いて銀ペースト層10
上に半田層11を形成するに際し、銀ペースト中の銀が
半田に溶融するいわゆる半田食われを防止するために、
上記特定の組成の半田には、予め1重量%の銀を添加し
ておいた。
上に半田層11を形成するに際し、銀ペースト中の銀が
半田に溶融するいわゆる半田食われを防止するために、
上記特定の組成の半田には、予め1重量%の銀を添加し
ておいた。
【0039】上記半田の融点は約200℃である。該半
田を210℃程度の漕中で溶融させておき、銀ペースト
層10が表面に形成されている上記線材連結体12を該
溶融半田中に1秒間浸漬した後引き上げ、常温の線材に
より溶融半田層を冷却し、銀ペースト層10上に半田層
11を形成した。
田を210℃程度の漕中で溶融させておき、銀ペースト
層10が表面に形成されている上記線材連結体12を該
溶融半田中に1秒間浸漬した後引き上げ、常温の線材に
より溶融半田層を冷却し、銀ペースト層10上に半田層
11を形成した。
【0040】次に、上記のようにして半田層11が外側
表面に設けられた複数本の線材9を有する線材連結体1
2を用いて、太陽電池1の素子表面に集電極を形成し
た。この太陽電池は、以下のようにして作製したもので
ある。
表面に設けられた複数本の線材9を有する線材連結体1
2を用いて、太陽電池1の素子表面に集電極を形成し
た。この太陽電池は、以下のようにして作製したもので
ある。
【0041】すなわち、ステンレス基板2上に1000
Å程度の膜厚の酸化亜鉛層(図1では図示されず)を、
下記の表1に示す条件で酸化亜鉛ターゲットを用いてス
パッタリングすることにより形成した。
Å程度の膜厚の酸化亜鉛層(図1では図示されず)を、
下記の表1に示す条件で酸化亜鉛ターゲットを用いてス
パッタリングすることにより形成した。
【0042】
【表1】
【0043】次に、図1に示したn型a−Si層3、i
型a−Si層4及びp型a−Si層5を、それぞれ、下
記の表2に示す条件にてRFスパッタにて形成した。
型a−Si層4及びp型a−Si層5を、それぞれ、下
記の表2に示す条件にてRFスパッタにて形成した。
【0044】
【表2】
【0045】さらに、上記酸化亜鉛よりなる電極につい
ての表1に示す作製条件と同じ条件にて、但し、スパッ
タリングに際しての時間を制御することにより、膜厚8
00Å程度の酸化亜鉛よりなる透明電極6を素子表面に
形成した。
ての表1に示す作製条件と同じ条件にて、但し、スパッ
タリングに際しての時間を制御することにより、膜厚8
00Å程度の酸化亜鉛よりなる透明電極6を素子表面に
形成した。
【0046】上記太陽電池1に集電極を形成するため
に、予め、幅0.5mmの銀ペースト層8を1cmの間
隔を隔てて図2に示すようにスクリーン印刷法により9
本形成した。なお、この銀ペースト層8については、後
述の集電極7の形成に際して乾燥されるため、銀ペース
トを塗布した後に加熱処理は行わなかった。従って、銀
ペースト層8の形成に際し、太陽電池が熱により劣化し
難いことがわかる。
に、予め、幅0.5mmの銀ペースト層8を1cmの間
隔を隔てて図2に示すようにスクリーン印刷法により9
本形成した。なお、この銀ペースト層8については、後
述の集電極7の形成に際して乾燥されるため、銀ペース
トを塗布した後に加熱処理は行わなかった。従って、銀
ペースト層8の形成に際し、太陽電池が熱により劣化し
難いことがわかる。
【0047】次に、太陽電池全体をフラックスとしての
グリセリン中に浸漬し、引き上げた。しかる後、外側表
面に半田層が形成された上記線材連結体12を太陽電池
1の1cm上方に、各線材9が上記銀ペースト層8上に
位置するように配置し、通電加熱した。通電加熱は、線
材連結体12に5Vの電圧を印加することにより行っ
た。複数本の線材9全体で15〜20A程度の直流電流
が流れた段階で半田層11が溶融した。
グリセリン中に浸漬し、引き上げた。しかる後、外側表
面に半田層が形成された上記線材連結体12を太陽電池
1の1cm上方に、各線材9が上記銀ペースト層8上に
位置するように配置し、通電加熱した。通電加熱は、線
材連結体12に5Vの電圧を印加することにより行っ
た。複数本の線材9全体で15〜20A程度の直流電流
が流れた段階で半田層11が溶融した。
【0048】そこで、半田が溶融したことを確かめて、
太陽電池1の上記銀ペースト層8の表面に半田層11を
近付け、溶融半田を銀ペースト層8に当接させた後、線
材連結体12を徐々に太陽電池1から遠ざけた。この操
作により、溶融状態にある半田が、線材9から銀ペース
ト層8に移り、銀ペースト層8上に移された半田が固化
し、集電極7が形成された。
太陽電池1の上記銀ペースト層8の表面に半田層11を
近付け、溶融半田を銀ペースト層8に当接させた後、線
材連結体12を徐々に太陽電池1から遠ざけた。この操
作により、溶融状態にある半田が、線材9から銀ペース
ト層8に移り、銀ペースト層8上に移された半田が固化
し、集電極7が形成された。
【0049】上記のようにして形成された集電極7の幅
及び高さを測定したところ、幅=0.5mm、高さ=
0.1mmであった。また、各銀ペースト層8における
半田の付着具合の差はほとんど見られず、複数本の銀ペ
ースト層8上においてほぼ同様の集電極7が形成されて
いることが確かめられた。
及び高さを測定したところ、幅=0.5mm、高さ=
0.1mmであった。また、各銀ペースト層8における
半田の付着具合の差はほとんど見られず、複数本の銀ペ
ースト層8上においてほぼ同様の集電極7が形成されて
いることが確かめられた。
【0050】上記のようにして形成した集電極7の抵抗
値は〜0.05Ωであった。従って、該抵抗値が太陽電
池が発生する電流に対して十分小さいので、集電極7
は、良好な集電極として機能し得ると考えられる。
値は〜0.05Ωであった。従って、該抵抗値が太陽電
池が発生する電流に対して十分小さいので、集電極7
は、良好な集電極として機能し得ると考えられる。
【0051】さらに、比較のために、上記集電極7が形
成される前の10cm×10cmのセルサイズの太陽電
池(比較セル)の本来の特性と、本実施例により集電極
7を形成した太陽電池の特性を測定したところ、下記の
表3に示す結果が得られた。
成される前の10cm×10cmのセルサイズの太陽電
池(比較セル)の本来の特性と、本実施例により集電極
7を形成した太陽電池の特性を測定したところ、下記の
表3に示す結果が得られた。
【0052】
【表3】
【0053】なお、表3及び後述の表4におけるVoc
は開放電圧、Iscは短絡電流、F.F.は曲線因子、
Eff.は変換効率を示す。表3から明らかなように、
本実施例で形成された集電極7は、十分に電気的抵抗が
小さく、また集電極の形成を短時間で行い得るので、素
子の熱劣化も低減することができるため、本実施例セル
の方が高い変換効率を有している。
は開放電圧、Iscは短絡電流、F.F.は曲線因子、
Eff.は変換効率を示す。表3から明らかなように、
本実施例で形成された集電極7は、十分に電気的抵抗が
小さく、また集電極の形成を短時間で行い得るので、素
子の熱劣化も低減することができるため、本実施例セル
の方が高い変換効率を有している。
【0054】実施例2 本実施例では、図6に示した外部ヒータ17を用いて溶
融半田を素子表面に移し、集電極7を形成した。すなわ
ち、鉄からなる直径0.5mmの線材15の外表面に、
半田層16を形成した。この半田層16の形成は、実施
例1と同様にして行った。もっとも、線材15は通電加
熱されるものではないため、絶縁体層を線材15に設け
る必要はない。従って、絶縁体層と半田層との間に銀ペ
ーストを塗布して半田に対する濡れ性を高める必要がな
いため、線材15の外表面に半田層16が直接形成され
ている。
融半田を素子表面に移し、集電極7を形成した。すなわ
ち、鉄からなる直径0.5mmの線材15の外表面に、
半田層16を形成した。この半田層16の形成は、実施
例1と同様にして行った。もっとも、線材15は通電加
熱されるものではないため、絶縁体層を線材15に設け
る必要はない。従って、絶縁体層と半田層との間に銀ペ
ーストを塗布して半田に対する濡れ性を高める必要がな
いため、線材15の外表面に半田層16が直接形成され
ている。
【0055】なお、図6では、1本の線材15を示して
いるが、本実施例においても、複数本の線材15を図5
に示したように連結してなる線材連結体12として、太
陽電池の素子表面に適用した。
いるが、本実施例においても、複数本の線材15を図5
に示したように連結してなる線材連結体12として、太
陽電池の素子表面に適用した。
【0056】使用した太陽電池、半田及び太陽電池の素
子表面に設けられた銀ペースト層は実施例1と同様とし
た。また、線材15の表面に、半田層16を形成するに
際しては、210℃に加熱されて溶融されている半田中
に線材15を1秒浸漬した後、引き上げることにより行
った。
子表面に設けられた銀ペースト層は実施例1と同様とし
た。また、線材15の表面に、半田層16を形成するに
際しては、210℃に加熱されて溶融されている半田中
に線材15を1秒浸漬した後、引き上げることにより行
った。
【0057】集電極の形成にあたっては、上記半田層1
6が形成された複数本の線材15を有する線材連結体
を、太陽電池1の素子表面の上方約1cm程度まで近接
させた状態で、ヒータ17に通電し、加熱した。ヒータ
17の温度が約240℃程度となった段階で、半田層1
6が溶融し始めた。次に、溶融した半田が太陽電池1の
素子表面上の銀ペースト層8に接するまで近付け、しか
る後、銀ペースト層8上に溶融半田を付着させた後に線
材連結体を太陽電池1から遠ざけた。その結果、実施例
1と同様に、幅0.5mm及び高さ0.1mmの半田か
らなる集電極7が形成された。この方法で形成された1
0cm角の太陽電池の特性を下記の表4に示す。
6が形成された複数本の線材15を有する線材連結体
を、太陽電池1の素子表面の上方約1cm程度まで近接
させた状態で、ヒータ17に通電し、加熱した。ヒータ
17の温度が約240℃程度となった段階で、半田層1
6が溶融し始めた。次に、溶融した半田が太陽電池1の
素子表面上の銀ペースト層8に接するまで近付け、しか
る後、銀ペースト層8上に溶融半田を付着させた後に線
材連結体を太陽電池1から遠ざけた。その結果、実施例
1と同様に、幅0.5mm及び高さ0.1mmの半田か
らなる集電極7が形成された。この方法で形成された1
0cm角の太陽電池の特性を下記の表4に示す。
【0058】なお、表4においても、比較のために、集
電極が形成されていない上記太陽電池の本来のセル特性
を併せて示す。
電極が形成されていない上記太陽電池の本来のセル特性
を併せて示す。
【0059】
【表4】
【0060】表4から、前述の実施例1の場合と同様
に、本実施例セルの方が高い変換効率を有していること
がわかる。なお、本発明において、導電性材料層を形成
するにあたっては、上記実施例1,2のように、溶融状
態にある導電性材料に線材を浸漬する方法の他、金属や
合金からなる導電性材料層を形成する場合には溶射法を
用いてもよい。
に、本実施例セルの方が高い変換効率を有していること
がわかる。なお、本発明において、導電性材料層を形成
するにあたっては、上記実施例1,2のように、溶融状
態にある導電性材料に線材を浸漬する方法の他、金属や
合金からなる導電性材料層を形成する場合には溶射法を
用いてもよい。
【0061】溶射法を用いた場合には、上記半田層1
1,16の形成は、約5秒程度で行うことができ、従っ
て、半田層11,16の形成を能率良く行い得る。な
お、溶射法を用いて半田層11を形成したことを除いて
は、実施例1と同様にして集電極7を形成したところ、
得られた太陽電池の特性については、実施例1で得られ
た太陽電池とほとんど変わらず、従って電気抵抗が低い
集電極が確実に形成されることが確かめられた。
1,16の形成は、約5秒程度で行うことができ、従っ
て、半田層11,16の形成を能率良く行い得る。な
お、溶射法を用いて半田層11を形成したことを除いて
は、実施例1と同様にして集電極7を形成したところ、
得られた太陽電池の特性については、実施例1で得られ
た太陽電池とほとんど変わらず、従って電気抵抗が低い
集電極が確実に形成されることが確かめられた。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明の集電極形成方法
では、溶融状態にある導電性材料が表面に付着している
線材の該溶融状態にある導電性材料を素子表面に当接さ
せた後に、線材を素子表面から遠ざけることにより、素
子表面に導電性材料が移されて集電極が形成される。
では、溶融状態にある導電性材料が表面に付着している
線材の該溶融状態にある導電性材料を素子表面に当接さ
せた後に、線材を素子表面から遠ざけることにより、素
子表面に導電性材料が移されて集電極が形成される。
【0063】従来の蒸着法などの真空プロセスを用いた
集電極形成方法では、大掛りな真空装置を必要とし、か
つ時間が長かったのに対し、本発明では上記のように溶
融状態にある導電性材料を線材を利用して素子表面に移
すことにより集電極を形成しているため、そのような大
掛りな装置を必要とせずにかつ比較的短時間で効率良く
集電極を形成することができる。しかも、導電性材料を
溶融するために加熱すればよいだけであるため、従来の
ワイヤーを素子表面に直接接合する方法に比べて、加熱
時間を短縮することができる。よって、集電極形成に際
しての加熱により、太陽電池などの素子の熱劣化が生じ
るおそれも少ない。
集電極形成方法では、大掛りな真空装置を必要とし、か
つ時間が長かったのに対し、本発明では上記のように溶
融状態にある導電性材料を線材を利用して素子表面に移
すことにより集電極を形成しているため、そのような大
掛りな装置を必要とせずにかつ比較的短時間で効率良く
集電極を形成することができる。しかも、導電性材料を
溶融するために加熱すればよいだけであるため、従来の
ワイヤーを素子表面に直接接合する方法に比べて、加熱
時間を短縮することができる。よって、集電極形成に際
しての加熱により、太陽電池などの素子の熱劣化が生じ
るおそれも少ない。
【0064】特に、本発明において、導電性材料を溶融
させた後に素子表面に付着させる場合には、素子の加熱
される時間をより効果的に短縮し得るため、素子の熱劣
化をより一層効果的に防止することができる。
させた後に素子表面に付着させる場合には、素子の加熱
される時間をより効果的に短縮し得るため、素子の熱劣
化をより一層効果的に防止することができる。
【0065】さらに、従来の半田ディップ法により集電
極を形成した場合には、太陽電池などの素子表面の集電
極が形成されるべき部分以外に半田が付着したりするお
それがあったが、本発明では、上記線材から素子表面の
集電極形成が予定されている領域に溶融状態にある導電
性材料を移すだけで集電極が形成されるため、必要でな
い部分に半田などの導電性材料が付着するおそれもな
い。
極を形成した場合には、太陽電池などの素子表面の集電
極が形成されるべき部分以外に半田が付着したりするお
それがあったが、本発明では、上記線材から素子表面の
集電極形成が予定されている領域に溶融状態にある導電
性材料を移すだけで集電極が形成されるため、必要でな
い部分に半田などの導電性材料が付着するおそれもな
い。
【0066】よって、本発明によれば、電気抵抗が小さ
い良好な集電極を短時間にかつ大掛りな装置を必要とせ
ず形成することができ、しかも素子の熱劣化を効果的に
防止することができる。
い良好な集電極を短時間にかつ大掛りな装置を必要とせ
ず形成することができ、しかも素子の熱劣化を効果的に
防止することができる。
【0067】加えて、複数の線材が連結された線材連結
体を用いた場合には、複数本の集電極を一度の工程で形
成することができ、従って、様々なパターンの集電極を
効率良く形成することができる。さらに、太陽電池など
の素子の大きさや形状に関係なく、すなわち例えば曲面
状の表面を有する素子であっても、1回の工程で全ての
集電極を形成することもできる。
体を用いた場合には、複数本の集電極を一度の工程で形
成することができ、従って、様々なパターンの集電極を
効率良く形成することができる。さらに、太陽電池など
の素子の大きさや形状に関係なく、すなわち例えば曲面
状の表面を有する素子であっても、1回の工程で全ての
集電極を形成することもできる。
【0068】また、線材の径、導電性材料を線材の表面
に付着させる工程の時間を調整することにより、線材の
表面に形成される導電性材料の量を容易に調整すること
ができるため、目的とする厚みの集電極を容易に形成す
ることもできる。
に付着させる工程の時間を調整することにより、線材の
表面に形成される導電性材料の量を容易に調整すること
ができるため、目的とする厚みの集電極を容易に形成す
ることもできる。
【図1】本発明の方法に従って集電極が形成された太陽
電池の略図的断面図。
電池の略図的断面図。
【図2】図1に示した太陽電池表面に形成されている銀
ペースト層の平面形状を説明するための平面図。
ペースト層の平面形状を説明するための平面図。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ、表面に絶縁体
層及び半田層が形成された線材を説明するための部分切
欠斜視図及び断面図。
層及び半田層が形成された線材を説明するための部分切
欠斜視図及び断面図。
【図4】(a)〜(c)は、それぞれ、本発明におい
て、線材から太陽電池表面の銀ペースト層上に溶融半田
を付着させる工程を説明するための各断面図。
て、線材から太陽電池表面の銀ペースト層上に溶融半田
を付着させる工程を説明するための各断面図。
【図5】線材連結体を説明するための斜視図。
【図6】実施例2で用いられている外部ヒータを利用し
た半田溶融方法を説明するための部分切欠斜視図。
た半田溶融方法を説明するための部分切欠斜視図。
1…太陽電池(素子) 2…基板 6…透明電極 7…集電極 8…銀ペースト層 9…線材 9a…ヒータ線 9b…絶縁体層 10…銀ペースト層 11…半田層 12…線材連結体 15…線材 16…半田層 17…ヒータ
Claims (4)
- 【請求項1】 素子表面に集電極を形成するための方法
であって、 線材表面に付着している溶融状態にある導電性材料を、
素子の表面に当接させた後、線材を素子表面から遠ざけ
ることにより、素子表面に導電性材料を付着させる工程
と、 前記導電性材料を固化して集電極とする工程とを備える
ことを特徴とする、集電極形成方法。 - 【請求項2】 複数本の線材が所定距離を隔てて配置さ
れており、かつ相互に固定された線材連結体を用い、複
数本の線材に応じて複数本の集電極を形成することを特
徴とする、請求項1に記載の集電極形成方法。 - 【請求項3】 前記線材が、線状のヒータ線と、前記ヒ
ータ線の外表面に設けられた絶縁体層とを備える、請求
項1または2に記載の集電極形成方法。 - 【請求項4】 前記溶融状態にある導電性材料を線材表
面に設ける工程が、導電性材料が表面に付着している線
材を用意し、該導電性材料を加熱して溶融することによ
り行われる、請求項1〜3の何れかに記載の集電極形成
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8019697A JP2948142B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 集電極形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8019697A JP2948142B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 集電極形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09213975A true JPH09213975A (ja) | 1997-08-15 |
JP2948142B2 JP2948142B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12006464
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8019697A Expired - Fee Related JP2948142B2 (ja) | 1996-02-06 | 1996-02-06 | 集電極形成方法 |
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JP (1) | JP2948142B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011129641A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 配線形成方法および配線形成装置 |
CN103746012A (zh) * | 2014-01-02 | 2014-04-23 | 杭州塞利仕科技有限公司 | 一种太阳能电池正面电极的制作工艺 |
JP2015109245A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 東芝ライテック株式会社 | ヒータおよび画像形成装置 |
CN104752533A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-07-01 | 苏州润阳光伏科技有限公司 | 太阳能电池的栅线结构 |
KR101692167B1 (ko) * | 2015-12-01 | 2017-01-03 | 엘에스전선 주식회사 | 태양전지 모듈용 환형 와이어 |
-
1996
- 1996-02-06 JP JP8019697A patent/JP2948142B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|---|---|---|
JP2011129641A (ja) * | 2009-12-16 | 2011-06-30 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 配線形成方法および配線形成装置 |
JP2015109245A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 東芝ライテック株式会社 | ヒータおよび画像形成装置 |
CN103746012A (zh) * | 2014-01-02 | 2014-04-23 | 杭州塞利仕科技有限公司 | 一种太阳能电池正面电极的制作工艺 |
CN104752533A (zh) * | 2014-12-31 | 2015-07-01 | 苏州润阳光伏科技有限公司 | 太阳能电池的栅线结构 |
KR101692167B1 (ko) * | 2015-12-01 | 2017-01-03 | 엘에스전선 주식회사 | 태양전지 모듈용 환형 와이어 |
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---|---|
JP2948142B2 (ja) | 1999-09-13 |
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